JP2022531053A - シーリングされた炉 - Google Patents

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Abstract

炉は、チャンバを画定する外壁を含み、チャンバは1以上の部品を受け入れるように構成された内部キャビティ、チャンバ内に配置され内部キャビティ内で少なくとも約800℃の温度を生成するように構成されたた少なくとも1つのヒータ、及びチャンバの少なくとも一部に真空を適用するように構成された真空ポンプを含むことができる。炉はまた、チャンバに対して少なくとも1層の内側断熱材と、内側断熱材の外側に配置された少なくとも1層の外側断熱材とを有することができる。少なくとも1層の外側断熱材は、少なくとも1層の内側断熱材に対して密封されている。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、米国仮出願番号の優先権の利益を主張する。62/804,181, 2019年2月11日出願の2019年4月5日出願の62/830,303、2019年10月7日出願の62/911,665、及び2019年10月7日出願の62/911,696であり、その全体はそれぞれ引用により本出願に組み込まれている。
本開示の様々な側面は、一般に、炉、特に脱灰及び/又は焼成作業のために構成された炉に関する。
金属射出成形(MIM)は、様々な金属物体を作るのに有用な金属加工プロセスである。粉金属と一つ以上のバインダー(例えば、ポリプロピレンやワックスのような重合体)の混合物は、熱したときに望ましい物体の形に成型することができる「原材料」を形成することができる。「グリーンパーツ」とも呼ばれる初期成型パーツは、その後、副バインダーを無傷のままにしながら一次バインダーを除去し、焼結処理を続行する予備デバンディングプロセス(例えば、デバンディングまたはサーマルデバンディング)を受けることができる。焼成中、部品を加熱して蒸発させ、二次バインダー(脱熱)を取り除き、粉末金属の融点付近の温度に導き、金属粉末を固体質量にデンサイド化させ、所望の金属物を作ることができる。
寸法(3D)印刷のような添加剤製造は、物体の連続した層を形成する過程を経て寸法物体を製造するための様々な技術を含む。立体プリンタは、いくつかの実施形態において、MIMで使用されるものに匹敵する原料を利用することができ、それによって、金型を必要とせずに緑色の部品を作ることができる。その後、緑色の部分は、その物体を作るために脱皮と焼成過程を経ることができる。
MIMベースの添加物製造に加え、粉末ベッドやルーズ粉末、光学樹脂硬化などを利用したシステムもある。これらの方法や他の方法は、最終的な部分を作るために、あるいは部分の特性を高めるために、炉を使用することを含み得る。
汚染を低減し、部品の品質を改善するために、真空炉を熱脱バインダーおよび/または焼結のために使用してもよい。真空炉による熱処理は、例えば、酸化の発生を減少させるために有用である。真空炉は酸化を減少させるのに役立つが、これらの炉は部品の品質を低下させる汚染を引き起こしやすい。
高品質の部品を生産するためには、炉内の汚染を減らすことが有益である。普通の汚染源の一つは、炉内に含まれる断熱材からの汚染である。たとえば、断熱性は、湿気、脱皮中に部品から放出されるバインダー、および熱処理中に炉の部品および構造物からガスを除去する種々の化合物のような汚染物質を保持することができる。通常、断熱性の向上は汚染の増加と関連している。これらの汚染物質は、しばしば断熱性によって保持され、その後の熱処理中に放出されるからである。したがって、繊維状断熱材は、炉の室内の所望の温度を維持するために必要な電力量を減少させ得るが、繊維状断熱材は、室内に存在する汚染物質の量を増加させ得る。黒鉛断熱炉やモリブデン断熱炉など、一部の炉では、汚染を減らす目的で最小限の絶縁を採用する場合がある。ただし、最小限の絶縁材を使用すると、必要な電力が大幅に増加する可能性がある(例えば、約20kW ~100kW の高い電力要件)。さらに、最小限の断熱材の使用は水冷の使用を必要とする場合があり、これは、熱交換のための水の流れを容易にするために、2つの室の間の構造を有する2つの入れ子式および密閉式室(例えば、スチール製の室)の使用を伴う場合があり、複雑さおよびコストが追加される。さらに、このようにして絶縁量が減少したとしても、焼成中に再び蒸発する可能性のある水および/または縮合バインダー製品による汚染は、部品の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
一部の局面では、炉内での汚染は、部品の汚染または品質の低下につながる可能性がある。例えば、炉内に存在する水分は、金属粉末の酸化を増加させたり、焼成中に合金の炭素含有量を変化させることができる。セラミックインシュレーションのような一部の種類の絶縁は、特に水分汚染を含む汚染の影響を受けやすい。しかしながら、炉の他の構成要素と同様に、様々な種類の絶縁において汚染が生じることがある。
本開示の装置及びシステムは、上述した問題の一つ又は他を扱うことができ、又は先行技術の他の側面を扱うことができる。
本開示の実施例は、添加物製造によって製造された物を焼くための、他のものの中でも、システム及び方法に関するものである。本開示される各例は、他の開示された例のいずれかに関連して記載された特徴の1つ以上を含んでいることがある。
一つの側面において、炉は、室内を規定する外壁を含み得る。室内は、一つ以上の部品を受け入れるように構成された内部空洞を含み、室内に少なくとも一つのヒータが配置され、少なくとも一つのヒータは内部空洞内で少なくとも約800℃の温度を生成するように構成されており、そして、掃除を室内の少なくとも一部に適用するように構成された真空ポンプを含むことができる。また、炉は、内部絶縁の少なくとも1つの層と、室に対して内部絶縁の外側に配置された外部絶縁の少なくとも1つの層とを含むことができ、外部絶縁の少なくとも1つの層は、内部絶縁の少なくとも1つの層に対してシールされる。
別の側面において、炉のレトルトベースのレトルト体は、レトルト体に分離可能なレトルト体であって、レトルトベースとレトルト体の間に配布されるレトルトシール、内側シールと外側シールを含むレトルトシールをレトルト体に結合されたレトルトベースであってもよい。レトルトはまた、レトルトベースに流動的に接続され、不活性ガスを供給するように構成された第1の導管、レトルトベースに流動的に接続され、レトルトの内部に真空を適用するよう構成された第2の導管、およびレトルトシールに流動的に接続され、内部シールと外側シールの間に不活性ガスを供給するよう構成された第3の導管を含むことができる。
一態様では、真空焼結炉システムは、第1の炉部分と第2の炉部分とを有し、第1及び第2の炉部分は、炉シェルを形成し、断熱層によって内側に覆われたそれぞれの第1及び第2の炉壁を有する、密閉可能な炉を含んでもよい。断熱層の内側の面は、高温ゾーン体積の高温面を形成することができ、第1および第2の炉部分は、高温ゾーン体積へのアクセスを可能にする開位置と、炉シェルを密閉して閉位置とを有する。密閉可能な炉は、第1のレトルト部分と第2のレトルト部分とを有する密閉可能なレトルトを含んでもよく、第1及び第2のレトルト部分は、レトルトシェルを形成し、それぞれ第1及び第2のレトルト壁を有し、レトルト壁の内側の面は、レトルト室容積を規定し、第1及び第2のレトルト部分は、開放位置を有し、ワークピースをレトルト室容積内に装填することが可能であり、閉鎖位置は、レトルトシールでレトルトシェルを密閉する。第1および第2のレトルト部品は、第1および第2の炉の部品の1つに連結され、その結果、レトルト部品は、その開位置に持ち込まれ、閉位置では、レトルト部品は、高温ゾーン体積内に、およびレトルト壁の外面と炉壁の内面との間に形成される環状空間内に、その閉位置に収容され得る。また、炉システムは、レトルトの外側に関してレトルト管シールで第1のレトルト部分にシールされ、レトルト室容積と炉壁の外側のポートとの間にガス状の連通を確立する真空ポンピングチャネルを含んでもよく、シール可能なレトルトおよびレトルト管シールは、焼結温度に耐えることができる高温ゾーンに位置し、シール的に閉じられたレトルトシールは、レトルト壁と協働して、レトルト室容積と環状空間との間のガス流路妨げる低圧エンクロージャを形成する。
別の側面において、高温真空焼成炉には、少なくとも一つの外炉ヒータが外炉内に含まれる断熱を含むことができ、外炉ヒータは、摂氏800度以上で繰り返し循環することが可能であり、外側断熱部は、約800度以上の温度で少なくとも50の焼成サイクルに耐え得る少なくとも一つの耐火性物質で構成されるレトルトを完全に包囲するホットゾーンを定義する。レトルトは、部品を焼成するための作業領域として使用可能な中空の内部を含むことができる。炉は、中空内部と流体連通する第1のガス管を含んでもよく、第1のガス管は、レトルト管シールによってレトルト壁に取り付けられシールされており、中空内部に焼結プロセスガスを供給するように構成されており、管は、高温ゾーンから炉の外部の周囲環境まで、外部絶縁を通って延びている。炉のレトルトは、主レトルト開口部を介して少なくとも1つの部分を受け入れるために開口されるように構成されてもよく、少なくとも1つの部分を焼結するために閉鎖されるように構成されてもよく、密閉されたレトルト開口部の少なくとも50%が高温ゾーン内にあるように構成されてもよい。主レトルト開口部は、内側シールによって外接することができ、内側シールの少なくとも半分は、ホットゾーン内に設けられる。内側シールは、内側シールと外側シールの間にガス流量チャネルが設けられるように、外側シールがホットゾーンに設けられるように、外側シールの少なくとも50%と一連に設けられることができる。炉には、気体流路との直接流体コミュニケーションにおいてレトルトチューブシールで封印され、内部シールと外側シールの間の気体流路から気体汚染物質を排除するように構成された第2のチューブを含むことができる。
別の側面では、第3のチューブは、中空の内装と流体的に接続しており、チューブシールで封印されていることがある。第3のチューブは、中空内部に負圧を生成するために、真空ポンプに流体的に接続されてもよい。
別の側面において、外側シールは、ペクレットシーリングによって汚染物質を排除するために、第2管から気体の流れを受けるように構成されたペクレットシールであってもよい。内側のシールはラップシールであってもよい。内部シールは、高温ガスケットであってもよい。内側のシールには、グレフォイルが含まれている場合がある。
別の態様では、第1のチューブは、プロセスガスの中空内部への流入を提供することができ、内側シールは、中空内部からの流出としてプロセスガスを受け取るペクレシールであってもよく、この流出は、ペクレットシールのガス流路と中空内部との間のペクレットシールを促進することができる。外側シールはラップシールまたは高温ガスケットであり、第2のチューブは、プロセスガスがペクレットシールを通過した後、プロセスガスを排気するように構成され、第2のチューブシールは、第2のシールを通して外から漏れるガス汚染物質を排除するように構成されている。外部シールは、ラップシールであってもよい。
別の態様では、外側シールは、高温ガスケットであってもよい。高温ガスケットは、黒鉛空気を含んでもよく、炉は、外側断熱材を取り囲む気密封じ込め部内に設けられてもよい。気密封じ込めは、グレフォイルの酸化または燃焼を防ぐために不活性ガスで満たすことができる。
別の態様では、ガスケットは、黒鉛油を含んでもよく、炉は、外側ガスケットを周囲する耐火性の外側リングを含んでもよい。
別の態様では、内部シールは、高温ガスケットを含んでもよく、外部シールは、高温ガスケットを含んでもよい。第2のチューブは、気体流路から気体を排気するように構成されており、外側のシールから漏れる気体汚染物質の少なくとも一部を排除することができる。内部シールおよび外側シールは、グラファイトオイルガスケットを含んでもよく、外側断熱材は、不活性乾燥ガスを含む気密ハウジングによって囲まれてもよい。第2のチューブは、真空ポンプでポンピングされてもよい。
別の態様では、内側シールと外側シールとの間にパージを生じさせるために掃引ガスを注入するように構成されたガス流に第4のチューブを接続することができる。4番目のチューブは、スイープガスを供給することができ、3番目のチューブは、内側と外側のシールの間からのポンプの有無にかかわらず、スイープガスを排気することができる。別の方法として、3番目のチューブは真空ポンプで、4番目のチューブは掃除ガスを送ることができる。
別の側面では、レトルトには、外気体の拡散に対して、隠密で不備のない非多孔性物質が含まれ得る。例えば、レトルトは、SiC、反応結合SiC、セラミック、ガラス化レトルト被覆の有無にかかわらず窒化物結合SiC、または高温金属のうちの1つ以上を含んでもよい。高温金属は、空気にさらされるように構成された310S、空気、モリブデン、タングステンにさらされるように構成されたニッケル、焼成温度で酸素にさらされて生き残れない耐火金属を含むあらゆる適当な耐火金属を含むことができる。
また別の側面では、かまどはヘルム的なレトルトを提供するためにコーティングされた非発熱性の多孔性材料を含むことができる。気密レトルトは、ガラス被覆を有する窒化物結合SiCを含んでもよい。
別の態様では、外側断熱材は、密閉ハウジングによって囲まれてもよい。前記密封ハウジングは、真空圧に耐えるように構成された高強度ハウジングであってもよい。レトルトは多孔性であってもよい。レトルトは、被覆された多孔性のレトルトである。密封されたハウジングは、気密であり、荒い大気圧でレトルトの周りの乾燥した不活性雰囲気を維持するように構成されることがある。レトルトは、焼結温度で空気への曝露に耐えられない耐火性金属を含んでもよい。
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、例示的かつ説明的なものであり、クレームされるように、特徴の制限的なものではない。ここで用いられるように、「構成」、「構成」、「含む」、「有している」、またはその他のバリエーションは、元素のリストを含むプロセス、方法、アーティクル、または装置を非排他的に包含することを意図しており、それらの元素のリストを含んでいるだけでなく、明示的にリスト化されていない、またはそのようなプロセス、方法、アーティクル、または装置に固有の他の元素を含んでいるかもしれない。さらに、「模範的」という用語は、「理想」ではなく、「例」の意味でここで使用される。ここに開示されたまたはクレームされたすべての数値(開示されたすべての値、限界、範囲を含む)は、開示された数値から+/-10%(異なるバリエーションが特定されない限り)のバリエーションを持つかもしれないことに注意されたい。本開示において、別段の記載がない限り、例えば、「約」、「実質的に」、「ほぼ」などの相対的な用語は、記載された値の±10%の可能な変動を示すために使用される。さらに、請求項において、請求される様々な元素および/または特徴の値、限界、および/または温度範囲は、記載された値、限界、および/または温度範囲+/-10%を意味する。本明細書において使用される「対象物」、「部分」、および「構成元素」という用語は、本明細書に記載される添加剤製造技術を使用して製造される任意の対象物を包含する。
付随する図面は、本明細書の一部を構成するとともに、様々な例示的な実施例を説明し、説明文と共に、開示された実施例の原理を説明するのに役立つ。ここに記載されている多くの側面と実施形態がある。当業者は、特定態様又は実施例の特徴が、この開示で説明されている他の側面又は実施例の特徴と関連して使用され得ることを容易に認識するであろう。
例示的な炉の断面図である。 図1の炉の断面図である。 バリアを備えた図1の炉の断面図である。 図3のバリア用の模範的なバリアシールを説明する断面図である。 図3のバリア用の模範的なバリアシールを説明する断面図である。 図3のバリアのための例示的な重ねシールを示す断面図である。 図3のバリアのための例示的な重ねシールを示す断面図である。 障壁の円筒形状を示す断面図である。 障壁の円筒形状を示す断面図である。 図1の炉のための空気注入構成を示す図である。 密閉バリアを備えた図1の炉の断面図である。 非気密封止バリアの断面図である。 気密バリアの断面図である。 図10の隠れ壁の例示的な構成である。 図10の隠れ壁の例示的な構成である。 密閉レトルトを含む炉の断面図である。 ドーム形状の構成を有する密封レトルトの断面図である。 円筒形状の密閉レトルト本体の断面図である。 クラムシェル形状を有する封印レトルトの断面図である。 被覆レトルトの断面図である。 ラップシールでシールされたレトルトの断面図である。 図16のラップシールの詳細図である。 開位置にガスケットシールがあるレトルトの断面図である。 ガスケットシールが閉位置にあるレトルトの断面図である。 FIGのレトルトの詳細図である。18、19はガスケット1個付である。 FIGのレトルトの詳細図である。18、19 には、一対のガスケットとポンプチューブが付いている。 掃引を有するレトルトの図である。 掃引を有するレトルトの図である。 掃引を有するレトルトの図である。 レトルトのチューブをシールするのに有用なシールの図である。 レトルトのチューブをシールするのに有用なシールの図である。 外側ヒータおよび遮熱材を有する炉の断面図である。 外側ヒータを有する炉の断面図である。 真空レトルトを含む炉の断面図である。 図26の真空レトルトの分解図である。 図26の真空レトルトの組立図である。 図26の真空レトルトの詳細図である。 炉内に配置された真空レトルトの断面斜視図である。 開位置にある図30の真空レトルトの図である。 真空レトルトシールの斜視断面詳細図である。 真空レトルトシールのペクレットシールの断面詳細図である。 ペクレットシールの動作を説明した図である。 ペクレット数の機能としての標準化された室内濃度のプロットを示すチャートである。 中程度の真空または大気のレトルトおよび炉の断面斜視図である。 図36の中程度の真空または大気レトルトのレトルトシールの断面詳細図である。 レトルトのためのチューブシールを説明する。 図38の管シールの断面図である。 例示的な管延長の遠近法図である。 バインダー汚染を低減するための例示的な炉を示す部分的に図式化された断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 例示的シール構成の断面図である。 本発明の炉によって行われ得る例示的な熱処理を示すチャートである。
本開示の具体例には、印刷物を焼くことの有効性及び/又は効率を容易にし、改善するためのシステム及び方法が含まれる。ここでは、添付図面に図示されている本開示の実施例について上述し、詳細に言及する。図面において、同一の参照符号は、可能な限り同一又は類似の構成要素に用いる。炉システム又は炉の実施の形態は、異なる参照番号を用いて議論されてもよいが、ここに記載されているいかなる炉の特徴も、望むように結合し又は置き換えることができることが理解される。
I. 熱処理による汚染、エネルギー使用、環境への影響
上述のように、添加物製造用の炉は、1つ以上の部品を含む部屋に水分やバインダーが導入されることにより、汚染を受ける可能性がある。この汚染は、1つ以上の絶縁層から吸収され、放出される物質から生じる可能性がある。しかしながら、汚染は、他のメカニズム、たとえば、炉内システムの他の構造物からの汚染物質の放出、または、炉内からの汚染、入口、出口、および/または、かまどのドアでの漏れたシールなどから生じる可能性がある。従って、ここに開示された例示的な解決策のように、炉システムに個別に組み込まれたり、または互いに組み合わせて使用されたりするこれらの汚染源の1つ以上に対処することによって、炉システムの機能を改善することができるかもしれない。
炉、特に焼結炉は、しばしば大きな発電要求を有する。例えば、約1立方フィートの作業ゾーンを有する比較的小さな焼結炉は、約20kW~40kWの電力を必要とする場合がある。より大きな炉(例、約4立方フィート~約8立方フィートの範囲で働く炉)は、100~数百kWの電力をもっと必要とするかもしれない。焼成には、長時間(例:複数時間)このパワーを適用する必要がある。このような長時間にわたる高レベルの電力の適用は、かなりのコストとエネルギー使用を表す。例えば、比較的大きな炉での焼結サイクルは、1サイクルあたり数百ドル、またはそれ以上のエネルギーコストに関連する可能性がある。さらに、生産性を最大化するために、商業用かまどが頻繁に(例えば、ほぼ継続的に)操業することもある。これらの炉は、それぞれ年間約1,000時間稼働することがあり、これは年間数メガワットの発電時間に相当する。
より小さな炉(例えば、実験室の研究で典型的に使用されるより小さな管状炉)は、追加の絶縁を含めることによって、より少ないエネルギーを必要とする傾向がある。しかし、これらの炉は製造における使用に適さない場合がある。また、これらの炉は真空状態では使用できない場合がある。これは、制御された負圧環境を炉内に適用し、大気中の汚染を減らし、バインダーなどの不要な製品を大気中に排出する。
少なくとも上述の理由により、商業用炉および実験用炉は非効率であり、直接的(発光から)および間接的(大きな電力要件のため)の両方で汚染を増加させる可能性がある。
以下に述べる解決策は、公害、コスト、エネルギー使用量の削減など、1つ以上の環境上の利益をもたらす可能性がある。例えば、ここに記載されている1つ以上の炉は、いくつかの商業用炉の要求に比べて約90%弱の電力要件(例えば約2kWから約4kW)を有している可能性がある。10億ワット/年、あるいは20年間で20億ワット/時以上を消費すると予想される、1,000もの巨大な金属焼結炉がある。比較すると、典型的な大都市では、年間1,000万ワットを消費すると予想される。従って、現在稼働中の金属焼結炉が1000基以上あると仮定すると、多くの大都市に相当するエネルギーとそれに伴う汚染の低下が予想される。さらに、同等の省エネ技術が(金属焼成よりも大きい)セラミック焼成・焼成業界で採用されれば、これらの省エネルギーは倍増、3倍増、さらにはそれ以上になる可能性がある。
II. 液1: 密閉型レトルト真空炉
II-1. 炉システム
図1は、本開示の一実施形態による炉100を含む炉システム10の断面部分概略図である。図1に示す例示的な構成では、炉システム10は、炉100に加えて、電力系統82、例えば、パーツが処理される作業ゾーンにおける焼結環境を制御するための環境制御システム58、およびシステム制御部または炉制御部76を含んでもよい。かまどシステム10は、以下に説明する400および/または800のかまどを含むことができる(または、これらのかまどの1つ以上の特徴)。炉100は、脱バインダおよび/または焼結のような種々の熱処理方法において採用されてもよい。炉100は、環境制御システム58を有する制御された雰囲気を作り出すように構成された真空炉であってもよく、気密封止されたチャンバ20を含んでもよい。このような封印された室20は、環境空気の入り込みを防止または抑制し、および/または、例えば、プロセスガス(例えば、室20に注入された不活性ガス)による外部空気からの漏れによる汚染を防止または抑制することができる。いくつかの態様において、チャンバ20は、炉100の外部の雰囲気に対してほぼ完全な閉塞または気密封止を形成する方法で密閉されてもよい。しかしながら、室20は、例えば、ガスの漏れを抑制または抑制する封印のように、より少ない程度で封印されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、真空での操作のために、気密外室は15psiに耐えるだけの頑丈さと同様に密閉されてもよい。外側気密チャンバが両側の大気圧を支持するだけでよい。他の場合には、外側チャンバは、非常に頑丈である必要はない。
加熱炉100は、チャンバ20を画定するチャンバ壁32を含んでもよく、チャンバ内には断熱材22およびヒータ112が配置されてもよい。ヒータ112によって生成された熱は、チャンバ20内に配置された部分90を剥離および/または焼結することができる。一態様では、炉100内の中心空洞又はチャンバ20は、レトルト114の内側に部品空洞116を画定することができる。1つ以上のパーツ90は、レトルト114内で支持され得る(例えば、各棚34を支持するための1つ以上のパーツホルダーまたは棚34および支持ブラケット35を介して、いずれかの適切な棚構成が考えられる)。レトルト114は、内側又は露出された断熱24を含む1つ以上の断熱22により定義されるホットゾーン28内に位置することができる。断熱材24の最内層の内対向面は、高温ゾーン28を取り囲む高温面44を形成することができる。ホットゾーン28は、露出した断熱材24の高温面44によって囲まれた領域を表すことができる。
例示的な構成において、1つ以上のヒータ112(例えば、らせん状のヒータ元素を有する複数の独立したヒータ、分離したまたは連続した蛇紋岩ヒータ元素、または他の適切なヒータまたはヒータ群)は、ホットゾーン28のレトルト114と内部断熱24の間に延びる電気抵抗性ヒータ要素を含むことができる。これらのヒータは、熱帯28内で熱14を発生させて、パーツ90に均一な熱を提供することができる。孤立した又は外側絶縁26の1つ以上の層は、内側絶縁24の1つ以上の層を包囲することができる。外側断熱材26の最外層の外周又は冷たい面46は、冷たいゾーン30を画定することができる。必要に応じて、外側冷却ジャケット38を設けて、低温ゾーン30内の過剰な熱蓄積を防止することができる。冷却ジャケット38を含めることにより、炉100を取り囲む周囲の空気中に逃げる放散熱92の量を減少させることができる。
制御された方法で熱を発生させるために、炉電力システム82は、ヒータ112によって熱に変換される電気エネルギー供給することができる。各々のヒータ112は、主電源電力供給を受け取ることができる適当な電源84に接続することができる。いくつかの態様において、主電源部86は、商業用又は住宅用の標準電源部(例えば、240V電源部)に対応し得る。電力供給84と1つ以上のヒータ112との間の電気的な接続は、室内壁32を通して延びている1つ以上の電力供給フィードスルー88を経由してもよい。電源84は、炉制御部76からのコマンドに基づいて、ヒータ112に交流又はDC電源を供給することができる。
環境制御システム58は、炉100に真空を適用するためのシステム、ならびに炉100に不活性ガスを注入するためのシステムを含んでもよい。例えば、入口ガスマニホルド98は、1つ以上のプロセスガス供給ライン78及びマスフロー制御部70を含むことができる。出口排気及び/又は真空ポンプマニフォールド74は、炉100の外側に1つ以上の排気ガス又は真空管73を含むことができる。ガスフィードスルー66は、各外部ライン73、78を炉100の内部と接続することができる。図1に示すように、入口ガスマニホルド98は、ガス供給管72からプロセスガスを受け取り、このプロセスガスを炉100の内部に導入することができる。例えば、入口ガスマニホルド98は、1つまたは複数の適当な可変バルブ、可変ガス絞り、および/または供給ポンプを含むことができるマスフロー制御部70によってプロセスガス71を炉100にポンピングするように構成することができる。プロセス・ガス71は、所定量の反応性水素を含む還元性ガス、支配的な処理ガスとして水素を含むガス、又は、実質的に酸素のないガスのような適当なガス又は混合物を含む不活性処理又はプロセスガスである。例えば、プロセス・ガスは比較的少量の水素、例えば約1%から約10%の水素を含み、比較的温和な削減プロセス・ガスをもたらす。いくつかの側面では、プロセス・ガスは約10%から約100%の水素を含み、比較的強力な低減プロセス・ガスをもたらす。プロセス・ガス71は、フィードスルー66の1つを経由してプロセス・ガスライン78に接続されたプロセス・ガス入口管(ここでは「ライン」とも呼ばれる)又はチューブ77に入ることができる。レトルト114内の入口ガス分配器42は、プロセスガス71をレトルト114の内部に分配することができる。加えて、プロセスガス71は、必要に応じて、プロセスガスライン78によって真空チャンバ壁32内のチャンバ20にポンプで送ることができる。
環境制御システム58は、真空の炉100への適用を容易にし得る。この真空は、プロセスガス、気化されたバインダー、および他のオフガスの混合物を含むことができる流出物75を、炉100の部分90および/または成分から除去することを容易にすることができる。出口排気及び/又は真空ポンプマニフォールド74には、例えば、排気口及び/又は真空マニフォールド74を経由してガスフィードスルー66を経由して接続された1つ以上の真空ポンプ60、真空バルブ62を経由して冷たいゾーン30及びホットゾーン28を含むことができる。従って、真空槽ウォール32によって定義されるレトルト114および/またはチャンバー20の内部に真空を適用することができる。真空槽が印加されると、真空チャンバ壁は、真空圧力に耐えるように構成された気密シールハウジングとして形成されてもよい。図1に示されている例示的な構成において、真空マニフォールド74の真空ライン(又はチューブ)73は、レトルト114と流体連通している排水ライン(又はチューブ)79から排水75を受け取るために、ガス処理場66を通して伸びることができる。バインダートラップ64は、1つ以上の真空ライン73と流体的に通信して、真空ポンプ60を介してポンプされた廃液75を受け取り処理することができる。望まれれば、真空マニフォールド74の1つ以上の真空ラインは、レトルト114の外側のチャンバー20の1つ以上の部分に真空を適用するように構成されてもよい。例えば、以下に述べるように、1つ以上の真空ライン73は、1つ以上の断熱層から外れるかもしれない汚染を除去するために、絶縁22と通信しているかもしれない。
10-6 Torrのような低圧は、特殊なケースを除いて、焼成処理において比較的珍しいかもしれないが、焼成処理における唯一の低圧を表しているかもしれない。工業的な脱皮と焼成は、比較的広い範囲の圧力で行われ、いくつかの考慮に従い、脱皮および/または焼成圧力が用いられる。これは、焼結のみが実行される(例えば、熱脱バインダーを実行しない)場合にも当てはまるであろう。少なくとも場合によっては、ポンプがデビングおよび/または焼成中に成し遂げることができる最低(または最も強い)真空圧力を発生させるために真空ポンプを操作することが望ましい場合がある。しかしながら、他の場合には、比較的弱い真空圧力を作り出すために真空ポンプを操作することが望ましいであろう。例えば、脱バインダーおよび/または焼結は、約0.01Torr~約1 Torr、約1Torr~約10 Torr、または約10Torr~約100 Torrの真空圧で行うことができる。場合によっては、約100 Torr~約759 Torrの真空圧力が、わずかな真空と考えられることがある。必要に応じて、炉100は、約大気圧またはわずかに正圧で焼結するために採用されてもよい。少なくともいくつかの実施形態においては、炉100(及びここに記載された各炉)によって達成される純度レベルは、超高真空および/または圧力可能な真空を含む比較的強い真空圧力で達成される純度レベルに匹敵することができる。たとえば、10-6トールと低く抑えることができる。例えば、ここに開示される炉は、10-10 Torrと同じくらい低い真空中で達成される純度として同等の純度で稼働するように構成され得る。さらに、従来の焼成炉に比べて、コスト及び/又は電力需要が少ない一方で、かまど100は、この純度を達成するように構成されてもよい。
ホットゾーン28内に1つ以上の温度センサ部80が設けられ、監視し、ホットゾーン28内の現在の気温を示すフィードバック情報を提供することができる。追加の温度センサ部80は、例えばホットフェース44上などのホットゾーン28の他の位置に配置することができる。追加的な温度センサ部80は、外側絶縁26、真空槽ウォール32またはその他の望ましい場所に配置され得る。一つ以上の真空圧力センサ部68は、炉100の一つ以上の場所に適用される真空の強度を測定するために設けられてもよい。例えば、図1に示すように、チャンバ20の圧力を測定するために圧力センサ部68を適用することができる。レトルト114が真空レトルトである実施例(後述する)では、レトルト114に適用される真空の強度を示す場所に1つ以上の圧力センサ部68が設けられてもよい。炉制御部76は、例えば温度センサ部80及び圧力センサ部68からのフィードバック情報を受け取るために、1つ以上の処理部、記憶部機器、入力出力機器等を含む好適な制御システムであってもよい。制御部76は、炉の状態をモニタリングし、真空ポンプ60、バルブ62、質量流制御部70を含む環境制御システム58の操作を制御するコマンドを生成するように構成されたシステムレベルの制御部であり、また、電力供給84を介するヒータ112である。
炉システム10は、環境制御システム58を介して雰囲気制御された炉環境を生成するように構成されてもよい。真空炉は、システム58のような雰囲気制御システムを含んでもよいが、全ての雰囲気制御炉が真空炉であってもよいわけではない。真空炉は、真空圧力を提供し、かつ、これに耐えるように適切にシールされている場合、雰囲気制御された炉を形成してもよい。少なくともいくつかの実施例においては、炉100(およびここに記載される他の例示的な炉)のような真空炉は、以下のような範囲の圧力で作動するように構成され得る。例えば、約10-6 ・トール(例、深い真空)から約1つの雰囲気(760トール)、約10ミリ・トールから約500トール、約1トールから約600トール、約1ミリ・トールから約700トール、または約4 PSIに対する約0.001 PSIの正圧(例、適度な正圧)。
真空焼結炉として成形されうる炉100は、制御部76によってバランスのとれた方法で真空ポンプ60と同時にポンプする一方で、処理又はプロセスガス71の制御された流れを利用することができる。プロセスガス71の導入と、室内20及び/又は部品空洞116からの真空(排水75を除去する)の適用は、部品90が露出している雰囲気を制御することができる。真空圧力は、制御部76による真空の制御を容易にするために、真空圧力センサ部68で測定されてもよい。例えば、制御部76は、アウトレットプロセスガス(例、排水75)に反して、入口流量(例、ガス71)を均衡させるように構成されてもよい。手動による監視および/またはフローバランスの制御を容易にするために、センサ部68の代わりに、またはそれに加えて、手動による圧力計を提供することができる。出口ガス又は排水75の流量は、1つ以上の電子的に制御され又は調節可能な弁62の位置を調整するか、及び/又はポンプ60のポンプ速度を変更することにより、手動又は制御部76で制御され得る。同様の方法で、プロセスガス71の流れは、マスフロー制御部70によって制御可能に変化させることができ、これは制御部76によって制御することができる。質量流量制御部70および炉システム制御部76は、理解されるように、別個の装置として図示されるが、質量流量制御部70およびシステム制御部76は、単一のシステム制御部で組み合わされてもよい。制御部70および76の1つまたは両方は、プログラム可能なロジック制御部(プログラマブルロジックコントローラ)、コンピュータなどの適切な組み合わせによって実施され得る。制御部は、オープンループフィードバック装置、閉ループフィードバック装置、及び/又はステートマシンを含むことができる。必要に応じて、好適な制御部は、カスタムマイクロチップ制御埋め込み制御部を含んでもよい。幾つかの実施例では、炉制御部76、質量流制御部70、又はその両方は、シリアル又はパラレルバス、イーサネット、WIFI、ブルートゥース、イントラネット、セルラル、LAN、WAN、インターネットその他の適当な有線接続、無線接続又はそれらの組合せを通して、1つ以上のコンピュータに接続してもよい。熱処理中、特に断熱材22およびレトルト114を含む炉システム10自身のハウジングと同様に、部品90は、脱バインダー処理中にガスを排出してもよい。いくつかの態様において、これらのガス放出率は、圧力及び制御部70及び/又は76によって達成される圧力に対する制御に影響を与え得る。上述の平衡化は、システム10の成分90および/または成分からのガス放出に影響され、および/またはそれに応答して実行されてもよい。
脱バインダまたは焼結のような熱処理に適した温度に到達し維持するために、高温(高温耐性)断熱材22の配置を壁32に対して炉100の内部に配置することができる。断熱材22は、炉100が所望のまたは実際的な限界内にある電力要件で動作することを可能にすることができる。一態様では、断熱材22は、炉システム10が標準電源部(主電源部86)に接続されているとき、ヒータ112が焼結温度に達することを可能にするのに充分であり得る。断熱材22は、さらに、炉100が存在する部屋内の系成分および/または構成要素など、断熱材22の外側に位置する構成要素の過剰な加熱をさらに回避することができる。また、断熱材22は、壁32、フィードスルー66、88などの炉の部品自体が曝される温度を制限してもよい。
実施の形態では、本分野に開示されるいずれかの炉は、低消費電力(ホットゾーンの内部表面積の1m2当たり約500~5,000ワット)で焼成可能であり、および/または最小限~無水冷を必要とする低消費電力の炉であってもよい。例えば、開示された炉のいずれかは、ホットゾーンの内部表面積の平方メートル当たり約500~5,000ワットのような低出力で焼結を行うことができる。一般に、低消費電力と水冷なしの組合せは、実質的に繊維状の絶縁を必要とする可能性のある炉の設計をもたらす。例えば、繊維状の絶縁(例えば、陶磁器、黒鉛等)は、約3インチから約6インチ、約6インチから約9インチ、又は約3インチを超えることがある。しかしながら、出願人は、実質的に繊維状の絶縁を使用するアプローチが、低消費電力及び無水と組み合わさって、焼結炉内により多くの汚染の有害な結果を発生させる可能性があることを認識した。
いくつかの態様において、絶縁材22は、高性能絶縁材を含んでもよい。絶縁材22は、ヒータ112を完全に囲み、所定量の加熱電力に対して寄生的な熱漏洩が起こり得る、少ない数の割れ、穴、および他の経路を有してもよい。いくつかの局面において、ヒータ112の集合に対する最大達成可能温度(例えば、ホットゾーン28内の温度)は、(i)熱面44の面積(表面積の増加はより多くの力を必要とする)、(ii)絶縁22の種類と品質、(iii)絶縁22の厚さ、(iv)エージング、摩耗、損傷に関する絶縁22の全般的な状態、(v)ポンプ60によって適用される真空圧力の量、の1つ以上の因子の組合せと関連付けられることがある。ホットフェース44の表面積に関しては、より大きな炉(より大きなホットゾーンを有する)は、所与の絶縁型および厚さに対してより多くの電力を必要とし得る。所要電力は、一般に、この表面積に比例してもよい。
例示的な種類の絶縁体22において、加熱絶縁体22は、モリブデン及び/又はタングステンのような耐火性金属の複数の層を含んでもよい。この断熱材は、密閉真空槽22の内側に耐火性金属材を含む耐火性ヒータ112と共に特に有益であり得る。断熱材22の各層は、高温(焼結温度など)でホットゾーン28を維持し、一方、外装(例えば、壁32)を著しく低温に維持し、一部の実施形態ではほぼ室温に保つために、層状または積み重ね配置で一緒に作用する複数の層と共に、放射線遮蔽として働いてもよい。システム10は、任意に、室内20の一部または全体を取り囲む水冷経路のような、冷房ジャケット38を含むことができる。
絶縁22の1つ以上の層は、耐火性金属材料のような金属材料を含み得る。適当な耐火金属材料は、モリブデン及び/又はタングステンに基づくことができる。耐火性金属断熱材は、炉100内に高純度雰囲気を確立し維持するための層状絶縁での使用に有利であり得る。例えば、モリブデンとタングステンは、加熱、真空、およびプロセスガスへの曝露からの劣化に対して十分な耐性を有する。また、これらの材料は、水および/またはバインダーの吸収または吸収が限られていることもある。しかしながら、モリブデン及びタングステンは、他の断熱材と比較して、熱伝達に対してより低い抵抗を提供する可能性があり、電力要求及びコストを増加させる傾向がある。
耐火金属の代わりに、又は高融点金属に加えて、断熱材22は、原則として、伝統的な家庭建設で使用されるファイバーグラスファイバー断熱材と同様の方法で作動する高温ファイバー断熱材を含むことができる。断熱材22に適した高温繊維断熱材は、軽量黒鉛繊維材料を含むことができる。本明細書で使用される「グラファイト絶縁」という用語は、グラファイト繊維絶縁を含んでもよい。絶縁体22に使用するために含まれる黒鉛絶縁体は、体積充填率(例えば、繊維体積の合計空間体積を剛性繊維ボードで割った比率)が100%未満、約10%~約60%、約5%~約50%であり、いくつか挙げると、ボードは低密度であり、したがって、固体黒鉛に比べて軽量であるように、剛性のある形態で製造されてもよい。個々のグラファイト繊維は、繊維の方向に最も熱伝導性がある傾向がある。したがって、高度に配向したシートまたはグラファイト繊維絶縁のボードは、異方性性能を示す可能性がある。絶縁体22は、平坦な又は湾曲した平面層で製造されたグラファイト繊維絶縁体を含み得、繊維は、一般に、層に平行に延び、熱流の方向に垂直(例えば、絶縁体22の所与の側面上の熱14に垂直)に延びる。正方形又は長方形の炉では、絶縁22は、板の側面の広がりに沿って繊維を配し、最も熱伝導性が直角になるような平板を含むことができる。絶縁22はまた、フェルトの側面のエクステントに沿って方向付けられた繊維を有し、半硬質又は非硬質黒鉛フェルトとして形成された黒鉛繊維を含んでもよい。円筒状ホットゾーンを有する円筒状炉(例えば、図6A、6B)は、絶縁材22の層状円筒を形成するように上記フェルトの層を包むことによって構築することができる。絶縁体22がグラファイト繊維を含む場合、好適なヒータ112は電気抵抗性グラファイトヒータ112を含むことができる。
少なくとも幾つかのアスペクトでは、絶縁材22は、比較的軽量のセラミック繊維絶縁材料を含むことができる。グラファイト絶縁22と同様に、セラミック繊維絶縁22は、固体セラミックよりも密度が低く軽量であるように、100%未満、約10%~約60%、又は約5%~約50%の容量充填率を有する一以上の硬質ファイバーボードの形成でよい。熱性能の向上は、セラミック繊維を熱流の方向に対して概ね垂直に配置することによって達成され得るが、セラミック絶縁体は、繊維の配置にかかわらず、比較的熱的等方性であり得る。したがって、セラミック繊維は、必要に応じて、一般に熱流の方向に平行に配置されてもよい。長方形炉では、セラミック絶縁体22は、ボードの横方向(長い)方向と少なくとも部分的に平行に配向されたセラミック繊維を含むフラットボードを含むことができる。黒鉛繊維絶縁体22と同様に、セラミック繊維絶縁体22は、非硬質セラミックフェルトを含んでもよい。円筒状ホットゾーン28を有する円筒状炉100は、断熱材22の層状円筒を形成するためにフェルトのセラミックの層を包むことによって構築することができる。本明細書で使用される「セラミック絶縁体」は、セラミック繊維絶縁体を含んでもよい。例示的なセラミックス22材料は、適当な等級又は密度で、アルミナ及びムルライト混合物、又は他のセラミックス材料を含み得る。任意の適当なヒータ112を、SiCヒータ、二ケイ酸モリブデンヒータ、または高融点金属ヒータなどのセラミック絶縁体と併せて使用してもよい。
断熱材22(耐火金属断熱材、黒鉛断熱材、およびセラミック断熱材)に含まれる上述の材料のそれぞれは、少なくとも部分的には、炉100の所望の設計および用途に基づいて選択されてもよい。例えば、グラファイト絶縁22は、何百回、何千回というサイクルに対して、2,000℃以上の温度で、機械的に頑丈であり続け、セラミック繊維絶縁22は、1,600℃のような、やや低い温度で有用であるかもしれない。市販されているグラファイト絶縁製品は、絶縁22に組み込むのに適している、硬く、半硬く、柔軟性フェルトを含んでいる。セラミック絶縁体22の最高使用温度は、セラミック材料の純度及び密度に影響される場合がある。セラミック絶縁体22の温度抵抗を最大にするために、高純度アルミナ及び/又は高密度ボードを採用することが望ましい場合がある。様々な形態のセラミック絶縁体22は、最高使用温度がより低い形態のセラミックであっても、グラファイトと比較してより高い程度の断熱性を提供することができる。
先に述べたように、出願人は、電力を削減し、また/又は水冷の必要性を除去するために、より多くの断熱剤を使用することは、水及びバインダー並びにその他の吸収及び汚染物質(例えば、水、バインダー等)の再放出の問題を悪化させ、ある場合には、工具用スチール、チタン、及び他の「高級」合金のようないくつかの金属を遅らせ、又は実質的に焼成することをより困難にすることがあることを観察した。
図2は、炉100を装填するための模式的な構成を示す図である。図2に示す例示的な構成では、炉100の本体は、真空チャンバ壁32によって画定され、チャンバ20を含む一次炉部分または本体を形成することができる。炉のドア110は、開放位置または装填位置と閉鎖位置または密閉位置との間に位置決め可能であってもよい。上記ドア110は、内側(露出した)絶縁24や外側(孤立した)絶縁26のような1つ以上の絶縁22の層を含む、二次炉の部分または本体を形成することができる。構造ドア110は、ヒンジ(図2に示すように)や、ドア110を上げ下げするための持ち上げ装置、または他の任意の好適な機構を介して位置付けることができる。1つ以上の真空シール40は、炉110と真空室壁32との間にシールを確立するために、炉110の周囲を配向することができる。また、真空シール40は、陽圧を含む非真空圧力における比較的高い一体性シールとして機能してもよい。
レトルト114には、主体または部分(例えば、1つ以上の固定または取り外し可能な積み重ねられた棚34を含む)と取り外し可能なレトルトドア118によって形成された二次パーツ(図2のレトルト114から取り外されたことが示されている)が含まれることがある。レトルトドア118は、理解されるように、レトルト114の前面または側面から取り外し可能であるように図示されているが、レトルトドア118は、代わりに、レトルト114の上面または底面のような蓋によって形成されてもよい。
炉のドア110及びレトルトのドア118を共に開放位置にすることにより、部品90をレトルト114内に装填することができる。必要に応じて、レトルト114は、炉100から取り外され、炉100の外側に配置されている間に、部品90を装填することができる。その後、レトルト114を炉100に挿入することができる。炉扉110が開いている間、湿度99などの汚染物(例、湿度による)が、室20に入ることがある。一部の水分99は、絶縁22によって吸収され、又は吸着されることがある(以下、吸収と総称する)。一部の局面では、保湿性22に加えて、水分が炉100の種々の成分の汚染を増加させる傾向がある。たとえば、湿度99は耐久性の金属材料、黒鉛、陶磁器、または他の材料を汚染する傾向がある。99は、金属材料と比較して、グラファイトやセラミック繊維材料に比較的高い割合で吸収する傾向がある。水分99の吸収は、ドア110が開いているときに導入された空気内の水分99の存在のためにドア110が閉じられているときに継続してもよい。他のところで述べたように、断熱性はバインダーを吸収する傾向があり、その再放出により焼成雰囲気は予測不可能で複雑な方法で変化し、および/または非常に劣った部品の品質につながる可能性がある。
II-2. 気相・ガスシール
図3は、炉100内の気相99の効果を制限するための例示的な構成を示す。内部又は露出された断熱24は、プロセスガス71の1つ以上(図1)、部品90からのガス(デバインダーを含むこともある)、及び/又は他のガスにさらされることができる。この露出は、火炉100が稼働しているとき(熱処理を行っているとき)、ドア110が開いたとき、保管、積み込みまたは荷下げ中などに発生することがある。
屋外絶縁26は、バリヤ126の存在により、絶縁24および/または室20から分離され、これは、気相および水分障壁を形成する可能性がある。障壁126は、チャンバ20からの絶縁26として図示されているが、障壁126は、絶縁26を部品キャビティ116から絶縁するように絶縁26を完全に囲むことができる。気相または湿気障壁は、バリアが存在しない構成に比べて、気相の侵入を妨げるあらゆる障壁(比較的薄い障壁を含む)または薄膜を含む。バリア126は、例えば、グリフォル素材又は類似の耐火性(高温)ガスケット素材のような、やや透過性がある(非寒気性)。バリア126は、例えば、薄い板金で形成された場合、不透過性のであってもよい。バリア126は、絶縁26を、ガス71から、気化バインダーを含む部品90から、および/または、ドア110が開けられたときに、炉100の内部に導入され得る他のガスまたは水分を、分離することができる。障壁126は、隔離された絶縁体26と障壁126の外装(例えば、炉100のチャンバ20)との間に気密シールを提供することができる。もし望まれるならば、障壁126はやや浸透可能であるかもしれないが、水および/またはバインダーまたはチャンバー20内の他のガスに関して、孤立した絶縁26の透過性を大幅に低下させることができる。この低減された透過性は、隔離された絶縁材26からのアウトガスがバリア126を通って部品空洞116に向かって内側に進入しない大部分の水分または水蒸気を確実にするのに十分であり得る。一態様では、バリア126によってシールされた外側絶縁体26は、露出絶縁体または内側絶縁体24を部分的または全体的に取り囲むことができる。障壁126は、密閉式又は非密閉式のいずれかで、露出した絶縁体24に対して絶縁体26を同様にシールすることができる。また、バリア126は、露出した絶縁体24とドア110に固定された絶縁体26との間に設けられてもよい。
環境制御システム58は、バルブ62およびポンプ60(図1)を介してチャンバ20に真空を印加するように構成された真空排気ポート128(例示的真空ライン73)を含んでもよい。このポート128は、断熱材22に関してチャンバ20の内部まで延びるチューブを含んでもよく、従って、高温ゾーン28に真空を適用するように構成されてもよい。環境制御システム58の別個の隔離されたポンピングポート132(別の例示的な真空ライン73)は、隔離された断熱材26を収容するチャンバ20の空間内の真空圧力を維持または制御するために、真空チャンバ壁32内に延在するチューブを含んでもよい(例えば、図3には示されていないフィードスルー66を通る)。1つの態様において、隔離された絶縁体26を収容する空間に印加される真空度は、ポート128を介してチャンバ20に印加される真空度とほぼ同じであってもよい。しかしながら、絶縁材26は、絶縁材24とのガス状連通およびレトルト114を収容するチャンバ20の内部から少なくとも部分的に絶縁されてもよいので、1つまたは複数のポンプ60は、絶縁材26に異なる量の真空を印加してもよい。絶縁材26に真空が印加されていない時間には、真空バルブ62を閉じることができる。
図4Aおよび4Bは、絶縁材26をシールおよび隔離するためにバリア126と共に使用され得る例示的なシール134、134A、135、135Aを図示する。一態様では、バリアシール134、134Aをバリア126の周囲に配置して、蒸気およびガスの進入に対するインピーダンスを増加させることができる。図4Aに示される例示的な構成では、不透過性バリア136(例示的なバリア126)は、ガスまたは流体が不透過性バリア136と隔離された絶縁体26との間の空間と連通することを防止する高グレードの密閉シール138を含むバリアシール134を含むことができる。図4Aを参照すると、高品質のシールを達成するために、シール138を連続溶接によって形成することができる。接着剤、シーラント、またはその他の有機または無機材料を使用して、透過性の低い追加タイプのシールを作ることができる。いくつかの側面において、シール138は、低透過性(ガス流量への高いインピーダンス)のポリマー材料によって形成され得る。鋼板やアルミニウムの薄いシートのような金属材料は、上記不能とみなされることがある。さらに、ポリマー、グレフォイル、またはガラス材料は比較的高い透過性を有する一方で、このような材料は、気体のコミュニケーションに十分なインピーダンスを与え、絶縁26からガスを外すかもしれない水分、バインダーまたはその他の廃液の量を減少させることができる。従って、ポリマー、グレフォイル、及び/又はガラスは、バリア126の一部として使用され得る。
図4Bは、透過性又は不透過性の障壁144(例示的な障壁126)と隔離された絶縁26との間の隙間146を定義する障壁シール134Aを説明する。バリアシール134Aは、絶縁26の冷たい側面上または冷たい領域30内で形成された冷たいシール140(図1)と、透過性または不透過性のバリア144の間の非寒冷シール(例えば、不連続な)熱間シール142を含むことができる。一態様では、熱間シール142はギャップ146を含んでもよいが、バリアシール134Aは依然として高インピーダンスバリアシールを形成してもよい。図4Cに示すように、ヘルメット部分147は、1つ以上の隙間146の間に設けられてもよい。1つの側面において、このような不連続な封印(例えば、封印の隙間又はかなり小さな漏れ)が、密閉部147を形成するために、2つの部材(例えば、別々の障壁144)を互いに接触させて確立することができる。これらの気密シール部147は、例えば、密接に嵌合された構成で2つの精密研削された平坦面をプレスすることによって形成されてもよい。このような機構は、クッキースズの蓋と本体/リム部との間の干渉によって形成される封止と概念が類似していてもよい。
望むならば、障壁126は、ラップシールまたはオーバーラップシールのような若干の漏れを許容するシールを含むことができる。ラップシールは、(図5Bに示されるように)表面間にある程度の間隙があるように構成することができる。少なくともいくつかの出願では、封印された部材の対面との間で直接接触があることが望ましいであろう。図を参照すると、5Aおよび5B、障壁126は、障壁126の2つの部材、すなわち、チャンバ20の内部に対向する内側部材122と、絶縁26に対向する外側部材124との間の重なりによって形成される重ねシール135、135Aを含んでもよい。図5Aに示すように、シーラント、ガスケット及び/又は接着剤148は、外側部材間の隙間を埋めるために、重なり合う内バリア部材122と外バリア部材124の間に配置されてもよい。このようなシーリングまたはガスケットが断絶やギャップのない全シール周囲または周囲の周囲に連続している場合、シールは「連続シール」とみなされることがある。対照的に、接着剤またはガスケットのないラップシールは不完全であり、直接(または密接)接触していない1つ以上の部分を含み、上記シールは「不連続性シール」とみなされることがある。例えば、封印された周囲または周囲の多くの部分で接触するが、1つ以上の部分でギャップを形成するラップシールは、連続しているとみなすことができる。同様に、シールに沿ってほとんどまたはまったく直接接触を形成しないラップシールは、不連続とみなされることがある。一側面において、バリア126の部材122と124との間の重複の量は、およそ1cm、2cm、3cmまたはそれ以上であることができる。図5Bに示されるように、ラップシール135Aは、部材122と124との間に延長された経路を形成することによって、ガスおよび水分にインピーダンスを提供する間隙150を含んでもよい。理解されるように、ギャップ146と150の大きさは、説明のために誇張されている。
一方、障壁126は、図に示されるように、実質的に正方形または長方形の形状に形成されてもよい。6A及び6B炉100は、円筒状のガス及び水分バリア154を有する円筒形状152を含むことができる。このような構成では、炉100の円筒形状152の断熱材24、26およびチャンバ壁32が略円筒形状に形成されていてもよい。ガスおよび水分体154の円筒形状のため、ガスおよび水分体154の端部のガスバリアシール156(図6A)は、正方形または長方形の構成と比較して、ホットゾーン28からより大きな距離に配置されてもよく、これにより、シール156が脱バインダーおよび/または焼結中にさらされる温度が低下し得る。
II-3. 絶縁乾燥
図7は、炉100のための乾式空気注入システムを示す。乾式エアインジェクションシステムは、パージガス供給158、パージガスバルブ160、パージガスドライヤー162、及び適切なチューブ、フィードスルー等を含み得る。これらの構成要素は、環境制御システム58(図1に示す)の一部として含まれ、制御され得る。パージガス供給158は、乾燥した空気や上記乾燥したガスのような適切なパージガスを、かまど100を提供することができる。1つの態様において、乾式空気注入システムは、図7に示されるように、ドア110が開くと起動されてもよい。パージガスは、気体乾燥機162によって乾燥させた後、かまど100の内部、例えば、隔離された絶縁26と露出された絶縁24との間の空間または隙間に、或いは単離された絶縁26のみに流されることができる。1つの態様において、障壁126(明瞭化のために図7においてハッチ線なしで引き出される)は、不連続なシール164(例えば、重ねシール)を形成し得る。乾いたエアまたはパージガスはバリア126と分離絶縁26の間に注入され、不連続シール164を経由して出て行くことができ、それはパージベント166を形成することができる(図7に示す矢で表される)。乾燥空気またはパージガスを分離絶縁26へ注入することは、例えば、不連続シール164を経由して分離絶縁26に吸収されるかもしれない湿気、バインダー、またはその他の汚染物質の出入りまたは存在を防ぐことができる。パージ用通気孔166は、露出して隔離された絶縁体24、26の間、露出した絶縁体24を通る、または湿気が蓄積しやすい他の場所などの様々な場所に設けられてもよい。例えば、バリア126の部材122と124との間の重ねシールは、パージガス166のための流路を提供するように不連続であってもよい。乾いたエアインジェクションシステムの使用は、水分バリア126と組み合わせて、セラミックファイバー、グラファイトファイバー、またはその他の多孔性または吸湿性(水分吸収)絶縁22を使用し、バリア126のための重ねシール135、135A、または他の非ヘルメットシールと組み合わせて使用することができるかぎり、100の炉中の汚染物質の量を減少させることができる。本実施例では、不連続シール164は、乾燥したガスがそれらの間に流入されるとき、ペックレットシールとして機能することができる。
II-4. バリアシーリング、レトルトシーリング、および雰囲気制御
図8は、環境制御システム58及びレトルト114の構成要素をシールするためのシールされたバリアの断面図である。レトルト114用に備えられたシールは、シール状またはほぼヘルメット状の(例えば、連続的な)シールを含み得るか、または、ある程度の漏れを許容するシールを含み得る。シールをシールするために連続シールを使用することができるが、すべての連続シールがヘルメットシールであるわけではない。レトルト114用のシールは、例えば、図4A-5Bに関して説明されているように、バリア126用のシールに類似していることがある。
図8に示すように、レトルト114は、1つ以上の封印されたレトルト入口174と1つ以上の封印されたレトルト出口176に固定されてもよい。レトルト入口174は、フィードライン(又はライン)78及びチューブ又はライン77を含み、レトルト114の内装と流体連通することができる。同様に、1つ以上のシールドされたレトルト出口176は、レトルト114に真空を適用し、廃液75を除去するために廃液ガス又は真空管73及びチューブ又は線79を含むことができる。レトルト入口174およびレトルト出口176は、1つ以上のシールドされたチャネルシールまたはチューブシールを経てレトルト114に流動的に接続することができ、それらの各々は、ここに記載された封止構造のいずれかに従い、継続的または不連続なシールを含むことができる。図8は、説明のために、入口174に関連した不連続なレトルトチューブシール182と、出口176に関連した連続したチューブシール184を示すレトルト114を示している。図8は、不連続なチューブシールと連続したチューブシール184の組み合わせでレトルト114を説明するが、両方のチューブシールは連続的であっても不連続であってもよいことが理解される。
レトルト114は、ドア118のような取り外し可能な複数の成分を含むことができる(例えば、図2及び図3に関して説明される)。レトルト114およびドア118のボディに関連するシールは、不連続なレトルト蓋シール172に代表されるように、連続または不連続であってもよい(図8のレトルト114のトップに示される)。これらの管シールに十分なシールを設けることによって、レトルトのドア118のための十分な連続または不連続のシールと同様に、バリア126を省略することが可能である。例えば、レトルト114のこのような封印は、レトルト114の内部に到達する内側又は外側の断熱24、26からの汚染をおおむね防止することができる。レトルト114のシーリングについては、以下に詳述する。
図8に示すように、環境制御システム58は、入口174及び出口176を介してレトルト114内の雰囲気に対する制御を維持することができる。必要に応じて、環境制御システム58は、上述のように、ホットゾーン28のための真空排気ポート128、および隔離絶縁26のための隔離排気ポート132も含んでもよい。環境制御システム58は、1つ以上のポンプを介して、レトルト114の内部に不活性ガスを導入するように構成され得る。このガスには、適当な不燃性、無汚染性のガスが含まれることがある。レトルト114に直接ガスを供給することは、特にレトルトシールと併用される場合に、部品空洞116における汚染の存在を低下させることができるが、バリア126を含めることにより、汚染のさらなる低下を達成することができる。
いくつかの側面では、改良されたレトルトシーリングは、レトルト外での高い一体性障壁の必要性を減少させる可能性がある。例えば、高性能重ねおよび/またはガスケットシールを有する不上記壁のような高度にシールドされたレトルトは、ガスバリアの必要性をなくすことができる。同様に、シリカ(SiO2)を施し、ラップおよび/またはガスケットシールで封印された硝化物結合レトルトは、寒湿障壁の必要性を低減および/または排除し、および/または非寒気障壁を可能にする。さらに、完全に非多孔性のシリコンカーバイド(シリコンカーバイド)のような極端な場合でも、ダブルガスケットシールは、水分障壁の必要性を減少または排除することができ、また、おそらく外側の室(例えば、真空室壁32を定義する室)の必要性を減少または排除することさえできる。
いくつかの側面において、障壁126を省略するよりも、封印レトルト114は非密閉障壁の使用を容易にすることができる。例えば、図9は、非気密封止バリア126を含む炉100の断面図を示す。1つの側面において、レトルト114のための封印(例えば、不連続又は連続シール182、184)を提供することにより、不連続湿気バリアシール188のような非寒気シールを、パーツ90の品質に悪影響を与えることなく使用することができる。一態様では、露出絶縁体24は、ナノ多孔質高温マイクロ多孔質材料及び/又は低コスト高シリカセラミック繊維絶縁体のような材料を含んでもよい。いくつかの態様において、ほぼ3インチの繊維状の黒鉛断熱材を、ほぼ2インチの繊維状のナノ多孔質断熱材と共に採用してもよい。1つの態様において、露出した絶縁材24は、絶縁材26と比較して水圧が少なくてもよく、一方、絶縁材26は、より大きな熱抵抗率を有してもよい。必要に応じて、黒鉛繊維絶縁体は、ボード又はフェルトの形成で、バリア126の両側に含まれてもよい(すなわち、黒鉛繊維絶縁体は、露出絶縁体24、26の両方として採用されてもよい)。シール182、184のようなレトルトシールは、キャビティ116内の部分内の純度を改善し、上述のシール、例えば板金により装着された重ねシール、或いは多少の透過性を有する水分バリア126(例えば、黒鉛ホイル、他の黒鉛またはカーボン複合のような炭素系材料)と共に、ガスおよび水分バリア126と併用することができる。図9に示すように、不連続シール182は、入口174、出口176、または他の真空管に使用され得る。
図10~11Bは、円筒状炉152と併用することができる気密シールを示す断面図である。FIG。11Aおよび11Bは、絶縁体26をシールするための図10の囲まれた部分の例示的な構成を示す。障壁154は、湿気障壁縁壁190を備えることができる。障壁154は、絶縁26のための気密シールを形成するように、鋼板またはニッケル縁壁190に溶接された薄い壁のニッケル管を含んでもよい。いくつかの態様では、バリア126は、薄い壁のニッケル管、例えば約0.05インチ繊維状、(図11A)、またはエンドリング194および溶接部192でシールされた310S合金などの高温鋼によって形成されてもよい。障壁126のための薄い壁管の使用を容易にするために、図11Bに示すように、縁壁190および蛇腹196が障壁126の一部として設けられてもよい。蛇腹196は、柔軟性を提供することができ、熱膨張に適応することができる。薄い壁バリア126に柔軟性および改良された弾性を提供するために、蛇腹196の代わりに他の継手タイプを設けてもよい。
II-4A.レトルト構造・素材
図12は、炉100で使用され得る封印されたレトルト構成200を示す図式図である。一側面において、封印されたレトルト200は、環境制御システム58(例えば、図1に示すように)に流動的に接続されたレトルト塩基202を、1つ以上の導入管と1つ以上の出口管を経由して、また、レトルト体204を含み、これは、レトルト200をローディングするための開放的な位置を提供するように、塩基202に関して取り外し可能である(図2および3のレトルト114と同様)、閉じられた封印された位置(例えば、図12に対応する位置)。レトルト200は、一緒に嵌合される塩基202および本体204の2つの構成要素によって形成されてもよいが、レトルト200は、1つ以上の部品90(図12には示されていない)の熱処理のために、一緒に嵌合され、レトルト塩基202上に固定される複数の別個のセクションまたは部分を含んでもよい。
レトルト200の各セクションは、本項に記載されているいずれかの適切な方法で封印されてもよい。これには、分離可能なシール(例えば、蓋のための)又は分離不可能なシール211(例えば、恒久的に結合されたセクションのための)が含まれる。図12に示されている例示的な構成において、レトルトシール210は、レトルト200の積み込みを容易にする分離可能で交換可能なシールであってもよい。シール210またはレトルト200の他の場所のシールのようなレトルトシールは、連続的(例えば、ヘルメティック)、不連続的(例えば、非上記)、硬直的、または柔軟性であり得る。さらに、これらのシールの1つ以上は、レトルト200の各1つまたは複数のセクションの間に存在する少なくとも一部の隙間を埋めるのに適した頑丈な(高温)接着剤、セメント、モルタル、金属、プラスチックまたはその他の材料の1つまたは複数を含むことができる。いくつかの局面において、シールは砂、粉末、ペースト、又は液体のような注ぎ込んだ材料を含んでいることがある。レトルトシールは、ぴったりと取り付けられているか、ぶつかっているか、接触しているかのどちらかである。従って、重ねシールを含む、ここに記載されているシールのいずれかをレトルト200内で使用することができる。さらに、レトルト200のシーリングを容易にするために、1つ以上の表面は、レトルト200の接合面または接合面の間に密接な整合性を与えるように、加工、ラップ、カット、成形、その他の適当な方法で加工され得る。一側面において、負荷パーツ用に取り外し可能なレトルトの一部(例えば、レトルト体204)は、レトルトベース202のように、炉内100に固定されたレトルト200の一部に関して、メインシール(例えばシール210)を形成することができる。
Retort 200は、黒鉛及び/又は適切な炭素系材料を含むことができる。もし望むならば、レトルト200は、以下に説明する方法でコーティングされ、および/または、ガス、水蒸気、またはそれらの組み合わせの通過を減少または防止するために注入されることができる。レトルト200の材料、コーティング、および/または注入は、レトルトの気孔率を減少させ、また、レトルトを形成する材料における気孔率の大きさまたは閉じた気孔率を減少させ、開いた気孔率に比べて浸透を減少させることができる。
Retort 200には、耐火性物質が含まれている場合がある。特に、レトルト200は、焼結炭化ケイ素(SiC)または反応結合(RB) SiCまたは窒化物結合SiCで形成されてもよい。一態様では、レトルト200に含まれる材料は、約800℃、約900℃、約1000℃、約1100℃、約1200℃、または約1300℃などの温度で安定であってもよく、好ましい態様では、レトルト200に含まれる材料は、金属部品の高温焼結を容易にするために、約1,350℃または約1,400℃以上を含む温度で安定であってもよい。場合によっては、グラファイトやSiCのようなレトルト材は、約2,000℃に到達またはそれを超える温度で動作可能であるが、ある側面においては、レトルトが、著しい劣化および/または不良を経験することなく特定の温度で少なくとも50サイクル(例えば焼成サイクル)に耐え得るならば、特定の温度で「安定」と見なされることがある。例えば、レトルト200は、確実に800℃を超える温度で少なくとも50サイクルに耐えるように構成されることができる。
Retort 200は、焼成SiCまたは反応結合SiCに加えて、またはその代わりに、非多孔性シールドレトルトを形成するために使用される1つ以上の他の耐火物を含むことができる。具体的には、ホウ素カーバイド(B4C)、シリコン・ヘキサボリド(SiB6)、シリコン・オキシニトリド(BN)、シリコン・ニトリド(Si3 N4)、イットリウム・オキシド(Y2 03)、又は他の希少酸化物、フューズ・シリカ(AlN)、アルミニウム・チタン酸(Al2 TiO5)、シリサイド・コンバージョン・モリブデン(or SiB OR)、Siコンバージョン・コーティングW、TZM (モリブデン、Ti、and Zr)、Mo-Re合金、Lanthanated Molybdenum、Lanthanated W(WL10またはWL20)、Hafnium Carbide (HfC)、Tantalum Carbide (ZrC)、Tungsten Carbide (WC)、Niobium Carbide (NbC)、Group IV-VI Borides、Group IV-VI Silides、Nb ClO3 Alloy (Nb、Hf、Ti)、チタン、ジルコニウム、 ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム又はこれらの高温スチール及びニッケル合金を含む組合せ又は合金を含む。
一態様では、プロセスまたは不活性ガスは、レトルトに真空を加えることなくレトルトにポンピングされ得、レトルトは、大気圧またはわずかな陽圧で操作され得、真空は、レトルトにガスをポンピングせずにレトルトに適用され得、または、図12に示されるように、プロセスガス(例えば、図1に示されるようなプロセスガス71)は、少なくとも1つの第1のレトルトチューブ212からレトルトにポンピングされ得、一方、真空(例えば、図1に示されるような、プロセスガス71およびオフガスを含む流出液75を除去するための)は、少なくとも1つの第2のレトルトチューブ212からレトルト200の内部に適用され得る。従って、少なくとも1つのチューブ212は図1のガス導入管77を処理することができ、他のチューブ212は図1の排気ガス管79に対応することができる。炉100と同様に、レトルト200は、大気圧または真空圧力よりわずかに低い真空レベルで動作可能であってもよい。また、Retort 200は、大気圧及び/又は大気圧より上の圧力で脱皮及び/又は焼成するのにも有用である。
ガスは、1つ以上の転移導管またはチューブ213を介してレトルト200に導入することができる。同様に、真空は、1つ以上の転移チューブ213を経由して適用することができる。転移管213は、図12に示すように、炉100の外側から、炉100の密閉されたフィードスルーを通って延在してもよい。各移行導管213は、封印された転移208によって、それぞれのレトルト導管または導管212(例えば、導入導管排水導管79)に結合され得る。さらに、各レトルトチューブ212は、特に塩基202に関して、レトルトチューブシール206によってレトルト200に関して封印され得る。1つ以上の任意のフィードスルー219は、1つ以上の温度センサ部、真空管等の挿入を容易にするために、かまどの100の壁32に設けられ、使用されないときは閉じられることがある。
レトルト200は、正方形または長方形の形状(図12に示すように)を持つことができ、図13のドームレトルト体220によって示されるようなドーム形の形状を持つことができ、あるいは、図14の円筒形レトルト体222によって示されるような円筒形の形状を持つことができる。レトルト200の形状に関わらず、図13に示すように、レトルト200は、レトルト200のメインシール210によって提供される大気免震を容易にするために、真空の適用および/またはスイープガス(例えば、プロセスガスに類似した不活性ガス)の導入を容易にすることができる。例えば、図13に示すように、レトルト体220は、1つ以上の個々シール224によって封印されてもよい。いくつかの側面において、個々のシール224の複数のものが、レトルト200の塩基202と体220の間に設けられることがある。この複数の個々のシール224は、それぞれ複数の同心円状に配置されたグラフオイルシール224のうちの1つを含み得るが、環境制御システム58と流体連通する空間を画定してもよい。個々のシール224は、同じタイプのシール(例えば複数のシールリング)であってもよいが、個々のシール224は、異なるタイプのシール(例えば、後述するように、シールリングとペクレットシール)を含むことができる。
1つの側面において、図13に示すように、1つ以上の剛性又は複数の金属ガス通路232は、レトルトシール210を不活性ガス及び/又は真空ポンプの供給で接続することができる。遵守されたレトルト管シール230は、それぞれのシール管または導管214とガス流路232を密接に接続することができる。ボンドレトルトチューブシール226は、各適合レトルトチューブシールまたはコンディットシール230とシールチューブ214の間の転移またはジョイントを封印することができる。ボンデッドレトルトチューブシール226は、シールチューブ214とレトルト塩基202の間のインターフェースに位置することができる。同様に、レトルト200の内装と不活性ガスの供給および/または真空の供給との間の流体連通を提供する1つ以上のレトルトチューブまたはレトルト導管212は、コンプライアンスのチューブシール230を経て、ガス通路232に接続することができる。これらのレトルトチューブ212は、ボンデッドレトルトチューブシール226を介して封印されることができる。パッセージ232、遵守されたチューブシール230、およびチューブ212、214は、図14Aに示すように、筒状レトルト体222を含むレトルト200、または、図14Bに示すように、クラムシェル型体223を有するレトルト200とともに使用されてもよい。例えば、レトルト体222は、図13に示されているレトルト体222と同様に、シール210の形成を容易にするために、周囲に伸長するフランジを設けてもよい(図14Aに示されていない)。
レトルト体220は、ドーム形状及び/又はレトルトベースであることをイラスト的に描写されているが(例えば、図13に描写されているように)、レトルト体220及びレトルトプレート202は、他の形状であってもよいが、両者ともドーム形状であり、クラムシェル形状を形成するドームであり(図14Bのクラムシェル型レトルトベース201によって示されるように)、四角形、長方形、およびオボイドであり、数個の
II-4B.レトルトコーティング
図15は、被覆レトルト234を示す断面図である。被覆レトルト234は、断熱材22(およびヒータ112および壁32も)とレトルト234の内部との間のガス状の連通を妨げるために、外装および/または内部表面上に被覆の1つ以上の層を含んでもよい。5リットルの体積レトルトに対して、全体的な漏れ率を実質的に10-4Torr Liter/秒以下(TL/s)まで低下させる非常に有効なコーティングとして機能するシリカガラスを作るために焼成された硝化シリコンカーバイドの場合、コーテッドレトルト234は、多孔性の可能性のある黒鉛及び/又はカーボンコンポジットから成る本体又はレトルト壁244を有し、もし未処理又は未処理の場合には、壁244を通してある程度のガス状の通信を可能にすることができる。一側面では、内側又は内側のコーティング246と外側のコーティング248を適用して、コーティングされたレトルト234を形成することができる。内装及び外側の被膜246、248は、図15に図示されているが、被膜は、レトルト234の内装のみ外側に適用することができる。さらに、被膜レトルト234は、被膜された塩基236と被膜された体238を含むことができる一方で、塩基236のみを被膜すること、体238のみを被膜すること、または、異なる材料を含む被膜または塩基236と体238の異なる場所に被膜を提供することが望ましい。封印されたレトルトチューブシール242のようなチューブシールは、本書に記載されたレトルトチューブシールと同様に、コーティングされた塩基236とレトルトチューブを封印するために使用される(例えば、図13に関して記載されたボンデッドレトルトチューブシール226)。更に、レトルトシール240は、本説明のレトルトシールと同様に、被覆レトルト234で使用することができる。幾つかのアスペクトにおいて、コーティングは、クラッド及び/又は積層として適用され得る。例えば、グリフォル、耐火性の金属箔、又は比較的薄いセラミック層(例えば、アルミナ)である。例えば、黒鉛レトルトの場合、黒鉛レトルトを、黒鉛リテイラー及び/又は黒鉛又は他のカーボンベース耐火接着剤に適用することができる。
黒鉛及び/又は炭素繊維レトルトウォール上で被膜246及び/又は248を形成するのに適した材料には、黒鉛ボディに注入し、熱処理したエポキシ、ピッチ、クレオソート、フルフリルアルコール等の有機材料を含んでいることができる。いくつかの実施形態では、グラファイトは、これらの材料の1つ以上の注入を容易にするために、分散した真空チャック上に置かれることができる。いくつかの側面では、有機物質は、ガラス状または無秩序な炭素に熱化されることがある。必要であれば、有機物質は、有機物質から生成された炭素をグラファイズするために、熱分解温度よりも高い温度で処理することができる。一側面において、ガラス状カーボンは、レトルト234の1つ以上の表面上にコーティングを形成するために堆積され得る。ニトリ結合のサイドCレトルトに光沢加工やSiO2を施した場合、塗装による汚染低減は1,000倍以上になる可能性がある。
幾つかのアスペクトにおいて、被覆レトルト234は、レトルト234の空気孔率を減少させる溶けたシリコンの浸透によって形成され得る。アスペクトによっては、レトルト塩基236および/またはレトルトボディ238に存在する炭素と溶けたシリコンが反応し、SiCを形成することができる。溶けたシリコンの浸透は、表面層に限定されるか、より深く(例えば、全体または実質的に全体の塩基236またはボディ238を通して)侵入することができる。幾つかのアスペクトでは、レトルト234の細孔径(例えば、グラファイトによって形成された細孔)は、有機材料の適用及び熱化により減少することができる。
もし望まれれば、1つ以上の被膜246、248は、炭素、シリコン、SiC、またはその他の材料がレトルト234の表面または一部に浸透する気相成長法(CVD)または化学蒸気浸透(CVI)により形成されることができる。さらに、または、代替的に、固形の浸透材料は、粉体の析出を介してコーティングを形成することができる。いくつかの側面において、沈着粉末は、炭酸素材(例えば、カーボンブラックまたはグラファイト)、Siまたは金属の1つ以上を含むことができる。パウダーは、パウダー内で1つ以上の材料を溶かしたり、別の方法でヒューズするために加熱することができる。このようなフューズされた成分は、粉末中の他の成分と反応するか、又はレトルト234の材料と反応して、コーティングを形成するか、または、そうでなければ気孔率を減少させることができる。例えば、炭素粉末とSiを含むパウダーをグラファイトレトルトに適用し、それを溶かすために加熱することができ、それは、炭素粉末および/またはグラファイトと反応して、カーボン、シリコンまたはシリコンカーバイドを含むより高い密度で表層(またはコーティング)を形成し、レトルトウォール244をコーティングする。
幾つかのアスペクトにおいて、コートレトルト234に適用される浸透物質は、バインダー、界面活性剤、および/または分散剤を含むことができる粉末のスラリーまたは吊り下げ経由で提供され得る。被膜246、248を適用するために、ディップ被膜、スリップ鋳造、感電析出またはスプレーコートのような適当な方法を用いることができる。
金属粉末(例えば、化学反応性金属粉末)を注入するために、金属粉末を、表面またはレトルト壁244の細孔の中に沈着するパウダーとして提供することができる。例えば、部品90に含まれる材料と同じチタンのような金属材料をレトルトウォール244に注入することにより、汚染を減少させることができる。
いくつかの局面において、超微粒子および/または耐火金属またはその他の無機物のナノ粒子の注入を用いて、グラファイトレトルト壁244を注入またはコーティングすることができる。アルコール、アセトンなどの溶剤は、これらの粒子のキャリアを形成することができる。真空成形他の圧力補助真空浸透技術は、このような粒子が黒鉛に浸透し、被膜246および/または248を形成するようにするために用いられる。
いくつかの実施形態において、被膜246、248は、蒸留水担体を注入するCeramabond 542、又はグラファイボンドフェノール充填エタノール(担体として追加のエタノールを含むことができる)などのセラミック被膜を含むことができる。
レトルト234のために1つ以上の被膜246、248を提供することにより、もし被膜されていなければ、比較的高い気孔率を有するグラファイト素材を使用することができ、レトルト234の製造に伴うコストを低減することができる。更に、上述の被膜の2つ以上が使用され、透過性を更に減少させるために相乗的な方法で作動することができる。理解できるように、被膜246および248は単層として図示されているが、被膜246および248の一方または両方は、異なる材料の複数の被膜または同じ材料の複数の被膜によって形成され得る。
II-4C.レトルトシール
レトルト200またはコーテッドレトルト234のようなレトルトの通過性は、本稿で議論するレトルトシールを1つ以上使用することにより、さらに減少することができる。例えば、図16および17で説明されているように、レトルト200は、例えば、重ねシール135Aと同様に、重ねシール252を採用してもよい。ラップシール252は、比較的繊維状な壁のレトルト200(例えば、約0.25インチから約1インチ)と併用することができる。例えば、ラップシール252は、厚さ約5/8インチのレトルト壁254と塩基202の間にシールを設けることができる。ラップシール252は、塗装されたレトルト234または真空が適用される非塗装のレトルト200と共に使用され得る。幾つかのアスペクトでは、未処理のレトルト200は、ここに記載されているグラファイトレトルトまたはその他のレトルト材料であることができる。
図18~図21は、本開示の態様による密封レトルト200と共に使用するためのガスケットシールを示す。図18および19は、レトルト200のそれぞれの開放および閉鎖の位置を示す。一側面において、レトルト200はグラファイトで形成され得るし、レトルトガスケットシール258によって封印され得る。レトルトガスケットシール258は、純粋な黒鉛箔またはグレフォイル素材を含み、また、グレフォイルまたは他のレトルトガスケットシール258を圧縮するために、レトルト塩基202とレトルト体204の間に圧迫力を適用する黒鉛ボルトのような、1つ以上のネジ留め具(図23A、23Bに示す)によって固定されてもよい。レトルトガスケットシール258は、凝縮された単一のグリフォルガスケット262(図20)として、または複数(例えば、2つ以上)の別個のグリフォルガスケット264(図21)として形成され得る。ガスケット・シール258を形成するガスケットの数にかかわらず、グラファイト・ガスケットは、グラファイト・ベース202とグラファイト壁(本体204の)との間にサンドイッチ状に挟まれたグラファイトのオーバーレイ層を複数含むことができる。
図21は、複数のガスケット264の間の空間への、ダイヤフラムポンプまたはロータリーベーンポンプを介した、真空の適用を容易にし得る、シールチューブ214を含む環境制御システム58(図13)の例示的なレトルトシールポンプシステム266を図示する。シール管214は、図1のガス通路66に対応することができ、1つ以上のかまどシステム10のポンプと流体連通を提供するために、かまど通路270に接続されてもよい。グレフォイルや他のガスケット264のような一対のシールの間の空間に真空を適用することにより、ガスケットのシーリング性能が大きく改善されることがある。真空室壁32内のチェンバ20は、グレホイルガスケットの酸化を低減または防止するために不活性ガスを供給することができる。
図22A~22Cを参照すると、いくつかの態様では、本明細書に記載されるラップまたはガスケットシールのいずれかによるラップまたはガスケットシール274のようなレトルトシールへのスイープガス282の適用を容易にするために、溝276をレトルト200内に形成してもよい。溝276は、レトルト塩基202内の凹部として形成されるように図示されているが、代わりに、溝276は、レトルト本体204内の溝によって形成されてもよい。一態様では、溝276は、部品空洞116を取り囲むように、レトルト200の全周又は全周にわたって延在してもよい。掃引ガス282は、掃引ガス入口管278を介して導入され得、掃引ガス出口管280を介して溝276を出る前に溝276内を移動し得る、および/または排気され得る。図22Bに示すように、レトルト管シール286のペアは、ポンプ及び/又は掃引のための1つ以上の入口及び/又は出口を提供するようにしてもよい。掃引ガスの使用は、溝276に設けられた封止部材と比較してシール性能を改善することができるが、いくつかの実施態様では、封止部材で充分であってもよい。ガスケットが十分に繊維状の場合(例えば、0.020インチから0.1インチ、またはそれ以上)、溝を必要としない場合がある。
図23Aおよび23Bは、掃引ガス入口および出口導管またはチューブ278、280をシールするための例示的なレトルトチューブシール286を示す。例えば、図23A及び23Bに示すように、スイープガスチューブ278、280は、黒鉛及び/又は炭素複合スレッドロッド294、並びに黒鉛及び/又は炭素複合ナット290を介してレトルト塩基202に固定され得る。ラップシール(図23A)は、チューブ278、280およびベース202のフランジ288の間のインターフェースを密封するために直接または密接な接触を形成するために使用され得る。代わりに、グラフォイルガケット又は黒鉛接着剤(例えば、フェノール系ベース接着剤)のようなガスケット292が、レトルト200のチューブ278、280及びベース202の間に固定されてもよい。チューブ278、280及びフランジ288は、セラミック(例えば、アルミナ)、炭素複合材、グラファイト、又は本書に記載された耐火材料を含むことができる。
II-5. 外ヒータ
図24を参照すると、炉100はまた、必要に応じて、1つまたは複数の外側ヒータ296を含んでもよく、それは、露出した断熱材24の外部に配置されてもよい。外側ヒータ296は、ニクロムおよび/またはカンタル合金ヒータであってもよく、ヒータ112と比較して少ない熱でもよい。例えば、外側ヒータ296は、図24に示されるように、約50℃~約500℃の範囲の温度を発生させてもよく、外側ヒータ296は、絶縁体26内に埋め込まれてもよく、または埋め込まれてもよい。いくつかの態様において、ヒータ296は、熱脱バインダの前及び/又は中に、断熱材296を熱絶縁することができる。ヒータ296は、汚染に対して特に敏感であり得るチタンまたは工具鋼のような、部品の脱バインダおよび/または焼結の前に、汚染を除去するために熱を発生させることができる。いくつかの態様において、ヒータ296は、例えば、湿気の凝縮を緩和するために、炉100が開かれるときに、低レベル熱を発生し続けてもよい。ヒータ296の制御は、炉制御部76と電力供給84(図1)によって行うことができ、ヒータ296は、別の制御部によって制御することができる。
熱シールド298は、外側ヒータ296を包囲し、薄いステンレス鋼板材の1つ以上の間隔のある層を含むことができる。いくつかの態様では、熱遮蔽体298は、炉100の壁32内に設けられてもよく、または壁32の内側に固定されてもよい。壁32内に熱遮蔽体298を設けることによって、炉100の外部環境への熱漏れを低減または防止することができる。したがって、遮熱板298は、ヒータ296の外側に配置された構成要素の過熱を防止し得る。
少なくともいくつかの局面において、外側ヒータ296の使用は、障壁126を含んでいない実施形態における汚染を低減することができる(ただし、図3及び8-11Bに示すような障壁126は、望まれれば、含まれることができる)。ヒータ296は、水分および/またはバインダーのような汚染を除去するために、焼結処理の前に外側断熱材26を状態調節するために熱を発生させてもよい。例えば、焼成または脱皮作業の前に、内部および外側のヒータは、それぞれ、約80℃および約400℃の範囲内の温度を、所定の期間(例えば、1時間、2時間など)にわたって発生させ、熱条件を通して水分、バインダーまたは他の汚染物質を除去することを容易にする。もし望むなら、真空管73を通して汚染物質を除去することをさらに助けるために、この条件の間、真空を作動することができる。ヒータ112と外側ヒータ296は、同じ又は同程度の温度、又は著しく異なった温度で操作することができる。例えば、ヒータ296は、ヒータ112と比較して、より少ない熱を加えることができる。気相および水分バリア126を有さない炉100において加熱調整を採用することができるが、バリア126が存在する場合には加熱調整を採用することもできる。更に、図24は、真空ライン73を介した外側断熱材26の真空圧送を図示しているが、内側断熱材24の真空圧送は、断熱材24と流体連通する真空ライン73を介して行うこともできる。加えて、図25に示すように、外側ヒータ296を含む炉100の構成は、不連続バリアシール164を有するバリア126の使用を容易にすることができる。従って、外側ヒータ296は、水分バリア126のない炉、不連続シール164を有する水分バリア126、又は連続シール又は気密シールを有する水分バリア126に採用され得る。さらに、外側ヒータ296は、ここに記載されたチューブシール構造のいずれかによれば、連続または不連続であるチューブシールと共に使用されうる。
III. 解決策2: 真空レトルト
III-1. 真空レトルトを有する炉の構造
図26は、真空レトルト406を含む炉400の断面図を示す。炉400およびレトルト406は、図に関して上述した炉100およびレトルト200に対応し得る。12-14 例えば、16-22Bである。
図26は、真空槽を有さない(例えば、レトルト406の外側に真空が適用されない)炉400内の密封されたレトルトまたは真空レトルト406を示す。絶縁22は、板金ボックスのような保護カバー404によって囲まれ、固定されてもよい。一部の側面では、保護カバー404は気密であっても、真空に耐えられない(例えば、空気の流れことを許容する)。しかしながら、保護カバー404は、真空室壁32に関して上述したように、望ましければ真空に耐えられる十分な強度を有するハウジングを含むことができる。ヒータ112および断熱材22は、少なくとも部分的にレトルト406を取り囲み、上述したように、断熱材22の最内層によって画定される高温ゾーン28を画定することができる。絶縁22は、上述のように、1層以上の露出された内部絶縁24を含むことができる。必要に応じて、炉400内の断熱材22は、水分バリア126によって炉400の内部から分離された、隔離された断熱材24の1つまたは複数の層を含んでもよい。しかしながら、もし望まれれば、封印により提供される隔離及びレトルト406自体に真空を提供するために、障壁126は省略され得る。
レトルト406は、非多孔質材料、例えば、焼結SiC (例えば、Saint-Gobain Hexalloyなどの焼結アルファスSiC)、アルミナ、反応結合シリコナイズドSiC (RB SiC)、または窒化物結合SiCなどの任意の適切な非多孔質耐火材料を含んでもよい。レトルト406は、ムライト(または他の高温セラミックス)、310S(または他の耐火金属)、またはニッケル合金を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、タングステンやモリブデンのような反応性の高い耐火物をレトルトに用いることができる。より高い反応性を有する材料を使用する場合には、例えば、密閉保護カバー又はハウジング404内にレトルト及び絶縁(例えば断熱パック)を配置することによって、レトルト406を不活性雰囲気で囲むことが有益であろう。例示的な実施形態において、幾分低い焼結温度に対して、本明細書の概念は、ニッケル合金及び/又は310Sのような高温鋼板で作られたレトルトに適用することができる。例えば、銀を焼成するための炉は、本明細書に開示される概念に従い、封印された金属レトルト(例えば310Sを含む)を伴う約950℃のような比較的低い焼結温度で動作可能である。レトルト406は、焼結温度においてさえ、レトルトシール412(主レトルトシールを形成し得る)の非常に高性能の密封を提供し得る。レトルトシール412は、以下に説明され、例えば、図29に説明される内部シール(例えば、ガスケットによって形成される)とペクレットシール416を含むことができる。ペクレットシールを確立するために、スウィープガス422をレトルトシール412に注入することができる。いくつかの態様では、掃引422は、環境制御システム58の1つまたは複数のポンプによって提供され、シール412内の掃引422の流れが、不活性ガスの流れがレトルト406の内容積に向かう外気の拡散を抑制するような十分な速度を有することを保証することができる。
スイープガス422は、アルゴンのようなラボグレードの不活性ガスであることができる。いくつかの態様では、レトルト406の内部へのスイープガス422の漏れは、焼結に無害であっても、または助けさえある。例えば、水素-ベアリング形成ガスを掃引ガス422に含めて、ガス422がレトルト406に漏れ出るように掃引すると、焼結に利益を与えることができる。局面によっては、シール412を通して少量の空気がレトルト406の内部に漏れることがある。しかしながら、この有限量のレトルト406の外側からの空気の漏れ又は拡散は、掃引ガス422の使用により、十分に小さく保たれ得る。従って、汚染物質は、例えば、100万パーセント、10億パーセント、またはさらに純粋なパーツの純度を有する焼成雰囲気を提供するために、400炉内の加工部品の品質に悪影響を与えるほど十分な量のリトルト406に入ることを防ぐことができる。さらに、レトルト406内の空気は、プロセスガス420の適用により制御され、廃液424を除去するために真空が適用され得る。
図27-29は、レトルト406の例示的な構成の爆発、組み立て、断面図及び詳細図をそれぞれ示している。図27に示すように、レトルト406は、取り外し可能なレトルト体410を有し、何らかの適切な形状(例えば、図27及び28に示すようなドーム形状、正方形又は長方形の形状、又は円筒形の形状)を有することができる。レトルト塩基408は、レトルト体410をシール状に受け取るのに適した形を有することができる。各使用後又は所定の使用後に交換可能な犠牲ガスケットである真空ガスケット414は、レトルト体410とレトルト塩基408の間に位置付けられることができる。ガスケット414は、例えば、グリフォルガスケット材料、セラミックファイバーガスケット、他の耐火層および/または繊維材料のリングで確立された内部シールを形成することができる。グリフォルガスケットは真空中で使用する場合、相対的に透過性(または漏れ)であり得るが、他のシール材と異なり、グリフォルガスケットは、例えば、1400度を超える極端な温度に耐えることができる。レトルト406は、約0.1インチから約0.40インチの半径真空ガスケット414を受け取るようなサイズである。いくつかの態様において、ガスケット414は、約0.001インチ~約0.005インチ、又は約0.005インチ~約0.05インチの厚さを有することができる。特に、ガスケット414は、約0.05インチから約0.1インチの間の厚さを有することができる。
1つ以上のスウィープガス導管またはピークレット導管426、および1つ以上のプロセスガス導管または導管428は、プレート408に接続され、ここに記載されている適当な方法で封印されることができる。複数のペクレチューブ426が含まれる場合、第1のペクレチューブ426は、ペクレシール416(図28、29)に掃引ガス422を供給するように構成されてもよく、第2のペクレチューブ426は、真空を適用し、掃引ガス422を除去してもよい。しかしながら、少なくともいくつかの態様において、複数のチューブ426は、それぞれ掃引ガス422を供給することができる。同様に、プロセスチューブ428は、レトルト406の内部にガス420(スウィープガス422または異なる不活性ガスと同じであるかもしれない)を供給することができ、一方、1つ以上の追加プロセスチューブ428は、廃液424を除去するために真空ポンプに接続することができる。掃引ガス溝又はチャネル444は、真空ガスケット414を取り囲むように延在してもよい。少なくともいくつかの側面では、第1のチューブ428はピークレットシールのためにスイープガスを供給し、一方、第2のチューブは、ペクレットシールの条件及び/又は性能のモニタリングのような現場での診断を行う目的で、スイープガス422の純度を試料及び/又はモニターするために使用され得る。
図30および図31は、ほぼ円筒状に延在する絶縁部分402(例えば、絶縁材24に対応する非シールまたは露出絶縁材)と、ヒータ112とを含む、炉400の例示的な構成を示す断面斜視図である。絶縁体402は、アルミナ繊維絶縁体の剛性ボードで形成することができる。ヒータ112は、SiC炉ヒータ(例えば、螺旋抵抗炉ヒータ)であってもよい。カンタルワイヤを含むニッケル合金、または他の既知の難治性ヒータ材料を含む各種炉どのヒータが使用され得る。いくつかの態様において、SiCヒータを採用してもよいが、本ヒータの材料はSiCに限定されない。上述したように、絶縁402とレトルト406を包囲するように保護カバー404を設けることができる。望まれれば、保護カバー404は気密であり、不活性ガスを供給され得る。
図31に示すように、レトルト406は、レトルト塩基408を積分の絶縁体402で上昇および下降させることによって装填されてもよい。このような実施形態では、レトルト本体410は、絶縁402または炉400の別の構成要素に固定されてもよい。これは、例えば、チューブ426と428を外すことによって行うことができる。代わりに、レトルト体410は、適切なリフティング機構により、絶縁部402の一部と共に、レトルト塩基408から持ち上げて離すことができる。
III-2. ペクレシール
図32及び33は、内封430及び外封416を含み得るレトルトシール412の特徴を示す断面図である。内部シール430は、真空ガスケット414によって形成され性能が、外側シール416は、ここで「ペクレットシール」と呼ばれる不活性及び/又はプロセスガスを含むスイープガスの流れを受けるように構成されたシールによって形成される。一側面において、例えば、ガス流によって拡散を遮断することによって、外側シール416は、内側シール430と比較してより高い孤立性を有することができる。例えば、内側シール430の真空ガスケット414は、上述したように、グラファイト(例えば、一旦レトルト406上に組み立てられたガスケットの軸方向に沿って積層された高圧縮グラファイトの複数の薄い層から形成されたシール)で形成されてもよい。インナーシール430を確立するために、10インチの直径を有する厚さ0.015インチのホイルで成形されたフォルフォイルガスケットを、約10から約100の約1mmの平リッジまたはガスケットレッジ434により、または少なくともいくつかの実施形態において、真空によって提供される約100から約1,500ポンドの力により、圧縮(または砕かれる)されることができる。したがって、真空力自体が、ガスケット414を圧縮するための適切な力源を提供してもよい。このようなグリフォイルシールインは、このような状況下で(例えば、弾性回復の点を越えて)完全に砕かれ、また、高真空塗布の高いリーク率と考えられる、1分間約0.001から1標準リットル(SLM)の間に相当する、1秒間約0.01から約1トールリットル(TL/s)のリーク率を達成することができる。通常、1秒当たり約1トール・リッターから約0.001トール・リッターへの漏れ率は、互換性のない真空プロセスと考えられる。しかし、そのような漏れの外の追加シールとしてペクレットシーリングを使用することは、外部環境からの漏れを孤立させることができ、それは真空レベルにかかわらず、驚くほど高い純度をもたらす可能性がある。例えば、現行の開示を実施することにより、ガスケット漏れ率が毎秒1 Torr Lであっても、純度レベルが1 Parts Per Billion (PPB)の真空焼結雰囲気となった。
内部シール430は、少なくとも部分的には、ガスケット414を圧接することによって確立することができる。このクランプは、クランプ機構を使用せずに実行されてもよく、代わりに、レトルト406に加えられる真空の力(例えば、力の約15 PSI)を使用して、ガスケット414を圧縮し、押しつぶすことができる。直径10インチのガスケット414の場合、約1,200ポンドの力は、高真空を維持するために生成される真空力の15 PSIから生じる可能性があることに留意されたい。図26~33に示されるように、炉400を採用するシステム10は、例えば、ハード真空(例えば、10トール以下)を確立し、維持するように構成されていても、ガスケット414に対するおよそ1,000~1,200ポンドの力となり、これは、ガスケット414に沿った約37ポンド/リニアインチに対応することがある。一つの側面において、ガスケット414は、それぞれ約30%又は約40%の厚みの低下に対応して、約30%又は約50%砕くことができる。特に、ガスケット414は、約50%から約60%の間で粉砕される可能性がある。上述した例示的な力の量は、物理的な圧接機構を必要とせずに、レトルト406の塩基408と体410を確保し封印するのに十分である。したがって、望まれれば、レトルト406は、留め金なしで、また/又は留め金を支えるプレート、フランジ等の構造なしで形成され得る。真空及び非真空の両方の用途、又は約300 Torrを超える真空中で使用されるレトルトのために、レトルトは、絶縁体の外部から、例えば、1つ以上の絶縁層を通って延びるプッシュロッド又は他の構造体を用いて、上からレトルトを押し下げることができる。任意の、より鋭いナイフエッジが、改良された密封を提供するために、棚434に含まれてもよい。
十分に高いレベルの密封は、掃引ガス422を、掃引ガス422が、図に関して上述したように、レトルトの外周または外周の周りを流れることができるように、円周方向に延びる溝またはチャネル444に供給することによって達成されてもよい。22A-22Cの溝444は、円周方向に延在すると称されるが、溝444の形状は、最終的にはレトルト406の周囲の形状に依存し得ることが理解され、例えば、矩形形状のレトルト406は、矩形形状の溝444をもたらし得る。したがって、この例示的な実施形態に関して使用される言語は、この特定の実施形態の円筒形状を反映し得るが、レトルトおよび付随する構造の形状は、可能な形状または構成において決して限定されるものではない。図33を参照すれば、レトルト体410は、レトルト塩基408のフェイスに対抗するレトルト体フェイス438を含むことができる。外装シール416は、清浄側(掃引ガス溝またはチャネル444)を比較的汚れた側(レトルト410の外装)に接続する半径方向に延びるチャネル418を含んでもよい。チャネル418は、レトルト406の1つ以上の周方向位置に設けられてもよいし、レトルト406の全周囲に延長してもよい。
図34および35を参照すると、Pecletシール416の性能を、ガス速度および流路長さの積を拡散性で割ったものに対応する、単位無しPeclet数に関して評価してもよい。
図34は、チャネル418の概念的表現であり、そこを通る掃引ガス422の流れであり、全体の周囲に沿ってこれらのペクレットギャップシールのための均一なシールを達成するためには、シールを供給する溝444のコンダクタンスが、全体のペクレットギャップ自体の流体コンダクタンスの約10~約100倍であることが望ましいことを本出願人は認識している。これは、溝444に沿った圧力損失を防止または低減し、ペクレットシールの周囲に沿った均一な圧力を促進する可能性がある。Pecletギャップシールは、一般的に言えば、ギャップサイズの変動に敏感であり、ギャップサイズの変動がギャップ自体よりも著しく小さい場合に、良好なシール性能が達成され得ることに留意されたい。例えば、本開示のペクレシールは、空間的変動が約20%以下の場合に、改善されたシールを提供し得る。Pecletギャップシールの空間的変動は、熱衝撃による反り、不適切な機械加工、またはギャップ表面間の平坦性および平行性からの他の望ましくない逸脱によって発生することができる。例として、ペクレットギャップの流動コンダクタンスに比べて1/10thから約1/1000thの流動コンダクタンスを有する介在する空隙材料446が、ペクレットギャップ(例えば、チャネル418)と溝444の間に課せられることがあり、このような多孔性物質を介在させることは、ペクレットギャップの円周周囲の流れに沿って多孔性インピーダンスが支配的であるため、ペクレットギャップへの感受性を実質的に軽減し/または除去することができる。実施の形態では、黒鉛、上記気孔率結合SiCのような気孔率媒体が、約0.001 Darcyから約0.0001 Darcyを有する。種々のグレードのグラファイト、多孔質SiC、多孔質セラミックス、または多孔質窒化物結合SiCは、約0.001ダルシーから約0.0001ダルシーの多孔性を提供するように構成されてもよい。このような多孔性媒体は、50%、場合によっては最大100%、ペクレットギャップの大きさの変化を許容する十分な補償を提供することができる。いくつかの例では、多孔質材料446を介在させずに、溝444は、ペクレトギャップの円周に沿って均一な圧力を保証するために、ペクレトギャップよりも実質的に大きいコンダクタンスを有してもよい。ペクレットギャップの周囲に沿ってほぼ均一な圧力がある場合、ペクレットギャップを圧力流量の円周分布は、ペクレットギャップの大きさによって支配され、1/gap3のファクターによって、サイズギャップによって局所的に変化することがある。上記に続いて、ペクレトギャップを通る流速が1つの領域内で低下する場合、その領域内の流速はより低くなり得、ペクレトシーリングは、その領域内で比例的に劣化し得る。対照的に、介在する多孔質材料446および上記と同じ全体流量では、介在する多孔質材料446によって提供される均一分散インピーダンスは、ペクレットギャップの変動インピーダンスを支配し、ペクレットギャップの周囲に沿った均一なガス流を促進し得る。
図34および35を参照すると、Pecletシール416の性能を、ガス速度および流路長さの積を拡散性で割ったものに対応する、単位無しPeclet数に関して評価してもよい。図34は、チャネル418の概念的な表現であり、それを通過するスウィープガス422の流れである。ペクレットシーリングは、比較的清潔で純粋なガス(例えば、スイープガス422またはプロセスガス)の流れにより、純粋なガスの上流の汚染物質の拡散を圧倒するように、十分に均一かつ急速な速度で供給される結果として概念化され得る。例えば、1分間に約10フィート~約50フィートの流れを有する比較的長い管、または1分間に約50フィート~約100フィート、特に1分間に100フィート以上の流れを有する管は、特に、清浄なガスの流れが管の特定の長さにわたって比較的層状になっている場合には、拡散を抑制すると予想される。いくつかの態様において、Peclet流路の長さが長いほど、Peclet免震はより効果的である。ペクレットシールは、本項で説明するように、ペクレットギャップによって形成され得るが、チューブまたは導管は、また、ペクレットシールを創造するように構成されてもよい。このように、所定量の流れのために、より長く、より薄い導管は、比較的改善された隔離を提供することができる。
ペクレット・シーリングの上記の説明は、ペクレット・数の機能として、標準化された室内濃度(例えば、比較的汚れた側面またはレトルト410の外側からの汚染)を示すチャートである、図35に示すように、理解され、定量化されることができる。標準化された室内濃度の最大値は、レトルト410内の100%の濃度に対応し、一方、点線はレトルト410の室内の望ましい最高の濃度を表す。ペクレット数は以下に対応することができる。PeはPeclet数、uはチューブまたはチャネル内のスイープガスの平均速度、Lはチューブの長さ、Dは当該種の拡散性(例えば汚染源)である。ペクレット数の増加は、密閉性の増加と関連している可能性がある。したがって、速度または管長が増加するにつれて、スウィープガス422は、汚染を含むかもしれない外気の拡散をより効果的に妨げることができる。従って、所与のガス流速に対して、より薄いか又はより長いチャネル418を使用することによって、ペクレ数を増加させることができる。例えば、例えば、9インチ(約22.9cm)のレトルトでは、25-150mmの厚さの1cmの流路長さが、内部の「クリーン」ガスと比較して、「汚い」または汚染されたガスの100万あたりのパーツの順に孤立すると推定される。ガス速度の増加およびチューブまたはギャップ長(例えば、チャネル418の長さ)の増加は、性能の増加と関連してもよい。
Figure 2022531053000002
いくつかの側面において、外側(ペクレット)シール416(例えば、図32及び33)は、内側(クリーニング側面)から外側(汚い側面)まで少なくとも約1cmの長さを有するチャネル418を含むことができる。フェイス436と438によって定義されるチャネル418のギャップは、約0.001インチから約0.010インチの間、または約0.002インチから約0.005インチの範囲内であってもよい。したがって、レトルト406の外側のペクレットシール416は、外気に関して約1ppmの免震を提供することができる。言い換えれば、スウィープガス422の100万分子ごとに、約1分子の空気(スウィープガス422と比較して比較的高い汚染を含む可能性がある)が、チャネルまたは溝444に存在することができる。スイープガス442の約0.1~約2.0リットル(SLM)、すなわち約0.1SLM~約1.0 SLMは、このような隔離を達成するのに十分である。掃引ガスは、質量流量が一定または減少したままであっても、チャネル418のギャップ内の実際の流れが増加し得るように膨張し得る。例えば、1秒間約0.1Torr-L(TL/S)のように、ギャップホイルガスケット414が比較的大きな漏れ率を持つ設定では、0.01 SLMの1ppmの汚染されたスイープガスがシステムに入り、これは外気の約10-9 SLMに相当すると予想される。このような汚染は、プロセス・ガス420によってさらに希釈されることがある。例えば、1 SLMのガス処理422の流れは、10-9 SLMをさらに希釈して、プロセスガスに対する10億の外気の割合の部分の希釈に到達することができる。
III-3. 大気構成または低真空構成
図36および37は、適度な真空、大気圧、および/またはわずかに陽圧で採用され得る炉400Aを示す。例えば、400Aは、約300 Torrの真空で使用することができる。図36に図示されるように、炉400Aは、システム58(図1)に類似した環境制御システムと連通するレトルト450を含み、ガス導入管452を介してプロセスガス420の供給を提供してもよい。真空またはガス排出口454は、レトルト450から延長されて、炉400Aから排水424(これは、プロセスガス420と90の部品からのオフガスの混合物を含んでいる可能性がある)を除去することができる。図37に最も良く示されているように、レトルト450は、レトルト450の外側から溝444内に漏れるガスの大部分が隔離されるように、レトルトの内側を溝444から隔離するペクレシールとして働く内側チャネル455を介してレトルト450の内側から隔離されたチャネル又は溝444を含むことができる。1つの側面において、チャネル444および455は、内レトルトシールを形成することができる。レトルト450の外側シール448は、重ねシールまたはガスケットによって形成されてもよい。外側シール448がグリルホイルガスケットを含む実施形態では、レトルト400Aは、破線404によって示される少なくとも部分的には密閉室内に囲まれてもよいが、一方、絶縁402はアルゴンや窒素のような乾燥した不活性ガスでフラッシュされてもよい。
III-4. ペクレ管のシールおよびチューブの延長
図38及び39は、ペクレット管シール456を形成するためにレトルトの外に適用されるペクレットシールの適用を説明する。一側面において、ペクレット管シール456は、ここに記載されている導管又は管のいずれかに使用することができる。これには、炉の成分間の管シール(例えば壁32)と、真空を適用するためのチューブ73のような環境制御システム58の成分間の管シール、及び/又はガス71を供給するためのチューブ78(図1に示す)が含まれる。図に示す実施例では、38及び39、ペクルト管シール456は、掃引ガス422を提供する及び/又は真空を適用するための管426及び/又は428(図27及び28参照)に対応することができるレトルト管又はレトルト管又は管462間の導管シールとして使用することができる。図38は、レトルト塩基408に対してシールを形成するペクルトチューブシール456を示す斜視図である。
図39は、レトルト406の内部にガスを供給するか、真空を適用することができる、ペクレットシールドされたレトルトチューブ462を説明する断面図である。密封されたレトルト406のための良好な密封を達成するために、レトルト管462は、円周方向に延びる掃引ガスチャンネル466に入る掃引ガス422の流れを受け入れることができる。チャネル466は、ほぼ円形の経路を有してもよいが、上述のように、長方形などの他の形状も採用されてもよい。ペクレットシールギャップ(例えば、チャネル418、図33によって形成されるギャップ)に関して上述したように、ペクレットチャネル456は、レトルト塩基408と、約0.001インチ~約0.005インチ、または約0.005インチ~約0.010インチの間のフランジ457の壁との間に画定されるギャップまたはペクレットギャップ458を有してもよい。掃引ガス422は、ペクレットギャップ458を介してチャネル456から出てもよい。1つの側面において、内管シール460は、比較的漏れのあるジョイント(例えば、漏れのある継手又は高温接着剤ボンド)を形成するために、レトルト塩基408とレトルトチューブ462の近接部分の間に延長することができる。しかしながら、レトルト406の内部の汚染は、チューブシール456を介して予防または減少させることができる。
図40に関しては、レトルトチューブ462は、チューブ延長470に固定され得る。一側面において、レトルト管462は、チューブ延長470にブレーズされた一枚岩の部材であることができる。例えば、モノリシック部材は、SiCの焼結前に同じグリーン部品から形成されたプレートアセンブリの一部であるレトルトチューブ462を指す。場合によっては、一枚岩部材とは異なり、レトルトチューブ462は塩基408にシンター結合してもよい。このろう付けは、金合金、銅合金、および/またはMorgan Inc.から入手可能な他のもの(例えば、Morgan Inc.から入手可能な銅ABAろう付け箔)のような種々の公知の高温ろう付け合金によって達成されてもよい。この銅または他のろう付けは、約800℃以上の温度に耐え得るろう付け継手468を形成することができる。高温ろう付継手468は、Si粉末と、約1,000℃または約1,300℃で操作可能な黒鉛炉を用いて作ることができ、よって最大使用温度は、不活性雰囲気を設けた場合は1300℃以上、その他の条件では約900℃以上となることができる。一態様では、チューブ462は、約2インチから約5インチの長さを有してもよく、絶縁体22内(高温ゾーンの外側)に設けられてもよい。アスペクトによっては、より短い長さ(例えば、約1.5インチから約3.0インチの間の長さ、又は約1.5インチ未満の長さ)のレトルトチューブ462が使用され得る。より短い長さは、ろう着継手468が経験する温度を上昇させる可能性があるが、より短い管の使用は、プレート(塩基408)および管462にSiCを使用することによって達成することができる。
IV. 解決策3:環境管理システムにおける汚染防止
図41は、入口ガスマニホルド98および/または真空ポンピングマニホルド74の構成要素のバインダー汚染を低減または排除するために、炉システム10と共に使用可能な例示的な炉800を図示する。上述した少なくともいくつかの実施形態は、バインダー材料からの汚染を含む汚染に対してレトルトを封印することができるが、また、特にバインダー材料に関して、レトルトの1つ以上の入口又は出口導管又はチューブの汚染を防止又は軽減することも有益である。例えば、バインダーは、本書に記載されている封印されたレトルト(例えば200)または真空レトルト(例えば406)において凝縮する傾向がないことがある。少なくとも、熱デバインダー中、レトルトはパーツ90と同様に熱い(または熱い)傾向があることの理由からである。そのため、バインダーは、デビング中にレトルトに付着したり吸収したりしない可能性がある。図1を参照して説明したように、入口ガスマニホルド74は、ガス供給管72からプロセスガス(例えば、図1に示すようにガス71)を導入することができる。図41に示すように、バルブ62は、プロセスガスライン78を通るプロセスガス71の流れを制御するように構成することができる。チューブ又は入口ライン94は、供給ライン72とプロセスガスライン78との間に延在してもよい。上述したように、断熱材22(例えば、断熱材24)によって囲まれたホットゾーン28は、熱処理中にプロセスガス71を受け入れることができる。真空ポンプマニホルド74の1つ以上の真空ライン73は、蒸発バインダーと共に、プロセスガス71の除去を容易にし、ホットゾーン28に真空圧力を適用することができる。1つ以上のバルブ62、バインダートラップ64、及び真空ポンプ60は、真空ライン73の下流側に設けられることができる。
いくつかの側面において、バインダートラップ64、真空ポンプ60および線73は、脱皮処理中に炉によって加工されている部品から放出された蒸発バインダーで汚染される傾向がある。幾つかの構成では、上流の構成要素(例えば、プロセスガス71に対するワークゾーン28の上流の部分)もまた、脱バインダー及び/又は焼結の際に汚染される傾向がある。従って、上述の炉の内室(図41で作業区域28として表される)の密閉レトルトの内部または内部を汚染から分離することが望ましい。
このような汚染は、比較的小径で比較的長い入り口ガスマニフォールド74の入口ライン形成することにより、予防または限定されることができる。例えば、入口ライン94は、約10インチから約30インチの範囲内の長さで形成され得る。入口ライン94の内径は、約0.125インチとすることができる。図34と35を参考に説明した通り、また、清浄なガスの一定量の流れに対して、比較的長く、より薄い導管が、対応して改善された隔離を提供するように、ペクレットシールを作るように構成されてもよい。長くて薄い管又は管94を採用することによって、入口は、上述した方法と同様に、ペクレットシールを利用することによって、レトルトから隔離されてもよい。この封印は、ここに記載されているその他の封印と同様に、2019年5月28日に提出された米国仮出願第62/853,561号に記載されている方法で実施することができる。ここに記載された1つ以上のシステム及び/又は炉は、また、触媒変換部又は2018年11月29日に出願された米国出願No.16/204,835に記載された特徴のいずれかを含んでいてもよい。これらのすべては、ここに参考文献に含まれる。
浮遊温度で表面を維持したり、薄くなった温度以上に保つと、バインダーによる表面の汚染を防ぐ傾向がある。従って、作業区域28の下流側(例えば、真空管73及び真空管73の下流側)のバインダー汚染を防止又は制限するために、1つ以上の管線ヒータ750をライン73に隣接して配置することができる。一側面において、ヒータ750は、そうでなければ線73のより冷たい部分(例えば、作業区域28の外の線73の一部、または真空室壁32の外の線)が、約300℃以上、約400℃以上の温度で維持され、最大約500℃のバルブ62が線73の下流で提供されることができるように、熱を発生させることができる。これら弁62の各々は、弁絶縁752によって囲まれ、これらの温度を維持するために、約300℃、400℃、または500℃の各温度で作動するように構成され得る。弁ヒータ754は、これらの温度を維持するために、弁62の1つ以上の弁に隣接して配置され得る。
図41に示される炉800の例示的構成では、2つの弁62が提供される。一態様では、第1または脱バインダー弁62Aは、(例えば、図1に示されるように、制御部76からの指令信号によって)開いて、脱バインダー加工中にポンプ60を介して真空圧の印加を可能にし、一方、第2または焼結弁62Bは、完全に閉じたままに維持されてもよい。焼結加工中、焼結弁62Bは、代わりに、脱バインダー弁62Aが制御部76によって完全に閉じた状態に維持されている間に開いてもよい。別個の焼結ポンプ60Aは、焼結処理中にのみ使用するために設けられてもよい。
いくつかの側面では、少なくとも退屈中は73線上の高温を維持することによって、気温の上昇により、線73上の凝縮やその他のコレクションが不安定になることがあるため、不安定なバインダーの保持を防いだり、減少させたりすることができる。同様に、焼結および脱バインダーバルブ62の温度の上昇は、バルブ内の揮発性バインダーの保持を妨げる可能性がある。さらに、脱バインダ中に焼結バルブ62が完全に閉じた状態に維持されるにつれて、焼結バルブ62の汚染はさらに低減され得る。これにより、焼結処理中に焼結バルブ62が開くと汚れが著しく低下することがある。
別の構成では、ポンプ60Aは省略することができる。この構成では、追加のチューブまたはライン94Aは、シンタリングバルブ62Bを真空ポンプ60と接続することができる。線94Aは、線94と同一または類似の寸法を有してもよく、ポンプ60と焼結弁62Bとの間に流体の免震(例えば、ペクレット免震)を提供するように構成されてもよい。図34で説明したように、ガス流量を伴う長い薄いチューブは、汚染出口とクリーニング入口との間のペクレシールを提供し得る。
V. 液1-3の応用例
V-1. レトルトシール組み合わせ
図42A-42Eは、シールドレトルトと共に実施され得る二重レトルトシールの実施形態を表す、シールドレトルト200の例示レトルトの部分の断面図であり、シールドレトルトとは、シールされたレトルトとは、シールされたレトルトと、シールされたレトルトとのどちらかであるか、多少多孔であるかのどちらかである。各図42A-42Eにおいて、左側はレトルトの外側を表しており、真空または大気圧でレトルトを直ちに取り囲む環境である可能性がある。この雰囲気は、周囲の圧力、分圧、または真空圧力(例、室内壁32)にかかわらず、一般に不活性である(例えば、1%以下の酸素、好ましくは0.01%以下の酸素)。前述したように、外側室32は真空室を形成することができる。または、外側室32は真空槽ではないが、内側室32の不活性な大気を支持するのに十分な気密室を形成することができる。
各図42A-42Eにおいて、 右側は、部品90を受け取るように構成されているレトルトの内部を表す。各図42A-42において、右の印は内印(902から始まる)を表し、左の印は外印(904から始まる)を表す。図42A-42Eに示されている例示的な構成の各々において、レトルトは、シール間に溝(図示せず)を含んでもよく、および/またはガスケットが十分に繊維状(例えば、約0.05インチ~約0.1インチ)であってもよく、溝を必要としないように、シール間に空間を作り出す。図16、17、22A、38、39に関して上述したように、重ねシールは、互いに直接接触する対面によって形成され得る。レトルト重ねシールは、一般に、比較的高い平坦度に機械加工および/または研削された表面間の接触によって形成されてもよい。例えば、黒鉛レトルトの場合、平面度は約0.001インチから約0.003インチ、約0.003インチから約0.005インチ等である。SiCまたはその他のセラミックレトルト材の場合、重ねシールまたは重ねジョイントの平らさは、約0.0001インチから約0.0005インチ、または約0.0005から約0.0015インチである。
図42Aに示されるように、内部シール902Aおよび外部シール904Aは、それぞれ、ガスケットシールであってもよい。図42Bを参照すると、内側シール902Aは、外側ラップシール904Bと組み合わされてもよい(例えば、障壁126を記述する図5Aおよび5Bに関して、上のラップシールの議論を参照)。図42Cは、外側ガスケットシール904Aに対して内側に配置された内側ラップシール902Bを示す。図42A-42Cに示すように、例えば、図22Aに関して上述した方法で、内部シール902と外側シール904との間に広がる溝または空間をスイープガスで注入することができる。別の方法として、内側シール902と外側シール904の間の空間は、掃除ガスを注入するか、注入しないで、真空ポンプで汲み上げられることができる。
図42Dは、上述のペクレットシール(例えば、図32および33に関して)に従って、ペクレットギャップ904Cを有する外側ペクレットシールの内側に配置された内部ガスケットシール902Aを図示する。図42Eは、ペクレットギャップ904Cに関して内側に配置された内部ラップシール902Cを図示する。図42Dおよび42Eの構成について、スイープガスは、Pecletシーリングの前述に従い、溝または空間内に適用されてもよい。ガスケット(例えば、ガスケット902A、904A)を含む各構成において、ガスケットは、グラファイトガスケット、またはセラミックフェルトまたは繊維などの別の適切な高温ガスケットであってもよい。図には示されていないが、ここでは、3番目、4番目(またはそれ以上)、内側および/または外側のシールを形成するために、1つ以上の追加の外側シールを含めることができる。
図42F-42Hは、シール状で、非多孔性で、真空のレトルトで実施可能な二重レトルトシールの実施形態を表す、模範的なレトルト406の断面図である。これらの二重シールは、レトルトの外の通常の環境空気、図42F-42Hは、図42A-42Eと同様の構成における真空レトルト406内の雰囲気の純度で、良く機能するように構成されうる。任意に、不活性空気及び/又は真空で真空リトルトを取り囲むための、気密室又は真空槽のいずれかの外室を含めることで強化することができる。右側はレトルト406の内部を表し(パーツ90を受け取る)、左側はレトルト406の外側を表す。図42F-42Hの各々に906Aを封印する内部シールを表し、左側(908で始まる)のシールは外部シールを表す。図42F-42Hに示された各実施形態において、シールとガスケットの間に十分な厚さ(例えば、約0.05インチから約0.1インチ)のグルーブ(表示されていない)があり、グルーヴが不要となるような隙間を作ることがある。
図42Fは、ペクレットギャップ908Aを有するペクレットシールに対して内側に配置された内部ガスケットシール906Aを示す。図42Gは、外側ガスケットシール908Bの内方に配置された内側ガスケットシール906Aを示す。図42Hは、外側ラップシール908Cの内側に配置された内部ガスケットシール906Aを示す。図42G及び42Hに示すように、例えば、図22Aに関して上述した方法で、内部シール906及び908の間に広がる溝及び/又は空間をスイープガスで注入することができる。別の方法として、内側シール906と外側シール908の間の空間は、スイープガスを注入するか、注入しないかのどちらかでポンプされることができる。液2に関して先に説明した図42Fに例示された実施形態に関して、スイープガスは、ペクレットシーリングの先の説明に従って、溝および/または空間内に適用されてもよい。各ガスケット906A又は908Bは、セラミックフェルト又は繊維等の他の適当な高温ガスケットを含むことができる。図42A-42Eに関して上述したように。第3シール、第4シール等を形成するために、追加の内側及び外側シールを含めることができる。
これらの図42A-42Hの構成は説明を明確にするために含まれており、全ての可能な封止機構または封印組み合わせを記述しておらず、制限を意図していない。例えば、図42A-42Hには描かれていないが、内側シールおよび外側シールの両方は、図22Aに示されるように、ラップシールであってもよい。さらに、複数のペクレットシールが、この説明を手にした当業者が熟考することができる様々な形態で一連に配置されてもよいことを理解する必要がある。追加のペクレットシールを含め、追加のシールの数に制限はない。
V-2. 熱処理
上述のシステム及び炉は、デバンディング及び/又は焼成のような1つ以上のプロセスにより、様々なタイプの部分90の熱処理に使用され得る。少なくとも幾つかのアスペクトでは、部品90は、寸法、印刷、ステンレススチール部品のような添加剤製造工程によって製造される金属部品であってもよい。特に、部品は17-4合金鋼を含むことができる。ここに記載されているシステム及び炉は、脱皮処理中のそのような部品の結合を除去し、及び/又は焼成処理中に部品が形成される粉末粒子を融合するのに有用である。
図43は、熱処理中の炉100、400、または800のホットゾーン28内の例示的な温度サイクルを示すチャートである。図43に示される熱処理は、脱バインダおよび焼結部分の両方を含むが、脱バインダまたは焼結は、別々に行われてもよい。熱処理の開始時に、温度は、上昇勾配、例えば、上昇勾配738を脱バインダーする間、比較的ゆっくり上昇させることができる。738の装着解除は、約8時間の間に発生することがあるが、部品90のサイズ、数、形状、部品90に含まれるバインダーのタイプ、および各部90を形成する粉末粒子のサイズなどの要因により、より短くまたはより長くなることがある。それに伴い、昇温が上昇する速度(738)は、増加または減少する可能性がある。
上昇738の端部時に、高温ゾーン28内の温度は、ほぼ500度に達し得る。いったんこの温度に達すると、高温ゾーン28内の温度は、脱バインダー滞留時間DTの間に生じる脱バインダー滞留期間740の間、ほぼ一定に保持され得る。このドウェル時間DTは、およそ1時間の間延長されることがあるが、上記の要因のうちの1つ以上に基づいて、より短くまたはより長くなることがある。
滞留時間DTの結論では、ホットゾーン28内の温度は、焼結ランプアップ742中に再び上昇し始めることができる。図43から分かるように、高温ゾーン28内の温度は、脱バインダ上昇738と比較して、焼結上昇742の間、より速い速度で上昇し得る。また、ランプアップ738中の温度上昇の持続時間と速度は、パート90に関連する上記の1つ以上の要因により変更され得る。焼成ランプ742の端部に所定の焼結温度に達すると、この焼結温度は、焼成タイミングSTのために、ほぼ一定または定常状態に維持することができるが、上記の理由により、STは約3時間延長することができるが、より長くまたはより短くなる可能性がある。
ガスおよび水分バリア126および/またはレトルト封止の使用は、脱バインドランプアップ738、脱バインド滞留部740、焼結ランプアップ742、および焼結滞留時間744のうちの1つまたは複数の間に必要とされる消費電力し得る。例えば、ガス及び水分障壁126及び/又はレトルトシーリングは、保湿及びバインダーの吸収及び絶縁26からの放出を防止又は抑制する一方で、より多くの断熱(例えば、5インチ繊維状のアルミナ繊維又はグラファイト繊維の断熱)の使用を促進することができる。密閉されたレトルトは、注入口及び出口ラインが密閉されており、汚染された絶縁材とレトルト(及び部品90)の内部との間の通信を妨げる可能性がある。レトルトを被覆することによって、この密封性が改善される可能性がある一方、スリップ鋳造された窒化ケイ素結合炭化物を、上述の密封技術と組み合わせて採用することができる。ハーメティックまたは部分・ハーメティック・レトルト・シールは、シールを形成するために不活性スイープガスの適用を含むことができ、特に、焼成SiC、反応ボンデッドSiC、またはアルミナのような頑丈な材料を含むレトルトに有用である。このようなシールには、内側のシール(例えば、グレフォイル・ガスケット・シール)と外側のシール(例えば、ペクレット・シール)が含まれ得る。密閉されたチャンバを使用することにより、比較的低い量の絶縁をホットゾーン28に露出させながら、水冷を採用する必要なしに、所要電力を低減することができる。
焼結滞留時間744の結論では、冷却期間746が生じ得る。希望があれば、同じ炉内の部品90または別の炉で焼成後熱処理を1つ以上行うことができる。
ここに開示されるシステム、装置、装置、及び方法は、実施例の方法で、また図を参考にして詳細に説明される。ここで取り上げた例は、ここに記載されている装置、装置、システム、および方法の説明を助けるために提供されている例に過ぎない。これらの装置、装置、システム、方法の具体的な実施のためには、特に強制的に指定されていない限り、図面に示されている特徴や成分、あるいは以下で論じられている成分のいずれも必須とは考えてはならない。読みやすさと明瞭さのために、特定の成分、モジュール、または方法は、特定の図との関連でのみ記述することができる。この開示において、特定の技術、配置などの特定は、提示される特定の例に関連しているか、または、そのような技術、配置などの一般的な記述に過ぎない。具体的な詳細または例の識別は、そのように特に指定されていない限り、強制的または限定的なものであると解釈されるべきではなく、またそうすべきではない。構成要素の組合せまたは副組合せを特定的に記述することは、その組合せまたは副組合せが不可能であることを示すものとして理解されるべきではない。開示され、説明された例、アレンジメント、構成、成分、設備、装置、システム、方法等を修正することができ、特定の用途のために望まれることを評価する。また、記載されているいずれの方法についても、その方法がフロー図と併せて記述されているかどうかにかかわらず、その方法の遂行において実行されるステップの明示的または暗黙的な順序が、別の順序で実行されなければならず、代わりに別の順序で、あるいは並行して実行されなければならないことを意味することを理解すべきである。
本開示全体を通して、コンポーネントまたはモジュールへの参照は、一般に、関連する機能または機能のグループを実行するために論理的にグループ化することができる項目を指す。参考数字と同様に、一般的には、同じまたは同様の成分を指すことを意図している。コンポーネントとモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装できる。「ソフトウェア」という用語は、実行可能コード、例えば、機械実行可能または機械解釈可能命令だけでなく、データ構造、データ記憶装置コンピューティング命令を、ファームウェアおよび組み込みソフトウェアを含む任意の適切な電子フォーマットで記憶するために拡張的に使用される。
これは、明細書及び実施例は、以下のクレームによって示される真の範囲及び開示の趣旨とともに、模範的なものとしてのみ考慮されることを意図している。
関連出願の相互参照
本出願は、米国2019年2月11日に出願の仮特許出願第62/804,181号、2019年4月5日に出願の第62/830,303号、2019年10月7日に出願の第62/911,665号及び2019年10月7日に出願の第62/911,696号の優先権の利益を主張し、これらの仮特許出願のそれぞれの全体を、参照により本出願に組み込む。
本開示の様々な態様は、一般に炉に関し、特に、脱脂操作及び/又は焼結操作のために構成された炉に関する。
金属射出成形(MIM)は、種々の金属物体の製作に有用な金属加工プロセスである。粉末金属と1種以上のバインダー(例えば、ポリプロピレン又はワックス等のポリマー)との混合物は、加熱すると所望の物体の形状に成形可能な「供給原料」を形成することができる。その後、「未焼結部品」とも呼ばれる初期成形部品には、二次バインダーを完全な状態に留めながら一次バインダーを除去する予備的な脱脂プロセス(例えば、化学的脱脂又は熱脱脂)を施し、続いて、焼結プロセスを施すことができる。焼結中、部品を加熱して、二次バインダー(熱脱脂)を揮発させ、除去し、粉末金属の融点付近の温度に到達させることが可能であり、これにより、金属粉末が緻密化して固体塊になり、これにより、望ましい金属物体を生成することができる。
三次元(3D)印刷等の積層造形(additive manufacturing)は、三次元的な物体に属する連続する層を形成するプロセスによって、三次元的な物体を製造するための種々の技法を含む。一部の実施形態において、三次元プリンタは、MIMにおいて使用されるものと同等の供給原料を利用することが可能であり、これにより、型を必要とすることなく未焼結部品を製作することができる。未焼結部品に後で脱脂プロセス及び焼結プロセスを施して、物体を製造することができる。
MIMベースの積層造形の他に、粉末床及びルース粉を使用するシステム及び光による樹脂の硬化を用いるシステム等も存在する。これらの方法等は、最終部品を製造するため又は部品の特性を向上させるための炉の使用を伴うことがある。
部品の汚染低減及び品質向上を目的として、真空炉が熱脱脂及び/又は焼結のために使用されてもよい。真空炉による熱処理は、例えば酸化の発生を低減するためには、有用である場合がある。真空炉は酸化の低減を促すことができるが、これらの炉は、部品の品質を低下させる汚染を被りやすいこともある。
より高品質の部品を製造するために、炉内に存在する汚染の量を低減することが有益である。一般的な汚染源の1つは、炉に含まれる断熱材である。例えば、断熱材は、水分、脱脂中に部品から放出されたバインダー、並びに、熱処理中に部品及び炉自体の構造からオフガスとして排出された様々な化合物等の汚染物質を保持している可能性がある。一般に、断熱材を増やすと、これに伴って汚染も増えるが、その理由は、大抵の場合、これらの汚染物質が断熱材によって保持されており、後で熱処理をしている間に放出されることになるためである。したがって、厚い断熱材は、炉のチャンバ内に所望の温度を維持するために必要な電力の量を削減することができるが、厚い断熱材は、チャンバ内に存在する汚染物質の量を増やす可能性もある。黒鉛断熱炉及びモリブデン断熱炉等の一部の炉は、汚染を低減するという目的で最小限の断熱材を使用することが可能である。しかしながら、最小限の断熱材の使用は、必要とされる電力を大きく増やす可能性がある(例えば、およそ20kW~100kWの必要電力が必要になる。)。さらに、最小限の断熱材の使用により、水冷の使用が必要になるが、これには、気密にシーリングされた入れ子構造の2つのチャンバ(例えば、鋼製チャンバ)の使用を伴うこともあり、この場合、熱交換用の水の流れを容易にするための構造体が2つのチャンバの間にあるため、複雑さ及びコストが増すことになる。さらに、上記の方法又は別の方法によって断熱材の量が低減された場合であっても、水による汚染及び/又は焼結中に再び揮発し得るバインダー縮合生成物による汚染は、依然として、部品の品質に悪影響する可能性がある。
一部の態様において、炉内の汚染の存在は、部品の汚染又は部品の品質低下につながる可能性がある。例えば、炉内に存在する水分は、金属粉末の酸化を増進する可能性があり、又は、焼結中に合金の炭素含量を変化させる可能性がある。セラミック断熱材等、一部の種類の断熱材は、水分汚染を含む汚染を特に被りやすいものであり得る。しかしながら、汚染は、様々な種類の断熱材においても起き得るし、さらには、炉に属する他の構成要素においても起き得る。
本開示の装置及びシステムは、上記課題の1つ以上に対処し、又は従来技術の他の態様に対処することができる。
本開示の例は特に、積層造形によって製造された物体を焼結するためのシステム及び方法に関する。本明細書において開示された例のそれぞれは、開示された他の例のいずれかとの関連で記載された特徴のうちの1つ以上を含み得る。
一態様において、炉は、1個以上の部品を受け入れるように構成された内部空洞を含むチャンバを画定する外壁と、チャンバの中に配置されており、内部空洞の中に少なくとも約800℃の温度の温度を発生させるように構成された、少なくとも1個の加熱装置と、チャンバの少なくとも一部に真空を適用するように構成された真空ポンプとを備えることができる。炉は、内側断熱材からできた少なくとも1つの層と、チャンバを基準にして内側断熱材の外側に配置されており、内側断熱材からできた少なくとも1つの層に対してシーリングされた、外側断熱材からできた少なくとも1つの層とを備えることもできる。
別の態様において、炉のためのレトルトは、レトルト基部と、レトルト基部に分離可能な方式で連結することができるレトルトボディと、レトルト基部がレトルトボディに連結された状態でレトルトが閉位置にあるときに、レトルト基部とレトルトボディとの間に配置されており、内側シール及び外側シールを備える、レトルトシールとを備えることができる。レトルトは、レトルト基部と流体連通しており、不活性ガスを供給するように構成された、第1の導管と、レトルト基部と流体連通しており、レトルトの内部に真空を適用するように構成された、第2の導管と、レトルトシールと流体連通しており、内側シールと外側シールとの間に不活性ガスを供給するように構成された、第3の導管とを備えることもできる。
一態様において、真空焼結炉システムは、第1の炉部品及び第2の炉部品を有するシール可能な炉を備えることが可能であり、第1の炉部品及び第2の炉部品は、炉殻を形成し、断熱層によって内側を覆われた第1の炉壁及び第2の炉壁をそれぞれ有する。断熱層の内側面は、ホットゾーン体積の稼働面(hot face)を形成することが可能であり、第1の炉部品及び第2の炉部品は、ホットゾーン体積への出入りを可能にする開位置と、炉殻を密閉する閉位置とを有する。シール可能な炉は、第1のレトルト部品及び第2のレトルト部品を有するシール可能なレトルトを備えることができ、第1のレトルト部品及び第2のレトルト部品は、レトルトシェルを形成し、それぞれ第1のレトルト壁及び第2のレトルト壁を有し、レトルト壁の内側面は、レトルトチャンバ容積を画定し、第1のレトルト部品及び第2のレトルト部品は、レトルトチャンバ容積への工作物の搬入を可能にする開位置と、レトルトシールによってレトルトシェルを密封する閉位置とを有する。第1のレトルト部品及び第2のレトルト部品は、第1の炉部品及び第2の炉部品のうちの1個に連結されていてもよく、この結果、炉部品が開位置のときには、レトルト部品が開位置になることが可能であり、閉位置のときには、閉位置のレトルト部品は、レトルトシールの周縁部の少なくとも大部分がホットゾーン体積の中に配置され、環状空間がレトルト壁の外面と炉壁の内面との間に形成された状態で、ホットゾーン体積に内包され得る。炉システムは、レトルト管シールによってレトルトの外部に対して第1のレトルト部品に封着されており、レトルトチャンバ容積と、炉壁の外側のポートとの間に気体のやりとりを確保している、真空ポンプ排気用流路を備えることも可能であり、シール可能なレトルト及びレトルト管シールは、焼結温度に耐えることができるホットゾーン内に配置されており、密閉されたレトルトシールは、レトルト壁と協同して、レトルトチャンバ容積と環状空間との間での気体の通過を妨げる低圧エンクロージャを形成する。
別の態様において、高温真空焼結炉は、外側断熱材の内側に格納された少なくとも1個の外側炉加熱装置によって加熱される外側断熱材を備えることが可能であり、外側断熱材及び外側炉加熱装置は、約800℃以上でサイクル運転を繰り返すことができ、外側断熱材は、約800℃より高い温度で少なくとも50回の焼結サイクルを耐えることができる少なくとも1種の耐火物から構成されるレトルトを完全に取り囲んでいるホットゾーンを画定する。レトルトは、部品を焼結するための作業区域として運用可能な中空の内部を備えてもよい。炉は、レトルト管シールによってレトルト壁に取り付けられ、封着されており、焼結プロセスガスを中空の内部に供給するように構成されており、中空の内部と流体連通している、第1のガス管を備えることが可能であり、第1のガス管は、外側断熱材の中を通ってホットゾーンから炉外の周囲環境まで延在する。炉のレトルトは、メインレトルト開口部を介して少なくとも1個の部品を受け入れるために開かれるように構成されてもよいし、少なくとも1個の部品を焼結するために閉じられ、この結果、シーリングされたレトルト開口部の少なくとも50%がホットゾーン内にあるように構成されてもよい。メインレトルト開口部は、内側シールによって取り囲まれていてもよく、内側シールの少なくとも半分は、ホットゾーン内に設けられる。内側シールは、外側シールの少なくとも50%がホットゾーン内に設けられ、ガス流路が内側シールと外側シールとの間に設けられるようにして、外側シールに対して直列に設けることも可能である。炉は、レトルト管シールによってシーリングされており、ガス流路と直列流体連通しており、内側シールと外側シールとの間にあるガス流路から気体状汚染物質を排出するように構成された、第2の管を備えることもできる。
別の態様において、第3の管は、中空の内部と流体連通していてもよく、管シールによってシーリングされていてもよい。第3の管は、中空の内部に負圧を生成するために真空ポンプに流体連通していてもよい。
別の態様において、外側シールは、ペクレシール(Peclet seal)による汚染物質の排出のために第2の管からガス流を受け入れるように構成された、ペクレシールであってもよい。内側シールは、ラップシールであってもよい。内側シールは、高温用ガスケットであってもよい。内側シールは、グラフォイル(graphoil)を備えてもよい。
別の態様において、第1の管は、中空の内部へのプロセスガスの流入を可能にしており、内側シールは、中空の内部からの流出物としてプロセスガスを受け入れるペクレシールであってもよく、流出物は、ペクレシールのガス流路と、中空の内部とのペクレシーリング(Peclet sealing)を促進することができる。外側シールは、ラップシール又は高温用ガスケットであってもよく、第2の管は、プロセスガスがペクレシールを通過した後にプロセスガスを排気するために構成されてもよく、この結果、第2の管シールは、二次シールを介して外側から漏れた気体状汚染物質を排出するように構成される。外側シールは、ラップシールであってもよい。
別の態様において、外側シールは、高温用ガスケットであってもよい。高温用ガスケットは、グラフォイルを含んでもよく、炉は、外側断熱材を取り囲む気密格納容器(air-tight containment)の中に設けられてもよい。気密格納容器は、グラフォイルの酸化及び/又は燃焼を低減又は防止するために不活性ガスを充填されていてもよい。
別の態様において、ガスケットは、グラフォイルを含んでもよく、炉は、外側ガスケットの周縁を取り囲む耐火性外側リングを備えてもよい。
別の態様において、内側シールは、高温用ガスケットを備えてもよく、外側シールは、高温用ガスケットを備えてもよい。第2の管は、ガス流路からガスを排気するように構成されてもよく、外側シールを介して漏れた気体状汚染物質の少なくとも一部を排出することができる。内側シール及び外側シールは、グラフォイルガスケットを備えてもよく、外側断熱材は、不活性乾燥ガスを内包する気密ハウジングによって取り囲まれていてもよい。第2の管は、真空ポンプによって排気されてもよい。
別の態様において、第4の管は、スイープガスを注入して、内側シールと外側シールとの間をパージするように構成されたガス流路に接続されていてもよい。第4の管は、スイープガスを供給することができ、第3の管は、ポンプを用いて又はポンプを用いることなく、内側シールと外側シールとの間からスイープガスを排気することができる。代替的には、第3の管は、真空ポンプ排気されてもよく、第4の管は、スイープガスを供給することができる。
別の態様において、レトルトは、外部ガスの拡散を通さない気密性のある非多孔性材料を含んでもよい。例えば、レトルトは、SiC、反応焼結Si SiC、セラミック、上塗り付きのレトルトコーティングを備える若しくは備えない窒化物結合Si SiC、又は高温用金属のうちの1つ以上を含むことができる。高温用金属には、空気にさらされるように構成された310S、空気にさらされるように構成されたニッケル、モリブデン、タングステン、又は、焼結温度で酸素にさらされても耐え切る耐火金属を含む任意の適切な耐火金属を挙げることができる。
別の態様において、炉は、気密レトルトを作り出すようにコーティングされた、気密性のない多孔性材料を含んでもよい。気密レトルトは、上塗り付きのコーティングを有する窒化物結合SiCを含んでもよい。
別の態様において、外側断熱材は、シーリングされたハウジングによって取り囲まれていてもよい。シーリングされたハウジングは、真空圧力に耐えるように構成された、高強度ハウジングであってもよい。レトルトは、多孔性のものであってもよい。レトルトは、コーティングされた多孔性レトルトであってもよい。シーリングされたハウジングは、気密であってもよく、概ね大気圧でレトルトの周りに不活性乾燥雰囲気を維持するように構成されてもよい。レトルトは、焼結温度で空気にさらされることに耐えることができない耐火金属を含んでもよい。
上記の概略的な説明と下記の詳細な説明は両方とも、例示及び説明用のものにすぎず、特許請求された特徴に制限を加えるものではない。本明細書において使用されているとき、「備える」、「具備する」、「含む」、「有する」という用語又は他のこれらの変更形態は、要素の列記を含むプロセス、方法、物品又は装置がこれらの要素を含むだけでなく、明示的に列記されていない又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の他の要素を含むこともできるような、非排他的な包含を包摂するように意図されている。さらに、「例示的な」という用語は、本明細書においては、「理想的な」の意味ではなく、「例」の意味で使用されている。本明細書において開示された又は特許請求されたすべての数値(開示されたすべての値、限界及び範囲を含む)は、(異なる変動が指定されていない限り)開示された数値から±10%の変動を伴い得ることに留意すべきである。本開示において、そうではないとの記載がない限り、例えば「約」、「実質的に」及び「およそ」という相対的な用語は、記載された値が±10%変動する可能性があることを示すように使用されている。さらに、特許請求の範囲においては、様々な特許請求された要素及び/又は特徴に関する値、限界及び/又は範囲は、記載された値、限界及び/又は範囲±10%を意味する。本明細書において使用されている「物体」、「部品」及び「構成要素」という用語は、本明細書に記載の積層造形法を使用して製作された任意の物体を包摂するように意図されている。
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、様々な例示的な実施形態を説明し、本明細書と相まって、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。数多くの態様及び実施形態が本明細書に記載されている。特定の態様又は実施形態の特徴が、本開示において記載された他の態様又は実施形態のいずれか又はすべての特徴と一緒に使用され得ることは、当業者ならば容易に認識されよう。
例示的な炉の断面図である。 図1の炉の断面図である。 バリアを有する図1の炉の断面図である。 図3のバリアのための例示的なバリアシールを示す、断面図である。 図3のバリアのための例示的なバリアシールを示す、断面図である。 図3のバリアのための例示的なバリアシールを示す、断面図である。 図3のバリアのための例示的なラップシールを示す、断面図である。 図3のバリアのための例示的なラップシールを示す、断面図である。 バリアの円筒形の構成を示す、断面図である。 バリアの円筒形の構成を示す、断面図である。 図1の炉の空気注入構成を示す、図である。 シーリングされたバリアを有する図1の炉の断面図である。 気密にしない方式でシーリングされたバリアの断面図である。 気密バリアの断面図である。 図10の気密バリアの例示的な構成の図である。 図10の気密バリアの例示的な構成の図である。 シーリングされたレトルトを含む炉の断面図である。 ドーム状の構成を有するシーリングされたレトルトの断面図である。 円筒形の構成を有するシーリングされたレトルトボディの断面図である。 クラムシェル状の構成を有するシーリングされたレトルトの断面図である。 コーティングされたレトルトの断面図である。 ラップシールによってシーリングされたレトルトの断面図でる。 図16のラップシールの詳細図である。 開位置にあるときのガスケットシールを有するレトルトの断面図である。 閉位置にあるときのガスケットシールを有するレトルトの断面図である。 単一のガスケットを有する図18及び図19のガスケットの詳細図である。 1組のガスケット及び排気管を有する図18及び図19のレトルトの詳細図である。 スイープガス溝を有するレトルトの図である。 スイープガス溝を有するレトルトの図である。 スイープガス溝を有するレトルトの図である。 レトルトの管をシーリングするために有用なシールの図である。 レトルトの管をシーリングするために有用なシールの図である。 外側加熱装置及び熱シールドを有する炉の断面図である。 外側加熱装置を有する炉の断面図である。 真空レトルトを備える炉の断面図である。 図26の真空レトルトの分解立体図である。 図26の真空レトルトの組立図である。 図26の真空レトルトの詳細図である。 炉内に配置された真空レトルトの断面斜視図である。 開位置にあるときの図30の真空レトルトの図である。 真空レトルトシールの詳細断面斜視図である。 真空レトルトシールのペクレシールの詳細断面図である。 ペクレシールの作用を示す、概略図である。 ペクレ数の関数として正規化されたチャンバ濃度のプロットを示す、チャートである。 中真空レトルト又は大気圧レトルト(atmospheric retort)及び炉の断面斜視図である。 図36の中真空又は大気圧レトルトのレトルトシールの詳細断面図である。 レトルトのための管シールを示す、図である。 図38の管シールの断面図である。 例示的な管延長部の斜視図である。 バインダー汚染を低減するための例示的な炉を示す、部分概略断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 例示的なシール構成の断面図である。 本開示の炉によって実施され得る例示的な熱処理を示す、チャートである。
本開示の実施形態は、印刷された物体を焼結する有効性及び/又は効率を補助及び改善するためのシステム及び方法を含む。次に、添付の図面に示された上記本開示の例を詳細に参照していく。可能な限りにおいては、図面を通して、同じ又は類似の部品の参照には同じ参照番号が使用される。炉システム又は炉の例示的な実施形態が異なる参照番号によって論述される場合もあるが、本明細書に記載の任意の炉の特徴は、所望に応じて組み合わせ、又は置きかえることが可能であると解される。
I.熱処理に関する汚染、エネルギー消費及び環境への影響
上記のように、積層造形のための炉は、1個以上の部品を内包するチャンバへの水分及び/又はバインダーの導入によって汚染される可能性がある。この汚染は、断熱材からできた1つ以上の層に吸収され、この断熱材からできた1つ以上の層から放出される、物質に起因し得る。しかしながら、汚染は、炉システムに属する他の構造又は炉内にある他の構造や、炉の入口、出口及び/又は扉にある漏れ穴のあるシール(leaky seal)等からの汚染物質の放出を含む、他のメカニズムに起因する可能性もある。したがって、炉システムに個別に組み込むこともできるし、又は互いに組み合わせて使用することもできる、本明細書に開示の例示的なソリューション等により、これらの汚染源のうちの1つ以上に対処することによって、炉システムの働きを改善することができる可能性がある。
炉、特に焼結炉は、大抵の場合、大きな必要電力を伴う。例えば、約1立法フィートの作業区域がある比較的小型の焼結炉は、およそ20kW~40kWの電力を必要とすることがある。より大型の炉(例えば、約4立法フィート~約8立方フィートの作業区域を有する炉)は、100~数百kW程度の電力という、さらに多い電力を必要とすることもある。焼結は、この電力を長期間(例えば、数時間)にわたって投入することを要求する場合がある。このような長期間にわたる高いレベルの電力の投入は、著しいコスト及びエネルギー消費を意味する。例えば、比較的大型の炉での焼結サイクルには、サイクル1回当たり数百ドル以上のエネルギーコストが伴う可能性がある。さらに、商用炉は、生産性を最大化するために高頻度で(例えば、ほとんど連続的に)稼働することがある。これらの炉のそれぞれは、1年当たり約1,000時間稼働することができるが、年間ベースでは数メガワット時の電力に相当する。
より小型の炉(例えば、一般的に実験室での研究に使用される、より小型の管炉)は、さらなる断熱材の組入れにより、必要とするエネルギーが削減される傾向があり得る。しかしながら、これらの炉は、製造における使用には適さない場合がある。さらに、これらの炉は、制御された負圧環境を炉の内部に適用し、大気中における汚染の量、及び大気中に放出されるバインダー等の望ましくない生成物の量を低減するものである真空下では、使用できない場合もある。
少なくとも上記理由により、商用炉及び実験炉は、非効率的なものであることもあり、(排出物質によって)汚染を直接増やす場合と、(大きな必要電力によって)汚染を間接的に増やす場合との両方があり得る。
後述するソリューションは、汚染、コスト及びエネルギー消費の低減を含む、1種以上の環境面での利益を提供することができる。例えば、本明細書に記載の炉のうちの1個以上は、一部の商用炉の要件よりおよそ90%小さい必要電力(例えば、約2kW~約4kW)を伴い得る。1000個の大型の金属焼結炉は、1年当たり10億ワット時を消費し、又は20年間で200億ワット時超を消費すると予想され得る。比較として、一般的な大都市は、1年当たり1000万ワット時を消費すると予想され得る。したがって、現在稼働中の大型の金属焼結炉が1,000個以上存在すると仮定した場合、エネルギーの低減及び付随する汚染の低減は、複数の大都市に匹敵するものであると予想され得る。さらに、同等の省エネルギー技法がセラミック焼結及び焼成産業(これらは、金属焼結産業より大きい。)で採用されれば、前述の省エネルギーは2倍又は3倍以上になる可能性がある。
II.ソリューション1:シーリングされたレトルト真空炉
II-1.炉システム
図1は、本開示の一実施形態による炉100を備える、炉システム10の断面部分的概略図である。図1に示された例示的な構成においては、炉システム10は炉100の他にも、電力系統82と、例えば特に部品が処理される作業区域の焼結環境を制御するための環境制御システム58と、システム制御装置又は炉制御装置76とを備えることができる。炉システム10は、炉400及び/又は800(又はこれらの炉のうちの1個以上の特徴)を備えることも可能であり、これらについては後述する。炉100は、脱脂及び/又は焼結等の種々の熱処理プロセスにおいて使用され得る。炉100は、環境制御システム58によって制御された雰囲気を生成するように構成された真空炉であってよく、シーリングされた気密チャンバ20を備えることもできる。このようなシーリングされたチャンバ20は、例えばプロセスガス(例えば、チャンバ20内にポンプ排気された不活性ガス)と一緒になって外気から漏れてくることによる、周囲空気の進入を防止若しくは阻害し、及び/又は、汚染を防止若しくは阻害することができる。一部の態様において、チャンバ20は、炉100の外部の雰囲気に対するほぼ完全な遮断又は気密封止を形成するようにシーリングすることができる。しかしながら、チャンバ20には、度合いを減じたシーリングを行うこともでき、例えば、ガスの漏れを阻害又は限定することができる程度のシーリングを行うことも可能である。少なくとも一部の実施形態においては、真空中における稼働のために、外側気密チャンバは、シーリングされていてもよく、さらには、15psiを耐えるのに十分なほど頑丈であってもよい。外側気密チャンバが両側で大気圧を支持さえすればよい他の場合においては、外側チャンバは、非常に頑丈である必要はない。
炉100は、チャンバ20を画定するチャンバ壁32を備えることができ、チャンバ20の中には、断熱材22及び加熱装置112が配置され得る。加熱装置112によって発生した熱により、チャンバ20内に配置された部品90を脱脂及び/又は焼結することできる。一態様において、炉100内の中央の空洞又はチャンバ20は、レトルト114の内部にある部品用の空洞116を画定することができる。1個以上の部品90は、レトルト114内で支持されていてもよい(例えば、1個以上の部品ホルダー又は部品棚34と、各部品棚34を支持するための支持ブラケット35とによって支持されていてもよいが、任意の適切な棚付け構成が想定される。)。レトルト114は、内側又はむき出しの断熱材24を含む1つ以上の断熱材22の層によって画定された、ホットゾーン28内に配置されていてもよい。最も内側の断熱材24の層の内向きの表面は、ホットゾーン28を取り囲む稼働面44を形成することができる。ホットゾーン28は、むき出しの断熱材24の稼働面44によって取り囲まれた領域に相当し得る。
例示的な構成において、1個以上の加熱装置112(例えば、らせん状の加熱装置要素、別個の若しくは連続する蛇行した加熱装置要素、又は、他の任意の適切な加熱装置若しくは加熱装置の群を備える複数の別個の加熱装置)は、ホットゾーン28の中でレトルト114と内側断熱材24との間に延在する、電気抵抗式加熱装置要素を含むことができる。これらの加熱装置は、ホットゾーン28の中に熱14を発生させて、一様な熱を部品90に加えることができる。隔離された又は外側断熱材26からできた1つ以上の層は、内側断熱材24からできた1つ以上の層を取り囲むことができる。最も外側の外側断熱材26の層の外周部又は非稼働面(cold face)46は、コールドゾーン30を画定することができる。所望に応じて、コールドゾーン30内における過剰な蓄熱を防止するために、外側冷却ジャケット38が設けられてもよい。冷却ジャケット38の組入れは、炉100を取り囲む周囲空気中に逃げていく、放散された熱92の量を減少させることができる。
制御された方法によって熱を発生させるために、炉の電力系統82は、加熱装置112によって熱に変換されることになる、電気エネルギーを供給することができる。各加熱装置112は、主電源86から電力を受け取ることができる適切なパワーサプライ84に接続されていてもよい。一部の態様において、主電源86は、商用又は住宅用の標準的な電源(例えば、240V電源)に相当し得る。パワーサプライ84と1個以上の加熱装置112との電気的接続は、チャンバ壁32の中を通って延在する1個以上の電力フィードスルー88によって用意されてもよい。パワーサプライ84は、炉制御装置76からのコマンドに基づいて、AC又はDC電力を加熱装置112に供給することができる。
環境制御システム58は、真空を炉100に適用するためのシステムと、不活性ガスを炉100内に注入するためのシステムとを備えることができる。例えば、入口ガスマニフォールド98は、1つ以上のプロセスガス供給管路78と、マスフロー制御装置70とを備えることもできる。出口排気用及び/又は真空ポンプ排気用マニフォールド74は、炉100の外部に1つ以上の排気ガス用又は真空用管路73を備えることができる。ガスフィードスルー66は、外部管路73、78のそれぞれを炉100の内部と接続することができる。図1に示されているように、入口ガスマニフォールド98は、ガス供給管路72からプロセスガスを受け入れ、このプロセスガスを炉100の内部に導入することができる。例えば、入口ガスマニフォールド98は、1個以上の適切な可変バルブ、可変式ガス制限機構(variable gas constriction)及び/又は供給ポンプを備えることができるマスフロー制御装置70によって、プロセスガス71を炉100にポンプ排気するように構成されてもよい。プロセスガス71は、所定の量の反応性が高い水素を含有する還元ガス混合物、主要な処理用ガスとして水素を含有するガス、又は、実質的に酸素不含のガス等の任意の適切なガス若しくはガス混合物等、不活性処理用ガス又はプロセスガスであってもよい。例えば、プロセスガスは、還元作用が比較的穏やかなプロセスガスを生じさせるように、比較的少量の水素、例えば、約1%~約10%の水素を含有してもよい。一部の態様において、プロセスガスは、還元作用が比較的激しいプロセスガスを生じさせるように、約10%~約100%の水素を含んでもよい。プロセスガス71は、フィードスルー66のうちの1つを介してプロセスガス用管路78に接続された、プロセスガス導入用導管(本明細書においては、「管路」とも呼ばれる)又は管77に進入することができる。レトルト114内の入口ガス分配装置42は、プロセスガス71をレトルト114の内部に分配することができる。さらに、プロセスガス71は所望に応じて、プロセスガス用管路78により、真空チャンバ壁32内のチャンバ20にポンプ排気されてもよい。
環境制御システム58は、炉100への真空の適用を促進することができる。この真空は、プロセスガスと、気化したバインダーと、部品90及び/又は炉100の構成要素から出た他のオフガスとの混合物を含有し得る、排出物75の除去を容易にすることができる。出口排気用及び/又は真空ポンプ排気用マニフォールド74は例えば、ガスフィードスルー66を介して出口排気用及び/又は真空マニフォールド74経由でコールドゾーン30に接続されており、真空バルブ62を介してホットゾーン28に接続された、1個以上の真空ポンプ60を備えることができる。したがって、真空は、レトルト114の内部及び/又は真空チャンバ壁32によって画定されたチャンバ20に適用され得る。真空をチャンバ20に適用すると、真空圧力に耐えるように構成されたシーリングされた気密ハウジングとして、真空チャンバ壁を形成することができる。図1に示された例示的な構成においては、真空マニフォールド74の真空用管路(又は管)73は、レトルト114と流体連通している排出物用管路(又は管)79から排出物75を受け入れるように、ガスフィードスルー66の中を通って延在してもよい。バインダー捕集装置64は、真空ポンプ60によってポンプ排気された排出物75を受け入れ、及び/又は処理するために、1つ以上の真空用管路73と流体連通していてもよい。所望に応じて、真空マニフォールド74の1つ以上の真空用管路は、レトルト114の外部にあるチャンバ20の1つ以上の部分に真空を適用するように構成されてもよい。例えば、1つ以上の真空用管路73は、後述するように断熱材からできた1つ以上の層からオフガスとして排出され得る汚染を除去するために、断熱材22と連通していてもよい。
10-6Torr程度の圧力は、焼結処理用としては異例なほどに低い圧力を意味し得るが、これは、特殊な場合を除けば、焼結用としては比較的珍しいものである可能性がある。工業的な脱脂及び焼結は、比較的広範な範囲の圧力にわたって実施することが可能であり、脱脂用及び/又は焼結用の圧力は、いくつかの検討事項に応じて採用される。これは、焼結のみが(例えば、熱脱脂を実施することなく)実施される場合にも当てはまる可能性がある。少なくとも一部の場合においては、ポンプを構成することで脱脂及び/又は焼結中に得ることができるものの中で最も低い(又は最も強力な)真空圧力を発生させるように、真空ポンプを動作させることが望ましいこともある。しかしながら、他の場合においては、真空ポンプを動作させて、比較的温和な真空圧力を生成することが望ましいこともある。例えば、脱脂及び/又は焼結は、約0.01Torr~約1Torrの真空圧力、約1Torr~約10Torrの真空圧力又は約10Torr~約100Torrの真空圧力で実施することもできる。場合によっては、約100Torr~約759Torrの真空圧力は、若干の真空であると考えられることもある。所望に応じて、炉100は、概ね大気圧又はわずかに正の圧力における焼結のために使用されてもよい。少なくとも一部の実施形態においては、炉100(及び本明細書に記載の炉のそれぞれ)によって達成される純度レベルは、超高真空及び/又は10-6Torr程度の圧力であり得る真空を含む、比較的強力な真空圧力で達成される純度レベルと同等であり得る。例えば、本明細書において開示された炉は、10-10Torr程度の真空で達成される純度と同等の純度で稼働するように構成されてもよい。さらに、炉100は、従来の焼結炉との比較でより低いコスト及び/又はより小さい必要電力を伴いながらもこれだけの純度を達成するように構成されてもよい。
1個以上の温度センサ80をホットゾーン28内に設けて、ホットゾーン28内の現在の温度を示すフィードバック情報をモニタリング及び提供することもできる。さらなる温度センサ80が、例えば稼働面44等、ホットゾーン28の他の場所に配置されてもよい。さらなる温度センサ80は、外側断熱材26に配置することもできるし、真空チャンバ壁32上若しくは真空チャンバ壁32の中に配置することもできるし、又は、他の任意の所望の場所に配置することもできる。1個以上の真空圧力センサ68を設けて、炉100の1つ以上の場所に適用された真空の強力さを測定することもできる。例えば、図1に示されているように、圧力センサ68を用いて、チャンバ20の圧力を測定することもできる。レトルト114が真空レトルトである実施形態(後で詳細に説明する)においては、1個以上の圧力センサ68が、レトルト114に適用された真空の強力さを示す場所に設けられてもよい。炉制御装置76は、例えば温度センサ80及び圧力センサ68からのフィードバック情報を受け取るための1個以上のプロセッサ、記憶素子、入出力装置等を備える、任意の適切な制御システムであってよい。制御装置76は、炉の状態をモニタリングし、パワーサプライ84により、真空ポンプ60、バルブ62及びマスフロー制御装置70を含む環境制御システム58と、加熱装置112との動作を制御するコマンドを生成するように構成された、システムレベルの制御装置であってもよい。
炉システム10は、環境制御システム58によって雰囲気を制御された炉の環境を作り出すように構成されてもよい。真空炉は、システム58等の雰囲気制御システムを備えることができるが、すべての雰囲気制御された炉が真空炉であり得るとは限らない。真空炉は、真空圧力を提供し、これに耐えるように適切にシーリングされた場合に、雰囲気制御された炉を形成することができる。少なくとも一部の実施形態においては、炉100(及び本明細書に記載された他の例示的な炉)等の真空炉は、限定されるわけではないが、いくつか例を挙げると約10-6Torr(例えば、真空度が高い真空(deep vacuum))~約1気圧(760Torr);約10mTorr~約500Torr;約1Torr~約600Torr;約1mTorr~約700Torr;又は、約0.001PSI~約4PSIの正圧(例えば、適度な正圧)等、ある範囲の圧力で稼働するように構成されてもよい。
真空焼結炉として形成されてもよい炉100は、制御装置76によってバランス調整される方式で真空ポンプ60によるポンプ排気を行いながら、同時に、処理用ガス又はプロセスガス71の制御流れを利用することができる。チャンバ20及び/又は部品用の空洞116からのプロセスガス71の導入及び(排出物75を除去する)真空の適用により、部品90がさらされる雰囲気を制御することができる。制御装置76による真空の制御を容易にするために、真空圧力を真空圧力センサ68によって測定することもできる。例えば、制御装置76は、(例えば、排出物75の)出口ガス流量に対して(例えば、プロセスガス71の)入口流量を釣り合わせるように構成されてもよい。センサ68の代わりに又はセンサ68の他に手動式圧力計を設けて、手動式モニタリング及び/又は流量の釣り合わせの制御を容易にすることもできる。出口ガス又は排出物75の流れは、手動制御することもできるし、又は制御装置76を用いて、電子制御された若しくは電子的に調節可能な1個以上のバルブ62の調節及び/又はポンプ60のポンプ排気速度の変更によって制御することもできる。同様に、プロセスガス71の流れは、マスフロー制御装置70の制御によって変更することが可能であり、マスフロー制御装置70は、制御装置76によって制御することができる。マスフロー制御装置70及び炉システム制御装置76は別個のデバイスとして示されてはいるものの、理解されているとおり、マスフロー制御装置70及びシステム制御装置76は、単一のシステム制御装置に含まれてもよい。制御装置70及び76の片方又は両方は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、コンピュータ等の任意の適切な組合せによって実施されてもよい。制御装置は、オープンループフィードバック装置、クローズドループフィードバック装置及び/又はステートマシンを含んでもよい。所望に応じて、適切な制御装置は、マイクロチップによって制御される特注の組込み型制御装置を備えることもできる。一部の実施形態において、炉制御装置76、マスフロー制御装置70又はこれらの両方は、シリアル又はパラレルバス、イーサネット、WIFI、Bluetooth、イントラネット、セルラー方式、LAN、WAN、インターネット又は他の任意の適切な有線接続、無線接続若しくはこれらの組合せによって、1つ以上のコンピュータに接続することができる。熱処理中、特に、脱脂プロセス中、部品90は、断熱材22及びレトルト114を含む炉システム10自体のハウジングができるのと同様に、ガス放出することができる。一部の態様において、この脱ガス速度は、制御装置70及び/又は76によって達成される圧力及び圧力の制御に影響する可能性がある。上記バランス調整は、部品90からの脱ガス及び/又はシステム10の構成要素によって影響を与えることが可能であり、及び/又はこれらに応答させて実施することができる。
脱脂又は焼結等の熱処理に適した温度に到達し、この温度を維持するために、ある構成の高温用(高温に耐性のある)断熱材22が、壁32を基準にして炉100の内部に配置されてもよい。断熱材22により、炉100は、所望の限界又は実用的な限界に収まる必要電力で稼働することができる。一態様において、断熱材22は、炉システム10が標準的な電源(主電源86)に接続されている場合に、加熱装置112が焼結温度に到達することを可能にするのに十分なものであり得る。さらに、断熱材22により、システムの構成要素及び/又は炉100が存在する部屋の中にある構成要素等、断熱材22の外部に配置された構成要素の過剰な加熱も回避することができる。断熱材22は、壁32、フィードスルー66、88等の炉部品自体がさらされる温度を制限することもできる。
例示的な実施形態において、本明細書において開示された炉はいずれも、小さな電力(ホットゾーンの内部表面積1平方メートル当たり約500~5,000ワット)で焼結を実施することが可能なより出力の低い炉であってもよく、及び/又は、水冷を最小限しか必要とせず、若しくは全く必要としないものであってもよい。例えば、開示された炉はいずれも、ホットゾーンの内部表面積1平方メートル当たり約500~5,000ワット等の小さな電力で焼結を実施することができる。一般に、小さな電力と水冷の省略とを組み合わせることは、かなり厚い断熱材を必要とし得る炉の設計に帰結する。例えば、繊維状断熱材(例えば、セラミック、黒鉛等)は、約3インチ~約6インチの厚さであってもよく、約6インチ~約9インチの厚さであってもよく、又は約3インチ超の厚さであってもよい。しかしながら、本出願人らにより、小さな電力及び水の不使用と、かなり厚い断熱材とを同時に採用する手法は、焼結炉の汚染の増大という有害な結果をもたらす可能性があることが認められた。
一部の態様において、断熱材22は、高性能断熱材を含んでもよい。断熱材22は、加熱装置112を完全に取り囲んでいてもよいが、加熱電力が所与の量である場合、寄生熱漏えい(parasitic heat leakage)を発生させる少数の割れ、穴及び他の経路を有し得る。一部の態様において、1組の加熱装置112で到達可能な最高の温度(例えば、ホットゾーン28内の温度)は、例えば次のもののうちの1種以上が挙げられる複数の因子の組合せと関連付けることができる:(i) 稼働面44の表面積(表面積を増大させると、より多くの電力が必要になる。)、(ii) 断熱材22の種類及び品質、(iii) 断熱材22の厚さ、(iv) 老化、摩耗及び損傷に関する断熱材22の全体的な状態、並びに、(v) ポンプ60によって適用される真空圧力の量。稼働面44の表面積に関しては、(より大きいホットゾーンを有する)より大型の炉は、所与の断熱材の種類及び厚さの場合、より多くの電力を必要とする可能性がある。一般に、必要電力は、この表面積に比例し得る。
例示的な種類の断熱材22においては、熱遮蔽用断熱材22は、モリブデン及び/又はタングステン等の耐火金属からできた複数の薄層を備えることができる。この断熱材は、シーリングされた真空チャンバ22の内部に耐火金属材料を含む耐火性加熱装置112の場合、特に有用であり得る。断熱材22からできた層のそれぞれは、積層された又は積み重ねられた構成の複数の層が一緒になって作用して、外側(例えば、壁32)を著しくより低い温度、一部の実施形態においてはほぼ室温に維持しながら、ホットゾーン28を(焼結温度等の)高温に維持する、輻射シールドとして働くことができる。任意選択により、システム10は、チャンバ20の外側の一部又は全体を取り囲んでいる水冷経路等、冷却ジャケット38を備えてもよい。
1つ以上の断熱材22の層は、耐火金属材料等の金属材料を含んでもよい。適切な耐火金属材料は、モリブデン及び/若しくはタングステンを含むことができ、又はモリブデン及び/若しくはタングステンをベースとすることができる。耐火金属断熱材は、炉100内に高い純度の雰囲気を確保及び維持するという目的で積層構造の断熱材中に使用する場合、有利なこともある。例えば、モリブデン及びタングステンは、熱、真空及びプロセスガスへの曝露による劣化に対する十分な抵抗性を有する。これらの材料は、水及び/又はバインダーの取込み又は吸収が限定される可能性もある。しかしながら、モリブデン及びタングステンは、他の断熱材との比較でより低い伝熱に対する抵抗性をもたらす可能性があり、要電力及びコストを増大させる傾向があり得る。
耐火金属の代わりに又は他に、断熱材22は、原則として、慣例的な住宅建設において使用されるガラス繊維型繊維断熱材と同様に作用する、高温用繊維断熱材を含むことができる。断熱材22に適した高温用繊維断熱材は、軽量の黒鉛繊維材料を含んでもよい。本明細書において使用されているとき、「黒鉛断熱材」という語句は、黒鉛繊維断熱材を含み得る。断熱材22に使用するために含まれる黒鉛断熱材は、そのリジッドファイバーボードが低い密度を有し、したがって、固体状黒鉛との比較でのより軽いものであるように、いくつか例を挙げると100%未満、約10%~約60%、約5%~約50%の体積充填率(volumetric fill factor)(例えば、リジッドボードが占有する総空間体積によって割られた繊維の体積の比)を有する、リジッドファイバーボードとして剛直な形態にして製造することもできる。個別の黒鉛繊維は、繊維方向の熱伝導性が最も高い傾向を有し得る。したがって、黒鉛繊維断熱材の高配向性シート又は高配向性ボードは、異方的な性能を示すことができる。断熱材22は、繊維が概ね、平面層に対して平行に延在し、熱の流れの方向に対して垂直(例えば、断熱材22の所与の側で熱14に対して垂直)に延在する、平坦な又は湾曲した平面層の状態に製作された、黒鉛繊維断熱材を含むことができる。正方形又は長方形の炉においては、断熱材22は、熱伝導に対する最も高い抵抗性がボードに対して垂直な方向に発生するように、繊維がボードの横方向の広がりに沿って配向された、平坦なボードを含むことができる。断熱材22は、フェルトの横方向の広がりに沿って繊維が配向された半剛性又は非剛性黒鉛フェルトとして成形された、黒鉛繊維を含むこともできる。円筒形のホットゾーンを有する円筒形の炉(例えば、図6A、6B)は、このようなフェルトからできた複数の層を巻いて、断熱材22からできた積層構造の円筒を形成することによって構築することもできる。断熱材22が黒鉛繊維を含む場合、適切な加熱装置112は、電気抵抗式黒鉛加熱装置112を備えることができる。
少なくとも一部の態様において、断熱材22は、比較的軽量のセラミック繊維断熱材を含むことができる。黒鉛断熱材22と同様に、セラミック繊維断熱材22は、そのリジッドファイバーボードが固体状セラミックとの比較でより低い密度及びより軽い重量を有するように、いくつか例を挙げると100%未満、約10%~約60%又は約5%~約50%の体積充填率を有する、1枚以上のリジッドファイバーボードの形態であってもよい。熱的性能の改善は、セ熱の流れの方向に対して概ね垂直にラミック繊維を配置することによって達成することができるが、セラミック断熱材は、セラミック繊維の配置にかかわらず、比較的温度等方性を有する(thermallhy isotropic)ものであり得る。したがって、所望に応じて、セラミック繊維は概ね、熱の流れの方向に対して平行に配置することもできる。長方形の炉においては、セラミック断熱材22は、少なくとも一部がボードの横(長さ)方向に対して平行に配向されたセラミック繊維を含む、平坦なボードを含むことができる。黒鉛繊維断熱材22と同様に、セラミック繊維断熱材22は、非剛性セラミックフェルトを含むこともできる。円筒形のホットゾーン28を有する円筒形の炉100は、セラミックフェルトからできた複数の層を巻いて、断熱材22からできた積層構造の円筒を形成することによって構築することもできる。本明細書において使用されている「セラミック断熱材」は、セラミック繊維断熱材を含み得る。例示的なセラミック断熱材22の材料には、任意の適切なグレード又は密度のアルミナ及びムライト混合物又は他のセラミック材料を挙げることができる。任意の適切な加熱装置112は、SiC型加熱装置、二ケイ酸モリブデン型加熱装置又は耐火金属型加熱装置等のセラミック断熱材と一緒に使用することもできる。
断熱材22(耐火金属断熱材、黒鉛断熱材及びセラミック断熱材)に組入れるための上記材料のそれぞれは、少なくとも部分的には、望ましい炉100の設計及び用途に基づいて選択することができる。例えば、黒鉛断熱材22は、2,000℃以上の温度における数百回又は数千回のサイクルにわたって機械的に強固なままであり得るが、セラミック繊維断熱材22は、1,600℃等のいくらかより低い温度でも有用であり得る。市販の黒鉛断熱材製品は、断熱材22への組入れに適する可能性がある、剛性、半剛性及び可とう性フェルト構成を含む。セラミック断熱材22の最高動作温度は、セラミック材料の純度及び密度に影響され得る。セラミック断熱材22の耐熱性を最大化するためには、高純度アルミナ及び/又は高密度ボードを採用することが望ましいこともある。セラミック断熱材22の様々な形態は、最高動作温度をより低くしたセラミックの形態の場合でさえも、黒鉛との比較で程度がより大きい断熱を提供することができる。
上記のように、本出願人により、より多くの断熱材を使用して、電力を節減し、及び/又は水冷を不要にすることは、場合によっては工具鋼、チタン及び他の「ハイグレード」合金等の一部の金属の焼結を遅らせ、又はこれらの金属の焼結を大幅に難しくすることもあり得る、水及びバインダー並びに汚染物質(例えば、水、バインダー等)の他の吸収及び再放出に関する課題を悪化させる可能性があることが認められた。
図2は、炉100への搬入の例示的な構成を示す、概略図である。図2に示された例示的な構成においては、炉100のボディは、真空チャンバ壁32によって画定されており、チャンバ20を備える、主要な炉部品又はボディを形成し得る。炉の扉110は、開位置又は搬入用の位置と、閉位置又はシーリングされた位置との間に位置調整可能なものであってよい。炉の扉110は、内側(むき出しの)断熱材24及び外側(隔離された)断熱材26等の1つ以上の断熱材22の層を備える、副次的な炉部品又はボディを形成し得る。炉の扉110は、ヒンジ(図2に図示)、扉110を昇降させる昇降装置、又は他の任意の適切な機構によって位置調整可能なものであってよい。1個以上の真空シール40は、炉の扉110と真空チャンバ壁32との間にシールを確立するために、炉の扉110の周縁部を取り囲むように配向されていてもよい。真空シール40は、正圧を含む非真空圧力において、比較的完全性が高いシールとして機能することもできる。
レトルト114は、主要なボディ又は部品(例えば、1個以上の固定された又は積み重ねられた取り外し可能な棚34を含む)と、取り外し可能なレトルトの扉118(図2では、レトルト114から取り外された状態で示されている)によって形成された副次的な部品とを備えることができる。レトルトの扉118は、レトルト114の前面又は側面から取り外し可能なものとして示されてはいるものの、理解されているとおり、レトルトの扉118は、前述のものにする代わりに、レトルト114の上面又は底面等のフタによって形成されてもよい。
炉の扉110とレトルトの扉118の両方が開位置にある場合、部品90は、レトルト114内に搬入することができる。所望に応じて、レトルト114は、炉100から取り出され、炉100の外部に配置される間に、部品90を搬入することもできる。レトルト114は後で、炉100に差し入れることができる。炉の扉110が開かれている間には、(例えば、湿度による)水分99等の汚染物質がチャンバ20に進入する可能性がある。一部の水分99は、断熱材22吸収及び/又は吸着(以下、ひとまとめにして吸収と呼ぶ)されることもある。一部の態様において、水分は、断熱材22の他に、炉100の様々な構成要素の汚染も増大させる傾向があり得る。例えば、水分99は、耐火金属材料、黒鉛、セラミック又は他の材料を汚染する傾向があり得る。水分99は、金属材料との比較で相対的に高い率で黒鉛材料及びセラミック繊維材料上に吸収される傾向があり得る。扉110が開かれていたときに導入された空気中にも水分99が存在するため、水分99の吸収は、扉110が閉じられているときにも継続する可能性がある。本明細書中の別の場所でも言及しているとおり、断熱材は、バインダーを吸収する傾向があり得るが、バインダーの再放出は、予測不能の複雑な様式で焼結雰囲気を変化させ、及び/又は非常に悪い部品の品質を非常に悪いものにする可能性がある。
II-2.蒸気及びガスシーリング
図3は、炉100内での蒸気99の影響を限定するための例示的な構成を示している。内側又はむき出しの断熱材24は、プロセスガス71(図1)、部品90(脱脂剤を含んでもよい)からのアウトガス及び/又は他の気体のうちの1種以上にさらされてもよい。この曝露は、炉100が稼働中(熱処理を実施しているとき)である場合において、扉110が開かれているときに、貯蔵、搬入又は取り出し等の間に起き得る。
外側断熱材26は、蒸気及び水分に対するバリアを形成し得るバリア126の存在により、むき出しの断熱材24及び/又はチャンバ20から隔離されていてもよい。バリア126は、チャンバ20から断熱材26を隔離するものとして示されているが、バリア126は、部品用の空洞116から断熱材26を隔離するように断熱材26を完全に囲むこともできる。蒸気又は水分に対するバリアは、バリアが存在しない構成との比較で蒸気の侵入を妨げる、任意のバリア(比較的薄いバリアを含む)又はメンブレンを含む。バリア126は、例えばグラフォイル材料又は類似する耐火(高温用)ガスケット材料のように、多少の透過性を有してもよい(気密性を有さなくてもよい)。バリア126は、例えば薄いシートメタルから形成された場合、不透過性のものであってもよい。バリア126は、プロセスガス71、揮発バインダーを含み得る部品90からのアウトガス、及び/若しくは、扉110が開かれているときに炉100の内部に導入され得る他の気体若しくは水分から断熱材26を隔離することができる。バリア126は、隔離された断熱材26と、バリア126の外部(例えば、炉100のチャンバ20)との間にハーメチックシールを設けることができる。所望に応じて、バリア126は多少の透過性を有してもよいが、水及び/若しくはバインダー又はチャンバ20内の他の気体に関する隔離された断熱材26の透過性を著しく低下させる可能性がある。この低下した透過性は、隔離された断熱材26からガス放出された水分又は水蒸気の大部分がバリア126の中を通って部品用の空洞116に向かって内側に侵入しないことを確実にするのには十分なものであり得る。一態様において、バリア126によってシーリングされた隔離された外側断熱材26は、むき出しの又は内側断熱材24の一部又は全体を取り囲んでいてもよい。同様に、バリア126は、隔離された断熱材26を、むき出しの断熱材24に対して気密にシーリングすることもできるし、又は気密にしない方式でシーリングすることもできる。バリア126は、むき出しの断熱材24と、扉110にしっかりと固定された隔離された断熱材26との間に設けることもできる。
環境制御システム58は、バルブ62及びポンプ60(図1)によってチャンバ20に真空を適用するように構成された、真空ポンプ排気用ポート128(例示的な真空用管路73)を備えてもよい。このポート128は、断熱材22を基準にしてチャンバ20の内部に延在する管を備えることができ、したがって、ホットゾーン28に真空を適用するように構成され得る。環境制御システム58に属する別個の隔離されたポンプ排気用ポート132(別の例示的な真空用管路73)は、隔離された断熱材26を内包するチャンバ20の空間内の真空圧力を維持又は制御するために真空チャンバ壁32の中を(例えば、図3に図示がないフィードスルー66の中を通って)延在する管を備えることができる。一態様において、隔離された断熱材26を内包する空間に適用された真空は、ポート128によってチャンバ20に適用された真空の量と概ね同じであり得る。しかしながら、断熱材26は、断熱材24及びレトルト114を内包するチャンバ20の内部とのガスの連絡から少なくとも部分的に隔離されていてもよいため、1個以上のポンプ60が、隔離された断熱材26に異なる量の真空を適用することもできる。真空が隔離された断熱材26に適用されていない間には、真空バルブ62は閉じられていてもよい。
図4A及び図4Bは、断熱材26をシール及び隔離するためにバリア126と一緒に使用することができる、例示的なシール134、134A、135、135Aを示している。一態様において、バリアシール134、134Aをバリア126の周縁部の周りに配置して、蒸気及び気体の侵入に対するインピーダンスを高めることもできる。図4Aに示された例示的な構成において、不透過性バリア136(例示的なバリア126)は、気体又は流体が不透過性バリア136と隔離された断熱材26との間の空間に伝わることができないようにするハイグレードハーメチックシール138を備える、バリアシール134を備えてもよい。図4Aを参照すると、高品質のシールを得るために、連続的な溶接部によってシール138を形成することもできる。透過性が低いさらなる種類のシールが、接着剤、シーラント又は他の有機若しくは無機材料の使用によって形成されてもよい。一部の態様において、ハーメチックシール138は、透過性が低い(ガス流に対するインピーダンスが高い)ポリマー材料によって形成されてもよい。鋼又はアルミニウム製の薄いシート等の金属材料は、不透過性であると考えることができる。さらに、ポリマー、グラフォイル又はガラス材料は相対的に高い透過性を有し得るが、このような材料は、ガスの連絡に十分なインピーダンスをもたらし、隔離された断熱材26からガス放出され得る水分、バインダー又は他の排出物の量を低減することができる。したがって、ポリマー、グラフォイル及び/又はガラスは、バリア126の一部として使用され得る。
図4Bは、透過性又は不透過性バリア144(例示的なバリア126)と、隔離された断熱材26との間のギャップ146を画定する、バリアシール134Aを示している。バリアシール134Aは、断熱材26の冷たい側又はコールドゾーン30(図1)内に形成されたコールドシール140と、透過性又は不透過性バリア144との間にある気密性のない(例えば、非連続的な)ホットシール142とを備えることができる。一態様において、ホットシール142は、ギャップ146を含んでもよいが、バリアシール134Aは、依然として、インピーダンスが高いバリアシールを形成することができる。図4Cに示されているように、1つ以上のギャップ146間に気密部分147を設けてもよい。一態様において、このような非連続的なシーリング(例えば、シール内のギャップ又はかなり小さい漏れ穴)は、2つの部材(例えば、別個のバリア144)を互いに接触させて、ハーメチックシール部分147を形成することによって確立することができる。これらのハーメチックシール部分147は例えば、精密研削済みの2つの平坦な表面を、例えば密着した構成にした状態で加圧することによって、形成することもできる。このような機構は、クッキー缶のフタとボディ/縁との干渉によって形成されるシールとコンセプトが類似することもある。
所望に応じて、バリア126は、ラップシール又はオーバーラップシール等、ある程度の漏れを許容するシールを備えることもできる。ラップシールは、(図5Bに示されているように)表面どうしの間にある程度のギャップがあるように構成されてもよい。少なくとも一部の用途においては、シーリングされた部材の対向する表面どうしが直接接触していることが望ましい場合もある。図5A及び図5Bを参照すると、バリア126は、バリア126にある2つの部材、すなわち、チャンバ20の内部に面する内側部材122と、断熱材26に面する外側部材124との重なりによって形成された、ラップシール135、135Aを備えることができる。図5Aに示されているように、シーラント、ガスケット及び/又は接着剤148を、重なり合った内側バリア部材122と外側バリア部材124との間に配置して、これらの部材間のギャップを満たすこともできる。このようなシーリング又はガスケットが切れ目及び/又はギャップがないシール外周部又は周縁部の全体を取り囲む連続的なものである場合、シールは、「連続的なシール」であると考えることができる。対照的に、接着剤又はガスケットを用いない場合のラップシールは、不完全なものである可能性があり、直接接触していない(又は密着していない)1つ以上の部分を含み得、「非連続的なシール」であると考えることができる。例えば、シーリングされた外周部又は周縁部の多数の部分と接触するが、1つ以上の部分にギャップを形成するラップシール、連続的なものであると考えることができる。同様に、シールに沿った接触をほとんど又は全く形成しないラップシールは、非連続的なものであると考えることができる。一態様において、バリア126の部材122と部材124との重なりの度合いは、およそ1cm、2cm又は3cm以上であってよい。図5Bに示されているように、ラップシール135Aは、部材122と部材124との間に延在する経路を形成することによって、ガス及び水分に対するインピーダンスをもたらす、ギャップ150を備えてもよい。理解されているとおり、ギャップ146及び150のサイズは、説明のために誇張されている。
バリア126は、実質的に正方形又は長方形の形状に形成されてもよいが、図6A及び図6Bに示されているように、炉100は、円筒形の防水型ガスバリア154を有する、円筒形の構成152を備えることができる。このような構成においては、炉100の円筒形の構成152に属する断熱材24、26及びチャンバ壁32は、概ね円筒形の構成に形成され得る。防水型ガスバリア154が円筒形の形状であることにより、防水型ガスバリア154の端部にあるガスバリアシール156(図6A)は、正方形又は長方形の構成との比較でホットゾーン28からより大きい間隔を空けて配置することが可能であり、これにより、が脱脂及び/又は焼結中にさらされる温度を低下させることができる。
II-3.断熱材の乾燥
図7は、炉100のための乾燥空気注入システムを示している。乾燥空気注入システムは、パージガス供給部158、パージガス用バルブ160、パージガス乾燥装置162及び適切な管、フィードスルー等を備えることができる。これらの構成要素は、環境制御システム58(図1に図示)の一部として含まれ、制御され得る。パージガス供給部158は、乾燥空気又は不活性乾燥ガス等の任意の適切なパージガスを炉100に供給することができる。一態様において、乾燥空気注入システムは、図7に示されているように、扉110が開かれているときに稼働させることもできる。パージガスは、ガス乾燥装置162によって乾燥させた後には、炉100の内部に流れることが可能であり、例えば、隔離された断熱材26と、むき出しの断熱材24との間の空間若しくはギャップに流されてもよいし、又は、隔離された断熱材26にのみ流されてもよい。一態様において、バリア126(わかりやすくするために、図7では斜線なしで図示)は、非連続的なシール164(例えば、ラップシール)を形成することもできる。乾燥空気又はパージガスは、バリア126と、隔離された断熱材26との間に注入することが可能であり、非連続的なシール164の中を通って抜け出ることができ、これにより、パージ用ベント166(図7では、矢印によって表されている)を形成することができる。例えば、隔離された断熱材26に乾燥空気又はパージガスを注入することにより、通常ならば隔離された断熱材26中に吸収され得る水分、バインダー又は他の任意の汚染物質が、非連続的なシール164を介して侵入又は存在することを防止することができる。パージ用ベント166は、むき出しの断熱材24と隔離された断熱材26との間、むき出しの断熱材24の中、又は水分が集まる傾向があり得る他の場所等の様々な場所に設けることができる。例えば、バリア126の部材122と部材124との間のラップシールは、パージガス166のための流路を設けるように非連続的なものであってもよい。防水バリア126と組み合わせて乾燥空気注入システムを使用することにより、セラミック繊維、黒鉛繊維又は他の任意の多孔性若しくは吸湿性(水分吸収作用のある)断熱材22を採用しており、ラップシール135、135A又はバリア126のための気密性のない他のシールと一緒に使用されてもよい、炉100内の汚染物質の量を低減することができる。例示的な実施形態において、非連続的なシール164は、これらの非連続的なシール164間に乾燥ガスが流されたときに、ペクレシールとして機能することができる。
II-4.バリアシーリング、レトルトシーリング及び雰囲気の制御
図8は、環境制御システム58及びレトルト114の構成要素をシーリングするための、シーリングされたバリアの断面図である。レトルト114のために設けられたシールは、気密のシール若しくはほぼ気密の(例えば、連続的な)シールを含むこともできるし、又はある程度のレベルの漏れを許容するシーリングを含むこともできる。連続的なシールを使用して、気密にシーリングすることも可能であるが、すべての連続的なシールがハーメチックシールであるとは限らない。レトルト114のためのシールは、例えば図4A~図5Bとの関連で記載されたバリア126のためのシールと同様のものであってもよい。
図8に示されているように、レトルト114は、1つ以上のシーリングされたレトルト入口174及び1つ以上のシーリングされたレトルト出口176にしっかりと固定することができる。レトルト入口174は、供給管路(又は管路)78及び管又は管路77を備えることが可能であり、レトルト114の内部と流体連通していてもよい。同様に、1つ以上のシーリングされたレトルト出口176は、レトルト114に真空を適用し、排出物75を除去するために、排気ガス又は真空用管路73と、管又は管路79とを備えることもできる。レトルト入口174及びレトルト出口176は、それぞれが本明細書に記載のシーリング構造のいずれかによる連続的なシール又は非連続的なシールを含むこともできる、シーリングされた1個以上の流路シール又は管シールを介して、レトルト114に流体連通していてもよい。説明を目的として、図8は、入口174と対応付けられた例示用の非連続的なレトルト管シール182及び出口176と対応付けられた連続的な管シール184を示す、レトルト114を図示している。図8は、非連続的な管シールと連続的な管シール184とを組み合わせたレトルト114を示しているが、これらの管シールは両方とも、連続的なものであってもよいし、又は非連続的なものであってもよいと解される。
レトルト114は、(例えば、図2及び3との関連で記載された)扉118等、複数の取り外し可能な構成要素を備えることができる。レトルト114のボディ及び扉118(図8のレトルト114の頂部に図示)と対応付けられたシールは、連続的なものであってもよいし、又は、非連続的なレトルトフタシール172に代表されるように非連続的なものであってもよい。これらの管シールに十分なシーリングを設けるとともに、レトルトの扉118にも十分な連続的又は非連続的なシーリングを設けることによって、バリア126を省略することもできる。例えば、このようなレトルト114のシーリングは、内側断熱材24又は外側断熱材26からの汚染が、レトルト114の内部に到達することを大幅に防止することができる。レトルト114のためのシーリングは、以下でさらに詳細に説明する。
図8に示されているように、環境制御システム58は、入口174及び出口176により、レトルト114内の雰囲気を維持し、制御することができる。所望に応じて、環境制御システム58は、上記のように、ホットゾーン28のための真空ポンプ排気用ポート128と、隔離された断熱材26のための隔離されたポンプ排気用ポート132とを備えることもできる。環境制御システム58は、1個以上のポンプによって不活性ガスをレトルト114の内部に導入するように構成されてもよい。このガスは、任意の適切な汚染物質を含有しない任意の適切な不活性ガスを含み得る。プロセスガスをレトルト114に直接供給することは、特にレトルトシールと一緒に採用した場合、部品用の空洞116内の汚染の存在を低減することができるが、バリア126も組入れることによって汚染をさらに低減することが可能である。
一部の態様において、改善されたレトルトシーリングにより、レトルトの外側における完全性が高いバリアの必要性を低減することができる。例えば、不透過性の壁等、高性能ラップシール及び/又はガスケットシールを有する高度にシーリングされたレトルトにより、ガスバリアの必要性をなくすことができる。同様に、シリカ(SiO2)によって上塗りされており、ラップシール及び/又はガスケットシールによってシーリングされた、窒化物結合レトルトは、水分に対する気密バリアの必要性を低減及び/もしくはなくし、並びに/又は非気密バリアを可能にすることができる。さらに、完全に非多孔性の炭化ケイ素(SiC)等の極端な場合においては、二重ガスケットシールは、あらゆる防水バリアの必要性を低減又はなくすことが可能であり、おそらくは、外側チャンバ(例えば、真空チャンバ壁32を画定するチャンバ)の必要性を低減し、又はなくすこともできる。
一部の態様において、バリア126を省略するのではなく、レトルト114をシーリングすることにより、気密にしない方式でシーリングされたバリアの使用を容易にすることができる。例えば、図9は、気密にしない方式でシーリングされたバリア126を備える炉100の断面図を示している。一態様において、レトルト114のためのシーリング(例えば、非連続的な又は連続的なシール182、184)を設けることによって、非連続的な防水バリアシール188等の気密性のないシールは、部品90の品質に悪影響することなく使用され得る。一態様において、むき出しの断熱材24は、ナノ多孔性高温用微孔性材料及び/又は低コストの高シリカセラミック繊維断熱材等の材料を含んでもよい。一部の態様においては、およそ3インチの厚さの黒鉛断熱材を、およそ2インチの厚さのナノ多孔性断熱材と一緒に使用することもできる。一態様において、むき出しの断熱材24は、隔離された断熱材26との比較で吸湿性がより低いものであってもよいが、隔離された断熱材26は、より高い熱抵抗率を有することもできる。所望に応じて、ボード又はフェルトの形態の黒鉛繊維断熱材が、バリア126の両側に備えられてもよい(すなわち、黒鉛繊維断熱材は、むき出しの断熱材24と隔離された断熱材26との両方として使用され得る。)。シール182、184等のレトルトシールは、部品用の空洞116内の純度を改善することが可能であり、シートメタルを曲げ加工することによって実装されたラップシール等の上記シールを備える防水型ガスバリア126と一緒に使用することもできるし、又は、ある程度の透過性を有する防水バリア126(例えば、黒鉛ホイル、又は、炭素-炭素複合材料等の他の黒鉛又は炭素をベースとする材料)と一緒に使用することもできる。図9に示されているように、非連続的なシール182は、入口174、出口176又は他の真空管のために使用することができる。
図10~図11Bは、円筒形の炉152と一緒に使用され得るハーメチックシールを示す、断面図である。図11A及び図11Bは、断熱材26をシーリングするための図10の丸で囲まれた部分の例示的な構成を示している。バリア154は、防水バリアの縁部壁190に設けられてもよい。バリア154は、隔離された断熱材26のためのハーメチックシールを形成するように鋼製又はニッケル製縁部壁190に溶接された、ニッケル製の薄肉管を備えることができる。一部の態様において、バリア126は、エンドリング194及び溶接部192によってシーリングされた、ニッケル製の薄肉管、例えば、約0.05インチの厚さのニッケル製の薄肉管(図11A)又は310S合金等の高温用鋼によって形成されてもよい。図11Bに示されているように、バリア126のための薄肉管の使用を容易にするために、縁部壁190及びベローズ196は、バリア126の一部として設けられてもよい。ベローズ196は、柔軟性をもたらすことができ、熱膨張を吸収することが可能である。柔軟性及び改善された弾力性を薄肉バリア126に付与するという目的で、ベローズ196の代わりに、他の継手方式が設けられてもよい。
II-4A.レトルト構造及び材料
図12は、炉100に採用され得るシーリングされたレトルト構成200を示している、概略図である。一態様において、シーリングされたレトルト200は、1つ以上の導入管及び1つ以上の排出管を介して環境制御システム58(例えば、図1に図示)に流体連通したレトルト基部202と、レトルト200(図2及び図3のレトルト114と同様)ための開位置及びシーリングされた閉位置(例えば、図12に対応する位置)を作り出すように基部202から取り外し可能なものであり得る、レトルトボディ204とを備えることができる。レトルト200は、はめ合わされる2つの構成要素、基部202及びボディ204によって形成されてもよいが、レトルト200は、はめ合わされており、1個以上の部品90(図12には図示なし)の熱処理のためにレトルト基部202にしっかりと固定された、複数の別個の区画又は部分を含むことができる。
レトルト200の各区画は、(例えば、フタのための)分離可能なシール又は(例えば、恒久的に接合された区画のための)分離できないシール211を含む、本明細書に記載された任意の適切な方法によって、シーリングすることができる。図12に示された例示的な構成においては、レトルトシール210は、レトルト200の搬入を容易にする、分離及び交換が可能なシールであってよい。シール210又はレトルト200の他の場所にあるシール等のレトルトシールは、連続的(例えば、気密性のある)、非連続的(例えば、気密性のない)、剛体のもの、又は可とう性のあるものであり得る。さらに、これらのシールのうちの1個以上は、難燃性(高温用)接着剤、セメント、モルタル、金属、プラスチック、又は、レトルト200の1つ以上の区画のそれぞれの間に存在するギャップの少なくとも一部を充填するのに適した他の任意の材料のうちの1種以上を含んでもよい。一部の態様において、シールは、砂、粉末、ペースト又は流体等の注がれた材料を含んでもよい。レトルトシールどうしは、締りばめされていてもよいし、当接していてもよいし、又は接触していてもよい。したがって、ラップシールを含む本明細書に記載のシールはいずれも、レトルト200内で使用することができる。さらに、レトルト200のシーリングを容易にするために、1つ以上の表面は、機械加工、ラッピング、切削、成形、又はこれら以外では、レトルト200の当接面又は合わせ面間に密着構造をもたらすための任意の適切な方法によって処理されてもよい。一態様において、部品を搬入するために取り外すことができるレトルトの一部(例えば、レトルトボディ204)は、レトルト基部202等、炉100内に固定されたレトルト200の一部に対するメインシール(例えば、シール210)を形成することもできる。
レトルト200は、黒鉛及び/又は適切な炭素をベースとする材料を含んでもよい。所望に応じて、レトルト200は、ガス、水蒸気又はこれらの組合せの通過を低減又は防止するために、後述の方法によってコーティングされてもよいし、及び/又は注入を受けてもよい。レトルト200の材料、コーティング及び/又は注入物は、レトルトの多孔度を低下させることが可能であり、開気孔との比較で、レトルトを形成する材料中の気孔径又は閉気孔を減少させて、透過を低減することができる。
レトルト200は、耐火物を含んでもよい。特に、レトルト200は、焼結炭化ケイ素(SiC)又は反応焼結(RB)SiC又は窒化物結合SiCから形成されてもよい。一態様において、レトルト200に含まれる材料は、約800℃、約900℃、約1,000℃、約1,100℃、約1,200℃又は約1,300℃等の温度で安定であり得る。好ましい一実施形態において、レトルト200に含まれる材料は、金属部品の高温焼結を容易にするための約1,350℃又は約1,400℃以上を含む温度で安定であり得る。場合によっては、黒鉛又はSiC等のレトルト材料は、約2,000℃以上の温度で機能できるものであってもよい。一態様において、著しい劣化及び/又は故障を伴うことなく、レトルトが特定の温度で少なくとも50回のサイクル(例えば、焼結サイクル)を耐えることができる場合、レトルトは、特定の温度において「安定」であると考えることができる。例えば、レトルト200は、故障することなく800℃超の温度で少なくとも50回のサイクルを耐えるように構成されてもよい。
レトルト200は、焼結SiC又は反応焼結SiCの他に又は代わりに、シーリングされた非多孔性レトルトを形成するために使用される1種以上の他の耐火物を含んでもよい。例示的な適切な耐火物には、炭化ホウ素(BC)、六ホウ化ケイ素(SiB)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(SiN4)、酸化イットリウム(Y)若しくはLa、Nd、Gd2O等の他の希土類酸化物、溶融シリカ(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸アルミニウム(Al2TiO5)、シリサイド化成処理モリブデン(又はSiB OR)、Si化成処理W、TZM(モリブデン、Ti及びZr)、Mo-Re合金、W-Re合金、ランタン化モリブデン若しくはランタン化W(例えば、WL10又はWL20)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化タンタル(TaC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タングステン(WC)、炭化ニオブ(NbC)、第IV~VI族炭化物、第IV~VI族ホウ化物、第IV~VI族窒化物、第IV~VI族ケイ化物、Nb CIO合金(Nb、Hf及びTi)、又は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム若しくは高温用鋼及びニッケル合金を含むこれらの合金の組合せが挙げられる。
一態様において、プロセスガス又は不活性ガスは、真空をレトルトに適用することなく、レトルトにポンプ排気されてもよく、レトルトは、大気圧又はわずかに正の圧力で運転されてもよく、真空は、ガスをレトルトにポンプ排気することなく、レトルトに適用することが可能であり、又は図12に召されているように、(例えば、図1に示されたプロセスガス71及びオフガスを含有する排出物75を除去するための)真空を、少なくとも1つの第2のレトルト管212からレトルト200の内部に適用できるようにしながら、プロセスガス(例えば、図1に示されたプロセスガス71)を、少なくとも1つの第1のレトルト管212からレトルトにポンプ排気することも可能である。したがって、少なくとも1つの管212は、図1のプロセスガス導入管77に対応し得るが、別の管212は、図1の排出物用ガス管79に対応し得る。炉100と同様に、レトルト200は、大気圧よりわずかに低い真空レベル又は真空圧力で機能できるものであってもよい。レトルト200は、大気圧及び/又は大気圧より高い圧力における脱脂及び/又は焼結のためにも有用であり得る。
ガスは、1つ以上の中継導管(transition conduit)又は中継管(transition line)213を介して、レトルト200に導入することができる。同様に、真空も、1つ以上の中継管213を介して適用することができる。図12に示されているように、中継管213は、炉100の外側から、炉100のシーリングされたフィードスルーを通って延在する。各中継管213は、シーリングされた中継部(transition)208によって各レトルト導管又は管212(例えば、導入管77又は排出物用の管79)に接合されていてもよい。さらに、各レトルト管212は、レトルト管シール206によってレトルト200に対して、特に基部202に対してシーリングすることができる。任意選択による1つ以上のさらなるフィードスルー219が、1個以上の温度センサ、真空管等の挿入を容易にするために炉100の壁32に設けられてもよく、使用しないときには閉じておくこともできる。
レトルト200は、正方形又は長方形の形状(図12に図示)を有することもできるし、図13のドーム状のレトルトボディ220に代表されるドーム状の構成を有することもできるし、又は、図14の円筒形のレトルトボディ222に代表される円筒形の構成を有することもできる。図13に示されているように、レトルト200の形状にかかわらず、レトルト200は、レトルト200のメインシール210によって達成される大気に対する隔離を容易にするという目的で、真空の適用及び/又はスイープガス(例えば、プロセスガスと同様の不活性ガス)の導入を促すことができる。例えば、図13に示されているように、レトルトボディ220は、1個以上の個別シール224によってシーリングすることができる。一部の態様において、複数の個別シール224が、レトルト200の基部202とボディ220との間に設けられてもよい。これらの複数の個別シール224は、それぞれが、同心円状に配置された1個以上のグラフォイルシール224を備えることもできるが、環境制御システム58と流体連通した空間を画定することができる。個別シール224は、同じ種類のシール(例えば、複数のシールリング)であってもよいが、個別シール224は、異なる種類のシール(例えば、シールリング及び後述のペクレシール)を備えることもできる。
一態様において、1つ以上の剛性又は金属製ガス通路232は、図13に示されているように、レトルトシール210を、不活性ガスの供給部及び/又は真空ポンプと接続することができる。適合するレトルト管シール230は、ガス通路232を、各シール管又は導管214と密封状態にして接続することができる。結合されたレトルト管シール226は、各適合するレトルト管シール又は導管シール230とシール管214との間にある中継部又は継手をシーリングすることができる。結合されたレトルト管シール226は、シール管214とレトルト基部202との接続部分に配置されてもよい。同様に、レトルト200の内部と、不活性ガス及び/又は真空の供給部とを流体連通させる1つ以上のレトルト管又はレトルト導管212は、適合する管シール230を介してガス通路232に接続されていてもよい。これらのレトルト管212は、結合されたレトルト管シール226によってシーリングすることができる。通路232、適合する管シール230及び管212、214は、図14Aに示されている円筒形のレトルトボディ222を備えるレトルト200と一緒に使用することもできるし、又は、図14Bに示されたクラムシェル状のボディ223を備えるレトルト200と一緒に使用することもできる。例えば、レトルトボディ222は、図13に示されたレトルトボディ222と同様に、シール210の形成を容易にするために、辺縁方向に延在するフランジ(図14Aには図示なし)を備えることもできる。レトルトボディ220は、ドーム状のものとして例示されており、及び/又は、レトルト基部は、(例えば、図13に図示のように)実質的に平面的なものとして例示されているが、レトルトボディ220及びレトルトプレート202は、限定されるわけではないが、いくつか例を挙げると、レトルトボディ220とレトルトプレート202との両方がドーム状である場合、レトルトボディ220とレトルトプレート202との両方が、(図14Bのクラムシェル状のレトルト基部201によって示される)クラムシェル形状を形成する対向するドーム状ある場合、正方形、長方形及び卵形で等、他の形状であってもよいことは、理解されよう。
II-4B.レトルトコーティング
図15は、コーティングされたレトルト234を示す、断面図である。コーティングされたレトルト234は、断熱材22(並びに加熱装置112及び壁32)と、レトルト234の内部とのガスの連絡を妨害するために、1つ以上のコーティングの層を外面及び/又は内面に備えることもできる。5リットルの容積のレトルトの場合に総リーク量を大幅に低下させて、10-4トルリットル毎秒(TL/s)未満にする、非常に効果的なコーティングとして機能することができるシリカ上塗りを生成するように焼成された窒化物結合炭化ケイ素の場合。コーティングされたレトルト234は、多孔性のものであってもよく、無処理又は無コーティングの場合には壁244を介してある程度のガスの連絡を可能にし得る、黒鉛及び/又は炭素複合材料からから形成された、メインボディ又はレトルト壁244を有することができる。一態様においては、内側又は内部コーティング246及び外側又は外部コーティング248を装着して、コーティングされたレトルト234を形成することができる。内側コーティング246と外側コーティング248の両方が図15に示されているが、コーティングは、レトルト234の外部のみ又は内部のみに装着することもできる。さらに、コーティングされたレトルト234は、コーティングされた基部236及びコーティングされたボディ238を備えることもできるが、基部236のみをコーティングし、ボディ238のみをコーティングし、又は、異なる材料を含むコーティングを設け、若しくは基部236及びボディ238の異なる場所にコーティングを設けることが望ましいこともある。本明細書に記載された任意のレトルト管シール(例えば、図13との関連で記載された結合されたレトルト管シール226)で説明したのと同じようにして、シーリングされたレトルト管シール242等の管シールを使用して、コーティングされた基部236及びレトルト管をシールすることもできる。さらに、レトルトシール240は、本明細書に記載された任意のレトルトシールの場合と同じように、コーティングされたレトルト234と一緒に使用することもできる。一部の態様において、コーティングは、グラフォイル、耐火金属ホイル又はセラミック(例えば、アルミナ)からできた比較的薄い層等のクラッディング及び/又はラミネーションとして装着されてもよい。例えば、黒鉛レトルトの場合、黒鉛ラミネートは、黒鉛リテーナ及び/又は黒鉛若しくは他の炭素をベースとする難燃性接着剤によって装着することができる。
黒鉛及び/又は炭素繊維レトルト壁にコーティング246及び/又は248を形成するのに適した材料には、黒鉛ボディ内に注入され、熱分解される、エポキシ、ピッチ、クレオソート、フルフリルアルコール、フェノール類等の有機材料を挙げることができる。一部の実施形態において、黒鉛は、これらの材料のうちの1種以上の注入を容易にするために、割り当てられた真空チャックの上方に配置されてもよい。一部の態様においては、有機材料をガラス状炭素又は不規則炭素に熱分解することもできる。所望に応じて、熱分解温度より高い温度で有機材料を処理して、有機材料から生成された炭素を黒鉛化することもできる。一態様においては、ガラス状炭素を堆積させて、レトルト234の1つ以上の表面にコーティングを形成することもできる。例えば、上塗り付きのコーティング又はSiO2を有する窒化物結合SiCレトルトの場合、コーティングによる汚染低減の改善は、1,000倍を超える可能性がある。
一部の態様において、コーティングされたレトルト234は、レトルト234の多孔度を低下させる溶融ケイ素の浸透によって形成することができる。一部の態様において、溶融ケイ素は、レトルト基部236及び/又はレトルトボディ238中に存在する炭素と反応することが可能であり、SiCを形成することができる。ケイ素の浸透は、表層に限定されてもよいし、又は、より深く(例えば、基部236又はボディ238の全体又は実質的に全体に)浸透してもよい。一部の態様において、レトルト234の気孔径(例えば、黒鉛によって形成された気孔)は、有機材料の施用及び熱分解によって低下させることができる。
所望に応じて、1つ以上のコーティング246、248は、化学気相成長(CVD)によって形成することもできるし、又は、炭素、ケイ素、SiC又は他の材料がレトルト234の表面若しくは一部に浸透する、化学気相含侵(CVI:chemical vapor infiltration)によって形成することもできる。さらには又は代替的には、固体に浸透する型の材料が、粉末の堆積によってコーティングを形成してもよい。一部の態様において、堆積した粉末は、炭素材料(例えば、カーボンブラック又は黒鉛)、Si又は金属のうちの1種以上を含んでもよい。粉末を加熱して、粉末に含まれる1種以上の材料を溶融又は融合させることもできる。このような融合した成分は、粉末中の別の成分と反応することもできるし、又は、レトルト234の材料と反応して、コーティングを形成し、又は多孔度を低下させることもできる。例えば、炭素粉末及びSiを含む粉末を黒鉛レトルトに施用し、加熱して、Siを溶融させることも可能であり、この溶融したSiは、炭素粉末及び/又は黒鉛と反応して、炭素、ケイ素又は炭化ケイ素を含む密度がより高い表層(又はコーティング)を形成し、これにより、レトルト壁244をコーティングすることができる。
一部の態様において、レトルト234をコーティングするように塗布される浸透する型の材料は、バインダー、界面活性剤及び/又は分散剤をさらに含んでもよい粉末のスラリー又は懸濁液として用意されてもよい。ディップコーティング、スリップキャスティング、電気泳動電着又はスプレーコーティング等の任意の適切な方法を採用して、コーティング246、248を装着することができる。
金属粉末(例えば、化学反応性が高い金属粉末)を注入するために、金属粉末粒子は、レトルト壁244の表面上又は気孔内に堆積される粉末として用意されてもよい。例えば、汚染は、部品90に含まれる材料と同じものであるチタン等の金属材料をレトルト壁244上に注ぎかけ、又はレトルト壁244の中に注入するすることによって低減することもできる。
一部の態様において、耐火金属又は他の無機物の超微細粒子及び/又はナノ粒子の注入物が、黒鉛レトルト壁244に注入されるように、又は黒鉛レトルト壁244をコーティングするように使用され得る。アルコール、アセトン等の溶媒は、これらの粒子のための担体を形成することができる。真空成形又は他の加圧式真空含侵法を採用して、このような粒子を黒鉛に浸透させ、コーティング246及び/又は248を形成することもできる。
一部の実施形態において、コーティング246、248は、担体の蒸留水を用いて注入されたCeramabond542、又は、graphibondフェノール類入りエタノール(phenolic-filled ethanol)(担体としてさらなるエタノールを含んでもよい)等、セラミックコーティングを含んでもよい。
レトルト234のための1つ以上のコーティング246、248を設けることにより、無コーティングなしの場合では比較的高い多孔度を有するため、レトルト234の製造に伴うコストを低下させる、黒鉛材料を採用することも可能になり得る。さらに、透過性をさらに低下させるために、上記コーティングのうちの2つ以上が使用されてもよく、相乗効果があるように機能することができる。理解されているとおり、コーティング246及び248は単層として示されているが、コーティング246及び248の片方又は両方が、異なる材料からできた複数のコーティングによって形成されてもよいし、又は同じ材料からできた複数のコーティングによって形成されてもよい。
II-4C.レトルトシール
レトルト200又はコーティングされたレトルト234等のレトルトの透過性は、本明細書に記載の1個以上のレトルトシールの使用によってさらに低下させることができる。例えば、図16及び図17に示されているように、レトルト200は、タトバラップシール135Aと同様のラップシール252を採用することができる。ラップシール252は、比較的壁が厚いレトルト200(例えば、約0.25インチ~約1インチ)と一緒に採用することもできる。例えば、ラップシール252は、レトルト壁254と、約5/8インチの厚さを有する基部202との間にシールを設けることができる。ラップシール252は、コーティングされたレトルト234と一緒に使用することもできるし、又は真空が適用された無コーティングのレトルト200と一緒に使用することもできる。一部の態様において、無コーティングのレトルト200は、黒鉛レトルト又は本明細書に記載された他の任意のレトルト材料であってよい。
図18~図21は、本開示の態様によるシーリングされたレトルト200と一緒に使用するためのガスケットシールを示している。図18及び図19は、レトルト200の開位置及び閉位置のそれぞれを示している。一態様において、レトルト200は、黒鉛から形成されてもよく、レトルトガスケットシール258によってシーリングすることができる。レトルトガスケットシール258は、純粋な黒鉛製のホイル又はグラフォイル材料を含んでもよく、グラフォイル又は他のレトルトガスケットシール258を圧縮するようにレトルト基部202とレトルトボディ204との間に圧縮力を加える黒鉛製ボルト等の1個以上のねじ部品(図23A、23Bに図示)によってしっかりと固定することができる。レトルトガスケットシール258は、圧縮された単一のグラフォイルガスケット262(図20)として形成されてもよいし、又は、複数の(例えば、2個以上の)別個のグラフォイルガスケット264(図21)として形成されてもよい。ガスケットシール258を形成するガスケットの数にかかわらず、グラフォイルガスケットは、(ボディ204の)黒鉛基部202と黒鉛壁との間に挟まれた、グラフォイル製の複数の上張り層を備えることもできる。
図21は、シール管214を備える環境制御システム58(図13)の例示的なレトルトシールポンプシステム266を示しており、シール管214は、ダイアフラムポンプ又はロータリーベーンポンプによる、複数のガスケット264間の空間への真空の適用を容易にすることができる。シール管214は、炉システム10の1個以上のポンプと流体連通するように、図1のガスフィードスルー66に対応し得る炉チャンバフィードスルー270に接続されてもよい。グラフォイル又は他のガスケット264等の1組のシール間の空間に真空を適用することにより、ガスケットの密封性を大きく改善することができる。真空チャンバ壁32内のチャンバ20には、不活性ガスを供給して、グラフォイルガスケットの酸化を低減又は防止することもできる。
図22A~図22Cを参照すると、一部の態様においては、溝276をレトルト200に形成して、本明細書に記載されたラップシール又はガスケットシールのいずれかによる、ラップシール又はガスケットシール274等のレトルトシールへのスイープガス282の施用を容易にすることもできる。溝276は、レトルト基部202の凹みとして形成されたものであると示されているが、このようにする代わりに、溝276は、レトルトボディ204の溝によって形成されてもよい。一態様において、溝276は、部品用の空洞116を取り囲むように、レトルト200の外周部又は辺縁全体を通って延在してもよい。スイープガス導入管278を介して導入することが可能であり、溝276内を移動した後、スイープガス排出管280を介して溝276から抜け出ることができる、スイープガス282は、排気及び/又はポンプ排気され得る。図22Bに示されているように、1組のレトルト管シール286は、スイープガスをポンプ排気及び/又は排気するためにスイープガス用の1個以上の入口及び/又は出口を用意するように設けられてもよい。スイープガスの使用は、溝276に設けられたシーリング部材との比較では密封性を改善することができるが、一部の実施形態においては、シーリング部材は、十分なものであることもある。ガスケットが十分に厚いものである(例えば、0.020インチ~0.1インチ、又はこれ以上)場合、溝の必要性がないこともあり得る。
図23A及び図23Bは、スイープガス導入及び排出導管又は管278、280をシーリングするための例示的なレトルト管シール286を示している。例えば、図23A及び図23Bに示されているように、スイープガス管278、280は、黒鉛及び/又は炭素複合材料製のねじ棒294及び黒鉛及び/又は炭素複合材料製のナット290によって、レトルト基部202にしっかりと固定することができる。ラップシール(図23A)を使用して、管278、280のフランジ288と基部202との接続部分をシーリングするように直接接触又は密着を形成することができる。代替的には、グラフォイルガスケット又は黒鉛接着剤(例えば、フェノールをベースとする接着剤)等のガスケット292は、管278、280と、レトルト200の基部202との間にしっかりと固定されてもよい。管278、280及びフランジ288は、セラミック(例えば、アルミナ)、炭素複合材料、黒鉛又は本明細書に記載の任意の耐火物を含んでもよい。
II-5.外側加熱装置
図24を参照すると、所望に応じて、炉100は、むき出しの断熱材24の外部に配置されてもよい、1個以上の外側加熱装置296を備えることもできる。外側加熱装置296は、ニクロム及び/又はKanthal合金加熱装置であってもよく、加熱装置112との比較でより少ない熱を発生させることができる。例えば、外側加熱装置296は、約50℃~約500℃の範囲の温度を発生させることができる。図24に示されているように、外側加熱装置296は、隔離された断熱材26に埋め込み、又は埋設することができる。一部の態様において、加熱装置296は、熱脱脂の前及び/又は最中の隔離された断熱材296を加熱することができる。加熱装置296は、熱を発生させて、特に汚染に影響されやすいものであり得るチタン又は工具鋼等の部品の脱脂及び/又は焼結前の汚染を除去することができる。一部の態様において、加熱装置296は、炉100が開かれているとき、例えば水分の凝縮を軽減するという目的で、低レベルの熱を発生させ続けることができる。加熱装置296の制御は、炉制御装置76及びパワーサプライ84(図1)よって実施することもできるし、又は加熱装置296は、別個の制御装置によって制御されてもよい。
熱シールド298は、外側加熱装置296を取り囲んでいてもよく、薄いステンレス鋼板材料からできた1つ以上の間隔の空いた層を含むこともできる。一部の態様において、熱シールド298は、炉100の壁32の中に設けられてもよいし、又は壁32の内側にしっかりと固定されていてもよい。壁32の中に熱シールド298を設けることにより、炉100の外部環境への熱漏えいを低減又は防止することができる。したがって、熱シールド298は、加熱装置296の外側に配置された構成要素の過熱を防止することができる。
少なくとも一部の態様において、外側加熱装置296の使用は、バリア126を含まない実施形態においては、汚染を低減することができる(ただし、所望に応じて、例えば図3及び図8~図11Bに示されたバリア126を含むことも可能である)。加熱装置296は、熱を発生させて、焼結プロセスの前に外側断熱材26をコンディショニングし、これにより、水分及び/又はバインダー等の汚染を除去することもできる。例えば、焼結又は脱脂操作の前に、内側加熱装置及び外側加熱装置はそれぞれ、所定の期間(例えば、1時間、2時間等)にわたって約80℃~約400℃の範囲の温度を発生させて、加熱式コンディショニングによって水分、バインダー又は他の汚染物質の除去を促進することもできる。所望に応じて、真空は、この条件の間に、真空用管路73による汚染物質の除去をさらに促進するように運転されてもよい。加熱装置112及び外側加熱装置296は、同じ又は同様の温度で動作することもできるし、又は著しく異なる温度で動作することもできる。例えば、加熱装置296は、加熱装置112との比較でより少ない熱を加えることもできる。加熱式コンディショニングは、蒸気及び水分に対するバリア126を有さない炉100の中に用いられ得るが、加熱式コンディショニングは、バリア126が存在する場合に用いることもできる。さらに、図24は真空用管路73を介した外側断熱材26の真空ポンプ排気を示しているが、内側断熱材24の真空ポンプ排気は、断熱材24と流体連通した真空用管路73を介して実施することもできる。さらに、図25に示されているように、外側加熱装置296を備える炉100の構成は、非連続的なバリアシール164と一緒にバリア126を使用することを容易にすることができる。したがって、外側加熱装置296は、防水バリア126を備えない炉、非連続的なシール164を有する防水バリア126を備える炉又は連続的なシール又はハーメチックシールを有する防水バリア126を備える炉の中に採用され得る。加えて、外側加熱装置296はさらには、本明細書に記載の管シール構成のいずれかによる連続的な又は非連続的な管シールと一緒に使用することもできる。
III.ソリューション2:真空レトルト
III-1.真空レトルトを有する炉の構造
図26は、真空レトルト406を備える炉400の断面図を示している。炉400及びレトルト406は例えば、図12~図14及び図16~図22Bとの関連で上述した炉100及びレトルト200に対応してもよい。
図26は、真空チャンバを有さない(例えば、レトルト406の外部に真空が適用されない)炉400内の、シーリングされたレトルト又は真空レトルト406を示している。断熱材22は、シートメタルボックス等の保護カバー404によって取り囲まれ、この保護カバー404にしっかりと固定されていてもよい。一部の態様において、保護カバー404は、気密性を有するが、真空に耐えることができない可能性がある(例えば、保護カバー404の中を通るような空気の流れを可能にする可能性がある)。しかしながら、真空チャンバ壁32との関連で上述したように、所望に応じて、保護カバー404は、真空を耐えるのに十分な強度を有するハウジングを備えることもできる。上記のように、加熱装置112及び断熱材22は、最も内側の断熱材22の層によって画定されたホットゾーン28を画定するようにレトルト406を少なくとも部分的に取り囲んでいてもよい。断熱材22は、むき出しの内側断熱材24からできた1つ以上の層を備えることができる。所望に応じて、炉400内の断熱材22は、防水バリア126によって炉400の内部から隔離されている、隔離された断熱材24からできた1つ以上の層を備えることもできる。しかしながら、前述の隔離は、レトルト406自体をシーリングし、真空を適用することによって達成されるため、所望に応じて、バリア126を省略することもできる。
レトルト406は、非多孔性材料、例えば、焼結SiC(例えば、Saint-Gobain Hexalloy等の焼結アルファSiC)、アルミナ、反応焼結シリコナイジングSiC(RB Si SiC)、又は、窒化物結合SiC等の任意の適切な非多孔性耐火物を含んでもよい。レトルト406は、ムライト(若しくは他の高温用セラミック)、310S(若しくは他の耐火金属)又はニッケル合金を含んでもよい。少なくとも一部の実施形態においては、タングステン又はモリブデン等の反応性がより高い耐火物が、レトルト中に使用されてもよい。反応性がより高い材料を使用した場合、例えばレトルト及び断熱材(例えば、断熱材パック)を気密性のある保護カバー又はハウジング404の中に入れることにより、不活性雰囲気によってレトルト406を取り囲むことが有益なこともある。例示的な実施形態において、焼結温度がいくらかより低い場合では、本明細書におけるコンセプトは、ニッケル合金及び/又は310S等の高温用鋼から製造されたレトルトに適用することもできる。例えば、銀を焼結するための炉は、本明細書において開示されたコンセプトによるシーリングされた金属レトルト(例えば、310Sを含む)を用いた場合、約950℃等の相対的により低い焼結温度で動作可能なものであってよい。レトルト406は、焼結温度においてさえも、(レトルトシールを形成し得る)レトルトシール412の非常に性能が高いシーリングを提供することができる。レトルトシール412は、(例えば、ガスケットによって形成された)内側シール及びペクレシール416を備えることもできるが、これらは後述されており、例えば図29に示されてもいる。ペクレシールを設置するために、スイープガス422がレトルトシール412にポンプ排気されてもよい。一部の態様においては、シール412内におけるスイープガス422の流れにより、不活性ガスの流れが、レトルト406の内容積に向かう外気の拡散を抑制するのに十分な速度を確実に有するように、環境制御システム58の1個以上のポンプによってスイープガス422を供給することができる。
スイープガス422は、アルゴン等の実験用グレードの不活性ガスであってもよい。一部の態様において、レトルト406の内部へのスイープガス422の漏れは、焼結にとって無害であり、又は役に立つ可能性さえある。例えば、スイープガス422がレトルト406内に漏れる場合であれば、焼結にメリットを与えるという目的で、水素を含有するフォーミングガスが、スイープガス422に含まれてもよい。一部の態様において、少量の空気がシール412の中を通ってレトルト406の内部に漏れる可能性がある。しかしながら、このようなレトルト406の外部からの有限量の空気の漏れ又は拡散は、スイープガス422の使用により、十分に小さいものに保つことができる。したがって、例えば、パーツ・パー・ミリオンの純度、パーツ・パー・ビリオンの純度又はこれら以上の純度を有する焼結雰囲気を用意するという目的で、汚染物質が、炉400内で処理される部品の品質に悪影響するのに十分な量で汚染物質がレトルト406に進入することを防止できる。さらに、レトルト406内の雰囲気は、プロセスガス420の施用と、排出物424の除去のために適用される真空とによって、制御することができる。
図27~図29は、それぞれレトルト406の例示的な構成の分解立体図、組立図、断面図及び詳細図を示している。図27に示されているように、レトルト406は、任意の適切な形状(例えば、図27及び図28に図示のようなドーム状の形状、正方形若しくは長方形の形状又は円筒形の形状)を有する取り外し可能なレトルトボディ410を備えることができる。レトルト基部408は、レトルトボディ410を密封しながら受け入れるための任意の適切な形状を有することができる。毎回の使用後又は所定の回数の使用後に置きかえることができる犠牲的なガスケットであってもよい、真空ガスケット414は、レトルトボディ410とレトルト基部408との間に配置することができる。ガスケット414は、例えばグラフォイルガスケット材料、セラミック繊維ガスケット、他の積層構造の及び/又は繊維状の耐火物からできたリングによって設置された、内側シールを形成することができる。グラフォイルガスケットは、真空下で使用された場合、比較的透過性を有し得る(又は漏れやすいものであり得る)が、他のシーリング材とは異なり、グラフォイルガスケットは、極めて高い温度、例えば、1,400℃超の温度を耐えることができる。レトルト406は、半径方向の幅がおよそ0.1インチ~およそ0.40インチの真空ガスケット414を受け入れるようにサイズ調整されていてもよい。一部の態様において、ガスケット414は、約0.001インチ~約0.005インチの厚さ又は約0.005インチ~約0.05インチの厚さを有し得る。特に、ガスケット414は、約0.05インチ~約0.1インチの厚さを有することができる。
1個以上のスイープガス導管又はペクレ管(Peclet tube)426及び1個以上のプロセスガス導管又は管428をプレート408に接続し、本明細書に記載された任意の適切な方法によってシーリングすることもできる。複数のペクレ管426が備えられる場合、第1のペクレ管426は、スイープガス422をペクレシール416(図28、29)に供給するように構成されてもよいが、第2のペクレ管426は、真空を適用し、スイープガス422を除去することができる。しかしながら、少なくとも一部の態様においては、複数の管426のそれぞれが、スイープガス422を供給することができる。同様に、プロセス管428は、プロセスガス420(スイープガス422と同じガスであってもよいし、又は異なる不活性ガスであってもよい)をレトルト406の内部に供給することができ、1個以上のさらなるプロセス管428は、排出物424を除去するために真空ポンプに接続されていてもよい。スイープガス溝又は流路444は、真空ガスケット414を取り囲むように延在し得る。少なくとも一部の態様において、第1の管428は、スイープガスをペクレシールに供給することができるが、第2の管は、ペクレシールの状態及び/又は性能のモニタリング等のその場での診断を実施するという目的でスイープガス422の純度をサンプリング及び/又はするために使用され得る。
図30及び図31は、概ね円筒形に延在する断熱材区画402(例えば、断熱材24に対応する、シーリングされていない又はむき出しの断熱材)及び加熱装置112を備える炉400の例示的な構成を示す、断面斜視図である。断熱材402は、アルミナ繊維断熱材のリジッドボードから形成されてもよい。加熱装置112は、SiC炉加熱装置(例えば、ヘリカル抵抗型の炉加熱装置)であってもよい。様々な炉加熱装置を使用することが可能であり、Kanthalワイヤーを含むニッケル合金又は他の公知の加熱装置用耐火材が挙げられる。一部の態様において、SiC加熱装置を使用することもできるが、加熱装置の材料はSiCに限定されない。上記のように、保護カバー404は、断熱材402及びレトルト406を取り囲むように設けられてもよい。所望に応じて、保護カバー404は、気密性のあるものであってもよく、不活性ガスを供給されてもよい。
図31に示されているように、一体形断熱材402を有するレトルト基部408を上げ下げすることによって、レトルト406に搬入することができる。このような実施形態において、レトルトボディ410は、断熱材402又は炉400の別の構成要素にしっかりと固定することができる。これは、例えば管426と管428とを切り離すことによって実施され得る。代替的には、レトルトボディ410は、適切な昇降機構により、断熱材402の一部と一緒に昇降され、レトルト基部408から隔離されてもよい。
III-2.ペクレシーリング
図32及び図33は、内側シール430及び外側シール416を備えることができるレトルトシール412の特徴を示す、断面図を示している。内側シール430は、真空ガスケット414によって形成されてもよいが、外側シール416は、不活性及び/又はプロセスガスを含むスイープガスの流れを受け入れるように構成されており、本明細書においては「ペクレシール」と呼ばれる、シールによって形成されてもよい。一態様においては、例えばガス流による拡散を遮断することにより、外側シール416は、内側シール430との比較でより高い隔離性能を有することもできる。例えば、内側シール430の真空ガスケット414は、上記のように、グラフォイル(例えば、レトルト406に組付けられたらすぐにガスケットの軸方向に沿って積み重ねられた、高度に圧縮された黒鉛からできた複数の薄層から形成されたシール)から形成されてもよい。内側シール430を設置するために、厚さが0.015インチで直径が10インチのホイルから形成されたグラフォイルガスケットは、少なくとも一部の実施形態においては真空によって供給され得る約10~約100又は約100~約1,500ポンドの力を用いて、幅1mmの平坦な隆起部又はガスケットレッジ434によって圧縮され得る(又はつぶされ得る)。したがって、真空の力自体が、ガスケット414を圧縮するのに十分な力の供給源を提供することができる。このようなグラフォイルシールは、前述の(例えば、弾性回復点を超えている)状況下においては、完全につぶすことが可能であり、高真空用途向けには多いリーク量であると考えることができるおよそ0.001~1標準リットル毎分(SLM)に相当する約0.01~約1トルリットル毎秒(TL/s)のリーク量を達成することができるものであり得る。一般的に、約1トルリットル毎秒~約0.001トルリットル毎秒のリーク量は、不適合な真空プロセスであると考えることができる。しかしながら、このような漏れの外側にさらなるシールとしてペクレシーリングを使用することにより、外部の周囲環境から漏れそのものを隔離することが可能であり、これにより、真空レベルにかかわらず、驚くべき程に高い純度をもたらすことができる。例えば、本開示を実施することにより、1トルリットル毎秒のガスケットリーク量を用いた場合であっても、1パーツ・パー・ビリオン(PPB)の純度レベルを有する真空焼結雰囲気が生じた。
内側シール430は、ガスケット414を締め付けることによって、少なくとも部分的に設置され得る。この締付けは、締付け機構を用いることなく実施することもできるし、代わりに、レトルト406に適用された真空の力(例えば、約15PSIの力)を用いて、ガスケット414を圧縮し、押しつぶすこともできる。直径が10インチのガスケット414の場合、およそ1,200ポンドの力が、高真空を維持するために生成された15PSIの真空の力に起因し得ることには留意する。例えば図26~図33に示された炉400を採用したシステム10は、ガスケット414に沿っておよそ37ポンド毎リニアインチに相当し得る、概ね1,000~1,200ポンドの力をガスケット414にもたらすことになる、ハードバキューム(hard vacuum)(例えば、10Torr以下)を確立及び維持するように構成されてもよい。一態様において、ガスケット414は、約30%又は約50%つぶされ得るが、これらのつぶれは、それぞれ約30%又は約40%の厚さの減少に相当する。特に、ガスケット414は、約50%~約60%の量でつぶされ得る。上記例示的な量の力は、物理的な締付け機構を必要とすることなく、レトルト406の基部408及びボディ410をしっかりと固定し、シーリングするのに十分であり得る。したがって、所望に応じて、レトルト406は、クランプなしで形成することもできるし、及び/又はプレート、フランジ等のクランプを支持するための構造なしで形成することもできる。真空用途と非真空用途の両方に使用するためのレトルトの場合、又は約300Torrより高い真空中で使用されるレトルトの場合、レトルトは、例えば押し棒又は断熱材からできた1つ以上の層の中を通って延在する他の構造を用いて、断熱材の外側から上方より押し下げることができる。シーリングを改善するために、任意選択によるより鋭いナイフエッジがレッジ434に含まれてもよい。
十分に高いレベルのシーリングは、図22A~図22Cとの関連で上述したようにスイープガス422がレトルトの外周部又は周縁部の周りを流れることができるように、スイープガス422を辺縁方向に延在する溝又は流路444に供給することによって、達成することができる。溝444は、辺縁方向に延在すると言及されてはいるが、溝444の形状は、最終的には、レトルト406の周縁部の形状に左右され得ると理解されており、例えば、長方形のレトルト406は、長方形の溝444をもたらし得る。したがって、この例示的な実施形態との関連で使用されている文言がこの特定の実施形態の円筒形の構成を反映していることもあるが、レトルトの形状及び付随的な構造は、可能な形状又は構成に決して限定されることはない。図33を参照すると、レトルトボディ410は、レトルト基部408の一面に対向するレトルトボディ面438を備えることができる。外側シール416は、清浄な側(スイープガス溝又は流路444)を、相対的に汚い側(レトルト410の外側)に接続する、半径方向に延在する流路418を備えることができる。流路418は、レトルト406の1つ以上の辺縁位置に設けられてもよいし、又はレトルト406の外周全体の周りに延在してもよい。
図34及び図35を参照すると、ペクレシール416の性能は、拡散率で割ったガス速度と流路長さの積に対応する、単位のないペクレ数の観点から評価することができる。図34は、流路418及び流路418の中を通るスイープガス422の流れの概念図である。
本出願人により、周縁部の全体に沿ってこれらのペクレギャップシール(Peclet gap seal)のための一様なシーリングを得るためには、シールを供給する溝444のコンダクタンスが、全体的なペクレギャップ(Peclet gap)自体の流体コンダクタンスの約10~約100倍であることが望ましい可能性があることが認められた。これにより、溝444に沿って圧力損失を防止又は低減し、ペクレシールの周縁部に沿って一様な圧力を促すことができる。ペクレギャップシールは概して、ギャップサイズの変化に影響されやすいものであり、良好な密封性は、ギャップサイズのバラつきがギャップ自体より著しく小さい場合に達成できることには留意する。例えば、本開示のペクレシールは、空間的な変動が約20%以下である場合、改善されたシーリングを提供することができる。ペクレギャップシールの空間的変化は、熱衝撃によるゆがみ、不十分な機械加工、又は、ギャップ表面間の平面度及び平行度による他の望ましくない偏差によって起きる可能性がある。例示的な実施形態においては、ペクレギャップの流体コンダクタンスとの比較で1/10~約1/1000の流体コンダクタンスを有する介在する多孔性材料446は、ペクレギャップ(例えば、流路418)と溝444との間に配することが可能であり、この結果、多孔性インピーダンスがペクレギャップの辺縁の周縁部に沿った流れの分配を支配することができるため、介在する多孔性材料は、ペクレギャップの変化に対する影響されやすさを大幅に軽減し、及び/又はなくすことができる。例示的な実施形態において、約0.001ダルシー~約0.0001ダルシーの多孔度を有する、黒鉛、多孔性窒化物結合SiC等の多孔性媒体。様々なグレードの黒鉛、多孔性SiC、多孔性セラミック又は多孔性窒化物結合SiCが、約0.001ダルシー~約0.0001ダルシーの多孔度をもたらすように構成され得る。このような多孔性媒体は、ペクレギャップサイズの50%の変化、場合によっては最大100%の変化を可能にするのに十分な補償を提供することができる。場合によっては、介在する多孔性材料446を用いない場合、溝444は、ペクレギャップの辺縁に沿って一様な圧力を確保するために、ペクレギャップより大幅に高いコンダクタンスを有することもできる。ペクレギャップの辺縁に沿って圧力が実質的に一様であるとき、ペクレギャップの中を通る流量の辺縁における分布は、ペクレギャップサイズによって左右され得、1/ギャップの係数でギャップサイズに応じて局所的に変化し得る。上記に従えば、ペクレギャップの中を通る流量がある領域内で低下した場合、当該領域における流速も低下する可能性があり、比例して、ペクレシーリングは、当該領域内においては劣化する可能性がある。これとは著しく異なり、介在する多孔性材料446及び上記と同じ総流量を用いる場合、介在する多孔性材料446によって用意された一様に分布するインピーダンスは、ペクレギャップのインピーダンスの変化を支配し、ペクレギャップの辺縁に沿って一様なガス流を促すことができる。
図34及び図35を参照すると、ペクレシール416の性能は、拡散率で割ったガス速度と流路長さの積に対応する、単位のないペクレ数の観点から評価することができる。図34は、流路418及び流路418の中を通るスイープガス422の概念図である。ペクレシーリングは、純粋なガスの流れの上流側における汚染物質の拡散を圧倒するのに十分なほどに一様で迅速な速度で供給される比較的清浄で純粋なガス(例えば、スイープガス422又はプロセスガス)の流れの結果として、概念化することができる。一例として、約10フィート毎分~約50フィート毎分の流量若しくは約50フィート毎分~約100フィート毎分の流量、又は特に、100フィート毎分超の流量を有する比較的長い管は、特に清浄なガスの流れが特定の管の長さにわたって比較的層流状である場合、拡散を阻害すると予想され得る。一部の態様において、ペクレ流路(Peclet flow channel)の長さが長いほど、ペクレ隔離(Peclet isolation)がより効果的になっていく。ペクレシールは、ペクレギャップによって形成されてもよいが、本明細書に記載のように、管又は導管は、ペクレシールを作り出すように構成することも可能であり、この結果、流量が所与の量である場合においては、より長くより細い導管により、相対的に改善された隔離をもたらすことができる。
ペクレシーリングに関する上記説明は、図35に示されているように解し、定量化することができるが、図35は、ペクレ数の関数として(例えば、相対的に汚い側又はレトルト410の外側からの汚染の)正規化されたチャンバ濃度を示すチャートである。正規化されたチャンバ濃度の最大値は、レトルト410内における100%の濃度に対応し得るが、点線は、レトルト410のチャンバ内における最大の望ましい濃度を表す。ペクレ数は、
Figure 2022531053000062
(式中、Peが、ペクレ数を表し、uが、管又は流路の中におけるスイープガスの平均速度を表し、Lが、管の長さを表し、Dが、目する種(例えば、汚染源)の拡散率を表す。)に対応し得る。ペクレ数の増加は、シーリングの増進と関連付けられ得る。したがって、速度又は管の長さが増加するにつれて、スイープガス422は、汚染を含み得る外気の拡散をより効果的に妨害することができる。したがって、所与のガス流速においては、ペクレ数は、より細い又はより長い流路418の使用によって増大させることができる。例えば9インチ(約22.9cm)のレトルトを採用した場合、厚さが25~150μmの1cmの流路長さは、「清浄な」内側のガスとの比較で「汚い」又は汚染された外側のガスをパーツ・パー・ミリオンの水準での隔離を達成すると見積もられる。ガスの速度の上昇及び管又はギャップの長さ(例えば、流路418の長さ)の増加は、性能の向上と関連付けられ得る。
一部の態様において、外側(ペクレ)シール416(例えば、図32及び図33を参照されたい。)は、内側(清浄な側)から外側(汚い側)まで少なくとも約1cmの長さを有する流路418を備えることができる。面436及び438によって画定された流路418のギャップは、約0.001インチ~約0.010インチの範囲又は約0.002インチ~約0.005インチの範囲であり得る。したがって、レトルト406の外側ペクレシール416は、外気に対するおよそ1ppmの隔離を提供することができる。別の言い方をすれば、スイープガス422の分子100万個ごとに、約1個の空気の分子(スイープガス422との比較で相対的により多い量の汚染を含有し得る)が、流路又は溝444の中に存在し得る。およそ0.1~およそ2.0標準リットル毎分(SLM)又はおよそ0.1SLM~およそ1.0SLMのスイープガス442は、このような隔離を達成するのに十分であり得る。スイープガスは、質量流量が一定のままである又は低下しているときでさえ、流路418のギャップ内における見かけの流量が増大し得るように膨張することができる。グラフォイルガスケット414がおよそ0.1トルリットル毎秒(TL/s)等の比較的大きいリーク量を有する構成においては、0.01SLMである1ppmの汚染されたスイープガスがシステムに進入すると予想されているが、これは、およそ10-9SLMの外気に相当するであろう。このような汚染は、プロセスガス420によってさらに希釈することができる。例えば、1SLMのプロセスガス422の流れは、10-9SLMをさらに希釈して、プロセスガスに対して外気をパーツ・パー・ビリオンの水準で希釈することを達成できる。
III-3.大気圧構成又は低真空構成
図36及び図37は、中真空、大気圧及び/又はわずかに正の圧力で使用され得る、炉400Aを示している。例えば、炉400Aは、約300Torrの真空で使用することができる。図36に示されているように、炉400Aは、気体導入管452を介してプロセスガス420を供給するための、システム58(図1)と同様の環境制御システムに連絡したレトルト450を備えることができる。真空又はガス排出管454は、炉400Aから(プロセスガス420と、部品90からのオフガスとの混合物を含有し得る)排出物424を除去するためにレトルト450から延在してもよい。図37に最もよく示されているように、レトルト450は、レトルト450の外側から溝444に漏れるガスの大部分が隔離され得るように溝444からレトルトの内側を隔離するためのペクレシールとして機能する内側流路455を介して、レトルト450の内部から隔離された流路又は溝444を備えることができる。一態様において、流路444及び455は、内側レトルトシールを形成することができる。レトルト450の外側シール448は、ラップシール又はガスケットによって形成されてもよい。外側シール448がグラフォイルガスケットを備える実施形態において、レトルト400Aは、点線404によって示された少なくとも部分的に気密性のあるチャンバの中に収められていてもよいが、断熱材402は、アルゴン又は窒素等の乾燥不活性ガスによってフラッシングされてもよい。
III-4.ペクレ管シーリング及び管延長部
図38及び図39は、ペクレ管シール456を形成するようにレトルトの外側に装着された、ペクレシールの一適用例を示している。一態様において、ペクレ管シール456は、炉(例えば、壁32)の構成要素と、(図1に示された)真空を適用するための管73及び/又はプロセスガス71を供給するための管78等の環境制御システム58の構成要素との間に管シールを備える、本明細書に記載の導管又は管のいずれかのために使用することができる。図38及び図39に示された例においては、ペクレ管シール456は、レトルトと、スイープガス422の供給及び/又は真空の適用のための管426及び/又は428(図27及び図28を参照されたい。)に対応し得るレトルト導管又は管462との間にレトルト管又は導管シールとして使用され得る。図38は、レトルト基部408に対するシールを形成するペクレ管シール456を示す、斜視図である。
図39は、レトルト406の内部にプロセスガスを供給し、又は真空を適用することができる、ペクレシーリングされたレトルト管462を示す、断面図である。シーリングされたレトルト406のための良好なシーリングを達成するために、レトルト管462は、辺縁方向に延在するスイープガス流路466に進入したスイープガス422の流れを受け入れることができる。流路466は、ほぼ円形の経路を有することができるが、上記のように、長方形等の他の形状が採用されてもよい。ペクレシールギャップ(例えば、流路418によって形成されたギャップ。図33)との関連で上述したように、ペクレ流路(Peclet channel)456は、レトルト基部408と、約0.001インチ~約0.005インチ又は約0.005インチ~約0.010インチのフランジ457の壁との間に画定されたギャップ又はペクレギャップ458を有し得る。スイープガス422は、ペクレギャップ458を介して流路456から抜け出ることができる。一態様において、内側管シール460は、比較的漏れやすい継手(例えば、焼結結合又は高温用接着剤による漏れやすい結合)を形成するようにレトルト基部408と、レトルト管462の近接部分との間に延在し得る。しかしながら、レトルト406の内部の汚染は、管シール456によって防止又は低減することができる。
図40を参照すると、レトルト管462は、管延長部470にしっかりと固定されていてもよい。一態様において、レトルト管462は、管延長部470にろう付けされたモノリシック部材であってもよい。例えば、モノリシック部材は、SiCの焼結前に同じ未焼結部品から形成されたプレート組立体の一部である、レトルト管462を指す。場合によっては、モノリシック部材とは異なり、レトルト管462は、基部408に焼結結合することもできる。このろう付けは、金合金、銅合金及び/又は例えばMorgan Inc.から入手可能なその他のもの(例えば、Morgan Inc.から入手可能な銅ABAろう付けホイル)等、様々な公知の高温ろう付け合金によって達成することができる。この銅ろう付け又は他のろう付けは、約800℃異常の温度に耐え得るろう付け継手468を形成することができる。より高い温度向けのろう付け継手68は、Si粉末と、約1,000℃又は約1,300℃で稼働可能なものであり得る黒鉛炉との使用によって形成することができる。したがって、最大使用温度は、不活性雰囲気が供給られている場合においては、1,300℃超であり得、他の条件においては、約900℃以上であり得る。一態様において、管462は、約2インチ~約5インチの長さを有することができ、(ホットゾーンの外側の)断熱材22の中に設けられてもよい。一部の態様においては、より短い長さ(例えば、約1.5インチ~約3.0インチの長さ又は約1.5インチ未満の長さ)を有するレトルト管462を使用することもできる。より短い長さは、ろう付け継手468がさらされる温度を上昇させる可能性があるが、より短い管の使用は、プレート(基部408)及び管462にSiCを使用することによって達成され得る。
IV.ソリューション3:環境制御システムにおける汚染防止
図41は、入口ガスマニフォールド98及び/又は真空ポンプ排気用マニフォールド74の構成要素のバインダー汚染を低減し、又はなくすための、炉システム10と一緒に使用することができる例示的な炉800を示している。上記少なくとも一部の実施形態は、バインダー材料からの汚染を含む汚染に対してレトルトをシーリングすることができるが、レトルトの1個以上の導入又は排出導管又は管の汚染、特に、バインダー材料に関する汚染を防止又は軽減することが有益な場合もある。例えば、バインダーは、熱脱脂中にはレトルトが部品90と同じくらい熱い(又はより熱い)ものである傾向があり得るということが少なくとも理由になり、本明細書に記載のシーリングされたレトルト(例えば、200)又は真空レトルト(例えば、406)の中でする傾向がないこともあり得る。したがって、バインダーは、脱脂中にレトルトに付着又は吸収される傾向がないこともあり得る。図1との関連で説明したように、入口ガスマニフォールド74は、ガス供給管路72からプロセスガス(例えば、図1に示されたガス71)を導入することができる。図41に示されているように、バルブ62は、プロセスガス用管路78の中を通るプロセスガス71の流れを制御するように構成されてもよい。管又は導入管路94は、供給管路72と、プロセスガス用管路78との間に延在し得る。上記のように、断熱材22(例えば、断熱材24)によって取り囲まれたホットゾーン28は、熱処理中にプロセスガス71を受け入れることができる。真空ポンプ排気用マニフォールド74の1つ以上の真空用管路73は、プロセスガス71を揮発バインダーと一緒にして除去することを容易にすることが可能であり、真空圧力をホットゾーン28に適用することもできる。1個以上のバルブ62、バインダー捕集装置64及び真空ポンプ60が、真空用管路73の下流側に設けられてもよい。
一部の態様において、バインダー捕集装置64、真空ポンプ60及び管路73は、脱脂処理中に炉によって処理されている部品から放出された揮発バインダーによって汚染された状態になる傾向があり得る。一部の構成においては、上流側構成要素(例えば、プロセスガス71に関する作業区域28の部分)も、脱脂及び/又は焼結中に汚染された状態になる傾向があり得る。したがって、上記炉(図41においては、作業区域28として示されている)のシーリングされたレトルトの内部又は内側チャンバの内部を、汚染から隔離することが望ましい。
このような汚染は、比較的小さい直径及び比較的長い長さを有する入口ガスマニフォールド74の導入管路94を形成することによって、防止又は限定することができる。例えば、導入管路94は、約10インチ~約30インチの範囲の長さを有するように形成することもできる。導入管路94の内径は、約0.125インチであってもよい。図34及び図35との関連で説明したように、導管又は管は、清浄なガスの流れが所与の量である場合においては、相対的により長くより細い導管が、相応に改善された隔離を提供することができるような態様で、ペクレシールを作り出すように構成することもできる。長くて細い管又は管路94の採用により、入口は、上記の方法と同様にペクレシーリングを活用することによってレトルトから隔離することができる。このシーリング及び本明細書に記載の他のシールのいずれかは、その全体を参照により本明細書に組み込む2019年5月28に出願された米国仮特許出願第62/853,561号に記載のようにして実施することできる。本明細書に記載された1つ以上のシステム及び/又は炉は、触媒コンバータ、又は、その全体を参照により本明細書に組み込む2018年11月29日に出願された米国特許出願第16/204,835号明細書に記載の特徴のいずれかを備えることもできる。
表面を脱脂温度以上に維持することは、これらの表面のバインダー汚染を防止する傾向があり得る。したがって、作業区域28の下流側(例えば、真空用管路73の中で、真空用管路73の下流側)におけるバインダー汚染を防止又は現地するために、1つ以上の管又は管路加熱装置750が管路73に隣接して配置されてもよい。一態様において、加熱装置750は、管路73の通常ならばより冷たい部分(例えば、作業区域28の外部又は真空チャンバ壁32の外部の管路73の一部)が約300℃超の温度、約400℃超の温度及び最大約500℃の温度に維持されるように熱を発生させることができる。1個以上のバルブ62が、管路73の下流側に設けられてもよい。これらのバルブ62のそれぞれは、バルブ断熱材752によって取り囲まれていてもよく、約300℃、400℃又は500℃の各温度で動作するように構成されてもよい。バルブ加熱装置754は、これらの温度を維持するために、バルブ62のうちの1個以上に隣接して配置されてもよい。
図41に示された炉800の例示的な構成においては、2個のバルブ62が設けられている。一態様においては、第2のバルブ又は焼結処理用バルブ62Bが完全に閉じた状態に維持されたままで、(例えば、図1に示された制御装置76からのコマンド信号によって)第1のバルブ又は脱脂処理用バルブ62Aを開いて、脱脂処理中にポンプ60による真空圧力の適用を可能にしてもよい。このようにする代わりに、焼結処理中、制御装置76によって脱脂処理用バルブ62Aを完全に閉じた状態に維持しながら、焼結処理用バルブ62Bを開いておいても。焼結処理中にのみ使用するために、別個の焼結処理用ポンプ60Aが設けられてもよい。
一部の態様において、少なくとも脱脂中には管路73に高温を維持することにより、揮発バインダーの保持を防止又は低減することが可能であるが、その理由は、高温により、揮発バインダーが縮合し、又は管路73に集まることを阻害することができるためである。同様に、焼結及び脱脂処理用バルブ62の高温により、バルブ内への揮発バインダーの保持を防止することができる。さらに、焼結処理用バルブ62が脱脂中に完全に閉じた状態に維持されるため、焼結処理用バルブ62の汚染をさらに低減することができる。したがって、焼結処理用バルブ62が焼結処理中に開かれているときには、汚染を著しく低減することができる。
代替的な構成においては、ポンプ60Aが省略されてもよい。この構成においては、さらなる管又は管路94Aは、焼結処理用バルブ62Bを真空ポンプ60と接続することができる。管路94Aは、管路94と同じ又は類似する寸法を有することが可能であり、ポンプ60と、焼結処理用バルブ62Bとの間で流体の隔離(例えば、ペクレ隔離)を提供するように構成されてもよい。図34と一緒に説明したように、ガス流が入った長くて細い管は、汚染された出口と、清浄な入口との間にペクレシーリングを設けることができる。
V.ソリューション1~3の例示的な用途
V-1.レトルトシール組合せ
図42A~図42Eは、気密性のある又は多少多孔性のシーリングされたレトルトを含むシーリングされたレトルトによって実装され得る二重レトルトシールの実施形態を表す、例示的なレトルト200の部分の断面図である。図42A~図42Eのそれぞれにおいて、左側は、真空又は大気圧でレトルトをじかに取り囲んでいる環境であってもよい、レトルトの外側を表す。一般に、この雰囲気は、周囲の圧力、分圧又は真空圧力(例えば、チャンバ壁32内のもの)にかかわらず、不活性(例えば、1%未満の酸素、好ましくは0.01%未満の酸素)であり得る。上述したように、外側チャンバ32は、真空チャンバを形成することができる。代替的には、外側チャンバ32は、真空チャンバではないが、チャンバ壁32の内側の不活性雰囲気を支持するのに十分であり得る、気密チャンバを形成することができる。
図42A~図42Eのそれぞれにおいて、右側は、部品90を受け入れるように構成された、レトルトの内部を表す。図42A~図42Eのそれぞれにおいて、右側のシールは、内側シール(902から始まる)を表し、左側のシールは、外側シール(904から始まる)を表す。図42A~図42Eに示された例示的な構成のそれぞれにおいて、レトルトは、シール間に溝(図示なし)を備えることもでき、及び/又は、ガスケットは、溝が不要になるようにシール間に空間を作り出すのに十分に厚いものであってもよい(例えば、約0.05インチ~約0.1インチ)。図16、図17、図22A、図38及び図39との関連で上述したように、ラップシールは、互いに直接接触している対向する表面によって形成されてもよい。一般に、レトルトラップシールは、比較的高い度合いの平面度に至るまで機械加工及び/又は研削された表面どうしの接触によって形成することができる。例えば、黒鉛レトルトの場合、平面度は、約0.001インチ~約0.003インチ、約0.003インチ~約0.005インチ等であり得る。SiC又は他のセラミックレトルト材料の場合、ラップシール又は重ね継手の平面度は、約0.0001インチ~約0.0005インチ又は約0.0005~約0.0015インチであり得る。
図42Aに示されているように、内側シール902A及び図外側シール904Aはそれぞれ、ガスケットシールであってもよい。図42Bを参照すると、内側シール902Aは、外側ラップシール904Bと組み合わせることもできる(例えばバリア126を説明した図5A及び図5Bとの関連での、上記ラップシールについての論述を参照されたい。)。図42Cは、外側ガスケットシール904Aを基準にして内側に配置された内側ラップシール902Bを示している。図42A~図42Cに示されているように、内側シール902と外側シール904との間に延在する溝又は空間には、例えば図22Aとの関連で上述したようにして、スイープガスを注入することができる。代替的には、内側シール902と外側シール904との間の空間は、スイープガスを注入して、又はスイープガスを注入することなく、真空ポンプ排気することもできる。
図42Dは、(例えば、図32及び図33との関連で)上述したペクレシールによるペクレギャップ904Cを有する外側ペクレシールに対して内側に配置された、内側ガスケットシール902Aを示している。図42Eは、ペクレギャップ904Cを基準にして打つ側に配置された、内側ラップシール902Cを示している。図42D及び図42Eの構成に関しては、スイープガスは、ペクレシーリングに関する上記説明に従って、溝又は空間に施用することができる。ガスケット(例えば、ガスケット902A、904A)を備える各構成においては、ガスケットは、グラフォイルガスケットであってもよいし、又は、セラミックフェルト若しくは繊維等の別の適切な高温用ガスケットであってもよい。図示はないが、ここで、1個以上のさらなる外側シールが、第3、第4(又はそれ以上)の内側シール及び/又は外側シールを形成するように備えられてもよい。
図42F~図42Hは、気密性のある非多孔性真空レトルトによって実装された二重レトルトシールの実施形態を表す、例示的なレトルト406の断面図である。これらの二重シールは、レトルトの外側にある通常の周囲空気との間で十分に機能するように構成されてもよいが、任意選択により、図42F~図42Hの構成の真空レトルト406の内部の雰囲気の純度は、それぞれが不活性空気及び/又は真空によって真空レトルトを取り囲むためのものである気密チャンバ又は真空チャンバとして外側チャンバを組入れることによって、高めることもできる。図42A~図42Eと同様に、右側は、(部品90を受け入れる)レトルト406の内部を表すが、左側は、レトルト406の外部を表す。図42F~図42Hのそれぞれにおけるシール906Aは、内側シールを表し、(908から始まる)左側のシールは、外側シールを表す。図42F~図42Hに示された実施形態のそれぞれにおいては、溝が不要になるようにそれらの間に空間を作り出すのに十分な厚さ(例えば、約0.05インチ~約0.1インチ)を有するシール及び/又はガスケットどうしの間には、溝(図示なし)が存在してもよい。
図42Fは、ペクレギャップ908Aを有するペクレシールを基準にして内側に配置された、内側ガスケットシール906Aを示している。図42Gは、外側ガスケットシール908Bに対して内側に配置された、内側ガスケットシール906Aを示している。図42Hは、外側ラップシール908Cに対して内側に配置された、内側ガスケットシール906Aを示している。図42G及び図42Hに締めされているように、内側シールと、外側シール906及び908との間に延在する溝及び/又は空間には、例えば図22Aとの関連で上述したようにして、スイープガスを注入することができる。代替的には、内側シール906と外側シール908との間の空間は、スイープガスを注入して、又はスイープガスを注入することなく、ポンプ排気することもできる。ソリューション2との関連で上述した図42Fに図示の実施形態に関しては、スイープガスは、ペクレシーリングに関する上記説明に従って、溝及び/又は空間に施用することができる。ガスケット906A又は908Bのそれぞれが、グラフォイルガスケット、又はセラミックフェルト若しくは繊維等の別の適切な高温用ガスケットを備えることができる。図42A~図42Eとの関連で上述したように、さらなる内側及び/又は外側シールが、第3のシール、第4のシール等を形成するように備えられてもよい。
これらの図42A~図42Hの構成は、説明をわかりやすくするために含まれるものであり、可能なあらゆるシーリング機構又はシーリングの組合せを記載しているわけではなく、限定を加えるものとして意図されていない。例えば、図42A~図42Hには示されていないが、内側シールと外側シールとの両方が、図22Aに示されたラップシールであってもよい。さらに、複数のペクレシールは、本明細書を手に入れた当業者によって想定され得る様々な構成で直列に配置されてもよいことを理解すべきである。さらなるペクレシールを含むさらなるシールの数に制限はない。
V-2.熱処理
上記システム及び炉は、脱脂及び/又は焼結等の1種以上のプロセスによる様々な種類の部品90の熱処理のために使用することができる。少なくとも一部の態様において、部品90は、印刷された三次元的なステンレス鋼部品等、積層造形プロセスによって製造された金属部品であってよい。特に、部品は、17-4合金鋼を含むことができる。本明細書に記載のシステム及び炉は、このような部品どうしが脱脂処理中に結合するのを防ぎ、及び/又は、それから焼結処理中に部品が形成されることになる粉末粒子どうしを融合するために有用であり得る。
図43は、熱処理中の炉100、400又は800のホットゾーン28内における例示的な温度サイクルを示す、チャートである。図43に示された熱処理は、脱脂部分と焼結部分との両方を含むが、脱脂又は焼結は、別々に実施することもできる。熱処理の開始時において、温度は、昇温中、例えば、脱脂処理用の昇温738中には比較的緩やかに上げられる。脱脂処理用の昇温738は、およそ8時間の期間にわたって実施することができるが、部品90のサイズ、数及び形状、部品90中に存在するバインダーの種類並びに各部品90を形成する粉末粒子のサイズを含む要因に応じて、より長い又はより短いものであってもよい。これに応じて、昇温738中に温度が上昇する速度を上昇又は低下させることもできる。
昇温738の終了時に、ホットゾーン28内の温度は、およそ500℃に到達し得る。この温度に到達したらすぐに、ホットゾーン28内の温度は、脱脂滞留時間DTにわたって存在する脱脂滞留期間740の間には、概ね一定に保たれてもよい。この滞留時間DTは、およそ1時間にわたって持続し得るが、上記要因のうちの1つ以上に応じてより短くてもよいし、又はより長くてもよい。
滞留時間DTの終了時に、ホットゾーン28内の温度は、焼結処理用の昇温742中に再び昇温し始めてもよい。図43からわかるように、ホットゾーン28内の温度は、焼結処理用の昇温742中には、脱脂処理用の昇温738との比較でより早い速度で上昇し得る。昇温738中の温度上昇の持続期間及び速度は、部品90に関連付けられた上記要因のうちの1つ以上に応じて変更することもできる。焼結処理用の昇温742の終了時に所定の焼結温度に到達したらすぐに、この焼結温度は、焼結タイミングST(sintering timing)にわたって、およそ一定に維持することもできるし、又は定常状態の条件下に維持することもできる。STは、およそ3時間にわたって持続し得るが、上記の理由から、より長くてもよいし、又はより短くてもよい。
防水型ガスバリア126並びに/又はレトルトシーリングの使用は、脱脂処理用の昇温738、脱脂処理用の滞留740、焼結処理用の昇温742及び焼結滞留時間744のうちの1つ以上の間に必要とされる電力を低減することができる。例えば、防水型ガスバリア126及び/又はレトルトシーリングは、断熱材26への水分及びバインダーの吸収並びに断熱材26からのこれらの放出を防止又は阻害しながら、増量した断熱材(例えば、5インチの厚さのアルミナ繊維又は黒鉛繊維断熱材)の使用を容易にすることができる。シーリングされた導入及び排出管路を有するシーリングされたレトルトは、汚染された断熱材と、レトルトの内部(及び部品90)との連絡を妨害することができる。レトルトをコーティングすることにより、このシーリングを改善することができるが、スリップキャスティングされた窒化物結合炭化ケイ素を、上記シーリング法と組み合わせて使用することもできる。不活性スイープガスを施用して、ハーメチックシールを形成することを含んでもよい、気密性のある又は部分的に気密性のあるレトルトシールは、焼結SiC、反応焼結SiC又はアルミナ等の耐火物を含むレトルトのためには、特に有用であり得る。このようなシールは、内側シール(例えば、グラフォイルガスケットシール)及び外側シール(例えば、ペクレシール)を備えることができる。シーリングされたチャンバの使用は、比較的少ない量の断熱材をホットゾーン28にさらしながらも、水冷の採用を必要とすることなく必要電力を削減することができる。
焼結滞留時間744の終了時に、冷却期間746が存在してもよい。所望に応じて、1回以上の後焼結用熱処理を、同じ炉又は別の炉の中で部品90に実施することもできる。
本明細書において開示されたシステム、装置、デバイス及び方法は、図面を参照しながら例として詳細に説明されている。本明細書において論述された例は例にすぎず、本明細書に記載の装置、デバイス、システム及び方法の説明を助けるために提供されている。図面に示された又は後述する特徴又は構成要素はいずれも、必須のものであると明示的に指定されていない限り、これらの装置、デバイス、システム又は方法のいずれかの何らかの特定の実装に必須のものとして解すべきでない。読みやすく、わかりやすいものにするために、特定の構成要素、モジュール又は方法は、特定の図面にのみ結び付けて説明されていることもある。本開示において、特定の技法、配置等のあらゆる特定は、提示された特定の例に関連付けられており、又は単に、このような技法、配置等の大まかな説明にすぎない。特定の詳細又は例の特定は、必須のもの又は限定を加えるものであると明示的に指定されていない限り、必須のもの又は限定を加えるものであるように意図されておらず、解すべきでもない。構成要素の組合せ又は部分的組合せを明示的に記載していないことは決して、何らかの組合せ又は部分的組合せが可能でないことを示すものとして解されるべきではない。開示及び記載された例、配置、構成、構成要素、要素、装置、デバイス、システム、方法等の変更がなされ得るし、特定の用途のためには所望されることもあることは、理解されよう。さらに、記載されたあらゆる方法に関しては、その方法が流れ図と結び付けて記載されているかどうかにかかわらず、そうではないと文脈により指定又は要求されていない限り、ある方法の実行時に実施されるステップの何らかの明示的又は暗黙的な順序付けは、それらのステップを、提示された順番で実施しなければならないことを含意するわけではなく、異なる順序で実施することもできるし、又は平行して実施することもできることを理解すべきである。
本開示を通して、一般に、構成要素又はモジュールへの参照は、ある機能又は関連付けられた機能の群を実施するように論理的にグループ化され得る、アイテムを指す。一般に、同様の参照番号は、同じ又は類似する構成要素を指すように意図されている。構成要素及びモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せの中に実装することができる。用語「ソフトウェア」という用語は、実行可能なコード、例えばマシンが実行可能な命令又はマシンが解釈可能な命令だけでなく、ファームウェア及び埋め込みソフトウェアを含む任意の適切な電子的フォーマットに保存されたデータ構造、データストア及び演算命令も含むように拡張して使用されている。
以下の特許請求の範囲によって示される本開示の真の範囲及び趣旨によれば、本明細書及び例は、例示的なものに過ぎないと考えられることが意図されている。

Claims (20)

  1. 部屋を特徴づける外壁、一つ以上の部品を受け入れるように構成された内部空洞を含む部屋、
    前記チャンバ内に配置された少なくとも1つのヒータであって、前記内部空洞内に少なくとも約800度の温度を生成するように構成された少なくとも1つのヒータ、
    少なくとも部屋の一部に真空を適用するように構成された真空ポンプ、
    内側絶縁の少なくとも1つの層と、前記チャンバに対して前記内側絶縁の外側に配置される少なくとも1つの層とを有し、前記外側絶縁の少なくとも1つの層は、前記内側絶縁の少なくとも1つの層に対してシールされる、炉。
  2. さらに、外側絶縁により吸収され又は外側絶縁から放出される湿気、気体又はバインダーの量を減少させるために、外側絶縁の少なくとも一つの層から外側絶縁の少なくとも一つの層をガス状に隔離することを含む、請求項1に記載の炉。
  3. バリアが円筒形状であることを特徴とする請求項2に記載の炉。
  4. 当該バリアには連続したシールが含まれることを特徴とする請求項2に記載の炉。
  5. 当該バリアにラップシールが含まれることを特徴とする請求項2に記載の炉。
  6. さらに、内部絶縁の少なくとも一層に関して内側に処分されたレトルト、レトルトは空洞の表面を有する、請求項1に記載の炉。
  7. 多孔表面が、多孔表面の細孔の大きさを減少させるためのコーティングを含むことを特徴とする請求項6に記載の炉。
  8. レトルトがSiCを含むレトルトをさらに構成する、請求項1に記載の炉。
  9. さらに、真空ポンプを制御するように構成された制御部からなる、請求項1に記載の炉。
  10. さらに、かまどの熱帯の下流側と、かまどの真空ポンプの上流のバルブの温度を上昇させるように構成されたヒータ又は断熱材の少なくとも一つからなる、請求項1に記載の炉。
  11. 第1部と第2部を含むレトルトで、閉じた姿勢で中空の内部を協調的に定義する、
    第1の部分および第2の部分が閉位置にあるときに、レトルトの外装に対して中空の内部をシールするように構成された第1のシールと、第1の部分および第2の部分が閉位置にあるときに、レトルトの外装に対して中空の内部をシールするように構成された第2のシールと、を備え、第2のシールが、第1のシールを取り囲むよう、更に構成する請求項1に記載の炉。
  12. 炉用レトルトであって、以下を含むことを特徴とするレトルト、
    レトルト塩基、
    レトルトベースに分離して結合できるレトルト体、
    レトルトが、レトルト本体に連結されたレトルトベースと、内側のシールと外側のシールを含むレトルトシールの閉じた位置にあるときに、レトルトベースとレトルト本体の間に処分されるレトルトシール、
    レトルト塩基に流動的に接続され、不活性ガスを供給するように構成された最初の導管、
    レトルトベースに流動的に接続し、レトルトの内部に真空を適用するように構成された第2の導管、レトルトシールに流動的に接続し、内部シールと外側シールの間に不活性ガスを供給するよう構成された第3の導管。
  13. 請求項12のレトルトは、更に、レトルトシールに流動的に接続された第4の導管を構成し、第4の導管は、内封と外封の間の不活性ガスを除去するために真空圧力をかけるように構成されている。
  14. インナーシールにガスケットが含まれることを特徴とする請求項12のレトルト。
  15. 請求項12のレトルトは、更に、レトルト内に形成された溝から成り、溝が内封と外封の間に位置し、第3の導管と流体連通し、第3の導管から不活性ガスの供給を受けるように構成されている。
  16. 請求項15のレトルトは、更に溝に流動的に接続されたギャップを含み、ギャップはレトルトの対面により形成される。
  17. 前記レトルト塩基又はレトルト体の少なくとも1つが、SiC、アルミナ、反応ボンデッドシリコン化SiC、又はニトリドボンデッドSiCの1つ以上を含むことを特徴とする請求項12のレトルト。
  18. 請求項12のレトルトは、さらに、レトルト体と少なくとも1つの最初の導管、2番目の導管、または3番目の導管の間の導管シールで構成される。
  19. 請求項12記載のレトルト;
    少なくとも1つの絶縁層と、少なくとも1つの絶縁層とは、少なくとも1つの絶縁層の内側に高温ゾーンを規定し、前記レトルトは、少なくとも部分的に前記高温ゾーン内に配置される、少なくとも1つの炉ヒータ、から成るかまど。
  20. 前記レトルトは、完全に前記ホットゾーン内に配置される、請求項19に記載の炉。
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