JP2022553938A - 真核細胞を修飾するための組成物及び方法 - Google Patents

真核細胞を修飾するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

真核細胞を修飾し、例えば、対象の導入遺伝子を発現する、かつ/または、膨張した細胞の集団をエクスビボで生成するための組成物及び方法を、本明細書で記載する。本開示の組成物及び方法を使用して、多能性細胞(例えば、CD34+造血幹細胞または前駆細胞)の集団などの、真核細胞の集団を形質導入して、細胞をウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクター、ならびに、ジブロックコポリマー、例えば、親水性領域及び疎水性領域で構成されるジブロックコポリマーと接触させることにより、対象となる遺伝子を発現させることができる。例えば、ジブロックコポリマーは、ポリオキシエチレン(PEO)サブユニット及びポリオキシプロピレン(PRO)サブユニットで構成されることができる。加えて、本明細書に記載する組成物及び方法を使用して、例えば、細胞をジブロックコポリマーと接触させることにより、多能性細胞(例えば、CD34+造血幹細胞または前駆細胞)の集団の、エクスビボでの増殖または生残を促進することができる。【選択図】なし

Description

本開示は、真核細胞を修飾、例えば、真核細胞を遺伝子組み換えし、対象の導入遺伝子を発現する、加えて、細胞増殖及び生残を促進するための、組成物及び方法に関する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2020年10月16日に作成した上記ASCIIのコピーは、名前が51139-023WO2_Sequence_Listing_10_16_20_ST25であり、サイズが2,292バイトである。
タンパク質の欠陥、及び機能喪失変異と関連する遺伝子病は、歴史的に治療が困難なままである、課題のある状態クラスを示している。細胞ベースの治療法は、将来的に有望な経路を示しており、対象の遺伝子が、安定した方法で患者にて機能的に発現することを可能にする。この形態の治療法のための細胞を調製することは、多くの場合、所望の遺伝子を発現するために、細胞が遺伝子組み換えされることを必要とする。真核細胞の遺伝子組み換えを向上させるための、改善された方法が必要とされている。
本開示は、多能性造血幹細胞(HSC)及び造血前駆細胞(HPC)を含む多能性細胞などの真核細胞を修飾するための組成物及び方法に関する。本明細書に記載する組成物及び方法を使用して、細胞などを、例えば、細胞内の対象の導入遺伝子の発現を促進するために、遺伝子組み換えすることができる。例えば、本開示の組成物及び方法を使用して、HSC及び/またはHPCの集団などの、多能性細胞の集団を、対象の導入遺伝子をコードするウイルスベクターと接触させ、細胞を形質導入して、所望の遺伝子を発現することができる。ウイルスベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスであってよい。標的細胞のウイルス形質導入を刺激するために、細胞を、ウイルスベクター、加えて、親水性構成成分及び疎水性構成成分を含むジブロックコポリマーと接触させることができる。例えば、ジブロックコポリマーは、ポリオキシエチレン(PEO)サブユニット及びポリオキシプロピレン(PPO)サブユニットを含むことができる。本明細書に記載する手順に従い調製した細胞を、対象の遺伝子における内因性欠損と関連する病状を有する対象(例えば、ヒト患者などの哺乳動物対象)に提供することができるため、本開示の組成物及び方法は、一連の重要な医療的利益をもたらす。修飾細胞を対象に投与することにより、対象は、欠損遺伝子の発現の回復を経験し得る。メカニズムにより限定されるものではないが、この治療的アプローチは、遺伝病を有する対象が治療され得る様式、加えて、疾患の症状を緩和する方法論を示す。
本開示の組成物及び方法は部分的には、親水性構成成分(例えば、PEOサブユニット)及び疎水性構成成分(例えば、PPOサブユニット)を含むジブロックコポリマーが、標的細胞と接触したときにウイルス形質導入を促進可能である、という発見に基づく。これらのジブロックコポリマーを使用し、ロバストな遺伝子組み換えを依然として維持しながら、標的細胞の形質導入を行うことができる。
第1の態様では、本開示は、真核細胞を導入して、細胞を、(i)導入遺伝子をコードするベクター、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、導入遺伝子を発現する方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、細胞を、(i)導入遺伝子をコードするベクター、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、真核細胞内で導入遺伝子を発現させる方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、細胞を、(i)ウイルスベクター、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、導入遺伝子をコードするウイルスベクターの、真核細胞の核への移動を促進する方法を特徴とする。
本開示の前述の3つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、細胞を、プロテインキナーゼC(PKC)の活性及び/または発現を低下させる物質を接触させることをさらに含む。
さらなる態様では、本開示は、真核細胞を導入して、細胞を、(i)導入遺伝子をコードするベクター、(ii)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(iii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、導入遺伝子を発現する方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、細胞を、(i)導入遺伝子をコードするベクター、(ii)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(iii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、真核細胞内で導入遺伝子を発現させる方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、細胞を、(i)ウイルスベクター、(ii)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(iii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、導入遺伝子をコードするウイルスベクターの、真核細胞の核への移動を促進する方法を特徴とする。
さらなる別の態様では、本開示は、細胞を、(i)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、真核細胞内でアクチンの解重合を促進する方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、細胞を、(i)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることにより、真核細胞内でのコフィリンのリン酸化を阻害する方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、真核細胞内での、脱リン酸化したコフィリンの濃度を増加させる方法であって、当該方法が、細胞を、(i)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることを含む、上記方法を特徴とする。
アクチンの解重合、コフィリンのリン酸化、及び、真核細胞内での脱リン酸化したコフィリンの量を測定する方法は、当技術分野において既知であり、例えば、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているYoder et al.,Cell 134:782-792(2008)に記載されているものが挙げられる。
さらなる態様では、本開示は、真核細胞の生残及び/または増殖を促進する方法であって、当該方法が、細胞を、(i)PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびに、(ii)ジブロックコポリマー、例えば、PEO及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることを含む、上記方法を特徴とする。
本開示の前述の3つの態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、細胞を、導入遺伝子をコードするウイルスベクターと接触させることにより、細胞を形質導入して導入遺伝子を発現する方法をさらに含む。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
-[PEO]-L-[PPO]-X
[式中、m及びnは整数であり、
Lは存在しないか、または化学リンカーであり、かつ、
及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
-[PEO]-[PPO]-X
[式中、m及びnは整数であり、かつ、
及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドである。いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC1-6アルコキシ、または、任意に置換されたC1-6アルキルアミノである。例えば、いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、HN、HCO、エチル-O、n-ブチル-O、tert-ブチル-O、n-ブチル、またはtert-ブチルである。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約5,000g/mol~約25,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する(例えば、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約5,500g/mol、6,000g/mol、6,500g/mol、7,000g/mol、7,500g/mol、8,000g/mol、8,5000g/mol、9,000g/mol、9,500g/mol、10,000g/mol、10,500g/mol、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、または25,000g/molのMnを有する)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約9,000g/mol~約19,000g/molのMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約9,000g/mol、9,500g/mol、13,800g/mol、15,500g/mol、18,000g/mol、または19,000g/molのMnを有する。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約2,000g/mol~約10,000g/molのMnを有する(例えば、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約2,000g/mol、2,500g/mol、3,000g/mol、3,500g/mol、4,000g/mol、4,500g/mol、5,000g/mol、5,500g/mol、6,000g/mol、6,500g/mol、7,000g/mol、7,500g/mol、8,000g/mol、8,500g/mol、9,000g/mol、9,500g/mol、または10,000g/molのMnを有することができる)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約3,500g/mol~約5,500g/molのMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約3,500g/molまたは5,500g/molのMnを有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、40質量%超(例えば、約41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、50質量%超(例えば、約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、60質量%超(例えば、約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、70質量%超(例えば、約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約40%~約90%(例えば、約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、または90%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約50%~約85%(例えば、約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、または85%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約60%~約80%(例えば、約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約8,000g/mol超のMnを有する。例えば、ジブロックコポリマーは、約10,000g/mol超のMnを有する(例えば、ジブロックコポリマーは、10,500、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、25,000g/mol、25,000g/mol、26,000g/mol、26,500g/mol、27,000g/mol、27,500g/mol、28,000g/mol、28,500g/mol、29,000g/mol、29,500g/mol、30,000g/mol、またはそれ以上のg/mol、を超えるMnを有する)。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約10,000g/mol~約30,000g/molのMnを有する(例えば、ジブロックコポリマーは、約10,500g/mol、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、25,000g/mol、25,000g/mol、26,000g/mol、26,500g/mol、27,000g/mol、27,500g/mol、28,000g/mol、28,500g/mol、29,000g/mol、29,500g/mol、または30,000g/molのMnを有する)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約12,000g/mol~約25,000g/mol(例えば、約12,500g/mol~約23,500g/mol)のMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーは、約12,500g/mol、13,000g/mol、17,300g/mol、19,000g/mol、22,500g/mol、または23,500g/molのMnを有する。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1~約1.2の多分散指数(Mw/Mn)を有する(例えば、ジブロックコポリマーは、約1、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、または1.20の多分散指数を有する)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1.06~約1.17の多分散指数を有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、または1.17からの多分散指数を有する。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、mは約100~約500である。例えば、いくつかの実施形態では、mは約200~約450、例えば約205~約432である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)である。
いくつかの特定の実施形態では、mは、200、205、216、217、225、230、240、284、314、318、323、352、409、または432である。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、nは約10~約200である。例えば、いくつかの実施形態では、nは約40~約100、例えば、約50~約95である。いくつかの実施形態では、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの特定の実施形態では、nは50、53、55、57、60、65、70、86、または95である。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、mは約100~約500であり、nは約10~約200、例えば、約40~100、または50~約95である。例えば、いくつかの実施形態では、mは約200~約450、例えば約205~約432であり、nは約10~約200、例えば、約40~100、または50~約95である。
いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは28~84(例えば、55)である。
ジブロックポリマーのいくつかの実施形態では、mは205、216、314、352、409、または432であり、nは50、60、70、または95である。いくつかの実施形態では、mは205であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは50である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは70である。いくつかの実施形態では、mは314であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは352であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは409であり、nは95である。いくつかの実施形態では、mは432であり、nは60である。
PPO及びPEOサブユニットを含むジブロックコポリマーの合成の間に生じる変化のために、当業者は、m及びnの値は、例えば、列挙した値の2倍上まで及び2倍下まで変化する可能性があることを理解するであろう。したがって、n=50の値は、nが25~100であり得る、例えば、25~75、26~74、27~73、28~72、29~71、30~70、31~69、32~68、33~67、34~66、35~65、36~64、37~63、38~62、39~61、40~60、41~59、42~58、43~57、44~56、45~55などの値であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、n=60の値は、nが30~120、例えば30~90であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、n=70の値は、nが35~140、例えば35~105であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、m:nの比率は約1~約12である。例えば、いくつかの実施形態では、m:nの比率は約2~約8、例えば、約3.4~約7.2である。いくつかの実施形態では、m:nの比率は、約2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、9.5、9.6、8.7、8.8、8.9、9、またはそれ以上である。いくつかの特定の実施形態では、m:nの比率は、約2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000001
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の種から選択される構造を有する。各構造において、n及びmの示した値は、n及びmが、示した値の最大2倍下の値から、示した値の2倍上まで変化し得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を示すことと理解されるべきである:
[PEO]323-[PPO]86-OH、
HOCHCH-[PEO]323-[PPO]86-O-n-ブチル、
[PEO]318-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]318-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]216-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]295-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]295-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]341-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]341-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]284-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]284-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]200-[PPO]55-OH、
HOCHCH-[PEO]200-[PPO]55-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]217-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]217-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]230-[PPO]65-OH、
HOCHCH-[PEO]230-[PPO]65-O-n-ブチル、
[PEO]240-[PPO]55-OH、
HOCHCH-[PEO]240-[PPO]55-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]314-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]314-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]352-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]352-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]409-[PPO]95-OH、
HOCHCH-[PEO]409-[PPO]95-O-n-ブチル、
[PEO]432-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]432-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]216-[PPO]60-OH、
[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル
HO-[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-OH、


Figure 2022553938000002
Figure 2022553938000003
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]205-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]314-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]314-[PPO]60-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]352-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]352-[PPO]60-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]409-[PPO]95-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]409-[PPO]95-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]432-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]432-[PPO]60-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]216-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HO-[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-O-n-ブチル。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-OH。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000004
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000005
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000006
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000007
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000008
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000009
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000010
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000011
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-乳酸)PEG-PDLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(L-乳酸)PEG-PLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(ε-カプロラクトン)PEG-PCL、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)PEG-PLGA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLG、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(β-ベンジルL-アスパルテート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(α-ベンジルカルボキシレート-ε-カプロラクトン)PEG-PBCL、及び、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(δ-バレロラクトン)PEG-PVLが挙げられる。かかるジブロックコポリマーとしては、例えば、PEG5000-PCL5000、PEG2000-PCL1400、MPEG5000-PCL5000、MPEG5000-PCL13000、MPEG5000-PCL24000、PEG2000-PCL2000、MPEG5000-PCL2500、MPEG5000-PCL5000、MPEG5000-PCL8500、MPEG5000-PCL24700、MPEG2000-PCL1200、MPEG2000-PCL2700、MPEG5000-PCL3800、MPEG5000-PCL18000、PEG5000-PCL4000、PEG2000-PCL900、PEG1980-PCL1368、PEG1980-PCL2622、PEG1980-PCL17328、PEG2000-PCL2280、PEG5000-PCL5000、PEG5000-PCL24000、PEG5000-PCL5000、PEG5000-PCL24000、PEG5000-PCL4790、PEG5000-PCL10000、MPEG5333-PCL2638、MPEG5333-PCL4984、MPEG5333-PCL8034、MPEG5333-PCL9068、MPEG5000-PCL2166、MPEG2000-PCL1320、MPEG2000-PCL852、MPEG750-PCL464、MPEG750-PCL323、MPEG750-PCL197、MPEG-PCL、PEG5000-PDLLA4200、PEG5000-PDLLA45000、MPEG2000-PDLLA2000、MPEG2000-PDLLA1333、MPEG5000-PDLLA2143、PEG52000-PDLLA56000、PEG91000-PDLLA56000、PEG4100-PDLLA1200、PEG6000-PDLLA3000、PEG5700-PDLLA5400、PEG6100-PDLLA7800、PEG5000-PBCL4700、PEG5000-PBCL4470、PEG12000-PBLA5000、PEG12000-PBLA3000、PEG-PBLA、PEG12000-PBLA5000、MPEG2000-PVL1000、MPEG2000-PVL2000、MPEG5000-PVL2600、及びMPEG5000-PVL4900が挙げられる。これらのジブロックコポリマーは例えば、Hussein et al.Materials 11:1-26,2018に記載されており、その開示全体が本明細書において組み込まれている。
本開示の上記態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は多能性細胞である。細胞はCD34+細胞であってよい。いくつかの実施形態では、細胞は胚幹細胞または人工多能性幹細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はHSCまたはHPCである。
いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質は、Aktシグナル伝達を活性化する。PKCの活性及び/または発現を低下させる物質は、PKC阻害剤、または、PKCをコードするリボ核酸(RNA)転写産物(即ち、PKCをコードするメッセンジャーRNA転写産物)の翻訳を低下させる剤であってよい。
いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質は、PKCをコードするRNA転写産物の翻訳を低下させる剤である。いくつかの実施形態では、剤は核酸を含有する。核酸は、干渉RNA、例えば低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)を含有することができる。いくつかの実施形態では、核酸はアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有する。
いくつかの実施形態では、核酸はPKCをコードする内因性のRNA転写産物にアニールする。核酸は例えば、PKCをコードする内因性のRNA転写産物の領域に少なくとも85%相補性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補性)であってよい。
いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質はPKC阻害剤である。PKC阻害剤は、スタウロスポリン、またはそのバリアントであってよい。例えば、PKC阻害剤は、式(I)で表される化合物
Figure 2022553938000012
[式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
及びRはそれぞれ独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、もしくは、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、もしくは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであるか、または、R及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、O、NR、またはSであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、または任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
Figure 2022553938000013
は、任意に存在する結合を表し、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩であってよい。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(II)で表される化合物
Figure 2022553938000014
[式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、オキソ、またはチオカルボニルであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、OまたはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(III)で表される化合物
Figure 2022553938000015
[式中、Rは、H、OH、オキソ、またはチオカルボニルであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
環Aは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環であり、
は、OまたはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(IV)で表される化合物
Figure 2022553938000016
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
環Bは、任意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環であり、
は、OまたはSであり、
Wは、O、NH、またはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(V)で表される化合物
Figure 2022553938000017
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、OまたはSであり、
Wは、O、NH、またはSであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
pは、0または1である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(VI)で表される化合物
Figure 2022553938000018
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
sは0~8の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(VII)で表される化合物
Figure 2022553938000019
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(VIII)で表される化合物
Figure 2022553938000020
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(IX)で表される化合物
Figure 2022553938000021
[式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(1)で表される化合物
Figure 2022553938000022
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、スタウロスポリン、即ち、式(2)により表される(2S,3R,4R,6R)-3-メトキシ-2-メチル-4-(メチルアミノ)-29-オキサ-1,7,17-トリアザオクタシクロ[12.12.2.12,6.07,28.08,13.015,19.020,27.021,26]ノナコサ-8,10,12,14,19,21,23,25,27-ノナエン-16-オン
Figure 2022553938000023
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(X)で表される化合物
Figure 2022553938000024
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
tは0~6の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XI)で表される化合物
Figure 2022553938000025
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XII)で表される化合物
Figure 2022553938000026
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XIII)で表される化合物
Figure 2022553938000027
[式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(3)で表される化合物
Figure 2022553938000028
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(4)で表される化合物
Figure 2022553938000029
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(128)で表される化合物
Figure 2022553938000030
またはその塩である。本化合物は、K252aとしても知られている。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000031
またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XIV)で表される化合物
Figure 2022553938000032
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XV)により表される化合物
Figure 2022553938000033
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000034
またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XVI)で表される化合物
Figure 2022553938000035
[式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
により表されるか、または、その塩、もしくは四級化バリアントである。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XVII)で表される化合物

Figure 2022553938000036
[式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
または、その塩、もしくは四級化バリアントである。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000037
Figure 2022553938000038
Figure 2022553938000039
Figure 2022553938000040
Figure 2022553938000041
Figure 2022553938000042
Figure 2022553938000043
またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XVIII)で表される化合物
Figure 2022553938000044
[式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
は、
Figure 2022553938000045
であり、任意に、式中糖部分の構成がD-グルコース、D-ガラクトース、またはDーマンノースから誘導されており、
は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、
1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれは任意に、フェニル部分内で、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
は、HまたはC1-6アルキルであり、
は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XIX)で表される化合物
Figure 2022553938000046
[式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
は、
Figure 2022553938000047
であり;
は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
は、HまたはC1-6アルキルであり、
は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-ムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アジド-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-6-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-デメチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルホモムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α-O-ベンジル-4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α,4-O-ジアセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α,4,6-O-トリアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-アセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-トルオルスルホニル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-アジド-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、及びN-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XX)で表される化合物
Figure 2022553938000048
[式中、Zは、HまたはOHであり、
は、HまたはOHであり、
は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
は、Hまたはハロゲンであり、
Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXI)で表される化合物
Figure 2022553938000049
[式中、Zは、HまたはOHであり、
は、HまたはOHであり、
は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
は、Hまたはハロゲンであり、
Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)、または(XXV)で表される化合物
Figure 2022553938000050
[式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において、9個以下のヘテロ原子、もしくは30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
各Qは独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Q’は独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各nは独立して0~4の整数であり、
各mは独立して0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXVI)または(XXVII)で表される化合物
Figure 2022553938000051
[式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子、または30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Rは独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカル)であり、
各Rは独立して、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、カルボニル、カルボニルジオキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各R10は独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
各nは独立して0~4の整数であり、
各mは独立して0~4の整数であり、
各n’は独立して0~4の整数であり、
各m’は独立して0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXVIII)で表される化合物
Figure 2022553938000052
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXIX)で表される化合物
Figure 2022553938000053
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXX)で表される化合物
Figure 2022553938000054
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXXI)で表される化合物
Figure 2022553938000055
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000056
Figure 2022553938000057
Figure 2022553938000058
Figure 2022553938000059
Figure 2022553938000060
から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、細胞を、例えば、開示全体が参照により本明細書に組み込まれているCaravatti et al.Bioorg.Medic.Chem.Letters 4:199-404,1994に記載のように、スタウプリミドとさらに接触させる。
本開示の上記態様または実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質の濃度は、細胞と接触したときに、約100μM~約1mM(例えば、約100μM、105μM、110μM、115μM、120μM、125μM、130μM、135μM、140μM、145μM、150μM、155μM、160μM、165μM、170μM、175μM、180μM、185μM、190μM、195μM、200μM、205μM、210μM、215μM、220μM、225μM、230μM、235μM、240μM、245μM、250μM、255μM、260μM、265μM、270μM、275μM、280μM、285μM、290μM、295μM、300μM、305μM、310μM、315μM、320μM、325μM、330μM、335μM、340μM、345μM、350μM、355μM、360μM、365μM、370μM、375μM、380μM、385μM、390μM、395μM、400μM、405μM、410μM、415μM、420μM、425μM、430μM、435μM、440μM、445μM、450μM、455μM、460μM、465μM、470μM、475μM、480μM、485μM、490μM、495μM、500μM、505μM、510μM、515μM、520μM、525μM、530μM、535μM、540μM、545μM、550μM、555μM、560μM、565μM、570μM、575μM、580μM、585μM、590μM、595μM、600μM、605μM、610μM、615μM、620μM、625μM、630μM、635μM、640μM、645μM、650μM、655μM、660μM、665μM、670μM、675μM、680μM、685μM、690μM、695μM、700μM、705μM、710μM、715μM、720μM、725μM、730μM、735μM、740μM、745μM、750μM、755μM、760μM、765μM、770μM、775μM、780μM、785μM、790μM、795μM、800μM、805μM,810μM、815μM、820μM、825μM、830μM、835μM、840μM、845μM、850μM、855μM、860μM、865μM、870μM、875μM、880μM、885μM,890μM、895μM、900μM、905μM、910μM、915μM、920μM、925μM、930μM、935μM、940μM、945μM、950μM、955μM、960μM、965μM、970μM、975μM、980μM、985μM、990μM、995μM、または1mM)である。いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質の濃度は、細胞と接触したときに、約200μM~約600μM(例えば、約200μM、205μM、210μM、215μM、220μM、225μM、230μM、235μM、240μM、245μM、250μM、255μM、260μM、265μM、270μM、275μM、280μM、285μM、290μM、295μM、300μM、305μM、310μM、315μM、320μM、325μM、330μM、335μM、340μM、345μM、350μM、355μM、360μM、365μM、370μM、375μM、380μM、385μM、390μM、395μM、400μM、405μM、410μM、415μM、420μM、425μM、430μM、435μM、440μM、445μM、450μM、455μM、460μM、465μM、470μM、475μM、480μM、485μM、490μM、495μM、500μM、505μM、510μM、515μM、520μM、525μM、530μM、535μM、540μM、545μM、550μM、555μM、560μM、565μM、570μM、575μM、580μM、585μM、590μM、595μM、または600μM)である。いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質の濃度は、細胞と接触したときに、約400μMである。
上記態様のいずれかに記載のいくつかの実施形態では、方法は、細胞をヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤と接触させることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、

Figure 2022553938000061
Figure 2022553938000062
から選択される。
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、
Figure 2022553938000063
である。
細胞を、ジブロックコポリマー、及びHDAC阻害剤と、同時に接触させることができる。あるいは、細胞を、HDAC阻害剤と接触させる前に、ジブロックコポリマーと接触させることができる。いくつかの実施形態では、細胞を、ジブロックコポリマーと接触させる前に、HDAC阻害剤と接触させる。
いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス科ファミリーウイルス、アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、ピコルナウイルス、アルファウイルス、ヘルペスウイルス、及びポックスウイルスからなる群から選択される。ウイルスベクターは、例えば、レンチウイルスベクター、アルファレトロウイルスベクター、またはガンマレトロウイルスベクターなどの、レトロウイルス科ファミリーウイルスベクターであってよい。いくつかの実施形態では、レトロウイルス科ファミリーウイルスベクターは、中央ポリプリン帯、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント、5’-LTR、HIVシグナル配列、HIV Psiシグナル5’-スプライス部位、デルタ-GAGエレメント、3’-スプライス部位、及び、3’-自己不活性化LTRを含む。
いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、ある種のウイルスに由来するウイルスゲノム、及び、異なる種のウイルスに由来する1つ以上のウイルスキャプシドまたはエンベロープタンパク質を含有する、シュードタイプウイルスベクターである。シュードタイプウイルスベクターは例えば、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、RD114ウイルス、マウス白血病ウイルス(MLV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)、ヒトフォーミーウイルス(HFV)、ウォールアイ皮膚肉腫ウイルス(WDSV)、セムリキ森林ウイルス(SFV)、狂犬病ウイルス、トリ白血病ウイルス(ALV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、ウシ白血病ウイルス(BLV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、シンノンブルウイルス(SNV)、チェリーねじれリーフウイルス(ChTLV)、サルT細胞白血病ウイルス(STLV)、マソン・ファイザーサルウイルス(MPMV)、リスサルレトロウイルス(SMRV)、ラウス関連ウイルス(RAV)、藤浪肉腫ウイルス(FuSV)、トリ癌腫ウイルス(MH2)、トリ脳脊髄炎ウイルス(AEV)、アルファモザイクウイルス(AMV)、トリ肉腫ウイルスCT10、及び、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)から選択されるウイルス由来の、1つ以上のウイルスエンベロープタンパク質を含有することができる。
いくつかの実施形態では、細胞を、上記、または本明細書で記載した1つ以上の剤と接触させることは、エクスビボで生じる。細胞は、接触前に新たに培養されていてよいか、または、凍結保存して、接触前に解凍されてよい。
いくつかの実施形態では、細胞がジブロックコポリマーと接触する前に、細胞はまず、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質と接触する。例えば、細胞はまず、細胞がジブロックコポリマーと接触する約30分~約6時間前に、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質と接触することができる(例えば、細胞がジブロックコポリマーと接触する約30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、または6時間前に)。いくつかの実施形態では、細胞はまず、細胞がジブロックコポリマーと接触する約1時間~約3時間前に、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質と接触する(例えば、細胞がジブロックコポリマーと接触する約1時間、2時間、または3時間前に)。いくつかの実施形態では、細胞はまず、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質と細胞がジブロックコポリマーと接触する約2時間前に、接触する。
いくつかの実施形態では、細胞がジブロックコポリマーと接触する前に、細胞がまずPKCの活性及び/または発現を低下させる物質と接触するときに、細胞がジブロックコポリマーと接触する前に、細胞を洗浄して、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質を取り除く。
いくつかの実施形態では、細胞は、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ならびにジブロックコポリマーと同時に接触する。例えば、細胞は、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質、ジブロックコポリマー、ならびにウイルスベクターと同時に接触することができる。
いくつかの実施形態では、細胞は、PKC活性及び/または発現を低下させる物質に曝露された後で、ウイルスベクターと接触する。これらの例において、細胞は、ウイルスベクター及びジブロックコポリマーと同時に接触することができる。あるいは、細胞は、ウイルスベクターと接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、ウイルスベクターと接触する。
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、細胞はまず、PKC活性及び/または発現を低下させる物質と接触し、次にジブロックコポリマーと接触し、続いて、ウイルスベクターと接触する。いくつかの実施形態では、細胞はまず、PKC活性及び/または発現を低下させる物質と接触し、次にウイルスベクターと接触し、続いて、ジブロックコポリマーと接触する。
いくつかの実施形態では、細胞は、シクロスポリンA(CsA)またはシクロスポリンH(CsH)などのシクロスポリンとさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー、及びシクロスポリンと、同時に接触することができる。あるいは、細胞は、シクロスポリンと接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、シクロスポリンと接触する。
いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsHである。
いくつかの実施形態では、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約1μM~約10μM(例えば、約1μM、1.1μM、1.2μM、1.3μM、1.4μM、1.5μM、1.6μM、1.7μM、1.8μM、1.9μM、2μM、2.1μM、2.2μM、2.3μM、2.4μM、2.5μM、2.6μM,2.7μM、2.8μM、2.9μM、3μM、3.1μM、3.2μM、3.3μM、3.4μM、3.5μM、3.6μM、3.7μM、3.8μM、3.9μM、4μM、4.1μM、4.2μM、4.3μM、4.4μM、4.5μM、4.6μM、4.7μM、4.8μM、4.9μM、5μM、5.1μM、5.2μM、5.3μM、5.4μM、5.5μM、5.6μM、5.7μM、5.8μM、5.9μM、6μM、6.1μM、6.2μM、6.3μM、6.4μM、6.5μM、6.6μM、6.7μM、6.8μM、6.9μM、7μM、7.1μM、7.2μM、7.3μM、7.4μM、7.5μM、7.6μM、7.7μM、7.8μM、7.9μM、8μM、8.1μM、8.2μM、8.3μM、8.4μM、8.5μM、8.6μM、8.7μM、8.8μM、8.9μM、9μM、9.1μM、9.2μM、9.3μM、9.4μM、9.5μM、9.6μM、9.7μM、9.8μM、9.9μM、または10μM)である。いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsAであり、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約6μMである。いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsHであり、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約8μMである。
いくつかの実施形態では、細胞は、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子とさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー、及びプロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と、同時に接触することができる。あるいは、細胞は、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と接触する。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、WO2007/112084またはWO2010/108028に記載されている化合物などの低分子であり、これらそれぞれの開示は、それらがプロスタグランジンE受容体シグナル伝達活性化因子に関係するため、参照により本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、有機低分子、プロスタグランジン、Wnt経路アゴニスト、cAMP/PI3K/AKT経路アゴニスト、Ca2+セカンドメッセンジャー経路アゴニスト、一酸化窒素(NO)/アンギオテンシンシグナル伝達アゴニストなどの低分子、または、メベベリン、フルランドレノリド、アテノロール、ピンドロール、ガボキサドール、キヌレン酸、ヒドララジン、チアベンダゾール、ビククリン、ベサミコール、ペルボシド、イミプラミン、クロルプロパミド、1,5-ペンタメチレンテトラゾール、4-アミノピリジン、ジアゾキシド、ベンフォチアミン、12-メトキシドデセン酸、N-ホルミル-Met-Leu-Phe、ガラミン、IAA94、クロロトリアニセン、及び/もしくはこれら化合物のいずれかの誘導体から選択される化合物などの、プロスタグランジンシグナル伝達経路を刺激することが知られている別の化合物である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジンE受容体に結合し、及び/または、これと相互作用し、典型的には、プロスタグランジンE受容体と関連する下流シグナル伝達経路の1つ以上を活性化する、または増加させる、自然に存在する、または、合成化学分子またはポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジン(PG)A2(PGA2)、PGB2、PGD2、PGE1(アルプロスタジル)、PGE2、PGF2、PGI2(エポプロステノール)、PGH2、PGJ2、ならびに、これらの誘導体及び類似体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子はPGE2である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、15d-PGJ2、デルタI2-PGJ2、2-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(HHT)、トロンボキサン(TXA2及びTXB2)、PGI2類似体(例えば、イロプロスト及びトレプロスチニル)、PGF2類似体(例えば、トラボプロスト、カルボプロストトロメタミン、タフルプロスト、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストンイソプロピル、クロプロステノール、オエストロファン、及びスーパーファン)、PGE1類似体(例えば、11-デオキシPGE1、ミソプロストール、及びブタプロスト)、ならびに、Coreyアルコール-A([3aa,4a,5,6aa]-(-)-[ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-2H-シクロペンタ/b/フラン-5-イル][1,1’-ビフェニル]-4-カルボキシレート)、Coreyアルコール-B(2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン,5-(ベンゾイルオキシ)ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)[3aR-(3aa,4a,5,6aa)])、及び、Coreyジオール((3aR,4S,5R,6aS)-ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン)である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジンE2(PGE2)などのプロスタグランジンE受容体、または、その類似体もしくは誘導体である。プロスタグランジンは一般に、本明細書に記載し、当該技術分野において公知のとおり、5-炭素環を含む、20個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導される、ホルモン様分子を指す。PGE2「類似体」または「誘導体」の実例としては、16,16-ジメチルPGE2、16-16ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、II-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、9-ケトフルプロステノール、5-trans PGE2、17-フェニル-オメガ-トリノールPGE2、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノールPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、15(R)-15-メチルPGE2、8-イソ-15-ケトPGE2、8-イソPGE2イソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE2、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、及び、19(R)ヒドロキシPGE2が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、9位がハロゲンで置換されたPGE2に類似の構造を有するプロスタグランジン類似体または誘導体(例えば、その全体が本明細書に参照により組み込まれるWO2001/12596を参照されたい)、加えて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、US2006/0247214に記載されているものなどの、2-デカルボキシ-2-ホスフィニコプロスタグランジン誘導体である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、非PGE2ベースのリガンドである。いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、CAY10399、ONO_8815Ly、ONO-AE1-259、またはCP-533,536である。非PGE2ベースのEP2アゴニストのさらなる例としては、かかる剤の開示に関して本明細書に参照により組み込まれるWO2007/071456に開示されている、カルバゾール及びフルオレンが挙げられる。非PGE2ベースのEPアゴニストの実例としては、AE5-599、MB28767、GR 63799X、ONO-NT012、及びONO-AE-248が挙げられるが、これらに限定されない。非PGEベースのEPアゴニストの実例としては、ONO-4819、APS-999 Na、AH23848、及びONO-AE1-329が挙げられるが、これらに限定されない。非PGE2ベースのEP4アゴニストのさらなる例は、それぞれが、かかるアゴニストの開示について参照により組み込まれている、WO2000/038663;米国特許第6,747,037号;及び同第6,610,719号に見出すことができる。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、Wntアゴニストである。Wntアゴニストの実例としては、Wntポリペプチド、及びグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する化合物として使用するのに好適なWntポリペプチドの実例としては、Wnt1、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これらに限定されない。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する剤として使用するのに好適なGSK3阻害剤は、GSK3aまたはGSK3に結合し、GSK3aまたはGSK3の活性を低下させる。GSK3阻害剤の実例としては、米国特許第6,057,117号及び同第6,608,063号、加えて、US2004/0092535及びUS2004/0209878に例示されているような、BIO(6-ブロモインジルビン-3-オキシム)、LiCl、LiCO、または他のGSK-3阻害剤、ならびに、ATP競合・選択性のGSK-3阻害剤であるCHIR-911及びCHlR-837(それぞれ、CT-99021/CHIR-99021及びCT-98023/CHIR-98023とも呼ばれる)(Chiron Corporation(Emeryville,CA))が挙げられるが、これらに限定されない。CHIR-99021の構造は、
Figure 2022553938000064
またはその塩である。
CHIR-98023の構造は、

Figure 2022553938000065
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、方法は、細胞をGSK3阻害剤と接触させることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、GSK3阻害剤はCHIR-99021である。
いくつかの実施形態では、GSK3阻害剤はLiCOである。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、ジブチリルcAMP(DBcAMP)、ホルボールエステル、フォルスコリン、スクラレリン、8-ブロモ-cAMP、コレラ毒素(CTx)、アミノフィリン、2,4-ジニトロフェノール(DNP)、ノルエピネフィリン、エピネフィリン、イソプロテレノール、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)、カフェイン、テオフィリン(ジメチルキサンチン)、ドーパミン、ロリプラム、イロプロスト、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)、及び血管作動性腸ポリペプチド(VIP)、ならびにこれらの剤の誘導体からなる群から選択される剤などの、cAMP/P13K/AKTセカンドメッセンジャー経路を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、Bapta-AM、フェンジリン、ニカルジピンからなる群から選択される剤、及びこれらの剤の誘導体などの、Ca2+セカンドメッセンジャー経路を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、L-Arg、ニトロプルシドナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ブラジキニン、及びこれらの誘導体からなる群から選択される剤などの、NO/アンギオテンシンシグナル伝達を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
いくつかの実施形態では、細胞は、ポリカチオン性ポリマーとさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー及びポリカチオン性ポリマーと同時に接触することができる。あるいは、細胞は、ポリカチオン性ポリマーと接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、ポリカチオン性ポリマーと接触する。
いくつかの実施形態では、ポリカチオン性ポリマーは、ポリブレン、硫酸プロタミン、ポリエチレンイミン、または、ポリエチレングリコール/ポリ-L-リジンブロックコポリマーである。
いくつかの実施形態では、ポリカチオン性ポリマーは硫酸プロタミンである。
いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーに加えて、剤の組み合わせとさらに接触する。例えば、いくつかの実施形態では、細胞は、LiCO及び硫酸プロタミンと接触する。いくつかの実施形態では、細胞は、CHIR-99021及び硫酸プロタミンと接触する。いくつかの実施形態では、細胞は、シクロスポリンH及び硫酸プロタミンと接触する。
いくつかの実施形態では、細胞は、形質導入操作の間に、膨張剤とさらに接触する。細胞は例えば、多能性造血幹細胞であってよく、膨張剤は、当該技術分野において公知の、または本明細書に記載する、多能性造血幹細胞膨張剤などの、多能性造血幹細胞膨張剤であってよい。
いくつかの実施形態では、形質導入操作の間に、細胞は、mTorシグナル伝達を阻害する剤とさらに接触する。mTorシグナル伝達を阻害する剤は例えば、mTorシグナル伝達の他の抑制因子の中でもとりわけ、ラパマイシンであってよい。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、形質導入操作の間に、細胞は、例えば、ジブロックコポリマーに加えて、形質導入を向上させる剤とさらに接触する。追加の形質導入向上剤としては、例えば、タクロリムス及びベクターフシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の形質導入向上剤はタクロリムスである。いくつかの実施形態では、追加の形質導入向上剤はベクターフシンである。
いくつかの実施形態では、細胞は、約6時間~約48時間(例えば、約6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、40時間、41時間、42時間、43時間、44時間、45時間、46時間、47時間、または48時間)の期間、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターによりインキュベートする。いくつかの実施形態では、細胞は、約12時間~約24時間(例えば、約12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間)の期間、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターによりインキュベートする。いくつかの実施形態では、細胞は、約16時間~約22時間(例えば、約16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、または22時間)の期間、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターによりインキュベートする。いくつかの実施形態では、細胞は、約17時間~約19時間(例えば、約17時間、18時間、または19時間)の期間、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターによりインキュベートする。いくつかの実施形態では、細胞は、約18時間の期間、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターによりインキュベートする。
いくつかの実施形態では、細胞は、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターと接触したまま、(例えば、遠心分離により)スピンされる(即ち、「遠心分離にかけられる」)。「スピノキュレーション」と本明細書では呼ばれる本プロセスは、例えば、約200xg~約2,000xgの求心力と共に生じ得る。いくつかの実施形態では、細胞は、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターと接触したまま、約300xg~約1,200xgの求心力にてスピンされる。例えば、細胞は、(例えば、上述の1つ以上の剤と組み合わせて)ウイルスベクターと接触したまま、約300xg、400xg、500xg、600xg、700xg、800xg、900xg、1,000xg、1,100xg、または1,200xgの求心力でスピンされ得る。いくつかの実施形態では、細胞は、約10分~約3時間(例えば、約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分、120分、125分、130分、135分、140分、145分、150分、155分、160分、165分、170分、175分、180分、またはそれ以上)の間スピンされる。いくつかの実施形態では、細胞は室温で、例えば、約25℃の温度でスピンされる。
さらなる態様では、本開示は、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物対象)における導入遺伝子の発現方法であって、当該対象に、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を投与することによる、方法を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物対象)への、遺伝子組み換え細胞の集団の送達方法であって、当該対象に、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を投与することによる、方法を特徴とする。
さらなる別の態様では、本開示は、細胞療法を必要とする対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物対象)に細胞療法を提供する方法であって、当該対象に、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を投与することによる、方法を特徴とする。
本開示の前述の3つの態様のいくつかの実施形態では、細胞は、対象に対して同種異系である。いくつかの実施形態では、細胞は、対象に対してHLA一致している。いくつかの実施形態では、細胞は、対象に対して自己由来である。
いくつかの実施形態では、上記、または本明細書で記載した1つ以上の剤を細胞に接触させる前に、前駆細胞の集団を、対象(例えば、自己由来の細胞集団の場合)、またはドナー(例えば、同種異系の細胞集団の場合)から単離する。前駆細胞を次に、例えば、本明細書に記載する、または当該技術分野において公知の1つ以上の細胞膨張物質により前駆細胞をインキュベートすることにより、エクスビボで膨張させ、細胞増殖を促進し、これにより、対象に投与される細胞の集団を得ることができる。例えば、膨張剤は、以下の式(110)により表される、化合物SR1としても当該技術分野において公知である、StemRegenin-1であってよい。
Figure 2022553938000066
SR1及び他の膨張剤は、例えば、米国特許第8,927,281号、及び同第9,580,426号に記載されており、開示それぞれが、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なさらなる膨張剤としては、その開示が本発明において参照によりその全体が含まれる米国特許第9,409,906号に記載されている、化合物UM-171が挙げられる。本明細書で使用可能な膨張剤としては、その開示が本発明において参照によりその全体が含まれる、US2017/0037047に記載されている化合物などの、化合物UM-171の構造バリアントまたは立体異性バリアントがさらに挙げられる。化合物UM-171の構造は、以下の式(111)に示す。
Figure 2022553938000067
いくつかの実施形態では、膨張剤は、以下の式(112)により表される化合物などの、化合物(111)の臭化物塩である。
Figure 2022553938000068
本開示の組成物及び方法を組み合わせて使用可能なさらなる膨張剤としては、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれているWO2000/023567に記載されている、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤が挙げられる。本明細書に記載する前駆細胞の集団を膨張するために使用可能な例示的な剤は、とりわけ、トリコスタチンA、トラポキシン、トラポキシンA、クラミドシン、酪酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド、スベラニロヒドロキサム酸、m-カルボキシケイ皮酸ビスヒドロキサミド、HC-toxin、Cyl-2、WF-3161、デプデシン、及びラジシコールである。
いくつかの実施形態では、前駆細胞はCD34+ HSCである。本明細書に記載し、当該技術分野において公知のHSC膨張剤を使用すると、前駆細胞は、HSCの機能的能力を失うことなく膨張することができる。
いくつかの実施形態では、前駆細胞を対象(例えば、自己由来の細胞集団の場合)、またはドナー(同種異系の細胞集団の場合)から単離する前に、対象またはドナーに、幹細胞のニッシェ(例えば骨髄)から、末梢循環への、多能性細胞(例えば、CD34+ HSC及びHPC)の移動を刺激する、1つ以上の動員剤が投与される。本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な、例示的な細胞動員剤は、本明細書に記載され、当該技術分野において公知である。例えば、動員剤は、C-X-Cモチーフケモカイン受容体(CXCR)2(CXCR2)アゴニストであってよい。CXCR2アゴニストは、Gro-ベータ、または、その切頭バリアントであってよい。Gro-ベータ及びそのバリアントは、例えば、米国特許第6,080,398号;同第6,447,766号;及び、同第6,399,053号に記載されており、開示それぞれが、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。さらに、または代わりに、動員剤は、プレリキサホルまたはそのバリアントなどの、CXCR4アンタゴニストを含むことができる。プレリキサホル、及び構造的に類似の化合物は、例えば、米国特許第6,987,102号;同第7,935,692号;及び同第7,897,590号に記載されており、開示それぞれが、本明細書に参照により組み込まれる。さらに、または代わりに、動員剤は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を含むことができる。幹細胞のニッシェから末梢循環への、多能性細胞(例えば、CD34+ HSC及び/またはHPC)の移動を誘発する剤としての、G-CSFの使用は、例えば、US2010/0178271に記載されており、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている。
いくつかの実施形態では、細胞の集団を対象に投与する前に、内因性多能性細胞の集団(例えば、内因性CD34+ HSCまたはHPCの集団)が、1つ以上のコンディショニング剤を対象と投与することにより、対象の中で切除される。いくつかの実施形態では、方法は、対象に細胞の集団を投与する前に、対象に1つ以上のコンディショニング剤を投与することにより、対象の中で、内因性多能性細胞の集団(例えば、内因性CD34+ HSCまたはHPCの集団)を切除することを含む。1つ以上のコンディショニング剤は、対象の骨髄から様々な造血細胞を枯渇させる、骨髄破壊性コンディショニング剤であってよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のコンディショニング剤は、内因性CD34+ HSCまたはHPCの集団などの、特定の内因性多能性細胞の集団を選択的に標的にして切除する、非骨髄破壊性コンディショニング剤である。
いくつかの実施形態では、細胞の集団を対象に投与する際に、投与される細胞、またはその後代は、巨核球、栓球、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア、顆粒球、単球、溶骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、及びBリンパ球から選択される1つ以上の細胞型に分化する。
いくつかの実施形態では、対象は、導入遺伝子によりコードされる内因性タンパク質の欠損を有すると診断されている。対象は、例えば、表3に記載する疾患を有すると診断され得る。いくつかの実施形態では、対象は、ベータサラセミアを有すると診断されている。
本開示の上記態様または実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、導入遺伝子は、βグロビンタンパク質をコードする。導入遺伝子は例えば、配列番号1の核酸配列に少なくとも85%の配列同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)を有する核酸を含有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号1の核酸配列に少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)を有する核酸を含有する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号1の核酸配列に少なくとも95%の配列同一性(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)を有する核酸を含有する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号1の核酸配列を有する核酸を含有する。
いくつかの実施形態では、βグロビンタンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、βグロビンタンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも90%同一(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、βグロビンタンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも95%同一(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一)のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、βグロビンタンパク質は配列番号2のアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、βグロビンタンパク質は、1つ以上のアミノ酸置換、挿入、及び/または欠失により、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する。例えば、βグロビンタンパク質は、1つ以上の保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換により、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有し得る。βグロビンタンパク質は、例えば、任意に、1つ以上の非保存的アミノ酸置換と組み合わせて、1~50個の保存的アミノ酸置換、1~40個の保存的アミノ酸置換、1~30個の保存的アミノ酸置換、1~20個の保存的アミノ酸置換、または、1~10個の保存的アミノ酸置換により、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有し得る。
別の態様では、本開示は、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い、真核細胞を修飾することにより形成される混合物を含有する組成物を特徴とする。
さらなる態様では、本開示は、前述の態様の組成物を含有する細胞培養培地を特徴とする。
さらなる別の態様では、本開示は、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾された真核細胞の集団を特徴とする。
別の態様では、本開示は、前述の態様の細胞の集団を含有する医薬組成物を特徴とする。医薬組成物は、1つ以上の賦形剤、希釈剤、及び/または担体をさらに含有してよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、哺乳動物対象(例えばヒト)などの対象への静脈内注射による投与のために製剤化される。
別の態様では、本開示は、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い、真核細胞を修飾することにより形成される混合物を含有する組成物を含有するキットを特徴とする。さらに、または代わりに、キットは、本組成物を含有する細胞培養培地を含有し得る。キットは、キットの内容物を用いて標的細胞に形質導入するための取扱説明書を含む、添付文書をさらに含有し得る。
別の態様では、本開示は、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾された真核細胞の集団を含有するキットを特徴とする。さらに、または代わりに、キットは、本開示の上記態様または実施形態のいずれかの方法に従い修飾された真核細胞の集団を含有する医薬組成物を含有し得る。キットは、上述または本明細書に記載の細胞投与方法のいずれかに従い、ユーザに、細胞の集団を対象に投与する指示をする添付文書をさらに含有し得る。
定義
本明細書で使用する場合、用語「切除する」、「切除すること」、「切除」などは、インビボまたはエクスビボで、細胞集団内で1つ以上の細胞を枯渇させることを意味する。本開示のいくつかの実施形態では、治療用の細胞集団などの治療用組成物を対象に投与する前に、患者(例えば、本明細書に記載する疾患の治療を受ける患者)内で、内因性細胞を切除するのが望ましい場合がある。これは例えば、新しく投与される細胞に、当該細胞が移植し得る環境を提供するために、有益であり得る。内因性細胞の集団の切除は、例えば、標的細胞で発現する抗原に結合する抗体または抗体薬物複合体を用い、その後、標的細胞の殺傷を行って、特定の細胞型を選択的に標的にする方法で行うことができる。さらに、または代わりに、切除は、特定の細胞型に局在化せず、代わりに、様々な異なる細胞で細胞毒性効果を発揮可能な細胞毒素を用いる、非特異的な方法で行うことができる。切除の例としては、インビボまたはインビトロでの、細胞集団における細胞の少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上)の枯渇が挙げられる。細胞のサンプル内で細胞の数を定量化することは、計数チャンバ、Coulterカウンター、フローサイトメトリー、または、当該技術分野において既知の他の細胞計数方法の使用などの、様々な細胞計数技術を用いて行うことができる。
本明細書で使用する場合、用語「約」とは、参照量に対して、最大約30%(例えば、25%、20%、25%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2% または1%)変化する量を意味する。
対象のタンパク質の文脈で本明細書で使用する場合、用語「活性」とは、タンパク質の野生型形態と関連する生物学的機能性を意味する。例えば、酵素の文脈において、用語「活性」とは、タンパク質が、対応する化学反応による生成物を得る方法で、基質のターンオーバーを行う能力を意味する。酵素の活性レベルは、例えば、当該技術分野において公知の基質ターンオーバーアッセイを用いて、検出及び定量化することができる。別の例として、膜結合受容体の文脈において、用語「活性」とは、例えば、その同族リガンドに結合する際に、受容体により開始されるシグナル伝達を意味し得る。シグナル伝達形質導入経路に関与する受容体の活性レベルは、例えば、(例えば、当該技術分野において既知のポリメラーゼ連鎖反応技術を用いて検出可能な)1つ以上の遺伝子の転写の増加といった、受容体シグナル伝達の結果の増加を観察することにより、検出及び定量化することができる。
本明細書で使用する場合、「プロスタグランジンE受容体シグナル伝達を活性化する」化合物などは、明記した化合物と接触していないプロスタグランジンE受容体発現細胞における、プロスタグランジンE受容体シグナル形質導入活性と比較して、明記した化合物と接触したプロスタグランジンE受容体発現細胞において、プロスタグランジンE受容体のシグナル形質導入活性を増加させる能力を有する化合物を意味する。プロスタグランジンE受容体シグナル形質導入を測定するために使用可能なアッセイは、例えば、WO2010/108028に記載されており、本明細書が、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の評価方法に関するため、当該開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書で使用する場合、用語「投与すること」、「投与」などは、任意の効果的な経路により、患者に、治療剤(例えば、多能性細胞(例えば、胚幹細胞、人工多能性幹細胞、またはCD34+細胞)の集団といった、細胞の集団)を直接与えることを意味する。例示的な投与経路を本明細書に記載し、とりわけ、静脈内注射などの全身投与経路が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「同種異系」とは、同一種の異なる対象から得られる、またはそれに由来する細胞、組織、核酸分子、または他の物質を意味する。例えば、本明細書に記載する1つ以上のタンパク質を発現する細胞の集団(例えば、多能性細胞の集団)の文脈において、同種異系細胞としては、(i)治療法を受けていない対象から得られ、次いで、(ii)1つ以上の所望のタンパク質の発現を指令するベクターを形質導入またはトランスミッションされる細胞が挙げられる。語句「発現を指令する」とは、発現する1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含めることを意味する。ポリヌクレオチドは、対象のタンパク質の発現を向上させる、さらなる配列モチーフを含有し得る。
本明細書で使用する場合、用語「アニール」とは、例えば、ワトソン・クリックの塩基対形成に従い、鎖間水素結合により媒介されるハイブリダイゼーションにより、核酸の安定したデュプレックスを形成することを意味する。デュプレックスの核酸は例えば、互いに少なくとも50%相補性(例えば、互いに約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%相補性)であってよい。一方の核酸を別の核酸にアニーリングする際に形成される「安定したデュプレックス」は、過酷な洗浄により変性されないデュプレックス構造である。例示的な、過酷な洗浄条件は、当技術分野において既知であり、デュプレックスの個々の鎖の融解温度より約5℃低い温度、及び、0.2M未満(0.2M、0.19M、0.18M、0.17M、0.16M、0.15M、0.14M、0.13M、0.12M、0.11M、0.1M、0.09M、0.08M、0.07M、0.06M、0.05M、0.04M、0.03M、0.02M、0.01M、またはそれ以下)の一価の塩濃度(例えばNaCl濃度)といった、一価の塩の濃度の低さを含む。
本明細書で使用する場合、用語「自己由来の」とは、個体自身の細胞、組織、核酸分子などから得られる、またはこれらに由来する、細胞、組織、核酸分子、または他の物質を意味する。例えば、本明細書に記載する1つ以上のタンパク質を発現する細胞の集団(例えば、多能性細胞の集団)の文脈において、自己由来の細胞としては、1つ以上の対象のタンパク質の発現を指令するベクターを形質導入またはトランスミッションした、治療法を受ける患者から得られる細胞が挙げられる。
本明細書中で使用する場合、用語「細胞型」とは、遺伝子発現データに基づいて統計的に分離可能な表現型を共有する細胞群を指す。例えば、一般的な細胞型の細胞は、同様の構造的特徴及び/または機能的特徴、例えば、同様の遺伝子活性化パターン及び抗原提示特性を共有している場合がある。一般的な細胞型の細胞には、生体内の一般的な組織(例えば、上皮組織、神経組織、結合組織、または筋肉組織)及び/または一般的な臓器、組織系、血管、または他の構造及び/または領域から分離された細胞が含まれ得る。
本明細書で使用する場合、用語「調節する」及び「コンディショニング」とは、対象が、細胞の集団(例えば、CD34+細胞などの多能性細胞の集団)を含有する移植組織を受けるために準備されるプロセスを意味する。かかる操作は、例えば、内因性細胞(例えばとりわけ、内因性CD34+細胞)を選択的に枯渇させて空白を作製し、続いて、外因性の細胞移植により満たすことにより、細胞移植組織の移植を容易にする。本明細書に記載の方法に従うと、対象は、内因性細胞(例えばとりわけ、CD34+細胞)を切除可能な1つ以上の剤、放射線療法、またはこれらの組み合わせを対象に投与することにより、細胞移植組織操作のためにコンディショニングされ得る。本開示の組成物及び方法と組み合わせるのに有用なコンディショニングレジメンは、骨髄破壊性であっても、非骨髄破壊性であってもよい。当該技術分野において周知の他の細胞切除剤及び方法(例えば、抗体薬物複合体)もまた、使用してよい。
本明細書で使用する場合、用語「保存的変異」、「保存的置換」、「保存的アミノ酸置換」などは、1個以上のアミノ酸を、極性、静電荷、及び立体体積などの、同様の物理化学的性質を示す、1つ以上の異なるアミノ酸で置換することを意味する。これらの特性を、天然の20種のアミノ酸のそれぞれについて、以下の表1に要約する。

Figure 2022553938000069
この表によれば、保存的アミノ酸のファミリーには(i)G、A、V、L及びI;(ii)D及びE;(iii)C、S及びT;(iv)H、K及びR;(v)N及びQ;ならびに(vi)F、Y及びWが含まれる。したがって、保存的変異または置換とは、あるアミノ酸を、同じアミノ酸ファミリーのメンバーで置換する変異または置換である(例えば、ThrをSerに、またはArgをLysに置換)。
本明細書で使用する場合、用語「ジブロックコポリマー」とは、互いに共有結合した、2つ、及び、2つを超えない、異なるポリマー領域(即ち、反復単位のブロック)で構成される非イオン性ポリマーを意味する。本明細書に記載するジブロックコポリマーの一例としては、両親媒性コポリマー、例えば、リンカー含有、または非含有の反復単位の疎水性鎖を含む領域に接続した、反復ユニットの親水性鎖を含む領域を伴うものが挙げられる。かかるジブロックコポリマーとしては、ポリオキシプロピレン(PPO)サブユニットの疎水性鎖に接続したポリオキシエチレン(PEO)サブユニットの親水性鎖を挙げることができる。PEO及びPPOサブユニットのジブロックコポリマーは、以下の式により表すことができる:X(CO)-L-(CO)。X及びXは、任意の化学部分であってよい。Lは、任意に存在することができるリンカーであってよい。いくつかの実施形態では、PEO及びPPOサブユニットブロックは、直接共有結合している。いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ、H及びOHである。他のジブロックコポリマーとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-乳酸)PEG-PDLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(L-乳酸)PEG-PLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(ε-カプロラクトン)PEG-PCL、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)PEG-PLGA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLG、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(β-ベンジルL-アスパルテート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(α-ベンジルカルボキシレート-ε-カプロラクトン)PEG-PBCL、及び、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(δ-バレロラクトン)PEG-PVLが挙げられる。明確にするために付記すると、本明細書で使用する場合、X-[PEO]-L-[PPO]-Xとは、構造:
Figure 2022553938000070
または、逆の向きを有する構造:
Figure 2022553938000071
を意味する。
ポリマーブロックの長さはカスタマイズすることができる。その結果、多くの異なるジブロックコポリマーが存在する。本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用するのに好適なジブロックコポリマーとしては、約10,000g/molから、少なくとも約11,400g/mol、少なくとも約12,600g/mol、少なくとも約13,000g/mol、少なくとも約14,600g/mol、または少なくとも約15,000g/molの数平均分子量を有するものが挙げられる。ジブロックコポリマーの合成は、あるバッチから別のバッチへの、自然な変化度と関連しているため、上で引用した数値(及び、所与のジブロックコポリマーを特徴付けるために本明細書で使用するもの)は、合成時に正確に到達可能でなくてもよく、平均値は一定の程度で異なる。したがって、本明細書で使用する場合、用語「ジブロックコポリマー」は、別に明示されていないのであれば、用語「ジブロックコポリマー」(ジブロックコポリマーの混合物としても呼ばれる、いくつかのジブロックコポリマーの実体を表す)と同じ意味で用いることができる。本明細書で使用する場合、ジブロックコポリマー(複数可)のモノマー単位または分子量の数と関係する用語「平均」とは、全てが同一の組成物、故に同一の分子量を有するジブロックコポリマーを、技術的に作製することができない結果である。最先端に従い作製したジブロックコポリマーは、それぞれが、分子量に関しては変動性を示すが、混合物全体として、本明細書で明記する分子量を平均する、ジブロックコポリマーの混合物として示される。BASF及びSigma Aldrichが、本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用するためのジブロックコポリマーの、好適な供給元である。
PPO及びPEOサブユニットを含むジブロックコポリマーの合成の間に生じる変化のために、当業者は、m及びnの値は、例えば、列挙した値の2倍上まで及び2倍下まで変化する可能性があることを理解するであろう。本明細書で使用する場合、したがって、n=50などの値は、nが25~100であり得る、例えば、25~75、26~74、27~73、28~72、29~71、30~70、31~69、32~68、33~67、34~66、35~65、36~64、37~63、38~62、39~61、40~60、41~59、42~58、43~57、44~56、45~55などの値であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、本明細書で使用する場合、n=60などの値は、nが30~120、例えば30~90であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、本明細書で使用する場合、n=70などの値は、nが35~140、例えば35~105であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。
本明細書で使用する場合、用語「胚幹細胞」及び「ES細胞」とは、好適な条件下でインビトロ培養液中で維持可能な、胚盤胞の内部細胞塊に由来する、胚由来の全能性または多分化能幹細胞を意味する。ES細胞は、例えば、内胚葉、外胚葉、または中胚葉の、3つの脊椎動物の胚芽層のいずれかの細胞内に分化可能である。ES細胞は、好適なインビトロ培養条件下で、無期限に培養する能力もまた特徴とする。ES細胞は例えば、Thomson et al.,Science 282:1145(1998)に記載されており、その開示は、胚幹細胞の構造及び機能性に関するため、参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書中で使用する場合、用語「内因性」とは、特定の生体(例えば、ヒト)または生体内の特定の場所(例えば、器官、組織、または細胞、例えば、ヒト細胞)に自然に見出される分子(例えば、ポリペプチド、核酸、または補因子)を表す。
本明細書で使用する場合、用語「膨張剤」とは、所与の細胞型の、エクスビボでの増殖を促進可能な物質を意味する。したがって、「多能性造血幹細胞膨張剤」または「HSC膨張剤」とは、多能性造血幹細胞の集団の、エクスビボでの増殖を促進可能な物質を意味する。多能性造血幹細胞膨張剤としては、多能性造血幹細胞の集団の増殖を、細胞が多能性造血幹細胞の機能的能力を保持するように行う剤が挙げられる。本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な、例示的な多能性造血幹細胞膨張剤としては、それぞれの開示の全体、及び特に、化合物SR1が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,927,281号及び同第9,580,426号に記載されているもののような、アリール炭化水素受容体アンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な、さらなる多能性造血幹細胞膨張剤としては、その開示が本発明において参照によりその全体が含まれる米国特許第9,409,906号に記載されている、化合物UM-171、及び他の化合物が挙げられる。多能性造血幹細胞膨張剤としては、その開示が本発明において参照によりその全体が含まれる、US2017/0037047に記載されている化合物などの、化合物UM-171の構造バリアント及び/または立体異性バリアントがさらに挙げられる。本開示での使用に好適な、さらなる多能性造血幹細胞膨張剤としては、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれているWO2000/023567に記載されている、とりわけ、トリコスタチンA、トラポキシン、トラポキシンA、クラミドシン、酪酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド、スベラニロヒドロキサム酸、m-カルボキシケイ皮酸ビスヒドロキサミド、HC-toxin、Cyl-2、WF-3161、デプデシン、及びラジシコールなどのヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤が挙げられる。
本明細書中で使用する場合、用語「発現する」とは、以下の事象の1つ以上を指す:(1)DNA配列からのRNA鋳型の産生(例えば、転写による);(2)RNA転写産物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/または3’末端プロセシングによる);(3)RNAからポリペプチドまたはタンパク質への翻訳;ならびに(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。タンパク質生成物をコードする遺伝子の文脈において、用語「遺伝子発現」などは、用語「タンパク質発現」などと同じ意味で用いられる。対象における、対象の遺伝子またはタンパク質の発現は、例えば、対応するタンパク質の活性の増加対象から入手したサンプルでの、(例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)及びRNA seq技術などの、本明細書に記載する、もしくは当該技術分野において公知のRNA検出手順を用いて評価される)対応するタンパク質をコードするmRNAの量もしくは濃度の増加、(例えば、とりわけ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの、本明細書に記載する、もしくは当該技術分野において公知のタンパク質検出方法を用いて評価される)対応するタンパク質の量もしくは濃度の増加、ならびに/または、(例えば、酵素の場合、本明細書に記載する、もしくは当該技術分野において公知の酵素活性アッセイを用いて評価される)を検出することにより、明らかにすることができる。本明細書で使用する場合、上記事象の1つ以上、または全てが、細胞内、または、細胞が存在する培地内で検出可能であれば、細胞は、対象の遺伝子またはタンパク質を「発現する」と考えられる。例えば、対象の遺伝子またはタンパク質は、(i)(例えば、本明細書に記載するRNA検出手順を用いる)細胞、もしくは細胞の集団による、mRNA鋳型などの対応するRNA転写産物の産生、(ii)RNA転写産物の処理(例えば、本明細書に記載するRNA検出手順を用いる、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/もしくは3’末端プロセシング)、(iii)(例えば、本明細書に記載するタンパク質検出手順を用いる)RNA鋳型の、タンパク質生成物への翻訳、ならびに/または、(iv)(例えば、本明細書に記載するタンパク質検出手順を用いる)タンパク質生成物の翻訳後修飾を検出可能である場合に、細胞、または細胞の集団により「発現される」と考えられる。
本明細書で使用する場合、用語「機能的能力」とは、多能性造血幹細胞などの多能性細胞に関する場合、1)多能性(これは、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、栓球(例えば、巨核芽球、血小板産生巨核球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、溶骨細胞、ならびにリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞、及びT細胞)を含むがこれらに限定されない、複数の異なる血液リネージに分化する能力を意味する)、2)自己複製(これは、幹細胞が、母細胞と等しい能力を有し、さらに、個体の寿命を通して、疲弊を伴わずに繰り返し生じることができる能力を有する、娘細胞を生じさせる能力を意味する)、ならびに、3)幹細胞またはその後代が幹細胞ニッシェにホーミングし、増殖性かつ持続した細胞増殖及び分化を再確立する際に、移植レシピエントに再導入される能力を含む、幹細胞の機能的性質を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「多能性造血幹細胞」及び「HSC」とは、自己複製して、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、栓球(例えば、巨核芽球、血小板産生巨核球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、溶骨細胞、ならびにリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞、及びT細胞)を含むがこれらに限定されない多様なリネージの成熟血液細胞に分化する能力を有する、未成熟の血液細胞を意味する。かかる細胞は、CD34+細胞を含んでも、含まなくてもよいことが、当該技術分野において公知である。CD34+細胞は、CD34細胞表面マーカーを発現する未成熟細胞である。ヒトにおいては、CD34+細胞は、上述の幹細胞の性質を備える細胞のサブ集団を含むと考えられるが、マウスにおいては、HSCはCD34-である。加えて、HSCは、長期再増殖HSC(LT-HSC)及び短期再増殖HSC(ST-HSC)を意味する。LT-HSC及びST-HSCは、機能的能力、及び細胞表面マーカー発現に基づき分化される。例えば、ヒトHSCは、CD34+、CD38-、CD45RA-、CD90+、CD49F+、及びlin-(CO2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11B、CD19、CD20、CD56、CD235Aを含む、成熟リネージマーカーに対して陰性)である。マウスにおいては、骨髄LT-HSCは、CD34-、SCA-1+、C-kit+、CD135-、Slamf1/CD150+、CD48-、及びlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B220、IL-7raを含む成熟リネージマーカーに対して陰性)である一方で、ST-HSCは、CD34+、SCA-1+、C-kit+、CD135-、Slamf1/CD150+、及びlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B220、IL-7raを含む成熟リネージマーカーに対して陰性)である。加えて、ST-HSCは、恒常性条件下にて、LT-HSCよりも休止しておらず(即ち、より活性であり)、より増殖性である。しかし、LT-HSCは、より大きな自己複製能を有する(即ち、成人時代を通して生残し、連続したレシピエントを通して連続して移植可能である)一方、ST-HSCの自己複製は限定的である(即ち、限られた期間のみ生残し、連続移植能を有しない)。これらのHSCのいずれかを、本明細書に記載の方法のいずれかで使用することができる。任意に、ST-HSCは、非常に増殖性であり、故に、分化した後代に、より素早くなることができるため、有用である。
本明細書で使用する場合、ヒストンの脱アセチル化を阻害する剤とは、直接の相互作用、または、細胞内で生成されたヒストン脱アセチル化酵素の量の低下を引き起こすこと、もしくは、ヒストン脱アセチル化酵素とアセチル化ヒストン物質との相互作用を阻害することなどによる間接的手法のいずれかにより、ヒストン脱アセチル化酵素の活性、より具体的には、その酵素活性を減衰または防止可能な物質または組成物(例えば、低分子、タンパク質、干渉RNA、メッセンジャーRNA、または、他の自然もしくは合成化合物、または、ウイルス、もしくは、複数の物質から構成される他の材料などの組成物)を意味する。ヒストン脱アセチル化酵素の酵素活性を阻害することとは、ヒストン脱アセチル化酵素が、アセチル基をヒストン残基(例えば、ヒストンタンパク質内での、モノ、ジ、もしくはトリメチル化リジン残基;モノメチル化アルギニン残基、または、対称/非対称のジメチル化アルギニン残基)から取り除くことを触媒する能力を低下させることを意味する。かかる阻害は特異的であり、ヒストンの脱アセチル化を阻害する剤が、別の、無関係の生物学的効果を生み出すのに必要な阻害剤の濃度より低い濃度にて、ヒストン脱アセチル化酵素の、ヒストン残基からアセチル基を取り除く能力を低下させるのが好ましい。
本明細書で使用する場合、用語「ヒストン脱アセチル化酵素」及び「HDAC」とは、ヒストンのN末端において、リジン残基のε-アミノ基からの、アセチル基の除去を触媒する酵素のファミリーのいずれか1つを意味する。文脈により別段の指示がない限り、用語「ヒストン」とは、任意の種に由来するHI、H2A、H2B、H3、H4、及びH5を含む、任意のヒストンタンパク質を指すことを意味する。ヒトHDACタンパク質または遺伝子産物としては、HDAC-1、HDAC-2、HDAC-3、HDAC-4、HDAC-5、HDAC-6、HDAC-7、HDAC-8、HDAC-9、HDAC-10、及びHDAC-11が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「HLA一致した」とは、多能性造血幹細胞移植療法を必要とするレシピエントに造血幹細胞移植片を提供するドナーなどの、ドナーとレシピエントとの間で、HLA抗原のいずれもがミスマッチしていない、ドナーとレシピエントのペアを意味する。内因性のT細胞及びNK細胞は、入ってくる移植片を異物として認識する可能性が低く、故に、移植組織に対して免疫応答をマウントする可能性が低いため、HLA一致した(即ち、6つの対立遺伝子全てが一致した)ドナーとレシピエントのペアは、移植片拒絶のリスクが低下する。
本明細書で使用する場合、用語「HLAがミスマッチした」とは、多能性造血幹細胞移植療法を必要とするレシピエントに造血幹細胞移植片を提供するドナーなどの、とりわけ、HLA-A、HLA-B、HLA-C、及びHLA-DRに対して、少なくとも1つのHLA抗原が、ドナーとレシピエントとの間でミスマッチした、ドナーとレシピエントのペアを意味する。いくつかの実施形態では、あるハプロタイプは一致しており、他のものはミスマッチしている。内因性のT細胞及びNK細胞は、HLAがミスマッチしたドナーとレシピエントのペアの場合、入ってくる移植片を異物として認識する可能性が高く、かかるT細胞及びNK細胞は故に、移植組織に対して免疫応答をマウントする可能性が高いため、HLAがミスマッチした、ドナーとレシピエントのペアは、HLAが一致した、ドナーとレシピエントのペアと比較して、移植片拒絶のリスクが増加する可能性がある。
本明細書で使用する場合、用語「人工多能性幹細胞」、「iPS細胞」、及び「iPSC」とは、分化した体細胞から直接誘導可能な多分化能幹細胞を意味する。ヒトiPS細胞は、リプログラミング因子の特定のセットを、例えば、Oct3/4、Soxファミリー転写因子(例えば、Sox1、Sox2、Sox3、Soxl5)、Mycファミリー転写因子(例えば、c-Myc、1-Myc、n-Myc)、Kruppel-様ファミリー(KLF)転写因子(例えば、KLF1、KLF2、KLF4、KLF5)、ならびに/または、NANOG、LIN28、及び/もしくはGlis1などの、関連する転写因子を含むことができる、非多能性細胞に導入することにより生成することができる。ヒトiPS細胞はまた、例えば、miRNA、転写因子の作用を模倣する低分子、またはリネージ特定因子を使用することにより生成することができる。ヒトiPS細胞は、3つの脊椎動物胚芽層、例えば、内胚葉、外胚葉、または中胚葉のいずれかの細胞に分化する能力により特性決定される。ヒトiPS細胞は、好適なインビトロ培養条件下で、無期限に培養する能力もまた特徴とする。ヒトiPS細胞は例えば、Takahashi and Yamanaka,Cell 126:663(2006)に記載されており、その開示は、iPS細胞の構造及び機能性に関するため、参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書で使用する場合、用語「阻害剤」とは、標的分子に結合する、及び/または、別の場合においては、標的分子の活性を抑制する剤(例えば、低分子、ペプチド断片、タンパク質、抗体、またはその抗原結合断片)を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「干渉リボ核酸」、及び「干渉RNA」とは、(i)標的RNA転写産物にアニーリングし、核酸デュプレックスを形成すること、及び、(ii)RNA転写産物の、ヌクレアーゼが媒介する分解を促進すること、及び/または、(iii)例えば、機能的リボソーム-RNA転写産物複合体の形成を立体的に排除するか、もしくは別の方法で、標的RNA転写産物からの機能性タンパク質生成物の形成を弱めることにより、RNA転写産物の翻訳を遅くする、阻害する、もしくは防止することにより、標的RNA転写産物の発現を抑制する、短鎖干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)などのRNAを意味する。本明細書に記載する干渉RNAは患者に、例えば、一本鎖もしくは二本鎖オリゴヌクレオチドの形態で、または、干渉RNAをコードする導入遺伝子を含有するベクター(例えば、ウイルスベクター)の形態で提供することができる。例示的な干渉RNAプラットホームは、例えば、Lam et al.,Molecular Therapy-Nucleic Acids 4:e252(2015);Rao et al.,Advanced Drug Delivery Reviews 61:746-769(2009);及びBorel et al.,Molecular Therapy 22:692-701(2014)に開示されており、開示それぞれが、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。
ウイルス形質導入プロトコルの文脈において本明細書で使用する場合、用語「感染多重度」または「MOI」とは、(i)形質導入のために標的化される細胞の集団に添加されるヴィリオンの、(ii)集団内での細胞の量に対する、比率を意味する。一例として、形質導入のために標的化されている1×10個の細胞の集団が、1×10個のヴィリオン(例えば、本明細書に記載するレンチウイルスヴィリオンなどのレンチウイルスヴィリオン)と接触する形質導入プロトコルでは、10の感染多重度を特徴とする。
造血幹及び/または前駆細胞の文脈において本明細書で使用する場合、用語「動員」とは、細胞が典型的に存在する幹細胞ニッシェ(例えば骨髄)から末梢循環に、かかる細胞を放出することを意味する。「動員剤」とは、幹細胞ニッシェから末梢循環への、造血幹及び/または前駆細胞の放出を誘発可能な剤である。
本明細書で使用する場合、用語「骨髄破壊性」または「骨髄破壊」とは、典型的には、細胞毒性剤または放射線への曝露により、造血系を実質的に不全にする、または破壊する、コンディショニング編成を意味する。骨髄破壊は、造血系を破壊する、高用量の細胞毒性剤または全身放射線によりもたらされる、完全な骨髄破壊を包含する。
本明細書で使用する場合、用語「非骨髄破壊性」または「骨髄抑制性」とは、宿主由来の、実質的に全ての造血細胞を除去しない、コンディショニング編成を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「数平均分子量」及び「Mn」は、サンプル内での全てのポリマー鎖の統計的平均分子量を意味し、以下により定義され、
Figure 2022553938000072
式中、
は鎖の分子量であり、
は、当該分子量を有する鎖の数である。
本明細書で使用する場合、用語「重量平均分子量」及び「Mw」は、サンプル内での全てのポリマー鎖の重み付け統計的平均を意味し、以下により定義され、
Figure 2022553938000073
式中、
は鎖の分子量であり、
は、当該分子量を有する鎖の数である。
本明細書で使用する場合、用語「多分散指数」とは、ポリマーの分子量分布の広さの程度を意味し、以下により定義される:
多分散指数=Mw/Mn。
本明細書で使用する場合、用語「多能性細胞」とは、造血リネージの細胞型(例えば、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、栓球(例えば、巨核芽球、血小板産生巨核球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、溶骨細胞、ならびにリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞、及びT細胞))などの、2つ以上の分化した細胞型に発達する能力を有する細胞を意味する。多能性細胞の例は、ESC、iPSC、及びCD34+細胞である。
本明細書で使用する場合、用語「プロモーター」とは、RNAポリメラーゼが結合するDNA上の認識部位を指す。ポリメラーゼは、導入遺伝子の転写を促進する。本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用するのに好適な、例示的なプロモーターは、例えば、Sandelin et al.,Nature Reviews Genetics 8:424(2007)に記載されており、その開示は、核酸制御エレメントに関するため、参照により本明細書に組み込まれている。加えて、用語「プロモーター」とは、生物学的系では自然に生じない制御性DNA配列である、合成プロモーターを意味し得る。合成プロモーターは、天然では生じないポリヌクレオチド配列と組み合わせた、自然に存在するプロモーターの一部を含有し、様々な導入遺伝子、ベクター、及び標的細胞型を用いて最適化し、組み換えDNAを発現することができる。
参照ポリヌクレオチド配列に関する、「配列相補性割合(%)」とは、必要であれば、配列と導入ギャップをアラインして、最大の配列相補性割合を達成する、参照ポリヌクレオチド配列中の核酸に相補的な、候補配列中の核酸の割合として定義される。2つのヌクレオチドが、標準的なワトソン・クリック塩基対を形成する場合に、所与のヌクレオチドは、本明細書に記載する参照ヌクレオチドに「相補性」であると考えられる。誤解を避けるために記すと、本開示の文脈において、ワトソン・クリック塩基対は、アデニン-チミン、アデニン-ウラシル、及びシトシン-グアニン塩基対を含む。この文脈において、適切なワトソン・クリック塩基対は「一致」と呼ばれる一方で、対形成していないそれぞれのヌクレオチド、及び、不適切に対形成したヌクレオチドは、「ミスマッチ」と呼ばれる。核酸配列相補性割合を測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大相補性を達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含め、配列をアラインメントするのに適切なパラメータを決定することができる。実例として、所与の核酸配列Aの、所与の核酸配列Bに対する配列相補性の割合(これはあるいは、所与の核酸配列Bに対して特定の相補性割合を有する、所与の核酸配列Aと呼ぶことができる。)は、以下のとおりの計算される:
100×(分数X/Y)
[式中、Xは、A及びBの(例えば、BLASTなどのコンピュータソフトウェアにより実行される)アラインメントにおける、相補性塩基対の数であり、Yは、Bにおける核酸の総数である。]。核酸配列Aの長さが、核酸配列Bの長さに等しくない場合、Aの、Bに対する配列相補性割合は、Bの、Aに対する配列相補性割合と等しくないことが理解されよう。本明細書で使用する場合、クエリー核酸配列は、クエリー核酸配列が、参照核酸配列に対して100%の配列相補性を有する場合に、参照核酸配列に対して「完全に相補性である」と考えられる。
参照ポリヌクレオチド配列または参照ポリペプチド配列に対する「配列同一性割合(%)」とは、必要であれば、配列をアラインメントし、ギャップを導入して、最大の配列同一性の割合を達成した後、参照ポリヌクレオチド配列または参照ポリペプチド配列内の核酸またはアミノ酸と同一である候補配列内の核酸またはアミノ酸の割合と定義される。核酸またはアミノ酸配列同一性割合を測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の様々な方法で達成することができる。当業者は、比較されている配列の完全長にわたる最大のアライメントを得るために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするために適切なパラメータを決定することができる。例えば、配列同一性割合の値は、配列比較コンピュータプログラムであるBLASTを用いて生成することができる。実例として、所与の核酸またはアミノ酸配列Aの、核酸またはアミノ酸配列Bとの、またはこれに対する配列同一性割合(これはあるいは、所与の核酸またはアミノ酸配列Bと、またはこれに対して、特定の配列同一性割合を有する、所与の核酸またはアミノ酸配列Aと呼ぶことができる。)は、以下のとおりの計算される:
100×(分数X/Y)
[式中、Xは、AとBとのプログラムのアラインメントにおいて、配列アラインメントプログラム(例えば、BLAST)によって同一の一致としてスコアリングされたヌクレオチドまたはアミノ酸の数であり、Yは、Bの核酸の総数である。]。核酸またはアミノ酸配列Aの長さが核酸またはアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの配列同一性割合は、Aに対するBの配列同一性割合と等しくないと考えられる。
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的に許容される」とは、過度の毒性、刺激、アレルギー反応及び他の問題となる障害がなく、妥当なベネフィット/リスク比を有し、哺乳動物(例えば、ヒト)などの対象の組織との接触に適した化合物、物質、組成物、及び/または剤形を指す。
本明細書で使用する場合、用語「制御配列」は、抗体鎖遺伝子の転写または翻訳を制御する、プロモーター、エンハンサー、及び他の発現調節エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含む。かかる制御配列は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Perdew et al.,Regulation of Gene Expression(Humana Press,New York,NY,(2014))に記載されている。
本明細書で使用する場合、用語「幹細胞」及び「未分化細胞」とは、複数の細胞型に分化する発達能力を有する、未分化の、または部分的に分化した状態にある細胞を意味する。幹細胞は、増殖し、機能的能力を維持しながら、かかる幹細胞をより多く生じさせることができる。幹細胞は、非対称的に分裂することができる。これは、不可避的非対称性分化として知られ、ある娘細胞が、親幹細胞の機能的能力を維持しながら、他の娘細胞が、親細胞とは異なる、いくつかの他の特定の機能、表現型、及び/または発達能力を発現する。娘細胞自体を、増殖し1つ以上の成熟細胞タイプに分化する後代を産生するように誘導させる一方で親の発生可能性を有する1つ以上の細胞も保持させることができる。分化細胞は、多能性細胞に由来することができ、多能性細胞自体が多能性細胞などから由来する。あるいは、集団内の幹細胞のいくつかは、2つの幹細胞に対称的に分裂することができる。したがって、用語「幹細胞」とは、特定の状況下にて、より特殊化または分化した表現型に分化する発達能力を有し、特定の状況下にて、実質的に分化を行うことなく増殖する能力を維持する細胞の任意のサブセットを意味する。いくつかの実施形態では、用語「幹細胞」とは一般に、子孫(後代細胞)が、分化により、例えば、胚細胞及び組織の進行性多様化にて生じる、完全に個別の特性を獲得することにより、多くの場合異なる方向に特殊化する、自然に存在する親細胞を意味する。いくつかの分化細胞は、より大きな発達能力を持つ細胞をもたらす能力もまた、有する。かかる能力は、天然のものであってもよく、または、各種因子で処理した際に、人工的に誘発されてもよい。幹細胞として始まる細胞は、分化した表現型に進行し得るが、次いで、「反転」し、幹細胞の表現型を再発現するように誘発され得る。この用語は多くの場合、当業者により、「脱分化」、または「リプログラミング」、または「レトロ分化」とも呼ばれる。
本明細書で使用する場合、用語「導入遺伝子」とは、遺伝子産物(例えば、本明細書に記載する遺伝子産物)をコードする組み換え核酸(例えば、DNAまたはcDNA)を意味する。遺伝子産物は、RNA、ペプチド、またはタンパク質であってよい。遺伝子産物用のコード領域に加えて、導入遺伝子は、プロモーター、エンハンサー(複数可)、脱安定化ドメイン(複数可)、応答エレメント(複数可)、レポーターエレメント(複数可)、インスレーターエレメント(複数可)、ポリアデニル化シグナル(複数可)、及び/または、他の機能的エレメントなどの、発現を容易にする、または向上させる、1つ以上のエレメントを含むことができるか、または、これに作動可能に結合することができる。本開示の実施形態は、任意の既知の、好適なプロモーター、エンハンサー(複数可)、脱安定化ドメイン(複数可)、応答エレメント(複数可)、レポーターエレメント(複数可)、インスレーターエレメント(複数可)、ポリアデニル化シグナル(複数可)、及び/または、他の機能的エレメントを利用することができる。
本明細書で使用する場合、用語「対象」及び「患者」は同じ意味で用いられ、本明細書に記載する遺伝子またはタンパク質欠損を特徴とする疾患を有すると診断された、及び/または、かかる疾患の治療を受けている、生体(例えば哺乳動物、例えばヒト)を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「形質導入」及び「形質導入する」とは、ウイルスベクター構築物またはその一部を細胞に導入し、その後、細胞内で、ベクター構築物またはその一部によりコードされる導入遺伝子を発現する方法を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「形質導入効率」とは、ベクター(例えば、本明細書に記載するレンチウイルスベクターなどのウイルスベクター)の少なくとも1つのコピーを形質導入した、所与の集団における細胞の割合を意味する。例えば、1×10個の細胞をウイルス(例えば、レンチウイルス)に曝露し、形質導入操作の後で、0.5×10個の細胞が、そのゲノム内で、少なくとも1つのコピーを有すると測定された場合、当該操作に対する形質導入効率は、50%である。形質導入効率を測定する例示的な方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)操作及びフローサイトメトリーが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「治療」及び「治療すること」とは、有益な、または所望の結果、例えば臨床的結果を得るためのアプローチを意味する。有益な、または所望の結果としては、検出可能であるか検出不可能であるかにかかわらず、1つ以上の兆候または症状の軽減または寛解;疾患または症状の程度の減少;疾患、障害、または症状の状態の安定化(即ち、悪化しないこと);疾患または症状の拡大の予防;疾患または症状の進行の遅延または減速;疾患または症状の改善または緩和;及び、(部分的または完全)寛解を挙げることができるが、これらに限定されない。疾患、または症状を「改善すること」または「緩和すること」とは、治療がない場合の程度または時間経過と比較して、疾患、障害、または症状の程度及び/または望ましくない臨床兆候が減少させられ、及び/または進行の時間経過が減速または延長させられることを意味する。「治療」はまた、治療を受けていない場合の予測生存期間と比較して、生存期間を延長することも意味し得る。治療を必要とする者としては、症状または疾患を既に有する者、及び、症状または疾患を有する傾向にある者、加えて、症状または疾患を予防する必要がある者が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ベクター」は、核酸ベクター(例えば、プラスミドなどのDNAベクター)、RNAベクター、ウイルス、または、他の好適なレプリコン(例えば、ウイルスベクター)を含む。外来性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを原核生物または真核生物の細胞に送達するために、様々なベクターが開発されてきた。かかる発現ベクターの例は、例えば、WO1994/011026に記載されており、対象の遺伝子の発現に好適なベクターに関するため、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書に記載の組成物及び方法での使用に適した発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列、及び、例えば、タンパク質の発現及び/または哺乳動物細胞のゲノムへのこれらのポリヌクレオチド配列の組み込みに使用する追加の配列エレメントを含む。本明細書に記載する1つまたはそれ以上のタンパク質の発現のために使用可能なベクターとしては、遺伝子転写を指令する、プロモーター及びエンハンサー領域などの制御配列を含有するプラスミドが挙げられる。加えて、本明細書に記載する1つまたはそれ以上のタンパク質の発現に有用なベクターは、対応する1つまたはそれ以上の遺伝子の翻訳速度を向上させる、または、遺伝子転写から生じるmRNAの安定性もしくは核外搬出を改善する、ポリヌクレオチド配列を含有してよい。かかる配列因子の例は、5’及び3’非翻訳領域、IRES、ならびに、発現ベクターで担持される1つまたはそれ以上の遺伝子の効率的な転写を指令するためのポリアデニル化シグナル部位である。本明細書に記載する組成物及び方法と共に使用するのに好適な発現ベクターは、かかるベクターを含有する細胞を選択するためのマーカーをコードするポリヌクレオチドもまた、含有することができる。好適なマーカーの例は、とりわけアンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ノーセオスリシン、またはゼオシンなどの抗生物質に耐性をコードする遺伝子である。
本明細書で使用する場合、用語「ベクターコピー数」または「VCN」とは、細胞のゲノム内での、ベクター、またはその一部(例えば、対象の導入遺伝子をコードする部分)のコピー数を意味する。平均VCNは、細胞の集団、または個別の細胞コロニーに対して測定することができる。VCNを測定するための例示的な方法としては、PCR操作及びフローサイトメトリーが挙げられる。
本明細書で使用する場合、本開示で引用される他の遺伝子またはタンパク質の名前と共に、用語「βグロビン」は、対応する遺伝子またはタンパク質の野生型形態、加えて、そのバリアント(例えばとりわけ、スプライスバリアント、切頭、コンカテマー、及び融合構築物)を含む。βグロビンの文脈において、かかるバリアントの例は、例えば、βグロビンバリアントが野生型βグロビンの機能性を保持する場合、野生型βグロビンタンパク質のアミノ酸配列のいずれか(例えば、配列番号2)に少なくとも70%の配列同一性(例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%の同一性、またはそれ以上)を有するタンパク質である。
本発明で使用する場合、用語「アルキル」とは、1~6個、またはそれ以上の炭素原子を有するものなどの、一価の、任意に分岐したアルキル基を意味する。本用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシルなどといった基により例示される。
本明細書で使用する場合、用語「低級アルキル」とは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アリール」とは、1つの環(例えばフェニル)、または複数の縮合環(例えばナフチル)を有する、6~14個の炭素原子の、不飽和芳香族炭素環基を意味する。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アラルキル」及び「アリールアルキル」は同じ意味で用いられ、アリール部分を含有するアルキル基を意味する。同様に、用語「アリール低級アルキル」などは、アリール部分を含有する低級アルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルアリール」とは、ベンジル、フェネチルなどを含むアリール置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、単環式の複素環式芳香族、または、二環式もしくは三環式の縮合環複素環式芳香族基を意味する。複素環式芳香族基の具体例としては、任意に置換されたピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、2,3-ジヒドロジベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾジエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2-a」ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリルなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルヘテロアリール」とは、2-フリルメチル、2-チエニルメチル、2-(1H-インドール-3-イル)エチルなどを含む、ヘテロアリール置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「低級アルケニル」とは、好ましくは2~6個の炭素原子を有し、少なくとも1または2個の、アルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。例示的なアルケニル基は、エテニル(-CH=CH)、n-2-プロペニル(アリル、-CHCH=CH)などである。
本明細書で使用する場合、用語「アルケニルアリール」とは、2-フェニルビニルなどを含む、アリール置換基を有するアルケニル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルケニルヘテロアリール」とは、2-(3-ピリジニル)ビニルなどを含む、ヘテロアリール置換基を有するアルケニル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「低級アルキニル」とは、好ましくは2~6個の炭素原子を有し、少なくとも1~2個の、アルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味し、好ましいアルキニル基としては、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CHC≡CH)などが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アルキニルアリール」とは、フェニルエチニルなどを含む、アリール置換基を有するアルキニル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキニルヘテロアリール」とは、2-チエニルエチニルなどを含む、ヘテロアリール置換基を有するアルキニル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチルなどといった、3~8個の炭素原子を有する単環式シクロアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「低級シクロアルキル」とは、単環(例えばシクロヘキシル)、または複数の縮合環(例えばノルボニル)を有する、3~8個の炭素原子の飽和炭素環式基を意味する。好ましいシクロアルキルとしては、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボニルなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、1つ以上の環炭素原子が、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などといったへテロ原子で置き換えられているシクロアルキル基を意味する。例示的なヘテロシクロアルキル基は、ピロリジニル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、チオモルフォリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジオキソチアゼピニル、アゾカニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルなどである。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルシクロアルキル」とは、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルプロピルなどを含む、シクロアルキル置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルヘテロシクロアルキル」とは、2-(1-ピロリジニル)エチル、4-モルホリニルメチル、(1-メチル-4-ピペリジニル)メチルなどを含む、ヘテロシクロアルキル置換基を有するC-Cアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「カルボキシ」とは、基-C(O)OHを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルカルボキシ」とは、2-カルボキシエチルなどを含む、カルボキシ置換基を有するC-Cアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アシル」とは、基-C(O)R[式中、Rは例えば、他の置換基の中でも、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールであってよい。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アシルオキシ」とは、基-OC(O)R[式中、Rは例えば、他の置換基の中でも、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールであってよい。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」とは、基-O-R[式中、Rは例えば、他の置換基の中でも、任意に置換されたC-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールなどの、任意に置換されたアルキル基である。]を意味する。例示的なアルコキシ基としては例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシカルボニル」とは、基-C(O)OR[式中、Rは例えば、他の可能な置換基の中でも、水素、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールである。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルアルコキシカルボニル」とは、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチルなどを含む、アルコキシカルボニル置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アミノカルボニル」とは、基-C(O)NRR’[式中、R及びR’のそれぞれは独立して、例えば、他の置換基の中でも、水素、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールであってよい。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルアミノカルボニル」とは、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチルなどを含む、アミノカルボニル置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アシルアミノ」とは、基-NRC(O)R’[式中、R及びR’のそれぞれは独立して、例えば、他の置換基の中でも、水素、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールであってよい。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルアシルアミノ」とは、2-(プロピオニルアミノ)エチルなどを含む、アシルアミノ置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ウレイド」とは、基-NRC(O)NR’R”[式中、R、R’、及びR”のそれぞれは独立して、例えば、他の置換基の中でも、水素、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、C-Cアルキルヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであってよい。]を意味する。例示的なウレイド基としては、R’及びR’’が、それらが結合する窒素原子と共に、3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する部分がさらに挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルウレイド」とは、2-(N’-メチルウレイド)エチルなどを含む、ウレイド置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アミノ」とは、基-NRR’[式中、R及びR’のそれぞれは独立して、例えば、他の置換基の中でも、水素、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、C-Cアルキルヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであってよい。]を意味する。例示的なアミノ基としては、R及びR’が、それらが結合する窒素原子と共に、3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成可能な部分がさらに挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルアミノ」とは、2-(1-ピロリジニル)エチルなどを含む、アミノ置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アンモニウム」とは、正に荷電した基-NRR’R”[式中、R、R’、及びR”のそれぞれは独立して、例えば、他の置換基の中でも、C-Cアルキル、C-Cアルキルアリール、C-Cアルキルヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであってよい。]を意味する。例示的なアンモニウム基としては、R’及びR’’が、それらが結合する窒素原子と共に、3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する部分がさらに挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「スルホニルオキシ」とは、基-OSO-R[式中、Rは水素、C-Cアルキル、ハロゲンで置換されたC-Cアルキル(例えば、-OSO-CF基)、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、及びC-Cアルキルヘテロアリールである。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルホニルオキシ」とは、2-(メチルスルホニル)エチルなどを含む、スルホニルオキシ置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「スルホニル」とは、基「-SO-R」[式中、Rは水素、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル、ハロゲンで置換されたC-Cアルキル(例えば、-SO-CF基)、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールである。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルホニル」とは、2-(メチルスルホニル)エチルなどを含む、スルホニル置換基を有するアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「スルフィニル」とは、基「-S(O)-R」[式中、Rは水素、C-Cアルキル、ハロゲンで置換されたC-Cアルキル(例えば、-SO-CF基)、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールである。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルフィニル」とは、2-(メチルスルフィニル)エチルなどを含む、スルフィニル置換基を有するC-Cアルキル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「スルファニル」とは、基-S-R[式中、Rは例えば、他の置換基の中でも、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールである。]を意味する。例示的なスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどある。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルファニル」とは、2-(メチルスルファニル)エチルなどを含む、スルファニル置換基を有するアルキル基を意味する。
を本明細書で使用する場合、用語「スルホニルアミノ」とは、基-NRSO-R’[式中、R及びR’のそれぞれは独立して、他の置換基の中でも、水素、C-Cアルキルアリール、ヘテロアリール、C-Cアルキルアリール、またはC-Cアルキルヘテロアリールであってよい。]を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルホニルアミノ」とは、2-(エチルスルホニルアミノ)エチルなどを含む、スルホニルアミノ置換基を有するアルキル基を意味する。
「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」などの基といった、上で説明した基は任意に、例えば、価数が可能とするのであれば、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、アルケニル(例えば、C-Cアルケニル)、アルキニル(例えば、C-Cアルキニル)、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール(例えば、C-Cアルキルアリール)、アルキルヘテロアリール(例えば、C-Cアルキルヘテロアリール)、アルキルシクロアルキル(例えば、C-Cアルキルシクロアルキル)、アルキルヘテロシクロアルキル(例えば、C-Cアルキルヘテロシクロアルキル)、アミノ、アンモニウム、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ウレイド、アリール、ヘテロアリール、スルフィニル、スルホニル、アルコキシ、スルファニル、ハロゲン、カルボキシ、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどから選択される置換基などの、1つ以上の置換基で置換されることができる。いくつかの実施形態では、置換は、ビシナルな官能性置換基が関与し、それによりとりわけ、ラクタム、ラクトン、環式無水物、アセタール、チオアセタール、及びアミナールを形成する状況などの、隣接する置換基が閉環を受ける置換である。
本明細書で使用する場合、用語「任意に縮合した」とは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールなどの、環系で縮合可能な環式の化学基を意味する。任意に縮合した化学基に縮合可能な例示的な環系としては、例えば、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、インドリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、インダニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インドリニル、イソインドリニル、2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b]オキセピニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル、クロマニルなどが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、塩が形成される、非イオン化親化合物の所望の生物活性を保持する、本明細書に記載する化合物の塩などの塩を意味する。かかる塩の例としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形成される酸付加塩、ならびに、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸などの、有機酸により形成される塩が挙げられるが、これらに限定されない。化合物はまた、式-NR、R’、R”[式中、R、R’、及びR”のそれぞれは独立して、例えば、水素、アルキル、ベンジル、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルキルアリール、C-Cアルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルなどであることができ、Zは、クロリド、ブロミド、ヨージド、-O-アルキル、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、ホスフェート、カルボキシレート(例えば、ベンゾエート、サクシネート、アセテート、グリコレート、マレエート、マレート、フマレート、シトレート、タータラート、アスコルベート、シンナモエート、マンデロエート、及びジフェニルアセテート)などといった対イオンである。]の四級アンモニウム塩などの、薬学的に許容される四級塩として投与することができる。
例えば、スタウロスポリンなどのプロテインキナーゼC(PKC)阻害剤の文脈において、本明細書で使用する場合、用語「バリアント」とは、参照剤と比較して1つ以上の修飾を含有し、(i)参照剤の機能的性質(例えば、PKC活性を阻害する能力)を保持し、かつ/または、(ii)細胞(例えば、CD34+細胞などの、本明細書に記載する種類の細胞)内で参照剤に転換される、剤を意味する。スタウロスポリンなどの低分子PKC阻害剤の文脈において、参照化合物の構造バリアントとしては、1つ以上の置換基の包含及び/または配置により、参照化合物とは異なるバリアント、加えて、構造異性体(例えば位置異性体)または立体異性体(例えばエナンチオマーもしくはジアステレオマー)などの、参照化合物の異性体であるバリアント、加えて、参照化合物のプロドラッグが挙げられる。干渉RNA分子の文脈において、バリアントは、親干渉RNA分子と比較して、1つ以上の核酸置換を含有することができる。
本明細書に記載する構造組成物としては、互変異性体、幾何異性体(例えば、E/Z異性体及びcis/trans異性体)、エナンチオマー、ジアステレオマー、ならびにラセミ体、加えて、薬学的に許容されるそれらの塩もまた挙げられる。かかる塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩または重硫酸塩、リン酸塩またはリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸塩などの薬学的に許容される酸により形成される酸付加塩が挙げられる。
本明細書で使用する場合、1つ以上の立体中心を有する化合物の、立体化学構成を示さない化学構造式は、示した化合物の立体異性体のいずれか1つ、または、1つ以上のかかる立体異性体の混合物(例えば、示した化合物のエナンチオマーもしくはジアステレオマーのいずれか1つ、または、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物)もしくはジアステレオマーの混合物)を包含するものとして解釈される。本明細書で使用する場合、1つ以上の立体中心を有する化合物の立体化学構成を具体的に示さない化学構造式は、示した特定の立体異性体の、実質的に純粋な形態を参照するものとして解釈される。「実質的に純粋な」形態とは、例えば、当該技術分野において既知のクロマトグラフィー及び核磁気共鳴技術を用いて評価すると、85%を超える純度、例えば、85%~99%、85%~99.9%、85%~99.99%、または85%~100%の純度、例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%、99.999%、または100%の純度を有する化合物を意味する。
ジブロックコポリマーで処理したときの、形質導入の1日後におけるCD34+細胞の生存%を示すグラフである。6個のジブロックコポリマーを、0.0001mg/mL~10mg/mLの濃度で試験した(DBP1~DBP6)。下表は、DBP1~DBP6のそれぞれの組成を示す:
Figure 2022553938000074
形質導入中にジブロックポリマーを適用することは、多能性造血幹細胞に対して無毒性であることを、結果は示す。いくつかのジブロックポリマー(+DBP1~6)の用量範囲(10~0.0001mg/mL)の存在下で、末梢動員血液CD34幹細胞に、レンチウイルスベクターを20~24時間形質導入した(ベクターのみ、10の感染多重度)。示すプロットは、4つの独立実験において、異なる健常ドナー(○、A~D)から単離したCD34+細胞のレンチウイルス形質導入の1日後におけるフローサイトメトリー(アネキシンV7AAD)により検出した、生存細胞パーセンテージについてまとめている。
ジブロックコポリマーで処理したときの、形質導入の1日後における形質導入効率の倍数増加を示すグラフである。AはDBP1であり、BはDBP2であり、CはDBP3であり、DはDBP4であり、EはDBP5であり、FはDBP6である。ジブロックポリマーの適用により、多能性造血幹細胞の形質導入効率を向上させることができることを、グラフは示す。10~0.0001mg/mLの終濃度にて適用したジブロックポリマー(DBP1~6、A~F)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。(A)プロットは、ベクターのみで処理した細胞と比較しての、ジブロックポリマーの添加により誘発した形質導入細胞のパーセンテージの倍率変化についてまとめている。形質導入細胞のパーセンテージは、異なる健常なドナー(○)から単離したCD34+細胞を用いる、4つの独立実験での形質導入の12日後における、導入遺伝子発現のフローサイトメトリー検出により測定した。 12日目の骨髄液培養液における、細胞当たりでの平均ベクターコピー数を示すグラフである。DBP1~DBP6を試験した。ジブロックポリマーを適用することにより、多能性造血幹細胞のレンチウイルス組み込みが改善されることを、グラフは示す。0.1~0.0001mg/mLの終濃度にて適用したジブロックポリマー(DBP1~6)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、形質導入の12日後に、細胞培養液から回収したゲノムDNAにおける、一体化した導入遺伝子配列の液滴デジタルPCR検出により測定した、平均導入遺伝子コピー数(VCN)についてまとめている。2つの異なる健常なドナー(○)から単離したCD34+細胞に対するデータを示す。 DBP1~DBP5に対して、GFPベクターを用いて形質導入した細胞のパーセントを示すグラフである。形質導入向上剤エレメントの様々な組み合わせ(TEコンボ1またはコンボ2)を、DBPで試験した。ジブロックポリマーの適用により、他の化合物と共同して、多能性造血幹細胞の形質導入効率を向上させることができることを、図は示す。レンチウイルス形質導入もまた改善することができる他の化合物と組み合わせて(+TEコンボ1、+TEコンボ2)、100~1μg/mLの終濃度にて適用したジブロックポリマー(DBP1~5)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、形質導入の12日後における導入遺伝子発現のフローサイトメトリー検出により測定した、形質導入細胞のパーセンテージを示す。データは、3つの独立実験を表す平均±SDを示す。 4つの異なる形質導入向上剤の組み合わせ(TEコンボ1、コンボ2、コンボ3、コンボ4)と共に、DBP1またはDBP5のいずれかで処理した細胞の生存%を示すグラフである。形質導入の間に、他の化合物と組み合わせてジブロックポリマーを適用することは、多能性造血幹細胞に対して無毒性であることを、グラフは示す。レンチウイルス形質導入もまた改善することができる他の化合物と組み合わせて(TEコンボ1~4)適用した、ジブロックポリマーDBP1及びDBP5の用量範囲(1~0.1mg/mL)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞に、レンチウイルスベクターを20~24時間形質導入した(ベクターのみ、10の感染多重度)。示したプロットは、CD34+細胞のレンチウイルス形質導入の1日後におけるフローサイトメトリー(アネキシンV7AAD)により検出した、生存細胞のパーセンテージについてまとめている。データは平均±SDを示し、3つの独立実験を表すものである。 図5で上述した4つのTEの組み合わせのうちの1つと共に、DBP1またはDBP5で処理した細胞に対するCD90-HSCのパーセントの倍率変化を示すグラフである。多能性造血幹細胞の形質導入を向上させる他の化合物と共同してジブロックポリマーを適用することは、多能性造血幹細胞の表現型または生残に悪影響を与えないことを、グラフは示す。レンチウイルス形質導入もまた改善することができる他の化合物と組み合わせて(+TEコンボ1~4)、様々な終濃度で適用したジブロックポリマー(DBP1及びDPB5)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、ベクターのみで処理した細胞と比較しての、形質導入の1日後に検出したCD34+CD90+幹細胞のパーセンテージの倍率変化(フローサイトメトリーにより測定)を示す。データは平均±SDを示し、3つの独立実験を表すものである。 様々なPEO及びPPO組成のジブロックコポリマーにより、多能性造血幹細胞のレンチウイルス形質導入の改善がもたらされることを示す一連のグラフである。100μg/mLの終濃度にて適用した、様々なPEO及びPPO組成(ジブロックPEO/PPO比率)のジブロックコポリマーの存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、ジブロックコポリマーが存在しない中で形質導入した細胞と比較して、形質導入の12日後に検出した、形質導入したCD34+幹細胞のパーセンテージの倍率変化(フローサイトメトリーにより測定)、及び、細胞当たりでの平均VCNを示す。各記号は、独立した健常ドナーからアッセイした幹細胞を表し、健常ドナーは、2つの独立アッセイで試験した6名のドナーであった。 広範囲のPEO及びPPOブロック含有量を有するジブロックコポリマーは、多能性造血幹細胞のレンチウイルス形質導入を向上させることを示す一連のグラフである。100μg/mLの終濃度にて適用した、様々なPEO及びPPO組成(ジブロックPEO/PPO比率)のジブロックコポリマーの存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、ジブロックコポリマーが存在しない中で形質導入した細胞と比較して、形質導入の12日後に検出した、形質導入したCD34+幹細胞のパーセンテージの倍率変化(フローサイトメトリーにより測定)、及び、細胞当たりでの平均VCNを示す。各記号は、独立した健常ドナーからアッセイした幹細胞を表し、健常ドナーは、2つの独立アッセイで試験した6名のドナーであった。 ジブロックコポリマーは、3つの機能的ドメイン:細胞結合ドメイン(Cドメイン)、ヘパリン結合ドメイン(Hドメイン)、及びCS-1ドメインで構成される組み換えヒトフィブロネクチン断片であるレトロネクチンと適合性であることを示す一連のグラフである。レトロネクチン(RN)有りまたはなしでの、2つの異なるジブロックポリマー向上剤の組み合わせ(ジブロックコンボ1及び2)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、形質導入の12日後に検出した、形質導入したCD34+幹細胞のパーセンテージ(フローサイトメトリーにより測定)、及び、細胞当たりでの平均VCNを示し、少なくとも3つの独立したアッセイを示すものであり、各記号は、独立した健常ドナーからアッセイした幹細胞を表す。 ジブロックコポリマーを適用することは、他の商業用化合物により実現したものと比較して、幹細胞形質導入の向上の改善を実現することを示す一連のグラフである。様々なジブロックコポリマー(PPO/PEO比率)を含む、2つの異なるジブロックポリマー向上剤の組み合わせ(ジブロックコンボ1及び2)、または、1mg/mL(LB)のLentiBoost(ポロキサマー338;供給源Sirion Biotech)を含有する向上剤の組み合わせの存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞にレンチウイルスベクターを形質導入した(MOI:10)。プロットは、ベクターのみで処理した幹細胞と比較しての、形質導入の12日後に検出した、形質導入したCD34+幹細胞のパーセンテージの倍率変化(フローサイトメトリーにより測定)、及び、細胞当たりでの平均VCNを示す。プロットしたデータは、3つの独立した健常ドナーを示し、各記号は、独立した健常ドナーからアッセイした幹細胞を表す。****P<0.001、***p<0.05スチューデントの対応ありt検定。
本明細書に記載する組成物及び方法を使用して、例えば、多能性造血幹細胞(HSC)及び造血前駆細胞(HPC)を含む多能性細胞などの真核細胞を修飾することができる。本開示の組成物及び方法を使用して、かかる細胞を遺伝子組み換えし、対象の遺伝子を発現する、かつ/または、エクスビボで増殖するように操作することができる。本開示のいくつかの実施形態では、HSC及び/またはHPCの集団などの、多能性細胞の集団を、導入遺伝子をコードするウイルスベクターと接触させる。導入遺伝子は、タンパク質生成物、または、異なる遺伝子の発現を調節する制御性リボ核酸(RNA)分子をコードすることができる。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、遺伝子病、例えば、機能喪失変異を特徴とする遺伝子病を患う患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物患者)において、欠損しているか、または機能しなくなっているタンパク質をコードする。細胞は、所望の導入遺伝子を発現するように、細胞の形質導入を促進する方法でウイルスと接触することができる。いくつかの実施形態では、次に細胞を、上記疾患を患う患者に投与することで、個体における遺伝子発現を回復させる。
様々なウイルスベクターを、本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用することができる。例えば、ウイルスベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスであってよい。標的細胞の形質導入を達成するために使用可能な他のウイルスベクターを、本明細書に記載する。
形質導入の程度、及び/または標的細胞が形質導入される速度を補完するため、細胞はジブロックコポリマー、例えば、親水性構成成分及び疎水性構成成分で構成されるジブロックコポリマーと接触することができる。例えば、親水性構成成分はポリオキシエチレンサブユニットを含むことができ、疎水性構成成分はポリオキシプロピレンサブユニットを含むことができる。
以下の章では、標的細胞のウイルス形質導入を補完するために使用可能な様々なウイルスベクター及び剤の使用、ならびに、一連の、形質導入細胞の治療的使用について記載する。
ジブロックコポリマー
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、疎水性ブロックに共有結合した親水性ブロックを含むものが挙げられる。かかるジブロックコポリマーとしては、PEO及びPPOサブユニットを含むものが挙げられる。好適なジブロックコポリマーとしては、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットが、約5,000g/mol~約25,000g/molの数平均分子量(Mn)を有するものが挙げられる。例えば、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約5,500g/mol、6,000g/mol、6,500g/mol、7,000g/mol、7,500g/mol、8,000g/mol、8,5000g/mol、9,000g/mol、9,500g/mol、10,000g/mol、10,500g/mol、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、または25,000g/molのMnを有することができる。
例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約9,000g/mol~約19,000g/molのMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーのPEOサブユニットは、約9,000g/mol、9,500g/mol、13,800g/mol、15,500g/mol、18,000g/mol、または19,000g/molのMnを有する。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットが約2,000g/mol~約10,000g/molのMnを有するものが挙げられる(例えば、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約2,000g/mol、2,500g/mol、3,000g/mol、3,500g/mol、4,000g/mol、4,500g/mol、5,000g/mol、5,500g/mol、6,000g/mol、6,500g/mol、7,000g/mol、7,500g/mol、8,000g/mol、8,500g/mol、9,000g/mol、9,500g/mol、または10,000g/molのMnを有する)。
例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約3,500g/mol~約5,500g/molのMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーのPPOサブユニットは、約3,500g/molまたは5,500g/molのMnを有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、40質量%超(例えば、約41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、50質量%超(例えば、約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、60質量%超(例えば、約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、70質量%超(例えば、約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、またはそれ以上)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約40%~約90%(例えば、約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、または90%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約50%~約85%(例えば、約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、または85%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約60%~約80%(例えば、約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%)の、平均エチレンオキシド含有量を有する。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、約8,000g/mol超の(例えば、約8,500g/mol、9,000g/mol、または10,000g/mol、を超える)Mnを有するものが挙げられる。例えば、ジブロックコポリマーは、約10,000g/mol超のMnを有する(例えば、ジブロックコポリマーは、10,500、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、25,000g/mol、25,000g/mol、26,000g/mol、26,500g/mol、27,000g/mol、27,500g/mol、28,000g/mol、28,500g/mol、29,000g/mol、29,500g/mol、30,000g/mol、またはそれ以上のg/mol、を超えるMnを有する)。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約10,000g/mol~約30,000g/molのMnを有する(例えば、ジブロックコポリマーは、約10,500g/mol、11,000g/mol、11,500g/mol、12,000g/mol、12,500g/mol、13,000g/mol、13,500g/mol、14,000g/mol、14,500g/mol、15,000g/mol、15,500g/mol、16,000g/mol、16,500g/mol、17,000g/mol、17,500g/mol、18,000g/mol、18,500g/mol、19,000g/mol、19,500g/mol、20,000g/mol、20,500g/mol、21,000g/mol、21,500g/mol、22,000g/mol、22,500g/mol、23,000g/mol、23,500g/mol、24,000g/mol、24,500g/mol、25,000g/mol、25,000g/mol、26,000g/mol、26,500g/mol、27,000g/mol、27,500g/mol、28,000g/mol、28,500g/mol、29,000g/mol、29,500g/mol、または30,000g/molのMnを有する)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約12,000g/mol~約25,000g/mol(例えば、約12,500g/mol~約23,500g/mol)のMnを有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーは、約12,500g/mol、13,000g/mol、17,300g/mol、19,000g/mol、22,500g/mol、または23,500g/molのMnを有する。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1~約1.2の多分散指数(Mw/Mn)を有する(例えば、ジブロックコポリマーは、約1、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、または1.20の多分散指数を有する)。例えば、いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1.06~約1.17の多分散指数を有する。いくつかの特定の実施形態では、ジブロックコポリマーは、約1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、または1.17からの多分散指数を有する。
本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーは、以下の構造を有することができる:
-[PEO]-L-[PPO]-X
[式中、m及びnは整数であり、
Lは存在しないか、または化学リンカーであり、かつ、
及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
-[PEO]-[PPO]-X
[式中、m及びnは整数であり、かつ、
及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
PPO及びPEOサブユニットを含むジブロックコポリマーの合成の間に生じる変化のために、当業者は、m及びnの値は、例えば、列挙した値の2倍上まで及び2倍下まで変化する可能性があることを理解するであろう。したがって、n=50の値は、nが25~100であり得る、例えば、25~75、26~74、27~73、28~72、29~71、30~70、31~69、32~68、33~67、34~66、35~65、36~64、37~63、38~62、39~61、40~60、41~59、42~58、43~57、44~56、45~55などの値であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、n=60の値は、nが30~120、例えば30~90であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。同様に、n=70の値は、nが35~140、例えば35~105であり得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を表す。
本明細書に記載するジブロックコポリマーと組み合わせて使用可能な例示的なリンカー(L)を、以下でより詳細に記載する。
いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドである。
いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC1-6アルコキシ、または、任意に置換されたC1-6アルキルアミノである。
例えば、いくつかの実施形態では、X及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、HN、HCO、エチル-O、n-ブチル-O、tert-ブチル-O、n-ブチル、またはtert-ブチルである。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、mは約100~約500である。例えば、いくつかの実施形態では、mは約200~約450、例えば約205~約432である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)である。
いくつかの特定の実施形態では、mは、200、205、216、217、225、230、240、284、314、318、323、352、409、または432である。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、nは約10~約200である。例えば、いくつかの実施形態では、nは約40~約100、例えば、約50~約95である。いくつかの実施形態では、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの特定の実施形態では、nは50、53、55、57、60、65、70、86、または95である。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、mは約100~約500であり、nは約10~約200、例えば、約40~100、または50~約95である。例えば、いくつかの実施形態では、mは約200~約450、例えば約205~約432であり、nは約10~約200、例えば、約40~100、または50~約95である。
いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは162~486(例えば、323)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは159~477(例えば、318)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは108~324(例えば、216)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは103~309(例えば、205)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは148~444(例えば、295)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは171~513(例えば、341)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは142~426(例えば、284)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは100~300(例えば、200)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは113~339(例えば、225)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは109~327(例えば、217)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは115~345(例えば、230)であり、nは28~84(例えば、55)である。
いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは43~129(例えば、86)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは27~81(例えば、53)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは29~87(例えば、57)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは28~84(例えば、55)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは30~90(例えば、60)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは33~99(例えば、65)である。いくつかの実施形態では、mは120~360(例えば、240)であり、nは28~84(例えば、55)である。
ジブロックポリマーのいくつかの実施形態では、mは205、216、314、352、409、または432であり、nは50、60、70、または95である。いくつかの実施形態では、mは205であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは50である。いくつかの実施形態では、mは216であり、nは70である。いくつかの実施形態では、mは314であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは352であり、nは60である。いくつかの実施形態では、mは409であり、nは95である。いくつかの実施形態では、mは432であり、nは60である。
ジブロックコポリマーのいくつかの実施形態では、m:nの比率は約1~約12である。例えば、いくつかの実施形態では、m:nの比率は約2~約8、例えば、約3.4~約7.2である。いくつかの実施形態では、m:nの比率は、約2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、9.5、9.6、8.7、8.8、8.9、9、またはそれ以上である。いくつかの特定の実施形態では、m:nの比率は、約2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の構造を有する:
Figure 2022553938000075
いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、以下の種から選択される構造を有する。各構造において、n及びmの示した値は、n及びmが、示した値の最大2倍下の値から、示した値の2倍上まで変化し得る、ジブロックコポリマーの不均質な混合物を示すことと理解されるべきである。
[PEO]323-[PPO]86-OH、
HOCHCH-[PEO]323-[PPO]86-O-n-ブチル、
[PEO]318-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]318-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]216-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]53-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]53-O-n-ブチル、
[PEO]295-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]295-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]341-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]341-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]284-[PPO]57-OH、
HOCHCH-[PEO]284-[PPO]57-O-n-ブチル、
[PEO]200-[PPO]55-OH、
HOCHCH-[PEO]200-[PPO]55-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]217-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]217-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]230-[PPO]65-OH、
HOCHCH-[PEO]230-[PPO]65-O-n-ブチル、
[PEO]240-[PPO]55-OH、
HOCHCH-[PEO]240-[PPO]55-O-n-ブチル、
[PEO]205-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]314-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]314-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]352-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]352-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]409-[PPO]95-OH、
HOCHCH-[PEO]409-[PPO]95-O-n-ブチル、
[PEO]432-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]432-[PPO]60-O-n-ブチル、
[PEO]216-[PPO]60-OH、
[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル、
HO-[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-OH、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-O-n-ブチル、
HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-OH、
Figure 2022553938000076
Figure 2022553938000077
を示す。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]205-[PPO]60-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)205(CO)60OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約12,500g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.1である。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]216-[PPO]60-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)216(CO)60OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約13,000g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.08である。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]314-[PPO]60-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)314(CO)60OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約17,300g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.13である。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]352-[PPO]60-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)352(CO)60OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約19,000g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.13である。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]409-[PPO]95-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)409(CO)95OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約23,500g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.17である。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、以下の構造を有するジブロックコポリマーが挙げられる:
[PEO]432-[PPO]60-OH。
このジブロックコポリマーは、およその化学式H(CO)432(CO)60OHを有する。このジブロックコポリマーのMnは、約22,500g/molである。このジブロックコポリマーの多分散指数は約1.11である。
本明細書に記載する、ジブロックコポリマーのエチレンオキシド含有量、及びプロピレンオキシド含有量は、Alexandridis and Hatton,Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects 96:1-46(1995)に開示されている方法を用いて測定することができ、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている。本明細書に記載するジブロックコポリマーは、例えば、Feng et al.Polymers 9:1-31,2017に記載の方法に従い合成することができ、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能なジブロックコポリマーとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-乳酸)PEG-PDLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(L-乳酸)PEG-PLLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(ε-カプロラクトン)PEG-PCL、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)PEG-PLGA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)PEG-PBLG、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(β-ベンジルL-アスパルテート)PEG-PBLA、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(α-ベンジルカルボキシレート-ε-カプロラクトン)PEG-PBCL、及び、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(δ-バレロラクトン)PEG-PVLが挙げられる。かかるジブロックコポリマーとしては、例えば、PEG5000-PCL5000、PEG2000-PCL1400、MPEG5000-PCL5000、MPEG5000-PCL13000、MPEG5000-PCL24000、PEG2000-PCL2000、MPEG5000-PCL2500、MPEG5000-PCL5000、MPEG5000-PCL8500、MPEG5000-PCL24700、MPEG2000-PCL1200、MPEG2000-PCL2700、MPEG5000-PCL3800、MPEG5000-PCL18000、PEG5000-PCL4000、PEG2000-PCL900、PEG1980-PCL1368、PEG1980-PCL2622、PEG1980-PCL17328、PEG2000-PCL2280、PEG5000-PCL5000、PEG5000-PCL24000、PEG5000-PCL5000、PEG5000-PCL24000、PEG5000-PCL4790、PEG5000-PCL10000、MPEG5333-PCL2638、MPEG5333-PCL4984、MPEG5333-PCL8034、MPEG5333-PCL9068、MPEG5000-PCL2166、MPEG2000-PCL1320、MPEG2000-PCL852、MPEG750-PCL464、MPEG750-PCL323、MPEG750-PCL197、MPEG-PCL、PEG5000-PDLLA4200、PEG5000-PDLLA45000、MPEG2000-PDLLA2000、MPEG2000-PDLLA1333、MPEG5000-PDLLA2143、PEG52000-PDLLA56000、PEG91000-PDLLA56000、PEG4100-PDLLA1200、PEG6000-PDLLA3000、PEG5700-PDLLA5400、PEG6100-PDLLA7800、PEG5000-PBCL4700、PEG5000-PBCL4470、PEG12000-PBLA5000、PEG12000-PBLA3000、PEG-PBLA、PEG12000-PBLA5000、MPEG2000-PVL1000、MPEG2000-PVL2000、MPEG5000-PVL2600、及びMPEG5000-PVL4900が挙げられる。これらのジブロックコポリマーは例えば、Hussein et al.Materials 11:1-26,2018に記載されており、その開示全体が本明細書において組み込まれている。
リンカー
本明細書に記載するジブロックコポリマーは、ポリマーのPEOサブユニットブロックとPPOサブユニットブロックとを接続するリンカーを任意選択的に含むことができる。ジブロックコポリマーのPEO及びPPO構成成分は、例えば、介在するリンカーなしで、互いに直接結合することができる。リンカーは、ペプチドリンカーまたは合成リンカーであることができる。
合成リンカー
様々なリンカーを使用して、PEO構成成分をPPO構成成分と共有結合させ、例えば、本明細書に記載するジブロックコポリマーを形成することができる。例示的なリンカーとしては、例えば、酵素加水分解、光分解、酸性条件下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核開裂、または有機金属開裂により切断可能なものが挙げられる(例えば、化学カップリングに好適なリンカーに関するためにその開示が参照により本明細書に組み込まれている、Leriche et al.,Bioorg.Med.Chem.,20:571-582,2012を参照されたい)。本明細書に記載するコンジュゲートの合成に有用なリンカーの例としては、求電子試薬、例えば、抗体、抗原結合断片、タンパク質、ペプチド、ならびに低分子(アミン及びチオール部分など)の中に存在する求核性置換基との反応に好適な、とりわけ、マイケルアクセプター(例えばマレイミド)、活性化エステル、電子不足カルボニル化合物、及びアルデヒドを含有するものが挙げられる。例えば、ジブロックコポリマーの合成に好適なリンカーとしては、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルリンカー、例えば、開鎖エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはデシル鎖、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロプロピル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、または、2つの反応性部分を含有する他のもの(例えば、とりわけ、PEOもしくはPPOポリマー内に存在する反応性求核性原子により置換可能なハロゲン原子、アルデヒド基、エステル基、塩化アシル基、アシル無水物基、トシル基、メシル基、もしくはブロシル基)、アリールもしくはヘテロアリールリンカー、例えば、PEOもしくはPPOポリマー内に存在する反応性求核性原子により置換可能な2つのハロメチル基を含有するベンジル、ナフチル、もしくはピリジル基が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なリンカーとしては、例えば、化学コンジュゲーションに関するためにその開示が、参照により本明細書に組み込まれている、Liu et al.,18:690-697,1979の中でもとりわけ、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-L-カルボキシレート(SMCC)、N-スクシンイミジルヨードアセテート(SIA)、スルホ-SMCC、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(MBS)、スルホ-MBS、及び、スクシンイミジルヨードアセテートが挙げられる。追加のリンカーとしては、化学コンジュゲーションのためのリンカーに関するためにその開示が、参照により本明細書に組み込まれている、Doronina et al.,Bioconjugate Chem.17:14-24,2006により記載されている、非切断型マレイミドカプロイルリンカーが挙げられる。
本明細書に記載するように、コポリマーのあるブロックが別のブロックに結合可能な追加のリンカーとしては、リンカーの一端で、1つのブロックのコポリマー(例えば、PEOまたはPPO)に共有結合し、リンカーの他端で、リンカーに存在する反応性置換基と、ジブロックコポリマーの他の構成成分(例えば、PEOまたはPPO)内に存在する反応性置換基とのカップリング反応から形成される、化学的部分を含有する、リンカーが挙げられる。リンカーを形成するために使用可能な、例示的な反応性置換基としてはセリン、トレオニン、及びチロシン残基のヒドロキシル部分;リジン残基のアミノ部分;アスパラギン酸及びグルタミン酸残基のカルボキシル部分;ならびに、システイン残基のチオール部分、加えて、非天然アミノ酸のプロパルギル、アジド、ハロアリール(例えばフルオロアリール)、ハロヘテロアリール(例えばフルオロヘテロアリール)、ハロアルキル、及び、ハロヘテロアルキル部分が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載するジブロックコポリマーと組み合わせるのに有用なリンカーとしては、下表2に記載するカップリング反応により形成した化学的部分を含有するリンカーが挙げられるが、これらに限定されない。曲線は、コンジュゲートの各構成成分への結合点を表す。

Figure 2022553938000078
Figure 2022553938000079
Figure 2022553938000080
Figure 2022553938000081
Figure 2022553938000082
ペプチドリンカー
上述の合成リンカーに加えて、PEOポリマーのPPOポリマーへの結合は、ペプチドリンカーにより実現可能である。例示的なペプチドリンカーとしては、1つ以上のグリシン残基を含有するものが挙げられる。かかるリンカーは、グリシンが様々なねじれ角に接近する能力によって、立体的に柔軟であることができる。例えば、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて有用なペプチドリンカーとしては、ポリグリシン、ポリセリン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。ペプチドリンカーの追加の例としては、1つ以上の極性アミノ酸、例えばセリントレオニンもまた含有するものが挙げられる。例えば、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて有用なリンカーとしては、グリシン及びセリンの1つ以上の反復を含有するものが挙げられる。追加のリンカーとしては、1つ以上のカチオン性またはアニオン性残基、例えばリジン、アルギニン、アスパルテート、またはグルタメート残基を含有するものが挙げられる。
PKC制御剤
様々な剤を使用して、PKC活性及び/または発現を低下することができる。メカニズムにより限定されるものではないが、かかる剤は、脱リン酸化状態にて、Aktシグナル伝達を刺激し、かつ/または、コフィリンを維持して、アクチンの解重合を促進することにより、ウイルス形質導入を補完することができる。このアクチン解重合事象は、ウイルスベクターの、標的細胞の核内への侵入を阻害する物理的障壁を取り除く役割を果たし得る。
スタウロスポリン及びそのバリアント
いくつかの実施形態では、PKCの活性及び/または発現を低下させる物質はPKC阻害剤である。PKC阻害剤は、スタウロスポリン、またはそのバリアントであってよい。例えば、PKC阻害剤は、式(I)で表される化合物
Figure 2022553938000083
[式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
及びRはそれぞれ独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、もしくは、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、もしくは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであるか、または、R及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、O、NR、またはSであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、または任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
Figure 2022553938000084
は、任意に存在する結合を表し、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表される化合物、またはその塩であってよい。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているWO1991/009034に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(II)
Figure 2022553938000085
[式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、オキソ、またはチオカルボニルであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、OまたはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(III)
Figure 2022553938000086
[式中、Rは、H、OH、オキソ、またはチオカルボニルであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
環Aは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環であり、
は、OまたはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(IV)
Figure 2022553938000087
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
環Bは、任意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環であり、
は、OまたはSであり、
Wは、O、NH、またはSであり、
各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(V)

Figure 2022553938000088
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、OまたはSであり、
Wは、O、NH、またはSであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
pは、0または1である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(VI)

Figure 2022553938000089
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
sは0~8の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(VII)

Figure 2022553938000090
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(VIII)
Figure 2022553938000091
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(IX)
Figure 2022553938000092
[式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(1)
Figure 2022553938000093
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、スタウロスポリン、即ち、式(2)により表される(2S,3R,4R,6R)-3-メトキシ-2-メチル-4-(メチルアミノ)-29-オキサ-1,7,17-トリアザオクタシクロ[12.12.2.12,6.07,28.08,13.015,19.020,27.021,26]ノナコサ-8,10,12,14,19,21,23,25,27-ノナエン-16-オン
Figure 2022553938000094
またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(X)
Figure 2022553938000095
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
tは0~6の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(XI)
Figure 2022553938000096
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XII)
Figure 2022553938000097
[式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(XIII)
Figure 2022553938000098
[式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
nは0~4の整数であり、
mは0~4の整数である。]
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(3)
Figure 2022553938000099
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、式(4)
Figure 2022553938000100
により表されるか、またはその塩である。
かかるスタウロスポリンバリアントのさらなる例は、

Figure 2022553938000101
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているWO1993/007153に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XIV)
Figure 2022553938000102
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XV)により表される化合物
Figure 2022553938000103
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、
Figure 2022553938000104
またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている米国特許第5,093,330号に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XVI)
Figure 2022553938000105
[式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
により表されるか、または、その塩、もしくは四級化バリアントである。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XVII)で表される化合物
Figure 2022553938000106
[式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
または、その塩、もしくは四級化バリアントである。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000107
Figure 2022553938000108
Figure 2022553938000109
Figure 2022553938000110
Figure 2022553938000111
Figure 2022553938000112
Figure 2022553938000113
から選択される化合物、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている米国特許第5,264,431号に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XVIII)
Figure 2022553938000114
[式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
は、
Figure 2022553938000115
であり、任意に、式中糖部分の構成がD-グルコース、D-ガラクトース、またはDーマンノースから誘導されており、
は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
は、HまたはC1-6アルキルであり、
は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XIX)で表される化合物
Figure 2022553938000116
[式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
は、
Figure 2022553938000117
であり;
は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
は、HまたはC1-6アルキルであり、
は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-ムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アジド-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-6-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-デメチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルホモムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α-O-ベンジル-4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α,4-O-ジアセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α,4,6-O-トリアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-アセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-トルオルスルホニル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-アジド-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、及びN-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、またはその塩から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている米国特許第5,461,146号に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XX)
Figure 2022553938000118
[式中、Zは、HまたはOHであり、
は、HまたはOHであり、
は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
は、Hまたはハロゲンであり、
Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれている米国特許第5,756,494号に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XXI)
Figure 2022553938000119
[式中、Zは、HまたはOHであり、
は、HまたはOHであり、
は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
は、Hまたはハロゲンであり、
Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているUS2005/0020570に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)、または(XXV)
Figure 2022553938000120
[式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において、9個以下のヘテロ原子、もしくは30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
各Qは独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Q’は独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各nは独立して0~4の整数であり、
各mは独立して0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(128)で表される化合物
Figure 2022553938000121
またはその塩である。本化合物は、K252aとしても知られている。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXVI)または(XXVII)で表される化合物
Figure 2022553938000122
[式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子、または30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Rは独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカ)であり、
各Rは独立して、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、カルボニル、カルボニルジオキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
各R10は独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
各nは独立して0~4の整数であり、
各mは独立して0~4の整数であり、
各n’は独立して0~4の整数であり、
各m’は独立して0~4の整数である。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているUS5,624,949号に記載されているスタウロスポリンバリアントである。かかるスタウロスポリンバリアントの例は、式(XXVIII)
Figure 2022553938000123
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
により表されるか、またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXIX)で表される化合物

Figure 2022553938000124
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXX)で表される化合物
Figure 2022553938000125
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、式(XXXI)で表される化合物

Figure 2022553938000126
[式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、PKC阻害剤は、

Figure 2022553938000127
Figure 2022553938000128
Figure 2022553938000129
Figure 2022553938000130
Figure 2022553938000131
から選択される化合物である。
いくつかの実施形態では、細胞を、例えば、開示全体が参照により本明細書に組み込まれているCaravatti et al.Bioorg.Medic.Chem.Letters 4:199-404,1994に記載のように、スタウプリミドと、さらに接触させる。
干渉RNA
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な、例示的なPKC調節剤としては、PKC遺伝子発現を低下させる、短鎖干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、及び/またはマイクロRNA(miRNA)などの、干渉RNA分子が挙げられる。干渉RNA分子の作製方法は当技術分野において既知であり、例えば、WO2004/044136及び米国特許第9,150,605号に詳細に記載されており、開示それぞれが、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。
HDAC阻害剤
ウイルス形質導入の間に導入遺伝子の発現を増加させるために、様々な剤を使用して、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができる。理論に束縛されるものではないが、ウイルスベクターからの導入遺伝子発現の低下は、ヒストン脱アセチル化により行われるベクターゲノムのエピジェネティックなサイレンシングにより引き起こされることができる。したがって、本明細書に記載の方法は、ウイルス形質導入を改善する、及び/または導入遺伝子発現を増加させるために、例えば、細胞をジブロックコポリマーと接触させる前に、それと同時に、またはその後で、細胞をHDAC阻害剤と接触させることをさらに含むことができる。ヒドロキサム酸は、これらの酵素の活性部位内でカチオン性亜鉛に結合する、ヒドロキサメートの官能性により、これらの酵素を阻害する、特にロバストな種のHDAC阻害剤を表す。例示的な阻害剤としては、トリコスタチンA、加えて、ボリノスタット(開示が本明細書に参照により組み込まれる、Marks et al.,Nature Biotechnology 25,84 to 90(2007);Stenger,Community Oncology 4,384-386(2007)に記載されているN-ヒドロキシ-N’-フェニル-オクタンジアミド)が挙げられる。他のHDAC阻害剤としては、開示が本明細書に参照により組み込まれるDrugs of the Future 32(4):315-322(2007)に記載されているパノビノスタットが挙げられる。
Figure 2022553938000132
パノビノスタット
ヒストン脱アセチル化酵素のヒドロキサム酸阻害剤のさらなる例としては、開示が本明細書に参照により組み込まれる、Bertrand,European Journal of Medicinal Chemistry 45:2095-2116(2010)に記載されている、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2022553938000133
トリコスタチンA
Figure 2022553938000134
SAHA
Figure 2022553938000135
ツバシン


Figure 2022553938000136
LAQ824
Figure 2022553938000137
スルホンアミド
Figure 2022553938000138
スクリプタイド
Figure 2022553938000139
CBHA
Figure 2022553938000140
オキサムフラチン
バルプロ酸(Gottlicher, et al.,EMBO J.20(24):6969-6978(2001)及びモセチノスタット(Balasubramanian et al.,Cancer Letters 280:211-221(2009)に記載されている、N-(2-アミノフェニル)-4-[[(4-ピリジン-3-イルピリミジン-2-イル)アミノ]メチル]ベンズアミド)を含む、ヒドロキサメート置換基を含有しない他のHDAC阻害剤もまた開発されており、それらの開示それぞれは、参照により本明細書に組み込まれている。ヒドロキサメートとは異なる化学的官能性を利用する他の低分子阻害剤としては、開示が本明細書に参照により組み込まれる、Bertrand,European Journal of Medicinal Chemistry 45:2095-2116(2010)に記載されているものが挙げられる。
Figure 2022553938000141
フェニル酪酸
Figure 2022553938000142
MS-275
Figure 2022553938000143
C1-994
Figure 2022553938000144
トリフルオロメチルケトン
Figure 2022553938000145
α-ケトアミド
本発明の組成物及び方法と共に有用な、ヒストンアセチル化の化学的モジュレーターのさらなる例としては、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、Sirt1、Sirt2、及び/またはHATのモジュレーター、例えば、ブチリルヒドロキサム酸、M344、LAQ824(ダシノスタット)、AR-42、ベリノスタット(PXD101)、CUDC-101、スクリプタイド、フェニルブチル酸ナトリウム、タスキニモド、キシノスタット(JNJ-26481585)、プラシノスタット(SB939)、CUDC-907、エンチノスタット(MS-275)、モセチノスタット(MGCD0103)、ツバスタチンA HCl、PCI-34051、ドロキシノスタット、PCI-24781(アベキシノスタット)、RGFP966、ロシリノスタット(ACY-1215)、CI994(タセジナリン)、ツバシン、RG2833(RGFP109)、レスミノスタット、ツバスタチンA、BRD73954、BG45、4SC-202、CAY10603、LMK-235、ネクスツラスタットA、TMP269、HPOB、カンビノール、及びアナカルド酸が挙げられる。
いくつかの特定の実施形態では、HDAC阻害剤はスクリプタイドである。
細胞を、ジブロックコポリマー、及びHDAC阻害剤と、同時に接触させることができる。あるいは、細胞を、HDAC阻害剤と接触させる前に、ジブロックコポリマーと接触させることができる。いくつかの実施形態では、細胞を、ジブロックコポリマーと接触させる前に、HDAC阻害剤と接触させる。
シクロスポリン
いくつかの実施形態では、細胞は、ウイルス形質導入の間に、シクロスポリンA(CsA)またはシクロスポリンH(CsH)などのシクロスポリンとさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー、及びシクロスポリンと、同時に接触することができる。あるいは、細胞は、シクロスポリンと接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、シクロスポリンと接触する。
いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsHである。
いくつかの実施形態では、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約1μM~約10μM(例えば、約1μM、1.1μM、1.2μM、1.3μM、1.4μM、1.5μM、1.6μM、1.7μM、1.8μM、1.9μM、2μM、2.1μM、2.2μM、2.3μM、2.4μM、2.5μM、2.6μM,2.7μM、2.8μM、2.9μM、3μM、3.1μM、3.2μM、3.3μM、3.4μM、3.5μM、3.6μM、3.7μM、3.8μM、3.9μM、4μM、4.1μM、4.2μM、4.3μM、4.4μM、4.5μM、4.6μM、4.7μM、4.8μM、4.9μM、5μM、5.1μM、5.2μM、5.3μM、5.4μM、5.5μM、5.6μM、5.7μM、5.8μM、5.9μM、6μM、6.1μM、6.2μM、6.3μM、6.4μM、6.5μM、6.6μM、6.7μM、6.8μM、6.9μM、7μM、7.1μM、7.2μM、7.3μM、7.4μM、7.5μM、7.6μM、7.7μM、7.8μM、7.9μM、8μM、8.1μM、8.2μM、8.3μM、8.4μM、8.5μM、8.6μM、8.7μM、8.8μM、8.9μM、9μM、9.1μM、9.2μM、9.3μM、9.4μM、9.5μM、9.6μM、9.7μM、9.8μM、9.9μM、または10μM)である。いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsAであり、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約6μMである。いくつかの実施形態では、シクロスポリンはCsHであり、シクロスポリンの濃度は、細胞と接触したときに、約8μMである。
プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子
いくつかの実施形態では、細胞は、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子とさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー、及びプロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と、同時に接触することができる。あるいは、細胞は、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子と接触する。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、WO2007/112084またはWO2010/108028に記載されている化合物などの低分子であり、これらそれぞれの開示は、それらがプロスタグランジンE受容体シグナル伝達活性化因子に関係するため、参照により本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、有機低分子、プロスタグランジン、Wnt経路アゴニスト、cAMP/PI3K/AKT経路アゴニスト、Ca2+セカンドメッセンジャー経路アゴニスト、一酸化窒素(NO)/アンギオテンシンシグナル伝達アゴニストなどの低分子、または、メベベリン、フルランドレノリド、アテノロール、ピンドロール、ガボキサドール、キヌレン酸、ヒドララジン、チアベンダゾール、ビククリン、ベサミコール、ペルボシド、イミプラミン、クロルプロパミド、1,5-ペンタメチレンテトラゾール、4-アミノピリジン、ジアゾキシド、ベンフォチアミン、12-メトキシドデセン酸、N-ホルミル-Met-Leu-Phe、ガラミン、IAA94、クロロトリアニセン、及び/もしくはこれら化合物のいずれかの誘導体から選択される化合物などの、プロスタグランジンシグナル伝達経路を刺激することが知られている別の化合物である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジンE受容体に結合し、及び/または、これと相互作用し、典型的には、プロスタグランジンE受容体と関連する下流シグナル伝達経路の1つ以上を活性化する、または増加させる、自然に存在する、または、合成化学分子またはポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジン(PG)A2(PGA2)、PGB2、PGD2、PGE1(アルプロスタジル)、PGE2、PGF2、PGI2(エポプロステノール)、PGH2、PGJ2、ならびに、これらの誘導体及び類似体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子はPGE2である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、15d-PGJ2、デルタI2-PGJ2、2-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(HHT)、トロンボキサン(TXA2及びTXB2)、PGI2類似体(例えば、イロプロスト及びトレプロスチニル)、PGF2類似体(例えば、トラボプロスト、カルボプロストトロメタミン、タフルプロスト、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストンイソプロピル、クロプロステノール、オエストロファン、及びスーパーファン)、PGE1類似体(例えば、11-デオキシPGE1、ミソプロストール、及びブタプロスト)、ならびに、Coreyアルコール-A([3aa,4a,5,6aa]-(-)-[ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-2H-シクロペンタ/b/フラン-5-イル][1,1’-ビフェニル]-4-カルボキシレート)、Coreyアルコール-B(2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン,5-(ベンゾイルオキシ)ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)[3aR-(3aa,4a,5,6aa)])、及び、Coreyジオール((3aR,4S,5R,6aS)-ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン)である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、プロスタグランジンE2(PGE2)などのプロスタグランジンE受容体リガンド、または、その類似体もしくは誘導体である。プロスタグランジンは一般に、本明細書に記載し、当該技術分野において公知のとおり、5-炭素環を含む、20個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導される、ホルモン様分子を指す。PGE2「類似体」または「誘導体」の実例としては、16,16-ジメチルPGE2、16-16ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、II-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、9-ケトフルプロステノール、5-trans PGE2、17-フェニル-オメガ-トリノールPGE2、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノールPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、15(R)-15-メチルPGE2、8-イソ-15-ケトPGE2、8-イソPGE2イソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE2、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、及び、19(R)ヒドロキシPGE2が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、9位がハロゲンで置換されたPGE2に類似の構造を有するプロスタグランジン類似体または誘導体(例えば、全体が本明細書に参照により組み込まれるWO2001/12596を参照されたい)、加えて、全体が本明細書に参照により組み込まれる、US2006/0247214に記載されているものなどの、2-デカルボキシ-2-ホスフィニコプロスタグランジン誘導体である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、非PGE2ベースのリガンドである。いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、CAY10399、ONO_8815Ly、ONO-AE1-259、またはCP-533,536である。非PGE2ベースのEP2アゴニストのさらなる例としては、かかる剤の開示に関して本明細書に参照により組み込まれるWO2007/071456に開示されている、カルバゾール及びフルオレンが挙げられる。非PGE2ベースのEPアゴニストの実例としては、AE5-599、MB28767、GR 63799X、ONO-NT012、及びONO-AE-248が挙げられるが、これらに限定されない。非PGEベースのEPアゴニストの実例としては、ONO-4819、APS-999 Na、AH23848、及びONO-AE1-329が挙げられるが、これらに限定されない。非PGE2ベースのEP4アゴニストのさらなる例は、それぞれが、かかるアゴニストの開示について参照により組み込まれている、WO2000/038663;米国特許第6,747,037号;及び同第6,610,719号に見出すことができる。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、Wntアゴニストである。Wntアゴニストの実例としては、Wntポリペプチド、及びグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する化合物として使用するのに好適なWntポリペプチドの実例としては、Wnt1、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これらに限定されない。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する剤として使用するのに好適なGSK3阻害剤は、GSK3aまたはGSK3に結合し、GSK3aまたはGSK3の活性を低下させる。GSK3阻害剤の実例としては、米国特許第6,057,117号及び同第6,608,063号、加えて、US2004/0092535及びUS2004/0209878に例示されているような、BIO(6-ブロモインジルビン-3-オキシム)、LiCl、LiCO、または他のGSK-3阻害剤、ならびに、ATP競合・選択性のGSK-3阻害剤であるCHIR-911及びCHlR-837(それぞれ、CT-99021/CHIR-99021及びCT-98023/CHIR-98023とも呼ばれる)(Chiron Corporation(Emeryville,CA))が挙げられるが、これらに限定されない。CHIR-98023の構造は、
Figure 2022553938000146
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、方法は、細胞をGSK3阻害剤と接触させることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、GSK3阻害剤はCHIR-99021である。
いくつかの実施形態では、GSK3阻害剤はLiCOである。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、ジブチリルcAMP(DBcAMP)、ホルボールエステル、フォルスコリン、スクラレリン、8-ブロモ-cAMP、コレラ毒素(CTx)、アミノフィリン、2,4-ジニトロフェノール(DNP)、ノルエピネフィリン、エピネフィリン、イソプロテレノール、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)、カフェイン、テオフィリン(ジメチルキサンチン)、ドーパミン、ロリプラム、イロプロスト、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)、及び血管作動性腸ポリペプチド(VIP)、ならびにこれらの剤の誘導体からなる群から選択される剤などの、cAMP/P13K/AKTセカンドメッセンジャー経路を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、Bapta-AM、フェンジリン、ニカルジピンからなる群から選択される剤、及びこれらの剤の誘導体などの、Ca2+セカンドメッセンジャー経路を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子は、L-Arg、ニトロプルシドナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ブラジキニン、及びこれらの誘導体からなる群から選択される剤などの、NO/アンギオテンシンシグナル伝達を通してシグナル伝達を増加させる剤である。
ポリカチオン性ポリマー
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、細胞が、ポリカチオン性ポリマーとさらに接触する。細胞は、ジブロックコポリマー及びポリカチオン性ポリマーと同時に接触することができる。あるいは、細胞は、ポリカチオン性ポリマーと接触する前に、ジブロックコポリマーと接触することができる。いくつかの実施形態では、細胞は、ジブロックコポリマーと接触する前に、ポリカチオン性ポリマーと接触する。
いくつかの実施形態では、ポリカチオン性ポリマーは、ポリブレン、硫酸プロタミン、ポリエチレンイミン、または、ポリエチレングリコール/ポリ-L-リジンブロックコポリマーである。
いくつかの実施形態では、ポリカチオン性ポリマーは硫酸プロタミンである。
いくつかの実施形態では、細胞は、形質導入操作の間に、膨張剤とさらに接触する。細胞は例えば、多能性造血幹細胞であってよく、膨張剤は、当該技術分野において公知の、または本明細書に記載する、多能性造血幹細胞膨張剤などの、多能性造血幹細胞膨張剤であってよい。
追加の形質導入向上剤
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、形質導入操作の間に、細胞は、mTorシグナル伝達を阻害する剤とさらに接触する。mTorシグナル伝達を阻害する剤は例えば、mTorシグナル伝達の他の抑制因子の中でもとりわけ、ラパマイシンであってよい。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、形質導入操作の間に、細胞は、例えば、ジブロックコポリマーに加えて、形質導入を向上させる剤とさらに接触する。追加の形質導入エンハンサーとしては、例えば、タクロリムス及びベクターフシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の形質導入向上剤はタクロリムスである。いくつかの実施形態では、追加の形質導入向上剤はベクターフシンである。
スピノキュレーション
本開示のいくつかの実施形態では、形質導入に対して標的化された細胞は、(例えば、本明細書に記載する1つ以上の追加の剤と組み合わせて)ウイルスベクターにより培養しながら、例えば遠心分離によりスピンすることができる。この「スピノキュレーション」プロセスは、例えば、約200xg~約2,000xgの求心力と共に生じ得る。求心力は例えば、約300xg~約1,200xg(例えば、約300xg、400xg、500xg、600xg、700xg、800xg、900xg、1,000xg、1,100xg、もしくは1,200xg、またはそれ以上)であってよい。いくつかの実施形態では、細胞は、約10分~約3時間(例えば、約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分、120分、125分、130分、135分、140分、145分、150分、155分、160分、165分、170分、175分、180分、またはそれ以上)の間スピンされる。いくつかの実施形態では、細胞は室温で、例えば、約25℃の温度でスピンされる。
スピノキュレーション工程を伴う例示的な形質導入手順は、例えば、Millington et al.,PLoS One 4:e6461(2009);Guo et al.,Journal of Virology 85:9824-9833(2011);O’Doherty et al.,Journal of Virology 74:10074-10080(2000);及び、Federico et al.,Lentiviral Vectors and Exosomes as Gene and Protein Delivery Tools,Methods in Molecular Biology 1448,Chapter 4(2016)に記載されており、開示それぞれが、本明細書に参照により組み込まれる。
標的細胞
本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能な細胞としては、さらなる分化を受けることが可能な細胞が挙げられる。例えば、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能な細胞の一種は、多能性細胞である。多能性細胞は、2つ以上の分化細胞に発達する能力を有する細胞である。多能性細胞の例は、ESC、iPSC、及びCD34+細胞である。ESC及びiPSCは、皮膚及び神経系を生じさせる外胚葉、胃腸及び気道、内分泌腺、肝臓、ならびに膵臓を形成する内胚葉、ならびに、骨、軟骨、筋肉、結合組織、及び、循環系の大部分を形成する中胚葉の細胞に分化する能力を有する。
本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能な細胞としては、多能性造血幹細胞及び造血前駆細胞が挙げられる。造血幹細胞(HSC)は、自己複製し、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、栓球(例えば、巨核芽球、血小板産生巨核球、血小板)、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、溶骨細胞、ならびにリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞、及びT細胞)を含むがこれらに限定されない多様なリネージを含む、成熟血液細胞に分化する能力を有する、未成熟の血液細胞である。ヒトHSCは、CD34+である。加えて、HSCは、長期再増殖HSC(LT-HSC)及び短期再増殖HSC(ST-HSC)を意味する。これらのHSCのいずれかを、本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用することができる。
HSC及び他の多能性前駆細胞を、血液製剤から入手することができる。血液製剤とは、身体、または、造血起源の細胞を含有する身体の器官から入手される生成物である。かかる源としては、非分画性の骨髄、臍帯、胎盤、末梢血、または、動員末梢血が挙げられる。前述の粗、または非分画性の血液製剤は全て、様々な方法で、HSCまたは骨髄前駆細胞の特徴を有する細胞に対して濃縮することができる。例えば、成熟すればするほど、分化細胞は、それらが発現する細胞表面の分子に基づいて、選択されることができる。血液製剤は、多能性造血幹細胞ニッシェにホーミングし、増殖性の、かつ維持された造血形成を再確立する際に移植レシピエントに再導入可能な、自己複製可能で多能性を有する多能性造血幹細胞のサブ集団を含み、CD34+細胞に対して正に選択することにより分画することができる。かかる選択は例えば、市販されている磁気性の抗CD34ビーズ(Dynal,Lake Success,NY)を用いて達成される。骨髄前駆細胞は、それらが発現するマーカーに基づいて単離することも可能である。非分画性の血液製剤は、ドナーから直接入手することができるか、または、冷凍保存庫から回収することができる。HSC及び骨髄前駆細胞は、ES細胞、iPS細胞、または、他のリプログラミングした成熟細胞種の分化によってもまた、入手することができる。
本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能な細胞としては、同種異系細胞及び自己由来細胞が挙げられる。同種異系細胞を用いる場合、細胞は任意に、細胞処理を受ける対象と、HLA一致してよい。
本明細書に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用可能な細胞としては、CD34+/CD90+細胞、及び、CD34+/CD164+細胞が挙げられる。これらの細胞は、より高いパーセンテージのHSCを含有する場合がある。これらの細胞は、Radtke et al.Sci.Transl.Med.9:1-10,2017、及びPellin et al.Nat.Comm.1-:2395,2019に記載されており、これらそれぞれの開示全体が参照により本明細書に組み込まれている。
導入遺伝子発現のためのウイルスベクター
ウイルスゲノムは、外来性遺伝子の、哺乳動物細胞への効率的な送達に使用可能な、ベクターの豊富な源を提供する。ウイルスゲノムは、かかるゲノム内に含まれるポリヌクレオチドが、通常、普遍形質導入または特殊形質導入によって哺乳動物細胞の核ゲノムに組み込まれるため、遺伝子送達のための特に有用なベクターである。これらのプロセスは、天然のウイルス複製サイクルの一部として発生し、遺伝子の組み込みを誘導するためにタンパク質や試薬を追加する必要がない。ウイルスベクターの例としては、レトロウイルス(例えば、レトロウイルス科ウイルスベクター)、アデノウイルス(例えば、Ad5、Ad26、Ad34、Ad35、及びAd48)、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例えば、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹及びセンダイ)、プラス鎖RNAウイルス、例えば、ピコルナウイルス及びアルファウイルス、ならびにアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型、エプスタイン-バーウイルス、サイトメガロウイルス)、及びポックスウイルス(例えば、ワクシニア、変異ワクシニアアンカラ(MVA)、鶏痘及びカナリア痘)を含む二本鎖DNAウイルスがある。他のウイルスとして、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポーバウイルス、ヘパドナウイルス、ヒトパピローマウイルス、ヒト泡沫状ウイルス、及び肝炎ウイルスが挙げられる。レトロウイルスの例としては、トリ白血病肉腫、トリC型ウイルス、哺乳動物C型、B型ウイルス、D型ウイルス、オンコレトロウイルス、HTLV-BLV群、レンチウイルス、アルファレトロウイルス、ガンマレトロウイルス、スプーマウイルスがある(Coffin,J.M.,Retroviridae:The viruses and their replication,Virology,Third Edition(Lippincott-Raven,Philadelphia,1996))。他の例としては、マウス白血病ウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス乳腺腫瘍ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒヒ内在性ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、マソン-ファイザーサルウイルス、サル免疫不全ウイルス、サル肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス及びレンチウイルスがある。ベクターの他の例は例えば、McVey et al.,(US 5,801,030)に記載されており、その教示が参照により本明細書に組み込まれている。
レトロウイルスベクター
本明細書に記載する方法及び組成物で使用する送達ベクターは、レトロウイルスベクターであってよい。本明細書に記載する方法及び組成物で使用可能なレトロウイルスベクターの一種は、レンチウイルスベクターである。レトロウイルスのサブセットであるレンチウイルスベクター(LV)は、広範囲の分裂及び未分裂細胞型に高効率で形質導入し、安定した、長期間の導入遺伝子の発現を付与する。LVをパッケージングし、形質導入するための最適化方法の概要は、Delenda, The Journal of Gene Medicine 6: S125 (2004)に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
レンチウイルスベースの遺伝子導入技術の使用は、対象の導入遺伝子が収容される、高度に除去されたウイルスゲノムを保持する組み換えレンチウイルス粒子の、インビトロ生成に依存する。具体的には、組み換えレンチウイルスは、(1)パッケージング構築物、即ち、Revと共にGag-Pol前駆体を発現する(あるいは、トランスで発現される)ベクター;(2)一般には異種性質のエンベロープ受容体を発現するベクター;ならびに、(3)全てのオープンリーディングフレームを取り除いたウイルスcDNAで構成されるが、配列が発現され挿入される複製、被包化、及び発現のために必要な配列を維持する、転写ベクターの許容細胞株におけるトランス同時発現により、回収される。
本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、5’-長末端反復(LTR)、HIVシグナル配列、HIV Psiシグナル5’-スプライス部位(SD)、デルタ-GAGエレメント、Rev応答エレメント(RRE)、3’-スプライス部位(SA)、伸長エレメント(EF)1-アルファプロモーター、及び、3’-自己不活性化LTR(SIN-LTR)の1つ以上を挙げることができる。レンチウイルスベクターは任意に、その開示が、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント(WPRE)に関するために参照により本明細書に組み込まれている、US6,136,597に記載されているような、中央ポリプリン帯(cPPT)、及び、WPREを含む。レンチウイルスベクターは、例えば以下に示すようなものを含み得る、pHR’主鎖をさらに含むことができる。
Lu et al.,Journal of Gene Medicine 6:963(2004)に記載されているようなLentigen LVを使用して、DNA分子を発現する、かつ/または、細胞を形質導入することができる。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、5’-長末端反復(LTR)、HIVシグナル配列、HIV Psiシグナル5’-スプライス部位(SD)、デルタ-GAGエレメント、Rev応答エレメント(RRE)、3’-スプライス部位(SA)、伸長エレメント(EF)1-アルファプロモーター、及び、3’-自己不活性化LTR(SIN-LTR)を挙げることができる。任意に、これらの領域の1つ以上が、同様の機能を発揮する別の領域で置換されることが、当業者には速やかに明らかとなろう。
エンハンサーエレメントを使用して、修飾DNA分子の発現を増加させるか、または、レンチウイルス組み込みの効率を増加させることができる。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、nef配列を挙げることができる。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、ベクターの組み込みを向上させる、cPPT配列を挙げることができる。cPPTは、(+)-鎖DNA合成の第2の起点として作用し、その内在性HIVゲノムの中心にて、部分的な鎖の重なり合いを導入する。転写ベクター骨格への、cPPT配列の導入により、核輸送、及び、標的細胞のDNAに組み込まれるゲノムの総量が著しく増加した。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、ウッドチャック転写後制御エレメント(WPRE)を挙げることができる。WPREは、転写レベルで作用し、転写産物の核外輸送を促進することによって、及び/または新生の転写産物のポリアデニル化の効率を高めることによって、細胞内のmRNAの総量を増加させる。LVへのWPREの付加は、インビトロ及びインビボの両方で、いくつかの異なるプロモーターからの導入遺伝子発現のレベルの実質的な改善をもたらす。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するLVとしては、cPPT配列及びWPRE配列の両方を挙げることができる。ベクターとしては、単一のプロモーターから複数のポリペプチドの発現を可能にする、IRES配列もまた挙げることができる。
IRES配列に加えて、複数のポリペプチドの発現を可能にする他のエレメントが有用である。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するベクターとしては、2つ以上のポリペプチドの発現を可能にする複数のプロモーターを挙げることができる。本明細書に記載する方法及び組成物で使用するベクターとしては、2つ以上のポリペプチドの発現を可能にするタンパク質切断部位を挙げることができる。2つ以上のポリペプチドの発現を可能にするタンパク質切断部位の例は、Klump et al.,Gene Ther.;8:811(2001),Osborn et al.,Molecular Therapy 12:569(2005),Szymczak and Vignali,Expert Opin Biol Ther.5:627(2005),及びSzymczak et al.,Nat Biotechnol.22:589(2004)に記載されており、これらの開示が、2つ以上のポリペプチドの発現を可能にするタンパク質切断部位に関するため、本明細書に参照により組み込まれている。将来的に同定される複数のポリペプチドの発現を可能にする他のエレメントが有用であり、本明細書に記載する組成物及び方法と共に使用するのに好適なベクター内で利用可能であることが、当業者には速やかに明らかとなろう。
本明細書に記載する方法及び組成物で使用するベクターは、臨床グレードのベクターであってよい。
治療の方法
本開示の組成物及び方法を使用して治療可能な例示的な疾患
本開示の組成物及び方法を用いて標的細胞に導入可能であり、最終的に、患者に(例えば、標的細胞の患者への投与により)送達可能な導入遺伝子としては、治療用タンパク質をコードするものが挙げられる。導入遺伝子のレシピエント(例えば、導入遺伝子を発現するために形質導入した細胞のレシピエント)は、コードされたタンパク質における欠損を特徴とする疾患に苦しむ場合がある。例えば、本開示の組成物及び方法に従い、標的細胞内で発現し、患者に送達可能な導入遺伝子としては、βグロビンをコードする導入遺伝子が挙げられ、これは特に、βセラセミアを有する患者の治療に有用である。ヒトβグロビンcDNA及びタンパク質の例示的な核酸及びアミノ酸配列を、以下に示す。
例示的な野生型ヒトβグロビンcDNA配列:
ATGGTGCATCTGACCCCGGAAGAAAAAAGCGCGGTGACCGCGCTGTGGGGCAAAGTGAACGTGGATGAAGTGGGCGGCGAAGCGCTGGGCCGCCTGCTGGTGGTGTATCCGTGGACCCAGCGCTTTTTTGAAAGCTTTGGCGATCTGAGCACCCCGGATGCGGTGATGGGCAACCCGAAAGTGAAAGCGCATGGCAAAAAAGTGCTGGGCGCGTTTAGCGATGGCCTGGCGCATCTGGATAACCTGAAAGGCACCTTTGCGACCCTGAGCGAACTGCATTGCGATAAACTGCATGTGGATCCGGAAAACTTTCGCCTGCTGGGCAACGTGCTGGTGTGCGTGCTGGCGCATCATTTTGGCAAAGAATTTACCCCGCCGGTGCAGGCGGCGTATCAGAAAGTGGTGGCGGGCGTGGCGAACGCGCTGGCGCATAAATATCAT
(配列番号1)

例示的な野生型ヒトβグロビンアミノ酸配列:
MVHLTPEEKSAVTALWGKVNVDEVGGEALGRLLVVYPWTQRFFESFGDLSTPDAVMGNPKVKAHGKKVLGAFSDGLAHLDNLKGTFATLSELHCDKLHVDPENFRLLGNVLVCVLAHHFGKEFTPPVQAAYQKVVAGVANALAHKYH(配列番号2)

本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な導入遺伝子のさらなる例としては、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、成長ホルモン放出因子(GRF)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、プロラクチン、メラトニン、バソプレッシン、β-エンドルフィン、met-エンケファリン、leu-エンケファリン、プロラクチン放出因子、プロラクチン阻害因子、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、絨毛性ゴナドトロピン(CG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン、アンギオスタチン、エンドスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、bFGF2、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様成長因子I及びII(IGF-I及びIGF-II)、TGFβ、アクチビン、インヒビン、または骨形成タンパク質(BMF)BMP1 15のいずれかを含むトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)のいずれか、増殖因子のヘレグリン/ニューレグリン/ARIA/neu分化因子(NDF)ファミリーのいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来の神経栄養因子(BNDF)、ニューロトロフィンNT-3、NT-4/5、及びNT-6、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来の神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、ペルセフィン、アグリン、セマフォリン/コラプシンのファミリーのいずれか1つ、ネトリン-1及びネトリン-2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニックヘッジホッグ、ならびにチロシンヒドロキシラーゼを含むがこれらに限定されない、ホルモン及び増殖及び分化因子が挙げられる。
本開示の組成物及び方法と組み合わせて使用可能な導入遺伝子のさらなる例としては、トロンボポエチン(TPO)、インターロイキン(IL)IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、及びIL-17、単核細胞化学遊走因子タンパク質(MCP-1)、白血病抑制因子(LIF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、単核細胞コロニー刺激因子(M-CSF)、Fasリガンド、腫瘍壊死因子α及びβ(TNFα及びTNFβ)、インターフェロン(IFN)IFN-α、IFN-β、及びIFN-γ、幹細胞因子、flk-2/flt3リガンドなどの、サイトカイン及びリンホカインを含むがこれらに限定されない、免疫系を調節するタンパク質をコードするものが挙げられる。免疫系により産生されるタンパク質生成物をコードする導入遺伝子もまた、本開示により包含される。これらとしては、免疫グロブリンIgG、IgM、IgA、IgD、及びIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、一本鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体、一本鎖T細胞受容体、クラスI及びクラスII MHC分子、加えて、一本鎖MHC分子を含む遺伝子組み換えMHC分子が挙げられるが、これらに限定されない。有用な遺伝子産物としては、膜補助因子タンパク質(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CR1、CR2、及びCD59などの補体制御タンパク質もさらに挙げられる。
好適な導入遺伝子のさらなる例としては、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、リンホカイン、制御タンパク質、及び免疫系タンパク質に対する受容体のいずれか1つをコードするものが挙げられる。かかる受容体の例としては、とりわけ、flt-1、flk-1、TIE-2;TrkA、MuSK、Eph、PDGF受容体、EGF受容体、HER2、インスリン受容体、IGF-1受容体などの受容体のtrkファミリー、受容体のFGFファミリー、TGFβ受容体、インターロイキン受容体、インターフェロン受容体、セロトニン受容体、αアドレナリン作動性受容体、βアドレナリン作動性受容体、GDNF受容体、p75ニューロトロフィン受容体が挙げられる。さらなる例は、インテグリンなどの、細胞外マトリックスタンパク質をコードする導入遺伝子、細胞間接着分子(ICAM-1、ICAM-2、ICAM-3、及びICAM-4)などの、膜貫通結合タンパク質用のカウンター受容体、血管接着分子(VCAM)、ならびに、セレクチン、即ちE-セレクチン、P-セレクチン、及びL-セレクチンである。本発明は、LDL受容体、HDL受容体、VLDL受容体、及びスカベンジャ受容体を含む、コレステロール制御のための受容体を包含する。さらなる例は、ApoAI、ApoAIV、及びApoEを含む、これらの受容体に対するアポリポタンパク質リガンドをコードする導入遺伝子である。さらなる導入遺伝子としては、ディフェンシン及びマジニンなどの抗菌ペプチド;jun、fos、max、mad、血清応答因子(SRF)、AP-1、AP-2、myb、MRG1、CREM、Alx4、FREAC1、NF-κBなどの転写因子;ロイシンジッパーファミリーのファミリー;Zif268、EGR1、EGR2を含むCジンクフィンガータンパク質;グルココルチコイド及びエストロゲン受容体を含むC6ジンクフィンガータンパク質;Pit1により例示されるPOUドメインタンパク質;HOX-1を含むホメオドメインタンパク質;myc、MyoD、及びマイオジェニンを含む塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックスタンパク質;ETSボックス含有タンパク質;TFE3;E2F;ATF1;ATF2;ATF3;ATF4;ZF5;NFAT;CREB;HNF-4;C/EBP;SP1;CCAATボックス結合タンパク質;インターフェロン制御因子1(IRF-1);ウィルムス腫瘍タンパク質;ETS結合タンパク質;STAT;GATAボックス結合タンパク質、例えばGATA-3;及び、ウィングドヘリックスタンパク質のフォークヘッドファミリーをコードするものが挙げられる。
他の有用な導入遺伝子としては、カルバモイルシンセターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノスクシネートシンセターゼ、アルギノスクシネートリアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセトアセテートヒドロラーゼ、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、α-1アンチトリプシン、グルコース-6-ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XII因子、第XI因子、フォンヴィレブランド因子、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ及びレダクターゼ、ヘムオキシゲナーゼ、アンギオテンシン転換酵素、エンドセリン-1、心房性ナトリウム利尿ペプチド、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼ、プラスミノゲン活性化因子、ヘパリン副因子II、活性化プロテインC(第V因子Leiden)、プロテインC、抗トロンビン、シスタチオニンβ-シンターゼ、分岐鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリル-CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インスリン、βグルコシダーゼ、ピルベートカルボキシラーゼ、肝臓ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ(P-タンパク質とも呼ばれる)、H-タンパク質、T-タンパク質、メンケス病タンパク質、がん抑制因子(例えばp53)、嚢胞性線維症膜貫通制御因子(CFTR)、ウィルソン病遺伝子PWDの生成物、Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、アセチルコリンシンセターゼ、プロホルモンコンベルターゼ、プロテアーゼ阻害剤、ラクターゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシン及びペプシンを含む胃腸酵素、アデノシンデアミナーゼ、α1アンチトリプシン、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、GLUT-1、GLUT-2、トレハロースホスフェートシンターゼ、ヘキソキナーゼI、II、及びIII、グルコキナーゼ、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、及びテネイシンの個別鎖または種のいずれか1つ以上、ならびに、チミジンキナーゼ及びシトシンデアミナーゼなどの自殺遺伝子をコードするものが挙げられる。他の有用なタンパク質としては、酸β-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼa、α-1-イズロニダーゼ、イズロエートスルファターゼ、リソソーム酸α-グルコシダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、ヘキソサミニダーゼA、ヘキソミミダーゼA及びB、アリールスルファターゼA、酸リパーゼ、酸セラミダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、α-フコシダーゼ、α-、β-マンオシドシス、アスパルチルグリコサミダーゼ、ネウラミダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、ヘパラン-N-スルファターゼ、N-アセチル-α-グルコサミニダーゼ、アセチル-CoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、N-アセチルグルコサミン-6-サルフェートスルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-サルフェートスルファターゼ、アリールスルファターゼB、β-グルクロニダーゼ、ならびに、ヘキソサミニダーゼA及びBを含む、リソソーム蓄積症に関与するものが挙げられる。
他の有用な導入遺伝子としては、挿入、欠失、またはアミノ酸置換を含有する非天然アミノ酸配列を有する、1つ以上のキメラまたはハイブリッドポリペプチドなどの、自然に存在しないポリペプチドをコードするものが挙げられる。例えば、一本鎖の遺伝子組み換え免疫グロブリンは、特定の免疫無防備化患者において有用であり得る。他の有用なタンパク質としては、膜貫通及び細胞質ドメインを欠いている切頭受容体が挙げられる。これらの切頭受容体を使用して、受容体による付随するシグナル伝達を伴うことなく結合することにより、対応するリガンドの機能を拮抗させることができる。自然に存在しない他の種類の遺伝子配列としては、遺伝子の発現を調節するために使用可能なリボザイムなどの、センス及びアンチセンス分子、ならびに触媒核酸が挙げられる。
標的細胞にて発現可能であり、その後、コードした生成物の欠損または機能障害を特徴とする疾患の処理のために患者に投与可能な、例示的な導入遺伝子としては、下表3に記載するタンパク質生成物をコードするものが挙げられる。
Figure 2022553938000147

Figure 2022553938000148
Figure 2022553938000149
Figure 2022553938000150
Figure 2022553938000151
Figure 2022553938000152
Figure 2022553938000153
ドナー細胞の選択
いくつかの実施形態では、治療を受ける対象は、患者に再投与される前に、本開示の1つ以上の治療用タンパク質を発現するようにその後修飾された細胞(例えば、CD34+HSCまたはHPCなどの多能性細胞)を提供するドナーである。かかる場合において、引き出された細胞(例えば、CD34+HSCまたはHPC)を例えば、本開示の1つ以上の治療用タンパク質をコードする導入遺伝子の組み込み、及び/または、有害な変異を有する対立遺伝子バリアントの破壊の後で対象に再度注入してよく、これにより、細胞がその後、造血組織にホーミングし、増殖性の造血を確立し、これにより、患者内での導入遺伝子の発現が回復される。治療を受ける細胞が細胞ドナーとしての役割も果たす場合において、移植した細胞(例えばHSCまたはHPC)は、移植片拒絶を受ける可能性が低い。このことは、注入した細胞が患者に由来し、患者により発現されるのと同じHLAクラスI及びクラスII抗原を発現するという事実に由来する。あるいは、対象及びドナーは異なってよい。いくつかの実施形態では、対象及びドナーは関連し、例えば、HLA一致してよい。本明細書に記載されるように、移植レシピエント内の内因性T細胞及びNK細胞が、入ってくる造血細胞または前駆細胞移植片を異物と認識する可能性が低く、故に、移植組織に対して免疫応答をマウントする可能性が低いため、HLA一致したドナーとレシピエントのペアは、移植片拒絶のリスクが低下する。例示的なHLA一致したドナーとレシピエントのペアは、家族でのドナーとレシピエントのペア(例えば、兄弟のドナーとレシピエントのペア)といった、遺伝上関連のあるドナー及びレシピエントである。いくつかの実施形態では、対象及びドナーはHLAがミスマッチし、これは、とりわけ、HLA-A、HLA-B、及びHLA-DRに対して、少なくとも1つのHLA抗原が、ドナーとレシピエントとの間でミスマッチする場合に生じる。移植片拒絶の可能性を低下させるために、例えば、あるハプロタイプをドナーとレシピエントとの間で一致させ、他をミスマッチさせてよい。
医薬組成物及び投薬
対象に、本開示の1つ以上の治療用タンパク質を共に発現する細胞の集団が投与される場合、投与される細胞の数は例えば、所望のタンパク質(複数可)の発現レベル、患者、製剤の配合方法、投与方法(例えば、投与時間及び投与経路)、患者の年齢、体重、性別、治療されている疾患の重症度、及び、患者が、内因性多能性細胞(例えばとりわけ、内因性CD34+細胞、造血幹細胞もしくは前駆細胞、またはミクログリア)を切除する剤で使用されているか否かに左右される。投与される細胞の数は例えば、約1×10細胞/kg~約1×1014細胞/kg、またはそれ以上であってよい。細胞は、未分化状態にて、または、標的細胞型への部分的な、もしくは完全な分化の後で投与することができる。多能性細胞の数は、任意の好適な剤形で投与されてよい。
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物及び方法をどのように使用し、製造し、評価し得るかについての説明を当業者に提供するために提示し、純粋に本開示を例示することを意図するものであり、発明者らが自身の開示と見なすものの範囲を限定することを意図しない。
実施例1。ジブロックコポリマーの合成
ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)ジブロックコポリマーを、リビングアニオン重合により調製した。反応のスキームを以下に示す:
Figure 2022553938000154
アニオンブロックのアリコートを末端処理し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析して、第1のブロックの分子量を得た。約3.6ppmにおけるエチレンオキシドのプロトンのピーク面積を、約1.08ppmにおけるプロピレンオキシドのプロトンのピーク面積と比較することにより、プロトンNMR分光法によって、第2のブロックの分子量を計算した。最終のジブロックコポリマーの多分散度をSECにより得た。ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)はクロロホルム、THF、メタノール、及びエタノールに可溶性である。ポリマーはヘキサン及びエーテルから沈殿する。
実施例2。ジブロックコポリマーの形質導入
ジブロックポリマー化合物(DBP1~6)の存在下において、末梢動員血液CD34幹細胞に、レンチウイルスベクターを形質導入した(ベクターのみ、10~20の感染多重度(MOI))。(形質導入の1日後に計算した)細胞生存能におけるDBP化合物の効果(図1)、及び、(ベクターのみで処理した細胞と比較しての、DBPの添加により誘導された形質導入細胞のパーセンテージの、倍率変化として表した)形質導入の効率(図2A~2F)を、形質導入の12~14日後において測定した。細胞当たりでの、組み込んだベクターコピー数(VCN)におけるDBPの効果を、形質導入の12日後に、細胞培養液から回収したゲノムDNAにおける、一体化した導入遺伝子配列の液滴デジタルPCR検出により測定した(図3)。導入遺伝子発現のフローサイトメトリー検出により、形質導入細胞のパーセンテージを評価した(図4)。細胞生存能(図5)及び形質導入の効率(図6)における、様々な形質導入向上剤エレメントと組み合わせたDBP化合物の効果を測定した。
特に、ジブロックコポリマーは、PEO及びPPO組成物の範囲にわたって、CD34幹細胞の形質導入効率の増加を実現することが発見された(図7及び8)。ジブロックコポリマーは、レトロネクチンと適合性があることもまた発見された(図9)。驚くべきことに、ジブロックコポリマーは、トリブロックコポリマー、特にポロキサマー338と比較して、形質導入効率の改善をもたらすこともまた発見された(図10)。
他の実施形態
本明細書に記載する本開示の様々な改変及び変形が、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本開示は、特定の実施形態に関連して記載されているものの、特許請求された開示は、かかる特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者には明らかである本開示を実施するために記載する様式の様々な改変は、本開示の範囲内であることが意図される。
他の実施形態は、特許請求の範囲に見出される。

Claims (163)

  1. 真核細胞を形質導入して導入遺伝子を発現する方法であって、前記方法が、前記細胞を、(i)前記導入遺伝子をコードするウイルスベクター、ならびに、(ii)ポリオキシエチレン(PEO)サブユニット及びポリオキシプロピレン(PPO)サブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることを含む、前記方法。
  2. 真核細胞にて導入遺伝子を発現する方法であって、前記方法が、前記細胞を、(i)前記導入遺伝子をコードするウイルスベクター、ならびに、(ii)PEOサブユニット及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることを含む、前記方法。
  3. 導入遺伝子をコードするウイルスベクターの、真核細胞の核への移動を促進する方法であって、前記方法が、前記細胞を、(i)前記ウイルスベクター、ならびに、(ii)PEOサブユニット及びPPOサブユニットを含むジブロックコポリマーと接触させることを含む、前記方法。
  4. 前記ジブロックコポリマーが以下の構造:
    -[PEO]-L-[PPO]-X
    [式中、m及びnは整数であり、
    Lは存在しないか、または化学リンカーであり、かつ、
    及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
    を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ジブロックコポリマーが以下の構造:
    -[PEO]-[PPO]-X
    [式中、m及びnは整数であり、かつ、
    及びXはそれぞれ独立して、任意に存在する化学置換基を表す。]
    を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドである、請求項4または5に記載の方法。
  7. 及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC1-6アルコキシ、または、任意に置換されたC1-6アルキルアミノである、請求項6に記載の方法。
  8. 及びXはそれぞれ独立して、存在しないか、または、H、OH、HN、HCO、エチル-O、n-ブチル-O、tert-ブチル-O、n-ブチル、またはtert-ブチルである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ジブロックコポリマーの前記PEOサブユニットが、約5,000g/mol~約25,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ジブロックコポリマーの前記PEOサブユニットが、約9,000g/mol~約19,000g/molのMnを有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ジブロックコポリマーの前記PEOサブユニットが、約9,000g/mol、9,500g/mol、13,800g/mol、15,500g/mol、18,000g/mol、または19,000g/molのMnを有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ジブロックコポリマーの前記PPOサブユニットが、約2,000g/mol~約10,000g/molのMnを有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ジブロックコポリマーの前記PPOサブユニットが、約3,500g/mol~約5,500g/molのMnを有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ジブロックコポリマーの前記PPOサブユニットが、約3,500g/molまたは5,500g/molのMnを有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ジブロックコポリマーが40質量%超の平均エチレンオキシド含有量を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ジブロックコポリマーが50質量%超の平均エチレンオキシド含有量を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ジブロックコポリマーが60質量%超の平均エチレンオキシド含有量を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ジブロックコポリマーが70質量%超の平均エチレンオキシド含有量を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ジブロックコポリマーが約8,000g/mol超のMnを有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記ジブロックコポリマーが約10,000g/mol超のMnを有する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ジブロックコポリマーが、約10,000g/mol~約30,000g/molのMnを有する、請求項19または20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ジブロックコポリマーが、約12,000g/mol~約25,000g/molのMnを有する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ジブロックコポリマーが、約12,500g/mol~約23,500g/molのMnを有する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ジブロックコポリマーが、約12,500g/mol、13,000g/mol、17,300g/mol、19,000g/mol、22,500g/mol、または23,500g/molのMnを有する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ジブロックコポリマーが、約1~約1.2の多分散指数(Mw/Mn)を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ジブロックコポリマーが、約1.06~約1.17の多分散指数を有する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ジブロックコポリマーが約1.08、1.10、1.11、1.13、または1.17からの多分散指数を有する、請求項26に記載の方法。
  28. mが約100~約500である、請求項4~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. mが約200~約450である、請求項28に記載の方法。
  30. mが約162~約486、約159~約477、約108~約324、約103~約309、約148~約444、約171~約513、約142~約426、約100~約300、約113~約339、約109~約327、約115~約345、または約120~約360である、請求項29に記載の方法。
  31. mが約200、205、216、217、225、230、240、284、314、318、323、352、409、または432である、請求項30に記載の方法。
  32. nが約10~約200である、請求項4~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. nが約40~約100である、請求項32に記載の方法。
  34. nが約43~約129、約27~約81、約29~約87、約28~約84、約30~約90、約33~約99、または約28~約84である、請求項33に記載の方法。
  35. nが約50、53、55、57、60、65、70、86、または95である、請求項34に記載の方法。
  36. m:nの比率が約1~約12である、請求項4~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記m:nの比率が約2~約8である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記m:nの比率が約2~約7.2である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記m:nの比率が約2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、または7.2である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記ジブロックコポリマーが以下から選択される構造を有する、請求項4~39のいずれか1項に記載の方法:
    [PEO]323-[PPO]86-OH、
    HOCHCH-[PEO]323-[PPO]86-O-n-ブチル、
    [PEO]318-[PPO]53-OH、
    HOCHCH-[PEO]318-[PPO]53-O-n-ブチル、
    [PEO]216-[PPO]53-OH、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]53-O-n-ブチル、
    [PEO]205-[PPO]53-OH、
    HOCHCH-[PEO]205-[PPO]53-O-n-ブチル、
    [PEO]295-[PPO]57-OH、
    HOCHCH-[PEO]295-[PPO]57-O-n-ブチル、
    [PEO]341-[PPO]57-OH、
    HOCHCH-[PEO]341-[PPO]57-O-n-ブチル、
    [PEO]284-[PPO]57-OH、
    HOCHCH-[PEO]284-[PPO]57-O-n-ブチル、
    [PEO]200-[PPO]55-OH、
    HOCHCH-[PEO]200-[PPO]55-O-n-ブチル、
    [PEO]205-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]217-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]217-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]230-[PPO]65-OH、
    HOCHCH-[PEO]230-[PPO]65-O-n-ブチル、
    [PEO]240-[PPO]55-OH、
    HOCHCH-[PEO]240-[PPO]55-O-n-ブチル、
    [PEO]205-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]205-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]314-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]314-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]352-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]352-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]409-[PPO]95-OH、
    HOCHCH-[PEO]409-[PPO]95-O-n-ブチル、
    [PEO]432-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]432-[PPO]60-O-n-ブチル、
    [PEO]216-[PPO]60-OH、
    [PEO]216-[PPO]60-n-ブチル、
    HO-[PEO]216-[PPO]60-n-ブチル、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-O-n-ブチル、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]50-OH、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-O-n-ブチル、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]60-OH、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-O-n-ブチル、
    HOCHCH-[PEO]216-[PPO]70-OH、

    Figure 2022553938000155
    Figure 2022553938000156
  41. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記哺乳動物細胞はヒト細胞である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記細胞が多能性細胞である、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記細胞がCD34+細胞である、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記細胞が胚幹細胞である、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記細胞が人工多能性幹細胞である、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記細胞が多能性造血幹細胞(HSC)または造血前駆細胞(HPC)である、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記方法が、前記細胞を、プロテインキナーゼC(PKC)の活性及び/または発現を低下させる物質と接触させることをさらに含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. PKCの活性及び/または発現を低下させる前記物質が、Aktシグナル形質導入を活性化する、請求項48に記載の方法。
  50. PKCの活性及び/または発現を低下させる前記物質が、PKC阻害剤、または、PKCをコードするリボ核酸(RNA)転写産物の翻訳を低下させる剤である、請求項48または49に記載の方法。
  51. PKCの活性及び/または発現を低下させる前記物質がPKC阻害剤である、請求項50に記載の方法。
  52. PKCの活性及び/または発現を低下させる前記物質が、PKCをコードするRNA転写産物の翻訳を低下させる剤である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記剤が核酸を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記核酸が干渉RNAを含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記干渉RNAが短鎖干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)である、請求項54に記載の方法。
  56. 前記核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項53に記載の方法。
  57. 前記核酸がPKCをコードする内因性のRNA転写産物にアニールする、請求項53~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記核酸が、PKCをコードする内因性のRNA転写産物に少なくとも85%相補性である、請求項57に記載の方法。
  59. 前記核酸が、PKCをコードする内因性のRNA転写産物に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%相補性であるか、または100%相補性である、請求項58に記載の方法。
  60. 前記PKC阻害剤が、式(I)で表される化合物
    Figure 2022553938000157
    [式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、オキソ、チオカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、またはウレイドであり、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
    及びRはそれぞれ独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、もしくは、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、もしくは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであるか、または、R及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
    は、O、NR、またはSであり、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、または任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
    各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    Figure 2022553938000158
    は、任意に存在する結合を表し、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項51に記載の方法。
  61. 前記化合物が、式(II)で表される化合物
    Figure 2022553938000159
    [式中、Rは、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルアミノ、任意に置換されたアミド、ハロゲン、オキソ、またはチオカルボニルであり、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
    及びRは、それらに結合する原子と共に結合し、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環を形成し、
    は、OまたはSであり、
    各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記化合物が、式(III)で表される化合物

    Figure 2022553938000160
    [式中、Rは、H、OH、オキソ、またはチオカルボニルであり、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、または任意に置換されたアシルであり、
    環Aは、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキル環であり、
    は、OまたはSであり、
    各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項61に記載の方法。
  63. 前記化合物が、式(IV)で表される化合物
    Figure 2022553938000161
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    環Bは、任意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環であり、
    は、OまたはSであり、
    Wは、O、NH、またはSであり、
    各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項62に記載の方法。
  64. 前記化合物が、式(V)で表される化合物
    Figure 2022553938000162
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    は、OまたはSであり、
    Wは、O、NH、またはSであり、
    各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    pは、0または1である。]
    またはその塩である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記化合物が、式(VI)で表される化合物
    Figure 2022553938000163
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    sは0~8の整数である。]
    またはその塩である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記化合物が、式(VII)で表される化合物
    Figure 2022553938000164
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
    またはその塩である、請求項65に記載の方法。
  67. 前記化合物が、式(VIII)で表される化合物
    Figure 2022553938000165
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアミノ、または任意に置換されたアミドである。]
    またはその塩である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記化合物が、式(IX)で表される化合物
    Figure 2022553938000166
    [式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  69. 前記化合物が、式(1)で表される化合物
    Figure 2022553938000167
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  70. 前記化合物がスタウロスポリン、即ち、式(2)により表される(2S,3R,4R,6R)-3-メトキシ-2-メチル-4-(メチルアミノ)-29-オキサ-1,7,17-トリアザオクタシクロ[12.12.2.12,6.07,28.08,13.015,19.020,27.021,26]ノナコサ-8,10,12,14,19,21,23,25,27-ノナエン-16-オン
    Figure 2022553938000168
    またはその塩である、請求項69に記載の方法。
  71. 前記化合物が、式(X)で表される化合物
    Figure 2022553938000169
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    各Zは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    tは0~6の整数である。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  72. 前記化合物が、式(XI)で表される化合物
    Figure 2022553938000170
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
    またはその塩である、請求項71に記載の方法。
  73. 前記化合物が、式(XII)で表される化合物
    Figure 2022553938000171
    [式中、Rは、H、OH、またはオキソであり、
    は、H、OH、任意に置換されたアルコキシ、または任意に置換されたアシルオキシである。]
    またはその塩である、請求項72に記載の方法。
  74. 前記化合物が、式(XIII)で表される化合物
    Figure 2022553938000172
    [式中、各Xは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    各Yは独立して、ハロゲン、任意に置換されたハロアルキル、シアノ、任意に置換されたアミノ、ヒドロキシル、チオール、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたカルボキシ、ウレイド、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたアリールスルホニル、任意に置換されたヘテロアリールスルホニル、任意に置換されたシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルホニル、任意に置換されたアルキルスルファニル、任意に置換されたアリールスルファニル、任意に置換されたヘテロアリールスルファニル、任意に置換されたシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルファニル、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアリールスルフィニル、任意に置換されたヘテロアリールスルフィニル、任意に置換されたシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換され任意に縮合したアリール、任意に置換され任意に縮合したヘテロアリール、任意に置換され任意に縮合したシクロアルキル、または、任意に置換され任意に縮合したヘテロシクロアルキルであり、
    nは0~4の整数であり、
    mは0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  75. 前記化合物が、式(3)で表される化合物
    Figure 2022553938000173
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  76. 前記化合物が、式(4)で表される化合物
    Figure 2022553938000174
    またはその塩である、請求項75に記載の方法。
  77. 前記化合物が、式(128)で表される化合物
    Figure 2022553938000175
    またはその塩である、請求項73に記載の方法。
  78. 前記化合物が、

    Figure 2022553938000176
    またはその塩から選択される化合物である、請求項60に記載の方法。
  79. 前記化合物が、式(XIV)で表される化合物
    Figure 2022553938000177
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  80. 前記化合物が、式(XV)で表される化合物
    Figure 2022553938000178
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項79に記載の方法。
  81. 前記化合物が、

    Figure 2022553938000179
    またはその塩から選択される化合物である、請求項80に記載の方法。
  82. 前記化合物が、式(XVI)で表される化合物
    Figure 2022553938000180
    [式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
    または、その塩、もしくは四級化バリアントである、請求項60に記載の方法。
  83. 前記化合物が、式(XVII)で表される化合物

    Figure 2022553938000181
    [式中、Rは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたシクロアルキル、及び、任意に置換されたヘテロシクロアルキルである。]
    または、その塩、もしくは四級化バリアントである、請求項82に記載の方法。
  84. 前記化合物が、

    Figure 2022553938000182
    Figure 2022553938000183
    Figure 2022553938000184
    Figure 2022553938000185
    Figure 2022553938000186
    Figure 2022553938000187
    Figure 2022553938000188
    Figure 2022553938000189
    またはその塩から選択される化合物である、請求項83に記載の方法。
  85. 前記化合物が、式(XVIII)で表される化合物
    Figure 2022553938000190
    [式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
    は、
    Figure 2022553938000191
    であり、任意に、式中糖部分の構成がD-グルコース、D-ガラクトース、またはDーマンノースから誘導されており、
    は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
    は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
    は、HまたはC1-6アルキルであり、
    は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
    は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  86. 前記化合物が、式(XIX)で表される化合物
    Figure 2022553938000192
    [式中、Rは、H、OH、C1-6アルコキシ、またはオキソであり、
    は、
    Figure 2022553938000193
    であり;
    は、H、OH、C1-6アルカノイルオキシ、C1-6アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはフェニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
    は、OH、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、C2-20アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、またはフェニルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシにより置換されており、
    は、HまたはC1-6アルキルであり、
    は、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたヒドロキシルであるか、または、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、アジド、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、もしくはフェニルスルホニルオキシであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシにより置換されており、
    は、遊離しているかもしくは、脂肪族C2-22カルボン酸でエステル化されたOH、C1-6アルコキシカルボニルオキシ、C1-6アルキルスルホニルオキシ、アジド、遊離しているかもしくは脂肪族C2-22カルボン酸でアシル化されたアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルアミノ、ベンジルアミノ、またはベンジルオキシカルボニルアミノであり、これらそれぞれはフェニル部分内でハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6アルコキシカルボニルにより置換されている。]
    またはその塩である、請求項85に記載の方法。
  87. 前記化合物が、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-ムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アジド-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-6-デオキシムラミル)スタウロスポリン、N-(6-アミノ-6-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-デメチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチルホモムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリン、N-(2-N-アセチル-L-ホモムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α-O-ベンジル-4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α-O-ベンジル-4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(4-O-アセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(4,6-O-ジアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリンの1-α-アノマー、N-(1-α,4-O-ジアセチル-6-O-ステアロイル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-α,4,6-O-トリアセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-アセチル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-O-トルオルスルホニル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、N-(1-デオキシ-6-アジド-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、及びN-(1-デオキシ-6-O-メシル-2-N-アセチルムラミル)スタウロスポリン、またはその塩から選択される、請求項86に記載の方法。
  88. 前記化合物が、式(XX)で表される化合物
    Figure 2022553938000194
    [式中、Zは、HまたはOHであり、
    は、HまたはOHであり、
    は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
    は、Hまたはハロゲンであり、
    Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
    Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  89. 前記化合物が、式(XXI)で表される化合物
    Figure 2022553938000195
    [式中、Zは、HまたはOHであり、
    は、HまたはOHであり、
    は、H、ハロゲン、または任意に置換されたアルキルであり、
    は、Hまたはハロゲンであり、
    Rは、OHまたは任意に置換されたアルコキシであり、
    Xは、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアシルであり、任意に、式中、Xは、CH-NH-セリン、COCH、CHNHCO、CONHC、またはCHNHCOCH3であり、式中、Cはフェニル部分を表す。]
    またはその塩である、請求項88に記載の方法。
  90. 前記化合物が、式((XXII)、(XXIII)、(XXIV)、または(XXV)で表される化合物
    Figure 2022553938000196
    [式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において、9個以下のヘテロ原子、もしくは30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
    各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
    各Qは独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各Q’は独立して、H、OH、ハロゲン、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各nは独立して0~4の整数であり、
    各mは独立して0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  91. 前記化合物が、式(XXVI)または(XXVII)で表される化合物
    Figure 2022553938000197
    [式中、各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各Rは独立して、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各Rは独立して、H、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、または各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子、または30個以下の炭素原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
    各Rは独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカ)であり、
    各Rは独立して、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアルキル、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、アミノ、一もしくは二置換アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、置換メルカプト、カルボキシ、カルボニル、カルボニルジオキシ、エステル化カルボキシ、カルバモイル、N-一もしくはN,N-二置換カルバモイル、スルホ、置換スルホニル、アミノスルホニル、または、N-一もしくはN,N-二置換アミノスルホニルであり、
    各R10は独立して、30個以下の炭素原子を有するアシル、各場合において29個以下の炭素原子を有する脂肪族、炭素環式、もしくは炭素環式-脂肪族ラジカル、各場合において20個以下の炭素原子、及び、各場合において9個以下のヘテロ原子を有する複素環式もしくは複素環式-脂肪族ラジカルであり、
    各Xは独立して、O、OH、及びH、または一対の水素原子であり、
    各nは独立して0~4の整数であり、
    各mは独立して0~4の整数であり、
    各n’は独立して0~4の整数であり、
    各m’は独立して0~4の整数である。]
    またはその塩である、請求項85に記載の方法。
  92. 前記化合物が、式(XXVIII)で表される化合物
    Figure 2022553938000198
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項60に記載の方法。
  93. 前記化合物が、式(XXIX)で表される化合物
    Figure 2022553938000199
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項92に記載の方法。
  94. 前記化合物が、式(XXX)で表される化合物
    Figure 2022553938000200
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項93に記載の方法。
  95. 前記化合物が、式(XXXI)で表される化合物

    Figure 2022553938000201
    [式中、Rは、H、または任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルである。]
    またはその塩である、請求項94に記載の方法。
  96. 前記化合物が、

    Figure 2022553938000202
    Figure 2022553938000203
    Figure 2022553938000204
    Figure 2022553938000205
    Figure 2022553938000206
    から選択される、請求項60に記載の方法。
  97. 前記方法が、前記細胞をヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤と接触させることをさらに含む、請求項1~96のいずれか1項に記載の方法。
  98. 前記HDAC阻害剤が、

    Figure 2022553938000207
    Figure 2022553938000208
    から選択される、請求項97に記載の方法。
  99. 前記HDAC阻害剤が
    Figure 2022553938000209
    である、請求項98に記載の方法。
  100. 前記方法が、前記細胞をグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)阻害剤と接触させることをさらに含む、請求項1~99のいずれか1項に記載の方法。
  101. 前記GSK3阻害剤が、6-ブロモインジルビン-3’-オキシム(BIO)、LiCl、LiCO、CHIR-99021、及びCHIR-98023からなる群から選択される、請求項100に記載の方法。
  102. 前記GSK3阻害剤がCHIR-99021である、請求項101に記載の方法。
  103. 前記GSK3阻害剤がLiCOである、請求項101に記載の方法。
  104. 前記ウイルスベクターが、レトロウイルス科ファミリーウイルス、アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、ピコルナウイルス、アルファウイルス、ヘルペスウイルス、及びポックスウイルスからなる群から選択される、請求項1~103のいずれか1項に記載の方法。
  105. 前記ウイルスベクターがレトロウイルス科ファミリーウイルスベクターである、請求項104に記載の方法。
  106. 前記レトロウイルス科ファミリーウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項105に記載の方法。
  107. 前記レトロウイルス科ファミリーウイルスベクターが、アルファレトロウイルスベクター、またはガンマレトロウイルスベクターである、請求項106に記載の方法。
  108. 前記レトロウイルス科ファミリーウイルスベクターが、中央ポリプリン帯、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント、5’-LTR、HIVシグナル配列、HIV Psiシグナル5’-スプライス部位、デルタ-GAGエレメント、3’-スプライス部位、及び、3’-自己不活性化LTRを含む、請求項104~107のいずれか1項に記載の方法。
  109. 前記ウイルスベクターがシュードタイプウイルスベクターである、請求項1~108のいずれか1項に記載の方法。
  110. 前記シュードタイプウイルスベクターが、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、RD114ウイルス、マウス白血病ウイルス(MLV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)、ヒトフォーミーウイルス(HFV)、ウォールアイ皮膚肉腫ウイルス(WDSV)、セムリキ森林ウイルス(SFV)、狂犬病ウイルス、トリ白血病ウイルス(ALV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、ウシ白血病ウイルス(BLV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、シンノンブルウイルス(SNV)、チェリーねじれリーフウイルス(ChTLV)、サルT細胞白血病ウイルス(STLV)、マソン・ファイザーサルウイルス(MPMV)、リスサルレトロウイルス(SMRV)、ラウス関連ウイルス(RAV)、藤浪肉腫ウイルス(FuSV)、トリ癌腫ウイルス(MH2)、トリ脳脊髄炎ウイルス(AEV)、アルファモザイクウイルス(AMV)、トリ肉腫ウイルスCT10、及び、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)から選択されるウイルス由来の1つ以上のエンベロープタンパク質を含む、請求項109に記載の方法。
  111. 前記シュードタイプウイルスベクターがVSV-Gエンベロープタンパク質を含む、請求項110に記載の方法。
  112. 前記接触がエクスビボで生じる、請求項1~111のいずれか1項に記載の方法。
  113. 前記細胞が、新鮮に培養されているか、または、前記接触前に凍結保存されている、請求項112に記載の方法。
  114. 前記細胞が、シクロスポリンとさらに接触する、請求項1~113のいずれか1項に記載の方法。
  115. 前記シクロスポリンがシクロスポリンAまたはシクロスポリンHである、請求項114に記載の方法。
  116. 前記シクロスポリンがシクロスポリンHである、請求項115に記載の方法。
  117. 前記細胞が、プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子とさらに接触する、請求項1~116のいずれか1項に記載の方法。
  118. 前記プロスタグランジンE受容体シグナル伝達の活性化因子がプロスタグランジンE2である、請求項117に記載の方法。
  119. 前記細胞が、ポリカチオン性ポリマーとさらに接触する、請求項1~118のいずれか1項に記載の方法。
  120. 前記ポリカチオン性ポリマーが、ポリブレン、硫酸プロタミン、ポリエチレンイミン、または、ポリエチレングリコール/ポリ-L-リジンブロックコポリマーである、請求項119に記載の方法。
  121. 前記ポリカチオン性ポリマーが硫酸プロタミンである、請求項120に記載の方法。
  122. 前記細胞が、前記ウイルスベクターと接触したまま遠心分離によりスピンされる、請求項1~121のいずれか1項に記載の方法。
  123. 前記細胞が、約300xg~約1,200xgの求心力でスピンされる、請求項122に記載の方法。
  124. 前記細胞が約25℃の温度でスピンされる、請求項122または123に記載の方法。
  125. 対象にて導入遺伝子を発現する方法であって、前記方法が、請求項1~124のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  126. 遺伝子組み換え細胞の集団を対象に送達する方法であって、前記方法が、請求項1~124のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  127. 細胞療法を必要とする対象に細胞療法を提供する方法であって、前記方法が、請求項1~124のいずれかの方法に従い修飾されている細胞の集団、またはその後代を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  128. 前記細胞が、前記対象に対して同種異系である、請求項125~127のいずれか1項に記載の方法。
  129. 前記細胞が、前記対象に対してHLA一致している、請求項128に記載の方法。
  130. 前記細胞が、前記対象に対して自己由来である、請求項125~127のいずれか1項に記載の方法。
  131. 前記接触前に、前駆細胞の集団が前記対象またはドナーから単離され、前記前駆細胞がエクスビボで発現され、前記対象に投与されている細胞の前記集団を得る、請求項125~130のいずれか1項に記載の方法。
  132. 前記前駆細胞がCD34+HSCであり、前記前駆細胞が、HSCの機能的能力を失うことなく膨張する、請求項131に記載の方法。
  133. 前記対象またはドナー由来の前記前駆細胞の単離の前に、前記対象またはドナーに、1つ以上の多能性細胞動員剤が投与される、請求項131または132に記載の方法。
  134. 前記細胞の集団を前記対象に投与する前に、1つ以上のコンディショニング剤を前記対象に投与することにより、前記対象の中で、内因性多能性細胞の集団が切除される、請求項125~133のいずれか1項に記載の方法。
  135. 前記方法が、前記対象に前記細胞の集団を投与する前に、前記対象に1つ以上のコンディショニング剤を投与することにより、前記対象の中で、内因性多能性細胞の集団を切除することを含む、請求項125~133のいずれか1項に記載の方法。
  136. 前記1つ以上のコンディショニング剤が非骨髄破壊性コンディショニング剤である、請求項134または135に記載の方法。
  137. 前記細胞の集団を前記対象に投与する際に、投与される前記細胞、またはその後代は、巨核球、栓球、血小板、赤血球、肥満細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア、顆粒球、単球、溶骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、及びBリンパ球から選択される1つ以上の細胞型に分化する、請求項125~136のいずれか1項に記載の方法。
  138. 前記対象が哺乳動物である、請求項125~137のいずれか1項に記載の方法。
  139. 前記対象がヒトである、請求項138に記載の方法。
  140. 前記対象が、前記導入遺伝子によりコードされる内因性タンパク質の欠損を有すると診断されている、請求項125~139のいずれか1項に記載の方法。
  141. 前記対象が、表3に記載する疾患を有すると診断されている、請求項140に記載の方法。
  142. 前記対象が、ベータサラセミアを有すると診断されている、請求項140に記載の方法。
  143. 前記導入遺伝子が、ベータグロビンタンパク質をコードする、請求項1~142のいずれか1項に記載の方法。
  144. 前記導入遺伝子が、配列番号1の核酸配列に少なくとも85%の配列同一性を有する核酸を含む、請求項143に記載の方法。
  145. 前記導入遺伝子が、配列番号1の核酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する核酸を含む、請求項144に記載の方法。
  146. 前記導入遺伝子が、配列番号1の核酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有する核酸を含む、請求項145に記載の方法。
  147. 前記導入遺伝子が、配列番号1の核酸配列を有する核酸を含む、請求項146に記載の方法。
  148. 前記βグロビンタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項143~147のいずれか1項に記載の方法。
  149. 前記βグロビンタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項148に記載の方法。
  150. 前記βグロビンタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項149に記載の方法。
  151. 前記βグロビンタンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項150に記載の方法。
  152. 請求項1~124のいずれか1項に記載の方法により形成される混合物を含む、組成物。
  153. 請求項152に記載の組成物を含む、細胞培養培地。
  154. 請求項1~124のいずれか1項に記載の方法に従い修飾されている、真核細胞の集団。
  155. 請求項154に記載の真核細胞の集団を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が1つ以上の賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含む、前記医薬組成物。
  156. 前記医薬組成物が対象に投与するために製剤化される、請求項155に記載の医薬組成物。
  157. 前記対象が哺乳動物である、請求項156に記載の医薬組成物。
  158. 前記対象がヒトである、請求項157に記載の医薬組成物。
  159. 前記医薬組成物が、前記対象への静脈内注射用に製剤化される、請求項156~158のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  160. 請求項152に記載の組成物、または、請求項153に記載の細胞培養培地を含む、キット。
  161. 前記キットが、前記細胞を形質導入するための取扱説明書を含む添付文書をさらに含む、請求項160に記載のキット。
  162. 請求項164に記載の細胞の集団、または、請求項155~159のいずれか1項に記載の医薬組成物、を含むキット。
  163. 前記キットが、請求項125~151のいずれか1項に記載の方法に従い、ユーザに、前記細胞の集団を対象に投与する指示をする添付文書をさらに含む、請求項162に記載のキット。
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