JP2022528747A - Fak阻害剤の塩及び結晶形態 - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の式(I)JPEG2022528747000019.jpg54160によって定義されるFAK阻害剤の酒石酸塩及び増殖性疾患を処置するためのその阻害剤の使用に関する。

Description

本発明は、以下の式I
Figure 2022528747000002
によって定義されるFAK阻害剤の酒石酸塩に関する。
国際公開第2012110774号パンフレットは、プロテインチロシンキナーゼ2(PTK2)としても知られている焦点接着キナーゼ(FAK)に対する活性を示す種類の2,4,5-置換ピリミジン及び前記化合物を含有する医薬組成物を開示している。
指向性細胞遊走は、胚発生、創傷治癒、血管新生、腫瘍浸潤及び転移を含む多くの生理学的及び病理学的過程において重要である。指向的に移動するように細胞を刺激する細胞外シグナルの伝達は、細胞外基質タンパク質への膜貫通インテグリンの結合及びそれらの同種受容体の細胞外ドメインにおける増殖因子(例えば、EGF、IGF及びVEGF)の作用を含むいくつかのプロセスによって誘導され得る。
FAKは、膜貫通インテグリン及び増殖因子受容体の両方からのシグナルを媒介する非受容体チロシンキナーゼである。FAKは、これらの多様な細胞外シグナルを調整し、外部環境を通して細胞の指向性移動をもたらすようにそれらを統合するのに中心的役割を果たすことが報告されている。
インテグリンクラスタリング又は増殖因子受容体(例えば、EGFR、IGF-1R、Her2及びVEGFR)の活性化は、Y397におけるFAK自己リン酸化を促進する。
次に、リン酸化Y397 FAKは、c-Src(本明細書においてSrcと呼ばれる)に結合し、Y576及びY577におけるFAKのSrc媒介性リン酸化が起こって、活性FAK-Src複合体を生じさせる。次に、活性FAK-Srcは、細胞接着、遊走、浸潤、細胞生存、増殖、化学療法剤耐性の獲得及び転移などのプロセスに影響を与えるいくつかの生化学的経路を介してシグナル伝達を促進する。
したがって、FAK阻害剤は、細胞接着、細胞遊走、細胞浸潤、細胞増殖及び化学療法剤耐性の減少のための用途を有するであろう。さらに、FAK阻害剤は、不適切な細胞外基質環境において細胞のアポトーシスを誘導し、血管新生を減少させるための適用性を有するであろう。
選択的FAK阻害剤である化合物は、他のプロテインキナーゼなどの任意の標的の阻害によって引き起こされる潜在的な問題なしに特定の生物学的経路の標的化を可能にするであろう。
本発明者らは、式Iの化合物(国際公開第2012110774号パンフレットにおいて示される13の実施例の3番目の実施例である)が、ドラッガブルな分子として可能性を示すことを見出した。
国際公開第2012/110774号
本発明者らは、式Iの化合物の酒石酸塩が、薬物動態を含む貯蔵及び生物薬剤学的特性に関して、遊離塩基を上回るさらなる利点を提供する特性を有することを見出した。
特に、
・実験的証拠は、遊離塩基の結晶形態が水和物である一方、酒石酸塩が無水物であることを示す。酒石酸塩の無水の性質は、それが貯蔵時に脱水し得ず、したがってより化学的及び物理的に安定しているはずであることを意味する。
・酒石酸塩は、遊離塩基結晶形態より吸湿性が低く、これは、貯蔵時にそれが水をより吸収しにくいことを意味する。さらに、遊離塩基は、水を吸収し、別の結晶形態に転化する。医薬品固体は、単結晶形態のままであることが好ましい。同様の条件下では、酒石酸塩は、それほど多くの水を吸収せず、単結晶形態に留まる。
・酒石酸塩の溶解度は、水中で遊離塩基より高く、この溶解度は、試験されるpH範囲にわたってより一貫している。これは、より堅固な生物薬剤学的特性の可能性を提供する。
・ラットモデルにおいて、酒石酸塩についての血漿中AUCは、対応する遊離塩基についてより有意に高い。
したがって、第1の実施形態において、式I:
Figure 2022528747000003
の化合物の酒石酸塩が提供される。
好ましくは、酒石酸塩は、結晶形態として提供される。
第2の実施形態において、第1の実施形態の酒石酸塩を使用して増殖性疾患を処置する方法が提供される。
第3の実施形態において、増殖性疾患を処置するのに使用するための、第1の実施形態の酒石酸塩が提供される。
第4の実施形態において、増殖性疾患を処置するための薬剤の調製における、第1の実施形態の酒石酸塩の使用が提供される。
第5の実施形態において、第1の実施形態の酒石酸塩を含む医薬組成物が提供される。
式IのL-酒石酸塩パターン1方法1から得られる固体のXRPDディフラクトグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のPLM画像。 方法1からの式IのL-酒石酸塩パターン1の1H NMRスペクトル。 式Iの遊離塩基及び方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1材料の並べられた1H NMRスペクトル。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1材料のHPLC純度クロマトグラム。10.553の保持時間での主要ピークに加えて、矢印によって示される4つの他のピークがある。それらの4つのピークの保持時間は、表中の矢印の付いた列により明確に示されている。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のTG/DTサーモグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のDSC第1の熱サーモグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のDSC第1の冷却サーモグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のDSC第2の熱サーモグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のGVS等温線プロット。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のGVS後のXRPDディフラクトグラム。 方法1から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1のFT-IRトレース。 式IのL-酒石酸塩パターン1の方法2の調製から得られる固体のXRPDディフラクトグラム。 方法2から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1の1H NMRスペクトル。 式Iの遊離塩基(A)、方法1(B)から得られる式IのL-酒石酸塩パターン1及び方法2(C)から得られるL-酒石酸塩パターン1の並べられた1H NMRスペクトル。 式IのL-酒石酸塩パターン2のXRPDディフラクトグラム。 20mg/kg(遊離塩基当量)の用量での式Iの遊離塩基又はL-酒石酸塩の経口投与後の、雄スプラーグドーリーラットにおける式Iの平均血漿中濃度。
本発明は、式I:
Figure 2022528747000004
の化合物の酒石酸塩を提供する。
酒石酸塩は、D-酒石酸塩又はL-酒石酸塩、好ましくはL-酒石酸塩であり得る。
好ましい実施形態において、本発明は、酒石酸塩の結晶形態を提供する。さらなる好ましい形態において、結晶性酒石酸塩は、約9.1、15.5、17.0、18.5、21.8、22.1及び25.3の2θ値において主要ピークを有する特徴的な粉末回折パターン(XRPD)を有する。
好ましくは、酒石酸塩の結晶形態は、0.8mg/ml~1.0mg/ml、より好ましくは0.9mg/mlの水への溶解度を有する。
好ましくは、酒石酸塩の結晶形態は、約172℃~174℃、より好ましくは約173℃の溶融開始を有する。
好ましい形態において、酒石酸塩の結晶形態は、80%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上及び99.5%以上の結晶化度を有する。
本発明は、ヒト又は動物の身体の処置の方法に使用するための本発明の酒石酸塩をさらに提供する。このような方法は、治療有効量の、好ましくは医薬組成物の形態の酒石酸塩をこのような対象に投与することを含み得る。
病態の処置に関して本明細書において使用される際の「処置」という用語は、一般に、ヒト又は動物(例えば、獣医学的用途)にかかわらず、ある所望の治療効果が達成される処置及び治療法、例えば病態の進行の阻害に関し、進行の速度の低下、進行の速度の停止、病態の改善及び病態の治癒を含む。予防的措置(すなわち予防)としての処置も含まれる。
本明細書において使用される際の「治療有効量」という用語は、妥当なベネフィット・リスク比に見合う、ある所望の治療効果を生じるのに有効である、酒石酸塩を含む活性化合物又は材料、組成物若しくは剤形の量に関する。

本発明の酒石酸塩は、増殖性疾患の処置などで特に抗癌剤として使用され得る。当業者は、候補化合物が、単独で又は組み合わせて、任意の特定の細胞型についての癌性状態を処置するか否かを容易に決定することができる。
癌の例としては、限定はされないが、骨肉腫、脳幹グリオーマ、乳癌、副腎の癌、肛門部の癌、膀胱の癌、内分泌系の癌、食道の癌、頭頸部の癌、腎臓若しくは尿管の癌、肝臓の癌、副甲状腺の癌、陰茎の癌、小腸の癌、甲状腺の癌、尿道の癌、頸部の癌腫、子宮内膜の癌腫、卵管の癌腫、腎盂の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、慢性若しくは急性白血病、結腸癌、皮膚若しくは眼内黒色腫、血液悪性疾患、ホジキン病、肺癌、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)の新生物、卵巣癌、膵臓癌、下垂体腺腫、原発性CNSリンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、軟組織の肉腫、皮膚癌、脊髄軸腫瘍、胃癌及び子宮癌が挙げられる。
肺、胃腸(例えば、腸管、結腸を含む)、胸(乳房)、卵巣、前立腺、肝臓(肝)、腎臓(腎)、膀胱、膵臓、脳及び皮膚を含むが、これらに限定されない任意のタイプの細胞が処置され得る。
上に定義される抗癌治療剤は、単独の治療法として適用され得るか、又は本発明の化合物に加えて、従来の外科手術、若しくは放射線療法、若しくは化学療法剤を必要とし得る。このような化学療法剤としては、以下のカテゴリーの抗腫瘍剤の1つ以上が挙げられ得る:-(i)内科的腫瘍学において使用されるような他の抗増殖/抗腫瘍薬及びそれらの組合せ、例えばアルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド及びニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン及び抗葉酸剤、例えば5フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド及びヒドロキシウレア);抗腫瘍性抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシン及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン);抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド並びにタキソール及びドセタキセル(Taxotere)及びポロキナーゼ阻害剤のようなタキソイド);及びトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン及びカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン及びブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール及びエキセメスタンのような)及びフィナステリドなどの5-レダクターゼの阻害剤;
(iii)抗浸潤剤(例えば、4-(6-クロロ-2,3-メチレンジオキシアニリノ)-7-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]-5-テトラヒドロピラン-4-イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願国際公開第01/94341号パンフレット)、N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-{6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルピリミジン-4-イルアミノ}チアゾール-5-カルボキサミド(ダサチニブ、BMS-354825;J.Med.Chem.,2004,47,6658-6661及び4-((2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)アミノ)-6-メトキシ-7-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)キノリン-3-カルボニトリル(ボスチニブ、SKI-606;Cancer research(2003),63(2),375-81)のようなc-Srcキナーゼファミリー阻害剤及びマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベータ受容体機能の阻害剤又はヘパラナーゼに対する抗体);
(iv)増殖因子機能の阻害剤:例えば、このような阻害剤は、増殖因子抗体及び増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[HerceptinT]、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux、C225]及びStern et al.Critical reviews inoncology/haematology,2005,Vol.54,pp11-29によって開示される任意の増殖因子又は増殖因子受容体抗体)を含み;このような阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、EGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI 774)及び6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-キナゾリン-4-アミン(Cl 1033)、ラパチニブなどのerbB2チロシンキナーゼ阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、イマチニブなどの血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などのRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY 43-9006))、MEK及び/又はAKTキナーゼを介した細胞シグナル伝達の阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、c-kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、AZD1152、PH739358、VX-680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX-528及びAX39459)並びにCDK2及び/又はCDK4阻害剤などのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤も含む;
(v)血管内皮増殖因子の影響を阻害するものなどの血管新生阻害剤、[例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(AvastinT)及びVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;国際公開第01/32651号パンフレット中の実施例2)、4-(4-フルオロ-2-メチルインドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;国際公開第00/47212号パンフレット中の実施例240)、バタラニブ(PTK787;国際公開第98/35985号パンフレット)及びSU11248(スニチニブ;国際公開第01/60814号パンフレット)、国際特許出願国際公開第97/22596号パンフレット、国際公開第97/30035号パンフレット、国際公開第97/32856号パンフレット及び国際公開第98/13354号パンフレットに開示されるものなどの化合物並びに他の機構によって作用する化合物(例えば、リノミド、インテグリンavb3機能の阻害剤及びアンジオスタチン)];
(vi)血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4並びに国際特許出願国際公開第99/02166号パンフレット、国際公開第00/40529号パンフレット、国際公開第00/41669号パンフレット、国際公開第01/92224、国際公開第02/04434号パンフレット及び国際公開第02/08213号パンフレットに開示される化合物;
(vii)アンチセンス治療、例えば抗rasアンチセンスであるISIS 2503など、上に列挙される標的を対象とするもの;
(viii)以下を含む遺伝子療法アプローチ:例えば、異常なp53又は異常なBRCA1若しくはBRCA2などの異常な遺伝子を置き換えるためのアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いるものなどのGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ及び多剤耐性遺伝子療法などの化学療法又は放射線療法に対する患者の耐容性を増加させるためのアプローチ;及び
(ix)以下を含む免疫療法アプローチ:例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加させるためのエクスビボ及びインビボアプローチ、例えばインターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクション、T細胞アネルギーを低減するためのアプローチ、サイトカインでトランスフェクトされた樹状細胞などのトランスフェクトされた免疫細胞を用いるアプローチ、サイトカインでトランスフェクトされた腫瘍細胞株を用いるアプローチ及び抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチ。
特に興味深い組合せは、ドセタキセルとの組合せである。他の可能な興味深い組合せとしては、ゲムシタビン、シスプラチン及びカンプトテシンプロドラッグイリノテカンとの組合せが挙げられる。
投与
活性化合物又は活性化合物を含む医薬組成物は、全身/末梢又は所望の作用の部位にかかわらず、経口(例えば、摂取による);局所(例えば、経皮、鼻腔内、眼内、口腔及び舌下を含む);肺(例えば、エアロゾルを用いた、例えば口又は鼻を通した、例えば吸入又は吹送療法による);直腸;膣;非経口、例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、嚢下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下及び胸骨内を含む注入によるもの;デポーの、例えば皮下又は筋肉内移植によるものを含むが、これらに限定されない任意の好都合な投与経路によって対象に投与され得る。対象は、真核生物、動物、脊椎動物、哺乳動物、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ科(例えば、マウス)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、ネコ)、ウマ科(例えば、ウマ)霊長類、類人猿(例えば、サル若しくは類人猿)、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)又はヒトであり得る。
製剤
酒石酸塩は、単独で投与されることが可能であるが、上に定義される少なくとも1つの酒石酸塩を1つ以上の薬学的に許容される担体、補助剤、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、滑沢剤又は当業者に周知の他の材料及び任意選択的に他の治療又は予防薬と一緒に含む医薬組成物(例えば、製剤)としてそれを提供することが好ましい。
したがって、本発明は、上に定義される医薬組成物及び上に定義される少なくとも1つの酒石酸塩を、本明細書に記載される1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、緩衝剤、補助剤、安定化剤又は他の材料と一緒に混合することを含む、医薬組成物を作製する方法をさらに提供する。
本明細書において使用される際の「薬学的に許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内において、妥当なベネフィット・リスク比に見合う、過度な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしで対象(例えば、ヒト)の組織と接触して使用するのに好適な化合物、材料、組成物及び/又は剤形に関する。各担体、賦形剤などは、製剤の他の成分と適合するという意味でも「許容」されなければならない。
好適な担体、賦形剤などは、標準的な薬学テキスト、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990に見出され得る。
製剤は、好都合には、単位剤形で提供され得、薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製され得る。このような方法は、酒石酸塩を、1つ以上の補助成分を構成する担体と組み合わせる工程を含む。一般に、製剤は、酒石酸塩を液体担体若しくは微粉化固体担体又はその両方と均一且つ均質に組み合わせて、次に必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
製剤は、液体、溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤、シロップ、錠剤、トローチ剤、顆粒、粉末、カプセル、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、坐剤、ペッサリー、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、スプレー、ミスト、フォーム、ローション、油、ボーラス、舐剤又はエアロゾルの形態であり得る。
経口投与(例えば、摂取による)に好適な製剤は、所定の量の酒石酸塩をそれぞれ含有する、カプセル、カシェ剤若しくは錠剤などの別個の単位として;粉末若しくは顆粒として;水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として;又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンとして;ボーラスとして;舐剤として;又はペーストとして提供され得る。
好ましくは、製剤は、経口投与に好適である。
錠剤は、従来の手段、例えば任意選択的に1つ以上の補助成分とともに圧縮又は成形によって作製され得る。圧縮錠は、好適な機械中において、任意選択的に、1つ以上の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガカント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤又は希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース);表面活性剤又は分散剤又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム);及び保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)と混合して、酒石酸塩を粉末又は顆粒などの自由流動性形態に圧縮することによって調製され得る。成形した錠剤は、好適な機械中において、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって作製され得る。錠剤は、任意選択的に、被覆又は刻印され得、例えば所望の放出プロファイルを提供するヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で用いて、その中の酒石酸塩の持続又は制御放出を提供するように製剤化され得る。錠剤は、胃以外の消化管の部分で放出を提供するように任意選択的に腸溶コーティングを提供され得る。
局所投与(例えば、経皮、鼻腔内、眼内、口腔及び舌下)に好適な製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル又は油として製剤化され得る。代わりに、製剤は、酒石酸塩及び任意選択的に1つ以上の賦形剤又は希釈剤を含浸した包帯又は絆創膏などのパッチ又はドレッシングを含み得る。
口内の局所投与に好適な製剤は、酒石酸塩を、風味付けされた基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に含むトローチ剤;酒石酸塩をゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に含むトローチ;並びに酒石酸塩を好適な液体担体中に含む洗口剤を含む。
眼への局所投与に好適な製剤は、酒石酸塩が、酒石酸塩に好適な担体、特に水性溶媒中に溶解又は懸濁された点眼剤も含む。
担体が固体である、経鼻投与に好適な製剤は、例えば、約20~約500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末を含み、これは、鼻から吸い込む様式、すなわち鼻に近づけて保持された粉末の容器から鼻腔を通して急速吸入によって投与される。担体が投与用液体である好適な製剤、例えば鼻腔用スプレー、点鼻剤又はネブライザーによるエアロゾル投与によるものは、酒石酸塩の水性又は油性溶液を含む。
吸入による投与に好適な製剤は、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ-テトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適な気体などの好適な噴射剤を使用した、加圧パックからのエアロゾルスプレーとして提供されるものを含む。
皮膚を介した局所投与に好適な製剤は、軟膏、クリーム及びエマルジョンを含む。軟膏において製剤化される場合、酒石酸塩は、任意選択的に、パラフィン性又は水混和性軟膏基剤のいずれかとともに用いられ得る。代わりに、酒石酸塩は、水中油型クリーム基剤とともにクリームにおいて製剤化され得る。必要に応じて、クリーム基剤の水性相は、例えば、少なくとも約30%w/wの多価アルコール、すなわち2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール及びそれらの混合物を含み得る。局所製剤は、望ましくは、皮膚又は他の患部を介した酒石酸塩の吸収又は浸透を促進する化合物を含み得る。このような皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシド及び関連する類似体が挙げられる。
局所エマルジョンとして製剤化される場合、油性相は、任意選択的に、単に乳化剤(別名、利尿剤として知られている)を含み得るか、又はそれは、少なくとも1つの乳化剤と、脂肪若しくは油又は脂肪及び油の両方との混合物を含み得る。好ましくは、親水性乳化剤は、安定化剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油及び脂肪の両方を含むことも好ましい。
合わせると、安定化剤とともに又は安定化剤なしで、乳化剤は、いわゆる乳化ろうを構成し、ろうは、油及び/又は脂肪と一緒にいわゆる乳化軟膏基剤を構成し、これは、クリーム製剤の油性分散相を形成する。
好適な利尿剤及びエマルジョン安定化剤は、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムを含む。製剤のための好適な油又は脂肪の選択は、所望の美容特性の達成に基づき、これは、医薬品エマルジョン製剤に使用される可能性が高い大部分の油への酒石酸塩の溶解度が非常に低くなり得るためである。したがって、クリームは、好ましくは、チューブ又は他の容器からの漏れを避けるために適切な稠度を有する、べたべたしない非染色性の洗浄可能な製品であるべきである。直鎖状又は分枝鎖状、一塩基性又は二塩基性アルキルエステル、例えばジ-イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル又はCrodamol CAPとして知られている分枝鎖状エステルのブレンドが使用され得、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に応じて単独で又は組み合わせて使用され得る。
代わりに、白色ワセリン及び/若しくは流動パラフィン又は他の鉱油などの高融点脂質が使用され得る。
直腸投与に好適な製剤は、例えば、カカオ脂又はサリチレートを含む好適な基剤を含む坐剤として提供され得る。
膣投与に好適な製剤は、酒石酸塩に加えて、当技術分野において適切であることが知られている担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤として提供され得る。
非経口投与(例えば、皮膚、皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含む注入による)に好適な製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、静菌剤及び製剤を対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る、水性及び非水性の等張性の、発熱物質を含まない滅菌注射溶液;並びに懸濁化剤及び増粘剤並びにリポソーム又は化合物を血液成分若しくは1つ以上の器官に標的化するように設計された他の微粒子システムを含み得る、水性及び非水性滅菌懸濁液を含む。このような製剤に使用するための好適な等張性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液又は乳酸リンゲル液が挙げられる。典型的には、溶液中の酒石酸塩の濃度は、約1ng/ml~約10μg/ml、例えば約10ng/ml~約1pg/mlである。製剤は、単位用量又は複数回用量の密閉容器、例えばアンプル及びバイアル中で提供され得、使用の直前に滅菌液体担体、例えば注射のための水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵され得る。即席注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製され得る。製剤は、リポソーム又は酒石酸塩を血液成分若しくは1つ以上の器官に標的化するように設計された他の微粒子システムの形態であり得る。
投与量
酒石酸塩及び酒石酸塩を含む組成物の適切な投与量は、患者ごとに変化し得ることが理解されるであろう。最適投与量の決定は、一般に、本発明の処置の何らかのリスク又は有害な副作用に対する治療効果のレベルのバランスを取ることを含む。選択された投与量レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、投与の時間、化合物の排せつ速度、治療期間、組み合わせて使用される他の薬剤、化合物及び/又は材料並びに患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康及び既往歴を含むが、これらに限定されない様々な要因に依存する。化合物の量及び投与経路は、最終的に医師の裁量によるが、一般に、投与量は、実質的な悪い又は有害な副作用を引き起こさずに所望の効果を達成する作用部位における局所濃度を達成するものである。
インビボ投与は、治療過程にわたり、単回投与で、継続的又は断続的に(例えば、適切な間隔を空けて分割投与で)行われ得る。
投与の最も有効な手段及び投与量を決定する方法は、当業者に周知であり、治療に使用される製剤、治療の目的、治療される標的細胞及び治療される対象により変化する。単回又は複数回投与は、治療医師によって選択される用量レベル及びパターンで行われ得る。
一般に、酒石酸塩の好適な用量は、1日当たり対象の体重1キログラム当たり約100pg~約250mgの範囲である。
本明細書に開示及び定義される本発明は、言及されるか又は本文若しくは図面から明らかである個々の特徴の2つ以上の全ての代替的な組合せに及ぶことが理解されるであろう。これらの様々な組合せの全ては、本発明の様々な代替的な態様を構成する。
ここで、本発明は、以下の非限定的な例を参照することによって説明される。
式I(式I)の化合物の酒石酸塩の合成及び特性評価
分析の方法
X線粉末回折(XRPD)
XRPD分析を、3~35°2θでサンプルを走査するPANalytical Xpert proにおいて行った。材料を穏やかに粉砕して、凝集体を放出し、Mylarポリマーフィルムを備えたマルチウェルプレート上に充填して、サンプルを支持した。次に、マルチウェルプレートを回折計に入れ、40kV/40mA発生器設定を用いて透過モード(ステップサイズ0.0130°2θ)で動作するCu K放射線(α λ=1.54060Å;α=1.54443Å;β=1.39225Å;α:α比=0.5)を用いて分析した。
偏光顕微鏡法(PLM)
結晶化度(複屈折)の存在を、Moticカメラ及び画像キャプチャソフトウェア(Motic Images Plus 2.0)を備えたOlympus BX50偏光顕微鏡を用いて決定した。特に記載しない限り、全ての画像は、20倍対物レンズを用いて記録した。
熱重量分析(TG/DTA)
約5mgの材料を開放アルミニウムパンに量り入れ、同時熱重量/示差熱分析計(TG/DTA)中に充填し、室温に保持した。次に、サンプルを10℃/分の速度で20℃から400℃まで加熱し、その間にサンプル重量の変化を何らかの示差熱事象(DTA)とともに記録した。窒素をパージガスとして300cm/分の流量で使用した。
示差走査熱量測定(DSC)
約5mgの材料をアルミニウムDSCパンに量り入れ、穿孔したアルミニウム蓋で非気密的に密閉した。次に、サンプルパンを、冷却されて20℃に保持されたSeiko DSC6200(冷却器を備えている)中に充填した。安定した熱流応答が得られたら、サンプル及び参照を10℃/分の走査速度で溶融(可能な場合)まで加熱し、得られた熱流応答を監視した。窒素をパージガスとして50cm/分の流量で使用した。
赤外分光法(IR)
赤外分光法をBruker ALPHA P分光計において行った。十分な材料を分光計のプレートの中心に置き、スペクトルを、以下のパラメータを用いて得た。
解像度:4cm-1
バックグラウンドスキャン時間:16スキャン
サンプルスキャン時間:16スキャン
データ収集:4000~400cm-1
結果スペクトル:透過
ソフトウェア:OPUSバージョン6
核磁気共鳴(NMR)
NMR実験を、プロトン及びフッ素について500.12MHzで操作するDCHクライオプローブを備えたBruker AVIIIHD分光計において行った。実験を重水素化DMSO-d6中で行い、各サンプルを約10mMの濃度に調製した。
H-13C HSQC NMRも同じ機器において収集した。
動的蒸気吸着(DVS)
約10~20mgのサンプルをメッシュ蒸気吸着バランスパンに入れ、Surface Measurement Systems製のDVS-1動的蒸気吸着バランス中に充填した。サンプルを、25℃で安定した重量が達成されるまで(dm/dt 0.004%、最小ステップ長さ30分、最大ステップ長さ500分)、各ステップでサンプルを維持しながら、10%の増分で40~90%の相対湿度(RH)からの傾斜プロファイルに供した。吸着サイクルの完了後、サンプルを、同じ手順を用いて0%の相対湿度になるまで乾燥させ、次に第2の吸着サイクルを40%の相対湿度になるまで戻した。2サイクルを行った。吸着/脱着サイクル中の重量変化をプロットすることで、サンプルの吸湿性が測定されることが可能になった。次に、XRPD分析を、保持された任意の固体について行った。
重量蒸気吸着(GVS)
約10~20mgのサンプルをメッシュ蒸気吸着バランスパンに入れ、Hiden Analytical製のIGASorp Moisture Sorption Analyserバランス中に充填した。サンプルを、25℃で安定した重量が達成されるまで(98%のステップ完了、最小ステップ長さ30分、最大ステップ長さ60分)、各ステップでサンプルを維持しながら、10%の増分で40~90%の相対湿度(RH)からの傾斜プロファイルに供した。吸着サイクルの完了後、サンプルを、同じ手順を用いて0%の相対湿度になるまで乾燥させ、最後に40%の相対湿度の開始点に戻した。2サイクルを行った。吸着/脱着サイクル中の重量変化をプロットすることで、サンプル吸湿性が測定されることが可能になった。
高速液体クロマトグラフィー-紫外線検出(HPLC-UV)
カラム:Zorbax SB-C18、150mm×4.6mm、3.5μm
カラム温度:50℃
オートサンプラ温度:周囲温度
UV波長:275nm
注入量:5μL
流量:1.0mL/分
移動相A:脱イオン水中0.1%のTFA
移動相B:アセトニトリル中0.1%のTFA
Figure 2022528747000005
液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)
機器:Dionex Ultimate 3000
カラム:ACE Excel 3 Super C18、75×4.6mm、3.0μm
カラム温度:30℃
注入量:10μL
流量:1.0mL/分
移動相A:脱イオン水中0.1%のギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%のギ酸
希釈剤:50:50の水:アセトニトリル
ニードル洗浄剤:アセトニトリル
PDA範囲:190~400nm
Figure 2022528747000006
Figure 2022528747000007
式Iの化合物のL-酒石酸塩の合成 - 方法1
式IのL-酒石酸塩を、以下の方法を用いて調製した:
・約500mgの式Iの遊離塩基をシンチレーションバイアルに量り入れた。
・3mLのアセトンを加えて、スラリーを形成し、THF(1.05モル当量)中の995μLのL-酒石酸の1Mストック溶液をスラリー中にゆっくりとピペッティングした。
・次に、スラリーを穏やかに旋回させ、蓋をし、約72時間にわたるインキュベータシェーカー中での周囲温度~40℃の熱サイクル(4時間サイクル)を開始した。
・この後、バイアルをインキュベータシェーカーから取り出し、固体のサブサンプルをXRPDによって分析して、所望のパターンが再現されたかどうかを調べた。サンプルをXRPDによって観察し、L-酒石酸塩パターン1が示された。
・次に、固体を、Whatmanグレード1ろ紙(直径42.5mm)を用いてブフナー漏斗において減圧下で単離し、固体をさらに15分間にわたって減圧下においてろ床上で乾燥させた。次に、固体を、予め秤量したシンチレーションバイアルに移し、秤量して、573.3mgの最終質量を得たが、これは、L-酒石酸塩単塩に基づいて約89%の収率であった。XRPDを乾燥固体上で収集し、L-酒石酸塩パターン1であることが観察された。
・次に、L-酒石酸塩パターン1材料をPLM、TG/DTA、DSC、H-NMR、HPLC純度、GVS(GVS後のXRPDを用いた)、FT-IRによって特性評価し、7日安定性、塩不均化、水和及び熱力学的溶解度試験に使用した。
方法1を用いた式IのL-酒石酸塩パターン1の調製は、成功した。573.3mgの固体を回収し、これは、無水単塩に基づいて約89%の収率であった。式IのL-酒石酸塩パターン1材料の特性評価は、以下を示した:
・温度サイクル後及び乾燥後の材料の図1中のXRPDディフラクトグラムは、結晶性であり、パターン1を示した。
・図2中のPLM画像は、針状の形態を有する複屈折性結晶を示した。
・図2及び図4中のH NMR分析は、式Iの遊離塩基ピーク及び広い水ピークへの移行を示し、これは、塩形成の証拠を示した。約4.01ppmにおけるL-酒石酸一重線ピークの積分値は、2Hであり、これは、1:1の式Iの遊離塩基:L-酒石酸比に一致しており;単塩が形成されたことを示唆している。
・HPLCによる分析(図5)は、99.8%の面積の式Iの純度を示した。
・図5中のTG分析は、約200℃を超える分解の開始まで有意な重量減少を示さなかった。これにより、これが無水形態であったことが示唆された。
・DTトレースは、173℃の開始及び177℃におけるピークを有する溶融による吸熱事象を示した(図6)。
・DSC分析は、173℃の開始及び177℃におけるピークを有する第1の熱サイクル(図7)における溶融による吸熱事象を示した。これは、TG/DTAデータと一致していた。さらなる事象は、その後の冷却(図8)及び第2の熱(図9)サイクルにおいて見られず、これは、溶融後、冷却時に再結晶化が起こらず、材料が溶融材料のままであったことを示している。
・材料は、GVS分析によってわずかに吸湿性であることが分かり(図10)、0.6重量%の質量取り込みが90%の相対湿度まで観察された。
・サンプルGVS後実験の図11中のXRPD分析は、式IのL-酒石酸塩パターン1についての予測されるXRPDパターンと比較してXRPDパターンの変化を示さなかった。
・図12中のFT-IRトレースを参照のために記録した。
式Iの化合物のL-酒石酸塩の合成 - 方法2
テトラヒドロフラン(クラス2)と比較してより高いICH分類を有するストック溶液溶媒を用いてL-酒石酸塩パターン1の再現性を試験するために、L-酒石酸の1Mストック溶液をアセトン及びエタノールの両方において調製し、これらは、両方ともICHクラス3溶媒であると分類される。
アセトン中のストック溶液を用いた実験は、この溶媒へのL-酒石酸の不十分な溶解度のため、行わなかった。
エタノール中のストック溶液を用いたL-酒石酸塩パターン1の調製を以下のように行った:
・約100mgの式Iの遊離塩基をシンチレーションバイアルに量り入れた。
・600μLのアセトンを加えて、スラリーを形成し、バイアルを軽く振とうした。
・次に、エタノール(1.05モル当量)中の199μLのL-酒石酸ストック溶液をスラリー中にゆっくりとピペッティングした。
・次に、バイアルに蓋をし、インキュベータシェーカーに入れて、24時間にわたる4時間サイクルでの周囲温度~40℃の熱サイクルに供した。得られた固体をXRPDによって分析し、L-酒石酸塩パターン1が観察された。
・次に、サンプルの蓋を取り、72時間にわたって周囲条件で蒸発させた。
・次に、乾燥されたサンプルをXRPD及びH NMRによって分析した。
方法2(テトラヒドロフランストック溶液の代わりにエタノールストック溶液の使用)を用いた式IのL-酒石酸塩パターン1の調製は、成功し、XRPD及びH NMRによって得られた固体の特性評価は、以下の結果を示した:
・図13中のXRPDディフラクトグラムは、他の方法と同等の結晶化度を示し、式IのL-酒石酸塩パターン1について予測されるパターンと一致していた。
・図14中のH NMRスペクトルは、式IのL-酒石酸塩単塩と一致し、方法1を用いて得られた固体について得られたH NMRスペクトル(図15)と一致していた。
7日安定性試験
7日安定性試験を以下のように行った:
・約10~20mgの式IのL-酒石酸塩パターン1を1週間にわたって40℃/75%の相対湿度、80℃又は周囲光及び温度のいずれかに置いた。得られた固体をXRPDによって分析して、物理的安定性を評価し、HPLCによって分析して、化学安定性を評価した。
7日安定性試験の結果が以下に要約される。
Figure 2022528747000008
7日安定性試験は、以下の結果を示した:
・塩は、HPLC純度結果に対する有意な変化を有さず、試験される安定性条件下で化学的に安定したままであった。
・XRPDパターンに対する有意な変化もなく、これは、それらが物理的にも安定していたことを示している。
塩不均化試験
塩不均化試験を以下のように行った:
・約10~20mgの式Iの遊離塩基、L-酒石酸塩パターン1をHPLCバイアルに量り入れた。
・次に、1mLの脱イオン水を各バイアルに加え、バイアルに蓋をし、24時間にわたって周囲温度で振とうした。
・この後、サンプルを、ナイロンフィルタ(0.22μm)を備えた遠心分離管に移し、約15分間にわたって遠心分離した。単離された固体をXRPDによって分析し、ろ液を濃度決定のためにHPLCによって分析し、全てのろ液のpHを、pH計を用いて測定した。
塩不均化試験の結果が以下に要約される。
Figure 2022528747000009
塩不均化試験は、以下の結果を示した:
・塩不均化の証拠は、式Iの塩のいずれにおいても見られなかった。
・式IのL-酒石酸塩パターン1は、スラリー化後、L-酒石酸塩パターン2(図16)に変化し、これは、おそらく水の取り込みによる水和塩であると考えられる。
水和試験
水和試験を以下のように行った:
・約10~20mgの式Iの遊離塩基、L-酒石酸塩パターン1を1.5mLのバイアルに量り入れた。
・水/アセトン混合物を、0.281、0.637及び0.888の水分活性を得るように調製した。
・次に、適切な水/アセトン混合物を各バイアルに加えて、スラリーを形成し、バイアルに蓋をし、24時間にわたって周囲温度で振とうした。
・この後、スラリーを、ナイロンフィルタ(0.22μm)を含む遠心分離管に移し、15分間にわたって遠心分離した。単離された固体をXRPDによって分析した。
水和試験の結果が以下に要約される。
Figure 2022528747000010
水和試験は、以下の結果を示した:
・L-酒石酸塩パターン1材料は、0.888の水分活性まで安定していることが観察され、その水分活性で、この増加した水和レベルは、L-酒石酸塩パターン2への変化をもたらした。パターン2は、水和形態であると考えられた。
熱力学的溶解度試験
熱力学的溶解度試験を以下のように行った:
・約10mgの式Iの遊離塩基パターン1及びL-酒石酸塩パターン1を1.5mLのねじ蓋バイアルに量り入れた。適切な緩衝系を加えて、スラリーを生成し、バイアルを約24時間にわたって周囲温度(約22℃)で振とうした。
・この後、スラリーを、ナイロンフィルタ(0.22μm)を含む遠心分離管に移し、約10分間にわたって遠心分離機を用いてろ過した。次に、単離された固体をXRPDによって分析し、ろ液をpH計によって測定し、濃度についてHPLCによって分析した。
熱力学的溶解度試験の結果が以下に要約される。
Figure 2022528747000011
熱力学的溶解度試験は、以下の結果を示した:
・XRPD結果は、pH6.8において、式Iの遊離塩基が、遊離塩基の場合、塩形成である可能性が高いXRPDパターンの変化を示したことを示した。これは、L-酒石酸塩パターン1塩について観察されなかった。
・可能なHCl塩は、対イオン交換又は式Iの遊離塩基の場合、塩形成により、pH1.0においてL-酒石酸塩パターン1及び遊離塩基から形成された。
・観察された酒石酸塩は、式Iの遊離塩基(<0.1mg/mL)と比較して水への溶解度(0.6~1.0mg/mL)を増加させた。
・pH1.0において、L-酒石酸塩パターン1は、式Iの遊離塩基と同じ溶解度(0.3mg/mL)を観察した。
・pH4.5において、式Iの遊離塩基は、塩(0.2~2.8mg/mL)と比較して有意により可溶性であった(11.9mg/mL)。
・pH6.8において、L-酒石酸塩は、遊離塩基(<0.1mg/mL)と比較してわずかに増加した溶解度(0.2mg/mL)を示した。
概して、L-酒石酸塩パターン1の塩は、式Iの遊離塩基と比較して一貫して向上した溶解度を示したが、pH4.5において、式Iの遊離塩基は、かなりより可溶性であった。
概要
式IのL-酒石酸塩パターン1の調製は、89%の単離収率及び99.8%の純度で500mgの規模において問題なく行われた。XRPD、TG/DTA及び1H NMRによる特性評価を行い、GVS分析は、材料が90%の相対湿度まで0.6重量%の質量取り込みでわずかに吸湿性であったことを示した。GVS後のXRPD分析は、湿度条件への曝露後の形態の変化を示さなかった。1週間にわたって試験される加速された安定性条件(周囲温度及び光、40℃/75%の相対湿度及び80℃)下において、材料は、安定していると考えられた。熱力学的溶解度試験は、L-酒石酸塩パターン1が、水、pH1.0緩衝液及びpH6.8緩衝液中の式Iの遊離塩基と比較して増加した溶解度を有していたことを示した。塩不均化試験は、不均化の証拠を示さなかったが、材料は、水和したL-酒石酸塩パターン2材料に変化した。
テトラヒドロフランストック溶液と対照的に、L-酒石酸のエタノールストック溶液を用いた式IのL-酒石酸塩パターン1の調製は、100mgの規模で問題なく行われた。XRPD及び1H NMRによる特性評価は、合成方法と一致していた。これにより、エタノールストック溶液の使用がこの材料の生成に悪影響を与えないことが示された。
生物学的試験
A.試験の目的
20mg/kg(遊離塩基当量として)の目標用量における遊離塩基及びL-酒石酸塩の経口投与後の、雄スプラーグドーリーラットにおける式Iの化合物の曝露量を比較すること。
B.簡単な方法
主要な実験手順が以下の表に要約される。生体内、製剤及び生物分析手順のさらなる詳細は、データと一緒に付属書1に記載されている。
この項全体を通して、用量及び濃度は、遊離塩基当量として表される。
Figure 2022528747000012
C.結果及び説明
・有害反応又は化合物関連の副作用は、式Iの遊離塩基又はL-酒石酸塩のいずれかの経口投与後の48時間のサンプリング期間中、いずれのラットにおいても観察されなかった。
・遊離塩基又はL-酒石酸塩の経口投与後の式Iの時間プロファイルに対する平均血漿中濃度が図17に示され、平均曝露量パラメータが表1に示される。
・式Iの遊離塩基又はL-酒石酸塩の経口投与後、式Iの最高血漿中濃度が投与の5~7時間後の時点で観察され、見掛けの経口半減期は、静脈内(IV)投与後、既に観察されたものと一致していた。
・式Iの曝露量は、L-酒石酸塩を投与した後により高かった。Cmax及びAUCは、遊離塩基よりそれぞれ約30%及び50%高かった。AUCの差は、統計的に有意であった(P<0.05)。
・式Iの公知のN-脱メチル化代謝産物(既に確立されたMRMパラメータを用いて監視される)が遊離塩基及びL-酒石酸塩の両方の経口投与後に血漿及び尿中で検出されたが、濃度は、信頼できる基準の欠如により、決定することができなかった。
図17は、20mg/kg(遊離塩基当量)の用量における式Iの遊離塩基又はL-酒石酸塩の経口投与後の、雄スプラーグドーリーラットにおける式Iの平均血漿中濃度を示す。意外なことに、血漿中AUCは、遊離塩基についてよりもL-酒石酸塩について有意に高い。
Figure 2022528747000013
付属書1 - 実験手順及びデータ分析
薬物動態
製剤調製
・投与の当日に、各製剤(すなわち式Iの遊離塩基又はL-酒石酸塩)を、乳鉢及び乳棒を用いて、Milli-Q水(遊離塩基式Iについて3.89mL及びL-酒石酸塩について4.00mL)中で固体化合物(遊離塩基について25.9mg及びL-酒石酸塩について34.3mg)を湿式粉砕することによって調製した。
・各製剤を超音波処理し、十分にボルテックスして、均一な白色の懸濁液(遊離塩基について7.6及びL-酒石酸塩について3.2の見掛けのpHを有する)を生成したが、遊離塩基についての製剤は、急速な硬化を起こした。
・秤量された化合物の質量及び2つの製剤を調製するのに使用される水の体積に基づいて、両方における式Iの公称濃度(遊離塩基当量として)は、6.67mg/mLであった。
・各ラットに投与される用量をラットの体重(投与前に測定される)、各ラットに投与される製剤の体積及び製剤中の試験化合物の公称濃度に基づいて計算した。
生体内
・式Iの曝露量を、投与前及び投与後のサンプリング期間を通して水を自由に摂取させ、投与の4時間後に給餌を再開させた、一晩絶食した雄スプラーグドーリーラットにおいて調べた。生体内の詳細が表A1-1に示される。
・動脈血及び全尿のサンプルを投与の48時間後までに採取した。動脈血を、ヘパリン、Complete(登録商標)(プロテアーゼ阻害剤混合液)及びフッ化カリウムを含むホウケイ酸塩バイアル(4℃で)中に直接採取して、血液/血漿サンプル中での式Iの生体外の分解の可能性を最小限に抑えた。採取後、血液サンプルを遠心分離し、上清血漿を除去し、LC-MSによる分析まで冷凍保存した(-80℃)。
Figure 2022528747000014
生物分析
サンプル処理及び分析
血漿サンプルからの試験化合物の抽出を、アセトニトリルによるタンパク質沈殿を用いて行った。溶液及び血漿標準の両方を新たに調製し、それぞれの一連の標準は、少なくとも7つの異なる分析物濃度を含む。溶液標準を水中50%のアセトニトリルでストック溶液(DMSO中1mg/mL)から希釈した。血漿標準を、ブランク血漿(50μL)に溶液標準(10μL)及び内部標準、ジアゼパム(10μL、5μg/mL)を入れることによって調製した。
血漿サンプルを、ブランクアセトニトリル(10μL)を溶液標準の代わりに加えたことを除いて同様に調製した。タンパク質沈殿をアセトニトリル(120μL)の添加、ボルテックス(20秒)及び3分間にわたる微小遠心分離機中での遠心分離(10,000rpm)によって行った。続いて、上清を分離し、3μLを、以下に示される条件を用いて、LC/MS分析のためにカラムに直接注入した。全ての血漿中濃度が非塩当量として表される。生物分析方法の概要が表A1-2に示される。
Figure 2022528747000015
アッセイ検証
使用される校正範囲は、実験動物中で行われる薬物動態試験について観察される典型的な濃度範囲に基づいていた。
アッセイを校正範囲、線形性、正確性、精度及び抽出効率に関して評価した。定量を、システムソフトウェア、Quanlynxを用いる内部標準方法を用いて行った。アッセイ検証を1回のみの分析行程で行い;日間の検証は、行われなかった。検出の下限(LLD)は、決定されなかった。貯蔵安定性は、評価されなかった。
抽出効率は、関連する濃度(50又は100及び500ng/mL)で許容可能であり、アッセイは、0.5~10,000ng/mLの濃度範囲内で十分な線形性、正確性及び精度を示すことが分かった。検証の概要が表A1-3に示される。
Figure 2022528747000016
標準計算
・時間データに対する血漿中濃度を、非コンパートメント法(PKSolver Version 2.0)を用いて分析した。各薬物動態パラメータについての標準計算が以下に列挙される。
Figure 2022528747000017
・遊離塩基とL-酒石酸塩との間の薬物動態パラメータ(t1/2、AUC、Cmax、Tmax及びBA)の差を、α=0.05における有意性について対応のないt検定試験(GraphPad Prism、version 7.01)を用いて評価した。

Claims (13)

  1. 式I:
    Figure 2022528747000018
    の化合物の酒石酸塩。
  2. L-酒石酸塩である、請求項1に記載の酒石酸塩。
  3. 請求項1又は2に記載の酒石酸塩の結晶形態。
  4. 約9.1、15.5、17.0、18.5、21.8、22.1及び25.3の2θ値において主要ピークを有する、銅を用いた特徴的な粉末回折パターン(XRPD)を有する、請求項3に記載の結晶形態。
  5. 0.8mg/ml~1.0mg/mlの水への溶解度を有する、請求項3又は4に記載の結晶形態。
  6. 0.9mg/mlの水への溶解度を有する、請求項3又は4に記載の結晶形態。
  7. 約172℃~174℃の溶融開始を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の結晶形態。
  8. 約173℃の溶融開始を有する、請求項7に記載の結晶形態。
  9. 80%以上の結晶化度を有する、請求項3~8のいずれか一項に記載の結晶形態。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の酒石酸塩を使用して増殖性疾患を処置する方法。
  11. 増殖性疾患を処置するのに使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の酒石酸塩。
  12. 請求項1~9のいずれか一項に記載の酒石酸塩を含む医薬組成物。
  13. 経口投与に好適である、請求項12に記載の医薬組成物。
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