JP2022535310A - アンバーのにおい物質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、その異性体のいずれか1つの形での又はそれらの混合物としての、式(I)[式中、R1は、水素原子、C1-3アルキル基又はC2-3アルケニル基を示し、Xは、R2がC1-4アルキル基もしくはC2-4アルケニル基を示す場合に酸素原子を示し、又はXは、R2がC2-4アルケニル基もしくはMeC=O基を示す場合にCH2-O基を示す]の化合物に関する。本発明の化合物の付香成分としての使用及び付香組成物の又は付香消費者製品の一部としての本発明の化合物は、本発明の一部でもある。

Description

本発明は、香料の分野に関する。より詳述すれば、本発明は、以下で定義される式(I)の化合物、及び付香成分としてその使用に関する。したがって、本明細書において以下で言及されるように、本発明は、付香組成物の又は着香消費者製品の一部として本発明の化合物も含む。
背景技術
香料の分野において最も求められている成分の1つは、アンバーグリスの印象を付与するものである。このノートは、付香組成物のより多くの量を提供し、かつ付香組成物のトップノートを持続させることによって特にボトムノートに影響を与え、非常に高く評価され、かつ多くの着香消費者製品において使用されている。本来、アンバーグリスは、マッコウクジラの消化器系において生産される天然生成物であり、非常に希少で非常に高価である。
したがって、持続性(tenacity)/永続性(substantivity)を維持又は改善しながら、トップノート及びボトムノートに影響を与え、ホワイトアンバーノートとも言われる天然のアンバーグリスノートにできるだけ近い、揮発性の低いウッディー及びアンバーのにおいノートを与える天然のアンバーグリスのより安価な合成代替品を開発する必要がある。一方で、環境に対する影響を最小限にするために、高い生分解性の新規の付香成分が要求される。
米国特許出願公開第20160090548号明細書(US 20160090548)は、アンバーグリスのにおいを有する(3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)-2-(メトキシメチル)-2,5,8,8,9a-ペンタメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソール及び(3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)-2-(メトキシメチル)-5,8,8,9a-テトラメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソールを開示している。しかしながら、前記化合物は、生分解性ではない。
本発明は、生分解性を改善しながら、先行技術の利点を有する新規化合物を提供する。前記した先行技術文献は、式(I)の化合物の任意の感覚刺激性、又は香料の分野における該化合物の任意の使用を報告又は示唆していない。
発明の要旨
本発明は、生分解性がありながらアンバーグリスを付与する式(I)の化合物に関する。
したがって、本発明の第一の目的は、その立体異性体のいずれか1つの形での又はそれらの混合物としての、式
Figure 2022535310000002
[式中、R1は、水素原子、C1-3アルキル基又はC2-3アルケニル基を示し、Xは、R2がC1-4アルキル基もしくはC2-4アルケニル基を示す場合に酸素原子を示し、又はXは、R2がC2-4アルケニル基もしくはMeC=O基を示す場合にCH2-O基を示す]
の化合物である。
本発明の第二の目的は、前記で定義した式(I)の化合物の付香成分としての使用である。
本発明の第三の目的は、付香組成物又は着香物品のにおい特性を付与する、高める、改善する又は改質するための方法であって、該組成物又は物品に、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を付加することを含む方法である。
本発明の他の目的は、
i) 前記で定義した式(I)の化合物の少なくとも1つ、
ii) 香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される成分の少なくとも1つ、並びに
iii) 任意に香料補助剤の少なくとも1つ
を含む、付香組成物である。
本発明の他の目的は、前記で定義した少なくとも1つの式(I)の化合物又は前記で定義した付香組成物を含む着香消費者製品である。
本発明のさらなる目的は、以下を含む組成物
a) 0.1~50%(w/w)の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-[(1E)-1-プロペン-1-イル]-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン;
b) 10~99.9%(w/w)の前記で定義した式(I)の化合物;及び
c) 20~80%(w/w)の(3R,3aR,6R,7S,8aS)-3,6,8,8-テトラメチルヘキサヒドロ-1H-3a,7-メタノアズレン-5(4H)-オン;
ここでパーセンテージは、組成物の全質量に対するものである。
(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-(メトキシメチル)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(先行技術の化合物)の時間関数での生分解性。
発明の説明
驚くべきことに、式(I)の生分解性化合物が、強力なウッディーノート及びアンバーノートを付与することが発見された。この化合物も開示されたことがない。
本発明の第一の目的は、その立体異性体のいずれか1つの形での又はそれらの混合物としての、式
Figure 2022535310000003
[式中、R1は、水素原子、C1-3アルキル基又はC2-3アルケニル基を示し、Xは、R2がC1-4アルキル基もしくはC2-4アルケニル基を示す場合に酸素原子を示し、又はXは、R2がC2-4アルケニル基もしくはMeC=O基を示す場合にCH2-O基を示す]
の化合物である。
前記化合物は、例えばウッディー及びアンバータイプのにおいノートを付与するために、付香成分として使用できる。
明確性の理由から、「その立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物」の表現又は同様の表現に関しては、当業者によって理解される通常の意味、すなわち本発明の化合物が、純粋であるか、又はエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物の形であってよい(例えば、炭素5がR、S又はそれらの混合物であってよい)ことを意味する。本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、炭素5のキラル中心は、RもしくはS又はそれらの混合物であってよい。他のキラル中心は、5個の立体化学を有し、すなわち、式(I)の化合物の炭素1が絶対R配置を有し、式(I)の化合物の炭素3が絶対S配置を有し、式(I)の化合物の炭素7が絶対R配置を有し、式(I)の化合物の炭素8が絶対R配置を有し、式(I)の化合物の炭素10が絶対S配置を有し、式(I)の化合物の炭素13が絶対R配置を有する。本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、式(I)の化合物は、炭素5上にR配置を有する少なくとも55%異性体及び炭素5上にS配置を有する最大45%の異性体を含む異性体の混合物の形である。好ましくは、式(I)の化合物は、炭素5上にR配置を有する少なくとも70%異性体及び炭素5上にS配置を有する最大30%の異性体を含む異性体の混合物の形である。さらにより好ましくは、式(I)の化合物は、炭素5上にR配置を有する少なくとも80%異性体及び炭素5上にS配置を有する最大20%の異性体を含む異性体の混合物の形である。
明確性の理由から、XがCH2-O基を示す場合に、Xの酸素原子は、R2基に直接連結する。言い換えれば、XがCH2-O基を示す場合に、本発明の化合物は、その異性体のいずれか1つの形での又はそれらの混合物としての式
Figure 2022535310000004
であり、ここでR1及びR2は、前記で定義したものと同一の意味を有する。
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、前記化合物は、そのEもしくはZ異性体の形、又はそれらの混合物であってよく、例えば本発明は、同一の化学構造を有するが、しかし二重結合の立体配置によって異なる、式(I)の化合物の1つ以上からなる物質の組成物を含む。特に、化合物(I)は、異性体E及びZからなる混合物の形であってよく、その際該異性体Eは、少なくとも0.5%の合計混合物、又はさらに少なくとも50%の合計混合物、又はさらに少なくとも75%の合計混合物(すなわち、75/25及び100/0で構成される混合物E/Z)を示す。好ましくは、式(I)の化合物は、E異性体の形である。
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、前記式(I)の化合物は、C17~C24化合物、好ましくはC17~C22化合物、さらにより好ましくはC17~C19化合物である。
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、Xは酸素原子を示す。
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、R1は、水素原子、C1-3アルキル基を示す。好ましくは、R1は、水素原子、又はメチル基もしくはエチル基を示す。好ましくは、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。さらにより好ましくは、R1はメチル基を示す。
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、R2は、C1-4アルキル基又はC2-4アルケニル基を示す。好ましくは、R2は、C1-3直鎖アルキル基又はC2-4直鎖アルケニル基を示す。好ましくは、R2は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブテ-1-エニル基、n-プロペ-1-エニル基又はn-プロペ-2-エニル基を示す。好ましくは、R2は、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を示す。さらにより好ましくは、R2はメチル基又はエチル基を示す。
本発明の化合物の特定の例として、非常に強力なウッディー、ドライ及びアンバーのノートによって特徴付けられる、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン又は(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを挙げてよいが、これらに制限されない。
本発明の他の例として、前記したものに類似するにおいを呈するが、しかし僅かに強力ではない、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを挙げてよいが、これらに制限されない。
他の特定の制限のない本発明の化合物の例として、次の表1におけるものを挙げてよい:
Figure 2022535310000005
Figure 2022535310000006
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、式(I)の化合物は、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、又はそれらの混合物;(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5-エチル-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-7,9,9,13-テトラメチル-5-n-プロポキシ-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-ブテ-3-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-[(アリルオキシ)メチル]-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[アセトキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-プロペ-2-エノキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンからなる群から選択されてよい。好ましくは、式(I)の化合物は、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、又はそれらの混合物、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンからなる群から選択されてよい。さらにより好ましくは、式(I)の化合物は、 (1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンであってよい。
本発明の化合物のにおいを米国特許出願公開第20160090548号明細書(US 20160090548)において報告されている先行技術の(3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)-2-(メトキシメチル)-2,5,8,8,9a-ペンタメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソール及び(3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)-2-(メトキシメチル)-5,8,8,9a-テトラメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソールと比較した場合に、本発明の化合物は、本発明の化合物は、アンバーグリスを彷彿とさせる同様のホワイトアンバー及びウッディーのにおいを有するが、ウッディー/リンバノールのノートにより区別される。
前記の違いによって、本発明の化合物は先行技術の化合物よりも低い濃度で使用して同様の感覚刺激性の印象を付与する。
前記のように、本発明は、付香成分として式(I)の化合物の使用に関する。言い換えれば、本発明は、付香組成物又は着香物品もしくは表面のにおい特性を付与する、高める、改善する又は改質するための方法に関し、該方法は、該組成物又は物品に、少なくとも式(I)の化合物の有効量を付加すること、例えばその典型的なノートを付与することを含む。最終的な心地よい効果は、本発明の化合物の正確な投与量及び感覚刺激特性に依存しうることを理解したが、いずれにしても、本発明の化合物の添加は、最終製品に、投与量に依存してノート、タッチ又は側面の形でその典型的なタッチを付与する。
「式(I)の化合物の使用」に関しては、化合物(I)を含む、及び香料産業において有利に使用されてよいあらゆる組成物の使用もここで理解すべきである。
実際に付香成分として有利に使用される前記組成物は、本発明の目的でもある。
したがって、本発明の他の目的は、
i) 付香成分として、前記の少なくとも1つの本発明の化合物、
ii )香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
iii) 任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物である。
「香料キャリヤー」に関しては、本明細書では、香料の観点から事実上中性である、すなわち付香成分の感覚刺激性の特性を著しく変更しない材料を意味する。前記キャリヤーは、液体又は固体であってよい。
液体キャリヤーとしては、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤を挙げてよいが、これらに制限されない。香料において通常使用される溶剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅できない。しかしながら、最も通常使用される溶剤、例えばブチレン又はプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール及びそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール、又はトリエチルシトレート、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに制限されない。香料キャリヤー及び香料ベースの双方を含む組成物に関して、前記したものよりも適した他の香料キャリヤーは、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標名Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標名Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)、又は硬化ヒマシ油、例えば商標名Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)で公知のものであってもよい。
固体キャリヤーは、付香組成物又は付香組成物のいくつかの要素を、化学的又は物理的に結合することができる材料を示すことを意味する。一般に、かかる固体キャリヤーは、組成物を安定化するために、又は組成物もしくはいくつかの成分の蒸発の速度を調整するために使用される。固体キャリヤーは、当該技術分野において現在使用されており、当業者は所望の効果に達成するための方法を知っている。しかしながら、固体キャリヤーの制限のない例に関しては、吸収性ゴム又はポリマー又は無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク又はゼオライトが挙げられる。
固体キャリヤーの他の制限のない例としては、カプセル化材料を挙げてよい。かかる材料の例は、造壁材料及び可塑材料、例えば単糖、二糖又は三糖、天然デンプン又は化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチン、又はさらに、参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr's Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996において挙げられている材料を含んでよい。カプセル化を、当業者に周知の方法であり、かつ例えば噴霧乾燥、凝集又はさらに押し出しのような技術を使用することにより実施してよく、又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含む被覆カプセル化からなる。
固体キャリヤーの制限のない例としては、特に、任意にポリマー安定剤又はカチオン性コポリマーの存在下で、重合によって、界面重合によって、コアセルベーションによって、又はその全てによって(前記技術の全ては先行技術に記載されている)誘発される相分離プロセスのような技術を使用したアミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタンタイプの樹脂又はそれらの混合物(前記樹脂の全ては当業者に周知である)でのコア-シェルカプセルを挙げてよい。
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタノール、グリオキサール、グリオキシル酸又はグリコールアルデヒド及びそれらの混合物)と、アミン、例えば尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、及びそれらの混合物との重縮合によって製造されうる。代わりに、予め形成した樹脂、アルキル化ポリアミン、例えば商標名Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)又はLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)で市販されているものを使用してよい。
他の樹脂は、ポリオール、例えばグリセロール、及びポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、又はキシリレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、又はキシリレンジイソシアネートの三量体と、トリメチロールプロパン(Takenate(登録商標)の商標名で公知、供給元:Mitsui Chemicals)との、中でもキシリレンジイソシアネートの三量体とトリメチロールプロパン及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとの重縮合によって製造されるものが好ましい。
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する生産的な文献のいくつかは、Acta Polymerica においてK. Dietrichら(1989年、第40巻、243頁、325頁及び683頁、並びに1990年、第41巻、91頁)によって公表されているような物を含む。かかる文献は、さらに詳細に説明され、かつ特許文献に例示されている先行技術の方法に従って、かかるコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える種々のパラメーターを既に記載している。米国特許第4396670号明細書(US 4’396'670)(Wiggins Teape Group Limited)は、該文献の適切な初期の例である。それ以来、他の多くの著者は、この分野の文献を充実させており、出版された全ての進展内容をここで網羅することは不可能であるものの、カプセル化技術の一般知識は非常に重要である。かかるマイクロカプセルの適切な使用を開示している最近の関連文献の代表例は、例えば、K. Bruyninckx及びM. Dusselier(ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2019, vol. 7, 8041-805頁)の文献によって示されている。
「香料ベース」に関しては、本明細書では、少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
前記付香補助成分は、式(I)ではない。さらに、「付香補助成分」に関しては、本明細書では、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物において使用される化合物を意味する。言い換えれば、付香補助成分であると考えられるべきかかる補助成分は、ポジティブな又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができ、かつ単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。
いずれにしても網羅的とはならないであろう前記ベース中に存在する付香補助成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記ベースを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ該付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。
特に、香料配合物において慣用的に使用される付香補助成分を挙げてよく、例えば以下のものである:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール、ノナナール及び/又はノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.0~2,7~]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-オン、メントール及び/又はアルファ-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン及び/又はバニリン;
- シトラス成分、ジヒドロミリセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテート及び/又は1,4(8)-P-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、バージルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、アミルサリチレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、バージルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス-7-P-メタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、バージルイソブチレート及び/又はメチルイオノン異性体の混合物、2-メチル-3-(3-tertブチルフェニル)プロパナール、2,5,7,7-テトラメチルオクタナール、4-(1,1-ジメチルエチル)フェニルプロパナール、3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、オクタヒドロ-8,8-ジメチルナフタレン-2-カルボキシアルデヒド、オクタヒドロ-4,7-メタノインダニリデンブタナール、ベータ-メチル-3-(1-メチルエチル)フェニルプロパナール、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、シス-4-(1-メチルエチル)シクロヘキサンメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、3-メチル-4-フェニルブタン-2-オール、ジメチルフェニルプロパノール、2-メチル-3-(4-(2-メチルプロピル)フェニル)プロパナール、3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、3,4-ジオキシ(シクロアセトニル)トルオール、3-(1-エトキシエトキシ)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、アルファ,アルファ-ジメチル-4-エチルフェニルプロパナール、ガンマ-メチルフェニルペンタナール;
- フルーティー成分:ガンマ-ウンデカラクトン、,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル 2-メチル-ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル 2-メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、アリルヘプタノエート、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル 2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテート及び/又はジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び/又は1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、ペンタデカノリド、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート、オキサシクロヘキサデカン-2-オン及び/又は(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディー成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデセ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、clearwood(登録商標)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン及び/又はイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシー又はウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及び任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン及び/又は3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
好ましくは、本発明の化合物は、ムスキー、ウッディー、アンベリー、パウダリーな補助成分と共に、特にペンタデカノリド、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及びその立体異性体のいずれか、メチルイオノン異性体の混合物、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-[2,6,10-トリメチル-1,5,9-シクロドデカトリエン-1-イル]エタノン、1-[-4,8-ジメチル-12-メチレン-4,8-シクロドデカジエン-1-イル]エタノンと1-[-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエン-1-イル]エタノンとの混合物、又はベチバー油と共に使用されてよい。
本発明による香料ベースは、これらに制限されないが前記した付香補助成分であってよく、これらの補助成分の他の多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。前記補助成分は、プロ香料(properfume)又はプロフレグランス(profragrance)としても公知の制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよいとも解される。適したプロ香料の制限のない例は、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、トランス-3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート又はそれらの混合物を含んでよい。
「香料補助剤」に関しては、ここで、追加の付加効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性等を付与することができる成分を意味する。付香組成物において慣用的に使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅的なものにはなりえないが、しかし該成分が当業者に周知であることを挙げるべきである。特定の制限のない例として以下を挙げてよい:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化及び/又はレオロジー改質剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光及び又は緩衝液又はキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)、防腐剤(例えば、抗菌剤又は抗微生物剤又は抗真菌剤又は抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷刺激剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン及びそれらの混合物。
当業者は、付香組成物の前記構成成分を混和することによって、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、及び試行錯誤方法論によって、所望の効果に最適な配合物を完全に設計することができると解される。
少なくとも1つの式(I)の化合物及び少なくとも1つの香料キャリヤーからなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、並びに少なくとも1つの式(I)の化合物、少なくとも1つの香料キャリヤー、少なくとも1つの香料ベース、及び場合により少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物からなる。
特定の実施形態に従って、前記組成物は、1つ以上の式(I)の化合物を含み、かつ香料製造者が、本発明の種々の化合物のにおい香調を呈し、したがって作成の目的のために新たな構成単位を作成する、アコード又は香料を製造することを可能にする。
明確性の理由から、本発明の化合物が出発生成物、中間生成物又は最終生成物として含まれる、化学合成から直接得られるあらゆる混合物、例えば十分な精製を行っていない反応媒体は、該混合物が、香料のための適した形で本発明による化合物を提供しない限りは、本発明に従った付香組成物として考えられないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、一般に、特に明記されない限り本発明から除外される。
本発明の化合物は、現在の香料、すなわちファイン香水又は機能的香料の全ての分野において、前記(I)を付加する消費者製品のにおいをポジティブに付与する又は改善するために、有利に使用されてよい。したがって、本発明の他の目的は、付香成分として、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物を含む着香消費者製品からなる。
本発明の化合物は、そのままで、又は本発明による付香組成物の一部として添加することができる。
明確性の理由から、「着香消費者製品」は、少なくとも1つの心地よい付香効果を、付香効果が適用される表面又は空間(例えば皮膚、髪、織物、又は家の表面)に提供する消費者製品を示すこと意味する。言い換えれば、本発明による着香消費者製品は、機能的な調製物、並びに場合により所望の消費者製品に対応する追加の有効物質、及び嗅覚有効量の本発明による化合物の少なくとも1つを含む、着香消費者製品である。明確性の理由から、前記着香消費者製品は、食用でない製品である。
いずれにしても網羅的とはならないであろう着香消費者製品の成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般的な知識に基づいて、及び該製品の性質及び所望の効果に従って、着香消費者製品の成分の性質及びタイプを選択することができる。
適した着香消費者製品の制限のない例は、香料、例えばファイン香水、スプラッシュ又はオーデパルファム、コロン又はシェイブもしくはアフターシェイブローション;布地用ケア製品、例えば液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、液体もしくは固体の香りブースター、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えば、シャンプー、染毛料又はヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品配合物(例えば、スキンクリーム又はローション、バニシングクリーム又はデオドラント又は発汗抑制剤(例えばスプレー又はロールオン)、脱毛剤、日焼け用又は日焼け後の製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ);又はスキンケア製品(着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイルもしくはゲル、又は衛生製品、又はフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば住宅スペース(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴箱又は車)において及び/又は公共スペース(ホール、ホテル、モール等)において使用されうるエアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えばカビ取り剤、ファーニッシャーケア製品、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面(例えば、床、浴槽、サニタリー又は窓洗浄)洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば磨き剤、ワックス又はプラスチッククリーナーを含む。
いくつかの前記着香消費者製品は、本発明の化合物にとってアグレッシブな媒体であることもあるため、適切な外部刺激、例えば酵素、光、熱又はpHの変化に対して、例えばカプセル化によって、又は本発明の成分の放出に適した他の化学物質との化学的結合によって本発明による化合物を早すぎる分解から保護する必要がある場合がある。
種々の前記製品又は組成物中に組込まれてよい本発明による化合物における割合は、広い範囲の値で変動する。これらの値は、着香されるべき物品の性質に、並びに所望の感覚受容性効果及び本発明による化合物が、付香補助成分、溶剤又は先行技術において通常使用される添加剤と混合される場合に、所与のベースにおける補助成分の性質に依存する。
例えば、付香組成物の場合において、典型的に濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.0001質量%~10質量%、又はそれ以上の範囲である。着香消費者製品の場合において、典型的な濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.00001質量%~1質量%、又はそれ以上の範囲である。
本発明のさらなる目的は、以下を含む組成物
a) 0.1~50%(w/w)の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-[(1E)-1-プロペン-1-イル]-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン;
b) 10~99.9%(w/w)の前記で定義した式(I)の化合物;及び
c) 20~80%(w/w)の(3R,3aR,6R,7S,8aS)-3,6,8,8-テトラメチルヘキサヒドロ-1H-3a,7-メタノアズレン-5(4H)-オン;
ここでパーセンテージは、組成物の全質量に対するものである
である。
本発明の実施形態のいずれかに従って、組成物は、15~30%(w/w)の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-[(1E)-1-プロペン-1-イル]-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む。
本発明の実施形態のいずれかに従って、組成物は、前記で定義した式(I)の化合物15~50%(w/w)を含む。
本発明の実施形態のいずれかに従って、組成物は、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンである式(I)の化合物を含む。
実施例
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に記載するが、ここで略号は当該技術分野において通常の意味を有し、温度は摂氏(℃)で示す。NMRスペクトルのデータは、CDCl3(その他の記載がない限り)中で、1H及び13Cについて360MHz又は400MHzの機器で記録し、ケミカルシフトδは、標準としてTMSを基準としてppmで記載し、結合定数Jを、Hzで記載する。
実施例1
(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン及び(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた250mLの三ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール2.5g、トリメチルオルトホルメート1.65g、アンバーリスト(Amberlyst)0.012g及びジクロロメタン75mLをチャージした。その混合物を、2.5時間室温で撹拌し、そして濾過し、飽和NaHCO3に濾液を注ぐことによってクエンチした。その反応混合物を、CH2Cl2で2回抽出し、水で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発器上で濃縮して、5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンのジアステレオマー体混合物((1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)=54/46)50%を含む粗濃縮物2.2gを得た。その粗原料を、95/5のペンタン/エーテルでシリカ上でクロマトグラフにかけ、2つの主な画分を得た。第一の0.27gは、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン35%とセドラノン62%から構成された。第二の0.075gは、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン87%を含んだ。それをバルブツーバルブ蒸留にかけて、90%の純粋な(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン60mgを得た。(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとセドラノンとを含む混合物を、エーテル20mLで希釈し、そしてLiAlH4で処理して、セドラノンをセドロールに変換した。後処理後に、その反応混合物を、シリカカラムクロマトグラフィー(95/5 ペンタン/エーテル)により分離して、81%の純粋な(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン41mgを得た。
Figure 2022535310000007
実施例2
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた250mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール5g、シクロヘキサン150mL及びトリメチルオルトホルメート6.2gをチャージした。撹拌した懸濁液に、ワンショットでTMSOTf 10mgをチャージし、そして30分間撹拌して、生成物へのセドレンジオールの変換を完了した。その反応混合物を飽和NaHCO3 90gに注ぎ、そして反応フラスコをエーテル50mLでリンスした。相分離後に、その有機相を、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発器上で濃縮して、77%の所望のオルトエステルの6/4のジアステレオマー混合物を含む粗生成物7.8gを得た。それを95/5~80/20のペンタン/エーテル勾配を使用してシリカ上でクロマトグラフにかけて、91%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン6.1gを得た。クーゲルロール上でクロマトグラフにかけた材料を蒸留した後に、92%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン4.7gを、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)39/54の比で得た。
Figure 2022535310000008
実施例3
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた250mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール5g、シクロヘキサン150mL及びトリプロピルオルトホルメート8gをチャージした。撹拌した懸濁液に、ワンショットでTMSOTf 10mgをチャージし、そして30分間撹拌して、生成物へのセドレンジオールの変換を完了した。その反応混合物を飽和NaHCO3 90gに注ぎ、そして反応フラスコをエーテル50mLでリンスした。相分離後に、その有機相を、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発器上で濃縮して、79%の所望の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの6/4のジアステレオマー混合物を含む粗生成物6.2gを得た。それを95/5~80/20のペンタン/エーテル勾配を使用してシリカ上でクロマトグラフにかけて、セドラノン13%が混ざった85%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン5.4gを得た。クーゲルロール上でクロマトグラフにかけた材料を蒸留した後に、92%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン4.7gを得た。セドラノンを取り除くために、クロマトグラフにかけた材料を、乾燥エーテル中に溶解し、LiAlH4 0.3gをチャージし、そして30分間反応させて急冷した。反応物の後処理後に、87%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン5.5gを得た。それを、9/1のペンタン/エーテルを使用して再度クロマトグラフにかけて、93%の純粋な生成物4.40gを得た。クーゲルロール蒸留後に、92%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロポキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン4.2gを、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)41/59の比で得た。
Figure 2022535310000009
実施例4
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール2g、ヘプタン60mL及びトリアリルオルトホルメート(Finn. Chem. Lett. 1979, 47に従って生成した)6.2gをチャージした。撹拌した懸濁液を、-15℃まで水/CaCl2浴で冷却し、TMSOTf100mgをチャージし、30分間撹拌し、そしてトリエチルアミン0.5gを添加することによってクエンチした。その反応物をさらに15分間撹拌した後に、飽和NaHCO3 30mLを添加し、続いてエーテル50mLを添加した。その有機相を、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発器上で濃縮して、54%のトリアリルオルトホルメート及び21%のセドラノンと一緒に、19%の所望の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの7/3のジアステレオマー混合物を含む粗生成物6.7gを得た。その粗生成物を、クーゲルロール上で注意深く蒸留して(140~160℃/0.05mbar)、82%の純度で82%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.5g及び93%の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-プロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む残留物0.7gからなる画分を得た。ポットからの残留物と蒸留した材料0.5gとの双方を合し、そして純粋なペンタンから90/10のペンタン/エーテル勾配を使用して水で前処理したシリカ上でクロマトグラフィーにかけて、93%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-nプロペ-2-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.6gを得た。クーゲルロール上での蒸留後に、93%の純粋な材料0.6gは、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)7/3の比で2つのジアステレオマーから構成された。
Figure 2022535310000010
実施例5
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-ブテ-3-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール2g、ヘプタン60mL及びトリ-ブテ-3-エニルオルトホルメート7.5gをチャージした。撹拌した懸濁液を、-30~-15℃まで冷却し、TMSOTf60mgをチャージし、30分間撹拌し、そしてトリエチルアミン0.5mLを添加することによってクエンチした。その反応物をさらに10分間撹拌した後に、飽和NaHCO3 30mLを添加し、続いてエーテル50mLを添加した。その有機相を、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発器上で濃縮して、62%のトリ-ブテ-3-エニルオルトホルメートと一緒に、32%の所望の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-ブテ-3-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの6/4のジアステレオマー混合物を含む粗生成物8.25gを得た。その粗生成物を、クーゲルロール上蒸留して(120~160℃/0.05mbar)、2つの画分:91%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-ブテ-3-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む5.73g、及び38/62の混合物(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)として94%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-n-ブテ-3-エノキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン2.13gを含む第二の画分を得た。
Figure 2022535310000011
実施例6
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール2g、シクロヘキサン50mL及びトリメチルオルトアセテート5gをチャージした。撹拌した懸濁液を、0℃まで冷却し、TMSOTf20mgをチャージし、45分間撹拌し、そしてトリエチルアミン5gを添加することによってクエンチした。その反応物をさらに10分間撹拌した後に、その反応混合物を回転蒸発で濃縮させて粗生成物2.75gを得た。それをエーテル中に再溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、回転蒸発で濃縮して、塩基性アルミナ上でクロマトグラフィーグラフにかけて(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.86gを与える生成物3.3gを得た。クーゲルロールでの蒸留後に、2つのジアステレオマーの87/13(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物から構成される蒸留物1.8gを回収した。
Figure 2022535310000012
実施例7
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた250mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール5g、シクロヘキサン150mL及びトリエチルオルトアセテート17gをチャージした。撹拌した懸濁液を、0℃まで冷却し、TMSOTf 100mgをチャージし、35分間撹拌し、そしてトリエチルアミン5gを添加することによってクエンチした。その反応物をさらに10分間撹拌した後に、その反応混合物を回転蒸発で濃縮させて粗生成物7.28gを得た。それをエーテル中に再溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして、9/1のペンタン/エーテルを使用して塩基性アルミナ上でクロマトグラフにかけて、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン7.2gを得た。クーゲルロールでの蒸留後に、2つのジアステレオマーの70/30(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物から構成される蒸留物4.58gを回収した。
Figure 2022535310000013
実施例8
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5-エチル-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコを、N2雰囲気下に置き、セドレンジオール2g、シクロヘキサン50mL及びトリエチルオルトプロピオネート7.4gをチャージした。撹拌した懸濁液を、0℃まで冷却し、TMSOTf 10mgをチャージし、35分間撹拌し、そしてトリエチルアミン1mLを添加することによってクエンチした。その反応物をさらに10分間撹拌した後に、その反応混合物を飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして回転蒸発で濃縮させて粗生成物4gを得た。それを95/5のペンタン/エーテルを使用してシリカ上でクロマトグラフにかけて、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ--5-エチル-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.6gを得た。クーゲルロールでの蒸留後に、2つのジアステレオマーの80/20(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物から構成される蒸留物1.57gを回収した。
Figure 2022535310000014
実施例9
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-プロペ-2-エノキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び空気冷却器を備えた50mLの三ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール2g、トリメチルオルトアセテート10g及びヘプタン20mLをチャージした。そのスラリーを、N2下で-60℃までiPrOH/CO2浴で冷却し、そしてワンショットでTMSOTf 40μLをチャージした。反応混合物はスラリーのままであり、変換は観察されなかった。次に、それを1.5時間にわたって0℃に温めることにより反応混合物を均一にし、そしてトリエチルアミン1gを添加して直ちにクエンチした。回転蒸発で溶媒を除去した後に、粗濃縮物10.43gを得た。それを、クーゲルロールで注意深く蒸留して(1.7mbar/60~80℃)、未処理のトリアリルオルトアセテートを取り出し、98%のトリアリルオルトアセテートから構成される蒸留物6.4g及び残留物2.9gを得た。残留物を、水で前処理したシリカ上で20/1のペンタン-エーテルを使用してクロマトグラフにかけて物質2.6gを得て、それをクーゲルロールで注意深く蒸留して、ジアステレオマーの77/23(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物として、92%の純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-プロペ-2-エノキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.2gを得た。
Figure 2022535310000015
実施例10
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[2-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
2雰囲気下で磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた25mLの三ツ口丸底フラスコに、前記のステップから調製したアセテート786mg、無水エーテル15mLをチャージし、0℃に冷却した。この溶液に、LiAlH4 115mgを分けて添加し、1時間撹拌し、そして水120mg、15%NaOH150mg及び水350mgを連続して添加することによりクエンチした。得られたスラリーを、セライト上で濾過し、その濾液を回転蒸発で濃縮して、2つのジアステレオマーの72/28混合物として固体の((3aS,4aR,5R,9R,9aR)-2,5,8,8,9a-ペンタメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソール-2-イル)メタノール748mgを得た。その粗生成物を、さらなる精製なしに次のステップで使用した。
2雰囲気下で磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた25mLの三ツ口丸底フラスコに、60%NaH150mg及び無水THF10mLをチャージした。この溶液に前記ステップから調製した粗アルコール((3aS,4aR,5R,9R,9aR)-2,5,8,8,9a-ペンタメチルオクタヒドロ-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d][1,3]ジオキソール-2-イル)メタノール0.55gをゆっくりと添加し、そして50℃で30分間加熱し、その後その反応混合物を室温まで冷却し、ワンショットでアリルブロミド920mgをチャージした。その反応物を50℃まで再加熱し、15時間その温度で撹拌し、そして氷浴30mLにそれを注いでクエンチした。クエンチした反応混合物をエーテルで希釈した後に、その水相を一度エーテルで抽出し、その抽出物を合し、水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、回転蒸発で濃縮させて、2つのジアステレオマーの75/25の混合物から構成される77%の純粋なアリル化生成物(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[2-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン577mgを得た。それを、95/5のペンタン-エーテルを使用してシリカ上でクロマトグラフにかけて、97%の純粋な材料0.35gを得た。クーゲルロールでの蒸留後に、98%の純粋な生成物0.34gを、2つのジアステレオマーの75/25(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物として得た。
Figure 2022535310000016
実施例11
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
磁気撹拌棒及び空気冷却器を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコに、トルエン30mL、Ru-COD-ピバレート触媒150mgをチャージし、N2下で100℃に加熱した。そして、トルエン20mL中に溶解させた(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[2-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.2gを、1時間にわたって添加した。合計3.5時間後に、暗色の反応混合物を氷水浴で冷却し、回転蒸発で濃縮させ、そして8/2のペンタン/エーテル混合物を使用してシリカ上でクロマトグラフにかけて、98%の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの4つの異性体の混合物1/2gを得た。クーゲルロールでの蒸留後に、98%の純粋な生成物(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.8gを、4つのジアステレオマー:68%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(E/Z=85/15)、32%の(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[1-プロペン-1-イルオキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(E/Z=87/13)の混合物として得た。
Figure 2022535310000017
実施例12
(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[アセトキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの合成
a) アセトキシアセトンの製造
2雰囲気下で磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた250mLの三ツ口丸底フラスコに、CH2Cl2 130mL、無水酢酸28g、DMAP 0.7gをチャージし、続いてCH2Cl2 20mL中で溶解したヒドロキシアセトン17gを15分間にわたって添加した。その反応物をさらに1時間反応させ、そして飽和NaHCO3中に反応混合物を注意深く注ぐことによりクエンチした。相分離後に、その水相を、CH2Cl2で3回抽出し、そして合した有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させた。回転蒸発(40℃/500mbar)で溶媒を取り除いた後に、粗1-アセトキシ-2-プロパノン30gを得て、それをクーゲルロールで蒸留して、90%の純粋なアセトキシアセトン18gを得た。
b) アセトキシアセトンジメチルアセタールの製造
2雰囲気下で磁気撹拌棒及び還流冷却器を備えた25mLの三ツ口丸底フラスコに、アセトキシアセトン1.1g、メタノール10mL、p-TSA10mgをチャージし、続いてトリメチルオルトホルメート1.1gを25分間にわたって添加した。その反応物をさらに1時間反応させ、そして飽和NaHCO3でクエンチした。後処理および回転蒸発(40℃/400mbar)で溶媒を取り除いた後に、粗生成物1.8gを得て、それをクーゲルロール上で蒸発させて(10mbar/100℃)、96%の純度でアセトアセトンジメチルアセタール1.28gを得た。
Figure 2022535310000018
c) (1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[アセトキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンの製造
磁気撹拌棒及びディーン・スターク蒸留装置を備えた25mLの三ツ口丸底フラスコに、アセトキシアセトンジメチルアセタール1.28g、シクロヘキサン15mL、セドレンジオール1g、p-トルエンスルホン酸32mgをチャージし、N雰囲気下で1時間還流した。その反応混合物を、室温まで冷却し、飽和NaHCO3 20gに注ぎ、相分離し、エーテルで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、回転蒸発で濃縮して、2つのジアステレオマーの72/28の混合物として69%の純度で生成物1.69gを得た。それを、ペンタン90%から85%で出発するペンタン/エーテル勾配を使用してシリカでクロマトグラフにかけて、99%の生成物(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[アセトキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.02gを得た。クーゲルロールで蒸留した後に、純粋な(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-{[アセトキシ]メチル}-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン948mgを、2つのジアステレオマーの72/28(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)混合物として得た。
Figure 2022535310000019
実施例13
本発明の化合物及び比較化合物の生分解性測定
生分解性評価を、次のように同じ廃水処理プラントから発生するスラッジ接種物と同一条件下で、OECD 301F(「マノメトリック呼吸測定法」)を使用して生分解試験を実施した。
ミネラル培地を、OECDガイドライン(OECD、1992)に従ってストック溶液から調製した:溶液A(KH2PO4 8.50g/L、K2HPO4 21.75g/L、Na2HPO4×2H2O 33.40g/L、NH4Cl 0.50g/L)100mL、溶液B(CaCl2 27.50g/L)10mL、溶液C(MgSO4×7H2O 22.50g/L)10mL、及び溶液D(FeCl3×6H2O 0.25g/L)10mLを混合し、体積を脱塩水で10Lに調節し、そしてpHを7.4に調節した。
活性スラッジを、主に生活排水を処理するVillette(Thonex、Switzerland)にある下水処理場から収集した。試料を、ポリプロピレン149μmの孔サイズのフィルター(Spectrum Laboratories、Rancho Dominguez、USA)で濾過し、3000×gで30分間室温での遠心分離により3回洗浄し、そして同量の培地中で懸濁した。その懸濁液を撹拌し、そして純酸素下で室温で一晩維持した。試験物質を、最終体積の培地(100mL)に直接分散させて、試験濃度を100mg/Lにし、そして試験フラスコに乾燥質量30mg/Lのスラッジを接種した。接種物のみを含む複製物、及び試験物質と接種物とを含む複製物を使用した。
試料を磁気撹拌し、22±1℃で拡散光でインキュベートした。30日で、全てのマノメータのデータを収集した。マノメータ装置OxitopC(WTW、Weilheim、Germany)は、酸素消費を自動的に算出した。生分解性のパーセンテージを、OECD 301Fガイドライン(Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD)、1992. OECD Guideline for testing of chemicals, Degradation and accumulation, No. 301: Ready biodegradability)において記載されているように算出した。
複製での試験をそれぞれの化合物、すなわち(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(本発明の化合物)及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-(メトキシメチル)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン(先行技術の化合物)で算出した。複製の平均に対応する結果を図1において示す。
本発明の化合物、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンは30日以内で生分解性があり分解率60%超に達した一方で、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-(メトキシメチル)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンは、生分解しなかった。言い換えれば、本発明の化合物は、予想外に、そして構造の類似性にもかかわらず、生分解性化合物であった。
実施例14
付香組成物の製造
最終生成物中で15%で投与したメンファインフレグランスのための付香組成物を、次の成分を混合することによって製造した:
Figure 2022535310000020
Figure 2022535310000021
1) (-)-(8R)-8,12-エポキシ-13,14,15,16-テトラノルラブダン;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
2) 供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
3) 3-(4/2-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;供給源:International Flavors & Fragrances、USA
4) ペンタデカノリド;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
5) 多量のシス異性体を有するジヒドロジャスモネート;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
6) (1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
7) 3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
8) 1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン;供給源:International Flavors & Fragrances、USA
9) 1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
10) 3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
11) (+-)-3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデセ[4]エン;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
12) 8(9)-メトキシ-トリシクロ[5.2.1.0.(2,6)]デカン-3(4)-カルバルデヒド;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
13) プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート;供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland。
前記組成物におけるジプロピレングリコール400質量部に換えて1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]tetradecane400質量部の添加は、強化されたウッディ-ドライ及びアンバーのコノテーションを付与した。
同量の(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン又は(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン又は(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン又は57/41の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)比を有する(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとの混合物を使用した場合に、同様の効果を得た。

Claims (13)


  1. Figure 2022535310000022
    [式中、R1は、水素原子、C1-3アルキル基又はC2-3アルケニル基を示し、Xは、R2がC1-4アルキル基もしくはC2-4アルケニル基を示す場合に酸素原子を示し、又はXは、R2がC2-4アルケニル基もしくはMeC=O基を示す場合にCH2-O基を示す]
    の、その異性体のいずれか1つの形での又はそれらの混合物としての、化合物。
  2. Xが酸素原子を示すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記R1が、水素原子又はメチル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記R2が、メチル基又はエチル基であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の化合物。
  5. 式(I)の化合物が、炭素5上にR配置を有する異性体の少なくとも55%及び炭素5上にS配置を有する異性体の最大45%を含む異性体の混合物の形であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物。
  6. 式(I)の化合物が、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-7,9,9,13-テトラメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、又はそれらの混合物、(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-メトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン及び(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5-エトキシ-5,7,9,9,13-ペンタメチル-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の化合物。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の化合物の付香成分としての使用。
  8. 付香組成物又は着香した物品のにおい特性を付与する、高める、改善する又は改質するための方法であって、該組成物又は物品に、請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を付加することを含む、前記方法。
  9. 以下、
    i) 請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の化合物の少なくとも1つ、
    ii) 香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される成分の少なくとも1つ、並びに
    iv) 任意に香料補助剤の少なくとも1つ
    を含む、付香組成物。
  10. 請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、又は請求項9において定義した付香組成物を含む、着香消費者製品。
  11. 香料消費者製品が、香料、布地用ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品であることを特徴とする、請求項10に記載の着香消費者製品。
  12. 香料消費者製品が、ファイン香料、スプラッシュ又はオーデパヒューム、コロン、シェーブローション又はアフターシェーブローション、液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、染毛料、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、デオドラント又は発汗抑制剤、脱毛剤、日焼け用製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ、着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイル又はゲル、又はフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ取り剤、ファーニッシャーケア、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面洗剤、レザーケア製品、カーケア製品であることを特徴とする、請求項11に記載の着香消費者製品。
  13. 以下
    a) 0.1~50%(w/w)の(1R,3S,7R,8R,10S,13R)-5,7,9,9,13-ペンタメチル-5-[(1E)-1-プロペン-1-イル]-4,6-ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン;
    b) 10~99.9%(w/w)の請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の化合物;及び
    c) 20~80%(w/w)の(3R,3aR,6R,7S,8aS)-3,6,8,8-テトラメチルヘキサヒドロ-1H-3a,7-メタノアズレン-5(4H)-オン;
    ここでパーセンテージは、組成物の全質量に対するものである
    を含む組成物。
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