JP2023008482A - たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法 - Google Patents

たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023008482A
JP2023008482A JP2021112088A JP2021112088A JP2023008482A JP 2023008482 A JP2023008482 A JP 2023008482A JP 2021112088 A JP2021112088 A JP 2021112088A JP 2021112088 A JP2021112088 A JP 2021112088A JP 2023008482 A JP2023008482 A JP 2023008482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flavorant
tobacco
flavor
carrying
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021112088A
Other languages
English (en)
Inventor
晃次郎 篤永
Kojiro Tokunaga
雄太 岡本
Yuta Okamoto
直哉 鶴岡
Naoya Tsuruoka
哲也 本溜
Tetsuya Mototame
泰宏 中川
Yasuhiro Nakagawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP2021112088A priority Critical patent/JP2023008482A/ja
Priority to KR1020247004124A priority patent/KR20240032084A/ko
Priority to PCT/JP2021/027639 priority patent/WO2023281764A1/ja
Priority to CN202180099953.6A priority patent/CN117580469A/zh
Publication of JP2023008482A publication Critical patent/JP2023008482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24DCIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D1/00Cigars; Cigarettes
    • A24D1/20Cigarettes specially adapted for simulated smoking devices
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24FSMOKERS' REQUISITES; MATCH BOXES; SIMULATED SMOKING DEVICES
    • A24F47/00Smokers' requisites not otherwise provided for

Abstract

【課題】香味料組成物とたばこ製品の構成部材とを含むたばこ製品の香味料担持構成部材であって、香味料組成物がたばこ製品の構成部材へ染み出しにくい香味料担持構成部材を提供する。【解決手段】たばこ製品の構成部材と、前記構成部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む香味料組成物とを含む、たばこ製品の香味料担持構成部材。【選択図】図1

Description

本発明は、たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法に関する。
たばこ刻などのたばこ香味源を含むたばこ製品として、ユーザが吸引により香味を味わう香味吸引器が知られている。香味吸引器は、従来のシガレットを代表とする燃焼型喫煙システムと加熱型喫煙システムとに大別できる。
加熱型喫煙システムの一例として、従来のシガレットに類似した形態を有する、たばこシートとフィルターとを備えた加熱型香味吸引物品(以下、加熱型シガレットとも呼ぶ)を使用するものが開発されている。この加熱型シガレットは別に用意された加熱デバイスによって加熱することで、所望の香味を楽しむことができる。例えば、特許文献1には、たばこ部とフィルター部とこれらを連結する連結部とを有する加熱型喫煙物品が記載されている。
加熱型シガレットに香料を添加することで、様々な香味を楽しむことが知られている。例えば、特許文献2には、カラギーナン及びゲランガムの少なくとも一つを含む多糖類、香料、乳化剤並びに水を含んだ原料スラリーを基材上に伸展させる工程と、原料スラリーをゲル化させる工程と、ゲル化した原料を加熱して、70乃至100℃の試料温度で乾燥させることを含む加熱乾燥工程とを含んだ喫煙物品用香料含有シートの製造方法が記載されている。この方法によって得られるシートの裁断物は、例えば、たばこ刻に配合される。
また、特許文献3には、フレーバーを内包したカプセルを備えた加熱型香味吸引物品が記載されている。
国際公開第2020/115898号 米国特許出願公開第2013/0327346号明細書 国際公開第2010/110226号
本発明は、香味料組成物とたばこ製品の構成部材とを含むたばこ製品の香味料担持構成部材であって、香味料組成物がたばこ製品の構成部材へ染み出しにくい香味料担持構成部材を提供することを目的とする。
一つの側面によれば、
たばこ製品の構成部材と、
前記構成部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む香味料組成物とを含む、たばこ製品の香味料担持構成部材が提供される。
別の側面によれば、
1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料と含む香味料組成物をたばこ製品の構成部材に担持させること
を含む、たばこ製品の香味料担持構成部材の製造方法が提供される。
本発明によると、香味料組成物とたばこ製品の構成部材とを含むたばこ製品の香味料担持構成部材であって、香味料組成物がたばこ製品の構成部材へ染み出しにくい香味料担持構成部材が提供される。
本発明の一実施形態に係る加熱型香味吸引物品を概略的に示す模式図。 図1に示す加熱型香味吸引物品を概略的に示す断面図。 加熱前の加熱型喫煙システムの一例を概略的に示す断面図。 加熱中の加熱型喫煙システムの一例を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る燃焼型香味吸引物品を概略的に示す断面図。 香味吸引物品の一例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。 香味吸引物品の他の例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。 香味吸引物品の更に他の例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。 香味吸引物品の更に他の例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。 香味吸引物品の更に他の例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。 香味吸引物品の更に他の例についてパフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフ。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明を詳説することを目的とし、本発明を限定することを意図していない。
<1.香味料担持構成部材>
たばこ製品の香味料香料担持構成部材は、
たばこ製品の構成部材と、
前記構成部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む香味料組成物とを含む。
(たばこ製品)
本明細書において、たばこ製品は、ユーザが吸引により香味を味わう香味吸引器である。香味吸引物品は、香味源を含み、香味源に由来する香味をユーザが吸引により味わう任意の吸引物品である。香味吸引物品に含まれる香味源は、好ましくはたばこ香味源である。香味吸引物品は、具体的には、香味源を燃焼させることにより香味をユーザに提供する燃焼型喫煙物品、及び香味源を燃焼させることなく加熱することにより香味をユーザに提供する加熱型香味吸引物品が挙げられる。
(たばこ製品の構成部材)
「たばこ製品の構成部材」は、香味料組成物を担持させるためのベース部材である。このため、以下の説明において、たばこ製品の構成部材は「ベース部材」ともいう。
ベース部材は、例えば、たばこ充填材ある。たばこ充填材は、たばこ製品においてたばこ香味源として機能するたばこ材料である。たばこ充填材は、例えば、たばこ刻の集合体、シートたばこ、シートたばこの裁断物の集合体、たばこ顆粒の集合体、又はこれらの組合せである。たばこ刻は、たばこ製品に組み込まれる準備が整った葉たばこ(乾燥済みのたばこ葉)の裁断物をいう。シートたばこは、葉屑や刻み屑などの原料工場や製造工場で生じるたばこ屑やたばこ刻などのたばこ材料をシート状に成形したたばこ成形体をいう。また、たばこ顆粒は、葉屑や刻み屑などの原料工場や製造工場で生じるたばこ屑やたばこ刻などのたばこ材料を顆粒状に成形したたばこ成形体をいう。
本明細書において、ベース部材がたばこ充填材である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持たばこ充填材」と呼ぶ。具体的には、ベース部材がたばこ刻の集合体である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持たばこ刻」と呼び、ベース部材がシートたばこ又はシートたばこの裁断物の集合体である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持シートたばこ」と呼び、ベース部材がたばこ顆粒の集合体である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持たばこ顆粒」と呼ぶ。
或いは、ベース部材はたばこ巻紙であってもよい。本明細書において、ベース部材がたばこ巻紙である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持たばこ巻紙」と呼ぶ。
或いは、ベース部材はフィルターであってもよい。具体的には、ベース部材は、フィルターを構成する濾材(例えば、セルロースアセテート繊維の集合体、紙、又はフィルム)であってもよいし、濾材の周囲に巻かれたプラグラッパーであってもよい。紙は、クリンプ処理されていてもよく、されていなくてもよい。本明細書において、ベース部材がフィルターである場合、香味料担持構成部材を「香味料担持フィルター」と呼ぶ。
或いは、ベース部材は管であってもよい。管は、例えば紙を巻き上げることで得られる。紙からなる管、即ち、紙管については後述する。本明細書において、ベース部材が管である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持紙管」と呼ぶ。
或いは、ベース部材は、香味料充填材の基材であってもよい。香味料充填材は、フィルム、又は金属箔などの基材の上に香味料が担持された材料をいい、例えば、たばこ製品においてたばこ充填材と共に使用される。香味料充填材は、たばこ製品の部材に貼り合わせて使用してもよい。香味料充填材の基材は、たばこ材料を含まず、香味料を担持する役割を果たす。なお、ベース部材は、香味料充填材の基材の裁断物であってもよい。
香味料充填材の基材は、好ましくは、金属箔である。金属箔は、複合金属材料又は単一金属材料からなる薄板であってもよいし、或いは、金属材料と他の材料(例えば紙やフィルム)のラミネートからなる金属箔複合体であってもよい。複合金属材料又は単一金属材料からなる薄板の例としては、アルミ箔板、銅箔板、鉄箔板、アルミニウム合金箔板などがある。更に金属箔複合体の例としては、アルミ箔と紙のラミネート、即ち、アルミ成形紙などがある。アルミ成形紙として、アルミ箔を接着剤で紙に貼り合わせることにより得られたアルミ貼合紙、又はアルミ箔を紙に蒸着させることにより得られたアルミ蒸着紙が知られている。
ベース部材として金属箔を使用すると、金属の熱伝導率が高いため、金属箔に担持された香味料組成物は、たばこ製品の使用時(とりわけ、香味吸引物品の加熱時)に温まりやすく、香味料組成物に含有される香味料の放出を促進することができる。
或いは、香味料充填材の基材は、フィルムであってもよい。フィルムは、有機物、無機物の何れでもよい。フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリマーフィルムであってもよい。その他、紙、シート、不織布など、香味料組成物を担持し得る物であれば、特にその組成や形状を問わない。本明細書において、ベース部材が香味料充填材の基材である場合、香味料担持構成部材を「香味料担持基材」と呼ぶ。
(香味料組成物)
「香味料組成物」は、ベース部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む。香味料組成物は香味吸引物品の加熱又は燃焼によって香味料を放出する。或いは、香味料組成物は、香味吸引物品の加熱によって生じる蒸気、又は香味吸引物品の燃焼によって生じる煙と接触することで香味料を放出する。
本明細書において、HLBは、グリフィン法によって測定する。
乳化剤は、好ましくは、2乃至5の範囲内のHLBを有する。以下、上述した乳化剤を「低HLB乳化剤」と呼ぶ。
低HLB乳化剤の融点は、例えば、40℃乃至100℃の範囲内にある。
低HLB乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、又は有機酸モノグリセリドである。
グリセリン脂肪酸エステルは、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、又はトリグリセリドである。好ましくは、グリセリン脂肪酸エステルはモノグリセリドである。
グリセリン脂肪酸エステルの具体例は、モノベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、及びモノミリスチン酸グリセリルである。グリセリン脂肪酸エステルは、好ましくは、モノベヘン酸グリセリルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ペンタグリセリン脂肪酸エステル、又はデカグリセリン脂肪酸エステルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおいて、ポリグリセリンにエステル結合している脂肪酸の種類は1であってもよく、2以上であってもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例は、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、及びペンタオレイン酸デカグリセリルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、好ましくは、ペンタステアリン酸デカグリセリルである。
プロピレングリコール脂肪酸エステルの具体例は、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノパルミチン酸プロピレングリコール、及びモノベヘン酸プロピレングリコールである。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例は、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、及びショ糖エルカ酸エステルである。
ソルビタン脂肪酸エステルの具体例は、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリベヘン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、及びセスキステアリン酸ソルビタンである。
レシチンの具体例は、植物レシチン、及び酵素処理レシチンである。
有機酸モノグリセリドの具体例は、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、及びクエン酸モノグリセリドである。
低HLB乳化剤は、好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1以上を含む。より好ましくは、低HLB乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1以上を含む。更に好ましくは、低HLB乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも一方を含む。
(香味料)
香味料は、好ましくは、香料、呈味料、植物材料、脂質及びニコチンからなる群より選ばれる1以上を含む。
(香料)
香料の種類は、特に限定されない。また、香料の形態は、特に限定されない。香料は、例えば、液体又は固体である。
香料は、香り及び風味の組み合わせ、又は香りを提供するものである。香料の好適なフレーバーとしては、例えば、糖質及び糖系のフレーバー、リコリス(甘草)、ココア、チョコレート、果汁及びフル-ツ、スパイス、洋酒、ハーブ、バニラ、並びにフラワー系フレーバーから選ばれる1以上のフレーバーが挙げられる。
香料としては、例えば、「周知・慣用技術集(香料)」(2007年3月14日、特許庁発行)、「最新 香料の事典(普及版)」(2012年2月25日、荒井綜一・小林彰夫・矢島泉 ・川崎通昭 編、朝倉書店)、又は「Tobacco Flavoring for Smoking Products」(1972年6月、R. J. REYNOLDS TOBACCO COMPANY)に記載されている広範な種類の香料を使用することができる。
香料としては、例えば、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、エーテル類、エステル類、ケトン類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、チオエーテル類、チオ-ル類、テルペン系炭化水素類、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、並びにラクトン類からなる群より選ばれる1以上が挙げられる。香料は、冷感又は温感をもたらす素材であっても良い。
香料としては、より具体的には、アセトアニソール、アセトフェノン、アセチルピラジン、2-アセチルチアゾール、アルファルファエキストラクト、アミルアルコール、酪酸アミル、トランス-アネトール、ベンズアルデヒド、ベンゾインレジノイド、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、2,3-ブタンジオン、2-ブタノール、酪酸ブチル、酪酸、カラメル、β-カロテン、L-カルボン、β-カリオフィレン、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シンナミルアルコール、ケイ皮酸シンナミル、DL-シトロネロール、クミンアルデヒド、δ-デカラクトン、γ-デカラクトン、デカン酸、3,4-ジメチル-1,2-シクロペンタンジオン、4,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジヒドロフラン-2-オン、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-メチル酪酸エチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン酸エチル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ラウリン酸エチル、レブリン酸エチル、エチルマルトール、オクタン酸エチル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸エチル、吉草酸エチル、エチルバニリン、エチルバニリングルコシド、2-エチル-3,(5又は6)-ジメチルピラジン、5-エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5H)-フラノン、2-エチル-3-メチルピラジン、ユ-カリプトール、ゲラニオ-ル、酢酸ゲラニル、グアヤコール、γ-ヘプタラクトン、γ-ヘキサラクトン、ヘキサン酸、シス-3-ヘキセン-1-オール、酢酸ヘキシル、ヘキシルアルコール、フェニル酢酸ヘキシル、ハチミツ、4-ヒドロキシ-3-ペンテン酸ラクトン、4-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-1-ブテニル)-3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、4-(パラ-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-ヒドロキシウンデカン酸ナトリウム、β-イオノン、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソブチル、リナロール、酢酸リナリル、ロベージ根油、メンソール、メントン、酢酸L-メンチル、パラメトキシベンズアルデヒド、メチル-2-ピロリルケトン、アントラニル酸メチル、フェニル酢酸メチル、サリチル酸メチル、4’-メチルアセトフェノン、メチルシクロペンテノロン、3-メチル吉草酸、ミリスチン酸、ネロール、ネロリドール、γ-ノナラクトン、δ-オクタラクトン、オクタナ-ル、オクタン酸、パルミチン酸、ω-ペンタデカラクトン、フェネチルアルコール、フェニル酢酸フェネチル、フェニル酢酸、ピペロナール、プロペニルグアエトール、酢酸プロピル、3-プロピリデンフタリド、ピルビン酸、α-テルピネオール、酢酸テルピニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリン、1,5,5,9-テトラメチル-13-オキサシクロ(8.3.0.0(4.9))トリデカン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン、2-トリデカノン、クエン酸トリエチル、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)2-ブテン-4-オン、2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1,4-ジオン、4-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエニル)2-ブテン-4-オン、2,3,5-トリメチルピラジン、γ-ウンデカラクトン、γ-バレロラクトン、バニリン、ベラトルアルデヒド、シトラール、4-(アセトキシメチル)トルエン、2-メチル-1-ブタノール、10-ウンデセン酸エチル、ヘキサン酸イソアミル、1-フェニルエチル酢酸、ラウリン酸、8-メルカプトメントン、シネンサール、酪酸ヘキシル、カンファー、イソプレゴール、シネオール、ユ-カリプタスオイル、2-l-メントキシエタノール(COOLACT(登録商標)5)、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール(COOLACT(登録商標)10)、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート(COOLACT(登録商標)20)、p-メンタン-3,8-ジオール(COOLACT(登録商標)38D)、N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(COOLACT(登録商標)370)、N-(4-(シアノメチル)フェニル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキサミド(COOLACT(登録商標)400)、N-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボアミド(WS-3)、エチル-2-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート(WS-5)、N-(4-メトキシフェニル)-p-メンタンカルボキサミド(WS-12)、2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブチラミド(WS-23)、3-l-メントキシ-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、2-l-メントキシエタン-1-オール、3-l-メントキシプロパン-1-オール、4-l-メントキシブタン-1-オール、メンチルラクテート(FEMA3748)、メントングリセリンアセタール(Frescolat MGA、FEMA3807、FEMA3808)、2-(2-l-メンチルオキシエチル)エタノール、グリオキシル酸メンチル、2-ピロリドン-5-カルボン酸メンチル、コハク酸メンチル(FEMA3810)、N-(2-(ピリジン-2-イル)-エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド(FEMA4549)、N-(エトキシカルボニルメチル)-p-メンタン-3-カルボキサミド、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(4-アミノカルボニルフェニル)-p-メンタン、並びにグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール及びポリエチレングリコールなどのポリオールなどが挙げられる。
ポリオールは、風味を提供する役割に加えて、他の香味料(即ち、ポリオール以外の香味料)が存在する場合には、他の香味料のリリースを制御する役割を果たすことができる。
なお、香料は天然香料であってもよく、合成香料であってもよい。
香料としては、プロピレングリコール及びメンソールの組み合わせ、又はメンソールを使用することが好ましい。
香料としてプロピレングリコール及びメンソールの組み合わせを使用する場合、プロピレングリコールの質量に対するメンソールの質量の比は、0.01乃至100の範囲内にあることが好ましく、0.1乃至10の範囲内にあることがより好ましい。
(呈味料)
呈味料としては、例えば、甘味、酸味、塩味、旨味、苦味、渋味、又はこく味などを呈する素材が挙げられる。
甘味を呈する素材としては、例えば、糖類、糖アルコール及び甘味料などが挙げられる。糖類としては、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖、及び多糖類などが挙げられる。甘味料としては、例えば、天然甘味料、及び合成甘味料などが挙げられる。
酸味を呈する素材としては、例えば、有機酸及びそのナトリウム塩などが挙げられる。有機酸としては、例えば、酢酸、アジピン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酒石酸などが挙げられる。
苦味を呈する素材としては、例えば、コーヒー等の抽出物に含まれるカフェイン、ナリンジン、及びニガヨモギ抽出物などが挙げられる。
塩味を呈する素材としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、及び酢酸カリウムなどが挙げられる。
旨味を呈する素材としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、及びグアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。
渋味を呈する素材としては、例えば、タンニン、及びシブオールなどが挙げられる。
香味料組成物の質量に占める、香味料の合計の含有量は、特に限定されないが、良好な喫味の付与の観点から、例えば、通常10ppm以上であり、好ましくは5000ppm以上であり、より好ましくは10000ppm以上であり、また、通常999990ppm以下であり、好ましくは999900ppm以下であり、より好ましくは999000ppm以下であり、更に好ましくは990000ppm以下である。
(植物材料)
植物材料は、植物粉砕物又は植物由来成分である。植物由来成分の取得方法は特に限定されない。植物由来成分の取得方法は、例えば、植物粉砕物に含まれる成分を水、有機溶媒、又はこれらの混合物などの溶媒によって抽出すること、又は植物粉砕物を加熱処理することで放出される成分を捕集溶媒に捕集することなどが挙げられる。
植物粉砕物は、植物を粉砕することで得られる。粉砕は、公知の粉砕機を用いて行うことができ、乾式粉砕でも湿式粉砕でもよい。
植物としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、及びユリ等が挙げられる。球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、及びコンニャク等が挙げられる。塊茎としては、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)等が挙げられる。根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、及びショウガ等が挙げられる。塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、及びキクイモ等が挙げられる。担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)等が挙げられる。その他として、カブ・ゴボウ・ニンジン、ダイコン、及びクズ等が挙げられる。茎としては、コンニャク、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、及びヤーコン等が挙げられる。
植物としては、ハーブやスパイスとして使用されている植物も使用できる。ハーブやスパイスとして使用されている植物の具体例としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、及び柚子等が挙げられる。
また、植物としては、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
更に、植物としては、下記の茶類の原料も使用することができる。その具体例としては、チャノキ、アシタバ、アマチャ、アロエ、イチョウ、ウコン、ウラジロガシ、エゾウコギ、オオバコ、カキオドシ、柿、カミツレ、カモミール、河原決明、カリン、菊、ギムネマ、グァバ、クコ、桑、黒豆、ゲンノショウコ、玄米、ゴボウ、ヒレハリソウ、昆布、桜、サフラン、シイタケ、シソ、ジャスミン、ショウガ、スギナ、セキショウ、センブリ、ソバ、タラノキ、タンポポ、ドクダミ、杜仲、ナタマメ、ニワトコ、ネズミモチ、ハトムギ、ケツメイシ、ビワ、松、マテ、麦、メグスリノキ、ヨモギ、ユーカリ、羅漢果、ルイボス、及びゴーヤ等が挙げられる。
植物の具体例として昆布を挙げたが、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、及びワカメ等も当然植物として使用することができる。
また、植物の具体例として玄米を挙げたが、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)等の米の他の品種も当然植物として使用することができる。これら米の糠、植物材料として使用することができる。
また、植物の具体例として麦を挙げたが、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも呼ぶ)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、及びライムギ(ライ麦)等の他の麦類も当然植物として使用することができる。
また、植物の具体例として黒豆を挙げたが、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウ、キマメ、クラスタマメ、グラスピー(Lathyrus sativus)、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、及びヘントウ等の他の菽穀類(マメ科作物の種子)も当然植物として使用することができる。
また、植物の具体例としてソバを挙げたが、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、及びダッタンソバ等のその他の植物も当然植物として使用することができる。
また、植物の具体例としてシイタケを挙げたが、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、及びハラタケ等の他のキノコ類も当然植物として使用することができる。
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これら樹木の樹皮や葉、根なども植物として使用できる。シダ類、コケ類等も植物として使用することが可能である。植物として、ここに挙げた植物以外の植物を使用することもできる。
植物粉砕物は、一例によると、茶類である。茶類の原料の種類に応じて異なる種類の茶類が得られる。一方、原料の種類が同じであっても、原料の加工方法に応じて異なる種類の茶類が得られる。植物粉砕物としては、具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、及びゴーヤ茶などが挙げられる。これら茶類については、飲用後に得られる茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば、高価な茶類などは再利用して有効活用できる。
植物粉砕物は、他の例によると、日本酒、及びワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))などである。
植物粉砕物は、更に他の例によると、漢方薬である。漢方薬の具体例としては、例えば、藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボンタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、及び芦根(ロコン)等が挙げられる。
植物粉砕物は、更に他の例によると、葉たばこ粉砕物である。葉たばこ粉砕物は、葉たばこ(すなわち、たばこ製品のたばこ香味源として使用される乾燥たばこ葉)を粉砕することにより得られる粒子である。葉たばこ粉砕物は、例えば、平均粒径0.1μm乃至120μmである。本明細書において平均粒径は、レーザ回折・散乱法により求められるものであり、レーザ回折式粒子径分布測定装置(例えば、堀場製作所LA-950)を用いて測定される値を指す。
植物粉砕物は、更に他の例によると、ハーブ粉末、フラワー粉末、スパイス粉末、茶粉末、ココア粉末、キャロブ粉末、コリアンダー粉末、リコリス粉末、オレンジピール粉末、ローズピップ粉末、カモミールフラワ粉末、レモンバーベナ粉末、ペパーミント粉末、リーフ粉末、スペアミント粉末、及び紅茶粉末などの植物の粉末、並びにミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)及びポプリなどの混合物である。
植物由来成分は、上述した植物の抽出物であってもよい。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、及び溶液等が挙げられる。
植物由来成分として、例えば、植物の種子から得られる、タマリンドシードガム、グアーガム、及びローカストビーンガム等が挙げられる。また、植物由来成分として、樹液から得られる、アラビアガム、及びカラヤガム等が挙げられる。また、植物由来成分として、果実から得られるペクチン等が挙げられる。また、植物由来成分として、植物のその他の部位から得られる、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン(グルコマンナン)、及び大豆多糖類等も挙げられる。グアーガムは、カチオン化グアーガムであってもよい。
また、植物由来成分として、海藻から得られる、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、及びラムダカラギーナンの3タイプに分類されるカラギーナン、寒天、並びにアルギン酸等が挙げられる。カラギーナンは、カラギーナン金属塩であってもよく、アルギン酸はアルギン酸ナトリウムなどの塩であってもよい。
植物由来成分の具体例は、たばこ抽出物、スターアニス油、リンゴ果汁、バニラエキストラクト、ペルーバルサム油、ミツロウアブソリュート、カルダモン油、キャロブアブソリュート、ニンジンジュース、カシア樹皮油、シダーウッド油、セロリーシード油、カモミール油、シトロネラ油、クラリセージエキストラクト、コーヒー、コニャック油、コリアンダー油、ダバナ油、ディルハーブ油、フェネグリークアブソリュート、ジェネアブソリュート、リンドウ根インフュージョン、ブドウ果汁、グァバエキストラクト、インモルテルアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、コーラナッツティンクチャー、ラブダナム油、レモンテルペンレス油、カンゾウエキストラクト、メープルシロップ、ミモザアブソリュート、トウミツ、ナツメグ油、オレンジフラワー油、オレンジ油、オリス根油、ペパーミント油、プチグレインパラグアイ油、プラムエキストラクト、プルーン果汁、レーズンエキストラクト、ローズ油、ラム酒、セージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スチラックスアブソリュート、マリーゴールド油、ティーディスティレート、タイム油、トマトエキストラクト、バイオレットリーフアブソリュート、マンダリン油、ハッカオイル、及び植物由来の澱粉である。
例えば、植物由来の澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、及びタピオカ澱粉(タピオカ)等が挙げられる。これらは、増粘剤、安定剤等としての作用を有している。また、これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、及び耐シェア性向上等を図ることが可能である。また、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、及び糊化促進等を図ることが可能である。また、酸化により透明性向上、保存安定性向上等を図ることが可能でなる。
植物由来成分は、好ましくは、たばこ抽出物である。
脂質は、例えば、脂肪酸、又は脂肪酸エステルである。
香味料組成物が脂肪酸を更に含む場合、香味吸引物品の使用時における喉への刺激が抑制されやすい。また、香味料組成物が脂肪酸を更に含む場合、低HLB乳化剤が脂肪酸を乳化するため、乳化剤を含んでいない香味料組成物と比較して多量の脂肪酸を香味料組成物に配合することができる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸であることが好ましい。また、脂肪酸は高級脂肪酸であることが好ましい。本明細書では、高級脂肪酸は、1分子内に13以上の炭素数を有する脂肪酸である。
脂肪酸の具体例は、パルミチン酸、ステアリン酸、及びミリスチン酸である。脂肪酸は、パルミチン酸であることが好ましい。なお、脂肪酸は不飽和脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。また、脂肪酸は、パーム油等の複数の脂肪酸を含む天然油脂であってもよい。
乳化剤の質量に対する、脂肪酸の質量は、例えば、0.1乃至100.0の範囲内にあることが好ましく、1.0乃至10.0の範囲内にあることがより好ましい。
脂肪酸エステルは、例えば、中鎖脂肪酸エステルである。中鎖脂肪酸エステルは、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸ジグリセリド、又は中鎖脂肪酸モノグリセリドである。中鎖脂肪酸は、例えば、炭素数が8乃至12の範囲にあるカプリル酸、カプリン酸、又はラウリン酸である。中鎖脂肪酸エステルの具体例は、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、又はトリラウリン酸グリセリルである。中鎖脂肪酸エステルは、例えば、他の香味料のリリースを制御する役割を有する。また、中鎖脂肪酸は、香味料組成物の粘度調整にも使用することができる。
香味料は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
乳化剤の質量M1と香味料の質量M2との比M1/M2は0.001乃至20.0の範囲内にあることが好ましく、0.01乃至2の範囲内にあることが好ましい。
香味料組成物は、溶媒を更に含んでいてもよい。溶媒は、香味料の溶媒又は分散媒である。香味料組成物が溶媒を更に含む場合、たばこ構成部材との親和性がより向上するため、たばこ構成部材に香味料組成物を担持させやすい。
溶媒は、好ましくは、一価アルコールを含む。一価アルコールは、例えば、エタノール、又はベンジルアルコール等の一価アルコールである。
乳化剤の質量に対する、溶媒の質量は、0.0乃至100の範囲内にあることが好ましく、0.1乃至20の範囲内にあることがより好ましい。
香味料組成物は、グルカンを更に含んでいてもよい。グルカンは、両親媒性のグルカンであることが好ましい。両親媒性のグルカンは、疎水性の香味料に対しても、親水性の香味料に対しても親和性を示す。グルカンは、好ましくは、有機溶媒に可溶である。グルカンは、好ましくはセルロース誘導体、更に好ましくは、有機溶媒に可溶なセルロース誘導体である。ここでセルロース誘導体とは、セルロースのOH基に置換基を導入することにより得られる誘導体を指し、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース)などが挙げられる。また、セルロース誘導体は、その特徴的な官能基がもたらす複合的な効果により、結合剤、フィルム化剤、ゲル化剤として、一般的に広く使用されている。ここで、「有機溶媒に可溶な・・・」という表現における有機溶媒は、例えばエタノールである。
セルロース誘導体は、好ましくは、両親媒性のセルロース誘導体、より好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。ヒドロキシプロピルセルロースの置換度は、例えば0.1乃至4.5、好ましくは2.0乃至4.5である。本明細書において、ヒドロキシプロピルセルロースの置換度は、1グルコースあたりのヒドロキシプロピル基の数を表す。ヒドロキシプロピルセルロースは、例えば、日本曹達株式会社からセルニーの商品名で市販されるものを使用することができる。
香味料組成物がヒドロキシプロピルセルロースを更に含んだ場合の利点を以下に説明する。ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースの誘導体であり、セルロースのOH基をヒドロキシプロピル基で置換することにより得られる物質である。ヒドロキシプロピルセルロースは、結合剤、フィルム化剤、ゲル化剤として広く使用されている。セルロースは、分子間でOH基同士が水素結合し結晶化するため、疎水性物質である。一方、ヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロピル基を有するため、分子間で水素結合が形成されにくくなり、親水性及び疎水性の両方を備えた物質(即ち、両親媒性物質)となる。
また、ヒドロキシプロピルセルロースは、グリセリンを含む系において、ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロピル基とグリセリンのOH基との相互作用(水素結合)により、網目構造の複合体を形成することが報告されている。また、ヒドロキシプロピルセルロースは、両親媒性を有するため、親水性の香味料及び疎水性の香味料を網目構造内へ取り込めると考えられる。この網目構造の複合体により、香味料は、たばこ製品の蔵置時に揮発することなく安定して保持され、たばこ製品の使用時(とりわけ、香味吸引物品の加熱時)に安定してリリースされると考えられる。また、香味料組成物がヒドロキシプロピルセルロースを更に含む場合、香味料組成物の粘度調整に優れる。なお、ヒドロキシプロピルセルロースが形成する網目構造は、低HLB乳化剤が形成する網目構造よりも小さい。一例によると、ヒドロキシプロピルセルロースが形成する網目構造は、低HLB乳化剤が形成する網目構造の網目の内部に位置している。低HLB乳化剤が形成する網目構造については後述する。なお、ヒドロキシプロピルセルロースは、有機溶媒、特にエタノールに可溶である。
香味料組成物は、着色剤、湿潤剤、又は保存料を更に含んでいてもよい。
着色剤としては、例えば、天然色素、及び合成色素などが挙げられる。天然色素としては、例えば、カラメル、ウコン、ベニコウジ、クチナシ、ベニバナ、カロテン、マリーゴールド、及びアナトーなどが挙げられる。合成色素としては、例えば、タール色素、及び酸化チタンなどが挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、ワックス及びろう等の脂質などが挙げられる。
保存料としては、例えば、安息香酸、プロピオン酸、ソルビン酸、及びこれらの塩、並びにナイシンなどが挙げられる。
例えば、20℃において、香味料組成物は非流動性である。一例によると、香味料組成物は固化している。或いは、香味料組成物は十分に高い粘度を有している。
20℃において香味料組成物が十分に高い粘度を有している場合、香味料組成物の粘度は、4000mPa・s以上であることが好ましく、6000mPa・s以上であることがより好ましい。香味料組成物が十分に高い粘度を有している場合、ベース部材に香味料組成物がベース部材により染み出しにくい。粘度は、例えば、音叉振動式粘度計を用いて測定することができる。なお、香味料組成物の粘度の上限はないが、上限は、例えば、15000mPa・s以下である。
香味料組成物の凝固点は、例えば、20℃乃至100℃の範囲内にある。
例えば、香味料組成物を上述した濾材に適用する場合、香味料組成物は吸着剤を更に含んでいることが好ましい。吸着剤は、例えば、活性炭等の多孔質体である。
香味料組成物は、ベース部材の表面全体を覆うように、ベース部材の表面に被膜の形態で存在していてもよいし、或いは、ベース部材の表面の一部を被覆するように、ベース部材の上に存在していてもよい。また、香味料組成物は、ベース部材の表面に局所的に存在していてもよいし(即ち、ベース部材の表面にのみ存在し、ベース部材に浸透していなくてもよいし)、或いは、その全てが必ずしもベース部材の表面に存在していなくてもよく、その一部がベース部材に浸透していてもよい。例えば、べース部材として、シートたばこの裁断物の集合体を使用した場合、香味料組成物はこの集合体の隙間に存在していてもよい。
<2.香味料担持構成部材の製造方法>
上述した香味料担持構成部材は、例えば、以下の方法により製造することができる。
先ず、低HLB乳化剤と香味料とを含む混合物を準備する。
次に、この混合物を加熱及び撹拌する。加熱は、例えば、40℃乃至100℃の範囲内で行う。
以上のようにして、香味料組成物を得る。
次に、得られた香味料組成物をたばこ製品の構成部材に適用する。
「たばこ製品の構成部材」は、「1.香料担持構成部材」の欄で述べたとおりであり、以下の説明において「ベース部材」ともいう。
香味料組成物をベース部材に適用する手法は、特に限定されない。例えば、香味料組成物をベース部材の表面に添加したり塗工したりしてもよいし、液体組成物をベース部材の表面に噴霧してもよいし、ベース部材を香味料組成物中に浸漬してもよいし、香味料組成物を、たばこロッド中のベース部材の部分にインジェクターなどにより直接注入してもよい。香味料組成物をたばこロッド中のベース部材の部分にインジェクターなどにより直接注入する場合、例えば、後述するたばこ充填材111が有する孔内に香味料組成物を直接注入してもよい。或いは、上記の孔を設けることなしに、たばこ充填材111内に香味料組成物を直接注入してもよい。
たばこ刻に香味料組成物を適用する場合、移送ポンプにより香味料組成物をたばこ刻表面に直接添加したり、ノズル煙霧機によりたばこ刻に噴霧したり、インジェクターなどによりたばこロッド中のたばこ刻の部分に直接注入したりする手法が採用できる。或いは、たばこ刻への香味料組成物の適用は、たばこ刻を、香味料組成物中に浸漬させてもよい。
シートたばこに香味料組成物を適用する場合、シートたばこ表面へスリットフィーダーにより押し出し添加する手法や、フィルムアプリケーターなどによる塗工などの手法が採用できる。或いは、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、噴霧や浸漬などの手法も採用できる。シートたばこが裁断されている場合は、たばこ刻への適用と同じ手法に従うことが好ましい。
たばこ巻紙に香味料組成物を適用する場合、上述のとおり、スリットフィーダーにより押し出し添加する手法やフィルムアプリケーターなどによる塗工する手法が採用できる。或いは、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、噴霧や浸漬などの手法も採用できる。
たばこ顆粒に香味料組成物を適用する場合、顆粒のコーティング技術を用いることができる。例えば、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、香味料組成物をたばこ顆粒の表面に直接添加したりする手法が採用できる。
セルロースアセテート繊維等の濾材に香味料組成物を適用する場合、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、スリットフィーダーにより押し出し添加する手法やフィルムアプリケーターなどによる塗工する手法が採用できる。或いは、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、噴霧や浸漬などの手法が採用できる。
紙又はフィルム等の濾材に香味料組成物を適用する場合、例えば、シートたばこへの適用と同じ手法に従って、フィルムアプリケーターなどによる塗工する手法が採用できる。或いは、たばこ刻への適用と同じ手法に従って、噴霧や浸漬などの手法も採用できる。
香味料組成物の適用量は、香味料組成物の組成(配合成分の種類及び量)やベース部材の種類などに応じて、香味料担持構成部材が香味料を提供することができるように適宜決定することができる。
香味料組成物をベース部材、例えば、シートたばこの裁断物の集合体にインジェクターなどにより直接注入する場合、香味料組成物の適用量は、好ましくは、100質量部のシートたばこの裁断物の集合体に対し、1.0質量部乃至50.0質量部の範囲内にある。
香味料組成物を濾材に適用する場合、香味料組成物の適用量は、好ましくは、100質量部の濾材に対し、1.0質量部乃至80.0質量部の範囲内にある。
以上のようにして、たばこ製品の香味料担持構成部材を得る。
上述した香味料担持構成部材の製造方法によると、乾燥工程を経ることなしに香味料担持構成部材を製造することができる。即ち、加熱乾燥工程又は減圧乾燥工程を経ることなしに香味料担持構成部材を製造することができる。このため、香味料組成物が揮発成分を含む場合、揮発成分の揮発が抑制される。ここで、加熱乾燥工程は、例えば、40℃乃至200℃の範囲内で行われる工程である。
別の側面によれば、上述の方法により製造された香味料担持構成部材が提供される。更に別の側面によれば、上述の方法により製造された香味料担持構成部材を用いてたばこ製品を製造することを含む、たばこ製品の製造方法が提供される。
<3.たばこ製品>
上述の「香味料担持構成部材」、例えば香味料担持たばこ充填材、香味料担持たばこ巻紙、香味料担持基材などは、たばこ製品に組み込むことができる。具体的には、たばこ製品が香味吸引物品の場合、香味料担持たばこ充填材、香味料担持たばこ巻紙、香味料担持フィルター、香味料担持紙管、及び香味料担持基材の少なくとも1つを香味吸引物品に組み込むことができる。即ち、別の側面によれば、上述の「香味料担持構成部材」を含むたばこ製品が提供される。
本発明のたばこ製品は、通常のたばこ製品の構成部材を本発明の香味料担持構成部材と置き換えた以外は、通常のたばこ製品と同じ構成を有する。具体的な態様において、本発明のたばこ製品は、上述の「香味料担持たばこ刻」、上述の「香味料担持シートたばこ」、上述の「香味料担持たばこ顆粒」、上述の「香味料担持フィルター」、上述の「香味料担持紙管」、上述の「香味料担持基材」、及び上述の「香味料担持たばこ巻紙」から選択される少なくとも一つを含むことができる。本発明のたばこ製品は、上述の「香味料担持構成部材」を組合せて含んでいてもよい。例えば、上述の「香味料担持たばこ刻」と上述の「香味料担持シートたばこ」とを組み合わせて含んでいてもよいし、上述の「香味料担持たばこ刻」と上述の「香味料担持たばこ巻紙」とを組み合わせて含んでいてもよい。
香味料担持構成部材は、任意の量でたばこ製品に配合することができる。香味料担持構成部材は、香味料を担持していない構成部材と組み合わせて使用してもよいし、香味料を担持していない構成部材と併用しないで単独で使用してもよい。香味料担持たばこ刻、香味料担持シートたばこ、香味料担持たばこ顆粒、香味料担持フィルター、香味料担持紙管、及び香味料担持基材は、1つのたばこ製品100質量%とすると、全たばこ製品に対して、例えば0.1乃至100質量%の量で配合することができる。
1つの態様によれば、上述の「香味料担持構成部材」は、燃焼型香味吸引物品又は加熱型香味吸引物品に組み込むことができる。即ち、好ましい態様によれば、上述の「香味料担持構成部材」を含む、燃焼型香味吸引物品又は加熱型香味吸引物品が提供される。上述のとおり、燃焼型香味吸引物品は、香味源を燃焼させることにより香味をユーザに提供する香味吸引物品である。また、上述のとおり、加熱型香味吸引物品は、香味源を燃焼させることなく加熱することにより香味をユーザに提供する香味吸引物品である。
燃焼型香味吸引物品は、例えば、シガレット、パイプ、キセル、葉巻、又はシガリロなどが挙げられる。
以下、加熱型香味吸引物品の一例について述べる。
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱型香味吸引物品1を概略的に示す模式図である。図1に示す加熱型香味吸引物品1は香味料担持たばこ充填材を備える。
加熱型香味吸引物品1(以下、単に「香味吸引物品1」と称する)は、円柱形状を有する。香味吸引物品1の円周の長さは、16mm乃至27mmであることが好ましく、20mm乃至26mmであることがより好ましく、21mm乃至25mmであることがさらに好ましい。香味吸引物品1の全長(水平方向の長さ)は特に限定されないが、40mm乃至90mmであることが好ましく、50mm乃至75mmであることがより好ましく、50mm乃至60mmであることがさらに好ましい。
香味吸引物品1は、たばこ含有セグメント11と、吸口を構成するフィルター部12と、たばこ含有セグメント11及びフィルター部12を連結する連結部13と、ライニングペーパー14とを備えている。以下、図2を用いてこれらについて説明する。
図2は、図1に示す香味吸引物品1を概略的に示す断面図である。
たばこ含有セグメント11は、円柱形をなしている。たばこ含有セグメント11の全長(軸方向の長さ)は、例えば、20乃至70mmであることが好ましく、20乃至50mmであることがより好ましく、20乃至30mmであることがさらに好ましい。たばこ含有セグメント11の断面の形状は特に限定されないが、例えば円形、楕円形、多角形等とすることができる。
たばこ含有セグメント11は、たばこ充填材111と、たばこ充填材111の周囲に巻かれたたばこ巻紙112と、香味料組成物113とを有する。
たばこ充填材111は、例えば、シートたばこの裁断物の集合体である。たばこ充填材111は、柱状体である。例えば、図1に示すように、たばこ充填材111は、円柱状である。たばこ充填材111は、一方の底面から他方の底面へ伸びた孔を有している。図2ではこの孔は貫通孔である。
たばこ充填材111には、エアロゾル生成基材が含まれていてもよい。エアロゾル生成基材は、グリセリン、プロピレングリコール(PG)、トリエチルシトレート(TEC)、トリアセチン、1,3-ブタンジオール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
たばこ巻紙112は、香味吸引物品においてたばこ充填材111を巻装するための巻紙である。
香味料組成物113は、たばこ充填材111が有する孔の中に位置している。香味料組成物113は主に孔の中に位置しているが、孔の近傍領域に拡散していてもよく、たばこ充填材111全体に拡散していてもよい。
フィルター部12は、円柱形をなしている。フィルター部12は、ロッド状の第1セグメント121と、同じくロッド状の第2セグメント122と、アウタープラグラッパー123とを有する。
第1セグメント121は、たばこ含有セグメント11側に位置している。第1セグメント121は、一方の底面から他方の底面へ伸びた貫通孔を有している。第2セグメント122は、吸口側に位置している。第2セグメント122は、中実である。第1セグメント121は、第1充填体(酢酸セルロースアセテート繊維)1211と、第1充填体1211の周囲に巻かれたインナープラグラッパー1212とにより構成される。第2セグメント122は、第2充填体(酢酸セルロースアセテート繊維)1221と、第2充填体1221の周囲に巻かれたインナープラグラッパー1222とにより構成される。
アウタープラグラッパー123は、第1セグメント121及び第2セグメント122を連結している。アウタープラグラッパー123は、酢酸ビニルエマルジョン系接着剤等によって第1セグメント121及び第2セグメント122に接着されている。
フィルター部12の長さを例えば10乃至30mm、連結部13の長さを例えば10乃至30mm、第1セグメント121の長さを例えば5乃至15mm、第2セグメント122の長さを例えば5乃至15mmとすることができる。これら個々のセグメントの長さは、一例であり、製造適性、要求品質、たばこ含有セグメント11の長さ等に応じて、適宜変更できる。
例えば、第1セグメント121(センターホールセグメント)は、1つ又は複数の貫通孔を有する第1充填体1211と、第1充填体1211を覆うインナープラグラッパー1212とで構成される。第1セグメント121は、第2セグメント122の強度を高める機能を有する。第1セグメント121の第1充填体1211は、例えば、酢酸セルロース繊維が高密度で充填された充填体である。この酢酸セルロース繊維には、トリアセチンを含む可塑剤が酢酸セルロースの質量に対して、例えば6乃至20質量%添加されて硬化されている。第1セグメント121の貫通孔は、例えば内径φ1.0乃至φ5.0mmである。
第1セグメント121の第1充填体1211は、例えば、比較的に高い繊維充填密度で構成されてもよく、或いは、後述する第2セグメント122の第2充填体1221の繊維充填密度と同等であってもよい。このため、吸引時には、空気やエアロゾルが貫通孔のみを流れることになり、第1充填体1211には空気やエアロゾルがほとんど流れない。例えば、第2セグメント122において、エアロゾル成分の濾過による減少を少なくしたい場合には、例えば第2セグメント122の長さを短くして、その分だけ第1セグメント121を長くすることもできる。
短縮した第2セグメント122を第1セグメント121で置き換えることは、エアロゾル成分のデリバリー量を増大させるために有効である。第1セグメント121の第1充填体1211が繊維充填体であることから、使用時の外側からの触り心地は、使用者に違和感を生じさせることがない。
第2セグメント122は、第2充填体1221と、第2充填体1221を覆うインナープラグラッパー1222とで構成される。第2セグメント122の第2充填体1221は、例えば、酢酸セルロース繊維が充填された充填体である。第2セグメント122(フィルターセグメント)は、酢酸セルロース繊維が一般的な密度で充填されており、一般的なエアロゾル成分の濾過性能を有する。
第1セグメント121と第2セグメント122との間で、たばこ含有セグメント11から放出されるエアロゾル(主流煙)をろ過するろ過性能を異ならせてもよい。第1セグメント121及び第2セグメント122の少なくとも一方に、香味料を含ませてもよい。フィルター部12の構造は任意であり、上記のような複数のセグメントを有する構造であってもよいし、単一のセグメントによって構成されていてもよい。
連結部13は、円筒形をなしている。連結部13は、例えば厚紙等によって円筒形に形成された紙管131を有する。
上述した通り、ライニングペーパー14は、たばこ含有セグメント11、連結部13、及びフィルター部12の外側に円筒形に巻かれて、これらを一体的に連結している。ライニングペーパー14の一方の面(内面)には、通気孔部141の付近を除く全面又は略全面に酢酸ビニルエマルジョン系接着剤が塗布されている。複数の通気孔部141は、ライニングペーパー14によって、たばこ含有セグメント11、連結部13、及びフィルター部12が一体にされた後に、外側からレーザ加工を施して形成される。
通気孔部141は、連結部13を厚さ方向に貫通するように2以上の貫通孔を有する。2以上の貫通孔は、香味吸引物品1の中心軸の延長線上から見て、放射状に配置するように形成される。本実施形態では、通気孔部141は、連結部13に設けられているが、フィルター部12に設けられていてもよい。また、本実施形態では、通気孔部141の2以上の貫通孔は、1つの円環上に一定間隔を空けて1列に並んで設けられるが、2つの円環上に一定の間隔を空けて2列に並んで設けられていてもよいし、1列又は2列の通気孔部141が不連続又は不規則に並んで設けられていてもよい。ユーザが吸口を加えて吸引する際に、通気孔部141を介して主流煙中に外気が取り込まれる。
なお、第1セグメント121は省略してもよい。第1セグメント121を省略した場合、第2セグメント122の長さをフィルター部12の長さと一致させてもよい。この場合、第2充填体1221の中に香味料を含んだシームレスカプセルを設けてもよい。
また、たばこ充填材111が有している上記の孔は省略してもよい。この場合、香味料組成物は、例えば、たばこ充填材111の隙間に位置している。
また、上述した香味吸引物品1は、香味料担持たばこ充填材を備えているが、香味料担持たばこ充填材の代わりに、上述した香味料担持フィルターまたは上述した香味料担持紙管を備えていてもよい。香味料担持フィルターは、一例によると、第1充填体1211と、第1充填体1211が有する貫通孔の側壁に担持された香味料組成物とを含む。香味料担持フィルターは、他の例によると、第2充填体1221と、第2充填体1221に担持された香味料組成物とを含む。香味料担持紙管は、例えば、紙管131と、紙管131の内側の表面に担持された香味料組成物とを含む。
以上、加熱型香味吸引物品の一例について述べた。
上述した香味吸引物品1は、当該物品と別体型の加熱装置により加熱されてもよいし、当該物品と一体型の加熱装置により加熱されてもよい。前者の香味吸引物品(別体型)において、加熱型香味吸引物品と加熱装置とをまとめて、本明細書では「加熱型喫煙システム」と呼ぶ。
以下に、加熱型喫煙システムの一例を図3及び図4を参照して説明する。
図3及び図4は、加熱型喫煙システムの一例を示す断面模式図である。図3は、上述した香味吸引物品1を加熱装置2に挿入する前の状態を示し、図4は、上述した香味吸引物品1を加熱装置2に挿入して加熱している状態を示す。
図3及び図4に示すとおり、加熱型喫煙システムは、香味吸引物品1と、香味吸引物品1のたばこ含有セグメント11を外側から加熱する加熱装置2とを備える。なお、加熱型喫煙システムは、香味吸引物品1と、香味吸引物品1を加熱する加熱装置2とを備えていれば、図3及び図4の構成に限定されない。
図3及び図4に示される加熱装置2は、ボディ21と、ヒーター22と、金属管23と、電池ユニット24と、制御ユニット25とを備える。ボディ21は筒状の凹部211を有し、凹部211の内側側面であって、凹部211に挿入される香味吸引物品1のたばこ含有セグメント11と対応する位置に、ヒーター22及び金属管23が配置されている。ボディ21は、通気穴212を更に有し、通気穴212は、ボディ21の外部と凹部211とを連通させ、凹部211に差し込まれた香味吸引物品1に空気を供給できる。
ヒーター22は電気抵抗によるヒーターであることができ、温度制御を行う制御ユニット25からの指示により電池ユニット24より電力が供給され、ヒーター22の加熱が行われる。
ヒーター22から発せられた熱は、熱伝導度の高い金属管23を通じて香味吸引物品1のたばこ含有セグメント11へ伝えられる。
図4においては、模式的に図示しているため、香味吸引物品1の外周と金属管23の内周との間に隙間があるが、実際は、熱を効率的に伝達する目的で香味吸引物品1の外周と金属管23の内周との間に隙間は無い方が望ましい。
なお、加熱装置2は、香味吸引物品1のたばこ含有セグメント11を外側から加熱するが、内側から加熱するものであってもよい。
加熱装置2による加熱温度は特に限定されないが、400℃以下であることが好ましく、150℃以上400℃以下であることがより好ましく、200℃以上350℃以下であることがさらに好ましい。なお、加熱温度とは加熱装置2のヒーター22の温度を指す。
以上、加熱型喫煙システムについて述べた。
以下に、燃焼型香味吸引物品の一例について述べる。
図5に示す燃焼型香味吸引物品3は、たばこロッド31と、濾材321と濾材321の周囲に巻かれたプラグラッパー322とを含むフィルター32と、たばこロッド31とフィルター32とを接続するようにたばこロッド31とフィルター32上に巻かれたチップペーパー33とを含む。
たばこロッド31は、たばこ充填材311と、たばこ充填材311の周囲を巻装するたばこ巻紙312と、香味料組成物313とを含む。たばこ充填材311は、例えば、シートたばこの裁断物の集合体である。たばこ充填材311は、円柱状である。たばこ充填材311は、上述したたばこ充填材311と同様に、一方の底面から他方の底面へ伸びた孔を有している。香味料組成物313は、たばこ充填材311が有する孔の中に位置している。香味料組成物113は主に孔の中に位置しているが、孔の近傍領域に拡散していてもよく、たばこ充填材111全体に拡散していてもよい。たばこロッド31は、通常のシガレットと同様、例えば、5乃至10mmの直径及び40乃至80mmの長さを有することができる。
フィルター32は、単一の濾材321からなるフィルター、いわゆるプレーンフィルターである。濾材321は、通常のシガレットと同様、アセテートトウなどの濾材により構成することができる。フィルター32は、たばこロッド31とほぼ同じ直径を有し、長さは、通常のシガレットと同様、例えば15乃至40mmであり得る。プラグラッパー322は、10乃至100μmの厚さであり得、その通気性の有無は問わないが、通気性を有する紙を使用するのが一般的である。
チップペーパー33は、プラグラッパー322の全体とたばこ巻紙312の一部とを覆うように、接着剤で接着されている。チップペーパー33は、例えば、たばこロッド31の軸方向の長さ(幅)が20乃至50mm、厚さが10乃至100μmであり得る。通常のシガレットと同様、チップペーパー33には、通気用の小開孔(ベンチレーション孔)がシガレットの円周方向に沿って一列、複数列若しくは不規則に多数穿設されていてもよい。
以上、燃焼型香味吸引物品3について述べた。
<効果>
ところで、低HLB乳化剤を含んでいないこと以外は上述した香味料組成物と同じである香味料組成物(以下、比較例に係る香味料組成物と呼ぶ)は流動性を有する。このため、比較例に係る香味料組成物をたばこ製品の構成部材に適用した場合、香味料組成物が構成部材に染み出しやすい。
一方、上述した香味料組成物は低HLB乳化剤を含むため、室温、例えば、22℃において非流動性である。このため、上述した香味料組成物をたばこ製品の構成部材に適用した場合、香味料組成物、具体的には、香味料組成物の液体成分が構成部材に染み出しにくい。香味料組成物が非流動性である理由の一つは以下の通りであると本発明者らは考えている。低HLB乳化剤は、香味料組成物中で網目構造を形成する。この網目構造は、比較的大きな網目、例えば、網目の最大径が数μmである網目を有しており、低HLB乳化剤以外の香味料組成物の成分をこの網目の中に保持すると考えられる。このため、上述した香味料組成物は非流動性であり、たばこ製品の構成部材に染み出しにくい。
また、本発明者らは、比較例に係る香味料組成物を含んだ香味吸引物品は、吸引時において、パフ回数に応じて香味料の放出量が低下することがあることを見出した。香味料の放出量が低下する理由の一つは以下の通りであると考えられる。香味料組成物が流動性を有している場合、香味料組成物は、たばこ製品の構成部材上で広がっており、空気等の流体との接触面積が大きい。従って、香味料組成物に含まれる香味料は空気等の流体の中へ放出されやすい。よって、パフ回数が少ない段階で、香味料の多くは放出されてしまう。よって、パフ回数に応じて香味料の放出量が低下する。
一方、上述した香味料組成物を含んだ香味吸引物品は、吸引時において、パフ回数に応じた香味料の放出量が低下しにくい。即ち、上述した香味料組成物を含んだ香味吸引物品は、パフ回数に応じた香味料の放出量の変化が小さい。香味料の放出量の変化が小さい理由の一つは以下の通りであると考えられる。上述した香味料組成物は非流動性である。このため、上述した香味料組成物は、比較例に係る香味料組成物と比較して、たばこ製品の構成部材上に広がっておらず、空気等の流体との接触面積が小さい。また、上述した香味料組成物では香味料が上述した網目構造の中に保持されている。これらのことから、比較例に係る香味料組成物と比較して、上述した香味料組成物に含まれる香味料は空気等の流体の中へ放出されにくい。よって、上述した香味料組成物を含んだ香味吸引物品は、パフ回数に応じた香味料の放出量の変化が小さい。
以下に、上述した事項と関連した技術的事項をまとめて示す。上記の実施形態に記載した事項の1以上は以下に示す事項と組み合わせることができる。
一技術的事項によると、たばこ製品の構成部材と、
前記構成部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む香味料組成物とを含む、たばこ製品の香味料担持構成部材が提供される。
他の技術的事項によると、前記乳化剤の質量M1と前記香味料の質量M2との比M1/M2は0.001乃至20.0の範囲内にある上記技術的事項に係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料組成物は溶媒を更に含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記溶媒は一価アルコールを含む上記技術的事項に係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記溶媒はエタノールを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤の質量に対する、前記溶媒の質量は、0.0乃至100の範囲内にあることが好ましく、0.1乃至20の範囲内にある上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤は、2乃至5の範囲内のHLBを有する上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記HLBはグリフィン法によって測定される上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、及び有機酸モノグリセリドからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも一方を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はグリセリン脂肪酸エステルを含み、前記グリセリン脂肪酸エステルはモノグリセリドである上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はモノベヘン酸グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル及びモノステアリン酸プロピレングリコールからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はモノベヘン酸グリセリルを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はペンタステアリン酸デカグリセリルを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記乳化剤はモノステアリン酸プロピレングリコールを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料は、香料、呈味料、植物材料、脂質及びニコチンからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料は香料を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料はポリオールを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料は脂質を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記脂質は脂肪酸エステル及び脂肪酸のうち少なくとも一方を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記脂肪酸エステルは中鎖脂肪酸エステルを含み、前記中鎖脂肪酸エステルは中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸ジグリセリド及び中鎖脂肪酸モノグリセリドからなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸、及びミリスチン酸からなる群より選ばれる1以上を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料はポリオール及びメンソールのうち少なくとも一方を含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料はプロピレングリコール及びメンソールの組み合わせ又はメンソールを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料はプロピレングリコール及びメンソールの組み合わせを含み、前記プロピレングリコールの質量に対する前記メンソールの質量の比は、0.01乃至100の範囲内にあることが好ましく、0.1乃至10の範囲内にあることがより好ましい上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料はプロピレングリコール、メンソール及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料組成物はグルカンを更に含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記グルカンはセルロース誘導体である上記技術的事項に係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記グルカンは両親媒性である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料組成物はヒドロキシプロピルセルロースを更に含む上記技術的事項何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料組成物は吸着剤を更に含む上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記香味料組成物は20℃において固化している上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、20℃における前記香味料組成物の粘度は、4000mPa・s以上であることが好ましく、6000mPa・s以上であることがより好ましい上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材がたばこ充填材である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材がシートたばこの裁断物の集合体である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材がフィルターである上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材が管である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材が巻紙である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記構成部材が香味料充填材の基材又は前記基材の裁断物である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記たばこ製品は加熱型香味吸引物品である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、前記たばこ製品は燃焼型香味吸引物品である上記技術的事項の何れかに係る香味料担持構成部材が提供される。
更に他の技術的事項によると、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料と含む香味料組成物をたばこ製品の構成部材に担持させること
を含む、たばこ製品の香味料担持構成部材の製造方法が提供される。
以下に、本発明に係る例及び比較例を記載する。
<香味料組成物の調製>
<例1-1>
先ず、20質量部のメンソールと、60質量部のエタノールと、15質量部のヒドロキシプロピルセルロースと、5質量部の低HLB乳化剤との混合物を準備した。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、「セルニーSSL」(日本曹達株式会社製)を使用した。「セルニーSSL」は、1グルコースあたり約3.5の置換度を有する。低HLB乳化剤としては、「ポエム(登録商標)B-100」(理研ビタミン株式会社製)を使用した。「ポエム(登録商標)B-100」は、モノベヘン酸グリセリドを主成分とする。「ポエム(登録商標)B-100」のHLBは4.2である。
次に、この混合物を加熱し、攪拌した。
以上のようにして、香味料組成物を調製した。
<例1-2乃至1-9及び比較例1-1乃至1-5>
表1及び表2に記載した通りに組成を変更したこと以外は例1-1について説明したのと同様の方法により例1-2乃至1-9及び比較例1-1乃至1-5に係る香味料組成物を調製した。
Figure 2023008482000002
Figure 2023008482000003
なお、表1及び表2における「モノベヘン酸グリセリド」は、上述した「ポエム(登録商標)B-100」を示す。表1及び表2における「ペンタステアリン酸デカグリセリン」は、「サンソフト(登録商標)Q-185S」(太陽化学株式会社製)を示す。「サンソフト(登録商標)Q-185S」のHLBは4.5である。表1及び表2における「モノステアリン酸プロピレングリコール」は、「リケマール(登録商標)PS-100」(理研ビタミン株式会社製)を示す。「リケマール(登録商標)PS-100」のHLBは3.7である。表2における「モノステアリン酸ジグリセリン」は、「ポエム(登録商標)DS-100A」(理研ビタミン株式会社製)を示す。「ポエム(登録商標)DS-100A」のHLBは7.7である。表2における「モノミリスチン酸デカグリセリン」は、「サンソフト(登録商標)Q-14S」(太陽化学株式会社製)を示す。「サンソフト(登録商標)Q-14S」のHLBは14.5である。
表2における「モノラウリン酸デカグリセリン」は、「サンソフト(登録商標)Q-12S」(太陽化学株式会社製)を示す。「サンソフト(登録商標)Q-12S」のHLBは15.5である。表2における「ジステアリン酸デカグリセリン」は、「サンソフト(登録商標)Q-182S」(太陽化学株式会社製)を示す。「サンソフト(登録商標)Q-182S」のHLBは11.0である。
室温において、例1-1乃至1-4及び1-6乃至1-9に係る香味料組成物は、何れも固化していた。
一方、室温において、比較例1-1乃至1-5に係る香味料組成物は、何れも液体であった。比較例1-2及び1-3に係る香味料組成物は透明であり、比較例1-4及び1-5に係る香味料組成物は白濁していた。
<香味吸引物品の製造>
<例2-1>
例1-1に係る香味料組成物を用いて、図1及び図2に示す香味吸引物品1を製造した。製造した香味吸引物品を例2-1に係る香味吸引物品と呼ぶ。香味料組成物に含まれるメンソールの質量がたばこ充填材の質量に対して30,000ppmとなるように、たばこ充填材に香味料組成物を担持させた。たばこ充填材としては、シートたばこの裁断物の集合体を使用した。
<例2-2>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、例1-2に係る香味料組成物を使用したこと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である例2-2に係る香味吸引物品を製造した。
<例2-3>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、例1-2に係る香味料組成物を使用し、香味料組成物の量を例2-1に係る香味吸引物品における香味料組成物の量の半分に変更したことと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である例2-3に係る香味吸引物品を製造した。
<例2-4>
香味料組成物を注入するための孔を設けることなしに、例1-2に係る香味料組成物をたばこ充填材の上流側の底面に局在化させたこと以外は、図1及び図2に示す香味吸引物品1と同様の香味吸引物品を製造した。ここで、「上流側」は、香味吸引物品の吸引時における、香味吸引物品内での流体の流れ方向を基準としている。この香味吸引物品を例2-4に係る香味吸引物品と呼ぶ。
<例2-5>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、例1-3に係る香味料組成物を使用したこと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である例2-5に係る香味吸引物品を製造した。
<例2-6>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、例1-4に係る香味料組成物を使用したこと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である例2-6に係る香味吸引物品を製造した。
<例2-7>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、例1-5に係る香味料組成物を使用したこと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である例2-7に係る香味吸引物品を製造した。
<例2-8>
香味料担持たばこ充填材の代わりに香味料組成物を担持していないたばこ充填材を備え、フィルター部12の代わりに、以下に説明するフィルター部を備えていること以外は、図1及び図2に示す香味吸引物品1と同様の香味吸引物品を製造した。フィルター部は、香味料担持フィルターと、香味料担持フィルターを覆うインナープラグラッパーとを備える。香味料担持フィルターは、例1-6に係る香味料組成物と、この香味料組成物を担持するクリンプ処理済紙フィルターとを備える。香味料担持フィルターは以下の方法により得た。先ず、フィルター製造装置を用いて、紙フィルターにクリンプ処理を施してクリンプ処理済紙フィルターを得た。次に、クリンプ処理済紙フィルターに例1-6に係る香味料組成物を適用させた。以上のようにして、香味料担持フィルターを得た。ここで、クリンプ処理済紙フィルターの長さ12cm当たりの香味料組成物の量が180mgとなるように香味料組成物をクリンプ処理済紙フィルターに担持させた。この香味吸引物品を例2-8に係る香味吸引物品と呼ぶ。
<例2-9>
クリンプ処理済紙フィルターの長さ12cm当たりの香味料組成物の量を180mgから250mgに変更したこと以外は、例2-8に係る香味吸引物品と同様である例2-9に係る香味吸引物品を製造した。
<比較例2-1>
例1-1に係る香味料組成物の代わりに、比較例1-1に係る香味料組成物を使用したこと以外は、例2-1に係る香味吸引物品と同様である比較例2-1に係る香味吸引物品を製造した。
<比較例2-2>
香味料担持フィルターの代わりに、メンソールを担持したアセテートフィルター、即ちメンソール担持アセテートフィルターを備えること以外は、例2-8について説明したのと同様である香味吸引物品を製造した。この香味吸引物品を比較例2-2に係る香味吸引物品と呼ぶ。アセテートフィルターとしてはトリアセチンが添加されたフィルターを使用した。メンソール担持アセテートフィルターは、アセテートフィルターの長さ12cm当たり50mgのメンソールを担持している。なお、上記のアセテートフィルターは、実際の製品における最大量のメンソールを担持している。
<メンソールの放出量の評価>
例2-1乃至2-9及び比較例2-1及び2-2に係る香味吸引物品をSM450喫煙器(セルリアン(Cerulean)製)で、30秒おきに、55mlのパフを2秒間で、喫煙を行った。総粒状物質は、パフ毎にケンブリッジフィルターパッドに集められた。フィルターパッド毎にメンソールの定量を実施した。
この結果を図6乃至図11に示す。
図6は、例2-1及び比較例2-1に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図6に示すように、比較例2-1に係る香味吸引物品は、パフ回数の増加に伴い、メンソールの放出量が低下した。一方、例2-1に係る香味吸引物品は、パフ回数の増加に伴い、メンソールの放出量が増加した。
図7は、比較例2-1、並びに例2-2及び2-3に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図7に示すように、比較例2-1に係る香味吸引物品は、パフ回数の増加に伴い、メンソールの放出量が低下した。一方、例2-2及び2-3に係る香味吸引物品は、パフ回数の増加に伴い、メンソールの放出量が増加した。
図8は、例2-2及び2-4に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図8に示すように、何れの香味吸引物品も、パフ回数の増加に伴いメンソールの放出量が増加した。この結果から、メンソールの放出量は、たばこ含有セグメントに占める香味料組成物の位置によって影響されにくいと考えられる。
図9は、例2-2及び2-5に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図9に示すように、何れの香味吸引物品も、パフ回数の増加に伴いメンソールの放出量が増加した。
図10は、例2-5乃至2-7に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図10に示すように、何れの香味吸引物品も、パフ回数の増加に伴いメンソールの放出量が増加した。
図11は、例2-8及び2-9、並びに比較例2-2に係る香味吸引物品について、パフ回数とメンソール放出量との関係を示すグラフである。図11に示すように、例2-8及び2-9に係る香味吸引物品は、比較例2-2に係る香味吸引物品よりも、パフ回数の増加に伴うメンソールの放出量の低下が抑えられていた。例2-8及び2-9に係る香味吸引物品は、低HLB乳化剤を含むため、比較例2-4に係る香味吸引物品と比較して、担持可能なメンソール量が多い。特に、6乃至10回目のパフにおいて、例2-8及び2-9に係る香味吸引物品は、メンソールの放出量が安定していた。
1…加熱型香味吸引物品、2…加熱装置、3…燃焼型香味吸引物品、11…たばこ含有セグメント、12…フィルター部、13…連結部、14…ライニングペーパー、21…ボディ、22…ヒーター、23…金属管、24…電池ユニット、25…制御ユニット、31…ロッド、32…フィルター、33…チップペーパー、111…たばこ充填材、112…たばこ巻紙、113…香味料組成物、121…第1セグメント、122…第2セグメント、123…アウタープラグラッパー、131…紙管、141…通気孔部、211…凹部、212…通気穴、311…たばこ充填材、312…たばこ巻紙、313…香味料組成物、321…濾材、322…プラグラッパー、1211…第1充填体、1212…インナープラグラッパー、1221…第2充填体、1222…インナープラグラッパー。

Claims (19)

  1. たばこ製品の構成部材と、
    前記構成部材に担持され、1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料とを含む香味料組成物とを含む、たばこ製品の香味料担持構成部材。
  2. 前記乳化剤の質量M1と前記香味料の質量M2との比M1/M2は0.001乃至20.0の範囲内にある請求項1に記載の香味料担持構成部材。
  3. 前記香味料組成物は溶媒を更に含む請求項1又は2に記載の香味料担持構成部材。
  4. 前記溶媒は一価アルコールを含む請求項3に記載の香味料担持構成部材。
  5. 前記乳化剤は、2乃至5の範囲内のHLBを有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  6. 前記乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1以上を含む請求項1乃至5の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  7. 前記香味料は、香料、呈味料、植物材料、脂質及びニコチンからなる群より選ばれる1以上を含む請求項1乃至6の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  8. 前記香味料は前記脂質を含み、前記脂質は、脂肪酸及び脂肪酸エステルのうち少なくとも一方を含む請求項7に記載の香味料担持構成部材。
  9. 前記香味料組成物はグルカンを更に含む請求項1乃至8の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  10. 前記グルカンはセルロース誘導体である請求項9に記載の香味料担持構成部材。
  11. 前記グルカンは両親媒性である請求項9又は10に記載の香味料担持構成部材。
  12. 前記香味料組成物はヒドロキシプロピルセルロースを更に含む請求項1乃至8の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  13. 前記香味料組成物は吸着剤を更に含む請求項1乃至12の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  14. 前記構成部材がたばこ充填材である請求項1乃至13の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  15. 前記構成部材がフィルターである請求項1乃至13の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  16. 前記構成部材が管である請求項1乃至13の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  17. 前記構成部材が巻紙である請求項1乃至13の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  18. 前記構成部材が香味料充填材の基材又は前記基材の裁断物である請求項1乃至13の何れか1項に記載の香味料担持構成部材。
  19. 1乃至7の範囲内のHLBを有する乳化剤と香味料と含む香味料組成物をたばこ製品の構成部材に担持させること
    を含む、たばこ製品の香味料担持構成部材の製造方法。
JP2021112088A 2021-07-06 2021-07-06 たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法 Pending JP2023008482A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021112088A JP2023008482A (ja) 2021-07-06 2021-07-06 たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法
KR1020247004124A KR20240032084A (ko) 2021-07-06 2021-07-27 담배 제품의 향미료 담지 구성 부재 및 이의 제조 방법
PCT/JP2021/027639 WO2023281764A1 (ja) 2021-07-06 2021-07-27 たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法
CN202180099953.6A CN117580469A (zh) 2021-07-06 2021-07-27 烟草制品的增香剂负载构成构件及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021112088A JP2023008482A (ja) 2021-07-06 2021-07-06 たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023008482A true JP2023008482A (ja) 2023-01-19

Family

ID=84800611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021112088A Pending JP2023008482A (ja) 2021-07-06 2021-07-06 たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2023008482A (ja)
KR (1) KR20240032084A (ja)
CN (1) CN117580469A (ja)
WO (1) WO2023281764A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010110226A (ja) 2008-11-04 2010-05-20 Yoshinori Nishihara おから醗酵菌及びその肥料及びその肥料を用いた土壌改良方法
ES2674139T3 (es) 2009-03-23 2018-06-27 Japan Tobacco, Inc. Artículo para inhalación de aroma, de tipo sin combustión
MY156848A (en) * 2011-03-02 2016-03-31 Japan Tobacco Inc Method for preparing flavor-containing sheet for smoking article, flavor-containing sheet for smoking article prepared by the method, and smoking article comprising the same
EP2738244B1 (en) * 2011-07-15 2019-03-20 Japan Tobacco Inc. Flavorant-carrying adsorbent particle, cigarette filter, filter-tipped cigarette, and method for producing flavorant-carrying adsorbent particle
BR112014004979B1 (pt) * 2011-09-09 2020-10-06 Philip Morris Products S.A. Artigo de fumo compreendendo um material de entrega de sabor, seu método de produção e uso de um material de entrega de sabor
GB201509413D0 (en) 2015-06-01 2015-07-15 Ucl Business Plc Fusion protein
WO2020115898A1 (ja) 2018-12-07 2020-06-11 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型喫煙物品及び電気加熱型喫煙システム

Also Published As

Publication number Publication date
KR20240032084A (ko) 2024-03-08
WO2023281764A1 (ja) 2023-01-12
CN117580469A (zh) 2024-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7398354B2 (ja) 芳香カートリッジ
JP6371927B1 (ja) 非タバコ植物組成物の製造方法、電子タバコ用充填物の製造方法、電子タバコ用充填物及びそれを用いた電子タバコカートリッジ
JP7299432B2 (ja) 電子タバコ用充填物及び電子タバコカートリッジ
JP6680747B2 (ja) 非タバコ植物を用いた電子タバコカートリッジの製造方法、および非タバコ植物を用いた電子タバコカートリッジ
JP7212452B2 (ja) 非タバコ植物組成物の製造方法、電子タバコ用充填物の製造方法、電子タバコ用充填物及びそれを用いた電子タバコカートリッジ
JP2020000204A (ja) タバコ充填物集積体及び電子タバコカートリッジ
JP7317107B2 (ja) 被加熱芳香発生体及び芳香カートリッジ、並びに、被加熱芳香発生体の製造方法及び製造装置
WO2021221120A1 (ja) 喫煙物品用シート
WO2021020348A1 (ja) 非燃焼加熱式たばこ及び加熱式たばこ製品
KR20210030362A (ko) 방향 카트리지에 적합한 피가열 방향 발생기재, 피가열 방향 발생기체, 및 피가열 방향 발생기체를 구비한 방향 카트리지, 및 피가열 방향 발생기체의 제조방법 및 제조장치
CN117119914A (zh) 非燃烧加热式香味吸入物品以及非燃烧加热式香味吸入制品
JP2023068176A (ja) 電子タバコカートリッジ
EP4268621A1 (en) Tobacco composition, tobacco-containing segment, non-combustion heating-type flavor inhaler, and non-combustion heating-type flavor inhalation system
WO2023281764A1 (ja) たばこ製品の香味料担持構成部材及びこの製造方法
JP6705042B1 (ja) 被加熱芳香発生体及び芳香カートリッジ、並びに、被加熱芳香発生体の製造方法及び製造装置
WO2022044622A1 (ja) たばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品
US20240122230A1 (en) Flavoring-loaded component for tobacco product and production method for same
WO2023089938A1 (ja) 香料組成物
JP7235920B2 (ja) 香発生体及び香発生体の製造方法、並びに、カートリッジ
WO2021199908A1 (ja) 電子タバコカートリッジ
RU2781862C1 (ru) Нагреваемое производящее аромат изделие, ароматический картридж и способ изготовления и устройство для изготовления нагреваемого производящего аромат изделия
WO2022138260A1 (ja) たばこ組成物、たばこ含有セグメント、非燃焼加熱型香味吸引器具、及び非燃焼加熱型香味吸引システム
WO2022085072A1 (ja) 香味吸引器具及び香味吸引システム
JP2023011122A (ja) 喫煙具用カートリッジ、及び喫煙具用カートリッジの製造方法
JP2022163411A (ja) 加熱式タバコ用カートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20230123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231027