JP2023003784A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法及びレーザ加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系の性能に起因する加工結果の不均一を防いで加工性能に優れるレーザ加工を実現する。【解決手段】被加工物(W)にレーザ光(LZ)を照射して加工するレーザ加工方法であって、レーザ光によりアブレーション加工が開始される閾値であるアブレーション閾値が、被加工物のアブレーション閾値以上である加工用コート(30)を被加工物の表面上に配設する工程と、加工用コート上からレーザ光を照射して、加工用コートを貫通する開口(30a)を形成すると共に被加工物の一部を除去する加工を行う工程と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、レーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
回路基板などの製造において、レーザ加工が広く用いられている。レーザ加工では、被加工物に対して高強度のレーザ光を照射して、アブレーションによって被加工物に穴や溝などの所望の形状を形成する。
レーザ加工装置では、レーザ発振器により発したレーザ光を光学系によって導いて被加工物に照射させる。光学系や照射方法が異なる様々なタイプのレーザ加工装置がある。例えば、特許文献1のように、光路上のミラーの角度を変化させてレーザ光を結像面上で高速で走査するガルバノスキャナを備えたレーザ加工装置が知られている。また、特許文献2のように、光路中にマスクを備え、マスクを透過したレーザ光を投影レンズによってプリント基板上に結像させて、マクスに形成された導体パターンなどをプリント基板の表面に転写させるレーザ加工装置が知られている。
また、レーザ加工において、加工品質の向上や被加工物の保護などを目的として、被加工物の表面上をコートやマスク材などで覆った状態で加工する技術が知られている(例えば、特許文献1や特許文献3)。
特開2015-150609号公報 特開2008-147242号公報 特開2016-181731号公報
レーザ加工装置では、光学系の収差などの光学性能がレーザ光の照射に影響を及ぼし、理想的な加工結果にならない場合がある。例えば、特許文献2のようなフォトマスクタイプのレーザ加工装置において、投影レンズの収差によってプリント基板上の解像性能にばらつきが生じ、同じ条件でレーザ照射を行っても、レーザ光の照射範囲内で加工結果に差異が発生する。より詳しくは、照射範囲の周縁に進むほど解像性能が低くなってコントラストの低い(エネルギー強度が低い)ボケ光が生じやすくなる。すると、プリント基板上に穴や溝を形成する場合に、ボケ光の影響によって穴や溝の開口部付近が緩やかに広がった形状になってしまう。
特許文献1では、レーザ加工によって穴を形成した場合の一般的な傾向として、上部(開口部)が広がった形状になることを課題としており、基板上をマスク材で覆った状態でレーザ加工を行い、上部の拡径部分が基板ではなくマスク材に形成されるようにしている。レーザ加工後にマスク材を除去することで、基板上には良好な形状の穴が残る。
しかしながら、特許文献1を含む既存の発明は、上記のような光学系の解像性能のばらつきなどに起因する加工結果の不均一に着眼した技術ではなく、この着眼に基づく解決策を提示したものではなかった。
以上のような問題点を解決するべく、本発明は、光学系の性能に起因する加工結果の不均一を防いで加工性能に優れるレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、被加工物にレーザ光を照射して加工するレーザ加工方法であって、前記レーザ光によりアブレーション加工が開始される閾値であるアブレーション閾値が、前記被加工物のアブレーション閾値以上である加工用コートを前記被加工物の表面上に配設する工程と、前記加工用コート上からレーザ光を照射して、前記加工用コートを貫通する開口を形成すると共に前記被加工物の一部を除去する加工を行う工程と、を有することを特徴とする。
前記レーザ光はパルス状に出力され、前記加工用コートのアブレーション閾値は、前記レーザ光のパルスあたり200mJ/cm以上であることが好ましい。
前記加工用コートの厚さは、2μm~20μmの範囲であることが好ましい。
前記加工用コートは水溶性樹脂であることが好ましい。
本発明のレーザ加工方法は、前記被加工物に開口径が20μm以下の穴を形成する場合に特に有用である。
前記加工用コートは、前記レーザ光のうちコントラストが所定以下のボケ光により前記被加工物が加工されることを阻止する。
本発明の一態様は、以上のレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置であって、前記レーザ光を発するレーザ光源と、前記被加工物に行う加工のパターンを有し、前記レーザ光源部から発した前記レーザ光を前記パターンによって選択的に通過させるマスクと、前記マスクと前記被加工物の間の光路上に設けられ、前記パターンの像を結像させて前記レーザ光を前記被加工物に照射させる結像光学系と、を有することを特徴とする。
上記の各態様によれば、光学系の性能に起因する加工結果の不均一を防いで加工性能に優れるレーザ加工を実現することができる。
レーザ加工装置の斜視図である。 レーザ加工装置によって穴を加工するプリント基板の一例を示す断面図である。 レーザ加工装置における有効加工領域と、有効加工領域内の異なる位置でワークに形成した穴の加工例を平面視で示す図である。 有効加工領域内の異なる位置に穴を形成する場合のコントラスト分布を示すグラフである。 ワークの表面上に加工用コートを配設して形成した穴の断面を示す図である。 加工用コートのアブレーション閾値を説明する図である。 実施例と比較例の加工結果を平面視で示す図である。 実施例と比較例の加工結果を断面視で示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明によるレーザ加工を実施するレーザ加工装置10を示している。レーザ加工装置10は、被加工物であるワークWにレーザ光LZを照射して、レーザアブレーションによる加工を行うものである。レーザアブレーションは、単位面積あたりの強度(フルエンス)が高いレーザの照射により、固体材料表面が切断や改質や除去される現象である。レーザ加工装置10は、レーザ光源11、照明光学系12、マスク13、結像レンズ(結像光学系)14、ワーク支持部15を有している。
図2は、レーザ加工装置10による加工を用いて製造する製造物の一例として、プリント基板20を示している。プリント基板20は、エポキシ樹脂などの絶縁材からなる絶縁層21を複数積層させ、各絶縁層21上に銅などの導体で形成した導体部22を層間接続させて構成された多層基板である。一例として、各絶縁層21は15μm~30μm程度の厚さである。図2では省略しているが、プリント基板20の最外層には、ソルダーレジストなどの保護膜が必要に応じて形成される。また、絶縁層21や保護膜には無機材が充填されている。
プリント基板20には層間接続用の穴(Via:ビア)が形成される。穴を開けた状態で銅メッキなどを行うことで、各層の導体部22を導通させることができる。層間接続用の穴の種類として、複数層に亘って貫通するスルービア(Through Via)23、外層と内層を接続させるブラインドビア(Blind Via)24、隣接する2つの内層を接続させるベリードビア(Buried Via)25などがある。回路基板の製造においては、ブラインドビア24のような単層の穴をレーザ加工で形成し、スルービア23のような全体を貫通する穴をドリルなどの機械的手段で形成することが行われている。
本実施形態のレーザ加工装置10によるレーザ加工は、プリント基板20における層間の回路接続用の穴(ブラインドビア24など)の形成に適用したものである。あるいは、層間接続用の穴以外に、プリント基板20の最外層に設けたソルダーレジストなどの保護膜に穴(開口)を形成する場合などにも適用が可能である。以下の説明では、これらの各種の加工対象を「穴」と総称し、穴を形成する被加工物をワークWと呼ぶ。
レーザ加工装置10による加工の際に、ワークWはワーク支持部15によって支持される。図1に示すように、ワーク支持部15に支持されるワークWは、枡目状の複数の区画を含んでおり、個々の区画が一つのプリント基板20に対応する領域となる。
レーザ光源11は、パルス発振動作によりレーザ光LZを発する。なお、レーザ光源11は、後述するアブレーション閾値に対応可能であればよく、その詳細は限定されない。本実施形態のレーザ光源11では、希ガスとハロゲンガスの混合ガスを媒質とするエキシマレーザ発振器を用いている。詳しくは、クリプトンとフッ素の混合ガスを媒質として波長248nmの紫外光を発するレーザ発振器である。これ以外に、アルゴンとフッ素の混合ガスを使用して波長193nmの紫外光を発するレーザ発振器や、キセノンと塩素の混合ガスを使用して波長308nmの紫外光を発するレーザ発振器や、キセノンとフッ素の混合ガスを使用して波長355nmの紫外光を発するレーザ発振器などを用いてもよい。レーザ光源11によってレーザ光LZは、強度分布が一様なビームとしてパルス状に出力される。
レーザ光源11から出力されたレーザ光LZは、照明光学系12によって集光されてマスク13に入射する。マスク13は、ガラス製の板の片面にレーザ光LZを遮る遮光層を配して構成されている。エッチングなどの手法によって遮光層を部分的に除去することで、加工対象である穴のパターン(複数の穴の配置や、個々の穴の形状及び大きさを含むパターン)と相似形の透過領域を有するマスク13が完成する。マスク13に形成したパターンをマスタパターンと呼ぶ。
照明光学系12から射出されたレーザ光LZは、マスク13に遮光層が残っている領域では進行が妨げられ(遮光層により遮蔽され)、マスク13のうち遮光層が除去された透過領域を通過する。マスク13を透過したレーザ光LZは、正のパワーを持つ結像レンズ14によって結像されて、ワーク支持部15上に支持されたワークWに照射される。結像レンズ14の光軸OXは、ワーク支持部15の支持面に対して略垂直である。光軸OXに沿う光軸方向における結像レンズ14とワーク支持部15の相対位置を調整して、マスク13のマスタパターンに対応する像がワークW上に結像するようにされる。なお、結像レンズ14は、単レンズでも良いし、複数枚のレンズから構成されても良い。
マスク13を透過して結像レンズ14を通してレーザ光LZが到達した部分でワークWがアブレーション加工され、ワークWの一部が除去される。このようにして、マスク13上のマスタパターンに対して相似形で縮小されたパターンの穴がワークW上に形成される。
一度の(所定のパルス数の)レーザ光LZの照射によって、ワークWの一区画全体が同時に加工される。ワーク支持部15は、レーザ光源11から結像レンズ14までの部分に対して、ワークWの板面に沿う方向へ移動可能な、いわゆるX-Yステージである。ワークWの一区画への加工が完了したら、ワーク支持部15を駆動してワークWの位置を変更して、次の区画への加工を行う。その繰り返しで、ワークW上の全ての区画を加工する。なお、ワーク支持部15だけではなくレーザ光源11から結像レンズ14の部分を可動にしたり、ワーク支持部15を固定にしてレーザ光源11から結像レンズ14の部分を可動にさせたりしてもよい。
レーザ加工装置10による加工内容を変更する際には、当該加工内容に対応したマスタパターンを持つ別のマスク13に差し替える。例えば、層間接続用の穴の形成以外に、レーザ加工装置10を用いて、プリント基板20の導体部22を形成するための溝を絶縁層21上に設ける加工を行うことが可能である。この場合は、導体部22に対応した構成のマスタパターンを有するマスク13を準備する。
結像レンズ14によって照射されるレーザ光LZの加工有効径Dを図3に示した。加工有効径Dは、結像レンズ14によってレーザ照射の光学的性能が確保できる焦点面上での仮想円(像円)の直径である。光軸OXを中心とし加工有効径Dを直径とする仮想円の範囲内が、レーザ加工装置10によって一度にレーザ加工できる有効加工領域E1となる。ワークW上の矩形状の区画(個々のプリント基板20に対応する領域)をレーザ加工する場合、有効加工領域E1の円形状の外周に内接する矩形領域E2が、一括加工可能なエリアとなる。本実施形態では、矩形領域E2は各辺が約70mmの正方形である。
ところで、光学要素には各種の収差があり、収差などの影響によって解像性能にばらつきが生じる。一般的には、結像レンズ14のような結像光学系の光学性能は、中心である光軸OX付近で最も収差が小さく、高いコントラストが得られる。そして、光軸OXから離れるほど、収差が大きくなり、コントラストも低下する。このような光学的特性によって、結像レンズ14を通してレーザ光LZを照射した場合に、有効加工領域E1や矩形領域E2の内側におけるレーザ加工の加工結果(出来栄え)に差異が発生する。
図4は、有効加工領域E1内の異なる場所に対して、直径15μm程度の同サイズの穴を同条件で形成するべくレーザ照射した場合の、照射面(焦点面)でのコントラスト分布を示したグラフである。グラフの縦軸はコントラストを示しており、横軸は穴の径方向の幅(穴の中心である±0からの半径)を示している。図4に実線で示す第1のグラフG1は、光軸OX付近、すなわち有効加工領域E1及び矩形領域E2の中心付近(図3における第1の位置F1)に穴形成用のレーザ照射を行った場合のコントラスト分布である。図4に一点鎖線で示す第2のグラフG2は、有効加工領域E1及び矩形領域E2の外縁(図3における第2の位置F2)に穴形成用のレーザ照射を行った場合である。
図4に示すコントラスト分布と、ワークW上に形成される穴の形状には、相関関係がある。そのため、一般的には、レーザ加工装置10のような装置で穴を形成した場合、穴の底部の径である底径(ボトム径)と、穴の開口部の径である開口径(トップ径)とに差が生じ、底径よりも開口径が大きい形状の穴になる。開口径と底径の比率をテーパ率とすると、プリント基板20に形成するブラインドビア24などの穴は、テーパ率が100%に近い形状(穴の内面が垂直に近い形状)であることが望ましい。
有効加工領域E1及び矩形領域E2の中心付近へのレーザ照射では、第1のグラフG1で示すように、穴の中心から周縁近くまでの半径方向の広い範囲で高コントラストになっており、穴の周縁部で急激にコントラストが低くなる。より詳しくは、穴の中心から半径7.5μm(直径15μm)に近い位置まで高コントラストであり、穴の中心から半径7.5μm(直径15μm)よりも外側でコントラストが極めて低くなっている。従って、第1の位置F1での加工例F11として図3に示す画像(写真)のように、底径と開口径の差が小さい良好な穴形状が得られる。
これに対して、有効加工領域E1及び矩形領域E2の外縁へのレーザ照射では、第2のグラフG2で示すように、穴の中心付近でのコントラストが第1のグラフG1よりもやや低く、第1のグラフG1よりも穴の中心に近い位置でコントラストの低下が始まり、且つ穴の周縁に進む際のコントラストの低下率が第1のグラフG1よりも緩やかになっている。そして、穴の中心から半径7.5μm(直径15μm)付近で、第1のグラフG1と第2のグラフG2のコントラストの高低関係が逆転し、穴の周縁部では第1のグラフG1よりも第2のグラフG2の方がコントラストが高くなっている。
このように、有効加工領域E1及び矩形領域E2の外縁へのレーザ照射では、穴の中心から半径7.5μm(直径15μm)よりも外側にコントラストの裾野があり、当該領域への照射成分が低コントラストのボケ光としてワークWの表層部の加工状態に影響する。つまり、コントラストの裾野の広さによって、第2の位置F2での加工例F12として図3に示す画像(写真)のように、開口径が広がって、開口部周縁にいわゆる「ダレ」を生じた穴形状になる。
従って、有効加工領域E1及び矩形領域E2の範囲内であっても加工精度は一律ではなく、特に穴の開口部の出来栄え(開口径)に差が生じやすいという課題がある。特に、近年では、半導体チップの性能が向上してバンプピッチが狭くなるにつれ、ビアの径やソルダーレジストの開口径の微細化(例えば直径10μm程度)が進んでおり、開口径の安定性について精度向上の要求が強まっている。このような微細化に対応するために、レーザ加工装置10の結像レンズ14を含む光学系の性能を向上させる対策が行われるが、装置の個体差などもあり、要求値を満足することは容易ではない。
また、ガルバノミラーを使用したレーザ光の走査によって穴を時分割で1つずつ加工するタイプのレーザ加工装置とは異なり、フォトマスク方式でレーザ光LZを照射する本実施形態のレーザ加工装置10は、多数の穴を同時に加工することが出来るため、生産性に優れている。その一方で、レーザ加工装置10では一度に加工可能な範囲である有効加工領域E1や矩形領域E2が広く(図3に示す例では、矩形領域E2の各辺が約70mm)、有効加工領域E1や矩形領域E2内の加工品質を均一にするために、照明光学系12や結像レンズ14には元々非常に高い性能が要求されるので、光学系の改善だけでは対応が難しいという課題がある。
上記の課題を解決するべく、本実施形態では、ワークWの表面上に、所定の特性を有する加工用コート30(図5参照)を密着状態で配設して、加工用コート30の上からレーザ光LZを照射して穴の形成加工を行う。
加工用コート30は樹脂材(有機材)からなる。より詳しくは、加工用コート30を構成する樹脂材は、レーザ加工による加熱時にワークWへの保護性能と加工性を両立するための、高耐熱且つ急峻な分解挙動を示す水溶性樹脂である。ワークWをレーザ加工装置10のワーク支持部15上にセットする前に、ワークWの表面上に加工用コート30を配設する工程を実行する。加工用コート30はワークW上に均一な厚さで設けられる。加工用コート30の配設は、塗布や貼り付けなど、任意の手法で行うことができる。一例として、加工用コート30の材料である水溶性樹脂をスリット状のノズルからワークW上に吐出させるスリットコート式の塗布装置や、シート状の加工用コート30をラミネート加工でワークW上に貼り付ける装置などを用いることができる。
ワークW上に配設する加工用コート30の厚さについては後述するが、2μm~20μmの範囲であり、より好ましくは5μm~20μmの範囲である。
ワークWの表面に加工用コート30を配設する工程が完了したら、ワークWをワーク支持部15に取り付けて、レーザ照射工程(ワークWを加工する工程)に進む。レーザ照射工程では、加工用コート30上からレーザ光LZを照射する。図5に示すように、レーザ光LZによるアブレーションで、加工用コート30を貫通する開口30aが形成されると共に、開口30aの下方でワークWが除去されて穴Hが形成される。穴Hは円形の穴であり、これに対応して開口30aも円形状になっている。
図5のようなアブレーション加工が行われる際に、レーザ光LZのうち、穴の周縁部分に作用するコントラストの低いボケ光は加工用コート30によって阻止され、加工対象であるワークWには到達しない。従って、穴の周縁部分において開口径が広がるダレが発生するとしても、ワークWの穴Hではなく加工用コート30の開口30aの部分に形成されることになる。
レーザ加工装置10でのレーザ加工後に、水洗によってワークW上から加工用コート30を洗い流す。水溶性樹脂からなる加工用コート30は、水洗によって簡単に除去することができる。加工用コート30が除去された後のワークWには、開口部でのダレが発生していない良好な形状の穴が残る。なお、本発明では加工用コート30の材料を限定するものではないが、水溶性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などを挙げることができる。また、水洗とは、純水による洗浄に限定されるものではなく、現像液などによる洗浄を含む概念である。
このように、ワークWの表面上に加工用コート30を配設した状態でレーザ加工を行うことにより、穴径(特に開口径)のばらつきの原因となるボケ光の影響を排除して、有効加工領域E1や矩形領域E2の全域で穴径を安定させられるという効果が得られる。
上記効果を得るために、加工用コート30として使用可能な材料をアブレーション閾値(加工閾値)で定義することができる。アブレーション閾値は、被加工物の材料表面に対してレーザ光によって有効なアブレーション加工が開始される閾値と定義され、レーザ光のエネルギーや光強度として表される。本実施形態では、パルスレーザにおけるパルス毎の(1パルスあたりの)加工位置でのエネルギーに基づいて、アブレーション閾値を設定している。レーザ加工装置10における加工位置でのエネルギー値は、ワーク支持部15上に測定器を設置して、ワークWの加工部位に対応する高さ位置でのエネルギーを測定することでデータを得ることができる。
図6を参照して、アブレーション閾値の概念及び設定について説明する。図6は、レーザ加工装置10のレーザ光源11で、波長248nmの紫外レーザ光であるレーザ光LZの強度(1パルスあたりの加工位置でのエネルギー)とパルス数を変化させて、本実施形態で用いる加工用コート30への加工痕跡を観察した実験結果を示している。この実験では、異なる径の穴を所定の間隔で複数個形成するようにマスク13のマスタパターンを設定している。図6の上段に示す画像(写真)は、レーザ光LZを100パルス照射したときの加工用コート30の表面を撮影したものである。図6の下段に示す表は、レーザ光LZの照射条件(エネルギーとパルス数)を変化させたときの、加工用コート30に形成される直径20μmの穴の深さの測定値(単位:μm)を示したものである。
レーザ光LZのパルス毎のエネルギーが100mJ/cmの場合、加工用コート30の表面に僅かな痕跡が残っているが、パルス数を増やしても加工用コート30には穴が形成されないという結果になった。
レーザ光LZのパルス毎のエネルギーが200mJ/cmの場合、4パルスで、直径20μmの穴が測定可能な深さで形成された。しかし、穴の深さが非常に小さく、パルス数を10から100まで増加させても、穴の深さがほとんど変わらない(0.2μm未満)という頭打ち状態になった。
レーザ光LZのパルス毎のエネルギーが300mJ/cmの場合、直径20μmの穴が1パルス目から形成され始め、パルス数の増加に伴って穴の深さが増大する結果となった。そして、100パルス弱で穴の深さが20μmを超えた。加工用コート30の厚さの好ましい上限値が20μm程度であるため、この段階で、上限値の厚さである加工用コート30を貫通することになる。
レーザ光LZのパルス毎のエネルギーが350mJ/cmの場合、300mJ/cmの場合と似た結果であり、直径20μmの穴が1パルス目から形成され始め、パルス数の増加に伴って穴の深さが増大している。そして、300mJ/cmの場合よりも少ないパルス数で穴の深さが20μmを超えた。
以上の実験結果から、本実施形態で用いる加工用コート30は、レーザ光LZのパルス毎のエネルギーが200mJ/cmの場合と300mJ/cmの場合の間で、加工結果に顕著な違いが生じている。200mJ/cmの場合は、加工用コート30に僅かな加工の痕跡は生じるが、目安のパルス数である100パルス(あるいはそれ以上)の照射を継続しても、加工用コート30の仕様として想定される最小厚さ(2μm程度)を貫通する深さには到達しないため、加工用コート30を加工するためにはエネルギーが不足していると判断される。これに対し、300mJ/cmの場合は、1パルス目から穴が形成され、目安のパルス数である100パルス未満で加工用コート30として想定される最大厚さ(20μm程度)を貫通するので、加工用コート30を加工するために十分なエネルギーであると言える。このように、加工用コート30をアブレーションで有効に加工できるか否かの境界を示すレーザ光強度(パルス毎のエネルギー)がアブレーション閾値である。従って、図6の実施結果から導かれる本実施形態の加工用コート30は、パルス毎のエネルギーとしてアブレーション閾値を表した場合に、アブレーション閾値が300mJ/cmという樹脂材によって構成されている。
ワークWについても、上記の加工用コート30と同様にしてアブレーション閾値を設定することができる。
加工用コート30のアブレーション閾値は、ワークWのアブレーション閾値以上であることを条件とする。加工用コート30のアブレーション閾値が、ワークWのアブレーション閾値を下回っていると、上述したボケ光の影響を阻止する効果が十分に得られなくなるおそれがある。
例えば、プリント基板20のような回路基板における絶縁層を構成する絶縁材として、アブレーション閾値が50mJ/cm~100mJ/cm程度のものが多く用いられている。このような絶縁材は、レーザ光LZの照射の際に結像レンズ14の収差などを起因とするボケ光の影響を強く受けるため、結像レンズ14の個体差や結像レンズ14の照射面内の解像性能の違いによる開口径の差が生じやすい。
特に、プリント基板20に対する穴加工では、穴の内面をできるだけ垂直に近づけることが求められるため、ワークWのアブレーション閾値に比してエネルギーが非常に高いレーザ光LZが照射される。一例として、厚さが15μm~30μm程度の絶縁層21に穴を形成する際に、パルス毎のエネルギーが1000mJ/cmのレーザ光LZを50パルス程度照射する。そのため、絶縁層21のアブレーション閾値に近い(パルス毎のエネルギーが数十mJ/cm程度の)レーザ照射を行う場合に比べて、穴の開口径のばらつきがより一層生じやすい加工条件になる。
このような観点から、加工用コート30のアブレーション閾値は、ワークWの加工用に想定されるエネルギーのレーザ光LZによりアブレーションが可能な範囲内で、高いほど好ましい。具体例として、アブレーション閾値が50mJ/cm~100mJ/cm程度の絶縁層や保護膜などをレーザ加工装置10による加工対象のワークWとして想定した場合、加工用コート30のアブレーション閾値は、少なくとも200mJ/cm以上に設定することが望ましい。加工用コート30のアブレーション閾値が200mJ/cmやそれ以上(図6の例のように300mJ/cm)の場合でも、上述のように、絶縁層21に対する実際の加工に使用するレーザ光LZはその数倍の強度のものを用いるため、加工用コート30を容易に加工可能であり、加工用コート30の存在によってワークWに対する加工が妨げられることがない。
例えば、アブレーション閾値が300mJ/cmで厚さが20μmの加工用コート30を用いた場合、パルス毎のエネルギーが1000mJ/cmのレーザ光LZは、加工用コート30を数パルスで貫通して図5のような開口30aを形成できる。その一方で、加工用コート30のアブレーション閾値以下のエネルギーのボケ光は加工用コート30によって阻止され、加工用コート30よりもアブレーション閾値が低いワークWへのボケ光の影響を確実に防ぐことができる。
このように、ワークWのアブレーション閾値以上のアブレーション閾値である加工用コート30を配設してレーザ加工を行うことで、コントラストが所定以下であるボケ光の影響を無くしてワークWへの穴加工を行うことができ、有効加工領域E1や矩形領域E2の全体で穴の開口径が安定する効果が得られる。
続いて、加工用コート30の厚さについて説明する。上述したように、結像レンズ14の収差などを原因とした照射面上での解像性能の不均一さによって穴の開口径にばらつきが生じるが、実験及び研究の結果、その影響は穴の開口(トップ面)から3~5μmの深さまでにおいて顕著に現れることが分かった。従って、当該深さまでの影響を加工用コート30によって吸収すれば、各穴の開口径のばらつき抑制について高い効果が得られる。
実験及び研究によると、加工用コート30の厚さを2μm程度以上にすると、ワークWにおける穴の開口径のばらつき抑制効果が明確に現れ始めた。故に、加工用コート30の厚さの最小値は2μm以上とすることが好ましい。
開口径の安定性改善という加工用コート30の機能面に関しては、加工用コート30の厚さの上限は特に制約されない。しかしながら、加工用コート30が厚くなるほど加工用コート30自体の製造に要する時間やコストが上昇し、生産性が悪くなる。また、加工用コート30が厚くなると、それに比例してレーザ加工装置10でワークWを加工するまでの時間も長くなる。従って、加工用コート30の量産性やレーザ加工装置10での加工時間に基づいて、加工用コート30の上限値が設定される。具体的には、加工用コート30の厚さの上限値を20μm程度にすると、加工用コート30の生産効率やレーザ加工装置10での加工効率を良好なものにできる。
以上の条件から、加工用コート30の厚さは、2μm~20μmの範囲に設定される。また、開口径にばらつきが生じやすい深さの上限をカバーする5μmを下限値として、加工用コート30の厚さを5μm~20μmの範囲にすることがより好ましい。さらに、加工用コート30の量産性やレーザ加工装置10での加工効率を重視した場合は、加工用コート30の厚さは当該範囲内で最小の5μm程度が最適値となる。
まとめると、加工用コート30は以下の条件を満たすように設定される。まず、加工用コート30のアブレーション閾値は、ワークWのアブレーション閾値以上である。また、加工用コート30のアブレーション閾値は、ワークWの加工に使用するレーザ性能によって加工可能な範囲内で、できる限り高い値であることが好ましい。具体的には、少なくとも200mJ/cm以上であることが好ましい。本実施形態の加工用コート30は、パルス毎のエネルギーが300mJ/cm以上という非常に高いアブレーション閾値を有しており、より好適な効果が得られる。さらに、図6の実験結果から分かるように、アブレーション閾値が350mJ/cm以上の加工用コート30を用いてもよい。
また、加工用コート30は、レーザ加工装置10で加工を行う際の加工性に優れることが好ましい。加工性は、アブレーション閾値と厚さに応じて決まる。上述のようなアブレーション閾値が300mJ/cmで、厚さが5μm~20μmというスペックの加工用コート30の場合、パルス毎のエネルギーが1000mJ/cmで50パルス程度のレーザ照射を必要とするワークWの加工において、数パルスで加工用コート30を貫通するので加工性に優れており、ワークW上に加工用コート30を配設したことによる加工時間の増大がほとんど生じない。
また、加工用コート30は、ワークW上への配設やワークW上からの除去が容易であることが求められる。加工用コート30の材料として先に挙げたアクリル樹脂やポリエステル樹脂などの水溶性樹脂は、塗布や貼り付けなどの各種の手法によって、数μmの均一な厚さでワークWの表面上に行き渡らせることができる。ワークW上からの除去については、水溶性樹脂からなる加工用コート30は、水や現像液で洗い流せるため、ワークWにダメージを与えずに容易に除去することができる。
また、加工用コート30は、プリント基板20における絶縁層21や保護膜などのワークWに接触した際にダメージを与えない材質からなることが求められる。加工用コート30の材料として先に例示したアクリル樹脂やポリエステル樹脂などの水溶性樹脂は、回路基板用に一般的に用いられる絶縁材や保護膜にダメージを与えず、条件を満たすものである。
図7及び図8は、以上のような条件を満たす加工用コート30をワークW上に配設してレーザ加工装置10で加工した結果である実施例と、ワークW上に加工用コート30を配設せずにレーザ加工装置10で加工した結果である比較例を示している。
図7は、上述した矩形領域E2(一辺が約70mmの矩形状の面内)で、複数の位置に穴を形成した結果を観察したものである。実施例1が加工用コート30有りの場合の加工結果で、比較例1が加工用コート30無しの場合の加工結果である。実施例1と比較例1におけるレーザ光LZの照射条件(エネルギーやパルス数)は同じであり、矩形領域E2上に所定の配置で直径20μmの穴を複数個形成するようにマスク13のパターンを設定している。
実施例1における矩形領域E2上での5つの穴P1~P5の位置と、比較例1における矩形領域E2上での5つの穴Q1~Q5の位置は、互いに対応している。穴P1及び穴Q1は、矩形領域E2の中央付近に形成されている。穴P2~P5と穴Q2~Q5は、矩形領域E2の四隅に近い位置に形成されている。なお、図7では、穴P1~P5や穴Q1~Q5を拡大した画像を示しており、実際の矩形領域E2の広さと各穴の寸法の関係とは異なる。
実施例1では、矩形領域E2の中心付近の穴P1だけでなく、四隅に近い穴P2~P5についても、穴の開口の広がりが抑制されている。より詳しくは、穴P1~P5について、開口径(トップ径)の平均値が19.9μmで標準偏差0.4、底径(ボトム径)の平均値が18.8μmで標準偏差0.5、内面の平均角度が88.4°(ワーク表面と平行な方向を0°とした場合)という加工結果であった。
比較例1では、矩形領域E2の中心付近の穴Q1において、実施例1よりも若干開口が広がった形状になっている。さらに、矩形領域E2の四隅に近い穴Q2~Q5では開口が顕著に広がっている。より詳しくは、穴Q1~Q5について、開口径(トップ径)の平均値が21.9μmで標準偏差0.9、底径(ボトム径)の平均値が17.2μmで標準偏差0.5、内面の平均角度が83.4°(ワーク表面と平行な方向を0°とした場合)という加工結果であった。
このように、実施例1では、加工用コート30の効果によって、比較例1に対して、矩形領域E2の中央部から周縁部までの各穴の開口径のばらつきが2分の1以下に改善されている。その結果、レーザ加工装置10における加工範囲(有効加工領域E1や矩形領域E2)内での解像性能のばらつきが加工結果に及ぼす影響を抑制して、加工範囲の全体で均質化された加工性能を得ることができている。
実施例1における穴P1~P5は、比較例1の穴Q1~Q5と比べて、穴の内面がワーク表面に対して垂直に近い形状(立った形状)になっており、プリント基板20のブラインドビア24(図2参照)などに好適な内面形状を実現している。加工用コート30は、このような個々の穴P1~P5の形状改善に寄与している。但し、本発明の技術思想は、レーザ加工全般で生じやすい個々の加工部分の形状の乱れ(穴の開口部分のダレ形状)を単に改善するだけのものではなく、レーザ加工装置10の光学系が不可避的に有する解像性能の不均一さが、加工範囲内の各所での加工結果のばらつきとして発現することを防ぐべく、加工均質化の手段として加工用コート30を用いたという点にある。つまり、ある程度の広がりをもって行われるレーザ加工の加工範囲内での加工結果のばらつきを防ぐために、加工用コート30のような手段を用いるという着眼が、新規且つ独自なものである。
図8は、個々の穴の形状改善をより具体的に示しており、加工用コート30有りの実施例2及び実施例3と、加工用コート30無しの比較例2及び比較例3で、矩形領域E2の外縁近くの特定位置での穴の断面形状を示したものである。実施例2及び比較例2は、レーザ光LZの照射条件(エネルギーやパルス数)を同じにして、直径20μmの穴を形成するようにマスク13を設定した結果である。実施例3及び比較例3は、レーザ光LZの照射条件(エネルギーやパルス数)を同じにして、直径14μmの穴を形成するようにマスク13を設定した結果である。
図8に示すように、実施例2及び実施例3はいずれも、穴の開口の広がりが小さく抑えられており、底部から開口部に至るまで穴の内面が垂直に近い形状になっている。具体的には、実施例2の穴では開口径と底径の比率であるテーパ率が約96.0%で、実施例3の穴ではテーパ率が約94.8%である。従って、結像レンズ14の収差などの影響を受けやすい矩形領域E2の外縁付近であっても、開口径と底径の差が小さい良好な形状の穴が形成されている。
これに対して、比較例2及び比較例3では、実施例2及び実施例3よりも穴の開口径の広がりが大きく、穴の内面の角度が実施例2及び実施例3よりも小さくなっている。比較例2の穴ではテーパ率が約83.2%で、比較例3の穴ではテーパ率が約85.9%である。従って、矩形領域E2の外縁付近においてボケ光の影響を大きく受けていることが分かる。
以上のように、本実施形態によるレーザ加工方法及びレーザ加工装置によれば、穴の開口径の安定性が要求される加工用途において、所定の条件を満たす加工用コート30をワークWの表面上に配設して加工することにより、加工結果を改善させることができる。
特に、結像レンズ14の収差などに起因する加工精度の不均一さが、ワークWの加工結果に影響を及ぼすことを防ぐことができる。そのため、広い有効加工領域を有するレーザ加工装置10において有用性が高い。
また、本発明は、形成される穴が小径である場合に有用性が高い。具体的には、穴の開口径が20μm以下の場合に、特に有用性が高い。形成する穴が小径になるほど、レーザ光を照射する光学系の光学性能の影響を受けやすくなり、開口径のばらつきなどの加工結果の差異が生じやすくなるためである。図7及び図8に示すように、本発明を適用した実施例1、2では、20μm以下の小径の穴の形成において高い効果が得られている。
以上の実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
上記実施形態では、マスク13に形成したパターンの像を結像レンズ14でワークW上に結像させるフォトマスクタイプのレーザ加工装置10を用いているが、ガルバノスキャナタイプのレーザ加工装置に適用することも可能である。ガルバノスキャナタイプのレーザ加工装置においても、光学系の光学性能や仕様が原因で、加工位置毎の加工結果に差異が生じる場合があるため、このような加工結果の差異を低減させるべく、本発明の条件を満たす加工用コートを用いたレーザ加工が有用である。
上記実施形態では、パルスレーザのパルス毎のエネルギーをアブレーション閾値として用いているが、アブレーション閾値はこれに限定されない。例えば、パルス毎のエネルギーとパルス数を積算した値としてアブレーション閾値を設定してもよい。
上記実施形態では、パルス発振タイプのレーザ光源11を用いているが、連続発振タイプのレーザ光源を用いてもよい。連続発振のレーザを用いる場合、レーザの光強度や、レーザの光強度と照射時間を積算した値などによってアブレーション閾値を設定してもよい。
10 レーザ加工装置
11 レーザ光源
12 照明光学系
13 マスク
14 結像レンズ(結像光学系)
15 ワーク支持部
20 プリント基板
30 加工用コート
30a 開口
D 加工有効径
E1 有効加工領域
E2 矩形領域
H 穴
LZ レーザ光
OX 光軸
W ワーク(被加工物)

Claims (7)

  1. 被加工物にレーザ光を照射して加工するレーザ加工方法であって、
    前記レーザ光によりアブレーション加工が開始される閾値であるアブレーション閾値が、前記被加工物のアブレーション閾値以上である加工用コートを前記被加工物の表面上に配設する工程と、
    前記加工用コート上からレーザ光を照射して、前記加工用コートを貫通する開口を形成すると共に前記被加工物の一部を除去する加工を行う工程と、
    を有することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記レーザ光はパルス状に出力され、前記加工用コートのアブレーション閾値は、前記レーザ光のパルスあたり200mJ/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記加工用コートの厚さは、2μm~20μmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記加工用コートは水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  5. 前記被加工物に開口径が20μm以下の穴を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記加工用コートは、前記レーザ光のうちコントラストが所定以下のボケ光により前記被加工物が加工されることを阻止することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置であって、
    前記レーザ光を発するレーザ光源と、
    前記被加工物に行う加工のパターンを有し、前記レーザ光源部から発した前記レーザ光を前記パターンによって選択的に通過させるマスクと、
    前記マスクと前記被加工物の間の光路上に設けられ、前記パターンの像を結像させて前記レーザ光を前記被加工物に照射させる結像光学系と、
    を有することを特徴とするレーザ加工装置。
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