JP2023005763A - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠スイッチング制御時における交流電圧の検知精度を向上させること。【解決手段】1次巻線P1、2次巻線S1、及び補助巻線P2を有するトランスT1、スイッチング動作を行うFET1、FET1を制御する電源制御部301、補助巻線P2の誘起電圧を整流平滑する第2の整流平滑回路、2次巻線S1の出力電圧をフィードバックするフィードバック部305を備え、電源制御部301は、停止期間の長さを計測する計測部を有し、スイッチング動作を行うスイッチング期間においてFET1のスイッチング動作を所定の回数、実施すると停止期間に移行し、スイッチング動作を停止させる停止期間においてフィードバック部305の出力電圧に基づいて2次巻線S1の出力電圧が目標電圧よりも低下したと判断するとスイッチング期間に移行し、第2の整流平滑部の出力電圧と計測部によって計測された停止期間の長さとに基づいて交流電圧の電圧値を推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、電源装置、及び電源装置を備える画像形成装置に関する。
スイッチング電源装置は、商用交流電源から入力される交流電圧を整流平滑し、整流平滑された直流電圧をトランスの1次巻線に印加して、絶縁された2次側に目標とする直流電圧を出力する。また、スイッチング電源装置は、1次側の補助巻線に誘起された電圧を整流平滑回路により整流平滑された直流電圧を電源電圧として使用しているものが多い。例えば、特許文献1で提案されているスイッチング電源装置では、1次側の補助巻線の整流平滑回路に充電された電圧に基づいて、入力される交流電圧の検知を行っている。更に、特許文献1のスイッチング電源装置では、電源効率を改善するため、負荷への電力供給が少ない軽負荷状態の場合には、スイッチング動作を行う期間とスイッチング動作が停止している期間とが繰り返される間欠スイッチング制御が行われている。
特許第6700772号公報
スイッチング電源装置における間欠スイッチング制御では、軽負荷状態が長くなると、スイッチング動作を停止している期間も長くなる。スイッチング動作を停止している期間は、上述した補助巻線に電圧が誘起されないため、整流平滑回路に充電された電圧は、放電により低下する。その後、スイッチング動作が再開されて補助巻線に電圧が誘起されても、スイッチング停止期間が長い場合には、整流平滑回路に充電される電圧が所定の電圧まで充電される前に、スイッチング動作が停止してスイッチング停止期間に移行してしまうことがある。その結果、整流平滑回路に充電された電圧に基づいて、スイッチング電源装置に入力される交流電圧の検知を行っている場合には、入力される交流電圧の電圧値を正確に検知することができないという課題が生じる。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、間欠スイッチング制御時における交流電圧の検知精度を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、入力される交流電圧を整流平滑する第1の整流平滑部と、スイッチング動作により前記第1の整流平滑部から前記1次巻線への電力の供給又は遮断を行うスイッチング素子と、前記スイッチング動作を制御する制御手段と、前記補助巻線に誘起される電圧を整流平滑する第2の整流平滑部と、前記2次巻線から出力される電圧をフィードバックするフィードバック手段と、を備え、前記制御手段は、前記スイッチング動作を行うスイッチング期間と前記スイッチング動作を停止させる停止期間とを繰り返す間欠制御を行うことが可能であり、前記制御手段は、前記停止期間の長さを計測する計測部を含み、前記スイッチング期間において、前記制御手段は前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を所定の回数、実施すると前記停止期間に移行し、前記停止期間において、前記制御手段は前記フィードバック手段から出力される電圧に基づいて、前記2次巻線から出力される電圧が目標電圧よりも低下したと判断すると、前記スイッチング期間に移行し、前記制御手段は、前記第2の整流平滑部の出力電圧と、前記計測部によって計測された前記停止期間の長さと、に基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする電源装置。
(2)記録材に画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部を制御する制御部と、前記画像形成部、及び前記制御部に電力を供給する前記(1)に記載の電源装置と、を備え、前記制御部は、前記画像形成部を制御して記録材に画像形成を行うプリント状態と、前記プリント状態に遷移が可能なスタンバイ状態と、消費電力を低減するスリープ状態と、を切替え可能であることを特徴とする画像形成装置。
(3)記録材に画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部を制御する制御部と、前記画像形成部、及び前記制御部に電力を供給する電源装置と、を備え、前記制御部は、前記画像形成部を制御して記録材に画像形成を行うプリント状態と、前記プリント状態に遷移が可能なスタンバイ状態と、消費電力を低減するスリープ状態と、を切替え可能である画像形成装置であって、前記電源装置は、1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、入力される交流電圧を整流平滑する第1の整流平滑部と、スイッチング動作により前記第1の整流平滑部から前記1次巻線への電力の供給又は遮断を行うスイッチング素子と、前記スイッチング動作を制御する制御手段と、前記補助巻線に誘起される電圧を整流平滑する第2の整流平滑部と、前記2次巻線から出力される電圧をフィードバックするフィードバック手段と、を備え、前記制御手段は、前記スイッチング動作を行うスイッチング期間と前記スイッチング動作を停止させる停止期間とを繰り返す間欠制御を行うことが可能であり、前記制御手段は、前記停止期間の長さを計測する計測部を含み、前記スイッチング期間において、前記制御手段は前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を所定の回数、実施すると前記停止期間に移行し、前記停止期間において、前記制御手段は前記フィードバック手段から出力される電圧に基づいて、前記2次巻線から出力される電圧が目標電圧よりも低下したと判断すると、前記スイッチング期間に移行し、前記制御手段は、前記第2の整流平滑部の出力電圧と、前記計測部によって計測された前記停止期間の長さと、に基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、間欠スイッチング制御時における交流電圧の検知精度を向上させることができる。
実施例1、2の画像形成装置の構成を示す概略断面図 実施例1、2の電源装置の構成を説明する図 実施例1のスイッチング電源装置の回路構成を示す回路図 実施例1、2のプリント状態におけるスイッチング電源装置の電圧波形を説明する図 実施例1、2のスタンバイ状態におけるスイッチング電源装置の電圧波形を説明する図 実施例1、2のスリープ状態におけるスイッチング電源装置の電圧波形を説明する図 実施例2のスイッチング電源装置の回路構成を示す回路図 実施例2のスイッチング電源装置の電圧波形を説明する図
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタの構成を示す概略断面図である。レーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)は、感光ドラム101、感光ドラム101を一様の電位に帯電する帯電部102、感光ドラム101にレーザ光を照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する露光装置111を備えている。また、プリンタ100は、感光ドラム101上に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー像を形成する現像部103を備えている。プリンタ100では、感光ドラム101上に形成されたトナー像は、転写部105によって、カセット104から給送された記録材であるシート(不図示)に転写される。トナー像が転写されたシートは、定着器106に搬送される。定着器106において、トナー像は加熱、加圧されてシートに定着され、トナー像が定着されたシートはトレイ107に排出される。なお、シートに画像形成を行う画像形成部は、感光ドラム101、帯電部102、現像部103、転写部105から構成されている。
また、プリンタ100は電源装置108を備えており、電源装置108はモータ等の駆動部やエンジン制御部500へ電力供給を行う。制御部であるエンジン制御部500は、CPU(不図示)、不揮発性メモリ(不図示)を有し、CPUは不揮発性メモリに格納された制御プログラムに従って、画像形成部による画像形成動作やシートの搬送動作等を制御する。エンジン制御部500は、シートに画像形成を行うプリント状態であるプリント動作が終了すると、プリンタ100をプリント状態に遷移可能な待機状態であるスタンバイ状態に移行させる。更に、エンジン制御部500は、スタンバイ状態に移行した後、所定時間が経過すると、プリンタ100の待機時の消費電力を低減するため、プリンタ100を省エネルギーモードであるスリープ状態に遷移させる。このように、プリンタ100はスリープ状態、スタンバイ状態、プリント状態の3つの状態を有し、エンジン制御部500はプリンタ100を各状態に切替え可能である。また、表示部501は、エンジン制御部500から送信された情報を表示し、ユーザに報知する。
[電源装置、エンジン制御部の構成]
図2は、本実施例における電源装置108の概略構成を説明する図である。図2に示すように、電源装置108は、商用交流電源200から入力される交流電圧を整流平滑する整流平滑部、及びスイッチング電源装置300を有している。第1の整流平滑部である整流平滑部は、ダイオードブリッジ201、及び平滑コンデンサ202から構成されている。商用交流電源200から入力された交流電圧は、回路保護用の電流ヒューズ203を介して、ダイオードブリッジ201により全波整流され、第1のコンデンサである平滑コンデンサ202によって平滑化され、直流電圧Vinが生成される。なお、平滑コンデンサ202の低い側の電位を電位DCL、高い側の電位を電位DCHとする。
平滑コンデンサ202の充電電圧である直流電圧Vinは、スイッチング電源装置300に入力される。スイッチング電源装置300は、入力された直流電圧Vinを降圧して直流の電圧Voutを生成し、プリンタ100内のモータ等の駆動部に供給する。また、エンジン制御部500には、電圧Voutをレギュレータ(不図示)などによって更に降圧した直流電圧が、エンジン制御部500の電源電圧として供給される。
エンジン制御部500は、スイッチング電源装置300との信号ラインを介して、スイッチング電源装置300内の電源制御部301(図3参照)から送信される情報を受信する。また、エンジン制御部500は、電源制御部301から取得した情報を、通信ラインを介して表示部501に表示する。
[スイッチング電源装置の構成]
図3は、スイッチング電源装置300の回路構成を示す回路図である。図3において、スイッチング電源装置300は、1次側に1次巻線P1、補助巻線P2を有し、2次側に2次巻線S1を有する絶縁型のトランスT1を備えている。なお、図3において、トランスT1の黒丸は、各巻線の巻方向を示している。トランスT1の1次巻線P1には、後述するスイッチング素子である電界効果トランジスタ(以下、FETという)1が直列接続されている。トランスT1の1次側の1次巻線P1から2次側の2次巻線S1に、FET1のスイッチング制御によって、エネルギーが供給される。一方、トランスT1の2次側には、2次巻線S1に誘起されるフライバック電圧を整流平滑する整流平滑回路であるダイオードD11及びコンデンサC11が設けられている。
また、トランスT1の1次側の補助巻線P2には、FET1がオン状態の期間に、入力電圧Vinに巻数比(補助巻線P2の巻数NP2/1次巻線P1の巻数NP1)を乗じた電圧(以下、フォワード電圧という)が誘起される。補助巻線P2に誘起された電圧は、第2の整流平滑部であるダイオードD4及びコンデンサC4によって整流平滑され、電源電圧V1が生成される。
(フィードバック部)
スイッチング電源装置300は、電源装置108に接続された負荷に出力される電圧Voutの電圧情報をトランスT1の1次側にフィードバックするフィードバック手段であるフィードバック部305を有している。フィードバック部305は、目標電圧と出力電圧Voutに基づいて、電源制御部301のFB端子に入力される電圧信号(以下、FB端子電圧という)を生成する。フィードバック部305は、シャントレギュレータIC5、フォトカプラPC5、抵抗R51、R52、R53を有している。出力電圧Voutの目標電圧は、シャントレギュレータIC5のREF端子(リファレンス端子)の基準電圧、抵抗R52、抵抗R53によって設定される。
シャントレギュレータIC5のREF端子には、出力電圧Voutを抵抗R52、R53で分圧された電圧が入力される。シャントレギュレータIC5は、REF端子に入力された電圧と基準電圧とを比較し、REF端子に入力された電圧が基準電圧より高い場合には導通状態となり、フォトカプラPC5のLEDに電流が流れる。すると、フォトカプラPC5のLEDが点灯して、フォトトランジスタがオン状態となる。その結果、コンデンサC6の充電電圧が放電され、電源制御部301のFB端子電圧が低下する。
一方、シャントレギュレータIC5は、REF端子に入力された電圧が基準電圧以下の場合には非導通状態となり、フォトカプラPC5のLEDに電流が流れなくなる。すると、フォトカプラPC5のLEDが消灯し、フォトトランジスタはオフ状態となる。その結果、コンデンサC6が充電されることにより充電電圧が上昇し、電源制御部301のFB端子電圧が上昇する。なお、FB端子電圧は、出力電圧Voutが目標電圧と同一電圧の場合には所定の電圧値となる。そして、出力電圧Voutが目標電圧よりも大きくなると、FB端子電圧は所定の電圧値よりも小さくなり、出力電圧Voutが目標電圧よりも小さくなると、FB端子電圧は所定の電圧値よりも大きくなる。
(電源制御部)
本実施例では、制御手段である電源制御部301は、発振器などからのクロック信号で動作する演算制御部(例えばCPU、ASICなど)を有し、時間を計測するタイマ(計測部)や、データ等を記憶するメモリ(不図示)を有している。電源制御部301のVC端子には、後述するDC/DCコンバータ304によって生成された電源電圧V2が供給される。電源制御部301は、FB端子電圧に基づいて、FET1のスイッチング動作を制御する制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。制御信号DS1は所定の周波数のPWM信号であり、電源制御部301は、直流電圧Vinの電圧値に基づいて、FET1のスイッチング動作の1周期において、FET1がオン状態となるオンDuty(デューティ)を決定する。FET1のスイッチング動作の1周期の間にトランスT1の1次側から2次側へ供給されるエネルギーは、直流電圧Vinと、制御信号DS1のオンDutyに基づくFET1がオン状態の時間との積によって決定される。
トランスT1の補助巻線P2に誘起されたフォワード電圧は、ダイオードD4及びコンデンサC4によって整流平滑され、第2のコンデンサであるコンデンサC4に充電される。そして、電源制御部301のVS端子には、コンデンサC4に充電された電圧を抵抗R3、R4で分圧した電圧が入力される。上述したように、フォワード電圧は、平滑コンデンサ202に充電された直流電圧Vinに、トランスT1の1次巻線P1の巻数NP1と補助巻線P2の巻数NP2との巻数比を乗じた電圧である。そのため、VS端子には、直流電圧Vinに応じた電圧が入力されることになり、直流電圧Vinが低下すると、VS端子に入力される電圧も低下し、直流電圧Vinが上昇すると、VS端子に入力される電圧も上昇する。したがって、電源制御部301は、VS端子に入力される電圧を検知することにより、直流電圧Vinを検知することができ、直流電圧Vinは、商用交流電源200から入力される交流電圧を全波整流して生成されるため、交流電圧を検知することができる。そのため、電源制御部301は、取得したVS端子の入力電圧に応じて、制御信号DS1のオンDutyを決定することにより、商用交流電源200から入力される交流電圧が変動しても、効率良く負荷への電力供給を行うことができる。なお、上記実施例では、コンデンサC4に充電された電圧が抵抗R3、R4によって分圧された電圧がVS端子に入力されていたが、電源制御部301の耐圧が高ければ、コンデンサC4に充電された電圧をそのまま入力してもよい。
また、電源制御部301は、FB端子に入力されるFB端子電圧を取得し、取得したFB端子電圧に基づいて、FET1のスイッチング動作の要否を判断している。電源制御部301は、取得したFB端子電圧が、FET1がスイッチング動作を行うスイッチング開始しきい値より高くなった場合には、FET1のスイッチング動作を行うため、制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。その後、電源制御部301は、取得したFB端子電圧が、FET1がスイッチング動作を停止するスイッチング停止しきい値よりも低くなった場合には、スイッチング動作を停止するため、FET駆動部302にローレベルの制御信号DS1を出力する。なお、スイッチング開始しきい値は、スイッチング停止しきい値よりも高く設定することにより、ヒステリシスを持たせている。電源制御部301は、電源装置108に接続された負荷が大きい場合には、FET1の連続スイッチング動作を行い、負荷が小さい場合には、FET1の間欠スイッチング動作を行うように、FET1のスイッチング制御を行う。これにより、電源装置108に接続された負荷が小さい場合には、FET1のスイッチング損失を低減し、効率良く電力を供給することができる。
また、電源制御部301は、取得されたVS端子の入力電圧(以下、VS端子電圧ともいう)から推定される商用交流電源200の交流電圧に基づいて、低電圧や高電圧から電源装置を保護する機能を有している(詳細は後述)。更に、電源制御部301は、絶縁通信回路306を介して、エンジン制御部500に商用交流電源200の交流電圧情報やスイッチング電源装置300の状態情報を送信する(詳細は後述)。
(FET駆動部)
FET駆動部302は、電源制御部301から出力された制御信号DS1に応じてFET1のスイッチング制御を行う。詳細には、FET駆動部302は、電源制御部301から出力された制御信号DS1に応じて、FET1のゲート端子に出力する駆動信号DLを生成し、FET1のゲート端子に出力する。FET1は、FET駆動部302から出力される駆動信号DLに応じて、スイッチング動作を行う。また、FET駆動部302のVC端子には、トランスT1の1次側の補助巻線P2に誘起された電圧から生成される電源電圧V1が供給される。
(DC/DCコンバータ、起動回路)
DC/DCコンバータ304は、3端子レギュレータ又は降圧型スイッチング電源装置であり、VC端子に入力された電源電圧V1から電源電圧V2を生成し、生成された電源電圧V2をOUT端子から出力する。起動回路303は、3端子レギュレータ又は降圧型スイッチング電源装置であり、VC端子に入力された直流電圧Vinから電源電圧V1を生成し、生成された電源電圧V1をOUT端子から出力する。なお、起動回路303は、トランスT1の補助巻線P2に誘起される電圧から生成される電源電圧V1が所定の電圧以下の場合のみ動作する回路であり、スイッチング電源装置300の起動時に電源電圧V1を供給するために用いられる。
[スイッチング電源装置の電圧波形]
(プリンタがプリント状態の場合)
図4は、プリンタ100がプリント状態の場合のスイッチング電源装置300における電圧波形を説明する図である。図4(a)は、スイッチング電源装置300が出力する電圧Vout(図中、Vout電圧と表示)の電圧波形を示し、図4(b)は、電源制御部301がFET駆動部302に出力する制御信号DS1の信号波形を示している。図4(c)は、電源制御部301のFB端子に入力されるFB端子電圧の電圧波形を示し、図4(d)は、電源制御部301のVS端子に入力されるVS端子電圧の電圧波形を示している。なお、図4(c)においてFB端子電圧が高い方の一点鎖線は、FET1のスイッチング動作を開始させるスイッチング開始しきい値を示し、FB端子電圧が低い方の一点鎖線は、FET1のスイッチング動作を停止させるスイッチング停止しきい値を示している。また、後述する図5(c)、図6(c)についても同様である。
プリンタ100がプリント状態の場合には、スタンバイ状態やスリープ状態の場合に比べて、電源装置108から電力供給される負荷が大きいため、図4(c)に示すFB端子電圧はスイッチング開始しきい値を超えた状態となる。そのため、電源制御部301は、FET1のスイッチング動作を継続する連続制御を行うため、図4(b)に示すように、連続するPWM信号で構成された制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。これにより、FET1が連続スイッチング動作を行っているため、図4(a)に示す出力電圧Voutは一定の電圧が出力され、図4(d)に示すVS端子電圧も一定の電圧となる。
(プリンタがスタンバイ状態の場合)
図5は、プリンタ100がスタンバイ状態の場合のスイッチング電源装置300における電圧波形を説明する図である。図5(a)~(d)に示す電圧波形の見方は、上述した図4(a)~(d)と同様であり、説明を省略する。図5(d)に示す「Vinに対応する電圧」は、プリンタ100がプリント状態の場合で、直流電圧VinがトランスT1の1次巻線に印加されているときに、電源制御部301のVS端子に入力される電圧(図4(d)のVS端子電圧)を示している。なお、後述する図6(d)についても同様である。
プリンタ100がスタンバイ状態の場合には、プリント状態の場合に比べて、電源装置108から電力供給される負荷が小さい。そのため、図5(c)に示すように、FB端子電圧はスイッチング停止しきい値とスイッチング開始しきい値との間を往復するような電圧波形となる。
図5(b)に示す期間500は、FB端子電圧がスイッチング停止しきい値以下になった後の期間であり、制御信号DS1はローレベルであり、FET1のスイッチング動作は停止している状態である。そのため、図5(a)に示すように、出力電圧Voutは、電源装置108から電力供給される負荷によって低下する。また、VS端子には、コンデンサC4の充電電圧を抵抗R3、R4で分圧された電圧が入力される。期間500では、FET1のスイッチング動作が停止しているため、コンデンサC4の充電電圧は、抵抗R3、R4の抵抗値、及びコンデンサC4の容量によって決定される時定数に従って低下し、VS端子電圧も、図5(d)に示すように低下する。一方、図5(c)に示すように、FB端子電圧は、出力電圧Voutの低下に伴って上昇する。
その後、図5(b)に示すように、FB端子電圧がスイッチング開始しきい値を超えた期間501になると、電源制御部301はFET1のスイッチング動作を行うため、PWM信号で構成された制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。期間501では、FET1のスイッチング動作が行われ、トランスT1の2次側にエネルギーが供給される。そのため、図5(a)に示すように、出力電圧Voutは上昇し、それに伴い、図5(c)に示すように、FB端子電圧は低下する。
また、このとき、FET1のスイッチング動作によって補助巻線P2にもフォワード電圧が生成され、コンデンサC4の充電電圧が補助巻線P2の抵抗値とコンデンサC4の容量によって決定される時定数に従って、上昇する。そして、VS端子電圧は、直流電圧Vinに対応する電圧、すなわち直流電圧VinのトランスT1の1次巻線P1の巻数と補助巻線P2の巻数との巻数比に応じた電圧を、抵抗R3、R4で分圧した電圧まで上昇する。その後、FB端子電圧がスイッチング停止しきい値以下になると、上述した期間500のときと同様の動作となる。
(プリンタがスリープ状態の場合)
図6は、プリンタ100がスリープ状態の場合のスイッチング電源装置300における電圧波形を説明する図である。図6(a)~(d)に示す電圧波形の見方は、上述した図4(a)~(d)と同様であり、説明を省略する。
プリンタ100がスリープ状態の場合には、スタンバイ状態時と同様に、FET1の間欠スイッチング動作が行われる。スリープ状態の場合は、スタンバイ状態の場合に比べて、電源装置108から電力供給される負荷がより小さい。そのため、図6(b)に示すように、制御信号DS1がローレベルの期間600が、図5(b)に示すスタンバイ状態の場合の期間500よりも長くなり、FET1のスイッチング動作が停止している期間がスタンバイ状態時よりも長くなる。
期間600は、図5(b)の期間500と同様に、図6(c)に示すFB端子電圧がスイッチング停止しきい値以下になった後の期間である。期間600では、図6(b)に示すように、制御信号DS1はローレベルであり、FET1のスイッチング動作は停止している状態である。そのため、図6(a)に示すように、出力電圧Voutは、電源装置108から電力供給される負荷によって低下し、図6(c)に示すように、FB端子電圧は、出力電圧Voutの低下に伴って上昇する。なお、電力供給される負荷が小さいため、出力電圧Vout、及びFB端子電圧の単位時間あたりの電圧変化は、スタンバイ状態の場合と比べて緩やかになっている。また、VS端子には、コンデンサC4の充電電圧を抵抗R3、R4で分圧された電圧が入力される。FET1のスイッチング動作が停止しているため、コンデンサC4の充電電圧は、抵抗R3、R4の抵抗値、及びコンデンサC4の容量によって決定される時定数に従って低下し、VS端子電圧も、図6(d)に示すように低下する。
その後、図6(b)に示すように、FB端子電圧がスイッチング開始しきい値を超えた期間601になると、電源制御部301はFET1のスイッチング動作を行うため、PWM信号で構成された制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。期間601では、FET1のスイッチング動作が行われ、トランスT1の2次側にエネルギーが供給される。その結果、図6(a)に示すように、出力電圧Voutは上昇し、それに伴い、図6(c)に示すように、FB端子電圧は低下する。なお、電力供給される負荷が小さいため、出力電圧Voutが目標電圧に到達するまでの時間が短く、FB端子電圧がスイッチング停止しきい値まで低下するまでの時間も、スタンバイ状態時に比べると短くなっている。そのため、FET1のオン状態の時間が、スタンバイ状態時に比べて短くなっている。
また、このとき、FET1のスイッチング動作によって補助巻線P2にもフォワード電圧が生成され、コンデンサC4の充電電圧が、補助巻線P2の抵抗値とコンデンサC4の容量によって決定される時定数に従って、上昇する。なお、スリープ状態ではスタンバイ状態と比べ、FET1のスイッチング動作が停止している期間600の時間が長く、FET1のスイッチング動作が行われる期間601の時間が短いため、VS端子電圧を供給するコンデンサC4に充電される電圧が小さくなる。そのため、期間601において、VS端子電圧は、図5(d)に示すスタンバイ状態の場合のように、入力電圧Vinに対応する電圧までは上昇しない。
[VS端子電圧に基づく直流電圧Vinの推定]
図5や図6に示すFET1の間欠スイッチング制御(間欠制御)の場合には、FET1のスイッチング停止期間(図5の期間501、図6の期間601)において、VS端子電圧が低下する。そのため、電源制御部301は、VS端子電圧に基づいて、正確な直流電圧Vin、すなわち商用交流電源200の交流電圧を検知することができない。したがって、商用交流電源200の交流電圧を正確に検知するためには、取得したVS端子電圧の補正を行う必要がある。
上述したように、VS端子電圧は、コンデンサC4の充電電圧を抵抗R3、R4で分圧した電圧値であり、VS端子電圧と分圧比とに基づいて、コンデンサC4の充電電圧を算出することができる。更に、コンデンサC4の充電電圧は、トランスT1の補助巻線P2に誘起されたフォワード電圧が充電されたものである。フォワード電圧は、上述したように、平滑コンデンサ202に充電された直流電圧Vinに、トランスT1の1次巻線P1の巻数NP1と補助巻線P2の巻数NP2との巻数比(NP2/NP1)を乗じた電圧である。したがって、直流電圧VinがトランスT1の1次巻線に印加されたときに、電源制御部301のVS端子に入力されるVS端子電圧は、次の(式1)のように表すことができる。
VS端子電圧=直流電圧Vin×(補助巻線P2の巻数NP2/1次巻線P1の巻数
NP1)×(R4/(R3+R4))・・・(式1)
なお、R3、R4は、抵抗R3、R4の抵抗値を示し、(R4/(R3+R4))は抵抗R3、R4で構成された分圧回路(分圧部)の分圧抵抗比を示している。
(スタンバイ状態の場合の直流電圧Vinの推定)
上述したように、プリンタ100がスタンバイ状態の場合には、FET1のスイッチング動作によって補助巻線P2にもフォワード電圧が生成され、コンデンサC4の充電電圧が上昇する。そして、VS端子電圧は、(式1)に示すVS端子電圧である、直流電圧Vinに対応する電圧まで上昇する。したがって、FET1のスイッチング停止期間の開始時点(FET1のスイッチング開始期間の終了時点でもある)において、VS端子電圧は、(式1)に示す直流電圧Vinに対応する電圧となっている。
ところが、FET1のスイッチング停止期間にはコンデンサC4は放電され、コンデンサC4の電圧は、抵抗R3、R4の抵抗値、及びコンデンサC4の容量に基づいた時定数(放電時の時定数)に従って、低下する。そして、VS端子電圧も同様に、コンデンサC4の充電電圧の低下に伴い、低下する。したがって、FET1のスイッチング停止期間の終了時点におけるVS端子電圧は、次の(式2)のように表すことができる。
FET1のスイッチング停止期間の開始時点におけるVS端子電圧=
(FET1のスイッチング停止期間の終了時点のVS端子電圧)×
exp((スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数))・・・(式2)
(式2)の「FET1のスイッチング停止期間の開始時点のVS端子電圧」は、スタンバイ状態の場合には、上述した(式1)に示す直流電圧Vinに対応する電圧が代入される。また、「スイッチング停止期間の時間幅」は、FET1のスイッチング停止期間の開始から終了までの時間を示している。
スイッチング停止期間終了時に、計測したVS端子電圧、計測したスイッチング停止期間の時間幅、放電時の時定数を(式2)に代入することにより、FET1のスイッチング期間の開始時点におけるVS端子電圧を推測することができる。すなわち、直流電圧Vinに対応する電圧を推測することができる。
そして、電源制御部301は、取得したVS端子電圧と、上述した(式2)により算出したVS端子電圧との比率に、直流電圧Vinの電圧値を乗じることにより、取得したVS端子電圧に対応する直流電圧Vinの電圧値を算出することができる。更に、取得したVS端子電圧に対応する、商用交流電源200から入力される交流電圧の電圧値は、算出された直流電圧Vinの電圧値を√2で除することにより算出することができる。これにより、誤った交流電圧の値を計測することを防止することができる。
本実施例では、上述した放電時の時定数を予め計算し、電源制御部301のメモリ(不図示)に格納しておき、VS端子電圧を算出する際に参照するものとする。更に、電源制御部301のメモリには、直流電圧Vinに対応する電圧を算出するために、設計上の直流電圧Vinの電圧値、1次巻線P1の巻数NP1及び補助巻線P2の巻数NP2、分圧抵抗R3、R4の抵抗値が格納されているものとする。
(スリープ状態の場合の直流電圧Vinの推定)
上述したように、プリンタ100がスリープ状態の場合のFET1のスイッチング期間におけるコンデンサC4の充電電圧は、直流電圧Vinに対応する電圧まで上昇しない。そのため、上述した(式2)におけるFET1のスイッチング停止期間の開始時点のVS端子電圧を算出するため、FET1のスイッチング期間の終了時点におけるコンデンサC4の電圧を算出する必要がある。
FET1のスイッチング動作が行われるスイッチング期間には、コンデンサC4は充電され、コンデンサC4の電圧は、トランスT1の補助巻線P2の抵抗値、及びコンデンサC4の容量に基づいた時定数(充電時の時定数)に従って上昇する。そして、VS端子電圧も同様に、コンデンサC4の充電電圧の上昇に伴い、上昇する。したがって、FET1のスイッチング期間の終了時点におけるVS端子電圧は、次の(式3)のように表すことができる。
FET1のスイッチング期間の終了時点におけるVS端子電圧=
(FET1のスイッチング期間の開始時点のVS端子電圧)×
(1-exp(-(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)))・・(式3)
「スイッチング期間の時間幅」は、FET1のスイッチング期間の開始から終了までの時間を示している。スイッチング期間の開始時点に取得したVS端子電圧、スイッチング期間の時間幅、及び充電時の時定数を(式3)に代入することで、FET1のスイッチング期間の終了時点のVS端子電圧を算出することができる。
本実施例では、スイッチング期間、スイッチング停止期間、FET1のスイッチング期間の開始時点のVS端子電圧を変化させた実験を行い、収集された実験データに基づいたデータが電源制御部301のメモリ(不図示)に格納されている。詳細には、電源制御部301のメモリには、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)、スイッチング期間の開始時点のVS端子電圧を対応づけたデータが格納されている。更に、スリープ状態におけるスイッチング期間の開始時点のVS端子電圧と、対応する直流電圧Vinの電圧値とを対応づけたデータ、充電時の時定数、放電時の時定数も電源制御部301のメモリに格納されている。
電源制御部301は、スイッチング期間の開始時点のVS端子電圧を取得し、スイッチング期間及びスイッチング停止期間の時間幅を計測する。また、電源制御部301は、メモリ(不図示)に格納された充電時の時定数、放電時の時定数を参照して、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)を算出する。そして、電源制御部301は、スイッチング期間の開始時点のVS端子電圧、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)に基づいて対応する直流電圧Vinの電圧値をメモリより取得する。更に、スイッチング期間の開始時点で取得したVS端子電圧に対応する、商用交流電源200から入力される交流電圧の電圧値は、メモリより取得した直流電圧Vinの電圧値を√2で除することにより算出することができる。
以上説明したように、電源制御部301は、取得したVS端子電圧、分圧抵抗比、放電時及び充電時の時定数、スイッチング停止期間及びスイッチング期間の時間幅に基づいて、商用交流電源200から入力される交流電圧を精度よく推定することができる。なお、本実施例では、VS端子電圧を取得するタイミングをFET1のスイッチング期間の開始時点としているが、このタイミングに限定されるものではない。また、本実施例では、電源制御部301は、スイッチング停止期間の時間幅をタイマ(不図示)を用いて計測する。また、電源制御部301は、スイッチング期間の時間幅を、制御信号DS1のスイッチング周期(信号周期)とスイッチング回数(制御信号DS1の出力回数)を用いて算出しているが、タイマ(不図示)で計測する方法でもよい。
[電源装置の保護]
電源制御部301は、取得したVS端子電圧に基づいて算出された直流電圧Vinに対応する交流電圧が、所定の電圧範囲から外れている電圧異常時には、電源装置108を保護する保護機能を有している。本実施例の低電圧保護機能は、算出された直流電圧Vinに対応する交流電圧が予め決められている低電圧しきい値以下の場合には、スイッチング素子を保護するためにスイッチング動作を停止させる機能である。一方、本実施例の高電圧保護機能は、算出された直流電圧Vinに対応する交流電圧が予め決められている高電圧しきい値以上の場合には、スイッチング素子を保護するためにスイッチング動作を停止させる機能である。電源制御部301は、FET1の間欠スイッチング動作時においても、低電圧保護機能及び高電圧保護機能により、商用交流電源200から入力される交流電圧の電圧異常から電源装置108を保護することができる。
[エンジン制御部との通信]
電源制御部301は、絶縁通信回路306を介して、エンジン制御部500との通信が可能であり、算出した商用交流電源200の交流電圧情報や電源装置の状態情報をエンジン制御部500に送信する。電源制御部301は、商用交流電源200の交流電圧情報として、VS端子から取得したVS端子電圧に基づいて算出した直流電圧Vinに対応する交流電圧情報を送信する。また、電源制御部301は、上述した電源装置の保護機能によってスイッチング動作を停止させた場合には、エンジン制御部500等に電力供給が行われなくなり、プリンタ100は動作停止する。そのため、電源制御部301は、電源装置の状態情報として、交流電圧の異常により低電圧保護機能又は高電圧保護機能が起動されたという情報をメモリ(不図示)に格納する。そして、電源制御部301は、電源装置108が正常に起動され、エンジン制御部500等への電力供給が再開された際に、メモリに格納された情報をエンジン制御部500に送信する。
絶縁通信回路306による通信は、例えばI2C(Inter-IntegratedCircuit)方式やUART方式などの一般的な通信方式でもよい。また、例えば、絶縁通信回路306に、1次側と2次側を絶縁するフォトカプラと、フォトカプラの2次側にエンジン制御部500と接続されたコンデンサを設ける。そして、電源制御部301は交流電圧情報等のデータを含むPWM信号をフォトカプラに出力して、フォトカプラの2次側に接続されたコンデンサの充放電を行い、コンデンサの電圧を制御する。一方、エンジン制御部500は、コンデンサの出力電圧をA/D変換(アナログ/デジタル変換)してデータを受信する方法でもよい。更に、絶縁通信回路306に無線通信機能を設けて、エンジン制御部500に無線により情報を伝達する方法でもよい。
エンジン制御部500は、電源制御部301より受信した商用交流電源200の交流電圧情報に基づいて、定着器106の定着制御を行ってもよいし、受信した商用交流電源200の交流電圧情報に基づいて、電圧異常が発生していないかどうか判断してもよい。更に、エンジン制御部500は、受信した各種情報のうち、必要な情報を表示部501に表示させてもよいし、プリンタ100の外部に設けられたサーバにアップロードしてもよい。また、本実施例では、電源制御部301が、取得したVS端子電圧に基づいて直流電圧Vinの算出を行っている。例えば、電源制御部301は、取得したVS端子電圧の電圧情報を、絶縁通信回路306を介してエンジン制御部500へ送信し、エンジン制御部500が、受信したVS端子電圧の電圧情報に基づいて、直流電圧Vinの推定を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、間欠スイッチング制御時における交流電圧の検知精度を向上させることができる。
実施例1では、スイッチング電源装置の電源制御部が、トランスの1次側の補助巻線に誘起された電圧を分圧した端子電圧に基づいて、商用交流電源の交流電圧を推定する実施例について説明した。実施例2では、画像形成装置のエンジン制御部が、トランスの2次側の補助巻線に誘起された電圧に基づいて、商用交流電源の交流電圧を推定する実施例について説明する。なお、本実施例の画像形成装置であるプリンタ100、電源装置108の構成については、実施例1と同様であり、同じ装置には同じ符号を用いることにより、説明を省略する。
[スイッチング電源装置300の構成]
図7は、実施例2におけるスイッチング電源装置300の回路構成を示す回路図である。図7に示す回路図は、実施例1の図3に示すスイッチング電源装置300の回路図と比べて、次の点が異なる。すなわち、トランスT1がトランスT2になり、トランスT2の2次側に補助巻線S2を有している点が異なる。更に、補助巻線S2には、ダイオードD12、コンデンサC12を有する整流平滑回路、抵抗R11、R12を有する抵抗分圧回路、及びエンジン制御部500への信号ラインを有している点が異なる。なお、図7において、トランスT2の黒丸は、各巻線の巻方向を示している。更に、図7に示す回路図は、実施例1の図3に示す回路図と比べて、電源制御部301が電源制御部701となり、エンジン制御部500との通信を行う絶縁通信回路306が削除されている点が異なる。
図7において、スイッチング電源装置300は、1次側に1次巻線P1、補助巻線P2を有し、2次側に2次巻線S1、補助巻線S2を有する絶縁型のトランスT2を備えている。トランスT2の1次巻線P1、2次巻線S1、補助巻線P2の構成は、実施例1の図3に示すトランスT1と同様であり、説明を省略する。また、補助巻線P2及び2次巻線S1の整流平滑回路、電源制御部701のVS端子の抵抗分圧回路の構成も、実施例1の図3と同様であり、説明を省略する。更に、FET駆動部302、起動回路303、DC/DCコンバータ304、フィードバック部305の構成も、実施例1の図3と同様であり、説明を省略する。
また、電源制御部701の構成は、実施例1の図3に示す絶縁通信回路306と接続された端子が削除された点を除き、実施例1の電源制御部301と同様の構成であり、説明を省略する。なお、本実施例の電源制御部701は、エンジン制御部500との通信を行う通信ラインを有していないが、実施例1と同様に、エンジン制御部500と接続された絶縁通信回路306を設け、エンジン制御部500との通信を行うようにしてもよい。
図7において、トランスT2の補助巻線S2は、1次巻線P1と巻方向が同じである。そのため、トランスT2の補助巻線S2には、1次巻線P1に印加された直流電圧Vinのフォワード電圧が誘起され、誘起された電圧をダイオードD12及びコンデンサC12で構成された整流平滑回路が整流平滑し、直流電圧V3が生成される。そして、生成された直流電圧V3は、コンデンサC12に充電されるとともに、抵抗R11、R12によって分圧され、分圧された電圧はVS2電圧として信号ラインを介して、エンジン制御部500に出力される。出力されたVS2電圧は、エンジン制御部500のCPU(不図示)のA/D端子に入力され、エンジン制御部500はVS2電圧の電圧値を取得する。VS2電圧は、1次巻線P1に印加された直流電圧Vinと、1次巻線P1の巻数と補助巻線S2の巻数との巻数比と、に応じて誘起された電圧が、抵抗R11、R12によって分圧された電圧である。後述するように、エンジン制御部500は、A/D端子に入力されたVS2電圧の電圧値を取得することにより、取得したVS2電圧に基づいて直流電圧Vinの電圧を算出(推定)することができる。これにより、エンジン制御部500は、実施例1のように電源制御部301からの電圧情報の提供がなくても、算出した直流電圧Vinの電圧情報を用いて、商用交流電源200の交流電圧を使用した制御(例えば定着器106の温度制御等)を行うことができる。
また、エンジン制御部500は、スイッチング電源装置300が電圧異常等によりFET1のスイッチング動作を停止させて電力供給を遮断する直前に取得したVS2電圧に基づいて算出した直流電圧Vinを、不揮発性メモリ(不図示)に格納する。エンジン制御部500は、プリンタ100が再起動された際に、不揮発性メモリ(不図示)に格納された直流電圧Vinの電圧情報を読み出し、スイッチング電源装置300が電圧異常によりスイッチング動作を停止したかどうか判断することができる。また、エンジン制御部500は、不揮発性メモリ(不図示)に格納した直流電圧Vinの電圧情報を、プリンタ100の外部に設置されたサーバにアップロードして、遠隔制御で直流電圧Vinに起因して動作停止したかどうかを判断してもよい。
[スイッチング電源装置の電圧波形]
図8は、プリンタ100がプリント状態、スタンバイ状態、スリープ状態の場合のスイッチング電源装置300から出力されるVS2電圧の電圧波形を説明する図である。図8(a)はプリンタ100がプリント状態の場合のVS2電圧の電圧波形を示し、図8(b)はプリンタ100がスタンバイ状態の場合のVS2電圧の電圧波形を示し、図8(c)はプリンタ100がスリープ状態の場合のVS2電圧の電圧波形を示している。図8(a)、(b)、(c)の縦軸はVS2電圧の電圧を示し、横軸は時間を示す。また、図8(b)、(c)に示す「Vinに対応する電圧」は、プリンタ100がプリント状態の場合で、直流電圧VinがトランスT2の1次巻線に印加されているときに、信号ラインに出力される電圧(図8(a)のVS2電圧)を示している。なお、プリンタ100がプリント状態、スタンバイ状態、スリープ状態のときのスイッチング電源装置300が出力する電圧Vout、制御信号DS1、FB端子電圧の電圧波形は、それぞれ実施例1の図4、5、6と同様であり、説明を省略する。
(プリンタがプリント状態の場合)
プリンタ100がプリント状態の場合には、実施例1の図4(b)に示すように、電源制御部701は、連続するPWM信号で構成される制御信号DS1をFET駆動部302に出力する。そのため、プリンタ100がプリント状態の場合は、FET1は連続スイッチング動作を行っており、補助巻線S2にはFET1のスイッチング動作の1周期毎にエネルギーが供給される。そして、コンデンサC12には、入力電圧Vinと、1次巻線P1の巻数と補助巻線S2の巻数の巻数比に応じた電圧が充電される。その結果、図8(a)に示すように、VS2電圧は、コンデンサC12に充電された電圧(電圧V3)を抵抗R11、R12によって分圧された電圧となる。
(プリンタがスタンバイ状態の場合)
プリンタ100がスタンバイ状態の場合には、実施例1の図5(b)に示すように、FET1は間欠スイッチング動作を行う。そのため、制御信号DS1が出力され、FET1がスイッチング動作を行うスイッチング期間と、制御信号DS1が出力されず、FET1がスイッチング動作を停止するスイッチング停止期間とが交互に繰り返される。そして、FET1のスイッチング停止期間では、コンデンサC12の充電電圧は、抵抗R11、R12の抵抗値、及びコンデンサC12の容量によって決定される時定数に従って、低下する。そして、VS2電圧は、コンデンサC12の充電電圧を抵抗R11、R12で分圧された電圧が出力される。
一方、FET1がスイッチング動作を行うスイッチング期間では、FET1のスイッチング動作によって補助巻線S2にもフォワード電圧が生成される。そして、コンデンサC12の充電電圧は、補助巻線S2の抵抗値とコンデンサC12の容量によって決定される時定数に従って、上昇する。その結果、VS2電圧は、直流電圧Vinに対応する電圧、すなわち直流電圧VinのトランスT1の1次巻線P1の巻数と補助巻線S2の巻数との巻数比に応じた電圧を抵抗R11、R12で分圧した電圧まで上昇する。
(プリンタがスリープ状態の場合)
プリンタ100がスリープ状態の場合には、実施例1の図6(b)に示すように、FET1は間欠スイッチング動作を行う。そのため、スタンバイ状態と同様に、FET1がスイッチング動作を行う期間と、FET1がスイッチング動作を停止する期間とが交互に繰り返されるが、FET1がスイッチング動作を停止する期間は、スタンバイ状態の場合よりも長くなる。FET1のスイッチング停止期間では、図8(c)に示すように、上述したスタンバイ状態の場合と同様に、コンデンサC12の充電電圧は、抵抗R11、R12の抵抗値、及びコンデンサC12の容量によって決定される時定数に従って、低下する。そして、VS2電圧は、コンデンサC12の充電電圧を抵抗R11、R12で分圧された電圧が出力される。
一方、FET1がスイッチング動作を行うスイッチング期間では、上述したスタンバイ状態の場合と同様に、コンデンサC12の充電電圧が補助巻線S2の抵抗値とコンデンサC12の容量によって決定される時定数に従って、上昇する。ところが、スリープ状態の場合には、FET1のスイッチング停止期間が長く、スイッチング期間が短い。そのため、VS2電圧は、直流電圧VinのトランスT1の1次巻線P1の巻数と補助巻線S2の巻数との巻数比に応じた電圧を抵抗R11、R12で分圧した電圧までは上昇しない。
[VS2電圧に基づく直流電圧Vinの推定]
図8(b)、(c)に示すように、電源制御部701がFET1の間欠スイッチング動作の制御を行っている場合には、FET1のスイッチング停止期間において、VS2電圧が低下する。そのため、エンジン制御部500は、VS2電圧に基づいて、正確な直流電圧Vin、すなわち商用交流電源200の交流電圧を検知することができない。したがって、商用交流電源200の交流電圧を正確に検知するためには、取得したVS2電圧の補正を行う必要がある。
上述したように、VS2電圧は、コンデンサC12の充電電圧を抵抗R11、R12で分圧した電圧値であり、VS2電圧と分圧比とに基づいて、コンデンサC12の充電電圧を算出することができる。更に、コンデンサC12の充電電圧は、トランスT2の補助巻線S2に誘起されたフォワード電圧が充電されたものである。フォワード電圧は、上述したように、平滑コンデンサ202に充電された直流電圧Vinに、トランスT2の1次巻線P1の巻数と補助巻線S2の巻数との巻数比を乗じた電圧である。したがって、直流電圧VinがトランスT1の1次巻線に印加されたときに、エンジン制御部500のA/D端子に入力されるVS2電圧は、次の(式4)のように表すことができる。
VS2電圧=直流電圧Vin×(補助巻線S2の巻数/1次巻線P1の巻数)
×(R12/(R11+R12))・・・(式4)
なお、R11、R12は、抵抗R11、R12の抵抗値を示し、(R12/(R11+R12))は抵抗R11、R12で構成された分圧回路の分圧抵抗比を示している。
(スタンバイ状態の場合の直流電圧Vinの推定)
プリンタ100がスタンバイ状態の場合には、FET1のスイッチング動作によって補助巻線S2にもフォワード電圧が生成され、コンデンサC12の充電電圧が上昇する。そして、VS2電圧は、(式4)に示すVS2電圧である、直流電圧Vinに対応する電圧まで上昇する。したがって、FET1のスイッチング停止期間の開始時点(FET1のスイッチング期間の終了時点でもある)において、VS2電圧は、(式4)に示す直流電圧Vinに対応する電圧となっている。
ところが、FET1のスイッチング停止期間にはコンデンサC12は放電され、コンデンサC12の電圧は、抵抗R11、R12の抵抗値、及びコンデンサC12の容量に基づいた時定数(放電時の時定数)に従って、低下する。そして、VS2電圧も同様に、コンデンサC12の充電電圧の低下に伴い、低下する。したがって、FET1のスイッチング停止期間の終了時点におけるVS2電圧は、次の(式5)のように表すことができる。
FET1のスイッチング停止期間の開始時点におけるVS2電圧=
(FET1のスイッチング停止期間の終了時点のVS2電圧)×
exp((スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数))・・・(式5)
(式5)の「FET1のスイッチング停止期間の開始時点のVS2電圧」は、スタンバイ状態の場合には、上述した(式1)に示す直流電圧Vinに対応する電圧が代入される。また、「スイッチング停止期間の時間幅」は、FET1のスイッチング停止期間の開始から終了までの時間を示している。
スイッチング停止期間終了時に、計測したVS2端子電圧、計測したスイッチング停止期間の時間幅、放電時の時定数を(式2)に代入することにより、FET1のスイッチング期間の開始時点におけるVS端子電圧を推測することができる。すなわち、直流電圧Vinに対応する電圧を推測することができる。なお、スイッチング停止期間の時間は、VS2端子が下降している時間をタイマで計測する。
そこで、エンジン制御部500は、スイッチング期間の開始時点においてA/D端子に入力されるVS2電圧を取得する。そして、エンジン制御部500は、取得したVS2電圧と、上述した(式5)により算出したVS2電圧との比率に、直流電圧Vinの電圧値を乗じることにより、取得したVS2電圧に対応する直流電圧Vinの電圧値を算出することができる。更に、取得したVS2電圧に対応する、商用交流電源200から入力される交流電圧の電圧値は、算出された直流電圧Vinの電圧値を√2で除することにより算出することができる。これにより、誤った交流電圧の値を計測することを防止することができる。
本実施例では、上述した放電時の時定数を予め計算し、エンジン制御部500の不揮発性メモリ(不図示)に格納しておき、VS2電圧を算出する際に参照するものとする。更に、エンジン制御部500の不揮発性メモリには、直流電圧Vinに対応する電圧を算出するために、設計上の直流電圧Vinの電圧値、1次巻線P1の巻数及び補助巻線S2の巻数、分圧抵抗R11、R12の抵抗値が格納されているものとする。
(スリープ状態の場合の直流電圧Vinの推定)
上述したように、プリンタ100がスリープ状態の場合のFET1のスイッチング期間におけるコンデンサC12の充電電圧は、直流電圧Vinに対応する電圧まで上昇しない。そのため、上述した(式5)におけるFET1のスイッチング停止期間の開始時点のVS2電圧を算出するため、FET1のスイッチング期間の終了時点におけるコンデンサC12の電圧を算出する必要がある。
FET1のスイッチング動作が行われるスイッチング期間には、コンデンサC12は充電され、コンデンサC12の電圧は、トランスT1の補助巻線S2の抵抗値、及びコンデンサC12の容量に基づいた時定数(充電時の時定数)に従って上昇する。そして、VS2電圧も同様に、コンデンサC12の充電電圧の上昇に伴い、上昇する。したがって、FET1のスイッチング期間の終了時点におけるVS2電圧は、次の(式6)のように表すことができる。
FET1のスイッチング期間の終了時点におけるVS2電圧=
(FET1のスイッチング期間の開始時点のVS2電圧)×
(1-exp(-(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)))・・(式6)
「スイッチング期間の時間幅」は、FET1のスイッチング期間の開始から終了までの時間を示している。スイッチング期間の開始時点に取得したVS2電圧、スイッチング期間の時間幅、及び充電時の時定数を(式6)に代入することで、FET1のスイッチング期間の終了時点のVS2電圧を算出することができる。
本実施例では、スイッチング期間、スイッチング停止期間、FET1のスイッチング期間の開始時点のVS2電圧を変化させた実験を行い、収集された実験データに基づいたデータがエンジン制御部500の不揮発性メモリ(不図示)に格納されている。詳細には、エンジン制御部500の不揮発性メモリには、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)、スイッチング期間の開始時点のVS2電圧を対応づけたデータが格納されている。更に、スリープ状態におけるスイッチング期間の開始時点のVS2電圧と、対応する直流電圧Vinの電圧値とを対応づけたデータ、充電時の時定数、放電時の時定数もエンジン制御部500の不揮発性メモリに格納されている。
エンジン制御部500は、A/D端子を介して、スイッチング期間の開始時点のVS2電圧を取得し、スイッチング期間及びスイッチング停止期間の時間幅を計測する。また、エンジン制御部500は、不揮発性メモリ(不図示)に格納された充電時の時定数、放電時の時定数を参照して、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)を算出する。そして、エンジン制御部500は、スイッチング期間の開始時点のVS2電圧、比率1(スイッチング期間の時間幅/充電時の時定数)、比率2(スイッチング停止期間の時間幅/放電時の時定数)に基づいて、直流電圧Vinを不揮発性メモリより取得する。更に、スイッチング期間の開始時点で取得したVS2電圧に対応する、商用交流電源200から入力される交流電圧の電圧値は、不揮発性メモリより取得した直流電圧Vinの電圧値を√2で除することにより算出することができる。
以上説明したように、エンジン制御部500は、取得したVS2電圧、分圧抵抗比、放電時及び充電時の時定数、スイッチング停止期間及びスイッチング期間の時間幅に基づいて、商用交流電源200から入力される交流電圧を精度よく推定することができる。なお、本実施例では、VS2電圧を取得するタイミングをFET1のスイッチング期間の開始時点としているが、このタイミングに限定されるものではない。
また、本実施例では、スイッチング停止期間及びスイッチング期間の時間幅は、エンジン制御部500のタイマ(不図示)を用いて計測する。詳細には、エンジン制御部500のCPU(不図示)のA/D端子に入力されるVS2電圧を取得し、今回取得したVS2電圧と前回取得したVS2電圧との電圧変化に応じて、タイマによる時間測定を開始又は終了する。すなわち、エンジン制御部500は、今回取得したVS2電圧が前回取得したVS2電圧よりも高い場合には、タイマが作動していない場合にはスイッチング期間の開始、タイマが作動中の場合にはスイッチング停止期間の終了と判断してタイマの計測処理を行う。一方、エンジン制御部500は、今回取得したVS2電圧が前回取得したVS2電圧よりも低い場合には、タイマが作動中の場合にはスイッチング期間の終了、タイマが作動していない場合にはスイッチング停止期間の開始と判断して、タイマの計測処理を行う。
以上説明したように、エンジン制御部500は、取得したVS2電圧、分圧抵抗比、放電時及び充電時の時定数、スイッチング停止期間、及びスイッチング期間の時間幅を用いて、直流電圧Vinの電圧値を推定(算出)することができる。そして、スイッチング電源装置300がFET1の間欠スイッチング制御を行っている場合でも、推定した直流電圧Vinの電圧値に基づいて、商用交流電源200から電源装置108に入力される交流電圧を精度よく推定することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、間欠スイッチング制御時における交流電圧の検知精度を向上させることができる。
1 FET(電界効果トランジスタ)
301 電源制御部
305 フィードバック部
T1 トランス

Claims (10)

  1. 1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、
    入力される交流電圧を整流平滑する第1の整流平滑部と、
    スイッチング動作により前記第1の整流平滑部から前記1次巻線への電力の供給又は遮断を行うスイッチング素子と、
    前記スイッチング動作を制御する制御手段と、
    前記補助巻線に誘起される電圧を整流平滑する第2の整流平滑部と、
    前記2次巻線から出力される電圧をフィードバックするフィードバック手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記スイッチング動作を行うスイッチング期間と前記スイッチング動作を停止させる停止期間とを繰り返す間欠制御を行うことが可能であり、
    前記制御手段は、前記停止期間の長さを計測する計測部を含み、
    前記スイッチング期間において、前記制御手段は前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を所定の回数、実施すると前記停止期間に移行し、前記停止期間において、前記制御手段は前記フィードバック手段から出力される電圧に基づいて、前記2次巻線から出力される電圧が目標電圧よりも低下したと判断すると、前記スイッチング期間に移行し、
    前記制御手段は、前記第2の整流平滑部の出力電圧と、前記計測部によって計測された前記停止期間の長さと、に基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする電源装置。
  2. 分圧抵抗を有し、前記第2の整流平滑部から出力される電圧を前記分圧抵抗で分圧し、前記制御手段に出力する分圧部を備え、
    前記制御手段は、前記分圧部の出力電圧と、前記スイッチング期間及び前記停止期間の長さと、前記第2の整流平滑部の前記スイッチング期間及び前記停止期間における時定数と、前記分圧抵抗の分圧比と、前記1次巻線の巻数と前記補助巻線の巻数との巻数比と、に基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記停止期間における前記第2の整流平滑部の時定数は、前記第2の整流平滑部に含まれる第2のコンデンサの容量と、前記分圧抵抗の抵抗値と、により決定されることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記スイッチング期間における前記第2の整流平滑部の時定数は、前記第2のコンデンサの容量と、前記補助巻線の抵抗値と、により決定されることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記制御手段は、前記フィードバック手段から出力される電圧に応じて、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を制御することを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  6. 前記制御手段は、推定した前記交流電圧の電圧値が低電圧しきい値以下の場合、又は高電圧しきい値以上の場合には、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を停止することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  7. 記録材に画像形成を行う画像形成部と、
    前記画像形成部を制御する制御部と、
    前記画像形成部、及び前記制御部に電力を供給する請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の電源装置と、
    を備え、
    前記制御部は、前記画像形成部を制御して記録材に画像形成を行うプリント状態と、前記プリント状態に遷移が可能なスタンバイ状態と、消費電力を低減するスリープ状態と、を切替え可能であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記スタンバイ状態の場合には、前記停止期間の終了時点における前記分圧部の出力電圧と、前記停止期間の長さと、前記停止期間における前記第2の整流平滑部の時定数と、に基づいて、前記停止期間の開始時点における前記分圧部の出力電圧を算出し、算出した前記分圧部の出力電圧と前記スイッチング期間の開始時点において取得した前記分圧部の出力電圧とに基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記停止期間の開始時点における前記分圧部の出力電圧は、前記第1の整流平滑部に含まれる第1のコンデンサが前記1次巻線に出力する電圧と、前記1次巻線の巻数と前記補助巻線の巻数との巻数比と、前記分圧抵抗の分圧比と、基づいて算出されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 記録材に画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部を制御する制御部と、前記画像形成部、及び前記制御部に電力を供給する電源装置と、を備え、
    前記制御部は、前記画像形成部を制御して記録材に画像形成を行うプリント状態と、前記プリント状態に遷移が可能なスタンバイ状態と、消費電力を低減するスリープ状態と、を切替え可能である画像形成装置であって、
    前記電源装置は、
    1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、
    入力される交流電圧を整流平滑する第1の整流平滑部と、
    スイッチング動作により前記第1の整流平滑部から前記1次巻線への電力の供給又は遮断を行うスイッチング素子と、
    前記スイッチング動作を制御する制御手段と、
    前記補助巻線に誘起される電圧を整流平滑する第2の整流平滑部と、
    前記2次巻線から出力される電圧をフィードバックするフィードバック手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記スイッチング動作を行うスイッチング期間と前記スイッチング動作を停止させる停止期間とを繰り返す間欠制御を行うことが可能であり、
    前記制御手段は、前記停止期間の長さを計測する計測部を含み、
    前記スイッチング期間において、前記制御手段は前記スイッチング素子の前記スイッチング動作を所定の回数、実施すると前記停止期間に移行し、前記停止期間において、前記制御手段は前記フィードバック手段から出力される電圧に基づいて、前記2次巻線から出力される電圧が目標電圧よりも低下したと判断すると、前記スイッチング期間に移行し、
    前記制御手段は、前記第2の整流平滑部の出力電圧と、前記計測部によって計測された前記停止期間の長さと、に基づいて、前記交流電圧の電圧値を推定することを特徴とする画像形成装置。
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