JP2023009412A - 電気泳動装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の分析低能の低下を抑制する。【解決手段】電気泳動装置300は、希釈ユニット510と、電気泳動ユニット520と、制御装置70とを備える。希釈ユニット510は、希釈水を用いて試料を希釈する。電気泳動ユニット520は、希釈ユニットにより希釈された試料を電気泳動させることにより分析する。制御装置70は、記希釈ユニットと前記電気泳動ユニットとを制御する。【選択図】図10

Description

本開示は、電気泳動装置および方法に関する。
たとえば、特許文献1には、電気泳動装置が提案されている。電気泳動装置は、マイクロチップまたはキャピラリなどのデバイスを用いて、電気泳動法により試料の分離を行なうことにより、試料を分析する。
特開2020-128904号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電気泳動装置において、試料の濃度が過度に高い場合には、試料の分析性能が低下するという問題が生じ得る。
本開示の目的は、試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の分析低能の低下を抑制する技術を提供することである。
本開示の電気泳動装置は、希釈ユニットと、電気泳動ユニットと、制御装置とを備える。希釈ユニットは、希釈水を用いて試料を希釈する。電気泳動ユニットは、希釈ユニットにより希釈された試料を電気泳動させることにより分析する。制御装置は、希釈ユニットと電気泳動ユニットとを制御する。
本開示の方法は、電気泳動装置を用いた方法である。この方法は、希釈水を用いて試料を希釈することと、希釈ユニットにより希釈された試料を電気泳動させることにより分析することとを備える。
本開示の技術によれば、希釈ユニットが試料を希釈した後に、電気泳動ユニットが希釈された試料を電気泳動させることにより分析する。したがって、試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の分析低能の低下を抑制することができる。
電気泳動システムの構成例を示す図である。 電気泳動装置の全体構成のブロック図である。 電気泳動装置の一部の構成を概略的に示す図である。 マイクロチップの一例を示す図である。 マイクロチップの一例を示す図である。 加圧吸引部の空気供給口および吸引ノズルとマイクロチップとの接続状態を概略的に示す図である。 プレートの構成例を示す図である。 試料の希釈の具体的な流れを示した図である。 ディスプレイに表示される表示画面の一例である。 制御装置70の機能ブロック図である。 試料の濃度が正常範囲に属している場合の分析結果の一例を示す図である。 試料の濃度が正常範囲を越えている場合の分析結果の一例を示す図である。 電気泳動装置の処理を示すフローチャートである。 電気泳動装置の処理を示すフローチャートである。 電気泳動装置の処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[電気泳動システム]
図1は、電気泳動装置300の構成例を示す図である。図1を参照して、電気泳動装置300は、分析装置150と、制御装置70とを備える。分析装置150は、本体部100と、カバー102とを有する。カバー102は、ユーザ等により、本体部100の開口100Xを開放および閉塞する。また、分析装置150が、カバー102を駆動するようにしてもよい。ユーザは、カバー102を開放した状態で、本体部100に試料および分離バッファ等を分析装置150にセット可能である。
本体部100には、引出部103が設置されている。引出部103にはプレート12が載置されている。分析対象の試料が、プレート12に配置される。引出部103は、ユーザにより本体部100から引き出し可能であり、かつユーザにより本体部100に収納可能である。引出部103に載置されたプレート12は、ユーザにより試料が配置可能となる位置まで、引き出し可能である。また、開口100Xが開放されている状態、および開口100Xが閉塞されている状態のいずれであるかに関わらず、引出部103は、ユーザにより引き出し可能である。したがって、プレート12は、ユーザにより試料等が配置可能となる位置まで、カバー102が閉じた状態でスライド可能である。よって、ユーザの利便性を向上させることができる。分析装置150は、制御装置70が接続されている。制御装置70は、例えば、PC(personal computer)である。
[電気泳動装置の全体構成]
図2は、本発明の実施の形態に係るマイクロチップ電気泳動装置の全体構成を概略的に示す図である。図3は、図2に示した電気泳動装置300の要部の構成を概略的に示す図である。図2を参照して、分析装置150は、分注部2と、シリンジポンプ4と、加圧吸引部16と、ポンプ部23と、電源部26と、測定部31と、コントローラ38とを備える。分析装置150は、制御装置70と通信可能となるように接続される。なお、電源部26は、後述のように、電源部26-1~26-4とも表現される。
図3を参照して、分析装置150は、複数(例えば4個)のマイクロチップ5-1~5-4と、保持部7と、プレート12とをさらに備える。
マイクロチップ5-1~5-4の各々は、1つの試料を処理するための1つの電気泳動流路が形成されたものである。試料は、例えば、タンパク、糖鎖、核酸(たとえば、RNA(ribonucleic acid)、DNA(Deoxyribonucleic Acid)など)である。本実施の形態においては、電気泳動装置300は、試料の濃度を検出できるとともに、試料の濃度とは異なるパラメータを検出できる。試料の濃度とは異なるパラメータとは、たとえば、RNAまたはDNAのフラグメントのサイズである。
分析操作中、マイクロチップ5-1~5-4は保持部7に保持されている。以下、マイクロチップ5-1~5-4を総称して「マイクロチップ5」という場合がある。また、マイクロチップ5は洗浄されることにより繰り返し使用できる構成が採用されてもよい。なお、マイクロチップ5は、一度使用される廃棄されるディスポーサブルタイプとしてもよい。
分注部2は、マイクロチップ5-1~5-4に分離バッファと試料とを分注するように構成される。分離バッファは「分離媒体」としても使用されるものであり、例えばpH緩衝剤および水溶性高分子(セルロース系高分子など)の少なくとも一方を含む。分注部2は、分注すべき液の吸入位置とマイクロチップ5上の分注位置との間で分注プローブ8を移動させる「移動ユニット」を構成する。具体的には、分注部2は、分注プローブ8と、シリンジポンプ4と、洗浄水を収容する貯蔵容器10と、三方電磁弁6とを有する。
分注プローブ8は、分注ノズルを有する。シリンジポンプ4は、主に、分離バッファ、試料、洗浄水の吸引および吐出を行なう。分注プローブ8と少なくとも1つの貯蔵容器10とは三方電磁弁6を介してシリンジポンプ4に接続されている。
プレート12には、複数個(本実施の形態では、96個)のウェル12W(収容部)が形成されている。試料は、ウェル12Wに収容されて、分注部2によりマイクロチップ5-1~5-4に分注される。分離バッファは図示しない容器に収容され、分注部2によりマイクロチップ5-1~5-4に分注される。
加圧吸引部16は、マイクロチップ5の電気泳動流路に分離バッファを加圧充填する「充填ユニット」を構成する。ポンプ部23は、マイクロチップ5-1~5-4のリザーバから液体を吸引する吸引ユニットを構成する。なお、本実施の形態では、複数のユニットが開示されるが、該複数のユニットのうちの1のユニットを構成する構成部と、他のユニットを構成する構成部とは少なくとも1つが重複する場合がある。加圧吸引部16は、電気泳動流路の1つのリザーバに一定量の分離バッファを注入し、その注入された分離バッファをそのリザーバから空気圧により電気泳動流路に充填する。加圧吸引部16は、空気供給口18および吸引ノズル22を有する。ポンプ部23は、他のリザーバに溢れた不用な分離バッファを排出する。加圧吸引部16およびポンプ部23は、4つのマイクロチップ5-1~5-4について共通に備えられる。
分注部2は、三方電磁弁6を分注プローブ8とシリンジポンプ4とが接続される方向に接続することにより、分離バッファまたは試料を分注プローブ8に吸引する。分注部2は、分注プローブ8をマイクロチップ5-1~5-4上へ移動させると、シリンジポンプ4によりマイクロチップ5-1~5-4のいずれかの電気泳動流路のリザーバに分離バッファまたは試料を吐出する。
貯蔵容器10に収容されている洗浄水は、たとえば、水(たとえば、蒸留水)である。洗浄水は、典型的には、マイクロチップ5および分注プローブ8を洗浄するために用いられる。また、後述するように、洗浄水は、試料を希釈するための希釈水としても用いられる。
次に、分注プローブ8の洗浄を説明する。洗浄部14には洗浄液が溢れている。分析装置150は、分注プローブ8を洗浄するときには、三方電磁弁6を、シリンジポンプ4と貯蔵容器10とを接続する状態に切り替え、シリンジポンプ4に洗浄液を吸引する。そして、分析装置150は、分注プローブ8を洗浄部14の洗浄液に浸し、三方電磁弁6をシリンジポンプ4と分注プローブ8を接続する側に切り替えて分注プローブ8の内部から洗浄液を洗浄部14に吐出する。この動作により、分注プローブ8の洗浄が行われる。なお、分注プローブ8の内部から洗浄液の吐出先は、洗浄部14に限られず、他の個所としてもよい。本実施の形態では、洗浄ユニット530(図11参照)は、洗浄部14と、シリンジポンプ4と、三方電磁弁6と、貯蔵容器10とを有する。
次に、マイクロチップ5-1~5-4の電気泳動流路の洗浄を説明する。分析装置150は、マイクロチップ5-1~5-4の電気泳動流路を洗浄水で洗浄するときには、分注部2は、三方電磁弁6を、シリンジポンプ4と貯蔵容器10とを接続する状態に切り替え、シリンジポンプ4に洗浄水を吸引する。分析装置150は、三方電磁弁6をシリンジポンプ4と分注プローブ8とを接続する状態に切り替える。そして、分析装置150は、分注プローブ8をマイクロチップ5-1~5-4のリザーバへ移動させ、所定量の洗浄水をそのリザーバへ分注する。
リザーバに分注された洗浄水は、加圧吸引部16の空気供給口18から空気を吹き込んで電気泳動流路に押し込むとともに、他のリザーバから溢れる洗浄水を吸引ノズル22からポンプ部により吸引して外部へ排出する。また、電気泳動装置300は、洗浄水とは異なる洗浄液を用いて、電気泳動流路を洗浄するようにしてもよい。
また、分析装置150が電気泳動流路に分離バッファを充填するとき、加圧吸引部16は、マイクロチップ5-1~5-4上へ移動し、マイクロチップ5-1~5-4の電気泳動流路の一端のリザーバ(分離バッファが分注されたリザーバ)上に空気供給口18を気密に保って押し付けるとともに、他のリザーバに吸引ノズル22を挿入する。この状態で、空気供給口18から空気を吹き込んで分離バッファを電気泳動流路に押し込むとともに、他のリザーバから溢れた分離バッファを吸引ノズル22からポンプ部23により吸引して外部へ排出する。
電源部26-1~26-4は、マイクロチップ5-1~5-4の電気泳動流路に独立して電気泳動用の電圧を印加するために、複数(例えば4個)設けられている。試料および分離バッファが充填されたマイクロチップ5に対して、電圧が印可されることにより、試料に含まれる各物質が時間的に分離する。これにより、電気泳動装置300は、分析対象の物質を分析することができる。
測定部31は、マイクロチップ5-1~5-4の各々の分離流路55で電気泳動分離された試料成分を検出するように構成される。具体的には、測定部31は、複数(例えば4個)のLED(Liquid Emitting Diode)30-1~30-4と、複数(例えば4個)の光ファイバ32-1~32-4と、複数(例えば4個)のフィルタ34-1~34-4と、光電子増倍管36とを有する。
LED30-1~30-4は、それぞれ、マイクロチップ5-1~5-4の電気泳動流路の一部に励起光を照射する。光ファイバ32-1~32-4は、電気泳動流路を移動する試料成分がLED30-1~30-4からの励起光によりそれぞれ励起されて発生した蛍光を受光する。フィルタ34-1~34-4は、光ファイバ32-1~32-4からの蛍光から励起光成分を除去し、蛍光成分のみを透過させる。光電子増倍管36は、フィルタ34-1~34-4を透過した蛍光成分を受光する。光電子増倍管36は、該受光の量に応じた分析信号を制御装置70に出力する。制御装置70は、該分析信号の強度に基づいた分析結果を導出し、分析結果をディスプレイ80に表示させる。
本実施の形態では、電気泳動ユニット520は、マイクロチップ5-1~5-4と、電源部26-1~26-4と、LED30-1~30-4と、光ファイバ32-1~32-4と、フィルタ34-1~34-4と、光電子増倍管36とを有する。このような構成の電気泳動ユニット520は、試料を電気泳動させることにより分析できる。
本実施の形態では、マイクロチップ5-1~5-4に対してそれぞれ独立した測定部31を有するため、試料注入まで逐次並行処理した複数のマイクロチップからの蛍光を併せて検出できる。
LED30-1~30-4を互いに時間をずらして発光させることにより、1つの光電子増倍管36で複数のマイクロチップ5-1~5-4からの蛍光を識別して検出できる。なお、励起光の光源としては、LEDに限定されず、他の光源(たとえば、LD(Laser Diode)を用いてもよい。
コントローラ38は、1つの電気泳動流路への分離バッファ充填および試料注入が終了すると、次の電気泳動流路への分離バッファ充填および試料注入に移行するように、分注部2の動作を制御する。コントローラ38は、試料注入が終了した電気泳動流路で泳動電圧を印加して電気泳動を起こさせるように電源部26-1~26-4の動作を制御する。コントローラ38は、測定部31による検出動作を制御する。コントローラ38はさらに、マイクロチップ5を繰り返して使用するために、前の試料の分析が終了した電気泳動流路への分離バッファを充填する前にその電気泳動流路を洗浄する。また、分注部2と、プレート12とにより後述の希釈ユニット510が構成される。
コントローラ38は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)60と、プログラムおよびデータを格納する記憶部と、通信I/F(Interface)68とを有する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。
記憶部は、ROM(Read Only Memory)162、RAM(Random Access Memory)164、およびHDD(Hard Disk Drive)166を含む。ROM162は、CPU160にて実行されるプログラムを格納できる。RAM164は、CPU160におけるプログラムの実行により生成されるデータ、および通信I/F168を経由して入力されたデータを一時的に格納することができ、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能できる。HDD166は、不揮発性の記憶装置であり、測定部31による検出結果など電気泳動装置300で生成された情報を格納できる。あるいは、HDD166に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
通信I/F168は、制御装置70を含む外部機器と通信するためのインターフェイスである。通信I/F168は、アダプタまたはコネクタなどによって実現される。なお、通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)または無線LAN(Local Area Network)などの無線通信であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信であってもよい。
制御装置70は、分析装置150と通信接続され、分析装置150との間でデータをやり取りする。制御装置70は、分析装置150の動作を制御するとともに、測定部31が取得したデータを取り込んで処理するように構成される。
具体的には、制御装置70は、演算処理部であるCPU72を主体として構成される。制御装置70には、例えばパーソナルコンピュータなどを利用できる。制御装置70は、CPU72と、記憶部(ROM96、RAM94およびHDD78)と、通信I/F84と、入力部82と、ディスプレイ80とを有する。
ROM96は、CPU72にて実行されるプログラムを格納できる。RAM94は、CPU72におけるプログラムの実行により生成されるデータおよび、通信I/F84または入力部82を介して入力されたデータを一時的に格納することができる。また、RAM94は、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能される。HDD78は、不揮発性の記憶装置であり、制御装置70で生成された情報を格納できる。あるいは、HDD78に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
通信I/F84は、制御装置70が分析装置150を含む外部機器と通信するためのインターフェイスである。ディスプレイ80は、分析結果を示す画面、モード設定画面(後述の図8参照)など、様々な画面を表示する。入力部82は、測定者からの電気泳動装置300に対する指示を含む入力操作を受け付ける。入力部82は、たとえば、キーボード、マウスなどにより構成される。また、入力部82とディスプレイ80とが一体化することによりタッチパネルが構成されてもよい。
[マイクロチップ5の構成例]
図4および図5は、マイクロチップ5の一例を示す図である。本願開示において、「マイクロチップ」は基板内に電気泳動流路が形成された電気泳動用のデバイスを意味しており、必ずしもサイズの小さいものに限定されない。
図4(A)はマイクロチップ5が有する透明基板51の平面図であり、図4(B)はマイクロチップ5が有する透明基板52の平面図であり、図4(C)はマイクロチップ5の正面図である。
図4(C)を参照して、マイクロチップ5は、一対の透明基板51,52を有する。透明基板51,52は、例えば石英ガラスその他のガラス基板または樹脂基板である。透明基板51と透明基板52とは重ねられて接合されている。
図4(B)に示すように、透明基板52の表面には、互いに交差する泳動用キャピラリ溝が形成されている。泳動用キャピラリ溝としての分離流路55は、試料の電気泳動分離用の流路である。泳動用キャピラリ溝としての試料導入流路54は、分離流路55に試料を導入するための流路である。試料導入流路54および分離流路55は「電気泳動流路」を構成する。試料導入流路54および分離流路55は交差位置56で交差する。
図4(A)に示すように、透明基板51には、試料導入流路54,55の端部に対応する位置に4つの貫通孔が形成されている。4つの貫通孔はリザーバ53-1~54-4をそれぞれ構成する。以下、リザーバ53-1~53-4を総称してリザーバ53という場合がある。
マイクロチップ5は基本的には図4に示した構成を有するが、取り扱いを容易にするために、図5に示すように、マイクロチップ5上には、泳動電圧を印加するための電極端子を形成できる。図5は、マイクロチップ5の平面図である。
図5を参照して、4つのリザーバ53-1~53-4は試料導入流路54および分離流路55に電圧を印加するためのポートを構成する。ポート#1(リザーバ53-1)とポート#2(リザーバ53-2)とは試料導入流路54の両端に位置する。ポート#3(リザーバ53-3)とポート#4(リザーバ53-4)とは分離流路55の両端に位置する。ポート#1~#4のそれぞれに電圧を印加するために、マイクロチップ5(透明基板51)の表面に4つの電極パターン61~64が形成されている。電極パターン61~64は、対応するポートからマイクロチップ5の測端部に延びるように形成されており、電源部26-1~26-4(図3参照)にそれぞれ接続される。
また、分離バッファがマイクロチップ5に充填された後には、分注プローブ8がリザーバ53-1に対して試料を供給する。なお、リザーバ53-1が、本開示の「所定位置」に対応する。所定位置は、電気泳動ユニットが試料の分析を開始するための該試料が供給される分析開始位置である。
図6は、加圧吸引部16の空気供給口18および吸引ノズル22とマイクロチップ5との接続状態を概略的に示す図である。
図6を参照して、空気供給口18の先端にはOリング20が設けられている。空気供給口18をマイクロチップ5の1つのリザーバ53上に押し当てることにより、気密を保ちながら、マイクロチップ5の電気泳動流路54,55に対して空気供給口18を取り付けることができる。これにより、空気供給口18から空気を加圧して電気泳動流路54,55内に送り出すことができる。他のリザーバ53には吸引ノズル22が挿入され、電気泳動流路54,55から溢れだした不用な分離バッファ、洗浄水などを吸入して排出する。
[希釈ユニットについて]
従来の電気泳動装置において、試料の濃度が過度に高い場合には、以下の理由(第1~第4の理由)により分析性能が低下するという問題が生じ得る。ここで、試料の濃度とは、たとえば、試料に含まれる分析対象成分の量が、該試料の全体量で除算された値である。
第1の理由については、試料の濃度が過度に高い場合には、マイクロチップ5において電圧が印可されたとしても、マイクロチップ5内において、試料に含まれる各物質を分離することができない。この場合には、電気泳動装置は、分析対象の物質を分析できないことから、分析対象の物質の分析性能が低下する。
第2の理由については、試料の濃度が過度に高い場合には、マイクロチップ5の表面が劣化する場合がある。この場合には、マイクロチップ5において、試料が適切に電気泳動しない。この場合にも、電気泳動装置は、分析対象の物質を分析できないことから、分析対象の物質の分析性能が低下する。
第3の理由については、マイクロチップ5の表面が劣化した場合には、電源部26-1~26-4により電圧が印可されたとしても、想定の電流値とは異なる値の電流がマイクロチップ5に流れてしまう場合がある。この場合にも、電気泳動装置は、分析対象の物質を分析できないことから、分析対象の物質の分析性能が低下する。
第4の理由については、本実施の形態の電気泳動装置300においては、試料の濃度の正常範囲が定められている。試料の濃度が過度に高い場合には、該試料の濃度が正常範囲を越える場合がある。この場合にも、電気泳動装置は、分析対象の物質を分析できないことから、分析対象の物質の分析性能が低下する。
以上のように、試料の濃度が過度に高い場合には、電気泳動装置の分析性能が低下するという問題が生じ得る。そこで、本実施の形態の電気泳動装置300は、希釈ユニット510を備える。希釈ユニット510は、希釈水を用いて試料を希釈する。そして、電気泳動ユニットは、希釈後試料を電気泳動させることにより分析する。したがって、試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の濃度を低下させることができる。よって、試料の分析性能の低下を抑制できる。
[プレートの構成]
図7は、プレート12の構成例を示す図である。上述のように、プレート12には、96個のウェル12Wが収容されている。以下では、希釈ユニット510により希釈される前の試料は、「希釈前試料」とも称される。また、希釈ユニット510により希釈された後の試料は、「希釈後試料」とも称される。該96個のウェル12Wのうちの一部のウェル12W(たとえば、1個のウェル12W)に希釈前試料が収容される。また、該96個のウェル12Wのうちの他のウェル12Wを用いて、試料が希釈される。
本実施の形態においては、96個のウェル12Wのうち48個のウェル12Wのいずれかのウェル12Wに希釈前試料が収容される。そして、残りの48個のウェル12Wのいずれかのウェル12Wを用いて試料が希釈される。本実施の形態において、希釈前試料が収容される48個のウェル12Wは、「第1収容部121」と称される。また、試料の希釈のために使用される48個のウェル12Wは、「第2収容部122」と称される。また、48個の第1収容部121は、まとめて「第1収容部群121S」とも称される。また、48個の第2収容部122は、まとめて「第2収容部群122S」と称される。
本実施の形態においては、試料の希釈に用いられる希釈水として、上述の洗浄水が用いられる。つまり、希釈水と、電気泳動装置の洗浄対象部品(分注プローブ8またはマイクロチップ5など)を洗浄するための洗浄水とが兼用される。
[希釈処理]
図8は、希釈ユニット510による試料の希釈の具体的な流れを示した図である。上述したように、希釈ユニット510は、分注部2と、プレート12とにより構成される。つまり、希釈ユニット510は、希釈水を貯蔵する貯蔵容器10と、試料(希釈前試料)を収容する第1収容部121と、分注プローブ8と、第2収容部122とを有する。
また、図1でも説明したように、ユーザは、引出部103を引出した後に、プレート12の第1収容部121(ウェル12W)に試料(希釈前試料)を収容させる。図8(A)は、希釈前試料Sが、第1収容部121に収容されている状態を示す図である。制御装置70が、希釈前試料Sを希釈する場合には、分注プローブ8が、第1収容部121内の希釈前試料Sの一部を吸引し、該一部の希釈前試料Sを第2収容部122内に吐出する。これにより、希釈前試料Sは、第2収容部122内に収容される。
また、本実施の形態においては、第1収容部121に収容される希釈前試料Sの最低量は予め定められている。最低量は、たとえば、9μLである。本実施の形態においては、該一部の希釈前試料Sの量は、該最低量よりも小さい固定値である「a(μL)」とされている。つまり、分注プローブ8は、「a(μL)」の希釈前試料Sを第1収容部121から第2収容部122に移動させる。
図8(B)は、希釈前試料Sが、第2収容部122内に収容されている状態を示す図である。次に、分注プローブ8が、希釈水を貯蔵容器10から吸引し、第2収容部122内に吐出する。これにより、第2収容部122には、希釈前試料Sと希釈水Wとが混在する状態となる。なお、図8(A)および図8(B)の例では、第2収容部122に希釈前試料Sが収容された後に、該第2収容部122に希釈水Wが収容される構成が示された。しかしながら、第2収容部122に希釈水Wが収容された後に、該第2収容部122に希釈前試料Sが収容される構成であってもよい。
図8(C)は、希釈前試料Sと希釈水Wとが混在している状態を示す。図8(C)の状態では、希釈前試料Sが完全に希釈されていない場合がある。そこで、本実施の形態では、分注プローブ8が、第2収容部122内に収容されている希釈前試料Sおよび希釈水Wの吸引および吐出を繰返すことにより、希釈前試料Sおよび希釈水Wを攪拌する。希釈前試料Sおよび希釈水Wに対して吸引力および吐出力が加えられる。これにより、希釈前試料Sおよび希釈水Wは、攪拌される。
図8(D)は、希釈後試料S1(攪拌後の試料)を示す図である。分注プローブ8は、希釈後試料S1を吸引し、該希釈後試料S1を電気泳動ユニット520の分析開始位置(上述のリザーバ53-1)に供給する。そして、電気泳動ユニット520は、該希釈後試料S1を電気泳動させることにより、該希釈後試料S1を分析する。
このように、希釈ユニット510は、希釈水Wを貯蔵する貯蔵容器10と、希釈前試料Sを収容する第1収容部121と、分注プローブ8と、第2収容部122とを有する。さらに、分注プローブ8は、希釈前試料Sを第1収容部121から吸引し、第2収容部122内に吐出する。これとともに、希釈水Wを貯蔵容器10から吸引し、第2収容部122内に吐出する。したがって、分注プローブ8などにより適切に希釈前試料Sを希釈することができる。なお、変形例として、希釈ユニット510は、他の部材で構成されるようにしてもよい。
また、図8(D)に示すように、分注プローブ8は、第2収容部122内に収容されている希釈前試料Sおよび希釈水Wの吸引および吐出を繰返すことにより、該希釈前試料Sおよび該希釈水Wを攪拌する。これにより、電気泳動装置300は、希釈前試料Sが完全に希釈されていない場合であっても、希釈前試料Sを適切に希釈できる。なお、変形例として、希釈前試料Sおよび該希釈水Wを攪拌する攪拌ユニットは、他の部材で構成されるようにしてもよい。
また、図8(A)および図8(B)に示すように、分注プローブ8は、第1収容部121に収容されている試料のうちの一部の試料を吸引し、第2収容部122内に吐出する。つまり、第1収容部121に収容されている試料の全てを消費しないようにすることができる。よって、電気泳動装置300は、希釈前試料を残存させることができる。したがって、たとえば、希釈後試料の分析とは別に、ユーザは希釈前試料についても他の分析などに用いることができる。
また、図7に示すように、1つのプレート12に、第1収容部121と第2収容部122とが形成されている。したがって、第1収容部121と第2収容部122とが別の部材に形成されている構成と比較して、部品数を削減できる。なお、変形例として、第1収容部121と第2収容部122とは、それぞれ別の部材で構成されてもよい。
また、洗浄ユニットは、分注プローブ8を貯蔵容器10に収容されている希釈水(洗浄水)で洗浄する。つまり、希釈水を収容している貯蔵容器10と、洗浄水を収容している貯蔵容器10とを兼用できる。なお、変形例として、希釈水を収容している貯蔵容器と、洗浄水を収容している貯蔵容器とは、それぞれ別の部材で構成されてもよい。
[表示画面]
図9は、ディスプレイ80の表示領域80Aに表示される表示画面の一例である。図9の例では、第1収容部画像121Aと、第2収容部画像122Aと、非希釈モードボタン41と、通常希釈モードボタン42と、希釈判定モードボタン43と、希釈倍率決定モードボタン44と、希釈倍率領域46と、分析開始ボタン47とが表示される。
まず、第1収容部画像121Aと、第2収容部画像122Aとを説明する。第1収容部画像121Aは、第1収容部121に対応する画像である。換言すれば、第1収容部画像121Aは、第1収容部121を模倣した画像である。第2収容部画像122Aは、第2収容部122に対応する画像である。換言すれば、第2収容部画像122Aは、第2収容部122を模倣した画像である。
上述したように、ユーザは、引出部103を引出した後に、プレート12の第1収容部121(ウェル12W)に試料を収容させる。また、上述したように、第2収容部122は、希釈前試料Sの希釈に用いられる。
ここで、ユーザは、プレート12の第1収容部121に試料を収容させるべきであるのに、間違えて、第2収容部122に収容させる虞がある。そこで、本実施の形態では、ディスプレイ80は、第1収容部画像121Aと、第2収容部画像122Aとを異なる態様で表示する。
図8の例では、48個の第1収容部画像121Aがまとめて第1収容部群画像121Bとして表示されており、48個の第2収容部画像122Aがまとめて第2収容部群画像122Bとして表示されている。図8の例では、第1収容部群画像121Bの明度は、第2収容部群画像122Bの明度よりも高い。なお、図9の例では、第2収容部群画像122Bの全体にハッチングが付されている。
このように、ディスプレイ80が、第1収容部画像121Aと、第2収容部画像122Aとを異なる態様で表示する。したがって、ユーザは、第1収容部画像121Aと、第2収容部画像122Aとを区別することができ、プレート12において、第1収容部121の位置を把握できる。したがって、ユーザが間違えて希釈前試料を第2収容部122に収容させるといった事象が生じることを低減できる。
なお、電気泳動装置300は、ユーザの操作などにより、第1収容部121の位置と、第2収容部122の位置とを変更できるようにしてもよい。この場合には、第1収容部121の位置および第2収容部122の位置の変更に応じて、第1収容部群画像121Bの表示位置と、第2収容部群画像122Bの表示位置も変更される。
また、電気泳動装置300は、ユーザの操作などに応じて、様々なモードを設定可能である。なお、電気泳動装置300は、モードが設定された場合には、該モードを特定可能なモードフラグが所定の記憶領域(たとえば、RAM164)に記憶される。該モードフラグが記憶されることにより、該モードフラグにより示されるモードが設定される。モードが設定された状態で、分析開始ボタン47が操作されると、電気泳動装置300は、該設定されたモードで試料を分析する。
非希釈モードボタン41は、非希釈モードが設定されるためのボタンである。非希釈モードは、試料が希釈されずに分析されるモードである。非希釈モードボタン41がユーザに操作されると、電気泳動装置300は、試料を希釈せずに分析する。
通常希釈モードボタン42は、通常希釈モードが設定されるためのボタンである。通常希釈モードは、試料が希釈されて分析されるモードである。通常希釈モードボタン42がユーザに操作されて、分析開始ボタン47が操作されると、電気泳動装置300は、試料を希釈して分析する。
また、通常希釈モードが設定された場合には、希釈倍率領域46への希釈倍率へのユーザによる希釈倍率の入力が許容される。希釈倍率は、たとえば、ユーザが所望する希釈倍率である。本実施の形態においては、希釈倍率領域46に入力可能な値は、1を超える実数である。希釈倍率領域46に、たとえば、「4」が入力された場合には、希釈前試料Sの濃度は、4倍に希釈される。なお、希釈倍率領域46には、他の数値(たとえば、%値)が入力されてもよい。たとえば、希釈倍率領域46に「20%」が入力された場合には、希釈前試料Sの濃度は、5倍に希釈される。
希釈判定モードボタン43は、希釈判定モードが設定されるためのボタンである。希釈判定モードは、試料を希釈するか否かを制御装置70が自動的に判定するモードである。希釈判定モードボタン43がユーザに操作されて、分析開始ボタン47が操作されると、電気泳動装置300は、希釈するか否かを判定する。希釈判定モードは、たとえば、ユーザが試料を希釈すべきか否かが分からない場合に設定されることが好ましいモードである。
希釈倍率決定モードボタン44は、希釈倍率モードが設定されるためのボタンである。希釈倍率モードは、試料の希釈倍率を制御装置70が自動的に決定するモードである。希釈判定モードボタン43がユーザに操作されて、分析開始ボタン47が操作されると、電気泳動装置300は、試料の希釈倍率を決定する。希釈倍率決定モードは、たとえば、ユーザが試料の希釈倍率を分からない場合に設定されることが好ましいモードである。
[制御装置の機能ブロック図]
図10は、制御装置70の機能ブロック図である。制御装置70は、取得部72と、処理部74と、制御部76と、記憶部78とを有する。
取得部72は、様々な情報を取得する。取得部72は、モード情報、希釈倍率、および分析結果などを取得する。モード情報は、図9で示す非希釈モードボタン41、通常希釈モードボタン42,希釈判定モードボタン43、希釈倍率決定モードボタン44のいずれが操作されることに基づく情報である。希釈倍率は、図9の希釈倍率領域46に入力された希釈倍率を特定可能なデータである。
取得部72は、取得した情報を処理部74に出力する。処理部74は、取得した情報に応じた処理を実行する。たとえば、処理部74が取得した情報がモード情報である場合には処理部74は、該モード情報から特定されるモードを特定可能なモードフラグを記憶部78(たとえば、RAM164)に記憶する。該モードフラグが記憶されることにより、該モードフラグにより示されるモードが設定される。
また、処理部74は、処理した結果により生成された情報を制御部76に出力する。制御部76は、受信した情報に基づいて、主に、希釈ユニット510、電気泳動ユニット520、および洗浄ユニット530を制御する。なお、希釈ユニット510、電気泳動ユニット520、および洗浄ユニット530は、分析装置150に含まれているユニットである。たとえば、制御部76は、対象ユニットに対して制御信号を送信することにより、該対象ユニットを制御する。
まず、非希釈モードが設定された場合(非希釈モードボタン41が操作された場合)の制御装置70の処理を説明する。非希釈モードが設定された場合には、制御部76は、試料を希釈せずに、該試料を電気泳動ユニット520に分析させる。
なお、試料が希釈されない場合であっても、分注プローブ8は、第1収容部121に収容された試料(希釈前試料S)を電気泳動ユニット520の分析開始位置(たとえば、上述のリザーバ53-1)に供給する。そして、電気泳動ユニット520は、該希釈後試料S1を電気泳動させることにより、該希釈後試料S1を分析する。つまり、本実施の形態では、試料が希釈されない場合および試料が希釈される場合のいずれであるかに関わらず、分注プローブ8は、試料を分析開始位置に供給する。したがって、試料が希釈されない場合および試料が希釈される場合のいずれにおいても、分注プローブ8により、試料が分析開始位置に吐出される。よって、本実施形態の電気泳動装置300においては、試料が希釈されない場合および試料が希釈される場合において、異なる分注プローブが用いられる構成と比較して、部品点数を削減できる。
また、非希釈モードが設定された場合(試料が希釈されない場合)において、第1収容部121および第2収容部122のいずれに試料が収容された場合であっても、電気泳動ユニット520は、該試料を分析可能である。つまり、電気泳動ユニット520は、試料が希釈されない場合において、第2収容部122に収容されている試料を電気泳動させることにより分析することができる。したがって、試料が希釈されるか否かに関わらず、96個のウェル12W(第1収容部121および第2収容部122)を有効利用することができる。
次に、通常希釈モードが設定された場合(通常希釈モードボタン42が操作された場合)の制御装置70の処理を説明する。制御装置70は、通常希釈モードボタン42が操作されて分析開始ボタン47が操作されると以下の処理を行う。
取得部72は、図9の表示画面において入力された希釈倍率を取得する。取得部72は、該希釈倍率を処理部74に出力する。処理部74は、該希釈倍率に基づいた希釈水量を算出する。以下に、希釈水量の算出の手法例を説明する。なお、本実施の形態の電気泳動装置300は、第1収容部121に収容されている希釈前試料の量を検出する容量センサを備えていない。このような構成により、部品点数を削減できる。
また、上述のように、分注プローブ8は、「a(μL)」の希釈前試料Sを第1収容部121から第2収容部122に移動させる。また、希釈倍率領域46に入力された希釈倍率を「b」とし、算出すべき希釈水量を「B」とする。この場合において以下の式(1)が成立する。
B=a×(b-1) (1)
たとえば、a=2μLであり、希釈倍率領域46に入力された希釈倍率bが、「10倍」である場合には、希釈水量Bは、18μLとなる。
処理部74は、上記の式(1)により、希釈水量Bを算出する。また、処理部74は、上記の式(1)ではなく、上記の式(1)を示すテーブルを用いて、希釈水量Bを算出するようにしてもよい。
なお、上述においては、第1収容部121から第2収容部122に移動される希釈前試料の量は、固定値aである構成を説明した。ここで、希釈倍率領域46に入力された希釈倍率bが過度に大きい場合には、多量の希釈水が使用されることになる。この場合には、第2収容部122には、固定値aの希釈前試料Sと、多量の希釈水が注入される。しかし、第2収容部122が収容可能な量は一定量である。よって、固定値aの希釈前試料Sと、多量の希釈水との合計量が、該一定量を超えると、第2収容部122は、固定値aの希釈前試料Sと、多量の希釈水の全てを収容できない。そこで、たとえば、希釈倍率領域46に入力された希釈倍率bが、過度に大きい場合には(たとえば、希釈倍率bが閾値以上である場合には)、電気泳動装置300は、第1収容部121から第2収容部122に移動される希釈前試料の量を小さくしてもよい。
処理部74は、希釈水量Bを制御部76に出力する。制御部76の制御により、希釈ユニット510は、該希釈水量Bで希釈前試料を希釈する。そして、制御部76の制御により、電気泳動ユニット520は、希釈後試料を分析する。
以上のように、制御装置70は、希釈倍率領域46において希釈倍率の入力を受付ける。そして、希釈ユニット510は、該希釈倍率に基づいて希釈前試料を希釈する。したがって、ユーザが所望する希釈倍率に基づいて希釈前試料を希釈することができる。
次に、希釈判定モードが設定された場合(希釈判定モードボタン43が操作された場合)の制御装置70の処理を説明する。制御装置70は、希釈判定モードボタン43が操作されて分析開始ボタン47が操作されると以下の処理を行う。
希釈判定モードにおいては、制御装置70は、第1試料の分析結果を用いて、第2試料の希釈の要否を決定する。なお、第1試料および第2試料は、第1収容部121に収容されている同一の試料から抽出される。つまり、第1試料の濃度および第2試料の濃度は同一であるとする。第2試料は、本開示の「次に分析する試料」に対応する。なお、第1試料および第2試料は、別の第1収容部121に収容される構成であってもよい。
まず、制御部76の制御により、電気泳動ユニット520は、第1収容部121に収容されている希釈前試料の一部を第1試料として消費することにより、該第1試料を分析する。そして、処理部74は、取得部72経由で、電気泳動ユニット520によって分析された第1試料の分析結果(分析データ)を取得する。処理部74は、第1試料の分析データに基づいて、第2試料の希釈の要否を判断する。該第2試料は、該第1試料が収容されていた第1収容部121に収容されている試料である。そして、処理部74により希釈が必要であると判断された場合に、希釈ユニット510は、次に分析する試料(第2試料)を希釈する。
図11は、第1試料の濃度が正常範囲に属している場合の分析結果の一例を示す図である。図11および後述の図12の横軸は、電気泳動時間を示し、縦軸は、光電子増倍管36から出力される分析信号の強度を示す。図12においては、信号強度の上限値Thが示されている。上限値Thは、処理部74が検出できる信号強度の最大値である。図11の例では、4つのピークが示されている。
図12は、第1試料の濃度が正常範囲を越えている場合の分析結果の一例を示す図である。試料の濃度が正常範囲を越えている場合には、図12に示すように、処理部74が検出する信号強度に上限値Thを越える場合がある。この場合には、制御装置70は、正確な信号強度を検出することができない。以下では、信号強度に上限値Thに越えている期間(つまり、正確な信号強度を検出することができていない期間)を、「非検出期間T」と称する。第1試料の濃度が高いほど、非検出期間Tは長くなる傾向にある。
たとえば、処理部74は、非検出期間Tに基づいて、第2試料の希釈の要否を判断する。より具体的には、処理部74は、非検出期間Tが予め定められた閾値未満であるか否かを判断する。この閾値のデータについては、記憶部78に記憶されている。
非検出期間Tが閾値未満である場合には、第1試料の濃度は高くないことから、処理部74は、第2試料の濃度も高くないと判断し、第2試料の希釈を実行しないと判断する。上述のように、第1試料と第2試料とは同一である。したがって、第2試料の希釈を実行しないと判断された場合には、電気泳動装置300は、第1試料の分析データを用いて、第1試料の分析結果を、第2試料の分析結果として導出する。つまり、電気泳動装置300は、第2試料を分析する必要がなく、第1試料の分析結果を、第2試料の分析結果として導出できる。
一方、非検出期間Tが閾値以上である場合には、第1試料の濃度は高いことから、処理部74は、第2試料の濃度も高いと判断し、第2試料の希釈を実行すると判断する。
さらに、処理部74は、非検出期間Tに基づいて希釈倍率を決定する。たとえば、非検出期間Tが長いほど、希釈倍率が大きくなるように該希釈倍率を算出する。より具体的には、非検出期間Tと希釈倍率とは比例関係にある構成が採用されてもよい。また、希釈倍率がユーザに入力されている場合には、処理部74は、該入力された希釈倍率を用いてもよい。処理部74は、たとえば、上記式(1)に基づいて、希釈水量を算出する。そして、制御部76は、試料が希釈される場合には、希釈水量に基づいて、希釈ユニット510に試料を希釈させて、電気泳動ユニット520に希釈後試料を分析させる。
以上のように、希釈判定モードにおいては、制御装置70は、第1試料の分析データに基づいて、第2分析データの希釈の要否を判断できる。したがって、たとえば、ユーザが試料の希釈の要否が分からない場合であっても、電気泳動装置300が、試料の希釈の要否を適切に判断できる。
次に、希釈倍率決定モードが設定された場合(希釈倍率決定モードボタン44が操作された場合)の制御装置70の処理を説明する。希釈倍率決定モードボタン44がユーザに操作されて、分析開始ボタン47が操作されると、電気泳動装置300は、試料の希釈倍率を決定する。
次に、希釈倍率の決定手法を説明する。この手法においては、制御装置70は、N(Nは2以上の整数)個の第3試料の分析結果を用いて、第4試料の希釈倍率を決定する。このNは、ユーザが変更可能としてもよい。なお、N個の第3試料および第4試料は、第1収容部121に収容されている同一の試料から抽出される。つまり、N個の第3試料の濃度および第4試料の濃度は同一であるとする。なお、N個の第3試料および第4試料は、別の第1収容部121に収容される構成であってもよい。
具体的には、希釈ユニット510は、N個の試料をそれぞれ異なる希釈倍率で希釈する。ここでは、N=3であるとする。つまり、希釈ユニット510は、3個の第3試料S1,S2,S3のそれぞれを、希釈倍率C1,C2,C3で希釈する。次に、電気泳動ユニット520は、3個の希釈後の第3試料を分析することにより、該3個の希釈後の第3試料の分析結果を導出する。そして、電気泳動ユニット520は、該3個の分析結果のうちから、適切な分析結果を選択する。この選択の基準は、たとえば、信号強度(図11など参照)が、正常範囲に属しているか、および非検出期間Tが短いか(非検出期間Tが0であるか)などに基づく。制御装置70は、適切な分析結果を選択するとともに、該分析結果に対応する希釈倍率(以下、「最適希釈倍率」とも称される。)を特定する。そして、希釈ユニット510は、最適希釈倍率で第4試料を希釈する。
以上のように、希釈倍率選択モードにおいては、制御装置70は、互いに異なる希釈倍率(上述のC1~C3)で希釈された複数(たとえば、3個)の試料の分析結果に基づいて希釈倍率を決定する。したがって、たとえば、ユーザが希釈倍率が分からない場合であっても、電気泳動装置300が、試料の希釈倍率を適切に決定できる。
なお、希釈倍率決定モードにおいては、上述のように、たとえば、同一の第1収容部121から、3個の第3試料と、1個の第4試料とが消費される。したがって、第1収容部121には、少なくとも、4回分の分析量の試料が収容されている必要がある。換言すれば、第1収容部121の最低量は、4回分の分析量となる。たとえば、希釈倍率決定モードが設定された場合には、電気泳動装置300は、「4回分の分析量の試料が第1収容部121に収容されているか」といった通知を、ユーザに実行するようにしてもよい。
[電気泳動装置のフローチャート]
図13~図15は、電気泳動装置300の処理を示すフローチャートである。まず、図13を参照して、電気泳動装置300の処理を説明する。図9の分析開始ボタン47が操作されたときに、図13の処理は開始する。
まず、ステップS2において、制御装置70は、設定されているモードを判断する。上述のように、制御装置70は、記憶部78に記憶されているモードフラグに基づいて、モードを判断する。
まず、非希釈モードが設定されている場合を説明する。この場合には、処理は、ステップS16に進む。ステップS16において、制御装置70の制御により、電気泳動ユニット520は、試料の分析を開始する。
次に、ステップS18において、制御装置70は、該分析が終了したか否かを判断する。ステップS18においては、所定の終了条件が成立したか否かが判断される。終了条件は、たとえば、ユーザにより設定された全ての試料の分析が終了したという条件である。ステップS18において、YESと判断されるまで、電気泳動ユニット520は試料の分析を継続する。そして、全ての試料の分析が終了したと判断した場合には、ステップS20において、制御装置70は、全ての試料の分析結果について非検出期間T(図12参照)が閾値未満であるか否かを判断する。
全ての分析結果のうち、非検出期間Tが閾値以上となる分析結果が存在する場合には(ステップS20でNO)、ステップS22において、制御装置70は、警告処理を実行する。ここで、警告処理は、「試料の濃度が過度に高い」ことをユーザに通知するための処理である。警告処理は、たとえば、ディスプレイ80に「試料の濃度が過度に高い」ことを示す文字画像を表示する処理である。制御装置70がこのような警告処理を実行することにより、試料の濃度パラメータ(濃度)が上限値Thを越えていることをユーザに認識させることができる。警告処理が終了した後は、処理は終了する。また、ステップS20において、YESと判断された場合には、ステップS24において、電気泳動装置300は、分析結果を出力する(分析結果をディスプレイ80に表示させる)。そして、処理は終了する。
ステップS2において通常希釈モードが設定されている場合には、処理は、ステップS4に移行する。ステップS4においては、制御装置70は、希釈倍率領域46に入力された希釈倍率を取得する。
次に、ステップS6において、制御装置70は、上記式(1)に基づいて、希釈水の量を決定する。次に、ステップS6に移行する。ステップS8において、制御装置70の制御により、希釈ユニット510は、試料と、ステップS6において決定された量の希釈水と試料とを混合する(図8(A)~図8(C)参照)。次に、ステップS10において、制御装置70の制御により、希釈ユニット510は、希釈水と試料とを攪拌する(図8(D)参照)。次に、処理は、ステップS16に移行する。
ステップS2において希釈倍率決定モードが設定されている場合には、処理は、図14のステップS32に移行する。ステップS32において、制御装置70の制御により、電気泳動ユニット520が、N個(たとえば、3個)の試料(上述の第3試料)を分析する。次に、ステップS34において、制御装置70がN個の分析結果に基づいて希釈倍率(最適希釈倍率)を決定する処理を実行する。次に、ステップS36において、制御装置70は、最適希釈倍率が決定できたか否かを判断する。たとえば、N個の分析結果の全てにおいて、非検出期間Tが閾値以上となる場合には、最適な分析結果が導出されていないということである。この場合には、ステップS36では、NOと判断されて、処理は、ステップS22に移行する。そして、ステップS22において、制御装置70は、警告処理を実行する。該警告処理は、最適希釈倍率が決定できない旨をユーザに通知する処理である。そして、処理は終了する。一方、制御装置70が希釈倍率を決定できた場合には(ステップS36でYES)、処理はステップS6に移行する。ステップS6においては、制御装置70は、該最適希釈倍率を、上記式(1)に代入することにより、希釈水量を決定する。
次に、ステップS2において希釈判定モードが設定されている場合には、処理は、図15のステップS42に移行する。ステップS42において、制御装置70の制御により、電気泳動ユニット520が、試料(上述の第1試料)を分析する。次に、ステップS44において、制御装置70は、非検出期間Tが閾値未満であるか否かを判断する。
非検出期間Tが閾値未満である場合には(ステップS44でYES)、処理は、ステップS24に移行する。そして、ステップS24において制御装置70は、第1試料の分析結果を、第2試料の分析結果としてディスプレイ80に表示する。
一方、非検出期間Tが閾値以上である場合には(ステップS44でNO)、ステップS46において、制御装置70は、非検出期間Tに基づいて、最適希釈倍率を決定する。そして、処理は、ステップS6に進む。ステップS6においては、制御装置70は、該最適希釈倍率を、上記式(1)に代入することにより、希釈水量を決定する。
なお、上述の実施の形態では、デバイスとしてマイクロチップを用いた電気泳動装置を例示した。しかしながら、デバイスは、他の物としてもよい。デバイスは、例えば、キャピラリとしてもよい。
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項) 一態様に係る電気泳動装置は、希釈水を用いて試料を希釈する希釈ユニットと、希釈ユニットにより希釈された試料を電気泳動させることにより分析する電気泳動ユニットと、希釈ユニットと電気泳動ユニットとを制御する制御装置とを備える。
このような構成によれば、希釈ユニットが試料を希釈した後に、電気泳動ユニットが希釈された試料を電気泳動させることにより分析する。したがって、試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の分析低能の低下を抑制することができる。
(第2項) 第1項に記載の電気泳動装置において、希釈ユニットは、希釈水を貯蔵する貯蔵容器と、試料を収容する第1収容部と、プローブと、第2収容部とを有し、プローブは、試料を第1収容部から吸引し、第2収容部内に吐出し、希釈水を貯蔵容器から吸引し、第2収容部内に吐出する。
このような構成によれば、プローブなどにより適切に試料を希釈することができる。
(第3項) 第2項に記載の電気泳動装置において、プローブは、前記第1収容部に収容されている試料のうちの一部の試料を吸引し、前記第2収容部内に吐出する。
このような構成によれば、希釈前の試料を、第1収容部において残存させることができる。
(第4項) 第2項または第3項に記載の電気泳動装置において、電気泳動ユニットは、試料が希釈されない場合において、前記第2収容部に収容されている試料を電気泳動させることにより分析する。
このような構成によれば、試料が希釈されない場合であっても、第2収容部を有効利用することができる。
(第5項) 第2項~第4項のいずれか1項に記載の電気泳動装置において、プローブは、第2収容部内に収容されている試料および希釈水の吸引および吐出を繰返すことにより、該試料および該希釈水を攪拌する。
このような構成によれば、電気泳動装置は、希釈水と混合された試料が完全に希釈されていない場合であっても、試料Sを適切に希釈できる。
(第6項) 第2項~第5項のいずれか1項に記載の電気泳動装置は、第1収容部と第2収容部とが形成されているプレートをさらに備える。
このような構成によれば、第1収容部と第2収容部とが別の部材に形成されている構成と比較して、部品数を削減できる。
(第7項) 第6項に記載の電気泳動装置は、第1収容部に対応する画像と、第2収容部に対応する画像とを異なる態様で表示する表示装置をさらに備える。
このような構成によれば、ユーザは、第1収容部と第2収容部とを区別することができ、プレートにおいて、第1収容部121の位置を把握できる。したがって、ユーザが間違えて試料を第2収容部に収容させるといった事象が生じることを低減できる。
(第8項) 第2項~第7項のいずれかに記載の電気泳動装置において、プローブは、試料が希釈されないモードが設定されている場合には、第1収容部に収容されている試料を吸引し、電気泳動ユニットの所定位置に吐出し、試料が希釈されるモードが設定されている場合には、第2収容部に収容されている希釈後の試料を吸引し、所定位置に吐出する。
このような構成によれば、試料が希釈されない場合および試料が希釈される場合において、いずれにおいても、分注プローブが、試料を吸引して電気泳動ユニットの所定位置に吐出する。したがって、この構成の電気泳動装置では、試料が希釈されない場合および試料が希釈される場合において、異なる分注プローブが用いられる構成と比較して、部品点数を削減できる。
(第9項) 第2項~第8項のいずれ1項に記載の電気泳動装置において、電気泳動装置は、プローブを、希釈水で洗浄する洗浄ユニットをさらに備える。
このような構成によれば、希釈水を収容している貯蔵容器と、洗浄水を収容している容器とを兼用できる。
(第10項) 第1項~第9項のいずれ1項に記載の電気泳動装置において、制御装置は、希釈ユニットの希釈倍率の入力を受付け、希釈ユニットは、入力された希釈倍率に基づいて試料を希釈する。
このような構成によれば、ユーザが所望する希釈倍率に基づいて試料を希釈できる。
(第11項) 第10項に記載の電気泳動装置において、希釈ユニットは、入力された希釈倍率に応じた量の希釈水を用いて試料を希釈する。
このような構成によれば、電気泳動装置が試料の濃度を特定していなくても、適切に、試料を希釈できる。
(第12項) 第1項~第11項のいずれか1項に記載の電気泳動装置において、制御装置は、電気泳動ユニットによって分析された試料の分析データを取得し、分析データに基づいて、希釈の要否を判断し、希釈ユニットは、制御装置により希釈が必要であると判断された場合に、次に分析する試料を希釈する。
このような構成によれば、ユーザが試料の希釈の要否が分からない場合であっても、電気泳動装置が、試料の希釈の要否を適切に判断できる。
(第13項) 第1項~第12項のいずれか1項に記載の電気泳動装置において、制御装置は、電気泳動装置によって分析された試料の濃度パラメータが所定範囲を越えている場合に、警告処理を実行する。
このような構成によれば、電気泳動装置によって分析された試料の濃度パラメータが所定範囲を越えたことをユーザに認識させることができる。
(第14項) 第1項~第13項のいずれか1項に記載の電気泳動装置において、制御装置は、互いに異なる希釈倍率で希釈された複数の試料の分析結果に基づいて希釈倍率を決定する。
このような構成によれば、ユーザが希釈倍率を分からない場合であっても、電気泳動装置は、希釈倍率を決定することができる。
(第15項) 一態様に係る電気泳動装置を用いた方法であって、希釈水を用いて試料を希釈することと、希釈された試料を電気泳動させることにより分析することとを備える。
このような構成によれば、希釈ユニットが試料を希釈した後に、電気泳動ユニットが希釈された試料を電気泳動させることにより分析する。したがって、試料の濃度が過度に高い場合であっても、試料の分析低能の低下を抑制することができる。
今回開示された各実施の形態は、技術的に矛盾しない範囲で適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本実施の形態の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 分注部、4 シリンジポンプ、5 マイクロチップ、6 三方電磁弁、7 保持部、8 プローブ、10 貯蔵容器、12 プレート、12W ウェル、14 洗浄部、16 加圧吸引部、18 空気供給口、20 リング、22 吸引ノズル、26 電源部、31 測定部、32 光ファイバ、34 フィルタ、36 光電子増倍管、38 コントローラ、41 非希釈モードボタン、42 通常希釈モードボタン、43 希釈判定モードボタン、44 希釈倍率決定モードボタン、45 濃度領域、46 希釈倍率領域、47 分析開始ボタン、70 制御装置、72 取得部、74 処理部、76 制御部、78 記憶部、80 ディスプレイ、80A 表示領域、82 入力部、100 本体部、102 カバー、103 引出部、121 第1収容部、121A 第1収容部画像、121B 第1収容部群画像、121S 第1収容部群、122 第2収容部、122A 第2収容部画像、122B 第2収容部群画像、122S 第2収容部群、150 分析装置、300 電気泳動装置、510 希釈ユニット、520 電気泳動ユニット、530 洗浄ユニット。

Claims (15)

  1. 希釈水を用いて試料を希釈する希釈ユニットと、
    前記希釈ユニットにより希釈された試料を電気泳動させることにより分析する電気泳動ユニットと、
    前記希釈ユニットと前記電気泳動ユニットとを制御する制御装置とを備える、電気泳動装置。
  2. 前記希釈ユニットは、
    前記希釈水を貯蔵する貯蔵容器と、
    試料を収容する第1収容部と、
    プローブと、
    第2収容部とを有し、
    前記プローブは、
    試料を前記第1収容部から吸引し、前記第2収容部内に吐出し、
    前記希釈水を前記貯蔵容器から吸引し、前記第2収容部内に吐出する、請求項1に記載の電気泳動装置。
  3. 前記プローブは、前記第1収容部に収容されている試料のうちの一部の試料を吸引し、前記第2収容部内に吐出する、請求項2に記載の電気泳動装置。
  4. 前記電気泳動ユニットは、試料が希釈されない場合において、前記第2収容部に収容されている試料を電気泳動させることにより分析する、請求項2または請求項3に記載の電気泳動装置。
  5. 前記プローブは、前記第2収容部内に収容されている試料および前記希釈水の吸引および吐出を繰返すことにより、該試料および該希釈水を攪拌する、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  6. 前記電気泳動装置は、前記第1収容部と前記第2収容部とが形成されているプレートをさらに備える、請求項2~請求項5のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  7. 前記電気泳動装置は、前記第1収容部に対応する画像と、前記第2収容部に対応する画像とを異なる態様で表示する表示装置をさらに備える、請求項6に記載の電気泳動装置。
  8. 前記プローブは、
    試料が希釈されないモードが設定されている場合には、前記第1収容部に収容されている試料を吸引し、前記電気泳動ユニットの所定位置に吐出し、
    試料が希釈されるモードが設定されている場合には、前記第2収容部に収容されている希釈後の試料を吸引し、前記所定位置に吐出する、請求項2~請求項7のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  9. 前記電気泳動装置は、前記プローブを、前記希釈水で洗浄する洗浄ユニットをさらに備える、請求項2~請求項8のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  10. 前記制御装置は、前記希釈ユニットの希釈倍率の入力を受付け、
    前記希釈ユニットは、入力された前記希釈倍率に基づいて試料を希釈する、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  11. 前記希釈ユニットは、入力された前記希釈倍率に応じた量の前記希釈水を用いて試料を希釈する、請求項10に記載の電気泳動装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記電気泳動ユニットによって分析された試料の分析データを取得し、
    前記分析データに基づいて、希釈の要否を判断し、
    前記希釈ユニットは、前記制御装置により希釈が必要であると判断された場合に、次に分析する試料を希釈する、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  13. 前記制御装置は、前記電気泳動装置によって分析された試料の濃度パラメータが所定範囲を越えている場合に、警告処理を実行する、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  14. 前記制御装置は、互いに異なる希釈倍率で希釈された複数の試料の分析結果に基づいて希釈倍率を決定する、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の電気泳動装置。
  15. 電気泳動装置を用いた方法であって、
    希釈水を用いて試料を希釈することと、
    希釈された試料を電気泳動させることにより分析することとを備える、方法。
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