JP2022541753A - 線維芽細胞活性化タンパク質リガンドを含む化合物およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、環状ペプチドおよびキレーターを含む化合物、ならびにその使用に関する。

Description

本発明は、化合物;線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の阻害剤;それぞれ、化合物と阻害剤とを含む組成物;それぞれ、疾患の診断のための方法における使用のための、化合物、阻害剤および組成物;それぞれ、疾患の処置のための方法における使用のための、化合物、阻害剤および組成物;それぞれ、「診断治療(thera(g)nosis)」または「診断治療学(thera(g)nostics)」とも称される、疾患の診断および処置の方法における使用のための、化合物、阻害剤および組成物;それぞれ、FAP発現組織にエフェクターを送達するための方法における使用のための、化合物、阻害剤および組成物;それぞれ、化合物、阻害剤および組成物を使用する疾患の診断のための方法;それぞれ、化合物、阻害剤および組成物を使用する疾患の処置のための方法;それぞれ、化合物、阻害剤および組成物を使用する、「診断治療(thera(g)nosis)」または「診断治療学(thera(g)nostics)」とも称される、疾患の診断および処置のための方法;それぞれ、化合物、阻害剤および組成物を使用するFAP発現組織へのエフェクターの送達のための方法に関する。
治療選択肢の利用可能性の増加にもかかわらず、がんは、依然として世界の死因の第2位である。治療戦略は、治療的がん細胞薬剤の接近を制限する絶えず存在する周囲の腫瘍微小環境(TME)を無視して、主に、悪性のがん細胞自体の標的化に焦点を合わせている(Valkenburgら、Nat Rev Clin Oncol,2018,15:366)。TMEは、腫瘍塊の一部であり、がん細胞の異種集団だけでなく、様々な常在および浸潤宿主細胞、分泌因子、細胞外基質タンパク質からもなる(Quailら、Nat Med,2013,19:1423)。TME中に見出される優勢な細胞型は、がん関連線維芽細胞(CAF)である(Kalluri,Nat Rev Cancer,2016,16:582)。例えば、線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮起源の細胞、または内皮細胞などの、多くの異なる細胞型が、CAFのための供給源および起源として記載されてきた(Madarら、Trends Mol Med,2013,19:447)。CAFは、間葉のような特徴を示し、固形腫瘍塊内で優勢な細胞型であることが多い。CAFは、腫瘍進行および恒常性におけるプレーヤーとして関心が高まっている(Gascardら、Genes Dev,2016,30:1002;LeBleuら、Dis Model Mech,2018,11)。
近年では、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)は、CAFのマーカーとしての評判は悪化してきている(Shigaら、Cancers(Basel),2015,7:2443;Pureら、Oncogene,2018,37:4343;Jacobら、Curr Mol Med,2012,12:1220)。腫瘍内のCAFおよび間質の遍在のため、FAPは、放射性医薬品診断のための好適なマーカーとして、および放射性医薬品療法のための好適な標的として発見された(Siveke,J Nucl Med,2018,59:1412)。
線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP)は、II型膜貫通セリンプロテアーゼおよびS9プロリルオリゴペプチダーゼファミリーのメンバーである(Parkら、J Biol Chem,1999,274:36505)。最も近いファミリーメンバーDPP4は、FAPとの53%の相同性を有する。他のDPP酵素(DPP4、DPP7、DPP8、DPP9)と同様、FAPはポストプロリンエキソペプチダーゼ活性を有する。さらに、FAPは、プロリルオリゴペプチダーゼ/エンドペプチダーゼ(POP/PREP)と同様、エンドペプチダーゼ活性を有する。FAP遺伝子は、様々な種間で高度に保存されている。ヒトFAPの細胞外ドメインは、マウスおよびラットFAPとの90%のアミノ酸配列同一性を有する。マウスFAPは、ラットFAPとの97%の配列同一性を有する。
構造的には、FAPは、短いN末端細胞質尾部(6アミノ酸)、単一の膜貫通ドメイン(20アミノ酸)、および734アミノ酸の細胞外ドメインから構成される760アミノ酸の膜貫通タンパク質である(Aertgeertsら、J Biol Chem,2005,280:19441)。この細胞外ドメインは、8刃のβプロペラドメインおよびα/βヒドロラーゼドメインからなる。触媒三残基は、Ser624、Asp702、およびHis734から構成され、βプロペラドメインとヒドロラーゼドメインとの境界面に位置する。活性部位は、βプロペラドメインの中心孔を介して、またはβプロペラドメインとヒドロラーゼドメインとの間の狭い空洞を介して接近可能である。FAP単量体では活性ではないが、活性なホモ二量体ならびにDPP4とのヘテロ二量体を形成する(Ghersiら、Cancer Res,2006,66:4652)。可溶性ホモ二量体FAPも記載されている(Keaneら、FEBS Open Bio,2013,4:43;Leeら、Blood,2006,107:1397)。
FAPは、二重の酵素活性を有する(Hamsonら、Proteomics Clin Appl,2014,8:454)。そのジペプチジルペプチダーゼ活性は、プロリン残基後のN末端の2つのアミノ酸を切断する。そのジペプチジルペプチダーゼ活性によって迅速に切断されるFAP基質は、神経ペプチドY、ペプチドYY、サブスタンスP、およびB型ナトリウム利尿ペプチドである。コラーゲンIおよびIII、FGF21およびα2-抗プラスミンは、FAPのエンドペプチダーゼ活性によって切断されることが示された。FAPは天然コラーゲンを切断することができないが、マトリックスメタロプロテイナーゼなどの他のプロテアーゼによる予備消化は、FAPによるさらなるコラーゲン切断を容易にする。コラーゲンのプロセシングは、がん細胞の遊走能力に影響し得る。細胞外基質のリモデリングによるがん細胞の浸潤性の増大の他に、増殖および血管新生の増加を含む、いくつかの他のFAP媒介性腫瘍促進役割が提唱された。さらに、FAPの間質発現は、様々ながんにおいて免疫監視からの逃避と関連しており、抗腫瘍免疫における役割を示唆する(Pureら、Oncogene,2018,37:4343)。
FAPは、正常な発生の間に一過的に発現されるが、健康な成体組織中では稀に発現されるに過ぎない。トランスジェニックマウスにおいて、FAPが脂肪組織、骨格筋、皮膚、骨および膵臓によって発現されることが示された(Pureら、Oncogene,2018, 37: 4343;Robertsら、J Exp Med,2013,210:1137)。しかしながら、FAPノックアウトマウスは、健康な表現型を有し、正常条件下での重複した役割を示唆する(Niedermeyerら、Mol Cell Biol,2000,20:1089)。創傷治癒、線維症、関節炎、アテローム性動脈硬化症およびがんを含む、活発な組織リモデリングの部位において、FAPは間質細胞中で高度に上方調節されるようになる(Pureら、Oncogene,2018,37:4343)。
上皮癌の90%の腫瘍間質中でのFAP発現が、モノクローナル抗体F19の使用の下で1990年に初めて報告された(Garin-Chesaら、Proc Natl Acad Sci U S A,1990,87:7235;Rettigら、Cancer Res,1993,53:3327)。FAPを発現する間質細胞は、がん関連線維芽細胞(CAF)およびがん関連周皮細胞としてさらに特徴付けられた(Cremascoら、Cancer Immunol Res,2018,6:1472)。悪性上皮細胞上でのFAP発現も報告されたが、その有意性はまだ定まっていない(Pureら、Oncogene,2018,37:4343)。Busekら(Busekら、Front Biosci(Landmark Ed),2018,23:1933)から取られた、以下の表1は、腫瘍型および細胞発現を示す様々な悪性腫瘍中でのFAPの発現をまとめたものである。
Figure 2022541753000001
Figure 2022541753000002
CAF中でのFAP発現は、ほぼ全ての癌腫および肉腫について示された(Pureら、Oncogene,2018,37:4343;Busekら、Front Biosci (Landmark Ed),2018,23:1933)。さらに、CAFは、血液悪性腫瘍中に存在する(Raffaghelloら、Oncotarget,2015,6:2589)。したがって、治療標的としてのFAPの利用は、ある特定の腫瘍実体に限定されない。
FAPを発現するCAFの存在量は、予後不良と相関すると記載される。様々なヒト腫瘍適応にわたって、FAP発現は、より高い腫瘍悪性度およびより悪い全生存期間と相関すると記載されている(Pureら、Oncogene,2018,37:4343)。
上記のように、FAPならびに腫瘍微小環境中に存在するFAP発現細胞が腫瘍進行に有意に影響することが示される(Hanahanら、Cancer Cell,2012,21:309)。 さらに、腫瘍中でのその相対的に選択的な発現のため、FAPは、以下に記載されるように治療剤および診断剤のための好適な標的と見なされる(Siveke,J Nucl Med,2018,59:1412;Christiansenら、Neoplasia,2013,15:348;Ziら、Mol Med Rep,2015,11:3203)。
その発見後まもなく、FAPはがんにおける治療標的として利用された。現在まで、例えば、FAP酵素活性の阻害、FAP陽性細胞の除去、または細胞傷害性化合物の標的化された送達を含む様々な戦略が探索されてきた。
2007年には、FAPおよびDPP4の阻害剤であるタラボスタット(Val-boro-Pro、PT-100)が、Point Therapeuticsによって開発された(例えば、米国特許第6,890,904号、WO9916864に記載された)。Pennisiら、(Pennisiら、Br J Haematol,2009,145:775)は、複数の骨髄腫動物モデルならびにがん同系マウスモデルにおける腫瘍成長の減少を観察した。さらに、いくつかの他のプロリルボロン酸誘導体が開発され、FAPのための推定選択的阻害剤として報告された。これらの誘導体は、生理的pHで水性環境において不安定性を示し(Couttsら、J Med Chem,1996,39:2087)、他の酵素との非特異的反応性を示す。
WO2008/116054は、化合物がC末端ビスアミノまたはボロン酸官能基を含むヘキサペプチド誘導体を開示した。
US2017/0066800は、FAPに対して有効な、M83などの疑似ペプチド阻害剤を開示した。これらの阻害剤を、免疫不全マウスにおいて肺および結腸がん異種移植片中で評価した。腫瘍成長の抑制が観察された(Jacksonら、Neoplasia,2015,17:43)。これらの疑似ペプチドは、プロリルオリゴペプチダーゼ(POP/PREP)とFAPとの両方の活性を阻害し、それによって、特異的治療的FAP阻害剤としてのそれらの使用を排除する。
US2008/280856は、ナノモル濃度のボロン酸に基づく阻害剤を開示した。阻害剤は、FAPおよびPREPの二重特異的阻害を示し、それによって、特異的な治療的FAP阻害剤としてのそれらの使用を排除する。
環状ペプチドに基づくFAP阻害剤が、例えば、WO2016/146174およびWO2006/042282に開示された。WO2016/146174は、FAPに対する特異性を示すFAPを発現する腫瘍の診断および処置のためのペプチドを開示し、密接に関連するホモログDPP4は、前記ペプチドによって認識されなかった。WO2006/042282は、黒色腫の処置のためのポリペプチドを開示した。ヌードマウスにおいて、黒色腫の成長および黒色腫の転移の阻害が示された。
WO99/75151およびWO01/68708は、ヒト化FAPモノクローナル抗体、F19(シブロツズマブ)を開示した。さらに、抗FAP抗体F19およびそのヒト化バージョンが、WO99/57151およびWO01/68708に開示された。開発手法は、例えば、二価誘導体に変換された、高親和性、種交差反応性、FAP特異的scFvの生成を含んでいた(Brocksら、Mol Med,2001,7:461)。第I相および第II相臨床試験において、シブロツズマブは、特異的腫瘍濃縮を示したが、転移性結腸直腸がんを有する患者において測定可能な治療活性を示すことができず、安定疾患を有するのは17人の患者のうちのわずか2人に過ぎなかった(Hofheinzら、Onkologie,2003,26:44)。このF19抗体は、FAPのいかなる細胞機能またはプロテアーゼ機能も遮断しないことが示されたが、これは、治療効果の欠如を説明することができる(Hofheinzら、Onkologie,2003,26:44;Scottら、Clin Cancer Res,2003,9:1639)。
US2018/022822は、FAPによって誘導される疾患および状態の処置において有用なヒト由来抗体およびキメラ抗原受容体(CAR)として、ヒトFAPおよびそのエピトープに特異的に結合する新規分子を開示した。抗FAP抗体を用いた、同所同系MC38結腸直腸腫瘍を担持するマウスの処置は、腫瘍直径および転移の数を減少させた。WO2012/020006は、Fc領域中に修飾オリゴ糖を担持する糖鎖工学抗体を開示した。その後、FAPとDR5とに特異的な二重特異性抗体が、WO2014/161845の主題として開発された。これらの抗体は、FAP陽性間質を有するin vitroおよびin vivoの前臨床腫瘍モデルにおいて腫瘍細胞アポトーシスを誘発した(Brunkerら、Mol Cancer Ther,2016,15:946)。FAPを標的とする抗体薬物コンジュゲートおよび免疫毒素が、WO2015/118030に記載されている。腫瘍成長のin vitroでの毒性ならびにin vivoでの阻害が、抗hu/moFAP hu36:細胞溶解素ADC候補の適用後に示された。これらの抗体がFAP活性を阻害することができたかどうかは不明である。
関連するDPPおよびPREPに対する低いナノモル濃度の阻害効力および高い選択性を示す(4-キノリノイル)グリチル-2-シアノピロリジンに基づく低分子FAP阻害剤が、Jansenら(Jansenら、J Med Chem,2014,57:3053;Jansenら、ACS Med Chem Lett,2013,4:491)によって記載され、WO2013/107820に開示された。しかしながら、その化合物は、本発明の化合物と構造的に関連せず、FAPへの共有結合をもたらす弾頭を含む。
近年、本明細書に例示的に記載されるいくつかのFAP標的化放射性医薬品手法が開発された。
WO2010/036814は、FAP酵素活性の阻害による治療剤としての、またはFAPへの結合による放射性医薬品としての使用のためのFAPの低分子阻害剤を開示した。
WO2019/083990は、Jansenら(Jansenら、J Med Chem,2014,57:3053;Jansenら、ACS Med Chem Lett,2013,4:491)によって記載された低分子FAP阻害剤に基づくイメージングおよび放射性治療剤を開示した。さらに、いくらかの著者が、Jansenら(Jansenら、J Med Chem,2014,57:3053;Jansenら、ACS Med Chem Lett,2013,4:491)によって記載されたFAP阻害剤に基づくイメージングおよび放射性治療剤のがん患者の腫瘍中での選択的取込みを記載した(Lindnerら、J Nucl Med,2018,59:1415;Loktev,ら、J Nucl Med,2018,59:1423;Gieselら、J Nucl Med, 2019,60:386;Loktevら、J Nucl Med,2019,Mar 8 (印刷前の電子版);Gieselら、Eur J Nucl Med Mol Imaging,2019,46:1754;Kratochwilら、J Nucl Med,2019,60:801)。
131I標識された、ヒト化形態のF19抗体(シブロツズマブ)の臨床評価により、結腸直腸癌または非小細胞肺がんを有する患者において、正常組織ではなく、腫瘍による選択的取込みが示された(Scott,ら、Clin Cancer Res,2003,9:1639)。これは、抗体を、放射性核種を含む診断、治療、または診断治療手法にとって不適切なものにする抗体の長い循環時間に起因し得る。
WO2011/040972は、強力な放射性イムノコンジュゲートとしてヒトとマウスとの両方のFAP抗原を認識する高親和性抗体を開示した。ESC11 IgG1は、表面FAPの下方モジュレーションおよび内在化を誘導する(Fischerら、Clin Cancer Res,2012,18:6208)。WO2017/211809は、標的化部分がFAPに対する特異性を有する、組織標的化トリウム-227複合体を開示した。しかしながら、抗体の長い循環時間は、それらを、放射性核種を含む診断、治療、または診断治療手法にとって不適切なものにする。
FAPはまた、腫瘍適応以外の疾患に関与すると記載されており、その例は以下に与えられる。
患者の関節リウマチ関節における線維芽細胞様滑膜細胞は、FAPの有意に増加した発現を示す(Bauerら、Arthritis Res Ther,2006,8:R171;Milnerら、Arthritis Res Ther,2006,8:R23)。関節リウマチでは、間質細胞は、細胞外基質成分を産生し、浸潤免疫細胞を動員し、炎症メディエーターを分泌することによって、関節の滑膜組織の構造を編成するのに重要な役割を果たす。炎症および関節損傷の持続性の駆動におけるこれらの細胞の役割を支持するかなりの証拠が存在する(Bartokら、Immunol Rev,2010,233:233;Turnerら、Curr Opin Rheumatol,2015,27:175)。関節リウマチでは、FAPは、少なくともプロテオグリカン喪失の促進およびその後の軟骨分解による軟骨代謝回転における病理学的役割を有する(Bauerら、Arthritis Res Ther,2006,8:R171;Waldeleら、Arthritis Res Ther,2015,17:12)。したがって、それは、処置の成功の評価および追跡のための、患者の層別化のためのマーカーとして、または治療標的として役立ち得る(Bauerら、Arthritis Res Ther,2006,8:R171)。マウスでは、処置応答は、99mTc標識された抗FAP抗体のSPECT/CTイメージングを使用して証明された(van der Geestら、Rheumatology(Oxford),2018,57:737;Lavermanら、J Nucl Med,2015,56:778;van der Geestら、J Nucl Med,2017,58:151)。
さらに、FAPは、傷害応答における活性化線維芽細胞のマーカーとしてだけでなく(Tillmannsら、Int J Cardiol,2013,168:3926)、創傷の治癒プロセスにおける重要なプレーヤーとしても認識された(Ramirez-Montagutら、Oncogene,2004,23:5435)。Jingらは、ラットにおける熱傷創後のFAP発現の変化の時間依存的経過を証明した(Jingら、Nan Fang Yi Ke Da Xue Xu Bao,2013,33:615)。一般的な良性の線維増殖性網状皮膚病変であるケロイド瘢痕における反応性創傷線維芽細胞におけるFAP活性の阻害は、疾患進行を防止するための治療選択肢を提供し得る(Dienusら、Arch Dermatol Res,2010,302:725)。
線維症において、例えば、特発性肺線維症、クローン病、および肝線維症において、FAPの上方調節された発現が観察された。過剰の、誤平衡化した細胞外基質(ECM)沈着を特徴とする慢性炎症性腸疾患であるクローン病に関するex vivoモデルにおいて、FAP発現の上方調節が観察された。FAP阻害は、細胞外基質恒常性を再構成させた(Truffiら、Inflamm Bowel Dis,2018,24:332)。肺線維症のマウスモデルの使用下でも同様の観察がEggerら(Eggerら、Eur J Pharmacol,2017,809:64)によって為された。FAPの阻害は、線維性病理の減少をもたらす。FAPはまた、慢性的に傷害された肝臓中の組織リモデリング領域中で発現され(Wangら、Front Biosci,2008,13:3168)、肝星細胞によるFAP発現は、肝疾患の組織学的重症度と相関する(Gorrellら、Adv Exp Med Biol,2003,524:235)。したがって、FAPは、肝線維症の処置における有望な標的でもある(Layら、Front Biosci(Landmark Ed),2019,24:1)。
FAPは、アテローム性動脈硬化症病変において発現され、活性化された血管平滑筋細胞中で上方調節される(Monslowら、Circulation,2013,128:A17597)。Monslowらは、アテローム性動脈硬化症病変におけるFAPの標的化された阻害が、炎症よりも基質に富む病変を好むことによって病変構造を変更させるその能力によって、全体の病変量を減少させ、炎症細胞の帰巣を阻害し、病変安定性を増大させ得ることを示した。より重要なことに、多くのアテローム性動脈硬化症病理は、共通の病理学的特徴:アテローム性動脈硬化症病変を誘導するアテローム性動脈硬化プラークの破裂を共有する(Daviesら、Br Heart J,1985,53:363;Falk,Am J Cardiol,1989,63:114e)。進行性アテローム性動脈硬化プラーク中の線維性被膜の破裂は、心筋梗塞および突然心臓死をもたらし得る急性冠症候群の重要な誘発因子である。プラーク不安定性の促進における重要な事象の1つは、下にある血栓形成プラークコアを血流に曝露することによって、血栓症およびその後の血管閉塞を引き起こす、線維性被膜の分解である(Farbら、Circulation,1996,93:1354;Virmaniら、J Am Coll Cardiol,2006,47:C13)。Brokoppらは、FAPが線維性被膜中でのI型コラーゲン破壊に寄与することを示した(Brokoppら、Eur Heart J,2011,32:2713)。放射標識トレーサーが開発され、アテローム性動脈硬化症イメージングへのその適用可能性が示された(Melettaら、Molecules,2015,20:2081)。
本発明の根底にある課題は、特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物を提供することである。本発明の根底にあるさらなる課題は、特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物を提供することであり、それにより化合物はFAP活性の強力な阻害剤となり、好ましくは化合物のpIC50は6.0に等しいかこれより大きい。本発明の根底にあるさらなる課題は、罹患した細胞および/または罹患した組織がFAPを発現する疾患の診断および/または治療において、特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物を提供することである。本発明の根底にあるさらなる課題は、診断的および/または治療的に有効な薬剤を、それぞれ罹患した細胞および/または罹患した組織、より具体的にはFAPを発現する罹患した細胞および/または罹患した組織に送達するために好適な化合物を提供することであり、好ましくは罹患した組織はがん関連線維芽細胞を含む、または含有する。また、本発明の根底にある課題は、疾患の診断のための方法、疾患の処置および/または防止のための方法、ならびに疾患の診断および処置の組合せのための方法を提供することであり、好ましくはそのような疾患はFAPを発現する細胞および/または組織、より具体的にはFAPを発現する罹患した細胞および/または罹患した組織が関与する疾患であり、好ましくは罹患した組織はがん関連線維芽細胞を含む、または含有する。本発明の根底にあるさらなる課題は、疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高い対象を特定するための方法、疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高い対象を対象の群から選択するための方法を提供することである。また、本発明の根底にある課題は、上に概要を述べた特徴を有する化合物を含む医薬組成物を提供することである。さらに、本発明の根底にある課題は、上記の方法のいずれかにおける使用に適したキットを提供することである。
特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物に対するニーズがある。さらに、特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物であって、それにより化合物がFAP活性の強力な阻害剤となり、好ましくは化合物のpIC50が6.0に等しいかこれより大きい、化合物に対するニーズがある。さらに、罹患した細胞および/または罹患した組織がFAPを発現する疾患の診断および/または治療において、特に診断的および/または治療的に活性なエフェクターにコンジュゲートした場合に、診断薬および/または治療薬として好適な化合物に対するニーズがある。さらに、診断的および/または治療的に有効な薬剤を、それぞれ罹患した細胞および/または罹患した組織、より具体的にはFAPを発現する罹患した細胞および/または罹患した組織に送達するために好適な化合物であって、好ましくは罹患した組織ががん関連線維芽細胞を含む、または含有する、化合物に対するニーズがある。また、疾患の診断のための方法、疾患の処置および/または防止のための方法、ならびに疾患の診断および処置の組合せのための方法であって、好ましくはそのような疾患がFAPを発現する細胞および/または組織、より具体的にはFAPを発現する罹患した細胞および/または罹患した組織が関与する疾患であり、好ましくは罹患した組織ががん関連線維芽細胞を含む、または含有する、方法に対するニーズがある。さらに、疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高い対象を特定するための方法、疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高い対象を対象の群から選択するための方法に対するニーズがある。さらに、上に概要を述べた特徴を有する化合物を含む医薬組成物に対するニーズがある。さらに、上記の方法のいずれかにおける使用に適したキットに対するニーズがある。本発明はこれらのニーズを満足する。
これらのおよびその他の課題は、添付した特許請求の範囲の主題によって解決される。
本発明の根底にあるこれらのおよびその他の課題は、以下の実施形態によっても解決される。
実施形態1. 以下の式
Figure 2022541753000003
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)、および以下の式
Figure 2022541753000004
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3407)
からなる群から選択される化合物。
実施形態2. 以下の式
Figure 2022541753000005
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態3. 以下の式
Figure 2022541753000006
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3407)である、実施形態1に記載の化合物。
実施形態4. 酸化することができる任意のS原子、好ましくはチオエーテル基のS原子が、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-、またはそれらの混合物として存在する、実施形態1から3のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態5. 線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に結合することができる、実施形態1から4のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態6. 診断的に活性な核種または治療的に活性な核種を含む、実施形態1から5のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態7. 以下の式
Figure 2022541753000007
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(InDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3590)、
以下の式
Figure 2022541753000008
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(LuDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3591)、
以下の式
Figure 2022541753000009
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(GaDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3592)、
以下の式
Figure 2022541753000010
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(EuDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3661)、
以下の式
Figure 2022541753000011
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(InDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3623)、
以下の式
Figure 2022541753000012
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(LuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3624)、
以下の式
Figure 2022541753000013
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(EuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3662)、
以下の式
Figure 2022541753000014
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(GaDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3949)、
以下の式
Figure 2022541753000015
の化合物Hex-[Cys-(tMeBn(CuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-4293)、および
以下の式
Figure 2022541753000016
の化合物Hex-[Cys-(tMeBn(ZnDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-4343)
を含む群から選択される、実施形態6に記載の化合物。
実施形態8. 前記診断的に活性な核種が診断的に活性な放射性核種である、実施形態6および7のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態9. 前記診断的に活性な放射性核種が43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y,89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、好ましくは43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、最も好ましくは64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iからなる群から選択される、実施形態8に記載の化合物。
実施形態10. 前記治療的に活性な核種が治療的に活性な放射性核種である、実施形態6および7のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態11. 前記治療的に活性な放射性核種が47Sc、67Cu、89Sr、90Y、153Sm、149Tb、161Tb、177Lu、186Re、188Re、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、226Th、227Th、131I、211At、好ましくは47Sc、67Cu、90Y、177Lu、188Re、212Pb、213Bi、225Ac、227Th、131I、211At、最も好ましくは90Y、177Lu、225Ac、227Th、131I、および211Atからなる群から選択される、実施形態10に記載の化合物。
実施形態12. 線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトFAPまたはそのホモログと相互作用する、実施形態1から11のいずれか一項に記載の化合物であって、前記ホモログのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性を有する、化合物。
実施形態13. 線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の阻害剤である、実施形態12に記載の化合物。
実施形態14. 疾患の診断のための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態15. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現が関与する疾患である、実施形態14に記載の使用のための化合物。
実施形態16. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態14から15のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態17. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍である、実施形態14から16のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態18. 前記新生物、がん、および腫瘍が、固形腫瘍、上皮腫瘍、膀胱がん、乳がん、頸がん、結腸直腸がん、胆管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、頭頚部がん、肝がん、肺がん、黒色腫、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、唾液腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および甲状腺がんを含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態17に記載の使用のための化合物。
実施形態19. 前記新生物、がん、および腫瘍が、乳がん、結腸直腸がん、胆管癌、頭頚部がん、肺がん、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、肉腫、および扁平上皮癌を含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態18に記載の使用のための化合物。
実施形態20. 前記疾患が、炎症性疾患、心臓血管系疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患を含む群から選択される、実施形態14から16のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態21. 前記疾患が炎症性疾患である、実施形態20に記載の使用のための化合物。
実施形態22. 前記疾患がアテローム硬化症、関節炎、またはリウマチ性関節炎である、実施形態21に記載の使用のための化合物。
実施形態23. 前記疾患が心臓血管系疾患である、実施形態20に記載の使用のための化合物。
実施形態24. 前記疾患がアテローム硬化性プラークを伴う心臓血管系疾患である、実施形態23に記載の使用のための化合物。
実施形態25. 前記疾患がプラークの破壊、急性冠不全症候群、心筋梗塞、血栓症、または血管閉塞によって惹起されるアテローム硬化性病変である、実施形態24に記載の使用のための化合物。
実施形態26. 前記疾患が線維性疾患である、実施形態20に記載の使用のための化合物。
実施形態27. 前記疾患が特発性肺線維症、クローン病、および肝線維症を含む群から選択される、実施形態26に記載の使用のための化合物。
実施形態28. 診断的に活性な核種、好ましくは診断的に活性な放射性核種を含む、実施形態14から27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態29. 前記診断的に活性な核種が43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、好ましくは43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、より好ましくは64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iを含む群から選択される、実施形態28に記載の使用のための化合物。
実施形態30. 前記診断のための方法がイメージング法である、実施形態14から29のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態31. 前記イメージング法がシンチグラフィー、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、および陽電子放出断層撮影(PET)からなる群から選択される、実施形態30に記載の使用のための化合物。
実施形態32. 前記方法が診断有効量の前記化合物を対象、好ましくは哺乳動物に投与するステップを含み、前記哺乳動物がヒト、コンパニオン動物、ペット、および家畜を含む群から選択され、より好ましくは前記対象がヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシを含む群から選択され、最も好ましくは前記対象がヒトである、実施形態14から31のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態33. 疾患の処置のための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物。
実施形態34. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現が関与する疾患である、実施形態34に記載の使用のための化合物。
実施形態35. 前記疾患が線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態33から34のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態36. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍である、実施形態33から35のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態37. 前記新生物、がん、および腫瘍が、固形腫瘍、上皮腫瘍、膀胱がん、乳がん、頸がん、結腸直腸がん、胆管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、頭頚部がん、肝がん、肺がん、黒色腫、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、唾液腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および甲状腺がんを含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態36に記載の使用のための化合物。
実施形態38. 前記新生物、がん、および腫瘍が、乳がん、結腸直腸がん、胆管癌、頭頚部がん、肺がん、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、肉腫、および扁平上皮癌を含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態37に記載の使用のための化合物。
実施形態39. 前記疾患が、炎症性疾患、心臓血管系疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患を含む群から選択される、実施形態33から35のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態40. 前記疾患が炎症性疾患である、実施形態39に記載の使用のための化合物。
実施形態41. 前記疾患がアテローム硬化症、関節炎、またはリウマチ性関節炎である、実施形態40に記載の使用のための化合物。
実施形態42. 前記疾患が心臓血管系疾患である、実施形態39に記載の使用のための化合物。
実施形態43. 前記疾患がアテローム硬化性プラークを伴う心臓血管系疾患である、実施形態42に記載の使用のための化合物。
実施形態44. 前記疾患がプラークの破壊、急性冠不全症候群、心筋梗塞、血栓症、または血管閉塞によって惹起されるアテローム硬化性病変である、実施形態43に記載の使用のための化合物。
実施形態45. 前記疾患が線維性疾患である、実施形態39に記載の使用のための化合物。
実施形態46. 前記疾患が特発性肺線維症、クローン病、および肝線維症を含む群から選択される、実施形態45に記載の使用のための化合物。
実施形態47. 治療的に活性な核種、好ましくは治療的に活性な放射性核種を含む、実施形態33から38のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態48. 前記治療的に活性な核種が47Sc、67Cu、89Sr、90Y、153Sm、149Tb、161Tb、177Lu、186Re、188Re、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、226Th、227Th、131I、211At、好ましくは47Sc、67Cu、90Y、177Lu、188Re、212Pb、213Bi、225Ac、227Th、131I、211At、最も好ましくは90Y、177Lu、225Ac、227Th、131I、および211Atを含む群から選択される、実施形態47に記載の使用のための化合物。
実施形態49. 前記方法が治療有効量の前記化合物を対象、好ましくは哺乳動物に投与するステップを含み、前記哺乳動物がヒト、コンパニオン動物、ペット、および家畜を含む群から選択され、より好ましくは前記対象がヒト、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシを含む群から選択され、最も好ましくは前記対象がヒトである、実施形態33から48のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態50. 対象の特定のための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物であって、前記対象が疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高く、対象の特定のための前記方法が、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは実施形態14から33のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む、化合物。
実施形態51. 対象の群から対象を選択するための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物であって、前記対象が疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高く、対象の群から対象を選択するための前記方法が、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは実施形態14から32のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む、化合物。
実施形態52. 対象の群を疾患の処置に応答する可能性が高い対象と疾患の処置に応答する可能性が高くない対象とに層別化するための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物であって、対象の群を層別化するための前記方法が、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは実施形態14から32のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む、化合物。
実施形態53. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現が関与する疾患である、実施形態50から52のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態54. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態50から53のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態55. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍である、実施形態50から54のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態56. 前記新生物、がん、および腫瘍が、固形腫瘍、上皮腫瘍、膀胱がん、乳がん、頸がん、結腸直腸がん、胆管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、頭頚部がん、肝がん、肺がん、黒色腫、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、唾液腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および甲状腺がんを含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態55に記載の使用のための化合物。
実施形態57. 前記新生物、がん、および腫瘍が、乳がん、結腸直腸がん、胆管癌、頭頚部がん、肺がん、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、肉腫、および扁平上皮癌を含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態56に記載の使用のための化合物。
実施形態58. 前記疾患が、炎症性疾患、心臓血管系疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患を含む群から選択される、実施形態50から54のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態59. 前記疾患が炎症性疾患である、実施形態58に記載の使用のための化合物。
実施形態60. 前記疾患がアテローム硬化症、関節炎、またはリウマチ性関節炎である、実施形態59に記載の使用のための化合物。
実施形態61. 前記疾患が心臓血管系疾患である、実施形態58に記載の使用のための化合物。
実施形態62. 前記疾患がアテローム硬化性プラークを伴う心臓血管系疾患である、実施形態61に記載の使用のための化合物。
実施形態63. 前記疾患がプラークの破壊、急性冠不全症候群、心筋梗塞、血栓症、または血管閉塞によって惹起されるアテローム硬化性病変である、実施形態62に記載の使用のための化合物。
実施形態64. 前記疾患が線維性疾患である、実施形態58に記載の使用のための化合物。
実施形態65. 前記疾患が特発性肺線維症、クローン病、および肝線維症を含む群から選択される、実施形態64に記載の使用のための化合物。
実施形態66. 前記診断の方法がイメージング法である、実施形態50から65のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態67. 前記イメージング法がシンチグラフィー、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、および陽電子放出断層撮影(PET)を含む群から選択される、実施形態66に記載の使用のための化合物。
実施形態68. 診断的に活性な核種、好ましくは診断的に活性な放射性核種を含む、実施形態50から67のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態69. 前記診断的に活性な核種が43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y,89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、好ましくは43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、最も好ましくは64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iを含む群から選択される、実施形態68に記載の使用のための化合物。
実施形態70. エフェクターを線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくはヒト線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に送達するための方法における使用のための、実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物であって、前記エフェクターが診断的に活性な薬剤および治療的に活性な薬剤を含む群から選択される、化合物。
実施形態71. 前記エフェクターが診断的に活性な核種および治療的に活性な核種を含む群から選択される、実施形態70に記載の使用のための化合物。
実施形態72. 前記診断的に活性な核種が診断的に活性な放射性核種である、実施形態71に記載の使用のための化合物。
実施形態73. 前記診断的に活性な放射性核種が43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y,89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、好ましくは43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、最も好ましくは64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iからなる群から選択される、実施形態72に記載の使用のための化合物。
実施形態74. 前記線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)が、細胞、好ましくは線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞、より好ましくはヒトの線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞、最も好ましくはそれぞれが線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示すヒトの線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞によって発現される、実施形態70から73のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態75. 前記細胞が、組織、好ましくは疾患を罹患した対象の罹患した組織に含まれているか、またはその一部である、実施形態74に記載の使用のための化合物。
実施形態76. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態75に記載の使用のための化合物。
実施形態77. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍である、実施形態75から76のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態78. 前記新生物、がん、および腫瘍が、固形腫瘍、上皮腫瘍、膀胱がん、乳がん、頸がん、結腸直腸がん、胆管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、頭頚部がん、肝がん、肺がん、黒色腫、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、唾液腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および甲状腺がんを含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態77に記載の使用のための化合物。
実施形態79. 前記新生物、がん、および腫瘍が、乳がん、結腸直腸がん、胆管癌、頭頚部がん、肺がん、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、肉腫、および扁平上皮癌を含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態78に記載の使用のための化合物。
実施形態80. 前記疾患が、炎症性疾患、心臓血管系疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患を含む群から選択される、実施形態75から76のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態81. 前記疾患が炎症性疾患である、実施形態80に記載の使用のための化合物。
実施形態82. 前記疾患がアテローム硬化症、関節炎、またはリウマチ性関節炎である、実施形態81に記載の使用のための化合物。
実施形態83. 前記疾患が心臓血管系疾患である、実施形態80に記載の使用のための化合物。
実施形態84. 前記疾患がアテローム硬化性プラークを伴う心臓血管系疾患である、実施形態83に記載の使用のための化合物。
実施形態85. 前記疾患がプラークの破壊、急性冠不全症候群、心筋梗塞、血栓症、または血管閉塞によって惹起されるアテローム硬化性病変である、実施形態84に記載の使用のための化合物。
実施形態86. 前記疾患が線維性疾患である、実施形態80に記載の使用のための化合物。
実施形態87. 前記疾患が特発性肺線維症、クローン病、および肝線維症を含む群から選択される、実施形態86に記載の使用のための化合物。
実施形態88. 前記治療的に活性な核種が治療的に活性な放射性核種である、実施形態71に記載の使用のための化合物。
実施形態89. 前記治療的に活性な放射性核種が47Sc、67Cu、89Sr、90Y、153Sm、149Tb、161Tb、177Lu、186Re、188Re、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、226Th、227Th、131I、211At、好ましくは47Sc、67Cu、90Y、177Lu、188Re、212Pb、213Bi、225Ac、227Th、131I、211At、最も好ましくは90Y、177Lu、225Ac、227Th、131I、および211Atからなる群から選択される、実施形態88に記載の使用のための化合物。
実施形態90. 前記線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)が、細胞、好ましくは線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞、より好ましくはヒトの線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞、最も好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示すヒトの線維芽細胞、間葉系幹細胞、平滑筋細胞、上皮由来の細胞、または内皮細胞によって発現される、実施形態88から89のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態91. 前記細胞が、組織、好ましくは疾患を罹患した対象の罹患した組織に含まれているか、またはその一部である、実施形態90に記載の使用のための化合物。
実施形態92. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態91に記載の使用のための化合物。
実施形態93. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍である、実施形態90から92のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態94. 前記新生物、がん、および腫瘍が、固形腫瘍、上皮腫瘍、膀胱がん、乳がん、頸がん、結腸直腸がん、胆管癌、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、頭頚部がん、肝がん、肺がん、黒色腫、中皮腫、神経内分泌腫瘍および癌腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞癌、唾液腺癌、肉腫、扁平上皮癌、および甲状腺がんを含む群からそれぞれ個別に選択される、実施形態93に記載の使用のための化合物。
実施形態95. 実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む組成物、好ましくは医薬組成物。
実施形態96. 先行する請求項のいずれかで定義される任意の方法における使用のための、実施形態95に記載の組成物。
実施形態97. 対象における疾患の診断のための方法であって、診断的に有効な量の実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物を前記対象に投与するステップを含む方法。
実施形態98. 前記化合物が診断的に活性な薬剤を含み、前記薬剤が好ましくは放射性核種である、実施形態97に記載の方法。
実施形態99. 対象における疾患の処置のための方法であって、治療有効量の実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物を前記対象に投与するステップを含む方法。
実施形態100. 前記化合物が治療的に活性な薬剤を含み、前記薬剤が好ましくは放射性核種である、実施形態99に記載の方法。
実施形態101. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現が関与する疾患である、実施形態97から100のいずれか一項に記載の方法。
実施形態102. 前記疾患が、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞、好ましくは線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の上方制御された発現を示す細胞を含む罹患した組織を伴い、より好ましくは腫瘍に伴う線維芽細胞が関与する疾患である、実施形態97から101のいずれか一項に記載の方法。
実施形態103. 前記疾患が新生物、好ましくはがんまたは腫瘍、ならびに炎症性疾患、心臓血管系疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患を含む群から選択される、実施形態97から102のいずれか一項に記載の方法。
実施形態104. 実施形態1から13のいずれか一項に記載の化合物、必要に応じた1つまたは複数の賦形剤、ならびに必要に応じて1つまたは複数のデバイスを含むキットであって、前記デバイスが標識付けデバイス、精製デバイス、取り扱いデバイス、放射線保護デバイス、分析デバイス、または投与デバイスを含む群から選択される、キット。
実施形態105. 先行する請求項のいずれかで定義される任意の方法における使用のための、実施形態104に記載のキット。
より具体的には、本発明の根底にある課題は、第1の態様において、
以下の式
Figure 2022541753000017
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)、および
以下の式
Figure 2022541753000018
の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3407)
からなる群から選択される化合物によって解決される。
より具体的には、第2の態様において、本発明の根底にある課題は、疾患の診断の方法に使用するための、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物によって解決される。
より具体的には、第3の態様において、本発明の根底にある課題は、疾患の処置のための方法に使用するための、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物によって解決される。
より具体的には、第4の態様において、本発明の根底にある課題は、対象の特定のための方法であって、対象が疾患の処置に応答する可能性が高いかまたは応答しない可能性が高く、対象の特定のための方法が、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物を使用する診断の方法を行うステップを含む、方法に使用するための、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物によって解決される。
より具体的には、第5の態様において、本発明の根底にある課題は、対象の集団から対象を選択する方法であって、対象が疾患の処置に応答する可能性が高いかまたは応答しない可能性が高く、対象の集団から対象を選択する方法は、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物を使用する診断の方法を行うステップを含む、方法に使用するための、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物によって解決さる。
より具体的には、第6の態様において、本発明の根底にある課題は、対象の集団を、疾患の処置に応答する可能性が高い対象と、疾患の処置に応答する可能性が低い対象とに層別化する方法であって、対象を層別化するための方法は、任意の実施形態を含む第1の態様による化合物を使用する診断の方法を行うステップを含む、方法に使用するための、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物によって解決される。
より具体的には、第7の態様において、本発明の根底にある課題は、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物、薬学的に許容される賦形剤を含む組成物、好ましくは医薬組成物によって解決される。
より具体的には、第8の態様において、本発明の根底にある課題は、対象における疾患の診断の方法であって、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物の診断上有効な量を対象に投与するステップを含む方法によって解決される。
より具体的には、第9の態様において、本発明の根底にある課題は、対象における疾患の処置のための方法であって、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物の治療有効量を対象に投与するステップを含む方法によって解決される。
より具体的には、第10の態様において、本発明の根底にある課題は、任意の実施形態を含む第1の態様に記載の化合物、1つまたは複数の任意の賦形剤(複数可)、および場合により1つまたは複数のデバイス(複数可)を含むキットであって、デバイス(複数可)が、標識デバイス、精製デバイス、操作デバイス、放射性保護デバイス、分析デバイスまたは投与デバイスを含む群から選択される、キットによって解決される。
当業者は、本発明のある化合物または該化合物が、限定されないが、上記の実施形態のいずれかおよび以下の実施形態のいずれかに記載される任意の化合物を含む、本明細書に開示される任意の化合物であることを認識する。
当業者は、本発明のある方法または該方法が、限定されないが、上記の実施形態のいずれかおよび以下の実施形態のいずれかに記載される任意の方法を含む、本明細書に開示される任意の方法であることを認識する。
当業者は、本発明のある組成物または該組成物が、限定されないが、上記の実施形態のいずれかおよび以下の実施形態のいずれかに記載される任意の組成物を含む、本明細書に開示される任意の組成物であることを認識する。
当業者は、本発明のあるキットまたは該キットが、限定されないが、上記の実施形態のいずれかおよび以下の実施形態のいずれかに記載される任意のキットを含む、本明細書に開示される任意のキットであることを認識する。
ナノモル親和性を有する線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的な環状ペプチドベースの阻害剤がこれまでに記載されていないため、本発明は、本発明の化合物、より具体的には、その環状ペプチドが、そのような環状ペプチドを含む化合物のFAPへの高度に特異的な結合を提供するという、本発明者らの驚くべき発見に基づく。
最後に、本発明者らは、本発明の化合物が血漿中で驚くほど安定であり、イメージング剤として驚くほど有用であり、腫瘍を縮小させるのに有効であることを見出した。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、キレート剤は、キレートを形成することができる化合物であり、それによりキレート剤は、電子ギャップまたは孤立電子対を有する金属または部分が環の形成に関与する化合物、好ましくは環状化合物である。より好ましくは、キレート剤は、単一の配位子が中心原子において1を超える配位部位を占めるこの種の化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、診断的に活性な化合物は、疾患の診断に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、診断剤または診断的活性剤は、疾患の診断に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、治療的に活性な化合物は、疾患の治療に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、治療剤または治療的活性剤は、疾患の治療に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、診断治療的に活性な化合物は、疾患の診断と治療の両方に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、診断治療剤または診断治療的活性剤は、疾患の診断と治療の両方に適しているかまたは有用である化合物である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、診断治療学は、疾患の組み合わせた診断および治療のための方法であり、好ましくは、診断治療学に使用される組み合わせた診断的および治療的に活性な化合物は放射性標識される。
ある実施形態では、個の本明細書で使用される場合、疾患の処置は、疾患の処置および/または予防である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、FAPを伴う疾患は、限定されないが、FAPを発現する、好ましくは上方制御された様式で発現する線維芽細胞を含む細胞、およびFAPを発現するか、またはそれぞれ上方制御された様式で、好ましくはFAPを発現する、線維芽細胞などの細胞を含有するかもしくは含む組織が、疾患および/もしくは疾患の症状の1つのもしくは唯一の原因であり、または疾患の基礎にある病理の一部である疾患である。好ましいFAP発現細胞は、がん関連線維芽細胞(CAF)である。疾患の実施形態では、好ましくは疾患の処置、処置することおよび/または治療と関連して使用される場合、それぞれ細胞、組織および病理学への影響は、疾患のおよび/または疾患の症状の治癒、処置または改善をもたらす。疾患の実施形態では、好ましくは疾患の診断および/または診断することに関連して使用される場合、FAP発現細胞および/またはFAP発現組織の標識は、上記細胞および/または上記組織を、健常なもしくはFAPを発現しない細胞および/または健常なまたはFAPを発現しない組織から識別または区別することができる。より好ましくは、このような識別または区別は、それぞれ上記診断および診断することの基礎を形成する。その実施形態では、標識は、FAP発現細胞および/またはFAP発現組織もしくはこのようなFAP発現細胞を含む組織と直接的または間接的に検出可能な標識の相互作用を意味し、より好ましくは、このような相互作用は、標識またはこのような標識を有する化合物とFAPとの相互作用を伴うかまたはそれに基づく。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、標的細胞は、FAPを発現し、疾患および/もしくは疾患の症状の1つのもしくは唯一の原因であるか、あるいは疾患の基礎にある病理の一部である細胞である。
ある実施形態では、および好ましくは本明細書で使用される場合、非標的細胞は、FAPを発現しておらず、および/または疾患および/もしくは疾患の症状の1つのもしくは唯一の原因ではなく、あるいは疾患の基礎にある病理の一部でもない細胞である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、新生物は、細胞の異常な新規増殖である。新生物中の細胞は、正常細胞よりも急速に増殖し、処置しなければ増殖を続ける。新生物は良性または悪性であり得る。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、腫瘍は、良性または悪性であり得る塊状病変である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、癌は悪性新生物である。
本明細書において提供されるペプチドのアミノ酸配列は、当業者によって理解されるように、典型的なペプチド配列フォーマットで記述される。例えば、慣用アミノ酸の3文字表記、または非慣用アミノ酸の表記、または付加的な構成要素の略語は、ペプチド配列内の特定の位置にアミノ酸または構成要素が存在することを示す。各アミノ酸の表記または構成要素は、(典型的にはアミドリンケージを表す)ハイフンによって、配列中の次のおよび/もしくは前のアミノ酸の表記または構成要素に接続される。
アミノ酸が1を超えるアミノ酸および/またはカルボキシ基を含む場合、このアミノ酸の全ての配向は原則として可能であるが、α-アミノ酸においては、α-アミノおよびα-カルボキシ基の利用が好ましく、さもなければ好ましい配向が明示的に特定される。
アミノ酸については、それらの略号において、最初の文字は、該当する場合、C-α原子の立体化学を示す。例えば、大文字の最初の文字は、アミノ酸のL型がペプチド配列中に存在することを示し、一方、小文字の最初の文字は、対応するアミノ酸のD型がペプチド配列中に存在することを示す。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、芳香族L-α-アミノ酸は、アリール基を含む任意の種類のL-α-アミノ酸である。
ある実施形態では、好ましくは本明細書で使用される場合、ヘテロ芳香族L-α-アミノ酸は、ヘテロアリール基を含む任意の種類のL-α-アミノ酸である。
別段の指示がない限り、アミノ酸配列は、本明細書ではN末端からC末端方向に提示される。
本発明の化合物は、典型的には本明細書で提供するアミノ酸配列を含む。天然のアミノ酸とも称される従来のアミノ酸は、表2に説明するように、それらの標準的な3文字の略号および1文字の略号によって特定される。
Figure 2022541753000019
非慣用アミノ酸は、非天然アミノ酸とも呼ばれ、アミノ基およびカルボキシル基を含み、慣用アミノ酸ではない任意の種類の非オリゴマー化合物である。
本発明の化合物の構築に使用される非従来型のアミノ酸およびその他の構築ブロックの例は、表3に見出されるそれらの略号または名称に従って特定される。いくつかの構築ブロックの構造を、その構築ブロックをペプチドに(例えばカルボン酸等として)導入するための例示的な試薬と共に示し、またはこれらの構築ブロックを、ペプチドもしくはアミノ酸等の別の構造に完全に結合した残基として示す。アミノ酸の構造は明示的なアミノ酸として示されており、ペプチド配列にインプリメンテーションされた後に、どのようにしてそれらが提示されるかはアミノ酸の残基として示されていない。1を超える部分からなるいくつかの大きな化学部分もまた明確性の理由で示される。
Figure 2022541753000020
Figure 2022541753000021
Figure 2022541753000022
Figure 2022541753000023
本出願に従えば、DOTAは1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸を表す。
さらに、当業者は、本発明の化合物中のキレート剤の存在が、特に述べられていない場合、キレート剤が任意の金属錯体パートナー、すなわち、原則として、キレート剤によって錯体化され得る任意の金属に錯体化される可能性を含むことを認識する。本発明の化合物の明示的に記載されたキレート剤または本発明の化合物に関連する一般用語のキレート剤は、このように錯体化されていないキレート剤、またはいずれかの金属錯体パートナーが結合したキレート剤を指し、金属錯体パートナーはいずれかの放射性または非放射性の金属錯体パートナーである。好ましくは、金属キレート剤錯体、すなわち、金属錯体パートナーが結合するキレート剤は、安定な金属キレート剤錯体である。
非放射性金属キレート剤錯体は、例えば、他の点では決定することが困難である安定性または活性のような特性を評価するためのいくつかの用途を有する。一態様は、金属錯体パートナーの放射性バージョンのコールドバリアント(例えば、実施例に記載される非放射性ガリウム、ルテチウムまたはインジウム錯体)が、放射性化合物の代用物として作用し得ることである。さらに、それらは、in vitroまたはin vivoで代謝物を特定するための、ならびに本発明の化合物の毒性特性を評価するための価値あるツールである。加えて、金属キレート剤錯体は、異なる配位子(例えば、ユーロピウム塩)を有するいくつかの金属錯体の蛍光特性を利用する結合アッセイにおいて使用することができる。
本発明の化合物に結合されているかまたは付着されるべき放射性核種は、それぞれ、処置されるべきおよび/もしくは診断されるべき疾患、ならびに/またはそれぞれ、処置されるべきおよび診断されるべき患者の集団および患者群の特殊性を考慮して選択されることは、当業者によって認識される。
本発明の実施形態では、放射性核種(radioactive nuclide)はまた放射性核種(radionuclide)とも呼ばれる。放射性崩壊は、不安定な原子の原子核が電離粒子(電離放射線)を放出することによってエネルギーを喪失するプロセスである。放射性崩壊には様々なタイプがある。崩壊、すなわちエネルギーの喪失は、親の放射性核種と呼ばれる1種類の核を有する原子が、別の状態の原子核を有する原子に、または陽子と中性子の異なる数を含む異なる原子核に変換されることによって生じる。これらの生成物のいずれも娘核種と称される。一部の崩壊では、親と娘は異なる化学元素であり、したがって、崩壊プロセスは核変換(新しい元素の原子の作製)を生じさせる。例えば、放射性崩壊は、アルファ崩壊、ベータ崩壊、およびガンマ崩壊であり得る。アルファ崩壊は、核がアルファ粒子(ヘリウム核)を放出するときに起こる。これは核子を放出する最も一般的なプロセスであるが、稀なタイプの崩壊では、核はプロトン、または他の元素の特異的な核を放出する(クラスター崩壊と呼ばれるプロセスにおける)。ベータ崩壊は、陽子を中性子に変化させるプロセスまたはその逆のプロセスにおいて、核が電子(β-崩壊)または陽電子(β-崩壊)とニュートリノの一種を放出するときに起こる。対照的に、変異を生じない放射性崩壊プロセスが存在する。励起された核のエネルギーは、ガンマ崩壊においてガンマ線として放出されるか、または内部変換と呼ばれるプロセスにおいて励起された核との相互作用により軌道電子を放出するために使用されるか、または電子殻から内部原子電子を吸収するために使用され、それによって核陽子の中性子への変化が電子捕獲(EC)と呼ばれるプロセスにおいて電子ニュートリノの放出を引き起こすことができ、あるいは異性体遷移(IT)と呼ばれるプロセスにおいて陽子および中性子の数を変化させることなく放出され得る。別の形態の放射性崩壊、自発核分裂(SF)は、より小さな核と少数の孤立した核粒子に自然に分解をもたらす、非常に重い化学元素にのみ見出される。
本発明の好ましい実施形態では、放射性核種は、本発明の化合物の標識に使用することができる。
本発明の実施形態では、放射性核種は、キレート剤との錯体形成に適しており、放射性核種キレート錯体をもたらす。
さらなる実施形態では、本発明の化合物の1つまたは複数の原子は、非天然の同位体組成物であり、好ましくは、これらの原子は放射性核種であり、より好ましくは、炭素、酸素、窒素、硫黄、リンおよびハロゲンの放射性核種である:これらの放射性原子は、典型的には、アミノ酸の一部であり、場合によっては、ハロゲンを含有するアミノ酸、および/または構成要素であり、場合によっては、本発明の化合物の各々のハロゲン化構成要素である。
本発明の好ましい実施形態では、放射性核種は、診断的および/または治療的医学的使用を可能にする半減期を有する。具体的には、半減期は1分~100日である。
本発明の好ましい実施形態では、放射性核種は、診断的および/または治療的医学的使用を可能にする崩壊エネルギーを有する。具体的には、γ発光同位体については、崩壊エネルギーは、診断的使用として0.004~10MeV、好ましくは0.05~4MeVである。陽電子放出同位体については、崩壊エネルギーは、診断的使用として0.6~13.2MeV、好ましくは1~6MeVである。粒子放出同位体については、崩壊エネルギーは、治療的使用として0.039~10MeV、好ましくは0.4~6.5MeVである。
本発明の好ましい実施形態では、放射性核種は、医学的使用について産業的に製造される。具体的には、放射性核種は、GMP品質で入手可能である。
本発明の好ましい実施形態では、放射性核種の放射性崩壊後の娘核種(複数可)は、診断的および/または治療医学的使用と適合する。さらに、娘核種は、診断的および/または治療的医学的使用を妨害せず、または支持さえしない方法で安定であるかまたはさらに崩壊する。本発明に関連して使用され得る代表的な放射性核種を表4に要約する。
Figure 2022541753000024
Figure 2022541753000025
Figure 2022541753000026
Figure 2022541753000027
Figure 2022541753000028
Figure 2022541753000029
Figure 2022541753000030
Figure 2022541753000031
Figure 2022541753000032
Figure 2022541753000033
Figure 2022541753000034
Figure 2022541753000035
Figure 2022541753000036
Figure 2022541753000037
Figure 2022541753000038
Figure 2022541753000039
Figure 2022541753000040
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Figure 2022541753000042
Figure 2022541753000043
Figure 2022541753000044
Figure 2022541753000045
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Figure 2022541753000048
Figure 2022541753000049
Figure 2022541753000050
Figure 2022541753000051
Figure 2022541753000052
Figure 2022541753000053
Figure 2022541753000054
Figure 2022541753000055
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Figure 2022541753000057
本発明の実施形態では、放射性核種は診断に使用される。好ましくは、放射性同位元素は、限定されないが、43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、177Lu、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125Iを含む群から選択される。より好ましくは、放射性核種は、43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y,89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125Iを含む群から選択される。さらにより好ましくは、放射性核種は、64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iを含む群から選択される。しかしながら、上記放射性核種の使用は、診断目的に限定されるものではなく、本発明の化合物にコンジュゲートされた場合の治療および診断治療学におけるそれらの使用を包含することも、当業者によって認識される。
本発明の実施形態では、放射性核種は治療に使用される。好ましくは、放射性同位元素は、47Sc、67Cu、89Sr、90Y、111In、153Sm、149Tb、161Tb、177Lu、186Re、188Re、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、226Th、227Th、131I、211Atを含む群から選択される。より好ましくは、放射性同位元素は、47Sc、67Cu、90Y、177Lu、188Re、212Pb、213Bi、225Ac、227Th、131I、211Atを含む群から選択される。さらにより好ましくは、放射性核種は、90Y、177Lu、225Ac、227Th、131Iおよび211Atを含む群から選択される。しかしながら、上記放射性核種の使用は、治療目的に限定されるものではなく、本発明の化合物にコンジュゲートされた場合の診断および診断治療学におけるそれらの使用を包含することも、当業者によって認識される。
ある実施形態では、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩として存在する。
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」は、好ましくは、過度の毒性または発がん性なしに、好ましくは刺激、アレルギー反応なしに、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトまたは動物の組織と接触して使用するのに適していると当該技術分野において一般的に考えられている酸塩または塩基塩である。このような塩には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩および有機酸塩、ならびにカルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩が含まれる。本発明の化合物は、薬学的に許容される塩でもある内部塩を形成することができる。
適切な薬学的に許容される塩としては、限定されないが、塩酸、リン酸、臭素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、アルカン酸、例えば、酢酸、HOOC-(CH-COOH(nは0~4の任意の整数であり、すなわち、0、1、2、3、または4である)などの酸の塩が挙げられる。同様に、薬学的に許容される陽イオンとしては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウムが挙げられる。当業者は、本明細書に提供される化合物についてさらなる薬学的に許容される塩を認識する。一般に、薬学的に許容される酸または塩基塩は、任意の従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。簡単に述べると、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態を、水中もしくは有機溶媒中で、またはこれら2つの混合物中で、化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体の使用が好ましい。
本発明の化合物の「薬学的に許容される溶媒和物」は、好ましくは、1つまたは複数の溶媒分子の、本発明の化合物の1つまたは複数の分子への会合によって形成される本発明の化合物の溶媒和物である。好ましくは、溶媒は、過度の毒性または発がん性なしに、好ましくは刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトまたは動物の組織と接触して使用するのに適していると当該技術分野において一般的に考えられているものである。このような溶媒は、アルコール、エーテル、エステルおよびアミンなどの有機溶媒を含む。
本発明の化合物の「水和物」は、1つまたは複数の水分子の、本発明の化合物の1つまたは複数の分子への会合によって形成される。このような水和物には、限定されないが、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物および四水和物が含まれる。水和物組成とは無関係に、全ての水和物は、一般に、薬学的に許容されると考えられる。
本発明の化合物は、FAPに対する高い結合親和性およびFAPに対する高い阻害活性を有する。この高い結合親和性のために、本発明の化合物は、標的化剤として、および別の部分にコンジュゲートされた場合、標的化部分として、有効であり、有用であり、および/または適切である。本明細書において好ましくは、標的化剤は、本件において上記FAPである標的分子と相互作用する薬剤である。したがって、本発明の化合物によって標的化された細胞および組織に関して、それぞれ、上記FAPを発現する任意の細胞および組織が標的化されるかまたは標的化でされ得る。
ある実施形態では、化合物は、繊維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列を有するヒトFAPまたはその相同体と相互作用し、相同体のアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列の少なくとも85%であるFAPの同一性を有する。好ましい実施形態では、同一性は90%、好ましくは95%、96%、97%、98%または99%である。
2つの核酸分子間の同一性は、当業者に公知であるように決定することができる。より具体的には、配列比較アルゴリズムを使用して、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列(複数可)の配列相同性パーセントを計算することができる。試験配列は、好ましくは、異なるタンパク質またはペプチドに対して同一であると言われるか、または同一であるかどうか、もしそうであれば、どの程度同一であるかを試験されるべきである配列またはタンパク質またはポリペプチドであり、それにより、このような異なるタンパク質またはポリペプチドもまた参照配列と呼ばれ、好ましくは、野生型のタンパク質またはポリペプチド、より好ましくは配列番号1のヒトFAPである。
比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、Smith & Waterman(Smithら、Advances in Applied Mathematics、1981年、2巻:482頁)の局所相同アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch(Needlemanら、J Mol Biol、1970年、48巻:443頁)の相同アラインメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman(Pearsonら、Proc Natl Acad Sci USA、1988年、85巻:24444頁)の類似性法の検索によって、またはこれらのアルゴリズム(Wisconsin GeneticsソフトウェアパッケージのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Genetics Computer Group、575 Science Dr.,Madison,Wis.)のコンピュータ化インプリメンテーションによって、または目視検査によって行うことができる。
配列同一性パーセントを決定するのに適したアルゴリズムの一例は、Basic Local Alignment Search Tool(以下、「BLAST」という)で使用されるアルゴリズムである。例えば、Altschulら、1990年(Altschulら、J Mol Biol、1990年、215巻:403頁)、およびAltschulら、1997年(Altschulら、Nucleic Acids Res,1997年、25巻:3389頁)を参照されたい。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(以下、「NCBI」という)を通じて公衆に利用可能である。NCBIから入手可能なソフトウェア、例えば、BLASTN(ヌクレオチド配列用)およびBLASTP(アミノ酸配列用)を使用して配列同一性を決定する際に使用されるデフォルトパラメーターは、McGinnisら(McGinnisら、Nucleic Acids Res、2004年、32巻:W20)に記載されている。
本発明の化合物が、本明細書に開示される疾患の処置のための方法において使用されるか、または使用のためのものであることは本発明の範囲内にある。そのような方法は、好ましくは、治療有効量の本発明の化合物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。そのような方法は、限定されるものではないが、治癒的またはアジュバントがん処置を含む。それは、治癒が可能でなく、その目的が、局部疾患制御もしくは症状軽減のためのものである場合、緩和的処置として、または療法が生存利益を有し、それが治癒的であり得る場合、治療的処置として使用される。
本明細書に開示される疾患の処置のための方法は、腫瘍およびがんを含む、本明細書に開示される疾患の処置を含み、第1の療法として、または第2、第3、第4もしくは最後の療法として使用することができる。また、本発明の化合物と、さらなる治療手法とを組み合わせることも本発明の範囲内にある。治癒的、アジュバント、ネオアジュバント、治療的、または緩和的処置の意図を含む、正確な処置の意図が、腫瘍のタイプ、位置、およびステージ、ならびに患者の一般的健康に依存することは、当業者には周知である。
本発明の実施形態では、疾患は、特定不能型新生物、良性新生物、良性か悪性か不明の新生物、悪性新生物、転移性新生物、原発性か転移性か不明の新生物、良性腫瘍細胞、良性か悪性か不明の腫瘍細胞、悪性腫瘍細胞、小細胞型悪性腫瘍、巨細胞型悪性腫瘍、紡錘状細胞型悪性腫瘍、特定不能型上皮新生物、良性上皮腫瘍、特定不能型in situ癌、特定不能型転移性癌、癌腫症、良性上皮腫、悪性上皮腫、特定不能型大細胞癌、特定不能型未分化型癌、特定不能型異型性型癌、多形性癌、巨細胞および紡錘細胞癌、巨細胞癌、紡錘細胞癌、偽肉腫性癌、多形性細胞癌、球状細胞癌、多発小腫瘍、特定不能型小細胞癌、燕麦細胞癌、小細胞癌、紡錘状細胞型、乳頭および扁平上皮新生物、特定不能型乳頭腫、in situ乳頭癌、特定不能型乳頭癌、いぼ状乳頭腫、特定不能型いぼ状癌、扁平上皮乳頭腫、扁平上皮癌、内反乳頭腫、特定不能型乳頭腫症、特定不能型in situ扁平上皮癌、特定不能型扁平上皮癌、特定不能型転移性扁平上皮癌、扁平上皮癌、特定不能型角化型、大細胞非角化型扁平上皮癌、小細胞非角化型扁平上皮癌、紡錘細胞型扁平上皮癌、アデノイド扁平上皮癌、間質浸潤が疑われるin situ扁平上皮癌、微小浸潤性扁平上皮癌、ケイラー赤色肥厚症、ボーエン病、リンパ上皮癌、基底細胞新生物、基底細胞腫瘍、特定不能型基底細胞癌、多中心性基底細胞癌、限局性強皮症型基底細胞癌、線維上皮型基底細胞癌、基底有棘細胞癌、変型性癌、ヤダゾーン型表皮内上皮腫、毛包上皮腫、毛包腫、毛根鞘腫、石灰化上皮腫、移行上皮乳頭腫および癌、特定不能型移行上皮乳頭腫、尿路上皮乳頭腫、in situ移行上皮癌、特定不能型移行上皮癌、シュナイダー乳頭腫、内反型移行上皮乳頭腫、シュナイダー癌、紡錘細胞型移行上皮癌、類基底細胞癌、総排泄腔癌、乳頭状移行上皮癌、腺腫および腺癌、特定不能型腺腫、特定不能型気管支腺腫、in situ腺癌、特定不能型腺癌、特定不能型転移性腺癌、スキルス腺癌、形成性胃線維炎、表在拡大型腺癌、腸型腺癌、びまん型癌、単形性腺腫、基底細胞腺腫、島細胞腺腫、島細胞癌、特定不能型インスリノーマ、悪性インスリノーマ、特定不能型グルカゴノーマ、悪性グルカゴノーマ、特定不能型ガストリノーマ、悪性ガストリノーマ、島細胞および外分泌腺混合型腺癌、胆管腺腫、胆管癌、胆管嚢胞腺腫、胆管嚢胞腺癌、肝細胞腺腫、特定不能型肝細胞癌、良性肝細胞胆管腫、混合型肝細胞癌および胆管癌、索状腺腫、索状腺癌、胚性腺腫、エクリン皮膚円柱腫、腺様嚢胞癌、篩状癌、特定不能型腺腫性ポリープ、腺腫性ポリープにおける腺癌、特定不能型管状腺腫、管状腺癌、大腸腺腫様ポリポーシス、大腸腺腫様ポリポーシスにおける腺癌、多発性腺腫性ポリープ、特定不能型固形癌、単純癌、特定不能型カルチノイド腫瘍、悪性カルチノイド腫瘍、特定不能型銀親和性カルチノイド腫瘍、悪性銀親和性カルチノイド腫瘍、特定不能型非銀親和性カルチノイド腫瘍、悪性非銀親和性カルチノイド腫瘍、悪性粘液カルチノイド腫瘍、複合カルチノイド、肺腺腫症、細気管支-肺胞腺癌、胞状腺腫、胞状腺癌、特定不能型乳頭状腺腫、特定不能型乳頭腺癌、特定不能型絨毛腺腫、絨毛腺腫における腺癌、絨毛腺癌、管状絨毛腺腫、色素嫌性腺腫、色素嫌性癌、好酸性腺腫、好酸性癌、好酸性-好塩基性混合型腺腫、好酸性-好塩基性混合型癌、好酸性腺腫、好酸性腺癌、好塩基性腺腫、好塩基性癌、明細胞腺腫、特定不能型明細胞腺癌、副腎様腫瘍、腎細胞癌、明細胞腺線維腫、顆粒細胞癌、主細胞腺腫、水様明細胞腺腫、水様明細胞腺癌、混合細胞腺腫、混合細胞腺癌、脂肪腺腫、小胞状腺腫、特定不能型小胞状腺癌、高分化型小胞状腺癌、索状型小胞状腺癌、小濾胞状腺腫、大濾胞状腺腫、乳頭状および濾胞状腺癌、非被包性硬化性癌、多発性内分泌腺腫、傍糸球体腫瘍、特定不能型副腎皮質腺腫、副腎皮質細胞癌、コンパクト細胞型副腎皮質腺腫、重度着色異型副腎皮質腺腫、明細胞型副腎皮質腺腫、球状帯細胞型副腎皮質腺腫、混合細胞型副腎皮質腺腫、特定不能型類子宮内膜腺腫、類子宮内膜腺腫、境界悪性腫瘍、類子宮内膜癌、特定不能型子宮内膜腺線維腫、境界悪性腫瘍子宮内膜腺線維腫、悪性子宮内膜腺線維腫、皮膚付属器新生物、皮膚付属器腺腫、皮膚付属器癌、汗腺腫、特定不能型汗腺腫瘍、汗腺腺癌、アポクリン腺腫、アポクリン腺癌、エクリン先端汗腺腫、エクリンらせん腺腫、汗腺嚢腫、乳頭状汗腺腫、乳頭汗腺腫、特定不能型汗管腫、脂腺腺腫、脂腺腺癌、耳垢腺腫、耳垢腺癌、粘膜表皮新生物、粘膜表皮腫瘍、粘膜表皮癌嚢胞性、粘液性、および漿液性新生物、特定不能型嚢胞腺腫、特定不能型嚢胞腺癌、特定不能型漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺腫境界悪性腫瘍、特定不能型漿液性嚢胞腺癌、特定不能型乳頭状嚢胞腺腫、乳頭状嚢胞腺腫境界悪性腫瘍、特定不能型乳頭状嚢胞腺癌、特定不能型乳頭状漿液性嚢胞腺腫、乳頭状漿液性嚢胞腺腫境界悪性腫瘍、乳頭状漿液性嚢胞腺癌、特定不能型漿液性表在性乳頭腫、漿液性表在性乳頭腫境界悪性腫瘍、漿液性表在性乳頭癌、特定不能型粘液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫境界悪性腫瘍、特定不能型粘液性嚢胞腺癌、特定不能型乳頭状粘液性嚢胞腺腫、乳頭状粘液性嚢胞腺腫境界悪性腫瘍、乳頭状粘液性嚢胞腺癌、粘液腺腫、粘液腺癌、腹膜偽粘液腫、ムチン産生腺癌、印環細胞癌、転移性印環細胞癌、管状、小葉、および髄様新生物、特定不能型非浸潤性腺管内癌、浸潤性腺管癌、面疱癌、特定不能型非浸潤性面疱癌、若年性胸部癌、管内乳頭腫、非浸潤性管内乳頭腺癌、嚢胞内乳頭状腺腫、非浸潤性嚢胞内癌、特定不能型乳管内乳頭腫症、乳輪下乳管乳頭腫症、特定不能型髄様癌、アミロイド間質随伴髄様癌、リンパ球間質随伴髄様癌、in situ小葉癌、特定不能型小葉癌、浸潤性乳管癌、炎症性癌、乳房ページェット病、ページェット病および浸潤性乳管癌、乳房外ページェット病、腺房細胞新生物、腺房細胞腺腫、腺房細胞腫瘍、腺房細胞癌、複合上皮新生物、腺扁平上皮癌、腺リンパ腫、扁平上皮化生腺癌、軟骨化生および骨化生腺癌、紡錘細胞化生腺癌、アポクリン化生腺癌、良性胸腺腫、悪性胸腺腫、特殊性腺新生物、性索間質腫瘍、特定不能型卵胞膜細胞腫、卵胞膜細胞癌、特定不能型黄体腫、特定不能型顆粒膜細胞腫、悪性顆粒膜細胞腫、顆粒膜細胞-卵胞膜細胞腫、良性男性胚細胞腫、特定不能型男性胚細胞腫、悪性男性胚細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、卵巣男性胚細胞腫、特定不能型管状男性胚細胞腫、セルトリ細胞癌、脂質蓄積性管状男性胚細胞腫、良性ライディッヒ細胞腫、特定不能型ライディッヒ細胞腫、悪性ライディッヒ細胞腫、門細胞腫、卵巣脂質細胞腫、副腎静止腫瘍、傍神経節腫およびグロムス腫瘍、特定不能型傍神経節腫、悪性傍神経節腫、交感神経傍神経節腫、副交感神経傍神経節腫、頸静脈小体腫瘍、大動脈体腫瘍、頸動脈球腫瘍、特定不能型副腎外傍神経節腫、悪性副腎外傍神経節腫、特定不能型褐色細胞腫、悪性褐色細胞腫、血管球血管肉腫、グロムス腫瘍、グロムス血管腫、母斑および黒色腫、特定不能型色素性母斑、特定不能型悪性黒色腫、結節型黒色腫、気球細胞母斑、気球細胞黒色腫、暈状母斑、鼻の線維性丘疹、神経母斑、巨細胞性母斑、非色素性母斑、メラニン欠乏性黒色腫、接合部母斑、接合部母斑における悪性黒色腫、特定不能型前がん性黒色症、前がん性黒色症における悪性黒色腫、ハッチンソン黒色斑、ハッチンソン黒色斑における悪性黒色腫、表在拡大型黒色腫、真皮内母斑、複合母斑、巨大色素性母斑、巨大色素性母斑における悪性黒色腫、類上皮母斑および紡錘細胞母斑、類上皮黒色腫、特定不能型紡錘細胞黒色種、紡錘細胞黒色種a型、紡錘細胞黒色種b型、混合型類上皮および紡錘細胞黒色種、特定不能型青色母斑、悪性青色母斑、細胞増殖型青色母斑、特定不能型軟部組織腫瘍および肉腫、良性軟部組織腫瘍、特定不能型肉腫、特定不能型肉腫症、紡錘細胞肉腫、巨細胞肉腫、小細胞肉腫、類上皮細胞肉腫、線維腫性新生物、特定不能型線維腫、特定不能型線維肉腫、粘液線維腫、線維粘液肉腫、骨膜線維腫、骨膜性線維肉腫、筋膜線維腫、筋膜線維肉腫、乳児型線維肉腫、弾性線維腫、侵襲性線維腫症、腹部線維腫症、類腱線維腫、特定不能型線維性組織球腫、非定型線維性組織球腫、悪性線維性組織球腫、特定不能型線維黄色腫、非定型線維黄色腫、悪性線維黄色腫、特定不能型皮膚線維腫、隆起性皮膚線維腫、特定不能型皮膚線維肉腫、粘液腫性新生物、特定不能型粘液腫、粘液肉腫、脂肪腫性新生物、特定不能型脂肪腫、特定不能型脂肪肉腫、線維脂肪腫、高分化型脂肪肉腫、線維粘液脂肪腫、粘液性脂肪肉腫、円形細胞脂肪肉腫、多形型脂肪肉腫、混合型脂肪肉腫、筋肉内脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、血管筋脂肪腫、血管筋脂肪肉腫、特定不能型血管脂肪腫、浸潤性血管脂肪腫、骨髄脂肪腫、冬眠腺腫、脂肪芽細胞腫症、筋腫性新生物、特定不能型平滑筋腫、血管内平滑筋腫症、特定不能型平滑筋肉腫、類上皮平滑筋腫、類上皮平滑筋肉腫、細胞性平滑筋腫、変形平滑筋腫、血管筋腫、血管筋肉腫、筋腫、筋肉腫、特定不能型横紋筋腫、特定不能型横紋筋肉腫、多形性横紋筋肉腫、混合型横紋筋肉腫、胎児性横紋筋腫、成人型横紋筋腫、胎児性横紋筋肉腫、胞巣状横紋筋肉腫、複合混合型および間質性新生物、子宮内膜間質肉腫、内リンパ間質性子宮内膜症、腺筋腫、多形腺腫、特定不能型悪性混合腫瘍、ミュラー管混合腫瘍、中胚葉性混合腫瘍、中胚葉性腎腫、特定不能型腎芽細胞腫、上皮腎芽細胞腫、間葉性腎芽細胞腫、肝芽腫、特定不能型癌肉腫、胎児型癌肉腫、筋上皮腫、良性間葉腫、特定不能型間葉腫、悪性間葉腫、胎児性肉腫、線維上皮性新生物、特定不能型ブレンナー腫瘍、ブレンナー腫瘍境界悪性腫瘍、悪性ブレンナー腫瘍、特定不能型線維腺腫、特定不能型管内性線維腺腫、管周囲性線維腺腫、特定不能型腺線維腫、漿液性腺線維腫、粘液性腺線維腫、細胞性小管内線維腺腫、特定不能型葉状嚢肉腫、悪性葉状嚢肉腫、若年性線維腺腫、滑膜新生物、良性滑液腫瘍、特定不能型滑膜肉腫、紡錘細胞型滑膜肉腫、類上皮細胞型滑膜肉腫、二相型滑膜肉腫、腱および腱膜の明細胞肉腫、中皮新生物、良性中皮腫、悪性中皮腫、良性線維性中皮腫、悪性線維性中皮腫、良性類上皮中皮腫、悪性類上皮中皮腫、良性二相型中皮腫、悪性二相型中皮腫、特定不能型類腺腫瘍、胚細胞新生物、未分化胚細胞腫、特定不能型精上皮腫、未分化型精上皮腫、精母細胞性精上皮腫、胚細胞腫、特定不能型胎生期癌、内胚葉洞腫瘍、多胎芽腫、性腺芽腫、良性奇形腫、特定不能型奇形腫、特定不能型悪性奇形腫、奇形癌、未分化型悪性奇形腫、中間型悪性奇形腫、皮様嚢腫、悪性形質転換性皮様嚢腫、特定不能型卵巣甲状腺腫、悪性卵巣甲状腺腫、甲状腺腫カルチノイド、栄養膜新生物、特定不能型胞状奇胎、侵入胞状奇胎、絨毛癌、奇形腫を伴う絨毛癌、悪性栄養膜奇形腫、中腎腫、良性中腎腫、中腎腫瘍、悪性中腎腫、卵管内膜腫、血管腫瘍、特定不能型血管腫、血管肉腫、海綿状血管腫、静脈性血管腫、つる状血管腫、クッパー細胞肉腫、良性血管内皮腫、特定不能型血管内皮腫、悪性血管内皮腫、毛細血管腫、筋肉内血管腫、カポジ肉腫、被角血管腫、いぼ状被角血管腫、良性血管周囲細胞腫、特定不能型血管周囲細胞腫、悪性血管周囲細胞腫、特定不能型血管線維腫、血管芽細胞腫、リンパ管腫瘍、特定不能型リンパ管腫、リンパ管肉腫、毛細血管リンパ管腫、海綿状リンパ管腫、嚢胞性リンパ管腫、リンパ管筋腫症、リンパ管筋腫症、血管リンパ管腫、骨腫および骨肉腫、特定不能型骨腫、特定不能型骨肉腫、軟骨芽細胞骨肉腫、線維芽細胞骨肉腫、血管拡張性骨肉腫、骨のページェット病における骨肉腫、傍骨性骨肉腫、特定不能型類骨骨腫、骨芽細胞腫、軟骨性新生物、骨軟骨腫、特定不能型骨軟骨腫症、特定不能型軟骨腫、特定不能型軟骨腫、特定不能型軟骨肉腫、傍骨性軟骨腫、傍骨性軟骨肉腫、特定不能型軟骨芽細胞腫、悪性軟骨芽細胞腫、間葉性軟骨肉腫、軟骨粘液線維腫、巨細胞腫瘍、特定不能型骨巨細胞腫瘍、悪性骨巨細胞腫瘍、特定不能型軟部巨細胞腫瘍、悪性軟部巨細胞腫瘍、混合型骨腫瘍、ユーイング肉腫、長骨アダマンチノーマ、骨化性線維腫、歯原性腫瘍、良性歯原性腫瘍、特定不能型歯原性腫瘍、悪性歯原性腫瘍、象牙質腫、特定不能型セメント


腫、良性セメント芽細胞腫、セメント質形成線維腫、巨大型セメント質腫、特定不能型歯牙腫、集合性歯牙腫、複雑性歯牙腫、エナメル上皮線維歯牙腫、エナメル上皮肉腫、腺様歯原性腫瘍、石灰化歯原性嚢胞、特定不能型エナメル上皮腫、悪性エナメル上皮腫、歯牙エナメル上皮腫、扁平歯原性腫瘍、歯原性粘液腫、特定不能型歯原性線維腫、エナメル上皮線維腫、エナメル上皮線維肉腫、歯原性石灰化上皮腫、混合型腫瘍、頭蓋咽頭腫、松果体腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、黒色性神経外胚葉性腫瘍、脊索腫、神経膠腫、悪性神経膠腫、大脳神経膠腫症、混合性神経膠腫、上衣下神経膠腫、上衣下巨細胞性星状細胞腫、特定不能型脈絡叢乳頭腫、悪性脈絡叢乳頭腫、特定不能型上衣腫、未分化型上衣腫、乳頭状上衣腫、粘液乳頭状上衣腫、特定不能型星状細胞腫、未分化型星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、肥胖細胞性星状細胞腫、線維性星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、特定不能型海綿芽細胞腫、極性海綿芽細胞腫、星状芽細胞腫、特定不能型膠芽細胞腫、巨細胞膠芽細胞腫、肉腫性要素を有する膠芽細胞腫、原始極性海綿芽細胞腫、特定不能型乏突起膠腫、未分化型乏突起膠腫、乏突起神経膠芽細胞腫、特定不能型髄芽腫、線維形成性髄芽腫、髄筋芽腫、特定不能型小脳肉腫、奇形細胞肉腫、偽上皮腫性新生物、神経節細胞腫、神経節芽細胞腫、神経節神経腫症、特定不能型神経芽細胞腫、特定不能型髄様上皮腫、類奇形髄様上皮腫、特定不能型神経上皮腫、海綿神経芽腫、神経節膠腫、神経細胞腫、パチニ腫瘍、特定不能型網膜芽細胞腫、分化型網膜芽細胞腫、未分化型網膜芽細胞腫、嗅神経腫瘍、感覚神経細胞腫、鼻腔神経芽細胞腫、嗅神経上皮腫、髄膜腫、特定不能型髄膜腫、特定不能型髄膜腫症、悪性髄膜腫、髄膜性髄膜腫、線維性髄膜腫、砂粒腫性髄膜腫、血管腫性髄膜腫、血管芽細胞性髄膜腫、血管周囲細胞性髄膜腫、移行型髄膜腫、乳頭状髄膜腫、髄膜肉腫症、神経鞘腫瘍、特定不能型神経線維腫、特定不能型神経線維腫症、神経線維肉腫、メラニン性神経線維腫、叢状神経線維腫、特定不能型神経鞘腫、神経鞘腫症、悪性神経鞘腫、特定不能型神経腫、顆粒細胞腫および胞巣状軟部肉腫、特定不能型顆粒細胞腫、悪性顆粒細胞腫、胞巣状軟部肉腫、特定不能型またはびまん性リンパ腫、良性リンパ腫様腫瘍、特定不能型悪性リンパ腫、非ホジキン型悪性リンパ腫、特定不能型未分化型悪性リンパ腫、幹細胞型悪性リンパ腫、特定不能型回旋細胞型悪性リンパ腫、特定不能型リンパ肉腫、リンパ形質細胞型悪性リンパ腫、免疫芽球型悪性リンパ腫、特定不能型混合リンパ球-組織球性悪性リンパ腫、中心芽細胞中心細胞性びまん性悪性リンパ腫、特定不能型濾胞中心細胞性悪性リンパ腫、特定不能型高分化型リンパ球性悪性リンパ腫、特定不能型中分化型リンパ球性悪性リンパ腫、特定不能型分割型中心細胞性悪性リンパ腫濾胞中心細胞悪性リンパ腫、特定不能型低分化型リンパ球性悪性リンパ腫、前リンパ球性リンパ肉腫、特定不能型中心芽球型悪性リンパ腫、特定不能型非分割型濾胞中心細胞性悪性リンパ腫、細網肉腫、特定不能型細網肉腫、多形細胞型細網肉腫、結節性細網肉腫、ホジキン病、特定不能型ホジキン病、リンパ球優位型ホジキン病、混合細胞型ホジキン病、特定不能型リンパ球枯渇型ホジキン病、リンパ球枯渇型びまん性線維腫症型ホジキン病、リンパ球枯渇型網状型ホジキン病、特定不能型結節硬化型ホジキン病、細胞相結節硬化型ホジキン病、ホジキン側肉芽腫、ホジキン肉芽腫、ホジキン肉腫、結節性リンパ腫または特定不能型濾胞性結節性悪性リンパ腫、結節性混合型リンパ球-組織球性悪性リンパ腫、中心芽細胞性中心細胞性濾胞性悪性リンパ腫、結節性高分化型リンパ球性悪性リンパ腫、結節性中分化型リンパ球性悪性リンパ腫、濾胞性切断型濾胞中心細胞性悪性リンパ腫、結節性低分化型リンパ球性悪性リンパ腫、濾胞性非分割型濾胞性中心細胞性悪性リンパ腫中心芽細胞型悪性リンパ腫、菌状息肉腫、菌状息肉腫、セザリー病、混合型細網内系新生物、小膠細胞腫、悪性組織球増殖症、組織球性髄様細網症、レテラー・ジーベ病、形質細胞腫瘍、形質細胞性骨髄腫、良性形質細胞腫瘍、特定不能型形質細胞腫、悪性形質細胞腫瘍、肥満細胞腫瘍、特定不能型肥満細胞腫、肥満細胞肉腫、悪性肥満細胞症、バーキット腫瘍、バーキット腫瘍、白血病群、特定不能型白血病群、特定不能型白血病、特定不能型急性白血病、特定不能型亜急性白血病、特定不能型慢性白血病、特定不能型非白血性白血病、複合性白血病群、複合性白血病、リンパ性白血病群、特定不能型リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、亜急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、非白血病性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、形質細胞白血病群、形質細胞白血病、赤白血病群、赤白血病、急性赤血病、慢性赤血病、リンパ肉腫細胞性白血病群、リンパ肉腫細胞性白血病、骨髄性白血病群、特定不能型骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、亜急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非白血病性骨髄性白血病、好中球性白血病、急性前骨髄球性白血病、好塩基球性白血病群、好塩基球性白血病、好酸球性白血病群、好酸球性白血病、単球性白血病群、特定不能型単球性白血病、急性単球性白血病、亜急性単球性白血病、慢性単球性白血病、非白血病性単球性白血病、混合型白血病群、肥満細胞白血病、巨核球性白血病、巨核球性骨髄症、骨髄性肉腫、ヘアリー細胞白血病、混合型骨髄増殖性リンパ増殖性障害、真性赤血球増加症、急性汎骨髄症、慢性骨髄増殖性疾患、骨髄様化生症を合併する骨髄硬化症、特発性血小板血症、慢性リンパ増殖性疾患を含む群から選択される。
本発明の実施形態では、疾患は、膵腫瘍、膵臓腺癌、膵頭部、膵体部、膵尾部、膵管、ランゲルハンス島、膵臓頸部の腫瘍、前立腺腫瘍、前立腺癌、前立腺、神経内分泌腫瘍、乳がん、乳房中央部、乳房の上内側の四分の一、乳房の下内側の四分の一、乳房の上外側の四分の一、乳房の下外側の四分の一、乳房の腋窩突起、乳房の重複病変の腫瘍、若年性乳癌、副甲状腺腫瘍、骨髄腫、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、主気管支、肺上葉、肺中葉、肺下葉の腫瘍、結腸直腸癌、上行結腸、結腸肝湾曲部、横行結腸、結腸脾湾曲部、下行結腸、S状結腸、結腸の重複病変、小腸の腫瘍、肝腫瘍、肝細胞腺腫、肝細胞癌、肝細胞胆管腫、肝細胞癌と胆管癌との混合型(ombined)、肝芽腫、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、線維肉腫、消化管間質腫瘍、消化管、胃癌、甲状腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺、腎細胞癌、腎盂、膀胱腫瘍、膀胱癌、膀胱三角部、膀胱頂部、膀胱側壁、膀胱後壁、尿管口、尿膜管の腫瘍、膀胱の重複病変、基底細胞癌、基底細胞新生物、基底細胞腫瘍、基底細胞癌、多中心性基底細胞癌、類基底細胞癌、基底細胞腺腫、扁平上皮癌、口腔扁平上皮癌、喉頭扁平上皮癌、子宮頸癌、子宮頸外部、子宮頸部の重複病変、子宮頸部、子宮峡部の腫瘍、子宮腫瘍、卵巣腫瘍、頸部食道、胸部食道、腹部食道、食道上部三分の一、食道中部三分の一、食道下部三分の一、食道の重複病変の腫瘍、子宮内膜癌、頭頸部がん、リンパ腫、悪性中皮腫、中皮新生物、中皮腫、線維性中皮腫、線維性中皮腫、類上皮性中皮腫、上皮型中皮腫、十二指腸癌、神経内分泌腫瘍、肺の神経内分泌腫瘍、膵臓の神経内分泌腫瘍、前腸の神経内分泌腫瘍、中腸の神経内分泌腫瘍、後腸の神経内分泌腫瘍、胃腸膵神経内分泌腫瘍、神経内分泌癌、乳房の神経内分泌腫瘍、卵巣の神経内分泌腫瘍、精巣がん、胸腺癌、胃、胃底部、胃体部、胃前庭部、幽門部、胃小彎部、胃大彎部、胃の重複病変の腫瘍、傍神経節腫、神経節腫、黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、表在拡大型黒色腫、類上皮細胞黒色腫、紡錘細胞黒色腫、混合型類上皮細胞および紡錘細胞黒色腫を含む群から選択される。
さらなる実施形態では、上記症状は、外側上唇、外側下唇、特定不能型外側口唇、上唇粘膜、下唇粘膜、特定不能の口唇粘膜、唇交連、口唇の重複病変、特定不能の舌根部、特定不能の舌背面、舌縁、特定不能の舌腹面、特定不能の舌の前部2/3、舌へんとう、舌の重複病変、特定不能の舌、上歯肉、下歯肉、特定不能の歯肉、口前底、口側底、口底の重複病変、特定不能の口底、硬口蓋、特定不能の軟口蓋、口蓋垂、口蓋の重複病変、特定不能の口蓋、頬粘膜、口腔前庭、臼後部、口腔のその他および特定不能部分の重複病変、特定不能の口腔、耳下腺、顎下腺、舌下腺、大唾液腺の重複病変、特定不能の大唾液腺、へんとう窩、へんとう柱、へんとう腺の重複病変、特定不能のへんとう腺、窩、喉頭蓋の前面、中咽頭側壁、中咽頭後壁、鰓裂、中咽頭の重複病変、特定不能の中咽頭、鼻咽頭上壁、鼻咽頭後壁、鼻咽頭側壁、鼻咽頭前壁、鼻咽頭の重複病変、特定不能の鼻咽頭、梨状陥凹、輪状後部、披裂喉頭蓋ひだの下咽頭面、下咽頭後壁、下咽頭の重複病変、特定不能の下咽頭、特定不能の咽頭、咽喉頭、ワルダイヤー輪、口唇、口腔および咽頭の重複病変、頸部食道、胸部食道、腹部食道、食道の上部三分の一、食道の中部三分の一、食道の下部三分の一、食道の重複病変、特定不能の食道、特定不能の噴門部、胃底部、胃体部、胃前庭部、幽門部、特定不能の胃小彎部、特定不能の胃大彎部、胃の重複病変、特定不能の胃、十二指腸、空腸、回腸、メッケル憩室、小腸の重複病変、特定不能の小腸、盲腸、虫垂、上行結腸、結腸肝湾曲部、横行結腸、結腸脾湾曲部、下行結腸、S状結腸、結腸の重複病変、特定不能の結腸、直腸S状結腸移行部、特定不能の直腸、特定不能の肛門、肛門管、総排泄腔層、直腸肛門および肛門管の重複病変、肝臓、肝内胆管、胆嚢、肝外胆管、ファーター膨大部、胆道の重複病変、特定不能の胆道、膵頭部、膵体部、膵尾部、膵管、ランゲルハンス島、膵頸部、膵臓の重複病変、特定不能の膵臓、特定不能の腸管、消化器系の重複病変、特定不能の胃腸管、鼻腔、中耳、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞、副洞の重複病変、特定不能の副洞、声門、声門上部、声門下部、喉頭軟骨、喉頭の重複病変、特定不能の喉頭、気管、主気管支、肺上葉、肺中葉、肺下葉、肺の重複病変、特定不能の肺、胸腺、心臓、縦隔前部、縦隔後部、特定不能の縦隔、特定不能の胸膜、心臓縦隔および胸膜の重複病変、特定不能の上気道、呼吸器系および胸腔内臓器の重複病変、特定不能の気道、上肢長骨関節、上肢短骨関節、下肢長骨関節、下肢短骨関節、四肢の骨関節および関節軟骨の重複病変、特定不能の肢骨、頭蓋骨および顔面骨、下顎、脊柱、肋骨胸骨鎖骨、骨盤骨、骨関節および関節軟骨の重複病変、特定不能の骨、血液、骨髄、脾臓、特定不能の細網内皮系、特定不能の造血系、特定不能の皮膚口唇、特定不能の眼瞼、外耳、顔面の皮膚、頭皮頸部の皮膚、胴体の皮膚、上肢の皮膚、下肢の皮膚、頭頸部の末梢神経、肩腕の末梢神経、脚の末梢神経、胸部の末梢神経、腹部の末梢神経、骨盤の末梢神経、胴体の末梢神経、末梢神経および自律神経系の重複病変、特定不能の自律神経系、後腹膜、腹膜、特定不能の腹膜、後腹膜および腹膜の重複病変、頭部の結合組織、腕の結合組織、脚の結合組織、胸部の結合組織、腹部の結合組織、骨盤の結合組織、特定不能の胴体の結合組織、皮下結合組織および他の軟部組織の重複病変、特定不能の結合組織、乳首、乳房の中心部分、乳房の上内側の四分の一、乳房の下内側の四分の一、乳房の上外側の四分の一、乳房の下外側の四分の一、乳房の腋窩突起、乳房の重複病変、特定不能の乳房、大陰唇、小陰唇、陰核、外陰部の重複病変、特定不能の外陰部、特定不能の膣、子宮頸部、子宮外頸部、子宮頸部の重複病変、子宮頸部、子宮峡部、子宮内膜、子宮筋層、子宮底、子宮体部の重複病変、子宮体部、特定不能の子宮、卵巣、ファローピウス管、子宮広靱帯、円靱帯、子宮傍結合組織、子宮付属器、ウォルフ体、女性生殖器の重複病変、特定不能の女性生殖管、陰茎包皮、陰茎亀頭、陰茎体、陰茎の重複病変、特定不能の陰茎、前立腺、停留精巣、下降精巣、特定不能の精巣、精巣上体、精索、特定不能の陰嚢、精巣鞘膜、男性生殖器の重複病変、特定不能の男性生殖器、特定不能の腎臓、腎盂、尿管、膀胱三角部、膀胱頂部、膀胱側壁、膀胱後壁、尿管口、尿膜管、膀胱の重複病変、特定不能の膀胱、尿道、副尿導管腺、泌尿器の重複病変、特定不能の泌尿器系、結膜、特定不能の角膜、網膜、脈絡膜、毛様体、涙腺、特定不能の眼窩、眼および付属器の重複病変、特定不能の眼、脳髄膜、脊髄膜、特定不能の髄膜、大脳、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、特定不能の脳室、特定不能の小脳、脳幹、脳の重複病変、特定不能の脳、脊髄、馬尾、嗅神経、視神経、聴神経、特定不能の脳神経、脳および中枢神経系の重複病変、特定不能の神経系、甲状腺、副腎皮質、副腎髄質、特定不能の副腎、副甲状腺、下垂体、頭蓋咽頭管、松果腺、頸動脈小体、大動脈体、内分泌腺および関連構造の重複病変、特定不能の内分泌腺、特定不能の顔面または頸部、特定不能の胸部、特定不能の腹部、特定不能の骨盤、特定不能の上肢、特定不能の下肢、他の不定部位、不定部位の重複病変、顔面頭頸部のリンパ節、胸腔内リンパ節、腹腔内リンパ節、腋窩腕リンパ節、鼠径部脚リンパ節、骨盤リンパ節、複数領域のリンパ節、特定不能のリンパ節、不明の原発部位を含む群から選択される臓器および組織中で生じ得る。
本明細書に開示され、特許請求される化合物で処置される対象を、他の非外科的な抗増殖(例えば、抗がん)薬物療法と組み合わせて処置することができる。一実施形態では、化合物を、細胞増殖抑制化合物などの抗がん化合物と組み合わせて投与してもよい。細胞増殖抑制化合物は、細胞成長および/または増殖を抑制する化合物(例えば、低分子、核酸、またはタンパク質)である。一部の実施形態では、細胞増殖抑制化合物は、腫瘍の悪性細胞に対して向けられる。さらに他の実施形態では、細胞増殖抑制化合物は、血管平滑筋細胞または線維芽細胞の成長および/または増殖を阻害するものである。
本明細書に開示され、特許請求される化合物と共に使用される好適な抗増殖薬または細胞増殖抑制化合物としては、抗がん薬物が挙げられる。使用することができるいくつかの抗がん薬物が周知であり、限定されるものではないが、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモフォシン;インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-n1;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスパー;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ニラパリブ;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルパリブ;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;パーフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;ルカパリブ;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タラゾパリブ;タリソマイシン;タキソール;タキソテール;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トポテカン塩酸塩;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベラパリブ;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;およびゾルビシン塩酸塩が挙げられる。
他の抗がん薬物としては、限定されるものではないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;ALL-TKアンタゴニスト;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アナグレリド;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ブレフレート;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベサイジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム;サイペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジヒドロタキソール(dihydrotaxol,9-);ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロミチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;フォルフェニメクス;ホルメスタン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子-I受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベンガン;ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール(ipomeanol,4-);イリノテカン;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミンアナログ;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルートテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;モファロテン;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1に基づいた療法;マスタード抗がん化合物;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;マイリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスティップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤(複数);微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウム(Re186);リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サイントピン;SarCNU;サクロフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメティック;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモゾロミド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;サリドマイド;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチンミメティック;チマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来増殖抑制因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソル;ベラミン;ベルジン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ザノテロン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
本明細書に開示され、特許請求される化合物を、以下の処置のいずれかと組み合わせて使用することもできる:
DNA損傷修復が欠損したがんを標的とする化学療法剤のクラスである、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害剤と組み合わせた療法(Yuanら、Expert Opin Ther Pat,2017,27:363)。そのようなPARP阻害剤としては、限定されるものではないが、オラパリブ、ルパカリブ、ベラパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、パミパリブ、イニパリブ、E7449、およびA-966492が挙げられる。
例えば、核因子-カッパBシグナル伝達として、DNA一本鎖および二本鎖切断の修復をもたらすシグナル伝達経路およびメカニズムの阻害剤と組み合わせた療法(Pilieら、Nat Rev Clin Oncol,2019,16:81;Zhangら、Chin J Cancer,2012,31:359)。そのような阻害剤としては、限定されるものではないが、ATMおよびATRキナーゼ、チェックポイントキナーゼ1および2、DNA依存的タンパク質キナーゼ、ならびにWEE1キナーゼの阻害剤が挙げられる(Pilieら、Nat Rev Clin Oncol,2019,16:81)。
免疫モジュレーター(Khalilら、Nat Rev Clin Oncol,2016,13:394)、がんワクチン(Hollingsworthら、NPJ Vaccines,2019,4:7)、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1、PD-L1、CTLA-4阻害剤)(Weiら、Cancer Discov,2018,8:1069)、サイクリンDキナーゼ4/6阻害剤(Goelら、Trends Cell Biol,2018,28:911)、腫瘍細胞および/または転移に結合することができ、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することができる抗体(Kellnerら、Transfus Med Hemother,2017,44:327)、T細胞またはNK細胞エンゲージャー(例えば、二重特異性抗体)(Yuら、J Cancer Res Clin Oncol,2019,145:941)、拡大された自家または同種異系間免疫細胞(例えば、キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞)を使用する細胞療法(Khalilら、Nat Rev Clin Oncol,2016,13:394)と組み合わせた療法。免疫チェックポイント阻害剤としては、限定されるものではないが、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびセミプリマブが挙げられる。
本発明によれば、化合物を、他の抗がん化合物の前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。投与スケジュールは、交互様式で異なる薬剤を投与することを含んでもよい。他の実施形態では、化合物を、他の療法を用いる処置の前と間、または間と後、または前と後に送達してもよい。一部の場合、化合物は、他の抗増殖処置の投与の24時間より前に投与される。他の実施形態では、1つより多い抗増殖療法を対象に投与することができる。例えば、対象は、外科手術と、少なくとも1つの他の抗増殖化合物との両方と組み合わせて、本発明の化合物を受けてもよい。あるいは、化合物を、1つより多い抗がん薬物と組み合わせて投与してもよい。
ある実施形態では、本発明の化合物は、FAPを過剰発現する細胞および組織を検出するために使用され、それにより、そのような検出は、検出可能な標識、好ましくは、検出可能な放射性核種を本発明の化合物にコンジュゲートすることによって達成される。好ましい実施形態では、検出される細胞および組織は、疾患を有する細胞および組織である、ならびに/または疾患および/もしくは疾患の症状の1つのもしくは唯一の原因である、もしくは疾患の基礎にある病理の一部である。さらに好ましい実施形態では、疾患を有する細胞および組織は、腫瘍適応(例えば、新生物、腫瘍、およびがん)または非腫瘍適応(例えば、炎症疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患)を引き起こす、および/またはその一部である。
別の実施形態では、本発明の化合物は、FAPを過剰発現する細胞および組織を処置するために使用される。好ましい実施形態では、処置される細胞および組織は、疾患を有する細胞および組織である、ならびに/または疾患および/もしくは疾患の症状の1つのもしくは唯一の原因である、もしくは疾患の基礎にある病理の一部である。さらに好ましい実施形態では、疾患を有する細胞および組織は、腫瘍適応(例えば、新生物、腫瘍、およびがん)を引き起こす、および/またはその一部であり、治療活性は、治療的に活性なエフェクター、好ましくは、治療的に活性な放射性核種を、本発明の化合物にコンジュゲートすることによって達成される。さらに好ましい実施形態では、疾患を有する細胞および組織は、非腫瘍適応(例えば、炎症疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患)を引き起こす、および/またはその一部であり、治療活性は、FAPの酵素活性の阻害によって達成される。
さらなる実施形態では、特に、疾患が非腫瘍疾患または非腫瘍適応(例えば、炎症疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、および線維性疾患)である場合、本発明の化合物は、治療有効量で投与される;好ましくは、本発明の化合物は、治療的に活性な核種を含まない。有効量は、化合物が投与される対象において治療的または医学的に望ましい結果または効果をもたらすのに十分な化合物の投与量である。有効量は、処置される特定の状態、処置される対象の年齢および身体状態、状態の重症度、処置の持続期間、同時または併用療法(もしあれば)の性質、特定の投与経路ならびに医療関係者の知識および専門知識の範囲内にある因子に応じて変化するであろう。例えば、異常な細胞増殖を特徴とする状態を有する対象の処置に向けた方法と関連して、増殖を阻害するための有効量は、例えば、腫瘍などの細胞塊の発生または進行を減速させる、または停止させるために異常な細胞増殖を減少させるか、または完全に停止させるのに十分な量であろう。この実施形態で使用される場合、「阻害する」とは、上記の全てを包含する。
他の実施形態では、治療有効量は、微小転移の休眠を延長するか、または外科もしくは薬物療法後の残存する原発腫瘍細胞を安定化するのに必要な量であろう。
一般的に、治療的に活性な放射性核種を含まない非コンジュゲート化化合物を使用する場合、治療有効量は、対象の年齢、状態、および性別、ならびに対象における疾患の性質および程度に応じて変化し、当業者であれば、それらを全て決定することができる。投与量は、特に、合併症の事象において、個々の医師または獣医師によって調整され得る。治療有効量は、典型的には、限定されるものではないが、1または複数の日数にわたって、1日当たり、1または複数の用量の投与において、0.1μg/kg~約2000mg/kg、または1.0μg/kg~約1000mg/kg、または約0.1mg/kg~約500mg/kg、または約1.0mg/kg~約100mg/kgの範囲の量である。必要に応じて、活性化合物の有効1日用量を、必要に応じて、単位剤形において、例えば、1日を通して適切な間隔で別々に投与される、2、3、4、5、6、またはそれより多い下位用量として投与してもよい。一部の実施形態では、化合物は、7日より長く、10日より長く、14日より長く、および20日より長く投与される。さらに他の実施形態では、化合物は、数週間、または数ヶ月間にわたって投与される。さらに他の実施形態では、化合物は、1日置きに送達される。例えば、薬剤は、2日毎に、または3日毎に、または4日毎に、または5日毎に、または6日毎に、または毎週、または毎月送達される。
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、疾患の処置および/または防止における使用のためのものであり、それによって、そのような処置は放射性核種療法である。
好ましくは、放射性核種療法は、放射性核種によって放出される異なる形態の放射線を利用する、またはそれに基づくものである。そのような放射線は、例えば、光子の放射線、限定されるものではないが、β粒子およびオージェ電子を含む電子の放射線、プロトンの放射線、ニュートロンの放射線、ポジトロンの放射線、α粒子の放射線またはイオンビームのうちのいずれか1つであってもよい。前記放射性核種によって放出される粒子または放射線の種類に応じて、放射線核種療法は、例えば、光子放射性核種療法、電子放射性核種療法、プロトン放射性核種療法、ニュートロン放射性核種療法、ポジトロン放射性核種療法、α粒子放射性核種療法またはイオンビーム放射性核種療法と区別することができる。これらの形態の放射性核種療法は全て、本発明によって包含され、これらの形態の放射性核種療法は全て、好ましくは、本発明の化合物に付着した放射性核種が、より好ましくは、エフェクターとして、この種類の放射線を提供するという条件下で、本発明の化合物によって実現することができる。
放射性核種療法は、好ましくは、細胞のDNAを損傷させることによって機能する。損傷は、DNA鎖を構成する原子を直接的または間接的にイオン化する、光子、電子、プロトン、ニュートロン、ポジトロン、α粒子またはイオンビームによって引き起こされる。間接的イオン化は、水のイオン化の結果として起こり、フリーラジカル、顕著には、ヒドロキシルラジカルを形成した後、DNAを損傷させる。
最も一般的な形態の放射性核種療法では、放射線の効果の多くは、フリーラジカルによるものである。細胞は、DNA損傷を修復するためのメカニズムを有するため、両方の鎖上でのDNAの切断は、細胞特性の改変における最も有意な技術であることがわかる。がん細胞は一般的には、未分化で幹細胞状であるため、それらはより多く複製し、多くの健康に分化した細胞と比較して、致死量未満の損傷を修復する能力が減退している。DNA損傷は、細胞分裂を介して受け継がれ、がん細胞に損傷を蓄積させ、それらの死滅またはより遅い複製を引き起こす。
酸素は、強力な放射線増感剤であり、DNA損傷性フリーラジカルを形成することによって所与の用量の放射線の有効性を増大させる。したがって、高圧酸素タンク、大量の酸素を運搬する代用血液、ミソニダゾールおよびメトロニダゾールなどの低酸素細胞放射線増感剤、ならびにチラパザミンなどの低酸素細胞毒素の使用を適用することができる。
放射活性用量を選択する場合に考慮される他の因子としては、患者が化学療法を受けているかどうか、放射線療法が外科手術の前または後に投与されるかどうか、および外科手術の成功の程度が挙げられる。
合計放射活性用量を、いくつかの重要な理由から、分割することができる、すなわち、1または複数の処置として時間的に広げることができる。分割は、正常細胞が回復するための時間を与えるが、腫瘍細胞は一般的には、分割用量間の修復の効率がより低い。分割はまた、1回の処置中に細胞周期の相対的に放射線耐性期にあった腫瘍細胞を、次の分割用量が与えられる前に細胞の感受性期に循環させる。同様に、慢性的または急性的に低酸素状態にあり、したがって、より放射線耐性にあった腫瘍細胞は、分割の間で再酸化し、腫瘍細胞殺傷を改善し得る。
異なるがんは放射線療法に示差的に応答することが一般に公知である。がんの放射線に対する応答は、その放射線感受性によって記載される。放射線感受性が高いがん細胞は、中用量の放射線によって迅速に殺傷される。これらのものとしては、白血病、多くはリンパ腫、および胚細胞腫瘍が挙げられる。
ある程度、検査測定値である特定の腫瘍の放射線感受性を、実際の臨床業務における内部送達される放射活性用量によるがんの「治癒可能性」から区別することが重要である。例えば、白血病は、体内に散在するため、一般的には放射線療法で治癒可能ではない。リンパ腫は、身体の1つの領域に局在化する場合、放射線で治癒可能であり得る。同様に、多くの一般的な中程度に放射性応答性の腫瘍は、それらが初期段階にある場合、治癒用量の放射活性を用いて処置することができる。これは、例えば、非黒色腫皮膚がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、肛門がん、前立腺がんに当てはまる。
放射線療法に対する腫瘍の応答は、そのサイズとも関連する。複雑な理由から、非常に大きな腫瘍は、小さい腫瘍または顕微鏡的疾患よりも放射線に対する応答性が低い。様々な戦略が、この効果を克服するために使用される。最も一般的な技術は、放射線療法前の外科的切除である。これは、広い局部切除または乳腺切除を用いた乳がんの処置、次いで、アジュバント放射線療法において最も一般的に見られる。別の方法は、放射性核種療法の前にネオアジュバント化学療法を用いて腫瘍を縮小させることである。第3の技術は、放射線療法の経過中にある特定の薬物を与えることによってがんの放射線感受性を増強することである。放射線増感薬の例としては、限定されるものではないが、シスプラチン、ニモラゾール、およびセツキシマブが挙げられる。
術中放射線療法は、がんの外科的除去の直後に送達される特殊な型の放射線療法である。この方法は、乳がん(標的術中放射線療法)、脳腫瘍および直腸がんにおいて用いられてきた。
放射性核種療法は、それ自体、無痛である。多くの低用量緩和処置は、効果が最小限であるか、または効果がない。より高用量の処置は、処置中に(急性副作用)、処置後、数ヶ月もしくは数年以内に(長期副作用)、または最処置の後に(累積副作用)、変化する副作用を引き起こし得る。副作用の性質、重症度、および持続性は、放射線を受ける臓器、処置自体(放射性核種の種類、用量、分割、同時的化学療法)、および患者に依存する。
本発明の疾患の処置のための方法が、当業界でそのようなものとして公知であり、本発明のさらなる実施形態を構成する限りにおいて、上記戦略のそれぞれおよびいずれかを実現することができることは、本発明の範囲内にある。
また、本発明の化合物が、本明細書に開示される疾患の診断のために方法において使用されることも本発明の範囲内にある。そのような方法は、好ましくは、診断有効量の本発明の化合物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
本発明によれば、イメージング法は、シンチグラフィー、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)およびポジトロン放出(PET)からなる群から選択される。
シンチグラフィーは、放射性医薬品が、細胞、組織および/または臓器によって内在化され、好ましくは、in vivoで内在化され、前記内在化された放射性医薬品によって放出される放射線が、2次元画像を形成し、表示するための外部検出器(ガンマカメラ)によって捕捉される、核医学において使用される診断検査または方法の形態である。それとは対照的に、SPECTおよびPETは、3次元画像を形成し、表示する。このため、SPECTおよびPETは、シンチグラフィーとは別の技術として分類されるが、それらもまた内部放射線を検出するためにガンマカメラを使用する。シンチグラフィーは、外部放射線が体内を通過して画像を形成する診断的X線とは異なる。
単光子放出断層撮影(SPECT)走査は、ガンマ線を使用する核イメージング技術の種類である。それらはガンマカメラを使用する従来の核医学2次元イメージングと非常に類似している。SPECT走査の前に、患者は、スキャナーによって検出することができる放射標識された化学放出ガンマ線を注入される。コンピュータが、ガンマカメラからの情報を収集し、これを2次元横断面に変換する。これらの横断面を加え合わせて復元し、臓器または組織の3次元画像を形成させることができる。SPECTは、単一に、および連続的に、放射標識された化学物質によって提供される放射性核種によって放出されたガンマ線の検出を含む。SPECT画像を獲得するために、ガンマカメラを、患者の周囲に回転させる。回転中の規定の点で、典型的には、3~6°毎に、投影画像を獲得する。多くの場合、最適な再構成を得るために、完全な360°の回転が使用される。それぞれの投影画像を得るためにかかる時間も変動的であるが、15~20秒が典型的である。これは、15~20分の合計走査時間を与える。多頭ガンマカメラがより速い。SPECT獲得は2次元ガンマカメライメージングと非常に類似するため、同じ放射性医薬品を使用することができる。
ポジトロン放出断層撮影(PET)は、ヒト体内の細胞の生化学的状態または代謝活性を測定するための非侵襲的な診断イメージング技術である。PETは、体内の基本的生化学または機能の画像を生成するため、ユニークである。X線、CTスキャン、またはMRIなどの伝統的な診断技術は、身体の生体構造または構造の画像を生成する。これらの技術の前提は、疾患と関連する構造または生体構造における変化を見ることができるということである。生化学的プロセスは、疾患によっても変更され、生体構造における全体的変化の前に起こり得る。PETは、これらの初期の生化学的変化の一部を可視化することができるイメージング技術である。PETスキャナーは、画像を作成するために患者から放出される放射線に依拠する。それぞれの患者は、身体によって使用される天然物質を非常に似ているか、または受容体もしくは分子構造に特異的に結合する微量の放射性医薬品を与えられる。放射性同位体がポジトロン放出崩壊(ベータプラス崩壊としても知られる)を受けるにつれて、それは電子の反粒子対応物である陽電子を放出する。最大で数ミリメートル移動した後、陽電子は電子に遭遇し、対消滅し、反対方向に移動する、一対の対消滅(ガンマ)光子を生成する。これらのものは、それらが走査デバイス中のシンチレーション材料に到達する時に検出され、一斉の光を生じ、これが光電子増倍管またはシリコンアバランシェフォトダイオードによって検出される。この技術は、光子対の同時的または一致的検出に依存する。対として、すなわち、数ナノ秒以内に到着しない光子は、無視される。全ての一致は、画像処理ユニットに前送りされ、そこで最終画像データが画像再構成手順を使用して生産される。
SPECT/CTおよびPET/CTは、SPECTおよびPETと、コンピュータ断層撮影(CT)との組合せである。これらのモダリティを組み合わせる重要な利益は、読者の信頼性および精度を改善することである。伝統的なPETおよびSPECTに関しては、異常領域から放出される限定数の光子は、その領域に解剖学的に局在化させるのが難しい非常に低レベルのバックグラウンドをもたらす。CTの追加は、解剖学的視点から異常領域の位置を決定し、これが疾患を表す可能性を分類するのを助ける。
本発明の疾患の診断のための方法が、当業界でそのようなものとして公知であり、本発明のさらなる実施形態を構成する限りにおいて、上記戦略のそれぞれおよびいずれかを実現することができることは、本発明の範囲内にある。
本発明の化合物は、患者を層別化する、すなわち、患者が所与の薬物にどのように応答するかに関する詳細な情報を提供する患者集団内のサブセットを作成するのに有用である。層別化は、新規療法に応答する可能性が最も高い集団のサブセットを同定することによって、陰性または中性の結果に由来する臨床試験を、陽性の結果を有するものに変換するための重要な成分であり得る。
層別化は、患者の最適な管理を選択し、リスク評価、リスク防止および最適な処置の結果の達成に関してあり得る最良の結果を達成するための「生物学的」特徴を共有する患者群の同定を含む。
本発明の化合物を、できるだけ速く特定の疾患(診断的使用である)、疾患を発症するリスク(罹患性/リスク的使用である)、無痛性対侵攻性を含む疾患の進展(予後診断的使用である)を評価するか、または検出するために使用することができ、それを使用して、所与の処置に対する応答および毒性を予測することができる(予測的使用である)。
また、本発明の化合物が診断治療的方法において使用されることも本発明の範囲内にある。診断治療の概念は、治療剤と、治療薬の臨床使用を増加させることができる対応する診断検査とを組み合わせることである。診断治療の概念は、ますます魅力的になってきており、所与の療法から利益を得る患者を同定し、したがって、不必要な処置を回避するように医師を助けることによって、薬物処置の効率を改善するための鍵と広く考えられる。
診断治療の概念は、治療剤と、医師が所与の療法から最も利益を得る患者を同定するのを可能とする診断検査とを組み合わせることである。実施形態では、また、本明細書で好ましく使用されるように、本発明の化合物は、患者の診断、すなわち、原発腫瘍ならびに潜在的な局部および遠隔転移の同定および局在化のために使用される。さらに、腫瘍体積を、特に、SPECTまたはPETなどの3次元診断モダリティを使用して決定することができる。FAP陽性腫瘍塊を有し、したがって、所与の療法から利益を得る患者だけが、特定の療法のために選択され、したがって、不必要な処置が回避される。好ましくは、そのような療法は、本発明の化合物を使用するFAP標的療法である。1つの特定の実施形態では、化学的に同一の腫瘍標的診断、好ましくは、シンチグラフィー、PETまたはSPECTのためのイメージング診断および放射性治療が適用される。そのような化合物は、放射性核種においてのみ異なり、したがって、通常、同一の薬物動態プロファイルでなくても、非常に類似している。これを、キレート剤および診断用または治療用放射性金属を使用して実現することができる。あるいは、これを、放射標識化のための前駆体および診断用または治療用放射性核種を用いた放射標識化を使用して実現することができる。一実施形態では、診断イメージングは、好ましくは、診断用放射性核種の放射線の定量、当業者には公知であるその後の線量測定および脆弱な副作用臓器と比較した、腫瘍中の薬物濃度の予測によって使用される。かくして、患者のための真に個別化された薬物投与療法が達成される。
実施形態では、また、本明細書で好ましく使用されるように、診断治療法は、診断的に検出可能な放射線(例えば、陽電子またはガンマ線)ならびに治療的に有効な放射線(例えば、電子またはアルファ粒子)を放出する放射性核種で標識された本発明の化合物などの、ただ1つの診断治療的に活性な化合物を用いて実現される。
本発明はまた、対象においてFAPを発現する疾患組織を術中に同定/開示する方法も企図する。そのような方法は、本発明の化合物を使用し、それによって、そのような本発明の化合物は、好ましくは、エフェクターとして診断的に活性な薬剤を含む。
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の化合物は、特に、放射性核種と複合体化した場合、多くの単離された固形がんの処置の第1の方法としての外科手術、小線源療法の形態にある密閉された内部光源または外部光源を使用してがんの症状を治癒または改善する試みにおけるイオン化放射線の使用を含む放射線療法、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、および他の抗腫瘍剤などの化学療法、腫瘍細胞を直接攻撃することなく、これらの細胞の挙動をモジュレートするホルモン処置、モノクローナル抗体およびチロシンキナーゼ阻害剤を含む、ある特定の型のがんにおける分子異常を直接標的とする標的薬剤、血管新生阻害剤、免疫療法、がんワクチン接種、患者の生活の質を改善するための身体的、感情的、精神的、および心理社会的苦難を軽減するための活動を含む緩和ケア、ならびに医療制度、実務、および従来の薬の一部ではない製品の多様な群を含む代替処置を含む、他のいずれかの腫瘍処置に対する付属物またはアジュバントとして用いることができる。
本発明の方法の実施形態では、対象は、患者である。実施形態では、患者は、疾患に罹患していると診断された、疾患に罹患していることが疑われる、または疾患に罹患するか、もしくは疾患を発症するリスクがある対象であり、それによって、疾患は、本明細書に記載される疾患、好ましくは、FAPを含む疾患である。
放射性核種が使用され、より具体的には、本発明の化合物に結合されるか、またはその一部である、それぞれ、処置および診断のための方法の実施において用いられる投与量は、例えば、処置しようとする特定の状態、例えば、腫瘍型の既知の放射線感受性、腫瘍の体積および望ましい療法に応じて変化するであろう。一般的には、用量は、それぞれの臓器への放射活性分布および観察される標的取込みに基づいて算出される。γ放出複合体を、診断イメージングのために1回または数回投与してもよい。動物においては、指示される用量範囲は、例えば、1~200MBqの111Inまたは89Zrと複合体化した、0.1μg/kg~5mg/kgの本発明の化合物であってもよい。本発明の化合物のβ放出複合体を、いくつかの時点で、例えば、1~3週間またはそれより長い期間にわたって投与することができる。動物においては、指示される投与量範囲は、例えば、1~200MBqの90Yまたは177Luと複合体化した、0.1μg/kg~5mg/kgの本発明の化合物であってもよい。より大きい動物、例えば、ヒトにおいては、指示される投与量範囲は、例えば、10~400MBqの111Inまたは89Zrと複合体化した、0.1~100μg/kgの本発明の化合物である。より大きい動物、例えば、ヒトにおいては、指示される投与量範囲は、例えば、10~5000MBqの90Yまたは177Luと複合体化した、0.1~100μg/kgの本発明の化合物である。
さらなる態様では、本発明は、特に、本発明の化合物を含む組成物および医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の化合物と、必要に応じて、1つまたは複数の担体物質、賦形剤および/またはアジュバントとを含む。医薬組成物は、例えば、水、例えば、中性緩衝食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水などの緩衝剤、エタノール、鉱物油、植物油、ジメチルスルホキシド、例えば、グルコース、マンノース、スクロースもしくはデキストランなどの炭水化物、マンニトール、タンパク質、アジュバント、ポリペプチドもしくはグリシンなどのアミノ酸、抗酸化剤、EDTAもしくはグルタチオンなどのキレート剤および/または保存剤をさらに含んでもよい。さらに、必須ではないが、1つまたは複数の他の活性成分を、本発明の医薬組成物中に含有させてもよい。
本発明の医薬組成物を、例えば、経皮または眼、経口、頬、経鼻、経膣、直腸または非経口投与などの局所投与を含む、任意の適切な投与経路のために製剤化することができる。本明細書で使用される場合の用語「非経口」は、皮下、皮内、例えば、静脈内などの血管内、筋肉内、髄腔内および腹腔内注射、ならびに任意の同様の注射または輸注技術を含む。好ましい投与経路は、静脈内投与である。
本発明の実施形態では、放射性核種を含む本発明の化合物は、任意の従来の経路によって、特に、静脈内的に、例えば、注射可能な溶液または懸濁液の形態で投与される。また、本発明の化合物を、有利には、輸注、例えば、30~60minの輸注によって投与してもよい。
腫瘍の部位に応じて、本発明の化合物を、例えば、カテーテルを用いて、できるだけ腫瘍部位の近くで投与することができる。そのような投与を、腫瘍組織中に、または周囲組織中に、または求心性血管中に直接的に実行することができる。本発明の化合物を、用量、好ましくは、分割用量中で反復的に投与することもできる。
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、安定剤、例えば、本発明の化合物の自己放射線分解を阻害する、フリーラジカルスカベンジャーを含む。好適な安定剤としては、例えば、血清アルブミン、アスコルビン酸、レチノール、ゲンチシン酸もしくはその誘導体、または好ましくは、電解質およびグルコースを含まない、例えば、非経口タンパク質供給のために使用されるアミノ酸輸注溶液、例えば、Proteinsteril(登録商標)KE Nephroなどの商業的に利用可能なアミノ酸輸液が挙げられる。アスコルビン酸およびゲンチシン酸が好ましい。
本発明の医薬組成物は、さらなる添加剤、例えば、pHを7.2~7.4に調整するための薬剤、例えば、酢酸ナトリウムもしくはアンモニウムまたはNaHPOを含んでもよい。好ましくは、安定剤は、本発明の非放射活性化合物に添加され、放射性核種の導入、例えば、放射性核種との複合体化は、安定剤の存在下、室温で、または好ましくは、40~120℃の温度で実施される。複合体化は、空気を含まない条件下で、例えば、NまたはAr下で都合良く実施することができる。さらなる安定剤を、複合体化後に組成物に添加してもよい。
特に、エフェクターが放射性核種である場合、本発明の化合物の排出は、本質的には、腎臓を介して起こる。放射活性蓄積からの腎臓のさらなる保護を、特に、エフェクターが放射性核種である場合、本発明の化合物の注射の前またはそれと同時に、リシンもしくはアルギニンまたは高含量のリシンおよび/もしくはアルギニンを有するアミノ酸溶液、例えば、Synthamin(登録商標)-14もしくは-10などの商業的に利用可能なアミノ酸溶液の投与によって達成することができる。腎臓の保護を、アミノ酸輸注の代わりに、またはそれに加えて、例えば、ゲロフシンなどの血漿増量剤の投与によって達成することもできる。腎臓の保護を、排尿の速度を上昇させる強制利尿の手段を提供する利尿剤の投与によって達成することもできる。そのような利尿剤としては、高シーリングループ利尿剤、チアジド、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、カリウム保持性利尿剤、カルシウム保持性利尿剤、浸透圧利尿剤および低シーリング利尿剤が挙げられる。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物とは別に、腎臓保護、好ましくは本発明の化合物が投与される対象の腎臓保護を意図されるか、またはそれにとって好適な少なくとも1つのこれらのさらなる化合物を含有してもよい。
本発明の化合物が様々な方法における使用のために本明細書に開示されることが当業者によって理解されるであろう。本発明の組成物および本発明の医薬組成物を、前記の様々な方法において同等に使用することができることが当業者によってさらに理解されるであろう。また、本発明の組成物および医薬組成物が様々な方法における使用のために本明細書に開示されることも当業者によって理解されるであろう。本発明の化合物を前記の様々な方法において同等に使用することができることが当業者によって同様に理解されるであろう。
本発明の組成物および本発明の医薬組成物が、本発明の化合物に加えて1つまたは複数のさらなる化合物を含有することが当業者によって認識されるであろう。そのような1つまたは複数のさらなる化合物が、本発明の組成物および/または本発明の医薬組成物の一部であるとして本明細書に開示される程度で、そのような1つまたは複数のさらなる化合物を、本発明の化合物とは別々に、曝露される対象または本発明の方法の対象に投与することができることが理解されるであろう。1つまたは複数のさらなる化合物のそのような投与を、本発明の化合物の投与の前に、それと同時に、またはその後に実施することができる。また、本発明の方法において、本発明の化合物とは別に、1つまたは複数のさらなる化合物を対象に投与してもよいことが当業者によって認識されるであろう。1つまたは複数のさらなる化合物のそのような投与を、本発明の化合物の投与の前に、それと同時に、またはその後に実施することができる。そのような1つまたは複数のさらなる化合物が、本発明の方法の一部として投与されると本明細書に開示される程度で、そのような1つまたは複数のさらなる化合物が、本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物の一部であることが理解されるであろう。本発明の化合物および1つまたは複数のさらなる化合物を同じか、または異なる製剤中に含有させることができることは、本発明の範囲内にある。また、本発明の化合物および1つまたは複数のさらなる化合物は同じ製剤中に含有されないが、本発明の化合物を含む第1の製剤と、1つまたは複数のさらなる化合物を含む第2の製剤とを含有する同じパッケージ中に含有され、それによって、製剤の型が同じか、または異なっていてもよいことも本発明の範囲内にある。
1より多い型の本発明の化合物が、本発明の組成物および/または本発明の医薬組成物中に含有されることは本発明の範囲内にある。また、1より多い型の本発明の化合物が、本発明の方法において使用される、好ましくは、投与されることも本発明の範囲内にある。
本発明の組成物および本発明の医薬組成物を従来の様式で製造することができることが認識されるであろう。
放射性医薬品は、放射性崩壊の結果として、時間と共に減少する含量の放射活性を有する。放射性核種の物理的半減期は、放射性医薬品診断にとって短いことが多い。これらの場合、最終調製は、患者への投与の直前に行われなければならない。これは、特に、断層撮影のためのポジトロン放出放射性医薬品(PET放射性医薬品)についての場合である。それは、放射性核種生成装置、放射性前駆体およびキットなどの半製品の使用をもたらすことが多い。
好ましくは、本発明のキットは、本発明の1つまたは1つより多い化合物とは別に、典型的には、以下:使用のための使用説明書、最終調製物および/または品質対照、1つまたは複数の必要に応じた賦形剤、標識化手順のための1つまたは複数の必要に応じた試薬、必要に応じて、遮蔽容器を含む、または含まない1つまたは複数の放射性核種、および必要に応じて、デバイスが、標識付けデバイス、精製デバイス、分析デバイス、取り扱いデバイス、放射線保護デバイスまたは投与デバイスを含む群から選択される、1つまたは複数のデバイスのうちの少なくとも1つを含む。
放射性医薬品容器の一般的な取り扱いおよび輸送のための「銑鉄」として知られる遮蔽容器は、ボトル、バイアル、シリンジなどの放射性医薬品容器を保持するための様々な構成の形式がある。1つの形態は、保持された放射性医薬品溶液へのアクセスを可能にする取り外し可能なカバーを含むことが多い。銑鉄カバーが適所にある場合、放射線曝露は許容可能である。
標識付けデバイスは、開いた反応器、閉じた反応器、マイクロ流体システム、ナノ反応器、カートリッジ、圧力容器、バイアル、温度制御可能な反応器、混合または振とう反応器およびそれらの組合せの群から選択される。
精製デバイスは、好ましくは、イオン交換クロマトグラフィーカラムまたはデバイス、サイズ排除クロマトグラフィーカラムまたはデバイス、親和性クロマトグラフィーカラムまたはデバイス、ガスまたは液体クロマトグラフィーカラムまたはデバイス、固相抽出カラムまたはデバイス、濾過デバイス、遠心分離バイアルカラムまたはデバイスの群から選択される。
分析デバイスは、好ましくは、同一性、放射化学純度、放射性核種純度、放射活性の含量および放射標識化合物の特異的放射活性を決定するための検査デバイスの群から選択される。
取り扱いデバイスは、好ましくは、放射性医薬品を混合する、希釈する、分配する、標識する、注入する、および対象に投与するためのデバイスからなる群から選択される。
放射線保護デバイスは、治療用または診断用放射性核種を使用する場合に放射線から医師および他の個人を防御するために使用される。放射線保護デバイスは、好ましくは、アルミニウム、プラスチック、木材、鉛、鉄、鉛ガラス、水、ゴム、プラスチック、布からなる群から選択される放射線吸収材料の防御障壁を有するデバイス、放射線源からの十分な距離を確保するデバイス、放射性核種への曝露時間を減少させるデバイス、体内への放射性材料の吸入、摂取、または他の進入様式を制限するデバイスおよびこれらの手段の組合せを提供するデバイスからなる群から選択される。
投与デバイスは、好ましくは、シリンジ、防護シリンジ、針、ポンプ、および輸注デバイスの群から選択される。シリンジ防護は、一般的には、シリンジの円筒状本体を収容し、鉛または取り扱う人がシリンジプランジャーおよびシリンジ内の液体容量を見ることができる鉛ガラスウィンドウを含むタングステンから構成される、中空円筒構造である。
ここで本発明を以下の図面および実施例を参照してさらに説明する。これらの図面および実施例から、さらなる特徴、実施形態、および利点が得られる。
合成直後に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3407の放射クロマトグラムを示す図である。 合成の6日後に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3407の放射クロマトグラムを示す図である。 合成直後に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3554の放射クロマトグラムを示す図である。 合成の6日後に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3554の放射クロマトグラムを示す図である。 マウスモデルに注射した1時間後、3時間後、6時間後、および24時間後の111In-3BP-3407のSPECTイメージングによって決定した、腎、肝、血液プール、およびHEK-FAP腫瘍における組織1g当たりの注射用量のパーセンテージ(%ID/g)取込みを示す図である。 マウスモデルに注射した1時間後、3時間後、6時間後、および24時間後の111In-3BP-3554のSPECTイメージングによって決定した、腎、肝、血液プール、およびHEK-FAP腫瘍における%ID/g取込みを示す図である。 HEK-FAP腫瘍と共にマウスに注射した1時間後、3時間後、6時間後、24時間後、および48時間後の111In-3BP-3554のSPECTイメージを示す図である。 ヒト線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、ヒトジペプチジルペプチダーゼ4(DDP4)、およびヒトプロリルエンドペプチダーゼ(PREP)のアミノ酸配列を示す図である。 ビヒクル、非放射性化合物natLu-3BP-3554、30MBq(低線量)の177Lu-3BP-3554、および60MBq(高線量)の177Lu-3BP-3554で処置したHEK-FAP腫瘍を有するマウスにおける経時的な腫瘍成長を示す図である。 ビヒクル、非放射性化合物natLu-3BP-3554、30MBqの177Lu-3BP-3554、および60MBqの177Lu-3BP-3554で処置したHEK-FAP腫瘍を有するマウスにおける経時的な体重変化のパーセントを示す図である。 HEK-FAP腫瘍を有するマウスにおける60MBqの177Lu-3BP-3554の生体内分布の代表的な経時的SPECT/CTイメージを示す図である。 HEK-FAP腫瘍を有するマウスにおける30MBqの177Lu-3BP-3554の生体内分布の代表的な経時的SPECT/CTイメージを示す図である。 111In-3BP-3554の投与後3時間における4つの異なる肉腫PDXモデルの代表的なSPECT/CTイメージを示す図である。 注射後3時間での4つの異なる肉腫PDXモデルにおける111In-3BP-3554の%ID/g取込み量を示す図である。 ビヒクル、非放射性化合物natLu-3BP-3554、30MBqの177Lu-3BP-3554、または60MBqの177Lu-3BP-3554で処置した肉腫Sarc4809 PDX腫瘍を有するマウスにおける経時的な腫瘍成長を示す図である。 ビヒクル、非放射性化合物natLu-3BP-3554、30MBqの177Lu-3BP-3554、または60MBqの177Lu-3BP-3554で処置した肉腫Sarc4809 PDX腫瘍を有するマウスにおける経時的な体重変化を示す図である。
下記の実施例では、本開示の主題の代表的な実施形態を当業者が実行するためのガイダンスを提供するために含まれている。本開示および当技術分野のスキルの一般的なレベルを考慮して、下記の実施例は、例示的であることのみが意図されていること、ならびに本開示の主題の範囲から逸脱することなく多数の変化、改変、および変更を採用し得ることを、当業者は理解し得る。下記の合成の説明および具体例は、説明の目的が意図されたのみであり、他の方法により本開示の化合物を製造することをいかなる方法でも限定すると解釈されてはならない。
本出願および特に下記の実施例で使用される略語は、下記の通りである:
4PLは、4パラメーターロジスティック曲線フィッティングを意味する。
Åは、オングストロームを意味する。
ACNは、アセトニトリルを意味する。
Ahxは、6-アミノヘキサン酸を意味する。
AMCは、7-アミノ-4-メチルクマリンを意味する。
amuは、原子質量単位を意味する。
aq.は、水性を意味する。
AUCinfは、無限に外挿された曲線下の面積を意味する。
BSAは、ウシ血清アルブミンを意味する。
は、化合物の最初の濃度を意味する。
CAFは、がん関連線維芽細胞を意味する。
CLは、クリアランスを意味する。
CMは、ChemMatrix(商標)を意味する。
CTは、コンピュータ断層撮影を意味する。
Cy5は、シアニン-5を意味する。
DADは、ダイオードアレイ検出器を意味する。
DCMは、ジクロロメタンを意味する。
Ddeは、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)を意味する。
DEGは、ジエチレングリコールジメタクリレートを意味する。
DICは、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミドを意味する。
DICOMは、薬におけるデジタルイメージングおよびコミュニケーションを意味する。
DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンを意味する。
DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドを意味する。
DMSOは、ジメチルスルホキシドを意味する。
DOTAは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸を意味する。
DOTA(tBu)-OHは、トリ-tert-ブチル-1,4,7,10-テトラアザシクロ-ドデカン-1,4,7,10-テトラアセテートを意味する。
DPPは、ジペプチジルペプチダーゼを意味する。
ECは、電子捕捉を意味する。
EC50は、半分最大興奮濃度を意味する。
ECACCは、欧州認証細胞培養株保存機関(European Collection of Authenticated Cell Cultures)を意味する。
EDCは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを意味する。
EMEMは、イーグル最小必須培地を意味する。
eqまたはeq.は、当量を意味する。
ESIは、エレクトロスプレーイオン化を意味する。
EtOは、ジエチルエーテルを意味する。
EtOAcは、エチルアセテートを意味する。
FACSは、蛍光活性化細胞選別を意味する。
FAPは、線維芽細胞活性化タンパク質を意味する。
Fbは、バックグラウンド蛍光強度を意味する。
FBSは、ウシ胎仔血清を意味する。
FGF21は、線維芽細胞増殖因子21を意味する。
FITCは、5(6)-フルオレセインイソチオシアネートを意味する。
Fmocは、9-フルオレニルメトキシカルボニルを意味する。
FRETは、蛍光共鳴エネルギー移動を意味する。
Ftは、蛍光強度を意味する。
Gabは、ガンマ-アミノ酪酸を意味する。
GABAは、ガンマ-アミノ酪酸を意味する。
hは、時間を意味する。
HATUは、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する。
HBSTは、SPRランニング緩衝剤を意味する。
HEK-FAPは、ヒトFAPを発現するヒト胚腎臓293細胞を意味する。
HEPESは、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸を意味する。
HFIPは、ヘキサフルオロ-2-イソパノールを意味する。
HOAcは、酢酸を意味する。
HOAtは、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールを意味する。
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを意味する。
HPLC/MSは、高速液体クロマトグラフィー/質量分析を意味する。
IC50は、半分最大阻害濃度を意味する。
ID/gは、1グラム当たりの注射された用量を意味する。
ISは、核異性体転移を意味する。
iTLC-SGは、インスタント薄層クロマトグラフィー-シリカゲルを意味する。
K2EDTAは、エチレンジアミン四酢酸二カリウムを意味する。
は、解離定数を意味する。
kDaは、1000ダルトンを意味する。
は、阻害定数を意味する。
offは、解離速度を意味する。
onは、会合速度を意味する。
LC/TOF-MSは、液体クロマトグラフィー/飛行時間/質量分析を意味する。
LC-MSは、質量分析を伴う高速液体クロマトグラフィーを意味する。
LDHは、乳酸デヒドロゲナーゼを意味する。
Leuは、ロイシンを意味する。
LiOHは、水酸化リチウムを意味する。
Mは、モル濃度または1リットル当たりのmolを意味する。
m/zは、電荷で除算された質量を意味する。
max.は、最大を意味する。
MeOHは、メタノールを意味する。
MeVは、メガ電子ボルトを意味する。
minは、分を意味する。
MMPは、マトリックスメタロプロテイナーゼを意味する。
MRMは、多重反応モニタリングを意味する。
MTBEは、メチル-tert-ブチルエーテルを意味する。
Mttは、メチルトリチルを意味する。
MTVは、平均腫瘍体積を意味する。
MWは、分子量を意味する。
n.d.は、未決定を意味する。
NaSOは、硫酸ナトリウムを意味する。
NaClは、塩化ナトリウムを意味する。
NaHCOは、炭酸水素ナトリウムを意味する。
NCAは、ノンコンパートメント解析を意味する。
NHSは、N-ヒドロキシスクシンイミドを意味する。
NMPは、1-メチル-2-ピロリドンを意味する。
NOSは、特定不能を意味する。
Oicは、L-オクタヒドロインドール-2-カルボン酸を意味する。
p.a.は、分析目的用(品質グレード)を意味する。
p.i.は、注射後を意味する。
Pbfは、2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-スルホニルを意味する。
PBSは、リン酸緩衝食塩水を意味する。
PDXは、患者由来異種移植片を意味する。
PETは、ポジトロン放射断層撮影を意味する。
pIC50は、モル濃度に変換された場合のIC50値の負の対数を意味する。
POPは、プロリルオリゴペプチダーゼを意味する。
ppmは、100万分の1を意味する。
PREPは、プロリルエンドペプチダーゼを意味する。
prep.は、分取を意味する。
PSは、ポリスチレンを意味する。
Q-TOFは、四重極飛行時間を意味する。
Refは、参照を意味する。
RFUは、相対蛍光単位を意味する。
RLBは、放射性リガンド結合アッセイを意味する。
RMCEは、リコンビナーゼ媒介カセット交換を意味する。
RPは、逆相を意味する。
は、保持時間を意味する。
RTは、室温を意味する。
RUは、共鳴単位を意味する。
SARは、構造活性相関を意味する。
sat.は、飽和を意味する。
SCIDは、重症複合免疫不全症を意味する。
SCKは、シングルサイクルキネティクスを意味する。
secまたはsは、秒を意味する。
SFは、自発核分裂を意味する。
SPECTは、単一光子放出型コンピュータ断層撮影を意味する。
SPPSは、固相ペプチド合成を意味する。
1/2は、終末期半減期を意味する。
tBuは、tert.ブチルを意味する。
TFAは、トリフルオロアセテートまたはトリフルオロ酢酸を意味する。
TGは、TentaGelを意味する。
TGIは、腫瘍成長阻害を意味する。
THFは、テトラヒドロフランを意味する。
TIPSは、トリイソプロピルシランを意味する。
TLCは、薄層クロマトグラフィーを意味する。
TMEは、腫瘍微小環境を意味する。
は、保持時間を意味する。
UHPLCは、超高速液体クロマトグラフィーを意味する。
UVは、紫外を意味する。
ssは、定常状態での分布容積を意味する。
は、最終相での分布容積を意味する。
実施例1
材料および方法
材料および方法、ならびに一般的な方法を、下記の実施例によりさらに説明する。
溶媒:
溶媒を、さらに精製することなく指定の品質で使用した。アセトニトリル(Super Gradient、HPLC、VWR-分析目的用;PrepSolv,Merck-分取目的用);ジクロロメタン(合成、Roth);酢酸エチル(合成グレード、Roth);N,N-ジメチルホルムアミド(ペプチド合成グレード、Biosolve);1-メチル-2-ピロリドン(ペプチドグレード、IRIS BioTech)1,4-ジオキサン(reinst、Roth);メタノール(p.a.、Merck)。
水:Milli-Q Plus、Millipore、脱塩済。
化学物質:
化学物質を、文献の手順に従って合成したか、または文献の手順と同様に合成したが、またはSigma-Aldrich-Merck(Deisenhofen,Germany)、Bachem(Bubendorf,Switzerland)、VWR(Darmstadt,Germany)、Novabiochem(Merck Group,Darmstadt,Germany)、Acros Organics(販売会社Fisher Scientific GmbH,Schwerte,Germany)、Iris Biotech(Marktredwitz,Germany)、Amatek Chemical(Jiangsu,China)、Roth(Karlsruhe,Deutschland)、Molecular Devices(Chicago,USA)、Biochrom(Berlin,Germany)、Peptech(Cambridge,MA,USA)、Synthetech(Albany,OR,USA)、Pharmacore(High Point,NC,USA)、PCAS Biomatrix Inc(Saint-Jean-sur-Richelieu,Quebec,Canada)、Alfa Aesar(Karlsruhe,Germany)、Tianjin Nankai Hecheng S&T Co.,Ltd(Tianjin,China)、CheMatech(Dijon,France)、およびAnaspec(San Jose,CA,USA)、もしくは他の会社から購入し、さらに精製することなく指定の品質で使用した。
細胞:
HT29(ECACCカタログ番号91072201)およびWI-38(ECACCカタログ番号90020107)をECACCから購入し、ヒトFAPを発現するHEK293細胞(Q12884)を、リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)を使用してInSCREENeX GmbH(Braunschweig,Germany)により製造した。RMCEの手順は、Nehlsen他(Nehlsen,et al.,BMC Biotechnol,2009,9:100)により説明されている。
HPLC/MS分析
HPLC/MS分析を、試料の溶液5μlを注入し、全てのクロマトグラムに関して2段階勾配(12分で5から65%B、続いて0.5分で65から90%、A:水中の0.1% TFA、およびB:ACN中の0.1% TFA)を使用することにより実施した。RPカラムは、Agilent(Type Poroshell 120、2.7μm、EC-C18、50×3.00mm、流量0.8ml、室温でHPLC)製であり;質量分析計:Agilent 6230 LC/TOF-MS、ESIイオン化。MassHunter Qualitative Analysis B.07.00 SP2を、ソフトウェアとして使用した。λ=230nmでUV検出を行った。保持時間(R)は10進法で示され(例えば、1.9分=1分54秒)、UV分光計での検出を指している。観察された化合物の質量の評価のために、「Find Compounds by Formula」機能を使用した。具体的には、個々の「化合物の中性質量(単位:ダルトン)」値と、対応する同位体分布パターンとを使用して、化合物の同一性を確認した。質量分析計の精度は、約±5ppmであった。
分取HPLC:
固定相として逆相カラム(Phenomenex製のKinetex 5μ XB-C18 100Å、150×30mm、またはRLRP-S 8μ、100Å、150×25mm)を使用して、分取HPLC分離を行った。移動相として、水中の0.1% TFA(A)およびACN中の0.1% TFA(B)を使用し、これらを線形バイナリ勾配(linear binary gradient)で混合した。この勾配は「30分で10から40%」と説明されており、これは、10%B(および対応する90%A)から40%B(および対応する60%A)の線形勾配を30分以内に実行したことを意味する。流速は、30~50ml/分の範囲内であった。本発明の化合物の精製のための典型的な勾配は、5~25%Bで始まり、30~50%Bで30分後に終了し、終了時と開始時との間のBのパーセンテージの差違は、少なくとも10%であった。一般に使用される勾配は、「30分で15から40%B」であった。
自動化/半自動化固相合成の一般的な手順:
ペプチドおよびポリアミドの自動化固相を、50μmolおよび100μmolのスケールで、Tetras Peptide Synthesizer(Advanced ChemTech)により実施した。手動の工程を、フリットを備えたプラスチック製シリンジ(材質PE、Roland Vetter Laborbedarf OHG,Ammerbuch,Germany)中で実施した。説明されているプロトコールでの試薬の量は、別途述べない限り、100μmolスケールに対応している。
固相合成を、ポリスチレン(1,4-ジビニルベンゼン(PS)またはジ(エチレングリコール)ジメタクリレート(DEG)と架橋をしている)樹脂、ChemMatrix(CM)樹脂、またはTentaGel(TG)樹脂で実施した。樹脂リンカーは、トリチル、wang、およびリンクアミドであった。
樹脂充填:
トリチルリンカーの場合には、第1のビルディングブロックの付着(樹脂充填)を、下記のように実施した。樹脂(ポリスチレン(PS)トリチルクロリド、最初の充填量:1.8mmol/g)を、30分にわたりDCM(5ml)中で膨潤させ、続いてDCM(3ml、1分)で洗浄した。次いで、この樹脂を、1時間にわたり、対応するビルディングブロック(0.5mmol、5eq.)と、DCM(4ml)中のDIPEA(350μl、3.5mmol、35eq.)との混合物で処理した。その後、樹脂をメタノール(5ml、5分)およびDMF(3ml、2回×1分)で洗浄した。
Wangリンカーの場合には、予め充填された樹脂(ポリスチレン(PS)およびTentaGel(TG))を用いた。
リンクアミドリンカーの場合には、第1の残留物の樹脂(CM、DEG)への付着を、下記で説明する鎖構築の場合と同一の手順により実施した。
Alloc/アリル脱保護:
DMF中での膨潤後、樹脂をDMFおよびDCMで洗浄した。撹拌した溶媒に窒素のストリームを通すことにより、DCMを脱酸素化した。酸素フリー溶媒を使用して、樹脂を2回(trice)洗浄した。次いで、この樹脂に、酸素フリーDCM中のバルビツール酸の2M溶液 2mlと、酸素フリーDCM中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジム(0)の25μM溶液 1mlとを添加した。この樹脂を1時間にわたり撹拌し、次いで、DCM、MeOH、DMF、DMF中の5% DIPEA、DMF中の5% ジチオカルバメート、DMF、およびDCMで洗浄した(各洗浄工程を、3ml、1分で3回繰り返した)。
Fmoc脱保護:
DMF中での膨潤後、樹脂をDMFで洗浄し、次いでピペリジン/DMF(1:4、3ml、2および20分)で処理し、続いてDMF(3ml、5回×1分)で洗浄した。
Dde脱保護:
DMF中での膨潤後、樹脂をDMFで洗浄し、次いでヒドラジン水和物/DMF(2/98、3ml、2回×10分)で処理し、続いてDMF(3ml、5回×1分)で洗浄した。
Mtt脱保護:
DCM中での膨潤後、樹脂をDCMで洗浄し、次いでHFIP/DCM(7/3、4~6ml、4時間)で処理し、続いてDCM(3ml、3回×1分)、DMF(3ml、3回×1ml)、およびDIPEA(DMF中に0.9M、3ml、1分)で洗浄した。
試薬の溶液:
ビルディングブロック(DMFまたはNMP中に0.3M)、DIPEA(DMF中に0.9M)、HATU(DMF中に0.4M)、無水酢酸(DMF中に0.75M)
カップリング:ビルディングブロック/アミノ酸のカップリング(鎖構築):
別途述べない限り、ビルディングブロックのカップリングを、下記のように実施した:対応するビルディングブロック(1.7mL、5eq.)の溶液、DIPEA溶液(1.15ml、10eq.)、およびHATU溶液(1.25ml、5eq.)のその後の添加後、樹脂を45分にわたり振盪した。必要に応じて、この樹脂をDMF(3ml、1分)で洗浄し、このカップリング工程を繰り返した。
末端アセチル化:
DIPEA溶液(1.75ml、16eq.)および無水酢酸溶液(1.75ml、13eq.)の添加後、樹脂を10分にわたり振盪した。その後、この樹脂をDMF(3ml、6回×1分)で洗浄した。
開裂方法A:高酸不安定性樹脂からの保護された断片の開裂:
配列の構築の完了後、樹脂を最後にDCM(3ml、4回×1分)で洗浄し、次いで真空中で乾燥させた。次いで、この樹脂をHFIP/DCM(7/1、4ml、4時間)で処理し、回収した溶液を蒸発乾固させた。残留物を、分取HPLCで精製したか、またはさらに精製することなく使用した。
開裂方法B:保護されていない断片の開裂(完全な樹脂開裂):
配列の構築の完了後、樹脂を最後にDCM(3ml、4回×1分)で洗浄し、一晩真空中で乾燥させ、(別途述べない限り)2時間にわたりTFA、EDT、水、およびTIPS(94/2.5/2.5/1)で処理した。その後、この開裂溶液を、MTBEとシクロヘキサンとの冷混合物(1/1、開裂溶液の体積に対して10倍過剰)に注ぎ、5分にわたり4℃で遠心分離し、沈殿物を回収して真空中で乾燥させた。残留物を、水/アセトニトリルから凍結乾燥させた後、精製またはさらなる改変を行った。
開裂方法C:溶液中でのペプチドの保護基の開裂
保護された/部分的に保護された化合物を、(別途述べない限り)2時間にわたり、THF、水、およびTIPS(95/2.5/2.5)に溶解させた。その後、この開裂溶液を、MTBEとシクロヘキサンとの冷混合物(1/1、開裂溶液の体積に対して10倍過剰)に注ぎ、5分にわたり4℃で遠心分離し、沈殿物を回収して真空中で乾燥させた。残留物を、水/アセトニトリルから凍結乾燥させた後、精製またはさらなる改変を行った。
より適切なFmoc固相ペプチド合成方法は、“Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis”Editors W.Chan,P.White,Oxford University Press,USA,2000で詳細に説明されている。化合物を、必要に応じてMestreNovaバージョン12 Mnova IUPAC Nameプラグイン(Mestrelab Research,S.L.)またはAutoNomバージョン2.2(Beilstein Informationssysteme Copyright(登録商標)1988-1998,Beilstein Institut fuer Literatur der Organischen Chemie licensed to Beilstein Chemiedaten and Software GmbHを使用して命名した。
化合物の調製:
本発明の化合物の調製の具体的な実施形態は、下記の実施例で提供される。別途指定されない限り、全ての出発材料および試薬は、標準的な商用グレードであり且つさらに精製することなく使用されるか、または通常の方法により、そのような材料から容易に調製される。有機合成の当業者は、本発明により包含される化合物を製造するために用いられる追加の工程を含む出発材料および反応条件を変更し得ることを、本開示を考慮して認識するだろう。
本発明の化合物の一般的な合成経路の1つは、下記を含む:
1.2個のチオール部分を有する線形ペプチド前駆体の固相ペプチド合成(SPPS)。
2.下記による、この線形ペプチド前駆体のチオール部位特異的環化
a.ビス(ブロモメチル)ベンゼン誘導体
または
b.トリス(ブロモメチル)ベンゼン誘導体。
3.トリス(ブロモメチル)ベンゼン誘導体による環化の場合には、この環化反応で形成された中間体と、キレート剤の付着を可能にするリンカーとをさらに反応させた。
実施例2
Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)の合成
標題化合物の合成は、最初に固相上で線状ペプチド先駆体を合成し、続いて液相で環化する方法(実施例2a、非水溶液中(方法A)もしくは水溶液中(方法B))、またはその代わりに固相環化を含む全てのステップを固相上で実施する方法(実施例2b)によって実施した。
実施例2a
択一的な2つの環化法による溶液中での合成
「自動化/半自動化固相合成の一般的手順」に記載したように、Fmoc-Cys(Trt)-OHを50μモルのスケールでトリチル樹脂上に充填した。この樹脂上に、配列(Hex-Cys-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys-OH)のペプチドを、「自動化/半自動化固相合成の一般的な手順」に従って構築した。「開裂方法B」の工程を実施した後、粗ペプチドを凍結乾燥し、択一的な2つの方法によって溶液中で環化した。
環化方法A:
粗ペプチド(50μmol樹脂充填量をベースとする)を、エタノールとアセトニトリルとの1:1混合物 10mlに溶解させた。この混合物に、最初にDIPEA 35μlを添加し、次いで1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン 23.7mg(66.6μmol、最初の樹脂充填量に対して1.3eq)を添加した。この溶液を1時間にわたり撹拌し、次いでシステアミン 42.8mg(555μmol、最初の樹脂充填量に対して11eq)を添加した。1時間後、溶媒を真空中で除去し、アセトニトリルと水との1:1混合物 25ml(TFA 50μlを含む)を添加した。凍結乾燥により溶媒を除去した。残留物をHPLC精製(30分で15から45%B-Kinetex)に供して、中間体Hex-[Cys(tMeBn(H-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH 17.8mg(16.4μmol)(32.8%)を得た。
環化方法B:
粗ペプチド(50μmol樹脂充填量をベースとする)を、炭酸水素アンモニウム溶液(50mM、pH=8.5)とアセトニトリルとの1:1混合物 60mlに溶解させた。この混合物に、1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン 26.8mg(75μmol、最初の樹脂充填量に対して1.5eq)のアセトニトリル0.5ml溶液を添加した。この溶液を1時間にわたり撹拌し、次いでシステアミン 38.6mg(500μmol、最初の樹脂充填量に対して10eq)を添加した。2時間後、TFA 50μlを添加し、凍結乾燥により溶媒を除去した。残りをHPLC精製(30分で15から45%B-Kinetex)に供し、19.47mg(18μモル)の中間体Hex-[Cys(tMeBn(H-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(35.9%)を得た。
両方の環化法は同様に機能し、同程度の収率および同様の純度が達成された。
300μlのDMSO中の(本実施例では環化法Bによって得られた)中間体Hex-[Cys(tMeBn(H-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OHの溶液に、5μlのDIPEAを加えて、pH値をほぼ7.5~8に調節した。次いで200μlのDMSO中の20.5mgのDOTA-NHS(27μモル、ペプチド中間体に対して1.5当量)を加えた。LC/TOF-MSによって監視している反応の経過の間に、5μlのDIPEAを3回加えて、pH値を出発時の値に再調節した。反応の完了後、溶液をHPLC精製(30分で15から45%B-Kinetex)に供し、20.44mgの純粋な標題化合物を得た(全収率27.8%)。HPLC:R=5.9分。LC/TOF-MS:正確な質量1469.640(計算値1469.639)。C67991318(MW=1470.780)。
実施例2b
固相環化法を含む合成
樹脂が結合した表題の化合物の合成のために、出発材料としてFmoc-Cys(Trt)-WANG Tentagel樹脂を使用した。この樹脂上に、配列(Hex-Cys(Trt)-Pro-Pro-Thr(tBu)-Gln(Trt)-Phe-Cys-OH)のペプチドを、1mmolスケールで、「自動化/半自動化固相合成の一般的な手順」に従って構築した。配列構築の完了後に、この樹脂をDCM(3回×1分)で洗浄した。次いで、TFA、TIPS、およびDCM(5/5/90、5×5分)の溶液を用いる処理によって、トリチル保護基をレジンから選択的に除去した。この樹脂を、DCM、DMF、DMF中の0.9M DIPEA、DMF、DCM(3/3/2/3/3)で洗浄し、真空中で乾燥させた。下記の環化を、200μmol部で実施した。このために、この樹脂をDMF中で膨潤させ、次いで、90分にわたり50℃で、DMF 2mL中の1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン(86mg、240μmol、1.2eq)、DIPEA(235μL、1mmol、5eq)の溶液で処理した。この溶液を除去し、樹脂をDMFで洗浄し、次いで、この樹脂にシステアミンの溶液(154.3mg、2mmol、10eq)を添加した。この樹脂を、50℃でさらに90分にわたり撹拌した。この樹脂のDMFおよびDCM(3/3)による洗浄の後、ペプチド樹脂(Hex-[Cys(tMeBn(H-AET))-Pro-Pro-Thr(tBu)-Gln(Trt)-Phe-Cys]-O-WANG-Tentagel)を乾燥させた。この手順により、グルタミンでのトリチル基が部分的かまたは完全に脱保護されることが起こる場合がある。いずれの場合でも、このことは、AETの遊離アミノ基の必要に応じた誘導体化を妨げない。
DOTAによる最終の誘導体化のために、ペプチドレジン(Hex-[Cys(tMeBn(H-AET))-Pro-Pro-Thr(tBu)-Gln(Trt)-Phe-Cys]-O-WANG-Tentagel)を50μモルのスケールで使用した。「自動化/半自動化固相合成の一般的手順」に従って、DOTA(tBu)-OHをカップリングした。乾燥後、レジンを「開裂方法B」に供した。粗ペプチドを凍結乾燥し、続いて調製用HPLC(30分で15から45%B-Kinetex)によって精製して、11.0mg(7.5μモル)の純粋な標題化合物を得た(15%)。HPLC:R=5.9分。LC/TOF-MS:正確な質量1469.640(計算値1469.639)。C67991318(MW=1470.780)。
実施例3
Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3407)の合成
a)2種の異なる環化方法による中間体Hex-[Cys(tMeBn(H-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NHの合成
配列(Hex-Cys-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys-Asp-NH)のペプチドを、Rinkアミド樹脂により、50μmolスケールで、「自動化/半自動化固相合成の一般的な手順」に従って構築した。「開裂方法B」の工程を実施した後、粗ペプチドを凍結乾燥させ、2種の代替方法により環化させた。
環化方法A:
粗ペプチド(50μmol樹脂充填量をベースとする)を、エタノールとアセトニトリルとの1:1混合物 10mlに溶解させた。この混合物に、最初にDIPEA 30μlを添加し、次いで1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン 26.8mg(75μmol、最初の樹脂充填量に対して1.5eq)を添加した。この溶液を45分にわたり撹拌した後、エタノール/アセトニトリルの1:1混合物 200μl中のピペラジン 43mg(500μmol、最初の樹脂充填量に対して10eq)の溶液を添加した。1時間後、溶媒を真空中で除去し、アセトニトリルと水との1:1混合物 25ml(TFA 50μlを含む)を添加し、凍結乾燥により溶媒を除去した。残留物をHPLC精製(30分で15から40%B-Kinetex)に供して、ペプチド中間体Hex-Cys(tMeBn(H-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH 15.3mg(12.7μmol)(25.3%)を得た。
環化方法B:
粗ペプチド(50μmol樹脂充填量をベースとする)を、炭酸水素アンモニウム溶液(50mM、pH=8.5)とアセトニトリルとの1:1混合物 60mlに溶解させた。この混合物に、1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン 26.8mg(75μmol、最初の樹脂充填量に対して1.5eq)を添加した。この溶液を1時間にわたり撹拌し、ピペラジン 43mg(500μmol、最初の樹脂充填量に対して10eq)を添加した。6時間後、TFA 100μlを添加し、凍結乾燥により溶媒を除去した。残留物をHPLC精製(30分で15から40%B-Kinetex)に供して、ペプチド中間体Hex-Cys(tMeBn(H-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH 17.2mg(14.2μmol)(28.4%)を得た。
両方の環化方法の性能は類似しており、同等の収率および同等の純度が達成される。
b)Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3407)の合成の最終工程:DOTAカップリングおよび精製
DMSO 200μl中の中間体(環化方法Bにより得た)の溶液にDIPEA 2.5μlを添加して、pH値を約7.5~8に調整した。次いで、DMSO 100μl中のDOTA-NHS 16.3mg(21.4μmol、ペプチド中間体に対して1.5eq.)を添加した。LC/TOF-MSによりモニタリングする反応の経過中にDIPEA 2.5μlを5回添加して、pH値を開始時の値に再調整した。反応完了後に、溶液をHPLC精製(30分で15から40%B-Kinetex)に供して、純粋な表題の化合物 19.1mg(12.0μmol)(85%)を得た。HPLC:R=5.70分.LC/TOF-MS:正確な質量1592.737(計算値1592.737).C731081620(MW=1593.866)。
実施例4
本発明の化合物のDOTA-遷移金属複合体の調製
A.複合体を形成していないDOTAを含む対応するペプチドからの、DOTA-遷移金属複合体を含むペプチドの調製の一般的な手順
・ 0.4M 酢酸ナトリウム、pH=5(緩衝剤A)(CU(II)、Zn(II)、In(III)、Lu(III)、もしくはGa(III)複合体の場合)中か
または
・ 0.1M 酢酸アンモニウム、pH=8(緩衝剤B)(Eu(III)複合体の場合)中の
複合体を形成していないDOTAで構成されているペプチドの0.1mM溶液を、水中の対応する金属塩の0.1mM溶液で希釈し、それによりペプチド対金属のモル比を1:3に調整した。この溶液を、
・ 20分にわたり50℃(本明細書では条件Aとも称される)(In(III)、Lu(III)、Ga(III)、Zn(II)、もしくはCu(II)複合体の場合)で撹拌したか、
または
・ 一晩室温(本明細書では条件Bとも称される)(Eu(III)複合体の場合)
で撹拌した。
次いで、この溶液を、
・ HPLC精製(本明細書では精製Aとも称される)に適用したか、
または
・ 固相抽出(本明細書では精製Bとも称される)に適用した。
固相抽出の場合には、Varian Bondesil-ENV 250mgを15mlポリスチレンシリンジに入れ、メタノール(1回×5ml)および水(2回×5ml)で予め洗浄した。次いで、このカラムに反応溶液をアプライした。その後、水(2回×5ml-過剰な塩を除去するため)、最初の画分としての水中の50% ACN 5mlで溶出を実施し、次の画分のそれぞれを、0.1% TFAを含む水中の50% ACN 5mlで溶出させた。
いずれの場合(HPLC精製または固相抽出)においても、純粋な生成物を含む画分をプールして凍結乾燥させた。
B.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3590)のインジウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3407 25mg(15.7μmol)から出発して調製し、InCl×4HOの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製A」を用いて(30分で15から40%B-RLRP-S)、純粋な表題の化合物 18.24mg(収率68.1%)を得た。HPLC:R=5.6分.LC/TOF-MS:正確な質量1702.622(計算値1702.617).C73105InN1620(MW=1705.663)。
C.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3592)のガリウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3407 25mg(15.7μmol)から出発して調製し、Ga(NO×HOの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製A」を用いて(30分で15から40%B-RLRP-S)、純粋な表題の化合物 16.78mg(収率69.3%)を得た。HPLC:R=5.7分.LC/TOF-MS:正確な質量1658.664(計算値1658.639).C73105GaN1620(MW=1660.568)。
D.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3591)のルテチウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3407 25mg(15.7μmol)から出発して調製し、LuClの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製A」を用いて(30分で15から40%B-RLRP-S)、純粋な表題の化合物 16.66mg(収率60.1%)を得た。HPLC:R=5.6分.LC/TOF-MS:正確な質量1764.654(計算値1764.654).C73105LuN1620(MW=1765.812)。
E.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH(3BP-3661)のユーロピウム複合体
この複合体を、緩衝剤Bに溶解させたペプチド3BP-3407 9.5mg(6μmol)から出発して調製し、EuCl×6HOの溶液で希釈し、条件Bで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 8.24mg(収率79.3%)を得た。HPLC:R=5.7分.LC/TOF-MS:正確な質量1740.636(計算値1740.633).C73105EuN1620(MW=1742.809)。
F.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-3623)のインジウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3554 6mg(4.1μmol)から出発して調製し、InCl×4HOの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 5.26mg(収率81%)を得た。HPLC:R=5.8分.LC/TOF-MS:正確な質量1579.524(計算値1579.520).C6796InN1318(MW=1582.574)。
G.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-3624)のルテチウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3554 6mg(4.1μmol)から出発して調製し、LuClの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 5.5mg(収率82%)を得た。HPLC:R=5.9分.LC/TOF-MS:正確な質量1641.560(計算値1641.557).C6796LuN1318(MW=1642.723)。
H.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-3949)のガリウム複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3554 7.9mg(5.4μmol)から出発して調製し、Ga(NO×HOの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 4.2mg(収率51%)を得た。HPLC:R=6.6分.LC/TOF-MS:正確な質量1535.543(計算値1535.541).C6796GaN1318(MW=1537.479)。
I.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-3662)のユーロピウム複合体
この複合体を、緩衝剤Bに溶解させたペプチド3BP-3554 3.4mg(2.3μmol)から出発して調製し、EuCl×6HOの溶液で希釈し、条件Bで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 3.1mg(収率83%)を得た。HPLC:R=5.9分.LC/TOF-MS:正確な質量1617.541(計算値1617.536).C6796EuN1318(MW=1619.721)。
J.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-4293)の銅(II)複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3554 18mg(12.2μmol)から出発して調製し、Cu(OAc)の溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 16.5mg(収率88%)を得た。HPLC:R=6.5分.LC/TOF-MS:正確な質量1530.553(計算値1530.553).C6797CuN1318(MW=1532.310)。
K.Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH(3BP-4343)の亜鉛複合体
この複合体を、緩衝剤Aに溶解させたペプチド3BP-3554 20mg(13.6μmol)から出発して調製し、ZnClの溶液で希釈し、条件Aで処理した。精製工程では、「精製B」を用いて、純粋な表題の化合物 16.1mg(収率77%)を得た。HPLC:R=6.4分.LC/TOF-MS:正確な質量1531.553(計算値1531.553).C67971318Zn(MW=1534.160)。
実施例5
血漿安定性アッセイ
ヒトおよびマウスの血漿中での本発明の選択された化合物の安定性を決定するために、血漿安定性アッセイを実行した。そのような血漿安定性アッセイにより、血漿中での本発明の化合物の分解が測定される。これは化合物の重要な特徴である。プロドラッグを除き、血漿中で急速に分解される化合物は一般にはin vivoでの低い有効性を示すからである。この結果は、これらの化合物は、ヒトおよびマウスの血漿中で非常に安定していることを示す。この安定性は、本発明に係るこれらの化合物の診断的使用、治療的使用、および診断治療的使用に十分である。
血漿安定性試料を、血漿アリコート(全てK2EDTA)50μlとDMSO中の0.5mM 化合物ストック溶液 1μlとを混合することにより調製した。ボルテックスした後、試料を、0、4、および24時間にわたり37℃にてThermomixer中でインキュベートした。インキュベーション後、試料を、さらなる処理までに氷上で保存した。全ての試料を二重に調製した。
各試料に適切な内部標準を添加した(DMSO中の0.5mM ストック溶液 1μl)。表5に示されている化合物条件に応じて、下記の2種の異なる方法を使用してタンパク質の沈殿を実施した。
A)1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル 250μlを添加した。30分にわたる室温でのインキュベーション後、遠心分離により沈殿物を分離し、上清 150μlを、1%水性ギ酸 150μlで希釈した。
B)78% 0.1M 硫酸亜鉛と22% アセトニトリルとを含む硫酸亜鉛沈殿剤 150μlを添加した。30分にわたる室温でのインキュベーション後、遠心分離により沈殿物を分離した。化合物が遊離DOTA部分を含む場合には、上清 100μlに1% ギ酸 10μlを添加し、続いて10分にわたり60℃でさらにインキュベートして、亜鉛キレートの形成を完了させた。
クリーン試料溶液中での分析物の決定を、Agilent 6530 Q-TOF質量分析計と組み合わされたAgilent 1290 UHPLCシステムで実施した。クロマトグラフィー分離を、溶出剤Aとしての水中の0.1% ギ酸と溶出剤Bとしてのアセトニトリルとの混合物を使用する勾配溶出(7分で2%Bから41%へ、800μl/分、40℃)により、Phenomenex BioZen XB-C18 HPLCカラム(50×2mm、粒径1.7μm)で実行した。質量分析検出を、2/秒のサンプリング速度でm/z 50~3000の質量範囲を走査することにより、陽イオンESIモードで実施した。
質量分析の生データから、化合物と内部標準との両方に関して、二重または三重の荷電モノアイソトピックシグナルのイオン電流を抽出した。
積分された分析物シグナルを使用する、内部標準による外部マトリックス較正によって、定量を実施した。
加えて、ある特定の量の化合物による処理後に、内部標準のみを含む純粋な血漿試料を添加することにより、回収率を決定した。
最高較正試料後のブランク試料(20% アセトニトリル)の分析により、キャリーオーバーを評価した。
本発明に係る化合物の内の一部に対して実施したこのアッセイの結果を、下記の表5に示す。結果を、「24時間後に残存する無傷の化合物の%」として示し、この実験の開始時の物質量から、LC-MS定量により、示された割合がこの実験の終了時に無変化の物質として検出されることを意味する。全ての化合物は少なくとも24時間後に50%超が無傷であることから、これらの化合物は、診断および治療への応用に十分な安定性があると考えられる。
Figure 2022541753000058
実施例6
FACS結合アッセイ
FAP発現細胞への本発明に係る化合物の結合を決定するために、競合的FACS結合アッセイを確立した。
FAP発現ヒトWI-38線維芽細胞(FCACC)を、15% ウシ胎仔血清、2mM L-グルタミン、および1% 非必須アミノ酸を含むEMEMで培養した。細胞をAccutase(Biolegend,#BLD-423201)で剥離させ、FACS緩衝剤(1% FBSを含むPBS)で洗浄した。細胞を、1ml当たり100,000個の細胞の最終濃度までFACS緩衝剤で希釈し、細胞懸濁液 200μlを、U字型の非結合96ウェルプレート(Greiner)に移した。細胞を氷冷FACS緩衝剤で洗浄し、1時間にわたり4℃で、ペプチドの濃度を上昇させつつ3nMのCy5標識化合物(H-Met-[Cys(3MeBn)-Pro-Pro-Thr-Glu-Phe-Cys]-Asp-His-Phe-Arg-Asp-Ttds-Lys(Cy5SO3)-NH2)と共にインキュベートした。細胞をFSCS緩衝剤で2回洗浄し、FACS緩衝剤 200μlに再懸濁させた。細胞を、Attune NxTフローサイトロメータで分析した。蛍光強度の中央値(Cy5チャネル)をAttune NxTソフトウェアにより算出し、ペプチド濃度に対してプロットした。4パラメーターロジスティック(4PL)曲線フィッティングおよびpIC50の算出を、ActivityBaseソフトウェアを使用して実施した。本発明に係る各化合物に関するこのアッセイの結果および実施例7の対象となるFAPプロテアーゼ活性アッセイの結果を、(実施例7に示す)表6に示す。pIC50カテゴリーAは8.0超のpIC50値を表し、カテゴリーBは7.1~8.0のpIC50値を表し、カテゴリーCは6.1~7.0のpIC50値を表し、カテゴリーDは6.0以下のpIC50値を表す。
実施例7
FAPプロテアーゼ活性アッセイ
実施例6のペプチドの阻害活性を決定するために、FRETベースのFAPプロテアーゼ活性アッセイを確立した。
組換えヒトFAP(R&D systems,#3715-SE)を、アッセイ緩衝剤(50mM Tris、1M NaCl、1mg/mL BSA、pH7.5)で、3.6nMの濃度まで希釈した。このFAP溶液 25μlと、試験化合物の3倍連続希釈液 25μlとを混合し、白色96ウェルProxiPlate(Perkin Elmer)中で5分にわたりインキュベートした。特異的FAP基質として、FRET-ペプチドHiLyteFluor(商標)488-VS(D-)P SQG K(QXL(登録商標)520)-NH2を使用した(Bainbridge,et al.,Sci Rep,2017,7:12524)。アッセイ緩衝剤で希釈した30μM基質溶液 25μlを添加した。全ての溶液を、使用前に37℃で平衡化した。基質の開裂および蛍光(485nmでの励起および538nmでの発光)の増加を、SPECTRAmax M5プレートリーダーで37℃にて5分にわたりキネティックモードで測定した。RFU/秒を、SoftMax Proソフトウェアにより算出してペプチド濃度に対してプロットした。4パラメーターロジスティック(4PL)曲線フィッティングおよびpIC50の算出を、ActivityBaseソフトウェアを使用して実施した。本発明に係る各化合物に関するこのアッセイの結果を、表6に示す(実施例6)。pIC50カテゴリーAは、8.0超のpIC50値を示し、カテゴリーBは7.1~8.0のpIC50値を表し、カテゴリーCは6.1~7.0のpIC50値を表し、カテゴリーDは6.0以下のpIC50値を表す。
表6から明らかなように、本発明の化合物は、FACS結合アッセイおよびFAPプロテアーゼ活性アッセイの両方において、驚くべきことに優れた結果を示す。
Figure 2022541753000059
Figure 2022541753000060
実施例8
表面プラズモン共鳴アッセイ
表面プラズモン共鳴研究を、Biacore(商標)T200 SPRシステムを使用して実施した。簡潔に説明すると、偏光を金標識センサー表面に向けて照射し、最小強度の反射光を検出する。反射光の角度は、分子が結合して解離することにより変化する。この金標識センサー表面には、FAP標的タンパク質を有するFAP抗体が担持されており、それにより、抗体結合は、FAPの基質結合部位では起こらない。この担持表面と試験化合物とを接触させ、FAPリガンドとのリアルアイムの相互作用プロファイルをセンサーグラムで記録する。リアルタイムで、結合相互作用の会合および解離を測定し、会合および解離の速度定数ならびに対応する親和性定数を算出し得る。重要なことに、ランニング緩衝剤と試料緩衝剤との屈折率の差違およびフローセル表面への試験化合物の非特異的な結合に起因して、バックグラウンド反応が生じる。このバックグラウンドを、固定されたFAPの非存在下で同密度の捕捉抗体がコーティングされた対照フローセル上で試料を流すことにより測定し減算する。さらに、固定された抗体からの捕捉されたFAPの緩やかな解離により生じる、この結合データのベースラインドリフト補正を実施する。このドリフトを、抗体およびFAPがセンサー表面に固定されたフロ-セルに通してランニング緩衝剤を注入することにより測定する。
Biacore(商標)CM5センサーチップを使用した。ヒト抗FAP抗体(MAB3715,R&D systems)を、10mM 酢酸緩衝剤pH4.5で50μg/mlの最終濃度まで希釈した。150μLのアリコートをプラスチックバイアルに移し、Biacore(商標)T200機器の試料ラックに入れた。下記のAmine Coupling Kit Reagent溶液をプラスチックバイアルに移し、試料ラックに入れた:0.4M 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC) 90μLおよび0.1M N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS) 90μL。1M エタノールアミン-HCl、pH8.5の130μLのアリコートをプラスチックバイアルに移し、試料ラックに入れた。Biacore(商標)液体システムを、下記のように設定した:蒸留水(1L)、ランニング緩衝剤(500mL)が入った別個のボトル、および廃棄物用の空のボトルを、緩衝剤トレイに置いた。固定化のためのプレインストールプログラムを使用し、固定化レベルは7000RUであった。固定化を、25℃で実施した。抗FAP抗体の固定化手順を、表7で説明されているように実施した。
Figure 2022541753000061
ヒト組換えFAPを、ランニング緩衝剤で20μg/mLの最終濃度まで希釈した。ヒトFAPワーキング溶液の100μLアリコートをプラスチックバイアルに移し、試料ラックに入れた。0.5mM 化合物ストック溶液を、各化合物をDMSOに溶解させることにより調製した。各試験化合物に関して、化合物ストック溶液を500nMにてランニング緩衝剤(HBST)で希釈し、HBST-DMSO緩衝剤(0.1% DMSO)でさらに希釈した。二元複合体のSPR結合分析を、25℃にてSCKモードで実施した。表8は、結合動態の捕捉および評価のプロトコールを説明する。3回のSCK測定の後、センサー表面に抗体およびFAPが固定されているフローセルに通してランニング緩衝剤を注射することにより、ベースラインドリフトを評価した。
Figure 2022541753000062
各試験化合物に関して、共鳴単位(RU)の形態のSPR生データを、Biacore(商標)T200コントロールソフトウェアを使用してセンサーグラムとしてプロットした。ブランクセンサーグラムからのシグナルを、試験化合物センサーグラムのシグナルから減算した(ブランク補正)。ブランク補正センサーグラムを、試験対象を含まないSCKラン(ランニング緩衝剤のみ)のセンサーグラムを減算することにより、ベースラインドリフトに関して補正した。Biacore(商標)T200評価ソフトウェアから1:1 Langmuir結合モデルを使用して、会合速度(kon)、解離速度(koff)、解離定数(K)、およびt1/2を、ブランク正規化SPRデータから算出した。生データおよびフィットの結果を、IDBSにおいてテキストファイルとしてインポートした。pK値(解離定数の負の10進法対数)を、IDBSエクセルテンプレートで算出した。
本発明に係る化合物の選択に関するこのアッセイの結果を、表9に示す。カテゴリーAは8.0超のpK値を表し、カテゴリーBは7.1~8.0のpK値を表し、カテゴリーCは6.1~7.0のpK値を表す。
Figure 2022541753000063
実施例9
PREPおよびDPP4プロテアーゼ活性アッセイ
PREPおよびDPP4の両方に対するFAP結合ペプチドの選択性を試験するために、下記を除いて、上記で説明したFAP活性アッセイと同様にプロテアーゼ活性アッセイを実施した。
PREP活性を、組換えヒトPREP(R&D systems,#4308-SE)で測定した。基質として、50μM Z-GP-AMC(Bachem,#4002518)を使用した。DPP4活性アッセイを、DPPアッセイ緩衝剤(25mM Tris、pH8.0)で実施した。組換えヒトDPP4を、R&D systemsから購入した(#9168-SE)。基質として、20μM GP-AMC(Santa Cruz Biotechnology,#115035-46-6)を使用した。
開裂後のAMCの蛍光(380nmでの励起、および460nmでの発光)を、SPECTRAmax M5プレートリーダーで37℃にて5分にわたりキネティックモードで測定した。RFU/秒を、SoftMax Proソフトウェアにより算出してペプチド濃度に対してプロットした。4パラメーターロジスティック(4PL)曲線フィッティングおよびpIC50の算出を、ActivityBaseソフトウェアを使用して実施した。本発明に係る化合物の内のいくつかのこのアッセイの結果を、下記の表10に示す。
Figure 2022541753000064
実施例10
特異性スクリーニング
本発明の化合物の有意なオフ標的相互作用を早期に同定するために、特異性スクリーニングを実行した。Bowes他(Bowes,et al.,Nat Rev Drug Discov,2012,11:909)により推奨されている44種の選択された標的およびこの標的に結合する化合物(「参照化合物」(Ref.Compound)と称される)を含むアッセイの標準バッテリー(「SafetyScreen44(商標)Panel」)を使用して、特異性を試験した。参照化合物は、それぞれのアッセイに関する陽性対照としての役割を果たしており、したがって、阻害は、この参照化合物により検出されることが予想される。しかしながら、本発明の化合物は、このアッセイで阻害を示すとは予想されなかった。これらの結合および酵素阻害アッセイを、Eurofins Cerep SA(Celle l’Evescault,France)により実施した。
3BP-3407および3BP-3554を、10μMで試験した。化合物の結合を、各標的に対して特異的な放射活性標識リガンドの結合の阻害%として算出した(それぞれ「特異的結合の阻害%」(3BP-3407)または(3BP-3554)。化合物の酵素阻害効果を、対照酵素活性の阻害%として算出した。
50%超の阻害または刺激を示す結果は、試験化合物の有意な効果を現すと見なされる。そのような効果を、下記の表11で列挙されている、研究した受容体のいずれでも観察しなかった。このアッセイの結果の概要を、下記の表11にまとめる。
Figure 2022541753000065
Figure 2022541753000066
Figure 2022541753000067
Figure 2022541753000068
Figure 2022541753000069
Figure 2022541753000070
加えて、本発明の化合物の特異性をさらに決定するために、BPS Biosciencesにより、プロテアーゼに関する特異性スクリーニングを実施した(Turk,Nat Rev Drug Discov,2006,5:785;Overall,et al.,Nat Rev Cancer,2006,6:227;Anderson,et al.,Handb Exp Pharmacol,2009,189:85)。
3BP-3407および3BP-3554を、二重で、1μMおよび10μMにて試験した。この化合物の非存在下で、各データセットの蛍光強度(Ft)を100%活性と定義した。この酵素の非存在下で、各データセットのバックグラウンド蛍光強度(Fb)を0%活性と定義した。各化合物の存在下での活性パーセントを、下記式に従って算出した:活性%=(F-Fb)/(Ft-Fb)(式中、F=化合物の存在下での蛍光強度)。阻害パーセンテージを、下記式に従って算出した:阻害%=100%-活性%。50%超の阻害を示す結果は、試験化合物の有意な効果を現すと見なされる。このアッセイの結果を、下記の表12に示す。
Figure 2022541753000071
Figure 2022541753000072
Figure 2022541753000073
Figure 2022541753000074
実施例11
選択された化合物の111In-および177Lu-標識
診断的、治療的、または診断治療的に活性な薬剤としての役割を果たすために、化合物を、放射活性同位体で標識する必要である。本発明の放射標識化合物の高い放射化学的な収率および純度を確保するために、標識化手順を適切に行う必要がある。この実施例は、本発明の化合物が放射標識に適しており、高い放射化学的な収率および純度で標識され得ることを示す。
111InCl(0.02M HCl中)30~100MBqを、30MBq当たり化合物(0.1M HEPES pH7中の200μM ストック溶液)1nmolおよび0.1~0.2Mの最終緩衝剤濃度での緩衝剤(1M 酢酸ナトリウム緩衝剤pH5、または25mg/ml メチオニンを含む1M 酢酸ナトリウム/アスコルビン酸緩衝剤pH5)と混合した。この混合物を、20~30分にわたり80℃まで加熱した。冷却後、DTPAおよびTWEEN-20を、それぞれ0.2mMおよび0.1%の最終濃度で添加した。
177LnCl(0.04M HCl中)0.2~2.0GBqを、45MBq当たり化合物(0.1M HEPES pH7中の200μM ストック溶液)1nmolおよび約0.4Mの最終緩衝剤濃度での緩衝剤(25mg/ml メチオニンを含む1M 酢酸ナトリウム/アスコルビン酸緩衝剤pH5)と混合した。この混合物を、20分にわたり90℃まで加熱した。
標識効率を、薄層クロマトグラフィー(TLC)およびHPLCにより分析した。TLC分析の場合には、希釈した標識溶液 1~2μlをiTLC-SGクロマトグラフィー紙のストリップ(Agilent、7.6×2.3mm)に塗布し、クエン酸塩-ブドウ糖溶液(Sigma)で展開させた。次いで、iTLCストリップを3個の断片に切断し、関連する放射活性をガンマカウンタで測定した。溶媒先端で測定された放射活性は、遊離した放射性核種およびコロイドを表し、発端での放射活性は、放射標識化合物を表す。HPLCの場合には、希釈した標識溶液 5μlを、Poroshell SB-C18 2.7μm(Agilent)で分析した。溶出剤A:MeCN、溶出剤B:HO、0.1% TFA、勾配 15分以内に5%Bから70%Bへ、流速 0.5ml/分;検出器:NaI(Raytest)、DAD 230nm。デッドボリュームで溶出するピークは遊離放射性核種を表し、非標識試料により決定されたペプチド特異的保持時間で溶出するピークは放射標識化合物を表す。
合成終了時では、放射性核種の取込みは95%以上であり、放射化学的純度は90%以上であった。111In標識化合物に関する例示的な放射化学的純度を、表13に示す。ヒトへの使用に適した製剤中の177Lu標識化合物は、合成後6日目まで90%以上の放射化学的純度を保っていた(表14)。選択した化合物についての放射クロマトグラムを図1~図4に示す。図1は、合成の終了に際して直ちに分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3407の放射クロマトグラムを示し、図2は、合成の終了後6日目に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3407の放射クロマトグラムを示す。図3は、合成の終了に際して直ちに分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3554の放射クロマトグラムを示し、図4は、合成の終了後6日目に分析した、100mg/mLのアスコルビン酸塩および5mg/mLのL-メチオニンを含む製剤緩衝液中の177Lu-3BP-3554の放射クロマトグラムを示す。
Figure 2022541753000075
Figure 2022541753000076
実施例12
イメージングおよび生体内分布研究
放射活性標識化合物を、SPECTおよびPET等のイメージング方法により検出し得る。さらに、そのような技術により取得されたデータを、本発明の放射活性標識化合物を注射した動物から調製した個々の臓器に含まれる放射活性の直接測定により確認し得る。そのため、放射活性標識化合物の生体内分布(個々の臓器における放射活性の測定)を決定して分析し得る。この実施例は、本発明の化合物が腫瘍の画像診断および治療的処置に適した生体内分布を示すことを示す。
全ての動物実験を、独国の動物保護法を順守して実行した。雄のSCIDベージュ(6~8週齢、Charles River,Sulzfeld,Germany)の片方の肩に、5×10個のHEK-FAP(高レベルのFAPを発現するように遺伝子操作された胚性ヒト腎臓293細胞)を接種した。腫瘍が150mm超のサイズに達した際に、約30MBq 111Inで標識された本発明の化合物(PBSで100μLまで希釈した)を、尾静脈を介して静脈内投与した。画像を、例示的な下記の取得および再構築パラメーターを使用して、NanoSPECT/CTシステム(Mediso Medical Imaging Systems,Budapest,Hungary)により得た(表15)。
Figure 2022541753000077
イメージングデータをDICOMファイルとして保存し、VivoQuant(商標)ソフトウェア(Invicro,Boston,USA)を使用して解析した。結果を、組織1グラム当たりの注射用量のパーセンテージ(%ID/g)として表す。生体内分布研究のために、注射後24時間または48時間での頸椎脱臼により動物を屠殺し、次いで解剖した。様々な臓器および組織を採取して秤量し、γ計数により放射活性を決定した。2匹の動物を、時点毎に使用した。結果を、組織1グラム当たりの注射用量のパーセンテージ(%ID/g)として表す。
選択された化合物に関するイメージングおよび生体内分布研究の結果を、図5~7に示す。
実施例13
有効性研究-HEK-FAP
放射活性標識化合物を、様々な疾患(特にがん)での治療用途および診断用途に使用し得る。この実施例は、本発明の化合物が腫瘍の治療的処置に適した抗腫瘍活性を有することを示す。
全ての動物実験を、独国の動物保護法を順守して実行した。雌のswissヌードマウス(7~8週齢、Charles River Laboratories,France)の片方の肩に、5×10個のHEK-FAP細胞を接種し、腫瘍が160±44mmの平均腫瘍体積に達した場合に処置を投与した。マウスを、10匹の動物/群の下記の4つの異なる群に分けた:群1-ビヒクル対照、群2-冷化合物natLu-3BP-3554、群3-30MBq 177Lu-3BP-3554(低用量)、および群4-60MBq 177Lu-FAP-3554(高用量)。処置を、4mL/kg(100μL/マウス)での尾静脈への静脈内注射により、0日目に投与した。腫瘍体積および体重を、0日目(すなわち放射性トレーサーの投与の1日目)および次いで研究の完了まで毎週3回測定した。
177Lu標識3BP-3554を注射したマウスにおけるトレーサーの分布を、1用量当たり3匹のマウスの群でSPECTイメージングによって決定した。続いて、SPECTの後、解剖学的情報に関してCTスキャンを行った。イメージングを、例示的な下記の取得および再構築パラメーターを使用して、NanoSPECT/CTシステム(Mediso Medical Imaging Systems,Budapest,Hungary)により、注射後3時間、24時間、48時間、および120時間で実施した(表16)。
Figure 2022541753000078
イメージングデータをDICOMファイルとして保存し、VivoQuant(商標)ソフトウェア(Invicro,Boston,USA)を使用して解析した。結果を、組織1グラム当たりの注射用量のパーセンテージ(%ID/g)として表す。
ビヒクル処置マウスおよび冷化合物natLu-3BP-3554処置マウスでの腫瘍はそれぞれ、14日目に、1338±670mmおよび1392±420mmの平均腫瘍体積(MTV)に達した(図9A)。両方の処置群のマウスでは、統計的に有意な(p<0.01)抗腫瘍活性を観察した。14日目での腫瘍成長阻害(TGI)は、30または60MBq 177Lu-3BP-3554の単回用量により処置されたマウスではそれぞれ、ビヒクル処置群に対して111%および1113%であった。177Lu-3BP-3554で処置された全てのマウスのMTVは、14日目に70mm以下まで減少した。腫瘍を、42日目(この研究の終了を表す)に再成長に関してモニタリングし、30または60MBq 177Lu-3BP-3554で処置された10匹の内の3匹および10匹のマウスの内の9匹はそれぞれ腫瘍がなく(10mm未満)、このことは、このモデルにおける潜在的な用量反応を示唆する。この試験全体を通して、処置に関連する体重減少を観察しなかった(図9B)。2日目に全ての群において体重の3~5%の減少を観察した後、動物の体重は経時的に増加した。
両方の177Lu標識処置群の3匹の動物のSPECT/CTイメージングは、全ての検査時点(注射(p.i.)後3~120時間)において高い腫瘍対バックグラウンドコントラストを示した。120時間までの高い腫瘍保持率を観察した。非標的取込みが最も高かった臓器は腎臓であり、30または60MBq 177Lu-3BP-3554で処置されたマウスではそれぞれ、3時間p.i.で8.6±0.6および8.0±1.6の腫瘍対腎臓比であった。これらの比は経時的に増加し、120時間後での最高値は、30または60MBq 177Lu-3BP-3554で処置されたマウスではそれぞれ、40±7.9および32±7.4の腫瘍対腎臓比に達した。高用量動物であるマウス5に関するSPECT/CT画像の例示的なパネルを図10Aに示し、低用量動物であるマウス1に関するSPECT/CT画像の例示的なパネルを図10Bに示す。
実施例14
イメージング研究-肉腫PDXモデル
肉腫腫瘍はFAPを発現することが報告されており、4種の異なる肉腫患者由来異種移植片(PDX)腫瘍モデルのイメージングを実施して、3BP-3554取込みを評価した。Sarc4183、Sarc4605、Sarc4809、およびSarc12616 PDXモデルはそれぞれ、横紋筋肉腫の患者、骨肉腫の患者、未分化肉腫の患者、および未分化多形性肉腫の患者に由来した(Experimental Pharmacology & Oncology Berlin-Buch,Germany)。腫瘍断片を、8週齢のNMRI nu/nuマウス(Janvier Labs,France)の左脇腹に皮下移植した。全ての動物実験を、独国の動物保護法を順守して実行した。移植後47日(Sarc4183、Sarc4809)または46日(Sarc4605、Sarc12616)で、1つのモデル当たり2~3匹のマウスを、30MBqの111In-3BP-3554の単回静脈内注射後3時間で撮影した。イメージングを、実施例12で説明したように実施した。
111In-3BP-3554によるイメージング結果は、p.i.3時間で高い腫瘍取込みを示し、且つ高い腫瘍対バックグラウンドコントラストを示した。代表的なSPECT/CT画像を、図11Aに示す。2匹のPDX担持マウス(Sarc4605、Sarc12616)または3匹のPDX担持マウス(Sarc4183、Sarc4809)の腫瘍取込みの定量はそれぞれ、図11Bに示すように、4.9±1.7(Sarc4183)、5.2±0.8(Sarc4605)、4.4±0.7(Sarc4809)、および6.1±0.6(Sarc12616)の%ID/g値であった。これらの結果から、4種全ての肉腫モデルでの111In-3BP-3554の取込みが実証されている。腫瘍対腎臓比は、4.7±1.2(Sarc4183)、3.2±0.4(Sarc4605)、4.1±0.7(Sarc4809)、および4.3±1.2(Sarc12616)であった。
実施例15
有効性研究-肉腫Sarc4809 PDXモデル
177Lu-3BP-3554の有効性を、ヒト肉腫PDX腫瘍モデルSarc4809で調べた。このモデルの未分化肉腫は、111In-3BP-3554取込みを示し(実施例14)、且つ免疫組織化学によりFAPを発現することも示された。
全ての動物実験を、独国の動物保護法を順守して実行した。Sarc4809腫瘍断片を、8週齢のNMRI nu/nuマウス(Janvier Labs,France)の左脇腹に皮下移植した。187.08±123.8mmの平均腫瘍体積での移植後23日で処置を開始した。マウスを、10匹の動物/群の下記の4つの群に分けた:群1-ビヒクル対照、群2-冷化合物natLu-3BP-3554、群3-30MBq 177Lu-3BP-3554、群4-60MBq 177Lu-FAP-3554。処置を、4mL/kg(100μL/マウス)での尾静脈への静脈内注射により、0日目に投与した。0日目(すなわち、放射性トレーサー投与の初日)に腫瘍体積および体重を決定し、次いでこの研究の完了まで週に3回決定した。
全ての腫瘍は、42日目までのこの研究の経過観察期間中全体にわたり継続的に成長した。ビヒクル処置マウスおよびnatLu-3BP-3554処置マウス(対照群)での腫瘍はそれぞれ、31日目(1つの群当たり少なくとも50%のマウスが依然として生存した最終日)に、894±610mmおよび1225±775mmのMTVに達した。30または60MBq 177Lu-3BP-3554の単回用量で処置したマウスでの腫瘍はそれぞれ、31日目に、635±462および723±391mmのMTVに達した(図12A)。両方の処置群のマウスにおいて、統計的に有意な(p<0.05)抗腫瘍活性を観察した。30または60MBq 177Lu-3BP-3554の単回用量で処置したマウスでは、31日目での腫瘍成長阻害(TGI)はそれぞれ、ビヒクル処置群に対して61%および73%であった。この研究中に、処置に関連する体重減少(BWL)を観察しなかった。全ての群において、この研究の経過観察中に体重が増加した(図12B)。
実施例16
薬物動態研究
選択された化合物の薬物動態挙動を、マウスおよびラットで評価した。この化合物の薬物動態挙動の特徴により、この化合物の分布および排出、ならびに曝露量の算出への新たな見識が得られる。
様々な量の化合物を、PBSで安定して製剤化した。この製剤を、マウスでは4nmol/kg、40nmol/kg、および400nmol/kgの用量で静脈内適用し、ラットでは2nmol/kg、20nmol/kg、および200nmol/kg(3BP-3554)または40nmol/kgおよび400mol/kg(3BP-3623)の用量で静脈内適用した。ヒトからマウスへの12.3のアロメトリック変換係数(allometric translation factor)およびヒトからラットへの6.2のアロメトリック変換係数を仮定すると(Nair AB,Jacob S.Journal of Basic and Clinical Pharmacy,2016,7(2): 27-31)、適用用量は、0.325nmol/kg~32.5nmol/kgのヒト用量範囲を表す。
血液試料を、様々な時間(5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間)後に、尾静脈(ラット)または球後(マウス)から採取した。
遠心分離による血漿からの血球の分離後、調製した血漿試料をタンパク質沈殿手順に供して化合物を定量した。0.1M 硫酸亜鉛 78%およびアセトニトリル 22%を含む硫酸亜鉛沈殿剤 150μlを添加した。30分にわたる室温でのインキュベーション後、遠心分離により沈殿物を分離した。化合物が遊離DOTA部分を含む場合には、上清100μlに1%ギ酸 10μlを添加し、続いて10分にわたり60℃でさらにインキュベートして、亜鉛キレートの形成を完了させた。
クリーン試料溶液中の分析物の決定を、Agilent 6470三重四重極質量分析計と組み合わされたAgilent 1290 UHPLCシステムにより実施した。クロマトグラフィー分離を、溶出剤Aとしての水中の0.1% ギ酸と溶出剤Bとしてのアセトニトリルとの混合物を使用する勾配溶出(1分にわたり5%Bで均一濃度、続いて4分で43%Bへの線形勾配、500μl/分)により、40℃にてPhenomenex BioZen Peptide XB-C18 HPLCカラム(50×2mm、粒径1.7μm)で実行した。
質量分析検出を、多重反応モニタリング(MRM)により陽イオンESIモードで実施した。
Figure 2022541753000079
試験項目の定量を、Agilent MassHunterソフトウェアスイートのQuantitative Analysisソフトウェアを使用して達成した。二次回帰を、1/xの重み付け係数で実施した。
血漿レベルをノンコンパートメント解析(NCA)に供し、下記の結果が得られた:化合物の初期濃度(C)、定常状態での分布容積(Vss)、終末期での分布容積(V)、終末期半減期(t1/2)、クリアランス(CL)、および無限に外挿された曲線下の面積(AUCinf)。3BP-3554のNCAパラメーターの概要を、マウス血漿中での3BP-3554に関して表18に示し、ラット血漿中での3BP-3554に関して表19に示し、3BP-3623のNCAパラメーターの概要を、マウス血漿中での3BP-3623に関して表20に示し、ラット血漿中での3BP-3623に関して表21に示す。
Figure 2022541753000080
Figure 2022541753000081
Figure 2022541753000082
Figure 2022541753000083
これらの結果は、主に血液および間質液中での分布と、ペプチドに典型的なクリアランスとを示し、終末期半減期は、マウスでは23分~59分であり、ラットでは45分~71分である。AUCにより説明される曝露量は、注射された用量とほぼ直線的に相関し、クリアランスは、特定の動物モデルにおける全ての適用された用量に関して一定である。これらの観察は、ヒトでの初回用量の算出に考慮する必要がある薬物動態挙動の有意な非線形性はないことを示唆する。
本明細書、特許請求の範囲、配列表、および/または図面で開示されている本発明の特徴は、別々におよびこれらの任意の組合せで、本発明をその様々な形態で実現するための材料となり得る。
参考文献
本明細書で列挙されている各文書および任意の文書の開示は、参照により組み込まれる。

Claims (8)

  1. 以下の式
    Figure 2022541753000084
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)、および以下の式
    Figure 2022541753000085
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3407)
    からなる群から選択される化合物。
  2. 以下の式
    Figure 2022541753000086
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3554)である、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の式
    Figure 2022541753000087
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(DOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3407)である、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化合物が診断的に活性な核種または治療的に活性な核種を含み、好ましくは前記診断的に活性な核種が診断的に活性な放射性核種であり、より好ましくは43Sc、44Sc、51Mn、52Mn、64Cu、67Ga、68Ga、86Y,89Zr、94mTc、99mTc、111In、152Tb、155Tb、201Tl、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、好ましくは43Sc、44Sc、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、99mTc、111In、152Tb、155Tb、203Pb、18F、76Br、77Br、123I、124I、125I、最も好ましくは64Cu、68Ga、89Zr、99mTc、111In、18F、123I、および124Iからなる群から選択され、前記治療的に活性な核種が治療的に活性な放射性核種であり、より好ましくは47Sc、67Cu、89Sr、90Y、153Sm、149Tb、161Tb、177Lu、186Re、188Re、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、226Th、227Th、131I、211At、好ましくは47Sc、67Cu、90Y、177Lu、188Re、212Pb、213Bi、225Ac、227Th、131I、211At、最も好ましくは90Y、177Lu、225Ac、227Th、131I、および211Atからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 以下の式
    Figure 2022541753000088
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(InDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3590)、
    以下の式
    Figure 2022541753000089
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(LuDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3591)、
    以下の式
    Figure 2022541753000090
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(GaDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3592)、
    以下の式
    Figure 2022541753000091
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(EuDOTA-PP))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-Asp-NH2 (3BP-3661)、
    以下の式
    Figure 2022541753000092
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(InDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3623)、
    以下の式
    Figure 2022541753000093
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(LuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3624)、
    以下の式
    Figure 2022541753000094
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(EuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3662)、
    以下の式
    Figure 2022541753000095
    の化合物Hex-[Cys(tMeBn(GaDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-3949)、
    以下の式
    Figure 2022541753000096
    の化合物Hex-[Cys-(tMeBn(CuDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-4293)、および
    以下の式
    Figure 2022541753000097
    の化合物Hex-[Cys-(tMeBn(ZnDOTA-AET))-Pro-Pro-Thr-Gln-Phe-Cys]-OH (3BP-4343)
    を含む群から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. 疾患の診断のための方法における使用のため、疾患の処置のための方法における使用のため、対象の特定のための方法であって、前記対象が疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高く、対象の特定のための前記方法が請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは請求項1から5のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む方法における使用のため、または対象の群から対象を選択するための方法であって、前記対象が疾患の処置に応答する可能性が高いか、または応答しない可能性が高く、対象の群から対象を選択するための前記方法が請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは請求項1から5のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む方法における使用のため、または対象の群を疾患の処置に応答する可能性が高い対象と疾患の処置に応答する可能性が高くない対象とに層別化するための方法であって、対象の群を層別化するための前記方法が請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物を使用する診断の方法、好ましくは請求項1から5のいずれか一項に記載した疾患の診断のための方法を行うステップを含む方法における使用のための、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物、好ましくは医薬組成物。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、必要に応じた1つまたは複数の賦形剤、および必要に応じて1つまたは複数のデバイスを含むキットであって、前記デバイスが標識付けデバイス、精製デバイス、取り扱いデバイス、放射線保護デバイス、分析デバイス、または投与デバイスを含む群から選択される、キット。
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