JP2023008219A - 車速制御方法及び車速制御装置 - Google Patents

車速制御方法及び車速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標走行軌道上を走行する目標車速を設定する。【解決手段】車速制御方法は、自車両1の目標軌道を設定し、自車両1の重心の横加速度が所定値以下となるように第1車速プロファイルを設定し(S1)、加減速度に応じた前後輪の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか一方と横力との合力が摩擦限界を超えない第1最大速度を算出し、第1最大速度で第1車速プロファイルを制限することにより第2車速プロファイルを設定し(S2)、加減速度に応じた前後輪の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか他方と横力との合力が摩擦限界を超えない第2最大速度を、第2最大速度で第2車速プロファイルを制限することにより第3車速プロファイルを設定し(S3)、第3車速プロファイルに基づいて車速を制御する(S4)。【選択図】図8

Description

本発明は、車速制御方法及び車速制御装置に関する。
下記特許文献1には、自動運転車両の自動走行中に、旋回加速度が路面摩擦係数を超えないように目標速度を設定する技術が記載されている。
特開2017-121874号公報
上記特許文献1では、車両の重心位置での横加速度に着目して目標車速を設定している。しかしながら、車両が目標走行軌道に追従するには、重心位置での横加速度が摩擦限界を超えないだけでなく、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標車速を設定する必要がある。
本発明は、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標走行軌道上を走行する目標車速を設定することを目的とする。
本発明の一態様による車速制御方法は、自車両の目標走行軌道を設定し、自車両の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルを、自車両の目標走行軌道上の各地点において自車両の重心の横加速度が所定値以下となるように設定し、目標走行軌道上の各地点において、自車両の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか一方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第1最大速度として算出し、目標走行軌道上の各地点の第1最大速度で第1車速プロファイルを制限することにより第2車速プロファイルを設定し、目標走行軌道上の各地点において、自車両の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか他方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第2最大速度として算出し、目標走行軌道上の各地点の第2最大速度で第2車速プロファイルを制限することにより第3車速プロファイルを設定し、第3車速プロファイルに基づいて自車両の車速を制御する。
本発明によれば、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標走行軌道上を走行する目標車速を設定できる。
実施形態の走行支援装置の概略構成図である。 実施形態の走行支援装置による自動運転制御のアーキテクチャの一例の説明図である。 実施形態の走行支援装置の自動運転制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す車両制御部の機能構成の一例のブロック図である。 (a)は第1車速プロファイルの一例の説明図であり、(b)は第2車速プロファイルの一例の説明図であり、(c)は第3車速プロファイルの一例の説明図である。 図4に示すバックワード演算部の機能構成の一例のブロック図である。 図4に示すフォワード演算部の機能構成の一例のブロック図である。 実施形態の車速制御方法の一例のフローチャートである。 図8のステップS2の処理の一例のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1を参照する。自車両1は、右前輪2FR及び左前輪2FLを転舵可能な前輪操舵車両であるか、右前輪2FR、左前輪2FL、右後輪2RR及び左後輪2RLを転舵可能な四輪操舵車両である。以下、右前輪2FR及び左前輪2FLを総称して「前輪2F」と表記し、右後輪2RR及び左後輪2RLを総称して「後輪2R」と表記し、前輪2F及び後輪2Rを総称して「車輪2」と表記することがある。
自車両1は、自車両1の走行支援を行う走行支援装置10を備える。走行支援装置10による走行支援には、自車両1の周辺の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自動運転制御や、運転者による自車両1の運転を支援する運転支援制御を含んでよい。
運転支援制御には、自動操舵、自動ブレーキ、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御など、自車両1の転舵装置、駆動装置、制動装置の少なくとも一つを制御する走行制御を含んでよい。
走行支援装置10は、物体センサ11と、車両センサ12と、測位装置13と、地図データベース(地図DB)14と、ナビゲーション装置15と、コントローラ17と、アクチュエータ18とを備える。
物体センサ11は、自車両の周囲の物体を検出する。物体センサ11は、自車両1に搭載されたレーザレーダやミリ波レーダ、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)など、自車両1の周辺の物体を検出する複数の異なる種類の物体検出センサを備える。
車両センサ12は、自車両1に搭載され、自車両1から得られる様々な情報(車両信号)を検出する。車両センサ12には、例えば、自車両1の車速(走行速度)Vを検出する車速センサ、車輪2の回転速度や回転量を検出する車輪センサ、自車両1の3軸方向の加速度(減速度を含む)を検出する3軸加速度センサ(Gセンサ)、操舵角(転舵角を含む)を検出する操舵角センサ、自車両1に生じる角速度を検出するジャイロセンサ、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ、自車両1のアクセル開度を検出するアクセルセンサと、運転者によるブレーキ操作量を検出するブレーキセンサが含まれる。
測位装置13は、全地球型測位システム(GNSS)受信機を備え、複数の航法衛星から電波を受信して自車両1の現在位置を測定する。GNSS受信機は、例えば地球測位システム(GPS)受信機等であってよい。測位装置13は、例えば慣性航法装置であってもよい。
地図データベース14は、自動運転用の地図として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という。)を記憶してよい。高精度地図は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という。)よりも高精度の地図データであり、道路単位の情報よりも詳細な車線単位の情報を含む。
ナビゲーション装置15は、測位装置13等により自車両1の現在位置を認識する。ナビゲーション装置15は、認識した現在位置に基づいて、自車両1の周囲の道路情報や交通情報を取得し、コントローラ17に出力する。また、ナビゲーション装置15は、乗員に対して経路案内を行い、また道路情報、交通情報を提供する。
コントローラ17は、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含み、自車両1の走行支援制御を行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置は、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
コントローラ17のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ17は、自動運転制御部20、入力仲裁部21及び車両制御部22として機能する。これらの機能については後述する。
なお、コントローラ17を、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウエアにより形成してもよい。
例えば、コントローラは、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
アクチュエータ18は、コントローラ17からの制御信号に応じて、自車両1の転舵装置と、駆動装置と制動装置を操作して、自車両1の車両挙動を発生させる。アクチュエータ18は、転舵アクチュエータと、アクセル開度アクチュエータと、ブレーキ制御アクチュエータを備える。
自車両1が前輪操舵車両である場合、転舵アクチュエータは、前輪2Fの転舵角である前輪転舵角δを制御する。自車両1が四輪操舵車両である場合、転舵アクチュエータは、前輪転舵角δに加えて後輪2Rの転舵角である後輪転舵角δを制御する。
転舵アクチュエータは、例えば、電動パワーステアリングシステムにおいて操舵補助力を付与する操舵補助モータであってもよく、ステアリングホイールと車輪2とが機械的に分離されたステアリングバイワイヤシステムにおいて車輪2を転舵する転舵モータであってもよい。
アクセル開度アクチュエータは、自車両1の駆動力を発生させる動力源である駆動装置(例えばエンジン、電動機)のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両1の制動装置の制動動作を制御する。
駆動装置、制動装置、コントローラ17及びアクチュエータ18の組合せは、特許請求の範囲に記載の「速度制御装置」の一例である。
次に、実施形態の走行支援装置10による走行支援制御の一例を説明する。図2は、走行支援装置による自動運転制御のアーキテクチャの一例を示す。自動運転制御は、自動運転レイヤ(AD Layer)30と、仲裁部(Arbitration)31と、規範モデル部(Reference Model)32と、車体挙動制御部(Body Motion Control)33と、車輪挙動制御部(Wheel Motion Control)34と、上述のアクチュエータ18によって実行される。
自動運転レイヤ30は、自車両1の目的地を設定し、自車両1の現在位置から目的地までの走行経路を設定する。なお、目的地とは運転者によって設定される最終目的地で合っても良いし、自車両1の現在位置に対して予め定められた所定距離前方の地点(例えば自車両が走行中の車線上で、所定距離前方の車線中央位置等)であっても良い。
自動運転レイヤ30は、走行経路を走行する自車両1の目標走行軌道、すなわち自車両1の現在位置から目的地までの道路上の走行軌道を、自動運転レイヤ30からの指示入力である自動運転入力(AD入力)として生成する。
仲裁部31は、運転者によるステアリングホイール、アクセル及びブレーキの操作入力である手動運転入力(MD入力)と、自動運転レイヤ30からの自動運転入力とを仲裁し、自車両1が行うべき車両運動を設定する。
規範モデル部32は、仲裁部31が設定した車両運動を自車両1が実現するための自車両1の車体挙動を計算するために用いる車両運動モデルのパラメータ(例えばヨー慣性モーメント、車輪2のコーナリングスティフネス等)を設定する。
車体挙動制御部33は、規範モデル部32によって設定された車両運動モデルに基づいて、仲裁部31が設定した車両運動を実現するための車体挙動(例えば、車速、加減速、ヨーレイト、ヨー角加速度、ヨーモーメント等)を算出する。
車輪挙動制御部34は、車体挙動制御部33が算出した車体挙動を自車両1に発生させるための車輪2の制御量(転舵角、制動量、駆動量等)を算出し、アクチュエータ18により車輪挙動を制御する。
例えば、自動運転レイヤ30の機能は、図1に示す自動運転制御部20が担い、仲裁部31の機能は入力仲裁部21が担い、規範モデル部32、車体挙動制御部33及び車輪挙動制御部34の機能は、車両制御部22が担ってよい。
次に、図3を参照して自動運転制御部20の機能構成の一例を説明する。自動運転制御部20は、定位部(Localization)40と、目的地設定部41(Destination Setting)と、経路計画部(Route Planning)42と、行動決定部(Decision Making)43と、運転ゾーン計画部(Drive Zone Planning)44と、軌道生成部(Trajectory)45を備える。
定位部40は、物体センサ11の検出信号に基づいて自車両1の周囲環境を認識する。定位部40は、認識結果と地図データベース14の高精度地図との間のマップマッチングにより、高精度地図上の自車両1の現在位置を判断する。
また、周囲環境の認識結果に基づいて、自車両1の周囲環境のモデルであるローカルモデル(Local Model)47が生成される。さらに、ローカルモデル47と、高精度地図と、ナビゲーション装置15の道路情報や交通情報とを融合することによって、ワールドモデル(World Model)46が生成される。
目的地設定部41は、ナビゲーション装置15を介した運転者の操作入力に基づいて自車両1の目的地を設定する。
経路計画部42は、ナビゲーション装置15の道路情報に基づいて、現在位置から目的地までの予定走行経路を演算する。なお、予定走行経路はこれに限らず、例えば現在位置から自車両所定距離前方までの予定経路であってもよい。あるいは、ナビゲーション装置15の道路情報を用いずに、自車両前方をカメラ等で撮像し、撮像した画像から検出した自車両所定距離前方までの予定経路であってもよい。
行動決定部43は、周囲環境の認識結果と、自車両1の現在位置と、ワールドモデル46と、予定走行経路とに基づいて、走行支援装置10により実行する自車両1の運転行動計画を決定する。
運転行動には、例えば、自車両1の停止、一時停止、走行速度、減速、加速、進路変更、右折、左折、直進、合流区間や複数車線における車線変更、車線維持、追越、障害物への対応などの行動が含まれる。
行動決定部43は、自車両1の現在位置及び姿勢と、自車両1の周囲環境と、ワールドモデル46とに基づいて、自車両1の運転行動計画を生成する。
運転ゾーン計画部44は、生成した運転行動計画と、自車両1の運動特性、ローカルモデル47に基づいて、自車両1を走行させることができる領域である運転ゾーンを算出する。
軌道生成部45は、運転ゾーン計画部44が算出した運転ゾーン内を自車両1が走行するように、自車両1の目標走行軌道を生成する。
図1を参照する。入力仲裁部21は、自動運転制御部20が設定した目標走行軌道の自動運転入力と運転者による手動運転入力とを仲裁して、自車両1が行うべき車両運動を設定する。
車両制御部22は、入力仲裁部21により設定された車両運動を実現するように自車両1の挙動を制御する。
次に、車両制御部22による車速制御について説明する。自車両1が目標走行軌道に追従して走行するには、自車両1の重心位置における横加速度によって、車輪2の摩擦力が摩擦限界を超えないように目標車速を設定する必要がある。
さらに、前輪2Fの摩擦限界と後輪2Rの摩擦限界の大きさは、自車両1の加減速に伴う荷重変動によって変化するため、前輪2F及び後輪2Rに発生する摩擦力が、前輪2F及び後輪2Rの摩擦限界をそれぞれ超えないよう目標車速を設定する必要がある。
例えば、減速しながら旋回する走行シーンの場合には、前輪2Fに大きな制動力が発生するとともに、前輪2Fに大きな横力を発生させて車両を旋回させる。このため前輪2Fの摩擦力が飽和し易くなり、目標走行軌道への追従性の低下を招く虞がある。
そこで、車両制御部22は、前輪2F及び後輪2Rの各々の制動力と横力との合力と、前輪2F及び後輪2Rの各々の駆動力と横力との合力と、が摩擦限界を超えないように目標車速を制限する。
これにより、前輪2Fの摩擦力と後輪2Rの摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標車速を設定でき、目標走行軌道への追従性が向上する。
図4は、図1に示す車両制御部22の機能構成の一例のブロック図である。車両制御部22は、幾何学演算部50と、バックワード演算部51と、フォワード演算部52を備える。
幾何学演算部50は、図3の軌道生成部45が生成した目標走行軌道の旋回曲率ρと、最大許容横加速度として予め設定された最大横加速度設定値AyMaxとに基づいて、自車両1の重心の横加速度が最大横加速度設定値AyMaxを超えないように、自車両の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルVinを算出する。
例えば、目標走行軌道上の地点iにおける旋回曲率をρとすると、幾何学演算部50は、次式(1)に基づいて地点iにおける目標車速Vを設定してよい。
Figure 2023008219000002
図5(a)に、第1車速プロファイルVinの一例を示す。図において、横軸は自車両1の現在位置から目標走行軌道上の自車両前方の各地点までの走行距離を示し、縦軸は各地点における目標車速を示している。
なお、図5(a)の横軸の紙面上最も左側の地点は、自車両1の現在位置であり、最も右側の地点は、第1車速プロファイルVinが生成された目標走行軌道上の地点のうち自車両1から最も遠い地点(以下「最遠点」と表記する)である。図5(b)及び図5(c)でも同様である。
図4を参照する。バックワード演算部51は、目標走行軌道上の各地点において、自車両1の減速度に応じて前輪2F及び後輪2Rにかかる各々の荷重に基づいて、前輪2F及び後輪2Rの各々の制動力と横力との合力が摩擦限界を超えないバックワード最大速度を算出する。
バックワード演算部51は、第1車速プロファイルVinをバックワード最大速度で制限することにより、第2車速プロファイルVを設定する。
図5(b)に、第2車速プロファイルVの一例を示す。
ここで、摩擦限界による制限によって地点iにおける第1車速プロファイルVinの目標車速Vin(i)から、前方の地点(i+1)における目標車速Vin(i+1)まで減速できないと、車速が第1車速プロファイルVinを超えてしまい目標走行軌道に沿って走行できなくなる。
そこでバックワード演算部51は、注目地点iより前方の地点(i+1)における目標車速Vin(i+1)に基づいて、注目地点iの目標車速Vin(i)を制限する。
具体的には、地点(i+1)における目標車速Vin(i+1)と旋回曲率ρ(i+1)とに基づいて、地点(i+1)において自車両1に許容される最大減速度A(i+1)を算出する。
そして、地点(i+1)における最大減速度A(i+1)に応じて前輪2F及び後輪2Rにかかる各々の荷重に基づいて、注目地点iにおいて前輪2F及び後輪2Rの制動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度をバックワード最大速度として算出し、注目地点iにおける第1車速プロファイルVinの目標車速をバックワード最大速度で制限する。この演算を、最遠点から自車両1の現在位置に向かって注目地点iを後方に1つずつ移動させながら反復する。
図4を参照する。フォワード演算部52は、目標走行軌道上の各地点において、自車両1の加速度に応じて前輪2F及び後輪2Rにかかる各々の荷重に基づいて、前輪2F及び後輪2Rの各々の駆動力と横力との合力が摩擦限界を超えないフォワード最大速度を算出する。
フォワード演算部52は、第2車速プロファイルVをフォワード最大速度で制限することにより、第3車速プロファイルVoutを設定する。
車両制御部22は、第3車速プロファイルVoutに基づいてアクチュエータ18のアクセル開度アクチュエータと、ブレーキ制御アクチュエータとを駆動することにより、自車両1の速度を制御する。
フォワード演算部52は、バックワード演算部51とは反対に自車両1の現在位置から最遠点に向かって、注目地点iを前方に1つずつ移動させながら演算する。すなわち、注目地点iより1つ後方の地点(i-1)における目標車速Vin(i-1)と旋回曲率ρ(i-1)とに基づいて、地点(i-1)において自車両1に許容される最大加速度A(i-1)を算出する。
そして、地点(i-1)における最大加速度A(i-1)に応じて前輪2F及び後輪2Rにかかる各々の荷重に基づいて、注目地点iにおいて前輪2F及び後輪2Rの駆動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度をフォワード最大速度として算出し、注目地点iにおける第2車速プロファイルVの目標車速をフォワード最大速度で制限する。
なお、図4及び図5(a)~図5(c)の例では、バックワード演算部51が、第1車速プロファイルVinを制限することにより第2車速プロファイルVを設定し、フォワード演算部52が、第2車速プロファイルVを制限することにより第3車速プロファイルVoutを設定したが、これに代えて、フォワード演算部52が第1車速プロファイルVinを制限して第2車速プロファイルVを設定し、バックワード演算部51が第2車速プロファイルVを制限して第3車速プロファイルVoutを設定してもよい。
次に、バックワード演算部51及びフォワード演算部52の詳細を説明する。図6は、バックワード演算部51の機能構成の一例のブロック図である。
バックワード演算部51は、最初の注目地点iとして、最遠点より一つ後方の地点を設定し、注目地点iを自車両1の現在位置まで後方に1つずつ順次移動させながら、注目地点iにおける最大減速度A(i)と目標車速VTar(i)を各々算出する。
バックワード演算部51は、最大速度演算部51aと、セレクタ51b及び51kと、荷重演算部51cと、目標横力演算部51dと、最大横力演算部51eと、目標縦力演算部51hと、最大縦力演算部51iと、最大加減速度演算部51jと、を備える。
最大速度演算部51aは、最初の注目地点iにおける演算では、注目地点iよりも一つ前方の地点(i+1)の目標車速VTar(i+1)として、最遠点の第1車速プロファイルVinの目標車速を設定し、地点(i+1)の最大減速度A(i+1)として、最大許容減速度として予め設定された最大減速度設定値AxMaxを設定する。
2個目以降の注目地点iにおける演算では、前回の注目地点(すなわち地点(i+1))で演算された、目標車速VTar(i+1)及び最大減速度A(i+1)を入力する。
最大速度演算部51aは、前回の地点(i+1)の目標車速VTar(i+1)と最大減速度A(i+1)に応じて、次式(2)の速度制限値を設定する。
Figure 2023008219000003
式(2)のΔs(i)は、注目地点iと地点(i+1)との間の距離である。
セレクタ51bは、注目地点iにおける第1車速プロファイルVinの目標車速Vin(i)を、次式(3)に従って制限することにより、注目地点iにおける目標車速VTar(i)を設定する。
Figure 2023008219000004
バックワード演算部51は、目標車速VTar(i)を注目地点iにおける第2車速プロファイルVの目標車速V(i)として出力する。
荷重演算部51cは、次式(4)及び(5)に基づいて、一つ前方の地点(i+1)の最大減速度A(i+1)に応じて、自車両1の車体のピッチ運動に基づく前輪2Fの荷重である前輪荷重Fz(i)と、後輪2Rの荷重である後輪荷重Fz(i)を算出する。
Figure 2023008219000005
上式(4)及び(5)におけるmは自車両1の質量であり、gは重力加速度であり、lはホイールベース長であり、lは車両重心から前輪軸までの長さであり、lは車両重心から後輪軸までの長さあり、κは、車両諸元に応じて定まる荷重パラメータであり、左辺第1項及び第2項は、それぞれ静荷重と動荷重を表す。
目標横力演算部51dは、次式(6)及び(7)に基づいて、注目地点iにおける目標車速VTar(i)と目標走行軌道の旋回曲率ρ(i)とに応じて、前輪2Fに発生させるべき目標横力である前輪目標横力FyReqF(i)と、後輪2Rに発生させるべき目標横力である後輪目標横力FyReqR(i)をそれぞれ算出する。
Figure 2023008219000006
上式(6)及び(7)におけるIzは自車両1の慣性モーメントであり、γ'(i)は目標車速VTar(i)と旋回曲率ρ(i)とに応じたヨー角加速度である。
最大横力演算部51eは、次式(8)及び(9)に基づいて、前輪荷重Fz(i)と、後輪荷重Fz(i)と、目標車速VTar(i)と、最大横加速度設定値AyMaxと、最大許容ヨーレイトとして予め設定された最大ヨーレイト設定値γMaxと、に基づいて、前輪2Fに発生させてよい最大横力である前輪最大横力FyMaxF(i)と、後輪2Rに発生させてよい最大横力である後輪最大横力FyMaxR(i)をそれぞれ算出する。
Figure 2023008219000007
上式(8)及び(9)におけるμは路面の摩擦係数である。
目標縦力演算部51hは、次式(10)に基づいて、最大減速度設定値AxMaxと、前輪目標横力FyReqF(i)と、後輪目標横力FyReqR(i)と、前輪最大横力FyMaxF(i)と、後輪最大横力FyMaxR(i)に応じて、自車両1に発生させるべき目標縦力FxReq(i)を算出する。
Figure 2023008219000008
上式(10)における目標横力FyReqは、自車両1の車体の重心の目標横力であり、FyReq=FyReqF(i)+FyReqR(i)である。同様に、最大横力FyMaxは、自車両1の車体の重心に発生させてよい最大横力であり、FyMax=FyMaxF(i)+FyMaxR(i)である。
上式(8)及び(9)に示すように、FyMaxF(i)、FyMaxR(i)は、前輪2F及び後輪2Rの摩擦円の大きさμFx(i)、μFx(i)で制限される。
したがって上式(10)は、前輪荷重Fz(i)及び後輪荷重Fz(i)に応じた車体全体の摩擦円と、前輪目標横力FyReqF(i)及び後輪目標横力FyReqR(i)と、により最大減速度設定値AxMaxに対応する縦力mAxMaxを制限することによって目標縦力FxReq(i)を求めている。
目標縦力演算部51hは、次式(11)及び(12)に基づいて、目標縦力FxReq(i)を前輪2F及び後輪2Rのブレーキ配分比κ:(1-κ)に基づいて配分することにより、前輪2Fに発生させるべき目標縦力である前輪目標縦力FxReqF(i)と、後輪2Rに発生させるべき目標横力である後輪目標縦力FxReqR(i)をそれぞれ算出する。
Figure 2023008219000009
最大縦力演算部51iは、前輪荷重Fz(i)及び後輪荷重Fz(i)に応じた前輪2F及び後輪2Rのそれぞれの摩擦円と、前輪最大横力FyMaxF(i)と、後輪最大横力FyMaxR(i)に基づいて、前輪2Fに発生させてよい最大縦力である前輪最大縦力FxMaxF(i)と、後輪2Rに発生させてよい最大縦力である後輪最大縦力FxMaxR(i)とをそれぞれ算出する。
具体的には、最大縦力演算部51iは、次式(13)及び(14)に基づいて、前輪最大縦力FxMaxF(i)と後輪最大縦力FxMaxR(i)を算出する。
Figure 2023008219000010
最大加減速度演算部51jは、前輪目標縦力FxReqF(i)と前輪最大縦力FxMaxF(i)のうち小さい値min(FxReqF(i),FxMaxF(i))と、後輪目標縦力FxReqR(i)と後輪最大縦力FxMaxR(i)のうち小さい値min(FxReqR(i),FxMaxR(i))と、を最大横力に対する目標横力の比FyReqF(i)/FyMaxF(i)、FyReqR(i)/FyMaxR(i)でそれぞれ制限し、これらの和を、前輪2F及び後輪2Rの摩擦力が摩擦限界を超えない最大縦力FxMax(i)として算出する(次式(15))。
Figure 2023008219000011
セレクタ51kは、最大縦力FxMax(i)により生じる減速度(FxMax(i)/m)と最大減速度設定値AxMaxのうちいずれか小さい方を、注目地点iにおける最大減速度A(i)として、最大速度演算部51a及び荷重演算部51cへ出力する。以上により注目地点iについての演算が完了する。
その後、注目地点iを1つ後方に移動させて、次の注目地点iについての演算を開始すると、前回の注目地点(すなわち地点(i+1))において演算された最大減速度A(i+1)は、新しい注目地点iにおける目標車速VTar(i)と最大減速度A(i)の演算に使用される。
図7は、フォワード演算部52の機能構成の一例のブロック図である。
フォワード演算部52は、最初の注目地点iとして、自車両1の現在位置より一つ前方の地点を設定し、注目地点iを最遠点まで前方に1つずつ順次移動させながら、注目地点iにおける最大加速度A(i)と目標車速VTar(i)を各々算出する。
フォワード演算部52は、最大速度演算部52aと、セレクタ52b及び52kと、荷重演算部52cと、目標横力演算部52dと、最大横力演算部52eと、目標縦力演算部52hと、最大縦力演算部52iと、最大加減速度演算部52jと、を備える。
最大速度演算部52aは、最初の注目地点iにおける演算では、注目地点iよりも一つ後方の地点(i-1)の目標車速VTar(i-1)として、自車両1の現在位置の第1車速プロファイルVinの目標車速を設定し、地点(i-1)の最大加速度A(i-1)として、最大許容加速度として予め設定された最大加速度設定値AxMaxを設定する。
2個目以降の注目地点iにおける演算では、前回の地点(すなわち地点(i-1))で演算された、目標車速VTar(i-1)及び最大加速度A(i-1)を入力する。
最大速度演算部52aは、前回の地点(i-1)の目標車速VTar(i-1)と最大加速度A(i-1)に応じて、次式(16)の速度制限値を設定する。
Figure 2023008219000012
式(16)のΔs(i)は、注目地点iと地点(i-1)との間の距離である。
セレクタ52bは、注目地点iにおける第1車速プロファイルVinの目標車速Vin(i)を、次式(17)に従って制限することにより、注目地点iにおける目標車速VTar(i)を設定する。
Figure 2023008219000013
フォワード演算部52は、目標車速VTar(i)を注目地点iにおける第3車速プロファイルVoutの目標車速Vout(i)として出力する。
荷重演算部52cは、次式(18)及び(19)に基づいて、一つ前方の地点(i-1)の最大加速度A(i-1)に応じて、自車両1の車体のピッチ運動に基づく前輪2Fの荷重である前輪荷重Fz(i)と、後輪2Rの荷重である後輪荷重Fz(i)を算出する。
Figure 2023008219000014
フォワード演算部52の目標横力演算部52d、最大横力演算部52e、目標縦力演算部52h、最大縦力演算部52i、最大加減速度演算部52j、セレクタ52kの機能は、バックワード演算部51の目標横力演算部51d、最大横力演算部51e、目標縦力演算部51h、最大縦力演算部51i、最大加減速度演算部51j、セレクタ51kの機能と同様である。但しバックワード演算部51の説明中の「最大減速度A」、「最大減速度設定値AxMax」、「ブレーキ配分比」を、それぞれ「最大加速度A」、「最大加速度設定値AxMax」、「駆動力配分比」と読み替える。
(動作)
図8は、実施形態の車速制御方法の一例の説明図である。ステップS1において幾何学演算部50は、自車両の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルVinを算出する。
ステップS2においてバックワード演算部51は、減速時に摩擦限界を超えないように第1車速プロファイルVinを制限することにより、第2車速プロファイルVを設定する。
図9は、図8のステップS2の処理の一例のフローチャートである。ここでは、最遠点の1つ後方の地点から自車両1の現在位置に向かって、注目地点iを後方に1つずつ移動させながら、ステップS10~S16の処理を反復する。
ステップS10において最大速度演算部51aとセレクタ51bは、注目地点iよりも一つ前方の地点(i+1)の最大減速度A(i+1)に基づいて注目地点iにおける第1車速プロファイルVinの目標車速Vin(i)を制限して、第2車速プロファイルVの目標車速V(i)を算出する。
ステップS11において目標横力演算部51dは、前輪目標横力FyReqF(i)と後輪目標横力FyReqR(i)を算出する。
ステップS12において最大横力演算部51eは、前輪最大横力FyMaxF(i)と後輪最大横力FyMaxR(i)を算出する。
ステップS13において目標縦力演算部51hは、前輪目標縦力FxReqF(i)と後輪目標縦力FxReqR(i)を算出する。
ステップS14において最大縦力演算部51iは、前輪最大縦力FxMaxF(i)と後輪最大縦力FxMaxR(i)とをそれぞれ算出する。
ステップS15において最大加減速度演算部51jは、前輪最大縦力FxMaxF(i)、後輪最大縦力FxMaxR(i)で前輪目標縦力FxReqF(i)、後輪目標縦力FxReqR(i)をそれぞれ制限して、前輪2F及び後輪2Rの摩擦力が摩擦限界を超えないで自車両1に発生できる最大縦力FxMax(i)を算出する。
ステップS16においてセレクタ51kは、最大縦力FxMax(i)により生じる減速度(FxMax(i)/m)を最大減速度設定値AxMaxで制限して、最大減速度A(i)を算出する。その後に処理は図8のステップS3へ進む。
図8を参照する。ステップS3においてフォワード演算部52は、加速時に摩擦限界を超えないように第2車速プロファイルVを制限することにより、第3車速プロファイルVoutを設定する。
フォワード演算部52の処理は、ステップS2におけるバックワード演算部51の処理と、下記の点(1)、(2)を除いて同様である。
(1)注目地点iを自車両1の現在位置の1つ前方の地点から最遠点まで前方に1つずつ移動させる。
(2)「最大減速度A」、「最大減速度設定値AxMax」、「ブレーキ配分比」を、それぞれ「最大加速度A」、「最大加速度設定値AxMax」、「駆動力配分比」と読み替える。
ステップS4において車両制御部22は、第3車速プロファイルVoutに基づいてアクチュエータ18を駆動することにより、自車両1の速度を制御する。その後に処理は終了する。
(実施形態の効果)
(1)コントローラ17は、自車両1の目標軌道を設定し、自車両1の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルを、自車両1の目標走行軌道上の各地点において自車両1の重心の横加速度が所定値以下となるように設定し、目標走行軌道上の各地点において、自車両1の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか一方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第1最大速度として算出し、目標走行軌道上の各地点の第1最大速度で第1車速プロファイルを制限することにより第2車速プロファイルを設定し、目標走行軌道上の各地点において、自車両1の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか他方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第2最大速度として算出し、目標走行軌道上の各地点の第2最大速度で第2車速プロファイルを制限することにより第3車速プロファイルを設定し、第3車速プロファイルに基づいて自車両1の車速を制御する。これにより、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように目標車速を設定できる。
(2)目標走行軌道上の自車両1前方の自車両1からより遠い地点とより近い地点をそれぞれ第1地点及び第2地点とするとき、コントローラ17は、第1地点における自車両1の目標車速に基づいて、第1地点において自車両1に許容される最大減速度を算出し、第1地点における最大減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、第2地点において前後輪の各々の制動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、速度上限値として算出し、制動力又は駆動力の何れか一方が制動力である場合に、第2地点における第1車速プロファイルの車速を速度上限値で制限して、第2地点における目標車速を求め、制動力又は駆動力の何れか他方が制動力である場合に、第2地点における第2車速プロファイルの車速を速度上限値で制限して、第2地点における目標車速を求めてよい。これにより、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように自車両1を減速させる目標車速を設定できる。
(3)コントローラ17は、第1地点における目標走行軌道の曲率と目標車速に基づいて、前後輪に発生させる各々の横力の目標値である目標横力を算出し、第1地点において自車両1に許容される最大減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重と、自車両1に許容される最大の横加速度及びヨーレイトとして予め設定された最大横加速度設定値と最大ヨーレイト設定値から、前後輪に発生可能な各々の横力の最大値である最大横力を算出し、目標横力と最大横力とに基づいて、第1地点における最大減速度を算出してよい。これにより、減速時に発生可能な最大横力と目標横力とに基づいて、自車両1に許容される最大減速度を算出できる。
(4)コントローラ17は、自車両1に許容される最大の減速度として予め設定された最大減速度設定値に対応する制動力を、前後輪の荷重に応じた摩擦円と、前後輪の各々の目標横力の和と、に基づいて制限して目標制動力を算出し、目標制動力を前後輪のブレーキ比に基づいて配分することにより、前後輪の各々の縦力の目標値である目標縦力を算出し、前後輪の荷重に応じた各々の摩擦円と前後輪の各々の最大横力とに基づいて前後輪に発生可能な各々の縦力の最大値である最大縦力を算出し、最大縦力で制限された前後輪の目標縦力を合計した和に応じて、自車両1に許容される最大減速度を算出してよい。これにより、前後輪の荷重に応じた摩擦円と、最大横力と目標横力とに基づいて、自車両1に許容される最大減速度を算出できる。
(5)目標走行軌道上の各地点のうち自車両1前方の自車両1により近い地点とより遠い地点をそれぞれ第1地点及び第2地点とするとき、コントローラ17は、第1地点における自車両1の目標車速に基づいて、第1地点において自車両1に許容される最大加速度を算出し、第1地点における最大加速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、第2地点において前後輪の各々の駆動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、速度上限値として算出し、制動力又は駆動力の何れか一方が駆動力である場合に、第2地点における第1車速プロファイルの車速を速度上限値で制限して、第2地点における目標車速を求め、制動力又は駆動力の何れか他方が駆動力である場合に、第2地点における第2車速プロファイルの車速を速度上限値で制限して、第2地点における目標車速を求めてよい。これにより、前輪の摩擦力と後輪の摩擦力とが摩擦限界を超えないように自車両1を加速させる目標車速を設定できる。
(6)第1地点における目標走行軌道の曲率と目標車速に基づいて、前後輪に発生させる各々の横力の目標値である目標横力を算出し、第1地点において自車両1に許容される最大加速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重と、自車両1に許容される最大の横加速度及びヨーレイトとして予め設定された最大横加速度設定値と最大ヨーレイト設定値から、前後輪に発生可能な各々の横力の最大値である最大横力を算出し、目標横力と最大横力とに基づいて、第1地点における最大加速度を算出してよい。これにより、加速時に発生可能な最大横力と目標横力とに基づいて、自車両1に許容される最大減速度を算出できる。
(7)コントローラ17は、自車両1に許容される最大の加速度として予め設定された最大加速度設定値に対応する駆動力を、前後輪の荷重に応じた摩擦円と、前後輪の各々の目標横力の和と、に基づいて制限して目標駆動力を算出し、目標駆動力を前後輪の駆動力配分比に基づいて配分することにより、前後輪の各々の縦力の目標値である目標縦力を算出し、前後輪の荷重に応じた各々の摩擦円と前後輪の各々の最大横力とに基づいて前後輪に発生可能な各々の縦力の最大値である最大縦力を算出し、最大縦力で制限された前後輪の目標縦力を合計した和に応じて、自車両1に許容される最大加速度を算出してよい。これにより、前後輪の荷重に応じた摩擦円と、最大横力と目標横力とに基づいて、自車両1に許容される最大加速度を算出できる。
22…車両制御部、50…幾何学演算部、51…バックワード演算部、51a、522a…最大速度演算部、51b、51k、52b、52k…セレクタ、51c、52c…荷重演算部、51d、52d…目標横力演算部、51e、52e…最大横力演算部、51h、52h…目標縦力演算部、51i、52i…最大縦力演算部、51j、52j…最大加減速度演算部

Claims (8)

  1. 自車両の目標軌道を設定し、
    前記自車両の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルを、前記自車両の目標走行軌道上の各地点において前記自車両の重心の横加速度が所定値以下となるように設定し、
    前記各地点において、前記自車両の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか一方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第1最大速度として算出し、
    前記各地点の前記第1最大速度で前記第1車速プロファイルを制限することにより第2車速プロファイルを設定し、
    前記各地点において、前記自車両の加減速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか他方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第2最大速度として算出し、
    前記各地点の前記第2最大速度で前記第2車速プロファイルを制限することにより第3車速プロファイルを設定し、
    前記第3車速プロファイルに基づいて前記自車両の車速を制御する、
    ことを特徴とする車速制御方法。
  2. 前記目標走行軌道上の前記各地点のうち前記自車両前方の前記自車両からより遠い地点とより近い地点をそれぞれ第1地点及び第2地点として、前記第1地点における前記自車両の目標車速に基づいて、前記第1地点において前記自車両に許容される最大減速度を算出し、
    前記第1地点における前記最大減速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記第2地点において前記前後輪の各々の制動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、速度上限値として算出し、
    制動力又は駆動力の前記何れか一方が制動力である場合に、前記第2地点における前記第1車速プロファイルの車速を前記速度上限値で制限して、前記第2地点における目標車速を求め、
    制動力又は駆動力の前記何れか他方が制動力である場合に、前記第2地点における前記第2車速プロファイルの車速を前記速度上限値で制限して、前記第2地点における目標車速を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車速制御方法。
  3. 前記第1地点における前記目標走行軌道の曲率と目標車速に基づいて、前記前後輪に発生させる各々の横力の目標値である目標横力を算出し、
    前記第1地点において前記自車両に許容される最大減速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重と、前記自車両に許容される最大の横加速度及びヨーレイトとして予め設定された最大横加速度設定値と最大ヨーレイト設定値から、前記前後輪に発生可能な各々の横力の最大値である最大横力を算出し、
    前記目標横力と前記最大横力とに基づいて、前記第1地点における前記最大減速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車速制御方法。
  4. 前記自車両に許容される最大の減速度として予め設定された最大減速度設定値に対応する制動力を、前記前後輪の荷重に応じた摩擦円と、前記前後輪の各々の前記目標横力の和と、に基づいて制限して目標制動力を算出し、
    前記目標制動力を前記前後輪のブレーキ比に基づいて配分することにより、前記前後輪の各々の縦力の目標値である目標縦力を算出し、
    前記前後輪の荷重に応じた各々の摩擦円と前記前後輪の各々の前記最大横力とに基づいて前記前後輪に発生可能な各々の縦力の最大値である最大縦力を算出し、
    前記最大縦力で制限された前記前後輪の前記目標縦力を合計した和に応じて、前記自車両に許容される前記最大減速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の車速制御方法。
  5. 前記目標走行軌道上の前記各地点のうち前記自車両前方の前記自車両により近い地点とより遠い地点をそれぞれ第1地点及び第2地点として、前記第1地点における前記自車両の目標車速に基づいて、前記第1地点において前記自車両に許容される最大加速度を算出し、
    前記第1地点における前記最大加速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記第2地点において前記前後輪の各々の駆動力と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、速度上限値として算出し、
    制動力又は駆動力の前記何れか一方が駆動力である場合に、前記第2地点における前記第1車速プロファイルの車速を前記速度上限値で制限して、前記第2地点における目標車速を求め、
    制動力又は駆動力の前記何れか他方が駆動力である場合に、前記第2地点における前記第2車速プロファイルの車速を前記速度上限値で制限して、前記第2地点における目標車速を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車速制御方法。
  6. 前記第1地点における前記目標走行軌道の曲率と目標車速に基づいて、前記前後輪に発生させる各々の横力の目標値である目標横力を算出し、
    前記第1地点において前記自車両に許容される最大加速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重と、前記自車両に許容される最大の横加速度及びヨーレイトとして予め設定された最大横加速度設定値と最大ヨーレイト設定値から、前記前後輪に発生可能な各々の横力の最大値である最大横力を算出し、
    前記目標横力と前記最大横力とに基づいて、前記第1地点における前記最大加速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の車速制御方法。
  7. 前記自車両に許容される最大の加速度として予め設定された最大加速度設定値に対応する駆動力を、前記前後輪の荷重に応じた摩擦円と、前記前後輪の各々の前記目標横力の和と、に基づいて制限して目標駆動力を算出し、
    前記目標駆動力を前記前後輪の駆動力配分比に基づいて配分することにより、前記前後輪の各々の縦力の目標値である目標縦力を算出し、
    前記前後輪の荷重に応じた各々の摩擦円と前記前後輪の各々の前記最大横力とに基づいて前記前後輪に発生可能な各々の縦力の最大値である最大縦力を算出し、
    前記最大縦力で制限された前記前後輪の前記目標縦力を合計した和に応じて、前記自車両に許容される前記最大加速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の車速制御方法。
  8. 自車両の駆動力を発生させる駆動装置と、
    前記自車両の制動力を発生させる制動装置と、
    前記自車両の目標走行軌道を設定し、前記自車両の目標車速のプロファイルである第1車速プロファイルを、自車両の目標走行軌道上の各地点において前記自車両の重心の横加速度が所定値以下となるように設定し、前記各地点において、前記自車両の加減速度に応じて前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか一方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第1最大速度として算出し、前記各地点の前記第1最大速度で前記第1車速プロファイルを制限することにより第2車速プロファイルを設定し、前記各地点において、前記自車両の加減速度に応じて前記前後輪にかかる各々の荷重に基づいて、前記前後輪の各々の制動力又は駆動力の何れか他方と横力との合力が摩擦限界を超えない最大速度を、第2最大速度として算出し、前記各地点の前記第2最大速度で前記第2車速プロファイルを制限することにより第3車速プロファイルを設定し、前記第3車速プロファイルに基づいて前記駆動装置又は前記制動装置の少なくとも一方を制御するコントローラと
    を備えることを特徴とする車速制御装置。
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