JP2023002343A - 柔軟剤 - Google Patents

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龍哉 阿良田
Ryuya Arata
崇子 五十嵐
Takako Igarashi
雄也 北川
Yuya Kitagawa
有介 山根
Yusuke Yamane
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Abstract

【課題】柔軟性の付与効果に優れた柔軟剤を提供する。【解決手段】(A)下記式(1)で表される化合物と(B)シリコーンを含有する、柔軟剤である。【化1】JPEG2023002343000007.jpg42170〔式中、R1及びR2は、それぞれ炭素数6以上24以下の炭化水素基であり、A1O及びA2Oは、それぞれ炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、x1及びx2は、平均付加モル数であり、それぞれ0以上10以下の数であり、Mは陽イオンである。〕【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟剤及び繊維の処理方法に関する。
衣類などの繊維製品は、着用や洗濯を繰り返すことにより、次第に硬くなって好ましくない風合いとなる。これを改善するために、洗濯のすすぎ工程に柔軟仕上げ剤を投入するなどして、柔軟処理が行われている。
現在、柔軟剤組成物として市販されているものの多くは、カチオン界面活性剤を有効成分として含有するものであるが、これまでに、アニオン界面活性剤を含有する柔軟剤組成物が検討されている(特許文献1~4)。
特許文献1には、スルホコハク酸エステル塩型アニオン性界面活性剤と、ポリエチレンポリアミン高級脂肪酸アミド型カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤及びポリシロキサン類を含有する繊維用柔軟仕上剤が開示されている。
特許文献2には、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系殺菌剤、金属キレート剤及びアルキル基の炭素数が16以上のジアルキルスルホコハク酸の塩を必須成分として含有するアニオン系柔軟剤組成物を含有する抗菌性柔軟剤組成物が開示されている。
特許文献3には、炭素数17以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩、ノニオン界面活性剤、金属イオンキレート剤を含有する繊維用洗浄剤組成物において、特定の炭素鎖長を有する内部オレフィンスルホン酸塩に繊維を柔らかくする効果があることが開示されている。
特許文献4には、炭素数17以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩からなり、繊維製品を柔らかな風合いに仕上げる繊維用改質剤が開示されている。
特開平5-311575号公報 特開平8-158258号公報 特開2017-214567号公報 特開2018-66102号公報
本発明は、柔軟性の付与効果に優れた新規な柔軟剤及び繊維の処理方法を提供する。
本発明は、(A)下記式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)シリコーン〔以下、(B)成分という〕と、を含有する、柔軟剤に関する。
Figure 2023002343000001

〔式中、R及びRは、それぞれ炭素数6以上24以下の炭化水素基であり、AO及びAOは、それぞれ炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、x1及びx2は、平均付加モル数であり、それぞれ0以上10以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
また、本発明は、上記柔軟剤と水を混合して得られた処理液を繊維に接触させる、繊維の処理方法に関する。
本発明によれば、柔軟性の付与効果に優れた柔軟剤及び繊維の処理方法を提供できる。
本発明の柔軟剤は、下記一般式で表される(A)成分と、(B)成分であるシリコーンと、を併用することで、繊維に対して優れた柔軟性を付与することができる。この効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
(A)成分は、水中でベシクルを形成し、このベシクルが繊維へ吸着する時に繊維表面に偏在することで、繊維の柔軟性を付与できると考えられる。(B)成分は単独ではベシクルを形成しないが、(A)成分と(B)成分を併用することで、(B)成分が(A)成分のベシクルに取り込まれ、ベシクルの荷電、粒径又は膜弾性が変化し、繊維表面における偏在性が向上し、優れた柔軟性付与効果を発現するものと推察される。また、(B)成分は、(A)成分と併用した際に、(A)成分を凝集させる等しないため、(A)成分の水への分散性等に影響を及ぼさない。したがって、(A)成分の使用態様を特に変更することなく(B)を併用することができる。なお、本発明はこの機構に拘束されるものではない。
本発明の柔軟剤は、(A)下記式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)シリコーン〔以下、(B)成分という〕と、を含有する。(A)成分及び(B)成分は、それぞれ1種以上含んでもよい。
Figure 2023002343000002

〔式中、R及びRは、それぞれ炭素数6以上24以下の炭化水素基であり、AO及びAOは、それぞれ炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、x1及びx2は、平均付加モル数であり、それぞれ0以上10以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
式(1)中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数6以上24以下の炭化水素基である。炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
式(1)中、R及びRの炭化水素基の炭素数は、柔軟性の観点から、それぞれ6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、分散性の観点から、24以下、好ましくは20以下、より好ましくは17以下、更に好ましくは12以下である。
及びRは、それぞれ独立して炭素数10以上12以下の分岐炭化水素基が好ましく、炭素数10の分岐炭化水素基がより好ましい。
式(1)中、RとRの合計炭素数は、柔軟性の観点から、好ましくは18以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは21以上、更に好ましくは22以上、そして、分散性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは26以下、更に好ましくは25以下、更に好ましくは24以下である。ここで、柔軟剤が、RとRの合計炭素数の異なる2種以上の化合物を含有する場合、当該柔軟剤におけるRとRの合計炭素数は、それぞれの化合物のRとRの合計炭素数のモル平均を表す。
式(1)中、R及びRの炭化水素基は、直鎖、分岐鎖の何れでもよいが、分散性の観点から、分岐鎖が含まれることが好ましい。すなわち、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれることが好ましい。
式(1)中、R及びRの炭化水素基は、飽和、不飽和の何れでもよいが、分散性の観点から、不飽和が含まれることが好ましい。すなわち、R及びRの炭化水素基に不飽和結合を有する炭化水素基が含まれることが好ましい。
従って、前記式(1)中、R及びRの少なくとも1つが、分岐構造又は不飽和結合を有する炭化水素基であることが好ましい。
式(1)中、Rの炭化水素基とRの炭化水素基は、同一でも異なっていてもよい。Rの炭化水素基とRの炭化水素基が異なる場合は、高硬度の柔軟性の観点で好ましい。また、Rの炭化水素基とRの炭化水素基が同一である場合は、分散安定性、製造容易性、低濃度での柔軟性の観点で好ましい。例えば、式(1)中、Rの炭素数とRの炭素数は、同一でも異なっていてもよい。Rの炭素数とRの炭素数が異なる場合は、高硬度の柔軟性の観点で好ましい。また、Rの炭素数とRの炭素数が同一である場合は、分散安定性、製造容易性、低濃度での柔軟性の観点で好ましい。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれる場合、R及びRの炭化水素基のそれぞれの分岐数は、柔軟性及び分散安定性の観点から、好ましくは1以上2以下、より好ましくは1以上1.5以下、更に好ましくは1以上1.2以下、より更に好ましくは1以上1.1以下、より更に好ましくは1である。ここで、分岐数は、分岐構造を有する炭化水素基の分岐の数を数平均で示したものである。R及びRは、それぞれ分岐数が1であることが好ましい。
分岐構造を有するR及びRの炭化水素基は、柔軟性、分散性の観点から、それぞれ、好ましくは2位に分岐鎖を有する炭化水素基、より好ましくは2位に分岐鎖を有し該分岐鎖が炭素数2以上の炭化水素基、更に好ましくは2位に分岐鎖を有し該分岐鎖が炭素数2以上のアルキル基、より更に好ましくは2位に分岐鎖を有し該分岐鎖がゲルベアルコールに由来する炭化水素基、より更に好ましくは2位のみに分岐鎖を有し該分岐鎖がゲルベアルコールに由来する炭化水素基である。
なお、本発明では、式(1)における-O-R及び-O-RのOに結合するR又はRの炭素を1位の炭素として、1位の炭素に結合する炭素を2位の炭素、2位の炭素に結合する炭素を3位の炭素、3位の炭素に結合する炭素を4位の炭素、以下同様に5位の炭素、6位の炭素などとする。つまり、R及びRにおける炭素の位置は、前記1位の炭素を含む最も長い主鎖を選定し、その主鎖に基づいて2位以降の炭素の位置を決定する。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれる場合、柔軟性の観点から、2位以降の炭素に分岐構造を有し且つ2位の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基(以下、R及びRの炭化水素基B2とも記載する)の割合は、R及びRの炭化水素基全体の、好ましくは5モル%以下、より好ましくは4モル%以下、更に好ましくは3モル%以下、より更に好ましくは2モル%以下、より更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
前記R及びRの炭化水素基B2は、式(2)で表される炭化水素基である。
-CH-CH(CH)-R21 式(2)
(式中、R21は炭素数3以上21以下の炭化水素基である。)
前記R21は、入手性の観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基、更に好ましくは1級直鎖アルキル基である。
式(2)中、R21の炭素数は、柔軟性の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、そして、分散性の観点から、好ましくは17以下、より好ましくは14以下である。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれる場合、柔軟性の観点から、3位以降の炭素のみに分岐構造を有し且つ3位の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基(以下、R及びRの炭化水素基B3とも記載する)の割合は、R及びRの炭化水素基全体の、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは2モル%以下、より更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
前記R及びRの炭化水素基B3は、式(3)で表される炭化水素基である。
-R31-CH(CH)-R32 式(3)
(式中、R31は炭素数2の直鎖の炭化水素基、R32は炭化水素基であり、R31及びR32の合計炭素数は4以上22以下である。)
前記R31は、入手性の観点から、好ましくはエタンジイル基であり、前記R32は、入手性の観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基、更に好ましくは1級直鎖アルキル基である。
式(3)中、R31及びR32の合計炭素数は、柔軟性の観点から、4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、そして、分散性の観点から、22以下、好ましくは18以下、より好ましくは15以下である。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれる場合、柔軟性の観点から、4位以降の炭素のみに分岐構造を有し且つ最小位の分岐位置の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基(以下、R及びRの炭化水素基B4とも記載する)の割合は、R及びRの炭化水素基全体の、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、より更に好ましくは20モル%以下、より更に好ましくは10モル%以下、より更に好ましくは5モル%以下、より更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である。
前記R及びRの炭化水素基B4は、式(4)で表される炭化水素基である。
-R41-CH(CH)-R42 式(4)
(式中、R41は炭素数3以上の直鎖の炭化水素基、R42は炭化水素基であり、R41及びR42の合計炭素数は4以上22以下である。)
前記R41は、入手性の観点から、好ましくは炭素数3以上のアルカン-α,ω-ジイル基であり、前記R42は、入手性の観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基、更に好ましくは1級の飽和直鎖アルキル基である。
式(4)中、R41及びR42の合計炭素数は、柔軟性の観点から、4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、そして、分散性の観点から、22以下、好ましくは18以下、より好ましくは15以下である。
及びRの炭化水素基全体に対する、2位以降の炭素に分岐構造を有し且つ2位の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基の割合、3位以降の炭素のみに分岐構造を有し且つ3位の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基の割合、4位以降の炭素のみに分岐構造を有し、最小位の分岐位置の炭素にメチル基がただ1つ結合する炭化水素基の割合などは、それぞれ、前記式(1)で表される化合物を加水分解等により-O-R及び-O-Rを、それぞれ、H-O-R及びH-O-Rのアルコールにした後、13C-NMRを用いて測定することができる。
化合物1は、下記条件の13C-NMRの測定結果において、67.6~68ppmの範囲のシグナルの領域の面積の、60~69ppmのシグナル全量の領域の面積に対する割合が、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下、より更に好ましくは2%以下、より更に好ましくは1%以下、より更に好ましくは0%である。なお、下記13C-NMRでは、メチル分岐を有する複数の分岐アルコールを標準物質として求めた1位の炭素のケミカルシフトを利用してサンプルのケミカルシフトを予測できる。
13C-NMR測定条件
装置:Agilent社製 MR400
周波数:400MHz
積算回数:1024
待ち時間:30sec
パルス角:45deg
重溶媒:CDCl
試料濃度:10%
試料管:5mmφ
化合物1は、前記条件の13C-NMRの測定結果において、60~61ppmの範囲のシグナルの領域の面積の、60~69ppmのシグナル全量の領域の面積に対する割合が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下、より更に好ましくは1%以下、より更に好ましくは0%である。
化合物1は、前記条件の13C-NMRの測定結果において、62~63.2ppmの範囲のシグナルの領域の面積の、60~69ppmのシグナル全量の領域の面積に対する割合が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、より更に好ましくは20%以下、より更に好ましくは10%以下、より更に好ましくは5%以下、より更に好ましくは1%以下、より更に好ましくは0%である。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に分岐構造を有する炭化水素基が含まれる場合、下記式で定義されるR及びRの分岐度は、柔軟性の観点から、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下、そして分散性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.04以上である。
分岐度=〔(R及びRの末端メチル基の総数)-2〕/(R及びRの有する総炭素数)
なお、分岐度の計算には、H-NMRを用いて測定した炭素数の平均値を用いることができる。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に不飽和結合を有する炭化水素基が含まれる場合、R及びRの炭化水素基の不飽和結合は、柔軟性と分散安定性の観点から、炭素-炭素の二重結合であることが好ましい。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に不飽和結合を有する炭化水素基が含まれる場合、R及びRの炭化水素基の不飽和結合の数は、柔軟性、分散安定性及び入手性の観点から、好ましくは0.5以上2以下、より好ましくは1以上1.5以下、更に好ましくは1以上1.2以下、より更に好ましくは1以上1.1以下、より更に好ましくは1である。ここで、不飽和結合の数は、不飽和結合を有する炭化水素基が有する不飽和結合の数を数平均で示したものである。
式(1)中、R及びRの炭化水素基に二重結合を有する炭化水素基が含まれる場合、R及びRの炭化水素基の二重結合の数の好適範囲は前記不飽和結合の数の好適範囲である。
化合物1は、前記式(1)で表される化合物が、RとRが同一構造の炭化水素基である化合物、及びRとRが異なる構造の炭化水素基である化合物から選ばれる1種以上の化合物であってよい。
化合物1は、柔軟性の観点から、RとRが同じ構造の炭化水素基である化合物が好ましい。
化合物1は、柔軟性の観点から、RとRが異なる構造の炭化水素基である化合物であってよい。
例えば、本発明の柔軟剤は、RとRが同一構造の炭化水素基である前記式(1)で表される化合物、及びRとRが異なる構造の炭化水素基である前記式(1)で表される化合物を含有することができる。
式(1)中、AO及びAOは、それぞれ独立に、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基である。AO及びAOの炭素数は、柔軟性の観点から、2以上4以下、好ましくは2以上3以下である。AO及びAOは、それぞれ2又は3のアルキレンオキシ基が好ましい。なお、A及びAは、それぞれ、AO及びAOのアルキレンを表し、それらの炭素数の好ましい範囲は、それぞれ、AO及びAOの炭素数の好ましい範囲と同様である。
式(1)中、x1及びx2は、それぞれ、AO及びAOの平均付加モル数である。x1及びx2は、それぞれ、0以上10以下であり、柔軟性の観点から、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは0である。
式(1)中、Mは陽イオンである(但し水素イオンを除く)。Mとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、バリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオンなどの有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、分散安定性と柔軟性の観点から、アルカリ金属イオン、アルカノールアンモニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。
本発明の(A)成分は、下記式(1-1)で表される化合物が好ましい。すなわち、本発明は、(A)成分として、下記式(1-1)で表される化合物を含有する柔軟剤を提供する。式(1-1)の化合物は、式(1)中のx1及びx2がそれぞれ0の化合物である
Figure 2023002343000003

〔式中、R及びRは、それぞれ、炭素数6以上24以下の炭化水素基であり、Mは陽イオンである。〕
式(1-1)中のR、R及びMの具体例や好ましい例は式(1)と同じである。
(A)成分は、公知の方法で合成することができる。例えば、無水マレイン酸にアルコールを反応させて得られるマレイン酸ジエステルと、亜硫酸水素塩とを反応させて得ることが出来る。その際、炭素数や構造の異なるアルコールを用いることで、式(1)中のRとRが異なる構造の炭化水素基である化合物を得ることができる。(A)成分は、例えば、米国特許出願公開第2007/0214999号、Example2~3に記載された方法により合成できる。
(A)成分の製造に用いられる好適なアルコールとしては、
(1)2-プロピルヘプタン-1-オール、2-ブチルオクタン-1-オール、分岐鎖デシルアルコール(例えば、KHネオケム株式会社製のデシルアルコール)などに代表される第1級アルコール、
(2)5-ノナノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノールなどに代表される第2級アルコール
が挙げられる。
(A)成分は、分散性および柔軟性の観点から、ジ(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸塩、及びジ(2-ブチルオクチル)スルホコハク酸塩から選択される1種以上が好ましく、ジ(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸塩がより好ましい。これらの塩は、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
(B)成分は、シリコーンである。(B)成分は、分散性と柔軟性の観点から、例えば、高分子量型ジメチコン(ジメチルシリコーンオイル、以下同じ)、低分子量型ジメチコンなどのジメチコン及びアミノ変性型シリコーン(アミノ基含有シリコーンオイル、以下同じ)から選択される1種以上が挙げられ、より好ましくは高分子量型ジメチコンである。
ジメチコンは、25℃の動粘度が、100mm/S以上1,000,000mm/S以下のジメチコンであってよい。高分子量型ジメチコンの一例として、例えば、25℃の動粘度が、475,000mm/S以上525,000mm/S以下のジメチコンが挙げられる。また、低分子量型ジメチコンの一例として、25℃の動粘度が、330mm/S以上370mm/S以下のジメチコンが挙げられる。ジメチコンの25℃の動粘度は、医薬部外品原料規格2021の5.5粘度測定法(第1法:毛細管粘度計法)によって測定する。
アミノ変性型シリコーンは、アミン当量が、500g/mol以上55,000g/mol以下のアミノ変性型シリコーンであってよい。アミン変性型シリコーンの一例として、アミン当量3,000g/mol以上10,000g/mol以下のアミノ変性型シリコーンが挙げられる。アミノ変性型シリコーンのアミン当量は被変性物の分子量を官能基数で割った数値である。
本発明の柔軟剤中、(A)成分の含有量は、分散性および柔軟性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは、2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、そして、分散性および粘度の観点から、10質量%以下、より好ましく7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の柔軟剤中、(B)成分の含有量は、柔軟性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、分散性の観点から、5質量%以下、より好ましく3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対する(B)成分の割合は、分散性および柔軟性の観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7.5質量部以上、そして、同様の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
本発明の柔軟剤は、任意に下記の界面活性剤(但し、(A)成分を除く)を含有することもできる。本発明の柔軟剤は、該柔軟剤に含まれる界面活性剤の全量中、(A)成分の割合が、分散性及び柔軟性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、柔軟性の観点から、好ましくは100質量%以下である。本発明の柔軟剤が、任意に界面活性剤(但し、(A)成分を除く)を含む場合、界面活性剤の全量中、(A)成分の割合が、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下であってよい。
本発明の柔軟剤は、任意成分として、界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、炭素数6以上のアルコール、有機溶剤を含むことができる。
界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く、以下同様)、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤を挙げることができ、分散性および柔軟性の観点から、好ましくは、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる1種以上であり、より好ましくはノニオン界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルモノグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(グリコシド型ノニオン界面活性剤)、ソルビタン系ノニオン界面活性剤、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸モノグリセライド、蔗糖脂肪酸エステル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルモノエタノールアミンなどのアルカノールアミンとラウリン酸、ミリスチン酸などの脂肪酸とのアミド化物などを挙げることができる。
ノニオン界面活性剤のアルキル基又はアルケニル基は、例えば、炭素数6以上18以下のアルキル基又はアルケニル基である。ノニオン界面活性剤のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基の平均付加モル数は、例えば、2以上25以下である。
ノニオン界面活性剤は、分散性および柔軟性の観点から、ポリアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、及びペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンモノ脂肪酸エステルから選ばれる1種以上がより好ましい。脂肪酸は、飽和又は不飽和の炭化水素基を有する脂肪酸であってよい。また、脂肪酸の炭素数は、例えば、7以上19以下、好ましくは10以上14以下である。オキシアルキレン基の平均付加モル数は、例えば、2以上25以下、好ましくは2以上21以下である。オキシアルキレン基は、好ましくはオキシエチレン基である。
具体的には、ノニオン界面活性剤は、分散性および柔軟性の観点から、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上である。オキシエチレン基の平均付加モル数は、例えば、2以上25以下、好ましくは、2以上21以下である。
より好ましいノニオン界面活性剤としては、オキシエチレン基の平均付加モル数が2、4又は21のポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、オキシエチレン基の平均付加モル数が20のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びオキシエチレン基の平均付加モル数が6のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上である。更に好ましくはオキシエチレン基の平均付加モル数が2又は4のポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、オキシエチレン基の平均付加モル数が20のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びオキシエチレン基の平均付加モル数が6のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上、より更に好ましくはオキシエチレン基の平均付加モル数が4のポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート、オキシエチレン基の平均付加モル数が20のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びオキシエチレン基の平均付加モル数が6のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上、より更に好ましくはオキシエチレン基の平均付加モル数が20のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びオキシエチレン基の平均付加モル数が6のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上、より更に好ましくはオキシエチレン基の平均付加モル数が6のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。
アニオン界面活性剤〔但し(A)成分を除く〕としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、N-アシルアミノ酸又はその塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などを挙げることができる。アニオン界面活性剤のアルキル基は、例えば、炭素数8以上20以下のアルキル基である。アニオン界面活性剤のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基の平均付加モル数は、例えば、0以上4以下であり、好ましくは0を超え4以下である。アニオン界面活性剤の塩は、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩である。
両性界面活性剤としては、例えば、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインなどを挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は例えばラウリル基又はミリスチル基である。
前記のアルコールの炭素数は、分散性と柔軟性の観点から、6以上、好ましくは8以上であり、そして、好ましくは14以下、より好ましくは12以下である。前記のアルコールは、例えば、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノールなどの脂肪族第1級アルコールが挙げられる。
前記のアルコールは、分散性と柔軟性の観点から、好ましくは炭素数6以上14以下の1価の脂肪族第1級アルコール、より好ましくは炭素数8以上14以下の1価の脂肪族第1級アルコールである。
有機溶剤としては、ブチルジグリコール(BDG)、プロピレングリコール(PG)、エタノール、イソプロパノールが挙げられる。有機溶剤は、炭素数5以下の有機溶剤であってよい。但し、これらの有機溶剤は、本発明の組成では、本質的な柔軟性向上に寄与しない。
本発明の柔軟剤は、水を含有してもよい。本発明の柔軟剤は、例えば、水を、70質量%以上、更に80質量%以上、更に90質量%以上、そして、99質量%以下、更に96質量%以下、更に93質量%以下含有することができる。また、水は、(A)成分、(B)成分及び任意成分を含有する組成物中、残部であってよい。
本発明の柔軟剤は、各種繊維、例えば、天然繊維、合成繊維、半合成繊維を対象とすることができる。更に、本発明の柔軟剤は、これらの繊維を含む繊維製品を対象とすることができる。
繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。繊維中の木綿繊維の含有量は、より繊維の柔らかさが向上する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。本発明の柔軟剤を含む処理液で処理した後の繊維の風合いの向上効果が、より実感しやすい観点から、好ましい繊維製品は織物、編み物等の織布及び織った布帛であり、また、同様の観点から、好ましい繊維製品は木綿繊維を含む繊維製品であり、より好ましくは木綿繊維を織った織布又は布帛である。繊維製品中の木綿繊維の含有量の好ましい態様は、前記繊維中の木綿繊維の含有量と同様である。
[繊維の処理方法]
本発明は、前記本発明の柔軟剤と水を混合して得られた処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法を提供する。
また、本発明は、前記本発明の柔軟剤で繊維を処理する、繊維の処理方法であって、(A)成分と(B)成分の合計処理濃度を繊維に対して0.01%o.w.f.以上5%o.w.f.以下の量で用いる、繊維の処理方法を提供する。また、本発明は、前記本発明の柔軟剤で繊維を処理する、繊維の処理方法であって、(A)成分と(B)成分の合計処理濃度を繊維に対して0.05%o.w.f.以上5%o.w.f.以下の量で用いる、繊維の処理方法であってよい。本発明の繊維の処理方法には、本発明の柔軟剤で述べた事項を適宜適用することができる。(A)成分や(B)成分の具体例や好ましい態様なども本発明の柔軟剤と同じである。本発明の繊維の処理方法は、(A)成分と(B)成分の合計処理濃度を繊維に対して0.01%o.w.f.以上5%o.w.f.以下の量で適用して繊維に柔軟性を付与する繊維の処理方法であってよい。また、本発明の繊維の処理方法は、(A)成分と(B)成分の合計処理濃度を繊維に対して0.05%o.w.f.以上5%o.w.f.以下の量で適用して繊維に柔軟性を付与する繊維の処理方法であってよい。本発明の繊維の処理方法には、本発明の柔軟剤を水で希釈した処理液を用いることができる。
本発明では、(A)成分と(B)成分の合計処理濃度を、繊維に対して、柔軟性の観点から、0.01%o.w.f.以上、好ましくは0.05%o.w.f.以上、より好ましくは0.1%o.w.f.以上、更に好ましくは0.2%o.w.f.以上、より更に好ましくは0.3%o.w.f.以上、そして、風合いの観点から、5%o.w.f.以下、好ましくは4%o.w.f.以下、より好ましくは3%o.w.f.以下、更に好ましくは2%o.w.f.以下の量で用いる。なお、%o.w.f.は、% on the weight of fabric の略であり、繊維の質量に対する(A)成分と(B)成分の合計質量の百分率を意味する。本発明では、本発明の柔軟剤あるいは本発明の柔軟剤と水とを混合して得た処理液を、繊維と接触させることができる。例えば、前記処理液を、(A)成分と(B)成分の合計が繊維に対して前記範囲となるように用いることができる。
柔軟剤と混合する水は、硬度成分を含んでいることが好ましい。硬度成分とは、カルシウム及びマグネシウムであり、水に含まれる全硬度成分の量は、ドイツ硬度、アメリカ硬度等により、単位水量中のカルシウム化合物の濃度で表現される。ドイツ硬度は全硬度成分をCaOに換算した量をmg/水100mlで表し(単位:°DH)、アメリカ硬度は全硬度成分をCaCOに換算した量をmg/Lで表す(単位:ppm)ものである。両者には、アメリカ硬度(ppm)=ドイツ硬度(°DH)×17.85の関係がある。
本発明では、本発明の柔軟剤を、硬度(ドイツ硬度)が0°DH以上30°DH以下である水と混合して用いることが好ましい。すなわち、前記柔軟剤と硬度が0°DH以上30°DH以下である水とを混合して得た処理液で繊維を処理することが好ましい。水の硬度は、柔軟性の観点から、好ましくは1°DH以上、より好ましくは2°DH以上、更に好ましくは3°DH以上、そして、風合いの観点から、好ましくは25°DH以下、より好ましくは20°DH以下である。
本発明では、本発明の柔軟剤と水とを混合して得られた処理液中の硬度(ドイツ硬度)が0°DH以上30°DH以下であることが好ましい。すなわち、硬度が0°DH以上30°DH以下である処理液で繊維を処理することが好ましい。処理液の硬度は、柔軟性の観点から、好ましくは1°DH以上、より好ましくは2°DH以上、更に好ましくは3°DH以上、そして、風合いの観点から、好ましくは25°DH以下、より好ましくは20°DH以下である。
本発明の繊維の処理方法は、本発明の柔軟剤で述べた繊維を対象とすることができる。例えば、繊維は、布の繊維であってよい。本発明の繊維の処理方法は、本発明の柔軟剤と水を混合して得られた処理液を、布帛に接触させる、布帛の処理方法であってよい。
本発明の繊維の処理方法は、繊維、例えば布の繊維の洗濯工程に取り込んで実施することができる。ここで、洗濯工程は、繊維の洗浄、すすぎ及び脱水を行う処理であってよい。本発明では、これらの洗濯工程のいずれかで、本発明の柔軟剤を、(A)成分と(B)成分の合計が所定量となるように、繊維に対して適用することができる。
<製造例>
表1~2に記載したジ(2-プロピルへプチル)スルホコハク酸ナトリウムを以下の通り調製した。撹拌装置、加熱システム、蒸留カラム及び窒素/真空接続を備えた容量2Lの4首フラスコに、無水マレイン酸176.5g(1.8モル)及び2-プロピルヘプタノール626.6g(4.0モル)とp-トルエンスルホン酸一水和物2.5g(0.013モル)を仕込み、窒素置換後に窒素バブリング下、100~130℃で脱水しながら酸価がp-トルエンスルホン酸相当量に低下するまで反応させた。続けて反応容器内容物の総量に対し1質量%のキョーワード500SH(共和化学工業株式会社製)により触媒を吸着処理した。吸着剤を除去した後、余剰のアルコールをトッピングにより除去し、マレイン酸ジエステルを得た。
次に、1Lのガラス製反応容器に上記で得られたマレイン酸ジエステル278g(0.70モル)、二亜硫酸ナトリウム73g(0.38モル)及びイオン交換水48g(2.7モル)を仕込み、アルコール系の極性溶媒を用い、公知の方法により、NMRでマレイン酸ジエステル由来の二重結合が消失するまで115℃で反応した。50~65℃に冷却し、残留する亜硫酸水素ナトリウムを30%過酸化水素で酸化処理した後に、10%NaOHでpHを5に調整した。減圧による留去、再沈殿、分液などにより、溶媒と芒硝を除去し、ジ(2-プロピルへプチル)スルホコハク酸ナトリウムを得た。なお、ジ(2-プロピルへプチル)スルホコハク酸ナトリウムの製造では、以下の成分を用いた。
・無水マレイン酸:富士フイルム和光純薬株式会社製、和光特級
・2-プロピルヘプタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬特級
・p-トルエンスルホン酸一水和物:富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬特級
・二亜硫酸ナトリウム:富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬特級
<実施例、参考例及び比較例>
以下の(A)成分と(B)成分を用いて柔軟剤を含む処理液を調製し、下記評価方法でそれぞれの処理液の柔軟性を評価した。
<(A)成分>
・ジ(2-プロピルへプチル)スルホコハク酸ナトリウム
<(B)成分>
・シリコーン1 高分子型ジメチコン、25℃の動粘度が、475,000mm/S以上525,000mm/S以下のジメチコン
・シリコーン2 低分子型ジメチコン、25℃の動粘度が、330mm/S以上370mm/S以下のジメチコン
・シリコーン3 アミノ変性シリコーン、信越シリコーンPOLON-MF-14、信越化学工業株式会社製
<柔軟性の評価方法>
1)評価用タオルの前処理
あらかじめ以下の処理を行うことで糊剤、夾雑物を除去したものを評価用のタオルに用いた。
全自動洗濯機(Panasonic製、型番:NA-F60PB3)を用いて、市販の木綿タオル(武井タオル(株)製TW220、白色)24枚に対して、洗剤として非イオン性界面活性剤(花王株式会社製、エマルゲン108)10%希釈液52.22gを加え、水として和歌山市の水道水(水道水は、硬度が4°DHの水である。以下、同様)を用いた一連の洗濯工程(水量50L、洗い10分→ため濯ぎ2回→脱水9分)を3回繰り返した。続けて水のみで前記一連の洗濯工程を2回繰り返した。その後、室温(25℃)下で24時間放置して自然乾燥した。
2)タオル処理方法
ミニミニ洗濯機(National製、型番:NA-35)に、所定量のイオン交換水(浴比25L/kg-タオル)を投入し、硬度が表1~2に記載の硬度となるように必要に応じて塩化カルシウム水溶液(4000°DH相当)を添加し、撹拌しながら表1~2の柔軟剤の5質量%水分散液を加えて1分間撹拌して処理液を調製後、前述の1)で前処理をした木綿タオル3枚(合計約210g)を投入し、攪拌下で5分間処理した。この処理では、(A)成分と(B)成分の合計使用量は、3枚の木綿タオルを基準に表1~2に示す処理濃度(%o.w.f.)であった。続いて、木綿タオルを、二槽式洗濯機(TOSHIBA製、型番:VH-52G(H))の脱水槽で3分間脱水し、23℃、40%RHの恒温恒湿室にて24時間乾燥させた。
3)柔軟性評価
基準として、下記の各スコアの処方で、前述の1)と2)の方法で処理した木綿タオルを用意した。
表1~2の柔軟剤で処理した木綿タオルの柔らかさを、基準の木綿タオルの柔らかさと比較して、柔軟性を評価した。評価は、5名のパネラーが、それぞれ、下記の基準でスコア(点)をつけて行い、その平均値を表に示した。なお、評価にあたり、各パネラーは、各スコアの間で小数による点数で評価できるものとした。
スコア1:20℃水道水のみで処理した柔らかさと同等
スコア2:20℃水道水に指標柔軟基剤を0.025%o.w.f.で用いた処方で処理した柔らかさと同等
スコア3:20℃水道水に指標柔軟基剤を0.050%o.w.f.で用いた処方で処理した柔らかさと同等
スコア4:20℃水道水に指標柔軟基剤を0.075%o.w.f.で用いた処方で処理した柔らかさと同等
スコア5:20℃水道水に指標柔軟基剤を0.100%o.w.f.で用いた処方で処理した柔らかさと同等
ここで、指標柔軟基剤は、エステルアミド塩酸塩(2-[N-[3-アルカノイル(C14-20)アミノプロピル]-N-メチルアミノ]エチル アルカノ(C14-20)エート ヒドロクロリド)を用いた。
更に、以下の式に基づいて、各実施例のスコアから柔軟性向上率[%]を算出した。結果を表1~2に示す。なお、以下の式において、「基準の柔軟スコア」は、各表の参考例の柔軟スコアを表す。柔軟性向上率が高いほど、柔軟性の付与効果が優れているといえる。
柔軟性向上率 [%] = 100×[(実施例の柔軟スコア)-(基準の柔軟スコア)]/(基準の柔軟スコア)
Figure 2023002343000004
Figure 2023002343000005


Claims (8)

  1. (A)下記式(1)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕と、(B)シリコーン〔以下、(B)成分という〕と、を含有する、柔軟剤。
    Figure 2023002343000006

    〔式中、R及びRは、それぞれ炭素数6以上24以下の炭化水素基であり、AO及びAOは、それぞれ炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、x1及びx2は、平均付加モル数であり、それぞれ0以上10以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
  2. (A)成分が、ジ(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸塩である、請求項1に記載の柔軟剤。
  3. (B)成分が、ジメチコン及びアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の柔軟剤。
  4. (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対する(B)成分の割合は、0.1質量部以上20質量部以下である、請求項1~3の何れかに記載の柔軟剤。
  5. 硬度成分を含む水で希釈して用いられる、請求項1~4の何れかに記載の柔軟剤。
  6. 請求項1~5の何れかに記載の柔軟剤と水を混合して得られた処理液を、繊維に接触させる、繊維の処理方法。
  7. 前記水は、硬度成分を含有する、請求項6に記載の繊維の処理方法。
  8. 前記繊維が布帛である、請求項6又は7に記載の繊維の処理方法。

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