JP2022543010A - ジヒドロピリミジン誘導体及びhbv感染又はhbv誘導性疾患の処置におけるその使用 - Google Patents

ジヒドロピリミジン誘導体及びhbv感染又はhbv誘導性疾患の処置におけるその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書では、HBV感染又はHBV誘導性疾患、より詳細には、HBV慢性感染又はHBV慢性感染により誘導される疾患の処置又は予防において有用なジヒドロピリミジン誘導体、並びにその医薬又は医療用途が提供される。

Description

慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染は、世界規模の重大な健康問題であり、世界人口の5%超(世界中で3億5千万人超の人々及び米国内で125万人)に影響を及ぼしている。
予防用HBVワクチンが利用可能であるにもかかわらず、これは最適ではない処置選択肢であり、また開発途上国の大半の地域において新規感染率が持続しているために、慢性HBV感染の負荷は、重大な世界規模の医療問題であり続けている。
現行処置は治癒をもたらさず、2つのクラスの薬剤(インターフェロンアルファ及びヌクレオシド類似体/ウイルスポリメラーゼの阻害剤)のみに限定されており;薬剤耐性、低い有効性、及び忍容性の問題によりそれらの効果が制限されている。HBVの低い治癒率は、少なくとも部分的には、単一の抗ウイルス剤によるウイルス産生の完全な抑制が困難であるという事実に起因する。しかし、HBV DNAの持続的な抑制は、肝疾患の進行を遅らせ、肝細胞癌を予防するのに役立つ。HBV感染患者に対する現在の治療目標は、血清HBV DNAを低レベル又は検出不能なレベルまで低減させ、最終的に肝硬変及び肝細胞癌の発症を低減させるか又は予防することにある。
HBVカプシドタンパク質は、ウイルスの生活環中で必須の機能を果たす。HBVカプシド/コアタンパク質は、細胞間通過中にウイルスゲノムを保護する準安定状態のウイルス粒子又はタンパク質殻を形成し、また、ゲノムカプシド形成、ゲノム複製、及びビリオンの形態形成及び放出を含むウイルス複製過程においても中心的な役割を果たす。
カプシド構造は、ウイルス侵入後に脱殻を可能にする環境要因にも応答する。
一貫して、カプシドの集合及び分解の適切なタイミング、適切なカプシド安定性及びコアタンパク質の機能は、ウイルスの感染性に極めて重要であることが判明している。
HBV感染の処置におけるジヒドロピリミジン誘導体に関する背景文献としては、国際公開第2014/029193号パンフレット、中国特許第103664899号明細書、同第103664925号明細書、及び同第103664897号明細書が挙げられる。
当該技術分野において、ウイルス産生の抑制を増加させることができ、HBV感染を処置、寛解、又は予防することができる治療剤が必要とされている。単独療法として、又は他のHBV処置若しくは補助的な処置と組み合わせて、HBV感染患者にそのような治療剤を投与することにより、ウイルス負荷量の大幅な低減、予後の改善、疾患進行の減少、及びセロコンバージョン率の向上がもたらされることになる。
一態様では、式(I)
Figure 2022543010000001

の化合物であって、その重水素化体、立体異性体、若しくは互変異性体を含む化合物
[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、OH、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
は、それぞれ独立してメチル若しくはハロから選択される1つ以上の置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;
は、C1~4アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;若しくはR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
Xは、CHR10a、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
Yは、CHR11a、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
Zは、CHR12a、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
(式中、R10a、R10b、R11a11b、R12a、及びR12bは、それぞれ独立してH;-CN;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;-Cy-C1~6アルキル-COOR;-C(=O)-C1~6アルキル-COOR;-Cy-OH;-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOR;-C(=O)-NR;及び-S(=O)-NR-C(=O)-C1~6アルキルからなる群から選択され;
ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキル及びC1~9アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
は、H及び-C1~6アルキル、特にH及び-C1~4アルキルから選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立してH及び-C1~4アルキルから選択され;
Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表す)
(但し、CRとX、若しくはXとY、若しくはYとZは同時にC(=O)ではないという条件で、CR、Y、若しくはZのうちの2つまでがC(=O)であってよいものとする)]
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と合わせて、式(I)の少なくとも1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と合わせて、少なくとも1つの本開示の化合物を含む医薬組成物が提供される。別の態様では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。別の態様では、本明細書では、薬剤として使用するための、本明細書に記載の化合物のいずれか、又は本発明の医薬組成物が提供される。更なる態様では、本明細書では、HBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は処置を必要とする哺乳動物におけるその予防又は処置に使用するための、本明細書に記載の化合物のいずれか、又は本発明の医薬組成物が提供される。
更なる別の態様では、本明細書では、HBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は処置を必要とする哺乳動物におけるその予防又は処置の際に、同時に、別個に、又は連続的に使用するための組み合わせ調製物としての第1の化合物及び第2の化合物を含む生成物が提供され、ここで、上記第1の化合物は、上記第2の化合物とは異なり、上記第1の化合物は、本明細書に記載の式(I)の化合物又は本発明による医薬組成物であり、上記第2の化合物は、HBV阻害剤である。上記第2のHBV阻害剤は、
- HBV複製阻害活性を有するサイトカイン、
- 免疫チェックポイント調節活性を有する抗体、
- HBVカプシド集合阻害活性を有するか又はTLRアゴニスト活性を有する置換ピリミジン、
- 抗レトロウイルスヌクレオシド類似体、及び
- これらの組み合わせの中から選択され得る。
別の態様では、本明細書では、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在の阻害又は低減を必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は低減させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
一実施形態では、本明細書で提供される方法のいずれかは、HBVポリメラーゼ阻害剤、免疫調節剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、カプシド集合調節剤、逆転写酵素阻害剤、シクロフィリン/TNF阻害剤、TLRアゴニスト、HBVワクチン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することを更に含み得る。
なお更なる態様では、式(I)の化合物を生成するためのプロセスであって、
式(VI)の化合物
Figure 2022543010000002

(式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりであり、LGは、例えばブロモなどの適切な脱離基を表す)を、式(VII)の化合物
Figure 2022543010000003

(式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりである)と、
適切な求核置換条件下、例えば適切な塩基(例えばトリエタノールアミンなど)の存在下で反応させることを含むプロセスが提供される。
本明細書では、対象におけるHBV感染の処置及び予防に有用であり得る化合物、例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
いかなる特定の作用機序にも束縛されるものではないが、これらの化合物は、HBVの集合と、HBVの複製若しくは感染性粒子の生成に必要な他のHBVコアタンパク質の機能とを調節若しくは妨害し、且つ/又はHBVカプシド集合を妨害して、感染性若しくは複製能が大幅に低減された空のカプシドをもたらし得ると考えられている。換言すれば、本明細書で提供される化合物は、カプシド集合調節剤として作用し得る。
強力な抗ウイルス活性、好ましい代謝特性、組織分布、安全性及び医薬プロファイルなどの特性の有利なバランスを有し、ヒトにおける使用に適したHBV抗ウイルス活性を有する化合物が依然として必要とされている。したがって、これらの問題の少なくともいくつかを克服する化合物を提供することが本発明の目的である。本開示の化合物は、ウイルスカプシドの通常の集合若しくは分解を調節し得るか(例えば、促進し得るか、遅延させ得るか、阻害し得るか、妨害し得るか、若しくは低減させ得るか)、カプシドに結合し得るか、又は細胞のポリタンパク質及び前駆体の代謝を変化させ得る。この調節は、カプシドタンパク質が成熟している場合に起こり得るか、又はウイルスが感染性である間に起こり得る。本開示の化合物を、HBV cccDNAの活性若しくは特性、又は感染細胞内からのHBV RNA粒子の生成若しくは放出を調節する方法に使用することができる。
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、単剤療法に好適であり得、自然又は天然のHBV株及び現在知られている薬物に耐性であるHBV株に対して有効であり得る。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、組み合わせ療法における使用に好適であり得る。
定義
本発明を説明するために使用される種々の用語の定義が以下に列挙される。これらの定義は、特定の場合において個別に又はより大きい群の一部として別途限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して使用される用語に適用される。
別途定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、概して、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、及びペプチド化学における実験手順は、当該技術分野で周知であり、一般的に用いられるものである。
本明細書で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法上の目的語の1つ又は2つ以上(即ち少なくとも1つ)を指す。一例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。更に、用語「含む(including)」、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる」などの他の形の使用は、限定するものではない。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、当業者により理解されることになり、用いられる文脈によりある程度変化することになる。量、時間の長さなどの測定可能な値に言及する際に本明細書で使用される場合、用語「約」は、特定の値から±5%、±1%、及び±0.1%を含む±20%又は±10%の変動を、本開示の方法を実施するためにそのような変動が適切であるように包含することを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「カプシド集合調節剤」は、通常のカプシド集合(例えば、成熟の間)若しくは通常のカプシド分解(例えば、感染性である間)を妨害するか、若しくは促進するか、若しくは阻害するか、若しくは妨げるか、若しくは遅らせるか、若しくは低減させるか、若しくは変更するか、又はカプシド安定性を不安定化し、それにより異常なカプシド形態及び機能を誘導する化合物を指す。一実施形態では、カプシド集合調節剤は、カプシドの集合又は分解を促進し、それにより異常なカプシド形態を誘導する。別の実施形態では、カプシド集合調節剤は、主要なカプシド集合タンパク質(CA)と相互作用し(例えば、活性部位に結合するか、アロステリック部位に結合するか、フォールディングを変更するか又は妨げるなどして)、それによりカプシドの集合又は分解を妨害する。更に別の実施形態では、カプシド集合調節剤は、CAの構造又は機能(例えば、集合する、分解する、基質に結合する、適切な立体構造へとフォールディングするなどのCAの能力)における混乱をもたらし、これによりウイルス感染性が減弱されるか、又はウイルスに対して致死性となる。
本明細書で使用される場合、用語「処置」又は「処置する」は、HBV感染、HBV感染の症状、又はHBV感染を発症する可能性を治癒するか、治すか、軽減させるか、緩和させるか、変化させるか、矯正するか、寛解させるか、改善するか、又はこれらに影響を及ぼす目的を伴う、HBV感染、HBV感染の症状、又はHBV感染を発症する可能性を有する患者に対する治療剤(即ち、本開示の化合物)の(単独での若しくは別の治療剤との組み合わせでの)適用若しくは投与、又は患者から単離された組織若しくは細胞株への治療剤の(例えば、診断若しくはエクスビボ適用のための)適用若しくは投与と定義される。そのような処置は、薬理ゲノミクスの分野から得られる知識に基づいて、具体的に調整され得るか又は変更され得る。
本明細書で使用される場合、用語「予防する」又は「予防」は、何も発生していなかった場合には障害若しくは疾患の発症がないことを意味し、又は既に障害若しくは疾患が発症していた場合には、それ以上の障害若しくは疾患の発症がないことを意味する。また、障害又は疾患に関連する症状の一部又は全てを予防する個体の能力も考慮される。
本明細書で使用される場合、用語「患者」、「個体」、又は「対象」は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を指す。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、及びネズミ科の哺乳動物などの家畜及びペットが挙げられる。好ましくは、患者、対象、又は個体は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」、「薬学的有効量」、及び「治療有効量」は、無毒性であるが、所望の生物学的結果をもたらすのに十分な薬剤の量を指す。この結果は、疾患の徴候、症状、若しくは原因の低減若しくは緩和、又は生物システムの任意の他の望ましい変化であり得る。あらゆる個々の場合における適切な治療量は、当業者によって通例の実験を使用して決定され得る。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、化合物の生物活性又は特性を損なわず、且つ比較的無毒性である材料(例えば担体又は希釈剤)を指す(即ち、この材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、又はこの材料が含まれる組成物の成分のいずれかと有害な形で相互作用することなく、個体に投与され得る)。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、本開示の化合物の誘導体を指し、親化合物は、現存の酸部分又は塩基部分をその塩形態へと変換させることにより改変されている。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩又は有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;及び同類のものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩としては、例えば、無毒性の無機酸又は有機酸から形成される親化合物の従来の無毒性塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性部分又は酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態を、水中若しくは有機溶媒中、又はその2つの混合物中(一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい)で、化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることにより調製することができる。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990,p.1445及びJournal of Pharmaceutical Science,66,1-19(1977)に見出され、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、用語「組成物」又は「医薬組成物」は、本発明の範囲内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を指す。医薬組成物は、患者又は対象への化合物の投与を容易にする。当該技術分野では、限定されるものではないが、静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、眼内投与、肺内投与、及び局所投与を含む、化合物を投与する複数の技法が存在している。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物を、その目的とする機能を果たすことができるように患者の体内において又は患者に運搬又は輸送することに関与する、液体若しくは固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒、又はカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物、又は担体を意味する。通常、このような構築物は、1つの臓器又は身体の部分から、別の臓器又は身体の部分へと運搬又は輸送される。各担体は、本発明の範囲内で有用な化合物を含む、製剤の他の成分と適合し、患者に有害ではないという意味において「許容可能な」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂及び坐剤ワックス;油、例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油;グリコール類、例えば、プロピレングリコール;ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;界面活性剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;並びに医薬製剤に用いられる他の無毒性の適合性物質が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、本発明の範囲内で有用な化合物の活性と適合し、且つ患者に対して生理学的に許容されるあらゆる全てのコーティング剤、抗菌剤、及び抗真菌剤、並びに吸収遅延剤なども含まれる。補助的活性化合物も本組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物の薬学的に許容される塩を更に含み得る。本発明の実施において用いられる医薬組成物に含まれ得る他の更なる成分は当該技術分野で公知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1990,Easton,PA)に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、それ自体で又は別の置換基の一部として、別途明記しない限り、指定された炭素原子数を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する(即ち、C1~3アルキルは、1~3個の炭素原子を有するアルキルを意味し、C1~4アルキルは、1~4個の炭素原子を有するアルキルを意味し、直鎖又は分枝鎖を含み、C1~6アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味し、直鎖又は分枝鎖を含み、C1~9アルキルは、1~9個の炭素原子を有するアルキルを意味し、直鎖又は分枝鎖を含む)。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチルが挙げられる。アルキルの実施形態としては、C1~9アルキル、C1~6アルキル、C1~4アルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、単独で又は別の置換基の一部として、別途明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、又は臭素、より好ましくはフッ素又は塩素を意味する。
単独で又は別の基の一部として本明細書で使用される「C3~7シクロアルキル」という表記は、3~7個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルを定義する。特定のC3~7シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、及びシクロヘプチルである。「Cy」という表記は、本明細書で使用される場合、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換された本明細書で定義されるC3~7シクロアルキル基を定義する。Cyが別の基の一部として使用される場合、この表記は、安定した構造を与えるモノラジカル又はジラジカルとして結合している飽和環状炭化水素を指すことが理解されよう。
本発明において「置換された」という用語を使用するときは常に、特記しない限り又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現で示される原子又は基の1個以上の水素、特に1~3個の水素、好ましくは1~2個の水素、より好ましくは1個の水素が、示されている群から選択されるもので置き換えられていることを示すことを意味する(但し、通常の原子価を超えず、置換により化学的に安定な化合物、即ち反応混合物から有用な程度の純度までの単離及び治療剤への製剤化に耐える十分に堅牢な化合物が得られるものとする)。
1つの部分に2つ以上の置換基が存在する場合、特記しない限り又は文脈から明らかでない限り、これらの置換基は、同じ原子上の水素を置換し得るか、又は当該部分の異なる原子上の水素原子を置換し得る。
本明細書で使用される場合、「から選択される」という用語法(例えば、「Rは、A、B、及びCから選択される」)は、「からなる群から選択される」という用語法(例えば、「Rは、A、B、及びCからなる群から選択される」)と等価であると理解される。
一実施形態では、本発明は、上で定義されるとおりの式(I)の化合物
[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
は、それぞれ独立してメチル又はハロから選択される1つ以上の置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;
は、C1~4アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
Xは、CHR10a、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
Yは、CHR11a、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
Zは、CHR12a 、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
(式中、R10a、R10b、R11a11b、R12a、及びR12bはそれぞれ独立してH;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;-C(=O)-C1~6アルキル-COOR;-Cy-OH;及び-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COORからなる群から選択され;ここで、
それぞれの場合において、C1~6アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
は、H及び-C1~6アルキル、特にH及び-C1~4アルキルから選択され;
Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表す)]に関する。
一実施形態では、本発明は、上で定義されるとおりの式(I)の化合物
[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
は、その各々が1つのメチル置換基で任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、及びオキサゾリルからなる群から選択され;
は、C1~4アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
Xは、CH、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
Yは、CH、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
Zは、CH、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
(式中、R10b、R11b、及びR12bは、それぞれ独立してH;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;及び-C(=O)-C1~6アルキル-COORからなる群から選択され;
ここで、Cyは、C3~7シクロアルキルを表す)]に関する。
特定の実施形態では、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、OH、及びメチルからなる群から選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。更なる実施形態では、Rは水素又はフルオロであり;Rは水素又はフルオロであり;Rはクロロ及びメチルから選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。
特定の実施形態では、Rは、1つのメチル置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。追加の実施形態では、Rは、1つのメチル置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリルからなる群から選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。追加の実施形態では、Rは、チアゾール-2-イル、1-メチル-イミダゾール-2-イル、及び5-メチル-オキサゾール-4-イル、より特に、チアゾール-2-イル及び5-メチル-オキサゾール-4-イルからなる群から選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。
更なる実施形態では、Rはメチル、エチル、又はイソプロピルであり;特に、Rはメチル又はエチルであり;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。
更なる実施形態では、R及びRはそれぞれ独立して水素及びフルオロから選択され;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。更なる実施形態では、R及びRはそれぞれフルオロであり;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。
追加の実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して水素及びハロから選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。追加の実施形態では、R及びRは、いずれも水素であるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである。
一実施形態では、Xは、CHR10a、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;Yは、CHR11a、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
Zは、CHR12a、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
(式中、R10a、R10b、R11a、R11b、R12a、及びR12bは、それぞれ独立してH;-CN;-C1~9アルキル-COOH;-Cy-COOH;-C1~6アルキル-Cy-COOH;-Cy-C1~6アルキル-COOH;-C(=O)-C1~6アルキル-COOH;-Cy-OH;-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOH;-C(=O)-NR;及び-S(=O)-NR-C(=O)-C1~6アルキルからなる群から選択され;ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキル及びC1~9アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
、R、及びRは、それぞれ独立してH及び-C1~4アルキルから選択され;
Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表し;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである)。より詳細な実施形態では、R10a、R11a、及びR12aは、それぞれHである。
更なる実施形態では、Xは、CH、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;Yは、CH、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;Zは、CH、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
(式中、R10b、R11b、及びR12bは、それぞれ独立して
-C1~9アルキル-COOH;-Cy-COOH;-C1~6アルキル-Cy-COOH;-C(=O)-C1~6アルキル-COOH;-Cy-OH;及び-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOHからなる群から選択され;
ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表し;残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである)。
更なる実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(I-A)~(I-C):
Figure 2022543010000004

(式中、
13及びR14は、それぞれHであるか;又はR13及びR14は、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
15及びR16は、存在する場合、それぞれHであるか;又はR15及びR16は、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
Zは、存在する場合、CH、NH、及びOからなる群から選択され;より特に、ZはCHであり;他の全ての可変要素は本明細書で定義されるとおりである)を満たす化合物から選択される。
更なる実施形態では、本発明は、式(I-A)、(I-B)、又は(I-C)の化合物
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
は、その各々が1つのメチル置換基で任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;
は、C1~4アルキルであり;
及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
及びRは、それぞれHであるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
13及びR14は、それぞれHであるか;又はR13及びR14は、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
15及びR16は、存在する場合、それぞれHであるか;又はR15及びR16は、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
Zは、存在する場合、CH、NH、及びOからなる群から選択され;より特に、ZはCHであり;
10b、R11b、及びR12bは、それぞれ独立して-C1~9アルキル-COOH、-Cy-COOH、-Cy-OH、-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOH、及び-C(=O)-C1~6アルキル-COOHからなる群から選択される)に関する。
上記の実施形態の全ての組み合わせが明示的に含まれる。
本発明による好ましい化合物は、化合物の合成の項及び表1に記載の式を有する化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体であり、その活性は表3に示される。
本開示の化合物は、1つ以上の立体中心を有する場合があり、各立体中心は、R又はS立体配置のいずれかにおいて独立して存在し得る。化合物自体が単一の立体異性体として単離されており、エナンチオマー的に/ジアステレオマー的に純粋であるにもかかわらず、絶対立体化学が立体中心で決定されていない場合、立体化学的配置は示された中心で(*)として割り当てられ得る。
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、光学活性体又はラセミ体で存在する。本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の治療的に有用な特性を持つラセミ体、光学活性体、位置異性体、及び立体異性体、又はこれらの組み合わせを包含することを理解されたい。
光学活性体の調製は、非限定的な例として、再結晶技法によるラセミ体の分割、光学活性の出発材料からの合成、キラル合成、又はキラル固定相を使用したクロマトグラフィー分離を含む、任意の好適な方法で達成される。一実施形態では、1つ以上の異性体の混合物は、本明細書に記載の開示化合物として利用される。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つ以上のキラル中心を含有する。これらの化合物は、立体選択的合成、エナンチオ選択的合成、又はエナンチオマー若しくはジアステレオマーの混合物の分離を含む任意の手段により調製される。化合物及びその異性体の分割は、非限定的な例として、化学プロセス、酵素プロセス、分別結晶化、蒸留、及びクロマトグラフィーを含む任意の手段により達成される。
化合物の絶対R又はS立体化学を決定することができない場合には、クロマトグラフィーカラム、溶出液などにより決定される特定のクロマトグラフィー条件下でのクロマトグラフィー後の保持時間によりそれを同定することができる。
一実施形態では、本開示の化合物は、互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書に提示される化合物の範囲内に含まれる。
本明細書に記載の化合物はまた、同位体標識化合物を含み、ここで、1つ以上の原子は、同じ原子番号を有するが自然界で通常見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換される。本明細書に記載の化合物に含めるのに好適な同位体の例としては、H、H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P、及び35Sが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、同位体標識化合物は、薬物又は基質の組織分布試験において有用である。別の実施形態では、重水素などのより重い同位体による置換により、より大きな代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加又は投与量要件の低減)がもたらされる。
更に別の実施形態では、陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15O、及び13Nなどによる置換は、基質受容体占有率を試験するための陽電子放射トポグラフィー(PET)試験において有用である。同位体標識化合物は、任意の好適な方法により、又は別途用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用するプロセスにより調製される。
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、発色団若しくは蛍光部分、生物発光標識、又は化学発光標識の使用を含むがこれらに限定されない他の手段により標識される。
本明細書に記載の化合物、及び異なる置換基を有する他の関連化合物は、本明細書に記載の技法及び材料、並びに当業者に公知の技法を使用して合成される。本明細書に記載される化合物の調製のための一般的な方法は、本明細書に提供される式で見出される種々の部分の導入のための適切な試薬及び条件の使用により改変される。
本明細書に記載の化合物は、商業的供給源から入手可能である化合物から開始する任意の好適な手順を使用して合成されるか、又は本明細書に記載の手順を使用して調製される。一般的な合成スキームは以下の実施例に提供される。
したがって、式(I)の化合物を生成するためのプロセスであって、
式(VI)の化合物
Figure 2022543010000005
(式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりであり、LGは、例えばブロモなどの適切な脱離基を表す)を、式(VII)の化合物
Figure 2022543010000006

(式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりである)と、
適切な求核置換条件下、例えば適切な塩基(例えばトリエタノールアミンなど)の存在下で反応させることを含むプロセスが提供される。
方法及び使用
本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
また、本明細書では、HBV感染の根絶を必要とする個体においてそれを根絶させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書では、HBV感染に伴うウイルス量の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
更に、本明細書では、HBV感染の再発の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書では、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在の阻害又は低減を必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本発明が個体を処置する方法に関連すると称される場合、そのような方法は、特定の権限範囲において、医学的使用、例えば個体の処置に使用するための本発明による化合物若しくは組成物として、又は薬剤(特に、個体を処置するための薬剤)の製造のための本発明による化合物若しくは組成物の使用として解釈されるべきであることが理解される。したがって、例えば、本発明はまた、HBV感染の予防又は処置に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物に関する。また、本明細書では、HBV感染に伴うウイルス量の低減に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。更に、本明細書では、個体におけるHBV感染の再発の低減に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。また、本明細書では、個体におけるHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在の阻害又は低減に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。
特定の態様では、本明細書に記載の方法、使用、及び/又は組成物は、インビトロ又はインビボ(例えば、細胞内、組織内、臓器内(例えば、肝臓内)、生体内など)においてHBV関連粒子の形成又は存在を阻害するか又は低減させるのに有効である。HBV関連粒子は、HBV DNA(即ち、線状及び/若しくは共有結合閉環状DNA(cccDNA))、並びに/又はHBV RNA(即ち、プレゲノムRNA及び/若しくはサブゲノムRNA)を含有し得る。したがって、HBV関連粒子には、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子が含まれる。
本明細書で使用される場合、「HBV関連粒子」は、感染性HBVビリオン(即ち、デーン粒子)並びに非感染性HBVサブウイルス粒子(即ち、HBV管状粒子及び/又はHBV小型球形粒子)の両方を指す。HBVビリオンは、表面タンパク質を含む外殻、コアタンパク質を含むヌクレオカプシド、少なくとも1つのポリメラーゼタンパク質、及びHBVゲノムを含む。HBV管状粒子及びHBV小型球形粒子は、HBV表面タンパク質を含むが、コアタンパク質、ポリメラーゼ、及びHBVゲノムを欠く。HBV管状粒子及びHBV小型球形粒子は、合わせて表面抗原(HBsAg)粒子としても知られる。HBV小型球形粒子は、中型及び小型のHBV表面タンパク質を含む。HBV管状粒子は、中型、小型、及び大型HBV表面タンパク質も含む。
HBVサブウイルス粒子は、非粒子状又は分泌性HBeAgを含む場合があり、これはHBVの活性複製のマーカーとして機能する。
本明細書では、HBV感染の生理的悪影響の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
また、本明細書では、HBV感染の低減、遅延、又は阻害を必要とする個体においてそれを低減させるか、遅延させるか、又は阻害する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書では、HBV感染に由来する肝損傷の回復の誘導を必要とする個体においてその回復を誘導する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書では、HBV感染に対する長期抗ウイルス療法の生理的影響の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書では、HBV感染の予防的処置を必要とする個体においてHBV感染を予防的に処置する方法であって、この個体が、潜在性HBV感染に罹患しており、方法は、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与することを含む、方法が提供される。
更に、本明細書では、個体におけるHBV感染の生理的悪影響の低減に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。更に、本明細書では、個体におけるHBV感染の低減、遅延、又は阻害に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。
更に、本明細書では、個体におけるHBV感染に由来する肝損傷の回復の誘導に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。
更に、本明細書では、個体におけるHBV感染に対する長期抗ウイルス療法の生理的影響の低減に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物が提供される。更に、本明細書では、個体におけるHBV感染の予防的処置に使用するための本明細書に開示される化合物又は医薬組成物であって、この個体が潜在性HBV感染に罹患している、化合物又は医薬組成物が提供される。
一実施形態では、個体は、他の治療クラスのHBV薬(例えば、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、文献に記載されるカプシド集合調節剤、異なる若しくは未知の機構の抗ウイルス化合物など、又はこれらの組み合わせ)に抵抗性である。別の実施形態では、本開示の方法又は使用は、HBV感染に罹患している個体において、他の治療クラスのHBV薬がその個体においてウイルス量を低減させる程度と比較して、より大きな程度で又はより速い速度でウイルス量を低減させる。
一実施形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、HBV感染の予防的処置を必要とする個体においてHBV感染を予防的に処置する際に同様の結果を達成することが要求される少なくとも1つの追加の治療剤の単独での投与と比較して、より少ない用量又は頻度で少なくとも1つの追加の治療剤を投与することが可能になる。
一実施形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、異なるカプシド集合調節剤、異なる又は未知の機構の抗ウイルス化合物、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される化合物の投与と比較して、より大きな程度まで又はより速い速度で個体におけるウイルス量を低減させる。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、HBV感染に罹患している個体におけるウイルス量を低減させることから、より少ない用量又は組み合わせ療法の様々なレジメンを使用することが可能になる。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、他のクラスのHBV薬と比較して、ウイルス変異又はウイルス耐性の発生率を低下させ、それにより長期間の治療が可能になり、且つ処置レジメンの変更の必要性が最小限に抑えられる。
一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、異なるカプシド集合調節剤、異なる又は未知の機構の抗ウイルス化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物の投与よりウイルス変異又はウイルス耐性の発生率を低下させる。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、HBV感染から非HBV感染へ、又は検出可能なHBVウイルス量から検出不可能なHBVウイルス量へのセロコンバージョン率を、既存の処置レジメンよりも上昇させる。本明細書で使用される場合、「セロコンバージョン」は、HBV抗体が生じ、検出可能になる期間を指す。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、正常な健康状態を増大させるか若しくは通常化するか若しくは回復させるか、正常な健康状態の完全な回復を誘発するか、平均余命を回復させるか、又はウイルス感染の消散を必要とする個体においてそれを消散させる。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、HBV感染細胞から放出されるHBV RNA粒子の数を削減するか又は減少させることにより、本開示の化合物の治療上の利益を増強させるか、延長させるか、又は増大させる。
一実施形態では、本開示の方法又は使用は、HBVに感染した個体からHBVを根絶し、それにより長期若しくは生涯にわたる処置の必要性をなくすか、又は処置期間を短縮するか、又は他の抗ウイルス剤の投薬の低減を可能にする。
別の実施形態では、本開示の方法又は使用は、対象のHBVウイルス量のモニタリング又は検出を更に含み、この方法は、一定期間、例えばHBVウイルスが検出不可能となるまで実施される。
したがって、一実施形態では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
したがって、一実施形態では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
別の実施形態では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の表1の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与することを含む方法が提供される。
本明細書で提供される方法のいずれかの実施形態では、方法又は使用は更に、対象のHBVウイルス量をモニタリングすることを含む場合があり、この方法は、HBVウイルスが検出不可能となるような一定期間実施される。
組み合わせ療法
本開示の化合物は、HBV感染を処置するのに有用な1つ以上の追加の化合物との組み合わせで有用であり得る。これらの追加の化合物は、他の本開示の化合物及び/又はHBV感染の症状又は影響を処置するか、予防するか、又は低減させることが知られている化合物を含み得る。このような化合物としては、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、文献に記載されるカプシド集合調節剤、逆転写酵素阻害剤、免疫調節剤、TLRアゴニスト、及びHBV生活環に影響を及ぼすか又はHBV感染の結果に影響を及ぼす、異なる又は未知の機構を有する他の薬剤が挙げられるがこれらに限定されず、例えば、追加の化合物は、HBV組み合わせ薬、HBVワクチン、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫調節薬、Toll様受容体(TLR)調節剤、インターフェロンアルファ受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原(HBsAg)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(ipi4)阻害剤、シクロフィリン阻害剤、HBVウイルス侵入阻害剤、ウイルスmRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)及びddRNAiエンドヌクレアーゼ調節剤、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、HBV E抗原阻害剤、共有結合閉環状DNA(cccDNA)阻害剤、ファメソイド(famesoid)X受容体アゴニスト、HBV抗体、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質調節剤、レチノイン酸誘導性遺伝子1刺激剤、NOD2刺激剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、組換えチモシンアルファ-1、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、KDM阻害剤、HBV複製阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、並びに他のHBV薬を含み得る。
非限定的な例では、本開示の化合物は、HBV逆転写酵素阻害剤、並びにDNA及びRNAポリメラーゼ阻害剤を含む群から選択される1つ以上の薬物(又はその塩)と組み合わせて使用され得る。
一実施形態では、追加の治療剤は、インターフェロンである。用語「インターフェロン」又は「IFN」は、ウイルス複製及び細胞増殖を阻害し、且つ免疫応答を調節する、高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーの任意のメンバーを指す。ヒトインターフェロンは、I型、II型、及びIII型の3つのクラスに分類される。開発され、市販されている組換え型のインターフェロンは、本明細書で使用される場合、「インターフェロン」という用語により包含される。化学修飾されたインターフェロン又は変異インターフェロンなどのインターフェロンのサブタイプも、本明細書で使用される場合、「インターフェロン」という用語に包含される。
したがって、一実施形態では、式(I)の化合物は、インターフェロンと組み合わせて投与され得る。
別の実施形態では、追加の治療剤は、インターフェロンクラスに属する生物学的薬剤を含む免疫調節剤又は免疫刺激治療剤から選択される。
更に、追加の治療剤は、他の必須ウイルスタンパク質又はHBVの複製若しくは持続に必要な宿主タンパク質の機能を妨害する薬剤を含む、異なる又は未知の機構の薬剤であり得る。
別の実施形態では、追加の治療剤は、ウイルスの侵入若しくは成熟を遮断する抗ウイルス剤、又はHBVポリメラーゼを標的とする抗ウイルス剤、例えば、ヌクレオシド若しくはヌクレオチド若しくは非ヌクレオシ(チ)ドポリメラーゼ阻害剤である。
一実施形態では、追加の治療剤は、無関係のウイルスに対する免疫応答の誘導を導く、生来の限定された免疫応答を誘導する免疫調節剤である。換言すれば、免疫調節剤は、抗原提示細胞の成熟、T細胞の増殖、及びサイトカインの放出(例えばとりわけ、IL-12、IL-18、IFN-アルファ、IFN-ベータ、及びIFN-ガンマ、並びにTNF-アルファ)をもたらし得る。
更なる実施形態では、追加の治療剤は、TLR調節剤又はTLR-7アゴニスト若しくはTLR-9アゴニストなどのTLRアゴニストである。
本明細書で提供される方法のいずれかにおいて、方法は更に、少なくとも1つのHBVワクチン、ヌクレオシドHBV阻害剤、インターフェロン、又はこれらの任意の組み合わせを個体に投与することを含み得る。
一実施形態では、本明細書に記載の方法は更に、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体、侵入阻害剤、融合阻害剤、及びこれらの又は他の抗ウイルス機構の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを含む。
別の態様では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に単独で又は逆転写酵素阻害剤と組み合わせて投与すること;及び更に治療有効量のHBVワクチンをその個体に投与すること、によってHBVウイルス量を低減させることを含む方法が提供される。
別の態様では、本明細書では、HBV感染の処置を必要とする個体においてそれを処置する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に単独で又はHBV核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド若しくはRNA干渉剤と組み合わせて投与すること;及び更に治療有効量のHBVワクチンをその個体に投与すること、によってHBVウイルス量を低減させることを含む方法が提供される。アンチセンスオリゴヌクレオチド又はRNA干渉剤は、ウイルスゲノムの複製、ウイルスRNAの転写、又はウイルスタンパク質の翻訳を阻害するための標的HBV核酸に対する十分な相補性を有する。
別の実施形態では、本開示の化合物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、同時配合される。更に別の実施形態では、本開示の化合物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、同時投与される。
本明細書に記載の任意の組み合わせ療法に関して、相乗効果は、例えば、Sigmoid-Emax式(Holford&Scheiner,19981,Clin.Pharmacokinet.6:429-453)、Loewe相加性の式(equation of Loewe additivity)(Loewe&Muischnek,1926,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313-326)、及び半数影響式(median-effect equation)(Chou&Talalay,1984,Adv.Enzyme Regul.22:27-55)などの適切な方法を使用して計算され得る。上記で言及される各式を実験データに適用して、対応するグラフを作成し、薬物の組み合わせの効果の評価を支援することができる。上記で言及される式に付随する対応するグラフは、それぞれ濃度-効果曲線、アイソボログラム曲線、及び組み合わせ指数曲線である。
本明細書で提供される組み合わせ療法を施す方法のいずれかの実施形態では、方法は、対象のHBVウイルス量をモニタリング又は検出することを更に含む場合があり、この方法は、一定期間、例えばHBVウイルスが検出不可能となるまで実施される。
投与/投与量/製剤
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と合わせて、少なくとも1つの本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性をもたらすことなく、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療応答を得るのに有効である活性成分の量を得るように変動し得る。
特に、選択された投与量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、投与時間、化合物の排出速度、処置期間、化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物又は物質、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康状態、及び既往歴、並びに医学分野において周知の同様の因子などの種々の因子に依存することになる。
当該技術分野における通常の技能を有する医学博士、例えば医師又は獣医師は、要求される医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するために要求されるレベルより低いレベルで、本開示の化合物を投与するために医薬組成物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。
特定の実施形態では、投与を容易にし、且つ投与量を均一にするために化合物を投与単位剤形で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される投与単位剤形は、処置される患者のための単位投与量として適した物理的に分離した単位を指し;各単位は、必要とされる医薬溶媒と関連して所望の治療効果を生じるように計算された本開示の化合物の所定量を含有する。本発明の投与単位剤形は、(a)本開示の化合物の特有の特徴及び達成される特定の治療効果、並びに(b)患者におけるHBV感染の処置のためのこのような本開示の化合物の配合/製剤化の技術における固有の制限により規定され、且つ直接的に左右される。
一実施形態では、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は担体を使用して製剤化される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、治療有効量の本開示の化合物及び薬学的に許容される担体を含む。したがって、本発明は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体を治療有効量の本開示の化合物と混合することを含む、医薬組成物を調製するためのプロセスを例証する。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物の用量は、約1mg~約2,500mgである。同様に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の第2の化合物(即ち、HBV処置のための別の薬物)の用量は、約1,000mg未満である。
一実施形態では、本発明は、治療有効量の本開示の化合物を単独で又は第2の医薬品と組み合わせて保持する容器と;患者におけるHBV感染の1つ以上の症状を処置するか、予防するか、又は低減させるための化合物の使用説明書とを含む包装された医薬組成物に関する。
本発明の組成物のいずれかの投与経路としては、経口、経鼻、直腸、膣内、非経口、頬側、舌下、又は局所が挙げられる。本発明中で使用するための化合物は、経口又は非経口などの任意の好適な経路、例えば、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周囲)、鼻(内)、及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、及び局所投与による投与用に製剤化され得る。
好適な組成物及び剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、ゲルキャップ剤、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、シロップ剤、顆粒剤、ビーズ剤、経皮パッチ、ゲル剤、散剤、ペレット剤、マグマ剤、ロゼンジ剤、クリーム剤、ペースト剤、硬膏剤、ローション剤、ディスク剤、坐剤、鼻腔又は経口投与用の液体スプレー、吸入用の乾燥粉末又はエアロゾル化製剤、膀胱内投与用の組成物及び製剤などが挙げられる。本発明において有用であり得る製剤及び組成物は、本明細書に記載の特定の製剤及び組成物に限定されないことを理解されたい。
経口適用の場合、特に好適なのは、錠剤、糖衣錠、液剤、滴剤、坐剤、又はカプセル剤、カプレット剤、及びゲルキャップ剤である。経口使用が意図される組成物は、当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、錠剤の製造に好適な不活性で無毒性の医薬賦形剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有し得る。そのような賦形剤としては、例えば、ラクトースなどの不活性希釈剤;コーンスターチなどの造粒剤及び崩壊剤;デンプンなどの結合剤;及びステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤が挙げられる。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、又は錠剤は、簡潔さのため若しくは活性成分の放出を遅延させるために公知の技法によりコーティングされていてもよい。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性希釈剤と混合されている硬質ゼラチンカプセルとしても提供され得る。
非経口投与の場合、本開示の化合物は、注射若しくは注入、例えば静脈内、筋肉内、若しくは皮下への注射若しくは注入、又はボーラス用量での投与若しくは持続注入用に製剤化され得る。懸濁剤、安定化剤、又は分散剤などの他の製剤に関連する薬剤を任意選択により含有する油性又は水性溶媒中の懸濁液、溶液、又はエマルションが使用され得る。
当業者は、通例の実験のみを使用して、本明細書に記載される特定の手順、実施形態、特許請求の範囲、及び実施例に対する多数の等価物を認識することになるか、又は確認することができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲内であり、且つ添付の特許請求の範囲によって包含されるものと見なされた。例えば、当該技術分野において認められる代替法を用いて、通例の実験だけを使用する、反応条件(反応時間、反応規模/体積、及び実験試薬、例えば溶媒、触媒など、圧力、大気条件、例えば窒素雰囲気、及び還元剤/酸化剤を含むが、これらに限定されない)における変更が本出願の範囲内であることが理解されるべきである。
本明細書において値及び範囲が提供される場合は必ず、これらの値及び範囲に包含される全ての値及び範囲が、本発明の範囲内に包含されるものとすることを理解されたい。更に、これらの範囲内に入る全ての値、並びに値の範囲の上限又は下限も本出願により企図される。
以下の実施例は、本発明の態様を更に説明するものである。しかしながら、それらは、本明細書に記載される本発明の教示又は開示を決して限定するものではない。
一実施形態は、以下の式を満たす化合物からなる群から選択される化合物に関する:
Figure 2022543010000007
実施例1:
一般的スキーム1
Figure 2022543010000008

化合物Iの調製は、上記のスキーム1中に示される。化合物Vは、NaOAcなどの塩基の存在下でアルデヒドII、アセトアセテートIII、及びアミジンIVを縮合することにより調製することができる(方法A)。化合物VI(式中、LGは、例えばブロモなどの脱離基を表す)は、N-ブロモスクシンイミドなどの臭素化試薬を使用して化合物Vから調製することができる。トリエタノールアミンなどの塩基の存在下で化合物VIと化合物VIIとをカップリングすることにより、化合物Iが得られる。或いは、化合物Vをキラル分離に供してその単一立体異性体化合物Va及び化合物Vbを得ることができ、化合物VIaを、N-ブロモスクシンイミドなどの臭素化試薬を使用して化合物Vaから調製した(方法B)。トリエタノールアミンなどの塩基の存在下での化合物VIaと化合物VIIとのカップリングにより、化合物Iaが得られる(方法C)。
方法A:
Figure 2022543010000009

エタノールなどの溶媒中の一般式III(1当量)のケトエステルの溶液に、一般式IIのアルデヒド(1当量)、一般式IVのカルボキサミジンヒドロクロリド(1当量)、及び酢酸ナトリウムなどの塩基(1~1.2当量)を添加した。混合物を70~100℃まで上げ、窒素雰囲気下にて6時間~一晩撹拌した。室温まで冷却した後、これを濃縮乾固させた。残渣をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般式Vのジヒドロピリミジン生成物を得た。該当する場合、一般式Vのジヒドロピリミジン生成物の立体異性体を、キラルクロマトグラフィーを用いて単離及び精製して、一般式Va及び一般式Vbのジヒドロピリミジン生成物を得た。
方法B:
Figure 2022543010000010

四塩化炭素などの溶媒中の一般式Vaのジヒドロピリミジン溶液(1当量)に、N-ブロモスクシンイミドなどの臭素化試薬(0.9~1.1当量)を窒素雰囲気にて室温で添加した。混合物を60℃まで上げ、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、これを濃縮乾固させた。残渣をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般式VIaのジヒドロピリミジン生成物を得た。
方法C:
Figure 2022543010000011

ジクロロメタンなどの溶媒中の一般式VIIの溶液(1当量)に、トリエタノールアミンなどの塩基(10当量)を室温で添加した。混合物を35℃で0.5時間撹拌し、次いでジクロロメタンなどの溶媒中の一般式VIaのジヒドロピリミジン溶液(1当量)を、窒素雰囲気にて添加した。混合物を40℃まで上げ、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。0℃まで冷却した後、氷水とヒドロクロリド水溶液(1.0M)との混合物中に反応混合物を注ぎ入れた。得られた混合物をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをC18カラムにより精製して、一般式Iのジヒドロピリミジン生成物を得た。
化学
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を以下に説明する。別途注記のない限り、出発物質は全て、市販業者から入手し、更に精製することなく使用した。
以下、ACNはアセトニトリルを意味し、AcOHは酢酸を意味し、Bocはtert-ブチルオキシカルボニルを意味し、Bnはベンジルを意味し、calcd.は計算値を意味し、Cbzはベンジルオキシカルボニルを意味し、col.はカラムを意味し、conc.は濃縮物を意味し、m-CPBAは3-クロロ過安息香酸を意味し、DASTは(ジエチルアミノ)硫酸トリフルオリドを意味し、DCMはジクロロメタンを意味し、DEAはジエタノールアミンを意味し、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを意味し、DMAPは4-(ジメチルアミノ)ピリジンを意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、DMPはDess-Martinペルヨージナンを意味し、EAは酢酸エチルを意味し、eeはエナンチオマー過剰率を意味し、ESIはエレクトロスプレーイオン化法を意味し、HATUは2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、Hexはヘキサンを意味し、HNMRはH NMRを意味し、HPLCは高速液体クロマトグラフィーを意味し、IPAはイソプロピルアルコールを意味し、LC-MS又はLCMSは液体クロマトグラフィー-質量分析を意味し、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを意味し、Msはメタンスルホニルを意味し、PEは石油エーテルを意味し、PMBは4-メトキシベンジルを意味し、prep.は分取を意味し、Prep-HPLCは分取-HPLCを意味し、R又はRtは保持時間を意味し、(s)又は(s)は固体を意味し、sat.は飽和を意味し、TBAFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを意味し、TBSはtert-ブチルジメチルシリルを意味し、TEAはトリエチルアミンを意味し、THFはテトラヒドロフランを意味し、T又はTempは温度を意味し、TsClは4-トルエンスルホニルクロリドを意味し、t-BuOKはカリウムtert-ブトキシドを意味し、Wは波長を意味する。
化合物VIa-1:エチル(S)-6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
中間体V-1:エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)(方法Aを用いて例示する):
3-フルオロ-2-メチルベンズアルデヒド(4.00g、28.9mmol)と、エチルアセトアセテート(3.77g、28.9mmol)と、チアゾール-2-カルボキシイミドアミドヒドロクロリド(4.74g、28.9mmol)とのメタノール(50mL)中溶液に、酢酸ナトリウム(2.37g、28.9mmol)を室温で添加した。反応混合物を75℃で12時間撹拌した。これを室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)により精製して、標題の化合物V-1(6.00g、収率58%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.86(s,0.8H),9.52(d,J=2.8Hz,0.2H),8.00-7.98(m,0.4H),7.96(d,J=3.2Hz,0.8H),7.88(d,J=2.8Hz,0.8H),7.20-7.15(m,1.2H),7.06-6.99(m,1.8H),5.83(s,0.8H),5.73(d,J=3.2Hz,0.2H),3.99-3.93(m,2H),2.48(s,2.4H),2.45(s,1.2H),2.44(s,1.2H),2.41(s,0.3H),2.40(s,0.3H),2.37(s.0.6H),1.08-1.02(m,3H).
エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートV-1のラセミ混合物(6.00g、16.7mmol)を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 20×250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=90:10:0.3(15mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、化合物Va-1(1.60g、収率27%、100% ee)及びVb-1(1.70g、収率28%、100% ee)を黄色固体として得た。
中間体Va-1:キラル分析(カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=85:15:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:230nm、R=7.251分)。報告されたデータと一致する以下の化学的分割により、Va-1に絶対S立体化学を割り当てた(J.Med.Chem.,2017,60(8),pp3352-3371)。旋光度:[a] 20-24(c 0.10、MeOH)。
中間体Vb-1:キラル分析(カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=85:15:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:230nm;R=9.072分)。旋光度:[a] 20+35(c 0.10、MeOH)。
化合物VIa-1:エチル(S)-6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)(方法Bを用いて例示する):
(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVa-1(10g、純度99%、27.6mmol)の四塩化炭素(300mL)中溶液に、N-ブロモスクシンイミド(4.9g、27.5mmol)を窒素雰囲気下にて室温で添加した。60℃で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を得て、これを酢酸エチル(100mL)で希釈して、水(50mL)で2回洗浄し、次いで合わせた水層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で2回、及びブライン(20mL)で洗浄し、NaSO(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(6.5g、NMRによる純度95%、収率51%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):RT=1.84分、C1817BrFNSの質量計算値437.0、m/z実測値440.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.22(s,0.5H),7.82(d,J=3.2Hz,1H),7.53(s,0.4H),7.44(s,0.6H),7.25-7.08(m,2.5H),6.96-6.92(s,1H),5.99(s,0.6H),5.93(s,0.4H),4.92-4.77(m,1.6H),4.67-4.65(m,0.4H),4.13-4.07(m,2H),2.53(s,1.7H),2.41(s,1.3H),1.14(t,J=7.2Hz,3H).旋光度:[a] 20+0.093°o(c 0.10,MeOH).
連続的反応による、アリールアルデヒド(II)、ケトエステル(III)、及びカルボキサミジン(IV)を組み込んだ一般式Va/VIaのジヒドロピリミジンの調製を、以下の表1に示す。
Figure 2022543010000012
化合物I-1:
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
Figure 2022543010000013

Figure 2022543010000014
中間体I-1-2:
4-メトキシベンジル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノエート
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-プロピオン酸I-1-1(8.0g、67.7mmol)と炭酸カリウム(28.1g、203mmol)とのN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)中溶液に、4-メトキシベンジルクロリド(12.7g、81.1mmol)を0℃で添加した。0℃で1時間、及び室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水(300mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で3回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、標題の化合物(13g、収率81%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.29-7.26(m,2H),6.90-6.86(m,2H),5.07(s,2H),3.80(s,3H),3.55(s,2H),1.19(s,6H).
中間体I-1-3:
4-メトキシベンジル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート
ジメチルスルホキシド(14.5g、186mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、塩化オキサリル(11.84g、93.2mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液を-65℃で添加した。混合物を-65℃で0.5時間撹拌し、次いで4-メトキシベンジル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノエートI-1-2(14.8g、62.1mmol)を添加した。得られた混合物を-65℃で0.5時間撹拌し、次いでトリエチルアミン(37.68g、373mmol)を添加した。-65℃で0.5時間、及び室温で0.5時間撹拌した後、反応混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、NaSO)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、標題の化合物(12g、収率82%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.63(s,1H),7.27(d,J=8.8Hz,2H),6.88(d,J=8.8Hz,2H),5.11(s,2H),3.80(s,3H),1.34(s,6H).
中間体I-1-5:
tert-ブチル3-ホルミル-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート
1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-3-カルバルデヒドI-1-4(5g、34.2mmol)のアセトニトリル(80mL)中溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(9g、41.2mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(100mg、0.819mmol)を窒素雰囲気下にて0℃で添加した。30℃で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得た。残渣を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(60mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、標題の化合物(8g、収率95%)を黄色固体として得て、これを更に精製することなく後続の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=1.50分、C1314の質量計算値246.1、m/z実測値247.0[M+H]
中間体I-1-6:
tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-ホルミル-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-5(8g、32.5mmol)のメタノール(30ml)及びテトラヒドロフラン(90mL)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(600mg、15.8mmol)を窒素雰囲気下にて0℃で添加した。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を水(200mL)でクエンチし、次いで1Mヒドロクロリド水溶液(約10mL)でpH約7に酸性化した。有機相を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題の化合物(8g、LC-MSによる純度98%、収率97%)を黄色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=1.32分、C1316の質量計算値248.1、m/z実測値249.0[M+H]
中間体I-1-7:
tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-6(1.2g、純度98%、4.74mmol)のエタノール(30mL)中溶液に、20%水酸化パラジウム炭素(300mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(3MPa)にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濃縮して、標題の化合物(1.1g、収率93%)を淡黄色油状物として得て、これを更に精製することなく後続の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=1.32分、C1318の質量計算値250.1、m/z実測値251.1[M+H]
中間体I-1-8:
(シス)-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-7(1.1g、4.40mmol)のエタノール(20mL)及び酢酸(4mL)中溶液に、酸化白金(IV)(400mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(3MPa)にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濃縮して、標題の化合物(1.1g、H NMRによる純度95%、収率93%)を淡黄色油状物として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.30-4.07(m,1H),3.83(s,0.5H),3.72-3.55(m,3H),3.44-3.34(m,1H),3.19-2.82(m,3.5H),2.50-2.38(m,1.5H),2.33-2.23(m,0.5H),2.10-1.94(m,1H),1.77-1.68(m,1H),1.45(s,4.5H),1.44(s,4.5H).
中間体I-1-9:
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-8(1.1g、純度95%、4.08mmol)の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6mL)及びテトラヒドロフラン(14mL)中溶液に、クロロギ酸ベンジル(850mg、4.98mmol)を窒素雰囲気下にて0℃で滴加した。室温で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(60mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、標題の化合物(1.5g、H NMRによる純度95%、収率90%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.58分、C2130の質量計算値390.2、m/z実測値391.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.28(m,5H),5.14-5.04(m,2H),4.32-4.18(m,1H),3.96-3.56(m,5H),3.24-2.80(m,3H),2.44-2.33(m,1.5H),2.26-2.18(m,0.5H),1.90-1.70(m,1H),1.54-1.35(m,10H).
中間体I-1-10:
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-(ヨードメチル)ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
トリフェニルホスフィン(300mg、1.14mmol)とイミダゾール(150mg、2.20mmol)とのトルエン(15mL)中溶液に、ヨウ素(300mg、1.18mmol)を0℃で添加した。0℃で0.5時間撹拌した後、(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレートI-1-9(400mg、純度95%、0.973mmol)のトルエン(5mL)中溶液を滴加した。室温で一晩撹拌した後、混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(20mL)でクエンチし、有機層を分離して、水層を酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1~8:1)により精製して、標題の化合物(500mg、H NMRによる純度95%、収率98%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.29(m,5H),5.14-5.10(m,2H),4.32-3.69(m,4H),3.56-3.30(m,0.5H),3.14-2.96(m,3.5H),2.79-2.53(m,1H),2.39-2.27(m,1H),2.16-2.09(m,0.5H),1.88-1.78(m,0.5H),1.68-1.62(m,1H),1.54-1.33(m,10H).
中間体I-1-11:
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-メチレンヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-(ヨードメチル)ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレートI-1-10(500mg、純度95%、0.949mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、カリウムtert-ブトキシド(150mg、1.34mmol)を窒素雰囲気下にて0℃で添加した。0℃で2時間撹拌した後、混合物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、標題の化合物(390mg、H NMRによる純度90%、収率99%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.69分、C2128の質量計算値372.2、m/z実測値373.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38-7.30(m,5H),5.17-5.07(m,3H),4.97(s,1H),4.23-4.06(m,2H),3.99-3.68(m,3H),3.04-2.86(m,2.3H),2.62-2.56(m,0.7H),1.94(s,2H),1.45-1.37(m,9H).
中間体I-1-12:
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-メチレンヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレートI-1-11(390mg、純度90%、0.942mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液を、-78℃まで冷却し、オゾンで処理した。溶液が青色になったら(約30分)、反応混合物を窒素でパージし、ジメチルスルファン(2mL)で処理し、次いで室温まで加温した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、標題の化合物(350mg、H NMRによる純度90%、収率89%)を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38-7.30(m,5H),5.22-5.05(m,2H),4.55-4.36(m,1H),4.21-3.92(m,2H),3.83-3.59(m,2H),3.21-2.73(m,3H),2.25-2.21(m,1H),1.89-1.76(m,1H),1.46(br s,9H).
中間体I-1-13:
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレートI-1-12(850mg、純度90%、2.04mmol)のジクロロメタン(35mL)中溶液に、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(1.5mL、11.2mmol)を-78℃で添加した。-78℃で1時間撹拌した後、混合物を室温まで加温し、室温で一晩撹拌した。次に、混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液でpH約8に塩基性化し、次いでジクロロメタン(80mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~15:1)により精製して、標題の化合物(600mg、純度97%、収率72%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.82分、C2026の質量計算値396.2、m/z実測値397.1[M+H]
中間体I-1-14:
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-6-ベンジル1-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1,6(2H)-ジカルボキシレートI-1-13(2.4g、純度95%、5.75mmol)のイソプロピルアルコール(40mL)中溶液に、20%水酸化パラジウム炭素(300mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(60psi)にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濃縮して、標題の化合物(1.4g、LC-MSによる純度55%、収率51%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.38分、C1220の質量計算値262.1、m/z実測値263.1[M+H]
中間体I-1-15:
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-14(1.4g、純度55%、2.94mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、酢酸(3mL)、塩化トリイソプロポキシチタン(IV)(3.7g、14.2mmol)、及び4-メトキシベンジル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートI-1-3(3.5g、純度90%、13.3mmol)を室温で添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下にて室温で2時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6g、28.3mmol)を添加した。窒素雰囲気下にて室温で一晩撹拌した後、反応混合物を氷水(100mL)でクエンチし、ジクロロメタン(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1~10:1)により精製して、標題の化合物(900mg、H NMRによる純度95%、収率60%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=2.04分、C2536の質量計算値482.3、m/z実測値483.4[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.29-7.28(m,2H),6.89-6.87(m,2H),5.08-5.00(m,2H),4.02-3.94(m,1H),3.81(s,3H),3.74-3.63(m,2H),2.98-2.88(m,1H),2.58-2.35(m,5.5H),2.22-2.16(m,0.5H),1.84-1.78(m,0.5H),1.70-1.69(m,1.5H),1.46(s,9H),1.16-1.13(m,6H).
中間体I-1-16B(単一の立体異性体)、I-1-16C(単一の立体異性体)、及びI-1-16A:
(3aR*,7aR*)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(3aS*,7aS*)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-15(900mg、純度95%、1.77mmol)のペルクロロメタン(15mL)及び水(15mL)中溶液に、塩化ルテニウム(III)三水和物(250mg、純度37%、0.354mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(1.9g、8.88mmol)を窒素雰囲気下にて0℃で添加した。20℃で2時間撹拌した後、混合物を水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(60mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、4つの異性体の混合物(370mg、純度97%、収率41%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.71分、C2534の質量計算値496.2、m/z実測値497.4[M+H]
4つの異性体の混合物(370mg、0.723mmol、純度97%)をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IB 5um 20×250mm;移動相:Hex:IPA=60:40(12ml/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、I-1-16A(140mg、H NMRによる純度95%、収率37%)、I-1-16B(80mg、H NMRによる純度95%、収率21%、100% ee)、及びI-1-16C(80mg、H NMRによる純度95%、収率21%、97.6% ee)を黄色固体として得た。
中間体I-1-16A:キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:IPA=60:40(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm;R=7.032分、7.264分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.33-7.28(m,2H),6.89-6.87(m,2H),5.10-5.01(m,2H),4.26-4.11(m,1H),3.92-3.75(m,4H),3.69-3.36(m,4.7H),3.26-3.20(m,0.3H),2.92-2.83(m,1H),2.61-2.55(m,1H),2.49-2.43(m,1H),1.50-1.47(m,9H),1.19(s,6H).
中間体I-1-16B:キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:IPA=60:40(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、R=8.887分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31(d,J=8.8Hz,2H),6.89(d,J=8.8Hz,2H),5.11-5.03(m,2H),4.49-4.30(m,1H),3.98-3.89(m,0.5H),3.81-3.72(m,5H),3.63-3.49(m,1H),3.34-3.22(m,0.5H),3.15-2.95(m,3H),1.88-1.79(m,1H),1.73-1.66(m,1H),1.46(s,9H),1.20(s,3H),1.17(s,3H).
中間体I-1-16C:キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:IPA=60:40(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、R=10.716分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31(d,J=8.8Hz,2H),6.89(d,J=8.8Hz,2H),5.11-5.03(m,2H),4.49-4.30(m,1H),4.03-3.90(m,0.5H),3.81-3.72(m,5H),3.64-3.45(m,1H),3.34-3.20(m,0.5H),3.15-2.95(m,3H),1.88-1.79(m,1H),1.73-1.66(m,1H),1.46(s,9H),1.20(s,3H),1.17(s,3H).
中間体I-1-17:
3-((3aS*,7aS*)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
(3aS*,7aS*)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-16C(80mg、純度95%、0.153mmol)のイソプロピルアルコール(6mL)中溶液に、20%水酸化パラジウム炭素(20mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(15psi)にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濃縮して、標題の化合物(55mg、収率95%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.24分、C1726の質量計算値376.2、m/z実測値375.1[M-H]
中間体I-1-18:
3-((3aS*,7aS*)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
3-((3aS*,7aS*)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-1-17(55mg、0.146mmol)の、ジオキサン中の4M塩酸(5mL)中溶液を、室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、標題の化合物(45mg、収率98%)を白色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=0.29分、C1218の質量計算値276.1、m/z実測値275.1[M-H]
化合物I-1:
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)(方法Cを用いて例示する)
3-((3aS*,7aS*)-3,3-ジフルオロ-7-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-1-18(45mg、0.144mol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、トリエタノールアミン(100mg、0.67mol)を室温で添加した。混合物を35℃で0.5時間撹拌し、次いで(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVIa-1(70mg、純度95%、0.152mol)のジクロロメタン(1mL)中溶液を添加した。40℃で2時間撹拌した後、反応混合物を0℃まで冷却し、氷水(30mL)と1Mヒドロクロリド水溶液(1.5mL)との混合物に注ぎ入れた。得られた混合物をジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水(50mL)で2回、及びブライン(50mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=5%~85%)により精製して、標題の化合物(40mg、純度99.3%、収率44%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):R=3.391分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl+DO(一滴))δ 7.84(d,J=3.2Hz,1H),7.41(d,J=2.8Hz,1H),7.12-7.05(m,2H),6.93-6.86(m,1H),6.00(s,1H),4.53(d,J=15.6Hz,1H),4.38(d,J=15.2Hz,1H),4.11-3.99(m,3H),3.71-3.65(m,1H),3.59(d,J=8.4Hz,1H),3.44-3.32(m,2H),3.20(d,J=13.6Hz,1H),3.02-2.91(m,1H),2.88-2.80(m,1H),2.53(s,3H),2.19-2.10(m,1H),1.95-1.87(m,1H),1.31(s,3H),1.30(s,3H),1.12(t,J=6.8Hz,3H).
化合物I-2:
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
Figure 2022543010000015
中間体I-2-1:
3-((シス)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロ-6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-1-16A(140mg、純度95%、0.268mmol)のイソプロピルアルコール(8mL)中溶液に、20%水酸化パラジウム炭素(20mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(15psi)にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濃縮して、標題の化合物(100mg、収率99.2%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.23分、C1726の質量計算値376.2、m/z実測値375.2[M-H]
中間体I-2-2:
3-((シス)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸ヒドロクロリド(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-2-1(100mg、0.266mmol)の、ジオキサン中の4M塩酸(5mL)中溶液を、室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、標題の化合物(80mg、純度100%、収率95%)を白色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=0.29分、C1218の質量計算値276.1、m/z実測値275.1[M-H]
中間体I-2-3:
3-((シス)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
化合物I-2-2及びVIa-1からの変換。方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色固体として合成した。LC-MS(ESI):R=3.739分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl+DO(一滴))δ 7.82-7.81(m,1H),7.45-7.43(m,1H),7.14-7.08(m,1H),7.04-6.98(m,1H),6.95-6.90(m,1H),6.02(s,0.5H),6.01(s,0.5H),4.41(d,J=15.6Hz,0.5H),4.29(d,J=14.4Hz,0.5H),4.12-3.92(m,3H),3.73-3.64(m,1H),3.59-3.30(m,5H),3.25-3.15(m,0.5H),3.02-2.93(m,1.5H),2.76-2.69(m,1H),2.53(s,3H),2.47-2.41(m,1H),1.27-1.20(m,6H),1.14-1.07(m,3H).
中間体I-2-4:
(S)-エチル6-(((シス)-6-(3-(アリルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
3-((シス)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-2-3(50mg、純度99.8%、0.079mmol)と臭化アリル(10mg、0.083mmol)とのN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、炭酸カリウム(20mg、0.145mmol)を0℃で添加した。0℃で4時間撹拌した後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=5%~100%)により精製して、標題の化合物(50mg、収率94%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.81分、C3338Sの質量計算値673.3、m/z実測値674.1[M+H]
中間体I-2-4A及びI-2-4B:
(S)-エチル6-(((3aR*,7aR*)-6-(3-(アリルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(S)-エチル6-(((3aS*,7aS*)-6-(3-(アリルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(S)-エチル6-(((シス)-6-(3-(アリルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートI-2-4(50mg、0.074mmol)の混合物を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IC 5um 20×250mm;移動相:Hex:EtOH=70:30(18ml/分);温度:30℃;波長:254nm)により分離して、I-2-4A(20mg、収率40%、100%立体的に純粋)及びI-2-4B(20mg、収率40%、99.9%立体的に純粋)を黄色固体として得た。
中間体I-2-4A:LC-MS(ESI):R=1.81分、C3338Sの質量計算値673.3、m/z実測値674.5[M+H]。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:EtOH=70:30(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、R=6.247分)。
中間体I-2-4B:LC-MS(ESI):R=1.82分、C3338Sの質量計算値673.3、m/z実測値675.0[M+H]。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:EtOH=70:30(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、R=9.269分)。
化合物I-2:
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
(S)-エチル6-(((3aS*,7aS*)-6-(3-(アリルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-3,3-ジフルオロ-5-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートI-2-4B(20mg、0.030mol)のジクロロメタン(2mL)及びピロリジン(0.2mL)中溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5mg、0.004mmol)を0℃で添加した。30℃で3時間撹拌した後、反応混合物を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=5%~100%)により精製して、標題の化合物(10mg、純度99.9%、収率53%)を淡黄色固体として得た。LC-MS(ESI):R=3.413分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.26(s,1H),7.82(d,J=2.8Hz,1H),7.48-7.42(m,1H),7.13-7.08(m,1H),7.05-7.03(m,1H),6.95-6.91(m,1H),6.01(s,1H),4.48-4.44(m,1H),4.08-3.99(m,2H),3.97-3.92(m,1H),3.74-3.70(m,1H),3.61(d,J=13.6Hz,1H),3.51-3.28(m,4H),3.04-2.89(m,2H),2.73(dd,J=16.8Hz,4.8Hz,1H),2.52(s,3H),2.41(dd,J=16.0Hz,9.2Hz,1H),1.29(s,3H),1.22(s,3H),1.09(t,J=7.6Hz,3H).
化合物I-3:
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)
Figure 2022543010000016
中間体I-3-2:
1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジルアミノ)-5,6-ジヒドロピリジン-1,4(2H)-ジカルボキシレート
1-tert-ブチル4-エチル3-オキソピペリジン-1,4-ジカルボキシレートI-3-1(15g、55.3mmol)とベンジルアミン(7mL、64.1mmol)とのトルエン(300mL)中溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(1g、5.26mmol)を室温で添加した。130℃で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して、標題の化合物(22g、純度88%、収率97%)を褐色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=1.94分、C2028の質量計算値360.2、m/z実測値361.1[M+H]
中間体I-3-3:
(シス)-1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジルアミノ)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジルアミノ)-5,6-ジヒドロピリジン-1,4(2H)-ジカルボキシレートI-3-2(28g、純度88%、68.4mmol)のアセトニトリル(300mL)及び酢酸(100mL)中溶液に、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(40g、189mmol)を0℃で添加した。0℃で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これを5.0M水酸化ナトリウム水溶液(200mL)及び酢酸エチル(200mL)で希釈した。得られた溶液を、0℃で激しく撹拌しながら1.0M水酸化ナトリウム水溶液でpH約10に酸性化し、酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で2回、及びブライン(100mL)で洗浄して、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。反応混合物を減圧下で濃縮し、標題の化合物(28g、純度85%、収率96%)を黄色油状物として得て、これを更に精製することなく後続の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):R=1.81分、C2030の質量計算値362.2、m/z実測値363.2[M+H]
中間体I-3-4:
(シス)-1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジルアミノ)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレートI-3-3(28g、純度85%、65.7mmol)と2-ブロモ酢酸エチル(32g、192mmol)とのアセトニトリル(400mL)中溶液に、炭酸カリウム(27g、195mmol)を0℃で添加した。90℃で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=5%~100%)により精製して、標題の化合物(10g、H NMRによる純度95%、収率32%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.28-7.27(m,4H),7.24-7.20(m,1H),4.21-4.10(m,4H),4.05-4.02(m,1H),3.97-3.90(m,2H),3.76-3.67(m,1H),3.63-3.57(m,1H),3.47-3.40(m,1H),3.36-3.29(m,3H),2.97-2.93(m,1H),2.00-1.92(m,1H),1.84-1.72(m,1H),1.46(s,9H),1.26-1.23(m,6H).
中間体I-3-5:
6-tert-ブチル3a-エチル1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-3a,6(2H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-tert-ブチル4-エチル3-(ベンジル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレートI-3-4(10g、純度95%、21.2mmol)のトルエン(100mL)中溶液に、カリウムtert-ブトキシド(3g、26.7mmol)を0℃で添加した。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~3:1)により精製して、標題の化合物(5.6g、純度94%、収率62%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.77分、1.81分、C2230の質量計算値402.2、m/z実測値403.1[M+H]
中間体I-3-6:
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
室温で、6-tert-ブチル3a-エチル1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-3a,6(2H)-ジカルボキシレートI-3-5(680mg、純度78%、1.32mmol)の12Mヒドロクロリド水溶液(10mL)中溶液に。100℃で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、残渣を得た。ジクロロメタン(20mL)中の残渣の溶液に、トリエチルアミン(1.3g、12.8mmol)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(600mg、2.75mmol)を0℃で添加した。室温で2時間撹拌した後、混合物を濃縮し、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~3:1)により精製して、標題の化合物(350mg、H NMRによる純度90%、収率72%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.76分、C1926の質量計算値330.2、m/z実測値331.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31-7.20(m,5H),4.23(d,J=13.2Hz,1H),4.15-4.01(m,1H),3.81-3.52(m,1H),3.38(d,J=12.8Hz,1H),3.32(dd,J=14.4Hz,3.2Hz,1H),3.27-3.01(m,3H),2.83(d,J=18.0Hz,1H),2.56-2.51(m,1H),1.97-1.88(m,1H),1.75-1.67(m,1H),1.53-1.45(m,9H).
中間体I-3-7:
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-カルボキシレートI-3-6(2.6g、純度95%、7.48mmol)のジクロロメタン(70mL)中溶液に、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(5mL、37.8mmol)のジクロロメタン(5mL)中溶液を-78℃で添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(saturated sodium bicabonate)水溶液(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSO(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~5:1)により精製して、標題の化合物(1.3g、純度77%、収率38%)を淡黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.93分、C1926の質量計算値352.2、m/z実測値353.1[M+H]
中間体I-3-8:
(シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジンヒドロクロリド(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-カルボキシレートI-3-7(1.2g、純度77%、2.62mmol)の、酢酸エチル中の4M塩酸(10mL)中溶液を、室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、標題の化合物(950mg、H NMRによる純度70%、収率97%)を白色固体として得た。LC-MS(ESI):R=1.53分、C1418の質量計算値252.1、m/z実測値253.0[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.9(s,1H),9.71(s,1H),7.72-7.71(m,2H),7.43-7.39(m,3H),5.22-5.05(m,1H),4.70-4.59(m,1H),4.51-4.21(m,3H),3.84-3.72(m,1H),3.63-3.52(m,2H),3.44-3.32(m,2H),2.36-2.25(m,1H),2.20-2.12(m,1H).
中間体I-3-9:
ベンジル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート(2つの立体異性体の混合物)
3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(180mg、0.810mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.5mL、3.03mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(380mg、0.999mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した後、1-ベンジル-3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジンヒドロクロリドI-3-8(300mg、純度70%、0.727mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSO(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(250mg、H NMRによる純度80%、収率60%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.76分、1.78分、C2630の質量計算値456.2、m/z実測値457.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.20(m,10H),5.27(d,J=11.2Hz,1H),5.08(d,J=12.4Hz,1H),4.83-4.78(m,1H),4.23-4.20(m,1H),3.61-3.54(m,1H),3.47-3.35(m,2H),3.19-3.02(m,2H),2.92-2.83(m,2H),2.74-2.59(m,2H),2.34-2.26(m,1H),1.46(s,6H).
中間体I-3-10:
3-((シス)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
ベンジル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートI-3-9(160mg、純度80%、1.58mmol)のイソプロパノール(3mL)中溶液に、活性炭(200mg、12.5mmol)及び二酢酸パラジウム(12mg、0.053mmol)を添加した。水素雰囲気(バルーン)下にて50℃で2時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、標題の化合物(75mg、収率97%)を白色固体として得た。LC-MS(ESI):R=0.22分、C1218の質量計算値276.1、m/z実測値277.0[M+H]
化合物I-3-11及びI-3
3-((3aR*,7aR*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)。
3-((3aS*,7aS*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)
3-((シス)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸I-3-10(75mg、0.24mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、トリエタノールアミン(200mg、1.34mmol)を添加した。(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVIa-1(130mg、純度95%、0.282mmol)のジクロロメタン(1mL)中溶液を、40℃で添加した。40℃で一晩撹拌した後、混合物を濃縮し、分取HPLC(カラム:waters-3 X-bridge C18(5μm 19×150mm)、移動相A:水(0.1%炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル、UV:214nm、流速:20mL/分、勾配:35~70%(Bの%))により精製して、I-3-11(30mg、純度97.9%、収率16%)及びI-3(35mg、純度99.3%、収率19%)を黄色固体として得た。
化合物I-3-11:LC-MS(ESI):R=3.499分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.89(s,1H),7.48(d,J=2.8Hz,1H),7.15-7.10(m,1H),6.98-6.91(m,2H),5.98(s,1H),4.39(d,J=13.2Hz,1H),4.06-3.80(m,4H),3.55-3.45(m,1H),3.22-2.73(m,4H),2.59-2.54(m,1H),2.50(s,3H),2.04-1.70(m,3H),1.49(s,3H),1.48(s,3H),1.08(t,J=7.2Hz,3H).
化合物I-3:LC-MS(ESI):R=3.519分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.53(s,1H),7.93(s,1H),7.48(d,J=2.8Hz,1H),7.17-7.12(m,1H),7.05-7.03(m,1H),6.94-6.90(m,1H),6.01(s,1H),4.97-4.85(m,1H),4.87(d,J=14.8Hz,1H),4.09-4.01(m,2H),3.94-3.90(m,2H),3.27-3.12(m,3H),2.93-2.85(m,1H),2.77-2.70(m,1H),2.53(s,3H),2.49-2.43(m,1H),2.05-2.00(m,1H),1.76-1.72(m,1H),1.49(s,3H),1.47(s,3H),1.12(t,J=7.2Hz,3H).
化合物I-4:
3-((シス)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
Figure 2022543010000017
中間体I-4-2:
1-tert-ブチル3-エチル4-(ベンジルアミノ)-2,3-ジヒドロピリジン-1,3(6H)-ジカルボキシレート
1-tert-ブチル3-エチル4-オキソピペリジン-1,3-ジカルボキシレートI-4-1(15g、55.3mmol)とベンジルアミン(6.0g、56.0mmol)とのトルエン(150mL)中溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(150mg、0.79mmol)を室温で添加した。140℃で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、標題の化合物(16.0g、純度91%、収率73%)を褐色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.22(s,1H),7.35-7.32(m,2H),7.27-7.24(m,3H),4.39(d,J=6.4Hz,2H),4.15(q,J=7.2Hz,2H),4.10(s,2H),3.47(t,J=5.6Hz,2H),2.37-2.35(m,2H),1.46(s,9H),1.27(t,J=7.2Hz,3H).
中間体I-4-3:
(シス)-1-tert-ブチル3-エチル4-(ベンジルアミノ)ピペリジン-1,3-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
1-tert-ブチル3-エチル4-(ベンジルアミノ)-2,3-ジヒドロピリジン-1,3(6H)-ジカルボキシレートI-4-2(16.0g、純度91%、40.4mmol)のアセトニトリル(80mL)及び酢酸(60mL)中溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(32.0g、151mmol)を0℃で添加した。室温で5時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これを5.0M水酸化ナトリウム水溶液(200mL)及び酢酸エチル(200mL)で希釈した。得られた溶液を、0℃で激しく撹拌しながら1.0M水酸化ナトリウム水溶液でpH約10に酸性化し、酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で2回、及びブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(14.0g、収率96%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.78分、C2030の質量計算値362.5、m/z実測値363.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.33-7.22(m,5H),4.20-4.07(m,2H),3.87-3.47(m,4H),3.32-3.25(m,1H),3.08-3.04(m,1H),2.95-2.32(m,2H),1.93-1.80(m,1H),1.71-1.60(m,1H),1.46(s,2H),1.44(s,7H),1.30-1.23(m,3H).
中間体I-4-4:
(シス)-1-tert-ブチル-3-エチル-4-(ベンジル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)ピペリジン-1,3-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-tert-ブチル3-エチル4-(ベンジルアミノ)ピペリジン-1,3-ジカルボキシレートI-4-3(14.0g、38.6mmol)と2-ブロモ酢酸エチル(14.0g、83.8mmol)とのアセトニトリル(250mL)中溶液に、炭酸カリウム(15.0g、108.5mmol)を室温で添加した。85℃で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これを水(150mL)及び酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で2回、及びブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(17.0g、収率98%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.93分、C2436の質量計算値448.3、m/z実測値449.2[M+H]
中間体I-4-5:
(シス)-5-tert-ブチル-3a-エチル-1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-3a,5(6H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-tert-ブチル-3-エチル-4-(ベンジル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)ピペリジン-1,3-ジカルボキシレートI-4-4(17.0g、37.9mmol)のトルエン(100mL)中溶液に、カリウムtert-ブチレート(5.7g、50.8mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、この混合物を水(100mL)でクエンチし、1.0M塩酸水溶液(50mL)で酸性化した。得られた混合物をジクロロメタン(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で2回、及びブライン(100mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(5.0g、純度84%、収率28%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.78分、1.80分、C2230の質量計算値402.2、m/z実測値403.2[M+H]
中間体I-4-6:
(シス)-tert-ブチル-1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-5-tert-ブチル-3a-エチル-1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-3a,5(6H)-ジカルボキシレートI-4-5(5.0g、純度84%、10.4mmol)の濃塩酸水溶液(80mL)中溶液を、100℃で一晩撹拌した。0℃まで冷却した後、混合物を飽和水酸化ナトリウム水溶液でpH約10に塩基性化した。得られた水溶液をテトラヒドロフラン(80mL)で希釈し、次いでジ-tert-ブチルジカーボネート(4.8g、22.0mmol)を添加した。40℃で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(30mL)及び酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で2回、及びブライン(20mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(2.5g、収率73%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.75分、C1926の質量計算値330.2、m/z実測値331.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.29(m,5H),4.04(d,J=13.2Hz,1H),3.70-3.46(m,4H),3.33-3.17(m,3H),2.73-2.89(m,1H),2.59-2.58(m,1H),1.83-1.79(m,2H),1.46(s,9H).
中間体I-4-7:
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル-1-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレートI-4-6(2.5g、7.57mmol)のジクロロメタン(120mL)中溶液に、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(6.1g、37.8mmol)を-78℃で添加した。-78℃で30分間撹拌した後、混合物を室温まで加温し、室温で一晩撹拌した。混合物を水(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60mL)で塩基性化し、酢酸エチル(80mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で2回、及びブライン(20mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(1.2g、収率45%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.94分、C1926の質量計算値352.2、m/z実測値353.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.28(m,5H),4.04-3.88(m,2H),3.71-3.68(m,1H),3.47-3.20(m,4H),3.08-3.07(m,1H),2.76-2.65(m,1H),2.49-2.43(m,1H),1.88-1.84(m,1H),1.75-1.69(m,1H),1.47(s,9H).
中間体I-4-8:
(シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジンジヒドロクロリド(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレートI-4-7(1.2g、3.41mmol)の、酢酸エチル中の4.5Mヒドロクロリド(10mL)中溶液を、室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、標題の化合物(1.1g、純度85%、収率84%)を白色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(ESI):RT=1.46分、C1418の質量計算値252.1、m/z実測値253.0[M+H]
中間体I-4-9:
エチル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート(2つの立体異性体の混合物)
3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(90mg、0.562mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(260mg、0.684mmol)及びトリエチルアミン(180mg、1.78mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で30分間撹拌した後、(シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジンジヒドロクロリドI-4-8(150mg、純度85%、0.369mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)及び酢酸エチル(30mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で2回、及びブライン(20mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(150mg、純度83%、収率86%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.847分、C2128の質量計算値394.2、m/z実測値395.2[M+H]
中間体I-4-10:
3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
エチル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートI-4-9(150mg、純度83%、0.316mmol)のメタノール(2mL)及び水(0.5mL)中溶液に、水酸化ナトリウム(110mg、2.75mmol)を室温で添加した。50℃で4時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、揮発物を除去した。残渣を水(15mL)で希釈し、1Mヒドロクロリド水溶液(5mL)でpH4~5に酸性化し、次いで酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(15mL)で2回、及びブライン(15mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(150mg、純度75%、収率97%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=1.27分、C1924の質量計算値366.2、m/z実測値367.1[M+H]
中間体I-4-11:
3-((シス)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸I-4-10(120mg、純度75%、0.246mmol)のイソプロパノール(4mL)中溶液に、酢酸パラジウム(II)(110mg、0.49mmol)及び活性炭(70mg、4.36mmol)を添加した。混合物を水素バルーン下にて50℃で3時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を濃縮して、標題の化合物(70mg、純度71%、収率73%)を無色油状物として得た。LC-MS(ESI):RT=0.27分、C1218の質量計算値276.1、m/z実測値277.0[M+H]
化合物I-4:
3-((シス)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(2つの立体異性体の混合物)
3-((シス)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸I-4-11(70mg、0.159mmol、純度71%)のジクロロメタン(4mL)中溶液に、トリエタノールアミン(250mg、1.68mmol)を窒素雰囲気下にて室温で添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下にて40℃で30分間撹拌した後、(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVIa-1(90mg、純度95%、0.195mmol)を添加した。窒素雰囲気下にて40℃で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これを酢酸エチル(30mL)中に溶解させた。得られた溶液を水(15mL)で2回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で2回、及びブライン(10mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=35%~55%)により精製して、標題の化合物(16.8mg、純度99.8%、収率14%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):RT=3.937分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.4[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.60(s,0.5H),9.46(s,0.5H),8.00(d,J=1.6Hz,0.5H),7.95(d,J=3.2Hz,0.5H),7.93(d,J=3.2Hz,1H),7.21-7.17(m,1H),7.08-7.02(m,2H),5.90-5.87(m,0.8H),5.78-5.76(m,0.2H),4.25-4.12(m,2H),4.01-3.95(m,2H),3.72-3.64(m,0.6H),3.52-3.44(m,1.4H),3.29-3.12(m,5H),3.00-2.86(m,1H),2.45(s,2H),2.40(s,1H),1.99-1.64(m,2H),1.28-1.25(m,6H),1.09-1.03(m,3H).
化合物I-5:3-((3aR*,7aR*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-4-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
Figure 2022543010000018

Figure 2022543010000019
中間体I-5-1:
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレートI-4-7(2.3g、純度85%、5.55mmol)のイソプロピルアルコール(60mL)中混合物に、酢酸パラジウム(1.1g、4.90mmol)及び活性炭(850mg、70.8mmol)を添加して、次いで混合物を水素雰囲気(バルーン)下にて40℃で2時間撹拌した。触媒を濾去し、メタノール/水の溶液(10/1、20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(1.5g、1H NMRによる純度80%、収率82%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.44分、C1220の質量計算値262.1、m/z実測値263.1[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.06-3.73(m,1H),3.68-3.57(m,1H),3.54-3.47(m,1H),3.44-2.87(m,4H),2.53-2.33(m,1H),1.91-1.76(m,1H),1.73-1.59(m,1H),1.46(s,9H).
中間体I-5-2:
(シス)-1-ベンジル5-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1,5(6H)-ジカルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-カルボキシレートI-5-1(1.5g、純度80%、4.58mmol)とトリエチルアミン(1.4g、13.8mmol)とのジクロロメタン(50mL)中溶液に、ジクロロメタン(10mL)中のクロロギ酸ベンジル(1.1g、6.45mmol)を0℃で滴加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得た。残渣を酢酸エチル(150mL)及び水(150mL)中に溶解させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で2回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1~5:1)により精製して、標題の化合物(1.25g、H NMRによる純度90%、収率62%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.75分、C2026の質量計算値396.2、m/z実測値341.1[MH-56]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.39-7.31(m,5H),5.18-5.11(m,2H),4.29-4.11(m,2H),3.97-3.68(m,3H),3.53-3.15(m,1H),3.06-2.36(m,2H),1.92-1.61(m,2H),1.45(s,9H).
中間体I-5-3:
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレートヒドロクロリド(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-ベンジル5-tert-ブチル3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1,5(6H)-ジカルボキシレートI-5-2(1.5g、純度98%、3.71mmol)の、酢酸エチル中の4Mヒドロクロリド(40mL)中溶液を、室温で2時間撹拌した。溶媒を除去して、標題の化合物(1.28g、H NMRによる純度90%、収率93%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.15(s,1H),9.48-8.97(m,1H),7.40-7.33(m,5H),5.18-5.10(m,2H),4.28-4.16(m,1H),3.91-3.85(m,2H),3.49-3.23(m,3H),3.18-2.59(m,3H),2.43-2.24(m,1H).
中間体I-5-4:
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレートヒドロクロリドI-5-3(1.28g、純度90%、3.46mmol)のジクロロメタン(30mL)中混合物に、トリエチルアミン(2.2mL、15.8mmol)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで4-メトキシベンジル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートI-1-3(1.72g、純度95%、6.92mmol)、酢酸(1.9mL、33.2mmol)、及びジクロロメタン中の1Mクロロトリイソプロポキシチタン(6.9mL、6.9mmol)を添加した。反応混合物を室温で更に1時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.7g、17.5mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で2回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、C18カラム(アセトニトリル:水(0.1%炭酸水素アンモニウム=20%~80%)により精製して、標題の化合物(1.56g、H NMRによる純度90%、収率79%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.40-7.31(m,5H),7.29-2.27(m,2H),6.87(d,J=8.4Hz,2H),5.17-5.09(m,2H),5.07-4.99(m,2H),3.98-3.86(m,1H),3.75-3.67(m,5H),2.72-2.51(m,2H),2.46(s,2H),2.43-2.20(m,3H),2.10-1.67(m,2H),1.15(s,6H).
中間体I-5-5及びI-5-6:
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-6-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-4-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-5-4(1.55g、純度90%、2.70mmol)の四塩化炭素(40mL)及び水(40mL)中混合物に、三塩化ルテニウム(900mg、純度37%、1.61mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(3.12g、14.6mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後。混合物を濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄した。濾液を水(200mL)で2回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~2:1)により精製して、I-5-5とI-5-6との混合物(700mg、純度76%、収率37%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI):R=1.801分、C2832の質量計算値530.2、m/z実測値531.2[M+H]
I-5-5とI-5-6との混合物(700mg、純度76%、1.00mmol)を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム Chiralpak IE 5um 20×250mm;移動相:Hex:EtOH=40:60(10mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、I-5-5(154mg、H NMRによる純度90%、収率26%)及びI-5-6(355mg、H NMRによる純度90%、収率60%)を黄色油状物として得た。
中間体I-5-5:キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:EtOH=40:60(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm;R=9.187分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.41-7.31(m,7H),6.88(d,J=8.4Hz,2H),5.22-5.00(m,4H),4.62-4.38(m,1H),4.15-3.84(m,2H),3.80(s,3H),3.47-3.03(m,4H),2.84-2.51(m,3H),1.20(s,3H),1.16(s,3H).
中間体I-5-6:キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6×250nm;移動相:Hex:EtOH=40:60(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm;R=11.960分、12.214分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.43-7.28(m,7H),6.88(d,J=6.8Hz,2H),5.21-5.02(m,4H),4.35-4.14(m,1H),3.84-3.56(m,7H),3.40-3.25(m,1H),3.11-2.93(m,2H),2.14-1.96(m,1H),1.70-1.62(m,1H),1.21(s,3H),1.19(s,3H).
中間体I-5-6a及びI-5-6b:
(3aR*,7aR*)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-4-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(3aS*,7aS*)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-4-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(シス)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-4-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-5-6(310mg、純度90%、0.526mmol)を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム Chiralpak IG 5um 20×250mm;移動相:MeOH:DCM=80:20(15mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、I-5-6a(148mg、H NMRによる純度90%、収率48%)及びI-5-6b(144mg、H NMRによる純度90%、収率46%)を黄色油状物として得た。
中間体I-5-6a:キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6×250nm;移動相:MeOH:DCM=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、R=5.513分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.40-7.34(m,5H),7.29(d,J=7.6Hz,2H),6.87(d,J=7.6Hz,2H),5.16-5.02(m,4H),4.30-4.18(m,1H),3.85-3.49(m,7H),3.38-3.25(m,1H),3.04-2.99(m,2H),2.14-1.96(m,1H),1.75-1.68(m,1H),1.21(s,3H),1.19(s,3H).
中間体I-5-6b:キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6×250nm;移動相:MeOH:DCM=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、R=7.038分)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.39-7.28(m,7H),6.87(d,J=6.8Hz,2H),5.16-5.02(m,4H),4.34-4.14(m,1H),3.88-3.56(m,7H),3.40-3.23(m,1H),3.04-2.99(m,2H),2.04-1.91(m,1H),1.70-1.62(m,1H),1.21(s,3H),1.19(s,3H).
中間体I-5-7a:
3-((3aR*,7aR*)-3,3-ジフルオロ-4-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
(3aR*,7aR*)-ベンジル3,3-ジフルオロ-5-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-4-オキソオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-カルボキシレートI-5-6a(80mg、純度90%、0.136mmol)のテトラヒドロフラン(1.4mL)及びイソプロピルアルコール(1.4mL)中溶液に、20%水酸化パラジウム炭素(100mg)を室温で添加した。水素雰囲気下(15psi)にて50℃で2時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(41mg、H NMRによる純度90%、収率98%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 4.11(br s,1H),3.72(d,J=13.6Hz,1H),3.64-3.46(m,3H),3.25-3.06(m,2H),3.00-2.87(m,1H),2.08-1.95(m,1H),1.81-1.66(m,1H),1.08(s,3H),1.07(s,3H).
化合物I-5:
3-((3aR*,7aR*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロ-4-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
3-((3aR*,7aR*)-3,3-ジフルオロ-4-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-5-7a(33mg、純度90%、0.107mmol)とトリエタノールアミン(180mg、1.21mmol)とのジクロロメタン(2mL)中溶液を40℃で30分間撹拌し、次いで(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVIa-1(52mg、純度95%、0.113mmol)を添加した。40℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、水(10mL)に注ぎ入れた。得られた混合物を0.5Mヒドロクロリド水溶液(2mL)でpH約3に酸性化し、次いでジクロロメタン(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、分取HPLC(カラム:X-bridge C18;カラムサイズ:(5um 19×150mm);移動相A:水(+0.1%炭酸水素アンモニウム) 移動相B:アセトニトリル、UV:254nm、流速:15mL/分、勾配:20~70%(Bの%))により精製して、標題の化合物(18mg、純度96.8%、収率26%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):R=2.675分、C3034Sの質量計算値633.2、m/z実測値634.3[M+H]H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.95(d,J=3.6Hz,1H),7.72(d,J=2.8Hz,1H),7.18-7.10(m,2H),6.97-6.93(m,1H),6.00(s,1H),4.41-4.28(m,1H),4.12-4.04(m,4H),3.91-3.85(m,1H),3.60-3.48(m,3H),3.35-3.33(m,2H),3.07-2.86(m,1H),2.52(s,3H),2.14-2.01(m,1H),2.00-1.86(m,1H),1.29(s,3H),1.26(s,3H),1.13(t,J=7.6Hz,3H).
化合物I-6:3-((3aS*,7aR*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
Figure 2022543010000020
中間体I-6-1:
4-メトキシベンジル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(2つの立体異性体の混合物)
(シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロオクタヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジンジヒドロクロリドI-4-8(600mg、純度78%、1.44mmol)のジクロロメタン(25mL)中溶液に、トリエチルアミン(450mg、4.45mmol)を添加した。反応物を室温で0.5時間撹拌し、次いで4-メトキシベンジル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートI-1-3(1.0g、純度90%、3.81mmol)、酢酸(0.5mL、8.74mmol)、及びテトラヒドロフラン中の1Mクロロトリイソプロポキシチタン(3mL、3.00mmol)を添加した。得られた混合物を室温で更に1時間撹拌し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.5g、7.08mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)でクエンチし、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で2回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~2:1)により精製して、標題の化合物(400mg、H NMRによる純度90%、収率53%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):R=2.08分、C2734の質量計算値472.3、m/z実測値473.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.33-7.22(m,7H),6.87(d,J=8.4Hz,2H),5.08-5.01(m,2H),3.99(d,J=13.6Hz,1H),3.79(s,3H),3.29-3.15(m,2H),2.88(br s,1H),2.65-2.46(m,5H),2.42-2.28(m,3H),1.74-1.64(m,2H),1.17(s,6H).
中間体I-6-1a及びI-6-1b:
4-メトキシベンジル3-((3aS*,7aR*)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(単一の立体異性体)
4-メトキシベンジル3-((3aR*,7aS*)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(単一の立体異性体)
4-メトキシベンジル3-((シス)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートI-6-1(250mg、純度90%、0.476mmol)のラセミ混合物を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IE 5um 20×250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(18mL/分);温度:30℃;波長;230nm)により分離して、I-6-1a(100mg、純度100%、収率44%、94.7% ee)及びI-6-1b(70mg、純度98%、収率31%、98.9% ee)を黄色固体として得た。
中間体I-6-1a:LC-MS(ESI):R=2.19分、C2734の質量計算値472.2、m/z実測値473.2[M+H]。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm、R=6.477分)。
中間体I-6-1b:LC-MS(ESI):R=2.19分、C2734の質量計算値472.2、m/z実測値473.2[M+H]。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm、R=7.253分)。
中間体I-6-2a:
3-((3aS*,7aR*)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
4-メトキシベンジル3-((3aS*,7aR*)-1-ベンジル-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートI-6-1a(100mg、純度100%、0.212mmol)のイソプロピルアルコール(5mL)中混合物に、酢酸パラジウム(50mg、0.260mmol)及び活性炭(24mg、2.00mmol)を添加した。混合物を水素雰囲気下(60psi)にて60℃で一晩撹拌した。触媒を濾去し、メタノール/水の溶液(10/1、20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(42mg、H NMRによる純度90%、収率68%)を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 3.28-3.17(m,4H),2.62-2.58(m,1H),2.46-2.44(m,3H),2.34-2.20(m,2H),1.75-1.66(m,1H),1.52-1.49(m,1H),1.06(s,3H),1.05(s,3H).
化合物I-6:
3-((3aS*,7aR*)-1-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
3-((3aS*,7aR*)-3,3-ジフルオロヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5(6H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸I-6-2a(42mg、純度90%、0.144mmol)とトリエタノールアミン(210mg、1.408mmol)とのジクロロメタン(3mL)中混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートVIa-1(105mg、純度95%、0.228mmol)を添加した。40℃で8時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、ブライン(5mL)で2回洗浄し、NaSO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=30%~95%)により精製して、標題の化合物(21mg、純度98%、収率23%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI):R=3.683分、C3036Sの質量計算値619.2、m/z実測値620.4[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.37(br s,1H),7.80(d,J=3.2Hz,1H),7.47(d,J=3.2Hz,1H),7.09-7.04(m,1H),6.96-6.89(m,2H),6.03(s,1H),4.32(d,J=17.2Hz,1H),4.10-3.98(m,3H),3.60-3.49(m,1H),3.36-3.29(m,1H),3.12-3.06(m,1H),2.95-2.86(m,4H),2.79-2.73(m,1H),2.67(s,2H),2.54(s,3H),2.08-1.97(m,2H),1.29(s,3H),1.27(s,3H),1.11(t,J=7.2Hz,3H).
以下の化合物を、上記の合成手順又は類似の合成手順に従って作製した:
Figure 2022543010000021
実施例2:HepG2.2.15細胞における抗ウイルスアッセイ
材料及び設備
1)細胞株
HepG2.2.15(HepG2.2.15細胞株は、Sells,Chen,and Acs 1987(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:1005-1009)に記載されるとおり、HepG2細胞株のトランスフェクションによって生成することができ、HepG2細胞株は、ATCC(登録商標)から番号HB-8065(商標)で入手可能である)。
2)試薬
DMEM/F12(INVITROGEN-11330032)
FBS(GIBCO-10099-141)
ジメチルスルホキシド(DMSO)(SIGMA-D2650)
ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(HYCLONE-SV30010)
NEAA(INVITROGEN-1114050)
L-グルタミン(INVITROGEN-25030081)
Geneticin選択用抗生物質(G418、500mg/ml)(INVITROGEN-10131027)
トリプシナーゼ消化液(INVITROGEN-25300062)
CCK8(BIOLOTE-35004)
QIAamp 96 DNA Bloodキット(12)(QIAGEN-51162)
FastStart Universal Probe Mast Mix(ROCHE-04914058001)
3)消耗品
96ウェル細胞培養プレート(COSTAR-3599)
Micro Amp Optical 96ウェル反応プレート(APPLIED BIOSYSTEMS-4306737)
Micro Amp Optical 384ウェル反応プレート(APPLIED BIOSYSTEMS)
4)設備
プレートリーダー(MOLECULAR DEVICES、SPECTRAMAX M2e)
遠心分離器(BECKMAN、ALLEGRA-X15R)
リアルタイムPCRシステム(APPLIED BIOSYSTEMS、QUANTSTUDIO 6)
リアルタイムPCRシステム(APPLIED BIOSYSTEMS、7900HT)。
方法
1)抗HBV活性及び細胞傷害性の判定
HepG2.2.15細胞を、2%FBS培地中の96ウェルプレートに、HBV阻害活性及び細胞傷害性の判定のためにそれぞれ40,000細胞/ウェル及び5,000細胞/ウェルの密度で播種した。37℃、5%CO2で一晩インキュベーションした後、化合物を含有する培地で細胞を6日間処理し、処理の3日後に培地及び化合物を交換した。各化合物を、8つの異なる濃度での1:3段階希釈により三連で試験した。化合物の最も高い濃度は、抗HBV活性アッセイの場合は10uM又は1uMであり、細胞傷害性判定の場合は100uMであった。
細胞生存率をCCK-8アッセイによって判定した。化合物処理の6日後、20μlのCCK-8試薬を、細胞傷害性アッセイプレートの各ウェルに添加した。細胞プレートを、37℃、5%CO2で2.5時間インキュベートした。450nm波長の吸光度及び参照としての630nm波長の吸光度を測定した。
化合物によって誘導されるHBV DNAレベルの変化を、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって評価した。簡潔に述べると、培地中のHBV DNAを、手引書に従ってQIAamp 96 DNA Bloodキットを使用して抽出し、続いて下の表1におけるプライマー及びプローブを使用してリアルタイムPCRアッセイにより定量化した。
Figure 2022543010000022
2)データ分析
EC50及びCC50値は、GRAPHPAD PRISMソフトウェアによって計算される。DMSO対照のCV%が15%未満であり、参照化合物が期待される活性又は細胞毒性を示す場合、このバッチの実験のデータは適格であると見なされる。
結果:以下の表3を参照されたい。
Figure 2022543010000023
表3に示される効力データのとおり、これらの全ての化合物が、HBV HepG2.2.15細胞に対する非常に強力なインビトロ活性を実証した。

Claims (16)

  1. 式(I)
    Figure 2022543010000024

    の化合物であって、その重水素化体、立体異性体、若しくは互変異性体を含む化合物
    [式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、ハロ、OH、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
    は、それぞれ独立してメチル若しくはハロから選択される1つ以上の置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;
    は、C1~4アルキルであり;
    及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
    及びRは、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;若しくはR及びRは、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
    Xは、CHR10a、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
    Yは、CHR11a、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
    Zは、CHR12a、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
    (式中、R10a、R10b、R11a11b、R12a、及びR12bは、それぞれ独立してH;-CN;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;-Cy-C1~6アルキル-COOR;-C(=O)-C1~6アルキル-COOR;-Cy-OH;-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOR;-C(=O)-NR;及び-S(=O)-NR-C(=O)-C1~6アルキルからなる群から選択され;
    ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキル及びC1~9アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
    は、H及び-C1~6アルキルから選択され;
    、R、及びRは、それぞれ独立してH及び-C1~4アルキルから選択され;
    Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表す)
    (但し、
    CRとX、若しくはXとY、若しくはYとZは同時にC(=O)ではないという条件で、CR、Y、若しくはZのうちの2つまでがC(=O)であってよいものとする)]
    又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、
    、R、及びRが、それぞれ独立してH、ハロ、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
    が、それぞれ独立してメチル又はハロから選択される1つ以上の置換基でその各々が任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択され;
    が、C1~4アルキルであり;
    及びRが、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
    及びRが、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;又はR及びRが、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
    Xが、CHR10a、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
    Yが、CHR11a、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
    Zが、CHR12a 、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
    (式中、R10a、R10b、R11a11b、R12a、及びR12bはそれぞれ独立してH;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;-C(=O)-C1~6アルキル-COOR;-Cy-OH;及び-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COORからなる群から選択され;
    ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
    は、H及び-C1~6アルキル、特にH及び-C1~4アルキルから選択され;
    Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表す)、化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の化合物であって、
    、R、及びRが、それぞれ独立してH、ハロ、及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
    が、その各々が1つのメチル置換基で任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、及びオキサゾリルからなる群から選択され;
    が、C1~4アルキルであり;
    及びRが、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択され;
    及びRが、それぞれ独立してH及びハロからなる群から選択されるか;又はR及びRが、それらが結合している炭素原子とともにC(=O)を形成し;
    Xが、CH、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;
    Yが、CH、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;
    Zが、CH、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
    (式中、R10b、R11b、及びR12bは、それぞれ独立してH;-C1~9アルキル-COOR;-Cy-COOR;-C1~6アルキル-Cy-COOR;及び-C(=O)-C1~6アルキル-COORからなる群から選択され;
    ここで、Cyは、C3~7シクロアルキルを表す)、化合物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物であって、
    、R、及びRが、それぞれ独立してH、ハロ、OH、及びメチルからなる群から選択される、化合物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物であって、
    が、その各々が1つのメチル置換基で任意選択により置換されてよいチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、及びピリジルからなる群から選択される、化合物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物であって、
    が、メチル、エチル、又はイソプロピルである、化合物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物であって、
    及びRが、それぞれ独立して水素及びフルオロから選択される、化合物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物であって、
    Xが、CH、C(=O)、及びNR10bからなる群から選択され;Yが、CH、C(=O)、及びNR11bからなる群から選択され;Zが、CH、C(=O)、NR12b、及びOからなる群から選択される
    (式中、R10b、R11b、及びR12bは、それぞれ独立して-C1~9アルキル-COOH;-Cy-COOH;-C1~6アルキル-Cy-COOH;-C(=O)-C1~6アルキル-COOH;-Cy-OH;及び-C1~6アルキル-O-C1~6アルキル-COOHからなる群から選択され;
    ここで、それぞれの場合において、C1~6アルキルは、それぞれ独立してハロ及びヒドロキシルから選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されてよく;
    Cyは、C1~4アルキル置換基で任意選択により置換されたC3~7シクロアルキルを表し、残りの可変要素は本明細書で定義されるとおりである)、化合物。
  9. 以下の化合物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022543010000025
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を含み、少なくとも1つの薬学的に許容される担体を更に含む、医薬組成物。
  11. 薬剤として使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物。
  12. HBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は処置を必要とする哺乳動物における前記予防又は処置に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物。
  13. HBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は処置を必要とする哺乳動物における前記予防又は処置の際に、同時に、別個に、又は連続的に使用するための組み合わせ調製物としての第1の化合物及び第2の化合物を含む生成物であって、前記第1の化合物が、前記第2の化合物とは異なり、前記第1の化合物が、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物である、生成物。
  14. 式(I)の化合物を生成するためのプロセスであって、
    式(VI)の化合物
    Figure 2022543010000026

    (式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりであり、LGは、例えばブロモなどの適切な脱離基を表す)を、式(VII)の化合物
    Figure 2022543010000027

    (式中、R~Rは、式(I)で定義されたとおりである)と、
    適切な求核置換条件下、例えば適切な塩基(例えばトリエタノールアミンなど)の存在下で反応させることを含む、プロセス。
  15. HBV感染の処置を必要とする個体において前記HBV感染を処置する方法であって、治療有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項10に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む、方法。
  16. 少なくとも1つの薬学的に許容される担体を、請求項1~9のいずれか一項に記載の治療有効量の化合物と混合することを含む、請求項9に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
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