JP2023008661A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Moeko Nakata
啓順 元井
Hiroyuki Motoi
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Abstract

【課題】利便性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷凍室扉と、扉開閉検知センサと、温度センサと、制御部とを備えている。前記筐体は、冷凍室を含む。前記冷凍室扉は、前記冷凍室を開閉可能に閉じる。前記扉開閉検知センサは、前記冷凍室扉の開閉を検知する。前記温度センサは、前記冷凍室に設けられている。前記制御部は、前記冷凍室に対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能であり、前記扉開閉検知センサの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間の間に所定値以上の温度が前記温度センサにより検出される場合に、前記複数の急冷制御のなかから前記温度センサにより検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
ユーザが操作ボタンを押すことで、急冷制御を開始する冷蔵庫が知られている。また、急冷制御における圧縮機の回転数を、外気温に応じて変動させる冷蔵庫が提案されている。冷蔵庫は、さらなる利便性の向上が期待されている。
特開2004-003867号公報
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷凍室扉と、扉開閉検知センサと、温度センサと、制御部とを備える。前記筐体は、冷凍室を含む。前記冷凍室扉は、前記冷凍室を開閉可能に閉じる。前記扉開閉検知センサは、前記冷凍室扉の開閉を検知する。前記温度センサは、前記冷凍室に設けられている。前記制御部は、前記冷凍室に対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能であり、前記扉開閉検知センサの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内に所定値以上の温度が前記温度センサにより検出される場合、前記複数の急冷制御のなかから前記温度センサにより検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する。
実施形態の冷蔵庫システムの構成を示す図。 実施形態の冷蔵庫を示す正面図。 図2中に示された冷蔵庫のF3-F3線に沿う断面図。 実施形態の冷凍サイクル装置の構成を示す図。 実施形態の冷蔵庫のシステム構成を示す図。 実施形態の急冷制御設定情報の内容の一例を示す図。 実施形態の急冷制御設定情報の内容の別の一例を示す図。 実施形態の冷蔵運転と急冷制御との関係を説明するための図。 実施形態の最低時間設定情報の内容の一例を示す図。 実施形態の最低時間設定情報の内容の別の一例を示す図。 実施形態の制御部による制御の流れを示すフローチャート。 実施形態の除霜制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の除霜制御と急冷制御との優先順位の別の一例を示す図。 実施形態の最低時間設定情報の内容の一例を示す図。 実施形態の特別チルドを説明するための図。 実施形態の高温冷却制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の低温冷却制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の最低時間設定情報の内容の一例を示す図。 実施形態の解凍制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の特別製氷制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の節電制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図。 実施形態の操作パネル部を示す正面図。 実施形態の端末装置の表示画面を示す正面図。
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
(実施形態)
<1.冷蔵庫システム>
まず、冷蔵庫100を含む冷蔵庫システム1について説明する。
図1は、冷蔵庫システム1の構成を示す図である。冷蔵庫システム1は、例えば、冷蔵庫100と、サーバ200と、端末装置300とを含む。後述するネットワークNWは、インターネット、セルラー網、Wi-Fi(登録商標)網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などのうち1つ以上を含み得る。
冷蔵庫100は、ユーザUの住居に配置される。冷蔵庫100は、例えば、ユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。これにより、冷蔵庫100は、サーバ200を介してユーザUの端末装置300と通信可能である。冷蔵庫100は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信によって端末装置300と直接に通信可能でもよい。ただし、冷蔵庫100は、上述した例に限定されず、外部に対する通信機能を有しなくてもよい。冷蔵庫100については、詳しく後述する。
サーバ200は、冷蔵庫100の管理や遠隔操作に関するサービスを提供する。サーバ200は、例えば、ネットワークNWに接続された1台以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100および端末装置300と通信可能である。なお、サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータ、または家庭内ルータ(例えば無線ルータR)などでもよい。サーバ200は、「外部装置」の一例である。
端末装置300は、ユーザUが利用する端末装置であり、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。端末装置300は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置301と、ユーザUの入力(音声入力を含む)を受け付け可能な入力受付部302とを含む。表示装置301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。入力受付部302は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサや、ユーザUの音声を収音するマイクなどである。端末装置300には、冷蔵庫100を管理または遠隔操作するためのアプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。なお、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなど据え置き型の情報処理装置でもよい。
<2.冷蔵庫>
次に、冷蔵庫100について説明する。
図2は、冷蔵庫100を示す正面図である。冷蔵庫100は、例えば、筐体10、複数の扉31、複数の扉開閉検知センサ33、および操作パネル部34を有する。
筐体10は、上壁11、下壁12、左右の側壁13,14、および後壁15(図3参照)を有し、前面が開放された箱状に形成されている。筐体10は、例えば、筐体10の内面を形成する内箱と、筐体10の外面を形成する外箱と、内箱と外箱との間に設けられた発泡断熱材とを含み、断熱性を有する。筐体10の内部には、筐体10の内部を後述する複数の貯蔵室21に仕切る複数の仕切部16,17(図3参照)が設けられている。
筐体10は、複数の貯蔵室21を含む。複数の貯蔵室21は、例えば、冷蔵室21A、チルド室21AA、野菜室21B、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室21Aが配置され、冷蔵室21Aの下方に野菜室21Bが配置され、野菜室21Bの下方に製氷室21Cおよび小冷凍室21Dが配置され、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dの下方に主冷凍室21Eが配置されている。以下では、後述する急冷制御について主冷凍室21Eが主対象である場合について説明する。なお、急冷制御は、主冷凍室21Eに代えて/加えて、小冷凍室21Dが主対象でもよい。この場合、以下の説明での「主冷凍室21E」は、「小冷凍室21D」と読み替えられる。
チルド室21AAは、冷蔵室21Aの内部に設けられ、冷蔵室21Aの他領域に対して棚や蓋などにより少なくとも部分的に区画されている。チルド室21AAは、冷蔵室21Aの一部の下方に設けられている。チルド室21AAは、例えば冷蔵室21Aよりも下方に位置して冷蔵用冷却器61(図3参照)から冷たい空気が流入しやすいことで、冷蔵室21Aよりも低い温度帯に冷却される。なお、冷蔵庫100は、チルド室21AAに代えて/加えて、チルド室21AAよりも低く主冷凍室21Eよりも高い温度帯(例えば平均温度が-3℃)に冷却されるパーシャル室を有してもよい。チルド室21AAまたはパーシャル室は、「特別貯蔵部」の一例である。
複数の貯蔵室21の開口は、複数の扉31によって開閉可能に閉じられる。複数の扉31は、冷蔵室21Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉31Aa,31Ab、野菜室21Bの開口を閉じる野菜室扉31B、製氷室21Cの開口を閉じる製氷室扉31C、小冷凍室21Dの開口を閉じる小冷凍室扉31D、および主冷凍室21Eの開口を閉じる主冷凍室扉31Eを含む。扉開閉検知センサ33は、各扉31に対応する位置に設けられ、各扉31の開閉を検知する。例えば、扉開閉検知センサ33は、小冷凍室扉31Dの開閉を検知する扉開閉検知センサ33Dと、主冷凍室扉31Eの開閉を検知する扉開閉検知センサ33Eとを含む。
操作パネル部34は、例えば左冷蔵室扉31Aaに設けられている。これに代えて、操作パネル部34は、右冷蔵室扉31Abまたは筐体10の内面などに設けられてもよい。操作パネル部34は、各貯蔵室21に関する設定内容の変更や特定の制御の実行を指示するユーザUの操作を受け付ける操作部34aと、各貯蔵室21に関する設定内容や実行中の制御モードなどをユーザUに報知する報知部34bとを含む。操作部34aは、例えば複数のボタンを含む。報知部34bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)により実現される複数の発光部を含む。なお、報知部34bは、上記例に代えて/加えて、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどにより実現されてもよい。
図3は、図2中に示された冷蔵庫100のF3-F3線に沿う断面図である。冷蔵庫100は、例えば、複数の棚41、複数の容器42、第1ダクト部品51、第2ダクト部品52、および冷却部Mを備えている。
複数の棚41は、冷蔵室21Aに配置されている。複数の棚41は、鉛直方向に間隔を空けて並べられている。複数の容器42は、チルド室21AAに設けられたチルド室容器42AAa,42AAb、野菜室21Bに設けられた野菜室容器42Ba,42Bb、製氷室21Cに設けられた製氷室容器(不図示)、小冷凍室21Dに設けられた冷凍室容器42D、および主冷凍室21Eに設けられた冷凍室容器42Ea,42Ebを含む。冷凍室容器42Eaは、冷凍室容器42Ebの上方に配置され、鉛直方向で冷凍室容器42Ebの少なくとも一部と重なる。
第1ダクト部品51は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第1ダクト部品51は、例えば、野菜室21Bの下端部の後方から冷蔵室21Aの上端部の後方まで延びている。第1ダクト部品51と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間D1が形成されている。第1ダクト部品51は、複数の冷蔵室冷気吹出口51aと、チルド室冷気吹出口51bと、冷気戻り口51cとを有する。複数の冷蔵室冷気吹出口51aは、冷蔵室21Aに開口している。チルド室冷気吹出口51bは、チルド室21AAに開口している。冷気戻り口51cは、野菜室21Bに開口している。
第2ダクト部品52は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第2ダクト部品52は、例えば、主冷凍室21Eの後方から製氷室21Cおよび小冷凍室21Dの上端部の後方まで延びている。第2ダクト部品52と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間D2が形成されている。第2ダクト部品52は、冷気吹出口52aと、冷気戻り口52bとを有する。冷気吹出口52aは、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに開口している。冷気戻り口52bは、主冷凍室21Eに開口している。
冷却部Mは、例えば、冷蔵用冷却器61、冷蔵用送風機62、冷凍用冷却器63、冷凍用送風機64、圧縮機65、および冷凍サイクル装置CD(図4参照)を含む。
冷蔵用冷却器61は、第1ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用冷却器61は、圧縮機65により圧縮された冷媒が供給され、第1ダクト空間D1を流れる冷気を冷却する。冷蔵用送風機62は、例えば第1ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用送風機62が駆動されると、第1ダクト空間D1内の空気は、第1ダクト空間D1内を上方に向けて流れ、冷蔵用冷却器61によって冷却される。冷蔵用冷却器61によって冷却された冷気は、複数の冷蔵室冷気吹出口51aから冷蔵室21Aに吹き出され、チルド室冷気吹出口51bからチルド室21AAに吹き出される。冷蔵室21Aおよびチルド室21AAに吹き出された冷気は、冷蔵室21Aおよびチルド室21AAをそれぞれ流れた後、例えば野菜室21Bを経由して、冷気戻り口51cから第1ダクト空間D1に戻る。これにより、冷蔵室21A、チルド室21AA、および野菜室21Bの冷却が行われる。
冷凍用冷却器63は、第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用冷却器63は、圧縮機65により圧縮された冷媒が供給され、第2ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。冷凍用送風機64は、例えば第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用送風機64が駆動されると、第2ダクト空間D2内の空気は、第2ダクト空間D2内を上方に向けて流れ、冷凍用冷却器63によって冷却される。冷凍用冷却器63によって冷却された冷気は、冷気吹出口52aから製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに流入する。製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに流入した冷気は、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dをそれぞれ流れた後、主冷凍室21Eを経由して、冷気戻り口52bから第2ダクト空間D2に戻る。これにより、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eの冷却が行われる。
圧縮機65は、例えば、冷蔵庫100の底部の機械室に設けられている。圧縮機65は、各貯蔵室21の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機65により圧縮された冷媒ガスは、冷蔵用冷却器61および冷凍用冷却器63に送られる。
図4は、冷凍サイクル装置CDの構成を示す図である。冷凍サイクル装置CDは、冷媒の流れ順に、凝縮器71、ドライヤ72、三方弁73、キャピラリーチューブ74,75などが環状に接続されることにより実現される。例えば、圧縮機65の高圧吐出口には、凝縮器71とドライヤ72とが順に接続パイプ76を介して接続されている。ドライヤ72の吐出側には、三方弁73が接続されている。三方弁73は、ドライヤ72が接続される1つの入口と、2つの出口とを有している。三方弁73の2つの出口のうち、一方の出口には冷蔵側キャピラリーチューブ74と冷蔵用冷却器61とが順に接続されている。冷蔵用冷却器61は、接続配管である冷蔵側サクションパイプ77を介して圧縮機65に接続されている。三方弁73の2つの出口のうち、他方の出口には、冷凍側キャピラリーチューブ75と冷凍用冷却器63とが順に接続されている。冷凍用冷却器63は、接続配管である冷凍側サクションパイプ78を介して圧縮機65に接続されている。冷凍用冷却器63と圧縮機65との間には、冷蔵用冷却器61からの冷媒が冷凍用冷却器63側に逆流することを抑制するための逆止弁79が設けられている。
冷凍サイクル装置CDを循環する冷媒は、圧縮機65により圧縮されて、高温、高圧のガス状冷媒となる。このガス状冷媒は、凝縮器71により放熱されて、中温、高圧の液状冷媒となる。その後、ドライヤ72を通ることで汚れや水分などの不純物が取り除かれた液状冷媒は、三方弁73により絞り制御されながら、冷蔵側キャピラリーチューブ74(または冷凍側キャピラリーチューブ75)に入る。このとき、冷蔵側キャピラリーチューブ74(または冷凍側キャピラリーチューブ75)内の中温、高圧の液状冷媒は、冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)内の冷媒と熱交換されながら減圧される。そして、減圧された冷媒は、冷蔵用冷却器61(または冷凍用冷却器63)を通過しながら蒸発することで、冷蔵用冷却器61(または冷凍用冷却器63)が冷却される。その後、低温、低圧のガス状となった冷媒は、冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)に流入する。冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)に流入した直後の冷媒ガスの温度は、-10℃前後と低温である。この冷媒ガスは、サクションパイプ77(またはサクションパイプ78)を通る間に、キャピラリーチューブ74(またはキャピラリーチューブ75)内の冷媒と熱交換されて、最終的には室温程度にまで昇温される。そして、この冷媒ガスが、圧縮機65に再び吸入されて、冷媒の循環が完了する。
図5は、冷蔵庫100のシステム構成を示す図である。冷蔵庫100は、例えば、冷蔵室温度センサ81、チルド室温度センサ82、冷凍室温度センサ83、急冷用温度センサ84、通信部86、情報処理部90、および記憶部95を備えている。
冷蔵室温度センサ81は、冷蔵室21Aに設けられ、冷蔵室21Aの温度(空気温度)を検出する。チルド室温度センサ82は、チルド室21AAに設けられ、チルド室21AAの温度(空気温度)を検出する。なお、チルド室温度センサ82が省略され、冷蔵室温度センサ81の検出結果に基づいてチルド室21AAの温度が推定されてもよい。
冷凍室温度センサ83は、主冷凍室21Eに設けられ、主冷凍室21Eの温度(空気温度)を検出する。冷凍室温度センサ83は、主冷凍室21Eに関する基本的な冷凍運転において指標として用いられる温度を検出する。冷凍室温度センサ83は、急冷用温度センサ84と比べて、主冷凍室21Eの中央部寄り(例えば、主冷凍室21Eの鉛直方向の中央部寄り)に配置されている。
本実施形態では、主冷凍室21Eには、2つ冷凍室容器42Ea,42Ebが上下に重ねて配置されている(図3参照)。冷凍室温度センサ83は、例えば、2つの冷凍室容器42Ea,42Ebのうち上側に配置された冷凍室容器42Ea(以下「上側冷凍室容器42Ea」と称する)の後方に配置されている。冷凍室温度センサ83は、例えば、上側冷凍室容器42Eaの上端UE(例えば最上端)よりも下方に位置する。別の観点によれば、上側冷凍室容器42Eaの後端部は、上述した上端UE(例えば最上端)よりも低い位置に後端部上端BUEを有する。冷凍室温度センサ83は、上側冷凍室容器42Eaの後端部上端BUEよりも下方に位置する。冷凍室温度センサ83は、「第2温度センサ」の一例である。
本実施形態では、後述する制御部91は、冷凍室温度センサ83により検出された温度に基づいて通常の冷凍運転(急冷制御を伴わない冷凍運転)における冷却制御を行う。例えば、制御部91は、通常の冷凍運転において、冷凍室温度センサ83により検出された温度と主冷凍室21Eの目標温度との差分に基づくPID(Proportional-Integral-Differential)制御により圧縮機65および冷凍用送風機64を駆動する。
急冷用温度センサ84は、主冷凍室21Eに設けられ、主冷凍室21Eの温度(空気温度)を検出する。急冷用温度センサ84は、後述する急冷制御の開始の要否判定において指標として用いられる温度を検出する。急冷用温度センサ84は、主冷凍室21Eにおいて、冷凍室温度センサ83よりも高い位置に配置されている(図3参照)。急冷用温度センサ84は、例えば、主冷凍室21Eの上部に配置されている。「冷凍室の上部」とは、例えば、当該冷凍室に配置された容器(例えば最上段容器)の上端よりも高い領域を意味する。本実施形態では、急冷用温度センサ84は、上側冷凍室容器42Eaの後端部上端BUEよりも上方に位置する。さらに言えば、急冷用温度センサ84は、上側冷凍室容器42Eaの上端UE(例えば最上端)よりも上方に位置する。なお、急冷用温度センサ84は、主冷凍室21Eの天井面(仕切部17の下面)に取り付けられてもよい。急冷用温度センサ84は、「第1温度センサ」の一例である。
通信部86は、例えば、アンテナと高周波回路とを含み、無線通信可能である。通信部86は、例えば、ユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。これにより、冷蔵庫100は、サーバ200を介して端末装置300と通信可能である。なお、通信部86は、Bluetoothなどの無線通信によって端末装置300と直接に通信可能でもよい。
情報処理部90は、冷蔵庫100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、情報処理部90の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。情報処理部90の一部または全部は、冷蔵庫100に代えて、サーバ200または端末装置300に設けられてもよい。
情報処理部90は、例えば、制御部91と、報知出力部92とを含む。制御部91は、冷蔵庫100の全体を制御する。制御部91は、各貯蔵室21に対する冷却制御を実行する。報知出力部92は、冷蔵庫100の状態を示すための情報を、操作パネル部34または端末装置300に送信することで、冷蔵庫100の状態をユーザUに報知する。制御部91および報知出力部92の処理については、詳しく後述する。
記憶部95は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drove)、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部95には、冷蔵庫100の制御に必要な情報が記憶される。例えば、記憶部95には、後述する急冷制御に関する閾値や設定値が記憶されている。なお、記憶部95の一部または全部は、サーバ200または端末装置300に設けられてもよい。
<3.制御>
次に、冷蔵庫100の制御について説明する。以下に説明する制御は、特段の説明が無い限り、制御部91によって行われる。
<3.1 基本運転>
まず、冷蔵庫100の基本運転について説明する。制御部91は、冷蔵庫100の基本運転として、「冷蔵運転」および「冷凍運転」を実行する。「冷蔵運転」とは、三方弁73が切り替えられて圧縮機65から冷蔵用冷却器61に液体冷媒が供給される運転を意味する。なお「冷蔵運転」は、冷蔵用送風機62が駆動される場合に限定されず、冷蔵用送風機62が停止された状態で圧縮機65から冷蔵用冷却器61に冷媒が送られ、冷蔵用冷却器61とチルド室21AAとの間の伝熱によりチルド室21AAの温度が低下する場合なども含み得る。一方で、「冷凍運転」は、三方弁73が切り替えられて圧縮機65から冷凍用冷却器63に液体冷媒が供給される運転を意味する。
制御部91は、例えば、冷蔵運転と冷凍運転とを交互に行うことにより、冷蔵温度帯の貯蔵室21(冷蔵室21A、チルド室21AA、野菜室21B)と、冷凍温度帯の貯蔵室21(製氷室21C、小冷凍室21D、主冷凍室21E)とがそれぞれの設定温度帯に保たれるように、冷却部Mを制御する。例えば、制御部91は、第1所定時間(例えば20分)に亘り冷蔵温度帯の貯蔵室21を冷却し、第2所定時間(例えば40分)に亘り冷凍温度帯の貯蔵室21を冷却することを交互に繰り返す。冷蔵運転が行われる間は、冷蔵温度帯の貯蔵室21の温度は低下するが、冷凍温度帯の貯蔵室21の温度は上昇する。一方で、冷凍運転が行われる間は、冷凍温度帯の貯蔵室21の温度は低下するが、冷蔵温度帯の貯蔵室21の温度は上昇する。このため、冷蔵温度帯の貯蔵室21の温度と、冷凍温度帯の貯蔵室21の温度は、それぞれ鋸歯状に上下することを繰り返す。
なお、冷蔵運転と冷凍運転との間には、冷媒の回収を行うための運転であるポンプダウンや、冷蔵温度帯の貯蔵室21および冷凍温度帯の貯蔵室21のいずれに対しても冷却を行わない非冷却時間が存在してもよい。本出願で言う「冷凍運転ではない時間」とは、冷蔵運転が行われている時間に限定されず、ポンプダウンが行われている時間や、上記非冷却時間なども該当し得る。
<3.2 急冷制御>
次に、急冷制御について説明する。急冷制御は、基本運転と比べて主冷凍室21Eの温度を急速に低下させる制御モードである。なお「急冷制御」とは、1回の冷凍運転の間に終了する制御でもよく、複数の冷凍運転に亘る制御でもよい。すなわち、急冷制御がある所定時間行われるとは、当該所定時間の間に冷蔵運転と冷凍運転とが交互に行われ、その間に行われる冷凍運転において急冷制御が行われることを意味する。また、急冷制御が行われる場合、冷凍運転の実施時間である第2所定時間(例えば40分)がより長い実施時間(例えば60分)に延長されてもよい。すなわち、急冷制御が行われる場合、第1所定時間(例えば20分)の冷蔵運転と、延長された第2所定時間(例えば60分)の冷凍運転とが交互に行われてもよい。
本実施形態では、制御部91は、主冷凍室21Eに対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能である。冷却能力が異なるとは、例えば、圧縮機65または冷凍用送風機64のうち少なくとも一方の駆動量が異なることを意味する。ただし、冷却能力が異なるとは、上記例に限定されず、上述した第2所定時間の延長時間などが複数の急冷制御で異なってもよい。
<急冷制御の選択と開始判定>
まず、急冷制御の選択と開始判定について説明する。本実施形態では、制御部91は、主冷凍室扉31Eに対応する扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内に所定値以上の温度が急冷用温度センサ84により検出される場合、複数の急冷制御のなかから急冷用温度センサ84により検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する。
ここで「扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たす」とは、例えば、扉開閉検知センサ33Eによって主冷凍室扉31Eが閉じられたことが検知されることを意味する。この場合、「扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内」とは、扉開閉検知センサ33Eによって主冷凍室扉31Eが閉じられたことが検知されてから所定時間(例えば5分)の間を意味する。ただし、「所定条件」は上記例に限定されない。「扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たす」とは、例えば、扉開閉検知センサ33Eによって主冷凍室扉31Eが開かれたことが検知されることを意味してもよい。この場合、「扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内」とは、扉開閉検知センサ33Eによって主冷凍室扉31Eが開かれたことが検知されてから所定時間(例えば5分)の間を意味してもよい。以下、具体的な一例について説明する。ただし、以下に説明する内容により、本出願の内容が限定されるものではない。
図6は、急冷制御設定情報ST1の内容の一例を示す図である。急冷制御設定情報ST1は、記憶部95に記憶され、制御部91によって参照される。急冷制御設定情報ST1は、複数の急冷制御の設定内容を示す情報である。図6に示す例では、冷却能力が異なる3つの急冷制御(3段階の急冷制御)が実行可能である。
第1急冷制御は、3つの急冷制御のなかで冷却能力が最も高い急冷制御である。第1急冷制御は、上記所定時間内に急冷用温度センサ84によって-10℃以上の温度が検出される場合に選択されて実行される。ここで、通常の主冷凍室21Eの温度は-20℃程度である。第1急冷制御における圧縮機65および冷凍用送風機64の駆動量は、3つの急冷制御のなかで最も大きい。また本実施形態では、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上(例えば1分以上)であることが扉開閉検知センサ33Eによって検知される場合、急冷用温度センサ84により検出される温度に関わらず、第1急冷制御が実行される。第1急冷制御は、「複数の急冷制御のなかで予め設定された相対的に冷却能力が高い急冷制御」の一例である。
第2急冷制御は、3つの急冷制御のなかで冷却能力が中程度の急冷制御である。第2急冷制御は、上記所定時間内に急冷用温度センサ84によって-10℃よりも低く、-13℃以上の温度が検出される場合に選択して実行される。第2急冷制御における圧縮機65および冷凍用送風機64の駆動量は、3つの急冷制御のなかで中程度である。
第3急冷制御は、3つの急冷制御のなかで冷却能力が最も低い急冷制御である。第3急冷制御は、上記所定時間内に急冷用温度センサ84によって-13℃よりも低く、-16℃以上の温度が検出される場合に実行される。第3急冷制御における圧縮機65および冷凍用送風機64の駆動量は、3つの急冷制御のなかで最も小さい。
図7は、急冷制御設定情報ST1の内容の別の一例を示す図である。図7に示す例では、冷却能力が異なる5つの急冷制御(5段階の急冷制御)が実行可能である。各急冷制御の内容は、図6を用いて説明した内容と同様であるため、詳細な説明は省略する。本変形例では、特別条件が満たされる場合に第1急冷制御が実行される。特別条件は、例えば、特に急速な急冷が必要な食品が主冷凍室21Eに投入されることが、ユーザUによって操作部34aまたは端末装置300に入力される場合である。本変形例では、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上(例えば1分以上)であることが扉開閉検知センサ33Eによって検知される場合、急冷用温度センサ84により検出される温度に関わらず、第2急冷制御が実行される。第2急冷制御は、「複数の急冷制御のなかで予め設定された相対的に冷却能力が高い急冷制御」の一例である。
<冷蔵運転との関係>
次に、冷蔵運転との関係について説明する。本実施形態では、制御部91は、冷蔵室21Aを含む冷蔵温度帯の貯蔵室21を冷却する冷蔵運転と、主冷凍室21Eを含む冷凍温度帯の貯蔵室21を冷却する冷凍運転とを交互に行い、冷凍運転ではない時間(冷蔵運転の時間やポンプダウン時間、非冷却時間など)に急冷制御を開始させる条件が満たされる場合、冷蔵運転を通常時間よりも短い最低時間(特別時間)行うことに応じて冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。
図8は、冷蔵運転と急冷制御との関係を説明するための図である。図8中の(a)は、急冷制御を開始させる条件が満たされず、第1所定時間TAの冷蔵運転と第2所定時間TBの冷凍運転(急冷制御を伴わない冷凍運転)とが交互に行われる場合を示す。一方で、図8中の(b)は、冷蔵運転の途中に急冷制御を開始させる条件が満たされる場合を示す。図8中の(b)は、時刻t1において、急冷制御を開始させる条件が満たされ、制御部91により急冷が必要との判定(以下「急冷要判定」と称する)が行われる例を示す。
図8中の(b)に示すように、制御部91は、冷蔵運転の途中に急冷要判定が行われた場合、冷蔵運転が通常時間(第1所定時間TA)よりも短い最低時間TA´行われることに応じて冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。例えば、制御部91は、冷蔵運転の開始から時間Taa経過時に急冷要判定が行われた場合、時間Taaが冷蔵運転の最低時間TA´を超えているか否かを判定する。制御部91は、時間Taaが冷蔵運転の最低時間TA´を超えている場合、その時点で冷蔵運転を終了させ、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。一方で、制御部91は、時間Taaが冷蔵運転の最低時間TA´を超えていない場合、冷蔵運転の継続時間が上記最低時間TA´に達するまで冷蔵運転を追加時間Tab行い、冷蔵運転の継続時間が上記最低時間TA´に達した時点で冷蔵運転を終了させ、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。最低時間TA´の長さは、例えば、第1所定時間TAの長さの半分以下である。
図9は、最低時間設定情報ST2の内容の一例を示す図である。最低時間設定情報ST2は、記憶部95に記憶され、制御部91によって参照される。最低時間設定情報ST2は、複数の急冷制御における最低時間TA´の長さを示す情報である。図9中に示される第1から第3の急冷制御は、例えば図6を参照して説明した第1から第3の急冷制御と同じ内容である。すなわち、3つの冷却制御のなかで、第1冷却制御の冷却能力が最も高く、第2冷却制御の冷却能力が中程度であり、第3冷却制御の冷却能力が最も低い。本実施形態では、最低時間TA´の長さは、複数の急冷制御で異なる。図9に示す例では、第1冷却制御が選択された場合の最低時間TA´の長さが最も短く設定され、第2冷却制御が選択された場合の最低時間TA´の長さが中程度に設定され、第3冷却制御が選択された場合の最低時間TA´の長さが最も長く設定されている。
図10は、最低時間設定情報ST2の内容の別の一例を示す図である。図10中に示される例では、第1急冷制御が選択された場合の最低時間TA´の長さがゼロに設定されている。図10中に示される例では、制御部91は、冷蔵運転の実行中に第1急冷制御を開始させる条件が満たされる場合、その時点で冷蔵運転を終了させ、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。また、制御部91は、例えば冷蔵運転の実行前のポンプダウン中に第1急冷制御を開始させる条件が満たされる場合、冷蔵運転を行わずに、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。図10中に示される例では、最低時間TA´の有無が複数の急冷制御で異なる。
<急冷制御の終了判定>
次に、急冷制御の終了判定について説明する。本実施形態では、制御部91は、通常の冷凍運転(急冷制御を伴わない冷凍運転)における冷却制御を行うための冷凍室温度センサ83により検出された温度に基づいて、急冷制御の終了に関する判定を行う。例えば、制御部91は、急冷制御を開始した後、冷凍室温度センサ83により検出される温度が所定値以下(例えば-22℃)になる場合に急冷制御を終了させる。
さらに言えば、本実施形態では、制御部91は、冷凍室温度センサ83により検出された温度、および急冷用温度センサ84により検出された温度の両方を用いて急冷制御の終了に関する判定を行う。例えば、制御部91は、急冷制御を開始した後、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値(例えば-20℃)以下になり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値(例えば-22℃)以下になる場合に、急冷制御を終了させる。第2所定値は、例えば、第1所定値よりも低い温度である。
本実施形態では、制御部91は、複数の冷却制御のなかから選択された急冷制御が特定の急冷制御である場合、冷凍室温度センサ83により検出される温度および急冷用温度センサ84により検出される温度に関わらず、一定時間経過後(例えば120分経過後)に急冷制御を終了させる。すなわち、冷凍室温度センサ83により検出される温度および急冷用温度センサ84により検出される温度が上記所定値に達していなくても、急冷制御を終了させる。「急冷制御が特定の急冷制御である場合」とは、例えば、選択された急冷制御が複数の急冷制御のなかで最も冷却能力が高い急冷制御である場合である。なお「急冷制御が特定の急冷制御である場合」の別の例は、選択された急冷制御が複数の急冷制御のなかで平均よりも冷却能力が高い急冷制御であって、冷却能力が一番高いまたはその次に高い急冷制御である場合である。
<4.制御の流れ>
次に、本実施形態の制御の流れについて説明する。
図11は、制御部91による制御の流れを示すフローチャートである。図11のフローは、主冷凍室扉31Eが開かれたことが扉開閉検知センサ33Eにより検知されることで開始される。なお図11は、説明を分かりやすくするため、急冷要判定が行われた時点から急冷制御が開始される例を示す。
まず、制御部91は、扉開閉検知センサ33Eによる検知結果に基づき、主冷凍室扉31Eが閉められたか否かを判定する(S101)。制御部91は、主冷凍室扉31Eが閉められたことが検知されない場合(S101:NO)、所定の周期でS101の処理を繰り返す。一方で、制御部91は、主冷凍室扉31Eが閉められたことが検知された場合(S101:YES)、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上であるか否かを判定する(S102)。
制御部91は、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上である場合(S102:YES)、急冷用温度センサ84の検出結果に関わらず、複数の急冷制御のなかで冷却能力が最も高い第1急冷制御を開始する(S103)。一方で、制御部91は、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間未満である場合(S102:NO)、複数の急冷制御のなかから急冷用温度センサ84により検出された温度に基づいて実行する急冷制御を選択する(S104)。例えば、制御部91は、主冷凍室扉31Eが閉められたことが扉開閉検知センサ33Eに検知されてから所定時間経過時(例えば5分経過時)に急冷用温度センサ84により検出された温度に基づいて実行する急冷制御を選択する。
次に、制御部91は、S104の処理で選択された急冷制御が第1急冷制御であるか否かを判定する(S105)。制御部91は、選択された急冷制御が第1急冷制御である場合(S105:YES)、第1急冷制御を開始する(S103)。一方で、制御部91は、選択された急冷制御が第1急冷制御でない場合(S105:NO)、急冷用温度センサ84により検出された温度に応じた第2急冷制御または第3急冷制御を開始する(S106)。
制御部91は、S103の処理で第1急冷制御を開始する場合、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値以下であり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値以下であるか否かを判定する(S107)。制御部91は、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値よりも高い、または、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値よりも高い場合(S107:NO)、第1急冷制御を開始から一定時間(例えば120分)経過したか否かを判定する(S108)。
制御部91は、第1急冷制御を開始から一定時間経過した場合(S108:YES)、急冷用温度センサ84により検出される温度、および冷凍室温度センサ83により検出される温度に関わらず、急冷制御を終了させる(S110)。一方で、制御部91は、第1急冷制御を開始から一定時間経過していない場合(S108:NO)、所定の周期でS107に戻り、処理を繰り返す。制御部91は、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値以下であり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値以下である場合(S107:YES)、急冷制御(第1急冷制御)を終了させる(S110)。
制御部91は、S106の処理で第2急冷制御または第3急冷制御を開始する場合、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値以下であり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値以下であるか否かを判定する(S109)。制御部91は、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値よりも高い、または、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値よりも高い場合(S109:NO)、所定の周期でS109の処理を繰り返す。制御部91は、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値以下であり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値以下であるか場合(S109:YES)、急冷制御(第2急冷制御または第3急冷制御)を終了させる(S110)。
<5.複数の制御の優先順位>
次に、別の制御と急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。本実施形態では、制御部91は、複数の急冷制御とは異なる別の制御の実行中に複数の急冷制御のなかから1つの急冷制御が選択されて実行される実行条件が満たされる場合、予め設定された上記別の制御と上記急冷制御との優先順位に基づき冷却部Mを制御する。優先順位を示す情報は、記憶部95に予め記憶されている。以下、この内容について詳しく説明する。なお以下では、「急冷制御の実行条件が満たされる」ことを、「急冷要判定が行われる」と称する場合がある。また、複数の急冷制御(例えば第1から第3の急冷制御)を互いに区別しない場合、単に「急冷制御」と称する。
<5.1 除霜制御との関係>
まず、除霜制御と急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。
先に除霜制御について説明する。制御部91は、主冷凍室21Eに関連した除霜制御として、冷凍用冷却器63に付着した霜を溶かす除霜制御を行う。例えば、制御部91は、冷凍用冷却器63に取り付けられた不図示のヒータに通電を行うことで、冷凍用冷却器63を加熱して霜を溶かす。制御部91は、所定の周期または所定条件が満たされる場合(例えば、冷凍用冷却器63により冷却される空気の温度が下がりにくい場合)に除霜制御を開始する。そして、制御部91は、例えば予め設定された所定時間TCに亘り除霜制御を行うことに応じて、除霜制御を終了する。
図12は、除霜制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図である。本実施形態では、制御部91は、除霜制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、除霜制御を優先して実行し、除霜制御の終了後に急冷制御を開始する。図12に示す例では、制御部91は、除霜制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、除霜制御の通常の所定時間TC(急冷要判定が行われない場合の所定時間)が経過するまで除霜制御を継続し、その後、急冷制御を開始する。なお「除霜制御を優先して実行する」とは、除霜制御の実行中に急冷要判定が行われる場合に除霜制御を少なくても一時的に継続することを意味する。すなわち、「除霜制御を優先して実行する」とは、通常の所定時間TCに亘り除霜制御が継続される場合に限定されず、通常の所定時間TCよりも短い時間で除霜制御が終了され、急冷制御が開始される場合も含む。この定義は、他の制御(特別チルド、解凍制御、一気製氷、節電制御など)でも同様である。
図13は、除霜制御と急冷制御との優先順位の別の一例を示す図である。制御部91は、除霜運転の実行中に急冷要判定が行われる場合、除霜制御が通常の所定時間TCよりも短い最低時間TC´行われることに応じて除霜制御を終了させて急冷制御を開始する。例えば、制御部91は、除霜制御の開始から時間Tca経過時に急冷要判定が行われた場合、時間Tcaが除霜制御の最低時間TC´を超えているか否かを判定する。制御部91は、時間Tcaが除霜制御の最低時間TC´を超えている場合、その時点で除霜制御を終了させ、急冷制御を開始する。一方で、制御部91は、時間Tcaが除霜制御の最低時間TC´を超えていない場合、除霜制御の継続時間が最低時間TC´に達するまで除霜制御を追加時間Tcb行い、除霜運転の継続時間が最低時間TC´に達した時点で除霜制御を終了させ、急冷制御を開始する。最低時間TC´は、「特別時間」と称されてもよい。
図14は、最低時間設定情報ST3の内容の別の一例を示す図である。最低時間設定情報ST3は、記憶部95に記憶され、制御部91によって参照される。複数の急冷制御における最低時間TC´の長さを示す情報である。図14中に示される例では、第1急冷制御が選択される場合の最低時間TC´の長さが通常の所定時間TCと同じに設定され、第2急冷制御が選択される場合の最低時間TC´の長さが相対的に短く設定され、第3冷却制御が選択される場合の最低時間TC´の長さがゼロ(すなわち、急冷要判定が行われると除霜制御は即時終了)に設定されている。なお、第3急冷制御が選択される場合の最低時間TC´は、ゼロに限らず、相対的に最も短い時間が設定されてもよい。図14に示す例では、最低時間TC´の長さおよび最低時間TC´の有無が複数の急冷制御で異なる。第1急冷制御が選択される場合の最低時間TC´は、「第1時間」の一例である。第2急冷制御が選択される場合の最低時間TC´は、「第2時間」の一例である。ここで、「除霜制御を第2時間行うことに応じて終了させる」とは、急冷要判定が行われたときに既に除霜制御の開始から第2時間を超えている場合、その時点で除霜制御を終了させる場合も含む。
<5.2 特別チルドとの関係>
次に、特別チルドと急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。
図15は、特別チルドを説明するための図である。特別チルドの制御は、第1温度帯SAでチルド室21AAを冷却する低温冷却制御と、第1温度帯SAよりも高い第2温度帯SBでチルド室21AAを冷却する高温冷却制御とを交互に繰り返す制御である。
第1温度帯SAの平均温度は、例えば-5℃である。第1温度帯SAの平均温度は、氷点以下の温度であり、0℃未満の温度である。第1温度帯SAは、チルド室21AAの食品の表面を微凍結させる温度である。低温冷却制御は、所定時間TE(例えば2時間)に亘り実施される。一方で、第2温度帯SBの平均温度は、例えば+1℃である。第2温度帯SBの平均温度は、氷点よりも高い温度であり、0℃以上の温度である。第2温度帯SBは、チルド室21AAの食品の表面を作られた微凍結の層を融解させることができる温度である。高温冷却制御は、低温冷却制御の所定時間TEよりも長い所定時間TD(例えば7時間)に亘り実施される。このような特別チルドの制御によれば、食品表面のみ微凍結することにより、食品の乾燥および酸化を抑制することができ、食品の鮮度をより長く維持することができる。特別チルドは、冷蔵運転に含まれる制御である。
図16は、特別チルドの高温冷却制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図である。本実施形態では、制御部91は、高温冷却制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、急冷制御を優先して実行する。図16に示す例では、制御部91は、高温冷却制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、高温冷却制御をその時点で終了し、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。その結果、高温冷却制御の所定時間TD´は、高温冷却制御の通常の所定時間TD(急冷要判定が行われない場合の所定時間)よりも短くなる。制御部91は、急冷制御の終了後、冷蔵運転に移行して特別チルドの制御を再開する。制御部91は、急冷制御の時間が高温冷却制御の所定時間TDと比べて短い場合、急冷制御の終了後に高温冷却制御を再開してもよい。
図17は、特別チルドの低温冷却制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図である。制御部91は、低温冷却制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、低温冷却制御が通常の所定時間TEよりも短い最低時間TE´行われることに応じて低温冷却制御を終了し、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。例えば、制御部91は、低温冷却制御の開始から時間Tea経過時に急冷要判定が行われた場合、時間Teaが低温冷却制御の最低時間TE´を超えているか否かを判定する。制御部91は、時間Teaが低温冷却制御の最低時間TE´を超えている場合、その時点で低温冷却制御を終了させ、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。一方で、制御部91は、時間Teaが低温冷却制御の最低時間TE´を超えていない場合、低温冷却制御の継続時間が上記最低時間TE´に達するまで低温冷却制御を追加時間Teb行い、低温冷却制御の継続時間が上記最低時間TE´に達した時点で低温冷却制御を終了させ、冷凍運転に移行して急冷制御を開始する。最低時間TE´は、「特別時間」と称されてもよい。
図18は、最低時間設定情報ST4の内容の一例を示す図である。最低時間設定情報ST4は、記憶部95に記憶され、制御部91によって参照される。最低時間設定情報ST4は、複数の急冷制御における最低時間TE´の長さを示す情報である。図18中に示される例では、第1急冷制御が選択される場合の最低時間TE´の長さがゼロ(すなわち、急冷要判定が行われると低温冷却制御は即時終了)に設定され、第2急冷制御が選択される場合の最低時間TE´の長さが相対的に長く設定され、第3冷却制御が選択される場合の最低時間TE´の長さが最も長く設定されている。図18中に示される例では、最低時間TE´の長さおよび最低時間TE´の有無が複数の急冷制御で異なる。なお、第1急冷制御における最低時間TE´は、ゼロに限らず、相対的に最も短い時間が設定されてもよい。第1急冷制御が選択される場合の最低時間TE´は、「第3時間」の一例である。第2急冷制御が選択される場合の最低時間TE´は、「第4時間」の一例である。ここで、「低温冷却制御を第3時間行うことに応じて終了させる」とは、急冷要判定が行われたときに既に低温冷却制御の開始から第3時間を超えている場合、その時点で低温冷却制御を終了させる場合も含む。
<5.3 解凍制御との関係>
次に、解凍制御と急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。
先に解凍制御について説明する。制御部91は、チルド室21AAの温度を上昇させてチルド室21AAの食品の解凍を促進させる解凍制御を行う。例えば、制御部91は、圧縮機65から冷蔵用冷却器61への冷媒の供給を停止するとともに、冷蔵用送風機62を駆動することで、通常よりも温かい空気をチルド室21AAに送ることで解凍制御を行う。解凍制御は、冷凍運転と同時実施可能な制御である。
図19は、解凍制御と急冷制御の優先順位の一例を示す図である。本実施形態では、制御部91は、解凍制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、解凍制御を実行しつつ(すなわち解凍制御を優先しつつ)、急冷制御を開始する。図19に示す例では、制御部91は、解凍制御の実行中に急冷要判定が行われる場合に、解凍制御の通常の所定時間TF(急冷要判定が行われない場合の所定時間)が経過するまで解凍制御を継続する。
<5.4 特別製氷制御との関係>
次に、特別製氷制御と急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。
先に特別製氷制御について説明する。制御部91は、通常の冷凍運転時と比べて製氷完了が早い制御であり、「一気製氷」とも称される。例えば、制御部91は、冷凍運転において、圧縮機65および/または冷凍用送風機64の駆動量を高めることで、通常よりも冷たい空気を多く製氷室21Cに送る。例えば、特別製氷制御における圧縮機65および冷凍用送風機64の駆動量は、第1急冷制御における圧縮機65および冷凍用送風機64の駆動量よりも大きい。
図20は、特別製氷制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図である。本実施形態では、制御部91は、特別製氷制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、特別製氷制御を優先して実行し、特別製氷制御の終了後に急冷制御を開始する。図20に示す例では、制御部91は、特別製氷制御の実行中に急冷要判定が行われる場合に、特別製氷制御の通常の所定時間TG(急冷要判定が行われない場合の所定時間)が経過するまで特別製氷制御を継続し、その後、急冷制御を開始する。
なお別の例として、制御部91は、特別製氷制御の実行中に第1急冷制御の実行条件が満たされる場合、特別製氷制御を終了させて第1急冷制御を開始し(すなわち第1急冷制御を優先し)、特別製氷制御の実行中に第2急冷制御の実行条件が満たされる場合、特別製氷制御を少なくとも一時的に継続し(すなわち特別製氷制御を優先し)、特別製氷制御の終了後に急冷制御を開始してもよい。
<5.5 節電制御との関係>
次に、節電制御と急冷制御の実行タイミングが重なる場合について説明する。
先に節電制御について説明する。制御部91は、通常の冷蔵運転および冷凍運転(すなわち、節電制御が行われていない状態での冷蔵運転および冷凍運転)と比べて、消費電力を抑制する制御である。例えば、制御部91は、通常の冷蔵運転および冷凍運転と比べて、貯蔵室21の冷却の目標温度を1℃または2℃高めることで、圧縮機65、冷蔵用送風機62、または冷凍用送風機64の駆動量を抑制し、消費電力を低下させる。
図21は、節電制御と急冷制御との優先順位の一例を示す図である。本実施形態では、制御部91は、節電制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、急冷制御を優先して実行する。図21に示す例では、制御部91は、節電制御の実行中に急冷要判定が行われる場合、節電制御をその時点で終了させ、急冷制御を開始する。
なお別の例として、制御部91は、節電制御の実行中に第1急冷制御の実行条件が満たされる場合、ユーザUに確認を取ることなく節電制御を終了させて第1急冷制御を開始し(すなわち第1急冷制御を優先し)、節電制御の実行中に第2急冷制御の実行条件が満たされる場合、報知部34bまたは端末装置300を通じて、節電制御を終了させるか否かをユーザUに問い合わせてもよい。
<6.報知出力部>
次に、報知出力部92による動作について説明する。
図22は、操作パネル部34を示す正面図である。上述したように、操作パネル部34は、各貯蔵室21に関する設定内容や実行中の制御モードなどをユーザUに報知する報知部34bを含む。報知部34bは、急冷制御が実行中であるか否かを表示する第1表示部101と、別の制御(特別チルド、解凍制御、特別製氷制御など)が実行中であるか否かを表示する複数の第2表示部102とを含む。
本実施形態では、報知出力部92は、複数の急冷制御のなかから選択された急冷制御の冷却能力に応じて報知部34bによる報知内容を変更させる。本実施形態では、報知出力部92は、第1急冷制御が実行される場合と、第2急冷制御が実行される場合と、第3急冷制御が実行される場合とで、第1表示部101による表示態様を変更する。例えば、第1表示部101は、レベルバーを構成する複数(例えば3つ)の発光部101aを含む。報知出力部92は、第1急冷制御が実行される場合に3つの発光部101aを発光させ、第2急冷制御が実行される場合に2つの発光部101aを発光させ、第3急冷制御が実行される場合に1つの発光部101aを発光させる。
本実施形態では、上記別の制御(特別チルド、解凍制御、特別製氷制御など)と急冷制御との間の優先順位に基づき冷却部Mが制御される場合、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御でありどちらが優先されない制御であるかを示す情報を報知部34bにより報知させる。本実施形態では、報知出力部92は、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御であるかに応じて、第1表示部101および第2表示部102による表示態様を変更する。例えば、報知出力部92は、急冷制御を優先させ、上記別の制御を優先させない場合、第1表示部101を第1色(例えば青色)で点灯させ、待機中の制御(優先させない制御)に対応する第2表示部102を第2色(例えば黄色)で点滅させる。一方で、報知出力部92は、上記別の制御を優先させ、急冷制御を優先させない場合、優先させる制御に対応する第2表示部102を第1色(例えば青色)で点灯させ、第1表示部101を第2色(例えば黄色)で点滅させる。
図23は、端末装置300の表示装置301の表示画面を示す正面図である。表示装置301は、急冷制御が実行中であるか否かを表示する第1表示111と、別の制御(特別チルド、解凍制御、特別製氷制御など)が実行中であるか否かを表示する複数の第2表示112とを含む。
本実施形態では、報知出力部92は、複数の急冷制御のなかから選択された急冷制御の冷却能力に応じて端末装置300による報知内容を変更させるための情報(例えば選択された急冷制御を示す情報)を、通信部86を介して出力する。本実施形態では、報知出力部92は、第1急冷制御が実行される場合と、第2急冷制御が実行される場合と、第3急冷制御が実行される場合とで、第1表示111による表示態様を変更する。例えば、第1表示111は、レベルバーを構成する複数(例えば3つ)の表示要素111aを含む。報知出力部92は、第1急冷制御が実行される場合に3つの表示要素111aを第1色(例えば青色)で表示し、第2急冷制御が実行される場合に2つの表示要素111aを第1色で表示し、第3急冷制御が実行される場合に1つの表示要素111aを第1色で表示する。
本実施形態では、上記別の制御(特別チルド、解凍制御、特別製氷制御など)と急冷制御との優先順位に基づき冷却部Mが制御される場合、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御でありどちらが優先されない制御であるかを示すための情報を、通信部86を介して出力する。本実施形態では、報知出力部92は、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御であるかに応じて、第1表示111および第2表示112の表示態様を変更する。例えば、報知出力部92は、急冷制御を優先させ、上記別の制御を優先させない場合、第1表示111を第1色(例えば青色)で表示させ、待機中の制御(優先させない制御)に対応する第2表示112を第2色(例えば黄色)で表示させる。一方で、報知出力部92は、上記別の制御を優先させ、急冷制御を優先させない場合、優先させる制御に対応する第2表示112を第1色(例えば青色)で表示させ、第1表示111を第2色(例えば黄色)で表示させる。
<7.利点>
ユーザが操作ボタンを押さないと急冷制御が行われない冷蔵庫では、ユーザにとって不便な場合がある。また、1種類の急冷制御がしかない場合、効率よく冷却することができず、省エネ性を損なう可能性がある。
一方で、本実施形態では、制御部91は、主冷凍室21Eに対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能である。制御部91は、扉開閉検知センサ33Eの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内に所定値以上の温度が急冷用温度センサ84により検出される場合、複数の急冷制御のなかから急冷用温度センサ84により検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する。このような構成によれば、ユーザの操作を必要とせず、急性制御を行うことができる。さらに、複数種類の急冷制御のなかから必要な冷却量に適した急冷制御が選択して実行されるため、効率よく素早く冷却させることができるとともに、省エネ性を高めることができる。このため、ユーザの利便性を高めることができる。
本実施形態では、急冷用温度センサ84は、主冷凍室21Eの上部に設けられている。このような構成によれば、急冷制御が必要な温かい食材が主冷凍室21Eに入れられた場合、当該食品により温められた空気の温度をより正確に検出することができる。
ここで、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上の場合、主冷凍室扉31Eに投入される食品量が多いことが想定され、また主冷凍室扉31Eが開いていたことによる他の食品への影響が生じる場合がある。そこで本実施形態では、制御部91は、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上であることが扉開閉検知センサ33Eにより検知される場合、急冷用温度センサ84により検出される温度に関わらず、複数の急冷制御のなかで予め設定された相対的に冷却能力が高い急冷制御を選択して実行する。このような構成によれば、主冷凍室扉31Eの開時間が一定時間以上の場合、急冷用温度センサ84が正確な温度を検出できない場合であっても、高い冷却性能の急冷制御が実行される。これにより、主冷凍室扉31Eに投入される食品や、主冷凍室扉31Eに元から貯蔵されている食品の温度が予想外に上昇することを抑制することができる。
本実施形態では、複数の急冷制御は、圧縮機65または冷凍用送風機64のうち少なくとも一方の駆動量が異なる。このような構成によれば、急冷用温度センサ84により高い温度が検出されるほど圧縮機65および冷凍用送風機64の動作を強くすることで、冷えていない場合は素早く冷やし、一方で冷却負荷が軽い場合は圧縮機65および冷凍用送風機64の動作を軽くすることで、効率よく冷却することができる。
本実施形態では、制御部91は、冷蔵室21Aを冷却する冷蔵運転と、主冷凍室21Eを冷却する冷凍運転とを交互に行い、冷凍運転ではない時間に急冷制御を開始させる条件が満たされた場合、冷蔵運転を通常時間よりも短い最低時間TA´行われることに応じて冷凍運転に移行して急冷制御を実行する。このような構成によれば、冷蔵室21Aの温度をある程度保護しつつ、主冷凍室21Eを素早く冷やすことができる。
本実施形態では、最低時間TA´の長さまたは最低時間TA´の有無は、複数の急冷制御で異なる。このような構成によれば、急冷の必要性と冷凍運転の必要性のバランスを取りつつ、適切な冷却を行うことができる。
本実施形態では、急冷用温度センサ84は、冷凍室温度センサ83よりも高い位置に配置されている。冷凍室温度センサ83は、急冷用温度センサ84よりも主冷凍室21Eの中央部寄りに配置されている。制御部91は、冷凍室温度センサ83により検出された温度に基づいて通常の冷凍運転における冷却制御を行い、急冷用温度センサ84により検出された温度に基づいて急冷制御の開始の要否を判定する。このような構成によれば、主冷凍室21Eの全体の平均的な温度を検出しやすい冷凍室温度センサ83を用いて通常の冷凍運転における冷却制御を適切に行うことができるとともに、急冷用の温度検出に適した位置に急冷用温度センサ84を配置することができる。これにより、急冷制御の開始や選択に関する判定の精度を高めることができる。
本実施形態では、制御部91は、急冷制御を開始した後、冷凍室温度センサ83により検出される温度が所定値以下になる場合に急冷制御を終了させる。このような構成によれば、主冷凍室21Eの全体の平均的な温度に基づいて急冷制御の終了を判定することができる。これにより、主冷凍室21Eの全体を十分に冷却しやすくなる。
ここで、1つの温度センサにより検出される温度だけでは、誤作動など、食品が冷えていないのに急冷制御が終了してしまう可能性がある。そこで本実施形態では、制御部91は、急冷制御を開始した後、急冷用温度センサ84により検出される温度が第1所定値以下になり、且つ、冷凍室温度センサ83により検出される温度が第2所定値以下になる場合に、急冷制御を終了させる。このような構成によれば、互いに異なる位置(例えば異なる高さ)に配置された複数の温度センサ83,84により検出される温度に基づき、主冷凍室21Eの全体が十分に冷却されたことを確認して急冷制御を終了させることができる。
ここで相対的に冷却能力の高い急性制御を長い時間に亘り実施すると、主冷凍室21Eを冷やし過ぎる場合や、主冷凍室21E以外の冷却が弱くなる場合があり得る。そこで本実施形態では、制御部91は、複数の冷却制御のなかから選択された急冷制御が特定の急冷制御である場合、冷凍室温度センサ83により検出される温度に関わらず、一定時間経過後に急冷制御を終了させる。このような構成によれば、相対的に冷却能力の高い急性制御が過度に長い時間に亘り実施されることを抑制することができる。
本実施形態では、冷蔵庫100は、報知部34bと、報知出力部92とを備える。報知部34bは、筐体10または扉31に設けられる。報知出力部92は、複数の急冷制御のなかから選択された急冷制御の冷却能力に応じて報知部34bによる報知内容を変更させる。このような構成によれば、どのレベルの急冷制御が行われているかをユーザUに分かりやすく報知することができる。
本実施形態では、冷蔵庫100は、通信部86と、報知出力部92とを備える。通信部86は、サーバ200を介してまたは直接に端末装置300と通信可能である。報知出力部92は、複数の急冷制御のなかから選択された急冷制御に応じて端末装置300による報知内容を変更させるための情報を、通信部86を介して出力する。このような構成によれば、急冷制御のレベルを端末装置300上に表示することで、どのレベルの急冷制御が行われているかをユーザUに分かりやすく報知することができる。
本実施形態では、制御部91は、複数の急冷制御とは異なる別の制御の実行中に複数の急冷制御のなかから1つの急冷制御が選択されて実行される実行条件が満たされる場合、予め設定された上記別の制御と上記急冷制御との優先順位に基づき冷却部Mを制御する。このような構成によれば、種々の状況に応じた適切な冷却制御を自動で行うことができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
本実施形態では、制御部91は、除霜制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、除霜制御を優先して実行し、除霜制御の終了後に前記急冷制御を開始する。このような構成によれば、除霜中は除霜を優先することで、着霜による冷却劣化をより確実に抑制することができる。
本実施形態では、制御部91は、除霜制御の実行中に第1急冷制御の実行条件が満たされる場合、除霜制御を第1時間行うことに応じて終了させて前記第1急冷制御を開始する。一方で、制御部91は、除霜制御の実行中に第2急冷制御の実行条件が満たされる場合、除霜制御を第1時間よりも短い第2時間行うことに応じて終了させて第2急冷制御を開始する。このような構成によれば、相対的に冷却能力が低い(すなわち霜が増えにくい)第2急冷制御を行う場合は、急冷制御を優先して食品を冷やすとともに、相対的に冷却能力が高い(すなわち霜が増えやすい)第1急冷制御を行う場合は、予め除霜制御を行うことで、霜が増えることを抑制しつつ、食品を冷やすことができる。
本実施形態では、制御部91は、低温冷却制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、低温冷却制御を優先して実行し、高温冷却制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、急冷制御を優先して実行する。このような構成によれば、高温冷却制御中はチルド室21AAの温度はある程度冷えていればいいことから、急冷制御を優先させ、主冷凍室21Eの食品を素早く冷却することを促進することができる。一方で、低温冷却制御中は、低温冷却制御が優先され、チルド室21AAの食品がより確実に低温帯に保たれる。これにより、チルド室21AAの食品の保護をより確実に図ることができる。
本実施形態では、制御部91は、低温冷却制御の実行中に第1急冷制御の実行条件が満たされる場合、低温冷却制御を第3時間行うことに応じて終了させて第1急冷制御を開始する。一方で、制御部91は、低温冷却制御の実行中に第2急冷制御の実行条件が満たされる場合、低温冷却制御を第3時間よりも長い第4時間行うことに応じて終了させて第2急冷制御を開始する。このような構成によれば、主冷凍室21Eの食品の保護、およびチルド室21AAの食品の保護の必要性のバランスを取りつつ、適切な冷却を行うことができる。
本実施形態では、制御部91は、解凍制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、解凍制御を実行しつつ、急冷制御を開始する。このような構成によれば、食品の解凍を進めるとともに、急冷制御を実行することができる。
本実施形態では、制御部91は、特別製氷制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、特別製氷制御を優先して実行する。このような構成によれば、氷を素早く作るための圧縮機65および冷凍室送風機64の強い動作を続けることができる。
本実施形態では、制御部91は、節電制御の実行中に急冷制御の実行条件が満たされる場合、急冷制御を優先して実行する。このような構成によれば、節電制御に実行中であっても急冷が必要な食品を適切に冷却することができる。
本実施形態では、報知出力部92は、上記別の制御と急冷制御との優先順位に基づき冷却部Mが制御される場合、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御でありどちらが優先されない制御であるかを報知部34bにより報知させる。このような構成によれば、別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先されているか、言い換えると、どの制御が待機中であるかをユーザUが簡単に認識することができる。
本実施形態では、報知出力部92は、上記別の制御と急冷制御との優先順位に基づき冷却部Mが制御される場合、上記別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先される制御でありどちらが優先されない制御であるかを示すための情報を、通信部86を介して出力する。このような構成によれば、別の制御と急冷制御とのうちどちらが優先されているか、言い換えると、どの制御が待機中であるかをユーザUが簡単に認識することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、冷凍室に対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能であり、扉開閉検知センサの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内に所定値以上の温度が温度センサにより検出される場合に、複数の急冷制御のなかから温度センサにより検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する制御部を有する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷蔵庫システム、10…筐体、21A…冷蔵室、21AA…チルド室(特別貯蔵部)、21E…主冷凍室(冷凍室)、31E…主冷凍室扉、34b…報知部、63…冷凍用冷却器、64…冷凍室送風機、65…圧縮機、83…冷凍室温度センサ(第2温度センサ)、84…急冷用温度センサ(第1温度センサ)、91…制御部、92…報知出力部、100…冷蔵庫、200…サーバ(外部装置)、300…端末装置、301…表示装置。

Claims (12)

  1. 冷凍室を含む筐体と、
    前記冷凍室を開閉可能に閉じる冷凍室扉と、
    前記冷凍室扉の開閉を検知する扉開閉検知センサと、
    前記冷凍室に設けられた温度センサと、
    前記冷凍室に対して冷却能力が異なる複数の急冷制御を実行可能であり、前記扉開閉検知センサの検知結果が所定条件を満たしてから所定時間内に所定値以上の温度が前記温度センサにより検出される場合、前記複数の急冷制御のなかから前記温度センサにより検出された温度に応じた急冷制御を選択して実行する制御部と、
    を備えた冷蔵庫。
  2. 前記温度センサは、前記冷凍室の上部に設けられている、
    請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記制御部は、前記冷凍室扉の開時間が一定時間以上であることが前記扉開閉検知センサにより検知される場合、前記温度センサにより検出される温度に関わらず、前記複数の急冷制御のなかで予め設定された相対的に冷却能力が高い急冷制御を選択して実行する、
    請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機により圧縮された冷媒が供給され、前記筐体内で空気を冷却する冷却器と、
    前記冷却器により冷却された空気を前記冷凍室に送る送風機と、
    をさらに備え、
    前記複数の急冷制御は、前記圧縮機または前記送風機のうち少なくとも一方の駆動量が異なる、
    請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記筐体は、冷蔵室を含み、
    前記制御部は、前記冷蔵室を冷却する冷蔵運転と、前記冷凍室を冷却する冷凍運転とを交互に行い、前記冷凍運転ではない時間に前記急冷制御を開始させる条件が満たされる場合、前記冷蔵運転を通常時間よりも短い特別時間行うことに応じて前記冷凍運転に移行して前記急冷制御を開始する、
    請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記特別時間の長さまたは前記特別時間の有無は、前記複数の急冷制御で異なる、
    請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記冷凍室に設けられ、前記温度センサである第1温度センサとは異なる第2温度センサをさらに備え、
    前記第1温度センサは、前記第2温度センサよりも高い位置に配置され、
    前記第2温度センサは、前記第1温度センサよりも前記冷凍室の中央部寄りに配置され、
    前記制御部は、前記第2温度センサにより検出された温度に基づいて通常の冷凍運転における冷却制御を行い、前記第1温度センサにより検出された温度に基づいて前記急冷制御の開始の要否を判定する、
    請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記制御部は、前記急冷制御を開始した後、前記第2温度センサにより検出される温度が所定値以下になる場合に前記急冷制御を終了させる、
    請求項7に記載の冷蔵庫。
  9. 前記制御部は、前記急冷制御を開始した後、前記第1温度センサにより検出される温度が第1所定値以下になり、且つ、前記第2温度センサにより検出される温度が第2所定値以下になる場合に、前記急冷制御を終了させる、
    請求項7または請求項8に記載の冷蔵庫。
  10. 前記制御部は、前記複数の冷却制御のなかから選択された前記急冷制御が特定の急冷制御である場合、前記第2温度センサにより検出される温度に関わらず、一定時間経過後に前記急冷制御を終了させる、
    請求項8または請求項9に記載の冷蔵庫。
  11. 前記筐体または扉に設けられた報知部と、
    前記複数の急冷制御のなかから選択された前記急冷制御の冷却能力に応じて前記報知部による報知内容を変更させる報知出力部と、
    をさらに備えた、
    請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  12. 外部装置を介してまたは直接に端末装置と通信可能な通信部と、
    前記複数の急冷制御のなかから選択された前記急冷制御の冷却能力に応じて前記端末装置による報知内容を変更させるための情報を、前記通信部を介して出力する報知出力部と、
    をさらに備えた、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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