JP2023002992A - 丸棒ガラス、丸棒ガラスの製造方法、及び丸棒ガラスの製造装置 - Google Patents

丸棒ガラス、丸棒ガラスの製造方法、及び丸棒ガラスの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】側面を研削及び摩耗することなく、極めて小さい直径の丸棒ガラスを製造する方法及びその方法によって得られる丸棒ガラスを提供することを目的とする。【解決手段】ガラスピースから丸棒ガラスを製造する方法であって、先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーを、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置する工程と、前記圧延ローラーのすべてを同じ方向に回転させる工程と、前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に、軟化した前記ガラスピースを前記先端部の回転により押し込む工程と、押し込まれることにより、前記ガラスピースは延伸し、丸棒ガラスを成形する工程とを含む、製造方法;およびその製造方法によって得られる丸棒ガラス。【選択図】図1

Description

本発明は、非常に小さい直径を有する丸棒ガラス、丸棒ガラスの製造方法及び丸棒ガラスの製造装置に関する。
光学ガラスは一般的にストリップ材あるいはE-barと呼ばれる細長い板状の材料として得られ、これらは所定の形状を有するガラス製品に成形される。具体的には、まず、目的物と同じガラス体積で、比較的シンプルな形状のガラス小片を作製し、その後、当該ガラス小片を精密に成形する。光学ガラスは産業上の利便性の観点から同じ形状の製品を大量生産できることが望まれるため、このガラス小片の作製においても、同形状のものを大量に製造できることが望まれる。
このガラス小片を製造する方法の例としては、一辺が他の辺よりも十分に長い、細長い直方体ガラスを用意し、この直方体ガラスを円柱状の丸棒ガラスに成形し、その後、円柱の高さに対して垂直方向に切断することにより、タブレット状(ここでは円盤状あるいは円柱形状を意味する)のガラス小片を得る方法が挙げられる。タブレット状のガラス小片は、形状の類似性から光学レンズの材料として好ましく用いられる。
上記のようなタブレット状のガラス小片を製造する方法としては、例えば、特許文献1の方法が挙げられる。特許文献1は、「互いに平行で同一方向に回転する3本またはそれ以上のロールの間に、軟化温度以上でかつ流動温度未満に加熱したガラス塊を装入し、前記回転するロールの間隔を次第に挟める所定の直径を有するガラス丸棒に形成し、その後、前記ガラス丸棒を切断・成形・研磨して所定の曲率半径を有するレンズにすることを特徴とするレンズの製造方法」を開示している。
また、特許文献2は、「少なくとも表面が1010ポアズ以下の粘度になるように加熱されたガラス素材を、互いに平行に配置され、かつ同一方向に回転する複数のローラーの上に、当該ローラーの回転軸に対して平行に設けられた案内傾斜面(シュート)上を移動させることにより導入し、前記ガラス素材を前記ローラーの回転方向と逆の方向に回転させることにより、前記ガラス素材を円形断面の丸棒形状に成形するガラス丸棒の製造方法であって、前記案内傾斜面(シュート)上の前記ガラス素材の移動が、前記ガラス素材が前記案内傾斜面(シュート)を転がり落下することにより行われることを特徴とするガラス丸棒の製造方法。」が開示されている。
特許文献3は、「ガラス丸棒から複数個のレンズ用小割ガラス素材を製造するに際して、同一方向に回転する2個のローラ間にガラス丸棒を挿入し、2個のローラの間隔を狭めて軟化温度以上に加熱したガラス丸棒を両側から押圧して、2個のローラのうちの少なくともいずれか一方のローラに軸方向に等間隔で設けた複数枚の鍔状ブレードによって、ガラス丸棒に円周方向の溝部を複数同時に形成した後、ガラス丸棒の各溝部で切断してレンズに適した等重量の小割ガラス素材を形成することを特徴とするレンズ用小割ガラス素材の製造方法。」が開示されている。
特開昭54-117514号公報 特開2000-16822号公報 特開2002-114532号公報
特許文献1乃至3に見られるように、タブレット状ガラス小片の材料となる丸棒ガラス(以下、丸棒ガラスともいう)の製造方法の開発が進められている。一方、ガラス製品としては、小型化したガラス製品の需要が高く、光学レンズの分野においても、レンズの小径化が求められている。光学レンズの材料である丸棒ガラスの断面の直径を、最終製品である光学レンズの直径に近い径にすることができれば、丸棒ガラス側面のガラスを切削する時間および切削量を少なくすることができるので、ガラス製造コストを抑えることができるとともに、ガラスの切削にともなって排出されるガラスくず(スラッジ)の廃棄量を抑えることができ環境面でも優位である。
丸棒成形直後の丸棒ガラスの直径については、特許文献1に記載はない。また、特許文献2では、段落[0061]において、直径6mmの丸棒ガラスが開示されているが、それより径の小さい丸棒ガラスは開示されていない。さらに、特許文献3では、段落[0029]に直径7mmの丸棒ガラスが開示されているが、それより径の小さい丸棒ガラス(例えば、直径3.5mm以下の丸棒ガラス)は開示されていない。
そもそも、特許文献1乃至3などに記載の技術では、直径3.5mm以下の丸棒ガラスを製造することは困難である。
特許文献1のような3本のローラーで丸棒ガラスを挟み込み、回転させることで切削する技術では、ローラー径を細くするにしたがって製造されるガラスロッド径も細くすることができる。理論上、3本のローラーの直径が40mmの場合は、最小で直径6.5mmの丸棒ガラスが得られ、ローラーの直径が30mmの場合は、最小で直径5.0mmの丸棒ガラスが得られ、ローラーの直径が20mmの場合は、最小で直径3.5mmの丸棒ガラスが得られることになる。このように、ローラー直径を小さくすることにより、直径の小さい丸棒ガラスを製造することは理論上可能である。しかし、直径20mmのローラーでは、高い圧力でプレスしたときにローラーが変形してしまう。このような変形を防止するためにはローラーの長さを短くする必要があるが、短いローラーでは長いガラスロッドの製造は困難になり、事実上、コストに見合った丸棒ガラスの製造ができない。特許文献2及び3に開示された丸棒ガラスの最小直径が6mmや7mmであることは、従来の丸棒ガラスの製造技術の限界であると推測される。
本発明者は上記課題に着目し、特徴的な製造方法を採用することにより、側面を研削や研磨などをすることなく、丸棒成形装置から小径の丸棒ガラスを得る方法を開発した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ガラスピースから丸棒ガラスを製造する方法であって、
先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーを、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置する工程と、
前記圧延ローラーのすべてを同じ方向に回転させる工程と、
前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に、軟化した前記ガラスピースを前記先端部の回転により押し込む工程と、
押し込まれることにより、前記ガラスピースは延伸し、丸棒ガラスを成形する工程とを含む、製造方法。
[2] ガラスピースから丸棒ガラスを製造するための製造装置であって、
先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーと、
前記圧延ローラーを回転させるための回転手段と、
材料であるガラスピースを加熱するための加熱手段とを備え、
前記圧延ローラーは、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置され、
前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に軟化した前記ガラスピースを前記圧延ローラーの回転により押し込むことにより、前記丸棒ガラスを製造する、製造装置。
[3] 研磨処理されていない側面から構成される丸棒ガラスであり、
前記側面は、研削により形成されたものではなく、
前記側面の表面は、らせん状の模様を有する、丸棒ガラス。
[4] 断面直径が3.5mm以下であり、かつ、アスペクト比(長軸/断面半径)が35以上である、[3]に記載の丸棒ガラス。
[5] 前記側面には、離型剤由来の成分を有する、[3]又は[4]に記載の丸棒ガラス。
本発明の丸棒ガラスは、側面を切削や研削することなく、極めて小さい直径で所定の長さ以上の丸棒ガラスを成形することができる。極めて小さい直径の丸棒ガラスを長さ方向に略垂直に切断することで、切断されたガラスはそのままレンズ材料として使用することができ、ガラスを削る量、すなわち、ガラス廃棄量を抑えながら、所定の大きさのガラスレンズ材料を製造することができる。
図1(a)は丸棒ガラスを成形する模式図であり、図1(b)はガラスピース導入部と、圧延ローラーとの位置関係を示す図である。 図2は、3つの圧延ローラーの組み合わせた様子を上から見た図である。 図3は、丸棒ガラスが形成される状態を詳細に説明した図である。 図4は、種々の圧延ローラーを用いたときの、丸棒ガラスを成形する図である。 図5は、3つの圧延ローラーの組み合わせ状態を調整することを示す図である。 図6は、3つの圧延ローラーの押し込み角度を示す図である。 図7は、2つの円柱体を回転させることにより、圧延ローラーから排出された丸棒ガラスを徐冷しながら、最終的に形を整える工程を示す図である。 図8は、本発明の丸棒ガラスの製造方法によって製造された丸棒ガラスの斜視図である。 図9は、本発明の丸棒ガラスの拡大図である。
本明細書では特に断らない限り、数値範囲を特定するときに用いる「~」は、上限及び下限のいずれもその範囲に含まれるものとする。
[丸棒ガラスの製造方法]
本発明の丸棒ガラスを製造する製造方法は、ガラスピースから丸棒ガラスを製造する方法であって、先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーを、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置する工程と、前記圧延ローラーのすべてを同じ方向に回転させる工程と、前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に、軟化した前記ガラスピースを前記先端部の回転により押し込む工程と、押し込まれることにより、前記ガラスピースは延伸し、丸棒ガラスを成形する工程とを含む製造方法である。
以下、図面を用いて詳細に説明する。
丸棒ガラスの製造方法は、図1のように、ガラスピース31を円錐状のガラスピース導入部4に投入する。投入前のガラスピース31を加熱しておき、ガラスピース導入部4に投入し、圧延ローラー1まで落下すれば圧延により丸棒ガラスに成形される状態にしておく。ガラスピース31は、ガラスピース導入部4をすぐに通過し、圧延ローラー1まで落下する。なお、ガラスピース導入部41は、所定の加熱手段(図示せず)により加熱されてよい。
投入前のガラスピース31は、所定の大きさのガラスであればよく、形状は特に限定されない。ガラスピースの形状としては、例えば、立方体、直方体、角錐、円錐、球、円柱、タブレットなどが挙られる。なお、本明細書では、立方体、直方体、角錐、円柱、タブレットなどは、角が取れているもの(Rがついているもの)も、それぞれの形状に含まれるものとする。なお、角の部分が取れていると、投入時に破損しにくくなるため、好ましい。
ガラスピース導入部4は、ガラスピース31を3つの圧延ローラー1の先端部11の側面に接するように投入する機能を有するものである。この機能を達成できるのであれば、特に形状を問われないが、図1のように、すり鉢状(ロート状)であれば、投入口も広く扱いやすい。また、ガラスピース導入部4の形状がすり鉢状であれば、図1(b)に示すように、すり鉢状の細い部分を、圧延ローラー1の先端部11のすぐ上であっても、圧延ローラー1と干渉しないように配置することができる。なお、すり鉢形状の底は開口されており、圧延ローラー1の先端部11付近にガラスピース31を投入できるようになっている。
ガラスピース導入部4に投入される前にガラスピース31は、加熱により軟化される。このとき、ガラス粘度は、ガラスが変形できる程度の粘性であればよいが、ガラスの組成によっては、加熱しすぎると非常に粘性が低くなり、かえってガラス成形しにくくなる場合がある。このため、ガラスピース導入部4で加熱されたガラスピース31の粘性は10~10Pa・s程度の粘性になるようにすることが好ましい。
このような粘性にするための温度は、ガラス組成や諸条件により影響を受けるため、特定することはできないが、ガラスピースの温度は少なくとも軟化点以上温度であることが好ましく、例えば、軟化点以上、軟化点+300℃以下の範囲の粘度にすることができる。
軟化したガラスピース31は、ガラスピース導入部4から、回転している圧延ローラー1の先端部11に重力で落下する。
圧延ローラー1は、3つ以上の圧延ローラー1を組み合わせて、それぞれ回転させることにより、軟化させたガラスピース31をさらに下方へ押し込むものである。圧延ローラー1は、何らかの回転させる手段により、回転することができる。
圧延ローラー1は、ロッド12と、ガラスを下方に押し込むための先端部11とを備えるものである。先端部11は側面を有し、軟化したガラスピース31を受け、3つ以上の圧延ローラー1により下方へ押し込む。軟化したガラスピース31は、3以上の圧延ローラー1の先端部に同時に接触することができるように、向き合うように配置される。下方への押し込み力を調整することに加えて、細い径の丸棒ガラスを製造するために、ロッド12及び先端部11の回転軸2の延長が互いに交差する位置に配置する(図2参照)。このように配置し、それぞれの圧延ローラー1を回転させることで、軟化したガラスピース31が丸棒ガラスに成形される。
丸棒ガラス32の成形を、図3を用いて説明する。
実際の製造では、3つ又はそれ以上の圧延ローラー1を用いるが、図3では、ガラスの状態を示すために、2つの圧延ローラーのみで表記する。
まず、圧延ローラー1の先端部11の側面に軟化したガラスピース31が落下される(図3(a)、(b))。圧延ローラー1が回転することにより、ガラスピース31は延伸される。圧延ローラー1同士の距離が狭くなっているところほど、押し込み圧力が強くなり、図3中、下方にあるほどガラスは回転しながら延伸され(図3(c)、(d))、下方向にねじ込まれながら、最終的に所定の直径を有する丸棒ガラス32が得られる(図3(e)、(f))。
圧延ローラー1の回転速度は特に限定されるものではない。圧延ローラーの回転速度を上げることにより、丸棒ガラス32の製造速度が上がるが、製造された丸棒ガラス32のうねりが大きくなり、整った丸棒ガラス32が製造しにくくなる上、製造途中で軟化状態の丸棒ガラス32が振り回されてしまい、丸棒ガラス32が製造できない場合もある。したがって、用いるガラスの粘性特性に応じて、適宜回転速度を決定する。例えば、50rpm~10000rpmなど自由に設定することができる。回転速度は、3以上の圧延ローラーのそれぞれにおいて、速さ調整することができるが、通常、すべて同じ回転速度に設定する。同じ回転速度であれば、等しい押し込む力になるため、うねりの少ない、均等形状の丸棒ガラスを製造することができる。
図1の丸棒ガラスの製造方法では、3つの圧延ローラー1を用いているが、3つ以上であれば、丸棒ガラスを製造することができる。例えば、圧延ローラー1自体を小さくすることにより、4以上の圧延ローラーを用いても丸棒ガラスを製造することができる。ただし、配置しやすいさ、コストを考慮すると、3つの圧延ローラーを用いることが好ましい。
図4では、様々な形状の先端部を有する圧延ローラー1を示す。ここで、圧延ローラーの先端部とは、軟化したガラスピース31と接触する部分であり、ガラスピース31を回転により、下方向に押し込むためのものである。
図4(a)は、圧延ローラー1は、円錐形状の先端部11(キノコ型)を有するものである。図1乃至3で用いた圧延ローラー1と同じ形状であり、円錐形状の先端部11の側面に軟化したガラスピース31を接触させ(接触部C)、3つの先端部11(図では2つの先端部11)の側面に同時に軟化したガラスが接触すると、ガラスは下方向に押し込まれる。丸棒ガラス32は、先端部11によって、ガラスの表面にらせん状に模様をつけながら、丸棒ガラス32は成形される。なお、先端部11が円錐形状の場合は、頂点部分を切り落としたような形状(先が尖っていない形状)であることが好ましい。
なお、丸棒ガラス32の直径サイズは、3つの圧延ローラー1によって形成される隙間がもっとも小さくなった隙間サイズに影響される。
図4(b)は、(a)と同じ先端部11を用いているが、円錐の頂点を上に、円錐の底面を下にした配置にした態様である。図2(b)であっても、軟化したガラスは円錐の側面に接触させて、3つの圧延ローラー1により形成された隙間から下方向に排出される。
その他、図4(c)、(d)で示すような側面にくびれがあるような円錐型先端部12、図4(e)のような円柱型先端部13、図4(f)のような円柱の先端に絞りを有する円柱絞り型先端部14などでも丸棒ガラスを成形することは可能である。なお、本明細書では、図4(a)、(b)のような形状は円錐形状に包含されるものとし、図4(c)、(d)のような形状は円柱形状に包含されるものとする。
本発明の丸棒ガラスの製造方法は、丸棒ガラスの断面直径のサイズを制御することができる。例えば、図5の(a)のように、3つの圧延ローラー1を組み合わせた状態から、圧延ローラー1を、互いに離すことにより、得られる丸棒ガラス32の直径を大きくすることができる(図5(b)参照)。すなわち、圧延ローラー1の先端部同士の距離を調整することにより、丸棒ガラス32の直径を調整することができる。
さらに、圧延ローラー1は、押し込み角度を所定の角度に調整することにより、押し込み速度を調整することができる。押し込み角度とは、圧延ローラーを地面に対して垂直に対する傾けた角度(圧延方向の中心軸に対する角度、図6参照)であり、図6では、押し込み角度は10°に設定されている。
押し込み角度は、通常、0°を超えて設定され、例えば、3~20°程度にすることが好ましい。押し込み角度が小さいと押し込み速度が遅くなるが、丸棒ガラス32の表面がきめ細かくなる傾向にあり、また、角度が大きいと、押し込みが速くなるが、丸棒ガラス32の側面の表面が粗くなり、後述するらせん模様が強く表れるようになる。
丸棒ガラス32は、1つのガラスピース31に対して1本製造することできる。したがって、製造する丸棒ガラス32の直径及び長さを考えてそれに応じたガラス体積を有するガラスピース31を投入することが好ましい。
形成されたガラス丸棒32は、図7のように、同じ方向に回転する2本の円柱体5を隣接させ、垂直に降下する丸棒ガラス32を斜めに配置した2本の円柱体5同士の間に丸棒ガラス32を載せ、最終的な形を整えながら、丸棒ガラス32を徐冷することができる。ただし、徐冷方法は図7の方法に限定されるものではなく、例えば、耐火物で受ける方法や、滑り性の良好な型で受ける方法なども挙げられる。
図7には図示しないが、円柱体5には、バーナー等の加熱手段により適切な温度に加熱することができる。円柱体5の断面直径は特に限定されないが、丸棒ガラス32の直径が小さいものである場合は、円柱体5同士の隙間を小さくすることにより、丸棒ガラス32を載せることができる。なお、円柱体5の回転速度は丸棒ガラスの状況に応じて、適宜選択される。
(離型剤)
丸棒ガラス32を成形する前に、ガラスピース31の表面に離型剤を塗布することができる。離型剤を塗布することにより、丸棒ガラス32を丸棒成形装置から容易に取り除くことができる。また、離型剤は、ガラスピース31に塗布されるだけでなく、圧延ローラー1に塗布される場合もある。
離型剤は、ガラスの表面に付着させ、圧延ローラー1等から容易に取り除くために用いるものであるため、離型剤は、丸棒ガラスの薄く広がる傾向がある。したがって、本発明の丸棒ガラスの表面には、離型剤由来の化合物を含む。
なお、離型剤としては、窒化ホウ素(BN)を含む離型剤が好ましく用いられる。二硫化モリブデンも使用できるが、窒化ホウ素と比較して耐熱性が低いため、窒化ホウ素の方が好ましい。
(丸棒ガラス)
本発明の丸棒ガラス32の製造方法で得られる断面が円形である丸棒ガラス32は、圧延により成形されるため、側面は研削により形成されたものではなく、また、研磨処理されていない側面から構成されるものである。丸棒ガラス32の側面の表面は、丸棒ガラス製造方法の構成から、らせん状の模様321を有するものである。
丸棒ガラス32は、本発明では、研磨処理されていないことが特徴である。本発明の丸棒ガラスを製造した後に、研磨処理工程を新たに付加して処理すれば、研磨処理されることになるが、通常、本発明の丸棒ガラスは、研磨処理していない状態で出荷される。
また、本発明の丸棒ガラス32は軟化したガラスピースを回転しながら成形し、丸棒ガラス32の長さ方向の直線性も良好であるため、切削や研削せずに出荷することが可能である。切削や研削しない場合は、表面にダイヤモンドカッター等によって形成された表面(研削表面は通常Raが2.0~4.0μm、Rzが12.00~20μm)を有さない。
本発明の丸棒ガラス32は、上記の製造方法の説明でも理解できるように、ガラスを回転させながら延伸し、成形されるものである。本発明の対象はガラスであり、透過率が高いため、回転させながら成形されても、ガラスがねじれていることは見た目では判別しにくいという特徴を有する。
図8、図9のように、本発明の丸棒ガラス32は回転させながら成形するため、らせん状の模様321(スジ)を有することが特徴である。らせん状の模様321の深さは通常10μm未満である。
また、丸棒ガラス32は、長さ方向に所定の間隔でらせん状の凹凸が見られることが特徴である。圧延ローラー1の速さや角度、そして、ガラスの粘性により左右されるが、条件設定によりらせん状の凹凸が発生することがある。図9において、らせん状の凹凸の大きさ(D2)は、ガラスの粘性や圧延ローラー1の回転速度や角度によりかわるものであるが、例えば、D2は1~50μm程度であり、らせん状の凹凸の周期D1は、3.5~5.0mm程度である。
上述したように、本発明の特徴の一つとして、材料として一つの辺がほかの辺よりも長い形状の材料ではなく、塊状のガラスピースから、極めて大きいアスクペクト比を有する丸棒ガラスを得ることができる。具体的には、以下の形状変化率から検討することができる。
(形状変化率)
本発明の製造方法は、材料であるガラスピース31を回転させながら大きく延伸させて丸棒ガラス32を得るため、形状変化率が大きい。例えば、材料であるガラスピース31の長軸と丸棒ガラス32の長軸の変化率Cは、材料として選択するガラスピース31の形状に依存するが、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは、20倍以上である。
本発明の丸棒ガラス32の特徴として、例えば、アスペクト比(長軸/断面半径)が35以上とすることができるが、これに限定されず、例えば、70以上にすることができ、100以上にすることができ、150以上にすることができる。
本発明の丸棒ガラス32の製造方法に使用できるガラスは、特に限定されるものではない。光学ガラスの分野において、失透しやすいガラスであっても、本発明ではガラスを軟化させる程度の温度にすればよく、また、例えば、直径1mm以上の丸棒ガラスを製造することが可能であり、例えば、直径1mm、長さ1mの丸棒ガラスを製造することが可能である。製造時間は、直径1mm、長さ1mの丸棒ガラス32を製造する場合は、10分以内には製造することができ、ガラスが結晶化する前に丸棒ガラスを製造することが可能である。
本発明の丸棒ガラスの製造方法に使用できるガラスは、特に限定されるのではなく、ホウ珪酸塩ガラス、ソーダ-ライムガラス、種々の光学ガラス(ホウ酸ランタン系ガラス、フツリン酸系ガラス等)に使用することができるが、レンズを製造する際に優位性を発揮できるため、対象を光学ガラスに用いることが好ましい。
[実施例]
図1に示す下向きに配置した3本の円錐形状(キノコ形状)の先端を有する圧延ローラーを用いて、略立方体ガラスから丸棒ガラスを製造した。
使用したガラスは、下記の所定の大きさの角が取れた立方体のガラスピースである。このガラスは、まずガラス原料(含有割合は質量%)を調合し、ガラス状態に応じて1300~1450℃で熔融し、金型にキャスト後、各ガラスのTgの温度に50℃~100℃を加えた温度でアニールすることにより、板状の光学ガラスを得て、それをカットすることで上記のガラスピースを得た。
(実施例1及び2)
使用ガラス1:M-NBFD130(HOYA株式会社製 比重:4.56,Tg(ガラス転移点):567℃,Ts(ガラス屈伏点):604℃)
使用ガラス体積:約206mm、約487mm
使用ガラスピース温度:600~800℃(ガラスピース投入前の加熱の際の電気炉の設定温度)
成形時間(投入から丸棒ガラス成形終了まで):2~5分
圧延ローラー回転数:180rpm(206mmのガラスピース)
200rpm(487mmのガラスピース)
圧延ローラー温度:640~670℃
圧延ローラー押し込み角度:10°
上記条件により、約206mmのガラスピースからは、平均長さ約159mm、直径(図9におけるφAに相当、以下同様)約1.22mm、らせん外径(図9におけるφBに相当、以下同様)約1.33mmの丸棒ガラスが得られ、平均長さ50mm、直径約1.96mm、らせん外径約2.08mmの丸棒ガラスを得た。
(実施例3)
使用ガラス2:M-FCD1(HOYA株式会社製 比重:3.64、Tg(ガラス転移点):384℃、Ts(ガラス屈伏点):427℃)
使用ガラス体積:約164mm
使用ガラスピース温度:450~580℃(ガラスピース投入前の加熱の際の電気炉の設定温度)
成形時間(投入から丸棒ガラス成形終了まで):2~2.5分
圧延ローラー回転数:220rpm
圧延ローラー温度:460~480℃
圧延ローラー押し込み角度:10°
上記条件により、平均長さ約163mm、直径約1.21mm、らせん外径約1.29mmの丸棒ガラスが得られた。
実施例1及び3のられた丸棒ガラスは、研削及び研磨をしていないため、らせん状のスジがあるものも確認された。
符号の説明
1 圧延ローラー
11,12,13,14 先端部
2 圧延ローラーの中心線
3 ガラス
31 ガラスピース(ガラス)
32 丸棒ガラス
321 らせん状の模様(スジ)
4 ガラスピース導入部
5 円柱体

Claims (5)

  1. ガラスピースから丸棒ガラスを製造する方法であって、
    先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーを、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置する工程と、
    前記圧延ローラーのすべてを同じ方向に回転させる工程と、
    前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に、軟化した前記ガラスピースを前記先端部の回転により押し込む工程と、
    押し込まれることにより、前記ガラスピースは延伸し、丸棒ガラスを成形する工程とを含む、製造方法。
  2. ガラスピースから丸棒ガラスを製造するための製造装置であって、
    先端部が円柱又は円錐形状である3つ以上の圧延ローラーと、
    前記圧延ローラーを回転させるための回転手段と、
    材料であるガラスピースを加熱するための加熱手段とを備え、
    前記圧延ローラーは、前記圧延ローラーの回転軸がそれぞれ交差するように配置され、
    前記回転軸によって囲まれた位置に形成された隙間に軟化した前記ガラスピースを前記圧延ローラーの回転により押し込むことにより、前記丸棒ガラスを製造する、製造装置。
  3. 研磨処理されていない側面から構成される丸棒ガラスであり、
    前記側面は、研削により形成されたものではなく、
    前記側面の表面は、らせん状の模様を有する、丸棒ガラス。
  4. 断面直径が3.5mm以下であり、かつ、アスペクト比(長軸/断面半径)が35以上である、請求項3に記載の丸棒ガラス。
  5. 前記側面には、離型剤由来の成分を有する、請求項3又は4に記載の丸棒ガラス。
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