JP2022163411A - 加熱式タバコ用カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】支持部材を設けなくてもフィルタ部材が熔解せず、また、味や吸い心地を低下させることのない加熱式タバコ用カートリッジを提供する。【解決手段】先端から加熱式タバコ本体2の加熱部50が挿入される充填物集積体10と、充填物集積体10の先端と反対側に配置されるフィルタ部材14と、が長さ方向に沿って隣接し、シート状の包装体16で巻かれ、充填物集積体10は、互いに独立した充填物20が集積されて形成され、加熱部50が充填物集積体10に挿入される長さの加熱式タバコ用カートリッジ1の全長に対する割合は、20%~30%の範囲であり、加熱部50の表面温度は、100℃~400℃の範囲である場合に、充填物集積体10とフィルタ部材14との境界の最高温度が50℃~200℃であり、充填物集積体10の長さの加熱式タバコ用カートリッジ1の全長に対する割合は、40%~55%の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は、タバコまたは非タバコ植物を材料とする充填物を集積した充填物集積体を有する加熱式タバコ用カートリッジに関する。
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、各種成分を含む加熱式タバコ用カートリッジを加熱して、気化した成分を吸引する加熱式タバコ製品が普及している。加熱式タバコにおいては、加熱式タバコ本体が有するブレード等の加熱部を充填物集積体に対して差し込み、充填物を加熱する。
充填物集積体は、加熱部が挿入されることでタバコ用カートリッジの奥側に押し込まれる。この力に対抗するため、加熱式タバコ用カートリッジには、充填物集積体に対し長さ方向において隣接するように支持部材が設けられる。支持部材を設けた加熱式タバコ用カートリッジとして、例えば特許文献1に挙げるものがある。
特許第6280287号公報
支持部材は、主に樹脂やゴムなどの成形品であり、これを設けることで、加熱式タバコ用カートリッジの部品点数が多くなると共に、コストアップの要因となる。また、支持部材には通気するための孔や溝などが形成されているため、ブレード等の加熱部によって押し出された充填材が孔や溝に詰まり、吸引に必要な圧力が一定にならないこともあった。このため、支持部材を設けない加熱式タバコ用カートリッジも見られるようになっている。しかし、支持部材を設けない場合、充填物集積体とフィルタ部材とが直接隣り合うため、加熱部で高温になった充填物集積体によってフィルタ部材が熔解する可能性がある。
また、充填物集積体からの気流が直接フィルタ部材に流入することで、ユーザーが吸引する時点における気流の温度が高くなりすぎたり、あるいは、吸引に必要な圧力が高くなることで、支持部材を有する加熱式タバコ用カートリッジに比べて、味や吸い心地が低下する可能性がある。
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、支持部材を設けなくてもフィルタ部材が熔解せず、また、味や吸い心地を低下させることのない加熱式タバコ用カートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、先端から加熱式タバコ本体の加熱部が挿入される充填物集積体と、該充填物集積体の先端と反対側に配置されるフィルタ部材と、が長さ方向に沿って隣接し、シート状の包装体で巻かれた加熱式タバコ用カートリッジであって、前記充填物集積体は、先端から前記加熱部の挿入長に渡り前記加熱部と接触する接触範囲部と、前記接触範囲部よりフィルタ部材側で、挿入された前記加熱部から間接的に押圧される非接触範囲部と、を有し、前記非接触範囲部に前記フィルタ部材が隣接する。
前記加熱部が前記充填物集積体に対する挿入長の前記加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合は、20%~30%の範囲であり、前記加熱部の表面温度は、100℃~400℃の範囲である場合に、前記充填物集積体と前記フィルタ部材との境界の最高温度が50℃~200℃であるようにしてもよい。
前記充填物集積体の長さの前記加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合は、45%~55%の範囲であるようにしてもよい。
前記充填物は、短冊状またはチップ状あるいは粒状に形成されるようにしてもよい。
前記充填物は、前記充填物集積体の全長に渡る長さを有するようにしてもよい。
前記充填物は、前記充填物集積体の全長より短く、前記充填物集積体は、前記充填物が集積された複数の充填物群を長さ方向に沿って隣接させて形成されてもよい。
前記加熱部が挿入される側の前記充填物群は、前記フィルタ部材側の前記充填物群より充填率が低いようにしてもよい。
前記加熱部が挿入される側の前記充填物群は、前記フィルタ部材側の前記充填物群より充填率が高いようにしてもよい。
前記充填物集積体は、3つ以上の前記充填物群を長さ方向に沿って隣接させて形成され、前記充填物集積体の長さ方向中央部に配置される前記充填物群は、前記充填物集積体の長さ方向両端部に配置される前記充填物群より充填率が高いようにしてもよい。
前記包装体は、前記加熱式タバコ用カートリッジの半径に対する厚みの割合が2%~15%の範囲内であるようにしてもよい。
本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジによれば、充填物集積体とフィルタ部材との境界温度を適正に維持しつつ、吸引位置での気流の温度及び吸引力が低くなる。このため、支持部材を設けなくても軽い吸い心地で味も良好な加熱式タバコ用カートリッジとすることができる。
本実施形態における充填物集積体を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。 加熱式タバコ用カートリッジの使用形態を表す断面図である。 充填物の側面図(図3(a))と正面図(図3(b))である。 充填物集積体の正面図である。 実験に用いた4種類の加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。 第1変形例に係る加熱式タバコ用カートリッジの断面図であって、(a)は分解図、(b)は組み立てた状態の図である。 第2変形例に係る加熱式タバコ用カートリッジの断面図であって、(a)は分解図、(b)は組み立てた状態の図である。
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態における充填物集積体10を有する加熱式タバコ用カートリッジ1の断面図を示している。この図に示すように、加熱式タバコ用カートリッジ1は、充填物20が多数充填された略円筒状の充填物集積体10と、吸口となるフィルタ部材14とが、長さ方向に沿って隣接配置され、シート状の包装体16で巻かれることで一体化されて形成されている。包装体16は、紙等で形成することができる。包装体16は、加熱式タバコ用カートリッジ1の半径に対する厚みの割合が2%~15%の範囲内とされる。
充填物集積体10は、短冊状の充填物20が長さ方向に沿って束状とされ、シート状の包装体25で巻かれることで略円筒状となるように形成されている。充填物20は、非タバコ植物から形成される。充填物20の詳細については後で詳述する。フィルタ部材14は、スポンジ状の多孔質体であり、円筒状に形成されている。フィルタ部材14は、例えば酢酸セルロース等で形成できる。ただし、これ以外の材料であってもよい。フィルタ部材14の融解点は、230~300℃である。
本実施形態において加熱式タバコ用カートリッジ1は、径が6.5mm~7.5mm、長さが40mm~50mmに形成される。充填物集積体10は、20mm~30mmの長さを有する。加熱式タバコ用カートリッジ1の全長に対する充填物集積体10の長さの割合は、35~55%の範囲である。
図2には、加熱式タバコ用カートリッジ1の使用形態を表す断面図を示している。加熱式タバコ用カートリッジ1は、加熱式タバコ本体2に装着されて使用される。加熱式タバコ本体2は、加熱式タバコ用カートリッジ1を挿入させる挿入部51を有している。挿入部51には、挿入された加熱式タバコ用カートリッジ1の充填物20に対して挿入される針状あるいはブレード状の加熱部50が設けられる。加熱部50は、充填物20に対して挿入された状態で発熱することにより、充填物20からエアロゾルを発生させることができる。この状態で、ユーザーがフィルタ部材14から吸うことにより、エアロゾルを含む気流を吸引することができる。
加熱部50は、充填物集積体10に挿入される長さの加熱式タバコ用カートリッジ1の全長に対する割合は、20%~30%の範囲である。充填物集積体10は、加熱部50より長く、先端から加熱部50の挿入長に渡り加熱部50と接触する接触範囲部20aと、接触範囲部20aよりフィルタ部材14側で、挿入された加熱部50から間接的に押圧される非接触範囲部20bと、を有している。フィルタ部材14は、充填物集積体10の非接触範囲部20bに隣接する。また、加熱部50が充填物集積体10を加熱する際の表面温度は、100℃~400℃の範囲である。充填物集積体10とフィルタ部材14との境界の最高温度は、フィルタ部材14が溶解せず、かつ、吸引時における気流の適切な温度を確保するため、50℃~200℃であることが望ましい。
図3には、充填物20の側面図(図3(a))と正面図(図3(b))を示している。充填物20は、前述のように短冊状に形成されている。また、充填物20は、長さ方向と直交する断面において長辺方向の寸法aが短辺方向の寸法bより長くなるように形成されている。すなわち、充填物20は、長尺な略直方体形状である麺状の形態を有している。
充填物20は、乾燥・粉砕された非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤または増粘剤等を混合し、シート状に成形した上で、所定の幅及び長さを有するように切断されることで形成される。
充填物20を形成する非タバコ植物は、タバコ以外の植物であれば特に制限はない。植物の使用部位としては、たとえば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雄蕊、雌蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、べゴニア、チョロギ、・ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ、担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
上記イモ類或いは以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、充填物20の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により、保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることが可能である。
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸Naなどの塩としても用いられる。
たとえばハーブやスパイスとして使用されている植物としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、べチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペダル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(たとえば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
また、たとえば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工法によって異なるお茶になる。具体的には、たとえば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、柔の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、毘布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
また、玄米のほか、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉あるいは糠としても使用することができる。
また、麦のほか、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
また、黒豆の他、マメ科としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、 ハツショウマメ、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
また、ソバのほか、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
また、シイタケのほか、きのこ類としては、マツタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マツシュルーム、ハラタケが挙げられる。
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、たとえば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
吏に、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、菌陳蕎(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花 (カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、キョウカツ、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡挑(クルミ)、苦棟皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジユ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五昧子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、シツリシ、柿帯(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、奏ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、皀角刺(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウキョウ、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシヤ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウジ)、釣腰鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草 (トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、簿荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンヲンコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木適(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、達銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
吏に、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、所謂エキスも使用することができる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
充填物20に加えるエアロゾルフォーマは、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好まし<用いられる。これらは、充填物20に対して、1質量%以上80質量%以下の量で用いられ、特に、10質量%以上40質量%以下であると好ましい。
必要に応じ風味を迫加する風味添加剤も好ましく用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス等が挙げられる。
また、必要に応じて食品の保存料を添加してもよく、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等を添加してもよい。
結着剤または増粘剤等として、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルレロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラナギン、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせも用いられる。
微結品セルロースとは、例えば、繊維性植物のパルブから得られたα-セルロースを例えば酸で部分的に解重合したものとして得られるものであり、セルロースから可溶性部分を取り除き、適宜、不溶性部分を結晶化したものである。
様々な検討の末、非タバコ植物とエアロゾルフオーマと微結晶性セルロースを含有する充填物20について、以下のことがわかった。充填物20を乾燥条件下におくと、非タバコ植物とエアロゾルフオーマからなる充填物が失水した場合にあっても、セルロースの微結晶が充填物の構造を維持し、体積収縮などの構造変化を抑制する。このような作用は、微結晶セルロースを用いたことにより得られるものである。
微結晶セルロースは、粉体のままでもよいし、水などの溶媒に分散させて懸燭液として投入してもよい。この場合、溶媒ヘの分散は、高速攪拌機や高圧ホモジナイザーなどが使用できる。
微結晶セルロースの添加量は、充填物20中の含有量1%以上15%以下が目安となる。好ましくは3%以上12%以下であり、さらに好ましくは5%以上10%以下である。
微結晶セルロースの添加により、成形性の向上、ロールミルによる混練などの際の作業性の改善、特に、充填物20の収縮抑制および体積変化の抑制に有効であり、加熱式タバコ用カートリッジ1の品質管理および使用感の均質化において有効である。
本発明に用いられる微結晶セルロースの平均粒子径は、好ましくは30μm~200μmであり、より好ましくは50μm~150μmであり、より好ましくは70μm~120μmである。
微結晶セルロースの平均粒子径は、30μm以上であると充填物20の収縮を抑制する効果に優れ、150μm以下であると、前記収縮を抑制する効果に加えて成形性を良好とすることができる。
微結晶セルロースの平均粒子径は、篩分け法によって求められる。上記平均粒子径は、JIS K 0069:1992に記載の方法により得ることができる。なお、平均粒子径は、複数の篩による試諌結果について、例えば、目開きの大きいほうからの質量の積算を行い、その質量50%に相当する径をいう。さらに、好ましくは目開き250μmの篩上残留物が8質量%以下であって、目開き75μmの篩上残留物が45質量%以上である。
目開き250μmの篩上残留物が8質量%以下の場合は、篩分けされた微結晶セルロースが充填物20の収縮を抑制する効果を有する。目開き75μmの篩上残留物が45質量%以上の場合は、充填物20の成形性を良好とすることができる。
微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、10,000以上200,000以下であることが好ましい。より好ましくは、10,000以上100,000以下である。10,000以上であると、充填物20の収縮を抑制する効果に優れ、100,000以下であると、前記収縮を抑制する効果に加えて成形性を良好とすることができる。特に好ましくは、20,000以上60,000以下である。セルロースの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。例えば、特開平6-109715号公報にあるような測定法が採用され、標準資料としては、ポリエチレングリコール等を適宜用いる。
充填物20の製造工程について説明する。充填物20の製造工程は、主原料となる非タバコ植物を乾燥・粉砕し、秤量等を行う乾燥・粉砕工程と、その他の原料の前処理、秤量等を行う準備工程と、原料を混合して組成物とする混合工程と、組成物を成形する充填物成形工程と、を有する。
乾燥・粉砕工程では、主原料となる非タバコ植物の使用部位(例えば、葉、種子、乾燥果実、茎、樹皮、根など)を組成物とするため、所定の粉砕物に加工する。その際、後に添加するエアロゾルフォーマ、水その他の成分を吸収あるいは担持するのに都合のよい水分量に調整することが好ましい。乾燥において、温度は60℃以上80℃以下が好ましい。この範囲とすることで、必要とする香味成分の散逸を避けながら、所望の水分量に到達させやすい。なお、65℃以上であるとさらに所望の水分量に到達しやすく、75℃以下であると、必要とする香味成分の散逸をさらに防止することができる。
乾燥・粉砕後の水分量は5質量%以下とするのが好ましい。このようにすることで、後の工程においてスラリー化が容易となる。水分量が3質量%以下であるとさらに好ましい。また、水分量が0.1質量%以上であると、水等とのなじみがよい状態を保つことができる。さらに、乾燥・粉砕工程には、粉砕物を篩分けする篩工程を設けることもでき、所望の粒度に調整して混合工程に投入することができる。
準備工程においては、充填物20を作成するにあたり必要な原料を準備することができる。前述の微結晶セルロースは、準備工程において秤量され、混合工程に投入される。
混合工程においては、通常の混合機を使用することができる。例えば、混合槽中の原料を撹拌羽根にて、剪断力を加えつつ混合するような形態が好ましく用いられる。
充填物成形工程では、各種原料が混合された組成物を薄いシート状に成形してから、切断することで、充填物20が成形される。本実施形態では、薄いシートにするため、3本ロールミルを用意する。3本ロールミルを用いると、狭いロール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差による剪断により、混練、分散などを行いながら、ドクターブレードにより所望の厚さのシートとすることが可能であり、好ましい。また、プレスローラあるいはプレス機を用いて作成することもできる。
充填物成形工程では、組成物を加圧によりオリフィスを通過させて成形するなど、他の手段を用いてもよい。また、充填物成形工程では、必要に応じて、非タバコ植物、エアロゾルフォーマ、結着剤または増粘剤等、風味添加剤、保存料をさらに添加してもよいし、水などを添加してもよい。
本実施形態において、水は、殺菌あるいは微生物を除去したものを使用することが好ましく、逆浸透膜あるいはイオン交換等により得られた純水を用いることが好ましい。
充填物成形工程で得られるシートの厚さは、0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。得られたシートは、カッター、回転刃方式のロータリーカッター等により、所定の幅に切断される。
本実施形態では、厚さ0.3mmのシートの切断を例に説明する。まず、成形されたシートを、例えば、縦150mm、横240mmの長方形に切断する。この長方形のシートを、ロータリーカッターに供給し、縦1.5mm、横240mmの形状に切断し、シート切断物を得る。これにより、充填物20の長辺方向の寸法aは1.5mm、短辺方向の寸法bは0.3mmとなる。このシート切断物50本分を包装体25で巻き、外形約6.9mmの巻物を作成する。この巻物をカッターにて12.0mmの長さに切断し、充填物集積体10を得ることができる。この充填物集積体10の質量は0.29gである。充填物集積体10の体積に対する充填物20の体積の比率を体積充填率とすると、本実施形態の充填物集積体10の体積充填率は約0.60である。また、充填物集積体10の密度は、1.07g/cm3である。
これにより、充填物集積体10は、短冊状の形態を有した充填物20が、長さ方向に沿い束状となって集積される。
充填物集積体10における充填物20の配置状態について詳細に説明する。図4には、充填物集積体10の正面図を示している。図4は、充填物20の典型的な配列例を表している。充填物集積体10において充填物20は、包装体25または他の充填物20と接した密集状態となっている。
充填物20のうち、包装体25と接する最外周部の充填物20は、長辺方向が周方向に略沿う方向を向いている。例えば、図4において充填物20aは、長辺のうち一辺全体が包装体25に接している。また、充填物20aは、両方の短辺がそれぞれ周方向に隣接する充填物20b,20cと接している。充填物20b,20cも、それぞれ長辺が包装体25に接している。同様に、最外周部に位置する充填物20は、いずれも長辺方向が周方向に略沿う方向を向いており、互いに短辺において接している。これにより、最外周部では、充填物20の充填率が高く、また、充填物20同士が互いに周方向に接しているため、位置がずれにくい。
充填物20のうち、最外周部の充填物20の内周側に接する充填物20の多くも、長辺方向が周方向に略沿う方向を向いている。例えば、図4において充填物20dは、長辺のうち外周側の一辺が最外周部の充填物20aに接すると共に、長辺方向が周方向に略沿っている。このため、最外周部に近い領域でも、充填物20の充填率は高く、また、充填物20の位置がずれにくい。
このように、短冊状の充填物20を集積して充填物集積体10を形成しているので、充填物集積体10の長さが長くても外周部において周方向に沿う配置パターンが形成され、構造的に形状が崩れにくい。このため、加熱式タバコ用カートリッジ1に支持部材を設けなくても、包装体16の厚みを大きくすることなく、ロッド状の形状を維持することができる。したがって、包装体16を薄くすることができるので、充填物20を加熱してエアロゾルを発生させる際に、包装体16から不要な成分が抽出されることを抑制でき、香味の悪化を防止できる。
充填物集積体10の長さの加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合が異なる4種類の加熱式タバコ用カートリッジについて、実験を行った。この4種類の加熱式タバコ用カートリッジの断面図を図5に示している。いずれの加熱式タバコ用カートリッジも、全長は45mmである。なお、図5には充填物集積体10に挿入される加熱部50を併せて示している。
図5(a)の加熱式タバコ用カートリッジ100(以下、第1カートリッジ100という)は、充填物集積体101の長さが12mmである。すなわち、充填物集積体101の長さの第1カートリッジ100の全長に対する割合は、約27%である。なお、第1カートリッジ100の充填物集積体101は、加熱部50と同じ長さを有しているので、接触範囲部を有するが非接触範囲部は有していない。図5(b)の加熱式タバコ用カートリッジ110(以下、第3カートリッジ110という)は、充填物集積体111の長さが20mmである。すなわち、充填物集積体111の長さの第3カートリッジ110の全長に対する割合は、45%である。図5(c)の加熱式タバコ用カートリッジ120(以下、第4カートリッジ120という)は、充填物集積体121の長さが24mmである。すなわち、充填物集積体121の長さの第4カートリッジ120の全長に対する割合は、約53%である。第3カートリッジ110の充填物集積体111と第4カートリッジ120の充填物集積体121は、いずれも接触範囲部と非接触範囲部とを有している。また、図示しないが、第1カートリッジ100の充填物集積体101が有する長さと第3カートリッジ110の充填物集積体111が有する長さの中間の長さである16mmの長さを有する充填物集積体10を備えた加熱式タバコ用カートリッジ1(以下、第2カートリッジという)と、第4カートリッジ120の充填物集積体121が有する長さより長い28mmの長さを有する充填物集積体10を備えた加熱式タバコ用カートリッジ1(以下、第5カートリッジという)についても対象とした。第2カートリッジの全長に対する充填物集積体10の長さの割合は約35%であり、第5カートリッジの全長に対する充填物集積体10の長さの割合は約62%である。
図5(d)の加熱式タバコ用カートリッジ130(以下、第6カートリッジ130という)は、充填物集積体131とフィルタ部材133との間に支持部材132を有している。支持部材132は、長さ方向に貫通する孔部132aを有しており、充填物集積体131からの気流をフィルタ部材133側に流動させることができる。支持部材132は、樹脂材料で形成されている。充填物集積体131の長さは、12mmであり、充填物集積体131の長さの第6カートリッジ130の全長に対する割合は、約27%である。このため、第6カートリッジ130の充填物集積体131は、非接触範囲部を有していないが、充填物集積体131とフィルタ部材133との間には、支持部材132が配置される。
加熱部50の挿入長さは12mmであり、各加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する加熱部50の挿入長さの割合は、約27%である。また、加熱部50の表面温度は最大約350℃である。
実験は、各加熱式タバコ用カートリッジの充填物集積体を加熱部で加熱しつつ、フィルタ部材14の端部から一定の流量で繰り返し吸引し、フィルタ部材14から吐出される煙の量と吸引圧力を測定した。
実験結果につき、下記の表1に示している。第1カートリッジ100は、開始後すぐに煙が出なくなった。煙量について、第3カートリッジ110と第4カートリッジ120は、第6カートリッジ130より煙の量が多く、吸引を繰り返しても煙量はほとんど変化しない。第3カートリッジ110と第4カートリッジ120では、煙の量はほとんど同じである。第1カートリッジ100は、加熱部50の熱により、フィルタ部材103の充填物集積体101側の端部が焦げて熔解した。このため、煙が検出されなくなった。充填物集積体10の長さが第1カートリッジ100と第3カートリッジ110の中間である第2カートリッジでは、煙量は第3カートリッジ110や第4カートリッジ120より少なく、第6カートリッジ130と同等である。充填物集積体10の長さが第4カートリッジ120より長い第5カートリッジでは、煙量は第3カートリッジ110や第4カートリッジ120と同等である。
Figure 2022163411000002
吸引圧力について、第3カートリッジ110が最も低く、次いで第4カートリッジ120が低い。第2カートリッジと第5カートリッジは、第6カートリッジ130と同等で、吸引圧力がやや高い。吸引圧力は、非接触範囲部20bの長さとフィルタ部材14の長さとのバランスで定まり、第3カートリッジ110における充填物集積体111の長さ割合から第4カートリッジ120における充填物集積体121の長さ割合までの範囲が最も好適であり、吸い心地は第3カートリッジ110と第4カートリッジ120が良好である。また、第2カートリッジにおける充填物集積体10の長さ割合から第5カートリッジにおける充填物集積体10の長さ割合までの範囲でも、従来と同等の吸い心地を確保できる。
また、吸引後のフィルタ部材の状態を確認したところ、第3カートリッジ110は、フィルタ部材113の全長のうち、充填物集積体111側の約2/3程度まで、煙の跡が確認された。第4カートリッジ120は、フィルタ部材124のほぼ全長に渡って、煙の跡が確認された。
この実験結果から、充填物集積体10に非接触範囲部20bを設けず、充填物集積体の長さの加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合が小さい(30%未満)であると、フィルタ部材が加熱部50によって溶解する可能性のあることが分かった。この割合を、第3カートリッジ110や第4カートリッジ120のように大きくし、非接触範囲部20bを設けることで、フィルタ部材が熔解することはなく、煙量が多くなる。しかし、充填物集積体の長さを加熱式タバコ用カートリッジの全長に対して大きくしすぎると、フィルタ部材の長さが小さくなるため、煙中に含まれる不純物を十分に除去できない可能性がある。また、吸引圧力も高くなるため、吸いにくく、味も低下するおそれがある。
以上の実験結果と、加熱部50の充填物集積体10に挿入される長さの加熱式タバコ用カートリッジ1の全長に対する割合が20%~30%であることから、充填物集積体10の長さの加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合を35%~60%の範囲内とすることが望ましい。より好ましくは、充填物集積体10の長さの加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合を45%~55%の範囲内とすることが望ましい。接触範囲部20aは、加熱式タバコ本体2の加熱部50に直接接触するのに対し、非接触範囲部20bは、加熱部50には直接接触しない。このため、非接触範囲部20bは、焼かれることなく、接触範囲部20aで生じた高温のエアロゾルを含む気流によって蒸らされて、エアロゾルを発生させる。これにより、非接触範囲部20bで発生したエアロゾルは、充填物20が有する香り成分が変化することなく、本来の風味を有している。また、非接触範囲部20bは、接触範囲部20aで発生した高温のエアロゾルを冷却する効果も有する。したがって、接触範囲部20aの長さを規定する加熱部50の長さに対する非接触範囲部20bの長さの比率が、味や吸い心地に大きく影響する。前述の比率において、非接触範囲部20bの加熱部50の長さに対する割合は、0.5~1.25倍である。また、より好ましくは、0.7~1.0倍である。これにより、充填物集積体10とフィルタ部材14との境界温度を適正に維持しつつ、気流の温度を低下させ、吸引位置での吸引力が低くなる。このため、支持部材を設けなくても軽い吸い心地で味も良好な加熱式タバコ用カートリッジ1とすることができる。
次に、加熱式タバコ用カートリッジの変形例について説明する。図9に示すように、充填物集積体30は、充填物20が集積された第1充填物群31と第2充填物群32とを長さ方向に沿って隣接させて形成されていてもよい。この場合、充填物20の長さは、充填物集積体30の半分の長さとなる。複数の充填物群を長さ方向に沿って隣接させて充填物集積体30を形成することで、充填物集積体30の長さを柔軟に変更できる。また、各充填物群の長さは、同じでなくてもよく、異なる長さを有する充填物群を組み合わせてもよい。
加熱式タバコ用カートリッジ1の先端側に位置する第1充填物群31は、フィルタ部材14側に位置する第2充填物群32より充填率を低くしてもよい。これにより、加熱部50を充填物集積体30に挿入しやすくすることができる。また、先端側の充填物20が、充填率の高いフィルタ部材14側の充填物20に支持されるため、加熱部50の挿入時において充填物20の配列が大きく崩れないようにすることができる。これによって、加熱部50と充填物20との間に大きな隙間が生じ、加熱が十分にされなくなることを防止できる。
また、第1充填物群31は、第2充填物群32より充填率を高くしてもよい。これにより、フィルタ部材14側の第2充填物群32内に空気の流路ができるので、第1充填物群31で発生した気流の流動性を良好にすることができる。また、充填物集積体30は加熱部50より長いので、第2充填物群32は加熱部50に直接触れない。このため、第2充填物群32の充填率が低いことで、全体を効率よく加熱し、エアロゾルを効率的に発生させることができる。また、第1充填物群31と第2充填物群32の形状を変えてもよい。これにより、第1充填物群31がずれたり押し込まれたりするのを第2充填物群32が抑制できると共に、気流を変化させることができることから、冷却効果も高くすることができる。
図10に示すように、充填物集積体40は、充填物20が集積された第1充填物群41と第2充填物群42および第3充填物群43を長さ方向に沿って隣接させて形成されていてもよい。この場合、充填物20の長さは、充填物集積体40の3分の1の長さとなる。このように、充填物集積体40は3つ以上の充填物群を組み合わせて形成してもよい。
充填物集積体40において中央に位置する第2充填物群42は、両端に位置する第1充填物群41および第3充填物群43より充填率が高くてもよい。これにより、加熱部50によって最も加熱されやすい第2充填物群42に充填物20が高密度に集積されることとなり、エアロゾルを効率的に発生させることができる。また、先端側の第1充填物群41の充填率が低いため、加熱部50を挿入しやすく、また、フィルタ部材14側の第3充填物群43の充填率が低いため、空気の流路を確保して気流の流動性を良好にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。上述の実施形態において、充填物20は短冊状であるが、充填物20の形状はこれに限られず、粒状、あるいは細かいダスト状など、他の形状であってもよい。
1 加熱式タバコ用カートリッジ
2 加熱式タバコ本体
10 充填物集積体
12 支持部材
14 フィルタ部材
16 包装体
20 充填物
25 包装体
30 充填物集積体
31 第1充填物群
32 第2充填物群
40 充填物集積体
41 第1充填物群
42 第2充填物群
43 第3充填物群
50 加熱部
51 挿入部

Claims (10)

  1. 先端から加熱式タバコ本体の加熱部が挿入される充填物集積体と、該充填物集積体の先端と反対側に配置されるフィルタ部材と、が長さ方向に沿って隣接し、シート状の包装体で巻かれた加熱式タバコ用カートリッジであって、
    前記充填物集積体は、先端から前記加熱部の挿入長に渡り前記加熱部と接触する接触範囲部と、前記接触範囲部よりフィルタ部材側で、挿入された前記加熱部から間接的に押圧される非接触範囲部と、を有し、前記非接触範囲部に前記フィルタ部材が隣接する加熱式タバコ用カートリッジ。
  2. 前記加熱部が前記充填物集積体に対する挿入長の前記加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合は、20%~30%の範囲であり、前記加熱部の表面温度は、100℃~400℃の範囲である場合に、前記充填物集積体と前記フィルタ部材との境界の最高温度が50℃~200℃である請求項1に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  3. 前記充填物集積体の長さの前記加熱式タバコ用カートリッジの全長に対する割合は、45%~55%の範囲である請求項1または2に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  4. 前記充填物は、短冊状に形成される請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  5. 前記充填物は、前記充填物集積体の全長に渡る長さを有する請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  6. 前記充填物は、前記充填物集積体の全長より短く、
    前記充填物集積体は、前記充填物が集積された複数の充填物群を長さ方向に沿って隣接させて形成された請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  7. 前記加熱部が挿入される側の前記充填物群は、前記フィルタ部材側の前記充填物群より充填率が低い請求項6に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  8. 前記加熱部が挿入される側の前記充填物群は、前記フィルタ部材側の前記充填物群より充填率が高い請求項6に記載の加熱式タバコ用カートリッジ 。
  9. 前記充填物集積体は、3つ以上の前記充填物群を長さ方向に沿って隣接させて形成され、
    前記充填物集積体の長さ方向中央部に配置される前記充填物群は、前記充填物集積体の長さ方向両端部に配置される前記充填物群より充填率が高い請求項6に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
  10. 前記包装体は、前記加熱式タバコ用カートリッジの半径に対する厚みの割合が2%~15%の範囲内である請求項1~9のいずれか1項に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
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