JP2023008686A - 電子写真用ベルト及びそれを用いた電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真用ベルト及びそれを用いた電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性とエンボス紙転写性とを両立可能な電子写真用ベルトを提供する。【解決手段】弾性層を有する電子写真用ベルトであって、弾性層は少なくともシリコーンゴムと水酸化マグネシウムと親水性基で修飾されたシリカ粒子とを含有し、水酸化マグネシウムはシリコーンゴム中に分散されており、水酸化マグネシウムの含有量は、シリコーンゴム100質量部に対して10~25質量部であり、親水性基で修飾されたシリカ粒子の含有量は、シリコーンゴム100質量部に対して2~9質量部であり、電子写真用ベルトの周方向に直交する方向の断面を、断面に露出する水酸化マグネシウムの粒子を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の各面積の算術平均値をSとし、標準偏差をσとしたとき、下記式(1)によって算出される変動係数が1.5以下である電子写真用ベルト。変動係数=σ/S式(1)【選択図】図1

Description

複写機やプリンタなどの電子写真画像形成装置において用いられる電子写真用ベルト、及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、電子写真用ベルトである中間転写ベルト上にYMCKの各色のトナー像を重ね合わせた後に、紙上に一括転写することで、フルカラー画像を得るタンデム方式が広く採用されている。
このような画像形成装置においては、さらなる高画質化のために、少なくとも一層の弾性層を有する中間転写ベルト(以下、弾性中間転写ベルトとも称する。)を採用する事例がある。弾性中間転写ベルトは、層構成に少なくとも一層の弾性層を有すために柔らかく、転写部においてトナーに作用する圧力が低減できることから、中抜け現象に効果があることが知られている。また、二次転写部において紙との密着性がよいことから、一般的な紙に対しての転写効率の向上のみならず、厚紙に対する転写性や、凹凸を有する紙への転写性にも優れた効果があることが知られている。
このような中間転写ベルトに求められる特性の一つとして難燃性が挙げられる。安価に難燃性を向上させるための一つの手段として、特許文献1では難燃剤として金属水酸化物を添加することが記載されている。
特開平9-12888号公報
しかしながら、弾性中間転写ベルトに難燃性を付与するために安価な金属水酸化物を添加した場合、添加量が増えるほど弾性層が硬くなる。弾性層が硬くなると転写部においてトナーに作用する圧力低減効果が小さくなるため、上記の中抜け現象の低減効果や転写性の向上効果が小さくなるという課題がある。
また弾性層が硬くならない1質量部程度の添加量で難燃性を付与することのできるプラチナ化合物などの難燃剤や各種の改質剤が販売されているが、グラム当たり数千円以上程度と高価である。金属水酸化物の難燃剤は10質量部程度の添加量を仮定しても、キログラム当たり数千円以上程度と安価であるため添加量が多くても難燃剤のコストとしては100分の1程度となる。
そこで、本開示の一態様は、難燃性とエンボス紙転写性とを両立可能な電子写真用ベルトを提供することを目的とする。
また、本開示の他の態様によれば、中間転写ベルトとして上記電子写真用ベルトを具備する電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様によれば、
弾性層を有する電子写真用ベルトであって、
前記弾性層は少なくともシリコーンゴムと水酸化マグネシウムと親水性基で修飾されたシリカ粒子とを含有し、
前記水酸化マグネシウムは前記シリコーンゴム中に分散されており、
前記水酸化マグネシウムの含有量は、前記シリコーンゴム100質量部に対して10~25質量部であり、
前記親水性基で修飾されたシリカ粒子の含有量は、前記シリコーンゴム100質量部に対して2~9質量部であり、
前記電子写真用ベルトの周方向に直交する方向の断面を、断面に露出する前記水酸化マグネシウムの粒子を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の各面積の算術平均値をSとし、標準偏差をσとしたとき、下記式(1)によって算出される変動係数が1.5以下である電子写真用ベルトが提供される。
変動係数=σ/S 式(1)
本開示の一態様によれば、難燃性とエンボス紙転写性とを両立可能な電子写真用ベルトを提供することができる。
また、本開示の他の態様によれば、中間転写ベルトとして上記電子写真用ベルトを具備する電子写真画像形成装置を提供することができる。
本開示の弾性中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一例を示す断面図である。 本開示の弾性中間転写ベルトの断面を模式的に表す図である。 本開示の弾性中間転写ベルトの断面の弾性層のSEM反射像である。 図3に示す画像を二値化した二値化画像の例である。 図4に示す画像をボロノイ領域に分割した図の例である。
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。ただし、この実施の形態は、本開示の範囲を以下の実施の形態に限定するものではない。
図2に例示するように、本実施の形態の弾性中間転写ベルトは、少なくとも基層21、弾性層22、表面層23の3層から構成される積層体である。しかしながらこれらの3層に限定するものではなく、各層の間に密着性向上のためのプライマー層や、表面層23の割れを抑制するための応力緩和層やブリード物を抑制するための中間層を追加してもよい。
(基層)
本開示における基層21について説明する。本開示における基層21はロール状あるいはベルト状のシームレスタイプの円筒型のものであり、基層21に適する材料としては、例えば、以下の樹脂材料が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなど。
なお、基層21用の樹脂には金属粉末、導電性酸化物粉末、導電性カーボンなどの導電性粉体を添加して導電性を付与しておいても良い。本開示においては、優れた機械強度及び導電性を得ることができるという観点からカーボンブラックを添加したポリエーテルエーテルケトンやポリイミドが特に好ましい。基層21の膜厚は、10μm以上500μm以下が好ましい。10μm未満であると、機械的強度が著しく低下してしまい、500μmより大きいと、剛性が強くなりすぎるため中間転写体としての使用が困難になってしまう。
(弾性層)
次に、本開示における弾性層22について説明する。弾性層22は記録媒体の表面形状に追従するため、適度な柔軟性が必要である。本開示においては、低硬度ゴムであっても圧縮永久歪みが小さい点や耐オゾン性に優れる点から、シリコーンゴムを用いる。
弾性層22の膜厚は100~1000μmが好ましく、200~500μmがより好ましい。また、弾性層22のJIS-A硬度は55度以下が好ましく、25度以下がより好ましい。
中間転写ベルトは転写部で通電するため難燃性が求められる。シリコーンゴムに限らず、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなど各種のゴムであっても、難燃剤を添加しない場合には必要な難燃性を確保することは難しい。難燃剤としては、吸熱作用を利用する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、熱分解を抑制する白金化合物やフェノール系化合物、酸素遮断効果を有するイントメッセント系化合物、リン酸エステル縮合系化合物がある。本開示においては水酸化マグネシウムを用いる。
水酸化マグネシウムはシリコーンゴム中に分散される。
水酸化マグネシウムの含有量は、シリコーンゴム100質量部に対して10~25質量部とする。水酸化マグネシウムの含有量を、シリコーンゴム100質量部に対して10質量部以上とすることによって、優れた難燃性を得ることができる。水酸化マグネシウムの含有量を、シリコーンゴム100質量部に対して25質量部以下とすることによって、適切な柔軟性を得ることができる。
水酸化マグネシウムは燃焼時に酸化して水を発生して難燃剤として作用するが、水酸化マグネシウムがシリコーンゴム中の一部に凝集した状態であると、水酸化マグネシウムが無い領域が発生して難燃性が低下すると考えられる。したがって、水酸化マグネシウムの分散性を向上させる、すなわち上記ボロノイ多角形の面積の変動係数を小さくすることで、難燃性の課題を解決できる。
ボロノイ多角形とは、ボロノイ分割により形成される多角形のことである。具体的にボロノイ分割は以下の手順で行う。例えば、ある視野内に対象とする複数の領域が存在するとき、独立して隣り合う領域を全て直線で結び、隣り合う2つの領域を結ぶ直線の各々について垂直二等分線を作成する。隣り合う直線から伸びる垂直二等分線同士を連結すると、一つの領域が垂直二等分線によって囲まれる領域が生じる。この垂直二等分線によって囲まれる領域の外周は多角形となり、この多角形をボロノイ多角形と呼ぶ。
本開示では複数の領域とは、水酸化マグネシウムの領域(以下、第1領域とも称する。)と、その他の領域(以下、第2領域とも称する。)とする。
分割方法としては、領域の重心を基準にした分割と、領域のエッジを基準とした分割とがあるが、本開示ではエッジを基準とした分割とする。エッジを基準とした分割では、隣り合う2つの第1領域の各エッジ部を結ぶ直線の中でも最短距離になる直線を選び、この直線に対する垂直二等分線によって囲まれて形成される多角形が、ボロノイ多角形となる。
次にボロノイ多角形を具体的に説明する。
図3に例示するような電子写真用ベルトの周方向に直交する方向の断面の反射電子像を任意の画像処理ソフトを用いて二値化を行い、水酸化マグネシウムの第1領域とその他の第2領域とに分けて図4に示すような画像を得る。
次に、先に述べたようにボロノイ分割を行い、図5に示すような画像を得る。
次に、水酸化マグネシウムの粒子を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の各面積の算術平均値をSとし、標準偏差をσとしたとき、σをSで除して得られる値を変動係数(=σ/S)とする。この変動係数が1.5以下であれば、水酸化マグネシウムの分散状態が良く、優れた難燃性が得られる。
弾性層中のシリコーンゴム100質量部に対して、親水性基で修飾されたシリカ粒子を2~9質量部含む。
親水性基で修飾されたシリカ粒子を添加すると、液状のシリコーンゴムは粘度が大幅に上昇するため、液状シリコーンゴムの混錬時に水酸化マグネシウムにより多くの剪断力が作用し、水酸化マグネシウムの分散性が向上するためと考えられる。
本開示における弾性層22には、発明の効果を損なわない範囲で電子導電性付与剤やイオン導電性付与剤を含んでいても構わない。
電子導電性付与剤としては、以下のものが挙げられる。アセチレンブラックやケッチェンブラックのような導電性カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、また銀、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、導電性酸化チタン、導電性酸化錫、導電性マイカなど。そのうち、電気抵抗の制御がしやすいという観点から導電性カーボンブラックが好ましく用いられる。
イオン導電性付与剤としては、リチウム塩やカリウム塩のほか、ピリジン系、脂環族アミン系、及び脂肪族アミン系のイオン液体などが挙げられる。
弾性層22に対する電子導電性付与剤やイオン導電性付与剤の配合量は、優れた機械強度を得ることができるという観点からシリコーンゴム100質量部に対して35質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。これにより中間転写ベルトに適した安定した導電性が弾性層22に付与される。
また、本開示における弾性層22には、ほかにも充填剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、架橋助剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、軟化剤、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、防錆剤などの添加剤を含んでいてもよい。
また、充填剤としては、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、湿式シリカ、ヒュームド酸化チタン、セルロースナノファイバーなどの補強性充填剤が挙げられる。
補強性充填剤は、シリコーンゴム中に分散されやすいなどの観点から、オルガノアルコキシシラン、オルガノハロシラン、オルガノシラザン、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノシロキサンオリゴマー、環状オルガノシロキサンなどの有機ケイ素化合物により表面改質されていても良い。
さらに、基層21と弾性層22の間には必要に応じてプライマー層(不図示)を設けても良い。プライマー層の厚みはプライマー層内の凝集破壊を低減する観点から、0.1μm以上、2μm以下が好ましい。
(表面層)
本実施形態においては、弾性層22の上に表面層23を形成して電子写真用ベルトを得る。表面層23の材料としては、ウレタン樹脂などが挙げられる。
得られた電子写真用ベルトの10μm押し込み時のマルテンス硬さは、0.05N/mm以上0.20N/mm以下であることが好ましい。
マルテンス硬さが0.05N/mm未満であると、圧縮永久ひずみが大きくなる、破断伸びが小さくなる等、機械特性が悪化するため、電子写真用ベルトとしてはそれ以上の硬さがある事が好ましい。
マルテンス硬さが0.20N/mmを超えると、弾性層の柔軟性が損なわれてしまい、エンボス紙などへの追従が不十分となってしまうことがある。
(画像形成装置)
図1を用いて、本開示の電子写真用ベルトを弾性中間転写ベルトとして用いた画像形成装置の例について説明する。なお、本開示は以下の説明に限定されるものではない。
図1に示す電子写真画像形成装置100は、カラー電子写真画像形成装置(カラーレーザープリンタ)である。この電子写真画像形成装置には、中間転写体である中間転写ベルト7の平坦部分に沿って、その移動方向に順にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニットPy、Pm、Pc、Pkが配設されている。1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ電子写真感光体を示す。2Y、2M、2C、2Kはそれぞれローラ形状の帯電部材(以下、帯電ローラとも称する。)を示す。3Y、3M、3C、3Kはそれぞれレーザー露光装置を示す。4Y、4M、4C、4Kはそれぞれ現像器を示す。5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ1次転写ローラを示す。各画像形成ユニットの基本的な構成は同一であるので、画像形成ユニットの詳細については、イエロー画像形成ユニットPyについてのみ説明する。
イエロー画像形成ユニットPyは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」又は「第1の画像担持体」とも称する。)1Yを有する。感光ドラム1Yは、アルミニウム製のシリンダを基体として、その上に電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層を順に積層して形成したものである。
また、イエロー画像形成ユニットPyは、帯電手段としての帯電ローラ2Yを備えている。帯電ローラ2Yに帯電バイアスを印加することで、感光ドラム1Yの表面は一様に帯電される。
感光ドラム1Yの上方には、画像露光手段としてのレーザー露光装置3Yが配設されている。レーザー露光装置3Yは、一様に帯電された感光ドラム1Yの表面を画像情報に応じて走査露光して、イエロー色成分の静電潜像をその感光ドラム1Yの表面に形成する。
感光ドラム1Yに形成された静電潜像は、現像手段としての現像器4Yによって現像剤であるトナーによって現像される。つまり、現像器4Yは、現像剤担持体である現像ローラ4Ya、現像剤量規制部材である規制ブレード4Ybを備えており、また現像剤であるイエロートナーを収容している。イエロートナーが供給された現像ローラ4Yaは、現像部において感光ドラム1Yと軽圧接されており、感光ドラム1Yと順方向に速度差を持って回転される。現像ローラ4Yaによって現像部に搬送されたイエロートナーは、現像ローラ4Yaに現像バイアスを印加することで、感光ドラム1Yに形成された静電潜像に付着する。これにより、感光ドラム1Yに可視像(イエロートナー画像)が形成される。
中間転写ベルト7は、駆動ローラ71、テンションローラ72、従動ローラ73に張架されており、感光ドラム1Yと接触して図中矢印74の方向に移動(回転駆動)される。
1次転写手段(1次転写ローラ5Y)が、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1Yに対向して配置されている。1次転写部Tyに到達した感光ドラム(第1の画像担持体)の上に形成されたイエロートナー画像は、1次転写手段(1次転写ローラ5Y)によって中間転写ベルト7上に1次転写される。
同様に、以上の作像動作を、中間転写ベルト7の移動に伴ってマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各ユニットPm、Pc、Pkにおいて行い、中間転写ベルト7上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー画像を積層する。積層された4色のトナー画像は中間転写ベルト7の移動に従って搬送され、2次転写部T’において、2次転写手段としての2次転写ローラ8により、所定のタイミングで搬送されてくる転写材S(以下、「第2の画像担持体」とも称する。)上に一括転写される。このような2次転写においては通常十分な転写率を確保するために数kVの転写電圧を印加する。
転写材Sは、転写材Sが収納されているカセット12から、ピックアップローラ13によって搬送路に供給される。搬送路に供給された転写材Sは、搬送ローラ対14及びレジストローラ対15によって中間転写ベルト7に転写された4色のトナー画像と同期をとられて2次転写部T’まで搬送される。
転写材Sに転写されたトナー画像は、定着器9によって定着されて、例えばフルカラーの画像となる。定着器9は、加熱手段を備えた定着ローラ91と加圧ローラ92とを有し、転写材S上の未定着トナー画像を加熱、加圧することで定着する。その後、転写材Sは搬送ローラ対16、排出ローラ対17などによって機外に排出される。
中間転写ベルト7のクリーニングユニット11が、中間転写ベルト7の駆動方向の2次転写部T’の下流に配設されており、2次転写部T’において転写材Sに転写されずに中間転写ベルト7に残った転写残トナーを除去する。
以上説明したように感光体から中間転写ベルト、中間転写ベルトから転写材へトナー画像の電気的転写プロセスが繰り返し行われる。また、多数の転写材へ記録を繰り返すことで電気的転写プロセスがさらに繰り返し行われることになる。
<実施例1>
(基層の調製)
下記の材料を、2軸混練機(商品名:PCM30、池貝社製)を用いて混練し、これらのペレット体を得た。
・ポリエーテルエーテルケトン(商品名:VICTREX PEEK450G、ビクトレックス社製)
・アセチレンブラック(商品名:デンカブラック 粒状品、デンカ社製)
ポリエーテルエーテルケトンが80質量%、アセチレンブラックが20質量%となるよう、各々重量フィーダを用いて、2軸混練機に投入した。2軸混練機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流およびダイは360℃とした。2軸混練機のスクリュ回転数は300rpmとし、材料供給量は8kg/hとした。
次いで、得られたペレットを用い、円筒押出成形することでベルトを得た。円筒押出成形は、単軸押出機(商品名:GT40、プラスチック工学研究所社製)および、直径300mm、隙間1mmの円形開口部を有する円筒ダイを用いて行った。重量フィーダを用い、ペレットを4kg/hの供給量で単軸押出機に供給した。単軸押出機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流および円筒ダイは380℃とした。単軸押出機から吐出された熔融樹脂は、ギアポンプを経て、円筒ダイから押し出され、円筒引取機により、厚さ85umとなる速度にて引き取られた。引き取られる過程において、円筒ダイと円筒引取機の間に設けられた冷却マンドレルと接触することで冷却・固化された。固化した樹脂が、円筒引取機の下部に設置された円筒切断機にて、幅460mmとなるよう切断され、結晶性熱可塑性樹脂ベルトが得られた。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 15質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 3質量部
上記の材料をプラネタリーミキサー(2P-1、ハイビスミックス社製)を用いて下記の条件で混錬した。
公転数:80rpm
自転数:194rpm
時間 :30分間
その後、混錬したゴムに導電性付与剤として、イオン液体型帯電防止剤(商品名:FC-4400、スリーエム ジャパン社製)を0.2質量部の割合で添加し、同装置で撹拌・脱泡して液状シリコーンゴム混合液を得た。
(弾性層の形成)
上記基層となる結晶性熱可塑性樹脂ベルトを円筒形の中子に取り付け、さらに中子と同軸上にゴム吐出用のリングノズルを取り付けた。送液ポンプを用いて該液状シリコーンゴム混合液をリングノズルに供給し、スリットから吐出することで、該基層の上に混合液を塗布した。この際、硬化後のシリコーンゴム層が260μmの厚さになるように相対移動速度及び送液ポンプ吐出量を調整した。中子に取り付けた状態で加熱炉に入れ、130℃で10分間、さらに180℃で60分間加熱し、ゴム架橋を行った。冷却後、ベルトを中子から取り外し、弾性層が積層されたベルトを得た。
(弾性層の表面改質)
弾性層と中間層の接着性を向上するため、弾性層の表面改質をエキシマUV照射ユニットとして172nmの単一波長を発するエキシマランプ(エム・ディ・コム社製)を用いて行った。弾性層が形成された転写ベルトを円柱状中子に嵌め、エキシマランプ表面から弾性層表面までの距離が約1mmとなる位置に置いた。そして、円柱状中子を5rpmの回転速度で回転させながら、窒素ガスと空気とを体積比29:1の流量で流入させた空間内で、エキシマUV光を30分間照射して、弾性層が表面改質されたベルトを得た。
(表面層の調製)
・ポリウレタンディスパージョンにポリテトラフルオロエチレンが分散した含フッ素ポリウレタン樹脂液(商品名:BONDERITE S-FN T-861C、ヘンケルジャパン社製) 95質量部
・硬化剤(商品名:LOCTITE TW8370C WH-1、ヘンケルジャパン社製)
5質量部
上記の材料を撹拌して表面層形成用のウレタン塗工液を調製した。
上記弾性層が表面改質されたベルトを中子に嵌め合わせ、90rpmで回転させながら、スプレーガン(商品名:W-101、アネスト岩田社製)を用いて該ウレタン塗工液を塗布した。塗布時の塗料の吐出量は、表面層の乾燥膜厚が3μmとなるように設定した。塗布後、温度130℃の加熱炉に入れ、30分間静置した。加熱炉から取出し、冷却後、弾性中間転写ベルト1を得た。
<実施例2>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト2を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 10質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 9質量部
<実施例3>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト3を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 25質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 9質量部
<実施例4>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト4を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 10質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 2質量部
<実施例5>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト5を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 25質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 2質量部
<比較例1>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト6を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 28質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 2質量部
<比較例2>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト7を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 28質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 9質量部
<比較例3>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト8を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 8質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 2質量部
<比較例4>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト9を得た。
(弾性層形成材料の調製)
付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 8質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 9質量部
<比較例5>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト10を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 10質量部
・親水性フュームドシリカ 0質量部
<比較例6>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト11を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 25質量部
・親水性フュームドシリカ 0質量部
<比較例7>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト12を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 10質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 10質量部
<比較例8>
下記のように材料の混合量を変更した点以外は実施例1と同様にして、弾性中間転写ベルト13を得た。
(弾性層形成材料の調製)
・付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3032 A/B(質量比A1000:B8)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 100質量部
・水酸化マグネシウム(商品名:KISMA 5P、協和化学工業社製) 25質量部
・親水性フュームドシリカ(商品名:AEROSIL(登録商標)380、エボニック社製) 10質量部
<評価>
以下に作製した弾性中間転写ベルトの評価方法を示す。
(外観不良)
作製した中間転写ベルトを観察して、目視による外観検査を行った。目視で判別できる外観不良を以下の基準で評価した。表2に評価結果を示す。

〇:全く外観不良が見られない。
×:全面複数個所に弾性層の凹凸に起因する表面層の欠けが見られる。
(マルテンス硬さの測定方法)
作製した中間転写ベルトからカッターナイフで切り出して試験片を作製した。試験片の大きさは、10mm×10mmとし、スライドガラス上に20mL程度のヘキサデカンを試験片とスライドガラスの間に塗布し貼り付けた。マルテンス硬さは市販されている微小硬さ試験機、フィッシャー・インストルメンツ社の表面被膜物性試験機(商品名:PICODENTOR(登録商標)HM500)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
・測定圧子(形状、タイプ):ビッカース圧子
・圧子材料:ダイヤモンド
・測定環境:温度23℃、相対湿度23%
・荷重速度及び除荷速度:4mN/秒
・最大押し込み荷重F:40mN
上記条件にて圧子を試験片に押し込み、最大押し込み荷重40mNに到達した時点においてその押し込み深さから圧子が接触している表面積を求め、下記計算式を用いてマルテンス硬さを算出した。
マルテンス硬さ(N/mm)=F(N)/圧子が接触している表面積(mm

上記計測を5回行い(例えばベルトの周方向の5箇所の試験片)、計測した値の算術平均値を評価対象物のマルテンス硬さとした。表2に測定結果を示す。
なお、試験片は、弾性中間転写ベルトの幅方向の画像領域の範囲内から得た。具体的には、試験片は、各評価対象の中間転写ベルトの幅方向の中央位置を含むように得た。
(水酸化マグネシウムの粒子の分散状態の評価方法)
まず観察する試験片の作製を行う。カッターナイフとミクロトーム(ライカ製)で弾性中間転写ベルトを幅10mm長さ5mmの四角形に切断し試験片とする。該試験片をクロスセクションポリッシャ(登録商標)SM-09010(日本電子(株)製)の試料台に固定し遮蔽板を設け、Arイオンを加速電圧4eV、電流量60μAで16時間照射し弾性中間転写ベルトの断面を露出させた。このとき電流量はAr流量を調整することによって制御した。
次に露出した断面をFE-SEM SU-8220((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いて倍率500倍で反射電子像を観察する。図3は弾性中間転写ベルト1の弾性層の断面を観察した結果である。弾性層に見られる明るい凝集塊部分が水酸化マグネシウムの粒子であり、別途観察するEDXによるマッピング分析でマグネシウムが検出されない凝集部分はシリカや別のフィラーとして画像処理などで黒く塗りつぶし除外する。
水酸化マグネシウムの粒子の分散状態はボロノイ多角形の面積の変動係数で評価を行った。
(難燃性の評価方法)
中間転写ベルトの難燃性を評価する方法の1つとして、UL94燃焼試験があり、UL94VTMでは薄手材料垂直燃焼試験 (ASTM D4804)が行われる。これはフィルム試験片(200±5mm×50±1mm×tmm)を円筒状に巻き、クランプに垂直に取付け、20mm炎による3秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動によりVTM-0、VTM-1、VTM-2、Notの判定を行う。表1にUL94VTMの判定基準を示す。表2に判定結果を示す。
Figure 2023008686000002
(エンボス紙転写性評価)
本実施例及び比較例で示した中間転写ベルトを、フルカラー電子写真画像形成装置(商品名:imagePRESS C800、キヤノン社製)に装着し評価試験を実施した。
温度25℃、相対湿度55%の環境下で、A3サイズのエンボス紙(商品名:レザック66 250g/m、特殊東海製紙社製)上に、シアンとマゼンタの全面2次色ベタ画像を形成した画像2を得た。得られた画像2を目視観察し以下の基準で評価した。表2に評価結果を示す。
ランクA:画像ムラが全く見られない
ランクB:エンボス紙凹部の20%未満の領域に画像ムラあり
ランクC:エンボス紙凹部の20%以上50%未満の領域に画像ムラあり
ランクD:エンボス紙凹部の50%以上の領域に画像ムラあり
Figure 2023008686000003
表2はそれぞれ試作した弾性中間転写ベルトの評価結果である。
実施例1~5と比較例1、2、7、8とから、以下のことが分かる。
水酸化マグネシウムの添加量を10質量部以上とし、かつ水酸化マグネシウムの分散性を表すボロノイ多角形の面積の変動係数を1.5以下とするすることによって難燃性UL94VTM試験において、VTM-1以上を得ることができる。これは水酸化マグネシウムを一様に分散させることによって、燃焼試験の際に炎を近づけても、水酸化マグネシウムが無い領域に着火したり、燃え広がったり、しないためだと考えられる。
一方、水酸化マグネシウムの添加量が10質量部未満であると、ボロノイ多角形の面積の変動係数が1.5以下であっても、難燃性UL94VTM試験において、VTM-1以上を得ることができない(比較例3、4)。
また、水酸化マグネシウムの添加量が10質量部以上であっても、ボロノイ多角形の面積の変動係数が1.5を超えると、難燃性UL94VTM試験において、VTM-1以上を得ることができない(比較例5、6)。
弾性中間転写ベルト3、5(実施例3、5)と弾性中間転写ベルト6、7(比較例1、2)との比較から、以下のことが分かる。
水酸化マグネシウムの添加量を25質量部以下とすることによって、マルテンス硬さ0.20N/mm以下の弾性中間転写ベルトを得ることができ、弾性中間転写ベルトのマルテンス硬さが0.20N/mm以下であると十分なエンボス紙転写性が得られる。
水酸化マグネシウムの添加量が多いと、弾性層の柔軟性が損なわれ、エンボス紙への追従が十分でなくなることが原因であると考えられる。
さらに弾性中間転写ベルト4、5(実施例4、5)と弾性中間転写ベルト10、11(比較例5、6)との比較からUL94VTM試験において、VTM-1以上を得るためには親水性シリカを2質量部添加以上する必要があることが分かる。
これは親水性シリカの添加量を増やしていくと弾性層のシリコーン組成物の粘度が急激に上昇することが原因と思われる。シリコーン組成物の粘度が高いと混錬時に水酸化マグネシウムにかかる、せん断力が大きくなり、難燃剤である水酸化マグネシウムが一様に分散されるためと考えられる。
弾性中間転写ベルト2、3と弾性中間転写ベルト12、13との比較から、親水性シリカを10質量部以上添加すると外観不良が発生することが分かった。これは親水性シリカの添加で弾性層のシリコーン組成物の粘度が著しく上昇し、親水性シリカの凝集物ができるためと考えられる。
以上詳細に述べたように、下記の要件を満たすことによって、難燃性とエンボス紙転写性を両立できる電子写真用ベルトを得ることができる。
シリコーンゴム100質量部に対して、水酸化マグネシウムは10~25質量部含み、かつ弾性層の断面で観察される水酸化マグネシウムの粒子のボロノイ多角形の面積の変動係数を1.5以下とする。
21:基層
22:弾性層
23:表面層

Claims (4)

  1. 弾性層を有する電子写真用ベルトであって、
    前記弾性層は少なくともシリコーンゴムと水酸化マグネシウムと親水性基で修飾されたシリカ粒子とを含有し、
    前記水酸化マグネシウムは前記シリコーンゴム中に分散されており、
    前記水酸化マグネシウムの含有量は、前記シリコーンゴム100質量部に対して10~25質量部であり、
    前記親水性基で修飾されたシリカ粒子の含有量は、前記シリコーンゴム100質量部に対して2~9質量部であり、
    前記電子写真用ベルトの周方向に直交する方向の断面を、断面に露出する前記水酸化マグネシウムの粒子を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の各面積の算術平均値をSとし、標準偏差をσとしたとき、下記式(1)によって算出される変動係数が1.5以下である、ことを特徴とする電子写真用ベルト
    変動係数=σ/S 式(1)。
  2. 10μm押し込み時のマルテンス硬さが0.05N/mm以上0.20N/mm以下である請求項1に記載の電子写真用ベルト。
  3. 基層と、前記基層の上に形成された前記弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層と、を有する請求項1~2のいずれか一項に記載の電子写真用ベルト。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。

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