JP2022530081A - リチウム二次電池用負極およびこれを含むリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022530081000001
リチウム二次電池用負極およびこれを含むリチウム二次電池に関し、前記リチウム二次電池用負極は、電流集電体と、前記電流集電体に形成され、炭素系負極活物質を含む負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、3層以上の多層構造であり、前記負極活物質層の少なくとも1層は、下記式1で定義されるDD(Degree of Divergence)値が19以上の配向層であるリチウム二次電池用負極である。
[式1]
DD(Degree of Divergence)=(I/Itotal)*100
(上記式1中、
は、CuKα線を用いたXRD測定の際、非平面角度に現れるピーク強度の合計値であり、
totalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、すべての角度に現れるピーク強度の合計値である)。

Description

リチウム二次電池用負極およびこれを含むリチウム二次電池に関する。
最近の携帯用小型電子機器の電源として注目されているリチウム二次電池は、有機電解液を用いることによって、既存のアルカリ水溶液を用いた電池より2倍以上の高い放電電圧を示し、その結果、高いエネルギー密度を示す電池である。
リチウム二次電池の正極活物質としては、LiCoO、LiMn、LiNi1-xCo(0<x<1)などのようにリチウムイオンの挿入が可能な構造を有するリチウムと遷移金属とからなる酸化物が主に使用される。
負極活物質としては、リチウムの挿入/脱離が可能な人造、天然黒鉛、ハードカーボンを含む多様な形態の炭素系材料が適用されてきており、最近、より高容量を得るためにシリコンやスズ系をベースとする非炭素系負極活物質に関する研究が進められている。
一実施形態は、物理的特性、例えば、接着力に優れ、電解液の含浸特性に優れたリチウム二次電池用負極を提供する。
他の実施形態は、前記負極を含むリチウム二次電池を提供する。
一実施形態は、電流集電体と、前記電流集電体に形成され、炭素系負極活物質を含む負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、3層以上の多層構造であり、前記負極活物質層の少なくとも1層は、下記式1で定義されるDD(Degree of Divergence)値が19以上の配向層であるリチウム二次電池用負極を提供する。
[式1]
DD(Degree of Divergence)=(I/Itotal)*100
(上記式1中、
は、CuKα線を用いたXRD測定の際、非平面角度に現れるピーク強度の合計値であり、
totalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、すべての角度に現れるピーク強度の合計値である)
前記活物質層は、3層~5層の多層構造であってもよい。
前記3層以上の多層構造である負極活物質層は、前記電流集電体と接触する内部層と、表面層と、該内部層と表面層との間に位置する少なくとも1層である中間層とを含み、前記表面層は、前記DD値が19以上の配向層であってもよい。
前記配向層は、DD値が19~60であってもよい。
前記Iは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、77.5±0.2°に現れるピーク強度の合計値であり、前記Itotalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=26.5±0.2°、42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、54.7±0.2°、77.5±0.2°に現れるピーク強度の合計値であってもよい。
前記ピーク強度値は、ピークの積分面積値であってもよい。
前記負極活物質層の少なくとも1層は、前記DD値が19以上の配向層であり、少なくとも1層は、前記DD値が19未満の非配向層であってもよい。
前記負極は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が50~300であってもよい。
前記配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が10~200であってもよい。前記非配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が200~500であってもよい。
前記負極活物質層の全体厚さは、100μm~1000μmであってもよい。
前記第2炭素系負極活物質は、人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物であってもよい。また、前記負極活物質層は、Si系負極活物質、Sn系負極活物質、リチウムバナジウム酸化物またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
他の実施形態は、前記負極と、正極活物質を含む正極と、電解質とを含むリチウム二次電池を提供する。
前記リチウム二次電池は、高出力用電池であってもよい。
その他本発明の実施形態の具体的な事項は以下の詳細な説明に含まれている。
一実施形態によるリチウム二次電池用負極は、電池特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態における配向を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による負極構造を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態による負極の配向に対する概略図である。 本発明の一実施形態によるリチウム二次電池の構造を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、これは例として提示されるものであり、これによって本発明が制限されず、本発明は後述する請求項の範疇によってのみ定義される。
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極は、電流集電体と、前記電流集電体に形成され、炭素系負極活物質を含む負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、3層以上の多層構造であり、前記負極活物質層の少なくとも1層は、DD(Degree of Divergence)値が19以上の配向層である。
前記DD値は、下記式1で定義される値である。
[式1]
DD(Degree of Divergence)=(I/Itotal)*100
上記式1中、
は、CuKα線を用いたXRD測定の際、非平面角度に現れるピーク強度の合計値であり、
totalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、すべての角度に現れるピーク強度の合計値である。
この時、前記非平面角度とは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、77.5±0.2°を示し、つまり、これは(100)面、(101)R面、(101)H面、(110)面を示すものである。一般に、黒鉛は、グラフェン層(graphene layer)の積層(stacking)順序によりABAB形態の積層配列(stacking sequence)を有する六方晶系(hexagonal)構造と菱面体晶系(rhombohedral)構造とに分類され、前記R面は、菱面体晶系構造を意味し、前記H面は、六方晶系構造を意味する。
また、前記すべての角度とは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=26.5±0.2°、42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、54.7±0.2°、77.5±0.2°を示し、つまり、これは(002)面、(100)面、(101)R面、(101)H面、(004)面、(110)面を示すものである。2θ=43.4±0.2°に現れるピークは、炭素系物質の(101)R面と電流集電体、例えば、Cuの(111)面に相当するピークが重複(overlap)して現れたものと見なすこともできる。
一般に、ピーク強度値は、ピークの高さ値またはピークの積分面積値を意味し、一実施形態によるピーク強度値は、ピークの積分面積値を意味する。
一実施形態において、XRD測定は、ターゲット線としてCuKα線を用いて測定したものであり、ピーク強度解像度(Peak intensity resolution)向上のために、モノクロメータ(monochromator)装置を除去し、この時、測定条件は、2θ=10°~80°およびスキャンスピード(°/S)が0.044~0.089、ステップサイズ(step size、°/ステップ)が0.013~0.039の測定条件で測定したものである。
前記DD値は、負極活物質層に含まれる負極活物質が一定の角度をもって配向されることを示す値であって、この値が大きいほど、負極活物質がよく配向されていることを意味する。つまり、図1に簡略に示すように、DD値が大きいほど、負極活物質3が基材1の一面に対して角度aをもって配向される時、この角度aが増加することを意味する。また、このようなDD値は充放電を進行させても維持される値である。
一実施形態において、前記DD値は、19~60であってもよく、19~40であってもよい。前記配向層のDD値が前記条件を満足することは、負極活物質層である配向層に含まれる負極活物質が適切な一定の角度をもって配向されていることを示すものであって、この値は充放電を進行させても維持される物性値である。
前記配向層のDD値が19以上の場合には、負極活物質が電流集電体と水平に横になっている状態ではなく、負極内でLiイオンの移動が容易となるように十分に配向、つまり、電流集電体に対して一定の角度、例えば、黒鉛の(002)面が0度(°)超過90度(°)未満の角度をもって配列されていることを意味するものであり、したがって、乱配向性が制御されたものであって、DD値が19未満の場合には、直流内部抵抗が増加し、率特性、特に高率特性が顕著に低下し、サイクル寿命特性が低下することがあるので、適切ではない。同時に、DD値が19以上60以下の場合、負極活物質が電流集電体と実質的に垂直に配向されたことを意味するのではなく、もし、垂直に配向された場合には、充放電の進行に伴って電池ねじれ(deform)などの問題が発生しうる。
前記負極活物質層は、3層以上の多層構造を有するものであって、一実施形態において、3層~5層の多層構造を有するものであってもよい。このような多層構造において、少なくとも1層は、前記DD値が19以上の配向層であってもよい。
この時、3層以上の多層構造である負極活物質層は、前記電流集電体と接触する内部層と、表面層と、該内部層と表面層との間に位置する少なくとも1層である中間層とを含み、前記表面層は、前記DD値が19以上の配向層であるのが適切である。これを図2に基づいて説明すれば、負極30は、電流集電体32、内部層34、中間層36および表面層38が順次に積層された構造であって、この時、前記表面層38は、前記DD値が19以上の配向層である。
表面層が配向層の場合、つまり、負極活物質の配向度が高い場合、負極活物質が電流集電体に対して水平に横になっている状態ではなく、一定の角度で立っているので、電解質が負極活物質層により良く含浸され、また、リチウムイオンの移動が容易であり、移動経路を短くすることができて、このような負極は高出力電池により好適に適用することができ、また、高率特性に優れた電池を提供することができる。
表面層が配向層ではない場合、つまり、非配向層の場合は、負極活物質が電流集電体に対して水平に横になっている場合、垂直に位置する場合など多様に乱分散している場合になることがあり、これによって電解質含浸性が低下し、リチウムイオンの移動経路が長くなって、高出力電池に有用に適用できない。
前記負極活物質層において、少なくとも1層は、前記DD値が19以上の配向層であり、少なくとも1層は、前記DD値が19未満の非配向層であってもよい。このように、負極活物質層が3層以上の多層構造を有しかつ、配向層と非配向層とをすべて含む場合には、同じ層内では反応の均一性が確保され、乾燥時、バインダー凝集(migration)の抑制による配向層と非配向層との間の境界部での凝集力(cohesion force)が良くなって接着力が向上するというメリットのほか、極板内合材層(活物質、バインダー、および選択的に導電材を含み、電流集電体に形成された活物質層を意味する)の電子抵抗を減少させるというメリットを有することができ、負極のイオン抵抗が減少する効果がある。もし、負極活物質層が多層構造を有しても、配向部と非配向部が別途の層に存在するのではなく、1つの層に配向部と非配向部が共に存在する場合には、配向部/非配向部に応じて、乾燥時、バインダー凝集(migration)の発生による接着力の低下および負極イオン抵抗の増加、そして電解液含浸性が配向部/非配向部に応じて異なり、反応の不均一性が大きくなり、満充時の局部的厚さ不均一および1C以上の高率充電時のLi析出のデメリットがあるので、適切ではない。
また、負極活物質層が多層構造を有し、配向層と非配向層を有しても、2層構造の場合、つまり、配向層1つ、非配向層1つを含む場合には、高速コーティング時、乾燥時のバインダー凝集(migration)の抑制が難しくなって、イオン抵抗および極板内合材層の電子抵抗が増加するというデメリットがありうる。
一実施形態によれば、前記負極活物質層は、3層以上、少なくとも3層~5層であって、層の個数が3または5で、奇数の場合には、配向層は、表面層を1層とした時、第1層、第3層、第5層であり、非配向層は、第2層と第4層であってもよい。
また、負極活物質層が4層の場合には、配向層は、第1層と第4層であり、非配向層は、第2層と第3層であってもよい。
前記負極は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比つまり、I(002)/I(110)が50~300であってもよい。前記負極のI(002)/I(110)が前記範囲に含まれる場合には、内部抵抗の減少、高率/寿命特性の向上および極板内合材層の抵抗減少のメリットがある。
また、前記配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が10~200であってもよい。前記配向層のI(002)/I(110)が前記範囲に含まれる場合には、直流内部抵抗が増加せず、特に高率特性が向上でき、サイクル寿命特性が向上できるというメリットがある。
前記非配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が200~500であってもよい。前記非配向層のI(002)/I(110)が前記範囲に含まれる場合には、活物質粒子の接触が良くなって、極板内合材部の抵抗が減少するというメリットがある。
一実施形態において、DD値は、すべての角度に現れるピークに対する非平面角度に現れるピーク値であるので、I(002)/I(110)と互いに連動する値ではないことから、I(002)/I(110)が50~300であることは、一実施形態による第1層および第2層のDD値が前記範囲を有することを意味するのではない。
また、前記負極活物質層の全体厚さは、100μm~1000μmであってもよい。このように、一実施形態による負極活物質層は、最大1000μmの厚さに形成され、これは通常の負極活物質層の最大厚さ70μmより非常に大きい値である。負極活物質層は、3層以上の多層構造であって、すべての活物質層の全体厚さが前記範囲に相当すれば適切であり、各層の厚さは限定する必要はない。一実施形態では、活物質層を3層以上の多層構造に形成しかつ、この時、表面層のDD値を19以上に調節して、電解質含浸性を向上させたので、このように厚さの厚い厚膜(thick layer)に形成しても、高率充放電を効果的に実施することができ、よって、高出力電池に有用に適用可能である。
一実施形態において、前記DD値は、前記負極を含むリチウム二次電池を充放電した後、完全放電した状態の電池を解体して得た負極に対してXRDを測定して得た値である。この時、充放電条件は、0.1C~0.2Cで1回~2回実施したものである。
前記負極のBET比表面積は、5.0m/g未満であってもよいし、また、0.6m/g~2.0m/gであってもよい。負極のBET比表面積が5.0m/g未満の場合には、セルの電気化学的寿命特性が良くなるというメリットがある。一実施形態において、前記BET測定は、前記負極を含むリチウム二次電池を充放電した後、3V以下に完全放電した状態の電池を解体して得た負極を一定の大きさに切断して、BET試料ホルダ(sample holder)に入れて、窒素ガス吸着方法で測定したものである。
前記負極は、6mg/cm~65mg/cmの断面ローディングレベル(L/L)を有するものであってもよい。
前記負極活物質は、前記炭素系負極活物質は、人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物であってもよい。負極活物質として人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物である結晶質炭素系物質を用いる場合、非晶質炭素系活物質を用いる場合に比べて粒子の結晶学的特性がより発達しているため、外部磁場に対する極板内炭素物質の配向特性をさらに向上させることができるというメリットがある。前記人造黒鉛または天然黒鉛の形態は、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状、繊維状、またはこれらの組み合わせであって、いかなる形態でも構わない。さらに、前記人造黒鉛と天然黒鉛とを混合使用する場合、混合比は70:30重量%~95:5重量%であってもよい。
また、前記負極活物質層は、Si系負極活物質、Sn系負極活物質またはリチウムバナジウム酸化物負極活物質のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。負極活物質層がこれらをさらに含む場合、つまり、炭素系負極活物質を第1負極活物質として、前記負極活物質を第2負極活物質として含む場合、第1および第2負極活物質の混合比は50:50~99:1重量比であってもよい。
前記Si系負極活物質は、Si、Si-C複合体、SiO(0<x<2)、Si-Q合金(前記Qは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、15族元素、16族元素、遷移金属、希土類元素およびこれらの組み合わせからなる群より選択される元素であり、Siではない)、前記Sn系負極活物質は、Sn、SnO、Sn-R合金(前記Rは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、15族元素、16族元素、遷移金属、希土類元素およびこれらの組み合わせからなる群より選択される元素であり、Snではない)などが挙げられ、また、これらの少なくとも1つとSiOとを混合して使用してもよい。前記元素QおよびRとしては、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Tl、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを使用することができる。
前記負極活物質層において、前記負極活物質の含有量は、各層の全体重量に対して95重量%~99重量%であってもよいし、結果的に負極活物質層の全体重量に対して95重量%~99重量%であってもよい。
前記負極活物質層は、バインダーを含み、また、導電材をさらに含むことができる。前記負極活物質層において、バインダーの含有量は、負極活物質層の全体重量に対して1重量%~5重量%であってもよい。また、導電材をさらに含む場合には、負極活物質を90重量%~98重量%、バインダーを1重量%~5重量%、導電材を1重量%~5重量%使用することができる。
前記バインダーは、負極活物質粒子を互いによく付着させ、また、負極活物質を電流集電体によく付着させる役割を果たす。前記バインダーとしては、非水系バインダー、水系バインダーまたはこれらの組み合わせを使用することができる。
前記非水系バインダーとしては、エチレンプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、カルボキシル化されたポリビニルクロライド、ポリビニルフルオライド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリイミドまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
前記水系バインダーとしては、スチレン-ブタジエンラバー、アクリル化スチレン-ブタジエンラバー(ABR)、アクリロニトリル-ブタジエンラバー、アクリルゴム、ブチルゴム、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエピクロロヒドリン、ポリホスファゼン、エチレンプロピレンジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルホン化ポリエチレン、ラテックス、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、アクリレート系樹脂またはこれらの組み合わせが挙げられる。
前記負極バインダーとして水系バインダーを用いる場合、粘性を付与できるセルロース系化合物を増粘剤としてさらに含むことができる。このセルロース系化合物としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、またはこれらのアルカリ金属塩などを1種以上混合して使用することができる。前記アルカリ金属としては、Na、KまたはLiを使用することができる。このような増粘剤の使用含有量は、負極活物質100重量部に対して0.1重量部~3重量部であってもよい。
前記導電材は、電極に導電性を付与するために使用されるものであって、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性材料であればいずれのものも使用可能である。導電材の例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維などの金属系物質;ポリフェニレン誘導体などの導電性ポリマー;またはこれらの混合物を含む導電性材料を使用することができる。
前記集電体としては、銅箔、ニッケル箔、ステレンス鋼箔、チタン箔、ニッケル発泡体(foam)、銅発泡体、伝導性金属がコーティングされたポリマー基材、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを使用することができる。
このような一実施形態による負極は、負極活物質組成物を電流集電体に塗布する時、磁場を印加して形成することができる。一実施形態による負極の製造工程、例えば、負極活物質層が3層の場合を、図3を参照して、以下に詳しく説明する。
図3に示すように、磁石(7、magnet)の上部に電流集電体1を位置させた後、この電流集電体に負極活物質を含む第1層組成物をコーティングする。第1層組成物をコーティングした後、乾燥して、第1層U1を形成する。次に、前記第1層に、負極活物質を含む第2層組成物をコーティングし、乾燥して、第2層U2を形成し、負極活物質を含む第3層組成物を前記第2層にコーティングし、乾燥して、第3層U3を形成する。
第3層U3に含まれている負極活物質3は、電流集電体と一定の角度をもって配向されている配向層であって、図3には第3層U3に負極活物質3が配向されていることを示したものであって、これは、一実施形態による負極では表面層の第3層U3が配向層であることが重要な要素であるので、第3層U3に含まれている負極活物質3が配向されたことを示しただけで、第1層および第2層に含まれている負極活物質の配向状態は示していないのである。
前記磁石による磁場の強さは、1000Gauss~10000Gaussであってもよい。また、負極活物質組成物を電流集電体に塗布した後、3秒~9秒間維持して、つまり、磁場に3秒~9秒間露出させることができる。
このような磁場の印加によって、特に、前記塗布工程を電流集電体を移動しながら実施すれば、磁石による磁場(magnetic flux)は電流集電体と垂直な方向に形成されるが、コーティング速度(集電体の移動速度)に応じて磁場が形成される方向はベクトル(vector)関数で一定の角度をもって形成されるので、第1層および第2組成物に含まれる負極活物質が電流集電体の表面に対して一定の角度をもつように立つ、つまり、配向される形状を有することができる。
特に、前記塗布工程を電流集電体を移動しながら実施すれば、磁石による磁場(magnetic flux)は電流集電体と垂直な方向に形成されるが、コーティング速度(集電体の移動速度)に応じて磁場が形成される方向はベクトル(vector)関数で一定の角度をもって形成されるので、負極活物質組成物に含まれる負極活物質が電流集電体の表面に対して一定の角度をもつように立つ、つまり、配向される形状を有することができる。
この時、前記第1層活物質組成物の粘度、前記第2層活物質組成物および第3活物質組成物の粘度を調節して、第1層、第2層および第3層の形成時に印加される磁場が同一であるようにも、各層のDD値が異なっても形成できる。つまり、3層以上の多層構造の形成時、製造される層が配向層または非配向層になるように層を形成するための組成物の粘度を調節して、各層を形成することが適切である。
形成される層が配向層になるためには、組成物の粘度が常温(約20℃~約25℃)で2000cps以上、4000cps未満でなければならず、非配向層になるためには、組成物の粘度が常温(約20℃~約25℃)で4000cps~5000cpsでなければならない。特に、組成物の粘度が常温(約20℃~約25℃)で2000cps以上、4000cps未満で含まれる場合、形成された層のDD値が19以上の配向層になり、具体的には、組成物の粘度が常温(約20℃~約25℃)で2000cps~3500cpsであれば、形成された層のDD値が19~60の配向層になる。
同時に、組成物の粘度が常温(約20℃~約25℃)で4000cps~5000cpsであれば、形成された層のDD値は19未満の非配向層が形成される。
このように、前記範囲を外れる場合には、目的の配向程度を得ることができず、適切ではない。
前記組成物は、負極活物質、バインダーおよび導電材を溶媒中で混合して製造することができる。
前記負極活物質、前記バインダーおよび前記導電材は、先に説明した通りである。前記溶媒としては、N-メチルピロリドンのような有機溶媒または水を使用することができ、前記バインダーとして水系バインダーを用いる場合には、溶媒として水を使用することができる。
他の実施形態によるリチウム二次電池は、前記負極と、正極と、電解質とを含む。
前記リチウム二次電池は、高出力用電池であってもよい。つまり、電動工具、自動車、掃除機など高出力を要求する電子機器に有用に使用可能である。これは、一実施形態による負極を含むリチウム二次電池が充放電時に発生する熱、特に高容量セル、高出力用電子機器への使用時に充放電により発生する熱を容易に放出することができ、よって熱の発生による電池の劣化を抑制できるため、高出力用電池として効果的に用いることができる。また、充放電による熱を容易に放出可能で、電池の温度増加を効果的に抑制可能で、サイクル寿命特性、特に高率でのサイクル寿命特性を効果的に向上させることができる。
このような高出力用電池は、円筒形電池、パウチ型電池またはスタック型(stack type)電池であってもよい。また、このような円筒形電池は、18650型電池(直径18mm、高さ65mm)、21700型電池(直径21mm、高さ70mm)のような大きい規格の電池であってもよい。
前記正極は、電流集電体と、該電流集電体に形成される正極活物質層とを含む。前記正極活物質としては、リチウムの可逆的な挿入および脱離が可能な化合物(リチエイテッド挿入化合物)を使用することができる。具体的には、コバルト、マンガン、ニッケル、およびこれらの組み合わせから選択される金属とリチウムとの複合酸化物のうちの1種以上を使用することができる。より具体的な例としては、下記の化学式のいずれか1つで表現される化合物を使用することができる。Li1-b(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5);Li1-b2-c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);Li1-b2-c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);Li2-b4-c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05);LiNi1-b-cCoα(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.5、0<α≦2);LiNi1-b-cCo2-αα(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);LiNi1-b-cCo2-α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);LiNi1-b-cMnα(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2);LiNi1-b-cMn2-αα(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);LiNi1-b-cMn2-α(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2);LiNi(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1);LiNiCoMn(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1);LiNiG(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1)LiCoG(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);LiMn1-b(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);LiMn(0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1);LiMn1-gPO(0.90≦a≦1.8、0≦g≦0.5);QO;QS;LiQS;V;LiV;LiZO;LiNiVO;Li(3-f)(PO(0≦f≦2);Li(3-f)Fe(PO(0≦f≦2);LiFePO(0.90≦a≦1.8)。
前記化学式において、Aは、Ni、Co、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Xは、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Dは、O、F、S、P、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Eは、Co、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Tは、F、S、P、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Qは、Ti、Mo、Mn、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Zは、Cr、V、Fe、Sc、Y、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;Jは、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
もちろん、この化合物の表面にコーティング層を有するものも使用することができ、または前記化合物とコーティング層を有する化合物とを混合して使用してもよい。このコーティング層は、コーティング元素のオキシド、コーティング元素のヒドロキシド、コーティング元素のオキシヒドロキシド、コーティング元素のオキシカーボネートおよびコーティング元素のヒドロキシカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つのコーティング元素化合物を含むことができる。これらのコーティング層をなす化合物は、非晶質または結晶質であってもよい。前記コーティング層に含まれるコーティング元素としては、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti、V、Sn、Ge、Ga、B、As、Zrまたはこれらの混合物を使用することができる。コーティング層の形成工程は、前記化合物にこれらの元素を用いて正極活物質の物性に悪影響を与えない方法(例えば、スプレーコーティング、浸漬法など)でコーティングできれば、いかなるコーティング方法を用いても良いし、これについては当該分野に従事する者によく理解できる内容であるので、詳しい説明は省略する。
前記正極において、前記正極活物質の含有量は、正極活物質層の全体重量に対して90重量%~98重量%であってもよい。
本発明の一実施形態において、前記正極活物質層は、バインダーおよび導電材をさらに含むことができる。この時、前記バインダーおよび導電材の含有量は、正極活物質層の全体重量に対してそれぞれ1重量%~5重量%であってもよい。
前記バインダーは、正極活物質粒子を互いによく付着させ、また、正極活物質を電流集電体によく付着させる役割を果たす。バインダーの代表例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロライド、カルボキシル化されたポリビニルクロライド、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンラバー、アクリル化スチレンブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ナイロンなどを使用することができるが、これに限定されるものではない。
前記導電材は、電極に導電性を付与するために使用されるものであって、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性材料であればいずれのものも使用可能である。導電材の例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維などの金属系物質;ポリフェニレン誘導体などの導電性ポリマー;またはこれらの混合物を含む導電性材料が挙げられる。
前記電流集電体としては、Alを使用することができるが、これに限定されるものではない。
前記電解質は、非水性有機溶媒およびリチウム塩を含む。
前記非水性有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動可能な媒質の役割を果たす。
前記非水性有機溶媒としては、カーボネート系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系、または非プロトン性溶媒を使用することができる。
前記カーボネート系溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などが使用できる。前記エステル系溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、n-プロピルアセテート、t-ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、デカノリド(decanolide)、メバロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)などが使用できる。前記エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラグリム、ジグリム、ジメトキシエタン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどが使用できる。また、前記ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノンなどが使用できる。さらに、前記アルコール系溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどが使用可能であり、前記非プロトン性溶媒としては、R-CN(Rは、炭素数2~20の直鎖状、分枝状、または環構造の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含むことができる)などのニトリル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、1,3-ジオキソランなどのジオキソラン類、スルホラン(sulfolane)類などが使用できる。
前記有機溶媒は、単独でまたは1つ以上混合して使用可能であり、1つ以上混合して使用する場合の混合比率は、目的の電池性能に応じて適切に調節可能であり、これは当該分野に従事する者には幅広く理解される。
また、前記カーボネート系溶媒の場合、環状(cyclic)カーボネートと鎖状(chain)カーボネートとを混合して使用するのが良い。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートは、1:1~1:9の体積比で混合して使用する方が、電解液の性能に優れることができる。
前記有機溶媒は、前記カーボネート系溶媒に芳香族炭化水素系有機溶媒をさらに含んでもよい。この時、前記カーボネート系溶媒と芳香族炭化水素系有機溶媒は、1:1~30:1の体積比で混合できる。
前記芳香族炭化水素系有機溶媒としては、下記の化学式1の芳香族炭化水素系化合物が使用できる。
Figure 2022530081000002
(前記化学式1において、R~Rは、互いに同一または異なり、水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル基、ハロアルキル基およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。)
前記芳香族炭化水素系有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、1,2-ジフルオロベンゼン、1,3-ジフルオロベンゼン、1,4-ジフルオロベンゼン、1,2,3-トリフルオロベンゼン、1,2,4-トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、1,3-ジクロロベンゼン、1,4-ジクロロベンゼン、1,2,3-トリクロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、ヨードベンゼン、1,2-ジヨードベンゼン、1,3-ジヨードベンゼン、1,4-ジヨードベンゼン、1,2,3-トリヨードベンゼン、1,2,4-トリヨードベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、2,3-ジフルオロトルエン、2,4-ジフルオロトルエン、2,5-ジフルオロトルエン、2,3,4-トリフルオロトルエン、2,3,5-トリフルオロトルエン、クロロトルエン、2,3-ジクロロトルエン、2,4-ジクロロトルエン、2,5-ジクロロトルエン、2,3,4-トリクロロトルエン、2,3,5-トリクロロトルエン、ヨードトルエン、2,3-ジヨードトルエン、2,4-ジヨードトルエン、2,5-ジヨードトルエン、2,3,4-トリヨードトルエン、2,3,5-トリヨードトルエン、キシレン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。
前記電解質は、電池寿命を向上させるために、ビニレンカーボネート、または下記の化学式2のエチレンカーボネート系化合物を寿命向上添加剤としてさらに含んでもよい。
Figure 2022530081000003
(前記化学式2において、RおよびRは、互いに同一または異なり、水素、ハロゲン基、シアノ基(CN)、ニトロ基(NO)およびフッ素化された炭素数1~5のアルキル基からなる群より選択され、前記RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲン基、シアノ基(CN)、ニトロ基(NO)およびフッ素化された炭素数1~5のアルキル基からなる群より選択されるが、ただし、RおよびRがすべて水素ではない。)
前記エチレンカーボネート系化合物の代表例としては、ジフルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、ブロモエチレンカーボネート、ジブロモエチレンカーボネート、ニトロエチレンカーボネート、シアノエチレンカーボネートまたはフルオロエチレンカーボネートなどが挙げられる。このような寿命向上添加剤をさらに使用する場合、その使用量は適切に調節可能である。
前記リチウム塩は、有機溶媒に溶解して、電池内でリチウムイオンの供給源として作用して基本的なリチウム二次電池の作動を可能にし、正極と負極との間のリチウムイオンの移動を促進する役割を果たす物質である。このようなリチウム塩の代表例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiN(SO、Li(CFSON、Li(FSON(リチウムビスフルオロスルホニルイミド(lithium bis(fluorosulfonyl)imide:LiFSI)、LiN(SO、LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、xおよびyは、自然数であり、例えば1~20の整数である)、LiCl、LiIおよびLiB(C(リチウムビスオキサラトボレート(lithium bis(oxalato)borate:LiBOB)からなる群より選択される1つまたは2つ以上が挙げられる。リチウム塩の濃度は、0.1M~2.0Mの範囲内で使用するのが良い。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれると、電解質が適切な伝導度および粘度を有するので、優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
リチウム二次電池の種類によって、正極と負極との間にセパレータが存在してもよい。このようなセパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライドまたはこれらの2層以上の多層膜が使用可能であり、ポリエチレン/ポリプロピレンの2層セパレータ、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレンの3層セパレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層セパレータなどのような混合多層膜が使用できることはもちろんである。
図4に本発明の一実施形態によるリチウム二次電池の分解斜視図を示した。一実施形態によるリチウム二次電池は、円筒形電池であってもよい。
図4を参照すれば、前記リチウム二次電池100は円筒形で、負極112と、正極114と、前記負極112と正極114との間に配置されたセパレータ113と、前記負極112、正極114およびセパレータ113に含浸された電解質(図示せず)と、電池容器120と、前記電池容器120を封入する封入部材140とを主な部分として構成されている。
このようなリチウム二次電池100は、負極112、正極114およびセパレータ113を順次に積層した後、スパイラル状に巻取られた状態で電池容器120に収納して構成される。
以下、本発明の実施例および比較例を記載する。そのような下記の実施例は本発明の一実施例に過ぎず、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1:3層構造であり、第1層と表面層(第3層)が配向層である)
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が3000cpsの第1層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第2層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が2000cpsの第3層用負極活物質スラリーを製造した。
磁場の強さが4000Gaussの磁石上部にCu箔を位置させた後、前記Cu箔を移動しながら、このCu箔に前記第1層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが40μmの第1層を形成した。
次に、前記第1層に前記第2層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが40μmの第2層を形成し、前記第2層に前記第3層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが50μmの第3層を形成した。
第1層、第2層および第3層が形成された後、圧延工程を実施して断面ローディングレベル(L/L)が15mg/cmの負極を製造した。
LiCoO正極活物質96重量%、カーボンブラック導電材2重量%およびポリビニリデンフルオライドバインダー2重量%をN-メチルピロリドン溶媒中で混合して、正極活物質スラリーを製造した。製造されたスラリーを用いてAl基材に塗布、乾燥および圧延して正極を製造した。
前記負極および前記正極、そして電解質を用いて電池容量が550mAh、電流密度が4.70mAh/cmの全電池(full cell)である18650タイプの円筒形リチウム二次電池を製造した。この時、電解質としては1M LiPFが溶解したエチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートの混合溶媒(50:50体積比)を使用した。
(実施例2:4層構造であり、第1層と表面層(第4層)が配向層である)
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が3000cpsの第1層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.8重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース0.7重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第2層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛98.2重量%、スチレンブタジエンラバー0.3重量%、カルボキシメチルセルロース1.5重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第3層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が2000cpsの第4層用負極活物質スラリーを製造した。
磁場の強さが4000Gaussの磁石上部にCu箔を位置させた後、前記Cu箔を移動しながら、このCu箔に前記第1層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第1層を形成した。
次に、前記第1層に前記第2層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第2層を形成し、前記第2層に前記第3層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第3層を形成し、前記第3層に前記第4層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが40μmの第4層を形成した。
第1層、第2層、第3層および第4層が形成された後、圧延工程を実施して断面ローディングレベル(L/L)が15mg/cmの負極を製造した。
前記負極を用いたことを除けば、前記実施例1と同様に実施してリチウム二次電池を製造した。
(実施例3:5層構造であり、第1層、第3層と表面層(第5層)が配向層である)
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が3000cpsの第1層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.2重量%、カルボキシメチルセルロース1.3重量を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第2層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が3000cpsの第3層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛98.2重量%、スチレンブタジエンラバー0.3重量%、カルボキシメチルセルロース1.5重量を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第4層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が2000cpsの第5層用負極活物質スラリーを製造した。
磁場の強さが4000Gaussの磁石上部にCu箔を位置させた後、前記Cu箔を移動しながら、このCu箔に前記第1層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第1層を形成した。
次に、前記第1層に前記第2層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第2層を形成し、前記第2層に前記第3層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第3層を形成し、前記第3層に前記第4層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第4層を形成し、前記第4層に前記第5層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが30μmの第5層を形成した。
第1層、第2層、第3層、第4層および第5層が形成された後、圧延工程を実施して断面ローディングレベル(L/L)が15mg/cmの負極を製造した。
前記負極を用いたことを除けば、前記実施例1と同様に実施してリチウム二次電池を製造した。
(比較例1:配向層と非配向層の2層構造)
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4500cpsの第1層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が2500cpsの第2層用負極活物質スラリーを製造した。
磁場の強さが4000Gaussの磁石上部にCu箔を位置させた後、前記Cu箔を移動しながら、このCu箔に前記第1層用負極活物質スラリーを塗布し、3秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが60μmの第1層を形成した。
次に、前記第1層に前記第2層用負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが70μmの第2層を形成した。
第1層および第2層が形成された後、圧延工程を実施して断面ローディングレベル(L/L)が15mg/cmの負極を製造した。
前記負極を用いたことを除けば、前記実施例1と同様に実施してリチウム二次電池を製造した。
(比較例2:配向部と非配向部が1層に存在)
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が3000cpsの負極活物質スラリーを製造した。
磁場の強さが4000Gaussの磁石2つを極板の幅方向に一定の間隔を隔てて固定させた後、前記磁石の上部方向に、Cu箔を位置させた後、前記Cu箔を移動しながら、このCu箔に前記負極活物質スラリーを塗布し、9秒間磁場に露出した後、これを乾燥して、厚さが130μmのコーティング層を形成した。形成されたコーティング層は磁石の真上に位置して磁場の影響を受けた部分は配向部として形成され、磁石上に位置せず、磁石2つの間、つまり、磁石および磁石の間に位置して磁場の影響を受けない部分は非配向部として形成された。
コーティング層が形成された後、圧延工程を実施して断面ローディングレベル(L/L)が15mg/cmの負極を製造した。
前記負極を用いたことを除けば、前記実施例1と同様に実施してリチウム二次電池を製造した。
*X線回折特性の測定
前記実施例1~3および前記比較例1~2により製造されたリチウム二次電池を0.1Cで2回充放電を実施した後、2.75Vまで0.1Cで完全放電した。この完全放電された電池を解体して、負極を得た。この負極に対してCuKα線をターゲット線として、X’Pert(PANalytical社)XRD装置を用い、peak intensity解像度向上のためにモノクロメータ装置は除去して、XRDを測定した。この時、測定条件は2θ=10°~80°、スキャンスピード(°/S)=0.06436、ステップサイズは0.026°/ステップとした。
測定されたXRD結果から各層のDD値を求めて、その結果を下記表1に示した。
DD値は、測定されたXRD結果のうち、2θ=26.5±0.2°((002)面)、42.4±0.2°((100)面)、43.4±0.2°((101)R面)、44.6±0.2°((101)H面)、54.7±0.2°((004)面)、77.5±0.2°((110)面)に現れるピークの積分面積を測定し、2θ=42.4±0.2°((100)面)、43.4±0.2°((101)R面)、44.6±0.2°((101)H面)、77.5±0.2°((110)面)に現れるピークの積分面積を合わせた値をI、2θ=26.5±0.2°((002)面)、42.4±0.2°((100)面)、43.4±0.2°((101)R面)、44.6±0.2°((101)H面)、54.7±0.2°((004)面)、77.5±0.2°((110)面)に現れるピークの積分面積を合わせた値をItotalとし、この値からDD(Itotal/I)値を計算して求めた。その結果を下記表2に示した。
同時に、I(002)/I(110)を計算して下記表2に示した。特に、43.4±0.2°には黒鉛の(101)R面と、Cu電流集電体の(111)面に相当するピークが重複して現れた値であった。
*率特性評価
前記実施例1~3および前記比較例1~2による全電池を0.2C、0.5C、1C、1.5Cおよび2Cで各C-rateで1回ずつ充放電を実施し、0.2C放電容量に対する各C-rateでの容量比を計算した。その結果を下記表3に示した。
Figure 2022530081000004
前記表1に示すように、実施例1~3により製造された負極のDDは28.9~31.1であり、実施例1の第1層および第3層、実施例2の第1層および第4層と、実施例3の第1層、第3層および第5層のDDが19~60の範囲に含まれ、よって配向層であることが分かる。
Figure 2022530081000005
前記表2に示すように、負極のピーク強度比(I(002)/I(110))は50~300の範囲に含まれ、配向層のピーク強度比(I(002)/I(110))は10~200の範囲に含まれることが分かる。
Figure 2022530081000006
前記表3に示すように、表面層が配向層であり、活物質層が3つ以上である実施例1~3は、高率充放電特性に非常に優れていることが分かる。これに対し、配向層が含まれても、2層構成である比較例1、配向部と非配向部が別途の層ではない、1つの層に形成された比較例2の場合、高率充放電寿命が劣化することが分かる。
*BET測定
前記実施例1~3および前記比較例1~2により製造されたリチウム二次電池を0.1Cで充放電した後、3Vで完全放電した後、電池を解体して負極を得た。得られた負極から5cmX5cmサイズの試料を採取した後、この試料を0.5cmX0.5cmに切断して、BET試料ホルダに入れて、窒素ガス吸着方法でBETを測定し、その結果を下記表4に記載した。
Figure 2022530081000007
*サイクル寿命特性評価
前記実施例1~3および前記比較例1~2による全電池を1.0C、4.4V、0.1Cカット-オフ条件で定電流定電圧充電を実施し、5分間休止した後、1.0C、3.0Vカット-オフ条件で定電流放電を実施し、5分間休止する条件を1回の充放電サイクルとして、計300回の充放電を実施した。この充放電サイクルによる容量維持率を、1回の放電容量に対する各サイクルでの放電容量比で計算した。
その結果を下記表5に示した。
Figure 2022530081000008
前記表5に示すように、活物質層が3層以上であり、表面層が配向層である実施例1~3の負極を含む電池は、活物質層が2層(比較例1)、または配向部と非配向部が1つの層で形成された場合(比較例2)に比べて、優れたサイクル寿命特性を示すことが分かる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
1 基材
3 負極活物質
7 磁石
30 負極
32 電流集電体
34 内部層
36 中間層
38 表面層
U1 第1層
U2 第2層
U3 第3層
100 リチウム二次電池
112 負極
113 セパレータ
114 正極
120 電池容器
140 封入部材
記炭素系負極活物質は、人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物であってもよい。また、前記負極活物質層は、Si系負極活物質、Sn系負極活物質、リチウムバナジウム酸化物またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
前記非配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が200~500であってもよい。前記非配向層のI(002)/I(110)が前記範囲に含まれる場合には、活物質粒子の接触が良くなって、極板内合材の抵抗が減少するというメリットがある。
記炭素系負極活物質は、人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物であってもよい。負極活物質として人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物である結晶質炭素系物質を用いる場合、非晶質炭素系活物質を用いる場合に比べて粒子の結晶学的特性がより発達しているため、外部磁場に対する極板内炭素物質の配向特性をさらに向上させることができるというメリットがある。前記人造黒鉛または天然黒鉛の形態は、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状、繊維状、またはこれらの組み合わせであって、いかなる形態でも構わない。さらに、前記人造黒鉛と天然黒鉛とを混合使用する場合、混合比は70:30重量%~95:5重量%であってもよい。
このような磁場の印加によって、特に、前記塗布工程を電流集電体を移動しながら実施すれば、磁石による磁場(magnetic flux)は電流集電体と垂直な方向に形成されるが、コーティング速度(集電体の移動速度)に応じて磁場が形成される方向はベクトル(vector)関数で一定の角度をもって形成されるので、第1層および第2組成物に含まれる負極活物質が電流集電体の表面に対して一定の角度をもつように立つ、つまり、配向される形状を有することができる。
この時、前記第1層活物質組成物の粘度、前記第2層活物質組成物および第3活物質組成物の粘度を調節して、第1層、第2層および第3層の形成時に印加される磁場が同一であるようにも、各層のDD値が異なっても形成できる。つまり、3層以上の多層構造の形成時、製造される層が配向層または非配向層になるように層を形成するための組成物の粘度を調節して、各層を形成することが適切である。
人造黒鉛97.5重量%、スチレンブタジエンラバー1.2重量%、カルボキシメチルセルロース1.3重量を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第2層用負極活物質スラリーを製造した。
人造黒鉛98.2重量%、スチレンブタジエンラバー0.3重量%、カルボキシメチルセルロース1.5重量を水溶媒中で混合して、粘度(25℃で)が4000cpsの第4層用負極活物質スラリーを製造した。

Claims (15)

  1. 電流集電体と、
    前記電流集電体に形成され、炭素系負極活物質を含む負極活物質層とを含み、
    前記負極活物質層は、3層以上の多層構造であり、
    前記負極活物質層の少なくとも1層は、下記式1で定義されるDD(Degree of Divergence)値が19以上の配向層である
    リチウム二次電池用負極。
    [式1]
    DD(Degree of Divergence)=(I/Itotal)*100
    (上記式1中、
    は、CuKα線を用いたXRD測定の際、非平面角度に現れるピーク強度の合計値であり、
    totalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、すべての角度に現れるピーク強度の合計値である)。
  2. 前記活物質層は、3層~5層の多層構造である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 前記3層以上の多層構造である負極活物質層は、前記電流集電体と接触する内部層と、表面層と、該内部層と表面層との間に位置する少なくとも1層である中間層とを含み、
    前記表面層は、前記DD値が19以上の配向層である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 前記配向層は、DD値が19~60である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  5. 前記Iは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、77.5±0.2°に現れるピーク強度の合計値であり、
    前記Itotalは、CuKα線を用いたXRD測定の際、2θ=26.5±0.2°、42.4±0.2°、43.4±0.2°、44.6±0.2°、54.7±0.2°、77.5±0.2°に現れるピーク強度の合計値である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  6. 前記ピーク強度値は、ピークの積分面積値である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  7. 前記負極活物質層の少なくとも1層は、前記DD値が19以上の配向層であり、少なくとも1層は、前記DD値が19未満の非配向層である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  8. 前記負極は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が50~300である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  9. 前記配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が10~200である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  10. 前記非配向層は、CuKα線を用いたXRD測定の際、(110)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度比(I(002)/I(110))が200~500である、請求項7に記載のリチウム二次電池用負極。
  11. 前記負極活物質層の全体厚さは、100μm~1000μmである、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  12. 前記炭素系負極活物質は、人造黒鉛、または人造黒鉛と天然黒鉛との混合物である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  13. 前記負極活物質層は、Si系負極活物質、Sn系負極活物質、リチウムバナジウム酸化物またはこれらの組み合わせをさらに含むものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の負極と、
    正極と、
    電解質と
    を含むリチウム二次電池。
  15. 前記リチウム二次電池は、高出力用電池である、請求項14に記載のリチウム二次電池。
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