JP2023008597A - リチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度の充電率の推定が可能となる、リチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置を提供する。【解決手段】充電率推定装置は、第1リチウムイオン二次電池に対して複数の充電率のそれぞれについて交流インピーダンス測定を行ったときの複数の周波数のうちの特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との相関を近似する直線の傾きの絶対値及び切片と、充電率の推定の対象となる第2リチウムイオン二次電池の電池容量とを記憶する、BMU3に内蔵されるメモリ、特定周波数をもつ交流電流を第2リチウムイオン二次電池に印加したときに第2リチウムイオン二次電池間に生じる交流電圧を測定するMMU24、及び、印加された交流電流と測定された交流電圧とから交流インピーダンスを算出し、算出された交流インピーダンスの実数成分と虚数成分とを算出するBMU3とを備え、所定の演算によって、充電率を推定する。【選択図】図7

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置に関する。
以前より、電池の充電率(SOC:State Of Charge)を推定する方法として、電池の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)による充電率推定方法がある。これは、電池の開放電圧を測定し、予め定められた開放電圧と充電率との比例関係を参照して、測定された開放電圧に対応する充電率を、推定充電率とする方法である(特許文献1参照)。
特開2007-171205号公報
しかし、電池の種類によっては、上記開放電圧と充電率が比例関係になく曲線となるものもあり、このような電池においては、開放電圧の測定誤差に対し、その開放電圧による充電率推定方法で求めた充電率の誤差幅が、開放電圧の測定値によってばらつく。特に、リチウムイオン二次電池においては、リン酸鉄リチウムのような充電率に対する開放電圧の変化が極めて小さい電極材料が使用された場合、開放電圧による充電率推定方法で求めた充電率と実際の充電率との間に大きな誤差を生じるため、このようなケースでは上記方法は適さない。
充電率の推定誤差の問題は、蓄電システムの性能に直結する。すなわち、蓄電システムは多数のセルと呼ばれる電池の最小単位にて構成されているが、セルの状態が一様であることはなく、必ず充電状態にばらつきが生じる。特に直列接続の場合、充電状態のずれたセルがシステム全体の制御に影響してしまうため、セルの充電状態にばらつきを生じさせないことが蓄電システムの性能を維持する上で重要となる。一般的には、蓄電システムにはセルバランス回路と呼ばれる各セルの充電状態を均一にする機構が備わっており、推定充電率をもとに制御が行われる。
このため、充電率の推定誤差が大きい場合、セルの充電状態のばらつきを小さくすることが難しく、結果として蓄電システムの性能低下を招く。よって、良い性能の蓄電システムの構築のためには高精度の充電率推定方法が必須となるが、現状では効果的な充電率推定方法がなく、新たな手法が求められている。
従って、本発明はこのような問題に着目してなされたものであり、リン酸鉄リチウムのような充電率に対する開放電圧の変化率が小さい電極材料が使用されたリチウムイオン二次電池においても、高精度の充電率の推定が可能となる、リチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置を提供することを目的とする。
この問題を解決するため、本発明では、リチウムイオン二次電池の内部抵抗成分に着目した。鋭意検討の結果、交流内部抵抗の虚数成分、充電率及び電池容量の関係を見出し、本発明の完成に至った。
本発明に係る充電率推定装置は、
第1リチウムイオン二次電池に対して複数の充電率のそれぞれについて交流インピーダンス測定を行ったときの複数の周波数のうちの特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との相関を近似する直線の傾きの絶対値及び切片と、充電率の推定の対象となる第2リチウムイオン二次電池の電池容量とを記憶する記憶手段と、
前記特定周波数をもつ交流電流を前記第2リチウムイオン二次電池に印加したときの前記第2リチウムイオン二次電池間に生じる交流電圧を測定する測定手段と、
前記印加された交流電流と前記測定された交流電圧とから交流インピーダンスを算出し、算出された交流インピーダンスの実数成分と虚数成分とを算出する算出手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記直線の傾きの絶対値及び切片、電池容量、及び前記算出手段により算出された交流インピーダンスの虚数成分の算出値に基づいて、以下の式(1)に係る演算を実行することで、前記第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定する推定手段と、を備えるものであり、前記第1リチウムイオン二次電池と前記第2リチウムイオン二次電池とは、少なくとも、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じ二次電池である。
[式1]
充電率(%)=
{(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
・・・(1)
また、前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の正極活物質はリン酸鉄リチウムまたはニッケルマンガンコバルト層状酸化物であり、前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の負極活物質はグラファイトである。
さらに、前記特定周波数は、前記第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる。
他の観点において、本発明に係る充電率推定方法は、
第1リチウムイオン二次電池に対して複数の充電率のそれぞれについて交流インピーダンス測定を行ったときの複数の周波数のうちの特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との相関を近似する直線の傾きの絶対値及び切片と、充電率の推定の対象となる第2リチウムイオン二次電池の電池容量とを記憶する記憶ステップと、
前記特定の周波数をもつ交流電流を前記第2リチウムイオン二次電池に印加したときの前記第2リチウムイオン二次電池間に生じる交流電圧を測定する測定ステップと、
前記印加された交流電流と前記測定された交流電圧とから交流インピーダンスを算出し、算出された交流インピーダンスの実数成分と虚数成分を算出する算出ステップと、
前記記憶ステップで記憶された前記直線の傾きの絶対値及び切片、電池容量、及び前記算出ステップで算出された交流インピーダンスの虚数成分の算出値に基づいて、以下の式(1)に係る演算を実行することで、前記第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定する推定ステップと、を含むものであり、前記第1リチウムイオン二次電池と前記第2リチウムイオン二次電池とは、少なくとも、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じ二次電池である。
[式1]
充電率(%)=
{(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
・・・(1)
さらに、前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の正極活物質はリン酸鉄リチウムまたはニッケルマンガンコバルト層状酸化物であり、前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の負極活物質はグラファイトである。
さらに、前記特定周波数は、前記第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる。
本発明により、リン酸鉄リチウムのような充電率に対する開放電圧の変化率が小さい電極材料が使用されたリチウムイオン電池においても高精度の充電率の推定が可能となり、これらの電池を用いたシステムの性能向上に大きく寄与することが期待される。
図1は、実施例1における第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンスを測定して得られたナイキスト線図である。 図2は、実施例1におけるナイキスト線図からスクリーニングにより得られた近似直線を示すグラフである。 図3は、従来例1における第1リチウムイオン二次電池を充放電して得られた開放電圧と充電率との関係を示すグラフである。 図4は、実施例2における第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンスを測定して得られたナイキスト線図である。 図5は、実施例2におけるナイキスト線図からスクリーニングにより得られた近似直線を示すグラフである。 図6は、従来例2における第1リチウムイオン二次電池を充放電して得られた開放電圧と充電率との関係を示すグラフである。 図7は、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電率推定装置を収容する蓄電システム1を例示する図である。 図8は、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電率推定方法を例示するフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明は、内部抵抗の測定による実用的なリチウムイオン二次電池の充電率推定方法および充電率推定装置を提供するものであり、リチウムイオン二次電池の充電率の推定に関し、下記の3つの特徴を有する。
第1の特徴点としては、交流抵抗測定法を用いる点である。電池の内部抵抗測定法として交流インピーダンス法が知られており、測定周波数を変化させることで電池の各抵抗成分を分離することができる。電池内部の各抵抗成分は、接触抵抗、反応抵抗、拡散抵抗の3種類に分類され、本発明では、その中の反応抵抗成分を用いる。反応抵抗成分は、電池容量に反比例する性質がある。反応抵抗はセル内の電極の総面積と相関があり、電極厚みが一定の場合、電極の総面積が大きくなるほど反応抵抗は小さくなる。また、電極の総面積と電池容量が比例関係にあるため、結果として電池容量と反応抵抗成分が反比例の関係となる。
第2の特徴点としては、充電率と反応抵抗の関係を利用する点である。リチウムイオン二次電池には、放電状態に近づくほど反応抵抗が上がることがわかっているが、交流インピーダンスの測定にはポテンショスタットと呼ばれる専用の測定器が必要であり、この測定器を蓄電システムに適用しようとすると莫大な費用がかかり、これまで実用化されてこなかった。しかし、本発明にて、特定の周波数における交流インピーダンスの虚数成分(リアクタンス)と充電状態との間には近似直線関係があることを見出した。これにより周波数を変化させない測定であれば特殊な測定装置の必要はなくなり、例えば測定機器メーカーから市販されている内部抵抗測定器または鉛蓄電池の状態監視装置等を用いて、簡易的にリチウムイオン二次電池の充電率推定装置を実現することが可能となる。なお、特定周波数として、以下の実施例1,2ではそれぞれ1kHz,6kHzを例示したが、リアクタンスと充電率に近似直線関係が成立する箇所の特定周波数であれば良く、これらの周波数に限らず使用可能である。
第3の特徴点としては、上記の第1の特徴点と第2の特徴点を組み合わせ、ひとつの関係式((D)式)として表した点である。第1の特徴点は(A)式又は(A’)式にて表され、第2の特徴点は(B)式にて表される。(B)式において、定数(1)は近似直線の傾きの絶対値であり、定数(2)は近似直線の切片である。(A’)式と(B)式を組み合わせることで(C)式が得られ、(C)式を充電率について整理した(D)式が得られる。(D)式が、式(1)に相当する。
(A)式:(測定対象セルの反応抵抗値(mΩ))
=(1Ahセルの反応抵抗値(mΩ))÷(測定対象セルの容量(Ah))
なお、(A)式は、反応抵抗値の実数成分値および虚数成分値のそれぞれについて成立するものであり、(A)式は以下の(A’)式として表現することができる。(A’)式において、「(測定対象セルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))」の特定周波数と「(1Ahセルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))」の特定周波数は、同じ周波数である。
(A’)式:(測定対象セルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))
=(1Ahセルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))÷(測定対象セルの容量(Ah))
(B)式:(1Ahセルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))
=(定数(2))-(定数(1))×(充電率(%))
(C)式:(測定対象セルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))
={(定数(2))-(定数(1))×(充電率(%))}÷(測定対象セルの容量(Ah))
(D)式:(充電率(%))={(定数(2))-
(測定対象セルの特定周波数における反応抵抗の虚数成分値(mΩ))×
測定対象セルの容量(Ah)}÷(定数(1))
(A)式~(D)式における1Ahセルは、後述する第1リチウムイオン二次電池に相当し、測定対象セルは、後述する第2リチウムイオン二次電池に相当する。なお、(A)式、(B)式では1Ahセルの場合を例示しているが、電池容量はこれに限定されず、例えば測定対象セルと同じ電池容量であってもよい。
後述される本発明に係る充電率推定方法および充電率推定装置は、上記式(1)に従うものであり、具体的には、まず前提として、第1リチウムイオン二次電池について交流インピーダンス測定を行い、その測定結果から得られるナイキスト線図を作成し、このナイキスト線図における特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との関係について(B)式の近似直線を取得して、この近似直線の傾きの絶対値(定数(1))、近似直線の切片(定数(2))を取得し、第2リチウムイオン二次電池の電池容量と共にメモリに予め記憶しておく。そして、第2リチウムイオン二次電池の特定周波数における反応抵抗の虚数成分値を算出したときに、算出した虚数成分値、メモリに記憶されている電池容量、並びに定数(1)及び定数(2)に基づいて式(1)に従う演算を実行することで、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定値を算出することができる。
例えば、後述する蓄電システム1(図7参照)に組み込まれている第2リチウムイオン二次電池21a~21hの充電率を推定したい場合に、蓄電システム1に組み込まれていない第1リチウムイオン二次電池であって、第2リチウムイオン二次電池と正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じであり、且つ同じ製造工程を経て製造された第1リチウムイオン二次電池について、例えば1MHz~1mHzのうちの複数の周波数にてインピーダンス測定をすれば、蓄電システム1に組み込まれている第2リチウムイオン二次電池のそれぞれについて全ての上記複数の周波数にてインピーダンス測定をする必要がない。高価なポテンショスタットを用いずに比較的安価な内部抵抗測定器または鉛蓄電池の状態監視装置等を用いて第2リチウムイオン二次電池の特定周波数における反応抵抗の虚数成分値を算出することにより、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定値を算出することができる。そして、この推定値は、充電率の実測値との誤差が少ないため有用である。
本発明の実施の形態に係る充電率推定方法および充電率推定装置を説明する前に、実施例1および従来例1、ならびに実施例2および従来例2を参照しながら、本発明に際して見出された交流インピーダンスの虚数成分の算出値、充電率及び電池容量の関係、すなわち式(1)の妥当性について説明する。なお、本発明は以下の実施例1,2のみに限定されない。
<実施例1>
(1)第1リチウムイオン二次電池の作製工程
(正極およびセパレータ)
正極活物質にリン酸鉄リチウム、導電剤としてカーボンブラック、及び結着剤にポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、それらを90:5:5の質量比で充分混合して、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を更に適量加えてスラリー状にした後、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布した。乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦5.7cm×横4.0cm)となるように切り取り、正極とした。
そして、正極と多孔質ポリエチレン製セパレータ(縦7.0cm×横5.0cm)を正極1枚に対してセパレータ2枚で覆った。セパレータは、正極に熱溶着して剥がれないようにした。この正極とセパレータの組合せを16枚用意した。
(負極)
負極は、負極活物質にはグラファイトを用い、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)水溶液、及び結着剤としてSBRラテックスを用い、97:2:1の質量比で充分混合し、水を加えてスラリー状にした後、銅箔上に塗布して乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦6.3cm×横4.4cm)となるように切り取り、17枚の負極を用意した。
(電極群)
正極とセパレータの組み合わせ16枚と負極17枚を交互に積層し、電極群を得た。
(電池の組立)
電極群の正極の正極層未形成部および負極の負極層未形成部にそれぞれ正極端子用タブ(アルミニウム製,縦3.0cm×横1.0cm)および負極端子用タブ(銅製,縦3.0cm×横1.0cm)を超音波溶接によって接続した。このタブ付電極群を2枚のAlラミネートフィルムで端子用タブが外部に突出するように、熱融着性を有する内層が互いに対向するように挟み、Alラミネートフィルムの周辺三辺に位置する熱融着性を有する内層を熱溶着して外装体とした。封止せずに残した外装体の一辺から非水電解液(1.0M LiPF EC:EMC=3:7(体積比))11gを注入した後、真空封止して密閉状態の第1リチウムイオン二次電池を得た。充放電試験装置を用いて第1リチウムイオン二次電池の電池容量を測定したところ、電池容量は1Ahであった。
(2)交流インピーダンス測定工程およびナイキスト線図作成工程
SOLARTRON社製電気化学測定装置(SI1280)にて、交流インピーダンス測定を行った。まず、作製した第1リチウムイオン二次電池を3.6V、1Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、1Aで6分の定電流放電を行い、第1リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で1MHzから10mHzまで交流インピーダンス法による測定を行い、充電率90%におけるナイキスト線図を作製した。この後、1Aで12分の定電流放電を行い、第1リチウムイオン二次電池の充電率を70%とした。この状態で1MHzから10mHzまで交流インピーダンス法による測定を行い、充電率70%におけるナイキスト線図を作製した。これを繰り返し、全体として充電率が10%、30%、50%、70%、90%のナイキスト線図をそれぞれ得た。図1に、得られたナイキスト線図を示す。
(3)近似直線取得工程
図1に示すナイキスト線図においてスクリーニング工程を行った結果、特定の周波数1kHzにおいて、交流インピーダンスの虚数成分値と充電率との間に近似直線の相関が発見された。虚数成分(リアクタンス)の値をy軸、充電率をx軸とするプロットし、プロットした結果に最小二乗法を適用することにより、図2に示されるような近似直線が得られた。このとき相関係数はR=0.98であった。
なお、上記第1の特徴点にて説明したように、交流インピーダンスの測定では、例えば図1に示されるナイキスト曲線において、(実数成分Z’(Ω)が増加する方向に)測定周波数を徐々に減少させながら測定を行うことで、リチウムイオン二次電池内部の抵抗成分を、接触抵抗、反応抵抗、そして拡散抵抗として検出することができる。上記特定周波数1kHzは、リチウムイオン二次電池の交流インピーダンスの抵抗成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる。
また、スクリーニング工程は、ナイキスト線図から、虚数成分の値をy軸、充電率をx軸とするプロットをしても、全ての測定周波数において近似直線は得られないために、近似直線が得られる測定周波数を発見するための工程である。例えば、1MHzから10mHzまでの周波数において交流インピーダンスを測定してナイキスト線図を得た場合、1MHzから10mHzまで等間隔に100Hzずつ周波数を徐々に減らしていきながらその都度プロットをして近似直線の得られそうな特定周波数が発見される。
さらに、近似直線は、複数のプロットに基づいて最小二乗法を適用することにより得られる回帰直線のうち、相関係数がR=0.98以上の回帰直線である。このように相関係数の高い回帰直線を採用することで、充電率の実測値との誤差が少ない信頼性の高い推定値を得ることができる。実用的には、相関係数がR=0.98~0.99である回帰直線を採用することができる。また、相関係数がR=1.00の場合のように、全てのプロットが直線上にある場合も近似直線に含まれる。なお、全てのプロットが直線上に無くてもよい。
図2の近似直線を示す一次関数の式は、y=-0.031x+4.37であった。この一次関数の傾きの絶対値0.031および切片4.37を、近似直線の傾きの絶対値および切片とする。
(4)第2リチウムイオン二次電池の作製
(正極およびセパレータ)
正極活物質にリン酸鉄リチウム、導電剤としてカーボンブラック、及び結着剤にポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、それらを90:5:5の質量比で充分混合して、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を更に適量加えてスラリー状にした後、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布した。乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦13.0cm×横14.0cm)となるように切り取り、正極とした。
そして、正極と多孔質ポリエチレン製セパレータ(縦15.0cm×横16.0cm)を正極1枚に対してセパレータ2枚で覆った。セパレータは、正極に熱溶着して剥がれないようにした。この正極とセパレータの組合せを30枚用意した。
(負極)
負極は、負極活物質にはグラファイトを用い、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)水溶液、及び結着剤としてSBRラテックスを用い、97:2:1の質量比で充分混合し、水を加えてスラリー状にした後、銅箔上に塗布して乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦14.5cm×横15.5cm)となるように切り取り、31枚の負極を用意した。
(電極群)
正極とセパレータの組み合わせ30枚と負極31枚を交互に積層し、電極群を得た。
(電池の組立)
電極群の正極の正極層未形成部および負極の負極層未形成部にそれぞれ正極端子用タブ(アルミニウム製,縦4.0cm×横3.0cm)および負極端子用タブ(銅製,縦4cm×横3.0cm)を超音波溶接によって接続した。このタブ付電極群を2枚のAlラミネートフィルムで端子用タブが外部に突出するように、熱融着性を有する内層が互いに対向するように挟み、Alラミネートフィルムの周辺三辺に位置する熱融着性を有する内層を熱溶着して外装体とした。封止せずに残した外装体の一辺から非水電解液(1.0M LiPF EC:EMC=3:7(体積比))105gを注入した後、真空封止して密閉状態の第2リチウムイオン二次電池を得た。
(5)虚数成分算出工程
第2リチウムイオン二次電池について、第1リチウムイオン二次電池において近似直線が得られた特定周波数と同じ周波数1kHzにおける交流インピーダンスを測定し、測定した交流インピーダンスから反応抵抗の虚数成分を算出した。
反応抵抗の虚数成分の個々の算出について、具体的には、作製した第2リチウムイオン二次電池に特定周波数1kHzの交流電流を印加し、3回にわたり交流電圧を測定し、測定した3つの交流電圧値と交流電流値との比として3つの交流インピーダンスを算出した。そして、最小二乗法により、算出した3つの交流インピーダンスの全てについて最小二乗誤差を与える実数成分と虚数成分のペアを算出した。
また、作製した第2リチウムイオン二次電池を3.6V、14Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、14Aで6分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で反応抵抗の虚数成分を算出した。この後、14Aで12分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を70%とした。この状態で反応抵抗の虚数成分を算出した。同様の操作および算出を繰り返し、全体として充電率10%、30%、50%、70%、90%の反応抵抗の虚数成分をそれぞれ算出した。虚数成分の算出値を表1に示す。
(6)電池容量測定工程
充放電試験装置を用いて第2リチウムイオン二次電池の電池容量を測定したところ、電池容量は14Ahであった。
(7)推定値算出工程
上記(3)近似直線取得工程を行うことで得られた一次関数の傾きの絶対値0.031、切片4.37、上記(5)虚数成分算出工程を行うことで得られた第2リチウムイオン二次電池の虚数成分の算出値および上記(6)電池容量測定工程を行うことで得られた電池容量に基づいて、下記式(1)に係る演算を実行し、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定値を算出した。結果を表1に示す。
[式1]
充電率(%)=
{(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
・・・(1)
Figure 2023008597000002
(8)本発明の妥当性の検討
第1リチウムイオン二次電池とは電池容量が異なる第2リチウムイオン二次電池において、いずれの充電率においても「実際のSOC」と「SOCの推定値」との誤差を5%以内にできる結果が得られ、高精度の充電率の推定が可能であることが証明された。なお、第1リチウムイオン二次電池と第2リチウムイオン二次電池の電池容量が同じ場合にも、同様に高精度の充電率の推定が可能であることは容易に認識可能である。これは、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定には、第2リチウムイオン二次電池の電池容量が必要なのであって、第1リチウムイオン二次電池の電池容量は不要であることによる。
なお、表1における「実際のSOC」について、例えば満充電容量から定格容量の10%だけ放電させたときの充電率を「実際のSOC90%」と定義し、「実際のSOC90%」の容量から定格容量の20%だけ放電させたときの充電率を「実際のSOC70%」等と定義している。
<従来例1>
(1)充電率と開放電圧の測定
実施例1と同様に作成した電池容量が1Ahの第1リチウムイオン二次電池を0.02Cで充放電し、それぞれ得られた充放電カーブから充電率と開放電圧の関係を求めた。なお、開放電圧は同一の充電率における充電時の電圧値と、放電時の電圧値の平均値を取ることにより求めた。図3に、y軸を開放電圧、x軸を充電率とした場合のグラフを示す。
(2)第2リチウムイオン二次電池の開放電圧の測定
図3を使用して、実施例1と同様に作成した電池容量が14Ahの第2リチウムイオン二次電池を用いて妥当性の評価を行った。第2リチウムイオン二次電池を3.6V、14Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、14Aで6分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で1時間放置した後にセル電圧の測定を行い、3.36Vの結果を得た。この後、14Aで12分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を70%とした。この状態で1時間放置した後にセル電圧の測定を行い、3.33Vの結果を得た。同様の操作および測定を繰り返し、充電率が10%、30%、50%時の開放電圧の測定値を測定したところ、それぞれ3.16V、3.25V、3.31Vであった。なお、第2リチウムイオン二次電池の開放電圧の測定は、実際の蓄電システムに多く用いられている精度(最小単位10mV)にて行った。
(3)妥当性の検討
第2リチウムイオン二次電池の各充電率における電圧測定値と、第1リチウムイオン二次電池にて得られた充電率と開放電圧の関係(図3参照)から、第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定した。推定結果を表2に示す。
実施例1と異なり、充電率の推定誤差が大きく、特に、充電率が50%および70%の場合において、「実際のSOC」とは20%近い大きな誤差が生じた。なお、充電率と開放電圧の関係はセル容量とは無関係であるため、電池容量が1Ahの第1リチウムイオン二次電池で測定した値を電池容量が14Ahの第2リチウムイオン二次電池に適用することができる。
「SOCの推定値」と「実際のSOC」との誤差が大きくなった理由は、2つあると考えられる。ひとつは、リン酸鉄リチウムを正極活物質とする正極およびグラファイトを負極活物質とする負極を用いたリチウムイオン二次電池の開放電圧が、図3に示すように充電率によって変化しにくい点が挙げられる。そして、もうひとつは、充放電中あるいはシステム運用の合間にて開放電圧を測定することが困難である点が挙げられる。
充放電が終了した後でも、セル電圧は分極の緩和および電極固体内拡散の影響で変化し続けるため、実運用では開放電圧の測定は難しく、さらに充電率が10%から90%の範囲では、図3に示すように開放電圧がほとんど変化しないことから、開放電圧の測定誤差が大きな充電電圧の推定誤差を生むことにつながる。
以上より、開放電圧を用いた充電率の推定法は、リン酸鉄リチウムを正極活物質とする正極およびグラファイトを負極活物質とする負極を用いたリチウムイオン二次電池には適さないことがわかった。なお、実施例1と従来例1の比較では、リン酸鉄リチウムを正極活物質に用いたときにこのように推定誤差が顕著に現れる結果を示したが、後述する実施例2と従来例2の比較で例示される他の正極材料を用いた場合でも充電率の違いによって開放電圧が大きく変わるわけではないので、上記で示した従来例1と略同様の結果となり、「実際のSOC」と「SOCの推定値」との間に大きな誤差が生じる。
Figure 2023008597000003
<実施例2>
(1)第1リチウムイオン二次電池の作製工程、交流インピーダンス測定工程およびナイキスト線図作成工程
正極活物質をリン酸鉄リチウムに代えてニッケルマンガンコバルト層状酸化物粉末(Ni:Mn:Co=5:3:2(mol比))を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で電池容量が1Ahの第1リチウムイオン二次電池を作成した。そして、得られた第1リチウムイオン二次電池についてSOLARTRON社製電気化学測定装置(SI1280)にて、交流インピーダンスの測定を行った。まず、作製した第1リチウムイオン二次電池を4.2V、1Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、1Aで6分の定電流放電を行い、第1リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で1MHzから10mHzまで交流インピーダンス法による測定を行い、充電率が90%におけるナイキスト線図を得た。これらの操作および測定を繰り返し、全体として充電率10%、30%、50%、70%、90%のナイキスト線図をそれぞれ得た。図4に、得られたナイキスト線図を示す。
(2)近似直線取得工程
図4に示すナイキスト線図においてスクリーニング工程を行った結果、特定の周波数6kHzにおいて、虚数成分値と充電率との間に近似直線の相関が発見された。虚数成分(リアクタンス)の値をy軸、充電率をx軸とするプロットし、プロットした結果に最小二乗法を適用することにより、図5に示されるような近似直線が得られた。相関係数はR=0.9913であった。
なお、上記第1の特徴点にて説明したように、交流インピーダンスの測定では、例えば図4に示されるナイキスト曲線において、(実数成分Z’(Ω)が増加する方向に)測定周波数を徐々に減少させながら測定を行うことで、リチウムイオン二次電池内部の抵抗成分を、接触抵抗、反応抵抗、そして拡散抵抗として検出することができる。上記特定周波数6kHzは、リチウムイオン二次電池の交流インピーダンスの抵抗成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる。
図5の近似直線を示す一次関数の式は、y=-0.0292x+6.2695であった。この一次関数の傾きの絶対値0.0292および切片6.2695を、近似直線の傾きの絶対値および切片とした。
(3)第2リチウムイオン二次電池の作製
(正極およびセパレータ)
正極活物質をリン酸鉄リチウムに代えてニッケルマンガンコバルト層状酸化物粉末(Ni:Mn:Co=5:3:2(mol比))、導電剤としてカーボンブラック、及び結着剤にポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、それらを90:5:5の質量比で充分混合して、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を更に適量加えてスラリー状にした後、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布した。乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦13.0cm×横14.0cm)となるように切り取り、正極とした。
そして、正極と多孔質ポリエチレン製セパレータ(縦15.0cm×横16.0cm)を正極1枚に対してセパレータ2枚で覆った。セパレータは、正極に熱溶着して剥がれないようにした。この正極とセパレータの組合せを30枚用意した。
(負極)
負極は、負極活物質にはグラファイトを用い、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)水溶液、及び結着剤としてSBRラテックスを用い、97:2:1の質量比で充分混合し、水を加えてスラリー状にした後、銅箔上に塗布して乾燥後、圧延して活物質面が長方形(縦14.5cm×横15.5cm)となるように切り取り、31枚の負極を用意した。
(電極群)
正極とセパレータの組み合わせ30枚と負極31枚を交互に積層し、電極群を得た。
(電池の組立)
電極群の正極の正極層未形成部および負極の負極層未形成部にそれぞれ正極端子用タブ(アルミニウム製,縦4.0cm×横3.0cm)および負極端子用タブ(銅製,縦4.0cm×横3.0cm)を超音波溶接によって接続した。このタブ付電極群を2枚のAlラミネートフィルムで端子用タブが外部に突出するように、熱融着性を有する内層が互いに対向するように挟み、Alラミネートフィルムの周辺三辺に位置する熱融着性を有する内層を熱溶着して外装体とした。封止せずに残した外装体の一辺から非水電解液(1.0M LiPF EC:EMC=3:7(体積比))105gを注入した後、真空封止して密閉状態の第2リチウムイオン二次電池を得た。
(4)虚数成分測定工程
第2リチウムイオン二次電池について、第1リチウムイオン二次電池において近似直線が得られた特定周波数と同じ周波数6kHzにおける交流インピーダンスを内部抵抗測定器で測定し、測定結果から反応抵抗の虚数成分を算出した。反応抵抗の虚数成分の算出については、実施例1と同様である。
また、作製した第2リチウムイオン二次電池を4.2V、14Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、14Aで6分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で反応抵抗の虚数成分を算出した。この後、14Aで12分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を70%とした。この状態で反応抵抗の虚数成分を算出した。同様の操作および算出を繰り返し、全体として充電率10%、30%、50%、70%、90%の反応抵抗の虚数成分をそれぞれ算出した。虚数成分の算出値を表3に示す。
(5)電池容量測定工程
充放電試験装置を用いて第2リチウムイオン二次電池の電池容量を測定したところ、電池容量は14Ahであった。
(6)推定値算出工程
上記(2)近似直線取得工程を行うことで得られた一次関数の傾きの絶対値0.0292、切片6.2695、上記(4)虚数成分測定工程を行うことで得られた第2リチウムイオン二次電池の虚数成分の算出値、および上記(5)電池容量測定工程を行うことで得られた電池容量に基づいて、式(1)に係る演算を実行し、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定値を算出した。結果を表3に示す。
[式1]
充電率(%)=
{(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
・・・(1)
Figure 2023008597000004
(7)本発明の妥当性の検討
第1リチウムイオン二次電池とは電池容量が異なる第2リチウムイオン二次電池において、いずれの充電率においても「実際のSOC」と「SOCの推定値」との誤差を5%以内にできる結果が得られ、高精度の充電率の推定が可能であることが証明された。なお、第1リチウムイオン二次電池と第2リチウムイオン二次電池の電池容量が同じ場合にも、同様に高精度の充電率の推定が可能であることは容易に認識可能である。これは、第2リチウムイオン二次電池の充電率の推定には、第2リチウムイオン二次電池の電池容量が必要なのであって、第1リチウムイオン二次電池の電池容量は不要であることによる。
<従来例2>
(1)充電率と開放電圧の測定
実施例2と同様に作成した電池容量が1Ahの第1リチウムイオン二次電池を0.02Cで充放電し、それぞれ得られた充放電カーブから充電率と開放電圧の関係を求めた。なお、開放電圧は同一の充電率における充電時の電圧値と、放電時の電圧値の平均値を取ることにより求めた。図6に、y軸を開放電圧、x軸を充電率とした場合のグラフを示す。
(2)第2リチウムイオン二次電池の開放電圧の測定
図6を使用して、実施例2と同様に作成した電池容量が14Ahの第2リチウムイオン二次電池を用いて妥当性の評価を行った。第2リチウムイオン二次電池を4.2V、14Aにて定電流/定電圧充電を行い、1時間放置した。その後、14Aで6分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を90%とした。この状態で1時間放置した後にセル電圧の測定を行い、4.19Vの結果を得た。この後、14Aで12分の定電流放電を行い、第2リチウムイオン二次電池の充電率を70%とした。この状態で1時間放置した後にセル電圧の測定を行い、3.95Vの結果を得た。同様の操作および測定を繰り返し、充電率が10%、30%、50%時の開放電圧の測定値を測定したところ、それぞれ3.54V、3.64V、3.75Vであった。なお、第2リチウムイオン二次電池の開放電圧の測定は、実際の蓄電システムに多く用いられている精度(最小単位10mV)にて行った。
(3)妥当性の検討
第2リチウムイオン二次電池の各充電率における電圧測定値と、第1リチウムイオン二次電池にて得られた充電率と開放電圧の関係(図6)から、第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定した。推定結果を表4に示す。実施例2と異なり、充電率の推定誤差が大きく、特に、充電率30%の場合において、「実際のSOC」とは20%を超える大きな誤差が生じた。
推定誤差が大きくなった理由は、リン酸鉄リチウムとグラファイトを用いた従来例1のリチウムイオン二次電池の場合と同様に、2つあると考えられる。ひとつは、図6に示すように開放電圧が充電率によって変化しにくい点、もうひとつは、充放電中あるいはシステム運用の合間にて開放電圧を測定することが困難である点が挙げられる。
以上より、開放電圧を用いた充電率推定方法は、三元系材料のニッケルマンガンコバルト層状酸化物を正極活物質とする正極およびグラファイトを負極活物質とする負極を用いたリチウムイオン二次電池にも適さないことがわかった。なお、他の正極材料を正極活物質として用いた場合でも充電率の違いによって開放電圧が大きく変わるわけではないので、上記で示した従来例2と略同様の結果となり、「実際のSOC」と「SOCの推定値」との間に大きな誤差が生じる。
Figure 2023008597000005
本発明は、上記実施例1および実施例2を通しての考察に基づくものであり、第2リチウムイオン二次電池について特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分、充電率及び電池容量の関係式(1)を用いた充電率推定方法及び充電率推定装置により、充電率に対する開放電圧の変化が小さいリチウムイオン二次電池であったとしても、簡易的であって且つ高精度の充電率の推定が可能となる。これにより、これまで実現されてこなかったリチウムイオン二次電池の充電率推定の実現に大きく寄与すると考えられる。
[充電率推定装置]
以下、本発明の実施の形態に係る充電率推定装置について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電率推定装置を収容する蓄電システム1を例示する図である。
蓄電システム1は、複数のバッテリユニット2、バッテリマネジメントユニット(以下、BMU(Battery Management Unit)と記す)3、充放電制御部4および充放電切替スイッチ5を備えて構成される。各バッテリユニット2は、セルNo.1~No.8の8個の複数のセル21a,21b,…,21h(以下、総称するときはセル21)が直列に接続されて構成される二次電池モジュール22、各二次電池モジュール22に並列に接続されたセルバランス回路23、および、モジュールモニタリングユニット(以下、MMU(Module Monitoring Unit)と記す)24を備える。
二次電池モジュール22を構成する複数のセル21a~21hのそれぞれは、例えば上記実施例1の第2リチウムイオン二次電池として採用されたリン酸鉄リチウムイオン二次電池で構成されるか、または、上記実施例2の第2リチウムイオン二次電池として採用されたニッケルマンガンコバルト(三元系)リチウムイオン二次電池で構成される。
セルバランス回路23は、セル21に充電された電荷を放電する図示しない抵抗およびスイッチをセル21毎に有し、MMU24からの放電制御信号に応じてスイッチを閉じることで、抵抗を介して各セル21に充電された電荷を個別に放電する。
MMU24は、対応するバッテリユニット2における各セル21の端子間電圧、通電電流および温度等の測定、および、BMU3からの指示に応じてセルバランス回路23の放電制御を行う。また、MMU24は、各セル21の電圧および温度をそれぞれ測定し、測定した各セル21の電圧および温度をBMU3へ出力する。
本実施の形態では、MMU24は、図示しない充放電回路を有しており、BMU3からの指示に応じて、充放電回路を介して充電率推定の対象となるセル21に、交流電流を印加し、所定の時間間隔で当該セル21の両端の交流電圧を測定して、交流電流値及び交流電圧値をBMU3に送出する。なお、セル21に印加される交流電流は、上記実施例1又は実施例2において第1リチウムイオン二次電池について近似直線が取得されたときの特定周波数をもつ交流電流である。
BMU3は、内蔵しているHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった内部メモリストレージに記憶されているデータ、および制御プログラムに従って、内蔵している図示しないCPU(中央演算装置)が、図8に例示される充電率推定方法を後述するように実行する。
本実施の形態では、内部メモリストレージには、上記実施例1又は実施例2において第1リチウムイオン二次電池について取得された近似直線の傾き及び切片、並びに、第1リチウムイオン二次電池と実質的に同じ正極組成、負極組成、セパレータの材料および電解質組成をもつ第2リチウムイオン二次電池としてのセル21a~21hの電池容量が記憶される。すなわち、BMU3が内蔵する内部メモリストレージが記憶手段となる。
また、BMU3は、充放電切替スイッチ5の切替制御を行って、各バッテリユニット2の充放電制御を充放電制御部4によって行う。すなわち、充放電切替スイッチ5の切替接続状態がBMU3の切替制御によって放電制御部41側に切り替えられると、各バッテリユニット2に充電された電荷が充放電制御部4を構成する放電制御部41によってソケット6に接続される図示しない負荷へ放電される。
充放電切替スイッチ5の切替接続状態がBMU3の切替制御によって充電制御部42側に切り替えられると、充放電制御部4を構成する充電制御部42により、プラグ7に接続される図示しない電源から各バッテリユニット2へ充電が行われる。
本実施の形態では、蓄電システム1が充放電状態にない休止期間に移行するとき、充放電切替スイッチ5の切替接続は、BMU3の切替制御によって放電制御部41又は充電制御部42の何れにも属さない中間状態となり、複数のバッテリユニット2は充放電制御部4から分離される。
また、本実施の形態では、BMU3は、蓄電システム1が休止期間にあるときに、充電率推定の対象となるセル21に特定周波数をもつ交流電流を印加し、所定の時間間隔で当該セル21の両端の交流電圧を所定回数だけ測定するようにMMU24に指示する。すなわち、MMU24が測定手段となる。
さらに、本実施の形態では、BMU3は、MMU24から受けた複数の交流電圧のそれぞれと交流電流とのペアから交流インピーダンスをそれぞれ算出し、例えば最小二乗法により、算出した複数の交流インピーダンスの全てに対して最小二乗誤差を与える実数成分と虚数成分のペアを算出する。すなわち、BMU3が算出手段となる。
さらに、本実施の形態では、BMU3は、第2リチウムイオン二次電池としてのセル21について決定された虚数成分と、BMU3に内蔵される内部メモリストレージに予め記憶されている第1リチウムイオン二次電池について取得された近似直線の傾き及び切片、並びに、第2リチウムイオン二次電池としてのセル21の電池容量に基づいて、上述した式(1)に係る演算を実行し、セル21の充電率の推定値を算出する。すなわち、BMU3が推定手段となる。よって、図7においてBMU3とMMU24が充電率推定装置であり、充電率推定装置を既存の蓄電システムに組み込むこと、または充電率推定装置を組み込んで製造した蓄電システムが、蓄電システム1に該当する。
[充電率推定方法]
以下、本発明の実施の形態に係る充電率推定方法について説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電率推定方法を例示するフローチャートである。この動作は、図7に示されるBMU3及びMMU24から構成される充電率推定装置により実行される。
なお、この動作の前提として、BMU3の内部メモリストレージには、第1リチウムイオン二次電池について取得された近似直線の傾き及び切片、並びに、第1リチウムイオン二次電池と実質的に同じ正極組成、負極組成、セパレータの材料および電解質組成をもつ第2リチウムイオン二次電池としてのセル21a~21hの電池容量が予め記憶される(記憶ステップ)。
はじめに、ステップS101で、蓄電システム1が休止状態にあるか否かを判定する。具体的には、BMU3は、充放電切替スイッチ5の切替接続を調べ、複数のバッテリユニット2が放電制御部4から分離されているかを判定する。
つぎに、ステップS102で、充電率推定の対象となるバッテリユニット2に収容される所定のセルに対して、特定周波数をもつ交流電流を印加し、所定の時間間隔で当該所定のセル間の交流電圧を所定回数測定する(測定ステップ)。この特定周波数は、実施例1や実施例2で説明されたように、内部メモリストレージに記憶されている傾き及び切片をもつ近似直線が発見されたときの周波数である。
つぎに、ステップS103で、ステップS102で測定した複数の交流電圧のそれぞれと交流電流とのペアについて交流インピーダンスをそれぞれ算出する。
つぎに、ステップS104で、最小二乗法により、ステップS103で算出した複数の交流インピーダンスの全てに対して、最小二乗誤差を与える実数成分と虚数成分のペアを算出する(算出ステップ)。
この場合、実数成分Reと虚数成分Imのペアが複数存在する場合を考慮して、実数成分や虚数成分の一方又は両方に対して幾つかの条件を予め設定しておくことも可能である。例えば第1リチウムイオン二次電池について作成されたナイキスト線図(図1参照)や近似曲線(図2参照)で示される実数成分や虚数成分の値、更には第1リチウムイオン二次電池の電池容量と第2リチウムイオン二次電池の電池容量との関係を考慮して、実数成分及び/又は虚数成分について想定される範囲を予め設定しておくことも可能である。
つぎに、ステップS105で、ステップS104で第2リチウムイオン二次電池について算出された虚数成分、内部メモリストレージに記憶している第2リチウムイオン二次電池の電池容量、並びに第1リチウムイオン二次電池について取得された近似直線の傾き及び切片に基づいて、上述した関係式(1)に係る演算を実行し、対象セルの充電率の推定値を算出する(推定ステップ)。
ここで、BMU3は、充電率推定の対象となるバッテリユニット2に収容されるセルのうち、次に充電率の推定を行うセルがある場合には、上述したステップS102以降の処理を繰り返す。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されず、上記特徴点1~3を通して導出された関係式(1)を利用することで、簡易的且つ高精度な充電率の推定手法を実施する態様であればよい。
例えば、上記実施の形態では、第1リチウムイオン二次電池と第2リチウムイオン二次電池は、関係式(1)に基づくシステム制御を実行するためには、実質的に同じ特性を持つ必要がある。このため、第1リチウムイオン二次電池と第2リチウムイオン二次電池とは、例えば図7に示される蓄電システム1の二次電池モジュール22を構成している複数のセル21a~21hどうしのように、例えば標準偏差から±3σといった所定のばらつき範囲に含まれる点で、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じであり、且つ同じ製造工程を経て製造された二次電池であることが好ましい。本発明はこれに限定されず、第1リチウムイオン二次電池と第2リチウムイオン二次電池とは、少なくとも、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じであればよい。
また、上記実施の形態では、複数のセル21が直列接続されて構成される二次電池モジュール22が並列接続されて構成される蓄電システム1において、特定の二次電池モジュールのなかの特定のセルの充電率を順次に推定する態様を説明した。
他の形態として、上記実施例1や実施例2のような、充電率の推定対象となる第2リチウムイオン二次電池が蓄電システム1に組み込まれておらず、単独で存在する場合に充電率の推定を実施する態様であってもよい。この場合、図7の蓄電システム1における充電率推定装置(BMU3及びMMU24)と同じ役割/機能を果たす簡易的な構成であって良い。また、交流電圧を測定する回数や、交流インピーダンスから実数成分や虚数成分を算出・確定するための演算手法は本発明を限定するものではない。
また、上記実施の形態では、BMU3が交流インピーダンスの算出から、最小二乗法による実数成分と虚数成分の算出・確定までの処理を行っている。他の形態として、例えばBMU3よりも上位に設けられる監視端末において他の蓄電システムにおけるBMUでの演算結果を含めて集合的に実数成分と虚数成分を算出・確定する構成としても良い。
さらに、上記実施の形態では、蓄電システム1が休止期間に移行するとき、充放電切替スイッチ5の切替接続が中間状態となることで、全てのバッテリユニット2が纏めて充放電制御部4から分離される。他の形態として、複数のバッテリユニット2それぞれに充放電切り替えスイッチ5が設けられ、充電率の推定対象となるセルを含むバッテリユニットのみが充放電制御部4から分離される構成としても良い。
1:蓄電システム
2:バッテリユニット
3:バッテリマネジメントユニット(BMU)
4:充放電制御部
5:充放電切替スイッチ
21:セル
22:二次電池モジュール
23:セルバランス回路
24:モジュールモニタリングユニット(MMU)

Claims (6)

  1. 第1リチウムイオン二次電池に対して複数の充電率のそれぞれについて交流インピーダンス測定を行ったときの複数の周波数のうちの特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との相関を近似する直線の傾きの絶対値及び切片と、充電率の推定の対象となる第2リチウムイオン二次電池の電池容量とを記憶する記憶手段と、
    前記特定周波数をもつ交流電流を前記第2リチウムイオン二次電池に印加したときの前記第2リチウムイオン二次電池間に生じる交流電圧を測定する測定手段と、
    前記印加された交流電流と前記測定された交流電圧とから交流インピーダンスを算出し、算出された交流インピーダンスの実数成分と虚数成分とを算出する算出手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記直線の傾きの絶対値及び切片、電池容量、及び前記算出手段により算出された交流インピーダンスの虚数成分の算出値に基づいて、以下の式(1)に係る演算を実行することで、前記第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定する推定手段と、を備え、
    前記第1リチウムイオン二次電池と前記第2リチウムイオン二次電池とは、少なくとも、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じ二次電池である、充電率推定装置。
    [式1]
    充電率(%)=
    {(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
    ・・・(1)
  2. 前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の正極活物質はリン酸鉄リチウムまたはニッケルマンガンコバルト層状酸化物であり、
    前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の負極活物質はグラファイトである、
    請求項1記載の充電率推定装置。
  3. 前記特定周波数は、前記第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる、
    請求項1又は2記載の充電率推定装置。
  4. 第1リチウムイオン二次電池に対して複数の充電率のそれぞれについて交流インピーダンス測定を行ったときの複数の周波数のうちの特定周波数における交流インピーダンスの虚数成分と充電率との相関を近似する直線の傾きの絶対値及び切片と、充電率の推定の対象となる第2リチウムイオン二次電池の電池容量とを記憶する記憶ステップと、
    前記特定周波数をもつ交流電流を前記第2リチウムイオン二次電池に印加したときの前記第2リチウムイオン二次電池間に生じる交流電圧を測定する測定ステップと、
    前記印加された交流電流と前記測定された交流電圧とから交流インピーダンスを算出し、算出された交流インピーダンスの実数成分と虚数成分とを算出する算出ステップと、
    前記記憶ステップで記憶された前記直線の傾きの絶対値及び切片、電池容量、及び前記算出手段により算出された交流インピーダンスの虚数成分の算出値に基づいて、以下の式(1)に係る演算を実行することで、前記第2リチウムイオン二次電池の充電率を推定する推定ステップと、を備え、
    前記第1リチウムイオン二次電池と前記第2リチウムイオン二次電池とは、少なくとも、正極組成、負極組成、セパレータ材料および電解質組成が実質的に同じ二次電池である、充電率推定方法。
    [式1]
    充電率(%)=
    {(切片)-(虚数成分の算出値(mΩ))×(電池容量(Ah))}÷(傾きの絶対値)
    ・・・(1)
  5. 前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の正極活物質はリン酸鉄リチウムまたはニッケルマンガンコバルト層状酸化物であり、
    前記第1リチウムイオン二次電池および前記第2リチウムイオン二次電池の負極活物質はグラファイトである、
    請求項4記載の充電率推定方法。
  6. 前記特定周波数は、前記第1リチウムイオン二次電池の交流インピーダンス成分のうち、反応抵抗成分を検出することができる周波数範囲に含まれる、
    請求項4又は5記載の充電率推定方法。
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