JP2022531856A - 静電変換器及びダイアフラム - Google Patents

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Abstract

静電変換器、そのためのダイアフラム(2)、および対応する製造方法が開示される。静電変換器は、好ましくは自動車で使用するためのものである。複合積層ダイアフラム(2)は、第1の絶縁層(4)を設け、第1の絶縁層(4)の表面に導電層(6)を設け、第2絶縁層(10)が導電層(6)の上に延在するように第2絶縁層(10)を導電層(6)に接合することで、製造される。第1及び第2の絶縁層(4、10)はそれぞれ、帯電していない絶縁材料のシートを含む。複合積層ダイアフラム(2)の厚さは、20μm未満である。静電変換器の製造は、第1導電性固定子とダイアフラム(2)との間に1mm未満の間隔を設けるために第1導電性固定子とダイアフラム(2)との間に第1絶縁スペーサーを重ねて、第1導電性固定子、第1絶縁スペーサー及びダイアフラムを固定することを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、概して静電変換器及び静電変換器用のダイアフラムに関し、特に自動車用途、例えば自動車内で使用するための静電変換器およびダイアフラムに関する。
従来の静電型ラウドスピーカは、コンデンサを形成するために、二つの穴のあいた導電性固定子の間に配置された導電性ダイアフラムを備えている。ダイアフラムにDCバイアスが印加され、二つの固定子にAC駆動信号電圧が印加される。数百又は数千ボルトの電圧が必要になる場合がある。この信号はダイアフラムに静電気力を加え、ダイアフラムはその両側の空気を駆動するように動く。このような変換器の変形例として、シングルエンド構成を用いることができる。この構成は、単一の固定子とダイアフラムとを備え、ダイアフラムの動きを駆動するために、ダイアフラムには、DCバイアス電圧及びAC駆動電圧が、両方印加される。
やや異なった原理で動作する他の変換器、例えば、磁場に基づいて動作する平面電動変換器およびエレクトレット変換器は、同様のダイアフラムを採用することができ、それらでは永久電荷すなわち静電場を有するダイアフラムが製造される。
上記のすべてのタイプの変換器は、通常、ダイアフラムフィルム上に導電性の表面を要求するが、具体的な要求は変換器のタイプによって異なる。前述したものの中で、静電型は、主に電荷を形成するためにダイアフラムに常時印加される非常に高い電圧(例えば、数百又は数千ボルト)の結果、ダイアフラムの設計において最も困難なものとなりうる。高電圧により、通常の動作でダイアフラムが固定子に向かって動くため、アーク放電又はコロナ放電のリスクがあり、これはダイアフラムを損傷させうる。高湿度などの特定の条件は、このリスクを大幅に増大させる可能性がある。動作していないときでも、ダイアフラムは、充電電圧を低下させ変換器の性能特性を変化させるのに十分なリーク電流を示すことがある。大きな偏位、すなわちダイアフラムが固定子に接近するのに十分長い距離だけ撓む場合は、問題をさらに悪化させる可能性がある。
アーク放電、コロナ放電、および過剰なリーク電流の可能性を軽減するための既存の解決策は、ダイアフラムと固定子との間に大きな間隔を設けるか、または特殊な高電圧電気絶縁コーティングを導電性表面(ダイアフラム又は固定子のいずれか)に施すかのいずれかに限定されてきた。
しかしこれらの解決策は、さらなる問題を生み出す。固定子とダイアフラムとの間隔が大きくなるにつれて電界強度が低下し、変換器感度及び/又は変換器最大出力(例えば、音圧レベル(SPL)で定量化される)が低下する。絶縁コーティングがダイアフラムに施される場合、これは、ダイアフラムの質量を増加させ、SPL出力を低下させ、変換器の周波数範囲の高周波拡張を減少させる。絶縁コーティングが固定子の導電性表面に施される場合、これは、固定子の孔のサイズを小さくし、その結果、空気が通過するために利用可能な開口面積を減少させ、固定子の音響インピーダンスを増加させうる。これは、出力レベルを低減し、オーディオ忠実性に影響を及ぼしうる。加えて、高電圧絶縁コーティングの適用は、一般に技術的に非常に困難でかつ高価であり、典型的には不均一なコーティングとなり、大量生産を非現実的なものとする。
絶縁コーティングに関連する課題の結果として、ほとんどの静電変換器は、固定子からのダイアフラムへの間隔を大きくすることに頼り、ダイアフラム又は固定子の導電性表面に絶縁コーティングを有さない。その結果、このような静電変換器は、より低い出力(SPL)に悩まされ、特に長期間の広範囲にわたる使用及び使用中の温度と湿度の変動に伴う、性能変化、信頼性の問題並びに早期故障を起こしやすい。
上記の課題に加えて、従来の静電変換器は、特定の用途に適さないという制限を有する。特に、静電変換器は、例えば自動車の通常の使用中に又は自動車が駐車され使用されていない間に、変換器が自動車内で受ける環境条件に耐えうるほど十分頑丈ではないため、例えば自動車内で使用又は設置されるような自動車用途には適していない。例えば、自動車は、典型的には又は少なくとも場合によっては、使用されていないときに外部環境下で駐車されたままとなる。従って、これらは、この環境の特有の条件(例えば、天候/季節/気候条件)に曝される。これは、極端な高温(例えば夏の暑い気候において直射日光下で駐車される場合)または極端な低温(例えば冬の寒い気候において一晩駐車される場合)を含み得る。さらなる例として、自動車利用者は、例えば、開いた窓、開いたサンルーフ又は収納された屋根により、車両内部を外部環境に解放した状態で運転しうる。自動車の一般的な走行速度では、これは、バフェッティング、すなわち、変換器に衝突する空気の圧力波をもたらす可能性がある。また、変換器は、車両のドアが強く閉じられることに起因する空気圧波を受ける可能性がある。変換器が自動車用途で好適に使用されるためには、変換器は、これらおよび他の過酷な条件に耐えることができなければならない。静電変換器は、現在、これらの厳しい要求を満たすには、十分な頑丈さを有していない。その結果、静電変換器の利点は、自動車用途では利用できていない。
したがって、より優れた性能およびより高い信頼性を備えた改良された静電変換器が必要であり、特に、自動車内に設置される自動車用途での使用に適した改良された変換器が必要とされている。
第1の態様から見た場合、本発明は、自動車で好適に使用するための静電変換器を製造する方法を提供し、この方法は、複合積層ダイアフラムを製造する工程と、静電変換器を組み立てる工程を含む。
ここで複合積層ダイアフラムを製造する工程は、
帯電していない絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
第1絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
帯電していない絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程、
第2絶縁層が導電層の上に延在するように、第2絶縁層を導電層に接合する工程
を含み、
ここで複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満であり、
静電変換器を組み立てる工程は、
第1導電性固定子および第1絶縁スペーサーを設ける工程、
第1導電性固定子とダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために、第1導電性固定子とダイアフラムとの間に第1絶縁スペーサーを重ねて、第1導電性固定子、第1絶縁スペーサー及びダイアフラムを固定する工程
を含む。
本発明は、自動車に好適に使用するための静電変換器にも及び、この静電変換器は、
第1導電性固定子、
複合積層ダイアフラム
及び
第1導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために第1導電性固定子とダイアフラムとの間に配置された第1絶縁スペーサー
を備え、
ここで複合積層ダイアフラムは、
帯電していない絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層、
第1絶縁層の表面上の導電層、
導電層の上に延在して導電層に接合され、帯電されていない絶縁材料のシートから形成される第2絶縁層
を有し、
ここで複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満である。
本発明は、固定子とダイアフラムとの間に1mm未満の小さな間隔を設けることにより、結果としてダイアフラムと固定子との間に高い電界強度を発生させるうる静電変換器を提供することができる。したがって、本発明は、大きな間隔を有し、したがってより低い電界強度を有する従来技術の変換器と比較して、改善された変換器感度及び/又は最大出力(SPL)を提供することができる。
本出願の教示から、上記で定義された特性を有するダイアフラムの使用により、1mm未満の間隔の可能性が開かれることが理解されるであろう。具体的には、本発明によれば、帯電されていない絶縁材料のシートを使用して、第2絶縁層が、ダイアフラムの導電層の上に設けられる。これは、通常、金属層がその上に積層された単一の絶縁層であって、任意選択でこの金属層上に積層された絶縁被膜を有する絶縁層を使用する、従来技術の変換器ダイアフラムと対照的である。本出願人は、堆積コーティングではなく帯電していない絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層を設けることにより、上述した従来技術の欠点をもたらすことなく、絶縁層を導電層の上に設けること(すなわち、導電層を隣接する固定子から絶縁すること)ができることを認識した。
したがって、本明細書では、コーティング(例えば、コーティング物質が堆積されたとき導電性表面上に層を構築するために、液体、ゲル、又は蒸気として導電層上に堆積されるか、または導電層に塗布される)と、これと比較した独立シート状の材料から形成される絶縁層(例えば、導電層上に重ねられ接合される個別の層状片として形成される)との間の区別が描かれることを理解されたい。
本出願人は、シート状の材料を使用することにより、第2絶縁層を極めて均一にしながら、この層を非常に薄くできることを認識した。対照的に、コーティングは一般に均一性が低く、特に薄い層のみが積まれる場合、実際には薄いコーティングの可能性は排除される。薄い層は、ダイアフラムの質量を大幅に増加させることなく導電層を絶縁層で覆うことを可能にするので、有利である。上述のように、ダイアフラムの質量を増加させることは、SPL出力を下げ変換器の高周波延長を減少させうるので、望ましくない。ダイアフラムの面積重量は、50g/m未満、好ましくは30g/m未満、より好ましくは20g/m未満、例えば10g/m未満でありうる。
薄い絶縁層はまた、ダイアフラムの全体的な厚さを薄くする(すなわち、20μm未満)こと可能にするので有利であり、これは、望ましい音響応答(例えば50kHzを超える周波数を含む、例えば15kHzを超える周波数における線形音響性能)を、ダイアフラムに有利に提供し得る。ダイアフラムは、15μm未満、又は10μm未満の厚さを有することができる。これは、音響性能及び/又は周波数応答を更に強化し得る。静電変換器は、例えば、10Hzから65kHzの出力周波数範囲を有することができる。
さらに、絶縁材料のシートから形成される第2絶縁層によって、高い柔軟性を有するダイアフラムを製造することができる。このダイアフラムの機械的コンプライアンスは、金属堆積層を有する絶縁層からなる従来の薄膜ダイアフラムと同様にでき、このダイアフラムの低い基本共振の実現を有利に可能にしている。
また、第2絶縁層を設けることによって、アーク放電およびコロナ放電のリスクを有利に低減することができ、変換器の性能を損なう可能性があるあらゆる電流リークを減らすこともできる。例えば、第1及び第2絶縁層は、導電層を完全に「カプセル化」することができる。
従って、本発明によれば、軽量、薄い厚さ、高いコンプライアンスのダイアフラムが提供でき、改善された音響性能及び周波数応答(例えば、周波数範囲及び出力SPL)を提供する一方で、アーク放電、コロナ放電及び電流リークのリスクを緩和する絶縁層をも有し、従って、固定子とダイアフラムとの間の小さな間隔を可能にし、出力レベル及びオーディオ忠実性を向上させうる。
このようなダイアフラムは、それ自体が新規で発明的であり、したがって、第2の態様から見た場合、本発明は、自動車で好適に使用される静電変換器用の複合積層ダイアフラムを製造する方法を提供し、この方法は、
帯電していない絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
第1の絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
帯電していない絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程、
第2絶縁層が導電層の上に延在するように、絶縁層を導電層に接合する工程
を含み、
ここで複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満である。
本発明のこの態様は、例えば本発明の第1の態様による、自動車での使用に好適な静電変換器用の複合積層ダイアフラムに及び、この複合積層ダイアフラムは、
帯電していない絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層、
第1絶縁層の表面上の導電層、
導電層の上に延在して導電層に接合され、帯電されていない絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層
を有し、
ここで複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満である。
第1および第2絶縁層が、帯電していない絶縁材料のシートから形成されると言う場合、これは、シートには、安定な非補償表面電荷又は誘電材料中の永久双極子モーメントなどの永久電荷(例えば、永久外部電界を生成する)が、与えられていないことを意味すると理解される。
また、第1絶縁層の表面上に導電性層があると言う場合には、導電性層が、第1絶縁層の表面上に、それと結合するように、堆積されているかさもなければ塗布されていることを意味すると、理解される。
静電変換器は、シングルエンド構成を有することができ、例えば、静電変換器は、単一スペーサーを備えた単一固定子と複合積層ダイアフラムとを備えうる。このような構成では、静電変換器は、いわゆる「プッシュプル」構成とは対照的に、固定子とダイアフラムとの間に引力の静電力のみを印加するように構成しうる。例えば、高電圧DCバイアスと、追加の変動駆動信号電圧とを含む信号をダイアフラムに印加して、ダイアフラムを動作させて所望の音響出力を生成することができる。
しかしながら、本発明は、この可能性に限定されるものではなく、一連の実施形態では、本方法は、
第2導電性固定子および第2絶縁スペーサーを設ける工程、
第2導電性固定子とダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために第2導電性固定子とダイアフラムとの間に第2絶縁スペーサーを重ねて、第2導電性固定子及び第2絶縁スペーサーを固定する工程
をさらに含む。
同様に、一連の実施形態では、静電変換器は、
第2導電性固定子、
第2導電性固定子とダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために第2導電性固定子とダイアフラムとの間に配置された第2絶縁スペーサー
を備える。
このような実施形態の静電変換器は、5層変換器、または「プッシュプル」変換器と呼ぶことができ、すなわち、変換器は、固定子に印加される変動駆動信号により、同時にダイアフラムが一方の固定子に向けて引っ張られ、他方の固定子から離れる方向に押されるように、構成することができる。例えば、所望のオーディオ信号に対応する変動電圧が固定子に印加されつつ(一方の固定子に印加される信号は、他方の固定子に印加される信号に対して反転される)、高電圧DCバイアスがダイアフラムに印加されうる。
一連の実施形態では、第2絶縁層は、接着層を導電層に塗布して第2絶縁層を接着層に重ねるか、または接着層を第2絶縁層に塗布して第2絶縁層を導電層に重ねることによって、導電層に接着される。しかし、これは必須ではなく、第2絶縁層は、他の方法、例えば超音波溶接を使用して、導電層に接合されてもよい。
接着剤は、シート(上述したようなコーティングとは異なる)、例えば、導電層上に重ねられた薄膜シートであってもよい。あるいは、接着剤は、コーティングとして、例えば、液体又はゲルとして塗布されてもよい。接着剤層は、自己硬化、加圧硬化、UV硬化、熱硬化、化学硬化、又は別の方法でキュア又はセットされてもよい。接着剤の種類、厚さ、及び組成は、静電変換器の特定の用途に応じて変わりうる。
好ましい一連の実施形態では、接着層はアクリル系接着剤を含む。しかしながら、これは必須ではなく、本出願人によって有利であると確認された特性を提供するために、他の接着剤が選択されてもよい。例えば、接着剤は、コンプライアントであるように、すなわち、セット/キュア時に硬くなってダイアフラムをより剛性にしないように、選択することができる。接着剤は、例えば層を積層し圧縮することによって一旦ダイアフラムが製造されると、ダイアフラムが気密かつ湿気密であるように、すなわち、接着剤が、空気又は液体がフィルムを通って浸透又は移動するのを防止するように、選択されてもよい。接着剤は、後にその特性を大きく変化させることなくキュア又はセットできるように、選択されてもよい。
接着層がシート状の材料として提供されない実施形態では(例えば、接着層がコーティングとして塗布される、例えば、液体状で噴霧される、等の実施形態では)、接着剤は、一旦塗布されると接着層が均一な被覆となるように選択されてもよい。接着剤は、例えば、特に低周波数での共振挙動を減衰させるために、ダイアフラムの内部減衰を提供するように(例えば、以下で論じるような接着層の厚さの選択と関連して)選択されてもよい。
非限定的な例として、使用可能な適切な接着剤には、樹脂および硬化剤を使用する二液型接着剤(例えば、熱硬化性ポリマー)、エポキシ、アクリレート、およびポリウレタン(溶媒を使用しうる);ホットメルト接着剤;PVA(ポリ酢酸ビニル)、EVA(エチレン-酢酸ビニル)、およびポリウレタン熱可塑性樹脂(シートの形態で適用されうる);ならびに感圧接着剤が含まれる。しかしながら、当業者にとって公知であり、上述の所望の特性を有する他の適切な接着剤を、本発明の実施形態において使用してもよい。
接着剤は、硬化反応の一部として、いかなるガス、例えばいかなる揮発性有機化合物(VOC)も生成しないように選択しうる。これにより、ダイアフラムの性能に影響を及ぼす可能性がある最終フィルム中の気泡の形成が回避される。接着剤は、適切な接着強度を有するように、例えば、上記のような自動車用途で存在する条件に曝されたとき(例えば、-40℃から+120℃の温度範囲に曝されたとき)、フィルムの層が、互いに接着したままでいることを可能にするのに十分な接着強度を提供するように、選択されるべきである。この点で使用に適しているのは、エポキシ系接着剤である。しかしながら、いかなる「ガス放出」も引き起こさず、適切な高い接合強度を有する他の接着剤も知られており、使用することができる。
一連の実施形態では、接着層は、1μmから10μm、好ましくは3μmから5μm、より好ましくは3μmから4μmの厚さを有する。本出願人は、適切な厚さを選択することによって、接着層を使用してダイアフラムの内部減衰特性を高めることができることを認識した。出願人は、3μmから5μmの範囲の厚さが、共振挙動の減衰を許容する多くの用途にとって、特に有利であることを見出した。
導電層は、(例えば、DCバイアス電圧からの)電荷を分配し保持することができ、及び/又は導電層は、駆動信号(例えば、AC電圧)を伝導することができる。導電層の厚さは、製造性と耐久性のための十分な厚さ、及び特定の用途のための十分な導電性を提供することと、(その音響性能に影響を及ぼす)ダイアフラムの質量に不必要に追加する可能性のある、及び/又はダイアフラムを製造する際に必要とされるよりも多くの材料を不必要に使用する可能性のある、過剰な厚さを回避すること、との間のバランスを提供するように、選択され得る。一連の実施形態では、導電層は、複合積層ダイアフラムの厚さの1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満の厚さを有する。導電層は、5nmから50nm、好ましくは8nmから30nmの厚さを有しうるが、この厚さは、これらの範囲外、例えば、5nm未満、例えば、1nmから2nmであってもよい。
必要とされる導電層の導電率は、特定の用途、例えば、ダイアフラムが使用される変換器の構成に依存し得る。例えば、上述のシングルエンド構成のように、変動電圧がダイアフラムに印加される実施形態では、導電率は、バイアスされたDC電圧のみがダイアフラムに印加される実施形態、例えばプッシュ/プル構成よりも、高くする必要があり得る。前者の場合、導電層は、変動信号を伝導する必要があり、したがって、より厚い導電層及び/又はより導電性の高い材料を導電層として使用しうる。例えば、30nmのアルミニウムを使用することができる。後者の場合、導電層は、静電荷を保持する必要があるだけであり、したがって、より薄い導電層及び/又はより導電性の低い材料を使用することができ、例えば、8nmの金を導電層に使用することができる。
導電層は、導電性材料を含むことによって導電性であってもよい。導電性材料は、金属、例えば、金又はアルミニウムであってもよい。導電層は、例えば、蒸着によって第1絶縁層上に堆積される、金属層であってもよい。しかしながら、導電性非金属、例えばグラファイト又は他の形態の炭素を使用してもよい。導電層は、半導体材料を含むことによって導電性であってもよい。
導電層は、均一であってもよく、又は、信号トレースパス又はコイルのような特定のパターンでマスクされてもよい。導電層は、蒸着、スパッタリング、または光化学マスキングなどの任意の適切な技法によって、第1絶縁層に付着されうる。
一連の実施形態では、第1絶縁層は、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する。一連の実施形態では、第2絶縁層は、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する。第1および第2絶縁層の厚さは、結果として、上述のように所望の線形音響性能を実現する、所望の低質量と高コンプライアンス特性とを提供しながら、複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満との要求を満たすように、選択されてもよい。
一連の実施形態では、複合積層ダイアフラムは、1cmより大きい、好ましくは5cmより大きい長さ及び/又は幅を有する。したがって、本発明による複合積層ダイアフラムは、「薄膜」ダイアフラムとみなすことができ、すなわち、ダイアフラムおよび静電変換器の全長スケールを考慮すると、ダイアフラムは薄いものとできる。これは、例えばマイクロメートル又は数ミリメートルの長さ/幅を有する変換器及びダイアフラムのような、変換器及びダイアフラムの全体が小さな長さスケールで提供されるミニチュアシステム、例えばマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)とは異なると理解されるべきである。
一連の実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、ポリマー材料から形成される。本出願人は、このような材料が、アーク放電及びコロナ放電の低減だけでなく、リーク電流の低減にも有効でありうることを見出した。第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、500V/μmよりも大きい、好ましくは550V/μmよりも大きい絶縁破壊強度を有する材料から形成されうる。第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、300V/μmから600V/μmの範囲の絶縁破壊強度を有する材料から形成されてもよい。本出願人は、この特性を有する材料、例えばポリマー材料を選択することが、アーク放電及びコロナ放電のリスクの低減に、特に有効であることを見出した。しかしながら、より低い絶縁破壊強度を有する材料は、例えば、より厚い層(例えば、より高い絶縁破壊強度を有する材料からなる同等の層と比較して)を設けることで、使用されうる。絶縁破壊強度は、150 V/μmより大きくてもよく、または200V/μmより大きくてもよい。第1及び/又は第2絶縁層が、ポリマー材料から形成されることは必須ではない。例えば、セラミック材料、例えば、アルカリフリーガラスを使用することができる。絶縁破壊強度の値又は範囲が与えられる場合、これらは、自動車用途での使用条件下で、好ましくは-40℃から+120℃の範囲のすべての温度にわたって、適用されうることが理解されるべきである。絶縁破壊強度は、標準試験ASTM D149又はIEC 60243-1に従って測定できる。
第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、2.5未満、好ましくは2.3未満の誘電率を有する材料から形成されうる。本出願人は、これらの特性を有する材料、例えばポリマー材料を選択することが、リーク電流を低減するのに特に有効であることを見出した。
一連の実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、キャパシタフィルム、例えば、コンデンサでの使用に適した誘電体膜から形成される。
一連の実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、20nmまでの厚さを有し、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、又はポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えばTEFLON(登録商標))から形成される層のコンプライアンスに等しいコンプライアンスを有する。
一連の実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、以下からなる群から選択された材料から形成される。
二軸延伸ポリプロピレン(BOPP);
ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標));
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えばTEFLON(登録商標));
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET);
ポリフェニレンサルファイド(PPS);
ポリエーテルイミド(PEI);
ポリエチレンナフタレート(PEN);
ポリイミド(PI);
ポリエチレンテレフタレート(PET);
ポリカーボネート(PC);
ポリエーテルスルホン(PESU);
ポリフェニルスルホン(PPSU);
ポリスルホン(PSU);
エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE);
パーフルオロアルコキシ(PFA);
ポリフッ化ビニリデン(PVDF);
ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体(PVDF-TrFE);
及びクロロトリフルオロエチレンを組み込んだポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体(PVDF-TrFE-CFE)。
しかしながら、上に列挙したもの以外の他の材料を使用することができ、本出願が教示する利点を理解する当業者の専門知識の範囲内で、本発明によって使用されうる、上述の絶縁破壊強度および誘電率特性を有する他の材料を選択することができる。
変換器は、好ましくはラウドスピーカであるが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、変換器はマイクロフォンである。
上述のように、この静電変換器は、好ましくは、自動車での使用に適している。本文脈において、「内」は、自動車の内側(例えば、内部)を意味することに限定されず、自動車の内側又は自動車上での使用に適していることを含むことを理解されたい。例えば、これは、乗用車、ローリー、バス、モーターサイクル又はコーチのような道路車両の内側又は上で使用することができる。本発明は、特に乗用車に使用される。
本発明は、本明細書に記載されている静電変換器の自動車における使用にまで及ぶ。
この静電変換器は、自動車内の設置に適したものでありうる。例えば、静電変換器は、自動車内に設置するために形作られていてもよく、例えば、自動車の内部の一部に適合する形状であってもよい。静電変換器は、自動車内に設置するために形作られたハウジングを備えていてもよく、例えば、このハウジングが、自動車の内部の一部に適合するように形作られていてもよい。
この方法は、静電変換器を自動車内に設置することを含みうる。
本発明は、本明細書に記載の静電変換器を備える自動車に及ぶ。
上述したように、自動車内の変換器は、温度の急激な変化を含む極端な温度(例えば、-40℃から+120℃の範囲)や、例えば、開いた窓や急な閉扉に起因する空気圧波によるバフェッティングなど、過酷な条件(例えば、自動車の使用中、又は、車両が駐車され使用されていない間等)に曝される可能性がある。他の例としては、水分、塩水噴霧、粉塵、及び/又は燃料、油及び洗浄剤などの化学物質、振動、並びに機械的、熱的及び音響的衝撃の存在が挙げられる。従来技術の静電変換器は、これらの条件に耐えることができない。例えば、高温は、変換器内の絶縁材の破壊を引き起こし、絶縁破壊に至る場合がある。
さらに、自動車で使用するための変換器は、このような条件の下で構造的および機能的完全性を維持することが必要であるだけでなく、場合によっては競合する目的をもたらす性能要件(例えば、指定された音響性能要件)を満たしながら、ロバスト性を達成しなければならない。例えば、より厚いダイアフラムを製造することによって、又はより高いロバスト性を提供する特定の材料から、より頑丈なダイアフラムを製造することが可能である。しかし、ダイアフラムの厚さを増すと、SPL出力が低下し、変換器の周波数範囲の高周波拡張が減少するため、性能が低下する。加えて、ロバスト性を向上させる材料は、典型的には、より大きな剛性を有し、これは、ダイアフラムの低周波性能に害をもたらす。要求性能を満たすための他の考慮事項には、電荷閉じ込めの維持、高いコンプライアンスを有するダイアフラムの提供、及び広い周波数範囲の達成が含まれ得る。
本出願人は、特定の材料、特に特定の材料の組合せが、本発明による静電変換器用の複合積層ダイアフラムの製造に使用される場合、自動車用途に存在する困難な環境条件に耐えるのに十分に頑丈であるだけでなく、例えばSPL、周波数応答及び低歪みレベルの点で高い性能要求を満たすダイアフラム及び静電変換器を、効果的にもたらすことを認識した。
製造されたダイアフラムの所望の特性は、例えば、測定された環境条件および選択又は規定された性能要求に基づいて容易に決定又は規定され得るが、複合ダイアフラムの製造に使用される場合に、どの特定の材料および材料特性(および、特に、それらのどの組み合わせ)が必然的にそれらの所望の特性を生じるかを決定することは、容易ではないことが理解されるべきである。上述のように、自動車用途では、複数のロバスト性基準ならびに性能基準が定義される可能性があり、ここでこれらの基準は必ずしも互いに独立しているわけではなく、ダイアフラムは理想的にはこれらの基準のすべてを満たさなければならない。したがって、これらの基準のすべてを同時に満たす材料および材料特性(又はそれらの組合せ)を明らかにすることは、簡単ではない場合がある。
複合積層ダイアフラムは、後述するように、複合材料又はフィルムから製造されてもよく、ここで、複合材料又はフィルムは、第1および第2絶縁層および導電層を含む。複合材料又はフィルムの層(または構成層)への言及は、複合材料又はフィルム(したがって、複合積層ダイアフラム)の形成に使用される1つ又は複数の(たとえば、すべての)層、たとえば、第1及び/又は第2絶縁層及び/又は導電層及び/又は接着層を意味すると理解されるべきである。
自動車用途に使用されるダイアフラムの製造に使用するために、本出願人は、本明細書に記載される複合材料のためのいくつかの主要基準を特定した。これらには、ガラス転移温度(Tg)、熱膨張係数(CTE)(マシン方向及び横方向/断面方向の両方)、及び複合材料又はフィルムの表面エネルギー(例えば、極性表面エネルギー)が含まれるが、これらに限定されない。表面エネルギー(例えば、極性表面エネルギー)は、少なくとも部分的に、層間の結合強度(および他の関連特性、例えば、層間剪断強度)を決定しうる。主要基準はまた、複合材料又はフィルムの構成層間の、及び/又は複合材料又はフィルムと変換器内の他の構成要素(例えば、スペーサー及び/又は固定子)との間の、特定のパラメータの一致度を含みうる。主要基準は、複合材料又はフィルムの等方性も含みうる。
本出願人は、ダイアフラムの製造に使用するための、既存の複合材料の問題の一つは、マシン方向および横断方向で測定した場合に、これらの機械的特性及び/又は他の性能特性に均一性が欠如していること、すなわち、このような従来技術の材料は、これらの2つの方向で測定した場合に非等方性の傾向を示すことと、確認した。これは、ダイアフラムを自動車用途で使用しようとする場合に、特に問題である。
一連の実施形態では、本発明によるダイアフラムの製造に使用するための複合材料又はフィルムは、製造時に実質的に等方性であり、使用条件下、特に温度及び/又は圧力などの本明細書に記載の環境条件のいずれかに曝された場合にも、この特性を保持する。「等方性」とは、材料が全ての方向において実質的に同じ特性を有することを意味し、本文脈において使用される場合、実質的に同じであることは、異なる方向における材料の特性の差が、50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下であることを意味する。一実施形態では、全方向における材料の特性は、本明細書に記載されるように「一致」する。
例えば、一連の実施形態では、複合材料のヤング率は、マシン方向及び横方向で測定したときに実質的に同じである。これに代えて、又はこれに加えて、複合材料のCTEは、マシン方向及び横方向で測定した場合、実質的に同じである。これに代えて、又はこれに加えて、複合材料の降伏強度及び/又は引張強度は、マシン方向および横方向で測定した場合、実質的に同じである。本文脈で使用される場合、「実質的に同じ」は、測定された特性の値が50%を超えて、好ましくは20%を超えて、より好ましくは10%を超えて、より好ましくは5%を超えて、例えば1%を超えて、異ならいことを意味するように意図されている。よく理解されるように、このような特性は、「製造時の状態のままの」複合材料に関してだけでなく、重要なことに、その意図された使用条件下でも実質的に同じでなければならない。
一連の実施形態では、マシン方向および横方向で測定された、複合材料及び/又は構成層の、ヤング率は、0.7より大きい、好ましくは0.8より大きい、例えば0.9より大きい比Emin/Emaxを有し、ここで、Eminは、マシン方向および横方向のヤング率値のうちの低い方であり、Emaxは、マシン方向および横方向のヤング率値のうちの高い方である。
一連の実施形態では、マシン方向及び横方向で測定された、複合材料及び/又は構成層の降伏強度は、0.7よりも大きい、好ましくは0.8よりも大きい、例えば0.9よりも大きい比σmin/σmaxを有し、ここでσminはマシン方向及び横方向の降伏強度値のうちの低い方であり、σmaxはマシン方向及び横方向の降伏強度値のうちの高い方である。
一連の実施形態では、マシン方向および横方向で測定された、複合材料及び/又は構成材料の熱膨張係数は、0.5より大きい、好ましくは0.7より大きい、例えば0.9より大きい比CTEmin/CTEmaxを有し、ここで、CTEminはマシン方向および横方向のCTE値の低い方であり、CTEmaxはマシン方向および横方向のCTE値の高い方である。
一連の実施形態では、本発明によるダイアフラムとして使用するための複合材料又はフィルムは、複合材料又はフィルムの2つ以上の層(例えば、少なくとも第1および第2絶縁層)の間で、そのそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータを有し、ここで少なくとも1つのパラメータは、好ましくは、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される。
一連の実施形態では、本発明によるダイアフラムとして使用するための複合材料又はフィルムは、以下の特性を有する。
i)少なくとも120℃のガラス転移温度。
ii)複合材料又はフィルムの2つ以上の層の間でそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータ。ここで少なくとも1つのパラメータは、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される。
iii)30から60ダイン/cmの範囲の表面エネルギー及び/又は12ダイン/cmを超える極性表面エネルギー。
好ましくは、このパラメータは、複合材料又はフィルムのすべての層の間で一致するそれぞれの測定値を有する。好ましくは、このパラメータは、パラメータがマシン方向に測定される場合、およびパラメータが横方向に測定される場合の両方において、いくつかの層又はすべての層の間で一致するそれぞれの測定値を有する。本文脈において、「一致する」とは、高温又は低温に曝されることによる、複合材料又はフィルム又はその構成層のあらゆる膨張及び/又は収縮によって、複合材料又はフィルム又はその構成層のいずれもが、その降伏点を超えて膨張又は収縮しないように、パラメータの値が互いに十分に近いことを意味し得る。本文脈において、高温および低温は、自動車用途で使用中に変換器が曝される極端な温度(例えば、+120℃までの温度及び/又は-40℃までの温度)を指し得る。本文脈において、「一致する」とは、本明細書において上記で定義される意味内で「実質的に同じ」であることを意味し得る。例えば、「一致する」とは、パラメータ値が10%を超えて、好ましくは5%を超えて、例えば1%を超えて異ならないことを意味し得る。
複合材料及び/又は構成層のガラス転移温度(Tg)は、少なくとも120℃、例えば、少なくとも140℃、好ましくは120℃から260℃、より好ましくは140℃から220℃の範囲でありうる。複合フィルム及び/又は構成層は、少なくとも150℃の連続使用温度を有しうる。
ガラス転移温度は、標準試験ASTM D3418に従って測定することができる。連続使用温度は、標準試験ISO 11357に従って測定することができる。
複合材料のCTEは、例えば、自動車用途での使用中における典型的な条件、例えば、+120℃まで及び/又は-40℃までの温度に曝された場合に、「製造時」および意図された使用条件下の両方で、その降伏点を超えて膨張又は収縮しないようにする必要がある。
複合材料及び/又は構成層に関して、マシン方向(MD)で測定される場合、ヤング率は、例えば、2GPaから8GPa、好ましくは2GPaから3GPaの範囲であり得る。横方向(または断面方向CD)に測定される場合、ヤング率は、例えば、2GPaから8GPa、好ましくは2GPaから3GPaの範囲であり得る。マシン方向および横方向において測定された複合材料のヤング率の平均は、2GPaから8GPa、好ましくは2GPaから3GPaの範囲であり得る。
複合材料及び/又は構成層に関して、マシン方向(MD)で測定される場合、降伏強度は、例えば、80MPaより大きく、好ましくは100MPaより大きく、例えば、少なくとも120MPaであり得る。横方向(または断面方向CD)に測定した場合、降伏強度は、例えば、80MPaより大きく、好ましくは100MPaより大きく、例えば、少なくとも120MPaであり得る。マシン方向で測定したときの複合材料の降伏強度と、横方向で測定したときの複合材料の降伏強度の低い方は、80MPaより大きく、好ましくは100MPaより大きく、例えば少なくとも120MPaであり得る。ヤング率の値又は範囲が与えられた場合、これらは、自動車用途での使用条件下で、好ましくは-40℃から+120℃の範囲のすべての温度にわたって、適用可能であり得ることを理解されたい。ヤング率及び/又は降伏強度は、標準試験ISO 527又はASTM D638に従って測定することができる。
複合材料及び/又は構成層に関して、マシン方向(MD)で測定したときの熱膨張係数は、例えば、80×10-5/℃未満、好ましくは80×10-6/℃未満でありうる。横方向(または断面方向、CD)で測定される場合、熱膨張係数は、例えば、80×10-5/℃未満、好ましくは80×10-6/℃未満であり得る。熱膨張係数の値又は範囲が与えられる場合、これらは、自動車用途での使用条件下で、好ましくは-40℃から+120℃の範囲のすべての温度にわたって、適用可能であり得ることを理解されたい。熱膨張係数は、標準試験ASTM E831、ASTM D696又はISO 11359-2に従って測定することができる。
複合材料の表面エネルギーは、例えば、35から55ダイン/cm、好ましくは35から45ダイン/cmの範囲であり得る。複合材料の極性表面エネルギーは、例えば、15ダイン/cmより大きく、例えば、20ダイン/cmより大きくなりうる。表面エネルギー及び/又は極性表面エネルギーの値又は範囲が与えられる場合、これらは、自動車用途での使用条件下で、好ましくは-40℃から+120℃の範囲のすべての温度にわたって、適用可能であり得ることを理解されたい。表面エネルギー及び/又は極性表面エネルギーは、標準試験ASTM-D7334-08に従って測定することができる。
表面エネルギー及び/又は極性表面エネルギーは、任意のプロセス又は処理(例えば、プラズマ処理、火炎処理)の適用前に得られた値を指し得る。
変換器が、上記の説明に従って複合材料又はフィルムから形成されたダイアフラムを備える一連の実施形態では、複合材料又はフィルムについて測定された少なくとも1つのパラメータは、変換器の少なくとも1つの構造部品、例えば、第1固定子、第1スペーサー、第2固定子(設けられている場合)、および第2スペーサー(設けられている場合)のうちの少なくとも1つについて測定された同じパラメータの、1つの対応する値又は複数の対応する値に一致する、1つ又は複数の値を有する。この少なくとも1つのパラメータは、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度および引張強度から成る群から選択される1つ以上のパラメータを含みうる。好ましくは、この少なくとも1つのパラメータは、複合材料又はフィルムのマシン方向と、複合材料又はフィルムの横方向との両方で、一致する。少なくとも1つの構造部品は、第1固定子及び第1スペーサーを含みうる。少なくとも1つの構造部品は、第1及び第2固定子と、第1及び第2スペーサーとを含みうる。加えて、又は代替として、ダイアフラムは、ダイアフラムおよび変換器の構造部品(例えば、スペーサーおよび固定子)が、ダイアフラムに損傷を与えることなく(例えば、膨張又は収縮の差を補償するために、屈曲、圧縮、又は拡張することによって)、異なる量だけ膨張又は収縮することを可能にするのに十分な可撓性又はコンプライアンスを有する介在材料又は構造物によって、変換器内に取り付けられてもよい。
本出願人は、本明細書で定義される所望の主要基準を満たす複合材料の製造に使用できる、いくつかのポリマー材料を特定した。
第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、少なくとも120℃、好ましくは120から260℃の範囲、例えば140から220℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性ポリマーから形成されうる。
一連の実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、本明細書で定義された特性、特に、定義されたガラス転移温度、CTE、表面エネルギー、および極性表面エネルギーを有する材料から形成される。
本出願人は、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択されるポリマー材料が、第1及び/又は第2絶縁層を形成する際の使用に特に適していることを見出した。したがって、複合材料の第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)およびポリエチレンナフタレート(PEN)から選択されるポリマーを含みうる。一連の実施形態では、第1及び第2絶縁層の一方又は両方は、基本的にこのようなポリマーからなりうる。
一連の実施形態では、本発明によるダイアフラムとして使用するための複合材料は、
ポリアリールエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、又はポリエチレンナフタレートを含む絶縁材料のシートから形成される第1絶縁層、
第1絶縁層の表面上の導電層
及び
導電層の上に延在し、導電層に接合され、ポリアリールエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、又はポリエチレンナフタレートを含む絶縁材料のシートから形成される、第2絶縁層
を含む。
複合材料の第1及び第2絶縁層を形成するために使用されるポリマー材料は、同じであっても異なっていてもよい。一連の実施形態では、これらは、同じクラスのポリマーから選択されうる。例えば、これらは、ともにPEEKポリマーであってもよく、ともにPEIポリマーであってもよく、又はともにPENポリマーであってもよい。他の実施形態セットでは、絶縁層を形成するポリマー材料は、同一であろう。
一連の実施形態では、第1及び第2絶縁層はいずれも、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)を含むか、又は基本的にこれからなる材料から形成される。適切なPEEKポリマーは、本明細書中に記載される主要基準を考慮して、当業者によって容易に特定することができる。このようなポリマーは、VICTREX(登録商標)PEEK381G、Sciengy(登録商標)PEEK-GRN20G及びKetaSpire(登録商標)KT850を含み得るが、これらに限定されない。このようなポリマーを含有する適当なフィルム材料としては、APTIV 1000、APTIV 1100及びAPTIV 2000が挙げられるが、これらに限定されない。このような製品は、Victrex PLC、Shanong Sciengy New Materials及びSolvay Specialty Polymersから入手可能である。
一連の実施形態では、第1および第2絶縁層はいずれも、ポリエーテルイミド(PEI)を含むか、又は基本的にそれからなる材料から形成される。適切なPEIポリマーは、本明細書中に記載される主要基準を考慮して、当業者によって容易に特定されうる。このようなポリマーとしては、ULTEM Resin 1000、ULTEM Resin 1010、ULTEM Resin 1100、およびDuratron U1000が挙げられるが、これらに限定されない。このようなポリマーを含有する適切なフィルム材料として、SABIC ULTEM UTF120、SABIC ULTEM 1000B、Norton Kemid Film及びTempalux Filmが挙げられるが、これらに限定されない。このような製品は、SABIC、Mitsubishi Advanced ChemicalsおよびWestlake Plastics Company Saint Gobainから入手可能である。
一連の実施形態では、第1および第2絶縁層はいずれも、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含むか、又は基本的にそれからなる材料から形成される。適切なPENポリマーは、本明細書中に記載される主要基準を考慮して、当業者によって容易に特定されうる。このようなポリマーには、NOPLA(登録商標)KE901が含まれ得るが、これに限定されない。このようなポリマーを含有する適切なフィルム材料としては、Teonex及びKaladexが挙げられるが、これらに限定されない。このような製品は、KOLON PlasticsInc.およびDuPontから入手可能である。
本出願人は、本発明の第2の態様によるダイアフラムが、1mm未満の固定子-ダイアフラム間隔を有する静電変換器、例えば本発明の第1の態様による静電変換器、において、特に有効に使用され得ることを見出したが、このダイアフラムは、他の用途においても有効に使用されうる。このダイアフラムは、第1固定子とダイアフラム(および、設けられている場合には、第2固定子とダイアフラム)との間の間隔が必ずしも1mm未満ではないことを除いて本発明の第1の態様に従って上で定義したのと同様の静電変換器に、使用することができる。また、このダイアフラムは、平面電気力学変換器にも使用されうる。第2の態様のダイアフラムの変形例は、帯電されていない代わりに帯電されている絶縁材料のシートを使用してダイアフラムを製造することにより、エレクトレット変換器において使用されうる。したがって、第3の態様から見ると、本発明は、変換器用の複合積層ダイアフラムを製造する方法を提供し、この方法は、
絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
第1の絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程
第2絶縁層が導電層の上に延在するように、第2絶縁層を導電層に接合する工程
を含み、
ここで、複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満である。
本発明のこの態様は、
絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層、
第1絶縁層の表面上の導電層、
導電層の上に延在して導電層に接合され、絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層
を含み、ここで複合積層ダイアフラムの厚さは20μm未満である、変換器用の複合積層ダイアフラムに及ぶ。
第3の態様による実施形態では、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層は、帯電した絶縁材料のシートから形成されてもよい。帯電した絶縁材料のシートは、永久電荷、例えば、安定な非補償表面電荷又は永久双極子モーメントを有してもよい。帯電した絶縁材料のシートは、誘電材料であってもよい。
第1および第2の態様の任意の特徴又は特徴の組み合わせ(変換器、ダイアフラム、複合材料又はフィルム、及び/又は複合ダイアフラム又はフィルムの構成層に関する任意の特徴を含む)は、適用可能な場合、本発明の第3の態様の特徴でありうる。
以下で、添付の図面を参照して、単なる例として、いくつかの好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による複合積層ダイアフラムの断面図を表す。 図2は、本発明の第2の実施形態による複合積層ダイアフラムの断面図を表す。 図3は、図1の実施形態のダイアフラムを組み込んだ静電変換器の分解図を表す。 図4は、本発明の第4の実施形態による複合積層ダイアフラムの断面図を表す。
図1は、本発明の第1の実施形態による複合積層ダイアフラム2の断面図を表す。ダイアフラム2は、基板として機能する第1絶縁層4を備える。第1絶縁層4は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)からなり、厚さは7μmである。
導電層6は、第1絶縁層4の表面上に堆積される。導電層6は、厚さ8nmの金の層である。この実施形態では、導電層6は、蒸着により第1絶縁層4上に堆積されるが、当業者に公知の任意の他の適切な方法を用いてもよい。
導電層6の上には接着層8が重ねられている。この例では、接着層は、第2絶縁層10にコーティングとして塗布される。次いで、第2絶縁層が導電層6上に重ねられ、圧力が加えられて、これらの層が互いに接着する。ただし、当業者に公知の任意の他の適切な方法が使用されてもよく、例えば、接着層8がコーティングとして(例えば噴霧による液体の形態で)導電層6に塗布され、次いで第2絶縁層10が接着剤上に重ねられてもよい。第2絶縁層10も7μmの厚さであり、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)からなる。
第2絶縁層10を接着剤上に重ねた後、それを固定するために、接着剤を硬化させる。層は、(例えば)使用される特定の接着剤に応じて、硬化プロセス中に一緒にプレスされてもよい。この例では、接着剤は、粘弾性アクリル系接着剤である。接着層の厚さは5μmである。
金導電層6の厚さと、絶縁層および接着層4、8、10の厚さとの間で大きさのオーダーに差があるため、図1の層の厚さは、縮尺通りに示されていないことを理解されたい。
層4、6、8、10の電気的および機械的特性を以下の表1及び2に示す。示された特性は、ダイアフラムの剛性に、従ってその音響特性に影響する、ヤング率を含む。散逸係数は、ダイアフラムのエネルギー散逸、結果としてそのモードのQ(品質)ファクタに影響する。
Figure 2022531856000002
Figure 2022531856000003
表3および4は、第1及び/又は第2絶縁層に使用され得るいくつかの例示的な材料の、電気的および機械的特性を示す。表3は、それぞれの材料に使われうる例示的な層の厚さの範囲を示す。
Figure 2022531856000004
Figure 2022531856000005
表5は、第1及び/又は第2絶縁層に使用することができるいくつかの材料の、環境特性を示す。
Figure 2022531856000006
図3を参照しつつ後に説明するように、ダイアフラムがプッシュプル型静電変換器内に設置されると、DCバイアス電圧が金導電層6に印加され、変動駆動信号電圧が静電変換器の固定子に印加されて、ダイアフラム2が駆動信号に応じて屈折する。接着層8および第2絶縁層10の小領域が、電気コンタクト(図示せず)を設ける目的で導電層の一部を露出させるために、製造中に除かれ(又は後に除去され)うる。
図2は、本発明の第2の実施形態による複合積層ダイアフラム12を表す。ダイアフラム12は、基板として機能する第1絶縁層14を備える。第1絶縁層14の厚さは7μmであり、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)からなる。図1の実施形態と同様に、導電層16は、第1絶縁層14の一方の表面上に堆積される。導電層16は、蒸着によって堆積された厚さ8nmの金の層である。
図1の実施形態とは対照的に、この実施形態では接着層は設けられていない。代わりに、第2絶縁層18が導電層16上に重ねられ、層16、18は超音波溶接を用いて互いに接合される。第2絶縁層18の厚さも7μmであり、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)よりなる。電気コンタクト(図示せず)は、図1を参照して前述したのと同じ方法で設けられる。
前述のように、接着層を有する実施形態では、接着剤による追加の質量は、例えばより低い周波数において、共振挙動を減衰させる内部減衰を提供しうる。したがって、接着層のない実施形態では、内部減衰はより少なくなりうる。しかしながら、ダイアフラムの質量は、接着層を有する同等のダイアフラムと比較して小さい。この比較的小さい質量は共振現象の周波数をより高くし、その場合は、これらが絶縁層によって十分に減衰され得るか、又は、それらが、関心のあるオーディオ範囲、例えばオーディオ用途での20kHz(20kHzは人間の聴覚の典型的な上限である)を超えるほど、周波数か十分に高くなる可能性がある。
上述のように、接着層を有する実施形態では、接着剤は、接着層が気密および湿気密であるように選択されうる。接着剤がない実施形態では、この気密性および湿気密性は、代わりに、ダイアフラム全体にわたって気密および湿気密となる方法で、絶縁層を導電層と一緒に接合することにより(例えば、ダイアフラムの全周にわたり接合が気密および湿気密であることを確実にすることにより)、提供されうる。
上記の2つの実施形態では、特定の材料および厚さが与えられているが、他の実施形態では、異なる厚さ及び/又は異なる材料を使用することができることが理解されよう。さらに、他の変形例(堆積法など)を使用してもよい。個々の製造工程(例えば、導電層の堆積/塗布、接着層の塗布、第2絶縁層の重ね合わせなど)は、当技術分野でそれ自体が公知の製造技術に従って実施することができることを理解されたい。
図3は、本発明の一実施形態による静電変換器20の分解図を表す。静電変換器20は、図1を参照して上述した構造を有する複合積層ダイアフラム2を備え、静電変換器20は、第1固定子24及び第2固定子26を更に備える。それぞれの固定子24、26は、それに設けられた穴のアレイを有する平面導電性プレートを備える。
また、静電変換器20は、第1固定子24とダイアフラム2との間に配置された第1のスペーサー28を備える。第2のスペーサー30は、第2固定子26とダイアフラム2との間に配置されている。それぞれのスペーサー28、30には、大きな開口32が設けられている。また、静電変換器は、それぞれがスペーサーの開口32に対応しこれと整列された大きな開口38を有する、第1支持フレーム34および第2支持フレーム36を備える。
静電変換器が組み立てられると、ダイアフラム2、スペーサー28、30および固定子24、26が互いに重ね合わされ、フレーム34、36によって共に固定され、これらはネジ40を用いて共に保持される。スペーサー28、30は、固定子24、26を、ダイアフラム2と離間した関係となるように、これらの間において保持する。それぞれのスペーサー28、30の厚さは0.8mmであり、これによりダイアフラム2と各固定子24、26との間隔は0.8mmとなっている。
使用時には、1800VのDCバイアスが、ダイアフラム2の導電層に印加される。上述のように、電気コンタクトは、コンタクトを設けるために選ばれた領域から、第2絶縁層および接着層の一部を除去又は省略することによって、導電層上に設けられる。変換器の電気コンタクトおよび電圧源は、明確性の観点から、図3からは省略されている。
ダイアフラム2の動きを駆動するために、所望のオーディオ信号に対応する変動駆動信号電圧が第1固定子24に印加され、対応する反転信号が第2固定子26に印加される。ダイアフラム2に供給されるDCバイアスは、ダイアフラムと固定子との間に静電場を生成し、固定子に印加される変動電圧は、ダイアフラムに力を生じさせ、これによりダイアフラムを振動させ、固定子に印加される駆動信号電圧に対応する音波を生成する。これにより、所望のオーディオ信号が再生される。
図4は、本発明の第4の実施形態による複合積層ダイアフラム42の断面図を表す。ダイアフラム42は、基板として機能する第1絶縁層44を備える。第1絶縁層44は、ULTEM(登録商標)UTF120よりなる。この例では、第1絶縁層44の厚さは5μmであるが、音響性能要求に応じて、他の厚さ、例えば7μm、10μm、又はその他の厚さもとりうる。
導電層46は、第1絶縁層44の表面上に堆積される。導電層46は、スパッタリング又は金属蒸着によって第1絶縁層44上に堆積される、厚さ25nmのアルミニウムの層である。
導電層46のプラズマ処理に続いて導電層46へのコーティングとして塗布されたエポキシ系接着層48が、導電層46上に重ねられている。次に、第2絶縁層50が接着層48上でローラーで延ばされ、さらなるプラズマ処理を施し、加熱ローラーで圧力を加えて層を互いに接着させる。接着剤は130℃の温度で硬化される。第2絶縁層50の厚さもまた5μmであり、ULTEM(登録商標)UTF120からなる(ただし、第1絶縁層44と同様であるが、音響性能要求に応じて、他の厚さ、例えば、7μm、10μm又はその他の厚さ、が可能である)。接着層の厚さは、4μmである。
図4の層の厚さは、一定の縮尺で示されていないことが理解されるであろう。
以上、本発明の4つの実施形態のみを説明したが、本発明の範囲内で、上記の実施形態の他の実施形態および変形例が可能であることを理解されたい。

Claims (48)

  1. 自動車に好適に使用される静電変換器の製造方法であって、複合積層ダイアフラムを製造する工程及び静電変換器を組み立てる工程を含み、
    前記複合積層ダイアフラムを製造する工程が、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
    前記第1の絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程
    及び
    前記第2絶縁層が前記導電層の上に延在するように、前記第2絶縁層を前記導電層に接合する工程
    を含み、
    前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満であり、
    前記静電変換器を組み立てる工程が、
    第1導電性固定子および第1絶縁スペーサーを設ける工程、
    前記第1導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために前記第1導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に前記第1絶縁スペーサーを重ねて、前記第1導電性固定子、前記第1絶縁スペーサー及び前記ダイアフラムを固定する工程
    を含む、静電変換器の製造方法。
  2. 前記静電変換器を自動車に設置又は使用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第2導電性固定子および第2絶縁スペーサーを設ける工程、
    及び
    前記第2導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために前記第2導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に前記第2絶縁スペーサーを重ねて、前記第2導電性固定子及び前記第2絶縁スペーサーを固定する工程
    をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 自動車での好適に使用される静電変換器用の複合積層ダイアフラムの製造方法であって、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
    前記第1の絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程
    及び
    前記第2絶縁層が前記導電層の上に延在するように、前記第2絶縁層を前記導電層に接合する工程
    を含み、
    ここで、前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満である、複合積層ダイアフラムの製造方法。
  5. 前記第2絶縁層を前記導電層に接合する工程が、接着層を前記導電層に塗布して前記第2絶縁層を前記接着層に重ねること、又は接着層を前記第2絶縁層に塗布して前記第2絶縁層を前記導電層に重ねることを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記接着層がアクリル系接着剤を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記接着層が1μmから10μm、好ましくは3μmから5μm、より好ましくは3μmから4μmの厚さを有する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記導電層が、前記複合積層ダイアフラムの厚さの1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満の厚さを有する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記導電層が5nmから50nm、好ましくは8nmから30nmの厚さを有する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第1絶縁層が、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第2絶縁層が、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記複合積層ダイアフラムが、1cmよりも大きい、好ましくは5cmよりも大きい長さ及び/又は幅を有する、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層がポリマー材料から形成される、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、500V/μmを超える、好ましくは550V/μmを超える絶縁破壊強度を有する材料から形成される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、2.5未満、好ましくは2.3未満の誘電率を有する材料から形成される、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、キャパシタフィルムから形成される、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、以下からなる群から選択される材料から形成される、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
    二軸延伸ポリプロピレン;
    ポリアリールエーテルエーテルケトン;
    ポリテトラフルオロエチレン;
    二軸延伸ポリエチレンテレフタレート;
    ポリフェニレンサルファイド;
    ポリエーテルイミド;
    ポリエチレンナフタレート;
    ポリイミド;
    ポリエチレンテレフタレート;
    ポリカーボネート;
    ポリエーテルスルホン;
    ポリフェニルスルホン;
    ポリスルホン;
    エチレンテトラフルオロエチレン;
    パーフルオロアルコキシ;
    ポリフッ化ビニリデン;
    ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体;
    及び
    クロロトリフルオロエチレンを組み込んだポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体。
  18. 前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから前記ダイアフラムを製造する工程をさらに含み、
    前記複合材料又はフィルムが、好ましくは、前記複合材料又はフィルムのヤング率、前記複合材料又はフィルムの熱膨張係数、及び前記複合材料又はフィルムの降伏強度又は引張強度のうちの少なくとも1つに関して実質的に等方性である、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから前記ダイアフラムを製造する工程をさらに含み、
    前記複合材料又はフィルムが、前記複合材料又はフィルムの2つ以上の層の間でそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータを有し、
    前記少なくとも1つのパラメータが、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度および引張強度からなる群から選択される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから前記ダイアフラムを製造する工程をさらに含み、
    前記複合材料又はフィルムについて測定された少なくとも1つのパラメータが、前記第1固定子および前記第1スペーサーの少なくとも1つについて測定された同じパラメータの1つの対応する値又は複数の対応する値と一致する1又は複数の値を有し、
    前記少なくとも1つのパラメータが、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度および引張強度からなる群から選択される1つ又は複数のパラメータを含む、請求項1から3のいずれか、又は直接又は間接的に請求項1に従属するときの請求項5から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから前記ダイアフラムを製造する工程をさらに含み、前記複合材料又はフィルムが以下の特性を有する、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
    i)少なくとも120℃のガラス転移温度;
    ii)前記複合材料又はフィルムの2つ以上の層の間でそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータ。ここで前記少なくとも1つのパラメータは、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される;
    及び
    iii)30から60ダイン/cmの範囲の表面エネルギー及び/又は12ダイン/cmを超える極性表面エネルギー。
  22. 前記第1及び第2絶縁層の両方が、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はポリエーテルイミド(PEI)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含む、又は基本的にそれからなる材料から形成される、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 自動車に好適に使用される静電変換器であって、
    第1導電性固定子、
    複合積層ダイアフラム
    及び
    前記第1導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために前記第1導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に配置された第1絶縁スペーサー
    を備え、
    前記複合積層ダイアフラムが、
    帯電していない絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層、
    前記第1絶縁層の表面上の導電層、
    前記導電層の上に延在して前記導電層に接合され、帯電されていない絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層
    を有し、
    前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満である、静電変換器。
  24. 第2導電性固定子
    及び
    前記第2導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に1mm未満の間隔を設けるために前記第2導電性固定子と前記ダイアフラムとの間に配置された第2絶縁スペーサー
    をさらに備える、請求項23に記載の静電変換器。
  25. 前記第2絶縁層が、前記導電層と前記第2絶縁層との間の接着層によって前記導電層に接合されている、請求項23又は24に記載の静電変換器。
  26. 前記接着層がアクリル系接着剤を含む、請求項23、24又は25に記載の静電変換器。
  27. 前記接着層が、1μmから10μm、好ましくは3μmから5μm、より好ましくは3μmから4μmの厚さを有する、請求項23から26のいずれかに記載の静電変換器。
  28. 前記導電層が、前記複合積層ダイアフラムの厚さの1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満の厚さを有する、請求項23から27のいずれかに記載の静電変換器。
  29. 前記導電層が、5nmから50nm、好ましくは8nmから30nmの厚さを有する、請求項23から28のいずれかに記載の静電変換器。
  30. 前記第1絶縁層が、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する、請求項23から29のいずれか記載の静電変換器。
  31. 前記第2絶縁層が、5μmから15μm、好ましくは6μmから8μm、より好ましくは約7μmの厚さを有する、請求項23から30のいずれかに記載の静電変換器。
  32. 前記複合積層ダイアフラムが、1cmよりも大きい、好ましくは5cmよりも大きい長さ及び/又は幅を有する、請求項23から31のいずれかに記載の静電変換器。
  33. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層がポリマー材料から形成されている、請求項23から32のいずれかに記載の静電変換器。
  34. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、500V/μmを超える、好ましくは550V/μmを超える絶縁破壊強度を有する材料から形成される、請求項23から33のいずれかに記載の静電変換器。
  35. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、2.5未満、好ましくは2.3未満の誘電率を有する材料から形成される、請求項23から34のいずれかに記載の静電変換器。
  36. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層がキャパシタフィルムから形成される、請求項23から35のいずれかに記載の静電変換器。
  37. 前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層が、以下からなる群から選択される材料から形成される、請求項23から26のいずれかに記載の静電変換器。
    二軸延伸ポリプロピレン;
    ポリアリールエーテルエーテルケトン;
    ポリテトラフルオロエチレン;
    二軸延伸ポリエチレンテレフタレート;
    ポリフェニレンサルファイド;
    ポリエーテルイミド;
    ポリエチレンナフタレート;
    ポリイミド;
    ポリエチレンテレフタレート;
    ポリカーボネート;
    ポリエーテルスルホン;
    ポリフェニルスルホン;
    ポリスルホン;
    エチレンテトラフルオロエチレン;
    パーフルオロアルコキシ;
    ポリフッ化ビニリデン;
    ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体;
    及び
    クロロトリフルオロエチレンを組み込んだポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)共重合体。
  38. 前記ダイアフラムが、前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから製造され、
    前記複合材料又はフィルムが、好ましくは、前記複合材料又はフィルムのヤング率、前記複合材料又はフィルムの熱膨張係数、および前記複合材料又はフィルムの降伏強度又は引張強度のうちの少なくとも1つに関して、実質的に等方性である、請求項23から37のいずれかに記載の静電変換器。
  39. 前記ダイアフラムが、前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから製造され、
    前記複合材料又はフィルムが、前記複合材料又はフィルムの2つ以上の層の間でそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータを有し、
    前記少なくとも1つのパラメータが、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される、請求項23から38のいずれかに記載の静電変換器。
  40. 前記ダイアフラムが、前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから製造され、
    前記複合材料又はフィルムについて測定された少なくとも1つのパラメータが、前記第1固定子および前記第1スペーサーの少なくとも1つについて測定された同じパラメータの1つの対応する値又は複数の対応する値と一致する1つ又は複数の値を有し、
    前記少なくとも1つのパラメータが、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される1つ又は複数のパラメータを含む、請求項23から39のいずれかに記載の静電変換器。
  41. 前記ダイアフラムが、前記第1及び前記第2絶縁層並びに前記導電層を含む複合材料又はフィルムから製造され、前記複合材料又はフィルムが以下の特性を有する、請求項23から40のいずれかに記載の静電変換器。
    i)少なくとも120℃のガラス転移温度;
    ii)前記複合材料又はフィルムの2つ以上の層の間でそれぞれの測定値が一致する少なくとも1つのパラメータ。ここで前記少なくとも1つのパラメータは、熱膨張係数、ヤング率、降伏強度、および引張強度からなる群から選択される;
    及び
    iii)30から60ダイン/cmの範囲の表面エネルギー及び/又は12ダイン/cmを超える極性表面エネルギー。
  42. 前記第1及び第2絶縁層の両方が、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はポリエーテルイミド(PEI)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含む、又は基本的にそれからなる材料から形成される、請求項23から41のいずれかに記載の静電変換器。
  43. 請求項23から42のいずれかに記載の静電変換器の自動車における使用。
  44. 請求項23から42のいずれかに記載の静電変換器を備える自動車。
  45. 自動車に好適に使用される静電変換器用の複合積層ダイアフラムであって、
    帯電していない絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層、
    前記第1絶縁層の表面上の導電層、
    前記導電層の上に延在して前記導電層に接合され、帯電されていない絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層
    を有し、
    前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満である、複合積層ダイアフラム。
  46. 請求項25から42のいずれかに記載の特徴を有する、請求項45に記載の複合積層ダイアフラム。
  47. 静電変換器用の複合積層ダイアフラムの製造方法であって、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第1絶縁層を設ける工程、
    前記第1の絶縁層の表面に導電層を設ける工程、
    帯電していない絶縁材料のシートを含む第2絶縁層を設ける工程
    前記第2絶縁層が前記導電層の上に延在するように、前記絶縁層を前記導電層に接合する工程
    を含み、
    前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満である、複合積層ダイアフラムの製造方法。
  48. 絶縁材料のシートから形成された第1絶縁層。
    前記第1絶縁層の表面上の導電層
    前記導電層の上に延在して前記導電層に接合され、絶縁材料のシートから形成された第2絶縁層
    を有し、
    前記複合積層ダイアフラムの厚さが20μm未満である、電変換器用の複合積層ダイアフラム。
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