JP2023008118A - 砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性が高く、被加工物に深い切削痕が形成されづらく、加工時に発生する熱を抑制可能な砥石を提供すること。【解決手段】複合砥粒を含有する砥石であって、前記複合砥粒は、第1の結合材に第1の砥粒が分散した第1の複合砥粒を含み、表面に開口する気孔を有するように、複数の前記複合砥粒が他の結合材により互いに結合している、砥石。前記複合砥粒は、さらに、第2の結合材によりゴム粒子の表面に第2の砥粒が固定された第2の複合砥粒を含んでいてもよく、その場合、前記第1の複合砥粒の含有量(A)および前記第2の複合砥粒の含有量(B)の合計量(A+B)に対する、前記第2の複合砥粒の含有量(B)の質量比(B/(A+B))が、0.8以下であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、砥石に関する。
砥石は、被加工物を研削研磨するための加工具として広く知られている。中でも、ゴム弾性を有する結合材中に、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭化ケイ素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)等からなる砥粒を分散させた弾性砥石が、被加工物の表面形状との馴染みがよい砥石として知られている。
弾性砥石は結合材が柔軟であるため、(1)被加工物の表面との接触時、砥粒が結合材に押し込まれて、砥粒が突出した状態での研削研磨がなされにくいこと、(2)砥粒に与えられる衝撃を結合材が吸収して、砥粒の破砕による切刃の新生が行われにくいこと、(3)これらを改善するため、摩耗しやすい結合材を用いた場合、多くの砥粒が研削研磨に寄与しないまま脱落してしまうこと、等の問題点を有する。これらの問題点により、ビトリファイド砥石やレジノイド砥石と比較し、弾性砥石は研削力が低く、また寿命が短いと考えられてきた。
上記問題点を解決するため、樹脂結合材を用いて複数の砥粒を結合し、塊状集合体とした「複合砥粒」を製造し、これを通常の砥粒の代わりに用いる方法が開発された。ゴム弾性を有する結合材中に、この複合砥粒を分散させることで、ピトリファイド砥石およびレジノイド砥石等と同等の研削力を有する弾性砥石を得ることができる(特許文献1参照)。
また、樹脂結合材を用いて表面に砥粒を結合させた複数の粉末状ゴム粒子を、気孔を有するように互いに結合させて成形した砥石を用いることで、優れた研削力と、精密かつ優美な仕上がり面とを両立可能であることが報告されている(特許文献2参照)。
さらに、セラミック質焼結剤等により複数の砥粒を結合させた、気孔を有する無機質複合砥粒を、スポンジ状の多孔性ゴム弾性配合物に一体に結合させた砥石について、屈曲面加工における馴染み性および研磨加工の均一性に優れることが報告されている(特許文献3参照)。
一方で、近年の被加工物の複雑高度化等を背景として、被加工物に深い切削痕が形成されづらく、かつ、加工時に発生する熱を抑制可能な砥石への需要が高まっている。特許文献2および特許文献3に開示された砥石は、被加工物への深い切削痕の形成されづらさ、および加工時に発生する熱の抑制性能に優れることが期待されるものの、特許文献2に開示された砥石については砥粒の脱落による性能低下が、特許文献3に開示された砥石については砥石自体の強度不足や耐摩耗性不足が、それぞれ懸念される。
特公昭48-8678号公報 特公昭52-3148号公報 特公昭63-17594号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐久性が高く、被加工物に深い切削痕が形成されづらく、加工時に発生する熱を抑制可能な砥石を提供することである。
本発明の各実施態様は以下の通りである。
[1]複合砥粒を含有する砥石であって、
前記複合砥粒は、第1の結合材に第1の砥粒が分散した第1の複合砥粒を含み、
表面に開口する気孔を有するように、複数の前記複合砥粒が他の結合材により互いに結合している、砥石。
[2]前記複合砥粒は、さらに、第2の結合材によりゴム粒子の表面に第2の砥粒が固定された第2の複合砥粒を含み、
前記第1の複合砥粒の含有量(A)および前記第2の複合砥粒の含有量(B)の合計量(A+B)に対する、前記第2の複合砥粒の含有量(B)の質量比(B/(A+B))が、0.8以下である、[1]の砥石。
[3]前記第2の複合砥粒は、粒径が0.1~5mmである、[2]の砥石。
[4]前記ゴム粒子は、JIS K6253-3に準拠したタイプAデュロメータで測定したゴム硬度が30以上であり、JIS K6253-3に準拠したタイプDデュロメータで測定したゴム硬度が80以下である、[2]または[3]の砥石。
[5]前記気孔による空隙率が5~50体積%である、[1]~[4]のいずれかの砥石。
[6]前記第1の複合砥粒は、粒径が0.1~5mmである、[1]~[5]のいずれかの砥石。
[7]前記第1の結合材がフェノール樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかの砥石。
本発明によれば、耐久性が高く、被加工物に深い切削痕が形成されづらく、加工時に発生する熱を抑制可能な砥石を提供できる。
各実施例および各比較例における被加工物の温度推移を示すプロットである。
本発明の砥石は、複合砥粒を含有し、前記複合砥粒は、第1の結合材に第1の砥粒が分散した第1の複合砥粒を含み、表面に開口する気孔を有するように、複数の前記複合砥粒が他の結合材により互いに結合している。
以下、本発明の複合砥粒について構成ごとに詳細に説明する。
[第1の複合砥粒]
第1の複合砥粒は、第1の結合材に第1の砥粒が分散した複合砥粒である。第1の複合砥粒は、第1の結合材をマトリックスとして、複数の第1の砥粒が分散している構造であることが好ましい。ただし、一部の第1の砥粒同士が互いに接触していてもよい。
(第1の結合材)
第1の結合材は、複数の第1の砥粒を内部および表面に分散させた状態で固定するマトリックスとしての機能を有するものであると共に、第1の複合砥粒全体の凡その形状を決定する構成成分である。
第1の結合材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエンブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等の熱硬化性樹脂等を用いることができる。
中でも、第1の結合材としては、耐熱性および複合砥粒への成形容易性の観点から、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタンからなる群より選択される1種を含むことがより好ましく、耐熱性、難燃性、機械的特性、耐油性、耐薬品性および経済性等の観点からはフェノール樹脂を含むことがさらに好ましい。
第1の結合材は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(第1の砥粒)
第1の砥粒は、本発明の砥石を用いて被加工物を研削研磨する際、実際に被加工物に接触して研削研磨に寄与する要素である。複数の第1の砥粒が、第1の結合材を介して互いに結合され、砥石の表面および内部に存在している。
第1の砥粒の形状に特に制限はなく、砥石に通常用いられる砥粒から選択して用いることができる。
第1の砥粒の粒径は、砥石が粗仕上げ用である場合には0.18~0.5mmであることが好ましく、0.2~0.35mmであることがより好ましい。また、砥石が中仕上げ用である場合には0.04~0.18mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。第1の砥粒の粒径が適切な範囲内であることにより、加工条件に合った加工レートが得られる。第1の砥粒の粒径は、ふるい法等で分級することができる。
なお、第1の砥粒には、粒径が前記範囲に含まれないものが一部に含まれていてもよい。その場合は、粒径が前記範囲に含まれない砥粒が、第1の砥粒全体に対し10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
第1の砥粒の素材としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、シリカ(酸化ケイ素)、酸化クロム(三酸化クロム)、酸化セリウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド、エメリー粉または立方晶窒化ホウ素(CBN)等が挙げられる。中でも、第1の砥粒はアルミナまたは炭化ケイ素を含むのが好ましい。
第1の砥粒は、セラミック砥粒であってもよい。本明細書中において、セラミックは、無機物の粉末等を加熱処理し焼き固めた焼結体であり、多結晶であるものを指す。なお、セラミックは、ゾル-ゲル法を経て製造されたものを含む。セラミック砥粒としては、例えばアルミナ(好ましくはα-アルミナ)を主成分とするセラミック砥粒等が挙げられる。
第1の砥粒は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。使用する第1の砥粒の種類や組み合わせは、研削研磨等の条件ならびに被加工物の材料に応じて適宜選択すればよい。
第1の複合砥粒中における、第1の砥粒の含有量は、第1の結合材1質量部に対し、1~6質量部であることが好ましく、1.5~5質量部であることがより好ましく、2~4.5質量部であることがさらに好ましく、2.5~4質量部であることが最も好ましい。
第1の砥粒の含有量が適切な範囲内であることにより、本発明の砥石の研削研磨性能が良好となる。
(第1の複合砥粒の構造および形状)
第1の複合砥粒の粒径は、0.1~5mmであることが好ましい。第1の複合砥粒の粒径は、ふるい法等で分級することができる。なお、第1の複合砥粒には、前記粒径範囲に含まれないものが一部に含まれていてもよい。その場合は、前記粒径範囲に含まれない第1の複合砥粒が、第1の複合砥粒全体に対し15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
第1の複合砥粒の粒径は、用途に応じて、前記範囲から適切なものを選択することができる。例えば研削用途においては、第1の複合砥粒の粒径が2~5mmであることがより好ましい。また、研磨用途においては、第1の複合砥粒の粒径が0.1~2mmであることがより好ましい。また、第1の複合砥粒は塊状である。その輪郭は突出した第1の砥粒の存在により複雑になるが、全体として略球形または略楕円体形であることが好ましい。
第1の複合砥粒は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、光安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤等の他の成分を含んでいてもよい。第1の結合材および前記他の成分の合計量に対する第1の結合材の量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
(第1の複合砥粒の製造方法)
第1の複合砥粒は、例えば、撹拌機を用いて原料を混合し、得られた混合物を金網に通して粒状にしたものを造粒機で造粒加工し、得られた複合砥粒前駆体を電気炉等で加熱する方法等で製造できる。
[第2の複合砥粒]
本発明の砥石が含有する複合砥粒は、任意に、第2の結合材によりゴム粒子の表面に第2の砥粒が固定された第2の複合砥粒を含んでいてもよい。第2の複合砥粒は、ゴム粒子の表面に、複数の第2の砥粒が第2の結合材により分散して結合している構造であることが好ましい。ただし、一部の第2の砥粒同士が互いに接触していてもよい。
(第2の結合材)
第2の結合材は、ゴム粒子および複数の第2の砥粒を互いに結合する接着剤として機能するものである。第2の結合材は、ゴム粒子の表面全体を覆っていてもよく、ゴム粒子の表面の一部のみを覆っていてもよい。
第2の結合材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエンブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等の熱硬化性樹脂等を用いることができる。
中でも、第2の結合材としては、耐熱性および耐摩耗性の観点から、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタンからなる群より選択される1種を含むことがより好ましく、ポリウレタンを含むことがさらに好ましい。
ポリウレタンとしては、例えばポリオールおよびポリイソシアネート、ならびに必要に応じてポリアミンを反応させて製造できるものを用いてもよい。ここで、ポリオール、ポリイソシアネートおよびポリアミンは、それぞれ水酸基、イソシアネート基、アミノ基を2個以上有する化合物を指す。
第2の結合材は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(第2の砥粒)
第2の砥粒は、本発明の砥石を用いて被加工物を研削研磨する際、実際に被加工物に接触して研削研磨に寄与する要素である。複数の第2の砥粒が、第2の結合材を介して互いに結合され、ゴム粒子の表面に存在している。
第2の砥粒としては、第1の砥粒として上述したものと同様のものを用いることができる。
第2の砥粒の含有量は、第2の結合材1質量部に対し、1~25質量部であることが好ましく、5~20質量部であることがより好ましく、10~15重量部であることがさらに好ましい。
第2の砥粒の含有量が適切な範囲内であることにより、本発明の砥石の研削研磨性能、および、第2の砥粒の脱落しづらさのバランスが良好となる。
(ゴム粒子)
ゴム粒子は、第2の砥粒を支持する担体としての機能を有するものであると共に、第2の複合砥粒全体の凡その形状を決定する構成成分である。
ゴム粒子を構成するゴムとしては、天然ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル-ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
ゴム粒子の粒径は、0.1~5mmであることが好ましい。ゴム粒子の粒径は、ふるい法等で分級することができる。なお、ゴム粒子には、前記粒径範囲に含まれないものが一部に含まれていてもよい。その場合は、前記粒径範囲に含まれないゴム粒子が、ゴム粒子全体に対し15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
ゴム粒子は、JIS K6253-3に準拠したタイプAデュロメータで測定したゴム硬度が30以上であり、JIS K6253-3に準拠したタイプDデュロメータで測定したゴム硬度が80以下であることが好ましい。ゴム粒子のゴム硬度が適切な範囲内であることにより、被加工物へ深い切削痕が形成されづらく、また、高加工レート、研削研磨の安定性の高さ、および被加工物の被加工面への馴染みの良さを実現できる。
(第2の複合砥粒の構造および形状)
第2の複合砥粒の粒径は、ゴム粒子の粒径に対応したものであり、0.1~5mmであることが好ましい。第2の複合砥粒の粒径は、用途に応じて適切な粒径を選択することができる。例えば研削用途においては、第2の複合砥粒の粒径が2~5mmであることがより好ましい。また、研磨用途においては、第2の複合砥粒の粒径が0.1~2mmであることがより好ましい。また、第2の複合砥粒は塊状である。その輪郭は突出した第2の砥粒の存在により複雑になるが、全体として略正多面体形、略球形または略楕円体形など、三次元の寸法に大きな差がない立体であることが好ましい。
第2の複合砥粒は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、光安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤等の他の成分を含んでいてもよい。第2の結合材および前記他の成分の合計量に対する第2の結合材の量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
(第2の複合砥粒の製造方法)
第2の複合砥粒は、例えば、撹拌機を用いて原料を混合し、得られた混合物を造粒機で造粒加工し、得られた複合砥粒前駆体を電気炉等で加熱する方法等で製造できる。
[砥石]
本発明の砥石は、表面に開口する気孔を有するように、複数の複合砥粒が他の結合材(以下、「第3の結合材」とも称する)により互いに結合している。
複合砥粒が第2の複合砥粒を含む場合、第1の複合砥粒の含有量(A)および第2の複合砥粒の含有量(B)の合計量(A+B)に対する、第2の複合砥粒の含有量(B)の質量比(B/(A+B))は、0.8以下であることが好ましい。前記質量比は、砥石の用途に応じ、例えば、0.8~0.7の範囲としてもよく、0.7~0.5の範囲としてもよく、0.5~0.3の範囲としてもよく、0.3~0.1の範囲としてもよく、0.1~0の範囲としてもよい。例えば、研削用途であれば、前記質量比は小さいものが好ましく、研磨用途であれば、前記質量比は大きいものが好ましい。
(他の結合材(第3の結合材))
第3の結合材としては、第2の結合材として上述したものと同様のものを用いることができ、第2の結合材として好ましいものとして記載したものもまた、同様に好適に用いることができる。
第3の結合材の含有量は、第1の複合砥粒および第2の複合砥粒の合計1質量部に対し、0.1~2質量部であることが好ましく、0.2~1質量部であることがより好ましく、0.3~0.6質量部であることがさらに好ましい。
(気孔)
本発明の砥石は、表面に開口する気孔を有する。すなわち、本発明の砥石は、複数の複合砥粒の間の空間の全てを第3の結合材が満たしているものではなく、砥石の表面から内部に連なる空隙部を有するように、それぞれの複合砥粒がその一部において、第3の結合材を介して他の複合砥粒と結合している。
本発明の砥石は、表面に開口する気孔による空隙率が、5~50体積%であることが好ましく、10~45体積%であることがより好ましく、20~40体積%であることがさらに好ましい。空隙率が適切な範囲内であることにより、研削研磨力および複合砥粒同士の強固な結合が維持されつつ、加工時に発生する熱が抑制され、かつ、被加工物へ深い切削痕が形成されづらくなる。
なお、本明細書中において、「空隙率」とは、砥石中において表面に開口する気孔が占める体積の割合であり、以下の計算式(1)で求めることができる。
・計算式(1)
空隙率(体積%)=(V/V)×100
:測定対象の砥石中において表面に開口する気孔の総体積
:測定対象の砥石と同一の外形を有し、空隙が密に充填された想定上の砥石の体積
例えば砥石の外形が直径L、高さhの円柱状である場合、上記計算式(1)中のVは、以下の計算式(2)で示す通り、当該円柱の体積となる。
・計算式(2)
=円周率×(L/2)×h
上記計算式(1)中のVは、例えば下記の(1)~(6)に記載の手順で測定可能である。
(1)メスシリンダーに水を入れ、目盛を読む。
(2)測定対象の砥石全体を前記水中に完全に没入する。
(3)砥石を揺する等の方法により、砥石に付着した気泡を除く。
(4)再度メスシリンダーの目盛を読む。
(5)砥石を入れる前後のメスシリンダーの目盛の差分の絶対値Vdiffを計算する。
(6)式(V=V-Vdiff)からVを計算する。
(砥石の形状)
本発明の砥石のサイズおよび形状は、用途に応じ、適切なものを選択することができる。
本発明の砥石の形状の例としては、円柱状、略円柱状、円錐状、略円錐状、砲弾状、円柱と円錐の複合形状、円柱と略円錐の複合形状および球状等が挙げられる。
本発明の砥石は、軸付き砥石として用いるのが好ましい。
(砥石の製造方法)
本発明の砥石は、例えば、撹拌機を用いて原料を混合し、得られた混合物を金型へ敷き詰め、プレス機又は電気炉等で加熱する方法等で製造できる。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されない。
[第1の複合砥粒の製造]
撹拌機(KitchenAid社製スタンドミキサー)を用いて以下に示す原料(a)~(c)を混合し、均一に分散させて混合物を得た。
(a)フェノール樹脂(1)(住友ベークライト社製 スミライトレジン(登録商標)PR-940)25g
(b)フェノール樹脂(2)(住友ベークライト社製 スミライトレジン(登録商標)PR-217)10g
(c)酸化アルミニウム砥粒(南興セラミックス社製 酸化アルミニウムWA120)100g
前記混合物を金網(サンポー社製ステンレスふるい(目開き1mm))に通し、粒状混合物を得た。
前記粒状混合物を、造粒機(シンフォニアテクノロジー社製パーツフィーダ DMS-45C)を用いて約20分間造粒加工に付し、第1の複合砥粒前駆体を得た。
得られた第1の複合砥粒前駆体を電気炉に投入し、170℃で9時間加熱して第1の複合砥粒を得た。
得られた第1の複合砥粒について、サンポー社製ステンレスふるい(目開き2.0mm、1.0mm、0.5mm)を用いて分級したところ、表1の通りの粒径分布であった。
Figure 2023008118000002
[第2の複合砥粒の製造]
撹拌機(KitchenAid社製スタンドミキサー)を用いて以下に示す原料(d)~(h)を混合し、均一に分散させて混合物を得た。
(d)ポリオール(ポリオキシプロピレンポリオール)(三井化学SKCポリウレタン社製 アクトコール T-3000)100g
(e)ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)(東ソー社製 ミリオネート MR-200)25g
(f)芳香族アミン(3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン)(クミアイ化学工業社製 イハラキュアミンMT)10g
(g)EPDMゴム粒子(国分グリーンファーム社製 カラーゴムチップKG12 3010)2000g(JIS K6253-3に準拠したタイプAデュロメータで測定したゴム硬度が60)
(h)酸化アルミニウム砥粒(南興セラミックス社製 酸化アルミニウムWA120)1500g
前記混合物を、造粒機(シンフォニアテクノロジー社製パーツフィーダ DMS-45C)を用いて約20分間造粒加工に付し、第2の複合砥粒前駆体を得た。
得られた第2の複合砥粒前駆体を、オーブン(いすゞ製作所社製 SHF-212AS)により60℃で約30分間加熱し、第2の複合砥粒を得た。
得られた複合砥粒について、サンポー社製ステンレスふるい(目開き3.0mm、2.0mm、1.0mm)を用いて分級したところ、表2の通りの粒径分布であった。
Figure 2023008118000003
[砥石の製造]
(比較例1)
従来の弾性砥石(大和化成工業社製 ダイワラビン WA80 CM43)(直径25mm、高さ25mmの円柱状)を軸(太陽精工社製 直径6mm、長さ60mm、材質S50C)の先端に固着させ、軸付き砥石を得た。
(実施例1~4、比較例2)
撹拌機(KitchenAid社製スタンドミキサー)を用いて表3に示す原料を混合し、均一に分散させて混合物を得た。なお、表3において、ポリオール、ポリメリックMDIおよび芳香族アミンは、第2の複合砥粒の製造に用いたものと同じものを用いた。
Figure 2023008118000004
前記混合物を金型へ敷詰め、オーブン(いすゞ製作所社製 SHF-212AS)を用いて100℃で約60分間加熱し、直径25mm、高さ25mmの円柱状の砥石を得た。得られた砥石を、軸(太陽精工社製 直径6mm、長さ60mm、材質S50C)の先端に固着させ、軸付き砥石を得た。
得られた各砥石の空隙率を上述の方法で測定した。なお、Vとしては直径25mm、高さ25mmの円柱の体積を用いた。測定の結果、実施例1~4の砥石の空隙率は35体積%、比較例1の砥石の空隙率は0体積%、比較例2の砥石の空隙率は10体積%であった。
また、実施例1~4、比較例1および2の砥石の密度は、それぞれ1.09、1.03、1.04、0.99、1.91、1.1g/cmであった。
[研削試験]
(試験条件)
砥石 :軸付き砥石(上記の通り製造したもの)
被加工物 :50mm×50mm×30mmのSUS316
研削装置 :ナカニシ社製 製品名エスパート500
回転数 :15000回転/分(rpm)
押し当て角度:15°
押し当て荷重:約4.9N(500gf)
加工方法 :30mm×50mmの面(被加工面)上において、一方の50mmの辺から5mm、かつ一方の30mmの辺から25mmの位置(研削中心位置)を中心とする、50mmの辺に平行な長さ30mmの直線上を研削しながら26.5往復
研削時間 :120秒
温度測定器 :安立計器社製ハンディタイプ温度計 HD-1000
温度測定方法:被加工面と辺を共有する30mm×50mmの面上において、被加工面から10mm、かつ一方の50mmの辺(加工箇所により近い側の辺)から5mmの位置に、面に垂直な穴を設け、側温部が研削中心位置の直下となるよう、温度測定器を前記穴に挿入して固定して測定
(試験)
各実施例および各比較例の軸付き砥石について、研削前後の軸付き砥石および被加工物の質量を測定したところ、表4に示す通りとなった。
Figure 2023008118000005
また、各実施例および各比較例において、研削時間に対する被加工物の温度の変化を測定したところ、表5および図1に示す通りとなった。
Figure 2023008118000006
さらに、各実施例および各比較例において、加工箇所における長手方向の表面粗さ(算術平均粗さR、二乗平均平方根荒さR、最大高さR)を測定したところ、表6に示す通りとなった。
Figure 2023008118000007
表4に示す結果から、本発明の砥石は、複合砥粒として第2の複合砥粒(ゴム粒子の表面に砥粒が固定された複合砥粒)のみを含む砥石(比較例2)と比較して、研削比(研削量/砥石摩耗量)について遜色がないか、より優れたものであることがわかる。
また、表5および図1に示す結果から、本発明の砥石は、従来の弾性砥石(比較例1)と比較して極めて優れた放熱性を有することがわかる。また、複合砥粒として第2の複合砥粒(ゴム粒子の表面に砥粒が固定された複合砥粒)のみを含む砥石(比較例2)と比較しても遜色のない放熱性を有することがわかる。
さらに、表6に示す結果から、本発明の砥石は、従来の弾性砥石(比較例1)と比較して被加工物への深い切削痕が形成されづらいことがわかる。深い切削痕の形成の程度は、算術平均粗さRよりも、二乗平均平方根荒さRや最大高さRの値に大きく影響を与えると考えられる。
なお、複合砥粒として第2の複合砥粒(ゴム粒子の表面に砥粒が固定された複合砥粒)のみを含む砥石(比較例2)は、他の砥石と比較して、研削後の砥粒の脱落が多く見られた。そのため、比較例2の砥石については、2回目以降の研削において研削力の低下が懸念される。
本発明の砥石は、アルミニウム、鉄、ステンレスおよびチタン等の被加工物の各種研削研磨に好適に利用可能である。

Claims (7)

  1. 複合砥粒を含有する砥石であって、
    前記複合砥粒は、第1の結合材に第1の砥粒が分散した第1の複合砥粒を含み、
    表面に開口する気孔を有するように、複数の前記複合砥粒が他の結合材により互いに結合している、砥石。
  2. 前記複合砥粒は、さらに、第2の結合材によりゴム粒子の表面に第2の砥粒が固定された第2の複合砥粒を含み、
    前記第1の複合砥粒の含有量(A)および前記第2の複合砥粒の含有量(B)の合計量(A+B)に対する、前記第2の複合砥粒の含有量(B)の質量比(B/(A+B))が、0.8以下である、請求項1に記載の砥石。
  3. 前記第2の複合砥粒は、粒径が0.1~5mmである、請求項2に記載の砥石。
  4. 前記ゴム粒子は、JIS K6253-3に準拠したタイプAデュロメータで測定したゴム硬度が30以上であり、JIS K6253-3に準拠したタイプDデュロメータで測定したゴム硬度が80以下である、請求項2または3に記載の砥石。
  5. 前記気孔による空隙率が5~50体積%である、請求項1~4のいずれかに記載の砥石。
  6. 前記第1の複合砥粒は、粒径が0.1~5mmである、請求項1~5のいずれかに記載の砥石。
  7. 前記第1の結合材がフェノール樹脂を含む、請求項1~6のいずれかに記載の砥石。
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