JP2022548279A - 組換え安定化ガレクチン9タンパク質を含む関節リウマチ及び骨疾患予防または治療用薬学的組成物 - Google Patents

組換え安定化ガレクチン9タンパク質を含む関節リウマチ及び骨疾患予防または治療用薬学的組成物 Download PDF

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Abstract

Figure 2022548279000001
本発明は、組換え安定化ガレクチン9タンパク質を含む骨疾患予防または治療用薬学的組成物に関し、具体的には、リンカーペプチドのアミノ酸が欠失し、C末端ドメイン(CCRD)のアミノ酸が欠失及び置換された組換え安定化ガレクチン9タンパク質を有効成分として含む、関節リウマチをはじめとする骨疾患の予防または治療用薬学的組成物に関する。
【選択図】図2

Description

本発明は、組換え安定化ガレクチン9タンパク質及びその用途に関し、特に前記タンパク質を有効成分として含む、関節リウマチをはじめとする骨疾患の予防または治療用薬学的組成物に関する。
生体にはβ-ガラクトシド構造を持つ糖鎖を特異的に認識する動物レクチンが存在することが見出されており、現在まで少なくとも14種の遺伝子が同定されている。ガレクチンは、その構造によって、プロト型(prototype)、キメラ型(chimera)及びタンデムリピート型(tandem repeat)に分類される。
タンデムリピート型ガレクチンの一種であるガレクチン9は、2つの糖鎖認識部位(糖認識ドメイン、carbohydrate recognition domain;CRD)とそれらをつなぐリンクペプチド領域で形成されており、そのリンクペプチド領域によりN末端ドメイン(N-terminal Carbohydrate Recognition Domain;NCRD)とC末端ドメイン(C-terminal Carbohydrate Recognition Domain;CCRD)が連結されたものであり、現在まで多方面にわたる活性が報告されている。T細胞に関して、ガレクチン9は、Tim-3に結合してTim-3陽性Th1細胞のアポトーシス(apoptosis)を誘導し、過剰なTh1反応を阻害することにより、自己免疫性の炎症を抑制する。また、Tim-3が引き起こす自己免疫疾患、アレルギー、癌などの様々な難治性疾患の原因または悪化因子の一つであるTh17細胞を減少させる。
一方、ガレクチン9は、場合によっては免疫を増進させる。単球や樹状細胞上のTim-3に結合することにより、前記細胞を活性化し、炎症性サイトカイン産生を促進する。また、マクロファージにおいては、ガレクチン9とTim-3の相互作用により、結核菌を排除する免疫が増加する。
さらに、ヒト細胞や組織からクローニングされるガレクチン9遺伝子間では、遺伝的多型現象の存在を示唆する証拠が認められており、大腸菌を宿主として生産されたリコンビナイト体ガレクチン9は、腫瘍細胞に対する直接作用(腫瘍細胞の細胞間接着とアポトーシスを誘導する活性)と免疫系を介した作用により、癌の転移抑制及び退縮を誘導する効果、及び活性化T細胞、特に過剰免疫反応の原因となるCD4陽性T細胞のアポトーシスを誘導する効果が知られている。さらに、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染治療効果、アトピー及び喘息治療効果、並びに1型糖尿病治療効果が知られている。
ガレクチン9を実際の治療剤として用いるために、ガレクチン9の1)タンパク質分解酵素感受性、2)低溶解性、3)低収量という問題を解決すべく、ガレクチン9のリンカーペプチドを切断してタンパク質分解酵素抵抗性を有するガレクチン9改変体(G9Null;非特許文献1)を作製する研究などが続けられており、KRAS変異結腸直腸癌抗腫瘍活性(非特許文献2)などの効果が知られている。
一方、骨は、骨の吸収と形成により持続的な除去と再建が行われる躍動的な組織である。これらの過程は、2つのタイプの細胞、すなわち破骨細胞(osteoclast)と骨芽細胞(osteoblast)によりそれぞれ行われる。具体的には、骨芽細胞は骨の形成を担い、破骨細胞は骨の除去を担う。正常な環境では、2つの細胞のバランスが取れた活動により骨恒常性が維持される。しかし、恒常性は、これら2つのタイプの細胞、特に破骨細胞の正常でない過剰活動により阻害され、結果として、関節炎(arthritis)、骨粗鬆症(osteoporosis)、人工関節周囲骨溶解(periprosthetic osteolysis)、パジェット病(Paget's disease)などの骨疾患をもたらす。よって、破骨細胞の分化及び機能の正確な調節は、骨疾患の予防及び治療において重要である。
例えば、骨粗鬆症を治療する薬物療法においては、骨形成を促進するか、骨吸収を抑制することにより、骨の量の減少を防止するか、骨の量を増加させる薬物が用いられる。骨吸収抑制剤としては、カルシウム製剤、ビタミンD製剤、ビスホスホネート製剤(bisphosphonate)、エストロゲン作用剤/拮抗剤、エストロゲン製剤が挙げられ、骨形成促進剤としては、副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチド注射剤が挙げられる。
また、関節炎のうち、関節リウマチは、典型的な慢性自己免疫疾患であり、関節の周囲を囲んでいる滑膜組織の炎症により発生する疾患である。滑膜が存在するあらゆる関節において発生し、全身の様々な器官に侵入する疾病であり、関節組織が破壊されて重篤な関節障害が生じ、早期死亡に至る慢性炎症疾患である。一部の重篤な患者においては、希に関節以外の組織、例えば肺、心臓、目、胃腸、皮膚及び腎臓まで侵入する。さらに、一般に体内で多量に分泌される炎症媒介物質が骨の代謝に悪影響を及ぼし、骨粗鬆症や骨折のリスクが高くなる。実際に、関節リウマチ患者における骨粗鬆症の発生率は約15~20%であることが確認されている。
関節リウマチを治療する薬物療法としては、非ステロイド消炎剤、ホルモンの一種であるステロイド製剤などの1次薬物、及び人体の免疫システムに影響を与えて関節リウマチ自体を抑制する2次薬物が挙げられ、ほとんどが長期間用いられるので、副作用に対する注意が必要である。特に、ステロイド製剤においては、使用するとすぐに良い効果が得られるので乱用することがあるが、副作用の問題が深刻である。また、長期間服用すると、骨粗鬆症のリスク要因となる。
よって、本発明者らは、関節リウマチが含まれる関節炎及び/または骨粗鬆症治療剤の副作用を最小限に抑えて有効な治療効果を有する新たな治療剤を開発すべく努力した結果、従来の野生型ガレクチン9の2つの糖鎖認識部位のうちのC末端ドメイン(CCRD)及びリンクペプチドのアミノ酸が欠失及び置換された組換え安定化ガレクチン9タンパク質がTh1及びTh17分化を抑制し、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;fibroblast-like synoviocyte)の細胞死を誘導し、破骨細胞の分化を抑制する効果を有することを確認し、それに基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、組換え安定化ガレクチン9タンパク質及びそれを含む骨疾患予防または治療用薬学的組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質を提供する。
また、本発明は、前記タンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクターを提供する。
さらに、本発明は、前記組換えベクターが挿入された形質転換体を提供する。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを有効成分として含む骨疾患予防または治療用薬学的組成物、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患治療方法、骨疾患の予防または治療に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む薬学的組成物、並びに骨疾患を予防または治療する薬学的組成物の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途を提供する。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質を有効成分として含む骨疾患予防または改善用保健機能食品、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患予防または改善方法、骨疾患の予防または改善に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む保健機能食品、並びに骨疾患を予防または改善する保健機能食品の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途を提供する。
本発明の組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、Th1及びTh17細胞分化抑制効果、滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)死滅効果及び破骨細胞(osteoclast)分化抑制効果を発揮するので、関節リウマチをはじめとする骨疾患の予防または治療用組成物の有効成分として有用である。
本発明による組換え安定化ガレクチン9タンパク質(sGal-9)とTim-3の結合性を確認した図である。 本発明によるsGal-9のTh1及びTh17細胞分化抑制効果を確認した図である。 本発明によるsGal-9のFLS(Fibroblast-like synoviocytes;滑膜細胞)死滅効果を確認した図である。 本発明によるsGal-9の破骨細胞(osteoclast)分化抑制効果を確認した図である。 本発明によるsGal-9の骨吸収(bone resorption)抑制効果を確認した図である。
以下、本発明の実施例を挙げて詳細に説明する。本発明の実施例は、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供するものである。よって、本発明の実施例は様々な他の形態に変形してもよく、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは特に断らない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質を提供する。
本発明における前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、野生型ガレクチン9(wild type Galectin-9)の糖鎖認識活性を保持しながらも、プロテアーゼに対してより安定した分子構造を有する。
具体的には、前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、NCRD-リンカー-CCRDの構造を有する野生型ガレクチン9の2つのCRD(Carbohydrate Recognition Domain)をつなぐリンク領域及びCCRD(C-terminal Carbohydrate Recognition Domain;C末端ドメイン)を改変して製造した組換えタンパク質である。より具体的には、前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、前記リンカー領域のペプチドが全て欠失し、CCRD(配列番号2)において1~10位のアミノ酸配列(配列番号3)が欠失し、13位のAla(Alanine;A)がPro(Proline;P)に置換されたものであって、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるようにしてもよく、配列番号1で表されるアミノ酸配列と75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列を含んでもよく、標的化配列、タグ(tag)、標識した残基、半減期またはペプチド安定性を増加させるための特定目的で作製されたアミノ酸配列をさらに含んでもよい。
また、本発明の組換えタンパク質は、当該分野で周知の様々な方法で得ることができる。例えば、ポリヌクレオチド組換えとタンパク質発現系を用いて製造することもでき、ペプチド合成などの化学的合成により試験管内で合成する方法や、無細胞タンパク質合成法などで製造することもできる。
本発明における「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」とは、ヌクレオチドが結合された重合体を意味し、遺伝情報を伝達する役割を果たす。本発明の目的上、配列番号1の組換えタンパク質をコードし、前記組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列と75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列相同性を有する配列が含まれる。
本発明における「相同性」とは、野生型アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列との類似の程度を意味し、このような相同性の比較は、当該技術分野で周知の比較プログラムを用いて行うことができ、2つ以上の配列間の相同性を百分率(%)で計算することができる。
また、本発明は、前記タンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクターを提供する。
さらに、本発明は、前記組換えベクターが挿入された形質転換体を提供する。
本発明における「ベクター」とは、遺伝子または塩基配列が挿入または導入される当該分野で公知のプラスミド、ウイルスまたはその他の媒体であり、具体的には、線形化プラスミドDNA、組換え非ウイルスベクター、組換えウイルスベクターまたは遺伝子発現誘導ベクター系(inducible gene expression vector system)であり、前記組換えウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルパー依存型アデノウイルス、ヘルペスシンプレックスウイルス、レンチウイルスベクターまたはワクシニアウイルスであるが、これらに限定されるものではない。本発明による前記塩基配列は、発現調節配列に作動可能に連結されてもよく、その作動可能に連結された塩基配列は、選択マーカーと複製起点(replication origin)を共に含む1つの発現ベクター内に含まれてもよい。前記「作動可能に連結(operably linked)」されたものとは、適切な分子が発現調節配列に結合される際に遺伝子発現を可能にするように連結された遺伝子及び発現調節配列を意味する。「発現調節配列(expression control sequence)」とは、特定の宿主細胞において作動可能に連結された塩基配列の発現を調節するDNA配列を意味する。このような調節配列には、転写を行うためのプロモーター、転写を調節するための任意のオペレータ配列、好適なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、並びに転写及び翻訳の終結を調節する配列が含まれる。
本発明における「形質転換」とは、外部から与えられたDNAにより生物の遺伝的な性質が変わることであり、すなわち生物のある系統の細胞から抽出された核酸の一種であるDNAを他の系統の生きている細胞に導入したときにDNAがその細胞に取り込まれて遺伝子形質が変化する現象を意味する。前記細胞は、原核細胞または真核細胞であるが、これらに限定されるものではない。
本発明における前記組換えタンパク質をコードする遺伝子は、前述したように公知の配列からそれを特異的に認識することのできるプライマーを作製し、それを用いてポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction;PCR)により前記遺伝子を増幅し、それを前述したベクターに導入すると、細胞に導入することができる。導入方法は公知であり、例えばリポソーム媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、ファージ系を用いる形質導入、ウイルスを用いる感染法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを有効成分として含む骨疾患予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明における「予防」とは、組成物の投与により発病を抑制または遅延させるあらゆる行為を意味する。
本発明における「治療」とは、組成物の投与により前記疾患の症状を好転または有利に変化させるあらゆる行為を意味する。
本発明における前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、次の少なくとも1つの特性を有し、骨疾患予防または治療効果を奏する。
i)Tim-3タンパク質結合性の上昇
ii)Th1及びTh17細胞分化の抑制
iii)ヘルパーT細胞(T helper cell)の抑制
iv)線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)の細胞死
v)破骨細胞(osteoclast)分化及び骨吸収の抑制
具体的には、前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、T細胞に発現するTim-3タンパク質に結合し、細胞死誘導機序によりTh1やTh17などのヘルパーT細胞を抑制する。特に、前記滑膜細胞は、炎症性サイトカインと共に関節リウマチの重要な病理の一つであり、病気が進行するほど滑膜細胞の異常増殖と活性化が問題となり、関節の炎症及び破壊が継続して発生する。
また、前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ;matrix methalloproteinase)とカテプシン(cathepsin)を分泌し、関節軟骨の基質を破壊する線維芽細胞様滑膜細胞(Fibroblast-like synoviocytes)を死滅させる。
さらに、前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、破骨細胞(osteoclast)分化及び骨吸収を抑制する。特に、前記破骨細胞は、骨の成長において不要になった骨組織を破壊及び吸収する多核細胞であり、骨の新生及び再生に関与する骨芽細胞とのバランスが崩れると、骨喪失をもたらす骨粗鬆症が発生する。また、前記骨吸収(bone resorption)は、骨破壊細胞の活性により骨が吸収される現象であり、一般に知られている骨粗鬆症薬のビスホスホネートは、前記骨吸収を抑制し、骨粗鬆症の悪化を防止する役割を果たす。
本発明における前記骨疾患は、関節炎、骨粗鬆症、人工関節周囲骨溶解(periprosthetic osteolysis)、インプラントの摩耗粉による骨溶解、パジェット病(Paget's disease)、骨軟化症、くる病、骨減少症、カルシウム調節異常、転移性骨癌(metastatic bone cancer)、炎症性骨喪失、内分泌疾患または薬物による二次性骨喪失(secondary bone loss)、または歯槽骨の破壊を伴う歯周疾患であるが、これらに限定されるものではない。
また、前記関節炎は、骨関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、剥離性骨軟骨炎、関節靭帯損傷、半月板損傷、関節の不整列、無血性壊死または小児特発性関節炎であるが、これらに限定されるものではない。
本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質の発現を誘導した大腸菌(E.coli)細胞を溶解、浄化し、その後クロマトグラフィー法により組換えタンパク質を製造した。また、前記組換えタンパク質がTh1及びTh17細胞分化抑制効果、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)死滅効果及び破骨細胞(osteoclast)分化抑制効果を発揮することが確認された。よって、前記組換えタンパク質及びそれをコードするポリヌクレオチドは、骨疾患予防または治療用組成物の有効成分として有用である。
一方、本発明の組換えタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、コロイド懸濁液、粉末、食塩水、脂質、リポソーム、ミクロスフェア(microspheres)、ナノ球形粒子などの薬学的に許容される担体により輸送されてもよい。これらは、輸送手段と複合体を形成することもでき、関連することもでき、脂質、リポソーム、微細粒子、金ナノ粒子、ポリマー、縮合反応剤、多糖類、ポリアミノ酸、デンドリマー、サポニン、吸着促進物質、脂肪酸などの当該技術分野で公知の輸送システムを用いて生体内で輸送することもできる。
その他、薬学的に許容される担体には、製剤の際に通常用いられるラクトース、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、上記成分以外に、滑沢剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含んでもよい。
本発明の薬学的組成物は、目的とする方法に応じて経口投与または非経口投与(例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、皮下、皮内または局所に適用)され、投与量は、患者の状態及び体重、疾患の程度、薬物の形態、投与経路及び時間によって異なるが、当業者により適宜選択される。
本発明の薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。
本発明における「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用できる合理的な利益/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、同時に用いられる薬物が含まれる要素、並びにその他医学分野で公知の要素により決定される。本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与してもよく、手術、ホルモン治療、薬物治療及び生物学的反応調節剤と併用して用いてもよく、前記製剤と同時に、個別にまたは順次投与してもよく、単一または多重投与してもよい。上記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者により容易に決定される。
具体的には、本発明の薬学的組成物の有効量は、患者の年齢、性別、状態、体重、体内での活性成分の吸収度、不活性率、排泄速度、疾病の種類、併用される薬物により異なり、投与経路、肥満の重症度、性別、体重、年齢などにより増減する。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質を有効成分として含む骨疾患予防または改善用保健機能食品を提供する。
本発明における前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質及び骨疾患については前述した通りであるので、前述した内容を援用し、具体的な説明を省略する。
本発明における「改善」とは、治療される状態に関するパラメーター、例えば症状の程度を少なくとも減少させるあらゆる行為を意味する。ここで、前記保健機能食品組成物は、骨疾患の予防または改善のために、当該疾患の発症前または発症後に、治療のための薬剤と同時にまたは別個に用いられる。
一方、本発明において、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質がTh1及びTh17細胞分化抑制効果、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)死滅効果及び破骨細胞(osteoclast)分化抑制効果を発揮することが確認されたので、前記組換えタンパク質は、骨疾患予防または改善用保健機能食品の有効成分として有用である。
本発明の保健機能食品において、有効成分を食品にそのまま添加してもよく、他の食品または食品成分と共に用いてもよく、通常の方法で適宜用いられる。有効成分の混合量はその使用目的(予防または改善用)に応じて適宜決定される。一般に、食品または飲料の製造時に、本発明の保健機能食品は、原料に対して15重量%以下、好ましくは10重量%以下の量で添加される。しかし、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取においては、上記量は上記範囲以下であってもよい。
本発明の保健機能食品は、前記有効成分を含有すること以外に特に制限はなく、他の成分を必須成分として含有してもよい。例えば、通常の飲料のように、様々な香味剤や天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。前述した天然炭水化物の例としては、グルコース、フルクトースなどの単糖類、マルトース、スクロースなどの二糖類、デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類が含まれる通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールが挙げられる。前述したもの以外の香味剤としては、天然香味剤(ソーマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオサイドA、グリチルリチンなど))及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を用いることが有利である。前記天然炭水化物の割合は、当業者の選択により適宜決定される。
前記以外に、本発明の保健機能食品は、様々な栄養剤、ビタミン、ミネラル(電解質)、合成風味剤や天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド、増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有してもよい。これらの成分は、独立してまたは組み合わせて用いることができ、これらの添加剤の割合も、当業者により適宜選択される。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患予防または治療方法を提供する。
さらに、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患予防または改善方法を提供する。
本発明の配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、Tim-3タンパク質結合性上昇効果、Th1及びTh17細胞分化抑制効果、ヘルパーT細胞抑制効果、線維芽細胞様滑膜細胞死滅効果、破骨細胞分化抑制効果及び骨吸収抑制効果を発揮するので、骨疾患を治療するのに有用である。
さらに、本発明は、骨疾患の予防または治療に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む薬学的組成物を提供する。
さらに、本発明は、骨疾患の予防または改善に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む保健機能食品を提供する。
さらに、本発明は、骨疾患を予防または治療する薬学的組成物の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途を提供する。
さらに、本発明は、骨疾患を予防または改善する保健機能食品の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途を提供する。
以下、製造例及び実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの製造例及び実施例は本発明の理解を助けるためのものにすぎず、本発明がこれらに限定されるものではない。
<製造例1>組換え安定化ガレクチン9タンパク質の製造
配列番号1のアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質をコードする遺伝子を含む発現ベクターを作製し、前記発現ベクターをheat shock法により大腸菌(E.coli)に導入した。大腸菌を50μg/ml kanamycin含有LB培地に培養し、600nmでの吸光度が0.7に達した時点でアラビノースを添加し、組換えタンパク質の発現を誘導することにより、組換えタンパク質を発現させた。次に、組換えタンパク質の発現を誘導した細胞を溶解及び濾過し、標的タンパク質を陽イオン交換法やaffinityカラムなどを用いて捕獲し、高純度の組換え安定化ガレクチン9タンパク質を高収率で得た。
組換え安定化ガレクチン9タンパク質(Recombinant stable Galectin 9 protein;sGal-9)のTim-3タンパク質結合能の確認
濃度が0.5μg/mlの組換えヒトTim-3(R&D systems,Cat.No.10241-TI-050)を96ウェルELISAプレート(Nunc,Cat.No.44-2404-21)の各ウェルに100μlずつ入れ、常温で一晩反応させ、その後0.05%のツイーン20(Sigma Cat.No.P9416)を含むDPBS(Dulbecco's phosphate-buffered saline;Welgene,Cat.No.LB011-02)で3回洗浄した。洗浄後に、1%のウシ血清アルブミン(bovine serum albumin;BSA)を含むDPBSを各ウェルに200μlずつ入れ、常温で1時間培養し、次いで洗浄緩衝液(wash buffer)で3回洗浄した。3回の洗浄後に、<製造例1>で得られた組換え安定化ガレクチン9タンパク質(sGal-9)を各濃度(0、5、10及び20μg/ml)に希釈して各ウェルに100μlずつ入れ、常温で2時間培養し、次いで洗浄緩衝液で3回洗浄した。
実験群としては、Gal-9抗体(R&D systems,Cat.No.1015238)を1%のBSA/DPBSで1:1000に希釈し、その後各ウェルに100μlずつ入れ、常温で1時間培養し、次いで洗浄緩衝液で3回洗浄した。対照群としては、抗マウスHRP抗体(Invitrogen,Cat.No.31430)を1%のBSA/DPBSで1:1000に希釈し、その後各ウェルに100μlずつ入れ、常温で1時間培養し、次いで洗浄緩衝液で3回洗浄した。
洗浄した各ウェルに基質試薬(Substrate Reagent;R&D systems,Cat.No.DY999)AとBを1:1に混合した溶液を100μlずつ入れ、光を遮断して常温で20分間培養した。培養後に、各ウェルに停止液(2N H2SO4)を50μlずつ入れ、マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定して光学密度(Optical Density,O.D)値を確認した。
その結果、図1に示すように、sGal-9の濃度が上昇するほど光学密度が増加することが確認され、濃度依存的にsGal-9とTim-3の結合性が向上することが確認された(図1)。
sGal-9のヘルパーT細胞(T helper cell)分化抑制効果の確認
PBS(Welgene,Cat.No.LB 001-02)で希釈した濃度が2μg/mlの抗CD3(eBioscience,Cat.No.16-0031-82)を96ウェルプレートに100μlずつまたは24ウェルプレートに500μlずつ分注し、4℃で一晩反応し、その後PBSで1回洗浄して細胞培養に用いた。CD4、CD62L及びT細胞でコーティングした96ウェルプレートまたは24ウェルプレートに分注し、37℃、5%CO2の条件で4日間培養し、その後Th1細胞への分化を誘導するために、抗IL-4、抗IL-2及び抗IL-12サイトカインを添加し、Th17細胞への分化を誘導するために、抗IFN-γ、抗IL-4、抗IL-2及び抗IL-6サイトカインを添加した。サイトカイン添加後に、濃度が1μg/mlのsGal-9を添加し、37℃、5%CO2の条件で4日間培養した。
培養後に、Th1細胞のIFN-γ細胞及びTh17細胞のIL-17サイトカインをELISA分析キット(Mouse DuoSet,R&D Systems)でメーカーの手順に従って測定した。
その結果、図2に示すように、sGal-9の濃度が上昇するほどヘルパーT細胞であるTh1及びTh17細胞の分化が抑制されることが確認され、sGal-9のヘルパーT細胞分化抑制効果が優れることが確認された(図2)。
sGal-9の線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)死滅効果の確認
FLS細胞(cell passage:RA_FLS 2-92#P7)を48ウェルプレート(SPL,Cat.No.30048)の各ウェルに5×104cells/mlの細胞密度で200μlずつ分注し、24時間後に各濃度(2.5、5及び10μl/ml)のsGal-9を各ウェルに100μlずつ入れた。16時間後に、上清を回収し、超低温冷凍庫(deep freezer)に保管した。
蛍光活性化細胞選別(Fluorescence Activated Cell Sorting;FACS)を行うための細胞は、15mlのチューブに入れて洗浄し、200μlのFACSバッファを入れ、その後4℃で1時間保管し、Annexin V-FITC/7-AAD(Biolegend,Cat.No.640922)で染色を行った。染色された細胞をFACS用チューブに70μmのセルストレーナー(BD Falcon,Cat.No.352350)で濾過した。
その結果、図3に示すように、sGal-9の濃度が上昇するほど線維芽細胞様滑膜細胞死滅効果が増加することが確認され、sGal-9の滑膜細胞死滅効果が優れることが確認された(図3)。
sGal-9の破骨細胞(osteoclast)分化抑制効果の確認
破骨細胞(osteoclast)を12ウェルプレート(Corning,Cat.No.3513)の各ウェルに2.5×105cells/mlの細胞密度で1mlずつ継代し、24時間後に各濃度(0.1、0.5、1、2、4及び10μg/ml)の実験群としてのsGal-9及び対照群としてのPBSを各ウェルに1mlずつ入れた。
分化終了後に、実験群及び対照群の染色された破骨細胞をTRAP Staining Kit(K-ASSAY,Cat.No.KT-008)でTRAP染色し、光学顕微鏡を用いて計数し、その後3つ以上の核が観察される多核細胞(TRAP(+)MNCs)を破骨細胞に分化したものと判断した。
その結果、図4に示すように、sGal-9の濃度が上昇するほど染色された破骨細胞の数が減少することが確認され、sGal-9の破骨細胞分化抑制効果が優れることが確認された(図4)。
sGal-9の骨吸収(bone resorption)抑制効果の確認
破骨細胞(osteoclast)を生体内(in vivo)の骨構造に類似する無機3次元結晶(inorganic 3-dimensional crystalline)をコーティングしたOsteo Assay Surfaceマルチウェルプレート(Corning,Cat.No.3987)の各ウェルに2.5×105cells/mlの細胞密度で1mlずつ継代し、24時間後に各濃度(0.1、0.5、1、2、4及び10μg/ml)の実験群としてのsGal-9及び対照群としてのPBSを各ウェルに1mlずつ入れた。分化が終了するまで、実験群(sGal-9)、対照群(PBS)及び細胞培養液(MEM-alpha,gibco,Cat.No.12561-056)を毎日交換した。
分化終了後に、20%SDS(Bleaching solution)で細胞を除去し、顕微鏡でOsteo Assay Surfaceマルチウェルプレートを観察した。
その結果、図5に示すように、sGal-9の骨吸収抑制効果が優れることが確認された(図5)。
結論として、<実施例1>~<実施例5>の結果から、sGal-9は、濃度依存的にTim-3タンパク質結合能、Th1及びTh17細胞分化抑制効果及び滑膜細胞死滅効果、並びに破骨細胞分化抑制効果及び骨吸収抑制効果が向上するので、骨疾患を予防または治療できることが確認された。

Claims (18)

  1. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質。
  2. 前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、野生型ガレクチン9の糖鎖認識活性を保持することを特徴とする、請求項1に記載の組換え安定化ガレクチン9タンパク質。
  3. 請求項1に記載のタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクター。
  4. 請求項3に記載の組換えベクターが挿入された形質転換体。
  5. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを有効成分として含む骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  6. 前記組換え安定化ガレクチン9タンパク質は、次の少なくとも1つの特性を有することを特徴とする、請求項5に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
    i)Tim-3タンパク質結合性の上昇
    ii)Th1及びTh17細胞分化の抑制
    iii)ヘルパーT細胞(T helper cell)の抑制
    iv)線維芽細胞様滑膜細胞(FLS;Fibroblast-like synoviocytes)の細胞死
    v)破骨細胞(osteoclast)分化及び骨吸収の抑制
  7. 前記骨疾患は、関節炎、骨粗鬆症、人工関節周囲骨溶解(periprosthetic osteolysis)、インプラントの摩耗粉による骨溶解、パジェット病(Paget's disease)、骨軟化症、くる病、骨減少症、カルシウム調節異常、転移性骨癌(metastatic bone cancer)、炎症性骨喪失、内分泌疾患または薬物による二次性骨喪失(secondary bone loss)、及び歯槽骨の破壊を伴う歯周疾患からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項5に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  8. 前記関節炎は、骨関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、剥離性骨軟骨炎、関節靭帯損傷、半月板損傷、関節の不整列、無血性壊死及び小児特発性関節炎からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  9. 前記骨疾患は、関節リウマチまたは骨粗鬆症であることを特徴とする、請求項5に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  10. 前記薬学的組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  11. 前記薬学的組成物は、経口投与用、筋肉内投与用、静脈内投与用、腹腔内投与用、皮下投与用、皮内投与用または局所投与用に製剤化されることを特徴とする、請求項5に記載の骨疾患予防または治療用薬学的組成物。
  12. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質を有効成分として含む骨疾患予防または改善用保健機能食品。
  13. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患治療方法。
  14. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを薬学的に有効な量で個体に投与するステップを含む骨疾患予防または改善方法。
  15. 骨疾患の予防または治療に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む薬学的組成物。
  16. 骨疾患の予防または改善に用いるための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドを含む保健機能食品。
  17. 骨疾患を予防または治療する薬学的組成物の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途。
  18. 骨疾患を予防または改善する保健機能食品の製造のための配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する組換え安定化ガレクチン9タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドの用途。
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