JP2022545983A - 眼鏡レンズと眼鏡レンズを含む製品とを製造する方法 - Google Patents

眼鏡レンズと眼鏡レンズを含む製品とを製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、眼鏡レンズを製造する方法と、(i)眼鏡レンズ又は(ii)データ媒体上に存在するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現又は(iii)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を含むデータ媒体又は(iv)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現を含む製品とに関する。

Description

本発明は、眼鏡レンズと、(i)眼鏡レンズ又は(ii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現又は(iii)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体又は(iv)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現を含む製品とを製造する方法に関する。
ユーザの眼の焦点がずれることはユーザの屈折誤差(非正視)、特にユーザの近視(近眼)又は遠視(遠視)に至り得る。近眼の有病率増加(特に子供及び若者における)は特にアジアの国々において観測され得、近眼は約80%のケースが眼長成長の増加により引き起こされる。経験則として、約1mmの眼球の伸びは約3ジオプター(dpt)の屈折誤差に至る。
米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書は対象物側に第1の屈折力を有する第1の領域及び第1の屈折力とは異なる屈折力を有する第2の領域を有する眼鏡レンズを開示した。第1の領域は眼を矯正することに役立つように意図されている。第2の領域は、網膜上に結像しないように意図されており、したがって眼の奇形化の進行を抑制するように意図されている。この第2の領域は、眼鏡レンズを中心に半径20mmを有する円形エリア上に配置される複数の凹状又は凸状に形成された島状領域を含む。これらの島状円領域のそれぞれは0.50~3.14mmの面積及び0.8~2.0mmの径を有する。眼鏡レンズを中心として2.5~10mmの半径を有する円領域は島状領域を含まなくてよい。眼鏡レンズは、十分に透明になるようにそして同時に近眼の進行を抑制するように意図されている。米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書はこのような眼鏡レンズの製造方法を開示しない。
国際公開第2006/034652A1号パンフレットは近視又は遠視の進行を治療する様々な方法を開示する。これらの方法の1つは、第1の屈折力を有する第1の光学区域及び第2の屈折力を有する第2の光学区域を有するフレネルレンズの提供を含む。第1の屈折力は眼を矯正するべきであり、第2の屈折力は網膜の前又は背後に少なくとも1つの焦点ずれを生成するべきである。これらの方法のうちの別の1つは後層及び部分的透明前層を含む光学系の提供を含む。この光学系は、これらの層のうちの1つの層の第1の像が網膜上に結像されることを可能にし、そして他の層の第2の像が生成されることを可能にし、この他の像は網膜の前又は背後にデフォーカスされる。これらの方法のうちの別の1つは、第1の屈折力を有する中央区域及び第2の屈折力を有する少なくとも1つの周辺区域を含むレンズを含む。第1の光学区域は中心物体の光線を網膜上に集束するように意図されており、第2の光学区域は周辺物体の光線を網膜の前又は背後に集束するように意図されている。これらの方法のうちの別の1つは、中心物体及び少なくとも1つの周辺物体を有する光学系を含む。中心物体の第1の像は網膜上に結像するように意図されており、周辺物体の第2の像は網膜の前又は背後に結像されるように意図されている。開示された方法のうちの別の1つは、網膜上の第1の像の生成及び第2のピンボケ像の生成を含む。国際公開第2006/034652A1号パンフレットはそこで説明されたレンズの製造方法を開示しない。
図11において、国際公開第2010/075319A2号パンフレットは、小さな隆起及び小さな凹部を有する又は光透過性若しくは透明含有物を有する眼鏡レンズを含む一対の眼鏡を開示する。含有物は、残りの眼鏡レンズ材料と異なる屈折率を有するように意図されている。眼鏡レンズ上の又はその中のこれらの隆起、凹部又は含有物は、ユーザがその結果としてピンボケ像を取得することに至るべきである。第1の対の眼鏡では、これらの眼鏡レンズの1つは、ユーザが読み得る又は日常活動を行い得るようにシャープな焦点合わせを可能にするエリアを有し得る。第1の対の眼鏡の代わりに装着されるように意図された第2の対の眼鏡では、それぞれの他の眼鏡レンズが同様に、シャープな焦点合わせを容易にするエリアを有し得る。このような眼鏡レンズにより生成されるぼやけは例えば、隆起、凹部又は含有物の配置、密度若しくは寸法に又は含有物の材料に依存する。代替的に、ぼやけは、眼鏡レンズ内の小粒子における光散乱又は前記眼鏡レンズ上の被膜により引き起こされ得る。眼鏡レンズの上側エッジに負補正及び下側エッジにより大きな負補正を有する逆累進屈折力レンズもまた視野全体にわたるぼやけを助長し得る。国際公開第2010/075319A2号パンフレットは図11に描写される眼鏡レンズの製造方法を開示しない。
米国特許出願公開第2015/0160477A1号明細書は、大きな凸レンズ及び少なくとも1つの小さな凹レンズを含む複数の素子を含むレンズを開示する。
国際公開第2018/076057A1号パンフレットは、眼の屈折誤差の少なくとも部分的補正のための主レンズと少なくとも1つのマイクロレンズアレイとを含む眼鏡レンズを開示する。この眼鏡レンズは眼の縦成長を停止又は低減するように意図されている。マイクロレンズアレイのパターン又はグリッド、マイクロレンズの径、高さ、屈折率及び/又は焦点長及び/又はマイクロレンズ間の間隔が変更され得るということが国際公開第2018/076057A1号パンフレットにおいて利点として記載されている。マイクロレンズアレイは、2つ以上の層(例えば透明膜で作られた層及び高分子で作られた層)から構築されてもよいし、又は眼鏡レンズの一部として成形されてもよい。マイクロレンズアレイは、接着剤手段により又は機械的に主レンズへ固着されてもよいし、又は前記主レンズの一部であってもよい。マイクロレンズを含むエリアにより覆われる眼鏡レンズの全表面の百分率成分は10%~80%の範囲であり得る。一例として、マイクロレンズは、円形、楕円形、矩形、六角形又は四角形状で入手可能であり得る。少なくとも2つのマイクロレンズ間の中心間距離は少なくとも0.05~8mmであり得る。
国際公開第2018/026697A1号パンフレットは点パターンを含む眼鏡レンズを開示する。点パターンは眼鏡レンズの表面上の隆起又は凹部を含み、これらの隆起又は凹部は眼鏡レンズの表面全体にわたり規則的又は不規則的やり方で分散される。その最大寸法が≦0.3mmである個々の点は互いから≦1mmの距離を有する。点は円形状であってもよいし又は任意の所望形状を有してもよい。点パターン内の個々の点間の距離はいずれの場合も同じであってもよいし又は互いに異なってもよい。眼鏡レンズは照準線を中心に1mmより大きい領域内に点パターンを有しない。点パターンの無い領域から始まりそして眼鏡レンズエッジへ行くまで、点は同じ寸法を有し得る。点はまた、点パターンの無い領域からの距離の増加と共に大きく又は小さくなり得る。点パターン無し領域と比較して、対象物のコントラストは、点パターンを通して見ると少なくとも30%だけ低減され得る。個々の点が眼鏡レンズの表面上の隆起であれば、これらは、例えばインクジェット印刷、パッド印刷、スクリーン印刷、転写、リソグラフィク印刷又はホットスタンピングの手段により生成され得る。隆起はさらに、好適な金型を使用することにより眼鏡レンズを鋳造することにより製造されてもよいし、又は眼鏡レンズの表面へ塗布される膜の構成要素であってもよい。点が眼鏡レンズの表面内の凹部ならば、これらは、例えば眼鏡レンズの表面から材料をエッチング又は剥離する手段により製造され得る。さらに、凹部はまた、好適な金型による眼鏡レンズの鋳造により製造され得る。隆起又は凹部の代わりに、点はまた眼鏡レンズ内の含有物であり得る。点パターンは、点パターンの無い領域の外側の所望コントラスト低減に依存して患者毎に個々に調整され得る。
特開2019078859A号公報は老眼を矯正するように意図された眼鏡レンズを開示する。この眼鏡レンズは、異なる合焦力を有するマイクロレンズを含む。一例として、屈折力は眼鏡レンズの中心からエッジの方向へ低下し得る。異なる合焦力を有するマイクロレンズは、眼鏡装着者が眼鏡レンズ内の或る領域を通して常に視ることができることを許容するべきであり、この領域を通して、様々な近距離に関してそして当該日の眼鏡装着者の形状と無関係にシャープな像が取得される。マイクロレンズは、六角形状を有し得、そして眼鏡レンズ上に互いに直接隣接して又はその間に小スペースを有して存在するべきである。六角形状の代わりに、マイクロレンズはまた、三角形、四辺形、円形又は楕円形として存在し得る。
国際公開第2019/166653A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と少なくとも3つの非隣接光学素子のうちの複数の光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、単一焦点を有しない非球面屈折力を有するように意図されており、そして結果的に近視又は遠視の進行を減速させるように意図されている。さらに、これらの光学素子の少なくとも1つは、レンズ素子の前面又は後面上に配置される(任意選択的に、分離可能なやり方で)多焦点、円環状、又は回折マイクロレンズであり得る。光学素子は、0.8mm≦径≦3.0mmの外周により囲まれて形状を有すべきである。一例として、光学素子はレンズ素子の表面上の同心リングとして配置され得る。国際公開第2019/166653A1号パンフレットによると、非隣接光学素子は様々なやり方で(例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより)製造され得る。
国際公開第2019/166654号パンフレットは、眼の処方箋に基づく第1の屈折力及び第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有する領域と複数の少なくとも3つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらのレンズ素子の少なくとも1つは、眼の異常屈折の進行を減速させるために像を眼の網膜上に集束しないように意図されている。第1の屈折力と第2の屈折力との差は≧0.5Dである。近視が存在すれば、第2の屈折力は、光線を眼の網膜の前に集束するように意図されており、光学素子と併せて近視又は遠視の進行の減速に至るべきである。好適には、光学素子の少なくとも50%は網膜上に結像するべきでない。国際公開第2019/166654A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166655A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と複数の少なくとも3つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。この光学素子は、レンズ素子の少なくとも1つの断面に沿って光学素子の平均球面屈折力がこの断面内の一点から断面の周辺の方向に増加するようにされたものである。この増加は、近視が存在する場合に網膜の前の又は遠視が存在する場合に網膜の背後の光線の焦点ずれを増幅ししたがって近視又は遠視の進行を減速するように意図されている。さらに、レンズ素子の少なくとも1つの断面に沿った平均円柱屈折力もまた、この断面内の一点からこの断面の周辺の方向に増加し得る。国際公開第2019/166655A1号パンフレットによると、光学素子は、例えば表面処理、金型、スタンピング、加法製造又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166657A1号パンフレットは、中心視の標準装着条件下の眼鏡装着者の処方箋に基づく第1の屈折力を有する領域を提供しそして複数の少なくとも3つの光学素子をさらに含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、標準装着条件下でそして周辺視の像を網膜上に結像しないようにそしてしたがって視覚欠陥の進行を減速するように意図されている。さらに、国際公開第2019/16657A1号パンフレットは視覚欠陥の進行を減速するように意図されたレンズ素子を判断する方法を開示する。この方法は、処方箋データ、装着条件、網膜データを利用可能にしそしてこれに基づきレンズ素子の判断を行うことを含む。国際公開第2019/166657A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166659A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と複数の少なくとも2つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、異常屈折の進行が減速されるように像を眼の網膜上に集束しないように意図されている。少なくとも2つの隣接光学素子は互いに独立である(すなわち独立像を結像する)ように意図されている。少なくとも2つの光学素子が配置される表面が球面であると仮定すると、2つの光学素子は、1つの素子から他の素子への経路(球面が接触しない)が存在すれば隣接する。対応する声明は球面により近似される非球面に当てはまる。隣接光学素子は、レンズ素子の外観を改善しそしてより容易に製造可能であるように意図されている。国際公開第2019/166659A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書は眼鏡レンズのナノ構造及び/又はマイクロ構造表面を生成する方法を開示する。この目的を達成するために、被覆される眼鏡レンズの表面はナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の少なくとも1つの層によりマスクされる。その後、被覆面は、ナノ粒子及び/又はマイクロ粒子が存在しない場所において少なくとも1つの層により被覆され、そしてナノ粒子及び/又はマイクロ粒子自体もまた、前記少なくとも1層により被覆される。ナノ粒子及び/又はマイクロ粒子がこの少なくとも1つの別の塗布された層から除去されると、後者はナノ構造及び/又はマイクロ構造層のままである。
米国特許出願公開第2014/099439A1号明細書は一方の面上に隆起、凹部又は着色剤を有する眼鏡レンズを開示する。隆起又は凹部は、インクジェット法により被覆面へ塗布され得る適切なマスキング層により取得される。代替的に、マスキング層はまた、膜の付着により形成され得る。例えば隆起の形式の透明パターンが被覆面へ塗布されるように意図された位置に切り欠きを有するマスキング層が硬化された後、少なくとも1つの透明材料がマスキング層及び被覆面の両方に塗布される。例えば島状パターン又はロゴを形成するために働く透明塗布材料は例えば2つの直接隣接層より高い屈折率を有する光透過性材料であり得る。透明材料とそれへ塗布されたマスキング層との除去後、例えば多層反射防止層及び疎水性膜が被覆面に準じて適用される。透明パターンが凹部の形式で存在するように意図されていれば、多層反射防止層及び疎水性膜がマスキング層の塗布に続き塗布される。
米国特許出願公開第2019/310492A1号明細書は、多層被膜(例えば反射防止層又は反射層)により反射像を生成する方法を開示する。反射像は反射特性の差(以前のマスキングにより引き起こされる)によりもたらせられる。
米国特許出願公開第2008/316558A1号明細書は、転写可能材料をスタンプにより適用する方法を開示する。スタンプの表面は、転写されるパターンに対応するマイクロリリーフを表す隆起及び凹部を有する。転写される材料を有するスタンプは、光学的対象物の表面を完全に覆い得る非乾燥ラテックス層と接触させられる。転写される材料を有するスタンプは、スタンプの隆起上に位置する被転写材料だけがラテックス層へ転写されるやり方でラテックス層と接触させられる。代替的に、被転写材料を有するスタンプは、隆起上に位置する被転写材料及び凹部内に位置する被転写材料の両方がラテックス層へ転写されるやり方でラテックス層と接触させられる。被転写材料は金属材料であり得る。
本発明の目的は、背景技術において先に説明された眼鏡レンズのうちの1つを製造する代替方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、屈折力を得るための又は最終面トポグラフィを取得するための機械的処理工程を必要としない代替方法を提供することであった。
この目的は請求項1に記載の方法を提供することにより達成された。この目的はさらに、請求項12に記載の製品を提供することにより達成された。
試験サンプルを示す。 例3の単一又は2つの連結された膨らみの高さプロファイルを示す。 例4の膨らみの高さプロファイルを示す。 例5の膨らみの高さプロファイルを示す。
基板は少なくとも1つの高分子材料及び/又は少なくとも1つの鉱物ガラスを含み得、高分子材料又は鉱物ガラスはそれぞれ、半完成レンズブランクの(すなわち、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.4.2に準じたただ1つの光学的完成面を有するレンズブランクの)又は完成レンズの(すなわち、その両側がDIN EN ISO13666:2013-10、段落8.4.6に準じたエッジ処理の前後のそれらの最終光学面を有するレンズの)形式を取り得る。半完成レンズブランクは、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.4.3、8.4.4、8.4.5による単焦点半完成レンズブランク、多焦点半完成レンズブランク又は累進屈折力半完成レンズブランクの形式を取り得る。完成レンズは、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.3.1、8.3.2、8.3.3、8.3.4、8.3.5、8.3.6に準ずる単焦点レンズ、多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ又は逓減屈折力レンズであり得る。基板として使用可能な半完成レンズブランク又は完成レンズは例えば表1に規定される基材に基づき得る。
Figure 2022545983000001
光学的完成面からの半完成レンズブランクの対向面は、半完成レンズブランクの光学的完成面の被覆前後に機械的処理(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)により第2の光学的完成面へ変換され得ることが好ましい。この機械的処理は半完成レンズブランクの被覆に先行することが好ましい。
基板は好適には完成レンズである。
基板は光学補正効果を有しなくてもよい。そのかわり基板は見ている眼の光学補正効果及び/又は収差補正を与えられ得る。光学補正効果は、球面補正、収差補正、軸位置の補正、及び任意選択的に基本設定を有するプリズムによる補正を意味するものと理解される。この光学補正効果は単焦点レンズにおける遠方視力又は近接視力のために慣習的に実装される。多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ又は逓減屈折力レンズの場合、遠方視力及び/又は近方視力の光学補正効果は、いずれの場合も、球面補正、収差補正、軸位置の補正、及び任意選択的に基本設定を有するプリズムによる補正を含み得る。見ている眼の収差補正は、収差補正が近方視力又は遠方視力のためのものかどうかにかかわらずWerner Koppen“Konzeption und Entwicklung von Gleitsichtglaesern”[Design and Development of Varifocal Lenses]Deutsche Optiker Zeitschrift DOZ、1995年10月、頁42~45と同様に計算されることが好ましい。この目的のため、少なくとも1つの基板表面の表面特性は、最適化過程において、見ている眼の所望収差分布が規定公差内で達成されるまで(すなわちメリット関数が規定値未満になるまで)反復により変更される。
基板は、一次成形及び後続機械的処理(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)により又は少なくとも1つの高分子材料に基づく基板の場合は加法製造方法によりのいずれかで製造され得る。少なくとも1つの高分子材料に基づく基板の製造(好適には加法製造方法による)では、基板は一様な屈折率(例えば上記表1に列挙されるような)又は場所依存屈折率分布を有し得る。場所依存屈折率分布は好適には、光学的計算プログラム(例えばZEMAX)(Zemax LLCからの)により予め計算され最適化される。この計算のために、意図された眼の前の基板の位置、瞳孔間距離、基板の広角傾斜、基板のそり角及び基板サイズは好適に知らされなければならない。さらに、多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ及び逓減屈折力レンズの計算は、装着者の眼の回転中心に対する眼鏡装着者の視野内の物点の位置を記述する対象物距離モデルに特に基づく。基板として使用可能な場所依存屈折率分布を有する累進屈折力レンズは、例えば、欧州特許出願公開第3,352,001A1号明細書(特に欧州特許出願公開第3,352,001A1号明細書の請求項1又はEPC規則137(2)に準じて修正された請求項1)又はPCT/欧州特許出願公開第2019/069422号明細書(特にPCT/欧州特許出願公開第2019/069422号明細書の請求項1)に開示されている。
基板が少なくとも1つの高分子材料及び少なくとも1つの鉱物ガラスの両方を含めば、鉱物ガラスは、好適には薄肉ガラスの形式を取り、そして高分子材料は好適には半完成レンズブランクの形式又は完成レンズの形式又は少なくとも1つの高分子膜の形式を取る。半完成レンズブランク又は完成レンズはまた、この実施形態の場合には加法製造方法により製造され得、そして一様な屈折率又は場所依存屈折率分布のいずれかを有し得る。この実施形態の場合に基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラスと高分子材料として少なくとも1つの高分子膜とを含めば、少なくとも1つの高分子膜は少なくとも2つの薄肉ガラス間に配置されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜は好適にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニール・ブチレート及び/又はそれらの混合物に基づく。少なくとも1つの高分子膜は例えば三酢酸セルロースにより安定化され得る。少なくとも1つの高分子膜は着色されても又はされなくてもよい。少なくとも1つの高分子膜及び少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板が着色されることになれば、少なくとも1つの高分子膜が着色されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜は好適には9μm~205μmの範囲、より好適には14μm~103μmの範囲の平均厚を有する。
この実施形態の場合に基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラス及び高分子材料として少なくとも1つの完成レンズを含めば、少なくとも1つの薄肉ガラスは完成レンズの前面及び/又は後面上に在り得る。好適には、完成レンズの前面上及び後面上の両方に少なくとも1つの薄肉ガラスが存在する。
この実施形態の場合、基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラスそして高分子材料として少なくとも1つの半完成レンズブランクを含めば、最初に光学的未完成面を処理することそして次にこのようにして得られた完成レンズの前面及び/又は後面を少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着することが優先される。代替的に、高分子材料として半完成レンズブランクの使用の場合、少なくとも1つの薄肉ガラスは既に完成された光学面へ固着され、光学的未完成面が処理され、そして次に、この処理された表面は少なくとも1つの別の薄肉ガラスへ任意選択的に固着される。少なくとも1つの別の薄肉ガラスへの固着がここでは好ましい。好適には、半完成レンズブランクの完成光学面はその前面であり、そして光学的未完成面はその後面である。光学的未完成面の第2の光学的完成面への変換と少なくとも1つの薄肉ガラスへのその後続の固着の代案として、この第2の表面は第2の光学的完成面への変換後に少なくとも1つの皮膜を備え得る。この皮膜は好適には、少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層、及び少なくとも1つの透明皮膜層からなる群から選択される。少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含む皮膜が特に優先され、この場合、少なくとも1つの硬質皮膜層は基板に最も近い層であり、そして少なくとも1つの透明皮膜層は基板から最も遠くで除去される層である。
完成レンズの前面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスは、完成レンズの後面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスと例えばガラス成分、平均厚、表面トポグラフィ、曲率半径及び/又は形状に関し同一であってもよいし又は異なっていてもよい。同じことは、高分子材料として少なくとも1つの半完成レンズブランク又は少なくとも1つの高分子膜の使用の場合にも当てはまる。半完成レンズブランクの使用の場合、光学的未完成面は、少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着に先立って、光学的完成面へ変換される。
少なくとも1つの薄肉ガラスの半完成レンズブランクの光学的完成面(好適には前面)又は完成レンズの完成光学面のうちの1つの完成光学面(好適には前面)への固着は、好適には接着及び形状嵌合(cohesive and form-fitting)である。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの後面は半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面へ固着される。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面及び/又は半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面は少なくとも1つの皮膜を備え得る。この少なくとも1つの皮膜は少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層及び/又は少なくとも1つの分極層を含み得る。少なくとも1つの着色膜は好適には、米国特許第4,355,135A号明細書(特に米国特許第4,355,135A号明細書の請求項1)、米国特許第4,294,950A号明細書(特に米国特許第4,294,950A号明細書の請求項1及び請求項6のいずれか)、又は米国特許第4,211,823A号明細書(特に米国特許第4,211,823A号明細書の請求項1又は2のいずれか)による着色可能層を含む。より好適には、着色膜は、米国特許第4,355,135A号明細書(特に好適には米国特許第4,355,135A号明細書の請求項1)による着色可能層を含む。少なくとも1つのフォトクロミック層は好適には、米国特許出願公開第2006/0269741A1号明細書(特に米国特許出願公開第2006/0269741A1号明細書の請求項6)、又は米国特許出願公開第2004/0220292A1号明細書(特に米国特許出願公開第2004/0220292A1号明細書の請求項1)による層を含む。少なくとも1つのフォトクロミック層は、好適には5μm~200μmの範囲、さらに好適には9μmから166μmの範囲、より好適には17μmから121μmの範囲、最も好適には21μmから81μmの範囲の平均厚を有する。少なくとも1つの分極層は好適には、分極特性を有する偏光膜又は層のいずれかを含む。使用される偏光膜は、例えば二色着色剤を含むポリビニル・アルコール又はポリエチレン・テレフタレートの膜であり得る。偏光膜は単層又は多層膜の構造を有し得る。偏光膜は少なくとも1つの薄肉ガラスの後面に精確に適合するように予め成形され得る。好適には、偏光膜は、金型(好適には金属金型)の助けを借りて減圧の適用により予め成形される。分極特性を有する層は、例えば欧州特許出願公開第1,965,235A1号明細書、欧州特許出願公開第0,217,502A1号明細書、欧州特許出願公開第1,674,898A1号明細書、米国特許出願公開第2006/0066947A1号明細書、国際公開第2005/050265A1号パンフレット、国際公開第2009/029198A1号パンフレット、国際公開第2009/156784A1号パンフレット又は国際公開第2015/160612号パンフレットに開示されている。前述のアプリケーションでは、分極特性を有する層はいずれの場合も上記特許文書に記載の層順序の一構成要素である。本発明の文脈では、好適には、引用されたアプリケーションにおいて説明される分極特性を有する層だけが分極層として使用される。
好適には、少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層、及び少なくとも1つの分極層から選択された単一層だけが少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に存在する。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に複数の層が存在すれば、これらは、対象物側から眼側へ以下の好ましい順番である:薄肉ガラス/フォトクロミック層/分極層/着色膜/半完成レンズブランク若しくは完成レンズ、又は薄肉ガラス/フォトクロミック層/着色膜/分極層/半完成レンズブランク若しくは完成レンズ、又は薄肉ガラス/分極層/着色膜/半完成レンズブランク又は完成レンズ。
少なくとも1つの高分子膜が高分子材料として使用されれば、上述の少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層、及び/又は少なくとも1つの分極層は好適には薄肉ガラスの後面へ塗布される。薄肉ガラスの後面がこれらの層の2つ以上を含めば、薄肉ガラスと少なくとも1つの高分子膜との間の順番は薄肉ガラスと半完成レンズブランク又は完成レンズとの間の上述の順番に対応する。
特に好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に層は無い。
半完成レンズブランク又は完成レンズの第2の完成光学面の少なくとも1つの別の薄肉ガラスへの任意選択的に好ましい固着は、同様に接着及び形状嵌合であることが好ましい。好適には、半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面はここでは少なくとも1つの薄肉ガラスの前面へ固着される。半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面は少なくとも1つの被膜を備え得る。この少なくとも1つの被膜は好適には着色膜を含む。着色膜は上に既に定義された。好適には、半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面は被膜を含まない。半完成レンズブランクの光学的完成後面又は少なくとも1つの薄肉ガラスへの完成レンズの後面への固着へ代案として、それぞれの後面は少なくとも1つの被膜を備え得る。この被覆は好適には、少なくとも1つの硬質被覆層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層、及び少なくとも1つの透明皮膜層からなる群から選択される。より好適には、被膜は少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含み、この場合、少なくとも1つの硬質皮膜層は基板に最も近い層であり、少なくとも1つの透明皮膜層は基板から最も遠くで除去される層である。
少なくとも1つの薄肉ガラスの前面及び/又は後面はそれぞれ、PVD方法、浸漬塗布法及び/又は回転塗布法により被覆され得る。回転塗布法及び/又は浸漬塗布法により取得された被膜の後続の硬化は、熱的硬化又は放射線硬貨のいずれかで行われ得る。好適には、この皮膜は放射線硬化により硬化される。
半完成レンズブランクの光学的完成面、又は完成レンズの少なくとも1つの完成光学面、又は少なくとも1つの高分子膜それぞれの、少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着はいずれの場合も、好適には接着手段により行われる。接着手段はここでは、例えば個々の部品の異なる熱膨張のプライマー又は補償材料として働き得る。さらに、半完成レンズブランク又は完成レンズが一様な屈折率を有すれば、接着手段の選択は、個々の部品間の恐らく存在する屈折率差ΔnDの整合をもたらし得る。ここで好適に行われることは、個々の部品の屈折率の変化が可視スペクトル全体にわたって同じであるように屈折率nDの整合だけでなくアッベ数の整合である。使用可能な接着手段は、例えば独国特許出願公開第10 2012 210 185A1号明細書、国際公開第2009/056196A1号パンフレット又は国際公開第2015/121341号パンフレットに記載されている。好適には、個々の部品は、20℃~80℃の範囲、好適には40℃~70℃の範囲、そしてより好適には45℃~65℃の範囲の温度において、国際公開第2015/121341A1号パンフレット(特に国際公開第2015/121341A1号パンフレットの請求項1)と同様にエポキシレジンのアミン触媒チオール硬化に基づく接着手段により互いに固着される。
半完成レンズ又は完成レンズの完成光学面に面する少なくとも1つの薄肉ガラスの表面と完成光学面との間に少なくとも1つの層が存在し得る。この少なくとも1つの層は好適には、その下にこの少なくとも1つの層が塗布されたそれぞれの表面と同じ表面トポグラフィを有する。互いに接合される2つの面の表面トポグラフィの若干の差異は、例えば接着手段により充填され得る。それぞれの表面の形状嵌合固着に関して、それぞれ互いに固着される部品の曲率半径が好適には互いに1mm未満だけ、さらに好適には0.03mmから≦0.8mmの範囲内で、より好適には0.04mmから≦0.7mmの範囲内で、そして最も好適には0.05mmから≦0.6mmの範囲内で異なるということが好ましい。
少なくとも1つの薄肉ガラス及び半完成レンズブランク又は完成レンズは、接着手段により接合される前に、好適には同じ径及び同じ曲率半径を有する。好適には、少なくとも1つの高分子膜は、眼側薄肉ガラスの前面及び対象物側薄肉ガラスの後面を完全に覆うように十分に大きな径を有する。いかなる余分な高分子膜も切除されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜が、それに接着されるべき薄肉ガラスと同じ曲率半径を既に有すれば、少なくとも1つの高分子膜は薄肉ガラスと同じ径を有することが好ましい。
基板が少なくとも2つの鉱物ガラスを含めば、鉱物レンズの1つは好適には薄肉ガラスの形式であり、他の鉱物ガラスは好適には半完成レンズブランク又は完成レンズの形式である。上に説明したことは、薄肉ガラス並びにそれらの任意選択的前側及び/又は後側被膜に当てはまる。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスは半完成レンズブランクの光学的完成面(好適にはその前面)へ固着される、又は完成レンズの光学的完成面の少なくとも1つ(好適にはその前面)へ固着される。好適には、完成レンズの前面及び後面の両方はそれぞれ少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着される。さらに好適には、半完成レンズブランクの光学的完成面に対向する表面が処理されると、これもまた、少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着される。少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着は、光学的接触固着により又は接着手段により実施され得る(好適には接着手段により)。上に列挙された接着手段が接着手段として使用され得る。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面及び/又は半完成レンズブランクの前面又は完成レンズの前面は、接合されるのに先立って少なくとも1つの被膜を備え得る。一例として、この被膜は少なくとも1つの分極層及び/又は少なくとも1つのフォトクロミック層を含み得る。分極層及びフォトクロミック層は既に説明された。半完成レンズブランクの後面又は完成レンズの後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面もまた、接合されるのに先立って少なくとも1つの被膜を備え得る。この被膜は例えば少なくとも1つの着色膜であり得る。着色膜は上に既に説明された。
半完成レンズブランク又は完成レンズの前面だけ又は後面だけがこの実施形態において少なくとも1つの薄肉ガラスへそれぞれへ固着されれば、それぞれの対向面(光学的に完成されていると仮定する)は、少なくとも1つの薄肉ガラスへの前述の固着の代案として少なくとも1つの被膜を有し得る。この被膜は、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層及び/又は少なくとも1つの透明皮膜層を含み得る。好適には、この被膜は少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含む。この場合、透明皮膜層は被覆面から最も遠く離れた層である。
基板が少なくとも1つの薄肉ガラスである又はそれを含めば、後者は、好適には10μm~1000μmの範囲、さらに好適には13μm~760μmの範囲、さらに好適には16μm~510μmの範囲、より好適には18μm~390μmの範囲、最も好適には19μm~230μmの範囲の平均厚を有する。少なくとも1つの薄肉ガラスは特に好適には21μm~210μmの範囲の平均厚を有する。完成レンズの前面及び後面が両方とも少なくとも1つの薄肉ガラスへ接続されれば、対象物側上に固着される少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は眼側に固着される薄肉ガラスの平均厚と異なってもよいし又は等しくてもよい。好適には、対象物側に固着される少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は眼側に固着される薄肉ガラスの平均厚と等しい。
少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は算術平均を意味するものと理解される。10μm平均厚未満では、少なくとも1つの薄肉ガラスは、半完成レンズブランクの完成光学面へ又は完成レンズの完成光学面のうちの少なくとも1つへ固着されることができるには又は少なくとも1つの薄肉ガラス破壊無しに被覆されることができるには機械的に余りに不安定である。1000μmの平均厚を越えると、少なくとも1つの薄肉ガラスは、余りにも大きなエッジ厚さ又は余りに大きな中央厚さを有するであろう基板に至り得る。少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は好適にはFilmetrics F10-HC計測器(Filmetrics社)により測定される。少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は好適には、実際に使用される形式で(すなわち半完成レンズブランクの完成光学面へ固着されることに先立って又は完成レンズの完成光学面の少なくとも1つへ固着されることに先立って少なくとも1つの薄肉ガラスが存在するやり方で)少なくとも1つの薄肉ガラスに基づき判断される。代替的に、少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は、研磨断面を使用することにより走査型電子顕微鏡写真により判断され得る。これは、薄肉ガラスの研磨断面に基づき、又は半完成レンズブランクの完成光学面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板の研磨断面に基づき、又は完成レンズの完成光学面の少なくとも1つへ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板に基づき実施され得る。この目的のため、少なくとも1つの薄肉ガラスの厚さは少なくとも3つの場所において判断されそして統計的に平均化される。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は、この基板の研磨断面を使用することにより走査型電子顕微鏡写真により判断される。
少なくとも1つの薄肉ガラスの膜厚分布の相対標準偏差は、好適には0.1%~100%、好適には0.2%~81%、より好適には0.3%~66%、そして最も好適には0.4%~24%である。相対標準偏差[%]は計算された標準偏差と平均厚の商である。少なくとも1つの薄肉ガラスは好適には<1nmの表面粗度Raを有する。さらに好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの表面粗度Raは、0.1nm~0.8nmの範囲内、より好適には0.3nm~0.7nmの範囲内、そして最も好適には0.4nm~0.6nmの範囲内である。表面粗度Raの前述の値はそれぞれ、少なくとも1つの未成形平坦薄肉ガラスの前面及び後面に基づく。成形後、前述の値はいずれの場合も、成形のために使用される成形体と接触されなかった少なくとも1つの薄肉ガラスの当該表面だけへ好適に適用可能である。成形のために使用される成形体に依存して、前述の値はまた、成形のために使用される成形体と接触した少なくとも1つの薄肉ガラスの表面へ適用可能かもしれない。少なくとも1つの薄肉ガラスの表面粗度Raは、好適にはNewView 7100計測器(Zygo社)を使用することにより白色光干渉計により好適に判断される。少なくとも1つの薄肉ガラスが別の表面凸凹を有すれば、それぞれの表面のエリア解析もまた、位相測定偏向計(好適にはSpecGage計測器(3D-Shape社))により判断され得る。
対称自由形式表面又は非対称自由形式表面として様々な(例えば、平坦、球面、非球面、非球面回転対称、円環状、非円環状、累進状)表面トポグラフィを有する少なくとも1つの薄肉ガラスが利用可能かもしれない。少なくとも1つの薄肉ガラスの表面トポグラフィに関連して、「平坦」は、少なくとも1つの薄肉ガラスがいかなる巨視的可視屈曲又は曲率も有していないことを意味するものと理解される。少なくとも1つの薄肉ガラスが非平坦面を有すれば、例えば対応ネガ金型上で平坦薄肉ガラスを変形させることにより所望表面トポグラフィを実現することが可能である。眼側に配置された少なくとも1つの薄肉ガラスの表面トポグラフィは対象物側に配置された少なくとも1つの薄肉ガラスの形状と同一であっても又は異なってもよい。
少なくとも1つの薄肉ガラスの曲率半径は、好適には10mm~∞の範囲内、好適には20mm~1600mmの範囲内、さらに好適には35mm~1535mmの範囲内、さらに好適には56mm~600mmの範囲内、好適には66mm~481mmの範囲内、そして最も好適には75mm~376mmの範囲内である。少なくとも1つの薄肉ガラスの無限の曲率半径は本明細書では平坦面に対応する。少なくとも1つの薄肉ガラスの非球状面の場合、上記規定曲率半径はそれぞれ略球状な形式に基づく。
少なくとも1つの薄肉ガラスは様々なガラス成分(例えば硼珪酸塩ガラス、アルミノ硼珪酸塩ガラス又は無アルカリ硼珪酸塩ガラス)に基づき得る。少なくとも1つの極薄ガラスは好適には硼珪酸塩ガラス又はアルミノ硼珪酸塩ガラスに基づく。完成レンズの前面及び後面の両方が、少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着されれば、前面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスは後面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスと同じガラス成分を有することが好ましい。
薄肉ガラスは、例えばD263(登録商標)T eco、D263(登録商標)LA eco、D263(登録商標)M,AF 32(登録商標)eco、SCHOTT AS 87 eco,B270(登録商標)i名(それぞれSchott社)、又はCorning Willow Glass又はCorning Gorilla Glass(それぞれCorning Inc.の)の下に入手可能である。
基板は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を、前面(すなわちDIN EN ISO 13666:2013-10、段落5.8に準じて対象物側面が眼から離れて取り付けられるように意図された)上及び後面(すなわちDIN EN ISO 13666:2013-10、段落5.9に準じて眼側面が眼の最も近くに取り付けられるように意図された)上の両方に含み得る。代替的に、基板は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を前面上だけに又は後面上だけに含み得る。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は部分的に可逆的であっても又は不可逆的であってもよい。この場合の部分的に可逆的は「少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として取得される表面トポグラフィの変化は、接触が再び取り除かれた後にさらに変更され得るが、接触がなされる前の少なくとも1つの層の表面トポグラフィへもはや戻らない」ということを意味するものと理解される。表面トポグラフィの変化が部分的に可逆的であれば、この部分的変化は「フリーズ」されしたがって維持され得る(例えば変化の所望時刻における被覆により)。表面トポグラフィの変化は不可逆的であることが好ましい。この場合、表面トポグラフィの不可逆的変化は「一旦取得された変更済み表面トポグラフィがもはや変更されなくしたがって可逆的でもなく部分的に可逆的でもない」ということを意味するものと理解される。不可逆的に変更された表面トポグラフィは後続の処理工程(例えば少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更された少なくとも1つの層上の少なくとも1つの別の層の被覆の工程、又は基板とメガネフレーム内の少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更された少なくとも1つの層とを含む眼鏡レンズの取り付け工程)により変更されない。この場合、少なくとも1つの層自体の表面トポグラフィは少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更される。好適には、この変更は、少なくとも1つの媒体と実際に接触させられた場所においてだけ引き起こされる。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、フィック(Fick)の第1及び第2法則がさらに好適に考慮されるべきである拡散過程である。したがって、好適には、表面トポグラフィを変更する目的のために追加的に適用される必要がある別の層の必要性は無い。好適には、少なくとも1つの媒体と接触させることだけが、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に責任がある。少なくとも1つの媒体との接触だけにより引き起こされるここで説明される少なくとも1つの層自体の変化とは対照的に、例えば欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書は、マスキング手段の除去に続くこの少なくとも1つの別の層からナノ構造層及び/又はマイクロ構造層を取得するために、マスキング手段の不動化に続く少なくとも1つの別の層(すなわち欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書におけるナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の層)の適用を必要とする。このナノ構造層及び/又はマイクロ構造層は、この別の少なくとも1つの層の結果としてのナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の除去に続きナノ粒子及び/又はマイクロ粒子が被覆面と接触しない又は被覆面を陰にしない隙間に形成される。
基板の表面の少なくとも1つは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィをエリア全体又はその一部にわたって変更し得る少なくとも1つの層を含み得る。基板の表面のうちの少なくとも1つは結果的に、そのエリア全体にわたってこの少なくとも1つの層により覆われ得る若しくは被覆され得る、又は基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の少なくとも一部は、この少なくとも1つの層により結果的に覆われ得る若しくは被覆され得る。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がこの少なくとも1つの層により覆われれば又は被覆されれば、この少なくとも一部は、少なくとも1つの別の部分へ隣接してもよいし、又は基板の同じ表面上の少なくとも1つの別の部分の近隣であってもよい。基板の同じ表面上の少なくとも2つの部分は、これらの少なくとも2つの部分が少なくとも1つの共通接点を有すれば互いに隣接する。基板の同じ表面上の少なくとも2つの部分は、これらの少なくとも2つの部分が共通接点を有しなければ近接する。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含む基板の少なくとも1つの表面は、前述の層に加えて、基板の同じ表面上の少なくとも1つの別の層(前述の層とは異なる)であって層順序において基板により近い別の層を含み得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更することができる少なくとも1つの層を含む基板の少なくとも1つの表面は、前述の層に加えて、基板の同じ表面であって層順序において基板からさらに離れた表面上に少なくとも1つの別の層(前述の層と同一である及び/又はそれと異なる)を含み得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は球面、非球面、円環状、非円環状、平坦、又は自由形式表面タイプ設計を有し得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得るこの少なくとも1つの層の表面内の少なくとも1つの隆起であり、隆起は、少なくとも1つの媒体と接触させられる前のこの少なくとも1つの層の表面に対するものである。この少なくとも1つの隆起は好適には、少なくとも1つの層の表面が少なくとも1つの媒体と接触させられる前の表面トポグラフィに対する表面トポグラフィの少なくとも1つの正の変化である。基板の前面又は後面が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含むかどうかには無関係に、少なくとも1つの媒体との接触前の表面トポグラフィに対する表面トポグラフィの少なくとも1つの正の変化は好適には、基板から離れる側である。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には拡散過程である。フィック(Fick)の第1及び第2法則が好適にこの拡散過程中に考慮されるべきである。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として局所的に又は少なくとも1つの層の表面全体にわたって変更され得る。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてエリア全体又はその一部にわたってその表面トポグラフィを変更し得るこの少なくとも1つの層を含み得る。表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合及び表面トポグラフィのエリア全体にわたる変化の場合の両方では、少なくとも1つの層の好適には正方向に変更された表面は少なくとも2つの隣接最大値及び/又は少なくとも2つの非隣接最大値を含み得る。少なくとも2つの最大値は好適には、少なくとも2つの最大値の少なくとも一方の最大値から他方の最大値への1つの経路(この経路に沿って、少なくとも1つの層の変更されなかった表面との接触は無い)があれば隣接する。少なくとも2つの最大値は好適には、少なくとも2つの最大値の少なくとも一方の最大値から他方の最大値への1つの経路(この経路に沿って、少なくとも1つの層の変更されなかった表面との接触がある)があれば隣接しない。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合、その最大横方向広がりは、好適には5μm~20mmの範囲、より好適には10μm~10mmの範囲、より好適には20μm~5mmの範囲、特に好適には50μm~4mmの範囲、そして特に好適には70μm~3mmの範囲である。局所的に変更された表面の最大横方向広がりは、少なくとも1つの層の互いに最大距離を有する変更された表面と変更されなかった表面との2つの交点間の最大距離である。少なくとも1つの層の非平坦面の場合、最も離れた少なくとも1つの層の変更されなかった表面と変更された表面との2つの交点間の距離は少なくとも1つの層の表面と同一でない。最大横方向広がりは好適には、白色光干渉計に基づく光学的プロフィロメータ(profilometer)により判断される。使用される光学的プロフィロメータは好適にはZygo社のNewView 7100光学的プロフィロメータである。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合又はそのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化の場合、変更されなかった少なくとも1つの層に対する表面内の変化は、好適には1nm~10μmの範囲、より好適には2nm~9μmの範囲、より好適には3nm~8μmの範囲、特に好適には4nm~7μmの範囲、そして特に好適には5nm~6μmの範囲である。変更された表面が少なくとも2つの隣接及び/又は非隣接最大値を含めば、前述の範囲はこれらの少なくとも2つの最大値のそれぞれに当てはまる。表面トポグラフィの変化は好適には、互いからの最大距離を有する少なくとも1つの層の変更されなかった表面と変更された表面との2つの交点間の距離に対する最大の高さである。
少なくとも1つの層の変更されなかった表面に対する表面トポグラフィの変化は同様に好適に白色光干渉計に基づく光学的プロフィロメータにより判断される。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの局所的変化は例えば、0.2dpt~50dptの範囲、好適には0.25dpt~40dptの範囲、より好適には0.3dpt~30dptの範囲、特に好適には0.4dpt~20dptの範囲、そして特に好適には0.5dpt~10dptの範囲の屈折力を有する。少なくとも1つの層の同じ表面の表面トポグラフィのあらゆる局所的変化はこの場合屈折力の観点で同じ屈折力を有してもよいし又は異なる屈折力を有してもよい。表面トポグラフィの局所的変化がただ1つの最大値を含めば、その屈折力は好適には以下の数式に従って計算される:
Figure 2022545983000002

ここで、R=半径、c=弦、h=セグメント高さ、
Figure 2022545983000003
ここで、f=焦点長、n=その表面トポグラフィが変更され得ない少なくとも1つの層の屈折率、R1=変更された表面の半径、R2=変更されなかった表面の半径、d=変更された表面と変更されなかった表面間の距離。
基板の前面及び後面の両方がそれぞれ、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含めば、前面の表面トポグラフィの変化は後面の表面トポグラフィの変化と同じであってもよいし又は異なってもよい。この場合、前面の表面トポグラフィの変化は好適には後面の表面トポグラフィの変化と異なる。
表面の少なくとも1つが、そのエリア全体にわたって、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層により覆われれば又は被覆されれば、この層の表面トポグラフィは局所的に変更され得る。少なくとも1つの層の表面トポグラフィのこの少なくとも1つの局所的変化は、その表面トポグラフィが変更されるようには意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域がマスクされているということと表面トポグラフィの変化を経験するように意図された表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられるということとのおかげで生成され得る。その表面トポグラフィが変更されるように意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域をマスクするために、好適には以下の特徴を有する任意のマスキング手段が利用され得る:
-この表面への良好な付着性を有する、
-表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域のいくつかの領域又は切り欠きを含み得る、
-少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてマスキング手段としてのその機能を接触の期間の間失わない、そして
-少なくとも1つの媒体と接触させられた後に残渣無しに除去され得る。
マスキング手段の領域又は切り欠きは好適には少なくとも1つの領域又は少なくとも1つの切り欠きを含む。一例として、マスキング手段は、少なくとも1つの感圧性接着剤、少なくとも1つの接着手段、少なくとも1つの被膜、少なくとも1つのフォトレジスト、又は少なくとも1つの膜を含み得る。少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域が表面トポグラフィの変化を経験するように意図されたマスキング手段内の領域又は切り欠きはマスキング手段に依存して様々なやり方で生成され得る。例えば、少なくとも1つの感圧性接着剤又は少なくとも1つの膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きはレーザビームにより生成され得る。少なくとも1つの感圧性接着剤又は膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは好適には、少なくとも1つの膜が少なくとも1つの層の表面へ塗布される前にレーザビームにより生成される。一例として、膜は任意選択的に再使用され得る金属膜又はプラスチック膜であり得る。少なくとも1つの接着手段がマスキング手段として使用されれば、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域は、この少なくとも1つの接着手段により、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により覆われる。少なくとも1つの被膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは例えばリフトオフ法により生成され得る。この目的を達成するために、マスキング手段のネガ(すなわち表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域)は、例えば印刷方法によりこの少なくとも1つの表面上へ持って来られ、少なくとも1つの別の層(例えば金属層)により覆われ、そしてネガとして印刷された領域は少なくとも1つの媒体との接触に先立って除去される。一例として、ネガとして印刷された領域は、少なくとも1つのワックスを含んでもよいし又はそれで構成されてもよい。代替的に、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変化するように意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの別の層(例えば、少なくとも1つのプライマー皮膜層及び少なくとも1つの硬質皮膜層、又は少なくとも1つの硬質皮膜層)により覆われ得る(例えば印刷方法により、好適にはインクジェット法により)。プライマー皮膜層に関して、好適には以下のものを含む被覆組成が活用される:
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、及び
iii)任意選択的に、少なくとも1つの添加剤。
硬質皮膜層に関して、その製造が欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書による(特に欧州特許出願公開第2,578,6491A1号明細書の請求項1による)組成を使用する層が好適に活用される。欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1によると、この組成は、以下のものを含む:
化学式(I)Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4)のシラン誘導体、ここで、同じであってもよいし又は異なってもよいR1、R2、R3、R4は、任意選択的に置換され得るアルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリール基及びアルキレンアリール及び/又は化学式(I)のシラン誘導体の加水分解及び/又は縮合生成物から選択される、
化学式(II)R6R73-nSi(OR5)nのシラン誘導体、ここで、R5は、非置換又は置換アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリール基又はアルキレンアリール基であり、R6はエポキシド基を含む有機ラジカルであり、R7は、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキレンアリール基であり、nは2又は3である、及び/又は化学式(II)のシラン誘導体の加水分解及び/又は縮合生成物、
コロイド無機酸化物、フッ化物又はオキシフッ化物、
少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシド化合物、
ルイス酸及び熱潜在性ルイス酸塩基付加物を含む触媒系。
少なくとも1つのフォトレジストがマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは例えばUV光照射により生成され得る。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの感圧性接着剤、少なくとも1つのフォトレジスト又は少なくとも1つの膜を含めば、少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体との接触に続いて除去されることが好ましい。少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの接着手段を含めば、少なくとも1つの接着手段は少なくとも1つの媒体との接触に続いて除去されないことが好ましい。その代りに、少なくとも1つの媒体の除去に続いて、少なくとも1つの接着手段は好適には、少なくとも1つの別の部品へ固着する(例えば少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着する)ために働く。それらの平均厚、表面粗度、ガラス成分、曲率半径及び表面トポグラフィに関して、薄肉ガラスは、使用可能基板と併せて上に既に説明された。
少なくとも1つの媒体及び両方のマスキング手段と接触させられると、そしてマスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域が前記媒体と接触させられ得る。代替的に、マスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。マスキング手段の領域又は切り欠きにより、少なくとも1つの層が、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された表面の少なくとも2つの領域を含めば、表面の1つの領域は、表面の他の領域と同じ少なくとも1つの媒体と、又はそれとは異なる少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。この場合、少なくとも1つの媒体は、化学組成に関して同一であるが、その濃度に関して異なる、又は変更される表面の領域へ塗布される量に関して異なる。同一形状及び同一サイズを有するマスキング手段の領域又は切り欠きは、変更される少なくとも1つの層の表面と接触させられる少なくとも1つの媒体を変更することにより、少なくとも1つの層の表面の表面トポグラフィの異なる変化を引き起こし得る。マスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられることになれば、この接触は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。
少なくとも1つの媒体及び両方のマスキング手段と接触させられると、そしてマスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面のそれらの領域は好適には前記媒体と接触させられる。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更され得ない少なくとも1つの層のこの被膜又は層は同じであってもよいし又は異なってもよい。マスキング手段が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つの層及びマスキング手段自体の両方は表面トポグラフィの変化を経験し得る。この場合、同一被膜は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更されることができる特性に関して同一被膜であると理解される。その結果、少なくとも1つのマスキング手段は、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含み得、前記皮膜は、例えばその化学組成の観点でそれとは異なるが同様に少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィを変更することができる特性を有する。一例として、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、着色剤の無い少なくとも1つのフォトクロミック層であり得、そして、マスキング手段の被膜は、着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを同様に変更し得る)であり得る。加えて、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、少なくとも1つの着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層であり得、そして、マスキング手段の被膜は、異なる少なくとも1つの着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを同様に変更し得る)であり得る。この場合、少なくとも1つの媒体は、いずれの場合も、互いに同一であっても又は互いに異なってもよい。少なくとも1つの被膜とその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの同一層とを含むマスキング手段が少なくとも1つの異なる媒体と接触させられれば、これは、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの被膜を含めば、後者は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されても除去されなくてもよい。少なくとも1つのマスキング手段が、上記定義に従ってその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されることが好ましい。少なくとも1つのマスキング手段が、上記定義に従ってその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層と同一でない少なくとも1つの被膜(すなわち、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィの変化を経験しない)を含めば、この少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されても除去されなくてもよい。一例として、少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの硬質皮膜層を含めば(その製造のためには欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書(特に欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1)による組成が特に好適に使用される)、この被膜は、少なくとも1つの層上に残ったままであり得る、又は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化と少なくとも1つの媒体の除去とに続いてこの少なくとも1つの層から再び除去され得る。少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの上述のプライマー皮膜層及び少なくとも1つの上述の硬質皮膜層を含めば、これらの2つの層は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化と少なくとも1つの媒体の除去とに続いて、前記少なくとも1つの層上に残されたままであり得る。これは、少なくとも1つの層がいずれの場合も少なくとも1つの被膜(好適には少なくとも1つの硬質皮膜層又は少なくとも1つのプライマー皮膜層及び少なくとも1つの硬質皮膜層)を有する基板から見て外方に向く側に被覆されるように意図されていれば、特に有利である。その表面トポグラフィの変化に続くそして少なくとも1つの媒体の除去に続く少なくとも1つの層の別の可能な被覆は依然として以下に詳細に説明される。しかし、予め、以下のことに留意すべきである:層厚Cを有する少なくとも1つの別の被膜が、層厚Mを有する少なくとも1つのマスキング手段と変更されなかった表面から最大距離Lを有する少なくとも1つの層の変更された表面との両方へ塗布されると、変更された表面の屈折力は、その表面トポグラフィが変更された少なくとも1つの層の屈折率とは独立にそして少なくとも1つの別の被膜の屈折率とは独立に、C>2(M-L)について観測され得ない。層厚Cを有する別の被膜が、層厚Mを有する少なくとも1つのマスキング手段と変更されなかった表面から最大距離Lを有する少なくとも1つの層の変更された表面との両方へ塗布されると、変更された表面の屈折力は、その表面トポグラフィが変更された少なくとも1つの層の屈折率に依存してそして少なくとも1つの別の被膜の屈折率に依存してC<2(M-L)について観測され得る。
少なくとも1つの層が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図されたマスキング手段の領域又は切り欠きはマスキング手段の任意の所望場所に位置し得る。マスキング手段の領域又は切り欠きはさらに任意の所望形状を有し得る。一例として、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きは円、楕円、線形、三角形、四辺形、五角形又は六角形であり得る。前述の領域又は切り欠きはさらに、それらのエリア全体にわたるそれぞれの切り欠きとして存在し得る、又はそれぞれの切り欠きはむしろ切り欠きの無い領域を有する。好適には、マスキング手段の領域又は切り欠きは少なくとも1つの円又は少なくとも1つの線である。マスキング手段の領域又は切り欠きはさらに任意の所望エリアを含み得る。一例として、領域又は切り欠きは0.03mm~60.8mmの範囲、好適には0.1mm~50.2mmの範囲、より好適には0.3mm~28.3mmの範囲、特に好適には0.5mm~12.6mmの範囲、そして特に好適には0.7mm~2.5mmの範囲のエリアを含み得る。
マスキング手段の領域又は切り欠きは同一形状及び/又は同一面積を有し得る。
代替的に、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きのうちの少なくとも2つは形状の観点で異なり得る。さらに、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きの少なくとも2つは同一形状を有し得るが面積の観点で異なり得る。また、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きのうちの少なくとも2つは同一面積を有し得るが形状の観点で異なり得る。さらに代替的に、マスキング手段の少なくとも2つの領域又は切り欠きは形状の観点で異なり、そして面積の観点で異なり得る。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に影響を与え得る前述の変動選択肢に加えて、その表面が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更され得る少なくとも1つの層の層厚も言及されるべきである。基板が少なくとも1つの層によりそのエリア全体にわたって覆われる場合、後者はエリア全体にわたり同じ層厚を有してもよいし又は異なる層厚を有してもよい。少なくとも1つの層の層厚が基板の表面全体にわたって規定されたやり方で変動すれば、少なくとも1つの層は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により適用される。少なくとも2つの異なる場所における少なくとも1つの層の異なる層厚は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化の異なる出発点を提示する。少なくとも1つの層自体の化学組成は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に影響を与え得る別のパラメータである。基板の少なくとも1つの表面上のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の化学組成は表面全体にわたって同一であっても又は異なってもよい。少なくとも1つの層が各場所に同一化学組成を有しなければ、これは好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層により完全に被覆されれば又は覆われれば、この少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化が、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化が存在するように意図されている少なくとも1つの場所だけにおいて又は少なくとも1つの領域内だけで少なくとも1つの媒体と接触させられる少なくとも1つの層のおかげで、上述のマスキングの代案として又は追加として生成され得る。少なくとも1つの媒体による少なくとも1つの層のこの標的接触は好適には、少なくとも1つの層の表面上へ少なくとも1つの媒体を塗布することにより実施される。好適には少なくとも1つの媒体は印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により塗布される。表面トポグラフィの変化は例えば、少なくとも1つの媒体の濃度及び/又は体積要素(インクジェット法により少なくとも1つの層の表面の同じ場所又は同じ領域へ互いの上に適用される)の数に依存して変化し得る。結果的に、表面の場所又は領域を選択することにより少なくとも1つの層の表面トポグラフィを標的やり方で変更することが可能である。加えて、好適にはインクジェット法により互いの上へ塗布される少なくとも1つの媒体の濃度及び/又は体積要素の数が表面トポグラフィの変化に標的やり方で影響を与え得る。少なくとも1つの層の表面の表面トポグラフィの局所的変化はさらに、同一であってよいし異なってもよい少なくとも1つの媒体の選択により影響を与えられ得る。少なくとも1つの媒体は好適には化学組成の観点で同一であるが、異なる濃度を有し得る。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層によりそのエリア全体にわたって覆われれば又は被覆されれば、この少なくとも1つの層の表面トポグラフィはそのエリア全体にわたって変更され得る。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)をそれらのエリア全体にわたり含めば、少なくとも1つの眼側層の表面トポグラフィのこの変化は少なくとも1つの対象物側層の表面トポグラフィの変化と同じであってもよいし又は異なってもよい。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)をそれらのエリア全体にわたり含めば、表面トポグラフィのそれぞれの変化は好適には異なる。この場合、表面の少なくとも1つのエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィはエリア全体にわたる表面トポグラフィの変化(それぞれの対向面のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層のエリア全体にわたる表面トポグラフィの変化と異なる)を経験し得る。代替的に、表面の少なくとも1つのエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィは、エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化を経験し得、そして対向面のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない又は少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化に関する上記説明を参照されたい。基板の前面及び後面の両方がいずれの場合も、それらのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、表面のうちの1つの表面上に存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験し得、それぞれの対向面に存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない。
基板の表面の少なくとも1つがそのエリア全体にわたり少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、少なくとも1つの層の表面トポグラフィのこの変化は、当初、エリア全体にわたって引き起こされ得、そしてその後、エリア全体にわたって変更されたこの表面はさらに、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。代替的に、エリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層はまた逆に、当初、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化を経験し、そしてその後、エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化を経験し得る。エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化及び表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の両方は、すべての前述の実施形態では少なくとも一回実施され得る。基板の両方の表面がそれぞれ、それらのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、同じ少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、局所的に少なくとも一回そしてエリア全体にわたって少なくとも一回実施され得、少なくとも1つの対向層は、表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない、又は表面トポグラフィの同一変化、又は異なる変化を経験し得る。後者のケースでは、表面トポグラフィの変化が無いこと又は異なる変化が好ましい。
そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、十分な数の領域又は切り欠きを有することにより及び/又は領域又は切り欠きの好適な空間的配置により少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化を容易にする少なくとも1つのマスキング手段により実現され得る。そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)の少なくとも1つの表面トポグラフィのこの変化はまた、この変化がフィック(Fick)の第1及び第2法則が考慮されるべき拡散過程であるので少なくとも1つのマスキング手段を使用することにより可能であるという仮定がなされる。拡散過程の仮定下で、少なくとも1つのマスキング手段により覆われる少なくとも1つの層の表面の領域ですら、結果的に、それらの表面トポグラフィを少なくとも部分的に変更する。そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)の表面トポグラフィを変更する目的のために、少なくとも1つのマスキング手段が好適には、拡散過程が考慮される場合に所定表面トポグラフィが実現され得るように設計される。
そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、この場合、その少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその変化前に少なくとも1つの層の表面との少なくとも1つの共通交点を含む表面の少なくとも2つの隣接する正方向に変更された部分を含む。少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、上に既に説明されたように、任意の所望形状及び/又は任意の所望エリアを含み得る。少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、取得される少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更されるように意図されている)の表面トポグラフィに依存して好適に生成される。少なくとも1つの媒体と接触するという範囲内で、少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図された少なくとも1つの層の少なくとも領域及びマスキング手段自体の両方を少なくとも1つの媒体と接触させるために使用され得る。代替的に、少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図された少なくとも1つの層の領域だけを前記少なくとも1つの媒体と接触させるために使用され得る。後者の場合、少なくとも1つのマスキング手段の少なくとも2つの領域又は切り欠きは、その表面トポグラフィを変更するように意図されているこれら少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域を少なくとも1つの同一媒体又は異なる媒体と接触させるために使用され得る。この場合、少なくとも1つの同一媒体は、化学組成に関して同一であり得るが、例えばこれら少なくとも2つの領域(例えば異なる濃度及び/又は異なる量の)と接触させられ得る。一例として、異なる媒体に接触することで又は化学組成の観点で同一であるが濃度及び/又は量の観点で異なる媒体に接触することで、形状及び面積の観点で同一である少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域に表面トポグラフィの異なる変化を経験させ得る。結果として表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の領域の標的接触は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施され、これによりそれぞれの所望の媒体がそれぞれの所望の位置へ塗布される。表面の少なくとも1つがそのエリア全体にわたり少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)により覆われれば、少なくとも1つの好適な形状の領域又は切り欠きであって少なくとも1つの好適なエリアを有する領域又は切り欠きを含む少なくとも1つのマスキング手段によるこの変化もまた、少なくとも1つの媒体の少なくとも1つの変化により引き起こされ得る。結果的に、複数の表面トポグラフィは、ここから発生する無数の変動選択肢からアクセス可能にされる。前述の変動選択肢に加えて、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、基板の同じ表面上に、そのエリア全体にわたり、そして異なる層厚でもって存在し得るということも述べられるべきである。したがって、異なる層厚は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの正の変化のための異なる開始点を提示する。少なくとも1つの層の異なる層厚は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つのマスキング手段は上述のマスキング手段のうちの少なくとも1つを含み得る。好適には、少なくとも1つのマスキング手段は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィという観点で変更され得る少なくとも1つの層と同一であっても又は異なってもよい少なくとも1つの被膜を含む。少なくとも1つの層と同一である又は異なる少なくとも1つの被膜に関する上記説明を参照されたい。
基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィの上述の全エリア変化(少なくとも1つのマスキング手段により引き起こされる)の代わりとして又はその追加として、そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、その全エリア又は少なくとも一部にわたって少なくとも1つの媒体と接触することにより引き起こされ得る。この場合、表面トポグラフィの全エリア変化はまた、前記少なくとも2つの領域の表面トポグラフィのそれぞれの正の変化に続いて少なくとも1つの層の変更されなかった表面との少なくとも1つの共通交点を含むことができる少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域を含む。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、この場合、その表面全体にわたって、化学組成に関して例えば同一である単一媒体と接触させられ得る。この場合、この単一媒体は、少なくとも1つの層の同一層厚の場合にその表面トポグラフィの同一変化が好適に観測され得るように、表面上のあらゆる場所において同一濃度でもってそして同一量で存在し得る。代替的に、少なくとも1つの層の表面は、あらゆる場所において同一濃度でもってそして同一量で単一媒体と接触させられない可能性がある。それにもかかわらず、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化は、この単一媒体と接触させられる選択場所間の距離がフィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程を考慮すれば後者のケースですら実現可能である。少なくとも1つの層の表面トポグラフィを設計するための別の変動選択肢は、同じ少なくとも1つの層の異なる層厚及び/又は異なる化学組成により提示される。同じ少なくとも1つの層の異なる層厚及び/又は異なる層厚は好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は、取得される表面トポグラフィに依存して、単一媒体(好適には化学組成の観点で同一である)が異なる濃度及び/又は異なる量の標的やり方でこの表面と接触させられることのおかげで、そのエリア全体にわたってさらに変更され得る。この場合、この標的接触はエリア全体又はその一部にわたって実施され得る。部分的標的接触の場合、フィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程は好適には、表面トポグラフィの全エリア変化が保証されるように考慮される。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の層厚は各場所において同じであってもよいし又は変化してもよい。この少なくとも1つの層の層厚が変化すれば、表面トポグラフィの正の変化の開始点はこの層の各場所において異なる。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は、取得される表面トポグラフィに依存して、それらの化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体が標的やり方でこの表面と接触させられるおかげで、そのエリア全体にわたってさらに変更され得る。さらに、それらの化学組成の観点で異なるこれらの少なくとも2つの媒体は標的やり方でそれぞれ変更される(いずれの場合も異なる濃度及び/又は異なる量で)ために表面と接触させられ得る。それらの化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体を使用する際、これら2つの媒体がエリア全体にわたる標的やり方又はその一部分にわたる標的やり方でそれぞれ変更される表面と接触させられることも可能である。部分的標的接触の場合、化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体が、表面トポグラフィの全エリア変化が保証されるように使用されても、フィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程が好適に考慮される。加えて、少なくとも1つの層の層厚は表面全体にわたるすべての場所で同じであっても又は異なってもよいということに注意すべきである。少なくとも1つの層の異なる層厚は、異なる開始点を結果的に提示し得、そして表面トポグラフィの標的正変化の目的のために考慮されるべき別のパラメータを表し得る。
少なくとも1つの媒体とエリア全体にわたり存在する少なくとも1つの層との標的接触はまた、その化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体であって同一及び/又は異なる位置において少なくとも1つの層の表面と逐次的に接触させられる2つの媒体を含み得る。代替的に、化学組成の観点で同一な媒体は、同一及び/又は異なる位置において少なくとも1つの層の表面と逐次的に接触させられ得る。媒体のそれぞれの濃度及び/又はそれぞれの量は、今述べた化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体の逐次的接触の場合及び単一媒体の逐次的接触の場合の両方の場合に変化し得る。
レンズブランク又は半完成レンズブランクの従来の機械的処理にアクセス可能でない表面トポグラフィがアクセス可能にされるということは無数の変動可能性から明確である。さらに、少なくとも1つの媒体中の濃度勾配により少なくとも1つの層の表面トポグラフィの独立した(好適に独立した)連続的又は漸進的変化を生成することが可能である。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの独立した(好適に独立した)連続的又は漸進的変化もまた、互いの上へ塗布される体積要素の数の勾配により(好適にはインクジェット法により)少なくとも1つの層の表面へ生成され得る。2つの前述の傾きの組み合わせも可能である。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化はまた代替的に、この層の表面トポグラフィの全エリア変化が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として実現されるようにこの少なくとも1つの層が基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上に部分的に(しかし好適な横方向間隔でもって)適用されるおかげで取得され得る。この場合、表面トポグラフィの全エリア変化は、前記少なくとも2つの領域の表面トポグラフィのそれぞれの正の変化に続いて基板の表面との1つの共通交点を含むことができる少なくとも2つの領域を含む。少なくとも1つの層は、基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上の一部にそして同じ又は異なる層厚で存在し得る。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更することができる少なくとも1つの層は、各塗布場所において同一化学組成を有し得る異なる化学組成を有し得る。少なくとも1つの層の部分的塗布は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。少なくとも1つの媒体に対する無数の変動選択肢に関して上記説明を参照されたい。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポグラフィを変更し得る)を少なくとも部分的に含めば、表面トポグラフィのこの変化は、エリア全体にわたり及び/又は局所的に実現され得る。表面の1つは、例えばエリア全体にわたって存在しないとしても少なくとも1つの層を部分的に含む。少なくとも1つの層は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により基板の表面のうちの少なくとも1つへ塗布される。この少なくとも1つの部分的に塗布される層の表面トポグラフィの全エリア又は局所的変化は上述のように実現され得る。
少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面は少なくとも1つの媒体と、好適には20分~40時間の期間、さらに好適には25分~30時間の期間、より好適には30分~20時間の期間、特に好適には35分~15時間の期間及び特に好適には40分~10時間の期間接触させられる。接触は室温で(すなわち22℃±2℃の温度)又は高温で実施され得る。この場合、高温は、好適には25℃~80℃の範囲、より好適には25℃~60℃の範囲、より好適には27℃~55℃の範囲、特に好適には30℃~50℃の範囲及び特に好適には35℃~45℃の範囲の温度を含む。さらに、接触は280nm~1200nmの範囲の波長におけるキセノン照射下で実施され得る。任意選択的に、その表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層はキセノン照射下の接触中に脱イオン水によりリンスされ得る。少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させるための前述の条件は任意の所望やり方で組み合わせられ得る。少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面に上述のように少なくとも1つの媒体との標的接触のためのマスキング手段が備えられれば、このマスキング手段は、少なくとも1つの層及び少なくとも1つの媒体を含む眼鏡レンズが高温及び/又はキセノン照射に晒される前に除去され得る。
先に説明したように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、フィック(Fick)の第1及び第2法則が好適に考慮される拡散過程であるので、表面トポグラフィの変化は少なくとも1つの層の表面の領域又は場所(少なくとも1つの媒体と接触させられる)へ限定されない。
少なくとも1つの媒体との少なくとも1つの層の表面の標的接触が参照されれば、これは「少なくとも1つの層の表面が、予め規定された場所においてだけ又は予め規定された領域内においてだけ少なくとも1つの媒体と接触させられる」ということを意味するものと理解される。予め規定された場所又は予め規定された領域は好適には、取得される少なくとも1つの層の表面の所望の正の変化により判断される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面トポグラフィの局所的変化はまた好適には、長波長面セグメントに隣接する短波長面セグメントとして理解され得る。短波長面セグメントは好適には、少なくとも1つの層の隣接長波長面の最小周期性より短い周期性を有する表面セグメントである。これは、少なくとも1つの層による基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリア及び部分的カバレッジに好適に当てはまる。
例えば少なくとも1つのマスキング手段、少なくとも1つの媒体、少なくとも1つの層の層厚、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る表面トポグラフィ、少なくとも1つの層の化学組成、接触の期間、接触の温度、及び/又は接触中の可能な照射に関する前述の無数の変動選択肢から、「複数の考え得る表面トポグラフィは、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体により変更されるように意図された少なくとも1つの層に少なくとも接触することによりアクセス可能にされる」ということは明白である。特に、これはまた、従来の機械的処理方法(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)によりアクセス可能でない表面トポグラフィをアクセス可能にする。これらの表面トポグラフィは好適には眼鏡装着者の眼の個別ベースで製造されるべきである。
その表面トポグラフィが変更されるように意図された基板及びしたがって少なくとも1つの層は任意の所望表面トポグラフィを有し得る(例えば、球面、非球面、円環、又は自由形式トポグラフィを有し得る)。その表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層の表面トポグラフィを少なくとも1つの媒体と接触させることにより、少なくとも1つの層の単純表面トポグラフィ(例えば球面トポグラフィ)を自由形式表面トポグラフィへ変換することが結果的に可能である。その結果、基板の表面トポグラフィは、少なくとも1つの媒体との接触に続く少なくとも1つの層の表面トポグラフィに対応しない。
別の実施形態では、使用される基板に関連して上に説明された少なくとも1つの薄肉ガラスは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含み得る。この少なくとも1つの薄肉ガラスは例えば、接着手段により上述の基板の1つの表面の少なくとも1つへ固着され得る、又は着脱可能接続(「クリップ接続すなわちクリップ留め(clip-on)接続」)により完成レンズへ接続され得る。この着脱可能接続は、例えば、変更された表面トポグラフィが実証目的のために提示されるべきであれば又は変更された表面トポグラフィが完成レンズと交互に装着されるべきであれば、興味対象であり得る。
好適には、より単純な表面幾何学的形状を有する基板の表面は、その表面が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更され得る少なくとも1つの層を含む。一例として、基板の表面の1つが球面又は平坦面幾何学的形状を有し、対向面が自由形式表面幾何学的形状を有すれば、球面又は平坦表幾何学的形状を有する表面はこの場合、好適には、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層を含むだろう。
少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポロジーを変更し得る少なくとも1つの層は好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられることに先立って被覆される表面上に完全に在り、したがって、この少なくとも1つの層のさらなる塗布が提供されないことが好ましい。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は硬化されることが好ましく、したがって1つの表面も乾燥されないことが好ましい。
少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポロジーを変更し得る少なくとも1つの層は好適には、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9)によるフォトクロミック層による、又は欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1)による層、又は欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書の請求項10)による層、又は国際公開第03/058300A1号パンフレットの10頁、23行~21頁、18行によるフォトクロミック層を含む。
欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書は、ポリウレタン樹脂に基づくプライマー層の上に適用されるべきフォトクロミック層を開示する。フォトクロミック層は、20重量%~90重量%のラジカル重合可能単量体、シラノール基又は加水分解によるシラノール基を形成する基を含む0.5重量%~20重量%のラジカル重合可能単量体、0.01重量%~15重量%のアミン化合物、及び0.1重量%~30重量%のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成に基づき、ここで%重量仕様はいずれの場合も組成の全重量に対するものである。フォトクロミック層が欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書において開示されたプライマー層へ塗布されれば、フォトクロミック層はアミン化合物を必ずしも含む必要は無い。ラジカル重合可能単量体は好適には、単重合(homopolymerized)硬化物内の60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「高硬質単量体」)と単重合硬化物内の40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「低硬質単量体」)との混合物である。欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9は、100重量部のラジカル重合可能単量体、0.001~5重量部のシリコーンベース又はフッ素ベース界面活性剤、及び0.01~20重量部のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成を請求する。
欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書は、60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「高硬質単量体」)、40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体「(低硬質単量体」)、及びフォトクロミック化合物の組み合わせを含む硬化可能組成を開示する。さらに、硬化可能組成はまた、40以上60未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「中間硬質単量体」)を含み得る。対応単量体は欧州特許出願公開第1,433,8141号明細書の段落[0049]-[0097]においてより詳細に規定される。この硬化可能組成から取得される被膜の耐溶剤性、硬度、熱抵抗、発色強度及び退色速度などの特徴的性質のバランスを改善するために、40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体の量は好適には5~70重量%であり、そして60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体の量は好適には5~95重量%である(いずれの場合も、以下に規定されるラジカル重合可能単量体を除いたすべてのラジカル重合可能単量体(シラノール基を含む、加水分解によりシラノール基を形成する、又はイソシアネート基を含む)の全重量に基づく)。この硬化可能組成から取得される被膜と眼鏡レンズ基板又は硬質皮膜との間の付着性を改善するために、耐摩擦性を改善するために、そしてフォトクロミック特性を改善するために、硬化可能組成はさらに、ラジカル重合可能単量体の前述の組み合わせに加えて、シラノール基を含む又は加水分解によりシラノール基を形成するラジカル重合可能単量体又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体を含む。欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書によると、シラノール基を含む又は加水分解によりシラノール基を形成するラジカル重合可能単量体又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体の量は好適には、すべてのラジカル重合可能単量体の全重量に対して0.5重量%~20重量%である。硬化可能組成はさらに、ラジカル重合可能単量体の全重量に対して0.01~20重量部の量のアミンを含み得る。
欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1は、100重量部のラジカル重合可能単量体、0.01~20重量部のアミン化合物、及び0.1~20重量部のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成を請求する。ここでのラジカル重合可能単量体は、シラノール基を含むラジカル重合可能単量体、又は加水分解によりシラノール基を形成する基を含むラジカル重合可能単量体、及び/又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体を含む。
欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書の請求項10は、(A)ラジカル重合可能単量体、(B)フォトクロミック化合物、及び(C)光重合開始剤成分を含む光重合可能且つ硬化可能組成を請求し、ここでは、前記フォトクロミック化合物(B)は0.2~20重量%の量で含まれ、その中に含まれる光重合開始剤成分(C)は、ラジカル重合可能単量体(A)の100重量部当たり0.01~10重量部の量の燐含有重合開始剤と0.01~10重量部の量の燐含有重合開始剤以外の光重合開始剤とを含む。欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書によると、1~100μmの厚さを有する高分子膜が基板上に形成される。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基又はスチレン基などのラジカル重合可能基を含み得るラジカル重合可能単量体(A)は、欧州特許出願公開第1,561,5711号明細書の段落[0035]-[0111]においてより詳細に説明される。欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書によると、ラジカル重合可能高分子は好適には、その単独重合体が60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有する5~95重量%の硬質単量体(「高硬質単量体」)と、その単独重合体が40以下のLスケール・ロックウェル硬度を有する5~70重量%の硬質単量体(「低高度単量体」)とを含む。
特に好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9)によるフォトクロミック層又は欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1)による層を含む。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、さらに特に好適には、いずれの場合も着色剤を含まない上述のフォトクロミック層による組成を含む。
少なくとも1つのプライマー層が、基板と、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層との間に(好適には基板対向側の少なくとも1つの反応性層の直近に)存在し得る。使用される少なくとも1つのプライマー層は、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1)に開示されるポリウレタン樹脂層、又は国際公開第03/058300A1号パンフレット(特に国際公開第03/058300A1号パンフレット、22頁、3行~23頁、13行)に開示されるプライマー層であり得る。使用される少なくとも1つのプライマー層は好適には欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1)に開示されるポリウレタン樹脂層である。欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1は、層順序における基板の少なくとも1つの表面上のポリウレタン樹脂層を含む製品を請求する。このポリウレタン樹脂層は湿気硬化性ポリウレタン樹脂及び/又はその前駆体の硬化物を含む。
基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリアカバレッジ及び部分的カバレッジの両方の場合、接触の結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、エリア全体又は部分的カバレッジ全体にわたり同一であっても又は異なってもよい。同一カバレッジの場合、基板の表面の少なくとも1つは、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層によりそのエリア全体又はその一部にわたって覆われる。基板の前面及び後面の両方はそれぞれ、エリア全体又はその一部にわたって、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層を含み得る。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層を部分的に含めば、少なくとも1つの層が少なくとも部分的に存在するそれぞれの少なくとも1つの場所及び/又はそれぞれの少なくとも1つの領域は、前面上及び後面上で同じであってもよいし又は異なってもよい。好適には、少なくとも1つの層が少なくとも部分的に存在するそれぞれの少なくとも1つの場所及び/又はそれぞれの少なくとも1つの領域は前面と後面との間で異なる。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層はまた、基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリアカバレッジ又は部分的カバレッジ全体にわたって化学組成に関して異なり得る。この場合、「異なる」は好適には、少なくとも1つの層の化学組成が基板の同じ表面上の異なる場所で及び/又は異なる領域内で同一ではなく異なるということを意味する。これは、基板の同じ表面の部分的カバレッジ及び全エリアカバレッジの両方に当てはまる。基板の前面及び後面の両方が化学組成に関して少なくとも1つの異なる層を含めば、前面上のこの異なる層は、後面上の少なくとも1つの異なる層と同一であっても又は異なってもよい。表面のうちの1つの表面の全エリアカバレッジ及び部分的カバレッジの両方の場合、異なる層はそれぞれの対向面とは異なる。
この場合互いに同一であっても又は異なってもよい少なくとも1つの層を有する表面のうちの少なくとも1つの表面の化学組成及びまた部分的カバレッジに関して異なる層が好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、好適には0.5μm~200μmの範囲、より好適には1μm~166μmの範囲、より好適には1.5μm~121μmの範囲、特に好適には1.8μm~87μmの範囲、最も好適には2.0μm~60μmの範囲の平均厚を有する。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の層厚は基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の基板の全エリアカバレッジ又は部分的カバレッジ全体にわたって同じであっても又は異なってもよい。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の部分的カバレッジは、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。エリア全体又はその一部にわたって異なる層厚を有する少なくとも1つの層を有する基板の同じ少なくとも1つの表面のカバレッジは同様に、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。基板の前面及び後面の両方が、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層を含めば、表面のうちの1つの表面の少なくとも1つの層の層厚はそれぞれの対向層上の少なくとも1つの層の層厚と同じであっても又は異なってもよい。これは、両面の全エリアカバレッジ及び両面の部分的カバレッジだけでなく、一方の面の全エリアカバレッジ及びそれぞれの対向面の部分的カバレッジ(いずれの場合も少なくとも1つの層を有する)にも当てはまる。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィが接触の結果として変更され得る少なくとも1つの媒体は、好適には少なくとも1つの有機酸、特に好適には飽和又は不飽和液状有機脂肪族、任意選択的には置換モノカルボン酸を含む。少なくとも1つの媒体は特に好適には、2~22の炭素原子を有する(好適には3~18の炭素原子を有する)少なくとも1つの液状有機脂肪族飽和又は不飽和酸モノカルボン酸を含む。一例として、少なくとも1つの媒体は、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、乳酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アルファ・リノレン酸、ガンマ・リノレン酸、オレイン酸、リシノール酸、ステアリドン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる群からの少なくとも1つの有機酸を含み得る。少なくとも1つの媒体は、好適には酢酸、乳酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、リノール酸、アルファ・リノレン酸、ガンマ・リノレン酸及びオレイン酸からなる群からの少なくとも1つの有機酸を含む。特に好適には、少なくとも1つの媒体は、乳酸、カプリル酸及びオレイン酸を含む群から選択される少なくとも1つの有機酸を含む。代替的に、少なくとも1つの媒体は少なくとも1つのトリカルボン酸(例えばクエン酸)又は無機酸(例えば塩酸)を含み得る。前述の媒体は、それ自体で又は組み合わせて使用され得る。前述の媒体が印刷方法により、特にインクジェット法により塗布されるように意図されていれば、これらは好適な粘度を設定する目的のために修正され得る。前述の媒体は商業的取得可能品質(例えば技術的品質)で又は希薄形式で使用され得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体へ接触させた後、そして少なくとも1つの媒体を除去した後、その表面トポグラフィが少なくとも1つの別の層により被覆され得る少なくとも1つの層。この少なくとも1つの別の層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と、上に与えられた定義の意味の範囲内で、同一であっても又は異なってもよい。少なくとも1つの別の同一層は次に、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る。少なくとも1つの別の同一層の表面トポグラフィを変更する際、少なくとも1つの層の既に変更された表面の表面トポグラフィのさらなる変化もあり得る。少なくとも1つの別の被膜及び/又は少なくとも1つの層が標的やり方で少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。この標的接触中、少なくとも1つの媒体は、その化学組成に関して同一であっても又は異なってもよい(異なる濃度でそれぞれ存在し得る及び/又は異なる量でそれぞれ存在し得る)。標的接触は、好適には印刷方法により、好適にはインクジェット法により実現される。少なくとも1つの別の同一層及び少なくとも1つの層の両方が同じ少なくとも1つの媒体と接触させられれば、これは、全エリア接触により実現され得る(例えば少なくとも1つの同一媒体内の配置により、又は少なくとも1つの同一媒体により被覆することにより)。上に既に説明されたように、少なくとも1つの別の同一層はまた、少なくとも1つの媒体と少なくとも1つの層との最初の接触前に既に存在し得る(例えば少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層上のマスキング手段として)。本出願の範囲内で説明される変形形態のすべての変形形態における少なくとも1つの別の同一層による上述の別の被膜及び少なくとも1つの媒体との接触は2回以上実施され得る。
少なくとも1つの別の同一層は同様に、少なくとも1つの別の同一層と異なる少なくとも1つの層であって少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を伴う。この少なくとも1つの別の異なる層は好適には、少なくとも1つのプライマー皮膜層、少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層(反射防止層の一部であり得る)、少なくとも1つの着色剤層、少なくとも1つの防曇層、及び/又は少なくとも1つの透明皮膜層を含む。その平均厚、その表面粗度、そのガラス成分、その曲率半径、及び基板に関連するその表面トポグラフィの観点で詳細に説明された薄肉ガラスは別の異なる層にも好適である。そこで説明された接着手段により、少なくとも1つの薄肉ガラスは、その表面トポグラフィの変化に続いて少なくとも1つの層へ固着される。基板の表面のうちの1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含めば、それぞれの対向面は前述の層の少なくとも1つを含み得る。
少なくとも1つの別の異なる層が少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層を含めば、以下のものを含む被覆組成が好適には活用される。
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、
iii)少なくとも1つの基、及び、
iv)任意選択的に少なくとも1つの添加剤。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体の比率は、いずれの場合も被覆組成の全重量に基づき、好適には2重量%~31重量%の範囲、さらに好適には4重量%~26重量%の範囲、さらに好適には5重量%~21重量%の範囲、より好適には6重量%~20重量%の範囲、最も好適には7重量%~19重量%の範囲の全比率を有する。ここでの全比率は、上に挙げた分散体のうちのただ1つの分散体の比率及び上に挙げた分散体の混合物の比率の両方を含む。
好適には、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は、水溶性ポリウレタン分散体を含み、ここで、ポリウレタンは好適にはスペーサとしてポリエステルユニットを含む。優先的使用のための水溶性ポリウレタン分散体は国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行)に開示されている。国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行によると、水溶性ポリウレタン分散体は通常はポリウレタン・ポリユリアである(すなわち巨大分子鎖内のウレタン基及び尿素基の両方の発生により特徴付けられる高分子)。水溶性ポリウレタン分散体は、例えば国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、33~35行)に開示されるようにアニオン安定化アクリル乳剤により安定化され得る。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの溶剤の比率は、いずれの場合も被覆組成の全重量に基づき、好適には69重量%~98重量%の範囲内、さらに好適には73重量%~96重量%の範囲内、より好適には76重量%~94重量%の範囲内、最も好適には79重量%~93重量%の範囲内である。前述の比率は様々な溶剤の混合物の使用及び単一溶剤の使用へ適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は好適には、標準圧力において100℃未満の低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤及び標準圧力において100℃~150℃の範囲の中程度の沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含む。使用され得る低沸点を有する有機溶剤の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブタノール、アセトン、ジエチルエーテル、tert-ブチル・メチル・エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン・ジクロロメタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、n-ヘキサン、n-ヘプタン及び/又はメチルエチルケトンを含む。低沸点を有する好ましい有機溶剤はメタノール、エタノール、1-プロパノール及び/又は2-プロパノールである。
使用され得る中程度沸点を有する有機溶剤の例は、1-メトキシ-2-プロパノール、1-ブタノール、ジブチル・エーテル、1,4-ジオキサン、3-メチル-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソブチルケトン及び/又はトルエンを含む。中程度沸点を有する好ましい溶剤は1-メトキシ-2-プロパノール及び/又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンである。
低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤との重量比は、好適には1:1、さらに好適には1:1.4、より好適には1:1.5そして最も好適には1:1.7である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は追加的に、溶剤として水と、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と、中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤とを含み得る。この場合、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と水との重量比は、好適には2:7:1、さらに好適には2.5:6.5:1、さらに好適には3:6:1、より好適には3:5:1、そして最も好適には3:6:1である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、pH緩衝効果を少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層へ好適に与えしたがって基板により近い層とのpH酸性成分の接触を減速する(好適には防止する)少なくとも1つの基を含む。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.1重量%~3.2重量%の範囲、さらに好適には0.2重量%~2.8重量%の範囲、さらに好適には0.3重量%~2.4重量%の範囲、より好適には0.4重量%~1.9重量%の範囲、最も好適には0.5重量%~1.6重量%の範囲の比率(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)の少なくとも1つの基を含む。前述の比率は、単一型の基の使用の場合又は様々な基の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は例えば、基として、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、4-ヒドロキシメチルイミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ペンタゾール、ピロール、ピロリジン、ピリジン、4-アミノピリジン、4-メチルピリジン、4-メトキシピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、ピペリジン、ピペラジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、水酸化ナトリウム溶液、及び/又は水酸化カリウム溶液を含み得る。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層は好適には、2-メチルイミダゾール、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、トリエチルアミン又は水酸化ナトリウム溶液からなる基から選択された少なくとも1つの基(より好適には2-メチルイミダゾール、1-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール及び水酸化ナトリウム溶液からなる群から選択された少なくとも1つの基)を含む。最も好適には、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、0.1重量%~2重量%の範囲、好適には0.3重量%~1.5重量%の範囲の比率(いずれの場合も少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成の全重量に基づく)の2-メチルイミダゾール及び1-メチルイミダゾールからなる基から選択された少なくとも1つの基を含む。前述の比率は、2-メチルイミダゾール及び1-メチルイミダゾールを含む混合物の比率へ又は2-メチルイミダゾール又は1-メチルイミダゾールの比率へのいずれへも適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は任意選択的に、少なくとも1つの添加剤を含み得る。ここでの少なくとも1つの添加剤は、分散剤、沈降防止剤、湿潤剤(クレータ防止添加剤又は平滑化添加剤、殺生物剤、及び/又はUV吸収剤を含む)であり得る。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.01重量%~1.7重量%の範囲の比率で、さらに好適には0.07重量%~1.4重量%の範囲の比率で、より好適には0.09重量%~1.1重量%の範囲の比率で、最も好適には0.1重量%~0.7重量%の範囲の比率で任意選択的に存在する少なくとも1つの添加剤を含む(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は、1つのタイプの添加剤の使用又は様々な添加剤の混合物の使用のいずれへも適用可能である。
上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造に使用される被覆組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの別の異なる層が少なくとも1つのプライマー皮膜層を含めば、その製造は、以下のものを含む被覆組成を使用することが好ましい:
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、及び
iii)任意選択的に少なくとも1つの添加剤。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成の、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリエステル分散体の比率は、好適には2重量%~38重量%の範囲、さらに好適には4重量%~34重量%の範囲、さらに好適には5重量%~28重量%の範囲、より好適には6重量%~25重量%の範囲、最も好適には7重量%~21重量%の範囲の全比率を有する(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。ここでの全比率は上に挙げた分散体のただ1つの分散体の比率及び上に挙げた分散体の混合物の比率の両方を含む。
好適には、少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は水溶性ポリウレタン分散体を含み、ここでは、ポリウレタンはスペーサとしてポリエステルユニットを含むことが好ましい。優先的使用のための水溶性ポリウレタン分散体は国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行)に開示されている。水溶性ポリウレタン分散体は、例えば国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、33~35行)に開示されるようにアニオン安定化アクリル乳剤により安定化され得る。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの溶剤の比率は、好適には69重量%~98重量%の範囲内、さらに好適には68重量%~99重量%の範囲内、より好適には81重量%~97重量%の範囲内、最も好適には89重量%~93重量%の範囲内である(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は様々な溶剤の混合物の使用及び単一溶剤の使用の両方へ適用可能である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は好適には、標準圧力において100℃未満の低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤及び標準圧力において100℃~150℃の範囲の中程度の沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含む。使用され得る低沸点を有する有機溶剤の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブタノール、アセトン、ジエチルエーテル、tert-ブチル・メチル・エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン・ジクロロメタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、n-ヘキサン、n-ヘプタン及び/又はメチルエチルケトンを含む。低沸点を有する好ましい有機溶剤はメタノール、エタノール、1-プロパノール及び/又は2-プロパノールである。
使用され得る中程度沸点を有する有機溶剤の例は、1-メトキシ-2-プロパノール、1-ブタノール、ジブチル・エーテル、1,4-ジオキサン、3-メチル-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソブチルケトン及び/又はトルエンを含む。中程度沸点を有する好ましい溶剤は1-メトキシ-2-プロパノール及び/又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンである。
中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤に対する低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤の重量比は、好適には1:1、さらに好適には1:1.4、より好適には1:1.5、そして最も好適には1:1.7である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は追加的に、溶剤として水と、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と、中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含み得る。この場合、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と水との重量比は、好適には2:7:1、さらに好適には2.5:6.5:1、さらに好適には3:6:1、より好適には3:5:1そして最も好適には3:6:1である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のための被覆組成は任意選択的に、少なくとも1つの添加剤を含み得る。ここでの少なくとも1つの添加剤は、分散剤、沈降防止剤、湿潤剤(クレータ防止添加剤又は平滑化添加剤、殺生物剤、及び/又はUV吸収剤、及び/又はこれらの混合物を含む)であり得る。少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.01重量%~1.7重量%の範囲の比率で、さらに好適には0.07重量%~1.4重量%の範囲の比率で、より好適には0.09重量%~1.1重量%の範囲の比率で、最も好適には0.1重量%~0.7重量%の範囲の比率で任意選択的に存在する少なくとも1つの添加剤を含む(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は、1つのタイプの添加剤の使用又は様々な添加剤の混合物の使用のいずれへも適用可能である。
上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造に使用される被覆組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの別の違いが2つの上述のプライマー皮膜層のうちの1つに加えて又はその代替として少なくとも1つの硬質皮膜層を含めば、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書(特に、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1)に記載の組成がその製造に使用される。より好適には、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための組成は以下のものを含む:
a)化学式R1R23-nSi(OR3)nの少なくとも1つのシラン誘導体、ここで、R1は非置換又は置換アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルキレンアシル基、アリール基又はアルキレンアリール基であり、R2はエポキシ基を含む有機ラジカルであり、R3は非置換又は置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルキレンアリール基であり、n=2又は3、及び/又は化学式R1R23-nSi(OR3)nのシラン誘導体の加水分解物及び/又は縮合生成物である、
b)少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物、
c)少なくとも2つのエポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ化合物、及び
d)少なくとも1つのルイス酸及び少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物を含む少なくとも1つの触媒系。
少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、化学式R1R23-nSi(OR3)nの少なくとも1つのシラン誘導体及び/又は加水分解物及び/又はその縮合生成物を好適には9重量%~81重量%の範囲、さらに好適には13重量%~76重量%の範囲、より好適には19重量%~71重量%の範囲、最も好適には23重量%~66重量%の範囲の比率で含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、化学式R1R23-nSi(OR3)nの1つのタイプのシラン誘導体及び/又はその加水分解物及び/又はその縮合生成物の使用に基づく又は化学式R1R23-nSi(OR3)nの様々なシラン誘導体の混合物及び/又はそれぞれのその加水分解物及び/又はそれぞれのその縮合生成物の使用に基づくかのいずれかである。使用されるシラン誘導体は、例えば3-グリシドキシ-メチル-トリヒメトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリヒドロキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメチル-ヒドロキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメチル-エトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-メチル-ジエトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリヒメトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリエトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメトキシメチル-シラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジエトキシメチル-シラン及び/又は2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-トリヒメトキシシランであり得る。使用されるシラン誘導体は好適には3-グリシドキシ-プロピル-トリヒメトキシシラン及び/又は3-グリシドキシ-プロピル-トリエトキシシランである。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には3重量%~60重量%の範囲、さらに好適には6重量%~58重量%の範囲、より好適には9重量%~57重量%の範囲、最も好適には13重量%~55重量%の範囲の比率で少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、単一型のコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物の使用の場合又は様々なコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。無機酸化物、水酸化物、含水酸化物は例えば、チタンの又はこれを含む(好適にはTiO)、珪素の若しくはこれを含む(好適にはSiO)、ジルコニウムの若しくはこれを含む(好適にはZrO)、錫の若しくはこれを含む(好適にはSnO)、アンチモンの若しくはこれを含む(好適にはSb)、アルミニウムの若しくはこれを含む(好適にはAl又はAlO(OH))金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物、及び/又は混合酸化物及び/又はそれらの混合物であり得る。使用される無機酸化物、水酸化物、含水酸化物は好適には、チタンの若しくはこれを含む、珪素の若しくはこれを含む、ジルコニウムの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物、含水金属酸化物、及び/又はそれらの混合物である。使用される無機酸化物、水酸化物、含水酸化物はより好適には珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物、含水金属酸化物である(最も好適にはSiO)。さらに好適には、無機酸化物、水酸化物、含水酸化物はコアシェル構造を有する。この場合、コアは好適には、チタンの若しくはこれを含む(好適にはTiO)又はジルコニウムの若しくはこれを含む(好適にはZrO)金属酸化物、金属水酸化物、及び/又は含水金属酸化物を含み、シェルは好適には、珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物を含む。無機フッ化物は例えばフッ化マグネシウムであり得る。少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物は、いずれの場合も、好適には3nm~70nmの範囲、さらに好適には6nm~64nmの範囲、より好適には8nm~56nmの範囲、そして最も好適には9nm~52nmの範囲の平均粒径を有する。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には0.01重量%~14重量%。さらに好適には0.07重量%~11重量%の範囲、より好適には0.1重量%~6重量%の範囲、最も好適には0.2重量%~3重量%の範囲の比率の少なくとも1つのエポキシ化合物を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、単一型のエポキシ化合物の使用の場合又は様々なエポキシ化合物の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。少なくとも1つのエポキシ化合物は例えば、ジグリシジル・エーテル、エチレングリコール・ジグリシジル・エーテル、プロピレングリコール・ジグリコール・グリシジル・エーテル、ブタン-1,4-ジオールジグリシジル・エーテル、ヘキサン-1,6-ジオールジグリシジル・エーテル、トリメチロールプロパン・トリグリシジル・エーテル、トリグリシジルグリセリン及び/又はトリメチロールエタン・トリグリシジル・エーテルを含み得る。少なくとも1つのエポキシ化合物は好適にはトリメチロールプロパン・トリグリシジル・エーテル、ブタンジオール・ジグリシジル・エーテル及び/又は、ヘキサン-1,6-ジオールジグリシジル・エーテルを含む。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には0.04重量%~4重量%の範囲、さらに好適には0.1重量%~3重量%の範囲、より好適には0.2重量%~2重量%の範囲、最も好適には0.3重量%~1重量%の範囲の比率の少なくとも1つの触媒系を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。少なくとも1つの触媒系では、少なくとも1つの熱潜在性ルイス塩基付加物に対する少なくとも1つのルイス酸の重量比は、好適には20:1~2:1、さらに好適には18:1~1:2、より好適には13:1~1:1そして最も好適には6:1~1:1である。使用される少なくとも1つのルイス酸は、例えば過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム、スルホン酸、及び/又はスルホン塩(トリフルオロメタンスルホン酸など)、及び/又はその塩類である。使用される少なくとも1つのルイス酸は好適には過塩素酸アンモニウム及び/又は過塩素酸マグネシウムである。使用される少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物は例えば少なくとも1つの金属複合体(アルミニウム・アセチルアセトネート、鉄・アセチルアセトネート及び/又は亜鉛・アセチルアセトネートなど)であり得る。使用される少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物は好適にはアルミニウム・アセチルアセトネート及び/又は鉄・アセチルアセトネートである。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成はさらに、少なくとも1つの有機溶剤及び/又は水を含み得る。上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造に使用される組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成の代案として、米国特許第3,986,997A号明細書(特に米国特許第3,986,997A号明細書、例7)による組成が使用され得る。別の代替案として、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のために、国際公開第98/46692A1号パンフレット(特に国際公開第98/46692A1号パンフレット、例21)による、又は米国特許第6,538,092B1号明細書(特に米国特許第6,538,092B1号明細書、例1)による組成を使用することが可能である。
少なくとも1つの別の層が、上述のプライマー皮膜層の1つ及び/又は上述の硬質皮膜層の1つの代わりとして又はその追加として少なくとも1つの反射防止層を含めば、この層(好適には基板から最も遠い)は好適には、交互の個別金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層(鉄、錫、ニッケル、モリブデン、セリウム、銅、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン、イットリウム、タンタル、ネオジム、ランタン、ニオブ及び/又はプラセオジムの若しくはこれを含む)を含む。好適には、少なくとも1つの反射防止層は、珪素の若しくはこれを含む少なくとも1つの金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層を含み、ここでは、前面上のこの少なくとも1つの酸化珪素、水酸化珪素及び/又は含水酸化珪素層は、対象物側に(又は後面上に)少なくとも1つの反射防止層の層(好適には眼側の外層)を形成する。この文脈での外側層は、層順序において眼側へ最も遠い又は対象物側へ最も遠い反射防止層の当該層を意味するものと理解される。少なくとも1つの反射防止層は、好適には97nm~420nmの範囲、好適には102nm~360nmの範囲、さらに好適には111nm~310nmの範囲、より好適には122nm~270nmの範囲、そして最も好適には131nm~223nmの範囲の全層厚を有する。
少なくとも1つの反射防止層は例えば、基板に面する層から基板から離れた層まで以下の層順序を有し得る:
a)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
b)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
c)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
d)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
e)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
f)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層。
少なくとも1つの反射防止層はまた、欧州特許出願公開第2,437,084A1号明細書、図3、5に指示される層順序及び層厚を有し得る(いずれの場合も超疎水性層と硬質皮膜層との間の)。好適には、本発明の文脈では、いずれの場合も眼側のその中の硬質皮膜層に隣接する層及びいずれの場合も対象物側の超疎水性層に隣接する層は前面上に配置され、いずれの場合も対象物側にその中に硬質皮膜層に隣接する層及びいずれの場合も眼側上の超疎水性層に隣接する層は層順序の後面上に配置される。
少なくとも1つの別の異なる層が、上により詳細に既に説明された層に加えて又はその代替として、少なくとも1つの導電性又は半導電性層(少なくとも1つの反射防止層の構成要素でもあり得る)を含めば、これは好適には、インジウムスズ酸化物(((In0.9(SnO0.1;ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(SnO:F;FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al;AZO)、及び/又はアンチモンドープ酸化スズ(SnO:Sb;ATO)の若しくはこれを含む層を含む。特に好適には、導電性又は半導電性層は、ITOの若しくはこれを含む又はFTOの若しくはこれを含む層を含む。
少なくとも1つの別の異なる層が上述の別の層に加えて又はその代替として少なくとも1つの透明皮膜層を含めば、後者は好適には、例えば欧州特許出願公開第1,392,613A1号明細書に開示される疎油性及び疎水性を有する材料を含み、この上で、水は90°超、好適には100°超、そしてより好適には110°超の接触角を取る。少なくとも1つの透明皮膜層はより好適には、独国特許出願公開第19848591A1号明細書、請求項1による基板への共有結合を有する有機フッ素層、又はペルフルオロポリエーテルに基づく層を含む。
少なくとも1つの別の異なる層が上述の別の層に加えて又はその代替として少なくとも1つの防曇層を含めば、後者は、好適には欧州特許出願公開第2,664,659A1号明細書(特に好適には欧州特許出願公開第2,664,659A1号明細書の請求項4)によるシラン誘導体を含む。代替的に、少なくとも1つの防曇層は独国特許出願公開第10,2015,209,794A1号明細書(特に独国特許出願公開第10,2015,209,794A1号明細書の請求項1)に記載されたプロセスにより製造され得る。
代替的に、少なくとも1つの透明皮膜層又は少なくとも1つの防曇層は好適には被膜の層順序において基板から最も遠くの層を表す。
マスキング手段の少なくとも1つの被膜の屈折率が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の屈折率に対応すれば、マスキング手段のこの少なくとも1つの被膜は好適には、そうでなければ表面トポグラフィの生成された変化がもはや光学的に効果的ではない可能性があるので別の被膜に先立って除去される。
マスキング手段の少なくとも1つの被膜の屈折率が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の屈折率に対応しなければ、後続の別の被膜がマスキング手段の少なくとも1つの被膜上に実現され得る。この場合、上に既に説明したように、それぞれの層厚と変更されなかった表面からの変更された表面トポグラフィの距離が考慮される。
初めに既に述べたように、表面トポグラフィの変化は好適には不可逆的である。前述の別の様々な層の少なくとも1つによる被覆に続いて、表面トポグラフィのこの不可逆的変化はまた、室温(すなわち22℃±2℃の温度)で少なくとも8か月の期間にわたる長期的安定性を呈示する。
その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここで、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として、単焦点レンズの場合には遠方視点を中心に又は多焦点レンズ又は屈折力変動レンズの場合にはプリズム基準点を中心にいずれの場合も0.5cm~2.0cm半径内に複数の独立島状領域を形成する。
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である。
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である。
(4)独立島状領域はそれぞれ眼の網膜と異なる位置に結像し、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。複数の独立領域(好適には米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書と類似の複数の独立領域)は、基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。
上に引用されたDIN EN ISO 8980-1:2017及びDIN EN ISO 8980-2:2017の章の内容はDIN EN ISO 8980-1:2017、章5.2.2「後頂点屈折力」に再現される。
5.2.1に従って検証される際、眼鏡レンズは、6.2において規定される方法を使用することにより各主経線の屈折力に関する公差(表1、第2列を参照)及び円柱屈折力(表1、第3~6列を参照)に関する公差に準拠するものとする。
Figure 2022545983000004
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3「円柱軸の方向」
5.2.1に従ってそして6.3において規定される方法を使用することにより検証される際、円柱軸の方向は表2に規定される公差に準拠するものとする。円柱軸はISO8429に従って規定されるものとする。
これらの公差は、所定配向(例えばプリズムベース設定)を有する多焦点レンズ及び単焦点レンズ、及び/又は位置固有単焦点レンズに適用する。
注 0.12D未満の円柱屈折力の円柱軸の方向に関する要件は無い。
Figure 2022545983000005
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4「プリズム屈折力」
5.2.1に従ってそして6.5において規定される方法を使用することにより検証される際、加入度数は、表3において規定される公差に準拠するものとする。
Figure 2022545983000006
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5「プリズム屈折力」
5.2.1に従ってそして6.4において規定される方法を使用することにより検証される際、全プリズム(発注された厚さ低減プリズムを含む)は表4に記載の公差に準拠するものとする。発注されたプリズムの無い眼鏡レンズも含まれる。
プリズム屈折力公差を判断するために、最初に、より高い絶対的主屈折力の値Sが見出される。次に:
a)特定配向の無い単焦点レンズに関して、表4の行が、全プリズムの値と第2列から選択された公差とに従って選択される。;
b)位置固有単焦点レンズ及び多焦点レンズに関して:
1)斜角柱として発注されれば、発注されたプリズムはその水平及び垂直成分へ分解される;
2)表4の行が、全プリズムの水平成分の値と第3の列から選択された水平成分の公差とに従って選択される;
3)表4の行が、全プリズムの垂直成分の値と第4の列から選択された垂直成分の公差とに従って選択される。
Figure 2022545983000007
注 表4の公差を、2.00以下Δのプリズム屈折力を有する多焦点レンズにおける+0.50D球面軸/-2.50D円柱軸20°の遠方度数へ適用する例は次のとおりである:この処方箋に関して、主屈折力は、より高い絶対的主屈折力が2.00Dとなるように+0.50D及び-2.00Dである。2.00Dの屈折力に関して、水平公差は±[0.25+(0.1×2.00)]=±0.45Δである。垂直公差は±[0.25+(0.05×2.00)]=±0.35Δである。
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2「主基準点における屈折力変動レンズの後頂点屈折力」
5.2.1に従って検証される場合、眼鏡レンズは、6.2において規定される方法を使用することにより各主経線の屈折力に関する公差(表1、第2列を参照)と円柱屈折力に関する公差(表1、第3~6列を参照)とに準拠するものとする。
Figure 2022545983000008
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3「円柱軸の方向」
5.2.1に従ってそして6.3において規定される方法を使用することにより検証される際、円柱軸の方向は表2に規定される公差に準拠するものとする。円柱軸の方向はISO8429に従って規定されるものとする。
注 0.12D未満の円柱屈折力の円柱軸の方向に関する要件は無い。
Figure 2022545983000009
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.4「変動屈折力(加入度数を含む)」
5.2.1に従ってそして6.5において規定される方法を使用することにより検証される際、変動(加入度数を含む)屈折力は表3において規定される公差に準拠するものとする。屈折力変動レンズの変動屈折力に関する公差は一次基準点及び二次基準点を有するレンズだけに適用する。
Figure 2022545983000010
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5「プリズム屈折力」
プリズム基準点においてそして6.4において規定される本方法を使用することにより5.2.1に従って検証される際、全プリズム(発注された厚さ低減プリズムを含む)は表4に記載の公差に準拠するものとする。発注されたプリズムの無い眼鏡レンズも含まれている。
プリズム屈折力公差を判断するために、最初に、より高い絶対的主屈折力の値Sが見出される。次に:
a)斜角柱として発注されれば、発注されたプリズムはその水平方向及び垂直成分へ分解される;
b)表4の行が、全プリズムの水平成分の値と第2の列から選択された水平成分の公差とに従って選択される;
c)表4の行が、全プリズムの垂直成分の値と第3の列から選択された垂直成分の公差とに従って選択される。
Figure 2022545983000011
注 表4に記載の公差を、2.00以下Δのプリズム屈折力を有する累進レンズにおける+0.50D球面軸/-2.50D円柱軸20°の遠方度数へ適用する例は次のとおりである:
この処方箋に関して、主屈折力は、より高い絶対的主屈折力が2.00Dとなるように+0.50D及び-2.00Dである。2.00Dの屈折力に関して、水平公差は±[0.25+(0.1×2.00)]=±0.45Δである。垂直公差は±[0.25+(0.05×2.00)]=±0.35Δである。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として複数の少なくとも3つの非隣接光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは非球面屈折力を有し、ここでは眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。複数の少なくとも3つの非隣接光学素子(好適には国際公開第2019/166653A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの非隣接光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166653A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの非隣接光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166653A1号パンフレット、頁2、行11~頁5、行21に列挙される特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは、眼の網膜上へ結像されないような屈折力を有し、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166654A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166654A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166654A1号パンフレット、頁2、行19~頁6、行3に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子は、眼鏡レンズの断面に沿った光学素子の球状屈折力がこの断面の周辺の方向に増加するように形成され、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166655A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166655A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166655A1号パンフレット、頁2、行20~頁6、行12に列挙される特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは、標準装着条件下でそして周辺視野の両方に関して、眼の網膜上へ結像しない屈折力を有する、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166657A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166657A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166657A1号パンフレット、頁2、行26~頁6、行5に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも2つの隣接光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)複数の少なくとも2つの隣接光学素子のうちの少なくとも1つは、眼鏡装着者の網膜上へ像を合焦しない屈折力を有し、ここでは眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166659A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも2つの隣接光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166659A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する、少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166659A1号パンフレット、頁2、行30~頁6、行25に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層と接触することは、既に上に述べたように、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化を容易にする。少なくとも1つの層の表面の全エリア変化の結果として、例えばマルチ屈折力表面及び処方箋面(遠方及び近方基準点の規定屈折力が実現される)を有する眼鏡レンズを製造することが結果的に可能である、ここでは、処方箋面は点対称及び軸対称無しの一般的非球状面であり、ここでは、欧州特許出願公開第0,562,336A1号明細書に説明されるように、処方箋面のジオメトリを判断する際に個々の使用条件の少なくとも屈折力が広汎なやり方で考慮される。少なくとも1つの層の表面内の全エリア変化の結果として、例えば、球状又は回転対称非球状前面と処方箋面として働く後面とを有する眼鏡レンズを製造することがさらに可能であり、欧州特許出願公開第0,857,993A2号明細書に説明されるように、球面及び/又は乱視及び/又はプリズム屈折力と眼鏡レンズの処方箋面上のその分布とからなる眼鏡処方箋のすべての個別要件が満足され、そしてレンズの後面は点対称及び/又は軸対称無しの多焦点面である。PCT/米国特許出願公開第19/41939号明細書において説明される二焦点レンズの製造はまた、少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させた結果として少なくとも1つの層の表面トポグラフィを変更することにより実現され得る。さらに、処方箋による球面屈折力及び処方箋による乱視屈折力を取得するための眼鏡レンズ(回転対称眼鏡レンズ前面及び非円環状眼鏡レンズ後面を有する)の製造は、欧州特許第18209854.1号明細書に記載のように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面と接触した結果として、少なくとも1つの媒体と接触した結果として実現可能である。
別の実施形態の場合、上記実施形態に記載される眼鏡レンズのそれぞれはさらに、上に説明したように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。この局所的変化は例えば米国特許出願公開第2017/131567A1号明細書、国際公開第2019/166653A1号パンフレット、国際公開第2019/166654A1号パンフレット、国際公開第2019/166655A1号パンフレット、国際公開第2019/166657A1号パンフレット及び/又は国際公開第2019/166659A1号パンフレットと類似の少なくとも1つの局所的変化を含む。この少なくとも1つの局所的変化は基板の前面及び/又は後面上の少なくとも1つの層に関係し得る。
上に挙げた製品のすべてにおいて、それぞれの眼鏡レンズの表現は、特に幾何学的形状の説明及びそれぞれの眼鏡レンズの基板の説明を含み得る。一例として、このような表現は、前面、後面、互いに対するこれらの面の配置(それぞれの眼鏡レンズの厚さ及びエッジを含む)、及びそれぞれの眼鏡レンズの基底を形成するべき基板の屈折率分布の数学的説明を含み得る。この表現はコード化形式で存在し得、さらには暗号化形式ですら存在し得る。
上に挙げた製品のすべてにおいて、眼鏡レンズを使用するための指示は、入手可能であり得る、又は口頭で(例えば眼鏡技師により)、文書形式(例えば、コンピュータ可読データの形式又はデータ信号の形式のデータ媒体上のパッケージ・スリップ、指示又は製品説明の形式)で伝えられ得る。一例として、これらの指示は、眼鏡レンズの適合性(例えば運転用の、又は仕事眼鏡としての)に関する説明を含み得る。さらに、これらの指示は芯取りパラメータを含み得る。製品がデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式のそれぞれの眼鏡レンズの表現であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、このデータ媒体又は任意の他のデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示はまた、口頭で伝えられ得る又は書類形式で若しくはコンピュータ可読データ信号の形式で存在し得る。製品がコンピュータ可読データの形式のそれぞれの眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、このデータ媒体又は或るデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示は、この場合もまた、口頭で伝えられ得る又は書類形式で若しくはコンピュータ可読データ信号の形式で存在し得る。製品がコンピュータ可読データ信号の形式のそれぞれの眼鏡レンズの表現であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、コンピュータ可読データ信号の形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示は、口頭で伝えられ得る、文書形式で入手可能であり得る、又は、後者の場合、コンピュータ可読データの形式でデータ媒体上に存在し得る。
それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は、特に、眼鏡が装着されている間の装着者の眼及び顔に対するそれぞれの眼鏡レンズ又は眼鏡(それぞれの眼鏡レンズが使用される)の位置及び配向を表す。一例として、使用条件は、DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.18に準じて「装着時」前傾角、DIN EN ISO13666:2013-10、章17.3に準じてそり角、及びDIN EN ISO13666:2013-10、章5.27に準じて頂点間距離により規定され得る。「装着時」前傾角の標準値は-20度~+30度の範囲であり;頂点間距離の標準値は5mm~20mmの範囲であり;そしてそり角の標準値は-5度~+30度の範囲である。「装着時」前傾角に加えて、そり角及び頂点間距離(使用条件)はまた、通常、DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.29に準じて瞳孔間距離(すなわち、眼が真直ぐな前方位置の無限遠点における対象物を凝視しているときの瞳の中心間の距離)、芯取りデータ(すなわち眼の前のそれぞれの眼鏡レンズを芯合わせするために必要とされる寸法及び距離)、及びそれぞれの眼鏡レンズ表面上の或る点が最適化される対象物距離モデル(対象物距離を設定するための)を含む。
DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.18に準じて、「装着時」前傾角は、そのボックス中心(boxed center)における眼鏡レンズの前面に対する法線と第一眼位における眼の視線(通常は、水平となるように取られる)との間の垂直面内の角度である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.3に準じて、そり角は眼鏡前部の面と右レンズ形状(又は左レンズ形状)の面との間の角度である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.27に準じて、頂点間距離は、眼鏡レンズの後面と角膜の頂部との間の距離(眼鏡前部の面に対し垂直な視線により測定される)である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.1に準じて、レンズ形状の面は、フレーム内に搭載された時のそのボックス中心における度無しレンズ、又はデモレンズ、又はダミーレンズの前面に接する面である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.2に準じて、眼鏡前部の面は左右ボックスレンズ形状の2つの垂直中心線を含む面である。
眼鏡レンズを製造するための本発明による方法
例1
粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)が、レーザ(LSU 193、Trotec社)を使用することにより図1による試験パターンにより穿孔された。試験パターンを有するこの膜はその後、フォトクロミック半完成レンズブランク(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS SF Freeform Puck 1.60(MR8)Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)の前面上のフォトクロミック層へ貼り付けられた。その後、97%オレイン酸が、ピペットによりこの半完成レンズブランク上の膜へ塗布され、そして97%オレイン酸に浸された綿布により、膜を有する前面全体にわたって分散された。その後、この半完成レンズブランクは、Suntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で16時間の間キセノン照射(270W/m)に晒された。その後、この膜は半完成レンズブランクから除去され、そして半完成レンズブランクの表面はエタノールを使用することにより洗浄された。膜の穿孔に対応した前面上の各場所に最大2700nmまでのフォトクロミック層の層厚の連続的増加を、半径0.75mmを有する円形エリア内に有する半完成レンズブランクが得られた。
例2
粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)がレーザ(LSU 193(Trotec社)を使用することにより図1による試験パターンにより穿孔された。試験パターンを有するこの膜はその後、-2dptの屈折力を有するフォトクロミック層(さらなる対象物側被膜の無いZEISS Single Vision Individual 1.6 PhotoFusion Gray)により被覆された未切断眼鏡レンズの前面上のフォトクロミック層へ貼り付けられた。その後、97%オレイン酸が、ピペットによりこの眼鏡レンズ上の膜へ塗布され、そして97%オレイン酸に浸された綿布により膜全体にわたって分散された。次に、この眼鏡レンズは、Suntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で16時間の間、キセノン照射(270W/m)とキセノン照射(270W/m)下のDI(脱イオン化)水によるフラッディングとの交番サイクルに晒された。その後、膜は眼鏡レンズから除去され、そして、眼鏡レンズの表面はエタノールを使用することにより洗浄された。膜の穿孔に対応した前面上の各場所に最大3500nmまでのフォトクロミック層の層厚の連続的増加を、半径0.75mmを有する円形エリア内に有する眼鏡レンズが得られた。
例3
レーザ(LSU 193、Trotec社)が、図1に示す試験パターンを粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)内へ打つために使用された。膜は、-2dptの屈折力を有する(さらなる保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)眼鏡レンズの前面へ固着された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより膜へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された膜を有する前面は、35℃、275W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内でキセノン光により2時間照射された(25分間照射/5分間照射とDI水によるフラッディング(flooding)とのサイクルにより)。その後、膜は除去され、そして前面はエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。1mmの幅の場合に240nmの高さを有する膨らみ又は隆起が、膜内の穴に対応した前面上の場所に発生した。近隣位置の膨らみは互いに近接した場所において互いにマージされる;図2を参照。これらの測定は白色光干渉計に基づくZygo社による光学的プロフィロメータNewView 7100を使用することにより行われた。
例4
レーザ(LSU 193、Trotec社)が、米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書の図2において規定されたパターンを接着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)内へ打つために使用された。このようにして用意された膜は、-2.0dptの屈折力を有する(さらなる保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)眼鏡レンズの前面へ固着された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより膜へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された膜を有する前面は、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で18時間照射された、その後、膜は除去され、そして前面はエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。1.45mmの幅と1500nmの高さを有する隆起(図3に示す)が、膜内の穴に対応した前面上の場所に発生した。図3に示す隆起は白色光干渉計に基づくZygo社による光学的プロフィロメータNewView 7100を使用することにより記録された。
例5
例4に従って生成された眼鏡レンズは、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の例2による組成により、そして欧州特許出願公開第2,801,846A1号明細書の段落[0056]に記載された反射防止層により被覆された。図5は、白色光干渉計に基づくZygo社によるNewView 7100光学的プロフィロメータを使用して記録された隆起を示す。隆起は、室温で保存格納されると>8か月の長期的安定性を有した。
例6
その表面トポグラフィがZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray眼鏡レンズ(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無い、そして-2.0dptの屈折力を有する)(Carl Zeiss Vision社)のものへ変更されるように意図された前面の各点へ30のオレイン酸液滴を(10ピコリッタ/回)塗布するためにDimatix Printer 2850インクジェットプリンタが使用された。このようにして用意された眼鏡レンズは、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイスの試料チェンバ内で20時間照射された、その後、眼鏡レンズはエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。約1350nmの高さ及び450マイクロメートルの横方向広がりを有する膨らみが、オレイン酸が塗布された点において発生した。
例7
その表面トポグラフィがZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray眼鏡レンズ(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無い、そして2.0dptの屈折力を有する)(Carl Zeiss Vision社)のものへ変更されないように意図された前面の各点へマスキングとして(アクリレート系)UV硬化層を塗布するためにDimatix Printer 2850インクジェットプリンタ30が使用された。マスキング層は、40℃において20~25Vにより印刷され、そしてその後、385nmの波長においてUV LEDにより1分間硬化された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより前面へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された前面は、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイスの試料チェンバ内で20時間照射された、その後、眼鏡レンズはエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。約559nmの高さ及び980マイクロメートルの横方向広がりを有する膨らみが発生した。
本発明は、眼鏡レンズと、(i)眼鏡レンズ又は(ii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現又は(iii)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体又は(iv)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現を含む製品とを製造する方法に関する。
ユーザの眼の焦点がずれることはユーザの屈折誤差(非正視)、特にユーザの近視(近眼)又は遠視(遠視)に至り得る。近眼の有病率増加(特に子供及び若者における)は特にアジアの国々において観測され得、近眼は約80%のケースが眼長成長の増加により引き起こされる。経験則として、約1mmの眼球の伸びは約3ジオプター(dpt)の屈折誤差に至る。
米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書は対象物側に第1の屈折力を有する第1の領域及び第1の屈折力とは異なる屈折力を有する第2の領域を有する眼鏡レンズを開示した。第1の領域は眼を矯正することに役立つように意図されている。第2の領域は、網膜上に結像しないように意図されており、したがって眼の奇形化の進行を抑制するように意図されている。この第2の領域は、眼鏡レンズを中心に半径20mmを有する円形エリア上に配置される複数の凹状又は凸状に形成された島状領域を含む。これらの島状円領域のそれぞれは0.50~3.14mmの面積及び0.8~2.0mmの径を有する。眼鏡レンズを中心として2.5~10mmの半径を有する円領域は島状領域を含まなくてよい。眼鏡レンズは、十分に透明になるようにそして同時に近眼の進行を抑制するように意図されている。米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書はこのような眼鏡レンズの製造方法を開示しない。
国際公開第2006/034652A1号パンフレットは近視又は遠視の進行を治療する様々な方法を開示する。これらの方法の1つは、第1の屈折力を有する第1の光学区域及び第2の屈折力を有する第2の光学区域を有するフレネルレンズの提供を含む。第1の屈折力は眼を矯正するべきであり、第2の屈折力は網膜の前又は背後に少なくとも1つの焦点ずれを生成するべきである。これらの方法のうちの別の1つは後層及び部分的透明前層を含む光学系の提供を含む。この光学系は、これらの層のうちの1つの層の第1の像が網膜上に結像されることを可能にし、そして他の層の第2の像が生成されることを可能にし、この他の像は網膜の前又は背後にデフォーカスされる。これらの方法のうちの別の1つは、第1の屈折力を有する中央区域及び第2の屈折力を有する少なくとも1つの周辺区域を含むレンズを含む。第1の光学区域は中心物体の光線を網膜上に集束するように意図されており、第2の光学区域は周辺物体の光線を網膜の前又は背後に集束するように意図されている。これらの方法のうちの別の1つは、中心物体及び少なくとも1つの周辺物体を有する光学系を含む。中心物体の第1の像は網膜上に結像するように意図されており、周辺物体の第2の像は網膜の前又は背後に結像されるように意図されている。開示された方法のうちの別の1つは、網膜上の第1の像の生成及び第2のピンボケ像の生成を含む。国際公開第2006/034652A1号パンフレットはそこで説明されたレンズの製造方法を開示しない。
図11において、国際公開第2010/075319A2号パンフレットは、小さな隆起及び小さな凹部を有する又は光透過性若しくは透明含有物を有する眼鏡レンズを含む一対の眼鏡を開示する。含有物は、残りの眼鏡レンズ材料と異なる屈折率を有するように意図されている。眼鏡レンズ上の又はその中のこれらの隆起、凹部又は含有物は、ユーザがその結果としてピンボケ像を取得することに至るべきである。第1の対の眼鏡では、これらの眼鏡レンズの1つは、ユーザが読み得る又は日常活動を行い得るようにシャープな焦点合わせを可能にするエリアを有し得る。第1の対の眼鏡の代わりに装着されるように意図された第2の対の眼鏡では、それぞれの他の眼鏡レンズが同様に、シャープな焦点合わせを容易にするエリアを有し得る。このような眼鏡レンズにより生成されるぼやけは例えば、隆起、凹部又は含有物の配置、密度若しくは寸法に又は含有物の材料に依存する。代替的に、ぼやけは、眼鏡レンズ内の小粒子における光散乱又は前記眼鏡レンズ上の被膜により引き起こされ得る。眼鏡レンズの上側エッジに負補正及び下側エッジにより大きな負補正を有する逆累進屈折力レンズもまた視野全体にわたるぼやけを助長し得る。国際公開第2010/075319A2号パンフレットは図11に描写される眼鏡レンズの製造方法を開示しない。
米国特許出願公開第2015/0160477A1号明細書は、大きな凸レンズ及び少なくとも1つの小さな凹レンズを含む複数の素子を含むレンズを開示する。
国際公開第2018/076057A1号パンフレットは、眼の屈折誤差の少なくとも部分的補正のための主レンズと少なくとも1つのマイクロレンズアレイとを含む眼鏡レンズを開示する。この眼鏡レンズは眼の縦成長を停止又は低減するように意図されている。マイクロレンズアレイのパターン又はグリッド、マイクロレンズの径、高さ、屈折率及び/又は焦点長及び/又はマイクロレンズ間の間隔が変更され得るということが国際公開第2018/076057A1号パンフレットにおいて利点として記載されている。マイクロレンズアレイは、2つ以上の層(例えば透明膜で作られた層及び高分子で作られた層)から構築されてもよいし、又は眼鏡レンズの一部として成形されてもよい。マイクロレンズアレイは、接着剤手段により又は機械的に主レンズへ固着されてもよいし、又は前記主レンズの一部であってもよい。マイクロレンズを含むエリアにより覆われる眼鏡レンズの全表面の百分率成分は10%~80%の範囲であり得る。一例として、マイクロレンズは、円形、楕円形、矩形、六角形又は四角形状で入手可能であり得る。少なくとも2つのマイクロレンズ間の中心間距離は少なくとも0.05~8mmであり得る。
国際公開第2018/026697A1号パンフレットは点パターンを含む眼鏡レンズを開示する。点パターンは眼鏡レンズの表面上の隆起又は凹部を含み、これらの隆起又は凹部は眼鏡レンズの表面全体にわたり規則的又は不規則的やり方で分散される。その最大寸法が≦0.3mmである個々の点は互いから≦1mmの距離を有する。点は円形状であってもよいし又は任意の所望形状を有してもよい。点パターン内の個々の点間の距離はいずれの場合も同じであってもよいし又は互いに異なってもよい。眼鏡レンズは照準線を中心に1mmより大きい領域内に点パターンを有しない。点パターンの無い領域から始まりそして眼鏡レンズエッジへ行くまで、点は同じ寸法を有し得る。点はまた、点パターンの無い領域からの距離の増加と共に大きく又は小さくなり得る。点パターン無し領域と比較して、対象物のコントラストは、点パターンを通して見ると少なくとも30%だけ低減され得る。個々の点が眼鏡レンズの表面上の隆起であれば、これらは、例えばインクジェット印刷、パッド印刷、スクリーン印刷、転写、リソグラフィク印刷又はホットスタンピングの手段により生成され得る。隆起はさらに、好適な金型を使用することにより眼鏡レンズを鋳造することにより製造されてもよいし、又は眼鏡レンズの表面へ塗布される膜の構成要素であってもよい。点が眼鏡レンズの表面内の凹部ならば、これらは、例えば眼鏡レンズの表面から材料をエッチング又は剥離する手段により製造され得る。さらに、凹部はまた、好適な金型による眼鏡レンズの鋳造により製造され得る。隆起又は凹部の代わりに、点はまた眼鏡レンズ内の含有物であり得る。点パターンは、点パターンの無い領域の外側の所望コントラスト低減に依存して患者毎に個々に調整され得る。
特開2019078859A号公報は老眼を矯正するように意図された眼鏡レンズを開示する。この眼鏡レンズは、異なる合焦力を有するマイクロレンズを含む。一例として、屈折力は眼鏡レンズの中心からエッジの方向へ低下し得る。異なる合焦力を有するマイクロレンズは、眼鏡装着者が眼鏡レンズ内の或る領域を通して常に視ることができることを許容するべきであり、この領域を通して、様々な近距離に関してそして当該日の眼鏡装着者の形状と無関係にシャープな像が取得される。マイクロレンズは、六角形状を有し得、そして眼鏡レンズ上に互いに直接隣接して又はその間に小スペースを有して存在するべきである。六角形状の代わりに、マイクロレンズはまた、三角形、四辺形、円形又は楕円形として存在し得る。
国際公開第2019/166653A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と少なくとも3つの非隣接光学素子のうちの複数の光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、単一焦点を有しない非球面屈折力を有するように意図されており、そして結果的に近視又は遠視の進行を減速させるように意図されている。さらに、これらの光学素子の少なくとも1つは、レンズ素子の前面又は後面上に配置される(任意選択的に、分離可能なやり方で)多焦点、円環状、又は回折マイクロレンズであり得る。光学素子は、0.8mm≦径≦3.0mmの外周により囲まれて形状を有すべきである。一例として、光学素子はレンズ素子の表面上の同心リングとして配置され得る。国際公開第2019/166653A1号パンフレットによると、非隣接光学素子は様々なやり方で(例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより)製造され得る。
国際公開第2019/166654号パンフレットは、眼の処方箋に基づく第1の屈折力及び第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有する領域と複数の少なくとも3つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらのレンズ素子の少なくとも1つは、眼の異常屈折の進行を減速させるために像を眼の網膜上に集束しないように意図されている。第1の屈折力と第2の屈折力との差は≧0.5Dである。近視が存在すれば、第2の屈折力は、光線を眼の網膜の前に集束するように意図されており、光学素子と併せて近視又は遠視の進行の減速に至るべきである。好適には、光学素子の少なくとも50%は網膜上に結像するべきでない。国際公開第2019/166654A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166655A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と複数の少なくとも3つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。この光学素子は、レンズ素子の少なくとも1つの断面に沿って光学素子の平均球面屈折力がこの断面内の一点から断面の周辺の方向に増加するようにされたものである。この増加は、近視が存在する場合に網膜の前の又は遠視が存在する場合に網膜の背後の光線の焦点ずれを増幅ししたがって近視又は遠視の進行を減速するように意図されている。さらに、レンズ素子の少なくとも1つの断面に沿った平均円柱屈折力もまた、この断面内の一点からこの断面の周辺の方向に増加し得る。国際公開第2019/166655A1号パンフレットによると、光学素子は、例えば表面処理、金型、スタンピング、加法製造又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166657A1号パンフレットは、中心視の標準装着条件下の眼鏡装着者の処方箋に基づく第1の屈折力を有する領域を提供しそして複数の少なくとも3つの光学素子をさらに含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、標準装着条件下でそして周辺視の像を網膜上に結像しないようにそしてしたがって視覚欠陥の進行を減速するように意図されている。さらに、国際公開第2019/16657A1号パンフレットは視覚欠陥の進行を減速するように意図されたレンズ素子を判断する方法を開示する。この方法は、処方箋データ、装着条件、網膜データを利用可能にしそしてこれに基づきレンズ素子の判断を行うことを含む。国際公開第2019/166657A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
国際公開第2019/166659A1号パンフレットは、眼の処方箋に基づく屈折力を有する領域と複数の少なくとも2つの光学素子とを含むレンズ素子を開示する。これらの光学素子の少なくとも1つは、異常屈折の進行が減速されるように像を眼の網膜上に集束しないように意図されている。少なくとも2つの隣接光学素子は互いに独立である(すなわち独立像を結像する)ように意図されている。少なくとも2つの光学素子が配置される表面が球面であると仮定すると、2つの光学素子は、1つの素子から他の素子への経路(球面が接触しない)が存在すれば隣接する。対応する声明は球面により近似される非球面に当てはまる。隣接光学素子は、レンズ素子の外観を改善しそしてより容易に製造可能であるように意図されている。国際公開第2019/166659A1号パンフレットによると、光学素子は例えば表面処理、金型、スタンピング又はフォトリソグラフィにより製造され得る。
欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書は眼鏡レンズのナノ構造及び/又はマイクロ構造表面を生成する方法を開示する。この目的を達成するために、被覆される眼鏡レンズの表面はナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の少なくとも1つの層によりマスクされる。その後、被覆面は、ナノ粒子及び/又はマイクロ粒子が存在しない場所において少なくとも1つの層により被覆され、そしてナノ粒子及び/又はマイクロ粒子自体もまた、前記少なくとも1層により被覆される。ナノ粒子及び/又はマイクロ粒子がこの少なくとも1つの別の塗布された層から除去されると、後者はナノ構造及び/又はマイクロ構造層のままである。
米国特許出願公開第2014/099439A1号明細書は一方の面上に隆起、凹部又は着色剤を有する眼鏡レンズを開示する。隆起又は凹部は、インクジェット法により被覆面へ塗布され得る適切なマスキング層により取得される。代替的に、マスキング層はまた、膜の付着により形成され得る。例えば隆起の形式の透明パターンが被覆面へ塗布されるように意図された位置に切り欠きを有するマスキング層が硬化された後、少なくとも1つの透明材料がマスキング層及び被覆面の両方に塗布される。例えば島状パターン又はロゴを形成するために働く透明塗布材料は例えば2つの直接隣接層より高い屈折率を有する光透過性材料であり得る。透明材料とそれへ塗布されたマスキング層との除去後、例えば多層反射防止層及び疎水性膜が被覆面に準じて適用される。透明パターンが凹部の形式で存在するように意図されていれば、多層反射防止層及び疎水性膜がマスキング層の塗布に続き塗布される。
米国特許出願公開第2019/310492A1号明細書は、多層被膜(例えば反射防止層又は反射層)により反射像を生成する方法を開示する。反射像は反射特性の差(以前のマスキングにより引き起こされる)によりもたらせられる。
米国特許出願公開第2008/316558A1号明細書は、転写可能材料をスタンプにより適用する方法を開示する。スタンプの表面は、転写されるパターンに対応するマイクロリリーフを表す隆起及び凹部を有する。転写される材料を有するスタンプは、光学的対象物の表面を完全に覆い得る非乾燥ラテックス層と接触させられる。転写される材料を有するスタンプは、スタンプの隆起上に位置する被転写材料だけがラテックス層へ転写されるやり方でラテックス層と接触させられる。代替的に、被転写材料を有するスタンプは、隆起上に位置する被転写材料及び凹部内に位置する被転写材料の両方がラテックス層へ転写されるやり方でラテックス層と接触させられる。被転写材料は金属材料であり得る。
本発明の目的は、背景技術において先に説明された眼鏡レンズのうちの1つを製造する代替方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、屈折力を得るための又は最終面トポグラフィを取得するための機械的処理工程を必要としない代替方法を提供することであった。
この目的は請求項1、14、26に記載の方法を提供することにより達成された。
試験サンプルを示す。 例3の単一又は2つの連結された膨らみの高さプロファイルを示す。 例4の膨らみの高さプロファイルを示す。 例5の膨らみの高さプロファイルを示す。
基板は少なくとも1つの高分子材料及び/又は少なくとも1つの鉱物ガラスを含み得、高分子材料又は鉱物ガラスはそれぞれ、半完成レンズブランクの(すなわち、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.4.2に準じたただ1つの光学的完成面を有するレンズブランクの)又は完成レンズの(すなわち、その両側がDIN EN ISO13666:2013-10、段落8.4.6に準じたエッジ処理の前後のそれらの最終光学面を有するレンズの)形式を取り得る。半完成レンズブランクは、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.4.3、8.4.4、8.4.5による単焦点半完成レンズブランク、多焦点半完成レンズブランク又は累進屈折力半完成レンズブランクの形式を取り得る。完成レンズは、DIN EN ISO 13666:2013-10、段落8.3.1、8.3.2、8.3.3、8.3.4、8.3.5、8.3.6に準ずる単焦点レンズ、多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ又は逓減屈折力レンズであり得る。基板として使用可能な半完成レンズブランク又は完成レンズは例えば表1に規定される基材に基づき得る。
Figure 2022545983000016
光学的完成面からの半完成レンズブランクの対向面は、半完成レンズブランクの光学的完成面の被覆前後に機械的処理(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)により第2の光学的完成面へ変換され得ることが好ましい。この機械的処理は半完成レンズブランクの被覆に先行することが好ましい。
基板は好適には完成レンズである。
基板は光学補正効果を有しなくてもよい。そのかわり基板は見ている眼の光学補正効果及び/又は収差補正を与えられ得る。光学補正効果は、球面補正、収差補正、軸位置の補正、及び任意選択的に基本設定を有するプリズムによる補正を意味するものと理解される。この光学補正効果は単焦点レンズにおける遠方視力又は近接視力のために慣習的に実装される。多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ又は逓減屈折力レンズの場合、遠方視力及び/又は近方視力の光学補正効果は、いずれの場合も、球面補正、収差補正、軸位置の補正、及び任意選択的に基本設定を有するプリズムによる補正を含み得る。見ている眼の収差補正は、収差補正が近方視力又は遠方視力のためのものかどうかにかかわらずWerner Koppen“Konzeption und Entwicklung von Gleitsichtglaesern”[Design and Development of Varifocal Lenses]Deutsche Optiker Zeitschrift DOZ、1995年10月、頁42~45と同様に計算されることが好ましい。この目的のため、少なくとも1つの基板表面の表面特性は、最適化過程において、見ている眼の所望収差分布が規定公差内で達成されるまで(すなわちメリット関数が規定値未満になるまで)反復により変更される。
基板は、一次成形及び後続機械的処理(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)により又は少なくとも1つの高分子材料に基づく基板の場合は加法製造方法によりのいずれかで製造され得る。少なくとも1つの高分子材料に基づく基板の製造(好適には加法製造方法による)では、基板は一様な屈折率(例えば上記表1に列挙されるような)又は場所依存屈折率分布を有し得る。場所依存屈折率分布は好適には、光学的計算プログラム(例えばZEMAX)(Zemax LLCからの)により予め計算され最適化される。この計算のために、意図された眼の前の基板の位置、瞳孔間距離、基板の広角傾斜、基板のそり角及び基板サイズは好適に知らされなければならない。さらに、多焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、累進屈折力レンズ及び逓減屈折力レンズの計算は、装着者の眼の回転中心に対する眼鏡装着者の視野内の物点の位置を記述する対象物距離モデルに特に基づく。基板として使用可能な場所依存屈折率分布を有する累進屈折力レンズは、例えば、欧州特許出願公開第3,352,001A1号明細書(特に欧州特許出願公開第3,352,001A1号明細書の請求項1又はEPC規則137(2)に準じて修正された請求項1)又はPCT/欧州特許出願公開第2019/069422号明細書(特にPCT/欧州特許出願公開第2019/069422号明細書の請求項1)に開示されている。
基板が少なくとも1つの高分子材料及び少なくとも1つの鉱物ガラスの両方を含めば、鉱物ガラスは、好適には薄肉ガラスの形式を取り、そして高分子材料は好適には半完成レンズブランクの形式又は完成レンズの形式又は少なくとも1つの高分子膜の形式を取る。半完成レンズブランク又は完成レンズはまた、この実施形態の場合には加法製造方法により製造され得、そして一様な屈折率又は場所依存屈折率分布のいずれかを有し得る。この実施形態の場合に基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラスと高分子材料として少なくとも1つの高分子膜とを含めば、少なくとも1つの高分子膜は少なくとも2つの薄肉ガラス間に配置されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜は好適にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニール・ブチレート及び/又はそれらの混合物に基づく。少なくとも1つの高分子膜は例えば三酢酸セルロースにより安定化され得る。少なくとも1つの高分子膜は着色されても又はされなくてもよい。少なくとも1つの高分子膜及び少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板が着色されることになれば、少なくとも1つの高分子膜が着色されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜は好適には9μm~205μmの範囲、より好適には14μm~103μmの範囲の平均厚を有する。
この実施形態の場合に基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラス及び高分子材料として少なくとも1つの完成レンズを含めば、少なくとも1つの薄肉ガラスは完成レンズの前面及び/又は後面上に在り得る。好適には、完成レンズの前面上及び後面上の両方に少なくとも1つの薄肉ガラスが存在する。
この実施形態の場合、基板が鉱物ガラスとして少なくとも1つの薄肉ガラスそして高分子材料として少なくとも1つの半完成レンズブランクを含めば、最初に光学的未完成面を処理することそして次にこのようにして得られた完成レンズの前面及び/又は後面を少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着することが優先される。代替的に、高分子材料として半完成レンズブランクの使用の場合、少なくとも1つの薄肉ガラスは既に完成された光学面へ固着され、光学的未完成面が処理され、そして次に、この処理された表面は少なくとも1つの別の薄肉ガラスへ任意選択的に固着される。少なくとも1つの別の薄肉ガラスへの固着がここでは好ましい。好適には、半完成レンズブランクの完成光学面はその前面であり、そして光学的未完成面はその後面である。光学的未完成面の第2の光学的完成面への変換と少なくとも1つの薄肉ガラスへのその後続の固着の代案として、この第2の表面は第2の光学的完成面への変換後に少なくとも1つの皮膜を備え得る。この皮膜は好適には、少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層、及び少なくとも1つの透明皮膜層からなる群から選択される。少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含む皮膜が特に優先され、この場合、少なくとも1つの硬質皮膜層は基板に最も近い層であり、そして少なくとも1つの透明皮膜層は基板から最も遠くで除去される層である。
完成レンズの前面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスは、完成レンズの後面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスと例えばガラス成分、平均厚、表面トポグラフィ、曲率半径及び/又は形状に関し同一であってもよいし又は異なっていてもよい。同じことは、高分子材料として少なくとも1つの半完成レンズブランク又は少なくとも1つの高分子膜の使用の場合にも当てはまる。半完成レンズブランクの使用の場合、光学的未完成面は、少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着に先立って、光学的完成面へ変換される。
少なくとも1つの薄肉ガラスの半完成レンズブランクの光学的完成面(好適には前面)又は完成レンズの完成光学面のうちの1つの完成光学面(好適には前面)への固着は、好適には接着及び形状嵌合(cohesive and form-fitting)である。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの後面は半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面へ固着される。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面及び/又は半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面は少なくとも1つの皮膜を備え得る。この少なくとも1つの皮膜は少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層及び/又は少なくとも1つの分極層を含み得る。少なくとも1つの着色膜は好適には、米国特許第4,355,135A号明細書(特に米国特許第4,355,135A号明細書の請求項1)、米国特許第4,294,950A号明細書(特に米国特許第4,294,950A号明細書の請求項1及び請求項6のいずれか)、又は米国特許第4,211,823A号明細書(特に米国特許第4,211,823A号明細書の請求項1又は2のいずれか)による着色可能層を含む。より好適には、着色膜は、米国特許第4,355,135A号明細書(特に好適には米国特許第4,355,135A号明細書の請求項1)による着色可能層を含む。少なくとも1つのフォトクロミック層は好適には、米国特許出願公開第2006/0269741A1号明細書(特に米国特許出願公開第2006/0269741A1号明細書の請求項6)、又は米国特許出願公開第2004/0220292A1号明細書(特に米国特許出願公開第2004/0220292A1号明細書の請求項1)による層を含む。少なくとも1つのフォトクロミック層は、好適には5μm~200μmの範囲、さらに好適には9μmから166μmの範囲、より好適には17μmから121μmの範囲、最も好適には21μmから81μmの範囲の平均厚を有する。少なくとも1つの分極層は好適には、分極特性を有する偏光膜又は層のいずれかを含む。使用される偏光膜は、例えば二色着色剤を含むポリビニル・アルコール又はポリエチレン・テレフタレートの膜であり得る。偏光膜は単層又は多層膜の構造を有し得る。偏光膜は少なくとも1つの薄肉ガラスの後面に精確に適合するように予め成形され得る。好適には、偏光膜は、金型(好適には金属金型)の助けを借りて減圧の適用により予め成形される。分極特性を有する層は、例えば欧州特許出願公開第1,965,235A1号明細書、欧州特許出願公開第0,217,502A1号明細書、欧州特許出願公開第1,674,898A1号明細書、米国特許出願公開第2006/0066947A1号明細書、国際公開第2005/050265A1号パンフレット、国際公開第2009/029198A1号パンフレット、国際公開第2009/156784A1号パンフレット又は国際公開第2015/160612号パンフレットに開示されている。前述のアプリケーションでは、分極特性を有する層はいずれの場合も上記特許文書に記載の層順序の一構成要素である。本発明の文脈では、好適には、引用されたアプリケーションにおいて説明される分極特性を有する層だけが分極層として使用される。
好適には、少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層、及び少なくとも1つの分極層から選択された単一層だけが少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に存在する。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に複数の層が存在すれば、これらは、対象物側から眼側へ以下の好ましい順番である:薄肉ガラス/フォトクロミック層/分極層/着色膜/半完成レンズブランク若しくは完成レンズ、又は薄肉ガラス/フォトクロミック層/着色膜/分極層/半完成レンズブランク若しくは完成レンズ、又は薄肉ガラス/分極層/着色膜/半完成レンズブランク又は完成レンズ。
少なくとも1つの高分子膜が高分子材料として使用されれば、上述の少なくとも1つの着色膜、少なくとも1つのフォトクロミック層、及び/又は少なくとも1つの分極層は好適には薄肉ガラスの後面へ塗布される。薄肉ガラスの後面がこれらの層の2つ以上を含めば、薄肉ガラスと少なくとも1つの高分子膜との間の順番は薄肉ガラスと半完成レンズブランク又は完成レンズとの間の上述の順番に対応する。
特に好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの後面と半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成前面との間に層は無い。
半完成レンズブランク又は完成レンズの第2の完成光学面の少なくとも1つの別の薄肉ガラスへの任意選択的に好ましい固着は、同様に接着及び形状嵌合であることが好ましい。好適には、半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面はここでは少なくとも1つの薄肉ガラスの前面へ固着される。半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面は少なくとも1つの被膜を備え得る。この少なくとも1つの被膜は好適には着色膜を含む。着色膜は上に既に定義された。好適には、半完成レンズブランク又は完成レンズの光学的完成後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面は被膜を含まない。半完成レンズブランクの光学的完成後面又は少なくとも1つの薄肉ガラスへの完成レンズの後面への固着へ代案として、それぞれの後面は少なくとも1つの被膜を備え得る。この被覆は好適には、少なくとも1つの硬質被覆層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層、及び少なくとも1つの透明皮膜層からなる群から選択される。より好適には、被膜は少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含み、この場合、少なくとも1つの硬質皮膜層は基板に最も近い層であり、少なくとも1つの透明皮膜層は基板から最も遠くで除去される層である。
少なくとも1つの薄肉ガラスの前面及び/又は後面はそれぞれ、PVD方法、浸漬塗布法及び/又は回転塗布法により被覆され得る。回転塗布法及び/又は浸漬塗布法により取得された被膜の後続の硬化は、熱的硬化又は放射線硬貨のいずれかで行われ得る。好適には、この皮膜は放射線硬化により硬化される。
半完成レンズブランクの光学的完成面、又は完成レンズの少なくとも1つの完成光学面、又は少なくとも1つの高分子膜それぞれの、少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着はいずれの場合も、好適には接着手段により行われる。接着手段はここでは、例えば個々の部品の異なる熱膨張のプライマー又は補償材料として働き得る。さらに、半完成レンズブランク又は完成レンズが一様な屈折率を有すれば、接着手段の選択は、個々の部品間の恐らく存在する屈折率差ΔnDの整合をもたらし得る。ここで好適に行われることは、個々の部品の屈折率の変化が可視スペクトル全体にわたって同じであるように屈折率nDの整合だけでなくアッベ数の整合である。使用可能な接着手段は、例えば独国特許出願公開第10 2012 210 185A1号明細書、国際公開第2009/056196A1号パンフレット又は国際公開第2015/121341号パンフレットに記載されている。好適には、個々の部品は、20℃~80℃の範囲、好適には40℃~70℃の範囲、そしてより好適には45℃~65℃の範囲の温度において、国際公開第2015/121341A1号パンフレット(特に国際公開第2015/121341A1号パンフレットの請求項1)と同様にエポキシレジンのアミン触媒チオール硬化に基づく接着手段により互いに固着される。
半完成レンズ又は完成レンズの完成光学面に面する少なくとも1つの薄肉ガラスの表面と完成光学面との間に少なくとも1つの層が存在し得る。この少なくとも1つの層は好適には、その下にこの少なくとも1つの層が塗布されたそれぞれの表面と同じ表面トポグラフィを有する。互いに接合される2つの面の表面トポグラフィの若干の差異は、例えば接着手段により充填され得る。それぞれの表面の形状嵌合固着に関して、それぞれ互いに固着される部品の曲率半径が好適には互いに1mm未満だけ、さらに好適には0.03mmから≦0.8mmの範囲内で、より好適には0.04mmから≦0.7mmの範囲内で、そして最も好適には0.05mmから≦0.6mmの範囲内で異なるということが好ましい。
少なくとも1つの薄肉ガラス及び半完成レンズブランク又は完成レンズは、接着手段により接合される前に、好適には同じ径及び同じ曲率半径を有する。好適には、少なくとも1つの高分子膜は、眼側薄肉ガラスの前面及び対象物側薄肉ガラスの後面を完全に覆うように十分に大きな径を有する。いかなる余分な高分子膜も切除されることが好ましい。少なくとも1つの高分子膜が、それに接着されるべき薄肉ガラスと同じ曲率半径を既に有すれば、少なくとも1つの高分子膜は薄肉ガラスと同じ径を有することが好ましい。
基板が少なくとも2つの鉱物ガラスを含めば、鉱物レンズの1つは好適には薄肉ガラスの形式であり、他の鉱物ガラスは好適には半完成レンズブランク又は完成レンズの形式である。上に説明したことは、薄肉ガラス並びにそれらの任意選択的前側及び/又は後側被膜に当てはまる。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスは半完成レンズブランクの光学的完成面(好適にはその前面)へ固着される、又は完成レンズの光学的完成面の少なくとも1つ(好適にはその前面)へ固着される。好適には、完成レンズの前面及び後面の両方はそれぞれ少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着される。さらに好適には、半完成レンズブランクの光学的完成面に対向する表面が処理されると、これもまた、少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着される。少なくとも1つの薄肉ガラスへの固着は、光学的接触固着により又は接着手段により実施され得る(好適には接着手段により)。上に列挙された接着手段が接着手段として使用され得る。少なくとも1つの薄肉ガラスの後面及び/又は半完成レンズブランクの前面又は完成レンズの前面は、接合されるのに先立って少なくとも1つの被膜を備え得る。一例として、この被膜は少なくとも1つの分極層及び/又は少なくとも1つのフォトクロミック層を含み得る。分極層及びフォトクロミック層は既に説明された。半完成レンズブランクの後面又は完成レンズの後面及び/又は少なくとも1つの薄肉ガラスの前面もまた、接合されるのに先立って少なくとも1つの被膜を備え得る。この被膜は例えば少なくとも1つの着色膜であり得る。着色膜は上に既に説明された。
半完成レンズブランク又は完成レンズの前面だけ又は後面だけがこの実施形態において少なくとも1つの薄肉ガラスへそれぞれへ固着されれば、それぞれの対向面(光学的に完成されていると仮定する)は、少なくとも1つの薄肉ガラスへの前述の固着の代案として少なくとも1つの被膜を有し得る。この被膜は、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの防曇層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層及び/又は少なくとも1つの透明皮膜層を含み得る。好適には、この被膜は少なくとも1つの反射防止層及び少なくとも1つの透明皮膜層を含む。この場合、透明皮膜層は被覆面から最も遠く離れた層である。
基板が少なくとも1つの薄肉ガラスである又はそれを含めば、後者は、好適には10μm~1000μmの範囲、さらに好適には13μm~760μmの範囲、さらに好適には16μm~510μmの範囲、より好適には18μm~390μmの範囲、最も好適には19μm~230μmの範囲の平均厚を有する。少なくとも1つの薄肉ガラスは特に好適には21μm~210μmの範囲の平均厚を有する。完成レンズの前面及び後面が両方とも少なくとも1つの薄肉ガラスへ接続されれば、対象物側上に固着される少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は眼側に固着される薄肉ガラスの平均厚と異なってもよいし又は等しくてもよい。好適には、対象物側に固着される少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は眼側に固着される薄肉ガラスの平均厚と等しい。
少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は算術平均を意味するものと理解される。10μm平均厚未満では、少なくとも1つの薄肉ガラスは、半完成レンズブランクの完成光学面へ又は完成レンズの完成光学面のうちの少なくとも1つへ固着されることができるには又は少なくとも1つの薄肉ガラス破壊無しに被覆されることができるには機械的に余りに不安定である。1000μmの平均厚を越えると、少なくとも1つの薄肉ガラスは、余りにも大きなエッジ厚さ又は余りに大きな中央厚さを有するであろう基板に至り得る。少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は好適にはFilmetrics F10-HC計測器(Filmetrics社)により測定される。少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は好適には、実際に使用される形式で(すなわち半完成レンズブランクの完成光学面へ固着されることに先立って又は完成レンズの完成光学面の少なくとも1つへ固着されることに先立って少なくとも1つの薄肉ガラスが存在するやり方で)少なくとも1つの薄肉ガラスに基づき判断される。代替的に、少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は、研磨断面を使用することにより走査型電子顕微鏡写真により判断され得る。これは、薄肉ガラスの研磨断面に基づき、又は半完成レンズブランクの完成光学面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板の研磨断面に基づき、又は完成レンズの完成光学面の少なくとも1つへ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスを含む基板に基づき実施され得る。この目的のため、少なくとも1つの薄肉ガラスの厚さは少なくとも3つの場所において判断されそして統計的に平均化される。好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの平均厚は、この基板の研磨断面を使用することにより走査型電子顕微鏡写真により判断される。
少なくとも1つの薄肉ガラスの膜厚分布の相対標準偏差は、好適には0.1%~100%、好適には0.2%~81%、より好適には0.3%~66%、そして最も好適には0.4%~24%である。相対標準偏差[%]は計算された標準偏差と平均厚の商である。少なくとも1つの薄肉ガラスは好適には<1nmの表面粗度Raを有する。さらに好適には、少なくとも1つの薄肉ガラスの表面粗度Raは、0.1nm~0.8nmの範囲内、より好適には0.3nm~0.7nmの範囲内、そして最も好適には0.4nm~0.6nmの範囲内である。表面粗度Raの前述の値はそれぞれ、少なくとも1つの未成形平坦薄肉ガラスの前面及び後面に基づく。成形後、前述の値はいずれの場合も、成形のために使用される成形体と接触されなかった少なくとも1つの薄肉ガラスの当該表面だけへ好適に適用可能である。成形のために使用される成形体に依存して、前述の値はまた、成形のために使用される成形体と接触した少なくとも1つの薄肉ガラスの表面へ適用可能かもしれない。少なくとも1つの薄肉ガラスの表面粗度Raは、好適にはNewView 7100計測器(Zygo社)を使用することにより白色光干渉計により好適に判断される。少なくとも1つの薄肉ガラスが別の表面凸凹を有すれば、それぞれの表面のエリア解析もまた、位相測定偏向計(好適にはSpecGage計測器(3D-Shape社))により判断され得る。
対称自由形式表面又は非対称自由形式表面として様々な(例えば、平坦、球面、非球面、非球面回転対称、円環状、非円環状、累進状)表面トポグラフィを有する少なくとも1つの薄肉ガラスが利用可能かもしれない。少なくとも1つの薄肉ガラスの表面トポグラフィに関連して、「平坦」は、少なくとも1つの薄肉ガラスがいかなる巨視的可視屈曲又は曲率も有していないことを意味するものと理解される。少なくとも1つの薄肉ガラスが非平坦面を有すれば、例えば対応ネガ金型上で平坦薄肉ガラスを変形させることにより所望表面トポグラフィを実現することが可能である。眼側に配置された少なくとも1つの薄肉ガラスの表面トポグラフィは対象物側に配置された少なくとも1つの薄肉ガラスの形状と同一であっても又は異なってもよい。
少なくとも1つの薄肉ガラスの曲率半径は、好適には10mm~∞の範囲内、好適には20mm~1600mmの範囲内、さらに好適には35mm~1535mmの範囲内、さらに好適には56mm~600mmの範囲内、好適には66mm~481mmの範囲内、そして最も好適には75mm~376mmの範囲内である。少なくとも1つの薄肉ガラスの無限の曲率半径は本明細書では平坦面に対応する。少なくとも1つの薄肉ガラスの非球状面の場合、上記規定曲率半径はそれぞれ略球状な形式に基づく。
少なくとも1つの薄肉ガラスは様々なガラス成分(例えば硼珪酸塩ガラス、アルミノ硼珪酸塩ガラス又は無アルカリ硼珪酸塩ガラス)に基づき得る。少なくとも1つの極薄ガラスは好適には硼珪酸塩ガラス又はアルミノ硼珪酸塩ガラスに基づく。完成レンズの前面及び後面の両方が、少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着されれば、前面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスは後面へ固着される少なくとも1つの薄肉ガラスと同じガラス成分を有することが好ましい。
薄肉ガラスは、例えばD263(登録商標)T eco、D263(登録商標)LA eco、D263(登録商標)M,AF 32(登録商標)eco、SCHOTT AS 87 eco,B270(登録商標)i名(それぞれSchott社)、又はCorning Willow Glass又はCorning Gorilla Glass(それぞれCorning Inc.の)の下に入手可能である。
基板は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を、前面(すなわちDIN EN ISO 13666:2013-10、段落5.8に準じて対象物側面が眼から離れて取り付けられるように意図された)上及び後面(すなわちDIN EN ISO 13666:2013-10、段落5.9に準じて眼側面が眼の最も近くに取り付けられるように意図された)上の両方に含み得る。代替的に、基板は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を前面上だけに又は後面上だけに含み得る。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は部分的に可逆的であっても又は不可逆的であってもよい。この場合の部分的に可逆的は「少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として取得される表面トポグラフィの変化は、接触が再び取り除かれた後にさらに変更され得るが、接触がなされる前の少なくとも1つの層の表面トポグラフィへもはや戻らない」ということを意味するものと理解される。表面トポグラフィの変化が部分的に可逆的であれば、この部分的変化は「フリーズ」されしたがって維持され得る(例えば変化の所望時刻における被覆により)。表面トポグラフィの変化は不可逆的であることが好ましい。この場合、表面トポグラフィの不可逆的変化は「一旦取得された変更済み表面トポグラフィがもはや変更されなくしたがって可逆的でもなく部分的に可逆的でもない」ということを意味するものと理解される。不可逆的に変更された表面トポグラフィは後続の処理工程(例えば少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更された少なくとも1つの層上の少なくとも1つの別の層の被覆の工程、又は基板とメガネフレーム内の少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更された少なくとも1つの層とを含む眼鏡レンズの取り付け工程)により変更されない。この場合、少なくとも1つの層自体の表面トポグラフィは少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更される。好適には、この変更は、少なくとも1つの媒体と実際に接触させられた場所においてだけ引き起こされる。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、フィック(Fick)の第1及び第2法則がさらに好適に考慮されるべきである拡散過程である。したがって、好適には、表面トポグラフィを変更する目的のために追加的に適用される必要がある別の層の必要性は無い。好適には、少なくとも1つの媒体と接触させることだけが、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に責任がある。少なくとも1つの媒体との接触だけにより引き起こされるここで説明される少なくとも1つの層自体の変化とは対照的に、例えば欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書は、マスキング手段の除去に続くこの少なくとも1つの別の層からナノ構造層及び/又はマイクロ構造層を取得するために、マスキング手段の不動化に続く少なくとも1つの別の層(すなわち欧州特許出願公開第3,531,195A1号明細書におけるナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の層)の適用を必要とする。このナノ構造層及び/又はマイクロ構造層は、この別の少なくとも1つの層の結果としてのナノ粒子及び/又はマイクロ粒子の除去に続きナノ粒子及び/又はマイクロ粒子が被覆面と接触しない又は被覆面を陰にしない隙間に形成される。
基板の表面の少なくとも1つは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィをエリア全体又はその一部にわたって変更し得る少なくとも1つの層を含み得る。基板の表面のうちの少なくとも1つは結果的に、そのエリア全体にわたってこの少なくとも1つの層により覆われ得る若しくは被覆され得る、又は基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の少なくとも一部は、この少なくとも1つの層により結果的に覆われ得る若しくは被覆され得る。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がこの少なくとも1つの層により覆われれば又は被覆されれば、この少なくとも一部は、少なくとも1つの別の部分へ隣接してもよいし、又は基板の同じ表面上の少なくとも1つの別の部分の近隣であってもよい。基板の同じ表面上の少なくとも2つの部分は、これらの少なくとも2つの部分が少なくとも1つの共通接点を有すれば互いに隣接する。基板の同じ表面上の少なくとも2つの部分は、これらの少なくとも2つの部分が共通接点を有しなければ近接する。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含む基板の少なくとも1つの表面は、前述の層に加えて、基板の同じ表面上の少なくとも1つの別の層(前述の層とは異なる)であって層順序において基板により近い別の層を含み得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更することができる少なくとも1つの層を含む基板の少なくとも1つの表面は、前述の層に加えて、基板の同じ表面であって層順序において基板からさらに離れた表面上に少なくとも1つの別の層(前述の層と同一である及び/又はそれと異なる)を含み得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は球面、非球面、円環状、非円環状、平坦、又は自由形式表面タイプ設計を有し得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得るこの少なくとも1つの層の表面内の少なくとも1つの隆起であり、隆起は、少なくとも1つの媒体と接触させられる前のこの少なくとも1つの層の表面に対するものである。この少なくとも1つの隆起は好適には、少なくとも1つの層の表面が少なくとも1つの媒体と接触させられる前の表面トポグラフィに対する表面トポグラフィの少なくとも1つの正の変化である。基板の前面又は後面が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含むかどうかには無関係に、少なくとも1つの媒体との接触前の表面トポグラフィに対する表面トポグラフィの少なくとも1つの正の変化は好適には、基板から離れる側である。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には拡散過程である。フィック(Fick)の第1及び第2法則が好適にこの拡散過程中に考慮されるべきである。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として局所的に又は少なくとも1つの層の表面全体にわたって変更され得る。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてエリア全体又はその一部にわたってその表面トポグラフィを変更し得るこの少なくとも1つの層を含み得る。表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合及び表面トポグラフィのエリア全体にわたる変化の場合の両方では、少なくとも1つの層の好適には正方向に変更された表面は少なくとも2つの隣接最大値及び/又は少なくとも2つの非隣接最大値を含み得る。少なくとも2つの最大値は好適には、少なくとも2つの最大値の少なくとも一方の最大値から他方の最大値への1つの経路(この経路に沿って、少なくとも1つの層の変更されなかった表面との接触は無い)があれば隣接する。少なくとも2つの最大値は好適には、少なくとも2つの最大値の少なくとも一方の最大値から他方の最大値への1つの経路(この経路に沿って、少なくとも1つの層の変更されなかった表面との接触がある)があれば隣接しない。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合、その最大横方向広がりは、好適には5μm~20mmの範囲、より好適には10μm~10mmの範囲、より好適には20μm~5mmの範囲、特に好適には50μm~4mmの範囲、そして特に好適には70μm~3mmの範囲である。局所的に変更された表面の最大横方向広がりは、少なくとも1つの層の互いに最大距離を有する変更された表面と変更されなかった表面との2つの交点間の最大距離である。少なくとも1つの層の非平坦面の場合、最も離れた少なくとも1つの層の変更されなかった表面と変更された表面との2つの交点間の距離は少なくとも1つの層の表面と同一でない。最大横方向広がりは好適には、白色光干渉計に基づく光学的プロフィロメータ(profilometer)により判断される。使用される光学的プロフィロメータは好適にはZygo社のNewView 7100光学的プロフィロメータである。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の場合又はそのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化の場合、変更されなかった少なくとも1つの層に対する表面内の変化は、好適には1nm~10μmの範囲、より好適には2nm~9μmの範囲、より好適には3nm~8μmの範囲、特に好適には4nm~7μmの範囲、そして特に好適には5nm~6μmの範囲である。変更された表面が少なくとも2つの隣接及び/又は非隣接最大値を含めば、前述の範囲はこれらの少なくとも2つの最大値のそれぞれに当てはまる。表面トポグラフィの変化は好適には、互いからの最大距離を有する少なくとも1つの層の変更されなかった表面と変更された表面との2つの交点間の距離に対する最大の高さである。
少なくとも1つの層の変更されなかった表面に対する表面トポグラフィの変化は同様に好適に白色光干渉計に基づく光学的プロフィロメータにより判断される。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの局所的変化は例えば、0.2dpt~50dptの範囲、好適には0.25dpt~40dptの範囲、より好適には0.3dpt~30dptの範囲、特に好適には0.4dpt~20dptの範囲、そして特に好適には0.5dpt~10dptの範囲の屈折力を有する。少なくとも1つの層の同じ表面の表面トポグラフィのあらゆる局所的変化はこの場合屈折力の観点で同じ屈折力を有してもよいし又は異なる屈折力を有してもよい。表面トポグラフィの局所的変化がただ1つの最大値を含めば、その屈折力は好適には以下の数式に従って計算される:
Figure 2022545983000017

ここで、R=半径、c=弦、h=セグメント高さ、
Figure 2022545983000018

ここで、f=焦点長、n=その表面トポグラフィが変更され得ない少なくとも1つの層の屈折率、R1=変更された表面の半径、R2=変更されなかった表面の半径、d=変更された表面と変更されなかった表面間の距離。
基板の前面及び後面の両方がそれぞれ、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含めば、前面の表面トポグラフィの変化は後面の表面トポグラフィの変化と同じであってもよいし又は異なってもよい。この場合、前面の表面トポグラフィの変化は好適には後面の表面トポグラフィの変化と異なる。
表面の少なくとも1つが、そのエリア全体にわたって、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層により覆われれば又は被覆されれば、この層の表面トポグラフィは局所的に変更され得る。少なくとも1つの層の表面トポグラフィのこの少なくとも1つの局所的変化は、その表面トポグラフィが変更されるようには意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域がマスクされているということと表面トポグラフィの変化を経験するように意図された表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられるということとのおかげで生成され得る。その表面トポグラフィが変更されるように意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域をマスクするために、好適には以下の特徴を有する任意のマスキング手段が利用され得る:
-この表面への良好な付着性を有する、
-表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域のいくつかの領域又は切り欠きを含み得る、
-少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてマスキング手段としてのその機能を接触の期間の間失わない、そして
-少なくとも1つの媒体と接触させられた後に残渣無しに除去され得る。
マスキング手段の領域又は切り欠きは好適には少なくとも1つの領域又は少なくとも1つの切り欠きを含む。一例として、マスキング手段は、少なくとも1つの感圧性接着剤、少なくとも1つの接着手段、少なくとも1つの被膜、少なくとも1つのフォトレジスト、又は少なくとも1つの膜を含み得る。少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域が表面トポグラフィの変化を経験するように意図されたマスキング手段内の領域又は切り欠きはマスキング手段に依存して様々なやり方で生成され得る。例えば、少なくとも1つの感圧性接着剤又は少なくとも1つの膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きはレーザビームにより生成され得る。少なくとも1つの感圧性接着剤又は膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは好適には、少なくとも1つの膜が少なくとも1つの層の表面へ塗布される前にレーザビームにより生成される。一例として、膜は任意選択的に再使用され得る金属膜又はプラスチック膜であり得る。少なくとも1つの接着手段がマスキング手段として使用されれば、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域は、この少なくとも1つの接着手段により、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により覆われる。少なくとも1つの被膜がマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは例えばリフトオフ法により生成され得る。この目的を達成するために、マスキング手段のネガ(すなわち表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域)は、例えば印刷方法によりこの少なくとも1つの表面上へ持って来られ、少なくとも1つの別の層(例えば金属層)により覆われ、そしてネガとして印刷された領域は少なくとも1つの媒体との接触に先立って除去される。一例として、ネガとして印刷された領域は、少なくとも1つのワックスを含んでもよいし又はそれで構成されてもよい。代替的に、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変化するように意図されていない少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの別の層(例えば、少なくとも1つのプライマー皮膜層及び少なくとも1つの硬質皮膜層、又は少なくとも1つの硬質皮膜層)により覆われ得る(例えば印刷方法により、好適にはインクジェット法により)。プライマー皮膜層に関して、好適には以下のものを含む被覆組成が活用される:
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、及び
iii)任意選択的に、少なくとも1つの添加剤。
硬質皮膜層に関して、その製造が欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書による(特に欧州特許出願公開第2,578,6491A1号明細書の請求項1による)組成を使用する層が好適に活用される。欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1によると、この組成は、以下のものを含む:
化学式(I)Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4)のシラン誘導体、ここで、同じであってもよいし又は異なってもよいR1、R2、R3、R4は、任意選択的に置換され得るアルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリール基及びアルキレンアリール及び/又は化学式(I)のシラン誘導体の加水分解及び/又は縮合生成物から選択される、
化学式(II)R6R73-nSi(OR5)nのシラン誘導体、ここで、R5は、非置換又は置換アルキル、アシル、アルキレンアシル、シクロアルキル、アリール基又はアルキレンアリール基であり、R6はエポキシド基を含む有機ラジカルであり、R7は、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキレンアリール基であり、nは2又は3である、及び/又は化学式(II)のシラン誘導体の加水分解及び/又は縮合生成物、
コロイド無機酸化物、フッ化物又はオキシフッ化物、
少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシド化合物、
ルイス酸及び熱潜在性ルイス酸塩基付加物を含む触媒系。
少なくとも1つのフォトレジストがマスキング手段として使用されれば、これらの領域又は切り欠きは例えばUV光照射により生成され得る。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの感圧性接着剤、少なくとも1つのフォトレジスト又は少なくとも1つの膜を含めば、少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体との接触に続いて除去されることが好ましい。少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの接着手段を含めば、少なくとも1つの接着手段は少なくとも1つの媒体との接触に続いて除去されないことが好ましい。その代りに、少なくとも1つの媒体の除去に続いて、少なくとも1つの接着手段は好適には、少なくとも1つの別の部品へ固着する(例えば少なくとも1つの薄肉ガラスへ固着する)ために働く。それらの平均厚、表面粗度、ガラス成分、曲率半径及び表面トポグラフィに関して、薄肉ガラスは、使用可能基板と併せて上に既に説明された。
少なくとも1つの媒体及び両方のマスキング手段と接触させられると、そしてマスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域が前記媒体と接触させられ得る。代替的に、マスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。マスキング手段の領域又は切り欠きにより、少なくとも1つの層が、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された表面の少なくとも2つの領域を含めば、表面の1つの領域は、表面の他の領域と同じ少なくとも1つの媒体と、又はそれとは異なる少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。この場合、少なくとも1つの媒体は、化学組成に関して同一であるが、その濃度に関して異なる、又は変更される表面の領域へ塗布される量に関して異なる。同一形状及び同一サイズを有するマスキング手段の領域又は切り欠きは、変更される少なくとも1つの層の表面と接触させられる少なくとも1つの媒体を変更することにより、少なくとも1つの層の表面の表面トポグラフィの異なる変化を引き起こし得る。マスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの領域だけが少なくとも1つの媒体と接触させられることになれば、この接触は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。
少なくとも1つの媒体及び両方のマスキング手段と接触させられると、そしてマスキング手段の領域又は切り欠きにより、表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面のそれらの領域は好適には前記媒体と接触させられる。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更され得ない少なくとも1つの層のこの被膜又は層は同じであってもよいし又は異なってもよい。マスキング手段が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つの層及びマスキング手段自体の両方は表面トポグラフィの変化を経験し得る。この場合、同一被膜は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更されることができる特性に関して同一被膜であると理解される。その結果、少なくとも1つのマスキング手段は、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含み得、前記皮膜は、例えばその化学組成の観点でそれとは異なるが同様に少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィを変更することができる特性を有する。一例として、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、着色剤の無い少なくとも1つのフォトクロミック層であり得、そして、マスキング手段の被膜は、着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを同様に変更し得る)であり得る。加えて、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、少なくとも1つの着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層であり得、そして、マスキング手段の被膜は、異なる少なくとも1つの着色剤を有する少なくとも1つのフォトクロミック層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを同様に変更し得る)であり得る。この場合、少なくとも1つの媒体は、いずれの場合も、互いに同一であっても又は互いに異なってもよい。少なくとも1つの被膜とその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの同一層とを含むマスキング手段が少なくとも1つの異なる媒体と接触させられれば、これは、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。
少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの被膜を含めば、後者は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されても除去されなくてもよい。少なくとも1つのマスキング手段が、上記定義に従ってその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層と同一である少なくとも1つの被膜を含めば、少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されることが好ましい。少なくとも1つのマスキング手段が、上記定義に従ってその表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層と同一でない少なくとも1つの被膜(すなわち、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として表面トポグラフィの変化を経験しない)を含めば、この少なくとも1つのマスキング手段は少なくとも1つの媒体と接触させられた後に除去されても除去されなくてもよい。一例として、少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの硬質皮膜層を含めば(その製造のためには欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書(特に欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1)による組成が特に好適に使用される)、この被膜は、少なくとも1つの層上に残ったままであり得る、又は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化と少なくとも1つの媒体の除去とに続いてこの少なくとも1つの層から再び除去され得る。少なくとも1つのマスキング手段が少なくとも1つの上述のプライマー皮膜層及び少なくとも1つの上述の硬質皮膜層を含めば、これらの2つの層は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化と少なくとも1つの媒体の除去とに続いて、前記少なくとも1つの層上に残されたままであり得る。これは、少なくとも1つの層がいずれの場合も少なくとも1つの被膜(好適には少なくとも1つの硬質皮膜層又は少なくとも1つのプライマー皮膜層及び少なくとも1つの硬質皮膜層)を有する基板から見て外方に向く側に被覆されるように意図されていれば、特に有利である。その表面トポグラフィの変化に続くそして少なくとも1つの媒体の除去に続く少なくとも1つの層の別の可能な被覆は依然として以下に詳細に説明される。しかし、予め、以下のことに留意すべきである:層厚Cを有する少なくとも1つの別の被膜が、層厚Mを有する少なくとも1つのマスキング手段と変更されなかった表面から最大距離Lを有する少なくとも1つの層の変更された表面との両方へ塗布されると、変更された表面の屈折力は、その表面トポグラフィが変更された少なくとも1つの層の屈折率とは独立にそして少なくとも1つの別の被膜の屈折率とは独立に、C>2(M-L)について観測され得ない。層厚Cを有する別の被膜が、層厚Mを有する少なくとも1つのマスキング手段と変更されなかった表面から最大距離Lを有する少なくとも1つの層の変更された表面との両方へ塗布されると、変更された表面の屈折力は、その表面トポグラフィが変更された少なくとも1つの層の屈折率に依存してそして少なくとも1つの別の被膜の屈折率に依存してC<2(M-L)について観測され得る。
少なくとも1つの層が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図されたマスキング手段の領域又は切り欠きはマスキング手段の任意の所望場所に位置し得る。マスキング手段の領域又は切り欠きはさらに任意の所望形状を有し得る。一例として、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きは円、楕円、線形、三角形、四辺形、五角形又は六角形であり得る。前述の領域又は切り欠きはさらに、それらのエリア全体にわたるそれぞれの切り欠きとして存在し得る、又はそれぞれの切り欠きはむしろ切り欠きの無い領域を有する。好適には、マスキング手段の領域又は切り欠きは少なくとも1つの円又は少なくとも1つの線である。マスキング手段の領域又は切り欠きはさらに任意の所望エリアを含み得る。一例として、領域又は切り欠きは0.03mm~60.8mmの範囲、好適には0.1mm~50.2mmの範囲、より好適には0.3mm~28.3mmの範囲、特に好適には0.5mm~12.6mmの範囲、そして特に好適には0.7mm~2.5mmの範囲のエリアを含み得る。
マスキング手段の領域又は切り欠きは同一形状及び/又は同一面積を有し得る。
代替的に、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きのうちの少なくとも2つは形状の観点で異なり得る。さらに、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きの少なくとも2つは同一形状を有し得るが面積の観点で異なり得る。また、マスキング手段のこれらの領域又は切り欠きのうちの少なくとも2つは同一面積を有し得るが形状の観点で異なり得る。さらに代替的に、マスキング手段の少なくとも2つの領域又は切り欠きは形状の観点で異なり、そして面積の観点で異なり得る。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に影響を与え得る前述の変動選択肢に加えて、その表面が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更され得る少なくとも1つの層の層厚も言及されるべきである。基板が少なくとも1つの層によりそのエリア全体にわたって覆われる場合、後者はエリア全体にわたり同じ層厚を有してもよいし又は異なる層厚を有してもよい。少なくとも1つの層の層厚が基板の表面全体にわたって規定されたやり方で変動すれば、少なくとも1つの層は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により適用される。少なくとも2つの異なる場所における少なくとも1つの層の異なる層厚は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化の異なる出発点を提示する。少なくとも1つの層自体の化学組成は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化に影響を与え得る別のパラメータである。基板の少なくとも1つの表面上のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の化学組成は表面全体にわたって同一であっても又は異なってもよい。少なくとも1つの層が各場所に同一化学組成を有しなければ、これは好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層により完全に被覆されれば又は覆われれば、この少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化が、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化が存在するように意図されている少なくとも1つの場所だけにおいて又は少なくとも1つの領域内だけで少なくとも1つの媒体と接触させられる少なくとも1つの層のおかげで、上述のマスキングの代案として又は追加として生成され得る。少なくとも1つの媒体による少なくとも1つの層のこの標的接触は好適には、少なくとも1つの層の表面上へ少なくとも1つの媒体を塗布することにより実施される。好適には少なくとも1つの媒体は印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により塗布される。表面トポグラフィの変化は例えば、少なくとも1つの媒体の濃度及び/又は体積要素(インクジェット法により少なくとも1つの層の表面の同じ場所又は同じ領域へ互いの上に適用される)の数に依存して変化し得る。結果的に、表面の場所又は領域を選択することにより少なくとも1つの層の表面トポグラフィを標的やり方で変更することが可能である。加えて、好適にはインクジェット法により互いの上へ塗布される少なくとも1つの媒体の濃度及び/又は体積要素の数が表面トポグラフィの変化に標的やり方で影響を与え得る。少なくとも1つの層の表面の表面トポグラフィの局所的変化はさらに、同一であってよいし異なってもよい少なくとも1つの媒体の選択により影響を与えられ得る。少なくとも1つの媒体は好適には化学組成の観点で同一であるが、異なる濃度を有し得る。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層によりそのエリア全体にわたって覆われれば又は被覆されれば、この少なくとも1つの層の表面トポグラフィはそのエリア全体にわたって変更され得る。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)をそれらのエリア全体にわたり含めば、少なくとも1つの眼側層の表面トポグラフィのこの変化は少なくとも1つの対象物側層の表面トポグラフィの変化と同じであってもよいし又は異なってもよい。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)をそれらのエリア全体にわたり含めば、表面トポグラフィのそれぞれの変化は好適には異なる。この場合、表面の少なくとも1つのエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィはエリア全体にわたる表面トポグラフィの変化(それぞれの対向面のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層のエリア全体にわたる表面トポグラフィの変化と異なる)を経験し得る。代替的に、表面の少なくとも1つのエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィは、エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化を経験し得、そして対向面のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない又は少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化に関する上記説明を参照されたい。基板の前面及び後面の両方がいずれの場合も、それらのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、表面のうちの1つの表面上に存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィの少なくとも1つの変化を経験し得、それぞれの対向面に存在する少なくとも1つの層は表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない。
基板の表面の少なくとも1つがそのエリア全体にわたり少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、少なくとも1つの層の表面トポグラフィのこの変化は、当初、エリア全体にわたって引き起こされ得、そしてその後、エリア全体にわたって変更されたこの表面はさらに、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。代替的に、エリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層はまた逆に、当初、表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化を経験し、そしてその後、エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化を経験し得る。エリア全体にわたる表面トポグラフィの変化及び表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化の両方は、すべての前述の実施形態では少なくとも一回実施され得る。基板の両方の表面がそれぞれ、それらのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのそれぞれの表面トポグラフィを変更し得る)を含めば、同じ少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、局所的に少なくとも一回そしてエリア全体にわたって少なくとも一回実施され得、少なくとも1つの対向層は、表面トポグラフィのいかなる変化も経験しないかもしれない、又は表面トポグラフィの同一変化、又は異なる変化を経験し得る。後者のケースでは、表面トポグラフィの変化が無いこと又は異なる変化が好ましい。
そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、十分な数の領域又は切り欠きを有することにより及び/又は領域又は切り欠きの好適な空間的配置により少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてそのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化を容易にする少なくとも1つのマスキング手段により実現され得る。そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)の少なくとも1つの表面トポグラフィのこの変化はまた、この変化がフィック(Fick)の第1及び第2法則が考慮されるべき拡散過程であるので少なくとも1つのマスキング手段を使用することにより可能であるという仮定がなされる。拡散過程の仮定下で、少なくとも1つのマスキング手段により覆われる少なくとも1つの層の表面の領域ですら、結果的に、それらの表面トポグラフィを少なくとも部分的に変更する。そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)の表面トポグラフィを変更する目的のために、少なくとも1つのマスキング手段が好適には、拡散過程が考慮される場合に所定表面トポグラフィが実現され得るように設計される。
そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、この場合、その少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその変化前に少なくとも1つの層の表面との少なくとも1つの共通交点を含む表面の少なくとも2つの隣接する正方向に変更された部分を含む。少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、上に既に説明されたように、任意の所望形状及び/又は任意の所望エリアを含み得る。少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、取得される少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィの観点で変更されるように意図されている)の表面トポグラフィに依存して好適に生成される。少なくとも1つの媒体と接触するという範囲内で、少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図された少なくとも1つの層の少なくとも領域及びマスキング手段自体の両方を少なくとも1つの媒体と接触させるために使用され得る。代替的に、少なくとも1つのマスキング手段の領域又は切り欠きは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更するように意図された少なくとも1つの層の領域だけを前記少なくとも1つの媒体と接触させるために使用され得る。後者の場合、少なくとも1つのマスキング手段の少なくとも2つの領域又は切り欠きは、その表面トポグラフィを変更するように意図されているこれら少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域を少なくとも1つの同一媒体又は異なる媒体と接触させるために使用され得る。この場合、少なくとも1つの同一媒体は、化学組成に関して同一であり得るが、例えばこれら少なくとも2つの領域(例えば異なる濃度及び/又は異なる量の)と接触させられ得る。一例として、異なる媒体に接触することで又は化学組成の観点で同一であるが濃度及び/又は量の観点で異なる媒体に接触することで、形状及び面積の観点で同一である少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域に表面トポグラフィの異なる変化を経験させ得る。結果として表面トポグラフィの変化を経験するように意図された少なくとも1つの層の表面の領域の標的接触は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施され、これによりそれぞれの所望の媒体がそれぞれの所望の位置へ塗布される。表面の少なくとも1つがそのエリア全体にわたり少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る)により覆われれば、少なくとも1つの好適な形状の領域又は切り欠きであって少なくとも1つの好適なエリアを有する領域又は切り欠きを含む少なくとも1つのマスキング手段によるこの変化もまた、少なくとも1つの媒体の少なくとも1つの変化により引き起こされ得る。結果的に、複数の表面トポグラフィは、ここから発生する無数の変動選択肢からアクセス可能にされる。前述の変動選択肢に加えて、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、基板の同じ表面上に、そのエリア全体にわたり、そして異なる層厚でもって存在し得るということも述べられるべきである。したがって、異なる層厚は、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの正の変化のための異なる開始点を提示する。少なくとも1つの層の異なる層厚は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つのマスキング手段は上述のマスキング手段のうちの少なくとも1つを含み得る。好適には、少なくとも1つのマスキング手段は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィという観点で変更され得る少なくとも1つの層と同一であっても又は異なってもよい少なくとも1つの被膜を含む。少なくとも1つの層と同一である又は異なる少なくとも1つの被膜に関する上記説明を参照されたい。
基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上のエリア全体にわたって存在する少なくとも1つの層の表面トポグラフィの上述の全エリア変化(少なくとも1つのマスキング手段により引き起こされる)の代わりとして又はその追加として、そのエリア全体にわたる少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は、その全エリア又は少なくとも一部にわたって少なくとも1つの媒体と接触することにより引き起こされ得る。この場合、表面トポグラフィの全エリア変化はまた、前記少なくとも2つの領域の表面トポグラフィのそれぞれの正の変化に続いて少なくとも1つの層の変更されなかった表面との少なくとも1つの共通交点を含むことができる少なくとも1つの層の少なくとも2つの領域を含む。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、この場合、その表面全体にわたって、化学組成に関して例えば同一である単一媒体と接触させられ得る。この場合、この単一媒体は、少なくとも1つの層の同一層厚の場合にその表面トポグラフィの同一変化が好適に観測され得るように、表面上のあらゆる場所において同一濃度でもってそして同一量で存在し得る。代替的に、少なくとも1つの層の表面は、あらゆる場所において同一濃度でもってそして同一量で単一媒体と接触させられない可能性がある。それにもかかわらず、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化は、この単一媒体と接触させられる選択場所間の距離がフィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程を考慮すれば後者のケースですら実現可能である。少なくとも1つの層の表面トポグラフィを設計するための別の変動選択肢は、同じ少なくとも1つの層の異なる層厚及び/又は異なる化学組成により提示される。同じ少なくとも1つの層の異なる層厚及び/又は異なる層厚は好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は、取得される表面トポグラフィに依存して、単一媒体(好適には化学組成の観点で同一である)が異なる濃度及び/又は異なる量の標的やり方でこの表面と接触させられることのおかげで、そのエリア全体にわたってさらに変更され得る。この場合、この標的接触はエリア全体又はその一部にわたって実施され得る。部分的標的接触の場合、フィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程は好適には、表面トポグラフィの全エリア変化が保証されるように考慮される。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の層厚は各場所において同じであってもよいし又は変化してもよい。この少なくとも1つの層の層厚が変化すれば、表面トポグラフィの正の変化の開始点はこの層の各場所において異なる。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面は、取得される表面トポグラフィに依存して、それらの化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体が標的やり方でこの表面と接触させられるおかげで、そのエリア全体にわたってさらに変更され得る。さらに、それらの化学組成の観点で異なるこれらの少なくとも2つの媒体は標的やり方でそれぞれ変更される(いずれの場合も異なる濃度及び/又は異なる量で)ために表面と接触させられ得る。それらの化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体を使用する際、これら2つの媒体がエリア全体にわたる標的やり方又はその一部分にわたる標的やり方でそれぞれ変更される表面と接触させられることも可能である。部分的標的接触の場合、化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体が、表面トポグラフィの全エリア変化が保証されるように使用されても、フィック(Fick)の第1及び第2法則による拡散過程が好適に考慮される。加えて、少なくとも1つの層の層厚は表面全体にわたるすべての場所で同じであっても又は異なってもよいということに注意すべきである。少なくとも1つの層の異なる層厚は、異なる開始点を結果的に提示し得、そして表面トポグラフィの標的正変化の目的のために考慮されるべき別のパラメータを表し得る。
少なくとも1つの媒体とエリア全体にわたり存在する少なくとも1つの層との標的接触はまた、その化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体であって同一及び/又は異なる位置において少なくとも1つの層の表面と逐次的に接触させられる2つの媒体を含み得る。代替的に、化学組成の観点で同一な媒体は、同一及び/又は異なる位置において少なくとも1つの層の表面と逐次的に接触させられ得る。媒体のそれぞれの濃度及び/又はそれぞれの量は、今述べた化学組成の観点で異なる少なくとも2つの媒体の逐次的接触の場合及び単一媒体の逐次的接触の場合の両方の場合に変化し得る。
レンズブランク又は半完成レンズブランクの従来の機械的処理にアクセス可能でない表面トポグラフィがアクセス可能にされるということは無数の変動可能性から明確である。さらに、少なくとも1つの媒体中の濃度勾配により少なくとも1つの層の表面トポグラフィの独立した(好適に独立した)連続的又は漸進的変化を生成することが可能である。少なくとも1つの層の表面トポグラフィの独立した(好適に独立した)連続的又は漸進的変化もまた、互いの上へ塗布される体積要素の数の勾配により(好適にはインクジェット法により)少なくとも1つの層の表面へ生成され得る。2つの前述の傾きの組み合わせも可能である。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化はまた代替的に、この層の表面トポグラフィの全エリア変化が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として実現されるようにこの少なくとも1つの層が基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上に部分的に(しかし好適な横方向間隔でもって)適用されるおかげで取得され得る。この場合、表面トポグラフィの全エリア変化は、前記少なくとも2つの領域の表面トポグラフィのそれぞれの正の変化に続いて基板の表面との1つの共通交点を含むことができる少なくとも2つの領域を含む。少なくとも1つの層は、基板の表面のうちの少なくとも1つの表面上の一部にそして同じ又は異なる層厚で存在し得る。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更することができる少なくとも1つの層は、各塗布場所において同一化学組成を有し得る異なる化学組成を有し得る。少なくとも1つの層の部分的塗布は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実施される。少なくとも1つの媒体に対する無数の変動選択肢に関して上記説明を参照されたい。
基板の表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの層(少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポグラフィを変更し得る)を少なくとも部分的に含めば、表面トポグラフィのこの変化は、エリア全体にわたり及び/又は局所的に実現され得る。表面の1つは、例えばエリア全体にわたって存在しないとしても少なくとも1つの層を部分的に含む。少なくとも1つの層は、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により基板の表面のうちの少なくとも1つへ塗布される。この少なくとも1つの部分的に塗布される層の表面トポグラフィの全エリア又は局所的変化は上述のように実現され得る。
少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面は少なくとも1つの媒体と、好適には20分~40時間の期間、さらに好適には25分~30時間の期間、より好適には30分~20時間の期間、特に好適には35分~15時間の期間及び特に好適には40分~10時間の期間接触させられる。接触は室温で(すなわち22℃±2℃の温度)又は高温で実施され得る。この場合、高温は、好適には25℃~80℃の範囲、より好適には25℃~60℃の範囲、より好適には27℃~55℃の範囲、特に好適には30℃~50℃の範囲及び特に好適には35℃~45℃の範囲の温度を含む。さらに、接触は280nm~1200nmの範囲の波長におけるキセノン照射下で実施され得る。任意選択的に、その表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層はキセノン照射下の接触中に脱イオン水によりリンスされ得る。少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させるための前述の条件は任意の所望やり方で組み合わせられ得る。少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面に上述のように少なくとも1つの媒体との標的接触のためのマスキング手段が備えられれば、このマスキング手段は、少なくとも1つの層及び少なくとも1つの媒体を含む眼鏡レンズが高温及び/又はキセノン照射に晒される前に除去され得る。
先に説明したように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面トポグラフィの変化は好適には、フィック(Fick)の第1及び第2法則が好適に考慮される拡散過程であるので、表面トポグラフィの変化は少なくとも1つの層の表面の領域又は場所(少なくとも1つの媒体と接触させられる)へ限定されない。
少なくとも1つの媒体との少なくとも1つの層の表面の標的接触が参照されれば、これは「少なくとも1つの層の表面が、予め規定された場所においてだけ又は予め規定された領域内においてだけ少なくとも1つの媒体と接触させられる」ということを意味するものと理解される。予め規定された場所又は予め規定された領域は好適には、取得される少なくとも1つの層の表面の所望の正の変化により判断される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面トポグラフィの局所的変化はまた好適には、長波長面セグメントに隣接する短波長面セグメントとして理解され得る。短波長面セグメントは好適には、少なくとも1つの層の隣接長波長面の最小周期性より短い周期性を有する表面セグメントである。これは、少なくとも1つの層による基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリア及び部分的カバレッジに好適に当てはまる。
例えば少なくとも1つのマスキング手段、少なくとも1つの媒体、少なくとも1つの層の層厚、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る表面トポグラフィ、少なくとも1つの層の化学組成、接触の期間、接触の温度、及び/又は接触中の可能な照射に関する前述の無数の変動選択肢から、「複数の考え得る表面トポグラフィは、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体により変更されるように意図された少なくとも1つの層に少なくとも接触することによりアクセス可能にされる」ということは明白である。特に、これはまた、従来の機械的処理方法(例えば切削及び/又は研削及び/又は旋削及び/又は研磨)によりアクセス可能でない表面トポグラフィをアクセス可能にする。これらの表面トポグラフィは好適には眼鏡装着者の眼の個別ベースで製造されるべきである。
その表面トポグラフィが変更されるように意図された基板及びしたがって少なくとも1つの層は任意の所望表面トポグラフィを有し得る(例えば、球面、非球面、円環、又は自由形式トポグラフィを有し得る)。その表面トポグラフィが変更されるように意図された少なくとも1つの層の表面トポグラフィを少なくとも1つの媒体と接触させることにより、少なくとも1つの層の単純表面トポグラフィ(例えば球面トポグラフィ)を自由形式表面トポグラフィへ変換することが結果的に可能である。その結果、基板の表面トポグラフィは、少なくとも1つの媒体との接触に続く少なくとも1つの層の表面トポグラフィに対応しない。
別の実施形態では、使用される基板に関連して上に説明された少なくとも1つの薄肉ガラスは、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含み得る。この少なくとも1つの薄肉ガラスは例えば、接着手段により上述の基板の1つの表面の少なくとも1つへ固着され得る、又は着脱可能接続(「クリップ接続すなわちクリップ留め(clip-on)接続」)により完成レンズへ接続され得る。この着脱可能接続は、例えば、変更された表面トポグラフィが実証目的のために提示されるべきであれば又は変更された表面トポグラフィが完成レンズと交互に装着されるべきであれば、興味対象であり得る。
好適には、より単純な表面幾何学的形状を有する基板の表面は、その表面が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてのその表面トポグラフィの観点で変更され得る少なくとも1つの層を含む。一例として、基板の表面の1つが球面又は平坦面幾何学的形状を有し、対向面が自由形式表面幾何学的形状を有すれば、球面又は平坦表幾何学的形状を有する表面はこの場合、好適には、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層を含むだろう。
少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポロジーを変更し得る少なくとも1つの層は好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられることに先立って被覆される表面上に完全に在り、したがって、この少なくとも1つの層のさらなる塗布が提供されないことが好ましい。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は硬化されることが好ましく、したがって1つの表面も乾燥されないことが好ましい。
少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポロジーを変更し得る少なくとも1つの層は好適には、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9)によるフォトクロミック層による、又は欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1)による層、又は欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書の請求項10)による層、又は国際公開第03/058300A1号パンフレットの10頁、23行~21頁、18行によるフォトクロミック層を含む。
欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書は、ポリウレタン樹脂に基づくプライマー層の上に適用されるべきフォトクロミック層を開示する。フォトクロミック層は、20重量%~90重量%のラジカル重合可能単量体、シラノール基又は加水分解によるシラノール基を形成する基を含む0.5重量%~20重量%のラジカル重合可能単量体、0.01重量%~15重量%のアミン化合物、及び0.1重量%~30重量%のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成に基づき、ここで%重量仕様はいずれの場合も組成の全重量に対するものである。フォトクロミック層が欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書において開示されたプライマー層へ塗布されれば、フォトクロミック層はアミン化合物を必ずしも含む必要は無い。ラジカル重合可能単量体は好適には、単重合(homopolymerized)硬化物内の60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「高硬質単量体」)と単重合硬化物内の40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「低硬質単量体」)との混合物である。欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9は、100重量部のラジカル重合可能単量体、0.001~5重量部のシリコーンベース又はフッ素ベース界面活性剤、及び0.01~20重量部のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成を請求する。
欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書は、60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「高硬質単量体」)、40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体「(低硬質単量体」)、及びフォトクロミック化合物の組み合わせを含む硬化可能組成を開示する。さらに、硬化可能組成はまた、40以上60未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体(「中間硬質単量体」)を含み得る。対応単量体は欧州特許出願公開第1,433,8141号明細書の段落[0049]-[0097]においてより詳細に規定される。この硬化可能組成から取得される被膜の耐溶剤性、硬度、熱抵抗、発色強度及び退色速度などの特徴的性質のバランスを改善するために、40未満のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体の量は好適には5~70重量%であり、そして60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有するラジカル重合可能単量体の量は好適には5~95重量%である(いずれの場合も、以下に規定されるラジカル重合可能単量体を除いたすべてのラジカル重合可能単量体(シラノール基を含む、加水分解によりシラノール基を形成する、又はイソシアネート基を含む)の全重量に基づく)。この硬化可能組成から取得される被膜と眼鏡レンズ基板又は硬質皮膜との間の付着性を改善するために、耐摩擦性を改善するために、そしてフォトクロミック特性を改善するために、硬化可能組成はさらに、ラジカル重合可能単量体の前述の組み合わせに加えて、シラノール基を含む又は加水分解によりシラノール基を形成するラジカル重合可能単量体又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体を含む。欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書によると、シラノール基を含む又は加水分解によりシラノール基を形成するラジカル重合可能単量体又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体の量は好適には、すべてのラジカル重合可能単量体の全重量に対して0.5重量%~20重量%である。硬化可能組成はさらに、ラジカル重合可能単量体の全重量に対して0.01~20重量部の量のアミンを含み得る。
欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1は、100重量部のラジカル重合可能単量体、0.01~20重量部のアミン化合物、及び0.1~20重量部のフォトクロミック化合物を含む硬化可能組成を請求する。ここでのラジカル重合可能単量体は、シラノール基を含むラジカル重合可能単量体、又は加水分解によりシラノール基を形成する基を含むラジカル重合可能単量体、及び/又はイソシアネート基を含むラジカル重合可能単量体を含む。
欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書の請求項10は、(A)ラジカル重合可能単量体、(B)フォトクロミック化合物、及び(C)光重合開始剤成分を含む光重合可能且つ硬化可能組成を請求し、ここでは、前記フォトクロミック化合物(B)は0.2~20重量%の量で含まれ、その中に含まれる光重合開始剤成分(C)は、ラジカル重合可能単量体(A)の100重量部当たり0.01~10重量部の量の燐含有重合開始剤と0.01~10重量部の量の燐含有重合開始剤以外の光重合開始剤とを含む。欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書によると、1~100μmの厚さを有する高分子膜が基板上に形成される。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基又はスチレン基などのラジカル重合可能基を含み得るラジカル重合可能単量体(A)は、欧州特許出願公開第1,561,5711号明細書の段落[0035]-[0111]においてより詳細に説明される。欧州特許出願公開第1,561,571A1号明細書によると、ラジカル重合可能高分子は好適には、その単独重合体が60以上のLスケール・ロックウェル硬度を有する5~95重量%の硬質単量体(「高硬質単量体」)と、その単独重合体が40以下のLスケール・ロックウェル硬度を有する5~70重量%の硬質単量体(「低高度単量体」)とを含む。
特に好適には、少なくとも1つの媒体と接触させられた後にその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書の請求項9)によるフォトクロミック層又は欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,433,814A1号明細書の請求項1)による層を含む。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、さらに特に好適には、いずれの場合も着色剤を含まない上述のフォトクロミック層による組成を含む。
少なくとも1つのプライマー層が、基板と、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層との間に(好適には基板対向側の少なくとも1つの反応性層の直近に)存在し得る。使用される少なくとも1つのプライマー層は、欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1)に開示されるポリウレタン樹脂層、又は国際公開第03/058300A1号パンフレット(特に国際公開第03/058300A1号パンフレット、22頁、3行~23頁、13行)に開示されるプライマー層であり得る。使用される少なくとも1つのプライマー層は好適には欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書(特に欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1)に開示されるポリウレタン樹脂層である。欧州特許出願公開第1,602,479A1号明細書、請求項1は、層順序における基板の少なくとも1つの表面上のポリウレタン樹脂層を含む製品を請求する。このポリウレタン樹脂層は湿気硬化性ポリウレタン樹脂及び/又はその前駆体の硬化物を含む。
基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリアカバレッジ及び部分的カバレッジの両方の場合、接触の結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、エリア全体又は部分的カバレッジ全体にわたり同一であっても又は異なってもよい。同一カバレッジの場合、基板の表面の少なくとも1つは、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層によりそのエリア全体又はその一部にわたって覆われる。基板の前面及び後面の両方はそれぞれ、エリア全体又はその一部にわたって、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層を含み得る。基板の前面及び後面の両方がそれぞれ、化学組成に関して同一である少なくとも1つの層を部分的に含めば、少なくとも1つの層が少なくとも部分的に存在するそれぞれの少なくとも1つの場所及び/又はそれぞれの少なくとも1つの領域は、前面上及び後面上で同じであってもよいし又は異なってもよい。好適には、少なくとも1つの層が少なくとも部分的に存在するそれぞれの少なくとも1つの場所及び/又はそれぞれの少なくとも1つの領域は前面と後面との間で異なる。少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層はまた、基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の全エリアカバレッジ又は部分的カバレッジ全体にわたって化学組成に関して異なり得る。この場合、「異なる」は好適には、少なくとも1つの層の化学組成が基板の同じ表面上の異なる場所で及び/又は異なる領域内で同一ではなく異なるということを意味する。これは、基板の同じ表面の部分的カバレッジ及び全エリアカバレッジの両方に当てはまる。基板の前面及び後面の両方が化学組成に関して少なくとも1つの異なる層を含めば、前面上のこの異なる層は、後面上の少なくとも1つの異なる層と同一であっても又は異なってもよい。表面のうちの1つの表面の全エリアカバレッジ及び部分的カバレッジの両方の場合、異なる層はそれぞれの対向面とは異なる。
この場合互いに同一であっても又は異なってもよい少なくとも1つの層を有する表面のうちの少なくとも1つの表面の化学組成及びまた部分的カバレッジに関して異なる層が好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層は、好適には0.5μm~200μmの範囲、より好適には1μm~166μmの範囲、より好適には1.5μm~121μmの範囲、特に好適には1.8μm~87μmの範囲、最も好適には2.0μm~60μmの範囲の平均厚を有する。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の層厚は基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の基板の全エリアカバレッジ又は部分的カバレッジ全体にわたって同じであっても又は異なってもよい。基板の表面のうちの少なくとも1つの表面の部分的カバレッジは、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。エリア全体又はその一部にわたって異なる層厚を有する少なくとも1つの層を有する基板の同じ少なくとも1つの表面のカバレッジは同様に、好適には印刷方法により、特に好適にはインクジェット法により実現される。基板の前面及び後面の両方が、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層を含めば、表面のうちの1つの表面の少なくとも1つの層の層厚はそれぞれの対向層上の少なくとも1つの層の層厚と同じであっても又は異なってもよい。これは、両面の全エリアカバレッジ及び両面の部分的カバレッジだけでなく、一方の面の全エリアカバレッジ及びそれぞれの対向面の部分的カバレッジ(いずれの場合も少なくとも1つの層を有する)にも当てはまる。
少なくとも1つの層の表面トポグラフィが接触の結果として変更され得る少なくとも1つの媒体は、好適には少なくとも1つの有機酸、特に好適には飽和又は不飽和液状有機脂肪族、任意選択的には置換モノカルボン酸を含む。少なくとも1つの媒体は特に好適には、2~22の炭素原子を有する(好適には3~18の炭素原子を有する)少なくとも1つの液状有機脂肪族飽和又は不飽和酸モノカルボン酸を含む。一例として、少なくとも1つの媒体は、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、乳酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アルファ・リノレン酸、ガンマ・リノレン酸、オレイン酸、リシノール酸、ステアリドン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる群からの少なくとも1つの有機酸を含み得る。少なくとも1つの媒体は、好適には酢酸、乳酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、リノール酸、アルファ・リノレン酸、ガンマ・リノレン酸及びオレイン酸からなる群からの少なくとも1つの有機酸を含む。特に好適には、少なくとも1つの媒体は、乳酸、カプリル酸及びオレイン酸を含む群から選択される少なくとも1つの有機酸を含む。代替的に、少なくとも1つの媒体は少なくとも1つのトリカルボン酸(例えばクエン酸)又は無機酸(例えば塩酸)を含み得る。前述の媒体は、それ自体で又は組み合わせて使用され得る。前述の媒体が印刷方法により、特にインクジェット法により塗布されるように意図されていれば、これらは好適な粘度を設定する目的のために修正され得る。前述の媒体は商業的取得可能品質(例えば技術的品質)で又は希薄形式で使用され得る。
少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体へ接触させた後、そして少なくとも1つの媒体を除去した後、その表面トポグラフィが少なくとも1つの別の層により被覆され得る少なくとも1つの層。この少なくとも1つの別の層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層と、上に与えられた定義の意味の範囲内で、同一であっても又は異なってもよい。少なくとも1つの別の同一層は次に、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る。少なくとも1つの別の同一層の表面トポグラフィを変更する際、少なくとも1つの層の既に変更された表面の表面トポグラフィのさらなる変化もあり得る。少なくとも1つの別の被膜及び/又は少なくとも1つの層が標的やり方で少なくとも1つの媒体と接触させられ得る。この標的接触中、少なくとも1つの媒体は、その化学組成に関して同一であっても又は異なってもよい(異なる濃度でそれぞれ存在し得る及び/又は異なる量でそれぞれ存在し得る)。標的接触は、好適には印刷方法により、好適にはインクジェット法により実現される。少なくとも1つの別の同一層及び少なくとも1つの層の両方が同じ少なくとも1つの媒体と接触させられれば、これは、全エリア接触により実現され得る(例えば少なくとも1つの同一媒体内の配置により、又は少なくとも1つの同一媒体により被覆することにより)。上に既に説明されたように、少なくとも1つの別の同一層はまた、少なくとも1つの媒体と少なくとも1つの層との最初の接触前に既に存在し得る(例えば少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層上のマスキング手段として)。本出願の範囲内で説明される変形形態のすべての変形形態における少なくとも1つの別の同一層による上述の別の被膜及び少なくとも1つの媒体との接触は2回以上実施され得る。
少なくとも1つの別の同一層は同様に、少なくとも1つの別の同一層と異なる少なくとも1つの層であって少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を伴う。この少なくとも1つの別の異なる層は好適には、少なくとも1つのプライマー皮膜層、少なくとも1つの硬質皮膜層、少なくとも1つの反射防止層、少なくとも1つの導電性又は半導電性層(反射防止層の一部であり得る)、少なくとも1つの着色剤層、少なくとも1つの防曇層、及び/又は少なくとも1つの透明皮膜層を含む。その平均厚、その表面粗度、そのガラス成分、その曲率半径、及び基板に関連するその表面トポグラフィの観点で詳細に説明された薄肉ガラスは別の異なる層にも好適である。そこで説明された接着手段により、少なくとも1つの薄肉ガラスは、その表面トポグラフィの変化に続いて少なくとも1つの層へ固着される。基板の表面のうちの1つが、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を含めば、それぞれの対向面は前述の層の少なくとも1つを含み得る。
少なくとも1つの別の異なる層が少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層を含めば、以下のものを含む被覆組成が好適には活用される。
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、
iii)少なくとも1つの基、及び、
iv)任意選択的に少なくとも1つの添加剤。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体の比率は、いずれの場合も被覆組成の全重量に基づき、好適には2重量%~31重量%の範囲、さらに好適には4重量%~26重量%の範囲、さらに好適には5重量%~21重量%の範囲、より好適には6重量%~20重量%の範囲、最も好適には7重量%~19重量%の範囲の全比率を有する。ここでの全比率は、上に挙げた分散体のうちのただ1つの分散体の比率及び上に挙げた分散体の混合物の比率の両方を含む。
好適には、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は、水溶性ポリウレタン分散体を含み、ここで、ポリウレタンは好適にはスペーサとしてポリエステルユニットを含む。優先的使用のための水溶性ポリウレタン分散体は国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行)に開示されている。国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行によると、水溶性ポリウレタン分散体は通常はポリウレタン・ポリユリアである(すなわち巨大分子鎖内のウレタン基及び尿素基の両方の発生により特徴付けられる高分子)。水溶性ポリウレタン分散体は、例えば国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、33~35行)に開示されるようにアニオン安定化アクリル乳剤により安定化され得る。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの溶剤の比率は、いずれの場合も被覆組成の全重量に基づき、好適には69重量%~98重量%の範囲内、さらに好適には73重量%~96重量%の範囲内、より好適には76重量%~94重量%の範囲内、最も好適には79重量%~93重量%の範囲内である。前述の比率は様々な溶剤の混合物の使用及び単一溶剤の使用へ適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は好適には、標準圧力において100℃未満の低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤及び標準圧力において100℃~150℃の範囲の中程度の沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含む。使用され得る低沸点を有する有機溶剤の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブタノール、アセトン、ジエチルエーテル、tert-ブチル・メチル・エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン・ジクロロメタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、n-ヘキサン、n-ヘプタン及び/又はメチルエチルケトンを含む。低沸点を有する好ましい有機溶剤はメタノール、エタノール、1-プロパノール及び/又は2-プロパノールである。
使用され得る中程度沸点を有する有機溶剤の例は、1-メトキシ-2-プロパノール、1-ブタノール、ジブチル・エーテル、1,4-ジオキサン、3-メチル-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソブチルケトン及び/又はトルエンを含む。中程度沸点を有する好ましい溶剤は1-メトキシ-2-プロパノール及び/又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンである。
低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤との重量比は、好適には1:1、さらに好適には1:1.4、より好適には1:1.5そして最も好適には1:1.7である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は追加的に、溶剤として水と、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と、中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤とを含み得る。この場合、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と水との重量比は、好適には2:7:1、さらに好適には2.5:6.5:1、さらに好適には3:6:1、より好適には3:5:1、そして最も好適には3:6:1である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、pH緩衝効果を少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層へ好適に与えしたがって基板により近い層とのpH酸性成分の接触を減速する(好適には防止する)少なくとも1つの基を含む。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.1重量%~3.2重量%の範囲、さらに好適には0.2重量%~2.8重量%の範囲、さらに好適には0.3重量%~2.4重量%の範囲、より好適には0.4重量%~1.9重量%の範囲、最も好適には0.5重量%~1.6重量%の範囲の比率(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)の少なくとも1つの基を含む。前述の比率は、単一型の基の使用の場合又は様々な基の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は例えば、基として、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、4-ヒドロキシメチルイミダゾール、ピラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ペンタゾール、ピロール、ピロリジン、ピリジン、4-アミノピリジン、4-メチルピリジン、4-メトキシピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、ピペリジン、ピペラジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、水酸化ナトリウム溶液、及び/又は水酸化カリウム溶液を含み得る。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層は好適には、2-メチルイミダゾール、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、トリエチルアミン又は水酸化ナトリウム溶液からなる基から選択された少なくとも1つの基(より好適には2-メチルイミダゾール、1-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール及び水酸化ナトリウム溶液からなる群から選択された少なくとも1つの基)を含む。最も好適には、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、0.1重量%~2重量%の範囲、好適には0.3重量%~1.5重量%の範囲の比率(いずれの場合も少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成の全重量に基づく)の2-メチルイミダゾール及び1-メチルイミダゾールからなる基から選択された少なくとも1つの基を含む。前述の比率は、2-メチルイミダゾール及び1-メチルイミダゾールを含む混合物の比率へ又は2-メチルイミダゾール又は1-メチルイミダゾールの比率へのいずれへも適用可能である。
少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は任意選択的に、少なくとも1つの添加剤を含み得る。ここでの少なくとも1つの添加剤は、分散剤、沈降防止剤、湿潤剤(クレータ防止添加剤又は平滑化添加剤、殺生物剤、及び/又はUV吸収剤を含む)であり得る。少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.01重量%~1.7重量%の範囲の比率で、さらに好適には0.07重量%~1.4重量%の範囲の比率で、より好適には0.09重量%~1.1重量%の範囲の比率で、最も好適には0.1重量%~0.7重量%の範囲の比率で任意選択的に存在する少なくとも1つの添加剤を含む(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は、1つのタイプの添加剤の使用又は様々な添加剤の混合物の使用のいずれへも適用可能である。
上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つの化学修飾プライマー皮膜層の製造に使用される被覆組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの別の異なる層が少なくとも1つのプライマー皮膜層を含めば、その製造は、以下のものを含む被覆組成を使用することが好ましい:
i)少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体、及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族又は複素芳香族ポリエステル分散体、より好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体又は少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリエステル分散体、そして最も好適には、少なくとも1つの水溶性脂肪族ポリウレタン分散体、
ii)少なくとも1つの溶剤、及び
iii)任意選択的に少なくとも1つの添加剤。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成の、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリウレタン分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリユリア分散体、少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリウレタン・ポリユリア分散体及び/又は少なくとも1つの水溶性脂肪族、脂環式、芳香族、複素芳香族ポリエステル分散体の比率は、好適には2重量%~38重量%の範囲、さらに好適には4重量%~34重量%の範囲、さらに好適には5重量%~28重量%の範囲、より好適には6重量%~25重量%の範囲、最も好適には7重量%~21重量%の範囲の全比率を有する(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。ここでの全比率は上に挙げた分散体のただ1つの分散体の比率及び上に挙げた分散体の混合物の比率の両方を含む。
好適には、少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は水溶性ポリウレタン分散体を含み、ここでは、ポリウレタンはスペーサとしてポリエステルユニットを含むことが好ましい。優先的使用のための水溶性ポリウレタン分散体は国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、11~33行)に開示されている。水溶性ポリウレタン分散体は、例えば国際公開第94/17116A1号パンフレット(特に国際公開第94/17116A1号パンフレット、7頁、33~35行)に開示されるようにアニオン安定化アクリル乳剤により安定化され得る。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成内の少なくとも1つの溶剤の比率は、好適には69重量%~98重量%の範囲内、さらに好適には68重量%~99重量%の範囲内、より好適には81重量%~97重量%の範囲内、最も好適には89重量%~93重量%の範囲内である(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は様々な溶剤の混合物の使用及び単一溶剤の使用の両方へ適用可能である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は好適には、標準圧力において100℃未満の低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤及び標準圧力において100℃~150℃の範囲の中程度の沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含む。使用され得る低沸点を有する有機溶剤の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブタノール、アセトン、ジエチルエーテル、tert-ブチル・メチル・エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン・ジクロロメタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、n-ヘキサン、n-ヘプタン及び/又はメチルエチルケトンを含む。低沸点を有する好ましい有機溶剤はメタノール、エタノール、1-プロパノール及び/又は2-プロパノールである。
使用され得る中程度沸点を有する有機溶剤の例は、1-メトキシ-2-プロパノール、1-ブタノール、ジブチル・エーテル、1,4-ジオキサン、3-メチル-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソブチルケトン及び/又はトルエンを含む。中程度沸点を有する好ましい溶剤は1-メトキシ-2-プロパノール及び/又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンである。
中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤に対する低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤の重量比は、好適には1:1、さらに好適には1:1.4、より好適には1:1.5、そして最も好適には1:1.7である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のために使用可能な被覆組成は追加的に、溶剤として水と、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と、中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤を含み得る。この場合、低沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と中程度沸点を有する少なくとも1つの有機溶剤と水との重量比は、好適には2:7:1、さらに好適には2.5:6.5:1、さらに好適には3:6:1、より好適には3:5:1そして最も好適には3:6:1である。
少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のための被覆組成は任意選択的に、少なくとも1つの添加剤を含み得る。ここでの少なくとも1つの添加剤は、分散剤、沈降防止剤、湿潤剤(クレータ防止添加剤又は平滑化添加剤、殺生物剤、及び/又はUV吸収剤、及び/又はこれらの混合物を含む)であり得る。少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造のための被覆組成は、好適には0.01重量%~1.7重量%の範囲の比率で、さらに好適には0.07重量%~1.4重量%の範囲の比率で、より好適には0.09重量%~1.1重量%の範囲の比率で、最も好適には0.1重量%~0.7重量%の範囲の比率で任意選択的に存在する少なくとも1つの添加剤を含む(いずれの場合も被覆組成の全重量に基づく)。前述の比率は、1つのタイプの添加剤の使用又は様々な添加剤の混合物の使用のいずれへも適用可能である。
上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つのプライマー皮膜層の製造に使用される被覆組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの別の違いが2つの上述のプライマー皮膜層のうちの1つに加えて又はその代替として少なくとも1つの硬質皮膜層を含めば、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書(特に、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の請求項1)に記載の組成がその製造に使用される。より好適には、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための組成は以下のものを含む:
a)化学式R1R23-nSi(OR3)nの少なくとも1つのシラン誘導体、ここで、R1は非置換又は置換アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルキレンアシル基、アリール基又はアルキレンアリール基であり、R2はエポキシ基を含む有機ラジカルであり、R3は非置換又は置換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルキレンアリール基であり、n=2又は3、及び/又は化学式R1R23-nSi(OR3)nのシラン誘導体の加水分解物及び/又は縮合生成物である、
b)少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物、
c)少なくとも2つのエポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ化合物、及び
d)少なくとも1つのルイス酸及び少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物を含む少なくとも1つの触媒系。
少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、化学式R1R23-nSi(OR3)nの少なくとも1つのシラン誘導体及び/又は加水分解物及び/又はその縮合生成物を好適には9重量%~81重量%の範囲、さらに好適には13重量%~76重量%の範囲、より好適には19重量%~71重量%の範囲、最も好適には23重量%~66重量%の範囲の比率で含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、化学式R1R23-nSi(OR3)nの1つのタイプのシラン誘導体及び/又はその加水分解物及び/又はその縮合生成物の使用に基づく又は化学式R1R23-nSi(OR3)nの様々なシラン誘導体の混合物及び/又はそれぞれのその加水分解物及び/又はそれぞれのその縮合生成物の使用に基づくかのいずれかである。使用されるシラン誘導体は、例えば3-グリシドキシ-メチル-トリヒメトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリヒドロキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメチル-ヒドロキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメチル-エトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-メチル-ジエトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリヒメトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-トリエトキシシラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジメトキシメチル-シラン、3-グリシドキシ-プロピル-ジエトキシメチル-シラン及び/又は2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-トリヒメトキシシランであり得る。使用されるシラン誘導体は好適には3-グリシドキシ-プロピル-トリヒメトキシシラン及び/又は3-グリシドキシ-プロピル-トリエトキシシランである。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には3重量%~60重量%の範囲、さらに好適には6重量%~58重量%の範囲、より好適には9重量%~57重量%の範囲、最も好適には13重量%~55重量%の範囲の比率で少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、単一型のコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物の使用の場合又は様々なコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。無機酸化物、水酸化物、含水酸化物は例えば、チタンの又はこれを含む(好適にはTiO)、珪素の若しくはこれを含む(好適にはSiO)、ジルコニウムの若しくはこれを含む(好適にはZrO)、錫の若しくはこれを含む(好適にはSnO)、アンチモンの若しくはこれを含む(好適にはSb)、アルミニウムの若しくはこれを含む(好適にはAl又はAlO(OH))金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物、及び/又は混合酸化物及び/又はそれらの混合物であり得る。使用される無機酸化物、水酸化物、含水酸化物は好適には、チタンの若しくはこれを含む、珪素の若しくはこれを含む、ジルコニウムの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物、含水金属酸化物、及び/又はそれらの混合物である。使用される無機酸化物、水酸化物、含水酸化物はより好適には珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物、含水金属酸化物である(最も好適にはSiO)。さらに好適には、無機酸化物、水酸化物、含水酸化物はコアシェル構造を有する。この場合、コアは好適には、チタンの若しくはこれを含む(好適にはTiO)又はジルコニウムの若しくはこれを含む(好適にはZrO)金属酸化物、金属水酸化物、及び/又は含水金属酸化物を含み、シェルは好適には、珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物を含む。無機フッ化物は例えばフッ化マグネシウムであり得る。少なくとも1つのコロイド無機酸化物、水酸化物、含水酸化物、フッ化物及び/又はオキシフッ化物は、いずれの場合も、好適には3nm~70nmの範囲、さらに好適には6nm~64nmの範囲、より好適には8nm~56nmの範囲、そして最も好適には9nm~52nmの範囲の平均粒径を有する。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には0.01重量%~14重量%。さらに好適には0.07重量%~11重量%の範囲、より好適には0.1重量%~6重量%の範囲、最も好適には0.2重量%~3重量%の範囲の比率の少なくとも1つのエポキシ化合物を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。前述の比率は、単一型のエポキシ化合物の使用の場合又は様々なエポキシ化合物の混合物の使用の場合のいずれにも適用可能である。少なくとも1つのエポキシ化合物は例えば、ジグリシジル・エーテル、エチレングリコール・ジグリシジル・エーテル、プロピレングリコール・ジグリコール・グリシジル・エーテル、ブタン-1,4-ジオールジグリシジル・エーテル、ヘキサン-1,6-ジオールジグリシジル・エーテル、トリメチロールプロパン・トリグリシジル・エーテル、トリグリシジルグリセリン及び/又はトリメチロールエタン・トリグリシジル・エーテルを含み得る。少なくとも1つのエポキシ化合物は好適にはトリメチロールプロパン・トリグリシジル・エーテル、ブタンジオール・ジグリシジル・エーテル及び/又は、ヘキサン-1,6-ジオールジグリシジル・エーテルを含む。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成は、好適には0.04重量%~4重量%の範囲、さらに好適には0.1重量%~3重量%の範囲、より好適には0.2重量%~2重量%の範囲、最も好適には0.3重量%~1重量%の範囲の比率の少なくとも1つの触媒系を含む(いずれの場合も組成の全重量に基づく)。少なくとも1つの触媒系では、少なくとも1つの熱潜在性ルイス塩基付加物に対する少なくとも1つのルイス酸の重量比は、好適には20:1~2:1、さらに好適には18:1~1:2、より好適には13:1~1:1そして最も好適には6:1~1:1である。使用される少なくとも1つのルイス酸は、例えば過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム、スルホン酸、及び/又はスルホン塩(トリフルオロメタンスルホン酸など)、及び/又はその塩類である。使用される少なくとも1つのルイス酸は好適には過塩素酸アンモニウム及び/又は過塩素酸マグネシウムである。使用される少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物は例えば少なくとも1つの金属複合体(アルミニウム・アセチルアセトネート、鉄・アセチルアセトネート及び/又は亜鉛・アセチルアセトネートなど)であり得る。使用される少なくとも1つの熱潜在性ルイス酸基付加物は好適にはアルミニウム・アセチルアセトネート及び/又は鉄・アセチルアセトネートである。少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成はさらに、少なくとも1つの有機溶剤及び/又は水を含み得る。上述の個々の成分の比率は、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造に使用される組成内の合計が100重量%になるようなやり方で使用される。
少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のための上述の組成の代案として、米国特許第3,986,997A号明細書(特に米国特許第3,986,997A号明細書、例7)による組成が使用され得る。別の代替案として、少なくとも1つの硬質皮膜層の製造のために、国際公開第98/46692A1号パンフレット(特に国際公開第98/46692A1号パンフレット、例21)による、又は米国特許第6,538,092B1号明細書(特に米国特許第6,538,092B1号明細書、例1)による組成を使用することが可能である。
少なくとも1つの別の層が、上述のプライマー皮膜層の1つ及び/又は上述の硬質皮膜層の1つの代わりとして又はその追加として少なくとも1つの反射防止層を含めば、この層(好適には基板から最も遠い)は好適には、交互の個別金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層(鉄、錫、ニッケル、モリブデン、セリウム、銅、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン、イットリウム、タンタル、ネオジム、ランタン、ニオブ及び/又はプラセオジムの若しくはこれを含む)を含む。好適には、少なくとも1つの反射防止層は、珪素の若しくはこれを含む少なくとも1つの金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層を含み、ここでは、前面上のこの少なくとも1つの酸化珪素、水酸化珪素及び/又は含水酸化珪素層は、対象物側に(又は後面上に)少なくとも1つの反射防止層の層(好適には眼側の外層)を形成する。この文脈での外側層は、層順序において眼側へ最も遠い又は対象物側へ最も遠い反射防止層の当該層を意味するものと理解される。少なくとも1つの反射防止層は、好適には97nm~420nmの範囲、好適には102nm~360nmの範囲、さらに好適には111nm~310nmの範囲、より好適には122nm~270nmの範囲、そして最も好適には131nm~223nmの範囲の全層厚を有する。
少なくとも1つの反射防止層は例えば、基板に面する層から基板から離れた層まで以下の層順序を有し得る:
a)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
b)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
c)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
d)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
e)チタンの若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層、
f)珪素の若しくはこれを含む金属酸化物、金属水酸化物及び/又は含水金属酸化物層。
少なくとも1つの反射防止層はまた、欧州特許出願公開第2,437,084A1号明細書、図3、5に指示される層順序及び層厚を有し得る(いずれの場合も超疎水性層と硬質皮膜層との間の)。好適には、本発明の文脈では、いずれの場合も眼側のその中の硬質皮膜層に隣接する層及びいずれの場合も対象物側の超疎水性層に隣接する層は前面上に配置され、いずれの場合も対象物側にその中に硬質皮膜層に隣接する層及びいずれの場合も眼側上の超疎水性層に隣接する層は層順序の後面上に配置される。
少なくとも1つの別の異なる層が、上により詳細に既に説明された層に加えて又はその代替として、少なくとも1つの導電性又は半導電性層(少なくとも1つの反射防止層の構成要素でもあり得る)を含めば、これは好適には、インジウムスズ酸化物(((In0.9(SnO0.1;ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(SnO:F;FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al;AZO)、及び/又はアンチモンドープ酸化スズ(SnO:Sb;ATO)の若しくはこれを含む層を含む。特に好適には、導電性又は半導電性層は、ITOの若しくはこれを含む又はFTOの若しくはこれを含む層を含む。
少なくとも1つの別の異なる層が上述の別の層に加えて又はその代替として少なくとも1つの透明皮膜層を含めば、後者は好適には、例えば欧州特許出願公開第1,392,613A1号明細書に開示される疎油性及び疎水性を有する材料を含み、この上で、水は90°超、好適には100°超、そしてより好適には110°超の接触角を取る。少なくとも1つの透明皮膜層はより好適には、独国特許出願公開第19848591A1号明細書、請求項1による基板への共有結合を有する有機フッ素層、又はペルフルオロポリエーテルに基づく層を含む。
少なくとも1つの別の異なる層が上述の別の層に加えて又はその代替として少なくとも1つの防曇層を含めば、後者は、好適には欧州特許出願公開第2,664,659A1号明細書(特に好適には欧州特許出願公開第2,664,659A1号明細書の請求項4)によるシラン誘導体を含む。代替的に、少なくとも1つの防曇層は独国特許出願公開第10,2015,209,794A1号明細書(特に独国特許出願公開第10,2015,209,794A1号明細書の請求項1)に記載されたプロセスにより製造され得る。
代替的に、少なくとも1つの透明皮膜層又は少なくとも1つの防曇層は好適には被膜の層順序において基板から最も遠くの層を表す。
マスキング手段の少なくとも1つの被膜の屈折率が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の屈折率に対応すれば、マスキング手段のこの少なくとも1つの被膜は好適には、そうでなければ表面トポグラフィの生成された変化がもはや光学的に効果的ではない可能性があるので別の被膜に先立って除去される。
マスキング手段の少なくとも1つの被膜の屈折率が、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の屈折率に対応しなければ、後続の別の被膜がマスキング手段の少なくとも1つの被膜上に実現され得る。この場合、上に既に説明したように、それぞれの層厚と変更されなかった表面からの変更された表面トポグラフィの距離が考慮される。
初めに既に述べたように、表面トポグラフィの変化は好適には不可逆的である。前述の別の様々な層の少なくとも1つによる被覆に続いて、表面トポグラフィのこの不可逆的変化はまた、室温(すなわち22℃±2℃の温度)で少なくとも8か月の期間にわたる長期的安定性を呈示する。
その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここで、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として、単焦点レンズの場合には遠方視点を中心に又は多焦点レンズ又は屈折力変動レンズの場合にはプリズム基準点を中心にいずれの場合も0.5cm~2.0cm半径内に複数の独立島状領域を形成する。
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である。
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である。
(4)独立島状領域はそれぞれ眼の網膜と異なる位置に結像し、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。複数の独立領域(好適には米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書と類似の複数の独立領域)は、基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。
上に引用されたDIN EN ISO 8980-1:2017及びDIN EN ISO 8980-2:2017の章の内容はDIN EN ISO 8980-1:2017、章5.2.2「後頂点屈折力」に再現される。
5.2.1に従って検証される際、眼鏡レンズは、6.2において規定される方法を使用することにより各主経線の屈折力に関する公差(表1、第2列を参照)及び円柱屈折力(表1、第3~6列を参照)に関する公差に準拠するものとする。
Figure 2022545983000019
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3「円柱軸の方向」
5.2.1に従ってそして6.3において規定される方法を使用することにより検証される際、円柱軸の方向は表2に規定される公差に準拠するものとする。円柱軸はISO8429に従って規定されるものとする。
これらの公差は、所定配向(例えばプリズムベース設定)を有する多焦点レンズ及び単焦点レンズ、及び/又は位置固有単焦点レンズに適用する。
注 0.12D未満の円柱屈折力の円柱軸の方向に関する要件は無い。
Figure 2022545983000020
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4「プリズム屈折力」
5.2.1に従ってそして6.5において規定される方法を使用することにより検証される際、加入度数は、表3において規定される公差に準拠するものとする。
Figure 2022545983000021
DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5「プリズム屈折力」
5.2.1に従ってそして6.4において規定される方法を使用することにより検証される際、全プリズム(発注された厚さ低減プリズムを含む)は表4に記載の公差に準拠するものとする。発注されたプリズムの無い眼鏡レンズも含まれる。
プリズム屈折力公差を判断するために、最初に、より高い絶対的主屈折力の値Sが見出される。次に:
a)特定配向の無い単焦点レンズに関して、表4の行が、全プリズムの値と第2列から選択された公差とに従って選択される。;
b)位置固有単焦点レンズ及び多焦点レンズに関して:
1)斜角柱として発注されれば、発注されたプリズムはその水平及び垂直成分へ分解される;
2)表4の行が、全プリズムの水平成分の値と第3の列から選択された水平成分の公差とに従って選択される;
3)表4の行が、全プリズムの垂直成分の値と第4の列から選択された垂直成分の公差とに従って選択される。
Figure 2022545983000022
注 表4の公差を、2.00以下Δのプリズム屈折力を有する多焦点レンズにおける+0.50D球面軸/-2.50D円柱軸20°の遠方度数へ適用する例は次のとおりである:この処方箋に関して、主屈折力は、より高い絶対的主屈折力が2.00Dとなるように+0.50D及び-2.00Dである。2.00Dの屈折力に関して、水平公差は±[0.25+(0.1×2.00)]=±0.45Δである。垂直公差は±[0.25+(0.05×2.00)]=±0.35Δである。
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2「主基準点における屈折力変動レンズの後頂点屈折力」
5.2.1に従って検証される場合、眼鏡レンズは、6.2において規定される方法を使用することにより各主経線の屈折力に関する公差(表1、第2列を参照)と円柱屈折力に関する公差(表1、第3~6列を参照)とに準拠するものとする。
Figure 2022545983000023
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3「円柱軸の方向」
5.2.1に従ってそして6.3において規定される方法を使用することにより検証される際、円柱軸の方向は表2に規定される公差に準拠するものとする。円柱軸の方向はISO8429に従って規定されるものとする。
注 0.12D未満の円柱屈折力の円柱軸の方向に関する要件は無い。
Figure 2022545983000024
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.4「変動屈折力(加入度数を含む)」
5.2.1に従ってそして6.5において規定される方法を使用することにより検証される際、変動(加入度数を含む)屈折力は表3において規定される公差に準拠するものとする。屈折力変動レンズの変動屈折力に関する公差は一次基準点及び二次基準点を有するレンズだけに適用する。
Figure 2022545983000025
DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5「プリズム屈折力」
プリズム基準点においてそして6.4において規定される本方法を使用することにより5.2.1に従って検証される際、全プリズム(発注された厚さ低減プリズムを含む)は表4に記載の公差に準拠するものとする。発注されたプリズムの無い眼鏡レンズも含まれている。
プリズム屈折力公差を判断するために、最初に、より高い絶対的主屈折力の値Sが見出される。次に:
a)斜角柱として発注されれば、発注されたプリズムはその水平方向及び垂直成分へ分解される;
b)表4の行が、全プリズムの水平成分の値と第2の列から選択された水平成分の公差とに従って選択される;
c)表4の行が、全プリズムの垂直成分の値と第3の列から選択された垂直成分の公差とに従って選択される。
Figure 2022545983000026
注 表4に記載の公差を、2.00以下Δのプリズム屈折力を有する累進レンズにおける+0.50D球面軸/-2.50D円柱軸20°の遠方度数へ適用する例は次のとおりである:
この処方箋に関して、主屈折力は、より高い絶対的主屈折力が2.00Dとなるように+0.50D及び-2.00Dである。2.00Dの屈折力に関して、水平公差は±[0.25+(0.1×2.00)]=±0.45Δである。垂直公差は±[0.25+(0.05×2.00)]=±0.35Δである。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として複数の少なくとも3つの非隣接光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは非球面屈折力を有し、ここでは眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。複数の少なくとも3つの非隣接光学素子(好適には国際公開第2019/166653A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの非隣接光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166653A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの非隣接光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166653A1号パンフレット、頁2、行11~頁5、行21に列挙される特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは、眼の網膜上へ結像されないような屈折力を有し、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166654A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166654A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166654A1号パンフレット、頁2、行19~頁6、行3に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子は、眼鏡レンズの断面に沿った光学素子の球状屈折力がこの断面の周辺の方向に増加するように形成され、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166655A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166655A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166655A1号パンフレット、頁2、行20~頁6、行12に列挙される特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも3つの光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)光学素子の少なくとも1つは、標準装着条件下でそして周辺視野の両方に関して、眼の網膜上へ結像しない屈折力を有する、ここでは、眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166657A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも3つの光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166657A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166657A1号パンフレット、頁2、行26~頁6、行5に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させることは、以下のものを含む製品の製造を容易にする:
(i)眼鏡レンズ、又は
(ii)眼鏡レンズ及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現、又は
(iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、又は
(v)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
(vi)コンピュータ可読データの形式の眼鏡レンズの仮想表現と眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
(vii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現、又は
(viii)コンピュータ可読データ信号の形式の眼鏡レンズの表現及び眼鏡レンズを使用するための指示、ここでは、いずれの場合も、
-眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含む、
-基板の前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する、
-基板の前面及び/又は後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に複数の少なくとも2つの隣接光学素子を含む、
-眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足する:
(1)屈折力無し、
(2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
(4)複数の少なくとも2つの隣接光学素子のうちの少なくとも1つは、眼鏡装着者の網膜上へ像を合焦しない屈折力を有し、ここでは眼鏡レンズは光学的要件(1)~(3)及び光学的要件(4)の少なくとも1つを満足する。
複数の少なくとも3つの光学素子(好適には国際公開第2019/166659A1号パンフレットと類似の複数の少なくとも2つの隣接光学素子)は基板の前面上に位置する少なくとも1つの層の表面を少なくとも1つの媒体と接触させることにより取得される。基板の前面は好適には球面ジオメトリ又は平面ジオメトリを有する。基板の後面は好適には球面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有する。さらに、少なくとも1つの媒体と接触させられた後に国際公開第2019/166659A1号パンフレット、請求項1と類似の複数の少なくとも3つの光学素子を形成する、少なくとも1つの層を含む(いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって)基板の前面及び/又は後面(好適には基板の前面)は、国際公開第2019/166659A1号パンフレット、頁2、行30~頁6、行25に列挙された特性の1つを有する少なくとも1つの光学素子を含み得る。
別の実施形態では、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更され得る少なくとも1つの層と接触することは、既に上に述べたように、少なくとも1つの層の表面トポグラフィの全エリア変化を容易にする。少なくとも1つの層の表面の全エリア変化の結果として、例えばマルチ屈折力表面及び処方箋面(遠方及び近方基準点の規定屈折力が実現される)を有する眼鏡レンズを製造することが結果的に可能である、ここでは、処方箋面は点対称及び軸対称無しの一般的非球状面であり、ここでは、欧州特許出願公開第0,562,336A1号明細書に説明されるように、処方箋面のジオメトリを判断する際に個々の使用条件の少なくとも屈折力が広汎なやり方で考慮される。少なくとも1つの層の表面内の全エリア変化の結果として、例えば、球状又は回転対称非球状前面と処方箋面として働く後面とを有する眼鏡レンズを製造することがさらに可能であり、欧州特許出願公開第0,857,993A2号明細書に説明されるように、球面及び/又は乱視及び/又はプリズム屈折力と眼鏡レンズの処方箋面上のその分布とからなる眼鏡処方箋のすべての個別要件が満足され、そしてレンズの後面は点対称及び/又は軸対称無しの多焦点面である。PCT/米国特許出願公開第19/41939号明細書において説明される二焦点レンズの製造はまた、少なくとも1つの層を少なくとも1つの媒体と接触させた結果として少なくとも1つの層の表面トポグラフィを変更することにより実現され得る。さらに、処方箋による球面屈折力及び処方箋による乱視屈折力を取得するための眼鏡レンズ(回転対称眼鏡レンズ前面及び非円環状眼鏡レンズ後面を有する)の製造は、欧州特許第18209854.1号明細書に記載のように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面と接触した結果として、少なくとも1つの媒体と接触した結果として実現可能である。
別の実施形態の場合、上記実施形態に記載される眼鏡レンズのそれぞれはさらに、上に説明したように、少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としてその表面トポグラフィを変更し得る少なくとも1つの層の表面の少なくとも1つの局所的変化を経験し得る。この局所的変化は例えば米国特許出願公開第2017/131567A1号明細書、国際公開第2019/166653A1号パンフレット、国際公開第2019/166654A1号パンフレット、国際公開第2019/166655A1号パンフレット、国際公開第2019/166657A1号パンフレット及び/又は国際公開第2019/166659A1号パンフレットと類似の少なくとも1つの局所的変化を含む。この少なくとも1つの局所的変化は基板の前面及び/又は後面上の少なくとも1つの層に関係し得る。
上に挙げた製品のすべてにおいて、それぞれの眼鏡レンズの表現は、特に幾何学的形状の説明及びそれぞれの眼鏡レンズの基板の説明を含み得る。一例として、このような表現は、前面、後面、互いに対するこれらの面の配置(それぞれの眼鏡レンズの厚さ及びエッジを含む)、及びそれぞれの眼鏡レンズの基底を形成するべき基板の屈折率分布の数学的説明を含み得る。この表現はコード化形式で存在し得、さらには暗号化形式ですら存在し得る。
上に挙げた製品のすべてにおいて、眼鏡レンズを使用するための指示は、入手可能であり得る、又は口頭で(例えば眼鏡技師により)、文書形式(例えば、コンピュータ可読データの形式又はデータ信号の形式のデータ媒体上のパッケージ・スリップ、指示又は製品説明の形式)で伝えられ得る。一例として、これらの指示は、眼鏡レンズの適合性(例えば運転用の、又は仕事眼鏡としての)に関する説明を含み得る。さらに、これらの指示は芯取りパラメータを含み得る。製品がデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式のそれぞれの眼鏡レンズの表現であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、このデータ媒体又は任意の他のデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示はまた、口頭で伝えられ得る又は書類形式で若しくはコンピュータ可読データ信号の形式で存在し得る。製品がコンピュータ可読データの形式のそれぞれの眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、このデータ媒体又は或るデータ媒体上のコンピュータ可読データの形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示は、この場合もまた、口頭で伝えられ得る又は書類形式で若しくはコンピュータ可読データ信号の形式で存在し得る。製品がコンピュータ可読データ信号の形式のそれぞれの眼鏡レンズの表現であれば、それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は同様に、コンピュータ可読データ信号の形式で入手可能であり得る。代替的に、使用のための指示は、口頭で伝えられ得る、文書形式で入手可能であり得る、又は、後者の場合、コンピュータ可読データの形式でデータ媒体上に存在し得る。
それぞれの眼鏡レンズを使用するための指示は、特に、眼鏡が装着されている間の装着者の眼及び顔に対するそれぞれの眼鏡レンズ又は眼鏡(それぞれの眼鏡レンズが使用される)の位置及び配向を表す。一例として、使用条件は、DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.18に準じて「装着時」前傾角、DIN EN ISO13666:2013-10、章17.3に準じてそり角、及びDIN EN ISO13666:2013-10、章5.27に準じて頂点間距離により規定され得る。「装着時」前傾角の標準値は-20度~+30度の範囲であり;頂点間距離の標準値は5mm~20mmの範囲であり;そしてそり角の標準値は-5度~+30度の範囲である。「装着時」前傾角に加えて、そり角及び頂点間距離(使用条件)はまた、通常、DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.29に準じて瞳孔間距離(すなわち、眼が真直ぐな前方位置の無限遠点における対象物を凝視しているときの瞳の中心間の距離)、芯取りデータ(すなわち眼の前のそれぞれの眼鏡レンズを芯合わせするために必要とされる寸法及び距離)、及びそれぞれの眼鏡レンズ表面上の或る点が最適化される対象物距離モデル(対象物距離を設定するための)を含む。
DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.18に準じて、「装着時」前傾角は、そのボックス中心(boxed center)における眼鏡レンズの前面に対する法線と第一眼位における眼の視線(通常は、水平となるように取られる)との間の垂直面内の角度である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.3に準じて、そり角は眼鏡前部の面と右レンズ形状(又は左レンズ形状)の面との間の角度である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章5.27に準じて、頂点間距離は、眼鏡レンズの後面と角膜の頂部との間の距離(眼鏡前部の面に対し垂直な視線により測定される)である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.1に準じて、レンズ形状の面は、フレーム内に搭載された時のそのボックス中心における度無しレンズ、又はデモレンズ、又はダミーレンズの前面に接する面である。DIN EN ISO 13666:2013-10、章17.2に準じて、眼鏡前部の面は左右ボックスレンズ形状の2つの垂直中心線を含む面である。
眼鏡レンズを製造するための本発明による方法
例1
粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)が、レーザ(LSU 193、Trotec社)を使用することにより図1による試験パターンにより穿孔された。試験パターンを有するこの膜はその後、フォトクロミック半完成レンズブランク(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS SF Freeform Puck 1.60(MR8)Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)の前面上のフォトクロミック層へ貼り付けられた。その後、97%オレイン酸が、ピペットによりこの半完成レンズブランク上の膜へ塗布され、そして97%オレイン酸に浸された綿布により、膜を有する前面全体にわたって分散された。その後、この半完成レンズブランクは、Suntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で16時間の間キセノン照射(270W/m)に晒された。その後、この膜は半完成レンズブランクから除去され、そして半完成レンズブランクの表面はエタノールを使用することにより洗浄された。膜の穿孔に対応した前面上の各場所に最大2700nmまでのフォトクロミック層の層厚の連続的増加を、半径0.75mmを有する円形エリア内に有する半完成レンズブランクが得られた。
例2
粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)がレーザ(LSU 193(Trotec社)を使用することにより図1による試験パターンにより穿孔された。試験パターンを有するこの膜はその後、-2dptの屈折力を有するフォトクロミック層(さらなる対象物側被膜の無いZEISS Single Vision Individual 1.6 PhotoFusion Gray)により被覆された未切断眼鏡レンズの前面上のフォトクロミック層へ貼り付けられた。その後、97%オレイン酸が、ピペットによりこの眼鏡レンズ上の膜へ塗布され、そして97%オレイン酸に浸された綿布により膜全体にわたって分散された。次に、この眼鏡レンズは、Suntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で16時間の間、キセノン照射(270W/m)とキセノン照射(270W/m)下のDI(脱イオン化)水によるフラッディングとの交番サイクルに晒された。その後、膜は眼鏡レンズから除去され、そして、眼鏡レンズの表面はエタノールを使用することにより洗浄された。膜の穿孔に対応した前面上の各場所に最大3500nmまでのフォトクロミック層の層厚の連続的増加を、半径0.75mmを有する円形エリア内に有する眼鏡レンズが得られた。
例3
レーザ(LSU 193、Trotec社)が、図1に示す試験パターンを粘着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)内へ打つために使用された。膜は、-2dptの屈折力を有する(さらなる保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)眼鏡レンズの前面へ固着された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより膜へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された膜を有する前面は、35℃、275W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内でキセノン光により2時間照射された(25分間照射/5分間照射とDI水によるフラッディング(flooding)とのサイクルにより)。その後、膜は除去され、そして前面はエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。1mmの幅の場合に240nmの高さを有する膨らみ又は隆起が、膜内の穴に対応した前面上の場所に発生した。近隣位置の膨らみは互いに近接した場所において互いにマージされる;図2を参照。これらの測定は白色光干渉計に基づくZygo社による光学的プロフィロメータNewView 7100を使用することにより行われた。
例4
レーザ(LSU 193、Trotec社)が、米国特許出願公開第2017/0131567A1号明細書の図2において規定されたパターンを接着膜(Superstik Premium MP、Satisloh社)内へ打つために使用された。このようにして用意された膜は、-2.0dptの屈折力を有する(さらなる保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無いZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray、Carl Zeiss Vision社)眼鏡レンズの前面へ固着された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより膜へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された膜を有する前面は、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイス(Atlas Material Testing Technology社)の試料チェンバ内で18時間照射された、その後、膜は除去され、そして前面はエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。1.45mmの幅と1500nmの高さを有する隆起(図3に示す)が、膜内の穴に対応した前面上の場所に発生した。図3に示す隆起は白色光干渉計に基づくZygo社による光学的プロフィロメータNewView 7100を使用することにより記録された。
例5
例4に従って生成された眼鏡レンズは、欧州特許出願公開第2,578,649A1号明細書の例2による組成により、そして欧州特許出願公開第2,801,846A1号明細書の段落[0056]に記載された反射防止層により被覆された。図5は、白色光干渉計に基づくZygo社によるNewView 7100光学的プロフィロメータを使用して記録された隆起を示す。隆起は、室温で保存格納されると>8か月の長期的安定性を有した。
例6
その表面トポグラフィがZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray眼鏡レンズ(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無い、そして-2.0dptの屈折力を有する)(Carl Zeiss Vision社)のものへ変更されるように意図された前面の各点へ30のオレイン酸液滴を(10ピコリッタ/回)塗布するためにDimatix Printer 2850インクジェットプリンタが使用された。このようにして用意された眼鏡レンズは、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイスの試料チェンバ内で20時間照射された、その後、眼鏡レンズはエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。約1350nmの高さ及び450マイクロメートルの横方向広がりを有する膨らみが、オレイン酸が塗布された点において発生した。
例7
その表面トポグラフィがZEISS Single Vision Superb 1.60 Photofusion Gray眼鏡レンズ(別の保護層、硬質皮膜層及び/又は反射防止層の無い、そして2.0dptの屈折力を有する)(Carl Zeiss Vision社)のものへ変更されないように意図された前面の各点へマスキングとして(アクリレート系)UV硬化層を塗布するためにDimatix Printer 2850インクジェットプリンタ30が使用された。マスキング層は、40℃において20~25Vにより印刷され、そしてその後、385nmの波長においてUV LEDにより1分間硬化された。次に、オレイン酸(techn. 96%)が、ピペットにより前面へ塗布され、そして綿布の助けを借りて分散された。このようにして用意された前面は、35℃、765W/m(フィルタ板窓ガラス)においてSuntest XLS+デバイスの試料チェンバ内で20時間照射された、その後、眼鏡レンズはエタノール(99%)に浸された綿布を使用することにより洗浄された。約559nmの高さ及び980マイクロメートルの横方向広がりを有する膨らみが発生した。

Claims (21)

  1. 基板及び少なくとも1つの被膜を含む眼鏡レンズを製造する方法であって、少なくとも以下の工程を以下に記載の順番:
    -前面及び後面を有する少なくとも1つの基板を提供すること、
    -前記基板の表面のうちの少なくとも1つの表面を少なくとも1つの層により完全に又は部分的に被覆する又は覆うことであって、前記層の表面トポグラフィは少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として変更されることができる、被覆する又は覆うこと、
    -前記少なくとも1つの層の前記表面の少なくとも一部を前記少なくとも1つの媒体と接触させること、
    -前記少なくとも1つの媒体を除去すること
    で含むことを特徴とする方法。
  2. 前記表面トポグラフィは局所的に又はエリア全体にわたって変更されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面トポグラフィの前記変化は前記表面トポグラフィの正の変化であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの層が少なくとも1つの媒体と接触させられる前に前記少なくとも1つの層の前記表面は少なくとも1つのマスキング手段により覆われる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのマスキング手段は、少なくとも1つの感圧性接着剤、少なくとも1つの接着手段、少なくとも1つの被膜、少なくとも1つのフォトレジスト、及び少なくとも1つの膜からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのマスキング手段は、その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられることにより変更され得る前記少なくとも1つの層と同一である又は異なる少なくとも1つの被膜を含む、ことを特徴とする請求項4乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 同じ少なくとも1つの層は同一である又は異なる層厚を有し得る、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 同じ少なくとも1つの層は異なる化学組成を有し得る、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの層はインクジェット法により塗布される、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの媒体はインクジェット法により塗布される、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられることにより変更され得る同じ少なくとも1つの層が同一媒体及び/又は異なる媒体と接触させられる、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記媒体の前記除去に続いて、前記少なくとも1つの層の前記トポロジー的に変更された表面は少なくとも1つの別の層により覆われ、前記別の層は、その表面トポグラフィが変更された前記少なくとも1つの層とその化学組成の観点で同一である又は異なる、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (i)眼鏡レンズ、又は
    (ii)眼鏡レンズ及び前記眼鏡レンズを使用するための指示、又は
    (iii)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の前記眼鏡レンズの表現、又は
    (iv)データ媒体上に位置するコンピュータ可読データの形式の前記眼鏡レンズの表現及び前記眼鏡レンズを使用するための指示、又は
    (v)コンピュータ可読データの形式の前記眼鏡レンズの仮想表現を有するデータ媒体、又は
    (vi)コンピュータ可読データの形式の前記眼鏡レンズの仮想表現と前記眼鏡レンズを使用するための指示とを有するデータ媒体、又は
    (vii)コンピュータ可読データ信号の形式の前記眼鏡レンズの表現、又は
    (viii)コンピュータ可読データ信号の形式の前記眼鏡レンズの表現及び前記眼鏡レンズを使用するための指示を含む製品であって、いずれの場合も、
    -前記眼鏡レンズは前面及び後面を有する基板を含み、
    -前記基板の前記前面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有し、
    -前記基板の前記後面は、球面ジオメトリ、非球面表面ジオメトリ、円環状面ジオメトリ、非円環状面ジオメトリ、平面ジオメトリ又は自由形式表面ジオメトリを有し、
    -前記基板の前記前面及び/又は前記後面は少なくとも1つの層を含み、いずれの場合も少なくとも部分的に又はいずれの場合もエリア全体にわたって、前記層の前記表面トポグラフィは、前記基板のそれぞれの表面の前記表面ジオメトリと同一である又は異なり、そして、少なくとも1つの媒体と接触することによりその表面トポグラフィ内の標的変化を経験し、その結果、
    -前記眼鏡レンズは以下の光学的要件の少なくとも1つを満足するようになる:
    (1)屈折力無し、
    (2)完成単焦点レンズ又は完成多焦点レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて多焦点レンズの加入度数の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-1:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、
    (3)完成屈折力変動レンズに関して:処方屈折力は、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.2(特に章5.2.2、表1)に準じて屈折力変動レンズの後頂点屈折力の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.3(特に章5.2.3、表2)に準じて円柱軸の方向の公差内、DIN EN ISO 8980-2:2017-12,章5.2.4(特に章5.2.4、表3)に準じて変動度数(加入度数を含む)の公差内、そしてDIN EN ISO 8980-2:2017-12、章5.2.5(特に章5.2.5、表4)に準じてプリズム屈折力の公差内である、製品。
  14. その表面トポグラフィが少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として前記表面トポグラフィの少なくとも1つの局所的変化を経験する前記少なくとも1つの層を特徴とする請求項13に記載の製品。
  15. 前記表面トポグラフィの前記少なくとも1つの局所的変化は前記少なくとも1つの層の長波長面に隣接する少なくとも1つの短波長面セグメントである、ことを特徴とする請求項13乃至14のいずれか一項に記載の製品。
  16. 前記少なくとも1つの短波長面セグメントは、前記少なくとも1つの層の前記隣接長波長面の最小周期性より短い周期性を有する表面セグメントである、ことを特徴とする請求項15に記載の製品。
  17. 基板及び少なくとも1つの被膜を含む眼鏡レンズを製造する方法であって、少なくとも以下の工程を以下に記載の順番:
    -非被覆前面又は事前被覆済み前面及び非被覆後面又は事前被覆済み後面を有する少なくとも1つの基板を提供すること、
    -前記基板の表面のうちの少なくとも1つの表面を少なくとも1つの層(その表面はそれ自体が少なくとも1つの媒体と接触させられた結果として可変である表面トポグラフィを有する)により完全に又は部分的に被覆する又は覆うこと、
    -前記少なくとも1つの層の表面の一部を前記少なくとも1つの媒体と接触させること、
    -基板と変更された表面トポグラフィを有する少なくとも1つの層とを含む眼鏡レンズを取得すること
    で含むことを特徴とする方法。
  18. 前記少なくとも1つの媒体と接触させられた結果としての前記少なくとも1つの層内の変化は、拡散過程により引き起こされる前記表面トポグラフィの変化である、ことを特徴とする請求項1乃至12及び請求項17のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ製造方法。
  19. 前記少なくとも1つの層の前記変更された表面トポグラフィはエリア全体にわたって又は局所的に変更される、ことを特徴とする請求項1乃至12及び17乃至18のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ製造方法。
  20. 前記表面トポグラフィの前記少なくとも1つの局所的変化は、前記少なくとも1つの層の長波長面に隣接する少なくとも1つの短波長面セグメントである、ことを特徴とする請求項19に記載の眼鏡レンズ製造方法。
  21. 前記少なくとも1つの短波長面セグメントは、前記少なくとも1つの層の前記隣接長波長面の最小周期性より短い周期性を有する表面セグメントである、ことを特徴とする請求項20に記載の眼鏡レンズ製造方法。
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