JP2023003314A - 光硬化性樹脂組成物および硬化被膜付き木質基材 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物および硬化被膜付き木質基材 Download PDF

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清二 本田
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Abstract

【課題】紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】本発明の光硬化性樹脂組成物は、紫外線発光ダイオードによる光硬化に用いられるものであって、(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)窒素含有ビニルモノマーと、(C)(メタ)アクリロイルモルホリンと、(D)光重合開始剤と、を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、木質基材の少なくとも片面が光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜で被覆されてなる、硬化被膜付き木質基材に関する。
従来から、家屋及び店舗等の床材や内装壁等の基材表面には硬化被膜が設けられている。この硬化被膜には、紫外線の照射によって硬化する光硬化性樹脂組成物が用いられている。現在、光硬化性樹脂組成物の硬化は水銀ランプを用いた紫外線照射により行われているが、水銀ランプの使用は環境汚染防止の観点から規制が進められており、代替技術として紫外線発光ダイオード(UV-LED)が注目されている。しかしながら、UV-LEDは水銀ランプと比較して表面硬化性が劣るため、従来の光硬化性樹脂組成物では十分な硬化性は得られなかった。そこで、表面硬化性を向上させる手段として、光重合開始剤の増量やチオキサントン等の増感剤、エン-チオールやアミン等の高反応性材料を添加する方法があるが、いずれの方法も光硬化性樹脂組成物の熱安定性や形成した硬化被膜の耐光性が低下するという問題があった。
また、近年では、UV-LED光源を用いた塩化ビニル系床材用活性エネルギー線硬化性組成物が検討されている。例えば、ポリ塩化ビニルに全く溶解しないか、殆ど溶解しないポリ塩化ビニル不溶解性化合物(A)と、ポリ塩化ビニルに溶解するポリ塩化ビニル可溶性化合物(B)とからなる活性エネルギー線重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する、塩化ビニル系床材用活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている(特許文献1参照)。さらに、特定のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)とポリ塩化ビニル樹脂溶解性を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有する活性エネルギー線重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する、塩化ビニル系床材用活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている(特許文献2参照)。
国際公開第2015/104972号 特開2017-105877号公報
活性エネルギー線硬化性組成物を木質床材に塗布する場合、通常、ロールコーターが用いられる。ロールコーターで塗布する際には、活性エネルギー線硬化性組成物は約40~60℃に加温されるため、更なる熱安定性が求められる。さらに、木質基材を保護する硬化被膜には美観維持の観点から光による変色が起こりにくい更なる耐光性が求められる。しかしながら、特許文献1および2に記載されるような活性エネルギー線硬化性組成物では、熱安定性が不十分だった。さらに、特許文献1および2に記載されるような活性エネルギー線硬化性組成物では、UV-LED光源からの紫外線照射による硬化性に改善の余地があった。
したがって、本発明は、UV-LEDからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、光硬化性樹脂組成物に(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)N-ビニルホルムアミドと、(C)(メタ)アクリロイルモルホリンと、(D)光重合開始剤とを含有させることにより、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 紫外線発光ダイオードによる光硬化に用いる光硬化性樹脂組成物であって、
(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートと、
(B)窒素含有ビニルモノマーと、
(C)(メタ)アクリロイルモルホリンと、
(D)光重合開始剤と、
を含む、光硬化性樹脂組成物。
[2] 前記(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、20質量%以上70質量%以下である、[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3] 前記(B)窒素含有ビニルモノマーの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、5質量%以上30質量%以下である、[1]または[2]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4] 前記(C)(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、5質量%以上40質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[5] 前記(D)光重合開始剤の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、0.1質量%以上10質量%以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[6] 前記(D)光重合開始剤が、紫外線発光ダイオードの光源から照射される紫外線の発光ピーク波長に対応した吸収ピーク波長を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[7] 前記(D)光重合開始剤が、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤である、[6]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[8] 前記光硬化性樹脂組成物を紫外線発光ダイオードによって光硬化して得られた硬化被膜のJIS K 5572に準拠した耐光性試験前後の色差ΔEが3.0未満である、[1]~[7]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[9] 木質基材用の塗料として用いられる、[1]~[8]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
[11] 木質基材の少なくとも片面が、[1]~[9]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜で被覆されてなる、硬化被膜付き木質基材。
[12] 木質基材の表面に、[1]~[9]に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布した後、該塗布面に紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させる硬化被膜付き木質基材の製造方法。
[13] 基材上に、[1]~[9]に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後に得られる塗布膜に対し、紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射して硬化する工程を行う、
光硬化性樹脂組成物の硬化方法。
本発明によれば、UV-LEDからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、耐光性に優れた硬化被膜を備える硬化被膜付き木質基材を提供することもできる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
「固形分」とは、光硬化性樹脂組成物から有機溶剤等の揮発成分を除いたものであり、硬化させたときに硬化被膜を構成する成分を示す。
<光硬化性樹脂組成物>
本発明による光硬化性樹脂組成物は、少なくとも、(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)窒素含有ビニルモノマーと、(C)(メタ)アクリロイルモルホリンと、(D)光重合開始剤とを含むものである。本発明による光硬化性樹脂組成物は、(E)顔料および他の成分をさらに含んでもよい。本発明による光硬化性樹脂組成物は、UV-LEDからの紫外線照射による硬化性に優れ、さらには熱安定性に優れる。そのため、UV-LEDによる光硬化に用いる塗料として好適であり、さらに塗布工程で熱安定性が求められる木質基材用の塗料として特に好適である。また、木質基材への付着性に優れることから、特に木質基材用の下塗塗料に適している。
本発明による光硬化性樹脂組成物をUV-LEDによって光硬化して得られた硬化被膜のJIS K 5572に準拠した耐光性試験前後の色差ΔEが3.0未満であることが好ましく、2.0未満であることがより好ましく、1.0未満であることが特に好ましい。色差ΔEが3.0未満であれば、硬化被膜は耐光性に優れるものである。木質基材を保護する硬化被膜には美観維持の観点から光による変色が起こりにくい耐光性を有することが好ましい。
なお、耐光性試験前後の色差ΔEは、以下の方法により算出した値である。
具体的には、色差ΔEは、JIS K 5572に準拠して、厚さ約100μmの硬化被膜に対して、紫外線照射装置H40(スガ試験機(株)製)にて48時間の紫外線照射を行う前後に、分光測色計CM-700d(コニカミノルタ(株)製)にて測定した色度(L、a、b)を用いて、以下の式により算出したものである。
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
以下、本発明による光硬化性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。
((A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレート)
本発明による光硬化性樹脂組成物に含まれるポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレート(以下、(A)成分とも言う)は、アクリロイル基(CH=CHCO-)および/またはメタクリロイル基(CH=C(CH)-CO-)と、ウレタン結合(-NH・COO-)と、ポリエーテル基を有するものである。ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートは、UV-LEDの光源から紫外線が照射された時に(メタ)アクリロイル基が重合することで、硬化被膜(硬化物)を形成する。ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートを用いることで、光硬化性樹脂組成物はUV-LEDからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れたものとなる。さらに、光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜は耐光性に優れたものとなる。
ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートと、ポリエーテルポリオールとを反応させることによって得ても良いし、例えば、ポリイソシアネートと、ポリエーテル変性水酸基含有(メタ)アクリレートと、必要に応じて他の水酸基含有(メタ)アクリレート等の他のモノマーとを反応させることによって得ても良い。(A)成分は、オリゴマーまたはポリマーであることが好ましく、オリゴマーであることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、本発明の効果を損なわない限り炭素数を限定するものではないが、例えば、全炭素数が4~20、好ましくは6~15の直鎖状または分岐状のイソシアネート基含有炭化水素、イソシアネート基含有環状炭化水素、イソシアネート基含有芳香族炭化水素を用いることができる。
具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート基含有直鎖状炭化水素、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート基含有分岐鎖状炭化水素、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等のイソシアネート基含有環状炭化水素、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、1,3-キシレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4、4-ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート基含有芳香族炭化水素等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
上記ポリイソシアネートは、アダクト、アロファネート、イソシアヌレート等に変性されていてもよく、アダクト変性されたものとしては、例えば、トリメチロールプロパンで変性されたヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。アロファネート変性されたものとしては、例えば、アロファネート変性ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。イソシアヌレート変性されたものとしては、例えば、イソシアヌレート変性トルエンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記以外のポリイソシアネートとして、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソシアネート基含有アクリレート等の多官能イソシアネートを用いてもよい。このようなポリイソシアネートは、1種単独でも、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、水酸基を少なくとも1個以上、好ましくは1~5個有する(メタ)アクリレートを用いることができる。また、このような水酸基含有(メタ)アクリレートは、本発明の効果を損なわない限りその炭素数を限定するものではないが、好ましくは炭素数が2~20の炭化水素部位を有することが望ましい。ここで、炭化水素部位とは、直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、あるいは芳香族炭化水素基を有する有機基をいい、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよい。なお、当該炭化水素部位の一部には、エーテル結合(C-O-C結合)が含まれていてもよい。
具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。このような水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記ポリエーテルポリオールは、分子内の主骨格中に2つ以上のエーテル結合を有する水酸基含有化合物である。ポリエーテルポリオールの主骨格中の繰り返し単位としては、飽和炭化水素又は不飽和炭化水素のどちらでもよく、例えば、1,4-ブタンジオール単位、2-メチル-1,4-ブタンジオール単位、3-メチル-1,4-ブタンジオール単位、1,3-プロパンジオール単位、1,2-プロピレングリコール単位、2-メチル-1,3-プロパンジオール単位、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール単位、3-メチル-1,5-ペンタンジオール単位、1,2-エチレングリコール単位、1,6-ヘキサンジオール単位、1,7-ヘプタンジオール単位、1,8-オクタンジオール単位、1,9-ノナンジオール単位、1,10-デカンジオール単位、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位等が挙げられる。このようなポリエーテルポリオール(B)は分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物にプロピレンオキサイドやエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させて得ることができる。分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等が挙げられる。これらの水酸基含有化合物は1種単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記他のモノマーとしては、少なくとも1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーやオリゴマー、ポリオール等、公知のモノマーを用いることができ、特に、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常20質量%以上70質量%以下であり、好ましくは30質量%以上65質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上60質量%以下である。ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であれば、光硬化性樹脂組成物は、紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能である。
(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートとしては、市販品を用いることができる。例えば、三菱ケミカル(株)製のUV-6640B、UV-3300B、UV-3700B、根上工業(株)製のアートレジン CMB-012N、アートレジンUN-6200、アートレジンUN-6207、アートレジンUN-6306、アートレジンUN-6304、アートレジンUN-6305が挙げられる。
(他のオリゴマーまたはポリマー)
本発明による光硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレート以外の他のオリゴマーまたはポリマーを含んでもよい。他のオリゴマーは特に限定されないが、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーまたはポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーまたはポリマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーまたはポリマー等が挙げられる。
他のオリゴマーまたはポリマーの含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常1質量%以上30質量%以下、好ましくは3質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。他のオリゴマーまたはポリマーの含有量が上記範囲内であれば、光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜は、耐光性に優れたものとなる。
((B・C)窒素含有モノマー)
本発明による光硬化性樹脂組成物は、窒素含有モノマーとして、(B)窒素含有ビニルモノマーおよび(C)(メタ)アクリロイルモルホリンを含む。これらのモノマーは光硬化性樹脂組成物の粘度を調整する反応性希釈剤としての役割を有し、光硬化性樹脂組成物に対して紫外線照射した際、(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートとともに硬化被膜を形成する。これらの2種の窒素含有モノマーを組み合わせて用いることで、紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能である。
(B)窒素含有ビニルモノマーとしては、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルアセトアミド等が挙げられる。これらの中でも、紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性または硬化被膜の耐光性の観点から、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルカプロラクタムが好ましい。
本発明による光硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(B)窒素含有ビニルモノマー、および(C)(メタ)アクリロイルモルホリン以外の窒素含有モノマーを含んでいても良い。他の窒素含有モノマーは特に限定されないが、例えば、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。他の窒素含有モノマーの含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、さらにより好ましくは1質量%以下である。また、光硬化性樹脂組成物は、他の窒素含有モノマーを含まなくてもよい。
(B)窒素含有ビニルモノマーの含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常5質量%以上30質量%以下であり、好ましくは7質量%以上27質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。(B)N-ビニルホルムアミドの含有量が上記範囲内であれば、光硬化性樹脂組成物は、紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能である。
(C)(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常5質量%以上40質量%以下であり、好ましくは7質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。(C)(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量が上記範囲内であれば、光硬化性樹脂組成物は、紫外線発光ダイオードからの紫外線照射による硬化性および熱安定性に優れながら、耐光性に優れた硬化被膜を形成可能である。
((D)光重合開始剤)
本発明による光硬化性樹脂組成物に含まれる(D)光重合開始剤としては、UV-LEDの光源から照射される紫外線の発光ピーク波長に対応した吸収ピーク波長を有する光重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、360~410nmの間の発光ピーク波長を有するUV-LEDの光源を用いる場合、360~410nmの吸収ピーク波長を有する光重合開始剤を用いることが好ましい。また、250~300nmの間の発光ピーク波長を有するUV-LEDの光源を用いる場合、250~300nmの吸収ピーク波長を有する光重合開始剤を用いることが好ましい。本発明においては、UV-LEDの光源から照射される紫外線の発光ピーク波長に対応した吸収ピーク波長を有する光重合開始剤を用いることで、光重合開始剤の反応効率が上昇するため、硬化性が向上し、少ない量の光重合開始剤であっても十分な硬化性が得られる。その結果、硬化被膜に残存する光重合開始剤の量を低減することができるため、硬化被膜の耐光性を向上させることができる。
360~410nmの間の発光ピーク波長を有する光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。このような光重合開始剤としては、市販品を用いてもよい。例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドとしては、IGM Resins B.V.製の商品名「Omnirad TPO H」が挙げられる。また、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドとしては、IGM Resins B.V.製の商品名「Omnirad 819」が挙げられる。
250~300nmの吸収ピーク波長を有する光重合開始剤としては、例えば、α―ヒドロキシケトン系光重合開始剤やα-アミノケトン系光重合開始剤等が挙げられる。このような光重合開始剤としては、市販品を用いてもよい。例えば、IGM Resins B.V.製の商品名「Omnirad 184」、「Omnirad 754」、「Omnirad 127」、「Omnirad 2959」、「Omnirad 907」、「Omnirad 369」が挙げられる。
(D)光重合開始剤の含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常0.1質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下である。また、他の光重合開始剤の含有量は、(D)光重合開始剤の全量に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
((E)顔料)
本発明による光硬化性樹脂組成物に含まれる(E)顔料としては、体質顔料および着色顔料が挙げられる。体質顔料は、特に限定されず、従来公知の無機体質顔料および有機体質顔料を用いることができる。無機体質顔料としては、例えば、長石、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ及び硫酸バリウム等が挙げられる。有機体質顔料としては、例えば、アクリルビーズ等が挙げられる。
着色顔料は、無機着色含量と有機着色顔料とに分けられる。無機着色顔料としては、例えば、黄鉛、バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、カドミウム黄、硫化亜鉛、アンチモン白、カドミウムレッド等の硫化物、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩、亜鉛華、チタン白、ベンガラ、鉄黒、酸化クロム等の酸化物、群青等のケイ酸塩、グラファイト等の炭素等が挙げられる。有機着色顔料としては、例えば、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY等のニトロソ系顔料、ナフトールS、リソールファストイエロー2G等のニトロ系顔料、パーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー等の不溶性アゾ系顔料、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD等の難溶性アゾ系顔料、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3B、ボルドー10B等の可溶性アゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー等のフタロシアニン系顔料、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料系顔料、ピーコックブルーレーキ、エオシンレーキ、キノリンイエローレーキ等の酸性染料系顔料等、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクドリン系顔料、レーキ顔料等が挙げられる。
本発明による光硬化性樹脂組成物が(E)顔料を含有する場合、その含有量は、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
(その他の成分)
本発明による光硬化性樹脂組成物中には、上記成分の他に、更に必要に応じて、(メタ)アクリレートモノマー(但し、窒素含有モノマーを除く)、重合禁止剤、有機溶剤(非反応性希釈剤)、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防汚性向上剤、基材密着性向上剤、光増感剤、帯電防止剤、耐傷剤、防カビ剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、艶消し剤、シランカップリング剤、可塑剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
なお、本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物は、シンナーやアルコール等の有機溶剤(非反応性希釈剤)で希釈する溶剤型樹脂組成物、また、有機溶剤で希釈する必要が無い無溶剤型樹脂組成物のどちらとしても構わない。ただし、揮発性有機化合物(VOC)の残留がないため、人体への影響がなく環境対応性に優れる等の理由から、無溶剤型樹脂組成物であることが好ましい。
(光硬化性樹脂組成物の調製方法)
本発明による光硬化性樹脂組成物は、上記の諸成分を従来より公知の混合機、分散機、撹拌機等の装置を用い、混合・撹拌することにより得られる。このような装置としては、例えば、ディスパー、混合・分散ミル、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等が挙げられる。
[硬化被膜付き木質基材]
本発明による硬化被膜付き木質基材は、少なくとも片面が、上記の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜で被覆されてなる。硬化被膜は、基材の片面全面に設けられていてもよく、片面の一部にのみ設けられていてもよく、また木質基材の両面に設けられていてもよい。一部に設ける場合の硬化被膜の態様は特に制限されず、例えば、海島状の海部または島部、格子状、モザイク状など任意の態様を特に制限することなく採用できる。
(木質基材)
木質基材としては、例えば、木質床材、壁材、天井材、合板、ハードボード、パーティクルボード、家具、装飾材等が挙げられる。木質基材を用いる場合は、突板貼り、紙貼り又はシート貼り等を行ってもよい。シートとしては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等のプラスチック基材を用いることができる。また、木質基材は、素材感や風合い感(外観、肌触り感)を損なわない範囲内で、必要に応じて従来公知の目止処理、着色処理等を予め表面に施すことができる。なお、目止め剤及び着色剤は、一般に塗料を塗布する際に適用されている手段、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装、ロールコーター、及びフローコーター等により塗布することができる。木質基材の厚さは特に制限されないが、0.2~50mmが好ましく、1~20mmがより好ましい。
(硬化被膜)
硬化被膜は、上記の光硬化性樹脂組成物から形成される。硬化被膜の膜厚は特に限定されないが、通常1~200μm、好ましくは3~150μm、さらに好ましくは5~100μmが望ましい。乾燥性、硬化性の観点から上限は200μmが好ましく、硬化性、付着性の観点から下限は1μmが好ましい 。本発明における膜厚とは、硬化被膜の断面を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)等にて観察した際の、硬化被膜の厚さを指す。このような膜厚の被膜を形成する際は、1回の塗装で、所望の厚みの被膜を形成してもよいし、複数回の塗装で、所望の厚みの被膜を形成してもよい。
<硬化被膜付き木質基材の製造方法>
本発明による硬化被膜付き基材の製造方法は、木質基材の少なくとも片面に、上記の光硬化性樹脂組成物を塗布する工程(塗布工程)と、木質基材の塗布面にUV-LEDから紫外線を照射して、該組成物を硬化させる工程(硬化工程)とを含むものである。
(塗布工程)
塗布工程は、木質基材の少なくとも片面に、従来公知の方法により、上記の光硬化性樹脂組成物を塗布する工程である。塗布には、例えば、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(ナチュラルロールコーターおよびリバースロールコーター等)、カーテンフローコーター、エアナイフコーター、スピンコーターおよびブレードコーター等の塗布機が使用できる。これらの中でも、作業性および生産性の観点からロールコーターを用いた塗布方法が好ましい。ロールコーターを用いる場合、光硬化性樹脂組成物が無溶剤型樹脂組成物の場合には作業性の観点で約40~60℃に加温されるため、熱安定性に優れることが求められる。
塗布膜厚は、硬化乾燥後の膜厚が、上記硬化被膜の膜厚の範囲にあることが好ましい。
光硬化性樹脂組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗布後に乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、好ましくは10~200℃、硬化被膜の平滑性および外観の観点から更に好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から更に好ましい下限は30℃である。
(硬化工程)
硬化工程は、基材の塗布面にUV-LEDから紫外線を照射して、塗布された光硬化性樹脂組成物を硬化させて、硬化被膜を形成する工程である。紫外線の照射量は、光硬化性樹脂組成物の硬化性の観点から、好ましくは100~3,000mJ/cmであり、より好ましくは200~2,000mJ/cmであり、さらに好ましくは300~1,000mJ/cmである。
UV-LEDの光源としては、360~410nmの間の発光ピーク波長を有するUV-LEDの光源を用いることができる。このようなUV-LEDの光源としては、例えば、パナソニック(株)製「UD-90」(385nm)、日亜化学工業(株)製UV-LED「NCSU033B」(365nm)、「NCSU034B」(385nm)、「NC4U133A」(365nm)、「NC4U133B」(365nm)、「NCSU276A」(365nm)、「NC4U134A」(385nm)、「NC4U034B」(385nm)、「NCSU276A」(385nm)、「NCSU276A」(405nm)、LUMILEDS社製「LHUV-0385-0250」(385nm)、「LHUV-0395-0500」(395nm)、浜松ホトニクス(株)製リニア照射型UV-LEDユニット「LC-L5 LIGHTNING CUREL11403-1112」(365nm)、LC-L5 LIGHTNING CUREL11403-2112」(385nm)、Phoseon TECHNOLOGY社製水冷式UV-LEDユニット「Fire Power」(365nm)等が挙げられる(括弧内は発光ピーク波長)。また、250~300nmの間の発光ピーク波長を有するUV-LED光源も使用することができる。これらのUV-LEDの光源は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(追加工程)
本発明による硬化被膜付き基材の製造方法は、上記の硬化工程の後に、追加の工程をさらに含んでもよい。例えば、本発明による硬化被膜付き基材の製造方法は、形成した硬化被膜上に、従来公知の中塗り塗料、上塗り塗料を塗装し、硬化させることで上塗り塗膜を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、光硬化性樹脂組成物の調製のために、以下の原材料を準備した。
・ポリエーテル変性ウレタンアクリレート(根上工業(株)製、商品名:アートレジン CMB-012N)
・ポリエステル変性ウレタンアクリレート (日立化成工業(株)製、商品名:ヒタロイド4860 CH-37)
・N-ビニルホルムアミド(荒川化学工業(株)製、商品名:ビームセット770)
・N-ビニルカプロラクタム(Ashland Inc.製、商品名:V-Cap)
・N-アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ(株)製、商品名:ACMO)
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(KJケミカルズ(株)製、商品名:HEAA)
・ポリエチレングリコール#300ジアクリレート(Miwon Speciality Chemical co.,Ltd.製、商品名:MIRAMER M284)
・アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、吸収ピーク波長:275nmおよび379nm、IGM Resins B.V.製、商品名:Omnirad TPO H)
・アルキルフェノン系光重合開始剤(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、吸収ピーク波長:230nmおよび303nm、IGM Resins B.V.製、商品名:Omnirad 907)
・無機長石系顔料(UNIMIN CANADA LTD.製、商品名:MINEX 10)
・重合禁止剤(宇部興産(株)製、商品名:ハイドロキノン)
[実施例1~5、比較例1~5]
<光硬化性樹脂組成物の調製>
表1に記載の配合に従って、各原材料を、ディスパーを用いて均一に混合・攪拌して、光硬化性樹脂組成物を得た。
<光硬化性樹脂組成物の評価>
[LED-UV硬化性]
基材として白色のポリカーボネート板を用意した。次に、基材上に、上記で得られた光硬化性樹脂組成物を6milフィルムアプリケーターにて硬化被膜の厚さが約100μmとなるように塗布した。続いて、基材の塗布面にUV-LED(パナソニック(株)製、型番:UD90(発光ピーク波長:385nm))にて積算照度:560mJ/cm、照射強度:3000mW/cmの条件で紫外線照射を表面硬化するまで繰り返した。表面が硬化するまでの照射回数を測定した。5回以内の照射回数で硬化したものを「○」(合格)とした。また、5回の照射でも硬化しなかったものを「×」(不合格)とした。評価結果を表2に示した。
[耐光性]
基材として白色のポリカーボネート板を用意した。次に、基材上に、上記で得られた光硬化性樹脂組成物を6milフィルムアプリケーターにて硬化被膜の厚さが約100μmとなるように塗布した。続いて、基材の塗布面に上記UV-LEDにて積算照度:2500mJ/cm、照射強度:3000mW/cmの条件で硬化させて、硬化被膜付き基材を製造した。続いて、JIS K 5572に準拠して、硬化被膜付き基材の硬化被膜面に対して紫外線照射装置H40(スガ試験機(株)製)にて48時間の紫外線照射を行う前後に、分光測色計CM-700d(コニカミノルタ(株)製)にて色度(L、a、b)を測定した。色差ΔEを、得られた色度から以下の式により算出した。
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
耐光性を下記の基準で評価した。評価結果を表2に示した。なお、JIS K 5572に準拠した耐光性試験前後の色差ΔEが3.0未満であれば合格とした。
(評価基準)
◎:ΔEが1.0未満
○:ΔEが1.0以上3.0未満
△:ΔEが3.0以上5.0未満
×:ΔEが5.0以上
[熱安定性]
上記で得られた光硬化性樹脂組成物200gを4号丸缶に入れて密封し、60℃の恒温機で7日間静置した。保存試験後の光硬化性樹脂組成物をさじでかき混ぜて、固化やゲル化の有無を目視で評価した。評価結果を表2に示した。なお、固化やゲル化のないものを合格(○)とした。
Figure 2023003314000001
Figure 2023003314000002

Claims (13)

  1. 紫外線発光ダイオードによる光硬化に用いる光硬化性樹脂組成物であって、
    (A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートと、
    (B)窒素含有ビニルモノマーと、
    (C)(メタ)アクリロイルモルホリンと、
    (D)光重合開始剤と、
    を含む、光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、20質量%以上70質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)窒素含有ビニルモノマーの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、5質量%以上30質量%以下である、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(C)(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、5質量%以上40質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(D)光重合開始剤の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、0.1質量%以上10質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(D)光重合開始剤が、紫外線発光ダイオードの光源から照射される紫外線の発光ピーク波長に対応した吸収ピーク波長を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(D)光重合開始剤が、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤である、請求項6に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 前記光硬化性樹脂組成物を紫外線発光ダイオードによって光硬化して得られた硬化被膜のJIS K 5572に準拠した耐光性試験前後の色差ΔEが3.0未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 木質基材用の塗料として用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
  11. 木質基材の少なくとも片面が、請求項1~9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜で被覆されてなる、硬化被膜付き木質基材。
  12. 木質基材の表面に、請求項1~9いずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布した後、該塗布面に紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させる硬化被膜付き木質基材の製造方法。
  13. 基材上に、請求項1~9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程後に得られる塗布膜に対し、紫外線発光ダイオードからの紫外線を照射して硬化する工程を行う、
    光硬化性樹脂組成物の硬化方法。
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