JP2023003011A - 振動素子、振動子および電子デバイス - Google Patents

振動素子、振動子および電子デバイス Download PDF

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Yusuke Yamamoto
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Abstract

【課題】インダクターとしての電極パターンのQ値が大きい振動素子を提供すること。【解決手段】振動素子1は、第1面21と、第1面21とは反対側に位置する第2面22と、を有する振動片2と、振動片2の第1面21に配置される螺旋状の電極パターン6と、を有し、振動片2は、第1面21に有底の溝部23を有し、電極パターン6は、溝部23の内面に沿って設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子、振動子および電子デバイスに関する。
従来、特許文献1に示すように、一般に伸長コイルあるいは単にコイルと称されるインダクタンス用の電極パターンを振動片の支持部に設ける振動素子が知られている。
特開2014-23015号公報
特許文献1に記載の振動素子では、電極パターンにおける配線の幅を大きくすることにより、インダクターとしての電極パターンのQ値を大きくすることが考えられる。しかしながら、電極パターンを平面視したときの占有面積が大きくなり、振動素子の小型化が阻害されてしまう。
そのため、電極パターンを平面視したときの占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターンのQ値を大きくすることができる振動素子が求められていた。
振動素子は、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する振動片と、前記第1面に配置される第1励振電極と、前記第2面に配置され、前記振動片を挟んで前記第1励振電極に対向する第2励振電極と、前記第1面または前記第2面に配置される第1パッド電極と、前記第1面または前記第2面に配置される第2パッド電極と、前記第1励振電極と、前記第1パッド電極と、を電気的に接続する第1引出配線と、前記第2励振電極と、前記第2パッド電極と、を電気的に接続する第2引出配線と、前記第1面に配置され、前記第1引出配線および前記第2引出配線の少なくとも一方と電気的に接続する螺旋状の電極パターンと、を有し、前記振動片は、前記第1面に有底の溝部を有し、前記電極パターンは、前記溝部の内面に沿って設けられる。
振動子は、上述の振動素子と、前記振動素子が搭載されるパッケージと、を有する。
電子デバイスは、上述の振動素子と、前記振動素子が搭載されるパッケージと、前記第1励振電極と前記第2励振電極とに駆動電圧を供給する駆動回路基板と、を備える。
実施形態1に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 図1中のA-A線断面図。 実施形態1に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 比較例に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 図4中のB-B線断面図。 実施形態1および比較例に係る振動素子の電極パターンにおける周波数とQ値との関係を示す図。 発振器の回路の一例を示す回路図。 圧電振動部の等価回路の一例を説明する回路図。 実施形態2に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 図9中のE-E線断面図。 実施形態2に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態3に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 図12中のF-F線断面図。 実施形態3に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態4に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態4に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態5に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態6に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 図18中のG-G線断面図。 実施形態7に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態8に係る振動素子の構成を示す模式平面図。 実施形態9に係る振動子の構成を示す模式側断面図。 実施形態10に係る電子デバイスの構成を示す模式側断面図。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動素子1について、図1~図5を参照して説明する。
図面に付記する座標においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸およびZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」と言う。各軸の矢印の方向を「プラス方向」、矢印とは反対の方向を「マイナス方向」と言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、矢印とは反対側を「マイナス側」とも言う。
なお、各図は、説明の便宜を考慮して、各構成要素を適宜、拡大、縮小しており、各構成要素の寸法あるいは寸法比率などは実際と異なる場合がある。例えば、後述する螺旋状の電極パターン6における配線63の幅や配線63の間隔、巻き数などは実際と異なる場合がある。
まず、振動素子1の概略構成について説明する。
図1~図3に示すように、振動素子1は振動片2を備える。振動片2の材質は圧電効果を有する部材であり、本実施形態では振動片2の材質は水晶である。振動片2は結晶軸を明確にした人工水晶原石の一部をブロック状に形成した水晶ランバートから所定の切断角度で切り出された単結晶基板としての水晶ウェハを用いて形成される。所定の切断角度とは、水晶の結晶軸に対して狙った角度だけ傾けたカット角を指す。振動素子1は、結晶軸から35°15′傾けた切断角度で切り出された所謂ATカット水晶を用いて形成された厚み滑り振動モードを呈する。
振動片2は、Z方向からの平面視で、長方形の1つの角が切り取られた5角形となっている。振動片2は平面視で一方向が長い。長い方向を長手方向56およびX方向とする。振動片2の短い方向を幅方向57およびY方向とする。振動片2の厚さ方向をZ方向とする。振動片2における長方形の1つの角が切り取られた位置は、振動片2におけるX方向プラス側且つY方向マイナス側の位置である。
振動片2は一方の面としての第1面21および他方の面としての第2面22を有する。第2面22は、第1面21とは反対側に位置する。本実施形態では、第1面21は、振動片2におけるZ方向プラス側の面であり、第2面22は、振動片2におけるZ方向マイナス側の面である。
振動片2は、第1面21に有底の溝部23を有する。溝部23は、第1面21側から第2面22側に向かって窪む溝状の凹部である。溝部23は、Z方向からの平面視で、螺旋状である。
なお、本実施形態における振動片2の溝部23の深さd1は、48μmである。溝部23の深さd1は、振動片2の厚さ方向であるZ方向に沿った溝部23の長さである。
振動片2の第1面21には、第1励振電極3と、第1パッド電極としての第1接続電極4と、第1引出配線5と、螺旋状の電極パターン6と、第2接続電極7と、が配置される。第1励振電極3は、X方向プラス側且つY方向プラス側の角に位置する。第1パッド電極としての第1接続電極4は、X方向マイナス側且つY方向マイナス側の角に位置する。第2接続電極7は、X方向マイナス側且つY方向プラス側の角に位置する。
第1引出配線5は、第1励振電極3と、第1パッド電極としての第1接続電極4と、を電気的に接続する。
螺旋状の電極パターン6は、インダクターとして機能する。電極パターン6は、電極パターン6における外周側の端部としての外周側端部61と、電極パターン6における中心側の端部としての中心側端部62と、外周側端部61と中心側端部62との間に設けられる螺旋状の配線63と、を有する。電極パターン6の外周側端部61は、第1引出配線5と電気的に接続される。電極パターン6の中心側端部62は、後述する第2引出配線11と電気的に接続される。
電極パターン6は、振動片2の溝部23の内面に沿って設けられる。本実施形態では、電極パターン6は、振動片2の溝部23において、溝部23の内面である溝部23の底面および側面を被覆するように設けられる。電極パターン6は、溝部23の底面および側面と、溝部23の開口部を囲む第1面21と、に設けられる導電膜である。導電膜は、例えば、ニッケルまたはクロムを下地層として、下地層の上に金などの導電性部材を積層することにより形成することができる。電極パターン6は、振動片2の溝部23に対応する位置に、溝部64を有する。電極パターン6の溝部64は、第1面21側から第2面22側に向かって窪む溝状の凹部である。
なお、本実施形態の電極パターン6における配線63の厚さt1は、1μmである。
電極パターン6を振動片2の溝部23の内面に沿って設けることにより、Z方向からの平面視で、電極パターン6の占有面積を抑制しながら、電極パターン6の表面積を大きくすることができる。電極パターン6の表面積を大きくすることにより、インダクターとしての電極パターンのQ値を大きくすることができる。
振動片2の第2面22には、第2励振電極8と、第2パッド電極としての第3接続電極9と、第2引出配線11と、第4接続電極13と、が配置される。第2励振電極8は、振動片2を挟んで第1励振電極3に対向する位置に配置される。第3接続電極9は、振動片2を挟んで第2接続電極7に対向する位置に配置される。第4接続電極13は、振動片2を挟んで第1接続電極4に対向する位置に配置される。
第2引出配線11は、第2励振電極8と、第2パッド電極としての第3接続電極9と、を電気的に接続する。
また、第2引出配線11は、接続パッド11aを備える。接続パッド11aは、振動片2を挟んで電極パターン6の中心側端部62に対向する位置に配置される。接続パッド11aと、電極パターン6の中心側端部62と、の間には貫通電極15が設けられる。貫通電極15は、接続パッド11aと、電極パターン6の中心側端部62と、を電気的に接続する。このようにして、電極パターン6の中心側端部62と、第2引出配線11と、は貫通電極15を介して電気的に接続される。
上述の構成によれば、電極パターン6は、第1引出配線5および第2引出配線11の両方と電気的に接続する。言い換えると、電極パターン6は、第1引出配線5および第2引出配線11を介して、第1パッド電極としての第1接続電極4と、第2パッド電極としての第3接続電極9と、の両方と電気的に接続する。
振動片2の第1面21と第2面22とを接続する振動片2の側面には、第1側面電極12と、第2側面電極14と、が配置される。第1側面電極12は、第2接続電極7と、第3接続電極9と、を電気的に接続する。第2側面電極14は、第1接続電極4と、第4接続電極13と、を電気的に接続する。
次に、インダクターとしての電極パターン6のQ値について、本実施形態と、比較例と、を対比しながら説明する。
まず、比較例の振動素子100について、図4および図5を参照して説明する。なお、上述した本実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
比較例の振動素子100は、本実施形態の振動素子1に比べ、振動片102が溝部23を有さないことや、螺旋状の電極パターン106が振動片102の第1面21における平坦面に配置されることや、電極パターン106が溝部64を有さないこと以外は、本実施形態と同様である。
図4および図5に示すように、比較例の振動素子100では、螺旋状の電極パターン106は、従来技術のように振動片102の第1面21における平坦面に配置される。そのため、電極パターン106における第1面21に対向する面は、平坦面となっている。また、電極パターン106における第1面21に対向する面とは反対側に位置する面も、平坦面となっている。電極パターン106における第1面21に対向する面は、電極パターン106におけるZ方向マイナス側の面である。電極パターン106における第1面21に対向する面とは反対側に位置する面は、電極パターン106におけるZ方向プラス側の面である。
螺旋状の電極パターン106は、インダクターとして機能する。電極パターン106は、電極パターン106における外周側の端部としての外周側端部161と、電極パターン106における中心側の端部としての中心側端部162と、外周側端部161と中心側端部162との間に設けられる螺旋状の配線163と、を有する。電極パターン106の外周側端部161は、第1引出配線5と電気的に接続される。電極パターン106の中心側端部162は、貫通電極15を介して、第2引出配線11と電気的に接続される。
なお、比較例の電極パターン106における配線163の厚さt101は、1μmである。
次に、本実施形態の振動素子1における電極パターン6と、比較例の振動素子100における電極パターン106と、のそれぞれにおける周波数とQ値との関係について、図6を参照して説明する。
図6は、周波数0.1GHzから1.5GHzまでの範囲における本実施形態の電極パターン6と、比較例の電極パターン106と、のQ値を電子回路シミュレーターにより計算した結果を示したものである。図6中、曲線Cは本実施形態の電極パターン6における周波数とQ値との関係を示し、曲線Dは比較例の電極パターン106における周波数とQ値との関係を示す。
なお、上述したように、本実施形態の電極パターン6における配線63の厚さt1と、比較例の電極パターン106における配線163の厚さt101は、それぞれ1μmである。つまり、本実施形態の電極パターン6の厚さt1と、比較例の電極パターン106の厚さt101と、は等しい。
また、本実施形態の電極パターン6と、比較例の電極パターン106のそれぞれにおける配線63,163の間隔、配線63,163の長さ、および巻き数は等しい。本実施形態の電極パターン6と、比較例の電極パターン106と、のそれぞれにおける配線63,163の幅は、Z方向からの平面視で、等しい。
なお、本開示における「等しい」は、製造上のばらつきを含む概念である。
図6に示すように、本実施形態の電極パターン6におけるQ値は、比較例の電極パターン106におけるQ値よりも、大きい。例えば、周波数0.7GHzから1.2GHzまでの範囲では、本実施形態の電極パターン6は、比較例の電極パターン106に対して、Q値を15%~20%大きくすることができる。
電極パターン6,106のQ値は、電極パターン6,106のインダクタンス値に比例し、電極パターン6,106の抵抗値に対して反比例する。つまり、電極パターン6,106のインダクタンス値が大きく、抵抗値が小さいほど、電極パターン6,106のQ値は大きくなる。電極パターン6,106の抵抗値は、周波数が高くなるに従って、表皮効果の影響を受け易くなる。表皮効果とは、周波数が高くなるに従って電流密度が配線63,163の表面で高くなる現象である。そのため、配線63,163の表面積が大きいほど、電流の流れる領域が大きくなり、抵抗値は小さくなる。
本実施形態の電極パターン6は、振動片2の溝部23の内面に沿って設けられているため、Z方向からの平面視で、配線63の幅を大きくすることなく、比較例の電極パターン106よりも表面積を大きくすることができる。そのため、本実施形態の電極パターン6は、抵抗値を小さくすることができ、Q値を大きくすることができる。
このように、本実施形態では、Z方向からの平面視で電極パターン6の占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1を提供することができる。
上述したように、電極パターン6,106の抵抗値は、周波数が高くなるに従って、表皮効果の影響を受け易くなる。そのため、本実施形態の振動素子1は、周波数が高い領域、例えば、0.7GHz以上の周波数において、特に好適に用いることができる。
次に、図1~図3に戻り、本実施形態に係る振動素子1の細部について説明する。
振動素子1は、振動片2が振動する振動部としての圧電振動部16を有する。振動部としての圧電振動部16には、第1励振電極3および第2励振電極8が設けられる。圧電振動部16において、第1励振電極3と、第2励振電極8と、は振動片2を挟んで互いに対向する位置に配置される。振動素子1は、第1パッド電極としての第1接続電極4および第2接続電極7が固定され、圧電振動部16が振動する。
振動素子1では、振動片2の長手方向56において、第1パッド電極としての第1接続電極4、電極パターン6、および第1励振電極3が、第1パッド電極としての第1接続電極4、電極パターン6、第1励振電極3の順に配置されている。
この構成によれば、電極パターン6が無いときに比べて、第1パッド電極としての第1接続電極4と第1励振電極3との距離を長くすることができる。従って、第1パッド電極としての第1接続電極4側の振動片2に応力が加わるときにも、応力が圧電振動部16に影響を及ぼすことを抑制できる。
また、振動片2は、第1面21に凹部24を有する。凹部24は、第1励振電極3および第2励振電極8が設けられる圧電振動部16に対応する位置に形成される。つまり、凹部24は、振動片2におけるX方向プラス側且つY方向プラス側の角に位置する。
凹部24は、第1面21側から第2面22側に向かって窪む形状を有する。この構成によれば、振動素子1は、圧電振動部16がその周囲に対し凹没した所謂逆メサ構造になっている。
本実施形態では、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24と、電極パターン6が設けられる溝部23と、は振動片2において同一面である第1面21に備えられる。ただし、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24と、電極パターン6が設けられる溝部23と、は振動片2において一方が第1面21に備えられ、他方が第1面21とは反対側に位置する第2面22に備えられていても構わない。
また、振動片2は、第1励振電極3および第2励振電極8が設けられる第1領域17と、電極パターン6が設けられる第2領域18と、を有する。
第1領域17には、上述した凹部24が形成されている。このため、第2領域18における振動片2の厚さは、第1領域17における振動片2の厚さよりも大きい。言い換えると、第1領域17は、振動片2における薄肉部であり、第2領域18は、振動片2における厚肉部である。
このように、第1励振電極3および第2励振電極8が設けられる第1領域17の厚さは、第2領域18における振動片2の厚さよりも小さい。そのため、圧電振動部16が振動する周波数を高くすることができる。従って、高周波に対応可能な振動素子1を提供することができる。
第2領域18における振動片2の厚さは、第1領域17における振動片2の厚さよりも大きい。そのため、電極パターン6が設けられる溝部23の深さd1を大きくすることができる。溝部23の深さd1を大きくすることにより、溝部23の内面に沿って設けられる電極パターン6の表面積を大きくすることができるので、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1を提供することができる。
また、厚肉部としての第2領域18は、凹部24におけるX方向マイナス側の外縁部と、凹部24におけるY方向マイナス側の外縁部と、に設けられる。一方、凹部24におけるX方向プラス側の外縁部と、凹部24におけるY方向プラス側の外縁部と、には厚肉部としての第2領域18は設けられていない。つまり、厚肉部としての第2領域18は、Z方向からの平面視で、凹部24を二方向から囲うように設けられる。このような構成とすることにより、圧電振動部16の剛性を保ちつつ、圧電振動部16の質量を低減することができる。
また、電極パターン6の厚さt1は、第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3よりも大きい。具体的には、本実施形態では、電極パターン6の厚さt1は、上述したように、1μmである。第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3は、それぞれ40nmである。
電極パターン6の厚さt1を、第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3よりも大きくすることにより、電極パターン6の抵抗値を低下させ、Q値を高くすることができる。一方、第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3を、電極パターン6の厚さt1よりも小さくすることにより、圧電振動部16を安定して振動させることができるとともに、圧電振動部16が振動する周波数を高くすることができる。
電極パターン6の厚さt1は、1μm以上、10μm以下が好ましい。電極パターン6の厚さt1を1μm以上、10μm以下とすることにより、電極パターン6をフォトリソグラフィー技法を用いて安定して形成することができる。
第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3は、30nm以上、50nm以下が好ましい。第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3を30nm以上とすることにより、第1励振電極3および第2励振電極8を安定して形成することができる。第1励振電極3の厚さt2および第2励振電極8の厚さt3を50nm以下とすることにより、第1励振電極3および第2励振電極8の応力による振動素子1の周波数特性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1励振電極3および第2励振電極8が振動片2を挟む圧電振動部16に対して、電極パターン6は電気的に並列に接続する。圧電振動部16に対して、インダクターとしての電極パターン6が電気的に並列に接続されるため、例えば、振動素子1を発振器に用いたときに、発振回路における各電極間の浮遊容量やパッケージの配線により生じる容量などの不要な容量による影響を抑制することができる。
振動素子1を用いる発振器である電子デバイス200について、図7および図8を参照して説明する。
図7に示すように、電子デバイス200は振動素子1および駆動回路基板222を備える。なお、図7は、回路の一部を抜粋して図示したものであり、発振させるための回路は省略してある。駆動回路基板222は第1端子223および第2端子224を備える。第1端子223と第2端子224との端子間に振動素子1が接続される。図7および図8の説明における接続は電気的な接続を示す。
駆動回路基板222は制御電圧入力端子225を備える。制御電圧入力端子225は制御電圧印加用抵抗226の一端と接続される。制御電圧印加用抵抗226の他端は可変容量ダイオード227および第1端子223と接続される。可変容量ダイオード227はカソードが制御電圧印加用抵抗226と接続され、アノードがアース228と接続される。
第2端子224は増幅器229の入力部と接続される。増幅器229の出力部は周波数出力端子231と接続される。第2端子224とアース228との間には第1コンデンサー232および第2コンデンサー233が直列接続される。第1コンデンサー232の一端が第2端子224と接続される。第1コンデンサー232の他端が第2コンデンサー233の一端および周波数出力端子231と接続される。第2コンデンサー233の他端はアース228と接続される。
上述したように、本実施形態では、第1励振電極3および第2励振電極8が振動片2を挟む圧電振動部16に対して、電極パターン6は電気的に並列に接続する。
図8に示すように、圧電振動部16の一般的な等価回路は、等価直列インダクタンス234、等価直列容量235、等価直列抵抗236が直列接続され、等価並列容量237が等価直列インダクタンス234、等価直列容量235、および等価直列抵抗236と並列接続された回路で示される。電極パターン6は、等価並列容量237を含む浮遊容量をキャンセルすることができる。なお、等価並列容量237をC0、等価直列容量235をC1とするときC0/C1が小さい方が好ましい。周波数レンジを広くすることができる。
圧電振動部16の振動周波数をω、電極パターン6のインダクタンス値をLとするとき、ωC0>1/(ωL)の範囲にインダクタンス値Lを設定するのが好ましい。C0の影響をキャンセルすることができる。また、インダクタンス値Lを大きくするために、振動素子1と、インダクターを形成した他の振動素子と、を重ねて配置しても構わない。
電極パターン6のQ値と圧電振動部16のCI値とを最適化するのが好ましい。CI値とは、圧電振動部16におけるクリスタル・インピーダンスである。
なお、振動素子1は公知の方法で製造することができる。
水晶ウェハがエッチングされ、振動片2の外形形状、貫通電極15の貫通孔、溝部23、凹部24などが形成される。次に、蒸着またはスパッタリングにより、ニッケルまたはクロムを下地層として、下地層の上に金などの導電性部材による導電膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー技法を用いて導電膜をパターニングし、導電膜をエッチングすることにより第1励振電極3、第2励振電極8、第1接続電極4、第2接続電極7、第3接続電極9、第4接続電極13、電極パターン6、第1引出配線5、第2引出配線11、貫通電極15などが形成される。
溝部23をエッチングにより形成する工程と、凹部24をエッチングにより形成する工程とは、それぞれ別の工程としても構わないが、溝部23と、凹部24と、を同時に形成することにより、振動素子1の製造コストを抑制することができる。
また、溝部23をエッチングにより形成する工程において、ウエットエッチング技法、ドライエッチング技法のどちらを用いても構わないが、ドライエッチング技法を用いて溝部23を形成することにより、水晶の異方性による溝部23の断面形状のばらつきを抑制することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
振動素子1は、第1面21と、第1面21とは反対側に位置する第2面22と、を有する振動片2と、振動片2の第1面21に配置される螺旋状の電極パターン6と、を有し、振動片2は、第1面21に有底の溝部23を有し、電極パターン6は、溝部23の内面に沿って設けられる。これにより、Z方向からの平面視で電極パターン6の占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1を提供することができる。
なお、本実施形態では、振動片2の第1面21に配置される第1接続電極4を第1パッド電極としているが、振動片2の第2面22に配置される第4接続電極13を第1パッド電極としても構わない。また、振動片2の第2面22に配置される第3接続電極9を第2パッド電極としているが、振動片2の第1面21に配置される第2接続電極7を第2パッド電極としても構わない。
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る振動素子1aについて、図9~図11を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2の振動素子1aは、振動片2aの第1面21に凹部24を有さず、第2面22に凹部24aを有することや、凹部24aが第2面22側から第1面21側に向かって窪む形状を有すること以外は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図9~図11に示すように、振動片2aは、第2面22に凹部24aを有する。凹部24aは、第1励振電極3および第2励振電極8が設けられる圧電振動部16に対応する位置に形成される。凹部24aは、第2面22側から第1面21側に向かって窪む形状を有する。この構成によれば、振動素子1aは所謂逆メサ構造になっている。
振動片2aは、電極パターン6が設けられる溝部23を第1面21に有する。つまり、本実施形態では、振動片2aにおいて、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24aは振動片2の第2面22に備えられ、電極パターン6が設けられる溝部23は振動片2において第2面22とは反対側に位置する第1面21に設けられる。
このように、電極パターン6が設けられる溝部23が第1面21に備えられ、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24aが第1面21とは反対側に位置する第2面22に備えられていても、Z方向からの平面視で電極パターン6の占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1aを提供することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
つまり、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24aと、電極パターン6が設けられる溝部23と、は振動片2において一方が第1面21に備えられ、他方が第1面21とは反対側に位置する第2面22に備えられていても構わない。
3.実施形態3
次に、実施形態3に係る振動素子1bについて、図12~図14を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3の振動素子1bは、圧電振動部16に対して電極パターン6が電気的に直列に接続すること以外は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図12~図14に示すように、振動片2の第1面21には、第1パッド電極としての第2接続電極7と、第1引出配線31と、第2パッド電極としての第1接続電極4と、第2引出配線32に含まれる第1配線32aと、が配置される。第2引出配線32は、第1配線32aと、後述する第2配線32bと、を含む。
第1引出配線31は、第1励振電極3と、第1パッド電極としての第2接続電極7と、を電気的に接続する。
第1配線32aは、第2パッド電極としての第1接続電極4と、電極パターン6の外周側端部61と、を電気的に接続する。
振動片2の第2面22には、第2引出配線32に含まれる第2配線32bが配置される。
第2配線32bは、第2励振電極8と、貫通電極15と、を電気的に接続する。
第2配線32bは、接続パッド32cを備える。接続パッド32cは、振動片2を挟んで電極パターン6の中心側端部62に対向する位置に配置される。接続パッド32cと、電極パターン6の中心側端部62と、は貫通電極15を介して電気的に接続する。
このようにして、第2励振電極8と、第2パッド電極としての第1接続電極4と、は第2引出配線32に含まれる第2配線32bと、貫通電極15と、電極パターン6と、第2引出配線32に含まれる第1配線32aと、を介して電気的に接続する。
この構成によれば、電極パターン6は、第2引出配線32と電気的に接続する。言い換えると、電極パターン6は、第2引出配線32を介して、第2パッド電極としての第1接続電極4に電気的に接続する。
このように、第1励振電極3および第2励振電極8が振動片2を挟む振動部である圧電振動部16に対して、電極パターン6は電気的に直列に接続する。従って、電極パターン6がインダクターとして機能し、振動素子1bを、例えば、電圧制御型の発振器に用いたときに、周波数可変幅を広げることができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
圧電振動部16に対して電極パターン6は電気的に直列に接続することにより、周波数可変幅が大きい振動素子1bを提供することができる。
4.実施形態4
次に、実施形態4に係る振動素子1cについて、図15および図16を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4の振動素子1cは、圧電振動部16に対して電極パターン6が電気的に直列に接続すること以外は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図15および図16に示すように、振動片2の第1面21には、第1引出配線41に含まれる第3配線41aが配置される。第1引出配線41は、第3配線41aと、後述する第4配線41bと、を含む。
第3配線41aは、第1励振電極3と、電極パターン6の外周側端部61と、を電気的に接続する。
振動片2の第2面22には、第1パッド電極としての第4接続電極13と、第1引出配線41に含まれる第4配線41bと、第2パッド電極としての第3接続電極9と、第2引出配線42と、が配置される。
第4配線41bは、第1パッド電極としての第4接続電極13と、貫通電極15と、を電気的に接続する。
第4配線41bは、接続パッド41cを備える。接続パッド41cは、振動片2を挟んで電極パターン6の中心側端部62に対向する位置に配置される。接続パッド41cと、電極パターン6の中心側端部62と、は貫通電極15を介して電気的に接続する。
このようにして、第1励振電極3と、第1パッド電極としての第4接続電極13と、は第1引出配線41に含まれる第3配線41aと、電極パターン6と、貫通電極15と、第1引出配線41に含まれる第4配線41bと、を介して電気的に接続する。
この構成によれば、電極パターン6は、第1引出配線41と電気的に接続する。言い換えると、電極パターン6は、第1引出配線41を介して、第1パッド電極としての第4接続電極13に電気的に接続する。
このように、第1励振電極3および第2励振電極8が振動片2を挟む振動部である圧電振動部16に対して、電極パターン6は電気的に直列に接続する。従って、電極パターン6がインダクターとして機能し、振動素子1cを、例えば、電圧制御型の発振器に用いたときに、周波数可変幅を広げることができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
圧電振動部16に対して電極パターン6は電気的に直列に接続することにより、周波数可変幅が大きい振動素子1cを提供することができる。
5.実施形態5
次に、実施形態5に係る振動素子1dについて、図17を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態5では、電極パターン6の好適な配置について説明する。なお、実施形態5の振動素子1dの基本的な構成は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図17に示すように、振動片2の幅方向57の中心を通り、長手方向56に沿った中心線を第1中心線58とする。第1中心線58に対して、Y方向プラス側に第1励振電極3が配置され、Y方向マイナス側に電極パターン6の中心6pが配置される。従って、第1中心線58に対して、一方側に第1励振電極3が配置され、他方側に電極パターン6の中心6pが配置される。一方側はY方向プラス側である。他方側はY方向マイナス側である。
この構成によれば、長手方向56に沿った第1中心線58に対して、一方側に第1励振電極3および電極パターン6の中心6pがあるときに比べて、第1励振電極3と電極パターン6との距離を長くすることができる。その結果、電極パターン6で発生する磁束が第1励振電極3と磁気結合し、第1励振電極3が電極パターン6のインダクタンス値Lに影響を及ぼすことを低減できる。
また、振動片2の長手方向56の中心を通り、幅方向57に沿った中心線を第2中心線59とする。第2中心線59に対して、X方向プラス側に第1励振電極3が配置され、X方向マイナス側に電極パターン6の中心6pが配置される。従って、第2中心線59に対して、一方側に第1励振電極3が配置され、他方側に電極パターン6の中心6pが配置される。一方側はX方向プラス側である。他方側はX方向マイナス側である。
この構成によれば、幅方向57に沿った第2中心線59に対して、一方側に第1励振電極3および電極パターン6の中心6pがあるときに比べて、第1励振電極3と電極パターン6との距離を長くすることができる。その結果、電極パターン6で発生する磁束が第1励振電極3と磁気結合し、第1励振電極3が電極パターン6のインダクタンス値Lに影響を及ぼすことを低減できる。
また、本実施形態では、第1中心線58および第2中心線59に対して、一方側に第1励振電極3が配置され、他方側に電極パターン6の中心6pが配置される。従って、第1励振電極3が電極パターン6のインダクタンス値Lに影響を及ぼすことを低減できる。一方側はX方向プラス側且つY方向プラス側である。他方側はX方向マイナス側且つY方向マイナス側である。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
振動片2の幅方向57の中心を通り、長手方向56に沿った中心線である第1中心線58に対して、一方側に第1励振電極3が配置され、他方側に電極パターン6の中心6pが配置されることにより、第1励振電極3が電極パターン6のインダクタンス値Lに影響を及ぼすことを低減できる。
また、振動片2の長手方向56の中心を通り、幅方向57に沿った中心線である第2中心線59に対して、一方側に第1励振電極3が配置され、他方側に電極パターン6の中心6pが配置されることにより、第1励振電極3が電極パターン6のインダクタンス値Lに影響を及ぼすことを低減できる。
6.実施形態6
次に、実施形態6に係る振動素子1eについて、図18および図19を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態6の振動素子1eは、電極パターン6eが振動片2の溝部23を埋めるように設けられること以外は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図18および図19に示すように、電極パターン6eは、振動片2の溝部23の内面に沿って設けられる。本実施形態では、電極パターン6eは、溝部23に導電性部材を充填することにより、溝部23を埋めるように設けられる。導電性部材としては、例えば、金などを用いることができる。
電極パターン6eを振動片の溝部23の内面に沿って設けることにより、Z方向からの平面視で、電極パターン6の占有面積を抑制しながら、電極パターン6の表面積を大きくすることができる。電極パターン6の電極パターン6の表面積を大きくすることにより、インダクターとしての電極パターンのQ値を大きくすることができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
つまり、電極パターン6eは、溝部23に導電性部材を充填することにより、溝部23を埋めるように設けられていても構わない。
7.実施形態7
次に、実施形態7に係る振動素子1fについて、図20を参照して説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態7の振動素子1fは、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24におけるY方向プラス側の外縁部にも厚肉部としての第2領域18が設けられること以外は、実施形態1の振動素子1と同様である。
図20に示すように、振動片2fは、Z方向からの平面視で、長方形となっている。振動片2fは平面視で一方向が長い。
本実施形態では、振動片2fの第1面21に配置される第1励振電極3は、振動片2fにおけるX方向プラス側の端部と、電極パターン6と、の間に配置される。振動片2fの第2面22に配置される第2励振電極8は、振動片2fを挟んで第1励振電極3に対向する位置に配置される。第1励振電極3と、第2励振電極8と、が振動片2fを挟んで互いに対向する位置に配置されている圧電振動部16に対応する位置には凹部24が形成される。
凹部24におけるX方向マイナス側の外縁部と、凹部24におけるY方向マイナス側の外縁部と、凹部24におけるY方向プラス側の外縁部と、には厚肉部としての第2領域18が設けられる。一方、凹部24におけるX方向プラス側の外縁部には厚肉部としての第2領域18は設けられていない。つまり、厚肉部としての第2領域18は、Z方向からの平面視で、凹部24を三方向から囲うように設けられる。このような構成とすることにより、圧電振動部16の剛性を高くすることができ、振動素子1fにおける不要スプリアスの発生を低減することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24をZ方向からの平面視で三方向から囲うように、厚肉部としての第2領域18が設けられることにより、圧電振動部16の剛性を高くすることができ、振動素子1fにおける不要スプリアスの発生を低減することができる。
8.実施形態8
次に、実施形態8に係る振動素子1gについて、図21を参照して説明する。なお、実施形態7と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態8の振動素子1gは、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24におけるX方向プラス側の外縁部にも厚肉部としての第2領域18が設けられること以外は、実施形態7の振動素子1fと同様である。
図21に示すように、圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24におけるX方向マイナス側の外縁部と、凹部24におけるY方向マイナス側の外縁部と、凹部24におけるY方向プラス側の外縁部と、凹部24におけるX方向プラス側の外縁部と、には厚肉部としての第2領域18が設けられる。つまり、厚肉部としての第2領域18は、Z方向からの平面視で、凹部24を四方向から囲うように設けられる。このような構成とすることにより、圧電振動部16の剛性をさらに高くすることができ、振動素子1gにおける不要スプリアスの発生をさらに低減することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態7での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
圧電振動部16に対応する位置に形成される凹部24をZ方向からの平面視で四方向から囲うように、厚肉部としての第2領域18が設けられることにより、圧電振動部16の剛性をさらに高くすることができ、振動素子1fにおける不要スプリアスの発生をさらに低減することができる。
9.実施形態9
次に、実施形態9に係る振動子300について、図22を参照して説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、図22では、Z方向マイナス側を「上」、Z方向プラス側を「下」、Z方向マイナス側の面を「上面」、この上面と反対側となるZ方向プラス側の面を「下面」として説明する。
実施形態9に係る振動子300には、上述した振動素子1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gのうち何れかを用いることができる。以下の説明では、振動素子1を適用した構成を例示して説明する。
図22に示すように、振動子300は、振動素子1と、振動素子1が搭載されているパッケージ66とを備える。
パッケージ66は、振動素子1を収容するパッケージ本体67と、蓋部材68と、を備える。
パッケージ本体67は、実装端子73、第1基板69、第2基板71、およびシールリング72を積層して形成されている。
第1基板69の上面には、第2基板71が配置される。第2基板71は中央部が除去された環状体である。第1基板69と、第2基板71と、により振動素子1を収容するキャビティー74が形成される。第2基板71の上部周縁にはシールリング72が形成されている。
また、第1基板69の上面には、複数の素子搭載パッド75が設けられる。素子搭載パッド75は、振動素子1を載置した際に、第1パッド電極としての第1接続電極4と、第2接続電極7と、に対応するように配置される。第1パッド電極としての第1接続電極4と、第2接続電極7と、を導電性接着剤76を介して素子搭載パッド75に接合することにより、振動素子1はパッケージ本体67に固定される。
蓋部材68がシールリング72を介して第2基板71に接合されることにより、振動素子1を収容するキャビティー74内は気密封止される。
第1基板69の下面には、複数の実装端子73が設けられる。実装端子73と、素子搭載パッド75と、は第1基板69の内部に形成された図示しない配線を介して電気的に接続される。
この構成によれば、振動子300は、Z方向からの平面視で電極パターン6の占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1を備える。従って、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。
10.実施形態10
次に、実施形態10に係る電子デバイス400について、図23を参照して説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、図23では、図22と同様に、Z方向マイナス側を「上」、Z方向プラス側を「下」、Z方向マイナス側の面を「上面」、この上面と反対側となるZ方向プラス側の面を「下面」として説明する。
実施形態10に係る電子デバイス400には、上述した振動素子1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gのうち何れかを用いることができる。以下の説明では、振動素子1を適用した構成を例示して説明する。
図23に示すように、発振器である電子デバイス400は、振動素子1と、振動素子1が搭載されているパッケージ83と、第1励振電極3と第2励振電極8とに駆動電圧を供給する駆動回路基板84と、を備える。本実施形態では、電子デバイス400は、表面実装が可能な所謂SMD(Surface Mount Device)タイプの1チップの水晶発振器である。
パッケージ83は、振動素子1と駆動回路基板84とを収容するパッケージ本体82と、蓋部材68と、を備える。
駆動回路基板84は、図示しない発振回路を含み、第1励振電極3と第2励振電極8とに駆動電圧を供給することにより、振動素子1を励振する。駆動回路基板84はICチップの形態になっている。
パッケージ本体82は、実装端子73、第1基板69、第2基板71、第3基板85、およびシールリング72を積層して形成されている。
第1基板69の上面には、第3基板85が配置される。第3基板85は中央部が除去された環状体である。第1基板69と、第3基板85と、により駆動回路基板84を収容する凹部86が形成される。
第3基板85の上面には第2基板71が配置される。第2基板71は中央部が除去された環状体である。第1基板69と、第2基板71と、第3基板85と、により振動素子1を収容するキャビティー74が形成される。第2基板71の上部周縁にはシールリング72が形成されている。
凹部86の底面となる第1基板69の上面には、駆動回路基板84が接続される複数のIC接合端子87が設けられる。
IC接合端子87と、駆動回路基板84が備える図示しない電極パットと、は電極パットに予め設けられた導電性のバンプ88を介して、フェースダウン接合されている。
第3基板85の上面には、複数の素子搭載パッド75が設けられている。素子搭載パッド75は振動素子1を載置した際に、第1パッド電極としての第1接続電極4と、第2接続電極7と、に対応するように配置される。第1パッド電極としての第1接続電極4と、第2接続電極7と、を導電性接着剤76を介して素子搭載パッド75に接合することにより、振動素子1はパッケージ本体82に固定される。
蓋部材68がシールリング72を介して第2基板71に接合されることにより、振動素子1を収容するキャビティー74内は気密封止される。
第1基板69の下面には、複数の実装端子73が設けられる。実装端子73と、素子搭載パッド75と、IC接合端子87と、は第1基板69及び第3基板85の内部に形成された図示しない配線を介して電気的に接続される。
この構成によれば、発振器である電子デバイス400は、Z方向からの平面視で電極パターン6の占有面積の増大を抑制しながら、インダクターとしての電極パターン6のQ値が大きい振動素子1を備える。従って、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、本開示では、振動素子1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gにおける振動片2は、ATカット水晶を用いている。ただし、振動片2は、ATカット水晶に限定されず、例えば、Zカット水晶、Xカット水晶、Yカット水晶、ATカット水晶、BTカット水晶、SCカット水晶、STカット水晶などを用いても構わない。また、振動片2の振動モードは、厚み滑り振動に限定されず、屈曲振動、表面弾性波などであっても構わない。振動素子1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gは、例えば、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子などであっても構わない。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,100…振動素子、2,2a,2f,102…振動片、3…第1励振電極、4…第1接続電極、5,31,41…第1引出配線、6,6e,106…電極パターン、7…第2接続電極、8…第2励振電極、9…第3接続電極、11,32,42…第2引出配線、13…第4接続電極、16…圧電振動部、17…第1領域、18…第2領域、21…第1面、22…第2面、23…溝部、61,161…外周側端部、62,162…中心側端部、63,163…配線、64…溝部、66,83…パッケージ、84…駆動回路基板、200,400…電子デバイス、300…振動子。

Claims (12)

  1. 第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する振動片と、
    前記第1面に配置される第1励振電極と、
    前記第2面に配置され、前記振動片を挟んで前記第1励振電極に対向する第2励振電極と、
    前記第1面または前記第2面に配置される第1パッド電極と、
    前記第1面または前記第2面に配置される第2パッド電極と、
    前記第1励振電極と、前記第1パッド電極と、を電気的に接続する第1引出配線と、
    前記第2励振電極と、前記第2パッド電極と、を電気的に接続する第2引出配線と、
    前記第1面に配置され、前記第1引出配線および前記第2引出配線の少なくとも一方と電気的に接続する螺旋状の電極パターンと、を有し、
    前記振動片は、前記第1面に有底の溝部を有し、
    前記電極パターンは、前記溝部の内面に沿って設けられる、
    振動素子。
  2. 前記振動片は、前記第1励振電極と、前記第2励振電極と、が配置される第1領域と、前記電極パターンが設けられる第2領域と、を有し、
    前記第2領域における前記振動片の厚さは、前記第1領域における前記振動片の厚さよりも大きい、
    請求項1に記載の振動素子。
  3. 前記電極パターンの厚さは、前記第1励振電極および前記第2励振電極の厚さよりも大きい、
    請求項1または請求項2に記載の振動素子。
  4. 前記電極パターンの厚さは、1μm以上、10μm以下であり、
    前記第1励振電極および前記第2励振電極の厚さは、30nm以上、50nm以下である、
    請求項3に記載の振動素子。
  5. 前記電極パターンは、前記溝部を埋めるように設けられる、
    請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の振動素子。
  6. 前記第1励振電極および前記第2励振電極が前記振動片を挟む振動部に対して前記電極パターンは電気的に並列に接続する、
    請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の振動素子。
  7. 前記第1励振電極および前記第2励振電極が前記振動片を挟む振動部に対して前記電極パターンは電気的に直列に接続する、
    請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の振動素子。
  8. 前記振動片の長手方向において、前記第1パッド電極、前記電極パターンおよび前記第1励振電極が前記第1パッド電極、前記電極パターン、前記第1励振電極の順に配置されている、
    請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の振動素子。
  9. 前記振動片の幅方向の中心を通り、長手方向に沿った中心線に対して、
    一方側に前記第1励振電極が配置され、他方側に前記電極パターンの中心が配置される、
    請求項8に記載の振動素子。
  10. 前記振動片の長手方向の中心を通り、幅方向に沿った中心線に対して、
    一方側に前記第1励振電極が配置され、他方側に前記電極パターンの中心が配置される、
    請求項8または請求項9に記載の振動素子。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子が搭載されるパッケージと、を備える振動子。
  12. 請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子が搭載されるパッケージと、
    前記第1励振電極と前記第2励振電極とに駆動電圧を供給する駆動回路基板と、を備える電子デバイス。
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