[関連出願]
本出願は、2019年9月25日に中国国家知識産権局に出願された「BATTERY AND ELECTRONIC DEVICE THAT SUPPORT HIGH-POWER FAST CHARGING」と題する中国特許出願第201910916013.6号と、2019年10月17日に中国国家知識産権局に出願された「BATTERY MODULE, CHARGING MODULE, AND ELECTRONIC DEVICE THAT SUPPORT HIGH-POWER FAST CHARGING」と題する中国特許出願第201910990087.4号と、2020年5月19日に中国国家知識産権局に出願された「BATTERY MODULE, CHARGING MODULE, AND ELECTRONIC DEVICE THAT SUPPORT HIGH-POWER FAST CHARGING」と題する中国特許出願第202010426700.2号との優先権を主張するものであり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本出願の実施形態は、充電技術に関し、特に、高出力高速充電をサポートする電池モジュール、充電モジュールおよび電子デバイスに関する。
電子端末において現在使用されている充電システムは処理回路と電池セルを含む。処理回路は、外部から受信する充電電圧および充電電流を処理し、処理された充電電圧および処理された充電電流を電池セルに供給する。電池セルは、充電電圧および充電電流に基づいて電気エネルギーを蓄積する。従来技術では、各電池セルは、正極性を有するタブと負極性を有するタブとを含む。正極性を有するタブおよび負極性を有するタブは、電池セルのための充電経路および放電経路を提供する。
電池セルの高速充電に対する需要が増加するにつれて、高速充電問題を解決するために、従来技術では、より多くの電池セルおよびより多くの処理回路を充電システムに追加して充電速度を増加させ得る。しかしながら、電池セルおよび処理回路は物理的な空間を追加で占有する必要があり、レイアウト空間に関する電子端末の制限を満たすことができない。したがって、電池セルを追加しない場合、充電効率を向上させるために、単一の電池セルの充電電流および放電電流を増加させる必要がある。しかしながら、単一の電池セルの充電電流および放電電流を増加させると、タブの発熱量が急増しやすく、その結果、処理回路および電池セルは、発熱量に関する電子端末の制限を満たすことができなくなる。
前述の問題を解決するために、本出願の実施形態は、発熱量が比較的少なくかつ占有空間が比較的小さいことを特徴とした、高出力高速充電をサポートする電池モジュール、充電モジュールおよび電子デバイスを提供する。
本出願の一実施形態は、電池モジュールを提供する。電池モジュールは電池セルを含む。電池セルは、電池セル本体と、第1のタブと、第2のタブと、第3のタブとを含む。第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に別々電気的に接続され、第1のタブおよび第3のタブは第1の極性を有し、第2のタブは第2の極性を有する。
協働して、第2のタブおよび第1のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。協働して、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。第1の極性および第2の極性は、互いに反対の極性である。第1の極性が正極性であるとき、第2の極性は負極性である。第1の極性が負極性であるとき、第2の極性は正極性である。
この電池セルの場合、設けられた3つのタブは、充電のための少なくとも2つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率を効果的に向上させる。加えて、2つの導電経路が充電電流を分割するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、第1の電池保護基板がさらに含まれる。第1の電池保護基板は、第1の保護回路と、第1のバッテリインターフェースと、第2のバッテリインターフェースとを含む。第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースは、電池モジュールの外部の構成要素に電気的に接続されるように構成される。
第1のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第1のタブに別々に電気的に接続され、第1のバッテリインターフェース、第1のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第1の導電ループを構成する。第2のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第3のタブに別々に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース、第3のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第2の導電ループを構成する。
第1の保護回路は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護回路は、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の電池保護基板および3つのタブは、電池セルを充電するための2つの導電ループを構成する。加えて、第1の電池保護基板は、第1の保護回路を使用することによって、電池セルの充電電流または放電電流を検出して、充電および放電中の過電圧、不足電圧、または過電流による電池セルの損傷を防止し、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置されるか、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第2のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第3のタブが配置されるか、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第3のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第2のタブが配置されるか、または電池セル本体の第1の側面に第1のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第2のタブが配置され、電池セル本体の第3の側面に第3のタブが配置される。
3つのタブの配置は、電池セル本体上の特定の位置によって限定されない。タブが配置される位置は、電池セルと別の回路との間の協調を確実にするために、実際の要件に基づいて調整されてもよく、それによって、配線の複雑さを低減し、充電モジュールの集積度を向上させる。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置され、第2のタブの両側に第1のタブおよび第3のタブがそれぞれ配置される。
3つのタブは電池セルの同じ側面に配置され、同じ第1の極性を有する2つのタブが、第2の極性を有する1つのタブの両側に配置されるため、2つのタブと第1の電池保護基板との間の接続配線は比較的均一かつ単純である。
本出願の一実施形態では、第4のタブと、第5のタブと、第6のタブとをさらに含む。第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル本体に別々に電気的に接続される。第4のタブおよび第6のタブは第1の極性を有し、第5のタブは第2の極性を有するか、または第4のタブおよび第6のタブは第2の極性を有し、第5のタブは第1の極性を有する。
協働して、第5のタブおよび第4のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。
協働して、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。
この電池セルの場合、設けられた6つのタブは、充電のための少なくとも4つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率をさらに向上させる。加えて、4つの導電経路が充電電流をより多く分配するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、第2の電池保護基板をさらに含む。第2の電池保護基板は、第2の保護回路と、第3のバッテリインターフェースと、第4のバッテリインターフェースとを含む。第3のバッテリインターフェースおよび第4のバッテリインターフェースは、電池モジュールの外部の構成要素に電気的に接続されるように構成される。
第3のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第5のタブおよび第4のタブに別々に電気的に接続され、第3のバッテリインターフェース、第4のタブ、電池セル本体、第5のタブおよび第2の保護回路は、第3の導電ループを構成する。第4のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第5のタブおよび第6のタブに別々に電気的に接続され、第4のバッテリインターフェース、第6のタブ、電池セル本体、第5のタブおよび第2の保護回路は、第4の導電ループを構成する。
第2の保護回路は、第3の導電ループおよび第4の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護回路は、第3の導電ループおよび第4の導電ループを切断する。
第2の電池保護基板および他の3つのタブは、電池セルを充電するための他の2つの導電ループを構成する。加えて、第2の電池保護基板は、第2の保護回路を使用することによって、電池セルの充電電流または放電電流を検出して、充電および放電中の過電圧、不足電圧、または過電流による電池セルの損傷を防止し、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路および第2の保護回路は、同じ回路構造を有する。したがって、電池セルのための保護は基本的に一貫して同期して行われ、それによって、電池セルの安全性をさらに確保する。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置され、電池セル本体の第2の側面に、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブがすべて配置される。電池セル本体の第1の側面および電池セル本体の第2の側面は、電池セル本体の対向する2つの側面であるか、または電池セル本体の第1の側面および電池セル本体の第2の側面は、電池セル本体の隣接する2つの側面である。
電池セルの一方の側面に3つのタブが配置され、電池セルの他方の側面に他の3つのタブが配置され、同じ第1の極性を有する2つのタブが、第2の極性を有する1つのタブの両側に配置される。このようにして、2つのタブと第1の電池保護基板との間の接続配線は、比較的均一かつ単純であり、タブは、より大きい放熱空間およびより均一な放熱を有する。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路は、第1の保護制御部と、第1のサンプリング部と、第1のスイッチ部とを含む。第1の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続され、第1の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電圧を検出する。第1のサンプリング部は、第2のタブ、第1の保護制御部および第1のスイッチ部に別々に電気的に接続され、第1の保護制御部は、第1のサンプリング部を使用することによって第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電流を検出する。第1のスイッチ部は、第1の保護制御部、第1のサンプリング部、第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースに別々に電気的に接続される。第1の導電ループまたは第2の導電ループにおける電圧または電流が第1のしきい値範囲を超えたと判定した場合、第1の保護制御部は、スイッチ部を遮断するように制御して、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断するように構成される。
各タブで送信される電圧および電流が、対応するしきい値範囲を超えるかどうかは、第1のサンプリング部によって検出された2つの導電ループにおける電流と、第1の保護制御部によって収集された電圧とに基づいて正確に決定することができる。加えて、各タブで送信される電圧および電流が、対応するしきい値範囲を超えると、タブに接続された導電ループが適時に切断され、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、第1のスイッチ部は第1のスイッチと第2のスイッチとを含み、第1のスイッチは第1の導電ループに位置し、第2のスイッチは第2の導電ループに位置する。タブに接続された導電ループは、2つのスイッチを使用することによって容易かつ適時に切断可能である。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路は、第2の保護制御部と第2のスイッチ部とをさらに含む。
第2の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続され、第2の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電圧を検出する。
第2の保護制御部は、第1のサンプリング部に電気的に接続され、第1のサンプリング部を使用することによって第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電流を検出するように構成される。
第2のスイッチ部は、第2の保護制御部、第1のスイッチ部、第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースに別々に電気的に接続される。
第1の導電ループまたは第2の導電ループにおける電圧または電流が第2のしきい値範囲を超えたと判定した場合、第2の保護制御部は、第2のスイッチ部を遮断するように制御して、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断するように構成される。
具体的には、第1のしきい値範囲が第2のしきい値範囲と同じであるか、または第1のしきい値範囲が第2のしきい値範囲より小さいもしくは大きい。
第1の保護回路が故障したとき、第2の保護制御部および第2のスイッチ部は、電池セルを保護するために、適時に第1の保護回路内の第1の保護制御部および第1のスイッチ部に取って代わることができる。言い換えれば、第1の保護回路および第2の保護回路は、互いに入れ替わり、同期して動作することができ、それによって、電池セルのための保護の信頼性をさらに向上させる。
本出願の一実施形態では、第2のスイッチ部は第3のスイッチと第4のスイッチとを含み、第3のスイッチは第1の導電ループに位置し、第4のスイッチは第2の導電ループに位置する。タブに接続された導電ループは、2つのスイッチを使用することによって容易かつ適時に切断可能である。
本出願の一実施形態では、電池セル本体は巻回構造である。電池セルは、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1のタブおよび第3のタブは第1の電極板に配置され、第2のタブは第2の電極板に配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、3つのタブを有する電池セルを形成し、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、3つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。電池セルは、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1のタブ、第3のタブ、第4のタブおよび第6のタブは第1の電極板に配置され、第2のタブおよび第5のタブは第2の電極板に配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、6つのタブを有する電池セルを形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブ、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、6つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。電池セルは、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブおよび第3のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セルを形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、3つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。電池セルは、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブ、第3のサブタブ、第4のサブタブおよび第6のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブおよび第5のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セルを形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、すべての第4のサブタブが電気的に接続されて第4のタブを形成し、すべての第5のサブタブが電気的に接続されて第5のタブを形成し、すべての第6のサブタブが電気的に接続されて第6のタブを形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブ、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、6つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは、電池セル本体と、第1のタブと、第2のタブと、第3のタブと、第4のタブとを含む。第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体に別々に電気的に接続され、第1のタブおよび第3のタブは第1の極性を有し、第2のタブおよび第4のタブは第2の極性を有する。協働して、第2のタブおよび第1のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。協働して、第4のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。第1の極性は正極性であり、第2の極性は負極性であるか、または第1の極性は負極性であり、第2の極性は正極性である。
この電池セルの場合、設けられた4つのタブは、充電のための少なくとも2つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率を効果的に向上させる。加えて、2つの導電経路が互いに分離されており、充電電流を分割するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第2のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第3のタブおよび第4のタブが配置されるか、または電池セル本体の第1の側面に第1のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブが配置される。
本出願の一実施形態では、電池モジュールは、第1の電池保護基板と第2の電池保護基板とをさらに含む。第1の電池保護基板は、第1の保護回路と第1のバッテリインターフェースとを含み、第2の電池保護基板は、第2の保護回路と第2のバッテリインターフェースとを含む。第1のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第1のタブに別々に電気的に接続され、第1のバッテリインターフェース、第1のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第1の導電ループを構成する。第2のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第3のタブおよび第4のタブに別々に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース、第3のタブ、電池セル本体、第4のタブおよび第1の保護回路は、第2の導電ループを構成する。第1の保護回路は、第1の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護回路は第1の導電ループを切断する。第2の保護回路は、第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護回路は第2の導電ループを切断する。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。電池セル本体は、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1の電極板に第1のタブおよび第3のタブが配置され、第2の電極板に第2のタブおよび第4のタブが配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、4つのタブを有する電池セル本体を形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、4つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セル本体は積層構造である。電池セル本体は、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブおよび第3のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブおよび第4のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セル本体を形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、すべての第4のサブタブが電気的に接続されて第4のタブを形成する。第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、4つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、前述の電池モジュールおよび回路基板を含む充電モジュールが提供される。回路基板は、電池モジュールに電気的に接続される。回路基板は、外部から供給される第1の充電電圧を受信し、充電電圧を電圧および電流に変換し、電圧および電流を電池モジュールに出力するように構成される。充電モジュールでは、電池モジュール内の電池セルが、タブを使用することによって充電するための少なくとも2つの導電経路を含むので、電池セルの充電経路が効果的に追加され、各タブによって運ばれる電流が効果的に低減され、各タブの発熱量が効果的に低減されるとともに、充電時間が短縮される。
本出願の一実施形態では、回路基板は、第1の回路基板と第3の回路基板とを含む。第1の回路基板は、第1の充電電圧を受信するように構成されたインターフェースを含み、第1の回路基板は、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換し、第2の充電電圧を第3の回路基板に送信する。第3の回路基板は、電池モジュールに電気的に接続され、第2の充電電圧を電圧に変換し、電圧を電池モジュールに出力するように構成される。第1の回路基板および第2の回路基板は、協働して、受信した充電電圧を、充電中の電池セルによる使用に適した電圧に処理し、それによって、充電中の電池セルの安全性が確保される。
本出願の一実施形態では、回路基板は、第1の回路基板と第3の回路基板とを含む。第1の回路基板は、第1の充電電圧を受信するように構成されたインターフェースを含み、第1の回路基板は、第1の充電電圧を第3の回路基板に送信する。第3の回路基板は、電池モジュールに電気的に接続され、第1の充電電圧を電圧に変換し、電圧を電池モジュールに出力するように構成される。第1の回路基板および第2の回路基板は、協働して、受信した充電電圧を、充電中の電池セルによる使用に適した電圧に処理し、それによって、充電中の電池セルの安全性が確保される。
本出願の一実施形態では、回路基板は第2の回路基板をさらに含む。第1の回路基板および第3の回路基板は、電池モジュールの対向する2つの側面に配置され、第2の回路基板は、電池セル本体にわたって第1の回路基板および第2の回路基板に別々に電気的に接続される。第1の回路基板および第3の回路基板は、第2の回路基板を使用することによって接続され、それによって、第1の回路基板および第3の回路基板の位置を決定する際の自由度が確保される。
本出願の一実施形態では、充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。
本出願の一実施形態では、機能回路および前述の充電モジュールを含む電子デバイスが提供される。充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。巻回型電池セルは、1つの正極板と1つの負極板とを含む。正極板および負極板には正極タブおよび負極タブが別々に配置される。正極板および負極板の少なくとも一方には、同じ極性を有する少なくとも2つのタブが異なる位置に配置される。同じ極性を有する少なくとも2つのタブは、巻回によって形成された電池セルの異なる位置に同じ極性を有する少なくとも2つのタブを形成するため、巻回によって形成された電池セルは少なくとも3つのタブを含むこととなる。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。積層型電池セルは、複数の正極板と複数の負極板とを含む。各正極板および各負極板には少なくとも1つの正極タブおよび少なくとも1つの負極タブが別々に配置される。正極板または負極板では、少なくとも2つの正極(負極)タブが少なくとも1つの正極板(負極板)の異なる位置に配置されるか、または少なくとも2つの正極板(負極板)の正極(負極)タブが電極板の異なる位置に配置されるため、積層型電池セルは少なくとも3つのタブを含むこととなる。
本出願の一実施形態では、電池セルは少なくとも3つのタブを含む。3つのタブが電池セルの同じ側面に位置するか、または3つのタブが電池セルの異なる側面に別々に位置する。
本出願の実施形態では、電池セルの貫通電流容量を向上させるために、マルチバッテリインターフェースおよびマルチタブモードが使用される。
マルチタブソリューションでは、3つのタブ、4つのタブ、6つのタブ、またはN個のタブが存在し得る。負極タブまたは正極タブは、充電および放電の間、共有され得る。例えば、3タブソリューションでは、3つのタブは2つの正極タブと1つの負極タブとを含み、負極タブが共有される(図2Aに示すように)、または、3つのタブは2つの負極タブと1つの正極タブとを含み、正極タブが共有される(図8に示すように)。6タブソリューションでは、6つのタブは、3タブソリューションのタブを2倍にしたものであり得る。さらに、より多くのタブ、例えば、8つのタブ、9つのタブ、または12個のタブが含まれてもよい。
本出願の実施形態では、効率的な差圧比(例えば、4:1または別のより大きい比)を有する充電器IC(充電回路)が、電圧降圧を実行するために使用される。外部充電ケーブル(およびPDプロトコル)が入力貫通電流ボトルネックを5Aに制限する条件下では、充電電力は、入力電圧を増加させることによって増加される。
本出願の実施形態におけるマルチタブソリューションは、例えば、以下の方法のうちの1つを使用し得る。
A:電流を分割するために、タブを追加しタブが再使用されるモード(すなわち、前述の共有正極タブまたは共有負極タブ)が使用される。これにより、タブのインピーダンスが低減されるだけでなく、電池セル本体(電池セルおよび電池保護基板を含む)の発熱量も低減される。構造的には、共有タブの体積を増加させ得る。例えば、共有タブの幅、長さおよび/または厚さを増加させ得る。
B:タブを増加させる。電池セルは、電池セルの貫通電流容量を増加させるために、2つの側面にタブを有する構造を有し、これには、4タブ構造および6タブ構造などの構造が含まれるがこれらに限定されない。4タブ構造は、以下の図9に示されており、電池セルの2つの側面のそれぞれに一対の正極タブおよび負極タブがある。6タブ構造は、以下の図14Aに示されており、電池セルの2つの側面のそれぞれに3つのタブがある。図14Aは、負極タブが共有されていることを示す。同様に、正極タブが代替的に共有され得る。
本出願の実施形態における3タブソリューションおよび6タブソリューションなどのソリューションでは、保護IC(すなわち、電池保護基板内の保護IC)は、タブ分配および回路最適化を通して多重化され得、それによって、単一の電池セルが使用される場合のための高出力充電を実装し、2つの電池セルが使用されるときに存在する安全性問題を回避する。
本出願の実施形態では、単一の電池セルが使用されるときに存在する問題、すなわち、不十分な貫通電流容量および大量の発熱といった問題を解決することができ、2つの電池セルが使用されるときに存在する問題、すなわち、高いコスト、追加の一組の保護ICを追加する必要性、そして分割の場合の大きな容量損失といった問題も解決することができる。
本出願の実施形態では、電池の複数のタブを使用することによって、電池セルの発熱量が低減され、電池セルの貫通電流容量が増大する。本出願の実施形態では、一組の保護ICの保護ソリューションは、デュアルバッテリインターフェース電流経路の計画を通して実現される。このソリューションをデュアル電池セルソリューションと比較すると、コストが低減され、安全性が高いと同時に、電池セルの発熱量が低減される。本出願の実施形態では、効率的な差圧比(例えば、4:1)を有する充電器ICおよび複数のタブを使用することによって、全体の発熱量を増加させることなく、より高出力の充電ソリューションが実現される。本出願の実施形態では、複数のタブを使用することによってより高出力の貫通電流容量が提供され、それによって、単一の電池セルが使用される場合のための高出力充電を実現し、2つの電池セルが使用されるときに引き起こされる問題を解決する。
本出願の一実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図2Aは、電池セルの平面構造の概略図である。
図2Bは、電池セルの平面構造の概略図である。
図3Aは、図1に示す第1の電池保護基板の回路ブロック図である。
図3Bは、図1に示す第1の電池保護基板の回路ブロック図である。
図4Aは、図1に示す第1の保護回路および保護回路の回路ブロック図である。
図4Bは、本出願の別の実施形態による第1の保護回路および保護回路の回路ブロック図である。
図5は、図4Aに示す電池モジュールにおける第1の保護基板の具体的な回路構造の概略図である。
図6は、本出願の別の実施形態による充電モジュール内の電池モジュールの回路ブロック図である。
図7は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図8は、本出願の別の実施形態による充電モジュール内の電池モジュールの回路ブロック図である。
図9は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図10は、充電モジュールの回路ブロック図である。
図11は、電池モジュールの回路構造の概略図である。
図12は、第1の電池保護基板のうちの1つの回路構造の概略図である。
図13は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図14Aは、図13に示す充電モジュール内の電池モジュールの概略構造図である。
図14Bは、本出願の一実施形態による5タブ電池モジュールの概略図である。
図15は、図13に示す充電モジュール内の電池モジュールの回路構造の概略図である。
図16Aは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図16Bは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図16Cは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図17は、図16Aに示す電池セルの上面図である。
図18は、図16Aに示す電池セルの正面構造の概略図である。
図19は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図20は、図19に示す電池セルの上面図である。
図21は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図22は、図21に示す電池セルの上面図である。
図23は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図24は、図23に示す電池セルの上面図である。
図25は、図24に示す電池セルの正面構造の概略図である。
図26は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図27は、図26に示す電池セルの三次元構造の概略図である。
図28は、図27に示す電池セルの左側図である。
図29は、本出願の一実施形態による電池セルの概略分解構造図である。
図30は、本出願の一実施形態による電池セルの概略分解構造図である。
図31は、図30に示す電池セルの三次元構造の概略図である。
図32は、図31に示す電池セルの左側図である。
図33は、図31に示す電池セルの主要図である。
図34は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図35は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図36は、図34に示す電池セルの平面構造の概略図である。
図37は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの平面構造の概略図である。
図38は、図36に示す電池セルの正面構造の概略図である。
図39は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略図である。
図40は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの概略図である。
図41は、本出願の一実施形態による5つのタブを有する電池セルの概略図である。
図42は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略図である。
図43は、本出願の一実施形態による非貫通型電池セルの概略図である。
図44は、本出願の一実施形態による貫通型電池セルの概略図である。
図45は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略図である。
図46は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの概略図である。
図47は、本出願の一実施形態による5つのタブを有する電池セルの概略図である。
図48は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略図である。
図1は、本出願の一実施形態による充電モジュール10の回路ブロック図である。
図1に示すように、充電モジュール10は、第1の回路基板11と、第2の回路基板12と、第3の回路基板13と、電池セル14および第1の電池保護基板15を含む電池モジュール100とを含む。第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13は、協働して、外部から受信した充電電圧および充電電流を、電池モジュール100が充電を実行するのに適切な電圧および電流に処理する。電池モジュール100は、処理された電圧および電流を受信し、充電を実行して電気エネルギーを蓄積する。加えて、電池モジュール100はまた、蓄積された電気エネルギーを第3の回路基板13に放出して放電を実行し、第3の回路基板13および別の機能回路(図示せず)に駆動電源を提供することができる。
具体的には、第1の回路基板11は、外部から第1の充電電圧および第1の充電電流を受信し、第1の充電電圧に対して電圧変換を実行し、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換するように構成される。第2の回路基板12は、第1の回路基板11および第3の回路基板13に電気的に接続され、第1の充電電圧および第1の充電電流を第3の回路基板13に供給するように構成される。第3の回路基板13は、第1の電池保護基板15に電気的に接続され、第2の充電電圧を電池セル電圧に変換し、電池セル電圧を第1の電池保護基板15に供給するように構成される。加えて、第1の回路基板11および第3の回路基板13は第1の充電電流を電池セル電流に変換することも行う。
第1の電池保護基板15は、電池セル14に電気的に接続され、少なくとも2つの導電経路を使用することによって電池セル電圧および電池セル電流を電池セル14に送信するように構成されるため、電池セル14は、充電を実行して電気エネルギーを蓄積することができる。別の方向では、電池セル14は、少なくとも2つの導電経路を使用することによって、電池セル電圧および電池セル電流を第1の電池保護回路15に送信するため、電池セル14は、蓄積された電気エネルギーを第3の回路基板13に放出して放電を実行する。
本実施形態では、電池セル電圧は、第1の充電電圧および第2の充電電圧よりも低い。電池セル電圧は、電池セル14が充電または放電される定格電圧である。例えば、電池セル電圧は5ボルト(V)であり、第1の充電電流は12アンペア(A)である。本出願の別の実施形態では、第1の回路基板11は、第2の回路基板12が接続を行うことなく、第3の回路基板13に直接電気的に接続され得る。言い換えれば、別の実施形態では、第2の回路基板12は存在せず、第1の回路基板11および第3の回路基板13は直接電気的に接続され得る。代替的に、別の実施形態では、第1の回路基板11および第3の回路基板13は同じ回路基板によって実装され得、すなわち、第1の回路基板11および第3の回路基板13は同じ回路基板であり、第2の回路基板12は存在しない。
受信した電圧および電流を処理し、処理された電圧および電流を送信するために、複数の機能回路および複数の導電線が、第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13のそれぞれに配置されることに留意されたい。より具体的には、第1の回路基板11は、第1の送信インターフェース111と、第1の電圧変換部C1とを含む。第1の送信インターフェース111は、外部電源システムに電気的に接続され、第1の充電電圧および第1の充電電流を受信するように構成される。本実施形態では、例えば、第1の送信インターフェース111は、ミニUSBインターフェース、マイクロUSB2.0インターフェース、マイクロUSB2.0インターフェース、またはtype-Cインターフェースであり得、第1の充電電圧は12ボルト(V)であり、第1の充電電流は5アンペア(A)である。
第1の電圧変換部C1は、第1の送信インターフェース111に電気的に接続され、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換するように構成され、例えば、第1の充電電圧を降圧し得る。本実施形態では、第1の電圧変換部C1は、入力電圧を最大で1/2に降圧することができ、次いで電圧を出力する。言い換えれば、第2の充電電圧(出力電圧)の最小値は、第1の充電電圧(入力電圧)の1/2であり得る。充電プロセスでは、第1の電圧変換部C1は、実際の要求に基づいて電圧降圧の大きさを決定する。もちろん、本出願の別の実施形態では、第1の電圧変換部C1は、別の電圧降圧能力(4:1、3:1、または別の比の電圧降圧)を有し得る。例えば、第1の電圧変換部C1は、4:1充電器IC(チャージャIC)であってもよく、出力電圧を入力電圧の1/4に降圧することができる。別の実施形態では、第1の充電電圧を変換する必要がないこと、例えば、第1の充電電圧を降圧する必要がないことに留意されたい。例えば、第1の充電電圧の電圧値が比較的低い場合には、降圧を実行する必要はない。この場合、第1の回路基板11は、第1の電圧変換部C1を含まなくてもよく、第1の回路基板11は、第1の充電電圧を第3の回路基板13に直接送信し得る。
第2の回路基板12は、第1の接続インターフェース121と第2の接続インターフェース122とを含む。第1の接続インターフェース121は第1の回路基板11に電気的に接続され、第2の接続インターフェース122は第3の回路基板13に電気的に接続される。本実施形態では、第1の回路基板11および第3の回路基板13は、電池セル14の対向する2つの側面の位置に配置される。この場合、第2の回路基板12は、第2の充電電圧を第3の回路基板13に送信するために、電池セル14の対向する2つの側面にわたって第1の回路基板11を第3の回路基板13に電気的に接続する。本実施形態では、第2の回路基板12は、フレキシブル回路基板であり得る。
本出願の本実施形態では、第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13が配置される位置は限定されないことに留意されたい。実施形態および添付図面における構成は、接続関係の例にすぎず、構成要素の具体的な配置を限定するものではない。例えば、図1における第2の回路基板12は、図中左側であるが、実際の製品では、第2の回路基板12は、任意の適切な位置に配置されてもよい。例えば、バランスを考慮して、第2の回路基板12は中間位置に配置されてもよく、すなわち、電池セルおよび保護回路が第2の回路基板12に対して対称であってもよい。
第3の回路基板13は、第1の導電性インターフェース131と、第2の導電性インターフェース132と、2つの第2の電圧変換部C2とを含む。特定の実装プロセスでは、通常、第3の回路基板13は、協働を通じて電子デバイスの充電および放電機能を実装するために別の回路要素をさらに含み得る。例えば、第3の回路基板13は、第1のサンプリング部133および電量計134をさらに含み得る。第1のサンプリング部133は、第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に電気的に接続される。電量計134は、第1のサンプリング部133に電気的に接続される。第1のサンプリング部133は、電流検出または電気量検出中にサンプリングを実行するように構成されたサンプリング抵抗であってもよい。電量計134(クーロンカウンタとも称される)は、電池の電気量を測定するように構成される。電量計134は、サンプリング抵抗を使用することによって電池の電気量を測定し得る。
2つの第2の電圧変換部C2は、第2の接続インターフェース122に別々に電気的に接続され、第2の充電電圧および充電電流を受信し、第2の充電電圧を電池セル電圧に変換するように別々に構成され、例えば、第2の充電電圧を電池セル電圧に降圧し得る。本実施形態では、第2の電圧変換部C2は、2:1充電器ICであり得、入力電圧を最大で1/2に降圧することができ、次いで電圧を出力する。言い換えれば、電池セル電圧(出力電圧)の最小値は、第2の充電電圧(入力電圧)の1/2であり得る。充電プロセスでは、第2の電圧変換部C2は、実際の要求に基づいて電圧降圧の大きさを決定する。本出願の別の実施形態では、第2の電圧変換部C2は、別の電圧降圧能力(4:1、3:1、または別の比の電圧降圧)を有し得る。例えば、第2の電圧変換部C2は、4:1充電器IC(チャージャIC)であってもよく、出力電圧を入力電圧の1/4に降圧することができる。
本出願の実施形態における電圧は例にすぎず、電池モジュール100の実際の充電プロセスでは、充電または放電電圧が変動することに留意されたい。電池モジュール14を充電するときに許容される現在の最大電池セル電圧は5Vを超えない。一般に、最大電池電池セル電圧は4.22Vまたは4.45Vである。
2つの第2の電圧変換部C2は、第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に別々に電気的に接続されて、電池セル電圧および電池セル電流を第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に別々に供給する。言い換えれば、第1の導電性インターフェース131は、電池セル電圧および電池セル電流を受信し、第2の導電性インターフェース132も、電池セル電圧および電池セル電流を受信する。
本出願の一実施形態では、2つの第2の電圧変換部C2は、例えば、充電器IC(チャージャIC)であり得る。2つの充電器ICが両方とも一次充電器ICであってもよく、または、一方の充電器ICが一次充電器ICであり、他方の充電器ICが二次充電器ICであってもよい。電圧変換を実行することに加えて、一次充電器ICはさらに別の充電機能をサポートし、例えば、バック構造充電、USB OTG(USB on-the-go)機能などをさらにサポートし得る。二次充電器ICは主に、電圧変換および充電電流の増加などの機能を実行するように構成される。
図1を参照して、図2Aは、電池セル14の平面構造の概略図である。
図1および図2Aに示すように、電池セル14は、電池セル本体140と、互いに対向する第1の側面141および第2の側面142とを含む。第1の回路基板11は電池セル14の第1の側面141側に配置され、第3の回路基板13および第1の電池保護基板15は電池セルの第2の側面142側に配置される。第2の回路基板12は、電池セル14の第1の側面141および第2の側面142にわたって第1の回路基板11および第3の回路基板13に別々に電気的に接続される。
本実施形態では、タブ14a、タブ14bおよびタブ14cは、電池セル本体140の第1の側面141に配置される。タブ14aは極性1を有し、タブ14bおよびタブ14cは極性2を有する。極性1と極性2とは逆である。極性1が正極性であり、極性2が極性であるか、または極性1が負極性であり、極性2が正極性である。
タブ14bおよびタブ14aは、導電ループの正極および負極を形成し、タブ14cおよびタブ14aは、導電ループの正極および負極を形成する。この場合、2つの導電ループを別々に使用することによって、電圧および電流が電池セル本体140に入力される(充電)か、または電圧および電流が電池セル本体140から出力される(放電)。
本実施形態では、タブ14bおよびタブ14cは直接電気的に接続され得る。言い換えれば、タブbおよびタブcの電圧(電位)は同じである。
したがって、電池セル14は、充電または放電のための2つの導電ループを含む。この場合、各タブで送信される充電電流を増加させることなく、電池セル14の充電効率を向上させ、充電時間を短縮することができる。本実施形態では電池セルにおけるこれらのタブの位置は限定されず、電気的な接続関係が同じである限り、本実施形態におけるソリューションを実施することができることに留意されたい。電池セルにおけるタブの位置は、後述される、電池セルの具体的な構造の実施形態で詳細に説明される。
図1を参照して、図3Aは、図1に示す第1の電池保護基板15の回路ブロック図である。
図3Aに示すように、第1の電池保護基板15は、第1のバッテリインターフェース151と、第2のバッテリインターフェース152と、第1の保護回路153と、第2の保護回路154とを含む。
第1のバッテリインターフェース151は第1の導電性インターフェース131(図1)に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース152は第2の導電性インターフェース132(図1)に電気的に接続される。
第1の保護回路153は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続され、第1の保護回路153はまた、第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続される。第1の保護回路153は、電池セル14の充電または放電中に、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流がしきい値範囲を超えると、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路を切断して、電池セル14の損傷を防止するように構成される。
第2の保護回路154は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続され、第2の保護回路154はまた、第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続される。第2の保護回路153は、電池セル14の充電または放電中に、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流がしきい値範囲を超えると、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路を切断して、電池セル14を保護し、電池セル14の損傷を防止するように構成される。
第1の保護回路153および第2の保護回路154は、電池セル14を同時に保護する。第1の保護回路153および第2の保護回路154のいずれか一方が故障した場合には、もう一方が電池セル14を保護することができる。言い換えれば、第1の保護回路153および第2の保護回路154は、互いのバックアップとして機能し得る。第1の保護制御部1531が故障した場合には、第2の保護制御部1541が電圧および電流保護を実行する。代替的に、第2の保護制御部1541が故障した場合には、第1の保護制御部1531が電圧および電流保護を実行する。
第1の保護回路153に対応し、電池セル14によって入力および出力される電圧および電流に関するしきい値範囲は、第2の保護回路154に対応し、電池セル14によって入力および出力される電圧および電流に関するしきい値範囲と同じであってもよく、または異なっていてもよい。第1の保護回路153および第2の保護回路154が異なる範囲に対応する場合、最初にしきい値範囲に到達した保護回路が、経路を切断する動作を実行する。第1の保護回路153および第2の保護回路154が同じ範囲に対応する場合、これら2つの保護回路のうち、電圧または電流が対応するしきい値範囲を超えることを先に検出した保護回路が保護動作を実行する。より具体的には、第1のバッテリインターフェース151、タブ14b、電池セル本体、タブ14aおよび第1の保護回路153は、第1の導電ループを構成する。第1の導電ループは、電池セル電圧および電池セル電流を送信する。
本実施形態では、第1の導電ループは、第1の導電経路P1と第3の導電経路P3とを含む。第1の導電経路P1は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14bとの間に位置し、第3の導電経路P3は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14aとの間に位置する。
第2のバッテリインターフェース152、タブ14c、電池セル本体、タブ14aおよび第1の保護回路153は、第2の導電ループを構成する。第2の導電ループは、電池セル電圧および電池セル電流を送信する。
本実施形態では、第2の導電ループは、第2の導電経路P2と第4の導電経路P4とを含む。第2の導電経路P2は、第2のバッテリインターフェース152とタブ14cとの間に位置し、第4の導電経路P4は、第2のバッテリインターフェース152とタブ14aとの間に位置する。
任意選択で、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4は、導電線を使用することによって直接電気的に接続されるため、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電圧は基本的に同じとなり、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じとなる。
第1の保護回路153は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにある電圧および電流を検出するように構成される。電圧が第1の電圧しきい値範囲を超えると、第1の保護回路153は、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断して、電池セル14が過電圧状態で充電されたり不足電圧状態で放電したりすることを防止する。電流が第1の電流しきい値を超えると、第1の保護回路153は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電流状態で充電されたり放電したりすることを防止する。
同様に、第2の保護回路154もまた、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成される。電圧が第2の電圧しきい値範囲を超えると、第2の保護回路154は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電圧状態で充電されたり不足電圧状態で放電したりすることを防止する。電流が第2の電流しきい値を超えると、第2の保護回路154は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電流状態で充電されたり放電したりすることを防止する。
本実施形態では、第1の電圧しきい値範囲は、不足電圧しきい値1から過電圧しきい値1までであり得、ここで、不足電圧しきい値1は過電圧しきい値1よりも小さい。第2の電圧しきい値範囲は、不足電圧しきい値2から過電圧しきい値2までであり得、ここで、不足電圧しきい値2は過電圧しきい値2よりも小さい。
第1の電圧しきい値範囲が第2の電圧しきい値範囲と同じであるとき、不足電圧しきい値1が不足電圧しきい値2に等しく、かつ、過電圧しきい値1が過電圧しきい値2に等しい。
第1の電圧しきい値範囲が第2の電圧しきい値範囲と異なるとき、不足電圧しきい値1が不足電圧しきい値2に等しくないか、または過電圧しきい値1が過電圧しきい値2に等しくない。一実施形態では、不足電圧しきい値2が不足電圧しきい値1よりも小さく、過電圧しきい値2が過電圧しきい値1よりも大きいか、または不足電圧しきい値2が不足電圧しきい値1よりも大きく、過電圧しきい値2が過電圧しきい値1よりも大きい。
例えば、第1の電圧しきい値範囲は、例えば2.4V~4.422Vであり得、第2の電圧しきい値範囲は、例えば2.2V~4.45Vであり得る。言い換えれば、過電圧しきい値1は4.422Vであり、不足電圧しきい値1は2.4Vであり、過電圧しきい値2は4.45Vであり、不足電圧しきい値2は2.2Vである。代替的に、第1の電圧しきい値範囲は、例えば2.2V~4.422Vであり得、第2の電圧しきい値範囲は、例えば2.4V~4.45Vであり得る。電圧が電圧しきい値範囲を超えるとは、電圧が不足電圧しきい値より小さいか、または過電圧しきい値より大きいことを意味する。
本実施形態では、第1の電流しきい値または第2の電流しきい値は特定の値である。第1の電流しきい値および第2の電流しきい値は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。電流が電流しきい値を超えるとは、電流が電流しきい値以上であることを意味する。
図1を参照して、図4Aは、図1に示す第1の保護回路153および第2の保護回路154の回路ブロック図である。
図4Aに示すように、第1の保護回路153は、第1の保護制御部1531と、第1の電圧サンプリング部1532と、第1の電流サンプリング部1534と、第1のスイッチ部1533とを含む。
第1の保護制御部1531は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続される。第1の保護制御部1531は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出し、検出された電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、第1の保護制御部1531は、第1のスイッチ部1533に保護信号を出力する。第1のスイッチ部1533は、保護信号に基づいて第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断し、それによって電池セル14を保護し、過電圧、過電流または不足電圧による電池セル14の損傷を防止する。
第1の電圧サンプリング部1532は、タブ14b、タブ14cおよび第1の保護制御部1531に別々に電気的に接続され、電池セル電圧を検出し、検出された電池セル電圧を第1の保護制御部1531に送信するように構成される。第1の電圧サンプリング部1532は、例えば、サンプリング抵抗であってもよい。任意選択で、代替的に、本出願の本実施形態の電圧サンプリング部はなくてもよく、導電ループ内の電圧は保護制御部によって直接検出される。
第1の電流サンプリング部1534は、タブ14a、第1の保護制御部1531および第1のスイッチ部1533に別々に電気的に接続され、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内の電流を検出し、電流を第1の保護制御部1531に送信するように構成される。第1の電流サンプリング部1534は、例えば、サンプリング抵抗であってもよい。
第1のスイッチ部1533は、第1の保護制御部1531、第1の電流サンプリング部1534、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第1のスイッチ部1533は、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3および第2の導電ループ内の第4の導電経路P4に位置する。
本実施形態では、第1のスイッチ部1533は、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2とを含み得る。
第1のスイッチS1は、第1の電流サンプリング部1534と、第1の保護制御部1531と、第2の保護回路154内の第3のスイッチS3とに別々に電気的に接続される。第1のスイッチS1は、第1の保護制御部1531から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第2のスイッチS2は、第1の電流サンプリング部1534と、第1の保護制御部1531と、第2の保護回路154内の第4のスイッチS4とに別々に電気的に接続される。第2のスイッチS2は、第1の保護制御部1531から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
本実施形態では、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、同期してオンにされるか、または同期して遮断され、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、同じ型のトランジスタMOSを使用することによって実装され得る。例えば、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は両方ともN型トランジスタまたはP型トランジスタである。もちろん、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、代替的に、異なる型のトランジスタまたは他の素子を使用することによって実装されてもよい。
図4Aに示すように、本出願の本実施形態では、第2の保護回路154がさらに含まれ得る。第2の保護回路154は、第2の保護制御部1541と、第2の電圧サンプリング部1542と、第2のスイッチ部1543とを含む。
第2の保護制御部1541は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続される。第2の保護制御部1541は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出し、電圧が第2の電圧しきい値範囲を超えるかどうかを判定し、電流が対応する電流しきい値を超えるかどうかを判定する。電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、第2の保護制御部1541は、第2のスイッチ部1543に保護信号を出力する。第2のスイッチ部1543は、保護信号に基づいて第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第2の電圧サンプリング部1542は、タブ14b、タブ14cおよび第2の保護制御部1541に別々に電気的に接続され、電圧を検出し、検出された電圧を第2の保護制御部1541に送信するように構成される。本実施形態では、第1の電圧サンプリング部1532および第2の電圧サンプリング部1542の回路構造は同じであってもよい。任意選択で、代替的に、本出願の本実施形態の電圧サンプリング部はなくてもよく、導電ループ内の電圧は保護制御部によって直接検出される。
本実施形態では、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152が、導電線を使用することによって直接電気的に接続されている、すなわち、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4が互いに短絡しているので、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じである。
第2のスイッチ部1543は、第2の保護制御部1541、第1のスイッチ部1533、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第2のスイッチ部1543は、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3および第2の導電ループ内の第4の導電経路P4に位置する。
本実施形態では、第2のスイッチ部1543は、第3のスイッチS3と第4のスイッチS4とを含む。
第3のスイッチS3は、第1のスイッチS1、第2の保護制御部1541および第1のバッテリインターフェース151に別々に電気的に接続される。第3のスイッチS3は、第2の保護制御部1541から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第3のスイッチS3および第1のスイッチS1が両方ともオン状態であるとき、第1の導電ループは閉結され、第1の導電経路P1および第3の導電経路P3は電気的にオンである。第3のスイッチS3または第1のスイッチS1がオフ状態にあるとき、第1の導電ループは開放され、第1の導電経路P1および第3の導電経路P3は電気的にオフである。
第4のスイッチS4は、第2のスイッチS2、第2の保護制御部1541および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第4のスイッチS4は、第1の保護制御部1541から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第4のスイッチS4および第2のスイッチS2が両方ともオン状態であるとき、第2の導電ループは閉結され、第2の導電経路P2および第4の導電経路P4は電気的にオンである。言い換えれば、第2のバッテリインターフェース152とタブ14aとの間で電池セル電流および電池セル電圧を送信することができる。第4のスイッチS4または第2のスイッチS2がオフ状態にあるとき、第2の導電ループは開放され、第2の導電経路P2および第4の導電経路P4は電気的にオフである。
本実施形態では、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は、同期してオンにされるか、または同期して遮断され、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は、同じ型のトランジスタMOSを使用すること、例えば両方ともN型トランジスタまたはP型トランジスタであることによって実装され得る。もちろん、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は代替的に、異なる型のトランジスタまたは他の素子を使用することによって実装されてもよい。
別の実装形態では、タブ14aを2つのタブに分割し得る。互いに協働するとき、これらの2つのタブはタブ14aと同じ機能を有する。図2Bに示すように、タブ14aは、同じ極性を有する2つのタブ(サブタブとも称され得る)であり得る。2つのタブのうちの一方とタブ14bとは、1つの導電ループの正極および負極を形成し、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。2つのタブのもう一方とタブ14cとは、別の導電ループの正極および負極を形成し、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。2つの導電ループは、図2Aの2つの導電ループと同様である。それに応じて、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割される場合、第1の電池保護基板15の対応する回路ブロック図が図3Bに示され、第1の保護回路153および第2の保護回路154の対応する回路ブロック図が図4Bに示される。図3Bと図3Aとの違いは、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割されている点である。図4Bと図4Aとの違いは、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割されている点である。
図5は、図5に示す電池モジュール100における第1の保護基板15の具体的な回路構造を示す概略図である。
第1の電圧サンプリング部1532は、第1の電圧検出抵抗RV1と第2の電圧検出抵抗RV2とを含む。第1の電圧サンプリング抵抗RV1は、第1の導電経路P1のタブ14bに電気的に接続され、第2のサンプリング抵抗RV2は、第2の導電経路P2のタブ14cに電気的に接続される。第1の電圧サンプリング抵抗RV1および第2のサンプリング抵抗RV2は、それぞれ、第1の導電経路P1上の電圧および第2の導電経路P2上の電圧を収集するように構成される。
本実施形態では、タブ14bとタブ14cとが直接電気的に接続されているので、第1の電圧サンプリング抵抗RV1と第2の電圧サンプリング抵抗RV2とは並列に接続される。したがって、第1の電圧サンプリング部1532は、第1の導電経路P1上の電圧と、第2の導電経路P2上の電圧との平均値を収集し、平均電圧値を第1の保護制御部1531に提供することができる。
本出願の別の実施形態では、第1の導電経路P1上にあり、第1の電圧検出抵抗RV1によって検出される電圧が、電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第1の電圧検出抵抗RV1のみが第1の電圧サンプリング部1532に配置されてもよい。代替的に、第2の導電経路P2上にあり、第2の電圧検出抵抗RV2によって検出される電圧が電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第2の電圧検出抵抗RV2のみが第1の電圧サンプリング部1532に配置されてもよい。
第1の電流検出部1534は、第1の電流検出抵抗RI1と第2の電流検出抵抗RI2とを含む。第1の電流サンプリング抵抗RI1は、タブ14aと第1のバッテリインターフェース151との間に電気的に接続され、第2のサンプリング抵抗RV2は、タブ14aと第2のバッテリインターフェース152との間に電気的に接続される。第1の電流サンプリング抵抗RI1および第2の電流サンプリング抵抗RI2は、それぞれ、第3の導電経路P3上の電流および第4の導電経路P3上の電流を収集するように構成される。
本実施形態では、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152が、導電線を使用することによって直接電気的に接続されている、すなわち、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4が互いに短絡しているので、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じである。
第2の電圧サンプリング部1542は、第3の電圧検出抵抗RV3と第4の電圧検出抵抗RV4とを含む。第3の電圧サンプリング抵抗RV3は、第1の導電経路P1内のタブ14bに電気的に接続され、第4のサンプリング抵抗RV4は、第2の導電経路P2内のタブ14cに電気的に接続される。第3の電圧サンプリング抵抗RV3および第4のサンプリング抵抗RV4は、それぞれ、第1の導電経路P1上の電圧および第2の導電経路P2上の電圧を収集するように構成される。
本実施形態では、2つのタブ、タブ14bおよびタブ14cが直接電気的に接続されているので、第3の電圧サンプリング抵抗RV3および第4の電圧サンプリング抵抗RV4は並列に接続される。したがって、第2の電圧サンプリング部1542は、第1の導電経路P1上の電圧と、第2の導電経路P2上の電圧との平均値を収集し、平均電圧値を第1の保護制御部1531に提供することができる。
本出願の別の実施形態では、第1の導電経路P1上にあり、第3の電圧検出抵抗RV3によって検出される電圧が、電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第3の電圧検出抵抗RV3のみが第2の電圧サンプリング部1542に配置されてもよい。代替的に、第2の導電経路P2上にあり、第4の電圧検出抵抗RV4によって検出される電圧が電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第4の電圧検出抵抗RV4のみが第2の電圧サンプリング部1542に配置されてもよい。
図5に示すように、第1の保護制御部1531は、第1の電圧検出端子PV1と、第1の電流検出端子PI1と、第1の充電制御端子CO1と、第1の放電制御端子DO1とを含む。
具体的には、第1の電圧検出端子PV1は、第1の電圧検出抵抗RV1および第2の電圧検出抵抗RV2に電気的に接続され、電圧を検出するように構成される。
第1の電流検出端子PI1は、第1の電流検出抵抗RI1および第2の電流検出抵抗RI2に電気的に接続され、電流を検出するように構成される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1は両方とも、第1のスイッチS1に電気的に接続され、保護信号を出力して第1のスイッチS1をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第1の保護制御部1531は、第1の電圧検出端子PV1によって検出された電圧および第1の電流検出端子PI1によって検出された電流がしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から保護信号を出力する。
本実施形態では、第1のスイッチ部1533内の第1のスイッチS1は、第1の制御端子SC1と、第2の制御端子SC2と、第1の導電端子SD1と、第2の導電端子SD2とを含む。
第2のスイッチ部1543を使用することによって、第1の制御端子SC1は第1の放電制御端子DO1に電気的に接続され、第2の制御端子SC2は第1の充電制御端子CO1に電気的に接続され、第1の導電端子SD1はタブ14aに電気的に接続され、第2の導電端子SD2は第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から第1の保護制御部1531によって出力された保護信号は、第1の制御端子SC1および第2の制御端子SC2を使用することによって、第1のスイッチS1がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第1のスイッチS1が保護信号の制御下でオンにされると、第1の導電端子SD1および第2の導電端子SD2は電気的にオンになる。第1のスイッチS1が保護信号の制御下で遮断されると、第1の導電端子SD1および第2の導電端子SD2は電気的にオフになる。
本実施形態では、第1のスイッチS1は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3に関して、電池セル14が充電される際に電流が第1のタブ14aから第1のバッテリインターフェース151に流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができ、電池セル14が放電する際に電流が第1のバッテリインターフェース151から第1のタブ14aに流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができる。
加えて、第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1は両方とも、第2のスイッチS2に電気的に接続され、保護信号を出力して第2のスイッチS2をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第1のスイッチ部1533内の第2のスイッチS2は、第3の制御端子SC3と、第4の制御端子SC4と、第3の導電端子SD3と、第4の導電端子SD4とを含む。
第2のスイッチ部1543を使用することによって、第3の制御端子SC3は第1の放電制御端子DO1に電気的に接続され、第4の制御端子SC4は第1の充電制御端子CO1に電気的に接続され、第3の導電端子SD3はタブ14aに電気的に接続され、第4の導電端子SD4は第2のバッテリインターフェース152に電気的に接続される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から第1の保護制御部1531によって出力される保護信号は、第3の制御端子SC3および第4の制御端子SC4を使用することによって、第2のスイッチS2がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第2のスイッチS2が保護信号の制御下でオンにされると、第3の導電端子SD3および第4の導電端子SD4は電気的にオンになる。第2のスイッチS2が保護信号の制御下で遮断されると、第3の導電端子SD3および第4の導電端子SD4は電気的にオフになる。
本実施形態では、第2のスイッチS2は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第1の導電ループ内の第4の導電経路P4に関して、電池セル14が充電される際に電流が第1のタブ14aから第2のバッテリインターフェース152に流れるとき、第2のスイッチS2をオンまたは遮断することができ、電池セル14が放電する際に電流が第2のバッテリインターフェース152から第1のタブ14aに流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができる。
第2の保護制御部1541は、第2の電圧検出端子PV2と、第2の電流検出端子PI2と、第2の充電制御端子CO2と、第2の放電制御端子DO2とを含む。
具体的には、第2の電圧検出端子PV2は、第3の電圧検出抵抗RV3および第4の電圧検出抵抗RV4に電気的に接続され、電圧を検出するように構成される。
第2の電流検出端子PI2は、第1の電流検出抵抗RI1および第2の電流検出抵抗RI2に電気的に接続され、電流を検出するように構成される。
第2の保護制御部1541は、第2の電圧検出端子PV2によって検出された電圧および第2の電流検出端子PI2によって検出された電流がしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から保護信号を出力する。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2は両方とも、第3のスイッチS3に電気的に接続され、保護信号を出力して第3のスイッチS3をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
本実施形態では、第2のスイッチ部1543内の第3のスイッチS3は、第5の制御端子SC5と、第6の制御端子SC6と、第5の導電端子SD5と、第6の導電端子SD6とを含む。
第5の制御端子SC5は、第2の放電制御端子DO2に電気的に接続され、第6の制御端子SC6は、第2の充電制御端子CO2に電気的に接続され、第5の導電端子SD5は、第1のスイッチS1の第2の導電端子SD2に電気的に接続され、第6の導電端子SD5は、第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から第2の保護制御部1541によって出力される保護信号は、第5の制御端子SC5および第6の制御端子SC6を使用することによって、第3のスイッチS3がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第3のスイッチS3が保護信号の制御下でオンにされると、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6は電気的にオンになる。第3のスイッチS3が保護信号の制御下で遮断されると、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6は電気的にオフになる。
本実施形態では、第3のスイッチS3は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3に関して、電池セル14が充電または放電されるとき、第3のスイッチS3をオンまたは遮断することができる。
加えて、第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2は両方とも、第4のスイッチS4に電気的に接続され、保護信号を出力して第4のスイッチS4をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第2のスイッチ部1543内の第4のスイッチS4は、第7の制御端子SC7と、第8の制御端子SC8と、第7の導電端子SD7と、第8の導電端子SD8とを含む。
第7の制御端子SC7は第2の放電制御端子DO2に電気的に接続され、第8の制御端子SC8は第2の充電制御端子CO2に電気的に接続され、第7の導電端子SD7は第2のスイッチS2の第4の導電端子SD4に電気的に接続され、第8の導電端子SD8は第2のバッテリインターフェース152に電気的に接続される。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から第2の保護制御部1541によって出力される保護信号は、第7の制御端子SC7および第8の制御端子SC8を使用することによって、第4のスイッチS3がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第4のスイッチS4が保護信号の制御下でオンにされると、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8は電気的にオンになる。第4のスイッチS4が保護信号の制御下で遮断されると、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8は電気的にオフになる。
本実施形態では、第4のスイッチS4は双方向的にオンとなり得る。
本実施形態では、第1の電池保護基板15は、偽造防止部155をさらに含み得る。偽造防止部155は、第2の導電経路P2に電気的に接続され、電池セル14が耐えることができる電池セル電圧および電池セル電流を検出して、電池セル14と電池セル電圧または電池セル電流との間の不一致による電池セル14の損傷を防止するように構成される。
図1および図5を参照して、電池セル14が充電(電気エネルギーの蓄積)されるときおよび放電(電気エネルギーの放出)するときの電池モジュール100における第1の保護基板15の動作プロセスを具体的に説明する。
電池セル14が充電されるプロセスは、以下の通りである。
第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132から第3の回路基板13によって出力される電池セル電圧および電池セル電流は、第1の電池保護基板14の第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に送信される。
第1のバッテリインターフェース151に対応する第1の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第1のバッテリインターフェース151から第1の導電経路P1を通してタブ14bに送信される。
電池セル電圧は、第1の電圧検出抵抗RV1を通して第1のキャパシタC1を充電する。第1のキャパシタC1の充電電圧が第1のスイッチS1の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に導通信号を出力して、第1のスイッチS1をオン状態になるように制御する。
電池セル電圧は、第3の電圧検出抵抗RV3を通して第2のキャパシタC2を充電する。第2のキャパシタC2の充電電圧が第3のスイッチS3の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に導通信号を出力して、第3のスイッチS3をオン状態になるように制御する。
電池セル14の内部では、電池セル電流は、タブ14bからタブ14aに送信され、タブ14aから第1の電流検出抵抗RI1を通して第1のスイッチS1の第1の導電端子SD1に送信され、次いで第2の導電端子SD2に送信される。
第3のスイッチS3もオン状態にあり、第3のスイッチS3の第5の導電端子SD5が第2の導電端子SD2に電気的に接続されているので、電池セル電流は、第2の導電端子SD2、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6を通して第1のバッテリインターフェース151に送信される。このようにして、第1の導電ループにおいて電池セル14が充電される。
同様に、第2のバッテリインターフェース152に対応する第2の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第2のバッテリインターフェース152から第2の導電経路P2を通してタブ14cに送信される。
電池セル電圧は、第2の電圧検出抵抗RV2を通して第1のキャパシタC1を充電する。第1のキャパシタC1の充電電圧が第2のスイッチS2の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に導通信号を出力して、第2のスイッチS2をオン状態になるように制御する。
電池セル電圧は、第4の電圧検出抵抗RV4を通して第2のキャパシタC2を充電する。第2のキャパシタC2の充電電圧が第4のスイッチS4の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に導通信号を出力して、第4のスイッチS4をオン状態になるように制御する。
電池セル14の内部では、電池セル電流は、タブ14cからタブ14aに送信され、タブ14aから第2の電流検出抵抗RI2を通して第2のスイッチS2の第3の導電端子SD3に送信され、次いで第4の導電端子SD4に送信される。
第4のスイッチS4もオン状態にあり、第4のスイッチS4の第7の導電端子SD7が第3の導電端子SD3に電気的に接続されているので、電池セル電流は、第3の導電端子SD3、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8を通して第2のバッテリインターフェース152に送信される。このようにして、第2の導電ループにおいて電池セル14が充電される。
充電プロセスでは、第1の導電経路P1または第2の導電経路P2上の電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、すなわち、過電圧または不足電圧および過電流が発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541は、電池セル14のための保護を実行する。ここでは、以下の値が例として使用される。第1の保護制御部1531に対応する不足電圧しきい値は2.4Vであり、第1の保護制御部1531に対応する過電圧しきい値は4.422Vであり、第2の保護制御部1541に対応する不足電圧しきい値は2.2Vであり、第2の保護制御部1541に対応する過電圧しきい値は4.45Vである。
具体的には、不足電圧が第1の導電経路P1または第2の導電経路P1上で発生すると、例えば、電池セル14の電圧が2.4Vより小さいとき、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に保護信号を出力して第1のスイッチS1および第2のスイッチS2をオフ状態(すなわち、切断状態)になるように制御し、それによって、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
過電圧が第1の導電経路P1または第2の導電経路P1上で発生すると、例えば、電池セル14の電圧が4.422Vより大きいとき、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に保護信号を出力して第1のスイッチS1および第2のスイッチS2をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の保護制御部1531が故障した場合、すなわち、第1の保護制御部1531が、過電圧または不足電圧が電池セル14上で発生したときに第1の導電ループまたは第2の導電ループを適時かつ正確に切断することができない場合、第2の保護制御部1541が、過電圧または不足電圧が電池セル14上で発生したときに第1の導電ループまたは第2の導電ループを適時かつ正確に切断することができる。
例えば、第1の保護制御部1531が故障した場合で、電池セル14の電圧が2.2Vより小さいとき、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に保護信号を出力して第3のスイッチS3および第4のスイッチS4をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の保護制御部1531が故障した場合で、電池セル14の電圧が4.45Vよりも大きいとき、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に保護信号を出力して第3のスイッチS3および第4のスイッチS4をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
同様に、過電流または不足電流が第3の導電経路P3または第4の導電経路P4上で発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541の動作原理は、過電圧または不足電圧が電池セル上で発生するときに使用される動作原理と同じである。ここでは、詳細を改めて説明はしない。
電池セル14が放電するプロセスは以下の通りである。
電池セル14の内部では、電池セル電圧および電池セル電流は、タブ14aからタブ14bおよびタブ14cに別々に流れる。
第1のバッテリインターフェース151に対応する第1の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第1の導電経路P1を通ってタブ14bから第1のバッテリインターフェース151に送信され、次いで第3のスイッチS3および第1のスイッチS1を通って第1のバッテリインターフェース151から第1のタブ14aに送信される。このようにして、第1の導電ループにおいて、電池セル14が第1のバッテリインターフェース151に放電する。
同様に、第2のバッテリインターフェース152に対応する第2の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第2の導電経路P2を通してタブ14cから第1のバッテリインターフェース152に送信され、次いで第4のスイッチS4および第2のスイッチS2を通して第2のバッテリインターフェース152から第1のタブ14aに送信される。このようにして、第2の導電ループにおいて、電池セル14が第2のバッテリインターフェース152に放電する。
放電プロセスでは、第1の導電経路P1、第2の導電経路P2、第3の導電経路P3、または第4の導電経路P4上の電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、すなわち、過電圧または不足電圧および過電流または不足電流が発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541は、電池セル14のための保護を実行する。保護手順は充電プロセスのものと同様である。ここでは、詳細を改めて説明はしない。
図1~図5に示す充電電池モジュール10内の電池セルの回路の場合、1つの電池セル14は、充電および放電のための少なくとも2つの導電ループを含むことができる。これにより、充電効率が向上する。この電池セル14を1つの導電ループを有する電池セルと比較すると、充電時間の少なくとも半分が短縮され、加えて、各タブによって運ばれる電流も相対的に低減され、したがって、各タブの発熱量も効果的に低減され、すなわち、高い充電効率を実現しながら、各タブの発熱量を制御することができる。
例えば、電池セルが2つのタブのみを有し、12Aの電流が充電に使用され、保護基板のインピーダンスが20mOHmであるとき、タブおよび保護基板の発熱量は、P=I^2R=144*20=2.88Wとなる。
しかしながら、本実施形態における電池セル14の場合、電池セル14が3つのタブと少なくとも2つの導電ループとを含むので、各導電ループは、電流が分割された後の6Aの電流を有する。保護基板のインピーダンスが20mOHmである場合、タブおよび保護基板の発熱量は、P=2*I^2R=2*36*20=1.44Wとなる。総発熱量が半減(2.88Wから1.44Wに減少)していることがわかる。
図6は、本出願の別の実施形態による電池モジュール100の回路ブロック図である。図6に示すように、電池モジュール100は、図4Aに示す電池モジュール100の構造と基本的に同様の構成を有しており、唯一の違いは、第1の電池保護基板15が第1の保護回路153のみを含み、第2の保護回路154を含んでいないことである。前述したように、第2の保護回路は、第1の保護回路のバックアップとして機能する。第1の保護回路が故障した場合、第2の保護回路は、電池セルのための電圧保護および電流保護を実行し得る。したがって、本出願の実施形態におけるソリューションは、保護回路が1つしかない場合にも実装可能である。任意選択で、保護の信頼性をさらに向上させるために、保護回路の数を増やすこともできる。例えば、電池モジュール100は、3つ、4つ、またはそれ以上の数の保護回路を含み得る。新たに追加された保護回路については、第1の保護回路および第2の保護回路の構造およびレイアウトを参照されたい。
図7は、本出願の別の実施形態による充電モジュール30の回路ブロック図である。
本実施形態では、充電モジュール30の回路は、図1に示す充電モジュール10のものと基本的に同様であり、違いは以下の通りである:第1の回路基板11には第1の電圧変換部C1が配置されず、第3の回路基板13には1つの第2の電圧変換部C2が配置される。第2の電圧変換部C2は、第1の充電電圧を電池セル電圧に直接変換し、電池セル電圧を第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に提供する。本実施形態における第2の電圧変換部C2は、充電モジュール10における電圧変換部C1およびC2よりも高い電圧変換効率を有する。例えば、変換効率を2倍にすることができる。例えば、充電モジュール10内の電圧変換部C1およびC2が両方とも2:1充電器ICである場合、本実施形態における第2の電圧変換部C2は4:1充電器ICであってもよい。
図8は、本出願の別の実施形態による充電モジュール40内の電池モジュール400の回路ブロック図である。
図8に示すように、電池モジュール400の回路は、図1および図2Aに示す電池モジュール100のものと基本的に同様であり、違いは、電池セル14内のタブ14aが正極性を有し、電池セル14内のタブ14bおよびタブ14cが負極性を有する点である。
図9は、本出願の別の実施形態による充電モジュール50の回路ブロック図である。
図9に示すように、充電モジュール50内の電池モジュール500の回路は、図1に示す充電モジュール10内の電池モジュール100の回路と同様であり、違いは以下の通りである:電池モジュール500内の電池セル14は、4つのタブと2つの第1の電池保護基板15とを含み、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152は、電池セル14の対向する2つの側面に別々に配置される。
具体的には、4つのタブは、別々に、タブ14a、タブ14b、タブ14cおよびタブ14dである。タブ14aおよびタブ14bは、電池セル14の第1の側面141に配置され、タブ14cおよびタブ14dは、電池セル14の第2の側面142に配置される。タブ14aおよびタブ14cは第1の極性を有し、タブ14bおよびタブ14dは第2の極性を有する。本実施形態では、第1の極性は負極性であり、第2の極性は正極性である。
加えて、本実施形態では、第1の回路基板11には第1の電圧変換部C1が配置されず、第3の回路基板13には1つの第2の電圧変換部C2が配置される。第2の電圧変換部C2は、第1の充電電圧を電池セル電圧に直接変換し、電池セル電圧を第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に提供する。例えば、第2の電圧変換部C2は4:1充電器ICであってもよい。
図10は、充電モジュール50の回路ブロック図である。図10に示すように、電池セル14の第1の側面141および第2の側面142に、2つの第1の電池保護基板15が別々に配置される。言い換えれば、一方の第1の電池保護基板15は、タブ14aおよびタブ14bと電気的に接続され、もう一方の第1の電池保護基板15は、タブ14cおよびタブ14dと電気的に接続される。
より具体的には、図11は、電池モジュール500の回路構造の概略図であり、図12は、第1の電池保護基板15のうちの1つの回路構造の概略図である。
図11および図12に示すように、電池セル14の第2の側面142に位置する第1の電池保護基板15は、第1のバッテリインターフェース151、タブ14aおよびタブ14bに電気的に接続され、これらは第1の導電ループを構成し、電池セル14の第1の側面141に位置する第1の電池保護基板15は、第2のバッテリインターフェース152、タブ14cおよびタブ14dに電気的に接続され、これらは第2の導電ループを構成する。
図12に示すように、第1の電池保護基板15は、2つの保護回路153および154を含む。保護回路153および154は、導電ループのための電圧保護および電流保護を実行する。具体的な原理については、前述の実施形態における説明を参照されたい。図12に示す実施形態では、2つの保護回路153および154は両方とも、第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。他方の電池保護基板では、両方の保護回路は第2のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。2つの保護回路153および154は、互いのバックアップとして機能することが理解され得る。したがって、代替的に、1つの電池保護基板に1つの保護回路のみが配置されてもよいし、1つの電池保護基板に複数の保護回路が配置されてもよい。
図13は、本出願の別の実施形態による充電モジュール60の回路ブロック図である。
図13に示すように、充電モジュール60に含まれる電池モジュール600の回路は、図1に示す充電モジュール10に含まれる電池モジュール100の回路と同様であり、違いは、電池モジュール600内の電池セル14が、6つのタブと、2つの電池保護基板と、4つのバッテリインターフェースとを含む点である。具体的には、電池モジュール100と比較して、電池モジュール600は、タブが3つ多く、電池保護基板が1つ多く、バッテリインターフェースが2つ多い。電池モジュール600は、2つの3タブバッテリと同等であり得るが、1つの電池セル本体しか有していないことが理解され得る。
具体的には、図1および図2Aに示す電池モジュール100と比較して、充電モジュール60に含まれる電池モジュール600は、より多くの構成要素を含む。電池モジュール100に基づいて、図13に示すように、電池モジュール600は、電池セル14の第1の側面141に配置された第2の電池保護基板16と、第3のバッテリインターフェース156と、第4のバッテリインターフェース157とをさらに含む。第2の電池保護基板16の回路構造、接続方式および動作原理は、第1の電池保護基板15のものと完全に同じである。
加えて、充電モジュール10と比較して、充電モジュール60は、回路基板上に追加の電圧変換部C3を有する。図13に示すように、第1の回路基板11は、第3の電圧変換部C3を含む。第3のバッテリインターフェース156および第4のバッテリインターフェース157は、第1の回路基板11上の第3の電圧変換部C3に別々に電気的に接続され、電圧および電流を電池セル14に送信する。第3の電圧変換部C3は、第3の回路基板上の第2の電圧変換部C2と同じであってもよい。別の実施形態では、第3の電圧変換部C3または第2の電圧変換部C2は、変換効率が低い2つ以上の変換部によって置き換えられ得ることに留意されたい。例えば、1つの4:1充電器IC(C3またはC2)は、2つまたは3つの2:1充電器ICによって置き換えられ得る。例えば、図1に示す実施形態では、3つの2:1充電器ICを使用して2回の電圧降圧を実施しているが、図7に示す実施形態では、1つの4:1充電器ICを使用して電圧降圧を実施している。充電モジュール60では、電圧および電流は、第1の送信インターフェース111を通して外部から受信され、次いで、分割され、第1の回路基板11上の第3の電圧変換部C3および第3の回路基板13上の第2の電圧変換部C2に別々に送信される。後続の処理フローについては、前述した3タブ電池セルの実施形態(図1~図8に示す実施形態)における説明を参照されたい。
図14Aは、図13に示す充電モジュール60における電池モジュール600の概略構造図である。図14Aに示すように、第2の側面142に配置されたタブ14A、タブ14bおよびタブ14cに加えて、電池セル14は、第1の側面141に配置されたタブ14d、タブ14eおよびタブ14fをさらに含む。タブ14d、タブ14fおよびタブ14bは、タブ14cと同じ極性を有し、タブ14eはタブ14aと同じ極性を有する。タブ14eとタブ14fは、タブ14dの左側および右側に所定の間隔を隔てて配置される。タブ14d、タブ14eおよびタブ14fの構造およびレイアウトについては、前述の実施形態におけるタブ14a、タブ14bおよびタブ14cの構造およびレイアウトを参照されたい。
図15は、図13に示す充電モジュール60における電池モジュール600の回路構造の概略図である。図15に示すように、第2の電池保護基板16は、電池セル14の第1の側面141に配置され、第1の回路基板11から電池セル電圧および電池セル電流を受信するように構成され、第3のバッテリインターフェース156および第4のバッテリインターフェース157を使用することによってタブ14d、タブ14eおよびタブ14fに電気的に接続される。第2の電池保護基板16の回路構造、接続方式および動作原理は第1の電池保護基板15のものと同じであるので、本実施形態では、第2の電池保護基板16の具体的な接続方式を改めて説明はしない。
4タブ電池セルまたは6タブ電池セルの実装ソリューションでは、充電する際、電池セルの上端および下端が使用されてもよく、すなわち、4つのタブまたは6つのタブがすべて充電に使用され、放電する際、電池セルの一端にあるタブおよび回路のみが使用されてもよいことに留意されたい。例えば、4タブ電池セルが放電するとき、2つのタブ(例えば、第3の回路基板に接続された1つの正極タブおよび1つの負極タブ)のみが放電に使用されてもよい。6タブ電池セルが放電するとき、数個のタブによって形成されるループのみが放電に使用されてもよい。もちろん、代替的に、すべてのタブを放電に使用してもよい。
図14Bに示すように、本出願の別の実施形態は、5つのタブを有する電池モジュール(5タブ電池モジュールとも称され得る)をさらに提供する。図14Aに示す6タブ電池モジュールと比較して、5タブ電池モジュールも同じく2つの電池保護基板と4つのバッテリインターフェースとを含み、違いは、5タブ電池モジュールの電池セルの一方の側面に3つのタブが含まれ、電池セルのもう一方の側面に2つのタブが含まれていることである。3つのタブの構造および対応する回路構造については、図1~図8に示す実施形態における説明を参照されたい。2つのタブの構造および対応する回路構造については、図9~図12に示す4タブ構造における2つのタブの説明を参照されたい。6タブ電池モジュールは、2つの3タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有し、4タブ電池モジュールは、2つの2タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有し、5タブ電池モジュールは、1つの3タブ電池および1つの2タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有することが理解され得る。
5タブ電池モジュールでは、タブのうちの3つが電池セル本体の一方の側面に配置され、他の2つのタブが電池セル本体のもう一方の側面に配置されてもよい。2つの側面は、対向する2つの側面、隣接する2つの側面、または2つの離間した側面であり得る。
本出願の別の実施形態では、図9~図12に示す実施形態における4タブ電池モジュールに基づいて、電池モジュールはタブを2つ多く含み得、すなわち、別の6タブ電池モジュールが提供される。6タブ電池モジュールは、1つの電池セル本体と、6つのタブと、3つの電池保護基板と、6つのバッテリインターフェースとを含み得、すなわち、3つの2タブ電池モジュールと同等であり得る。6つのタブの位置は限定されない。2つのタブごとに電池セル本体の側面に位置し得、すなわち、タブは電池セル本体の3つの側面のそれぞれに配置され、異なる極性の2つのタブが各側面に配置されてもよい。6つのタブのうち、3つのタブは第1の極性を有し、他の3つのタブは第2の極性を有する。同じ極性の3つのタブは、同じ電極板に配置される。
以下は、既存の2タブ電池セル構造および本出願の実施形態において提供される充電モジュールを充電した際に得られた試験データを提供する。
電池セルが2つのタブのみを含む充電モジュール(従来技術)を試験した結果は、以下の通りである。
図1に示す実施形態における充電モジュール100(3つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
図9に示す実施形態における充電モジュール500(4つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
図13に示す実施形態における充電モジュール600(6つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
上記の試験結果から以下のことが分かる。
第1の充電電流(外部から入力される充電電流)が8Aであるとき、電池セルが2つのタブのみを有する既存のソリューションでは、電池セルの総電力消費は5.195Wであるが、本出願の実施形態における3つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.615Wのみであり、本出願の実施形態における4つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.292Wのみである。
第1の充電電流が12Aであるとき、本出願の実施形態における3つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は4.799Wであり、本出願の実施形態における4つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は4.073Wであり、本出願の実施形態における6つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.883Wである。
従来技術と比較して、本出願の実施形態における充電モジュールの電力消費は大幅に低減され、充電率は効果的に改善される。したがって、電力消費要件が満たされたとき、本出願の実施形態において提供される充電モジュールは、高出力高速充電を実行することができる。例えば、総電力消費が約5W~6Wである必要がある場合、本出願の実施形態における3タブソリューションは、約12A~13Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約60W~65Wの充電電力をサポートすることができ(12A×5V=60W、13A×5V=65W)(充電電圧は5Vである)、本出願の実施形態における4タブソリューションは、約14A~16Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約70W~90Wの充電電力をサポートすることができ、本出願の実施形態における6タブソリューションは、約20Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約100Wの充電電力をサポートすることができる。本出願の実施形態において提供されるソリューションでは、6タブソリューションに対応する電力消費は、4タブソリューションに対応する電力消費よりも低く、4タブソリューションに対応する電力消費は、3タブソリューションに対応する電力消費よりも低い。言い換えれば、6タブソリューションは、4タブソリューションよりも高出力の充電をサポートすることができ、4タブソリューションは、3タブソリューションよりも高出力の充電をサポートすることができる。
以下では、本出願の実施形態における電池セル14の構造について説明する。
電池セルは、2つの電極板を含み得る。各電極板は、活性領域(Active Area、AA)を含み、さらに、周囲領域(すなわち、非活性領域、Non active Area、NA)を含み得る。活性領域AAは、導電性材料で被覆されている。2つの電極板の活性領域を被覆する導電性材料は、協働して、電気エネルギーを蓄積および放出する。2つの電極板は異なる極性を有する。各電極板は、1つまたは複数のタブを有する。2つの電極板を一緒に巻回して、電池セルを形成する。電極板上のタブは、電池セルのタブである。電池セルが必要とするタブの数に基づいて、対応する数のタブが電極板に配置される。
図16Aは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セル14の概略分解構造図である。
図16Aに示すように、電池セル14は、異なる極性を有する2つの電極板、すなわち、電極板144および電極板145を含む。例えば、電極板144が第1の極性を有し、電極板145が第2の極性を有するか、または電極板144が第2の極性を有し、電極板145が第1の極性を有する。
電極板144は、第1の活性領域AA1と、2つの第1の非活性領域NA1とを含む。
第1の活性領域AA1は、第1の導電性材料M1で被覆されている。2つの第1の非活性領域NA1は、第1の活性領域AA1の対向する両側に位置する。各第1の非活性領域NA1には、1つのタブ、例えば図16Aに示すタブ14bおよび14cが配置される。
電極板145は、第2の活性領域AA2と、2つの第2の非活性領域NA2とを含む。代替的に、別の実装形態では、電極板145は、1つの非活性領域NA2(図示せず)のみを含んでもよい。
第2の活性領域AA2は、第2の導電性材料M2で被覆されている。2つの第2の非活性領域NA2は、第2の活性領域AA1の対向する両側に位置する。第2の非活性領域NA2の1つには、1つのタブ、例えばタブ14aが配置される。
第1の導電性材料M1および第2の導電性材料M2は、協働して、電気エネルギーを蓄積および放出する。
図17は、図16Aに示す電池セル14の上面図である。図17に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14cは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144および電極板145が巻回された状態で、タブ14cは巻回構造の外縁に位置する。
図18は、図16Aに示す電池セル14の正面構造の概略図である。2つのタブ14bおよび14cは、タブ14aの左側および右側に位置する。
本出願の実施形態では、タブ14bとタブ14cは同じである。タブ14bおよびタブ14cは、識別子を区別するためにのみ使用される。言い換えれば、本発明の実施形態では、タブ14bとタブ14cとの位置を入れ替えることができる。
図16Aおよび図17は、3タブ電池セルの構造の概略図にすぎない。別の実装形態では、3タブ電池セルは、代替的に別の構造であってもよい。この構造では、電極板144上の2つのタブは、他の異なる位置に位置してもよい。
例えば、2つのタブは、図16Aに示すように、電極板144の2つの端部の非活性領域に位置し得る。
代替的に、2つのタブの場合、一方が電極板144の一端の非活性領域に位置し、もう一方が電極板144の活性領域AAに位置してもよい。図19に示すように、タブ14cは、電極板144の非活性領域NA1(電極板144の左端または右端)に位置し、タブ14cは、電極板144の第1の活性領域AA1に位置する。
代替的に、図16Bに示すように、タブ14bおよびタブ14cの両方が電極板144の第1の活性領域に位置してもよい。両方のタブが電極板の活性領域に位置する場合、2つのタブは接続されていてもよく、接続されていなくてもよい。図16Cに示すように、電極板に配置されたタブ14bの端部は、電極板に配置されたタブ14cの端部に接続される。外観上、2つのタブは離れているが、電極板の内部で2つのタブが接続されていてもよい。
タブは、以下の2つの方法で電極板144の活性領域AAに配置され得る。1つの方法では、活性領域AA1が導電性材料で被覆された後、プリセット位置で導電性材料の一部が除去され、次いでタブがプリセット位置に電気的に配置され、例えば、タブが電極板に溶接され得る。もう1つの方法では、タブは電極板に電気的に接続され、次いで電極板は、タブの位置を除いて導電性材料で被覆される。
図20は、図19に示す電池セル14の上面図である。図20に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14cは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144と電極板145とが巻回された状態で、タブ14bは巻回構造上の別の位置に位置している。図19および図20に示す電池セル14の正面構造については、図18を参照されたい。
代替的に、タブ14bおよびタブ14cは、両方とも活性領域AA内に位置し得る。例えば、タブ14bおよびタブ14cは両方とも、電極板144の活性領域AA1内に位置する。
代替的に、電極板145上のタブ14aおよび電極板144上のタブ14cは両方とも、活性領域AA内に別々に位置し得る。図21に示すように、タブ14aは、電極板145の活性領域AA2に位置し、タブ14cは、電極板144の活性領域AA1に位置する。
別の実施形態では、電極板145上のタブは、代替的に、電極板上の異なる位置に位置し得る。タブは、図16Aに示すように、電極板145のいずれかの端部の非活性領域に位置し得る。代替的に、タブは、電極板145の活性領域に位置し得る。図21に示すように、タブ14aは、電極板145の第2の活性領域AA2に位置する。
図22は、図21に示す電池セル14の上面図である。図22に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14cは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144と電極板145とが巻回された状態で、タブ14bは巻回構造上の別の位置に位置している。図21および図22に示す電池セル14の正面構造については、図18を参照されたい。
本出願の実施形態では、3タブ電池セルを形成するために、1つのタブがいずれかの電極板に配置され、2つのタブがもう一方の電極板に配置され得る。図23に示すように、タブ14aは電極板144に配置され得、タブ14bおよびタブ14cは電極板145に配置され得る。
任意選択で、電極板上に配置された複数のタブは、異なる方向を向いていてもよい。図16A~図22に示す前述の実施形態と同様に、タブ14a、タブ14bおよびタブ14cはすべて同じ方向を向いている。図に示すように、それらはすべて上向きである。別の実施形態では、3つのタブは、異なる任意の方向を向いていてもよい。
例えば、3つのタブのうちの任意の2つが同じ方向を向き、他のタブが異なる方向を向いていてもよい。図23に示すように、タブ14bおよびタブ14aは同じ方向を向いており、すなわち図示上方を向いており、タブ14cは、タブ14bが向いている方向とは異なる方向を向いており、すなわち図示下方を向いている。代替的に、タブ14bおよびタブ14aの両方は下向きであり、タブ14cが上向きであってもよいことが理解され得る。図24は、図23に示す電池セル14の上面図である。図25は、図24に示す電池セル14の正面構造の概略図である。
図16A~図25に示す前述の実施形態では、電極板上のタブは、電池セルのタブと1対1の対応関係にある。具体的には、電池セルが3つのタブを有する場合、2つの電極板にも合計3つのタブが存在する。別の実施形態では、電極板上の複数のタブは、電池セルの1つのタブに対応してもよい。図26に示すように、電極板144は、複数のタブ14-1(サブタブとも称される)と、複数のタブ14-2とを含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のタブ14-1は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14bを形成し、複数のタブ14-2は重なり合って電池セルのタブ14cを形成する。任意選択で、電極板145はまた、複数のタブ14-3を含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のタブ14-3は重なり合って電気的に接続されて、電池セルのタブ14aを形成する。本出願の本実施形態では、電極板上のタブ(サブタブ)の数および位置は、2つの電極板が巻回された後に必要な位置に必要な数のタブが形成され得ることが保証される限り、限定されない。当業者は、回路設計および回路レイアウトに基づいてタブの数および位置を設計し得る。電極板が複数のタブを含む場合、これらのタブは、電極板の活性領域に配置され得るか、電極板の非活性領域に配置され得るか、またはタブのうちのいくつかが活性領域に配置され、タブの残りが非活性領域に配置されてもよい。図27は、図26に示す電池セル14の三次元構造の概略図である。図28は、図27に示す電池セル14の左側図である。図26~図28に示す電池セルの主要図については、図18を参照されたい。
前述の実施形態では、電池セルは巻回構造であり、一緒に巻回される2つの電極板を含む。任意選択で、電池セルの内部構造は、別の電極板構造、例えば、積層構造をさらに含み得る。例えば、電池セルは、第1の極性を有する複数の電極板144と、第2の極性を有する複数の電極板145とを含み得る。電極板144と電極板145とを積層して電池セルを形成する。積層する際、電極板144と電極板145とを交互に配置してもよい。具体的には、2つの電極板144の間に1つの電極板145が積層され、2つの電極板145の間に1つの電極板144が積層される。
本出願の実施形態では、3タブ電池セルを形成するために、2つのタブが任意の電極板の任意の側面に配置され、1つのタブが他の電極板の任意の側面に配置されてもよい。図29は、本出願の一実施形態による電池セル14の概略分解構造図である。サブタブ14b-1およびサブタブ14c-1は、各電極板144の第1の側面に配置され、サブタブ14a-1は、各電極板145に配置されてもよい。すべての電極板144とすべての電極板145とが一緒に積層される。すべての電極板144上のサブタブ14b-1は、電気的に接続されて(例えば、一緒に溶接されて)電池セルのタブ14bを形成し、すべての電極板144上のサブタブ14c-1は電気的に接続されて電池セルのタブ14cを形成し、すべての電極板145上のサブタブ14a-1は、電気的に接続されて電池セルのタブ14aを形成する。
任意選択で、電極板上に配置された複数のサブタブは、異なる方向を向いていてもよい。図29に示すように、サブタブ14b-1、サブタブ14c-1およびサブタブ14a-1は、いずれも上方を向いている。別の実施形態では、3つのサブタブは、異なる任意の方向を向いていてもよい。例えば、サブタブ14a-1は、右向きであってもよいし、左向きであってもよい。
図29の電極板144および電極板145が積層された後に形成される電池セルの三次元構造の概略図については、図27を参照されたい。
任意選択で、同じ電極板上に配置された複数のサブタブは、異なる方向を向いていてもよい。例えば、電極板144のサブタブ14b-1とサブタブ14c-1とは、互いに異なる方向を向いている。図30に示すように、サブタブ14b-1およびサブタブ14a-1は上向きであり、サブタブ14c-1は左向きである。図31は、図30に示す電池セル14の三次元構造の概略図である。図32は、図31に示す電池セル14の左側図である。図33は、図31に示す電池セルの主要図である。
本出願の一実施形態では、図34に示すように、電池セルが6つのタブを有する場合、2つの電極板にも合計6つのタブが存在する。例えば、図34に示すように、電極板144には同じ極性を有する4つのタブが配置され、電極板145には同じ極性を有する2つのタブが配置される。別の実施形態では、電極板上の複数のサブタブは、電池セルの1つのタブに対応し得る。図35に示すように、電極板144は、複数のサブタブ14-1と、複数のサブタブ14-2と、複数のサブタブ14-3と、複数のサブタブ14-4とを含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のサブタブ14-1は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14bを形成し、複数のサブタブ14-2は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14cを形成し、複数のサブタブ14-3は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14eを形成し、複数のサブタブ14-4は重なり合って電池セルのタブ14fを形成する。
任意選択で、電極板145はまた、複数のサブタブ14-5を含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のサブタブ14-5は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14aを形成し、複数のサブタブ14-6は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14dを形成する。
本出願の本実施形態では、電極板上のタブの数および位置は、2つの電極板が巻回された後に必要な位置に必要な数のタブが形成され得ることが保証される限り、限定されない。当業者は、回路設計および回路レイアウトに基づいてタブの数および位置を設計し得る。電極板が複数のタブを含む場合、これらのタブは、電極板の活性領域に配置され得るか、電極板の非活性領域に配置され得るか、またはまたはタブのうちのいくつかが活性領域に配置され、タブの残りが非活性領域に配置されてもよい。図36は、図35に示す電池セル14の正面の概略図である。
任意選択で、電池セル14では、同じ極性を有するすべてのタブは、電池セル本体の内部で互いに電気的に接続され、それにより、同じ極性を有するタブが同じ電圧を有することとなる。図37に示すように、電極板144では、異なる側面に沿って配置され、2つの反対方向を向く2つのタブ14bおよび14dが電極板144内で直接電気的に接続されるか、または2つのタブ14bおよび14dが電極板144内に一体的に形成される。電極板145では、異なる側面に沿って配置され、2つの反対方向を向く2つのタブ14aおよび14cが電極板145内で直接電気的に接続されるか、または2つのタブ14aおよび14cが電極板145内に一体的に形成される。図38は、図37に示す電池セル14の正面構造を示す概略図である。図37および図38は、4タブ構造の概略図である。
タブが電極板の活性領域AA内に位置する場合、非活性領域が電極板内に配置されなくてもよく、または非活性領域が電極板の一端のみに配置されてもよいことに留意されたい。
本出願の実施形態では、タブおよび電極板は2つの構成要素であり得、溶接によって接続されるか、またはタブおよび電極板は一体化され得、タブは、必要な位置および必要な量に基づいて電極板を切断することによって形成されることに留意されたい。
本出願の実施形態において提供されるマルチタブ電池モジュールでは、複数のタブは、電池セル本体上の任意の位置に配置され得ることに留意されたい。図39は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な3タブ電池モジュールの構造を示す。図40は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な4タブ電池モジュールの構造を示す。図41は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な5タブ電池モジュールの構造を示す。図42は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な6タブ電池モジュールの構造を示す。
本出願の実施形態において提供される電池モジュールでは、電池セル本体の構造は限定されないことに留意されたい。電池セル本体は、従来の形状、例えば、長方形、正方形、または長方形もしくは正方形に類似した形状であってもよい。代替的に、電池セル本体は、不規則な形状であってもよい。例えば、図43に示すように、電池セル本体は非貫通型であってもよい。非貫通型電池セル本体は、電池セル本体内または電池セル本体の縁部に非貫通領域A(領域の形状は限定されない)が存在するものであり得、領域Aに対応する位置にある電池のアルミプラスチックフィルムには貫通孔が設けられていないが、その位置にある電池の正極、負極およびセパレータには貫通孔が設けられていてもよい。電池モジュールが電子デバイスに取り付けられた後、電子デバイスの構成要素が領域A内に完全にまたは部分的に延在し得るが、電池セル本体を通り抜けることはできない。代替的に、図44に示すように、電池セル本体は貫通型であってもよい。貫通型電池セル本体は、電池セル本体内または電池セル本体の縁部に設けられた貫通孔(領域B)を有するものであり得、領域Bに対応する位置にある電池の正極、負極、セパレータおよびアルミプラスチックフィルムのすべてに貫通孔が設けられている。電池モジュールが電子デバイスに取り付けられた後、電子デバイスの構成要素は、電池内の領域Bを通過することができる。電池の主な材料には、アルミプラスチックフィルム、正極、負極およびセパレータが含まれる。
加えて、本出願の実施形態において提供される電池モジュールでは、電池セル本体の形状は限定されない。電池セル本体は、様々な形状であってもよく、異なるタブ分配を有していてもよい。図45は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な3タブ電池モジュールの構造を示す。図46は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な4タブ電池モジュールの構造を示す。図47は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な5タブ電池モジュールの構造を示す。図48は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な6タブ電池モジュールの構造を示す。
本出願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、機能回路と、前述の実施形態で説明した充電モジュールとを含む。充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。電子デバイスは、充電可能な任意のポータブルデバイス、例えば、携帯電話、ノートブックコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチまたはスマートバンド)、またはタブレットコンピュータであり得る。電子デバイスが携帯電話であるとき、充電モジュールは、外部電源の電気エネルギーを受信して電気エネルギーを蓄積し、電池モジュールは、携帯電話の別の構成要素に電力を供給する。
本出願の実施形態において提供される充電回路は、上記で詳細に説明されている。本出願の原理および実施形態は、特定の例を使用することによって本明細書において説明される。実施形態に関する前述の説明は、本出願の方法および中心的なアイデアの理解を助けるために提供されるにすぎない。加えて、当業者は、本出願のアイデアにしたがって、特定の実施形態および適用範囲に変更を加えることができる。したがって、本明細書の内容は、本出願に対する限定として解釈されるべきではない。
[技術分野]
本出願の実施形態は、充電技術に関し、特に、高出力高速充電をサポートする電池モジュール、充電モジュールおよび電子デバイスに関する。
電子端末において現在使用されている充電システムは処理回路と電池セルを含む。処理回路は、外部から受信する充電電圧および充電電流を処理し、処理された充電電圧および処理された充電電流を電池セルに供給する。電池セルは、充電電圧および充電電流に基づいて電気エネルギーを蓄積する。従来技術では、各電池セルは、正極性を有するタブと負極性を有するタブとを含む。正極性を有するタブおよび負極性を有するタブは、電池セルのための充電経路および放電経路を提供する。
電池セルの高速充電に対する需要が増加するにつれて、高速充電問題を解決するために、従来技術では、より多くの電池セルおよびより多くの処理回路を充電システムに追加して充電速度を増加させ得る。しかしながら、電池セルおよび処理回路は物理的な空間を追加で占有する必要があり、レイアウト空間に関する電子端末の制限を満たすことができない。したがって、電池セルを追加しない場合、充電効率を向上させるために、単一の電池セルの充電電流および放電電流を増加させる必要がある。しかしながら、単一の電池セルの充電電流および放電電流を増加させると、タブの発熱量が急増しやすく、その結果、処理回路および電池セルは、発熱量に関する電子端末の制限を満たすことができなくなる。
前述の問題を解決するために、本出願の実施形態は、発熱量が比較的少なくかつ占有空間が比較的小さいことを特徴とした、高出力高速充電をサポートする電池モジュール、充電モジュールおよび電子デバイスを提供する。
本出願の一実施形態は、電池モジュールを提供する。電池モジュールは電池セルを含む。電池セルは、電池セル本体と、第1のタブと、第2のタブと、第3のタブとを含む。第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に別々電気的に接続され、第1のタブおよび第3のタブは第1の極性を有し、第2のタブは第2の極性を有する。
協働して、第2のタブおよび第1のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。協働して、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。第1の極性および第2の極性は、互いに反対の極性である。第1の極性が正極性であるとき、第2の極性は負極性である。第1の極性が負極性であるとき、第2の極性は正極性である。
この電池セルの場合、設けられた3つのタブは、充電のための少なくとも2つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率を効果的に向上させる。加えて、2つの導電経路が充電電流を分割するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、第1の電池保護基板がさらに含まれる。第1の電池保護基板は、第1の保護回路と、第1のバッテリインターフェースと、第2のバッテリインターフェースとを含む。第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースは、電池モジュールの外部の構成要素に電気的に接続されるように構成される。
第1のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第1のタブに別々に電気的に接続され、第1のバッテリインターフェース、第1のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第1の導電ループを構成する。第2のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第3のタブに別々に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース、第3のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第2の導電ループを構成する。
第1の保護回路は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護回路は、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の電池保護基板および3つのタブは、電池セルを充電するための2つの導電ループを構成する。加えて、第1の電池保護基板は、第1の保護回路を使用することによって、電池セルの充電電流または放電電流を検出して、充電および放電中の過電圧、不足電圧、または過電流による電池セルの損傷を防止し、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置されるか、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第2のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第3のタブが配置されるか、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第3のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第2のタブが配置されるか、または電池セル本体の第1の側面に第1のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第2のタブが配置され、電池セル本体の第3の側面に第3のタブが配置される。
3つのタブの配置は、電池セル本体上の特定の位置によって限定されない。タブが配置される位置は、電池セルと別の回路との間の協調を確実にするために、実際の要件に基づいて調整されてもよく、それによって、配線の複雑さを低減し、充電モジュールの集積度を向上させる。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置され、第2のタブの両側に第1のタブおよび第3のタブがそれぞれ配置される。
3つのタブは電池セルの同じ側面に配置され、同じ第1の極性を有する2つのタブが、第2の極性を有する1つのタブの両側に配置されるため、2つのタブと第1の電池保護基板との間の接続配線は比較的均一かつ単純である。
本出願の一実施形態では、第4のタブと、第5のタブと、第6のタブとをさらに含む。第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル本体に別々に電気的に接続される。第4のタブおよび第6のタブは第1の極性を有し、第5のタブは第2の極性を有するか、または第4のタブおよび第6のタブは第2の極性を有し、第5のタブは第1の極性を有する。
協働して、第5のタブおよび第4のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。
協働して、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。
この電池セルの場合、設けられた6つのタブは、充電のための少なくとも4つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率をさらに向上させる。加えて、4つの導電経路が充電電流をより多く分配するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、第2の電池保護基板をさらに含む。第2の電池保護基板は、第2の保護回路と、第3のバッテリインターフェースと、第4のバッテリインターフェースとを含む。第3のバッテリインターフェースおよび第4のバッテリインターフェースは、電池モジュールの外部の構成要素に電気的に接続されるように構成される。
第3のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第5のタブおよび第4のタブに別々に電気的に接続され、第3のバッテリインターフェース、第4のタブ、電池セル本体、第5のタブおよび第2の保護回路は、第3の導電ループを構成する。第4のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第5のタブおよび第6のタブに別々に電気的に接続され、第4のバッテリインターフェース、第6のタブ、電池セル本体、第5のタブおよび第2の保護回路は、第4の導電ループを構成する。
第2の保護回路は、第3の導電ループおよび第4の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護回路は、第3の導電ループおよび第4の導電ループを切断する。
第2の電池保護基板および他の3つのタブは、電池セルを充電するための他の2つの導電ループを構成する。加えて、第2の電池保護基板は、第2の保護回路を使用することによって、電池セルの充電電流または放電電流を検出して、充電および放電中の過電圧、不足電圧、または過電流による電池セルの損傷を防止し、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路および第2の保護回路は、同じ回路構造を有する。したがって、電池セルのための保護は基本的に一貫して同期して行われ、それによって、電池セルの安全性をさらに確保する。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブがすべて配置され、電池セル本体の第2の側面に、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブがすべて配置される。電池セル本体の第1の側面および電池セル本体の第2の側面は、電池セル本体の対向する2つの側面であるか、または電池セル本体の第1の側面および電池セル本体の第2の側面は、電池セル本体の隣接する2つの側面である。
電池セルの一方の側面に3つのタブが配置され、電池セルの他方の側面に他の3つのタブが配置され、同じ第1の極性を有する2つのタブが、第2の極性を有する1つのタブの両側に配置される。このようにして、2つのタブと第1の電池保護基板との間の接続配線は、比較的均一かつ単純であり、タブは、より大きい放熱空間およびより均一な放熱を有する。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路は、第1の保護制御部と、第1のサンプリング部と、第1のスイッチ部とを含む。第1の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続され、第1の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電圧を検出する。第1のサンプリング部は、第2のタブ、第1の保護制御部および第1のスイッチ部に別々に電気的に接続され、第1の保護制御部は、第1のサンプリング部を使用することによって第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電流を検出する。第1のスイッチ部は、第1の保護制御部、第1のサンプリング部、第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースに別々に電気的に接続される。第1の導電ループまたは第2の導電ループにおける電圧または電流が第1のしきい値範囲を超えたと判定した場合、第1の保護制御部は、スイッチ部を遮断するように制御して、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断するように構成される。
各タブで送信される電圧および電流が、対応するしきい値範囲を超えるかどうかは、第1のサンプリング部によって検出された2つの導電ループにおける電流と、第1の保護制御部によって収集された電圧とに基づいて正確に決定することができる。加えて、各タブで送信される電圧および電流が、対応するしきい値範囲を超えると、タブに接続された導電ループが適時に切断され、それによって、電池セルの安全性を確保する。
本出願の一実施形態では、第1のスイッチ部は第1のスイッチと第2のスイッチとを含み、第1のスイッチは第1の導電ループに位置し、第2のスイッチは第2の導電ループに位置する。タブに接続された導電ループは、2つのスイッチを使用することによって容易かつ適時に切断可能である。
本出願の一実施形態では、第1の保護回路は、第2の保護制御部と第2のスイッチ部とをさらに含む。
第2の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続され、第2の保護制御部は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電圧を検出する。
第2の保護制御部は、第1のサンプリング部に電気的に接続され、第1のサンプリング部を使用することによって第1の導電ループおよび第2の導電ループにおける電流を検出するように構成される。
第2のスイッチ部は、第2の保護制御部、第1のスイッチ部、第1のバッテリインターフェースおよび第2のバッテリインターフェースに別々に電気的に接続される。
第1の導電ループまたは第2の導電ループにおける電圧または電流が第2のしきい値範囲を超えたと判定した場合、第2の保護制御部は、第2のスイッチ部を遮断するように制御して、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断するように構成される。
具体的には、第1のしきい値範囲が第2のしきい値範囲と同じであるか、または第1のしきい値範囲が第2のしきい値範囲より小さいもしくは大きい。
第1の保護回路が故障したとき、第2の保護制御部および第2のスイッチ部は、電池セルを保護するために、適時に第1の保護回路内の第1の保護制御部および第1のスイッチ部に取って代わることができる。言い換えれば、第1の保護回路および第2の保護回路は、互いに入れ替わり、同期して動作することができ、それによって、電池セルのための保護の信頼性をさらに向上させる。
本出願の一実施形態では、第2のスイッチ部は第3のスイッチと第4のスイッチとを含み、第3のスイッチは第1の導電ループに位置し、第4のスイッチは第2の導電ループに位置する。タブに接続された導電ループは、2つのスイッチを使用することによって容易かつ適時に切断可能である。
本出願の一実施形態では、電池セル本体は巻回構造である。電池セルは、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1のタブおよび第3のタブは第1の電極板に配置され、第2のタブは第2の電極板に配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、3つのタブを有する電池セルを形成し、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、3つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。電池セルは、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1のタブ、第3のタブ、第4のタブおよび第6のタブは第1の電極板に配置され、第2のタブおよび第5のタブは第2の電極板に配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、6つのタブを有する電池セルを形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブ、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、6つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。電池セルは、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブおよび第3のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セルを形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、第1のタブ、第2のタブおよび第3のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、3つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。電池セルは、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブ、第3のサブタブ、第4のサブタブおよび第6のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブおよび第5のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セルを形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、すべての第4のサブタブが電気的に接続されて第4のタブを形成し、すべての第5のサブタブが電気的に接続されて第5のタブを形成し、すべての第6のサブタブが電気的に接続されて第6のタブを形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブ、第4のタブ、第5のタブおよび第6のタブは、電池セル上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、6つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セルは、電池セル本体と、第1のタブと、第2のタブと、第3のタブと、第4のタブとを含む。第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体に別々に電気的に接続され、第1のタブおよび第3のタブは第1の極性を有し、第2のタブおよび第4のタブは第2の極性を有する。協働して、第2のタブおよび第1のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。協働して、第4のタブおよび第3のタブは、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。第1の極性は正極性であり、第2の極性は負極性であるか、または第1の極性は負極性であり、第2の極性は正極性である。
この電池セルの場合、設けられた4つのタブは、充電のための少なくとも2つの導電経路を構成し、それによって、電池セルの充電効率を効果的に向上させる。加えて、2つの導電経路が互いに分離されており、充電電流を分割するので、各タブで送信される電流が効果的に低減され、各タブの発熱量がさらに効果的に低減される。
本出願の一実施形態では、電池セル本体の第1の側面に第1のタブおよび第2のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に第3のタブおよび第4のタブが配置されるか、または電池セル本体の第1の側面に第1のタブが配置され、電池セル本体の第2の側面に、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブが配置される。
本出願の一実施形態では、電池モジュールは、第1の電池保護基板と第2の電池保護基板とをさらに含む。第1の電池保護基板は、第1の保護回路と第1のバッテリインターフェースとを含み、第2の電池保護基板は、第2の保護回路と第2のバッテリインターフェースとを含む。第1のバッテリインターフェースは、第1の保護回路を使用することによって第2のタブおよび第1のタブに別々に電気的に接続され、第1のバッテリインターフェース、第1のタブ、電池セル本体、第2のタブおよび第1の保護回路は、第1の導電ループを構成する。第2のバッテリインターフェースは、第2の保護回路を使用することによって第3のタブおよび第4のタブに別々に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース、第3のタブ、電池セル本体、第4のタブおよび第2の保護回路は、第2の導電ループを構成する。第1の保護回路は、第1の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護回路は第1の導電ループを切断する。第2の保護回路は、第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成され、電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護回路は第2の導電ループを切断する。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。電池セル本体は、第1の極性を有する1つの第1の電極板と、第2の極性を有する1つの第2の電極板とを含む。第1の電極板に第1のタブおよび第3のタブが配置され、第2の電極板に第2のタブおよび第4のタブが配置される。第1の電極板および第2の電極板を巻回して、4つのタブを有する電池セル本体を形成し、第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を巻回して電池セルを形成する。これにより、4つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、電池セル本体は積層構造である。電池セル本体は、第1の極性を有する少なくとも2つの第1の電極板と、第2の極性を有する少なくとも2つの第2の電極板とを含む。各々の第1の電極板に第1のサブタブおよび第3のサブタブが配置され、各々の第2の電極板に第2のサブタブおよび第4のサブタブが配置される。すべての第1の電極板およびすべての第2の電極板が積層されて電池セル本体を形成し、すべての第1のサブタブが電気的に接続されて第1のタブを形成し、すべての第2のサブタブが電気的に接続されて第2のタブを形成し、すべての第3のサブタブが電気的に接続されて第3のタブを形成し、すべての第4のサブタブが電気的に接続されて第4のタブを形成する。第1のタブ、第2のタブ、第3のタブおよび第4のタブは、電池セル本体上の異なる位置にある。複数のタブは、異なる電極板上に別々に配置され、電極板を順次積み重ねて、電池セルを形成する。これにより、4つのタブの製造プロセスが効果的に単純化される。
本出願の一実施形態では、前述の電池モジュールおよび回路基板を含む充電モジュールが提供される。回路基板は、電池モジュールに電気的に接続される。回路基板は、外部から供給される第1の充電電圧を受信し、充電電圧を電圧および電流に変換し、電圧および電流を電池モジュールに出力するように構成される。充電モジュールでは、電池モジュール内の電池セルが、タブを使用することによって充電するための少なくとも2つの導電経路を含むので、電池セルの充電経路が効果的に追加され、各タブによって運ばれる電流が効果的に低減され、各タブの発熱量が効果的に低減されるとともに、充電時間が短縮される。
本出願の一実施形態では、回路基板は、第1の回路基板と第3の回路基板とを含む。第1の回路基板は、第1の充電電圧を受信するように構成されたインターフェースを含み、第1の回路基板は、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換し、第2の充電電圧を第3の回路基板に送信する。第3の回路基板は、電池モジュールに電気的に接続され、第2の充電電圧を電圧に変換し、電圧を電池モジュールに出力するように構成される。第1の回路基板および第3の回路基板は、協働して、受信した充電電圧を、充電中の電池セルによる使用に適した電圧に処理し、それによって、充電中の電池セルの安全性が確保される。
本出願の一実施形態では、回路基板は、第1の回路基板と第3の回路基板とを含む。第1の回路基板は、第1の充電電圧を受信するように構成されたインターフェースを含み、第1の回路基板は、第1の充電電圧を第3の回路基板に送信する。第3の回路基板は、電池モジュールに電気的に接続され、第1の充電電圧を電圧に変換し、電圧を電池モジュールに出力するように構成される。第1の回路基板および第3の回路基板は、協働して、受信した充電電圧を、充電中の電池セルによる使用に適した電圧に処理し、それによって、充電中の電池セルの安全性が確保される。
本出願の一実施形態では、回路基板は第2の回路基板をさらに含む。第1の回路基板および第3の回路基板は、電池モジュールの対向する2つの側面に配置され、第2の回路基板は、電池セル本体にわたって第1の回路基板および第3の回路基板に別々に電気的に接続される。第1の回路基板および第3の回路基板は、第2の回路基板を使用することによって接続され、それによって、第1の回路基板および第3の回路基板の位置を決定する際の自由度が確保される。
本出願の一実施形態では、充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。
本出願の一実施形態では、機能回路および前述の充電モジュールを含む電子デバイスが提供される。充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。
本出願の一実施形態では、電池セルは巻回構造である。巻回型電池セルは、1つの正極板と1つの負極板とを含む。正極板および負極板には正極タブおよび負極タブが別々に配置される。正極板および負極板の少なくとも一方には、同じ極性を有する少なくとも2つのタブが異なる位置に配置される。同じ極性を有する少なくとも2つのタブは、巻回によって形成された電池セルの異なる位置に同じ極性を有する少なくとも2つのタブを形成するため、巻回によって形成された電池セルは少なくとも3つのタブを含むこととなる。
本出願の一実施形態では、電池セルは積層構造である。積層型電池セルは、複数の正極板と複数の負極板とを含む。各正極板および各負極板には少なくとも1つの正極タブおよび少なくとも1つの負極タブが別々に配置される。正極板または負極板では、少なくとも2つの正極(負極)タブが少なくとも1つの正極板(負極板)の異なる位置に配置されるか、または少なくとも2つの正極板(負極板)の正極(負極)タブが電極板の異なる位置に配置されるため、積層型電池セルは少なくとも3つのタブを含むこととなる。
本出願の一実施形態では、電池セルは少なくとも3つのタブを含む。3つのタブが電池セルの同じ側面に位置するか、または3つのタブが電池セルの異なる側面に別々に位置する。
本出願の実施形態では、電池セルの貫通電流容量を向上させるために、マルチバッテリインターフェースおよびマルチタブモードが使用される。
マルチタブソリューションでは、3つのタブ、4つのタブ、6つのタブ、またはN個のタブが存在し得る。負極タブまたは正極タブは、充電および放電の間、共有され得る。例えば、3タブソリューションでは、3つのタブは2つの正極タブと1つの負極タブとを含み、負極タブが共有される(図2Aに示すように)、または、3つのタブは2つの負極タブと1つの正極タブとを含み、正極タブが共有される(図8に示すように)。6タブソリューションでは、6つのタブは、3タブソリューションのタブを2倍にしたものであり得る。さらに、より多くのタブ、例えば、8つのタブ、9つのタブ、または12個のタブが含まれてもよい。
本出願の実施形態では、効率的な差圧比(例えば、4:1または別のより大きい比)を有する充電器IC(充電回路)が、電圧降圧を実行するために使用される。外部充電ケーブル(およびPDプロトコル)が入力貫通電流ボトルネックを5Aに制限する条件下では、充電電力は、入力電圧を増加させることによって増加される。
本出願の実施形態におけるマルチタブソリューションは、例えば、以下の方法のうちの1つを使用し得る。
A:電流を分割するために、タブを追加しタブが再使用されるモード(すなわち、前述の共有正極タブまたは共有負極タブ)が使用される。これにより、タブのインピーダンスが低減されるだけでなく、電池セル本体(電池セルおよび電池保護基板を含む)の発熱量も低減される。構造的には、共有タブの体積を増加させ得る。例えば、共有タブの幅、長さおよび/または厚さを増加させ得る。
B:タブを増加させる。電池セルは、電池セルの貫通電流容量を増加させるために、2つの側面にタブを有する構造を有し、これには、4タブ構造および6タブ構造などの構造が含まれるがこれらに限定されない。4タブ構造は、以下の図9に示されており、電池セルの2つの側面のそれぞれに一対の正極タブおよび負極タブがある。6タブ構造は、以下の図14Aに示されており、電池セルの2つの側面のそれぞれに3つのタブがある。図14Aは、負極タブが共有されていることを示す。同様に、正極タブが代替的に共有され得る。
本出願の実施形態における3タブソリューションおよび6タブソリューションなどのソリューションでは、保護IC(すなわち、電池保護基板内の保護IC)は、タブ分配および回路最適化を通して多重化され得、それによって、単一の電池セルが使用される場合のための高出力充電を実装し、2つの電池セルが使用されるときに存在する安全性問題を回避する。
本出願の実施形態では、単一の電池セルが使用されるときに存在する問題、すなわち、不十分な貫通電流容量および大量の発熱といった問題を解決することができ、2つの電池セルが使用されるときに存在する問題、すなわち、高いコスト、追加の一組の保護ICを追加する必要性、そして分割の場合の大きな容量損失といった問題も解決することができる。
本出願の実施形態では、電池の複数のタブを使用することによって、電池セルの発熱量が低減され、電池セルの貫通電流容量が増大する。本出願の実施形態では、一組の保護ICの保護ソリューションは、デュアルバッテリインターフェース電流経路の計画を通して実現される。このソリューションをデュアル電池セルソリューションと比較すると、コストが低減され、安全性が高いと同時に、電池セルの発熱量が低減される。本出願の実施形態では、効率的な差圧比(例えば、4:1)を有する充電器ICおよび複数のタブを使用することによって、全体の発熱量を増加させることなく、より高出力の充電ソリューションが実現される。本出願の実施形態では、複数のタブを使用することによってより高出力の貫通電流容量が提供され、それによって、単一の電池セルが使用される場合のための高出力充電を実現し、2つの電池セルが使用されるときに引き起こされる問題を解決する。
本出願の一実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図2Aは、電池セルの平面構造の概略図である。
図2Bは、電池セルの平面構造の概略図である。
図3Aは、図1に示す第1の電池保護基板の回路ブロック図である。
図3Bは、図1に示す第1の電池保護基板の回路ブロック図である。
図4Aは、図1に示す第1の保護回路および第2の保護回路の回路ブロック図である。
図4Bは、本出願の別の実施形態による第1の保護回路および第2の保護回路の回路ブロック図である。
図5は、図1に示す電池モジュールにおける第1の電池保護基板の具体的な回路構造の概略図である。
図6は、本出願の別の実施形態による充電モジュール内の電池モジュールの回路ブロック図である。
図7は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図8は、本出願の別の実施形態による充電モジュール内の電池モジュールの回路ブロック図である。
図9は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図10は、充電モジュールの回路ブロック図である。
図11は、電池モジュールの回路構造の概略図である。
図12は、第1の電池保護基板のうちの1つの回路構造の概略図である。
図13は、本出願の別の実施形態による充電モジュールの回路ブロック図である。
図14Aは、図13に示す充電モジュール内の電池モジュールの概略構造図である。
図14Bは、本出願の一実施形態による5タブ電池モジュールの概略図である。
図15は、図13に示す充電モジュール内の電池モジュールの回路構造の概略図である。
図16Aは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図16Bは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図16Cは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図17は、図16Aに示す電池セルの上面図である。
図18は、図16Aに示す電池セルの正面構造の概略図である。
図19は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図20は、図19に示す電池セルの上面図である。
図21は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図22は、図21に示す電池セルの上面図である。
図23は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図24は、図23に示す電池セルの上面図である。
図25は、図24に示す電池セルの正面構造の概略図である。
図26は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図27は、図26に示す電池セルの三次元構造の概略図である。
図28は、図27に示す電池セルの左側図である。
図29は、本出願の一実施形態による電池セルの概略分解構造図である。
図30は、本出願の一実施形態による電池セルの概略分解構造図である。
図31は、図30に示す電池セルの三次元構造の概略図である。
図32は、図31に示す電池セルの左側図である。
図33は、図31に示す電池セルの主要図である。
図34は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図35は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略分解構造図である。
図36は、図34に示す電池セルの平面構造の概略図である。
図37は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの平面構造の概略図である。
図38は、図37に示す電池セルの正面構造の概略図である。
図39は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略図である。
図40は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの概略図である。
図41は、本出願の一実施形態による5つのタブを有する電池セルの概略図である。
図42は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略図である。
図43は、本出願の一実施形態による非貫通型電池セルの概略図である。
図44は、本出願の一実施形態による貫通型電池セルの概略図である。
図45は、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セルの概略図である。
図46は、本出願の一実施形態による4つのタブを有する電池セルの概略図である。
図47は、本出願の一実施形態による5つのタブを有する電池セルの概略図である。
図48は、本出願の一実施形態による6つのタブを有する電池セルの概略図である。
図1は、本出願の一実施形態による充電モジュール10の回路ブロック図である。
図1に示すように、充電モジュール10は、第1の回路基板11と、第2の回路基板12と、第3の回路基板13と、電池セル14および第1の電池保護基板15を含む電池モジュール100とを含む。第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13は、協働して、外部から受信した充電電圧および充電電流を、電池モジュール100が充電を実行するのに適切な電圧および電流に処理する。電池モジュール100は、処理された電圧および電流を受信し、充電を実行して電気エネルギーを蓄積する。加えて、電池モジュール100はまた、蓄積された電気エネルギーを第3の回路基板13に放出して放電を実行し、第3の回路基板13および別の機能回路(図示せず)に駆動電源を提供することができる。
具体的には、第1の回路基板11は、外部から第1の充電電圧および第1の充電電流を受信し、第1の充電電圧に対して電圧変換を実行し、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換するように構成される。第2の回路基板12は、第1の回路基板11および第3の回路基板13に電気的に接続され、第1の充電電圧および第1の充電電流を第3の回路基板13に供給するように構成される。第3の回路基板13は、第1の電池保護基板15に電気的に接続され、第2の充電電圧を電池セル電圧に変換し、電池セル電圧を第1の電池保護基板15に供給するように構成される。加えて、第1の回路基板11および第3の回路基板13は第1の充電電流を電池セル電流に変換することも行う。
第1の電池保護基板15は、電池セル14に電気的に接続され、少なくとも2つの導電経路を使用することによって電池セル電圧および電池セル電流を電池セル14に送信するように構成されるため、電池セル14は、充電を実行して電気エネルギーを蓄積することができる。別の方向では、電池セル14は、少なくとも2つの導電経路を使用することによって、電池セル電圧および電池セル電流を第1の電池保護基板15に送信するため、電池セル14は、蓄積された電気エネルギーを第3の回路基板13に放出して放電を実行する。
本実施形態では、電池セル電圧は、第1の充電電圧および第2の充電電圧よりも低い。電池セル電圧は、電池セル14が充電または放電される定格電圧である。例えば、電池セル電圧は5ボルト(V)であり、第1の充電電流は12アンペア(A)である。本出願の別の実施形態では、第1の回路基板11は、第2の回路基板12が接続を行うことなく、第3の回路基板13に直接電気的に接続され得る。言い換えれば、別の実施形態では、第2の回路基板12は存在せず、第1の回路基板11および第3の回路基板13は直接電気的に接続され得る。代替的に、別の実施形態では、第1の回路基板11および第3の回路基板13は同じ回路基板によって実装され得、すなわち、第1の回路基板11および第3の回路基板13は同じ回路基板であり、第2の回路基板12は存在しない。
受信した電圧および電流を処理し、処理された電圧および電流を送信するために、複数の機能回路および複数の導電線が、第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13のそれぞれに配置されることに留意されたい。より具体的には、第1の回路基板11は、第1の送信インターフェース111と、第1の電圧変換部C1とを含む。第1の送信インターフェース111は、外部電源システムに電気的に接続され、第1の充電電圧および第1の充電電流を受信するように構成される。本実施形態では、例えば、第1の送信インターフェース111は、ミニUSBインターフェース、マイクロUSB2.0インターフェース、マイクロUSB2.0インターフェース、またはtype-Cインターフェースであり得、第1の充電電圧は12ボルト(V)であり、第1の充電電流は5アンペア(A)である。
第1の電圧変換部C1は、第1の送信インターフェース111に電気的に接続され、第1の充電電圧を第2の充電電圧に変換するように構成され、例えば、第1の充電電圧を降圧し得る。本実施形態では、第1の電圧変換部C1は、入力電圧を最大で1/2に降圧することができ、次いで電圧を出力する。言い換えれば、第2の充電電圧(出力電圧)の最小値は、第1の充電電圧(入力電圧)の1/2であり得る。充電プロセスでは、第1の電圧変換部C1は、実際の要求に基づいて電圧降圧の大きさを決定する。もちろん、本出願の別の実施形態では、第1の電圧変換部C1は、別の電圧降圧能力(4:1、3:1、または別の比の電圧降圧)を有し得る。例えば、第1の電圧変換部C1は、4:1充電器IC(チャージャIC)であってもよく、出力電圧を入力電圧の1/4に降圧することができる。別の実施形態では、第1の充電電圧を変換する必要がないこと、例えば、第1の充電電圧を降圧する必要がないことに留意されたい。例えば、第1の充電電圧の電圧値が比較的低い場合には、降圧を実行する必要はない。この場合、第1の回路基板11は、第1の電圧変換部C1を含まなくてもよく、第1の回路基板11は、第1の充電電圧を第3の回路基板13に直接送信し得る。
第2の回路基板12は、第1の接続インターフェース121と第2の接続インターフェース122とを含む。第1の接続インターフェース121は第1の回路基板11に電気的に接続され、第2の接続インターフェース122は第3の回路基板13に電気的に接続される。本実施形態では、第1の回路基板11および第3の回路基板13は、電池セル14の対向する2つの側面の位置に配置される。この場合、第2の回路基板12は、第2の充電電圧を第3の回路基板13に送信するために、電池セル14の対向する2つの側面にわたって第1の回路基板11を第3の回路基板13に電気的に接続する。本実施形態では、第2の回路基板12は、フレキシブル回路基板であり得る。
本出願の本実施形態では、第1の回路基板11、第2の回路基板12および第3の回路基板13が配置される位置は限定されないことに留意されたい。実施形態および添付図面における構成は、接続関係の例にすぎず、構成要素の具体的な配置を限定するものではない。例えば、図1における第2の回路基板12は、図中左側であるが、実際の製品では、第2の回路基板12は、任意の適切な位置に配置されてもよい。例えば、バランスを考慮して、第2の回路基板12は中間位置に配置されてもよく、すなわち、電池セルおよび保護回路が第2の回路基板12に対して対称であってもよい。
第3の回路基板13は、第1の導電性インターフェース131と、第2の導電性インターフェース132と、2つの第2の電圧変換部C2とを含む。特定の実装プロセスでは、通常、第3の回路基板13は、協働を通じて電子デバイスの充電および放電機能を実装するために別の回路要素をさらに含み得る。例えば、第3の回路基板13は、第1のサンプリング部133および電量計134をさらに含み得る。第1のサンプリング部133は、第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に電気的に接続される。電量計134は、第1のサンプリング部133に電気的に接続される。第1のサンプリング部133は、電流検出または電気量検出中にサンプリングを実行するように構成されたサンプリング抵抗であってもよい。電量計134(クーロンカウンタとも称される)は、電池の電気量を測定するように構成される。電量計134は、サンプリング抵抗を使用することによって電池の電気量を測定し得る。
2つの第2の電圧変換部C2は、第2の接続インターフェース122に別々に電気的に接続され、第2の充電電圧および充電電流を受信し、第2の充電電圧を電池セル電圧に変換するように別々に構成され、例えば、第2の充電電圧を電池セル電圧に降圧し得る。本実施形態では、第2の電圧変換部C2は、2:1充電器ICであり得、入力電圧を最大で1/2に降圧することができ、次いで電圧を出力する。言い換えれば、電池セル電圧(出力電圧)の最小値は、第2の充電電圧(入力電圧)の1/2であり得る。充電プロセスでは、第2の電圧変換部C2は、実際の要求に基づいて電圧降圧の大きさを決定する。本出願の別の実施形態では、第2の電圧変換部C2は、別の電圧降圧能力(4:1、3:1、または別の比の電圧降圧)を有し得る。例えば、第2の電圧変換部C2は、4:1充電器IC(チャージャIC)であってもよく、出力電圧を入力電圧の1/4に降圧することができる。
本出願の実施形態における電圧は例にすぎず、電池モジュール100の実際の充電プロセスでは、充電または放電電圧が変動することに留意されたい。電池モジュール100を充電するときに許容される現在の最大電池セル電圧は5Vを超えない。一般に、最大電池電池セル電圧は4.22Vまたは4.45Vである。
2つの第2の電圧変換部C2は、第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に別々に電気的に接続されて、電池セル電圧および電池セル電流を第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132に別々に供給する。言い換えれば、第1の導電性インターフェース131は、電池セル電圧および電池セル電流を受信し、第2の導電性インターフェース132も、電池セル電圧および電池セル電流を受信する。
本出願の一実施形態では、2つの第2の電圧変換部C2は、例えば、充電器IC(チャージャIC)であり得る。2つの充電器ICが両方とも一次充電器ICであってもよく、または、一方の充電器ICが一次充電器ICであり、他方の充電器ICが二次充電器ICであってもよい。電圧変換を実行することに加えて、一次充電器ICはさらに別の充電機能をサポートし、例えば、バック構造充電、USB OTG(USB on-the-go)機能などをさらにサポートし得る。二次充電器ICは主に、電圧変換および充電電流の増加などの機能を実行するように構成される。
図1を参照して、図2Aは、電池セル14の平面構造の概略図である。
図1および図2Aに示すように、電池セル14は、電池セル本体140と、互いに対向する第1の側面141および第2の側面142とを含む。第1の回路基板11は電池セル14の第1の側面141側に配置され、第3の回路基板13および第1の電池保護基板15は電池セルの第2の側面142側に配置される。第2の回路基板12は、電池セル14の第1の側面141および第2の側面142にわたって第1の回路基板11および第3の回路基板13に別々に電気的に接続される。
本実施形態では、タブ14a、タブ14bおよびタブ14cは、電池セル本体140の第2の側面142に配置される。タブ14aは極性1を有し、タブ14bおよびタブ14cは極性2を有する。極性1と極性2とは逆である。極性1が正極性であり、極性2が極性であるか、または極性1が負極性であり、極性2が正極性である。
タブ14bおよびタブ14aは、導電ループの正極および負極を形成し、タブ14cおよびタブ14aは、導電ループの正極および負極を形成する。この場合、2つの導電ループを別々に使用することによって、電圧および電流が電池セル本体140に入力される(充電)か、または電圧および電流が電池セル本体140から出力される(放電)。
本実施形態では、タブ14bおよびタブ14cは直接電気的に接続され得る。言い換えれば、タブ14bおよびタブ14cの電圧(電位)は同じである。
したがって、電池セル14は、充電または放電のための2つの導電ループを含む。この場合、各タブで送信される充電電流を増加させることなく、電池セル14の充電効率を向上させ、充電時間を短縮することができる。本実施形態では電池セルにおけるこれらのタブの位置は限定されず、電気的な接続関係が同じである限り、本実施形態におけるソリューションを実施することができることに留意されたい。電池セルにおけるタブの位置は、後述される、電池セルの具体的な構造の実施形態で詳細に説明される。
図1を参照して、図3Aは、図1に示す第1の電池保護基板15の回路ブロック図である。
図3Aに示すように、第1の電池保護基板15は、第1のバッテリインターフェース151と、第2のバッテリインターフェース152と、第1の保護回路153と、第2の保護回路154とを含む。
第1のバッテリインターフェース151は第1の導電性インターフェース131(図1)に電気的に接続され、第2のバッテリインターフェース152は第2の導電性インターフェース132(図1)に電気的に接続される。
第1の保護回路153は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続され、第1の保護回路153はまた、第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続される。第1の保護回路153は、電池セル14の充電または放電中に、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流がしきい値範囲を超えると、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路を切断して、電池セル14の損傷を防止するように構成される。
第2の保護回路154は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続され、第2の保護回路154はまた、第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間に電気的に接続される。第2の保護回路154は、電池セル14の充電または放電中に、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の電圧および電流がしきい値範囲を超えると、第1のバッテリインターフェース151とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路、ならびに第2のバッテリインターフェース152とタブ14a、14bおよび14cとの間の導電経路を切断して、電池セル14を保護し、電池セル14の損傷を防止するように構成される。
第1の保護回路153および第2の保護回路154は、電池セル14を同時に保護する。第1の保護回路153および第2の保護回路154のいずれか一方が故障した場合には、もう一方が電池セル14を保護することができる。言い換えれば、第1の保護回路153および第2の保護回路154は、互いのバックアップとして機能し得る。第1の保護制御部1531が故障した場合には、第2の保護制御部1541が電圧および電流保護を実行する。代替的に、第2の保護制御部1541が故障した場合には、第1の保護制御部1531が電圧および電流保護を実行する。
第1の保護回路153に対応し、電池セル14によって入力および出力される電圧および電流に関するしきい値範囲は、第2の保護回路154に対応し、電池セル14によって入力および出力される電圧および電流に関するしきい値範囲と同じであってもよく、または異なっていてもよい。第1の保護回路153および第2の保護回路154が異なる範囲に対応する場合、最初にしきい値範囲に到達した保護回路が、経路を切断する動作を実行する。第1の保護回路153および第2の保護回路154が同じ範囲に対応する場合、これら2つの保護回路のうち、電圧または電流が対応するしきい値範囲を超えることを先に検出した保護回路が保護動作を実行する。より具体的には、第1のバッテリインターフェース151、タブ14b、電池セル本体、タブ14aおよび第1の保護回路153は、第1の導電ループを構成する。第1の導電ループは、電池セル電圧および電池セル電流を送信する。
本実施形態では、第1の導電ループは、第1の導電経路P1と第3の導電経路P3とを含む。第1の導電経路P1は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14bとの間に位置し、第3の導電経路P3は、第1のバッテリインターフェース151とタブ14aとの間に位置する。
第2のバッテリインターフェース152、タブ14c、電池セル本体、タブ14aおよび第1の保護回路153は、第2の導電ループを構成する。第2の導電ループは、電池セル電圧および電池セル電流を送信する。
本実施形態では、第2の導電ループは、第2の導電経路P2と第4の導電経路P4とを含む。第2の導電経路P2は、第2のバッテリインターフェース152とタブ14cとの間に位置し、第4の導電経路P4は、第2のバッテリインターフェース152とタブ14aとの間に位置する。
任意選択で、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4は、導電線を使用することによって直接電気的に接続されるため、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電圧は基本的に同じとなり、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じとなる。
第1の保護回路153は、第1の導電ループおよび第2の導電ループにある電圧および電流を検出するように構成される。電圧が第1の電圧しきい値範囲を超えると、第1の保護回路153は、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断して、電池セル14が過電圧状態で充電されたり不足電圧状態で放電したりすることを防止する。電流が第1の電流しきい値を超えると、第1の保護回路153は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電流状態で充電されたり放電したりすることを防止する。
同様に、第2の保護回路154もまた、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出するように構成される。電圧が第2の電圧しきい値範囲を超えると、第2の保護回路154は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電圧状態で充電されたり不足電圧状態で放電したりすることを防止する。電流が第2の電流しきい値を超えると、第2の保護回路154は2つの導電ループを切断して、電池セル14が過電流状態で充電されたり放電したりすることを防止する。
本実施形態では、第1の電圧しきい値範囲は、不足電圧しきい値1から過電圧しきい値1までであり得、ここで、不足電圧しきい値1は過電圧しきい値1よりも小さい。第2の電圧しきい値範囲は、不足電圧しきい値2から過電圧しきい値2までであり得、ここで、不足電圧しきい値2は過電圧しきい値2よりも小さい。
第1の電圧しきい値範囲が第2の電圧しきい値範囲と同じであるとき、不足電圧しきい値1が不足電圧しきい値2に等しく、かつ、過電圧しきい値1が過電圧しきい値2に等しい。
第1の電圧しきい値範囲が第2の電圧しきい値範囲と異なるとき、不足電圧しきい値1が不足電圧しきい値2に等しくないか、または過電圧しきい値1が過電圧しきい値2に等しくない。一実施形態では、不足電圧しきい値2が不足電圧しきい値1よりも小さく、過電圧しきい値2が過電圧しきい値1よりも大きいか、または不足電圧しきい値2が不足電圧しきい値1よりも大きく、過電圧しきい値2が過電圧しきい値1よりも大きい。
例えば、第1の電圧しきい値範囲は、例えば2.4V~4.422Vであり得、第2の電圧しきい値範囲は、例えば2.2V~4.45Vであり得る。言い換えれば、過電圧しきい値1は4.422Vであり、不足電圧しきい値1は2.4Vであり、過電圧しきい値2は4.45Vであり、不足電圧しきい値2は2.2Vである。代替的に、第1の電圧しきい値範囲は、例えば2.2V~4.422Vであり得、第2の電圧しきい値範囲は、例えば2.4V~4.45Vであり得る。電圧が電圧しきい値範囲を超えるとは、電圧が不足電圧しきい値より小さいか、または過電圧しきい値より大きいことを意味する。
本実施形態では、第1の電流しきい値または第2の電流しきい値は特定の値である。第1の電流しきい値および第2の電流しきい値は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。電流が電流しきい値を超えるとは、電流が電流しきい値以上であることを意味する。
図1を参照して、図4Aは、図1に示す第1の保護回路153および第2の保護回路154の回路ブロック図である。
図4Aに示すように、第1の保護回路153は、第1の保護制御部1531と、第1の電圧サンプリング部1532と、第1の電流サンプリング部1534と、第1のスイッチ部1533とを含む。
第1の保護制御部1531は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続される。第1の保護制御部1531は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出し、検出された電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、第1の保護制御部1531は、第1のスイッチ部1533に保護信号を出力する。第1のスイッチ部1533は、保護信号に基づいて第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断し、それによって電池セル14を保護し、過電圧、過電流または不足電圧による電池セル14の損傷を防止する。
第1の電圧サンプリング部1532は、タブ14b、タブ14cおよび第1の保護制御部1531に別々に電気的に接続され、電池セル電圧を検出し、検出された電池セル電圧を第1の保護制御部1531に送信するように構成される。第1の電圧サンプリング部1532は、例えば、サンプリング抵抗であってもよい。任意選択で、代替的に、本出願の本実施形態の電圧サンプリング部はなくてもよく、導電ループ内の電圧は保護制御部によって直接検出される。
第1の電流サンプリング部1534は、タブ14a、第1の保護制御部1531および第1のスイッチ部1533に別々に電気的に接続され、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内の電流を検出し、電流を第1の保護制御部1531に送信するように構成される。第1の電流サンプリング部1534は、例えば、サンプリング抵抗であってもよい。
第1のスイッチ部1533は、第1の保護制御部1531、第1の電流サンプリング部1534、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第1のスイッチ部1533は、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3および第2の導電ループ内の第4の導電経路P4に位置する。
本実施形態では、第1のスイッチ部1533は、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2とを含み得る。
第1のスイッチS1は、第1の電流サンプリング部1534と、第1の保護制御部1531と、第2の保護回路154内の第3のスイッチS3とに別々に電気的に接続される。第1のスイッチS1は、第1の保護制御部1531から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第2のスイッチS2は、第1の電流サンプリング部1534と、第1の保護制御部1531と、第2の保護回路154内の第4のスイッチS4とに別々に電気的に接続される。第2のスイッチS2は、第1の保護制御部1531から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
本実施形態では、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、同期してオンにされるか、または同期して遮断され、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、同じ型のトランジスタMOSを使用することによって実装され得る。例えば、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は両方ともN型トランジスタまたはP型トランジスタである。もちろん、第1のスイッチS1および第2のスイッチS2は、代替的に、異なる型のトランジスタまたは他の素子を使用することによって実装されてもよい。
図4Aに示すように、本出願の本実施形態では、第2の保護回路154がさらに含まれ得る。第2の保護回路154は、第2の保護制御部1541と、第2の電圧サンプリング部1542と、第2のスイッチ部1543とを含む。
第2の保護制御部1541は、第1の導電ループおよび第2の導電ループに別々に電気的に接続される。第2の保護制御部1541は、第1の導電ループおよび第2の導電ループ内にある電圧および電流を検出し、電圧が第2の電圧しきい値範囲を超えるかどうかを判定し、電流が対応する電流しきい値を超えるかどうかを判定する。電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、第2の保護制御部1541は、第2のスイッチ部1543に保護信号を出力する。第2のスイッチ部1543は、保護信号に基づいて第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第2の電圧サンプリング部1542は、タブ14b、タブ14cおよび第2の保護制御部1541に別々に電気的に接続され、電圧を検出し、検出された電圧を第2の保護制御部1541に送信するように構成される。本実施形態では、第1の電圧サンプリング部1532および第2の電圧サンプリング部1542の回路構造は同じであってもよい。任意選択で、代替的に、本出願の本実施形態の電圧サンプリング部はなくてもよく、導電ループ内の電圧は保護制御部によって直接検出される。
本実施形態では、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152が、導電線を使用することによって直接電気的に接続されている、すなわち、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4が互いに短絡しているので、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じである。
第2のスイッチ部1543は、第2の保護制御部1541、第1のスイッチ部1533、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第2のスイッチ部1543は、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3および第2の導電ループ内の第4の導電経路P4に位置する。
本実施形態では、第2のスイッチ部1543は、第3のスイッチS3と第4のスイッチS4とを含む。
第3のスイッチS3は、第1のスイッチS1、第2の保護制御部1541および第1のバッテリインターフェース151に別々に電気的に接続される。第3のスイッチS3は、第2の保護制御部1541から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第3のスイッチS3および第1のスイッチS1が両方ともオン状態であるとき、第1の導電ループは閉結され、第1の導電経路P1および第3の導電経路P3は電気的にオンである。第3のスイッチS3または第1のスイッチS1がオフ状態にあるとき、第1の導電ループは開放され、第1の導電経路P1および第3の導電経路P3は電気的にオフである。
第4のスイッチS4は、第2のスイッチS2、第2の保護制御部1541および第2のバッテリインターフェース152に別々に電気的に接続される。第4のスイッチS4は、第2の保護制御部1541から提供される保護信号に基づいてオンまたはオフ状態になる。
第4のスイッチS4および第2のスイッチS2が両方ともオン状態であるとき、第2の導電ループは閉結され、第2の導電経路P2および第4の導電経路P4は電気的にオンである。言い換えれば、第2のバッテリインターフェース152とタブ14aとの間で電池セル電流および電池セル電圧を送信することができる。第4のスイッチS4または第2のスイッチS2がオフ状態にあるとき、第2の導電ループは開放され、第2の導電経路P2および第4の導電経路P4は電気的にオフである。
本実施形態では、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は、同期してオンにされるか、または同期して遮断され、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は、同じ型のトランジスタMOSを使用すること、例えば両方ともN型トランジスタまたはP型トランジスタであることによって実装され得る。もちろん、第3のスイッチS3および第4のスイッチS4は代替的に、異なる型のトランジスタまたは他の素子を使用することによって実装されてもよい。
別の実装形態では、タブ14aを2つのタブに分割し得る。互いに協働するとき、これらの2つのタブはタブ14aと同じ機能を有する。図2Bに示すように、タブ14aは、同じ極性を有する2つのタブ(サブタブとも称され得る)であり得る。2つのタブのうちの一方とタブ14bとは、1つの導電ループの正極および負極を形成し、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。2つのタブのもう一方とタブ14cとは、別の導電ループの正極および負極を形成し、電池セル本体に電圧および電流を入力することができるか、または電池セル本体から電圧および電流を出力することができる。2つの導電ループは、図2Aの2つの導電ループと同様である。それに応じて、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割される場合、第1の電池保護基板15の対応する回路ブロック図が図3Bに示され、第1の保護回路153および第2の保護回路154の対応する回路ブロック図が図4Bに示される。図3Bと図3Aとの違いは、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割されている点である。図4Bと図4Aとの違いは、タブ14aが同じ極性を有する2つのタブに分割されている点である。
図5は、図1に示す電池モジュール100における第1の電池保護基板15の具体的な回路構造を示す概略図である。
第1の電圧サンプリング部1532は、第1の電圧検出抵抗RV1と第2の電圧検出抵抗RV2とを含む。第1の電圧サンプリング抵抗RV1は、第1の導電経路P1のタブ14bに電気的に接続され、第2のサンプリング抵抗RV2は、第2の導電経路P2のタブ14cに電気的に接続される。第1の電圧サンプリング抵抗RV1および第2のサンプリング抵抗RV2は、それぞれ、第1の導電経路P1上の電圧および第2の導電経路P2上の電圧を収集するように構成される。
本実施形態では、タブ14bとタブ14cとが直接電気的に接続されているので、第1の電圧サンプリング抵抗RV1と第2の電圧サンプリング抵抗RV2とは並列に接続される。したがって、第1の電圧サンプリング部1532は、第1の導電経路P1上の電圧と、第2の導電経路P2上の電圧との平均値を収集し、平均電圧値を第1の保護制御部1531に提供することができる。
本出願の別の実施形態では、第1の導電経路P1上にあり、第1の電圧検出抵抗RV1によって検出される電圧が、電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第1の電圧検出抵抗RV1のみが第1の電圧サンプリング部1532に配置されてもよい。代替的に、第2の導電経路P2上にあり、第2の電圧検出抵抗RV2によって検出される電圧が電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第2の電圧検出抵抗RV2のみが第1の電圧サンプリング部1532に配置されてもよい。
第1の電流サンプリング部1534は、第1の電流検出抵抗RI1と第2の電流検出抵抗RI2とを含む。第1の電流サンプリング抵抗RI1は、タブ14aと第1のバッテリインターフェース151との間に電気的に接続され、第2のサンプリング抵抗RV2は、タブ14aと第2のバッテリインターフェース152との間に電気的に接続される。第1の電流サンプリング抵抗RI1および第2の電流サンプリング抵抗RI2は、それぞれ、第3の導電経路P3上の電流および第4の導電経路P4上の電流を収集するように構成される。
本実施形態では、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152が、導電線を使用することによって直接電気的に接続されている、すなわち、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4が互いに短絡しているので、第3の導電経路P3および第4の導電経路P4を流れる電流は基本的に同じである。
第2の電圧サンプリング部1542は、第3の電圧検出抵抗RV3と第4の電圧検出抵抗RV4とを含む。第3の電圧サンプリング抵抗RV3は、第1の導電経路P1内のタブ14bに電気的に接続され、第4のサンプリング抵抗RV4は、第2の導電経路P2内のタブ14cに電気的に接続される。第3の電圧サンプリング抵抗RV3および第4のサンプリング抵抗RV4は、それぞれ、第1の導電経路P1上の電圧および第2の導電経路P2上の電圧を収集するように構成される。
本実施形態では、2つのタブ、タブ14bおよびタブ14cが直接電気的に接続されているので、第3の電圧サンプリング抵抗RV3および第4の電圧サンプリング抵抗RV4は並列に接続される。したがって、第2の電圧サンプリング部1542は、第1の導電経路P1上の電圧と、第2の導電経路P2上の電圧との平均値を収集し、平均電圧値を第1の保護制御部1531に提供することができる。
本出願の別の実施形態では、第1の導電経路P1上にあり、第3の電圧検出抵抗RV3によって検出される電圧が、電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第3の電圧検出抵抗RV3のみが第2の電圧サンプリング部1542に配置されてもよい。代替的に、第2の導電経路P2上にあり、第4の電圧検出抵抗RV4によって検出される電圧が電池セル14の充電電圧または放電電圧として使用されるように、第4の電圧検出抵抗RV4のみが第2の電圧サンプリング部1542に配置されてもよい。
図5に示すように、第1の保護制御部1531は、第1の電圧検出端子PV1と、第1の電流検出端子PI1と、第1の充電制御端子CO1と、第1の放電制御端子DO1とを含む。
具体的には、第1の電圧検出端子PV1は、第1の電圧検出抵抗RV1および第2の電圧検出抵抗RV2に電気的に接続され、電圧を検出するように構成される。
第1の電流検出端子PI1は、第1の電流検出抵抗RI1および第2の電流検出抵抗RI2に電気的に接続され、電流を検出するように構成される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1は両方とも、第1のスイッチS1に電気的に接続され、保護信号を出力して第1のスイッチS1をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第1の保護制御部1531は、第1の電圧検出端子PV1によって検出された電圧および第1の電流検出端子PI1によって検出された電流がしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から保護信号を出力する。
本実施形態では、第1のスイッチ部1533内の第1のスイッチS1は、第1の制御端子SC1と、第2の制御端子SC2と、第1の導電端子SD1と、第2の導電端子SD2とを含む。
第2のスイッチ部1543を使用することによって、第1の制御端子SC1は第1の放電制御端子DO1に電気的に接続され、第2の制御端子SC2は第1の充電制御端子CO1に電気的に接続され、第1の導電端子SD1はタブ14aに電気的に接続され、第2の導電端子SD2は第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から第1の保護制御部1531によって出力された保護信号は、第1の制御端子SC1および第2の制御端子SC2を使用することによって、第1のスイッチS1がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第1のスイッチS1が保護信号の制御下でオンにされると、第1の導電端子SD1および第2の導電端子SD2は電気的にオンになる。第1のスイッチS1が保護信号の制御下で遮断されると、第1の導電端子SD1および第2の導電端子SD2は電気的にオフになる。
本実施形態では、第1のスイッチS1は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3に関して、電池セル14が充電される際に電流が第1のタブ14aから第1のバッテリインターフェース151に流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができ、電池セル14が放電する際に電流が第1のバッテリインターフェース151から第1のタブ14aに流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができる。
加えて、第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1は両方とも、第2のスイッチS2に電気的に接続され、保護信号を出力して第2のスイッチS2をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第1のスイッチ部1533内の第2のスイッチS2は、第3の制御端子SC3と、第4の制御端子SC4と、第3の導電端子SD3と、第4の導電端子SD4とを含む。
第2のスイッチ部1543を使用することによって、第3の制御端子SC3は第1の放電制御端子DO1に電気的に接続され、第4の制御端子SC4は第1の充電制御端子CO1に電気的に接続され、第3の導電端子SD3はタブ14aに電気的に接続され、第4の導電端子SD4は第2のバッテリインターフェース152に電気的に接続される。
第1の充電制御端子CO1および第1の放電制御端子DO1から第1の保護制御部1531によって出力される保護信号は、第3の制御端子SC3および第4の制御端子SC4を使用することによって、第2のスイッチS2がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第2のスイッチS2が保護信号の制御下でオンにされると、第3の導電端子SD3および第4の導電端子SD4は電気的にオンになる。第2のスイッチS2が保護信号の制御下で遮断されると、第3の導電端子SD3および第4の導電端子SD4は電気的にオフになる。
本実施形態では、第2のスイッチS2は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第2の導電ループ内の第4の導電経路P4に関して、電池セル14が充電される際に電流が第1のタブ14aから第2のバッテリインターフェース152に流れるとき、第2のスイッチS2をオンまたは遮断することができ、電池セル14が放電する際に電流が第2のバッテリインターフェース152から第1のタブ14aに流れるとき、第1のスイッチS1をオンまたは遮断することができる。
第2の保護制御部1541は、第2の電圧検出端子PV2と、第2の電流検出端子PI2と、第2の充電制御端子CO2と、第2の放電制御端子DO2とを含む。
具体的には、第2の電圧検出端子PV2は、第3の電圧検出抵抗RV3および第4の電圧検出抵抗RV4に電気的に接続され、電圧を検出するように構成される。
第2の電流検出端子PI2は、第1の電流検出抵抗RI1および第2の電流検出抵抗RI2に電気的に接続され、電流を検出するように構成される。
第2の保護制御部1541は、第2の電圧検出端子PV2によって検出された電圧および第2の電流検出端子PI2によって検出された電流がしきい値範囲を超えるかどうかを判定する。電圧または電流がしきい値範囲を超えると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から保護信号を出力する。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2は両方とも、第3のスイッチS3に電気的に接続され、保護信号を出力して第3のスイッチS3をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
本実施形態では、第2のスイッチ部1543内の第3のスイッチS3は、第5の制御端子SC5と、第6の制御端子SC6と、第5の導電端子SD5と、第6の導電端子SD6とを含む。
第5の制御端子SC5は、第2の放電制御端子DO2に電気的に接続され、第6の制御端子SC6は、第2の充電制御端子CO2に電気的に接続され、第5の導電端子SD5は、第1のスイッチS1の第2の導電端子SD2に電気的に接続され、第6の導電端子SD6は、第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から第2の保護制御部1541によって出力される保護信号は、第5の制御端子SC5および第6の制御端子SC6を使用することによって、第3のスイッチS3がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第3のスイッチS3が保護信号の制御下でオンにされると、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6は電気的にオンになる。第3のスイッチS3が保護信号の制御下で遮断されると、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6は電気的にオフになる。
本実施形態では、第3のスイッチS3は双方向的にオンとなり得る。言い換えれば、第1の導電ループ内の第3の導電経路P3に関して、電池セル14が充電または放電されるとき、第3のスイッチS3をオンまたは遮断することができる。
加えて、第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2は両方とも、第4のスイッチS4に電気的に接続され、保護信号を出力して第4のスイッチS4をオンまたはオフ状態になるように制御するように構成される。
第2のスイッチ部1543内の第4のスイッチS4は、第7の制御端子SC7と、第8の制御端子SC8と、第7の導電端子SD7と、第8の導電端子SD8とを含む。
第7の制御端子SC7は第2の放電制御端子DO2に電気的に接続され、第8の制御端子SC8は第2の充電制御端子CO2に電気的に接続され、第7の導電端子SD7は第2のスイッチS2の第4の導電端子SD4に電気的に接続され、第8の導電端子SD8は第2のバッテリインターフェース152に電気的に接続される。
第2の充電制御端子CO2および第2の放電制御端子DO2から第2の保護制御部1541によって出力される保護信号は、第7の制御端子SC7および第8の制御端子SC8を使用することによって、第4のスイッチS4がオンにされるかまたは遮断されるように制御する。第4のスイッチS4が保護信号の制御下でオンにされると、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8は電気的にオンになる。第4のスイッチS4が保護信号の制御下で遮断されると、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8は電気的にオフになる。
本実施形態では、第4のスイッチS4は双方向的にオンとなり得る。
本実施形態では、第1の電池保護基板15は、偽造防止部155をさらに含み得る。偽造防止部155は、第2の導電経路P2に電気的に接続され、電池セル14が耐えることができる電池セル電圧および電池セル電流を検出して、電池セル14と電池セル電圧または電池セル電流との間の不一致による電池セル14の損傷を防止するように構成される。
図1および図5を参照して、電池セル14が充電(電気エネルギーの蓄積)されるときおよび放電(電気エネルギーの放出)するときの電池モジュール100における第1の保護基板15の動作プロセスを具体的に説明する。
電池セル14が充電されるプロセスは、以下の通りである。
第1の導電性インターフェース131および第2の導電性インターフェース132から第3の回路基板13によって出力される電池セル電圧および電池セル電流は、第1の電池保護基板15の第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に送信される。
第1のバッテリインターフェース151に対応する第1の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第1のバッテリインターフェース151から第1の導電経路P1を通してタブ14bに送信される。
電池セル電圧は、第1の電圧検出抵抗RV1を通して第1のキャパシタC1を充電する。第1のキャパシタC1の充電電圧が第1のスイッチS1の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に導通信号を出力して、第1のスイッチS1をオン状態になるように制御する。
電池セル電圧は、第3の電圧検出抵抗RV3を通して第2のキャパシタC2を充電する。第2のキャパシタC2の充電電圧が第3のスイッチS3の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に導通信号を出力して、第3のスイッチS3をオン状態になるように制御する。
電池セル14の内部では、電池セル電流は、タブ14bからタブ14aに送信され、タブ14aから第1の電流検出抵抗RI1を通して第1のスイッチS1の第1の導電端子SD1に送信され、次いで第2の導電端子SD2に送信される。
第3のスイッチS3もオン状態にあり、第3のスイッチS3の第5の導電端子SD5が第2の導電端子SD2に電気的に接続されているので、電池セル電流は、第2の導電端子SD2、第5の導電端子SD5および第6の導電端子SD6を通して第1のバッテリインターフェース151に送信される。このようにして、第1の導電ループにおいて電池セル14が充電される。
同様に、第2のバッテリインターフェース152に対応する第2の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第2のバッテリインターフェース152から第2の導電経路P2を通してタブ14cに送信される。
電池セル電圧は、第2の電圧検出抵抗RV2を通して第1のキャパシタC1を充電する。第1のキャパシタC1の充電電圧が第2のスイッチS2の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に導通信号を出力して、第2のスイッチS2をオン状態になるように制御する。
電池セル電圧は、第4の電圧検出抵抗RV4を通して第2のキャパシタC2を充電する。第2のキャパシタC2の充電電圧が第4のスイッチS4の導通しきい値電圧Vthに到達すると、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に導通信号を出力して、第4のスイッチS4をオン状態になるように制御する。
電池セル14の内部では、電池セル電流は、タブ14cからタブ14aに送信され、タブ14aから第2の電流検出抵抗RI2を通して第2のスイッチS2の第3の導電端子SD3に送信され、次いで第4の導電端子SD4に送信される。
第4のスイッチS4もオン状態にあり、第4のスイッチS4の第7の導電端子SD7が第3の導電端子SD3に電気的に接続されているので、電池セル電流は、第3の導電端子SD3、第7の導電端子SD7および第8の導電端子SD8を通して第2のバッテリインターフェース152に送信される。このようにして、第2の導電ループにおいて電池セル14が充電される。
充電プロセスでは、第1の導電経路P1または第2の導電経路P2上の電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、すなわち、過電圧または不足電圧および過電流が発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541は、電池セル14のための保護を実行する。ここでは、以下の値が例として使用される。第1の保護制御部1531に対応する不足電圧しきい値は2.4Vであり、第1の保護制御部1531に対応する過電圧しきい値は4.422Vであり、第2の保護制御部1541に対応する不足電圧しきい値は2.2Vであり、第2の保護制御部1541に対応する過電圧しきい値は4.45Vである。
具体的には、不足電圧が第1の導電経路P1または第2の導電経路P2上で発生すると、例えば、電池セル14の電圧が2.4Vより小さいとき、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に保護信号を出力して第1のスイッチS1および第2のスイッチS2をオフ状態(すなわち、切断状態)になるように制御し、それによって、第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
過電圧が第1の導電経路P1または第2の導電経路P2上で発生すると、例えば、電池セル14の電圧が4.422Vより大きいとき、第1の保護制御部1531は、第1の充電制御端子CO1に保護信号を出力して第1のスイッチS1および第2のスイッチS2をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の保護制御部1531が故障した場合、すなわち、第1の保護制御部1531が、過電圧または不足電圧が電池セル14上で発生したときに第1の導電ループまたは第2の導電ループを適時かつ正確に切断することができない場合、第2の保護制御部1541が、過電圧または不足電圧が電池セル14上で発生したときに第1の導電ループまたは第2の導電ループを適時かつ正確に切断することができる。
例えば、第1の保護制御部1531が故障した場合で、電池セル14の電圧が2.2Vより小さいとき、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に保護信号を出力して第3のスイッチS3および第4のスイッチS4をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
第1の保護制御部1531が故障した場合で、電池セル14の電圧が4.45Vよりも大きいとき、第2の保護制御部1541は、第2の充電制御端子CO2に保護信号を出力して第3のスイッチS3および第4のスイッチS4をオフ状態になるように制御し、それによって第1の導電ループおよび第2の導電ループを切断する。
同様に、過電流または不足電流が第3の導電経路P3または第4の導電経路P4上で発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541の動作原理は、過電圧または不足電圧が電池セル上で発生するときに使用される動作原理と同じである。ここでは、詳細を改めて説明はしない。
電池セル14が放電するプロセスは以下の通りである。
電池セル14の内部では、電池セル電圧および電池セル電流は、タブ14aからタブ14bおよびタブ14cに別々に流れる。
第1のバッテリインターフェース151に対応する第1の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第1の導電経路P1を通ってタブ14bから第1のバッテリインターフェース151に送信され、次いで第3のスイッチS3および第1のスイッチS1を通って第1のバッテリインターフェース151から第1のタブ14aに送信される。このようにして、第1の導電ループにおいて、電池セル14が第1のバッテリインターフェース151に放電する。
同様に、第2のバッテリインターフェース152に対応する第2の導電ループの場合、電池セル電圧および電池セル電流は、第2の導電経路P2を通してタブ14cから第2のバッテリインターフェース152に送信され、次いで第4のスイッチS4および第2のスイッチS2を通して第2のバッテリインターフェース152から第1のタブ14aに送信される。このようにして、第2の導電ループにおいて、電池セル14が第2のバッテリインターフェース152に放電する。
放電プロセスでは、第1の導電経路P1、第2の導電経路P2、第3の導電経路P3、または第4の導電経路P4上の電圧および電流が対応するしきい値範囲を超えると、すなわち、過電圧または不足電圧および過電流または不足電流が発生すると、第1の保護制御部1531および第2の保護制御部1541は、電池セル14のための保護を実行する。保護手順は充電プロセスのものと同様である。ここでは、詳細を改めて説明はしない。
図1~図5に示す充電電池モジュール10内の電池セルの回路の場合、1つの電池セル14は、充電および放電のための少なくとも2つの導電ループを含むことができる。これにより、充電効率が向上する。この電池セル14を1つの導電ループを有する電池セルと比較すると、充電時間の少なくとも半分が短縮され、加えて、各タブによって運ばれる電流も相対的に低減され、したがって、各タブの発熱量も効果的に低減され、すなわち、高い充電効率を実現しながら、各タブの発熱量を制御することができる。
例えば、電池セルが2つのタブのみを有し、12Aの電流が充電に使用され、保護基板のインピーダンスが20mOHmであるとき、タブおよび保護基板の発熱量は、P=I^2R=144*20=2.88Wとなる。
しかしながら、本実施形態における電池セル14の場合、電池セル14が3つのタブと少なくとも2つの導電ループとを含むので、各導電ループは、電流が分割された後の6Aの電流を有する。保護基板のインピーダンスが20mOHmである場合、タブおよび保護基板の発熱量は、P=2*I^2R=2*36*20=1.44Wとなる。総発熱量が半減(2.88Wから1.44Wに減少)していることがわかる。
図6は、本出願の別の実施形態による電池モジュール100の回路ブロック図である。図6に示すように、電池モジュール100は、図4Aに示す電池モジュール100の構造と基本的に同様の構成を有しており、唯一の違いは、第1の電池保護基板15が第1の保護回路153のみを含み、第2の保護回路154を含んでいないことである。前述したように、第2の保護回路は、第1の保護回路のバックアップとして機能する。第1の保護回路が故障した場合、第2の保護回路は、電池セルのための電圧保護および電流保護を実行し得る。したがって、本出願の実施形態におけるソリューションは、保護回路が1つしかない場合にも実装可能である。任意選択で、保護の信頼性をさらに向上させるために、保護回路の数を増やすこともできる。例えば、電池モジュール100は、3つ、4つ、またはそれ以上の数の保護回路を含み得る。新たに追加された保護回路については、第1の保護回路および第2の保護回路の構造およびレイアウトを参照されたい。
図7は、本出願の別の実施形態による充電モジュール30の回路ブロック図である。
本実施形態では、充電モジュール30の回路は、図1に示す充電モジュール10のものと基本的に同様であり、違いは以下の通りである:第1の回路基板11には第1の電圧変換部C1が配置されず、第3の回路基板13には1つの第2の電圧変換部C2が配置される。第2の電圧変換部C2は、第1の充電電圧を電池セル電圧に直接変換し、電池セル電圧を第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に提供する。本実施形態における第2の電圧変換部C2は、充電モジュール10における電圧変換部C1およびC2よりも高い電圧変換効率を有する。例えば、変換効率を2倍にすることができる。例えば、充電モジュール10内の電圧変換部C1およびC2が両方とも2:1充電器ICである場合、本実施形態における第2の電圧変換部C2は4:1充電器ICであってもよい。
図8は、本出願の別の実施形態による充電モジュール40内の電池モジュール400の回路ブロック図である。
図8に示すように、電池モジュール400の回路は、図1および図2Aに示す電池モジュール100のものと基本的に同様であり、違いは、電池セル14内のタブ14aが正極性を有し、電池セル14内のタブ14bおよびタブ14cが負極性を有する点である。
図9は、本出願の別の実施形態による充電モジュール50の回路ブロック図である。
図9に示すように、充電モジュール50内の電池モジュール500の回路は、図1に示す充電モジュール10内の電池モジュール100の回路と同様であり、違いは以下の通りである:電池モジュール500内の電池セル14は、4つのタブと2つの第1の電池保護基板15とを含み、第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152は、電池セル14の対向する2つの側面に別々に配置される。
具体的には、4つのタブは、別々に、タブ14a、タブ14b、タブ14cおよびタブ14dである。タブ14aおよびタブ14bは、電池セル14の第2の側面142に配置され、タブ14cおよびタブ14dは、電池セル14の第1の側面141に配置される。タブ14aおよびタブ14cは第1の極性を有し、タブ14bおよびタブ14dは第2の極性を有する。本実施形態では、第1の極性は負極性であり、第2の極性は正極性である。
加えて、本実施形態では、第1の回路基板11には第1の電圧変換部C1が配置されず、第3の回路基板13には1つの第2の電圧変換部C2が配置される。第2の電圧変換部C2は、第1の充電電圧を電池セル電圧に直接変換し、電池セル電圧を第1のバッテリインターフェース151および第2のバッテリインターフェース152に別々に提供する。例えば、第2の電圧変換部C2は4:1充電器ICであってもよい。
図10は、充電モジュール50の回路ブロック図である。図10に示すように、電池セル14の第1の側面141および第2の側面142に、2つの第1の電池保護基板15が別々に配置される。言い換えれば、一方の第1の電池保護基板15は、タブ14aおよびタブ14bと電気的に接続され、もう一方の第1の電池保護基板15は、タブ14cおよびタブ14dと電気的に接続される。
より具体的には、図11は、電池モジュール500の回路構造の概略図であり、図12は、第1の電池保護基板15のうちの1つの回路構造の概略図である。
図11および図12に示すように、電池セル14の第2の側面142に位置する第1の電池保護基板15は、第1のバッテリインターフェース151、タブ14aおよびタブ14bに電気的に接続され、これらは第1の導電ループを構成し、電池セル14の第1の側面141に位置する第1の電池保護基板15は、第2のバッテリインターフェース152、タブ14cおよびタブ14dに電気的に接続され、これらは第2の導電ループを構成する。
図12に示すように、第1の電池保護基板15は、2つの保護回路153および154を含む。保護回路153および154は、導電ループのための電圧保護および電流保護を実行する。具体的な原理については、前述の実施形態における説明を参照されたい。図12に示す実施形態では、2つの保護回路153および154は両方とも、第1のバッテリインターフェース151に電気的に接続される。他方の電池保護基板では、両方の保護回路は第2のバッテリインターフェース152に電気的に接続される。2つの保護回路153および154は、互いのバックアップとして機能することが理解され得る。したがって、代替的に、1つの電池保護基板に1つの保護回路のみが配置されてもよいし、1つの電池保護基板に複数の保護回路が配置されてもよい。
図13は、本出願の別の実施形態による充電モジュール60の回路ブロック図である。
図13に示すように、充電モジュール60に含まれる電池モジュール600の回路は、図1に示す充電モジュール10に含まれる電池モジュール100の回路と同様であり、違いは、電池モジュール600内の電池セル14が、6つのタブと、2つの電池保護基板と、4つのバッテリインターフェースとを含む点である。具体的には、電池モジュール100と比較して、電池モジュール600は、タブが3つ多く、電池保護基板が1つ多く、バッテリインターフェースが2つ多い。電池モジュール600は、2つの3タブバッテリと同等であり得るが、1つの電池セル本体しか有していないことが理解され得る。
具体的には、図1および図2Aに示す電池モジュール100と比較して、充電モジュール60に含まれる電池モジュール600は、より多くの構成要素を含む。電池モジュール100に基づいて、図13に示すように、電池モジュール600は、電池セル14の第1の側面141に配置された第2の電池保護基板16と、第3のバッテリインターフェース156と、第4のバッテリインターフェース157とをさらに含む。第2の電池保護基板16の回路構造、接続方式および動作原理は、第1の電池保護基板15のものと完全に同じである。
加えて、充電モジュール10と比較して、充電モジュール60は、回路基板上に追加の電圧変換部C3を有する。図13に示すように、第1の回路基板11は、第3の電圧変換部C3を含む。第3のバッテリインターフェース156および第4のバッテリインターフェース157は、第1の回路基板11上の第3の電圧変換部C3に別々に電気的に接続され、電圧および電流を電池セル14に送信する。第3の電圧変換部C3は、第3の回路基板上の第2の電圧変換部C2と同じであってもよい。別の実施形態では、第3の電圧変換部C3または第2の電圧変換部C2は、変換効率が低い2つ以上の変換部によって置き換えられ得ることに留意されたい。例えば、1つの4:1充電器IC(C3またはC2)は、2つまたは3つの2:1充電器ICによって置き換えられ得る。例えば、図1に示す実施形態では、3つの2:1充電器ICを使用して2回の電圧降圧を実施しているが、図7に示す実施形態では、1つの4:1充電器ICを使用して電圧降圧を実施している。充電モジュール60では、電圧および電流は、第1の送信インターフェース111を通して外部から受信され、次いで、分割され、第1の回路基板11上の第3の電圧変換部C3および第3の回路基板13上の第2の電圧変換部C2に別々に送信される。後続の処理フローについては、前述した3タブ電池セルの実施形態(図1~図8に示す実施形態)における説明を参照されたい。
図14Aは、図13に示す充電モジュール60における電池モジュール600の概略構造図である。図14Aに示すように、第2の側面142に配置されたタブ14A、タブ14bおよびタブ14cに加えて、電池セル14は、第1の側面141に配置されたタブ14d、タブ14eおよびタブ14fをさらに含む。タブ14e、タブ14fおよびタブ14bは、タブ14cと同じ極性を有し、タブ14dはタブ14aと同じ極性を有する。タブ14eとタブ14fは、タブ14dの左側および右側に所定の間隔を隔てて配置される。タブ14d、タブ14eおよびタブ14fの構造およびレイアウトについては、前述の実施形態におけるタブ14a、タブ14bおよびタブ14cの構造およびレイアウトを参照されたい。
図15は、図13に示す充電モジュール60における電池モジュール600の回路構造の概略図である。図15に示すように、第2の電池保護基板16は、電池セル14の第1の側面141に配置され、第1の回路基板11から電池セル電圧および電池セル電流を受信するように構成され、第3のバッテリインターフェース156および第4のバッテリインターフェース157を使用することによってタブ14d、タブ14eおよびタブ14fに電気的に接続される。第2の電池保護基板16の回路構造、接続方式および動作原理は第1の電池保護基板15のものと同じであるので、本実施形態では、第2の電池保護基板16の具体的な接続方式を改めて説明はしない。
4タブ電池セルまたは6タブ電池セルの実装ソリューションでは、充電する際、電池セルの上端および下端が使用されてもよく、すなわち、4つのタブまたは6つのタブがすべて充電に使用され、放電する際、電池セルの一端にあるタブおよび回路のみが使用されてもよいことに留意されたい。例えば、4タブ電池セルが放電するとき、2つのタブ(例えば、第3の回路基板に接続された1つの正極タブおよび1つの負極タブ)のみが放電に使用されてもよい。6タブ電池セルが放電するとき、数個のタブによって形成されるループのみが放電に使用されてもよい。もちろん、代替的に、すべてのタブを放電に使用してもよい。
図14Bに示すように、本出願の別の実施形態は、5つのタブを有する電池モジュール(5タブ電池モジュールとも称され得る)をさらに提供する。図14Aに示す6タブ電池モジュールと比較して、5タブ電池モジュールも同じく2つの電池保護基板と4つのバッテリインターフェースとを含み、違いは、5タブ電池モジュールの電池セルの一方の側面に3つのタブが含まれ、電池セルのもう一方の側面に2つのタブが含まれていることである。3つのタブの構造および対応する回路構造については、図1~図8に示す実施形態における説明を参照されたい。2つのタブの構造および対応する回路構造については、図9~図12に示す4タブ構造における2つのタブの説明を参照されたい。6タブ電池モジュールは、2つの3タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有し、4タブ電池モジュールは、2つの2タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有し、5タブ電池モジュールは、1つの3タブ電池および1つの2タブ電池と同等であり得るが、1つの電池セル本体のみを有することが理解され得る。
5タブ電池モジュールでは、タブのうちの3つが電池セル本体の一方の側面に配置され、他の2つのタブが電池セル本体のもう一方の側面に配置されてもよい。2つの側面は、対向する2つの側面、隣接する2つの側面、または2つの離間した側面であり得る。
本出願の別の実施形態では、図9~図12に示す実施形態における4タブ電池モジュールに基づいて、電池モジュールはタブを2つ多く含み得、すなわち、別の6タブ電池モジュールが提供される。6タブ電池モジュールは、1つの電池セル本体と、6つのタブと、3つの電池保護基板と、6つのバッテリインターフェースとを含み得、すなわち、3つの2タブ電池モジュールと同等であり得る。6つのタブの位置は限定されない。2つのタブごとに電池セル本体の側面に位置し得、すなわち、タブは電池セル本体の3つの側面のそれぞれに配置され、異なる極性の2つのタブが各側面に配置されてもよい。6つのタブのうち、3つのタブは第1の極性を有し、他の3つのタブは第2の極性を有する。同じ極性の3つのタブは、同じ電極板に配置される。
以下は、既存の2タブ電池セル構造および本出願の実施形態において提供される充電モジュールを充電した際に得られた試験データを提供する。
電池セルが2つのタブのみを含む充電モジュール(従来技術)を試験した結果は、以下の通りである。
図1に示す実施形態における充電モジュール100(3つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
図9に示す実施形態における充電モジュール500(4つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
図13に示す実施形態における充電モジュール600(6つのタブ)を試験した結果は、以下の通りである。
上記の試験結果から以下のことが分かる。
第1の充電電流(外部から入力される充電電流)が8Aであるとき、電池セルが2つのタブのみを有する既存のソリューションでは、電池セルの総電力消費は5.195Wであるが、本出願の実施形態における3つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.615Wのみであり、本出願の実施形態における4つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.292Wのみである。
第1の充電電流が12Aであるとき、本出願の実施形態における3つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は4.799Wであり、本出願の実施形態における4つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は4.073Wであり、本出願の実施形態における6つのタブを含む充電モジュールの総電力消費は2.883Wである。
従来技術と比較して、本出願の実施形態における充電モジュールの電力消費は大幅に低減され、充電率は効果的に改善される。したがって、電力消費要件が満たされたとき、本出願の実施形態において提供される充電モジュールは、高出力高速充電を実行することができる。例えば、総電力消費が約5W~6Wである必要がある場合、本出願の実施形態における3タブソリューションは、約12A~13Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約60W~65Wの充電電力をサポートすることができ(12A×5V=60W、13A×5V=65W)(充電電圧は5Vである)、本出願の実施形態における4タブソリューションは、約14A~16Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約70W~90Wの充電電力をサポートすることができ、本出願の実施形態における6タブソリューションは、約20Aの電流をサポートすることができ、すなわち、約100Wの充電電力をサポートすることができる。本出願の実施形態において提供されるソリューションでは、6タブソリューションに対応する電力消費は、4タブソリューションに対応する電力消費よりも低く、4タブソリューションに対応する電力消費は、3タブソリューションに対応する電力消費よりも低い。言い換えれば、6タブソリューションは、4タブソリューションよりも高出力の充電をサポートすることができ、4タブソリューションは、3タブソリューションよりも高出力の充電をサポートすることができる。
以下では、本出願の実施形態における電池セル14の構造について説明する。
電池セルは、2つの電極板を含み得る。各電極板は、活性領域(Active Area、AA)を含み、さらに、周囲領域(すなわち、非活性領域、Non-active Area、NA)を含み得る。活性領域AAは、導電性材料で被覆されている。2つの電極板の活性領域を被覆する導電性材料は、協働して、電気エネルギーを蓄積および放出する。2つの電極板は異なる極性を有する。各電極板は、1つまたは複数のタブを有する。2つの電極板を一緒に巻回して、電池セルを形成する。電極板上のタブは、電池セルのタブである。電池セルが必要とするタブの数に基づいて、対応する数のタブが電極板に配置される。
図16Aは、本出願の一実施形態による3つのタブを有する電池セル14の概略分解構造図である。
図16Aに示すように、電池セル14は、異なる極性を有する2つの電極板、すなわち、電極板144および電極板145を含む。例えば、電極板144が第1の極性を有し、電極板145が第2の極性を有するか、または電極板144が第2の極性を有し、電極板145が第1の極性を有する。
電極板144は、第1の活性領域AA1と、2つの第1の非活性領域NA1とを含む。
第1の活性領域AA1は、第1の導電性材料M1で被覆されている。2つの第1の非活性領域NA1は、第1の活性領域AA1の対向する両側に位置する。各第1の非活性領域NA1には、1つのタブ、例えば図16Aに示すタブ14bおよび14cが配置される。
電極板145は、第2の活性領域AA2と、2つの第2の非活性領域NA2とを含む。代替的に、別の実装形態では、電極板145は、1つの非活性領域NA2(図示せず)のみを含んでもよい。
第2の活性領域AA2は、第2の導電性材料M2で被覆されている。2つの第2の非活性領域NA2は、第2の活性領域AA2の対向する両側に位置する。第2の非活性領域NA2の1つには、1つのタブ、例えばタブ14aが配置される。
第1の導電性材料M1および第2の導電性材料M2は、協働して、電気エネルギーを蓄積および放出する。
図17は、図16Aに示す電池セル14の上面図である。図17に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14bは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144および電極板145が巻回された状態で、タブ14cは巻回構造の外縁に位置する。
図18は、図16Aに示す電池セル14の正面構造の概略図である。2つのタブ14bおよび14cは、タブ14aの左側および右側に位置する。
本出願の実施形態では、タブ14bとタブ14cは同じである。タブ14bおよびタブ14cは、識別子を区別するためにのみ使用される。言い換えれば、本発明の実施形態では、タブ14bとタブ14cとの位置を入れ替えることができる。
図16Aおよび図17は、3タブ電池セルの構造の概略図にすぎない。別の実装形態では、3タブ電池セルは、代替的に別の構造であってもよい。この構造では、電極板144上の2つのタブは、他の異なる位置に位置してもよい。
例えば、2つのタブは、図16Aに示すように、電極板144の2つの端部の非活性領域に位置し得る。
代替的に、2つのタブの場合、一方が電極板144の一端の非活性領域に位置し、もう一方が電極板144の活性領域AAに位置してもよい。図19に示すように、タブ14bは、電極板144の非活性領域NA1(電極板144の左端または右端)に位置し、タブ14cは、電極板144の第1の活性領域AA1に位置する。
代替的に、図16Bに示すように、タブ14bおよびタブ14cの両方が電極板144の第1の活性領域に位置してもよい。両方のタブが電極板の活性領域に位置する場合、2つのタブは接続されていてもよく、接続されていなくてもよい。図16Cに示すように、電極板に配置されたタブ14bの端部は、電極板に配置されたタブ14cの端部に接続される。外観上、2つのタブは離れているが、電極板の内部で2つのタブが接続されていてもよい。
タブは、以下の2つの方法で電極板144の活性領域AAに配置され得る。1つの方法では、活性領域AA1が導電性材料で被覆された後、プリセット位置で導電性材料の一部が除去され、次いでタブがプリセット位置に電気的に配置され、例えば、タブが電極板に溶接され得る。もう1つの方法では、タブは電極板に電気的に接続され、次いで電極板は、タブの位置を除いて導電性材料で被覆される。
図20は、図19に示す電池セル14の上面図である。図20に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14cは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144と電極板145とが巻回された状態で、タブ14bは巻回構造上の別の位置に位置している。図19および図20に示す電池セル14の正面構造については、図18を参照されたい。
代替的に、タブ14bおよびタブ14cは、両方とも活性領域AA内に位置し得る。例えば、タブ14bおよびタブ14cは両方とも、電極板144の活性領域AA1内に位置する。
代替的に、電極板145上のタブ14aおよび電極板144上のタブ14cは両方とも、活性領域AA内に別々に位置し得る。図21に示すように、タブ14aは、電極板145の活性領域AA2に位置し、タブ14cは、電極板144の活性領域AA1に位置する。
別の実施形態では、電極板145上のタブは、代替的に、電極板上の異なる位置に位置し得る。タブは、図16Aに示すように、電極板145のいずれかの端部の非活性領域に位置し得る。代替的に、タブは、電極板145の活性領域に位置し得る。図21に示すように、タブ14aは、電極板145の第2の活性領域AA2に位置する。
図22は、図21に示す電池セル14の上面図である。図22に示すように、電極板144および電極板145は一緒に巻回されている。タブ14aおよびタブ14cは、巻回構造の内側に隣接して配置され、電極板144と電極板145とが巻回された状態で、タブ14bは巻回構造上の別の位置に位置している。図21および図22に示す電池セル14の正面構造については、図18を参照されたい。
本出願の実施形態では、3タブ電池セルを形成するために、1つのタブがいずれかの電極板に配置され、2つのタブがもう一方の電極板に配置され得る。図23に示すように、タブ14aは電極板144に配置され得、タブ14bおよびタブ14cは電極板145に配置され得る。
任意選択で、電極板上に配置された複数のタブは、異なる方向を向いていてもよい。図16A~図22に示す前述の実施形態と同様に、タブ14a、タブ14bおよびタブ14cはすべて同じ方向を向いている。図に示すように、それらはすべて上向きである。別の実施形態では、3つのタブは、異なる任意の方向を向いていてもよい。
例えば、3つのタブのうちの任意の2つが同じ方向を向き、他のタブが異なる方向を向いていてもよい。図23に示すように、タブ14bおよびタブ14aは同じ方向を向いており、すなわち図示上方を向いており、タブ14cは、タブ14bが向いている方向とは異なる方向を向いており、すなわち図示下方を向いている。代替的に、タブ14bおよびタブ14aの両方は下向きであり、タブ14cが上向きであってもよいことが理解され得る。図24は、図23に示す電池セル14の上面図である。図25は、図24に示す電池セル14の正面構造の概略図である。
図16A~図25に示す前述の実施形態では、電極板上のタブは、電池セルのタブと1対1の対応関係にある。具体的には、電池セルが3つのタブを有する場合、2つの電極板にも合計3つのタブが存在する。別の実施形態では、電極板上の複数のタブは、電池セルの1つのタブに対応してもよい。図26に示すように、電極板144は、複数のタブ14-1(サブタブとも称される)と、複数のタブ14-2とを含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のタブ14-1は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14bを形成し、複数のタブ14-2は重なり合って電池セルのタブ14cを形成する。任意選択で、電極板145はまた、複数のタブ14-3を含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のタブ14-3は重なり合って電気的に接続されて、電池セルのタブ14aを形成する。本出願の本実施形態では、電極板上のタブ(サブタブ)の数および位置は、2つの電極板が巻回された後に必要な位置に必要な数のタブが形成され得ることが保証される限り、限定されない。当業者は、回路設計および回路レイアウトに基づいてタブの数および位置を設計し得る。電極板が複数のタブを含む場合、これらのタブは、電極板の活性領域に配置され得るか、電極板の非活性領域に配置され得るか、またはタブのうちのいくつかが活性領域に配置され、タブの残りが非活性領域に配置されてもよい。図27は、図26に示す電池セル14の三次元構造の概略図である。図28は、図27に示す電池セル14の左側図である。図26~図28に示す電池セルの主要図については、図18を参照されたい。
前述の実施形態では、電池セルは巻回構造であり、一緒に巻回される2つの電極板を含む。任意選択で、電池セルの内部構造は、別の電極板構造、例えば、積層構造をさらに含み得る。例えば、電池セルは、第1の極性を有する複数の電極板144と、第2の極性を有する複数の電極板145とを含み得る。電極板144と電極板145とを積層して電池セルを形成する。積層する際、電極板144と電極板145とを交互に配置してもよい。具体的には、2つの電極板144の間に1つの電極板145が積層され、2つの電極板145の間に1つの電極板144が積層される。
本出願の実施形態では、3タブ電池セルを形成するために、2つのタブが任意の電極板の任意の側面に配置され、1つのタブが他の電極板の任意の側面に配置されてもよい。図29は、本出願の一実施形態による電池セル14の概略分解構造図である。サブタブ14b-1およびサブタブ14c-1は、各電極板144の第1の側面に配置され、サブタブ14a-1は、各電極板145に配置されてもよい。すべての電極板144とすべての電極板145とが一緒に積層される。すべての電極板144上のサブタブ14b-1は、電気的に接続されて(例えば、一緒に溶接されて)電池セルのタブ14bを形成し、すべての電極板144上のサブタブ14c-1は電気的に接続されて電池セルのタブ14cを形成し、すべての電極板145上のサブタブ14a-1は、電気的に接続されて電池セルのタブ14aを形成する。
任意選択で、電極板上に配置された複数のサブタブは、異なる方向を向いていてもよい。図29に示すように、サブタブ14b-1、サブタブ14c-1およびサブタブ14a-1は、いずれも上方を向いている。別の実施形態では、3つのサブタブは、異なる任意の方向を向いていてもよい。例えば、サブタブ14a-1は、右向きであってもよいし、左向きであってもよい。
図29の電極板144および電極板145が積層された後に形成される電池セルの三次元構造の概略図については、図27を参照されたい。
任意選択で、同じ電極板上に配置された複数のサブタブは、異なる方向を向いていてもよい。例えば、電極板144のサブタブ14b-1とサブタブ14c-1とは、互いに異なる方向を向いている。図30に示すように、サブタブ14b-1およびサブタブ14a-1は上向きであり、サブタブ14c-1は左向きである。図31は、図30に示す電池セル14の三次元構造の概略図である。図32は、図31に示す電池セル14の左側図である。図33は、図31に示す電池セルの主要図である。
本出願の一実施形態では、図34に示すように、電池セルが6つのタブを有する場合、2つの電極板にも合計6つのタブが存在する。例えば、図34に示すように、電極板144には同じ極性を有する4つのタブが配置され、電極板145には同じ極性を有する2つのタブが配置される。別の実施形態では、電極板上の複数のサブタブは、電池セルの1つのタブに対応し得る。図35に示すように、電極板144は、複数のサブタブ14-1と、複数のサブタブ14-2と、複数のサブタブ14-3と、複数のサブタブ14-4とを含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のサブタブ14-1は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14bを形成し、複数のサブタブ14-2は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14cを形成し、複数のサブタブ14-3は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14eを形成し、複数のサブタブ14-4は重なり合って電池セルのタブ14fを形成する。
任意選択で、電極板145はまた、複数のサブタブ14-5を含み得る。電極板144および電極板145が一緒に巻回された後、複数のサブタブ14-5は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14aを形成し、複数のサブタブ14-6は重なり合って電気的に接続されて電池セルのタブ14dを形成する。
本出願の本実施形態では、電極板上のタブの数および位置は、2つの電極板が巻回された後に必要な位置に必要な数のタブが形成され得ることが保証される限り、限定されない。当業者は、回路設計および回路レイアウトに基づいてタブの数および位置を設計し得る。電極板が複数のタブを含む場合、これらのタブは、電極板の活性領域に配置され得るか、電極板の非活性領域に配置され得るか、またはまたはタブのうちのいくつかが活性領域に配置され、タブの残りが非活性領域に配置されてもよい。図36は、図35に示す電池セル14の正面の概略図である。
任意選択で、電池セル14では、同じ極性を有するすべてのタブは、電池セル本体の内部で互いに電気的に接続され、それにより、同じ極性を有するタブが同じ電圧を有することとなる。図37に示すように、電極板144では、異なる側面に沿って配置され、2つの反対方向を向く2つのタブ14bおよび14dが電極板144内で直接電気的に接続されるか、または2つのタブ14bおよび14dが電極板144内に一体的に形成される。電極板145では、異なる側面に沿って配置され、2つの反対方向を向く2つのタブ14aおよび14cが電極板145内で直接電気的に接続されるか、または2つのタブ14aおよび14cが電極板145内に一体的に形成される。図38は、図37に示す電池セル14の正面構造を示す概略図である。図37および図38は、4タブ構造の概略図である。
タブが電極板の活性領域AA内に位置する場合、非活性領域が電極板内に配置されなくてもよく、または非活性領域が電極板の一端のみに配置されてもよいことに留意されたい。
本出願の実施形態では、タブおよび電極板は2つの構成要素であり得、溶接によって接続されるか、またはタブおよび電極板は一体化され得、タブは、必要な位置および必要な量に基づいて電極板を切断することによって形成されることに留意されたい。
本出願の実施形態において提供されるマルチタブ電池モジュールでは、複数のタブは、電池セル本体上の任意の位置に配置され得ることに留意されたい。図39は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な3タブ電池モジュールの構造を示す。図40は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な4タブ電池モジュールの構造を示す。図41は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な5タブ電池モジュールの構造を示す。図42は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な6タブ電池モジュールの構造を示す。
本出願の実施形態において提供される電池モジュールでは、電池セル本体の構造は限定されないことに留意されたい。電池セル本体は、従来の形状、例えば、長方形、正方形、または長方形もしくは正方形に類似した形状であってもよい。代替的に、電池セル本体は、不規則な形状であってもよい。例えば、図43に示すように、電池セル本体は非貫通型であってもよい。非貫通型電池セル本体は、電池セル本体内または電池セル本体の縁部に非貫通領域A(領域の形状は限定されない)が存在するものであり得、領域Aに対応する位置にある電池のアルミプラスチックフィルムには貫通孔が設けられていないが、その位置にある電池の正極、負極およびセパレータには貫通孔が設けられていてもよい。電池モジュールが電子デバイスに取り付けられた後、電子デバイスの構成要素が領域A内に完全にまたは部分的に延在し得るが、電池セル本体を通り抜けることはできない。代替的に、図44に示すように、電池セル本体は貫通型であってもよい。貫通型電池セル本体は、電池セル本体内または電池セル本体の縁部に設けられた貫通孔(領域B)を有するものであり得、領域Bに対応する位置にある電池の正極、負極、セパレータおよびアルミプラスチックフィルムのすべてに貫通孔が設けられている。電池モジュールが電子デバイスに取り付けられた後、電子デバイスの構成要素は、電池内の領域Bを通過することができる。電池の主な材料には、アルミプラスチックフィルム、正極、負極およびセパレータが含まれる。
加えて、本出願の実施形態において提供される電池モジュールでは、電池セル本体の形状は限定されない。電池セル本体は、様々な形状であってもよく、異なるタブ分配を有していてもよい。図45は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な3タブ電池モジュールの構造を示す。図46は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な4タブ電池モジュールの構造を示す。図47は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な5タブ電池モジュールの構造を示す。図48は、本出願の一実施形態によるいくつかの可能な6タブ電池モジュールの構造を示す。
本出願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、機能回路と、前述の実施形態で説明した充電モジュールとを含む。充電モジュールは、機能回路に動作電源を提供するように構成される。電子デバイスは、充電可能な任意のポータブルデバイス、例えば、携帯電話、ノートブックコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチまたはスマートバンド)、またはタブレットコンピュータであり得る。電子デバイスが携帯電話であるとき、充電モジュールは、外部電源の電気エネルギーを受信して電気エネルギーを蓄積し、電池モジュールは、携帯電話の別の構成要素に電力を供給する。
本出願の実施形態において提供される充電回路は、上記で詳細に説明されている。本出願の原理および実施形態は、特定の例を使用することによって本明細書において説明される。実施形態に関する前述の説明は、本出願の方法および中心的なアイデアの理解を助けるために提供されるにすぎない。加えて、当業者は、本出願のアイデアにしたがって、特定の実施形態および適用範囲に変更を加えることができる。したがって、本明細書の内容は、本出願に対する限定として解釈されるべきではない。