JP2023005471A - 原着ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

原着ポリエステル繊維及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023005471A
JP2023005471A JP2021107404A JP2021107404A JP2023005471A JP 2023005471 A JP2023005471 A JP 2023005471A JP 2021107404 A JP2021107404 A JP 2021107404A JP 2021107404 A JP2021107404 A JP 2021107404A JP 2023005471 A JP2023005471 A JP 2023005471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
polyester fiber
polyester
spun
dyed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021107404A
Other languages
English (en)
Inventor
紀孝 伴
Noritaka Ban
浩太 枌原
Kota Fungen
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Frontier Co Ltd
Original Assignee
Teijin Frontier Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Frontier Co Ltd filed Critical Teijin Frontier Co Ltd
Priority to JP2021107404A priority Critical patent/JP2023005471A/ja
Publication of JP2023005471A publication Critical patent/JP2023005471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】水中への分散性が良好であって、かつ高タフネスの原着ポリエステル繊維を得ることであり、環境に好適な製造方法を提供することにある。【解決手段】平均1次粒径5~30nmの着色剤を0.5~3.0重量%含むポリエステルからなり、単繊維の繊度が0.01~0.5dtex、タフネスが10以上、繊維長が2~25mmである原着ポリエステル繊維である。【選択図】なし

Description

本発明は、原着ポリエステル繊維及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の粒子径、含有量の着色剤を含むポリエステルからなり、単繊維が細く高タフネスである原着ポリエステル系繊維およびその製造方法に関するものである。
極細繊維は、眼鏡拭きや家庭清掃用のワイパーをはじめ、フィルター用途、スエード調やヌバック調の、天然皮革に近い優れた風合いをもつ人工皮革などの用途で、近年広く用いられている。特に人工皮革といった用途では、衣料、靴、家具の素材として用いるため、後工程において染色を行う。染色工程では多量の薬剤とエネルギーを使用し、染色排水処理も行う必要があるため、製造コストアップに繋がる。また、染色は繊維の非晶部分にのみ染料分子が進入し着色するため、色落ちしやすい問題があった。そこで着色剤である染料あるいは顔料を繊維に予め含有させる、いわゆる原着により繊維に着色する方法が検討されている。(例えば、特許文献1~3)
特許文献1、2はいずれも非相溶性の2種類の樹脂を海島型混合紡糸法により製糸した後、得られた繊維から有機溶媒により海成分を除去・廃棄し、島成分である原着極細繊維を得る方法である。しかしながら、自然環境及び労働環境への負荷が懸念される。
特許文献3は、カーボンブラックを含有するポリエステルとポリオレフィン系重合体、又はポリアミド系重合体を所定の断面形状となるよう複合化した複合繊維である。しかしながら、異なる樹脂種を使用することから製品のリサイクル性に課題がある。
特開平9-59881号公報 特開2002-146624号公報 特開2011-208336号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、水中への分散性が良好であって、かつ高タフネスの原着ポリエステル繊維を得ることであり、環境に好適な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の1次粒子径の着色剤を使用することにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、
1.平均1次粒径5~30nmの着色剤を0.5~3.0重量%含むポリエステルからなり、単繊維の繊度が0.01~0.5dtex、タフネスが10以上、繊維長が2~25mmである原着ポリエステル繊維、
2.前記1に記載の原着ポリエステル繊維の製造方法であって、ポリエステルと、平均1次粒径5~30nmの着色剤をポリエステル繊維に対して0.5~3.0重量%の配合率で混合して溶融した融液を、吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、300~1000m/minの紡糸速度で未延伸ポリエステル繊維とした後、5.0~15.0倍でフロー延伸
した後、1.5~4.0倍でネック延伸し、続けてカットして得られる原着ポリエステル繊維の製造方法、そして、
3.前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、前記着色剤がカーボンブラックである、前記2記載の原着ポリエステル繊維の製造方法。
本発明によれば、単繊維の繊維径がきわめて細い原着繊維にも関わらず、タフネスが良好で、かつ水中分散性にすぐれたポリエステル繊維が得られるので、湿式不織布として好適である。さらには、本発明のきわめて細い原着繊維は、溶融紡糸法により得られるので、環境面、コスト面においても優れた製造方法を提供できる。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明に用いるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレートといった芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、または、ポリアルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート等の脂環族ジカルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、または、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸と脂環族ジオールのポリエステル、または、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、そして、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ安息香酸等のポリヒドロキシカルボン酸、等が例示される。
ポリエステルを構成するジオール成分としてジエチレングリコール、1、2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2-ビス(p-β-ヒドロキシエチルフェニル)プロパン、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2-プロピレン)グリコール、ポリ(トリメチレン)グリコールもしくはポリ(テトラメチレン)グリコール等を1成分または2成分以上共重合させてもよい。
また、目的に応じて、酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、α、β-(4-カルボキシフェノキシ)エタン、4、4-ジカルボキシフェニル、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1、4-シクロヘキサンジカルボン酸またはこれらのエステル類、そして、ジオール成分としてジエチレングリコール、1、3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコール、等を1成分以上共重合させてもよく、さらにペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸等の3個以上のカルボン酸成分または水酸基をもつ成分を共重合して分岐をもたせてもよい。また、上記に例示されるような組成の異なるポリエステルの混合物も含まれる。なお、これらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、艶消し剤、防汚剤、抗菌剤、消臭剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。
本発明の原着ポリエステル繊維は、繊維に対する着色剤の配合率が、0.5~3.0重量%を含有していることが必要である。繊維に対する着色剤の配合率が0.5重量%未満では十分な発色性および鮮明性を得ることは難しい。また、配合率が3.0重量%を超えると、後述する延伸工程において、延伸性が悪化するので好ましくない。着色剤のより好ましい配合率は0.7重量%以上1.5重量%以下、更に好ましくは0.8重量%以上1.2重量%以下である。
着色剤としては、顔料および染料が挙げられるが、耐候性、鮮明性の点から顔料が好ましく用いられる。顔料としては、黒色に着色する目的でカーボンブラックを主成分とする顔料を配合するもの、または有彩色に着色することを目的に有彩色用顔料を配合するもののどちらでも良い。中でもカーボンブラックを主成分とする黒色化が好ましい。
配合されているカーボンブラックは特に限定はされないが、繊維中での粒子径が3μm以下のカーボンブラックが好ましく、1μm以下のカーボンブラックが特に好ましい。
本発明に使用する着色剤の平均1次粒子径は、5~30nmであることが必要であり、好ましくは5~20nmである。着色剤の平均1次粒径が5nm未満の場合は充分な濃色性を得られず、30nmを超えると着色剤が均一に分散されにくくなり、延伸が阻害されるとともに色斑が発現しやすくなる。
本発明において、着色剤としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラック以外の着色成分が含まれていても良いが、着色剤全体に対するカーボンブラックの含有率は30重量%以上になっていることが好ましい。また、併用される着色成分としては、例えばニグロシン(C.I.SOLVENT BLACK5やC.I.SOLVENT BLACK 7としてCOLORINDEXに記載されているアジン系縮合混合物)などがある。
本発明における原着ポリエステル繊維は、断面外周が丸断面であれば、中実繊維であっても中空繊維であっても、複合繊維であってもよい。
(繊維径)
上記からなる本発明の原着ポリエステル繊維の繊度は、0.01~0.5dtexであることが必要であり、好ましくは0.04~0.3dtexであり、さらに好ましくは0.1~0.25dtexである。繊度が0.01dtex未満であると、繊維同士の絡み合いにより地合が不良となる傾向があり、繊度が0.5dtexを超えると、繊維の曲げ剛性が上がり風合いの柔軟性が不足するため、好ましくない。
(繊維長)
本発明の原着ポリエステル繊維の繊維長は2~25mmであることが必要であり、好ましくは2~15mm、より好ましくは2~10mmである。繊維長が2mmより短くなると、切断抵抗が大きくなり、繊維同士の絡みが起こり易く、繊維の品質斑が発生する。一方、繊維長が25mmを超えて長くなると、抄紙時、繊維の水中分散性が悪化するので好ましくない。
(タフネス)
本発明の原着ポリエステル繊維のタフネスは10以上であることが必要であり、好ましくは11以上、より好ましくは14以上である。本発明においてタフネスは、繊維の強度(cN/dtex)、及び伸度(%)から以下の式を用いて算出される値である。
タフネス=強度×√(伸度)
タフネスが10に満たない場合は、繊維の加工時や使用時の品質が十分ではない。
(製造方法)
次に本発明の製造方法を説明する。
ポリエステルペレット、および着色剤を常法で個別に乾燥し、ポリエステルペレットと着色剤をそれぞれ所定量計量して樹脂中の着色剤濃度を調整できるスクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて溶融し、常法で紡糸引き取りして未延伸ポリエステル繊維を得る。この際、未延伸糸を引き取る紡糸速度は300~1000m/minが必要である。引き取り速度が300m/min未満では、引き取り及び次工程を移行する際に必要な機
械的強度を得ることが難しいため好ましくない。一方で、1000m/minを超える場合は、繊維の配向が進みすぎてフロー延伸に適さないため好ましくない。未延伸糸を引き取る紡糸速度は、より好ましくは400~900m/minである。
また、ポリエステルペレットおよび着色剤の内、少なくとも1種類が未乾燥状態のものを使用する場合、真空吸引装置を合わせ持つスクリュー式押出機を使用してもよい。スクリュー式押出機は、ポリエステルペレットと着色剤の混錬性の観点で1軸型よりも2軸型の方が好ましい。
次いで、該未延伸ポリエステル繊維をそのガラス転移点(以下、Tgと記す)より高い温度で延伸する。なお、本発明においては、より安定した延伸のため、使用するポリエステルのTgより10℃以上高い媒体中でフロー延伸することが望ましい。例えば、80~100℃の湿熱中、即ち、80~99℃の温水中、または、100~150℃の湿熱中で行う。このときのフロー延伸の延伸倍率は、5.0~15.0倍が必要であり、好ましくは7.0~10.0倍である。5.0倍以上とすることで、海島混合型又は海島複合型紡糸(例えば海成分を溶液にて溶解除去して、残った島成分を繊維として得る方法)で得ることができるような極めて細い繊維を非海島型溶融紡糸法により得ることができる。
フロー延伸の延伸倍率が5.0倍に満たないと海島混合型又は海島複合型紡糸で得ることができるような極めて細い繊維を非海島型溶融紡糸法で得ることができず、15.0倍を超えるとフロー延伸時の糸切れが増加して、品質、加工工程性が大幅に悪化するため好ましくない。
次いで、得られた繊維を引き続いてネック延伸を行い、単繊維繊度0.5dtex以下のポリエステル繊維となす。ネック延伸倍率は通常は1.5~4.0倍である。ネック延伸は60~80℃の温水中で行うことが好ましい。60℃未満の場合、延伸点が安定しないことにより延伸中の糸切れが増加するため好ましくない。一方で、80℃を超える場合、温水に浸漬した直後に繊維同士が膠着して毛羽を生じるため好ましくない。
本発明においては、繊維の収縮特性を調節するためネック延伸後、熱処理を行っても良い。熱処理方法は特に限定されず、緊張熱処理、制限収縮処理、緩和熱処理等、いずれの熱収縮処理も施すことができる。また、延伸処理後のポリエステル繊維は必要に応じて、界面活性剤を付与し、所定のカット長で切断する。界面活性剤としては公知のものを用いることができ、例えばポリエステル・ポリエーテル共重合体などが例示される。
界面活性剤を付与する方法は特に限定されないが、界面活性剤を含むエマルジョンに繊維束を浸漬した後、ローラー間で把持する方法が例示できる。上述した製造方法では、海島混合紡糸法又は海島複合紡糸法のように海成分を溶解・除去する必要がないため、繊維1本1本の表面に均一に界面活性剤を付与することができ、高い水中分散性を得ることができる。海島混合紡糸法又は海島複合紡糸法の場合、海成分を溶解・除去する前の海島複合糸表面に界面活性剤を付与することは可能であるが、海成分を溶解・除去する工程で海島複合糸表面の界面活性剤が同時に溶出してしまう。この結果得られる島成分1本1本の表面には、水中分散性を向上させる界面活性剤は付与されておらず、本発明による方法に比べて水中分散性が劣るのである。
以上に説明した本発明の原着ポリエステル繊維は、種々の加工方法を適用することができるが、特に人工皮革基材用に好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度[η]
ポリマーサンプル0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール混合溶媒(容量比1/1)に溶解し、35℃における固有粘度(dL/g)を測定した。
(2)ガラス転移点、融点
TAインストルメント・ジャパン社製サーマルアナリスト-2200示差走査熱量測定計DSCを用いた。測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで昇温し、JIS K7121-1987に記載の方法で測定を行った。
(3)着色剤の平均1次粒子径
顔料を含有するポリマー、またはその成形品(繊維)をエッチング処理した後、日立社製SEM(S3500-N)で観察し粒子のサイズを観察した。観察した1粒の粒子について、最大となる長さ(Dmax)、および最小となる長さ(Dmin)を測定し、平均値(Dave)を測定した。その後、同様の操作を繰り返し、100粒の粒子の平均値(Dave)をそれぞれ求め、この100粒あたりの平均値を平均1次粒子径(D)と定義した。
(4)単糸繊度
延伸後の繊維束1,800mmを採取し、120℃の熱風乾燥機で40分間乾燥させた後、測定した絶乾質量を5,000倍し、繊維束の総繊度(単位:denier)を測定した。得られた総繊度を構成される単糸繊維本数で除して、単糸繊度(単位:denier)とし、さらに1.111倍することで、単糸繊度(単位:dtex)を算出した。
(5)繊維長
短繊維側面を顕微鏡で拡大して、その長さをN=10で測定し、その平均値を算出した。
(6)強伸度
延伸後の繊維束から、約2,000deの繊維束を採取し、長さ1,800mm分を取出し、120℃の熱風乾燥機で40分間乾燥させた後、測定した絶乾質量を5,000倍し、繊維束の総繊度(単位:denier)を測定した。
同じ繊維束を用いて、JIS L 1013 8.5.1に準拠し、つかみ距離20cm、引張速度20cm/分で強力(g)、及び、伸度(%)を測定した。得られた強力を、上記繊維束の総繊度で除した後、0.8826倍して、強度(cN/dtex)とした。
(7)タフネス
(6)で得られた繊維の強度(cN/dtex)、及び伸度(%)から以下の式を用いて算出した。
タフネス=強度×√(伸度)
(8)水中分散性
1000mLのメスシリンダーに500mLの水道水を入れ、この中に正味0.1gの短繊維を投入する。繊維がメスシリンダーの底に達したならば、メスシリンダーの開口部に蓋をし、上下を両手で持ち、メスシリンダーを1回反転させて繊維を分散させ、次の基準で水中分散性の良否を判定する。
良好:未分散の繊維束がなく、単繊維1本1本が水中にきれいに広がっている状態
不良:未分散の繊維束が数本以上あり、単繊維同士の絡みも多い状態。
[実施例1]
170℃で乾燥した固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で7.9倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.16dtex、強度2.0cN/dtex、伸度35%、タフネスは11.8で、水中分散性は良好であった。
[実施例2]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径5nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で7.9倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.16dtex、強度3.1cN/dtex、伸度22%、タフネスは14.5で、水中分散性は良好であった。
[実施例3]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径30nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で7.9倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.16dtex、強度2.5cN/dtex、伸度34%、タフネスは14.6で、水中分散性は良好であった。
[実施例4]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを97.5:2.5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で7.9倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.16dtex、強度2.5cN/dtex、伸度40%、タフネスは15.8で、水中分散性は良好であった。
[実施例5]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを85:15の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で7.9倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.16dtex、強度1.8cN/dtex、伸度33%、タフネスは10.3で、水中分散性は良好であった。
[実施例6]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中で5.3倍にフロー延伸した後、70℃の温水中で2.5倍にネック延伸し、更に95℃の温水中で5%の制限収縮処理を行った。得られた繊維束をポリエーテル・ポリエーテル共重合体のエマルジョンに浸漬した後、1対のローラーで把持することで繊維に対して0.3重量%付与し、さらに3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。
繊度0.24dtex、強度2.8cN/dtex、伸度35%、タフネスは16.6で、水中分散性は良好であった。
[比較例1]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と、平均1次粒子径40nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。実施例1と同様に、該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中でフロー延伸を行ったが、単糸切れが多発し延伸できなかった。
[比較例2]
170℃で乾燥した、固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを80:20の比率で混合し、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸装置にて290℃で溶融し、2504個の吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、378g/分で吐出し、500m/分の速度で引取り、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、未延伸ポリエステル繊維束を得た。実施例1と同様に、該未延伸ポリエステル繊維束を95℃温水中でフロー延伸を行ったが、単糸切れが多発し延伸できなかった。
[比較例3]
島成分に固有粘度0.64dL/gのポリエチレンテレフタレート(Tg70℃)と平均1次粒子径20nmのカーボンブラックを20重量%含むマスターバッチを95:5の比率で混合し、スクリュー式押出機にて290℃で溶融し、海成分に5-ナトリウムスルホイソフタル酸を4mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを、上記とは別のスクリュー式押出機にて280℃で溶融し、海成分:島成分=35:65の重量比率で島数19の公知の海島複合紡糸用口金を装備した溶融紡糸装置で紡糸し、紡糸速度1250m/minで引き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸を70℃の温水中で2.52倍にフロー延伸し、90℃の温水中で、1.15倍にネック延伸した。これを4%NaOH水溶液で95℃にて35%減量した後、ポリエーテル・ポリエーテル共重合体を繊維に対して0.3重量%付与し、3mmにカットし原着ポリエステル繊維を得た。繊度は0.16dtex、強度1.8cN/dtex、伸度30%、タフネス9.9、水中分散性は、未分散の欠点が多数認められ、不良であった。
Figure 2023005471000001
本発明によって得られた原着ポリエステル繊維は、きわめて細い繊維にも関わらず、タフネスが良好で、かつ水中分散性にすぐれたポリエステル繊維であるので、湿式不織布、特には人工皮革基材用に好適に用いることができる。さらには、本発明により、環境面、コスト面においても優れた原着ポリエステル繊維の製造方法を提供できる。

Claims (3)

  1. 平均1次粒径5~30nmの着色剤を0.5~3.0重量%含むポリエステルからなり、単繊維の繊度が0.01~0.5dtex、タフネスが10以上、繊維長が2~25mmである原着ポリエステル繊維。
  2. 請求項1に記載の原着ポリエステル繊維の製造方法であって、ポリエステルと、平均1次粒径5~30nmの着色剤をポリエステル繊維に対して0.5~3.0重量%の配合率で混合して溶融した融液を、吐出孔を穿設した紡糸口金を通して、300~1000m/minの紡糸速度で未延伸ポリエステル繊維とした後、5.0~15.0倍でフロー延伸した後、1.5~4.0倍でネック延伸し、続けてカットして得られる原着ポリエステル繊維の製造方法。
  3. 前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、前記着色剤がカーボンブラックである、請求項2記載の原着ポリエステル繊維の製造方法。
JP2021107404A 2021-06-29 2021-06-29 原着ポリエステル繊維及びその製造方法 Pending JP2023005471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021107404A JP2023005471A (ja) 2021-06-29 2021-06-29 原着ポリエステル繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021107404A JP2023005471A (ja) 2021-06-29 2021-06-29 原着ポリエステル繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023005471A true JP2023005471A (ja) 2023-01-18

Family

ID=85108101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021107404A Pending JP2023005471A (ja) 2021-06-29 2021-06-29 原着ポリエステル繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023005471A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4579896B2 (ja) 濃染性の改質ポリ乳酸繊維、その構成組成物及びその製造方法
WO1997043472A1 (fr) Fibres degradables spontanement et articles constitues de celles-ci
JP2004162244A (ja) ナノファイバー
US6923925B2 (en) Process of making poly (trimethylene dicarboxylate) fibers
JP2007308830A (ja) 可染性ポリプロピレン繊維
JP2003238775A (ja) 樹脂組成物および成形体
KR20190067763A (ko) 폴리머 얼로이 섬유 및 그것으로 이루어지는 섬유 구조체
EP1523590A1 (en) Fibers, tapes and films prepared from olefinic and segmented elastomers
JP3703775B2 (ja) 吸熱性複合繊維
JP4315009B2 (ja) 混繊糸およびそれからなる繊維製品
JP2023005471A (ja) 原着ポリエステル繊維及びその製造方法
JP2005133250A (ja) 芯鞘複合繊維
JP2009041124A (ja) 可染性ポリプロピレン繊維
JP2004277911A (ja) 吸湿性に優れた海島型ポリエステル繊維およびその製造方法ならびに吸湿性布帛
JP2004277932A (ja) 軽量性に優れた複合繊維の製造方法
JP2008169512A (ja) フロック加工用ポリエステル繊維およびその製造方法
JP6062698B2 (ja) 複合繊維
JP2007169866A (ja) 染色されたナノファイバー集合体
JP2011084827A (ja) 芯鞘型複合繊維
JP2007119948A (ja) 分割型複合繊維
JP2015196914A (ja) 仮撚加工糸
TW200300182A (en) Modified polyester fiber, differential shrinkage composite long fiber and fabric thereof
JPH01272861A (ja) ポリエステル繊維、布帛およびその製造方法
JP4100180B2 (ja) ポリマーアロイ繊維
JP2021116487A (ja) 極細可染性ポリオレフィン繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240318