JP2023011122A - 喫煙具用カートリッジ、及び喫煙具用カートリッジの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】喫煙具用カートリッジを吸引する際の喫煙具用カートリッジの通気性を容易に確保する。【解決手段】本開示に係る喫煙具用カートリッジ10は、所定方向に延びて、内側に上記所定方向に延びる内部空間14を区画する筒状の外装材11と、外装材11の内部空間14の上記所定方向の一側の端部に配置され、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、被加熱基材12から上記所定方向の他側へ離間し、外装材11の内部空間14の上記他側の端部に配置されるフィルタ13と、を備え、被加熱基材12は、上記所定方向に延びる通気路17を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、喫煙具用カートリッジ、及び喫煙具用カートリッジの製造方法に関する。
特許文献1には、加熱非燃焼タバコ又は非タバコ製品が記載されている。加熱非燃焼タバコ又は非タバコ製品は、管体と、煙生成本体と、カプセル支持体と、カプセルと、フィルター本体とを備える。管体は、直径4.0~9.0mm、長さ30~80mmの円形の管体であり、200~300度の高温に耐えることができる非熱伝導性材料からなる材料である。煙生成本体は、乾燥したペースト体であり、ペースト体は、圧搾されて管体に充填され、ペースト体は、加熱、焼成および発酵によって煙生成本体を形成した後に管体の管壁に貼り付けて一体化されている。煙生成本体と管体との接着力は、ヒーター加熱シート挿入時の推力に耐えることができる。
特開2021-65222号公報
ところで、加熱式たばこの喫煙具としては、本体に内蔵された加熱ブレードにカートリッジを刺して、カートリッジの内側から上記煙生成本体等の被加熱基材を加熱する中心加熱方式と、本体の穴にカートリッジを差し込んで、カートリッジの周囲から被加熱基材を加熱する周辺加熱式とが知られている。中心加熱方式の喫煙具用のカートリッジは、被加熱基材に加熱ブレードを刺して使用するので、吸引する際の通気性を比較的容易に確保することができる。一方、周辺加熱式の喫煙具用のカートリッジは、カートリッジの周囲から被加熱基材を加熱するものであり、被加熱基材に加熱ブレードを刺さないので、被加熱基材の種類やその充填態様によっては吸引する際の通気性を確保することが難しくなる可能性がある。例えば、特許文献1に記載の加熱非燃焼タバコ又は非タバコ製品のような中心加熱方式の喫煙具用のカートリッジを、周辺加熱式の喫煙具の本体の穴に差し込んでカートリッジの周囲から煙生成本体(被加熱基材)を加熱した場合、吸引する際の通気性を確保することが難しい。
そこで、本開示は、吸引する際の通気性を容易に確保することが可能な喫煙具用カートリッジ、及び喫煙具用カートリッジの製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の喫煙具用カートリッジは、所定方向に延びて、内側に前記所定方向に延びる内部空間を区画する筒状の外装材と、前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部に配置され、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材と、前記被加熱基材から前記所定方向の他側へ離間し、前記外装材の前記内部空間の前記他側の端部に配置されるフィルタと、を備え、前記被加熱基材は、前記所定方向に延びる通気路を有する。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記通気路は、前記被加熱基材を貫通する。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記被加熱基材の前記通気路の断面形状は、多角形状である。
本発明の第4の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記通気路には、加熱によってエアロゾルを発生させる固形のエアロゾルフォーマが配置される。
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記被加熱基材は、ペースト状の形態を有する。
本発明の第6の態様は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジを製造する喫煙具用カートリッジの製造方法であって、前記所定方向に延びる通気路形成柱を、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部に挿入し、前記内部空間の前記一側を、閉止部材によって塞ぐ第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記被加熱基材を、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部の前記通気路形成柱の周囲に充填する第2の工程と、前記第2の工程の後に、前記被加熱基材から前記通気路形成柱を抜いて、前記外装材及び前記被加熱基材を、前記閉止部材及び前記通気路形成柱から取り外す第3の工程と、を含む。
本発明の第7の態様は、所定方向に延びて、内側に前記所定方向に延びる内部空間を区画する筒状の外装材と、前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部に配置され、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材と、前記被加熱基材から前記所定方向の他側へ離間し、前記外装材の前記内部空間の前記他側の端部に配置されるフィルタと、を備え、前記被加熱基材は、通気路を有し、前記通気路には、加熱によってエアロゾルを発生させる固形のエアロゾルフォーマが配置される喫煙具用カートリッジを製造する、喫煙具用カートリッジの製造方法であって、予め所定の形状に形成された固形のエアロゾルフォーマを、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部に挿入し、前記内部空間の前記一側を、閉止部材によって塞ぐ第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記被加熱基材を、前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部の前記固形のエアロゾルフォーマの周囲に充填する第2の工程と、前記第2の工程の後に、前記外装材、前記被加熱基材、及び前記固形のエアロゾルフォーマを、前記閉止部材側から取り外す第3の工程と、を含む。
本開示によれば、喫煙具用カートリッジを吸引する際の喫煙具用カートリッジの通気性を容易に確保することができる。
本開示に係る喫煙具用カートリッジの使用態様の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。 図2のIII-III矢視断面図である。 喫煙具用カートリッジを製造する際に使用する治具の外観斜視図である。 喫煙具用カートリッジの製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。 本発明の第2実施形態に係る喫煙具用カートリッジの図2に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る喫煙具用カートリッジの図2に対応する断面図である。 被加熱基材の通気路の第1の変形例を示す図3に対応する断面図である。 被加熱基材の通気路の第2の変形例を示す図3に対応する断面図である。 本発明の第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジの図2に対応する断面図である。 図10の喫煙具用カートリッジの製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。 本発明の第5実施形態に係る喫煙具用カートリッジ、及びその製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。さらに、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
また、本明細書において、「喫煙」とは、一般的に、ナス科タバコ属のタバコの葉又はタバコ成分を含む素材を燃焼又は加熱して生成するニコチンやタール等を含む煙を吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「煙を味わう」、「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になる芳香成分は、タバコ材に限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。
図1は、本開示に係る喫煙具用カートリッジ1の使用態様の一例を示す図である。
図1に示すように、本開示に係る喫煙具用カートリッジ1は、喫煙具100を使用して喫煙可能である。喫煙具100は、例えば、喫煙具用カートリッジ1の周囲から加熱する周辺加熱式の喫煙具100である。喫煙具100は、喫煙具用カートリッジ1を挿入するための挿入部101と、挿入部101の内に配置される加熱部102と、挿入部101の底側の蓋部103と、蓋部103に設けられる通気開口104と、加熱部102の制御装置(図示省略)やバッテリ(図示省略)等を含む制御部105とを備える。加熱部102は、挿入部101に挿入された喫煙具用カートリッジ1の周囲を囲むように配置され、喫煙具用カートリッジ1を径方向の外側から加熱可能である。蓋部103は、挿入部101の底側を開閉可能であり、挿入部101の内部の清掃時等に開放される。蓋部103の通気開口104は、蓋部103を閉止した状態で、挿入部101の内部と喫煙具100の外部とを連通し、喫煙時に喫煙具100の外部から挿入部101内への空気の流入を許容する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10の断面図である。図3は、図2のIII-III矢視断面図である。
図2及び図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10は、筒状の外装材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、フィルタ13と、を備え、柱状に形成される。
外装材11は、所定方向(図2における左右方向)に延びる筒状に形成される。外装材11の内側(径方向の内側)には、上記所定方向に延びる内部空間14が区画される。外装材11は、最初から筒状(管状)に形成されてもよいし、あるいは、シート状の部材を筒状に巻くことによって形成されてもよい。外装材11の材料は、一般的に使用されているものであれば特に制限はなく、例えば、フィルムやホイル紙等の熱伝導材料、硬質厚肉紙、プラグラップ、シガレット紙、タバコ紙又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
外装材11の紙厚は、0.05mm以上0.5mm以下が好ましく、0.06mm以上0.4mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.2mm以下がさらに好ましい。外装材11の長さは、30mm以上80mm以下が好ましい。外装材11の直径は、4.0mm以上9.0mm以下が好ましく、ユーザの持ちやすさの観点から、5.0mm以上8.0mm以下が更に好ましい。なお、喫煙具用カートリッジ10において、「直径」とは、断面が真円形状である場合は外径を、楕円形状である場合は長軸の位置における外径を、多角形である場合は多角形に外接する外接円の直径を、それぞれ意味する。
外装材11の内周面に、芳香材を塗布したり含侵したりしてもよい。芳香材としては、一般に喫煙具用カートリッジ10で使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、タバコ抽出物、バニリン、チョコレート、ココア、メンソール等が挙げられる。
外装材11の外周面に、化粧シート(図示省略)を固定的に設けてもよい。化粧シートを設けることによって、喫煙具用カートリッジ10の意匠性や強度の向上を図ることができる。化粧シートは、外装材11と同様の材料で構成することができる。
被加熱基材12は、加熱によりエアロゾルを発生させる部材であって、外装材11の内部空間14の上記所定方向の一側(図2における左側)の端部15に充填され、外装材11に支持される。すなわち、被加熱基材12は、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に配置される。被加熱基材12は、ペースト状のものを乾燥させたペースト体(以下、単に「ペースト体」という。)の形態、上記所定方向に延びる短冊状の形態、シート状の形態、チップ状の形態、木屑状の形態、又は粉体状(粉末状、微粒状、細粒状及び顆粒状を含む)の形態を有するものであってもよい。
被加熱基材12が短冊状の形態の場合の幅は、0.1mm以上1.0mm以下が好ましく、0.2mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。また、被加熱基材12がシート状の形態の場合の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。さらに、被加熱基材12が粒状の形態の場合、平均直径は0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。
被加熱基材12は、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填された状態で、内部に複数の細孔16を有する。この被加熱基材12の細孔16は、略球形、直方体形状及びその他の複雑な形状をなしてもよく、複数の細孔16同士が独立するいわゆる独立発泡体のようにすることや、複数の細孔16同士が連続するいわゆる連続発泡体のようにしてもよく、被加熱基材12を多孔質体にすることができればよい。また、細孔16は、例えば、被加熱基材12がペースト体の形態である場合には、ペースト体の内部の気孔(細孔16)であり、被加熱基材12が短冊状又はシート状の形態である場合には、複数の短冊間又は複数のシート間の隙間(細孔16)であり、被加熱基材12がチップ状、木屑状、又は粉体状である場合には、複数のチップ間、複数の木屑間、又は複数の粉体間の隙間(細孔16)である。被加熱基材12内の気孔率は、例えば、25~75%である。被加熱基材12には、上記所定方向の上記一側の端部から他側(図2における右側)の端部まで上記所定方向に延びて、被加熱基材12を貫通する通気路17が、細孔16とは別に設けられる。本実施形態では、通気路17は、断面円形状に形成され、被加熱基材12の略中央に配置される。すなわち、本実施形態では、被加熱基材12は、円筒状に形成される。通気路17の内径は、細孔16の径よりも大径である。通気路17内は、空洞となっている。なお、図3では、分かりやすくするために、細孔16を大きく図示している。
外装材11の内部空間14の上記所定方向と直交する断面積(図3において外装材11の内周面に区画される領域の面積。以下、「外装材11の内部空間14の断面積」という。)に対する通気路17の断面積の割合は、5%以上90%以下が好ましく、15%以上70%以下がより好ましく、20%以上60%以下がさらに好ましい。本実施形態では、外装材11の内部空間14の断面積に対する通気路17の断面積の割合は、30%に設定される。
このように、外装材11の内部空間14の断面積に対する通気路17の断面積の割合を5%以上90%以下にすることで、被加熱基材12は、通気性を保ちつつ芳香成分を充分に発生させることができる。
また、外装材11の内部空間14の断面積に対する通気路17の断面積の割合を15%以上にすることで、被加熱基材12は、通気路17の形状を良好に保つことができ、70%以下にすることで、被加熱基材12は、通気路17による通気性を低減させてユーザによる吸いごたえを高めることができる。
またさらに、断面積に対する通気路17の断面積の割合を20%以上にすることで、被加熱基材12は、通気路17による通気性を向上させてユーザが吸引する際に必要な吸引力を軽減させることができ、通気路17の断面積の割合を60%以下にすることで、被加熱基材12は、後述する取外し工程で用いられる通気路形成柱52の表面積を小さくすることができるので、被加熱基材12から通気路形成柱52を容易に引き抜くことができる。
被加熱基材12は、タバコ材及び/又は非タバコ材に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤、増粘剤等を混合し、加圧によりオリフィスやノズルを通過させ棒状に成形する方法、被加熱基材12用組成物を薄いシートに成形してから切断により成形する方法、又は被加熱基材12用組成物を乾燥させ粉砕等をして粒状にする方法等が例示できる。
エアロゾルフォーマは、加熱によって気化又は霧化してエアロゾルを発生させる化合物又は化合物の混合物である。エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、植物性グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でも又は2種以上混合しても用いることができる。
なお、被加熱基材12を形成する非タバコ材(加熱の際に芳香を生じる芳香成分)としては、以下の物が挙げられるが、これらに限られない。
本実施形態でも使用できる非タバコ材は、タバコ以外の植物であれば特に制限はなく使用できる。植物の使用部位としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根、等を含む)、茎(球茎、根茎、キクイモ担根体)、塊茎、皮(茎皮、樹皮等を含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊等を含む)、樹木の幹や枝等、様々な部位を使用できる。
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
上記イモ類又は以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、被加熱基材12の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることで可能である。
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸Naなどの塩としても用いられる。
ハーブやスパイスとして使用されている植物としては、例えば、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
また、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
上記に、使用できる植物の具体例として、昆布(茶)を挙げたが、他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
上記に、使用できる植物の具体例として、玄米(茶)を挙げたが、米の他の品種として、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉又は糠としても使用することができる。
さらに、使用できる植物の具体例として、麦(茶)を挙げたが、麦類の他の例として、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦ともいう)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
さらに、使用できる植物の具体例として、黒豆(茶)を挙げたが、菽穀類(マメ科)としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー(英:Lathyrus sativus)ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
さらに、使用できる植物の具体例として、ソバ(茶)を挙げたが、その他の植物の例として、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
さらに、使用できる植物の具体例として、シイタケ(茶)を挙げたが、キノコ類としては、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケが挙げられる。
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
さらに、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
さらに、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、いわゆるエキスも使用することができる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
フィルタ13は、加熱された被加熱基材12からのエアロゾルの流通を許容しつつ、被加熱基材12からの脱落物や粉塵の流通を規制して脱落物等の吸引を防止するための部材であって、外装材11の内部空間14の上記他側の端部18に配置され、外装材11に嵌装される。フィルタ13は、例えば、セルロースアセテートフィルタ等を使用して形成することができる。フィルタ13は、被加熱基材12から上記他側へ離間して配置される。本実施形態では、外装材11の内部空間14のうち、被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19には、何も配置されていない。フィルタ13により、エアロゾルの煙や芳香成分は吸引され、ユーザは、より快適な喫煙を楽しむことができる。フィルタ13の長さは、喫煙具用カートリッジ10の全長の3%以上60%以下であることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましい。なお、フィルタ13には、ユーザがエアロゾルを一層吸引しやすくなるよう、周方向に沿って等間隔に複数の孔(図示せず)が形成されていてもよい。
このように、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の3%以上60%以下にすることで、フィルタ13は、通気性を保ちつつ芳香成分を充分に発生させることができる。
また、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の5%以上30%以下にすることで、外装材11は、フィルタ13を良好に支持することができる。
なお、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の3%~10%にする場合は、フィルタ13を外装材11の上記他側の端部18に接着することが好ましい。
次に、喫煙具用カートリッジ10の製造方法について説明する。本実施形態では、ペースト体の被加熱基材12を備える喫煙具用カートリッジ10の製造方法についての一例を説明する。
図4は、喫煙具用カートリッジ10を製造する際に使用する治具50の外観斜視図である。図5は、喫煙具用カートリッジ10の製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。
本発明の一実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10の製造方法は、例えば、治具50を使用して喫煙具用カートリッジ10を製造する方法である。本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10の製造方法は、外装材設置工程(第1の工程)と、被加熱基材充填工程(第2の工程)と、取外し工程(第3の工程)とを含む。更に、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を含む。なお、喫煙具用カートリッジ10の製造方法は、少なくとも、外装材設置工程、被加熱基材充填工程、及び取外し工程を含んでいればよく、内部部品装着工程や他の工程を含んでもよい。
図4に示すように、治具50は基台(閉止部材)51と、通気路形成柱52とを備える。通気路形成柱52は、喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12に通気路17を形成するための部材であって、基台51の一面51aから突出する柱状に形成される。本実施形態では、通気路形成柱52は、基台51に対して固定され、基台51に一体的に形成される。
図5(a)に示すように、喫煙具用カートリッジ10を製造する際には、先ず、筒状の外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に、治具50の通気路形成柱52を挿入し、外装材11の上記一側の端11aを基台51の一面51aに載置して、内部空間14の上記一側(図5における下側)を基台51によって塞ぐ(外装材設置工程(第1の工程))。
次に、図5(b)に示すように、外装材設置工程の後に、外装材11の内部空間14に上記他側(図5における上側)からノズル53を挿入し、ノズル53の先端からペースト状の被加熱基材12を押し出し、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15の通気路形成柱52の周囲に被加熱基材12を充填する(被加熱基材充填工程(第2の工程))。このように、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填し、その後、乾燥させることによって、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15にペースト体である被加熱基材12を配置することができる。ペースト体の被加熱基材12の含水率は、5%~10%が好ましい。図示はしないが、被加熱基材充填工程では、内部部品装着工程の前に、ペースト状の被加熱基材12を乾燥させて固形化させるのが好ましい。これにより、被加熱基材12は、定型性を得ることができる。なお、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填して乾燥させた後、ペースト体の被加熱基材12と外装材11とを接着してもよい。また、本実施形態では、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填したが、上述した短冊状、シート状及び粒状等の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填してもよい。
次に、図5(c)に示すように、被加熱基材充填工程の後に、外装材11の内部空間14の上記他側の端部18にフィルタ13を挿入する(内部部品装着工程)。フィルタ13は、例えば、外装材11側からの圧力によって、あるいは外装材11への接着によって、外装材11に支持される。
最後に、図5(d)に示すように、内部部品装着工程の後に、喫煙具用カートリッジ10を治具50から取り外す(取外し工程(第3の工程))。すなわち、取外し工程は、被加熱基材充填工程よりも後に、喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12から通気路形成柱52を抜いて、外装材11及び被加熱基材12を治具50(基台51及び通気路形成柱52)から取り外す工程である。喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12から通気路形成柱52を抜くと、被加熱基材12のうち通気路形成柱52が挿通していた領域に通気路17が形成される。
なお、内部部品装着工程の後、取外し工程の前に、あるいは取外し工程の後に、意匠性や強度の向上を図るために、外装材11の外周面に、化粧シート(図示省略)を取り付けてもよい。
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ10では、被加熱基材12は、細孔16よりも大径に形成されて上記所定方向に延びて被加熱基材12を貫通する通気路17を有する。このため、喫煙具用カートリッジ10を、周辺加熱式の喫煙具100を使用して喫煙する場合に、吸引する際の通気性を被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。また、喫煙具用カートリッジ10を、中心加熱方式の喫煙具を使用して喫煙する場合であっても、吸引する際の通気性を、被加熱基材12に加熱ブレードを刺した際に形成される孔や、被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。
また、上記構成の喫煙具用カートリッジ10の製造方法では、被加熱基材12に通気路17を設けた喫煙具用カートリッジ10を製造することができるので、吸引する際の通気性を、喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。
このように、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ10を吸引する際の喫煙具用カートリッジ10の通気性を容易に確保することができる。
なお、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、取外し工程の後に内部部品装着工程を設けてもよい。
また、本実施形態では、喫煙具用カートリッジ10を製造する際に治具50を使用したが、これに限定されるものではない。例えば、外装材設置工程(第1の工程)において、治具50の基台51以外の部材によって、外装材11の内部空間14の上記一側を塞いでもよいし、外装材11の内部空間14の上記一側を塞ぐ閉止部材とは別体の通気路形成柱52を、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に挿入してもよい。この場合、外装材設置工程(第1の工程)において、通気路形成柱52を、外装材11の上記他側の端部から内部空間14の上記一側の端部15に挿入してもよく、被加熱基材充填工程(第2の工程)の後、通気路形成柱52を引き抜く取外し工程(第3の工程)を行い、その後、内部部品装着工程を行ってもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ20は、外装材11の内部空間14の中間領域19に、支持材21を設ける点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る喫煙具用カートリッジ20の図2に対応する断面図である。
図6に示すように、喫煙具用カートリッジ20は、筒状の外装材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、フィルタ13と、支持材21と、を備え、柱状に形成される。
支持材21は、外装材11、被加熱基材12、及びフィルタ13を支持する部材であって、外装材11の内部空間14のうち、被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19に配置される。本実施形態では、支持材21は、中心部に上記所定方向に延びる孔22を有する円筒状に形成される。支持材21の上記一側(図6における左側)の端部は、被加熱基材12の上記他側(図6における右側)の端部に隣接し、支持材21の上記他側の端部は、フィルタ13の上記一側の端部に隣接する。支持材21の外周面は、外装材11の内周面に隣接する。これにより、支持材21は、外装材11、被加熱基材12、及びフィルタ13を支持する。支持材21の孔22は、被加熱基材12で発生したエアロゾルのフィルタ13側への流路として機能する。支持材21は、耐熱性及び通気性に優れた材料であれば特に制限はなく、例えば、スポンジ、発泡体、繊維集合体、多孔質体、シリコーン等によって形成することができる。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ20の製造方法は、上記第1実施形態の喫煙具用カートリッジ10の製造方法と同様に、外装材設置工程(第1の工程)と、被加熱基材充填工程(第2の工程)と、取外し工程(第3の工程)とを含み、更に、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を含む。なお、外装材設置工程、被加熱基材充填工程、及び取外し工程は、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ20の製造方法の内部部品装着工程では、先ず、外装材11の内部空間14に支持材21を挿入し、次に、内部空間14の上記他側の端部18にフィルタ13を挿入する。
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ20では、外装材11の内部空間14のうち被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19に支持材21が配置され、支持材21は、外装材11を支持する。このため、喫煙具用カートリッジ20の強度を支持材21によって確保することができ、喫煙具用カートリッジ20の折れ曲がりを防止し、操作性を向上させることができる。
また、支持材21は、被加熱基材12を支持するので、被加熱基材12の上記他側への移動を支持材21によって規制することができる。
また、支持材21は、フィルタ13を支持するので、フィルタ13の上記一側への移動を支持材21によって規制することができる。
また、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ20を吸引する際の喫煙具用カートリッジ20の通気性を被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。
なお、本実施形態では、支持材21の孔22を、支持材21の中心部に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、孔22を支持材21の中心から偏心させた位置に配置してもよい。また、支持材21の孔22に代えて、支持材21の外周面から径方向の内側へ切り欠かれて上記所定方向に延びる切り欠き等を設けてもよい。あるいは、支持材21に孔22を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、支持材21によって、外装材11、被加熱基材12、及びフィルタ13を支持したが、これに限定されるものではなく、支持材21は、外装材11、被加熱基材12、及びフィルタ13の少なくとも1つを支持していればよい。例えば、支持材21を、外装材11の内周面に接しない棒状に形成し、支持材21によって被加熱基材12及びフィルタ13を支持してもよい。
また、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、取外し工程の後に内部部品装着工程を設けてもよい。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ30は、外装材11の内部空間14の中間領域19に、カプセル31及び支持材32を設ける点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る喫煙具用カートリッジ30の図2に対応する断面図である。
図7に示すように、喫煙具用カートリッジ30は、筒状の外装材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、フィルタ13と、カプセル31と、支持材32と、を備え、柱状に形成される。
カプセル31は、内部に液体香料を含む球状に形成され、外装材11の内部空間14の中間領域19のフィルタ13に隣接する位置に配置される。
支持材32は、例えば、紙を複数回、巻回して形成された棒状の部材である。この支持材32は、外装材11の内部空間14のうち、被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19に配置されており、外装材11、被加熱基材12、及びカプセル31を支持することが可能である。本実施形態では、支持材32は、外装材11の内部空間14の中間領域19のうち、被加熱基材12とカプセル31との間に配置される。支持材32の上記一側(図7における左側)の端部は、被加熱基材12の上記他側(図7における右側)の端部に隣接し、支持材32の上記他側の端部は、カプセル31に隣接する。すなわち、支持材32は、フィルタ13との間にカプセル31を挟持する。これにより、支持材32は、外装材11、被加熱基材12、及びカプセル31を支持する。支持材32は、耐熱性及び通気性に優れた材料であれば特に制限はなく、例えば、スポンジ、発泡体、繊維集合体、多孔質体、通気路を有するシリコーン等によって形成することができる。なお、被加熱基材12で発生したエアロゾルのフィルタ13側への流路として機能する孔等を、支持材32に設けてもよい。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ30の製造方法は、上記第1実施形態の喫煙具用カートリッジ10の製造方法と同様に、外装材設置工程(第1の工程)と、被加熱基材充填工程(第2の工程)と、取外し工程(第3の工程)とを含み、更に、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を含む。なお、外装材設置工程、被加熱基材充填工程、及び取外し工程は、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ30の製造方法の内部部品装着工程では、先ず、外装材11の内部空間14に支持材32を挿入し、次に、外装材11の内部空間14の支持材32の上記他側にカプセル31を配置し、最後に、内部空間14の上記他側の端部18にフィルタ13を挿入する。
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ30では、内部に液体香料を含むカプセル31が、外装材11の内部空間14の中間領域19のフィルタ13に隣接する位置に配置される。このため、喫煙時にカプセル31を潰すと、カプセル31内の液体香料が溢れ出すので、被加熱基材12で発生したエアロゾルに液体香料を混合した状態で、喫煙することができる。
また、外装材11の内部空間14のうち被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19に支持材32が配置され、支持材32は、外装材11を支持する。このため、喫煙具用カートリッジ20の強度を支持材32によって確保することができ、喫煙具用カートリッジ20の折れ曲がりを防止し、操作性を向上させることができる。
また、支持材32は、被加熱基材12を支持するので、被加熱基材12の上記他側への移動を支持材21によって規制することができる。
また、支持材32は、フィルタ13との間にカプセル31を挟持するので、上記所定方向へのカプセル31の移動を規制することができる。
また、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ30を吸引する際の喫煙具用カートリッジ30の通気性を被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。
なお、本実施形態では、支持材32によって、外装材11、被加熱基材12、及びカプセル31を支持したが、これに限定されるものではなく、支持材32は、外装材11、被加熱基材12、フィルタ13、及びカプセル31の少なくとも1つを支持していればよい。また、支持材32の外周面を、外装材11の内周面に隣接させてもよい。
また、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、取外し工程の後に内部部品装着工程を設けてもよい。
また、上記第1実施形態~上記第3実施形態では、被加熱基材12の通気路17を、断面円形状に形成し、被加熱基材12の略中央に配置したが、通気路17は、これに限定されるものではない。
例えば、被加熱基材12の通気路17の断面形状は、円形状に限定されるものではない。被加熱基材12の通気路17は、細孔16とは別に設けられて、被加熱基材12の上記一側から上記他側への空気の流路を区画して、通気性を確保可能な通気路17であれば、所望の断面形状(多角形状や楕円形状等)の通気路17を適用することができる。この場合、喫煙具用カートリッジ10の製造に使用される治具50の通気路形成柱52の断面形状は、通気路17の断面形状に応じた形状に形成される。
図8は、被加熱基材12の通気路61の第1の変形例を示す図3に対応する断面図である。
図8に示すように。例えば、喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12は、通気路17に代えて、複数の通気路61を有していてもよい。被加熱基材12には、上記所定方向の上記一側の端部から上記他側の端部まで上記所定方向に延びて、被加熱基材12を貫通する複数の通気路61が、細孔16とは別に設けられる。本実施形態では、複数の通気路61は、断面円形状にそれぞれ形成され、被加熱基材12に略等間隔で均等に配置される。各通気路61の内径は、細孔16の径よりも大径である。各通気路61内は、空洞となっている。なお、図8では、分かりやすくするために、細孔16を大きく図示している。
外装材11の内部空間14の断面積(図8において外装材11の内周面に区画される領域の面積)に対する全ての通気路61の断面積の和の割合は、5%以上90%以下が好ましく、15%以上70%以下がより好ましく、20%以上60%以下がさらに好ましい。本実施形態では、外装材11の内部空間14の断面積に対する全ての通気路61の断面積の和の割合は、30%に設定される。
この場合、喫煙具用カートリッジ10の製造に使用される治具50には、複数の通気路形成柱52が設けられてもよい。
図9は、被加熱基材12の通気路62の第2の変形例を示す図3に対応する断面図である。
図9に示すように。例えば、喫煙具用カートリッジ10の被加熱基材12は、断面円形状の通気路17に代えて、断面が多角形状(本実施形態では、星型多角形状)の通気路62を有していてもよい。被加熱基材12には、上記所定方向の上記一側の端部から上記他側の端部まで上記所定方向に延びて、被加熱基材12を貫通する通気路62が、細孔16とは別に設けられる。通気路62の断面形状は、星型多角形状(本実施形態では、星型六角形状)である。通気路62は、被加熱基材12の略中央に配置される。通気路62の星型六角形状に外接する外接円の直径は、細孔16の径よりも大径である。通気路62内は、空洞となっている。なお、通気路62の断面形状は、中心側から放射状に突出する複数の鋭角部(先端が鋭角の部分)63を有する星型多角形状に限定されるものではなく、多角形状であればよい。また、図9では、分かりやすくするために、細孔16を大きく図示している。
外装材11の内部空間14の断面積(図9において外装材11の内周面に区画される領域の面積)に対する通気路62の断面積の割合は、5%以上90%以下が好ましく、15%以上70%以下がより好ましく、20%以上60%以下がさらに好ましい。本実施形態では、外装材11の内部空間14の断面積に対する通気路62の断面積の割合は、30%に設定される。
この場合、喫煙具用カートリッジ10の製造に使用される治具50の通気路形成柱52の断面形状は、多角形状(本実施形態では、星型六角形状)に形成される。
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ40は、被加熱基材12の通気路41が被加熱基材12を貫通していない点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジ40の図2に対応する断面図である。
図10に示すように、喫煙具用カートリッジ40は、筒状の外装材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、フィルタ13とを備え、柱状に形成される。
被加熱基材12は、被加熱基材12には、上記一側の端部から上記他側へ延びる通気路41が、細孔16とは別に設けられる。本実施形態では、通気路41は、断面円形状に形成され、被加熱基材12の略中央に配置される。通気路41は、上記一側から上記他側へ先細るテーパ状に形成される。通気路41の上記一側は、開放され、上記他側は塞がれている。通気路41の上記他側の端と被加熱基材12の上記他側の端との間の被加熱基材12の厚さ(上記所定方向の長さ)は、喫煙時の通気性を確保可能に設定される。通気路41の上記一側の開口の内径は、細孔16の径よりも大径である。通気路41内は、空洞となっている。なお、図10では、分かりやすくするために、細孔16を大きく図示している。
図11は、図10の喫煙具用カートリッジ40の製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ40の製造方法は、上記第1実施形態の喫煙具用カートリッジ10の製造方法と同様に、外装材設置工程(第1の工程)と、被加熱基材充填工程(第2の工程)と、取外し工程(第3の工程)とを含み、更に、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を含む。なお、外装材設置工程、被加熱基材充填工程、内部部品装着工程、及び取外し工程は、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図11に示すように、喫煙具用カートリッジ40の製造方法で使用する治具50の通気路形成柱52は、基台(閉止部材)51の一面51aから突出する円錐状に形成される。通気路形成柱52は、基台51の一面51aから離間するほど先細るテーパ状に形成される。
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ40では、被加熱基材12に通気路41が設けられ、通気路41の上記他側の端と被加熱基材12の上記他側の端との間の被加熱基材12の厚さ(上記所定方向の長さ)は、喫煙時の通気性を確保可能に設定される。このため、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ40を吸引する際の喫煙具用カートリッジ40の通気性を被加熱基材12の通気路41によって容易に確保することができる。
また、通気路41の上記他側が塞がれているので、被加熱基材12は、通気路41による通気性を確保しつつ、ユーザによる吸いごたえを高めることができる。
また、被加熱基材12の通気路41は、上記一側から上記他側へ先細るテーパ状に形成され、治具50の通気路形成柱52は、基台51の一面51aから離間するほど先細るテーパ状に形成される。このため、取外し工程(第3の工程)において、被加熱基材12から通気路形成柱52を容易に引き抜くことができる。
なお、被加熱基材12の通気路41の断面形状、及び治具50の通気路形成柱52の断面形状は、円形状に限定されるものではなく、所望の断面形状(多角形状や楕円形状等)を適用することができる。
また、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、取外し工程の後に内部部品装着工程を設けてもよい。
次に、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ70は、被加熱基材12の通気路17内に固形のエアロゾルフォーマ71を配置している点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、本発明の第5実施形態に係る喫煙具用カートリッジ70、及びその製造方法の説明図であって、(a)は外装材設置工程を、(b)は被加熱基材充填工程を、(c)は内部部品装着工程を、(d)は取外し工程をそれぞれ示す。
図12(d)に示すように、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ70は、筒状の外装材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、フィルタ13とを備え、柱状に形成される。被加熱基材12の通気路17内には、固形のエアロゾルフォーマ71が配置される。
固形のエアロゾルフォーマ71は、加熱によって気化又は霧化してエアロゾルを発生させる化合物又は化合物の混合物である。エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、植物性グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でも又は2種以上混合しても用いることができる。
固形のエアロゾルフォーマ71は、予め所定の形状(本実施形態では、棒状)に形成される。固形のエアロゾルフォーマ71の断面形状は、円形状、楕円形状、多角形状、又は星型多角形状等の様々な複雑な形状を適用することができる。本実施形態では、固形のエアロゾルフォーマ71の断面形状は、円形状となっている。なお、上述したように、被加熱基材12に複数の通気路61を設ける場合には、複数の固形のエアロゾルフォーマ71としてもよい。
次に、喫煙具用カートリッジ70の製造方法について説明する。本実施形態では、ペースト体の被加熱基材12を備える喫煙具用カートリッジ70の製造方法についての一例を説明する。
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ70の製造方法は、外装材設置工程(第1の工程)と、被加熱基材充填工程(第2の工程)と、取外し工程(第3の工程)とを含む。更に、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を含む。なお、喫煙具用カートリッジ70の製造方法は、少なくとも、外装材設置工程、被加熱基材充填工程、及び取外し工程を含んでいればよく、内部部品装着工程や他の工程を含んでもよい。
図12(a)に示すように、喫煙具用カートリッジ70を製造する際には、先ず、所定の基台(閉止部材)81の上に固形のエアロゾルフォーマ71を起立させた状態に設置し、筒状の外装材11の内部空間14の上記一側(図12における下側)の端部15に、固形のエアロゾルフォーマ71を挿入し、外装材11の上記一側の端11aを基台81の一面81aに載置して、内部空間14の上記一側を基台81によって塞ぐ(外装材設置工程(第1の工程))。
次に、図12(b)に示すように、外装材設置工程の後に、外装材11の内部空間14に上記他側(図12における上側)からノズル53を挿入し、ノズル53の先端からペースト状の被加熱基材12を押し出し、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15の固形のエアロゾルフォーマ71の周囲に被加熱基材12を充填する(被加熱基材充填工程(第2の工程))。このように、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填し、その後、乾燥させることによって、外装材11の内部空間14の上記一側の端部15にペースト体である被加熱基材12を配置することができるとともに、被加熱基材12の通気路17に固形のエアロゾルフォーマ71を配置することができる。ペースト体の被加熱基材12の含水率は、5%~10%が好ましい。図示はしないが、被加熱基材充填工程では、内部部品装着工程の前に、ペースト状の被加熱基材12を乾燥させて固形化させるのが好ましい。これにより、被加熱基材12は、定型性を得ることができる。なお、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填して乾燥させた後、ペースト体の被加熱基材12と外装材11とを接着してもよい。また、本実施形態では、ペースト状の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填したが、上述した短冊状、シート状及び粒状等の被加熱基材12を外装材11の内部空間14の上記一側の端部15に充填してもよい。
次に、図12(c)に示すように、被加熱基材充填工程の後に、外装材11の内部空間14の上記他側の端部18にフィルタ13を挿入する(内部部品装着工程)。フィルタ13は、例えば、外装材11側からの圧力によって、あるいは外装材11への接着によって、外装材11に支持される。
最後に、図12(d)に示すように、内部部品装着工程の後に、喫煙具用カートリッジ40を基台81側から取り外す(取外し工程(第3の工程))。すなわち、取外し工程は、被加熱基材充填工程よりも後に、喫煙具用カートリッジ70の外装材11、被加熱基材12、及び固形のエアロゾルフォーマ71を基台81側から取り外す工程である。
なお、内部部品装着工程の後、取外し工程の前に、あるいは取外し工程の後に、意匠性や強度の向上を図るために、外装材11の外周面に、化粧シート(図示省略)を取り付けてもよい。
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ70では、固形のエアロゾルフォーマ71は、加熱によって気化又は霧化してエアロゾルを発生させるので、喫煙時には、被加熱基材12に通気路17を確保することができる。このため、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ70を吸引する際の喫煙具用カートリッジ70の通気性を被加熱基材12の通気路17によって容易に確保することができる。
また、被加熱基材12の通気路17内に固形のエアロゾルフォーマ71が設けられるので、喫煙具用カートリッジ70を使用した喫煙時に、被加熱基材12に含まれるエアロゾルフォーマに加えて、固形のエアロゾルフォーマ71からもエアロゾルを発生させることができる。
また、固形のエアロゾルフォーマ71は、上記第1実施形態に記載の治具50の通気路形成柱52のように被加熱基材12から抜く必要がないため、予め複雑な形状に形成して通気路17を複雑な形状にすることができる。
なお、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ70の製造方法は、これに限定されるものではなく、例えば、上記第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10の製造方法の取外し工程の後に、被加熱基材12の通気路17に固形のエアロゾルフォーマ71を挿入することによって、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ70を製造してもよい。この場合、固形のエアロゾルフォーマ71を、被加熱基材12の通気路17の全域ではなく、被加熱基材12の通気路17の一部の領域に配置してもよい。
また、本実施形態では、被加熱基材12を上記所定方向に貫通する通気路17内に固形のエアロゾルフォーマ71を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、上記第4実施形態の喫煙具用カートリッジ40の被加熱基材12の通気路41のように、上記所定方向の少なくとも一方が塞がれた通気路41内に、固形のエアロゾルフォーマ71を配置してもよい。
また、本実施形態では、被加熱基材充填工程と取外し工程との間に、内部部品装着工程を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、取外し工程の後に内部部品装着工程を設けてもよい。
なお、上記第1実施形態~上記第5実施形態の喫煙具用カートリッジ10,20,30,40,70の被加熱基材12の上記一側の端面(喫煙具用カートリッジ10,20,30,40,70の上記一側の通気路17,41,61,62を除く端面)に、被加熱基材12のこぼれを防ぐための蓋部材(図示省略)を設けてもよい。蓋部材は、被加熱基材12のこぼれを防止する材料であれば、特に制限はなく、例えば、外装材11と同様の材料を使用して形成することができる。それらの中でも、通気性の良好さから、厚肉紙、プラグラップ、シガレット紙、タバコ紙等の紙基材が好ましい。また、蓋部材に、液状又は微細な粉末を含ませてもよい。液状又は微細な粉末としては、燃焼調節剤、香料、色素、バインダー、保護材、油性成分、エキス類、抗酸化剤等が挙げられる。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1,10,20,30,40,70:喫煙具用カートリッジ
11:外装材
12:被加熱基材
13:フィルタ
14:内部空間
16:細孔
17,41,61,62:通気路
21,32:支持材
31:カプセル
50:治具
51,81:基台(閉止部材)
52:通気路形成柱
71:固形のエアロゾルフォーマ

Claims (7)

  1. 所定方向に延びて、内側に前記所定方向に延びる内部空間を区画する筒状の外装材と、
    前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部に配置され、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材と、
    前記被加熱基材から前記所定方向の他側へ離間し、前記外装材の前記内部空間の前記他側の端部に配置されるフィルタと、を備え、
    前記被加熱基材は、前記所定方向に延びる通気路を有する
    ことを特徴とする喫煙具用カートリッジ。
  2. 前記通気路は、前記被加熱基材を貫通する
    ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
  3. 前記被加熱基材の前記通気路の断面形状は、多角形状である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
  4. 前記通気路には、加熱によってエアロゾルを発生させる固形のエアロゾルフォーマが配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
  5. 前記被加熱基材は、ペースト状の形態を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジを製造する喫煙具用カートリッジの製造方法であって、
    前記所定方向に延びる通気路形成柱を、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部に挿入し、前記内部空間の前記一側を、閉止部材によって塞ぐ第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記被加熱基材を、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部の前記通気路形成柱の周囲に充填する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記被加熱基材から前記通気路形成柱を抜いて、前記外装材及び前記被加熱基材を、前記閉止部材及び前記通気路形成柱から取り外す第3の工程と、を含む
    ことを特徴とする喫煙具用カートリッジの製造方法。
  7. 所定方向に延びて、内側に前記所定方向に延びる内部空間を区画する筒状の外装材と、前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部に配置され、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材と、前記被加熱基材から前記所定方向の他側へ離間し、前記外装材の前記内部空間の前記他側の端部に配置されるフィルタと、を備え、前記被加熱基材は、通気路を有し、前記通気路には、加熱によってエアロゾルを発生させる固形のエアロゾルフォーマが配置される喫煙具用カートリッジを製造する、喫煙具用カートリッジの製造方法であって、
    予め所定の形状に形成された固形のエアロゾルフォーマを、前記外装材の前記内部空間の前記一側の端部に挿入し、前記内部空間の前記一側を、閉止部材によって塞ぐ第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記被加熱基材を、前記外装材の前記内部空間の前記所定方向の一側の端部の前記固形のエアロゾルフォーマの周囲に充填する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記外装材、前記被加熱基材、及び前記固形のエアロゾルフォーマを、前記閉止部材側から取り外す第3の工程と、を含む
    ことを特徴とする喫煙具用カートリッジの製造方法。
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