JP2023008149A - 蓄電装置、組電池の異常検出方法 - Google Patents

蓄電装置、組電池の異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルの異常劣化を検出する。【解決手段】蓄電装置50は、直列に接続された複数セル62A~62Dと、前記複数セルのセル電圧を放電により均等化するバランサ65と、制御装置130と、を備える。前記制御装置130は、充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行された前記バランサ65のバランス放電量をセル62A~62Dごとに蓄積し、所定期間のバランス放電量の累積値である累積放電量が、他セル62よりも所定値以上大きいセル62を、異常劣化していると判断する。【選択図】図12

Description

本発明は、セルの異常劣化を検出する技術に関する。
自動車等に搭載される蓄電装置において、充電に伴う金属の析出等の要因によってセルが異常劣化した場合、入出力特性や充電容量の低下など電池性能の低下を引き起こす。そのため、異常劣化セルの検出を行う必要がある。
特許文献1は、短絡バッテリセルでは内部短絡によって持続的な放電が行われて、セルバランシングが行われないことに着目して、セルバランシング放電容量が小さいセルを短絡バッテリセルと判断している。具体的には、各バッテリセルについて、以下の条件を判断し、条件を満たす場合、短絡バッテリセルと判断している(段落49~52)。
CB_max-CB_n>REF
CB_maxはセルバランシング放電容量の最大値、CB_nは各セルのセルバランシング放電容量、REFは基準値である。
特開2011-155825号公報
充電中のセル電圧が、セルの劣化により、充電状態(SOC)低い領域で上昇する場合がある。
本発明の一態様は、セルの異常劣化を検出する、ことを課題とする。
蓄電装置は、直列に接続された複数セルと、前記複数セルのセル電圧を放電により均等化するバランサと、制御装置と、を備える。
前記制御装置は、充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行された前記バランサのバランス放電量をセルごとに蓄積し、所定期間のバランス放電量の累積値である累積放電量が、他セルよりも所定値以上大きいセルを、異常劣化していると判断する。
本技術は、組電池の異常検出方法や、組電池の異常検出プログラムにも適用することが出来る。
本技術は、セルの異常劣化により電池性能の低下した蓄電装置の使用を抑制することができる。
車両の側面図 バッテリの分解斜視図 セルの平面図 図3のA-A線断面図 バッテリの電気的構成を示すブロック図 バランサの回路図 セルの容量-OCVの相関性を示すグラフ 劣化前後のセルの容量-OCVの相関性を示すグラフ 劣化セルを含むバッテリにおいて充電中のセル電圧の変化を示すグラフ 劣化セルを含むバッテリにおいて充電中のセル電圧の変化を示すグラフ 充電中のセル電圧の変化を示すグラフ 各セルの累積放電量を示すグラフ 異常劣化セルの検出フロー
蓄電装置の概要を説明する。
蓄電装置は、直列に接続された複数セルと、前記複数セルのセル電圧を放電により均等化するバランサと、制御装置と、を備える。
前記制御装置は、充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行された前記バランサのバランス放電量をセルごとに蓄積し、所定期間のバランス放電量の累積値である累積放電量が、他セルよりも所定値以上大きいセルを、異常劣化していると判断する。
充電中のセル電圧が劣化により低い容量で上昇する場合、複数セル内に劣化セルが含まれていると、劣化セルにおけるバランサの動作頻度は、他セルに比べて、増加する。そのため、所定期間の累積放電量(バランサによるバランス放電量の累積値)を、他セルと比較し、所定値以上大きいセルは、異常劣化していると判断することが出来る。追加のハードウェアを必要とすることなく、セルの異常劣化を検出できる。
この構成では、セルの異常劣化を外部に知らせることが可能となり、電池性能の低下した蓄電装置の使用を抑制することができる。
前記制御装置は、所定期間の最大累積放電量を示すセルについて平均累積放電量に対する差分を算出し、累積放電量の差分が閾値より大きい場合、最大累積放電量を示すセルを異常劣化していると判断してもよい。累積放電量の差分が閾値より大きい場合、最大累積放電量を示すセルは、累積放電量の平均的な範囲から外れており、異常劣化の可能性が高い。この構成では、異常劣化したセルを、精度よく検出することが出来る。
蓄電装置は車載用(例えば自動車用又は鉄道車両などの産業車両用)であってもよい。車載用の蓄電装置は、車両の走行中、頻繁に充電の機会がある。そのため、複数セルに劣化セルが含まれていた場合、劣化セルにおけるバランサの動作回数が増え、累積放電量に差が生じやすい。そのため、異常劣化セルを精度よく検出することが出来る。また、充電頻度が多いことから、判断のための所定期間を短く設定することが可能であり、異常劣化セルの早期検出が期待できる。
<実施形態>
1.バッテリ50の説明
図1に示すように、車両10には、エンジン20と、エンジン20の始動等に用いられるバッテリ50とが搭載されている。バッテリ50は「蓄電装置」の一例である。車両10には、エンジン20(内燃機関)に代えて、車両駆動用の蓄電装置や、燃料電池が搭載されていてもよい。
図2に示すように、バッテリ50は、組電池60と、回路基板ユニット105と、収容体71を備える。収容体71は、合成樹脂材料からなる本体73と蓋体74とを備える。本体73は有底筒状であり、底面部75と、4つの側面部76と、を備える。4つの側面部76によって、本体73の上端に開口部77が形成されている。
収容体71は、組電池60と回路基板ユニット105を収容する。回路基板ユニット105は、回路基板100上に各種部品(電流遮断装置53、図5に示す電流検出部54や管理装置130等)を搭載した基板ユニットであり、図2に示すように組電池60の、例えば上方に隣接して配置されている。代替的に、回路基板ユニット105は、組電池60の側方に隣接して配置されていてもよい。
蓋体74は、本体73の開口部77を閉鎖する。蓋体74の周囲には外周壁78が設けられている。蓋体74は、平面視略T字形の突出部79を有する。蓋体74の前部のうち、一方の隅部に正極の外部端子51が固定され、他方の隅部に負極の外部端子52が固定されている。回路基板ユニット105は、収容体71の本体73に代えて、蓋体74内に(例えば突出部79内に)収容されていてもよい。
組電池60は、複数のセル62から構成されている。図4に示すように、セル62は、直方体形状(プリズマティック)のケース82に電極体83を非水電解質と共に収容したものである。セル62は、例えばリチウムイオン二次電池セルである。ケース82は、ケース本体84と、その上方の開口部を閉鎖する蓋85とを有している。
電極体83は、詳細は図示しないが、銅箔からなる基材に活物質を塗布した負極板と、アルミニウム箔からなる基材に活物質を塗布した正極板との間に、多孔性の樹脂フィルムからなるセパレータを配置したものである。これらはいずれも帯状で、セパレータに対して負極板と正極板とを幅方向の反対側にそれぞれ位置をずらした状態で、ケース本体84に収容可能となるように扁平状に巻回されている。電極体83は、巻回タイプのものに代えて、積層タイプのものであってもよい。
正極板には正極集電体86を介して正極端子87が、負極板には負極集電体88を介して負極端子89がそれぞれ接続されている。正極集電体86及び負極集電体88は、平板状の台座部90と、この台座部90から延びる脚部91とを有する。台座部90には貫通孔が形成されている。脚部91は正極板又は負極板に接続されている。
正極端子87及び負極端子89は、端子本体部92と、その下面中心部分から下方に突出する軸部93とからなる。正極端子87の端子本体部92と軸部93とは、アルミニウム(単一材料)によって一体成形されている。負極端子89においては、端子本体部92がアルミニウム製で、軸部93が銅製であり、これらが組み付けられている。正極端子87及び負極端子89の端子本体部92は、蓋85の両端部に絶縁材料からなるガスケット94を介して配置され、図3に示すように、このガスケット94から外方へ露出されている。
蓋85は、圧力開放弁95を有している。圧力開放弁95は、正極端子87と負極端子89の間に位置している。圧力開放弁95は、安全弁である。圧力開放弁95は、ケース82の内圧が制限を超えた場合に、開放して、ケース82の内圧を下げる。
図5は、バッテリ50の電気的構成を示すブロック図である。バッテリ50は、組電池60と、電流検出部54と、電流遮断装置53と、バランサ65と、電圧検出部110と、温度センサ58と、管理装置130と、を備える。
バッテリ50には、車両ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)140と、エンジン20の動力により発電する発電機であるオルタネータ150と、車載された電気負荷160と、が電気的に接続されている。車両ECU140は、車両10を制御する車両制御部である。車両ECU140は、オルタネータ150や電気負荷160を制御する。車両ECU140は、エンジン等の駆動系も制御してもよい。車両ECU140は1つに限らず、複数でもよい。
エンジン20の駆動中において、オルタネータ150の発電量が電気負荷160の電力消費量より大きい場合、バッテリ50はオルタネータ150により充電される。オルタネータ150の発電量が電気負荷160の電力消費量より小さい場合、バッテリ50は、その不足分を補うため、放電する。
エンジン20の停止中、オルタネータ150は発電を停止する。発電停止中、バッテリ50は、充電されない状態となり、車両ECU140や電気負荷160に対して放電のみ行う状態となる。
組電池60のセル62は、例えば12個あり(図2参照)、3並列で4直列に接続されている。図5は、並列に接続された3つのセル62を1つの電池記号で表している。セルは、プリズマティックセルに限定はされず、円筒型セルであってもよいし、ラミネートフィルムケースを有するパウチセルであってもよい。
組電池60、電流遮断装置53及び電流検出部54は、パワーライン55P、パワーライン55Nを介して、直列に接続されている。パワーライン55P、55Nは、銅などの金属材料からなる板状導体であるバスバーBSB(図2参照)を用いることが出来る。
図5に示すように、パワーライン55Pは、正極の外部端子51と組電池60の正極とを接続する。パワーライン55Nは、負極の外部端子52と組電池60の負極とを接続する。外部端子51、52は、バッテリ50の、車両10(電気負荷160)との接続用端子である。バッテリ50を、外部端子51、52を介してオルタネータ150や電気負荷160に電気的に接続することが出来る。
電流遮断装置53は、正極のパワーライン55Pに設けられている。電流遮断装置53は、FETなどの半導体スイッチでもよいし、機械式の接点を有するリレーでもよい。電流遮断装置53は、ラッチリレーなどの自己保持型スイッチであることが好ましい。電流遮断装置53は、ノーマリクローズタイプであり、正常時、クローズ状態に制御される。バッテリ50に何らかの異常があった場合、電流遮断装置53をクローズ状態からオープン状態に切り換えることで、組電池60の電流Iを遮断できる。
電流検出部54は、負極のパワーライン55Nに設けられている。電流検出部54は、シャント抵抗でもよい。抵抗式の電流検出部54は、電流検出部54の両端電圧Vrに基づいて、組電池60の電流Iを計測することができる。抵抗式の電流検出部54は、電圧Vrの極性(正負)から放電と充電を判別できる。代替的に、電流検出部54は、磁気センサでもよい。
電圧検出部110は、各セル62A~62Dの電圧Vsと、組電池60の総電圧Vabを検出することができる。温度センサ58は、組電池60に取り付けられており、組電池60あるいはその周囲の温度を検出する。
バランサ65は、セルの電圧Vsの均等化に用いられ、図6に示すように、4つのセル放電回路66A~66Dからなる。
各セル放電回路66A~66Dは、各セル62A~62Dに対して並列に接続されている。各セル放電回路66A~66Dは、放電抵抗67とスイッチ68から構成されている。スイッチ68をオンして、セル電圧Vsの高いセル62を放電することで、セル電圧Vsを均等化(以下、バランス動作)することが出来る。バランス動作は、セルの容量[Ah]、すなわち充電されている電気量の均等化であってもよい。
管理装置130は、回路基板100(図2参照)上に実装されており、図5に示すように、CPU131と、メモリ132と、通信部133を備える。管理装置130は、「制御装置」の一例である。
通信部133は、信号線を介して、車両ECU140に対して接続されており、車両ECU140と通信する。管理装置130は、車両ECU140から、車両10の動作状態(走行中、停車中、駐車中など)に関する信号を通信により受信できる。
管理装置130は、電圧検出部110、電流検出部54、温度センサ58の出力に基づいて、バッテリ50の状態を監視する。つまり管理装置130は、各セル62のセル電圧Vs、組電池60の温度、電流I、総電圧Vabを監視する。
メモリ132には、セル電圧Vsを均等化する均等化処理の実行プログラムや図13に示す異常劣化セルの検出フローの実行プログラム並びに、これらプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。
プログラムは、CD-ROM等の記録媒体に記憶して使用、譲渡、貸与等されてもよい。プログラムは、電気通信回線を用いて配信されてもよい。
2.セル62の容量-OCV特性
図7は、横軸を容量[Ah]、縦軸をOCV[V]とした、セル62の容量-OCV特性を示すグラフである。OCV(Open Circuit Voltage)は、分極の影響が無い、無電流又は無電流とみなせる時のセル電圧Vsであってもよい。無電流とみなせる場合とは、電流が所定値以下の場合である。
容量-OCV特性において、セル62は、プラトー領域F0、第1急変化領域F1及び第2急変化領域F2を有している。プラトー領域F0は、容量がY2(30%)~Y1(95%)の範囲である。プラトー領域F0は、容量変化に対するOCV変化が所定値以下であり、グラフがほぼ平坦な領域である。
第1急変化領域F1は、容量がY1以上の領域、第2急変化領域F2は、容量がY2以下の領域である。第1急変化領域F1と第2急変化領域F2はいずれも、プラトー領域F0と比較してグラフの傾きが大きく、容量変化に対してOCVが急激に変化する。
セル62は第1急変化領域F1を有しているため、充電末期の満充電付近(図7のA部)において、セル電圧Vsが急激に上昇する。またセル62は、第2急変化領域F2を有しているため、放電終期(図7のB部)において、セル電圧Vsが急激に低下する。
このような特性を有するセル62として、例えば正極活物質にLiFePO4(リン酸鉄リチウム)が含有され、負極活物質にGr(グラファイト)が含有されたLFP/Gr系の(所謂鉄系の)リチウムイオン二次電池がある。
図8は、セル62の劣化前後における容量-OCV特性を示すグラフであり、「L1」は正常セル(劣化前セル)62の特性を示し、「L2」は劣化セル62の特性を示す。
劣化セル62は、充電末期の満充電付近において、正常セル62と比較して、低い容量でOCVが急激に上昇する。そのため、組電池60の一部に、劣化セル62が含まれていると、組電池60の充電中、劣化セル62のセル電圧Vsが他セル62よりも先に上昇し、他セル62との間に電圧差が生じる。
管理装置130は、電圧検出部110の検出結果から各セル62のセル電圧Vsを常時監視しており、各セル62にセル電圧Vsの差が生じると、電圧の高いセル62をバランサ65により放電して、電圧差ΔVsを小さくする。
この実施形態では、4つのセル62のうち、セル電圧Vsが最も低いセル62を基準セルとして、他セル62との電圧差ΔVsを算出する。
電圧差ΔVsが閾値を超えた場合、管理装置130は、セル放電回路66を動作させて、そのセル62を放電する。セル62の放電により、基準セル62との電圧差を小さくして、閾値以下にすることが出来る。
尚、セル62の放電時間は、電圧差ΔVsに依存せず一定時間でもよいし、電圧差ΔVsに応じた時間でもよい。
図9、図10は、劣化セル62を含むバッテリ50において、充電中のセル電圧Vsの変化を示すグラフであり、図9はt0~t1までのセル電圧変化を示す。t0は充電開始時刻である。C0は充電開始時点(t0時点)のセル62の容量[Ah]、C1は劣化セルの満充電容量[Ah]、C2は正常セルの満充電容量[Ah]である。
t1は、劣化セル62が満充電容量C1に到達した時刻であり、満充電容量C2に未到達の正常セル62との間に電圧差(V1-V0)が生じている。
図10は、t1~t2までのセル電圧Vsの変化を示す。t1~t2の間、充電は継続し、バランサ65が劣化セル62を放電する。劣化セル62の放電により、容量差(C2-C1)がバランスする結果、正常セル62が満充電容量C2に到る時刻t2にて、正常セル62と劣化セル62のセル電圧Vsが、V1に揃う(図11参照)。
劣化セル62は他セル62と比較して、充電中のセル電圧Vsが低い容量で上昇し易く、所定期間内における、セル放電回路66の動作頻度が多い傾向となる。
従って、所定期間(例えば、1か月)の累積放電量Qが、他セル62よりも所定値以上大きいセル62を異常劣化していると判断することが出来る。
累積放電量Q[Ah]は、セル放電回路66によるバランス放電量[Ah]の累積値である。バランス放電量は、放電電流と放電時間の積により算出することが出来る。放電電流は、セル電圧Vsと放電抵抗67とから求めることが出来る。
図12は、セル62の累積放電量Qを比較したグラフである。図12の例であれば、セル62Aは、他セル62B~62Dに比べて、累積放電量Qが所定値以上多く、異常劣化している可能性が高い。
3.異常劣化セルの検出処理
以下、図13を参照しつつ、異常劣化セルの検出処理ついて、詳しく説明する。
異常劣化セルの検出フローは、S100~S170から構成されており、所定期間を1サイクルとして定期的に実行される。所定期間は、少なくとも数回以上のフル充電(満充電)の実施が見込まれる期間であり、この実施形態では1か月である。所定期間は1か月に限らず、例えば、タクシーなど走行頻度が高い車両は、1週間程度でもよい。
管理装置130は、異常劣化セルの検出フローがスタートすると、充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行されたバランサ65のバランス放電量[Ah]を、セル62ごとに蓄積し、そのデータを、メモリ132に保存する(S100)。
管理装置130は、バランス放電量の蓄積と並行して、所定期間において、正常セル間で発生する最大容量差Σq[Ah]を推定する(S110)。最大容量差Σqは「閾値」の一例である。
最大容量差Σqは、(a)~(c)の合計値により、算出することが出来る。
Σq=q1+q2+q3
(a)セル間の初期容量差q1
(b)劣化ばらつきに伴う、所定期間あたりのセル間の容量差q2
(c)自己放電量のばらつきに伴う、所定期間あたりのセル間の容量差q3
一例として、q1=500mAh、q2=700mAh、q3=300mAhであり、この場合、Σq=1500mAhである。q1、q2、q3は実験値や経験値を用いることが出来る。
管理装置130は、フローの開始から所定期間が経過すると、所定期間における各セル62のバランス放電量から累積放電量Q[Ah]を算出する。そして、各セル62の累積放電量Qを比較して、最大累積放電量Qmax[Ah]のセル62を特定する(S120)。
図12の例であれば、各セル62の累積放電量Qは、セル62Aが「1600mAh」、セル62Bが「5mAh」、セル62Cが「15mAh」、セル62Dが「13mAh」である。従って、管理装置130は、セル62Aを、最大累積放電量Qmaxのセルと特定する。
管理装置130は、S120で特性した最大累積放電量Qmaxのセル62を除外し、他セル62を対象として、平均累積放電量Qav[Ah]を算出する(S130)。
この例では、セル62Aを除外し、セル62B~62Dを対象として、平均累積放電量Qavが算出される。平均累積放電量Qavは、(5mAh+15mAh+13mAh)/3で、「11mAh」である。
管理装置130は、S120で算出した最大累積放電量QmaxからS130で算出した平均累積放電量Qavを減算して、差分ΔQ[Ah]を算出する(S140)。
ΔQ=Qmax-Qav
上記例では、Qmax=1600mAh、Qav=11mAhであることから、ΔQ=1589mAhである。
次に管理装置130は、S140で算出した差分ΔQと、S110で算出した最大容量差Σqを比較し、差分ΔQが最大容量差Σqより大きいか、判断する(S150)。
管理装置130は、ΔQ>Σqの場合、S120で特定したセル62を異常劣化していると判断する(S160)。一方、ΔQ≦Σqの場合、S120で特定したセル62を、正常と判断する(S170)する。
上記例では、ΔQ=1589mAh、Σq =1500mAhであり、ΔQ>Σqであることから、管理装置130は、セル62Aを、異常劣化していると判断する。
管理装置130は、異常劣化セル62を検出すると、車両ECU140に対して、バッテリ50の異常を伝える。
これにより、車両ECU140が、バッテリ交換を求める警告動作を行うことで、セル62の異常劣化により電池性能が低下したバッテリ50の早期交換を促すことが出来る。
4.効果説明
この構成では、セル62の異常劣化により電池性能の低下したバッテリ50の使用を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)セル(繰り返し充放電可能な蓄電セル)62は、リチウムイオン二次電池セルに限らず、他の非水電解質二次電池セルでもよい。二次電池セル62に代えて、キャパシタを用いることも出来る。セルは、充電中の電圧が、劣化により、劣化前よりも低い容量で上昇しやすい特性であれば、種類は問わない。また、劣化セルと正常セルの間で、電圧差が生じるポイントは、満充電付近以外でもよい。
(2)上記実施形態では、バッテリ50を車両10に搭載したが、船舶や航空機など車両以外の移動体に搭載してもよい。またバッテリ50や組電池の異常検出方法を、移動体に限らず、分散型発電システムにおける変動吸収用の蓄電装置やUPS(無停電電源装置)など、定置用途に用いてもよい。
(3)上記実施形態では、バランサ65を、抵抗放電式のセル放電回路66としたが、セル62を個別に放電可能な回路であれば、どのような回路でもよい。抵抗以外の回路素子を用いて、セル62を放電してよい。
(4)上記実施形態では、セル間の最大容量差を、初期容量差、劣化ばらつき、自己放電量のばらつき等を用いて推定した(S110)。セル間の最大容量差として、蓄電装置において許容可能な最大容量差を用いてもよい。許容可能な最大容量差とは、「電池の入出力特性や充電容量が低下し十分に性能が発揮できなくなるセル間の容量差」であり、環境温度やサイクル使用回数等の要因により決まる。
(5)上記実施形態では、最大累積放電量Qmaxと平均累積放電量Qavとの差分ΔQに基づいて、セル62の異常劣化を検出した。異常劣化は、別の方法で検出してもよい。例えば、累積放電量が1番目に大きいセルと2番目に大きいセルで比較し、1番目のセルが2番目のセルよりも、累積放電量が所定値以上大きい場合、1番目のセルを異常劣化していると判断してもよい。
(6)上記実施形態では、異常劣化セルを検出した場合、管理装置130は、車両ECU140に異常を伝え、バッテリ50の交換を促すようにした。この他にも、異常劣化セルの検出結果を、バッテリ50の充電制御や出力制御に反映させてもよい。つまり、制御装置130は、異常劣化セルを検出した場合、バッテリ50の充電電圧を下げる制御や、出力電流(放電電流)を制限する制御を行ってもよい。
10 車両
50 バッテリ(蓄電装置)
60 組電池
62 セル
65 バランサ
66 セル放電回路
130 管理装置(制御装置)

Claims (5)

  1. 蓄電装置であって、
    直列に接続された複数セルと、
    前記複数セルのセル電圧を放電により均等化するバランサと、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行された前記バランサのバランス放電量をセルごとに蓄積し、
    所定期間のバランス放電量の累積値である累積放電量が、他セルよりも所定値以上大きいセルを、異常劣化していると判断する、蓄電装置。
  2. 請求項1に記載の蓄電装置であって、
    前記制御装置は、所定期間の最大累積放電量を示すセルについて平均累積放電量に対する差分を算出し、累積放電量の差分が閾値より大きい場合、最大累積放電量を示すセルを異常劣化していると判断する、蓄電装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置であって、
    前記セルは充電中のセル電圧が、劣化により、劣化前よりも低い容量で上昇する、特性である、蓄電装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の車載用の蓄電装置。
  5. 組電池の異常検出方法であって、
    前記組電池は直列に接続された複数のセルを含み、
    充電中に発生するセル間の電圧差を解消するために実行されたバランサのバランス放電量をセルごとに蓄積し、
    所定期間のバランス放電量の累積値である累積放電量が、他セルよりも所定値以上大きいセルを、異常劣化していると判断する、組電池の異常検出方法。
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