JP2023002993A - 自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備のコストダウンを図るとともに、連続的な無効電力調整・力率制御を実現することのできる自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法を提供する。【解決手段】自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法は、系統に接続された発電設備2や負荷設備2に並列に接続され、接続点より系統側に設置した外部の変流器から取り込んだ電流値と、装置内部の計器用変圧器によって検出した電圧値に基づき、接続点における有効電力prと無効電力qrを計算し、有効電力prと無効電力qrおよび力率設定値pfsetから、力率がpfsetとなる無効電力の目標値qrefを計算する。【選択図】図1
Description
本発明は、自励式無効電力補償装置を用いて、発電設備や負荷設備の受電点における力率制御を安価に行う方法に関する。
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、パリ協定に基づいて決められた温室効果ガスの削減目標を達成するために、さらなる利用が期待される。これら再生可能エネルギーは、国内での生産が可能であることから、エネルギー安全保障に役立つ重要なエネルギー源として普及が促進されている。
再生可能エネルギーを利用する中で、誘導発電機を用いた発電設備は、電力系統に接続されてそこから受電することによって起動する。発電時は起動時と電力潮流が逆になり、発電設備から電力系統へ電力を供給する。
上記発電設備は、起動時に無効電力を発生するため、電力系統の電圧が降下する。この電圧降下を防止するため、起動時に発電設備が発生する無効電力を打ち消す無効電力補償装置を当該発電設備と並列に接続する。その一例として下記特許文献1記載の力率制御技術が提示できる。
特許文献1記載の力率一定制御方法は、電力系統に接続された発電設備に並列に接続した無効電力補償装置が、発電設備の起動時に発生する無効電力を打ち消す大きさの無効電力を出力することで、発電設備の受電点における力率を一定に制御するとともに、発電設備の発電時における逆潮流時においても、受電点における力率を一定に制御することができる。
また、このような電力系統における無効電力の発生は、電力系統に接続した負荷設備によっても生じる。発電設備や負荷設備に起因する無効電力の補償は、これらの設備に並列に接続した前記無効電力補償装置でも対応可能であるが、下記特許文献2に記載される力率制御装置のように、進相コンデンサの投入/引き外しによる無効電力調整によっても対応可能である。
然るに、上記特許文献1の力率制御方法は、無効電力補償装置を電力系統に接続する接続点(受電点)からみて、変電所側と発電機側の双方に電流検出用の外部の変流器(CT)をそれぞれ取り付ける必要があり、設備が高価となる。
他方、上記特許文献2記載の力率制御装置も、有効電力、無効電力を計測するのにトランスデューサーを使用するので高価となる点は同様である。また、進相コンデンサの投入/引き外しによる無効電力調整であるので、段階的にしか無効電力の調整ができず、力率制御も段階的となる。
そこで、本発明では、力率を制御するために電力系統に設置する電流検出用の外部の変流器の減数を図るなどによって、設備のコストダウンを図るとともに、連続的な無効電力調整・力率制御を実現することのできる自励式無効電力補償装置を用いた力率調整方法を提案するものである。
請求項1記載の発明は、系統に接続された発電設備や負荷設備に並列に接続され、当該接続点より系統側に設置した外部の変流器から取り込んだ電流値と、装置内部の計器用変圧器によって検出した電圧値に基づき、前記接続点における有効電力prと無効電力qrを計算し、前記有効電力prと無効電力qrおよび力率設定値pfsetから、力率がpfsetとなる無効電力の目標値qrefを計算するようにしたことを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の外部の変流器によって検出した接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記受電電流の瞬時値ベクトルと前記受電電圧の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の外部の変流器によって検出した接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルをそれぞれαβ変換した後の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記αβ変換後の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の外部の変流器によって検出した接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルをそれぞれαβ変換・γδ変換した後の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記αβ変換・γδ変換後の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の接続点における有効電力prに対して、前記力率設定値pfsetとなる無効電力の目標値qrefを下記式(1)で求め、前記無効電力qrがqrefとなるように、出力する無効電力を制御することを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
式(1)
qref=(│pr│/pfset)√(1-pfset×pfset)
式(1)
qref=(│pr│/pfset)√(1-pfset×pfset)
請求項6記載の発明は、進相コンデンサを前記発電設備や負荷設備に並列に接続し、該進相コンデンサの投入/引き外しによる段階的な無効電力調整と併用することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
請求項1記載の発明によれば、装置外部に電流検出用の変流器を1つ備えるだけで、発電設備や負荷設備の接続点における力率を、自励式無効電力補償装置を用いて安価に制御することができる。
請求項2乃至請求項4記載の発明によれば、自励式無効電力補償装置の無効電力制御機能を利用して、容易に発電設備や負荷設備の接続点における力率制御が可能となる。
請求項5記載の発明によれば、発電設備や負荷設備の接続点における無効電力の目標値qrefを│pr│を用いて計算するので、発電設備の発電の有無に関係なく、電流検出用の外部の変流器を1つ用いて、接続点の力率制御が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、進相コンデンサと自励式無効電力補償装置を組み合わせて力率制御することにより、自励式無効電力補償装置の大容量化を防止できる。また、自励式無効電力補償装置の無効電力制御機能を利用するので、連続的な力率制御が可能となる。
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図6により説明する。図1は本発明に係る自励式無効電力補償装置(STATCOM)1を活用した力率制御方法を説明するブロック図である。
本発明に係る自励式無効電力補償装置1は、電力系統に接続された発電設備や負荷設備2と並列に接続されており、進み位相又は遅れ位相の出力電流を電力系統に供給することにより、電力系統側から見た発電設備または負荷設備2の力率を設定値に調整する機能を有する。
発電設備や負荷設備2と自励式無効電力補償装置1の接続点(以下、受電点という)の前段(電力系統側)には、電流検出用の変流器CT1が取り付けられている。
図2に図1に示す自励式無効電力補償装置1の構成を示す。自励式無効電力補償装置1は、図2に示すように、出力電圧を検出する計器用変圧器VTと、出力電流を検出する変流器CT、これらによって検出した出力電圧・出力電流から、出力する無効電力を計測して、出力無効電力が設定値となるようにフィードバック制御する制御装置3、制御装置3が出力する駆動信号によってPWM制御される、IGBT等、複数のスイッチング素子から構成される三相インバータ4、三相インバータ4の直流側に接続されるコンデンサ5、および、三相インバータ4の交流側に接続されるLCフィルタ6と、LCフィルタ6と変流器CT間に接続される昇圧変圧器7から構成されている。
自励式無効電力補償装置1は、本来動作をさせるため、コンデンサ5をあらかじめ充電しておく必要がある。電力系統から三相インバータ4を介してコンデンサ5は充電される。
本来動作においては、充電されたコンデンサ5の直流電圧をIGBT等のスイッチング素子をPWM制御することにより交流電圧に変換して、LCフィルタ6で高調波を低減した後、昇圧変圧器7を介して、設定された値の無効電力を電力系統に供給する。
電力系統に供給される無効電力は、発電設備の起動時や発電時に発生する無効電力による電力系統の電圧降下を補償する。同様に、電力系統に接続した負荷によって発生する無効電力を打ち消すことにより、電力系統の電圧降下を補償する。
次に、自励式無効電力補償装置1の制御装置3による受電点の力率制御方法について図3を用いて説明する。自励式無効電力補償装置1の制御装置3は、受電電圧検出部8と、受電電流検出部9、受電有効・無効電力計算部10、無効電力目標値計算部11、および、出力無効電力フィードバック制御部12から概略構成されている。
図3に示す制御装置3は、電圧に関しては本来通りの電圧を用いるが、電流に関しては本来とは別の電流を用いる。電圧に関しては、本来通り、図2に示す計器用変圧器VTから受電電圧検出部8によって受電点の電圧(受電電圧)として検出して、受電有効・無効電力計算に用いる。電流に関しては、本来であれば、図2に示す変流器CTによって検出した自身の出力電流を用いるところを、図1に示す外部の変流器CT1から受電電流検出部9によって受電点の電流(受電電流)として検出して、受電有効・無効電力計算に用いる。
受電有効・無効電力計算部10は、受電電圧検出部8と受電電流検出部9によって検出した受電電圧と受電電流を用いて、受電点の有効電力prと無効電力qrを計算する。受電点の有効電力prは、受電電圧の瞬時値ベクトルと受電電流の瞬時値ベクトルの内積によって求め、受電点の無効電力qrは、受電電圧の瞬時値ベクトルと受電電流の瞬時値ベクトルの外積によって求められる。
図4に有効電力prと無効電力qrの計算方法の具体例を示す。受電有効・無効電力計算部10は、図4に示す有効電力計算部10aと無効電力計算部10bを有しており、有効電力計算部10aは、図3に示す受電電圧検出部8の出力である瞬時値ベクトル<vof>uvwと受電電流検出部9の出力である瞬時値ベクトル<iof>uvwの内積から有効電力の瞬時値pfを計算する。
また、無効電力計算部10bは、図3に示す受電電圧検出部8の出力である瞬時値ベクトル<vof>uvwと受電電流検出部9の出力である瞬時値ベクトル<iof>uvwの外積から無効電力の瞬時値qfを計算する。
このようにして計算した有効電力prは無効電力目標値計算部11に出力され、図1に示す受電点の力率設定値として入力されるpfsetとともに、無効電力の目標値qrefの計算に用いられる。無効電力の目標値qrefの計算は、下記数式(1)によって計算される。
このようにして計算した無効電力の目標値qrefは出力無効電力フィードバック制御部12に出力され、受電有効・無効電力計算部10が出力する無効電力qrが加え合せ点12aに入力される。加え合せ点12aは無効電力の目標値qrefと無効電力qrの差分を演算し、偏差Δqを出力する。
制御装置3は、図3に示す以外に、コンデンサ5の電圧を一定に制御する電圧一定制御部、出力電流制御部、PWM制御部から構成される。なお、これらの制御部は周知の技術であるので説明や図示は省略する。制御装置3は、図示していないPWM制御部から出力される駆動信号を図2に示すインバータ4に入力することによって、インバータ4をPWM制御する。インバータ4は、コンデンサ5の直流電圧をこのPWM制御にしたがって交流電圧に変換した後、LCフィルタ6および昇圧変圧器7を介して電力系統に、受電点の力率が設定値pfsetとなるように、言い換えれば、無効電力qrが目標値qrefとなるように、無効電力を供給する。
以上の制御を行うことにより、自励式無効電力補償装置1は、図1に示す受電点の力率を設定値pfsetとなるように制御することができる。
ここで、上記特許文献1に示す力率制御方法では、無効電力補償装置の接続点からみて変電所側と発電機側の両側に変流器を取り付け、これら変流器により検出された電流の位相と、計器用変成器によって検出した電圧の位相とを比較することによって、発電設備の発電の有無を判定している。そして、この判定結果に応じて、接続点の力率が設定値となるように出力する無効電力の符号を決定することで、電源側から見た発電設備側の力率を設定力率に制御している。
一方、本発明の力率制御方法によれば、自励式無効電力補償装置1の制御装置3は、その無効電力目標値計算部11による無効電力の目標値qrefの計算において、│pr│を用いて計算しているので、発電設備の発電の有無に関係なく、受電点の力率を設定値pfsetに制御することができる。これにより、本発明の力率制御方法では、外部に取り付ける変流器は1つで良く、上記特許文献1のように2つの変流器を備える必要がなくなるので、装置を安価に構成することができる。
また、上記特許文献2の場合と異なり、有効電力および無効電力を計測するためにトランスデューサーを使用することもないので、この点においても、設備のコストダウンに貢献できる。
なお、本発明に係る自励式無効電力補償装置1は、図3に示す制御装置3の受電有効・無効電力計算部10による受電点における有効電力prと無効電力qrを図4に示す方法以外の方法で計算することもできる。
例えば、図5に示すように、図3に示す受電有効・無効電力計算部13をαβ変換部13a,13bと、有効電力計算部13c、および、無効電力計算部13dによって構成する。そして、図3に示す受電電流検出部9は、外部の変流器CT1から図1に示す受電点を流れる電流の瞬時値(iofu,iofv,iofw)を検出し、当該瞬時値(iofu,iofv,iofw)を成分とする電流瞬時値ベクトル<iof>uvwを構成してαβ変換部13aへ出力する。
また、図3に示す受電電圧検出部8は、計器用変圧器VTから図1に示す受電点の電圧の瞬時値(vofu,vofv,vofw)を検出し、当該瞬時値(vofu,vofv,vofw)を成分とする電圧瞬時値ベクトル<vof>uvwを構成してαβ変換部13bへ出力する。
αβ変換部13aでは、入力した受電電流の瞬時値ベクトル<iof>uvwをこれと等価な二相電流(α相電流iofa、β相電流iofb)を成分とする瞬時値ベクトル<iof>abに座標変換(ただし、零相は0)し、それを有効電力計算部13cと無効電力計算部13dへ出力する。
αβ変換部13bでは、入力した受電電圧の瞬時値ベクトル<vof>uvwをこれと等価な二相電圧(α相電圧vofa、β相電圧vofb)を成分とする瞬時値ベクトル<vof>abに座標変換(ただし、零相は0)し、それを有効電力計算部13cと無効電力計算部13dへ出力する。
有効電力計算部13cは、αβ変換部13aの出力<iof>abとαβ変換部13bの出力<vof>abのベクトルの内積によって有効電力の瞬時値pfを計算することができる。
無効電力計算部13dは、αβ変換部13aの出力<iof>abとαβ変換部13bの出力<vof>abのベクトルの外積によって無効電力の瞬時値qfを計算することができる。
或いは、図6に示すように、図3に示す受電有効・無効電力計算部14をαβ変換部14a,14bと、γδ変換部14c,14d、および、有効電力計算部14e、無効電力計算部14fによって構成する。
そして、図3に示す受電電流検出部9によって、外部の変流器CT1から図1に示す受電点を流れる電流の瞬時値(iofu,iofv,iofw)を検出し、当該瞬時値(iofu,iofv,iofw)を成分とする電流瞬時値ベクトル<iof>uvwを構成して、図6に示すαβ変換部14aへ出力する。
また、図3に示す受電電圧検出部8によって、計器用変圧器VTから図1に示す受電点の電圧の瞬時値(vofu,vofv,vofw)を検出し、当該瞬時値(vofu,vofv,vofw)を成分とする電圧瞬時値ベクトル<vof>uvwを構成してαβ変換部14bへ出力する。
そして、αβ変換部14aによって、入力した受電電流の瞬時値ベクトル<iof>uvwをこれと等価な二相電流(α相電流iofa、β相電流iofb)を成分とする瞬時値ベクトル<iof>abに座標変換(ただし、零相は0)し、それをγδ変換部14cに出力する。
他方、αβ変換部14bでは、入力した受電電圧の瞬時値ベクトル<vof>uvwをこれと等価な二相電圧(α相電圧vofa、β相電圧vofb)を成分とする瞬時値ベクトル<vof>abに座標変換(ただし、零相は0)し、それをγδ変換部14dに出力する。
γδ変換部14cでは、αβ変換部14aの出力<iof>abをこれと等価な二相電流(γ相電流iofg,δ相電流iofd)を成分とする瞬時値ベクトル<iof>gdに座標変換し、有効電力計算部14eと無効電力計算部14fに出力する。
γδ変換部14dでは、αβ変換部14bの出力<vof>abをこれと等価な二相電圧(γ相電圧vofg,δ相電圧vofd)を成分とする瞬時値ベクトル<vof>gdに座標変換し、有効電力計算部14eと無効電力計算部14fに出力する。
有効電力計算部14eは、γδ変換部14cの出力<iof>gdとγδ変換部14dの出力<vof>gdのベクトルの内積によって有効電力の瞬時値pfを計算し、無効電力計算部14fは、γδ変換部14cの出力<iof>gdとγδ変換部14dの出力<vof>gdのベクトルの外積によって無効電力の瞬時値qfを計算することができる。
このように、本発明に係る制御装置3の受電有効・無効電力計算部10,13,14によれば、図4乃至図6に示す何れの方法であっても、計算される有効電力の瞬時値pfは同一値となる。また、無効電力の瞬時値qfも何れかの方法であっても同一値となるので、どの方法を採用しても良い。
図7は本発明の第2実施例に係る力率制御方法を示している。第2実施例の力率制御方法によれば、発電設備や負荷設備が接続される電力系統に、前記無効電力補償装置1とともに、進相コンデンサ設備15が並列に接続されている。
進相コンデンサ設備15は、複数の進相コンデンサを具備し、その投入/引き外しする進相コンデンサの数を調整することにより、受電点の力率を制御することができる。
本実施形態では、自励式無効電力補償装置1と進相コンデンサ設備15で、受電点の力率制御に必要な無効電力を分担する。分担割合は任意であるが、例えば、受電点の力率制御に必要な無効電力が最小Qmin~最大Qmaxの場合、進相コンデンサ設備15の負担割合をQave=(Qmax+Qmin)/2とすれば、自励式無効電力補償装置1の出力無効電力は、最大Qmax-Qaveとなり、自励式無効電力補償装置1の大容量化を回避することができる。
また、進相コンデンサ設備15による力率制御と、自励式無効電力補償装置1による力率制御を組み合わせることにより、上記特許文献2記載の力率制御装置と異なり、連続的な力率制御が可能となる。
なお、前記実施例では、電力系統に発電設備または負荷設備が接続されている場合について例示したが、本発明は、発電設備と負荷設備の両方が接続されている場合についても、実施例と同様に力率制御することができる。
また、発電設備としては、同期発電機であっても誘導発電機であっても同様に力率制御することが可能である。
以上説明したように、本発明の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法によれば、外部に電流検出用の変流器を1つ備えるだけで、発電設備や負荷設備の接続点における力率を安価に制御することができる。
また、自励式無効電力補償装置の無効電力制御機能を利用して、容易に発電設備や負荷設備の接続点における力率制御が可能となる。
さらに、発電設備や負荷設備の接続点における無効電力の目標値qrefを│pr│を用いて計算するので、発電設備の発電の有無に関係なく、電流検出用の外部の変流器を1つ用いて、接続点の力率制御が可能となる。
しかも、進相コンデンサと自励式無効電力補償装置を組み合わせて力率制御することにより、自励式無効電力補償装置の大容量化を防止できるとともに、自励式無効電力補償装置の無効電力制御機能と併用することにより、連続的な力率制御が可能となる。
本発明は、電力系統に設置される自励式無効電力補償装置に機能追加することで利用可能である。
1 自励式無効電力補償装置(STATCOM)
2 発電設備,負荷設備
3 制御装置
4 三相インバータ
5 コンデンサ
6 LCフィルタ
7 昇圧変圧器
8 受電電圧検出部
9 受電電流検出部
10,13,14 受電有効・無効電力計算部
10a,13c,14e 有効電力計算部
10b,13d,14f 無効電力計算部
11 無効電力目標値計算部
12 出力無効電力フィードバック制御部
12a 加え合せ点
13a,13b,14a,14b αβ変換部
14c,14d γδ変換部
15 進相コンデンサ設備
2 発電設備,負荷設備
3 制御装置
4 三相インバータ
5 コンデンサ
6 LCフィルタ
7 昇圧変圧器
8 受電電圧検出部
9 受電電流検出部
10,13,14 受電有効・無効電力計算部
10a,13c,14e 有効電力計算部
10b,13d,14f 無効電力計算部
11 無効電力目標値計算部
12 出力無効電力フィードバック制御部
12a 加え合せ点
13a,13b,14a,14b αβ変換部
14c,14d γδ変換部
15 進相コンデンサ設備
請求項1記載の発明は、系統に接続された発電設備や負荷設備に並列に接続され、当該接続点より系統側に設置した外部の変流器によって検出した前記接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルの内積から、三相二相変換することなく直接、有効電力prを計算し、前記受電電流の瞬時値ベクトルと前記装置内部の計器用変圧器によって検出した受電電圧の瞬時値ベクトルの外積から、三相二相変換することなく直接、無効電力qrを計算し、前記有効電力prと無効電力qrおよび力率設定値pfsetから、力率がpfsetとなる無効電力の目標値qrefを計算するようにしたことを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法に関する。
ことに特徴を有する。
ことに特徴を有する。
また、請求項1記載の発明によれば、自励式無効電力補償装置の無効電力制御機能を利用して、容易に発電設備や負荷設備の接続点における力率制御が可能となる。
Claims (6)
- 系統に接続された発電設備や負荷設備に並列に接続され、当該接続点より系統側に設置した外部の変流器から取り込んだ電流値と、装置内部の計器用変圧器によって検出した電圧値に基づき、前記接続点における有効電力prと無効電力qrを計算し、前記有効電力prと無効電力qrおよび力率設定値pfsetから、力率がpfsetとなる無効電力の目標値qrefを計算するようにしたことを特徴とする自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
- 前記外部の変流器によって検出した前記接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記受電電流の瞬時値ベクトルと前記受電電圧の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする請求項1記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
- 前記外部の変流器によって検出した前記接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルをそれぞれαβ変換した後の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記αβ変換後の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする請求項1記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
- 前記外部の変流器によって検出した前記接続点における受電電流の瞬時値ベクトルと、前記装置内部の計器用変圧器によって検出した前記接続点における受電電圧の瞬時値ベクトルをそれぞれαβ変換・γδ変換した後の瞬時値ベクトルの内積から前記有効電力prを計算し、前記αβ変換・γδ変換後の瞬時値ベクトルの外積から前記無効電力qrを計算することを特徴とする請求項1記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
- 前記有効電力prに対して、前記力率設定値pfsetとなる無効電力の目標値qrefを下記式(1)で求め、前記無効電力qrがqrefとなるように、出力する無効電力を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
式(1)
qref=(│pr│/pfset)√(1-pfset×pfset) - 進相コンデンサを前記発電設備や負荷設備に並列に接続し、該進相コンデンサの投入/引き外しによる段階的な無効電力調整と併用することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の自励式無効電力補償装置を用いた力率制御方法。
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