JP2022538590A - ポリウレタン製品から原料を回収する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(A)イソシアネート成分及びポリオール成分を原料とするポリウレタン製品を準備する工程と、(B)ポリウレタン製品と(一価又は多価)アルコールとを触媒の存在下で反応させて、第1の生成物混合物を得る工程と、(C)(C.I)工程(B)において得られる第1の生成物混合物を、第1の生成物混合物中に含まれ得る水を事前に除去することなく、工程(B)において使用されるアルコールと完全には混和しない有機溶媒と合わせるとともに、第1のアルコール相及び第1の溶媒相への相分離を行うこと、(C.II)第1の溶媒相を処理して、ポリオールを得ることを含む、第1の生成物混合物からポリオールを得る工程と、好ましくは(D)アミンを得る工程とを含む、ポリウレタン製品から原料を回収する方法に関する。【選択図】図1

Description

本願につながるプロジェクトは、欧州連合のHorizon 2020研究イノベーションプログラムの一環として、助成契約番号814543での資金提供を受けている。
本発明は、(A)イソシアネート及びポリオールを原料とするポリウレタン製品を準備する工程と、(B)ポリウレタン製品と(一価又は多価)アルコールとを触媒の存在下で反応させて、第1の生成物混合物を得る工程と、(C)(C.I)工程(B)において得られる第1の生成物混合物を、第1の生成物混合物中に存在する水を事前に除去することなく、工程(B)において使用されるアルコールと完全には混和しない有機溶媒と合わせるとともに、第1のアルコール相及び第1の溶媒相への相分離を行うこと、(C.II)第1の溶媒相を後処理して、ポリオールを回収することを含む、第1の生成物混合物からポリオールを回収する工程と、好ましくは(D)アミンを回収する工程とを含む、ポリウレタン製品から原料を回収する方法に関する。
ポリウレタン製品は、産業及び日常生活において多様な用途を有する。通例、ポリウレタンフォームといわゆる「CASE」製品とが区別され、「CASE」はポリウレタンコーティング(例えば塗料)、接着剤、封止剤及びエラストマーの総称である。ポリウレタンフォームは通例、硬質フォームと軟質フォームとに分けられる。これらの製品は全て、それらの多様性にも関わらず、基本ポリウレタン構造が共通しており、この構造は、(多官能性)イソシアネート(すなわち、ポリウレタン製品のイソシアネート成分)とポリオール(すなわち、ポリウレタン製品のポリオール成分)との重付加反応によって形成され、例えばジイソシアネートO=C=N-R-N=C=O及びジオールH-O-R’-O-H(ここで、R及びR’は有機ラジカルを表す)を原料とするポリウレタンの場合には、
~~~[O-R’-O-(O=C)-HN-R-NH-(C=O)]~~~
として表すことができる。
ポリウレタン製品の大きな経済的成功のために、多量のポリウレタン廃棄物が生じ(例えば古いマットレス又は椅子(seated furniture)から)、これを合理的に使用する必要がある。技術的に実行が最も簡単な再利用方法は焼却であり、放出される燃焼熱が他のプロセス、例えば工業生産プロセスに利用される。しかしながら、この方法では原料ループを完成させることができない。別の再利用方法は、ポリウレタン廃棄物を機械的に粉砕し、新たな製品の製造に使用する「フィジカルリサイクル」と称される方法である。このリサイクル方法には明確な限界があるため、ポリウレタン結合を再切断することによってポリウレタン製造の基礎となる原料を回収する試み(「ケミカルリサイクル」と称される)がなくなることはない。回収すべきこれらの原料は、主にポリオール(すなわち、上記の例においては、H-O-R’-O-H)を含む。加えて、ウレタン結合の加水分解的切断によってアミンを回収することも可能であり(すなわち、上記の例においては、HN-R-NH)、これを後処理後にホスゲン化し、イソシアネートを形成する(上記の例においては、O=C=N-R-N=C=Oを形成する)ことができる。
様々なケミカルリサイクルアプローチがこれまでに開発されている。最も重要な3つは、簡潔には以下のようにまとめられる:
1. 水との反応によるウレタンの加水分解。アミン及びポリオールが回収され、二酸化炭素が形成される。
2. アルコールとの反応によるウレタンのグリコール分解(Glycolysis)。ウレタン基に組み込まれたポリオールが、使用されるアルコールに置き換えられて放出される。このプロセスは、文献中で一般にエステル交換(より正確にはウレタン交換(transurethanization))と称される。使用されるアルコールの正確な性質に関わらず、このケミカルリサイクルの方法は、文献中で通常はグリコール分解と呼ばれており、これは実際にはグリコールのみに適用される用語である。したがって、本発明においては、概してアルコール分解という用語を用いる。
3. 水及びアルコールとの反応によるウレタン結合の加水グリコール分解(Hydroglycolysis)。上記の加水分解及びグリコール分解プロセスを並行して行う。
ポリウレタンリサイクルの既知の方法の概要は、非特許文献1による総説に与えられる。本論文には、グリコール分解(上記の2.)が特に重要であることが強調されている。グリコール分解においては、アルコールとの反応の得られる粗プロセス生成物が2つの相に分離されるか否かに応じて、二相レジームと単相レジームとに区別される。これは特に、使用されるアルコールの選択及びプロセス条件(特に反応混合物中の使用されるアルコールの割合、及び温度)によって決まる。前述の総説では、低い製造コストで高品質の生成物が回収される可能性が最も高いことから(明らかにポリオールの回収に焦点が当てられる)、粗グリセロール(例えばバイオディーゼル製造からの廃棄物)を使用する二相レジームが好まれる。
水の付加的な使用により、加水グリコール分解(上記の3.)のプロセス生成物は常に二相となる。非特許文献2には、水の除去(実験室規模の相分離によるか、又は「フォード加水グリコール分解プロセス」と称される産業利用に推奨されるプロセスにおける蒸発による)及びヘキサデカンによる残りの有機相の抽出を含む、この種のプロセス生成物の後処理が記載されており、アミンを回収することができるアルコール相及びポリオールを回収することができるヘキサデカン相が形成される。アミン回収の選択肢が言及されているが、本論文においてはポリオール回収にも重点が置かれている。
これらの原理に基づくプロセスの特許が特許文献1として取得されている。特許文献1には、以下のような段階によってポリエーテルポリオールをポリウレタンから回収するプロセスが記載されている:
(a)このポリウレタンを沸点が225℃~280℃の飽和アルコールに185℃~220℃の温度にて非酸化性雰囲気下で溶解することによって溶液を形成する段階、
(b)加水分解性の溶解生成物の殆どが加水分解してアミン及びアルコールが形成されるのに必要とされる時間にわたって、この溶液を175℃~220℃の温度に保持しながら、この非酸化性雰囲気下にてアルカリ金属水酸化物触媒の存在下でこの溶液を水と反応させる段階であって、このアルカリ金属水酸化物触媒を、このポリウレタンフォームの質量を基準として少なくとも0.1質量%の範囲の量で溶液に添加する段階、
(c)非酸化性雰囲気下で、加水分解後に残存する水をこの溶液から除去する段階、
(d)このアルコールとは実質的に非混和性であり、230℃~300℃の沸点を有するアルカン(特にヘキサデカン)を用いて、このポリオールを非酸化性雰囲気下で加水分解溶液から抽出する段階、及び、
(e)抽出されたポリオールを230℃未満の温度で真空精製に供する段階。
工程(a)においては、ポリウレタンを飽和アルコールのアルコール基と反応させてポリオール、尿素及びカルバメートを形成する(第3欄42行目~46行目を参照されたい)。したがって、工程(a)はグリコール分解(より正確にはアルコール分解)である。
工程(b)においては、水及びアルカリ金属水酸化物触媒を、工程(a)において得られる溶液に別個に又は触媒水溶液の形態で添加し、カルバメート及び尿素をアミン及びアルコールに分解させる。したがって、工程(b)は加水分解であるため、工程(a)及び(b)は全体として、アルコール及び水の時差添加による加水グリコール分解(より正確には加水アルコール分解(hydroalcoholysis))と解釈することができる。水は、溶液が175℃~200℃の温度で沸騰するような量で添加される。アルコールがジエチレングリコールである場合、使用されるジエチレングリコールの質量の2.4%~0.6%、好ましくは1.1%の量で水を添加する(第4欄39行目~46行目を参照されたい)。加水分解において消費された水は、水分量を一定に保つために更なる水の添加によって補われる。加水分解の後、工程(e)において抽出を行う前に、使用した水を工程(c)において除去する必要がある(第5欄31行目~33行目)。
文献から知られるケミカルリサイクルプロセスのうち、産業規模で持続的に運用されているものはごく僅かであり、多くはパイロット規模にさえ達していない(非特許文献1)。環境意識の一般的な高まり、及び産業プロセスを可能な限り持続可能な基盤の上に置くための更なる努力を踏まえると、これらの要因はいずれも基本的にケミカルリサイクルを支持するものであるが、ポリウレタン製品のケミカルリサイクルが技術的及び経済的な観点から未だ十分に発展していないことが明らかに示される。特に回収された生成物の純度に関して課題がある。ポリオールは、例えばポリウレタンフォームの製造において再利用する際に発泡に悪影響を与えないよう、可能な限りアミン不純物を含まずに回収する必要がある。同様にアミン回収が所望される場合、アミンも当然ながら最大純度で得る必要がある。加えて、リサイクルされるポリウレタン製品は、通常は様々な助剤及びアジュバント(安定剤、触媒等)を含み、これらを経済的かつ環境に優しい方法で実際のリサイクル対象製品から分離し、廃棄する必要がある。さらに、経済的なリサイクルプロセスでは、用いた試薬(例えば、使用したアルコール)を可能な限り完全に回収し、再び使用する(すなわち、循環させる)ことができることを確実にする必要がある。
米国特許第4,336,406号
Simon, Borreguero, Lucas and Rodriguez in Waste Management 2018, 76, 147 - 171 Braslaw and Gerlock in Ind. Eng. Chem. Process Des. Dev. 1984, 23, 552 - 557
したがって、ポリウレタン製品のケミカルリサイクルの分野においては、更なる改善が必要とされていた。より具体的には、ポリオール、好ましくは同様にアミンを高純度で効率的にポリウレタン製品から回収し、特に産業的展開が経済的に望まれるように回収し得ることが望ましい。ポリウレタン製品中に存在する助剤及びアジュバントにとって経済的及び環境的な観点から許容可能な出口があることが更に望ましい。
この必要性を満たす本発明の主題の1つは、
(A)(多官能性)イソシアネート(=イソシアネート成分)及びポリオール(=ポリオール成分)を原料とするポリウレタン製品を準備する工程と、
(B)ポリウレタン製品と(一価又は多価)アルコールとを触媒の存在下で反応させて、第1の生成物混合物(ポリオール、カルバメート及び使用されるアルコール、任意に水、さらには、特に工程(A)において準備されるポリウレタン製品の性質に応じて、任意にアミン、より具体的にはイソシアネートに対応するアミンを含む)を得る(ウレタン結合の切断による)工程と、
(C)
(C.I)工程(B)において得られる第1の生成物混合物を、第1の生成物混合物中に存在する水を事前に除去することなく、工程(B)において使用されるアルコールと完全には混和しない有機溶媒と合わせるとともに、第1のアルコール相(アルコールに加えて、カルバメート及び任意のアミン、より具体的にはイソシアネートに対応するアミンを含む)及び第1の溶媒相(ポリオールを含む)への相分離を行うこと、
(C.II)第1の溶媒相を後処理して、ポリオールを回収すること、
を含む、第1の生成物混合物を後処理する(=第1の生成物混合物からポリオール(すなわち、ポリウレタン製品の原料となり、したがってそのポリオール成分を構成するポリオール、及び/又は工程(B)において元のポリオール成分から任意に形成されるポリオール)を得る)工程と、
任意に(かつ好ましくは)、
(D)カルバメートを加水分解する(=第1のアルコール相から、又は後述の或る特定の実施の形態においては、第1のアルコール相に存在するアミン及び/又はカルバメートが移された第2のアルコール相からアミンを得る)工程を含む、第1のアルコール相を後処理する工程と、
を含む、ポリウレタン製品から原料を回収する方法である。
本発明の意味におけるポリウレタン製品は、多官能性イソシアネート(=ポリウレタン製造のイソシアネート成分)及びポリオール(=ポリウレタン製造のポリオール成分)の重付加生成物(完全に正しいというわけではないが、重縮合生成物と称されることもある)である。ポリウレタン製品は概して、上で概説した基本ポリウレタン構造に加えて、例えば尿素結合を有する構造等の他の構造も含む。純粋な基本ポリウレタン構造から逸脱した、ポリウレタン構造に加えたかかる構造の存在は、本発明の範囲外ではない。
本発明の専門用語においては、イソシアネートという用語は、ポリウレタン化学と関連して当業者に既知の全てのイソシアネート、例えば、特にトリレンジイソシアネート(TDI;トリレンジアミン(TDA)から調製)、ジフェニルメタン系のジイソシアネート及びポリイソシアネート(MDI;ジフェニルメタン系のジアミン及びポリアミン(MDA)から調製)、ペンタン-1,5-ジイソシアネート(PDI;1,5-ペンタンジアミン(PDA)から調製)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート(HDI;1,6-ヘキサメチレンジアミン(HAD)から調製)、イソホロンジイソシアネート(IPDI;イソホロンジアミン(IPDA)から調製)、並びにキシリレンジイソシアネート(XDI;キシリレンジアミン(XDA)から調製)を包含する。「イソシアネート」という表現は、例えば「正に1つのイソシアネート」という文言を用いた明確な特段の記載がない限り、2種以上の異なるイソシアネート(例えば、MDIとTDIとの混合物)がポリウレタン製品の製造に使用されている実施の形態も当然ながら包含する。このことは1つのイソシアネート類においても当てはまる(したがって、例えば異なるタイプのMDIにも当てはまる)。ポリウレタン製品の製造に使用される全てのイソシアネートが、(ポリウレタン製品)のイソシアネート成分と総称される。イソシアネート成分は、少なくとも1つのイソシアネートを含む。同様に、ポリウレタン製品の作製に使用される全てのポリオールが、(ポリウレタン製品の)ポリオール成分と総称される。ポリオール成分は、少なくとも1つのポリオールを含む。
本発明の専門用語におけるイソシアネート類は、同じ基本化学構造を有するイソシアネートであり、置換パターンの違いは、それ自体が基本化学構造からの逸脱とはみなされない。例えば、TDI及びMDIは、異なるイソシアネート類に属するが、それらのそれぞれの異性体は、互いに異なるイソシアネート類に属するわけではない。例えば、TDIの異性体(中でも2,4-TDI及び2,6-TDIが最も重要である)は全て、同じ「TDIイソシアネート類」に属し、同様に、ジフェニルメタン系のジイソシアネートの異性体(中でも2,4’-MDI及び4,4’-MDIが最も重要である)は全て、同じ「MDIイソシアネート類」に属する。3つ以上の「ベンゼン環」を有するMDI製品も「MDIイソシアネート類」とみなされる。アミン類に関しても同じことが当てはまる。
本発明の専門用語において、ポリオールという用語は、ポリウレタン化学に関連して当業者に既知の全てのポリオール、例えば、特にポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール及びポリエーテルカーボネートポリオールを包含する。「ポリオール」という表現は、2種以上の異なるポリオールがポリウレタン製品の製造に使用されている実施の形態も当然ながら包含する。このことは1つのポリオール類においても当てはまる。以下で、例えば「ポリエーテルポリオール」(又は「ポリエステルポリオール」等)に関して、この専門用語は例えば、2種以上の異なるポリエーテルポリオール(又は2種以上の異なるポリエステルポリオール等)がポリウレタン製品の製造に使用されている実施の形態も当然ながら包含する。
本発明の専門用語におけるカルバメートは、工程(B)においてアルコールとの反応によって形成されるウレタンである。
イソシアネートに対応するアミンとは、以下のようにイソシアネートを得ることができるホスゲン化によるアミンを指す:R-NH+COCl→R-N=C=O+2HCl。これと同様に、アミンに対応するニトロ化合物は、以下のようにアミンを得ることができる還元によるニトロ化合物を指す:R-NO+3H→R-NH+2HO。
工程(C.I)に使用される有機溶媒が工程(B)において使用されるアルコールと完全には混和しないという本発明の要件は、工程(C.I)について示される条件下で、相分離が可能となるような混和性のギャップが存在する必要があることを意味する。
ポリウレタン製品に由来する不純物という用語は、本発明の文脈において、ケミカルリサイクル操作でポリオール又はアミンとして回収することができない物質、すなわち、特にポリウレタン製品の製造からの助剤及びアジュバント(安定剤、触媒、ポリマー粒子等)を指す。
本発明の方法の一実施形態の概略図である。 本発明の方法の別の実施形態の概略図である。 工程(D)と組み合わせることができるアミン調製プロセスの概略図である。 アミン調製プロセスと工程(D)との組合せの考え得る構成の1つを示す図である。 アミン調製プロセスと工程(D)との組合せの別の考え得る構成を示す図である。
続けて、初めに本発明の様々な考え得る実施形態の概要を示す。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第1の実施形態においては、工程(C.II)は、
(C.II.1)第1の溶媒相を洗浄水溶液で洗浄するとともに、第2の溶媒相(ポリオールを含む)、エマルション相(洗浄水溶液に乳化した有機構成成分、特にポリオールを含む)及び任意に第1の水性相への相分離を行うこと、
(C.II.2)第2の溶媒相を後処理して、ポリオールを回収すること、
を含む。
第1の実施形態の特定の構成である本発明の第2の実施形態においては、工程(C.II.2)は、蒸留及び/又はストリッピングガスによるストリッピング(例えば、特に窒素又は蒸気、好ましくは窒素)を含む。
第1及び第2の実施形態の特定の構成である本発明の第3の実施形態においては、工程(C.II)は、
(C.II.3)エマルション相を、
(C.II.3.a)有機溶媒(特に工程(B)において使用されるものと同じ)と合わせるとともに、第3の溶媒相及び第2の水性相への相分離を行うか(工程(C.II.3)の第1の変形例)、又は、
(C.II.3.b)第1のアルコール相(すなわち、その少なくとも一部、好ましくは第1のアルコール相全体)及び有機溶媒(特に工程(B)において使用されるものと同じ)と合わせるとともに、第3の溶媒相及び第2のアルコール相(アルコールに加えて、カルバメート及び任意のアミン、特にイソシアネートに対応するアミン、すなわち、好ましくは、例えばイソシアネート成分がTDIを含む場合にTDAを含む)への相分離を行うことと(工程(C.II.3)の第2の変形例)、
(C.II.4)第3の溶媒相を工程(C.I)又は工程(C.II.1)に戻すことと、
を更に含む。
第3の実施形態の第1の変形例の特定の構成である本発明の第4の実施形態においては、工程(D)が含まれ、
(D.I.a)アルコール画分(任意に、ポリウレタン製品からの添加剤及び/又は工程(B)において使用される触媒の後続生成物を更に含有する)を工程(C.I)において得られる第1のアルコール相から蒸発させて(任意に、蒸発の前又は後のアルコール相に存在する任意の有機溶媒の除去と併せる;「前又は後」という用語は、水及び溶媒を共同の受器に蒸留した後、相分離によって互いに分離する溶媒除去の実施形態も包含する)、カルバメート相を残すこと、
(D.II.a)カルバメート相を(任意に触媒の存在下で)水相(より具体的には洗浄水相;下記を参照されたい)で加水分解して、アミン相(=アミン-水混合物;ポリウレタン製品に由来する不純物を含む)を得ること、
(D.III)アミン相(=アミン-水混合物)からイソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミン(例えば、好ましくは、イソシアネート成分がTDIを含む場合にTDA)を回収すること、
を含む第1の変形例で行われる。
第3の実施形態の第2の変形例の特定の構成である本発明の第5の実施形態においては、工程(D)が含まれ、
(D.I.b)第2のアルコール相を(任意に触媒の存在下で)水相で加水分解して、アミン-水-アルコール混合物(ポリウレタン製品に由来する不純物を含有する)を得ること、
(D.II.b)アミン-水-アルコール混合物から水を蒸発させて(任意に、蒸発の前又は後のアミン-水-アルコール混合物中に存在する任意の有機溶媒の除去と併せる;ここで、「前又は後」という用語は、水及び溶媒を共同の受器に蒸留した後、相分離によって互いに分離する溶媒除去の実施形態も包含する)、アミン-アルコール混合物(ポリウレタン製品に由来する不純物を含有する)を得た後、アミン-アルコール混合物からアルコール画分(任意に、ポリウレタン製品からの添加剤及び/又は工程(B)において使用される触媒の後続生成物を更に含有する)を蒸発させて、アミン相(ポリウレタン製品に由来する不純物を含有する)を残すこと、
(D.III)アミン相からイソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミン(例えば、好ましくは、イソシアネート成分がTDIを含む場合にTDA)を回収すること、
を含む第2の変形例で行われる。
第4の実施形態の特定の構成である本発明の第6の実施形態においては、工程(D.II.a)において使用される水相は、工程(C.II.3.a)において得られる第2の水性相(すなわち、その工程からの洗浄水相)を含む。
第4~第6の実施形態の特定の構成である本発明の第7の実施形態においては、工程(C.II.1)の相分離を行い、第1の水性相を得て、工程(D.II.a)又は工程(D.I.b)において使用される水相は、この第1の水性相を含む。
第4~第7の実施形態の特定の構成である本発明の第8の実施形態においては、工程(D.I.a)又は工程(D.II.b)において得られるアルコール画分を(任意に精製後に)工程(B)に戻す。
第4~第8の実施形態の特定の構成である本発明の第9の実施形態においては、方法は、
(E)工程(D.III)において回収されるアミンであるアミンの粗生成物画分(工程(B)~(D)のいずれにも由来せず、代わりにアミンの(新たな)調製プロセスに由来する)を準備する工程であって(すなわち、先の工程(D.III)で選択した例においては、粗TDA生成物画分の準備)、粗生成物画分が、このアミンだけでなく(選ばれた例においては、TDAだけでなく)、(少なくとも)このアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物も含む、工程、
を更に含み、ここで、工程(D.III)は、
(D.III.1)アミン相(選ばれた例においては、TDAを含む)を粗生成物画分と混合するとともに、得られる混合物を後処理して、粗生成物画分に存在するアミン(すなわち、選ばれた例においてはTDA)をアミン相から回収されたアミン(選ばれた例においては、同様にTDA)とともに得ること(したがって、後処理において、ポリウレタン製品に由来するTDAが粗生成物画分に由来するTDAとともに得られる)、
を含む。
第9の実施形態の特定の構成である本発明の第10の実施形態においては、粗生成物画分を、粗生成物画分に存在するアミンを精製するための蒸留(選ばれた例においては、TDAを精製するための蒸留)の塔底画分から取り出し、工程(D.III.1)において、このアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物(及びポリウレタン製品に由来する不純物)を含む固形残渣が付加的に(すなわち、粗生成物画分に存在するアミン及びアミン相から回収されたアミンとともに、すなわち、選ばれた例においてはTDAとともに)得られる。
第9の実施形態の別の特定の構成である本発明の第11の実施形態においては、粗生成物画分は、粗生成物画分に存在するアミンを調製するプロセスの粗生成物から取り出され、このアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物に加えて、このアミンよりも容易に(選ばれた例においては、TDAよりも容易に)沸騰する有機不純物、さらには水も含み、水を除去するために蒸留に供給され、このアミン(選ばれた例においては、TDA)、このアミンよりも容易に(選ばれた例においては、TDAよりも容易に)沸騰する有機不純物及びこのアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物を含む塔底画分が得られ、さらには除去された水を(任意に、このアミンよりも容易に(したがって、選ばれた例においてはTDAよりも容易に)沸騰する残存量の有機不純物とともに)含む塔頂画分が得られる。
第10及び第11の実施形態の特定の構成である本発明の第12の実施形態においては、工程(E)は、
(E.I)粗生成物画分に存在するアミン(選ばれた例においては、TDA)に対応するニトロ化合物(選ばれた例においては、ジニトロトルエン(DNT))を、任意に溶媒の存在下で触媒的に水素化して、このアミンだけでなく(選ばれた例においては、TDAだけでなく)、このアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物、このアミンよりも容易に(選ばれた例においては、TDAよりも容易に)沸騰する有機不純物、及び水を含む粗生成物を得ること、
(E.II)粗生成物から水を除去して、水が失われた方法生成物を得ること、
(E.III)水が失われた方法生成物を蒸留して、粗生成物画分に存在するアミン(すなわち、所望のアミン)(選ばれた例においては、TDA)の蒸留物画分、及びこのアミンだけでなく(選ばれた例においては、TDAだけでなく)、このアミンよりも高い沸点で(選ばれた例においては、TDAよりも高い沸点で)沸騰する有機不純物を含有する塔底画分を得ること、
を含む。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第13の実施形態においては、イソシアネート(すなわち、ポリウレタン製品のイソシアネート成分を形成するイソシアネート)は、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン系のジイソシアネート及びポリイソシアネート(MDI)、ペンタン-1,5-ジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、並びにキシリレンジイソシアネート(XDI)、並びに2種以上のこれらのイソシアネートの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、ポリウレタン製品のイソシアネート成分を形成するイソシアネートは、TDI(これと異なる他のイソシアネートを含まない)又はTDIとMDIとの混合物(これらと異なる更なるイソシアネートを含まない)である。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第14の実施形態においては、工程(C.I)において、
有機溶媒は、脂肪族炭化水素(例えば、特に、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、又はドデカン)、脂環式炭化水素(例えば、特に、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、又はシクロペンタン)、芳香族炭化水素(例えば、特に、ベンゼン又はトルエン)、及び2種以上のこれらの有機溶媒の混合物からなる群より選択され、かつ、
アルコールは、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、及び2種以上のこれらのアルコールの混合物からなる群より選択される。
第14の実施形態の特定の構成である本発明の第15の実施形態においては、有機溶媒は、脂肪族炭化水素、脂環炭化水素、及び/又は芳香族炭化水素を含み、かつ、アルコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、及び/又はトリエチレングリコールを含む。
第15の実施形態の特定の構成である本発明の第16の実施形態においては、有機溶媒は、ノナン、シクロヘキサン、及び/又はトルエンを含み(特には、ノナン、シクロヘキサン、及び/又はトルエンであり)、アルコールは、ジエチレングリコールを含む(特には、ジエチレングリコールである)。特に好ましい組合せは、ノナン/ジエチレングリコール、及びシクロヘキサン/ジエチレングリコールである。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第17の実施形態においては、工程(B)における触媒は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、カルボン酸のアルカリ金属塩(特に酢酸塩)、カルボン酸のアルカリ土類金属塩(特に酢酸塩)、ルイス酸(例えば、特にジブチルスズジラウレート)、有機アミン(例えば、特にジエタノールアミン)、有機金属化合物(例えば、特にチタンテトラブトキシド)、及びスズ化合物(例えば、特にスズオクトエート)からなる群より選択される。
ポリウレタンフォーム以外のポリウレタン製品に限定されない限り、他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第18の実施形態においては、ポリウレタン製品はポリウレタンフォームである。
第18の実施形態の特定の構成である本発明の第19の実施形態においては、ポリウレタンフォームは軟質ポリウレタンフォームである。
第18の実施形態の別の特定の構成である本発明の第20の実施形態においては、ポリウレタンフォームは硬質ポリウレタンフォームである。
ポリウレタンエラストマー以外のポリウレタン製品に限定されない限り、他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第21の実施形態においては、ポリウレタン製品はポリウレタンエラストマーである。
ポリウレタン接着剤以外のポリウレタン製品に限定されない限り、他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第22の実施形態においては、ポリウレタン製品はポリウレタン接着剤である。
ポリウレタンコーティング以外のポリウレタン製品に限定されない限り、他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第23の実施形態においては、ポリウレタン製品はポリウレタンコーティングである。
工程(D.II.a)又は工程(D.I.b)(カルバメートを加水分解する工程)を含むことを条件に、他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第24の実施形態においては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、カルボン酸のアルカリ金属塩(特に酢酸塩)、カルボン酸のアルカリ土類金属塩(特に酢酸塩)、ルイス酸(例えば、特にジブチルスズジラウレート)、有機アミン(例えば、特にジエタノールアミン)、有機金属化合物(例えば、特にチタンテトラブトキシド)及びスズ化合物(例えば、特にスズオクトエート)からなる群より選択される触媒が工程(D.II.a)又は工程(D.I.b)において使用される。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第25の実施形態においては、工程(B)の水は、存在していたとしても、工程(B)において存在する(すなわち、反応物の混合の直後、すなわちウレタン切断反応の開始前に存在する)ポリウレタン製品、触媒、アルコール及び水の全質量を基準とした水の質量分率が0%~5.0%の範囲、好ましくは0%~3.0%の範囲、より好ましくは0%~2.0%の範囲、非常に好ましくは0%~1.6%の範囲となるような量で供給され、触媒の存在下でのポリウレタン製品と(一価又は多価)アルコールとの反応中に更なる水が添加されない。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第26の実施形態においては、工程(B)における触媒の存在下でのポリウレタン製品と(一価又は多価)アルコールとの反応は、160℃~240℃の範囲の温度で行われる。
他の全ての実施形態と組み合わせることができる本発明の第27の実施形態においては、ポリオール(すなわち、ポリウレタン製品のポリオール成分を形成するポリオール)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール及び2種以上の前述のポリオールの混合物からなる群より選択される。ポリウレタン製品のポリオール成分を形成するポリオールは、好ましくはポリエーテルポリオールを含み、より好ましくは、ポリオールはポリエーテルポリオールである(ポリエーテルポリオールと異なる他のポリオールを含まない;しかしながら、2種以上の異なるポリエーテルポリオールの混合物は包含され、本実施形態の範囲外ではない)。
本発明の上で簡単に概説した実施形態及び考え得る更なる構成を、以下でより詳細に明らかにする。逆のことが当業者にとって文脈から明らかに見て取れない限り、異なる実施形態を互いに任意に組み合わせることができる。
図1は、上で概説した好ましい実施形態及び変形例aによるリサイクルの流れを含む、本発明の方法の概略図を単純なブロックフロー図の形で示す。定義は以下の通りである:
1:ポリウレタン製品;
2:アルコール;21:第1のアルコール相;22:アルコール画分;
3:第1の生成物混合物
4:有機溶媒;41:第1の溶媒相;42:第2の溶媒相;43:第3の溶媒相;
5:洗浄水溶液;50:エマルション相;51:第1の水性相;52:第2の水性相;53:水相;
6:ポリオール;
7:カルバメート相;
8:アミン相;
9:アミン;
1000:工程(A);
2000:工程(B)(アルコール分解として);
3000:工程(C);3100:工程(C.I);3210:工程(C.II.1);3220:工程(C.II.2);3231:工程(C.II.3.a);3240:工程(C.II.4);
4000:工程(D);4101:工程(D.I.a);4201:工程(D.II.a);4300:工程(D.III)。
図2は、上で概説した好ましい実施形態及び変形例bによるリサイクルの流れを含む、本発明の方法の概略図を単純なブロックフロー図の形で示す。使用する参照符号は、図1の場合と同じ定義を有する。追加の定義は以下の通りである:
10:アミン-水-アルコール混合物;
11:アミン-アルコール混合物;
23:第2のアルコール相;
54:蒸発水;
3232:工程(C.II.3.b);
4102:工程(D.I.b);4202:工程(D.II.b);4212:工程(D.II.b)の第1のサブ工程(水の蒸発);4222:工程(D.II.b)の第2のサブ工程(アルコール画分の蒸発)。
第1の水性相は、あらゆる場合に得られるわけではなく、又はあらゆる場合に独立した画分として得られるわけではない。したがって、これに関して破線の矢印を用いる。
ケミカルリサイクルの準備
本発明の方法の工程(A)(=図面の1000)において、リサイクルされる化学ポリウレタン製品1を準備する。
これは原則として、あらゆる種類のポリウレタン製品、すなわちポリウレタンフォームだけでなく、CASE用途のポリウレタン製品でもあり得る。ポリウレタンフォームに関して、軟質フォーム及び硬質フォームの両方が好適であるが、軟質フォーム(例えば古いマットレス、布張りの家具又は自動車のシートからのもの)が好ましい。CASE用途のポリウレタン製品の場合、ポリウレタンエラストマー、ポリウレタン接着剤及びポリウレタンコーティングが好ましい。ポリウレタン製品の中でも、軟質ポリウレタンフォームが特に好ましい。
イソシアネート成分の点では、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン系のジイソシアネート及びポリイソシアネート(MDI)、ペンタン-1,5-ジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、並びにキシリレンジイソシアネート(XDI)、並びに2種以上のこれらのイソシアネートの混合物からなる群より選択されるイソシアネートを原料とするポリウレタン製品が好ましい。イソシアネート成分の点では、TDI、又はTDIとMDIとの混合物を原料とするポリウレタン製品が特に好ましい。特に好ましいポリウレタン製品は、イソシアネート成分の点でTDIのみを原料とするものである。
ポリオール成分の点では、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、及び2種以上のこれらのポリオールの混合物からなる群より選択されるポリオールを原料とするポリウレタン製品が好ましい。「ポリエーテルポリオール」、「ポリエステルポリオール」等の用語は、当然のことながら、2種以上の異なるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を使用する実施形態も包含する。特に好ましいポリウレタン製品は、ポリオール成分の点でポリエーテルポリオールを原料とするものである。
したがって、全体として、イソシアネート成分としてTDI又はTDIとMDIとの混合物を原料とし、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを原料とする軟質ポリウレタンフォームが本発明の方法に好ましい。
工程(A)は、工程(B)におけるウレタン結合の切断のための準備工程を含むのが好ましい。これは特に、ポリウレタン製品の機械的粉砕である。かかる準備工程は、当業者に既知であり、例えば非特許文献1に引用されている文献を参照することができる。
ウレタン結合の化学的切断
本発明の方法の工程(B)(=図面の2000)は、ウレタン結合の切断に関する。工程(B)は、好ましくはアルコール分解(通常、文献中ではグリコール分解と称される;前述の2.を参照)として行われ、特に160℃~240℃の範囲の温度で、すなわち、文献中の加水グリコール分解と称されるプロセスとは対照的に、相当な割合の水を添加しないアルコールとの反応として行われる。この文脈での相当な割合の水を添加しないとは、加水グリコール分解(より正確には加水アルコール分解)を相当な程度まで引き起こす量の水を意図的に添加しないことを意味する。例えば、工程(B)において使用されるアルコール2の溶液中に存在し得るか、ポリウレタン製品によって混入し得るか、又は触媒の溶媒として使用され得る少量の水の浸入は、この表現によって除外されない。したがって、工程(B)をアルコール分解として行う場合であっても、第1の生成物混合物が水を含む可能性がある。析出した任意の塩を溶液にするために、触媒の存在下でのポリウレタン製品とアルコールとの反応の開始前に、工程(B)において少量の水を添加することも同様に想定される。この場合、添加する水に二酸化炭素を添加し、より具体的には上記水を二酸化炭素で飽和させることが好ましい可能性がある。これにより塩基性塩の溶解が促進される。水は、工程(B)において、最大でも、工程(B)において存在する(すなわち、反応物の混合の直後、すなわちウレタン切断反応の開始前に存在する)ポリウレタン製品、触媒、アルコール及び水(起源を問わない)の全質量を基準とした水の質量分率が0%~5.0%の範囲、好ましくは0%~3.0%の範囲、より好ましくは0%~2.0%の範囲、非常に好ましくは0%~1.6%の範囲となるような量で上述の供給源によって混入する。特に、本発明の方法においてはウレタン切断反応によって化学的に消費された水が、反応中に更なる水の添加によって補われないことから、これらの割合は、加水アルコール分解に通常用いられる割合よりも大幅に少なく、したがって、最初に少量の水が存在する場合であっても、工程(B)において進行する反応は、「純アルコール分解」として早急に進行する。
アルコール分解が冷却状態で起こった後(特に常温まで冷却した後)に塩を溶解する目的で水を添加することも可能である。この場合、この目的で用いられる水の質量分率は、上記より高くてもよく、特に、アルコール分解が冷却状態で起こった後のこの水の添加前の反応混合物の全質量を基準として最大20%とすることができる。ここでも、塩基性塩の溶解を促進するために、添加する水に二酸化炭素を添加し、より具体的にはこの水を二酸化炭素で飽和させることが好ましい場合がある。
このアルコール分解により、ポリオール、カルバメート及び使用されるアルコール(アルコールは、工程(B)において原則として超化学量論量で使用されるため、第1の生成物混合物は常に、未反応のアルコールの画分を含有する)、任意の水(上記の説明を参照されたい)、さらには、特に工程(A)において準備されるポリウレタン製品の性質に応じて、任意のアミン、より具体的にはイソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミンを含む、第1の生成物混合物3が生じる。リサイクルされるポリウレタン製品のウレタン結合と工程(B)において使用されるアルコールとの反応の場合、ウレタン結合に結合していたポリオールが放出され、用いられるアルコールにより新たなウレタンが形成される。この新たなウレタンについては、本発明の文脈において、元のウレタンとより良く区別するために、カルバメートという用語が使用される。多価アルコールの場合、原則として全てのアルコール基がこの種のカルバメート形成反応に加わることが可能である。
第1の生成物混合物が既にアミンを含有している可能性がある。これは工程(A)において準備されるポリウレタン製品が相当量の尿素(例えば水発泡(water-blown foaming)によって生じる)を含有する場合に特に当てはまる。次いで、かかる尿素が工程(B)において使用されるアルコールと反応し、アミンが放出される。
アルコール分解は、原則として従来技術においてそれ自体が既知のように行うことができる。
工程(B)に適したアルコール2は、特に、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は2種以上のこれらのアルコールの混合物である。本明細書において、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、トリエチレングリコール、又は2種以上のこれらの混合物が特に好ましい。特に好ましいのはジエチレングリコールである。
工程(B)における触媒としては、特に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、カルボン酸のアルカリ金属塩(特に酢酸塩)、カルボン酸のアルカリ土類金属塩(特に酢酸塩)、ルイス酸(例えば、特にジブチルスズジラウレート)、有機アミン(例えば、特にジエタノールアミン)、有機金属化合物(例えば、特にチタンテトラブトキシド)、及びスズ化合物(例えば、特にスズオクトエート)によって処理されたものが好適である。工程(B)は、添加するポリウレタン製品の質量を基準として0.1質量%~5質量%の触媒の存在下にて160℃~270℃の範囲の温度であるのが好ましい。
このようにして得られる第1の生成物混合物3は、単相混合物であってもよい(また、単相混合物であるのが好ましい)。ウレタン結合の化学的切断の生成物、すなわち少なくともポリオール(工程(C)を参照)、好ましくはポリオール及びアミン(工程(D)を参照)を単離するための後処理が、二相生成物を対象とする多くの従来技術の方法の場合のような工程(B)自体における生成物混合物の予備分離の達成に基づいていないことは本発明の大きな利点である(非特許文献1及びそれに引用されている文献を参照されたい)。結果として、アルコールの選択における自由度が大幅に高まる。しかしながら、第1の生成物混合物の多相性も障害にならず、本発明の範囲外ではない。
ポリオールの回収
本発明の方法の工程(C)(=図面の3000)は、工程(B)において得られる第1の生成物混合物からのポリオールの回収、すなわち、従来技術の「フォード加水グリコール分解プロセス」においては行われない、工程(B)と工程(C)との間の水の除去を含む。この目的で、第1の工程(C.I)(=図面の3100)において、工程(B)において得られる第1の生成物混合物3を、工程(B)において使用されるアルコール2と完全には混和しない有機溶媒4と合わせることで、2つの相を形成する(=有機溶媒4による第1の生成物混合物3の抽出)。
工程(C.I)に適した有機溶媒4は、特に、脂肪族炭化水素(例えば、特に、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、又はドデカン)、脂環式炭化水素(例えば、特に、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、又はシクロペンタン)、芳香族炭化水素(例えば、特に、ベンゼン又はトルエン)、又は2種以上のこれらの有機溶媒の混合物である。上述の例示物のうち、脂肪族炭化水素の中ではノナンが好ましく、脂環式炭化水素の中ではシクロヘキサンが好ましく、芳香族炭化水素の中ではトルエンが好ましい。
工程(B)において使用されるアルコール2及び工程(C.I)において使用される有機溶媒4は、いずれの場合にも、工程(C.I)において第1のアルコール相21(使用されるアルコール2に加えて、カルバメート及び任意のアミン、より具体的にはイソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミンを含む)及び第1の溶媒相41(ポリオールを含む)への相分離を行うことができるように互いに調和する必要がある。この目的で、有機溶媒4として芳香族炭化水素を用い、アルコールとしてエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール及び/又はトリエチレングリコールを使用することが好ましい。ノナンとジエチレングリコールとの組合せ、シクロヘキサンとジエチレングリコールとの組合せ、及びトルエンとジエチレングリコールとの組合せが特に適切であることが証明されており、前者の2つの組合せが特に好ましい。疑念がある場合には、アルコールと溶媒との好適な組合せを簡単な予備試験によって迅速に確認することができる。
工程(C.I)は、それ自体が当業者に既知の抽出設備、例えば、特に内部装置を有する及び有しない静的分離器、或いは遠心分離器を用いて行うことができる。有機溶媒と第1の生成物混合物との比率を基準として1:2~4:1の範囲の割合がこの場合に好ましい。20℃~80℃の温度、好ましくは使用される溶媒の沸点より最大でも10K低い温度、任意に窒素ブランケティング及びガス発生の防止による僅かな過圧、バッチ抽出、特に水の総量を減少させる向流抽出が好適なプロセス条件である。
相分離後に得られる第1の溶媒相41を工程(C.II)において後処理し、ポリオール6を回収する。この後処理は、工程(C.II.1)(=3210)における洗浄水溶液5による第1の溶媒相41の(一段階又は多段階)洗浄を含むのが好ましい。ここで、相分離後に第2の溶媒相42(ポリオールを含む)、「エマルション相」50(洗浄水溶液に乳化した有機構成成分、特にポリオールを含む)、及び任意に第1の水性相51が得られる。相分離におけるこの洗浄時に、有機相(第2の溶媒相42)だけでなく、有機構成成分が乳化した洗浄水溶液から構成される相も規則的に形成され、さらには、或る特定の状況下で(透明な)水性相が全く得られないことが実際に明らかになっている。(透明な)水性相が得られる場合、これをエマルション構成成分とともに分離してもよく(この場合、本発明の専門用語においては、エマルション構成成分及び透明な構成成分の全体がエマルション相と称される)、又は得られる混合物を第2の溶媒相、エマルション相(この場合、透明な構成成分を含まない)及び第1の水性相(透明な構成成分を含む)の3つの相に分離する。したがって、第1の例においては相分離後に2つの画分が存在し、第2の例においては3つの画分が存在する。
工程(C.II.1)における多段階洗浄の場合、各洗浄段階後に相分離を行うため、初めに複数の「第1の水性相」(=透明な水性相)が得られることがある。工程(C.II.1)における多段階洗浄は、例えばバッチ抽出及び/又は向流抽出の形態で、より具体的には向流抽出として当業者に既知の原理に従って行うことができる。各洗浄段階において得られるエマルション相の画分を合わせる。向流抽出の場合、第2の又は更なる洗浄段階において得られる(透明な)水性相を、好ましくは、いずれの場合にも先行する洗浄段階における洗浄水溶液として使用する一方、第1の洗浄段階において得られる(透明な)水性相を、好ましくはエマルション相に添加し、これらとともに、(この工程を行う変形例に関わらず)先で既に簡潔に説明した工程である工程(C.II.3)に供給する。バッチ抽出の場合、手順には得られた全ての(透明な)水性相を使用することができ、すなわちこれらをエマルション相に添加し、それとともに工程(C.II.3)に供給することができる。
このようにして得られた第2の溶媒相42を工程(C.II.2)(=3220)において後処理して、ポリオールを回収する。これは、蒸留及び/又はストリッピングガス(例えば、特に窒素又は蒸気、好ましくは窒素)によるストリッピングを用いて達成するのが好ましい。一実施形態においては、この工程は流下膜式蒸発器、薄膜蒸発器、フラッシュ蒸発器、上昇膜式蒸発器、自然循環蒸発器、強制循環型蒸発器及びケトル蒸発器からなる群より選択される蒸発器内での蒸留を含む。かかる蒸留に続いて蒸気ストリッピングを行うのが好ましい。
工程(C.II.1)において得られるエマルション相(この相が純粋なエマルション相の形態を取るか、又はエマルション構成成分と透明な水性相との混合物の形態を取るかを問わない)は、ポリオールを含み、したがって、更に後処理するのが好ましい。この目的で、工程(C.II.3)におけるエマルション相と有機溶媒(より具体的には、工程(B)において使用されるものと同じ溶媒)とを合わせた後、相を分離する(=エマルションを破壊するための有機溶媒によるエマルション相の抽出)のが適切であることが見出されている。この工程(C.II.3)の実行については幾つかの選択肢がある。
第1の変形例(変形例a;3231;図1を参照)においては、上記のように有機溶媒4(のみ)を用いてエマルションを破壊する。相分離により第3の溶媒相43及び第2の水性相52が生成する。第3の溶媒相43は、工程(C.II.4)(=3240)において工程(C.I)(3100;抽出溶媒としての使用)又は工程(C.II.1)(3210;洗浄のための第1の溶媒相との組合せ)に戻すことができる。
第2の変形例(変形例b;3232;図1を参照)においては、有機溶媒だけでなく、工程(C.I)において得られる第1のアルコール相21を用いて(部分的又は完全に、好ましくは完全に)エマルションを破壊する。相分離により第3の溶媒相43及び第2のアルコール相22が生成し、これが第1のアルコール相からのカルバメート及び/又はアミンを含有する。
アミンの回収
本発明は、好ましくは工程(D)(=図面の4000)のアミンの回収も含み、工程(B)において形成されるカルバメートの加水分解の工程を含む。
第1の変形例(変形例a;図1も参照)においては、これは好ましくは、初めに工程(D.I.a)(=図1の4101)におけるアルコール画分22を工程(C.I)において得られる第1のアルコール相21から蒸発させることによって達成され、このアルコール画分22は任意に、ポリウレタン製品からの添加剤及び/又は工程(B)において使用される触媒の後続生成物を更に含む。この蒸発は、蒸発の前又は後にアルコール相に存在する有機溶媒の除去と併せて行うことができ、「前又は後」という用語は、水及び溶媒を共通の受器に蒸留した後、相分離によって互いに分離する溶媒除去の構成も包含する。この種の溶媒除去工程において回収される有機溶媒はプロセス、例えば第3の溶媒相43に戻すことができる。蒸発において得られるアルコール画分22は、好ましくは(任意に精製の後に)工程(B)に戻され、そこでウレタン切断に用いられるアルコールの構成成分として使用される。
蒸発によりカルバメート相7が残る。この相を工程(D.II.a)(図1の4201)において水相53、特に洗浄水相で加水分解して、アミン相(アミン-水混合物;図1の8)を得る。これにより概して、ポリウレタン製品に由来する不純物が少なくとも部分的にこのアミン相8に残る。加水分解は、触媒の存在下で行うことができ(行うのが好ましい)、この場合、工程(B)について先に述べたものと同じ触媒が好適である。工程(C.II.3.a)において得られる第2の水性相52は、工程(D.II.a)に使用される水相の構成成分(任意に唯一の構成成分)として使用されるのが好ましい。工程(C.II.1)における相分離を行い、第1の水性相51が得られる場合、本発明の一実施形態においては、この第1の水性相を工程(D.II.a)において使用される水相(洗浄水相;53)の構成成分として(より具体的には、工程(C.II.3.a)において得られる第2の水性相52と組み合わせて;任意に唯一の構成成分としても)使用することができる。工程(C.II.1)を多段階で行う場合、先に記載した向流抽出の場合、特に、第1の洗浄段階において得られる「第1の水性相」のみが工程(D.II.a)においてこのように使用される。バッチ抽出の場合、全ての「第1の水性相」を工程(D.II.a)においてこのようにして使用することができる。
しかしながら、原則として、あらゆる通常の水源(例えば、真水又は凝縮蒸気を含む)を工程(D.II.a)の水相53として使用することができる。
第2の変形例(変形例b;図2も参照)においては、工程(D)におけるアミンの回収は、第2のアルコール相23から開始する(第1のアルコール相21中に最初に存在していたカルバメート又はアミンが工程(C.II.3.b)において上記相に移されたため)。この変形例においては、好ましくは加水分解工程(この場合、工程(D.I.b)=図2の4102)を初めに行い、その後にのみ蒸発工程(この場合、工程(D.II.b)=4202)を行う。加水分解によってアミン-水-アルコール混合物が生成する。この工程の実行に関しては、第1の変形例との関連で上に示した説明を参照することができる。
次の工程(工程(D.II.b)=4202)においては、アミン-水-アルコール混合物10を蒸発手順に供する。これは、好ましくは2段階で行われ、第1段階4212の水54の蒸発によってアミン-アルコール混合物11が残り、第2段階4222のアルコール画分22の蒸発によってアミン相8が残る。また、この変形例においては、存在する任意の有機溶媒の除去は、蒸発(すなわち、水の蒸発)の前又は後に行うことができ、「前又は後」という用語は、水及び溶媒を共同の受器に蒸留した後、相分離によって互いに分離する溶媒除去の構成も包含する。この種の溶媒除去工程において回収される有機溶媒はプロセス、例えば第3の溶媒相に戻すことができる。蒸発した水を同様にプロセスに戻すことができ、具体的には、特に工程(D.I.b)に用いられる水相の構成成分として使用することができる。付加的に必要とされる水は、他の通常の水源(例えば、真水又は凝縮蒸気)に由来し得る。第2の蒸発段階において得られるアルコール画分は、好ましくは(任意に精製の後に)工程(B)に戻され、そこでウレタン切断に用いられるアルコールの構成成分として使用される。
選択される変形例とは独立して、アミン9は最終的に、加水分解(工程(D.I.b)又は工程(D.II.a))において得られるアミン相8から工程(D.III)において得られる。アミンの性質に応じて、この後処理は、相分離及び/又は蒸留を含むのが好ましい。アミン相が工程(B)に用いられるアルコールの相当な割合を依然として含有する場合、このアルコールを工程(D.III)の一環として分離し、工程(B)に戻すことができる。
ポリウレタン製品に由来する不純物の経済的かつ環境に配慮した出口を提供する本発明の特に有利な一実施形態において、アミン相からのアミンの回収は、アミンの新たな調製に由来する粗アミン生成物画分のアミン相に混和させることによって、新たに調製されたアミンの後処理に結び付けられる。
(1)本発明の方法のこの特に有利な実施形態は、ポリウレタン製品のイソシアネート成分が正に1つのイソシアネート類を原料とする場合に特に適用することができる。かかる状況においては、本発明の方法においてポリウレタン製品から回収されるアミン相8は、イソシアネート類のイソシアネートに対応するアミンのみを含み(その他を含まない)、したがって、(同じアミン類の)同じアミンの調製のための(すなわち、リサイクルによる回収とは区別される新たな調製のための)プロセスにおいて得られる粗生成物画分と容易に混和させることができる。
(2)ポリウレタン製品のイソシアネート成分が異なるイソシアネート類のイソシアネートを原料とする状況において、本発明の方法の記載の特に有利な実施形態は、(正に)1つのアミン類が、そうでなければ同様に存在する最も低沸点のアミン類よりも顕著に低い温度(すなわち、少なくとも20℃低い温度)で沸騰するように、イソシアネート類に対応するアミン類の沸点が異なる場合に特に適用することができる。かかる状況においては、本実施形態を用いて、同じアミン類の新たに調製されたアミンの後処理の過程で最も低沸点のアミン類を回収し、より高沸点のアミン類のアミンを、塔底画分及び/又は残渣に移すことによって後処理において除去することができる(詳細については以下を参照されたい)。例えば、そのイソシアネート成分に関してTDIとMDIとの混合物を原料とするポリウレタン製品の場合、アミン相とかかるTDA粗生成物画分とを混合し、その画分とともに後処理することによって、アミン相をTDA粗生成物画分の後処理に結び付けることができる。この後処理においては、新たに調製されたTDA及び元はポリウレタン製品に由来するTDAが一緒に得られるが、ポリウレタン製品からのMDAは、蒸留精製において塔底画分として除去される。この塔底画分から、これを更なる蒸留工程において得ることができるか(少なくともジフェニルメタン系のジアミン)、又はMDAの(物理的)回収を省き、MDAをTDA調製からの固形残渣に移行させることが可能である(詳細については以下を参照されたい)。
以下の詳細な説明は、簡単にするために、言い回しの点で状況(1)に指向しているが、状況(2)にも適用可能である。
ポリウレタン合成に重要なアミンの調製においては、粗生成物画分が、例えば標的のアミンを精製するための蒸留における塔底画分として、或いは調製自体の(場合によっては溶媒の除去後の)粗生成物として規則的に生成し、所望のアミンに加えて、不純物及び/又は副生成物(例えば、アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物(高沸点物(high boilers)と称される)、アミンよりも容易に沸騰する有機不純物(低沸点物(low boilers)と称される)、及び/又は(反応の)水等)も含む。本発明のこの特に好ましい実施形態において、アミン相からのアミンの回収が、新たに調製されたアミンの後処理に結び付けられることで、この種の粗生成物画分(いずれにしてもアミン調製において得られる)が工程(E)において与えられ、工程(D.III.1)において工程(D.III)からのアミン相と混合され、その後の後処理によってアミンが回収される。
工程(E)において与えられるこの種の粗生成物画分は、特に以下のように得られる:
(E.1)アミンに対応するニトロ化合物を、任意に溶媒(例えば、メタノール)の存在下で、触媒的に(例えば、ラネーニッケル触媒の存在下で)水素化して(例えば、ジニトロトルエンをトリレンジアミンに水素化する)、任意に用いられる溶媒の除去の後に、アミンに加えて高沸点物及び低沸点物、並びに水を含む粗生成物画分を(粗水素化生成物として)得る;
(E.II)この粗生成物から水を除去して、水を(殆ど)含まない方法生成物を得る;
(E.III)水を(殆ど)含まない方法生成物を蒸留精製して、所望のアミンの蒸留物画分と、アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物、さらには所望のアミンの更なる画分を含む粗生成物画分とを(蒸留の塔底画分として)得る。
工程(E.I)~(E.III)を図3に概略的に示す。定義は以下の通りである:
12:水素化に使用される水;
13:アミンに対応するニトロ化合物;
14:粗水素化生成物;
15:除去された水;
16:水が失われた方法生成物;
17:水素化において形成されたアミンの蒸留物画分;
18:蒸留の塔底画分;
5100:水素化(工程(E.I));5200:水の除去(工程(E.II));5300:蒸留(工程(E.III))。
本発明の一実施形態においては、アミン相8を工程(E.I)において得られる粗水素化生成物14と混合し(上記粗生成物は、存在する任意の溶媒が除去されているにすぎない)、すなわち、工程(E)からの粗生成物画分は、粗水素化生成物として得られる(工程(E.I)=5100)。ポリウレタン製品からのアミン9は、ここで(新たな)調製からのアミン17とともに留去される。これは図4に示され、既に用いられている参照符号は、これまでと同じ意味を有し、4310は工程(D.III.1)を表す。
本実施形態において、アミン相8を工程(E.I)からの粗水素化生成物に、特に水除去工程(工程(E.II))の前又はその最中に混和させ、水の除去は、例えば欧州特許出願公開第0236839号に記載されているように蒸留によって行うのが好ましい。本実施形態においては、この場合、イソシアネートに対応するアミンの粗生成物画分は、アミンだけでなく、アミンよりも容易に沸騰する有機不純物、さらには水を更に含み、水の除去のために蒸留に送られる。この蒸留によりアミン、アミンよりも容易に沸騰する有機不純物、及びアミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物を含む塔底画分、さらには除去された水を(場合によっては、アミンよりも容易に沸騰する残存量の有機不純物とともに)含む塔頂画分が生成する。ポリウレタン製品に由来する不純物を水除去工程、すなわち工程(E.II)において塔底画分に移行させる。その後のアミン蒸留工程、すなわち工程(E.III)において、これらを同様に塔底画分に移行させる。
本発明の更なる実施形態においては、アミン相8を工程(E.III)において得られる塔底画分18に混和させ、すなわち、工程(E)からの粗生成物画分がアミン蒸留の塔底画分として得られる(工程(E.III)=5300)。アミン蒸留の塔底画分として得られる、かかる粗生成物画分の例は、国際公開第02/48075号の図1~図3の流5、50及び51であり、明細書に概説されるように、或いは明細書から逸脱して、下に概説する乾燥装置内でこれらの流を更に後処理することができる。かかる粗生成物画分の別の例は、米国特許第7,307,190号の図1~図5の流P4である。この種の塔底画分は、従来技術においては、それらが含有するアミンの回収のために後処理される。この目的で、塔底画分を乾燥装置内で濃縮し、固形残渣を得て、アミンを留去することで、回収することができる。本発明の方法の記載の実施形態においては、この場合、アミン相8と塔底画分18とを混合することによって、アミンの(新たな)調製に由来するアミン20の回収を、ポリウレタン製品に由来するアミン9の回収と関連付ける。したがって、この場合、アミン20、9に加えて、粗生成物画分に存在する高沸点物とポリウレタン製品に由来する不純物とを含む固形残渣が得られる。これは図5に示され、既に用いられている参照符号は、これまでと同じ意味を有し、6000は残渣の後処理を表す。かかる後処理に適した装置は、当業者に既知であり、例えば独国特許出願公開第102012108261号(流P4の後処理のための米国特許第3,307,190号にも言及されているニーダードライヤー(kneader-dryer))、欧州特許出願公開第2540702号(流動層乾燥器)及び国際公開第2018/114846号(様々なタイプの乾燥器)に記載されている(記載の独国特許、欧州特許及び国際出願の明細書においては、TDI残渣の後処理が記載されているが、TDA残渣の後処理にも装置を使用することができる)。この種の後処理手順において得られる固形残渣は、これまでのように更に処理することができる。例えば、これらを燃焼、ガス処理(すなわち、燃焼とは対照的に、酸素欠乏条件下で加熱する)、又は熱分解することができる。
したがって、上で概説した本発明の特に有利な実施形態を用いて、不純物をポリウレタン製品からいずれの場合にも存在する残渣に移すことで、付加的な廃棄物流を低減又は回避する上で成功が達成される。
分析:
化合物の混合物の組成を、内部標準を用いるH-NMR/2D-NMR分光法を用いて決定した。化合物の混合物の組成に関するパーセンテージは、問題の化合物の混合物の全質量を基準とした質量分率である。
実験:
TDIベースのポリウレタンフォームを1:1の質量比でジエチレングリコール(DEG)によるアルコール分解に供した(本発明の方法の工程(A)及び(B))。その結果得られた第1の生成物混合物は、以下の組成を有していた(第1の生成物混合物の全質量を基準とした質量分率):
第1の生成物混合物:
38%のポリオール、42%のDEG、並びに合計20%のTDA及びカルバメート。
この第1の生成物混合物70gをサンプルボトルに導入し、160gのトルエンを添加した。ボトルを密閉し、5分間手で振った(本発明の方法の工程(C.I)による抽出)。得られた生成物混合物は、2つの相を有していた。上部の軽相は、主にポリオール及びトルエンを含有し(第1の溶媒相)、下部の重相は、主にDEG、アミン又はカルバメート化合物を含有していた(工程(C.I)からのアルコール相=第1のアルコール相)。2つの相を分液漏斗において互いに分離した。約145gの溶媒相及び約76gのアルコール相が得られた。相の組成は以下の通りであった:
軽相(第1の溶媒相):
11%のポリオール、85%のトルエン、3%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。
重相(第1のアルコール相):
4%のポリオール、36%のトルエン、45%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。
第1の溶媒相120gをサンプルボトルに移し、120gの完全脱塩水(FD水)を添加した。ボトルを密閉し、5分間手で振った。約70gの軽相(第2の溶媒相)及び約165gの重相(エマルション相)を互いに分離した(本発明の方法の工程(C.II.1)による洗浄)。軽相の組成は以下の通りであった:
軽相(第2の溶媒相):
11%のポリオール、85%のトルエン、約2.7%の水、0.2%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。
原理の試験において、第2の溶媒相を、ロータリーエバポレーターを用いて150℃及び30mbarで加熱し、溶媒の大部分を除去した。残存した粗ポリオールについて以下の組成が見られた:
粗ポリオール:
93%のポリオール、0.3%のトルエン、約0.2%の水、4%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。
干渉成分(特にTDA及びカルバメート)の除去は、蒸留技術の手法によって容易に可能である(工程(C.II.2))。
エマルション相をサンプルボトル内で(工程(C.I)からの)第1のアルコール相と混合し、得られる混合物50gに150gのトルエンを添加した。サンプルボトルを密閉し、5分間手で振った(図2に示される工程(C.II.3.b)によるエマルションを破壊する目的でのエマルション相の抽出)。2分未満の短い分離時間の後に、エマルションを含まない2つのきれいに分離した相が存在し、これらを容易に互いに分離することができた。このようにして得られた相は、以下の組成を有していた:
軽相(第3の溶媒相):
0.4%のポリオール、98.2%のトルエン、約1%の水、0.1%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。
重相(第2のアルコール相):
0.6%のポリオール、4%のトルエン、約48%の水、37%のDEG、残りがTDA及びカルバメート。

Claims (15)

  1. (A)イソシアネート成分及びポリオール成分を原料とするポリウレタン製品を準備する工程と、
    (B)前記ポリウレタン製品とアルコールとを触媒の存在下で反応させて、未反応のアルコール、ポリオール及びカルバメート、さらには任意に水を含有する第1の生成物混合物を得る工程と、
    (C)
    (C.I)工程(B)において得られる前記第1の生成物混合物を、該第1の生成物混合物中に存在する水を事前に除去することなく、工程(B)において使用される前記アルコールと完全には混和しない有機溶媒と合わせるとともに、第1のアルコール相及び第1の溶媒相への相分離を行うこと、
    (C.II)前記第1の溶媒相を後処理して、前記ポリオールを回収することと、
    を含む、前記第1の生成物混合物を後処理する工程と、
    任意に、
    (D)前記カルバメートを加水分解する工程を含む、前記第1のアルコール相を後処理する工程と、
    を含む、ポリウレタン製品から原料を回収する方法。
  2. 工程(C.II)が、
    (C.II.1)前記第1の溶媒相をスクラブ水溶液でスクラブするとともに、第2の溶媒相、エマルション相及び任意に第1の水性相への相分離を行うこと、
    (C.II.2)前記第2の溶媒相を後処理して、前記ポリオールを回収すること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(C.II)が、
    (C.II.3)前記エマルション相を、
    (C.II.3.a)有機溶媒と合わせるとともに、第3の溶媒相及び第2の水性相への相分離を行うか、又は、
    (C.II.3.b)前記第1のアルコール相及び有機溶媒と合わせるとともに、第3の溶媒相及び第2のアルコール相への相分離を行うことと、
    (C.II.4)前記第3の溶媒相を工程(C.I)又は工程(C.II.1)に戻すことと、
    を更に含む、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(C.II.3.a)と、
    (D.I.a)アルコール画分を前記第1のアルコール相から蒸発させて、カルバメート相を残す工程、
    (D.II.a)前記カルバメート相を水相で加水分解して、アミン相を得る工程、
    (D.III)前記アミン相から前記イソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミンを回収する工程、
    を含む工程(D)とを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 工程(C.II.3.b)と、
    (D.I.b)前記第2のアルコール相を水相で加水分解して、アミン-水-アルコール混合物を得る工程、
    (D.II.b)前記アミン-水-アルコール混合物から水を蒸発させて、アミン-アルコール混合物を得た後、該アミン-アルコール混合物からアルコール画分を蒸発させて、アミン相を残す工程、
    (D.III)前記アミン相から前記イソシアネート成分のイソシアネートに対応するアミンを回収する工程、
    を含む工程(D)とを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 工程(D.II.a)において使用される前記水相が、工程(C.II.3.a)において得られる前記第2の水性相を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 工程(C.II.1)において相分離を行い、前記第1の水性相を得て、工程(D.II.a)又は工程(D.I.b)において使用される水相が該第1の水性相を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(D.I.a)又は工程(D.II.b)において得られる前記アルコール画分を工程(B)に戻す、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (E)工程(D.III)において回収されるものと同じアミンであるアミンの粗生成物画分を準備する工程であって、該粗生成物画分が該アミンに加えて、該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物を含む、工程、
    を更に含み、
    工程(D.III)が、
    (D.III.1)前記アミン相を前記粗生成物画分と混合するとともに、得られる混合物を後処理して、前記粗生成物画分に含まれるアミンを前記アミン相から回収されたアミンとともに得ること、
    を含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記粗生成物画分を、該粗生成物画分に含まれるアミンを精製するために蒸留の塔底画分から取り出し、工程(D.III.1)において、該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物を含む固形残渣が付加的に得られるか、
    又は、
    前記粗生成物画分が、該粗生成物画分に含まれるアミンを製造する方法の粗生成物から取り出され、該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物に加えて、該アミンよりも容易に沸騰する有機不純物、さらには水を含み、水を除去するために蒸留に供給され、該アミン、該アミンよりも容易に沸騰する有機不純物及び該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物を含む塔底画分、さらには除去された水を含む塔頂画分が得られる、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(E)が、
    (E.I)前記粗生成物画分に存在するアミンに対応するニトロ化合物を触媒的に水素化して、該アミンに加えて、該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物、該アミンよりも容易に沸騰する有機不純物、及び水を含む粗生成物を得ること、
    (E.II)前記粗生成物から水を除去して、水が失われた方法生成物を得ること、
    (E.II)前記水が失われた方法生成物を蒸留して、前記粗生成物画分に存在するアミンの蒸留物画分、及び該アミンよりも高い沸点で沸騰する有機不純物を含有する塔底画分を得ること、
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(C.I)において、
    前記有機溶媒が脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及び2種以上の前記有機溶媒の混合物からなる群より選択され、
    前記アルコールがメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、及び2種以上の前記アルコールの混合物からなる群より選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程(B)における前記触媒が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、ルイス酸、有機アミン、有機金属化合物、及びスズ化合物からなる群より選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ポリウレタン製品がポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマー、ポリウレタン接着剤又はポリウレタンコーティングである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 工程(B)における水が、存在していたとしても、工程(B)において存在するポリウレタン製品、触媒、アルコール及び水の全質量を基準とした水の質量分率が0%~5.0%の範囲となるような量で供給され、前記触媒の存在下での前記ポリウレタン製品と前記アルコールとの反応中に更なる水が添加されない、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
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