JP2022526792A - ポリカーボネートの生成方法-連鎖停止剤の添加時点 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、少なくとも1種の触媒及び少なくとも1種の連鎖停止剤から、相境界法によってポリカーボネートを生成する方法に関しており、この方法は、低割合のオリゴマー及び低割合の二連鎖停止剤カーボネートを有するポリカーボネートを生成する。本発明による方法は、連鎖停止剤が、定められた時点で反応系に添加されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、少なくとも1種の触媒、及び少なくとも1種の連鎖停止剤から界面法によってポリカーボネートを生成する方法であって、低割合のオリゴマー及び低割合の二連鎖停止剤カーボネート(di-chain terminator carbonate)を有するポリカーボネートを有する、方法に関する。
界面法によるポリカーボネートの生成は、これまでに非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、及び最後に非特許文献4に記載されている。
ポリカーボネートを生成するための界面法は、更に特許文献1にも記載されている。
上記方法は、アルカリ水溶液又は懸濁液中に当初投入されるビスフェノール又は異なるビスフェノールの混合物の二ナトリウム塩の、水相の他に第2の有機相を形成する不活性有機溶剤又は溶剤混合物の存在下でのホスゲン化を一般に含む。主に有機相に存在する得られるオリゴカーボネートは、適切な触媒によって縮合されて、有機相に溶解した高分子量のポリカーボネートが得られ、この際、分子量は適切な連鎖停止剤(例えば単官能フェノール)によって制御され得る。有機相は最終的に分離され、これより様々な処理工程を経てポリカーボネートが単離される。
得られるポリカーボネート(PC)の特性は、PC中のオリゴマーの割合、及び更に二連鎖停止剤カーボネートの割合に影響される。本発明において、「二連鎖停止剤カーボネート」とは、2つの連鎖停止剤分子をホスゲンと反応させてカーボネートを形成することにより形成された化合物を意味すると理解される。これにより影響を受けるPCの特性は、衝撃強度、ガラス転移温度、及び高温での挙動を含む。低分子化合物は、更にCD生成の際の白化(bleaching)をもたらし得る。また、二連鎖停止剤カーボネートが形成されると、実際の反応自体及びその粘度制御に必要な連鎖停止剤が失われることにも留意すべきである。したがって、ポリカーボネート中の二連鎖停止剤の割合が高くなるほど、必要な連鎖停止剤の量も多くなり、これは経済的にも環境的にも有利ではなく、プロセス中の粘度制御も難しくなる。そのため、二連鎖停止剤カーボネートの含有量をできるだけ低く抑えることが望ましい。
二連鎖停止剤カーボネートは、ホスゲンと連鎖停止剤の反応によって生成される。そのため、ホスゲンが完全に反応した時点でのみ連鎖停止剤を反応系に添加するのが一般的である。これは例えば、最初にオリゴマーが生成される第1の段階と、続く更なる縮合を行う第2の段階とを含む多段階プロセスを用いることにより、又は、プロセス中の非常に遅い時点で、高転化率、すなわち、ポリカーボネートの分子量が既に高くなった時点で連鎖停止剤を添加することにより実現することができる。しかし、従来の理論では、高転化率になるまでに連鎖停止剤を添加しないと、得られるポリカーボネート中のオリゴマー含有量が増加してしまう。高割合のオリゴマーは、低分子量PCの脆さにつながり、押出時のエステル交換により分子量が低下する可能性があり、衝撃強度が低下することが報告されている。そのため、従来技術では、ポリカーボネートにおける、高含有量のオリゴマーと低含有量の二連鎖停止剤カーボネートとの間、或いは、低含有量のオリゴマーと高含有量の二連鎖停止剤カーボネートとの間で何れかの妥協点を見いだすようにプロセスは通常行われる。
特許文献2には、狭い分子量分布、すなわち低割合のオリゴマーを有する低分子量ポリカーボネートの生成が記載されている。そのような狭い分布を達成するために、この従来技術は、0~6の重合度を有するホスゲンを含まないビスクロロホルメートを、例えばフェノールでキャップし、その後、得られたキャップされたビスクロロホルメートに、触媒及び塩基を添加して縮合させる2段階プロセスを提案している。ここでも、フェノールは、溶液中にもはやホスゲンが存在しなくなった時点で、連鎖停止剤としてビスクロロホルメート溶液に添加される。特許文献3も同様に、低割合のオリゴマーを有するポリカーボネートの生成に関する。これも同様に、0~6の重合度を有するビスクロロホルメートから始まる。実施例2によると、このビスクロロホルメートは、最初に過剰量のホスゲン(250mmolのビスフェノールAに対して739.3mmolのホスゲン)を用いる反応で生成される。そのため、未反応分のホスゲンはNaOHの添加によってその後分解される。その後でのみ、連鎖停止剤であるp-t-ブチルフェノールが添加される。これは、ここでも、ホスゲンがもはや存在しなくなった時点で、反応系に連鎖停止剤が添加されることを意味する。
特許文献4は、最初にビスフェノールAを過剰量のホスゲンと連続的に反応させる2段階プロセスを記載する。これに続く更なる工程において、有機相と水相とが分離され、その後更なるビスフェノールA及びNaOHが有機相に添加され、これにより未だ残存するホスゲンを反応させる。その後にのみ、触媒及び連鎖停止剤が添加される。
上記のいずれの場合も、最初に過剰量のホスゲンが使用され、これはその後再び破壊される。ホスゲンの全てが実際の反応に利用されるわけではないので不経済であるだけでなく、以前に生成された生成物が「使われずに」破壊されているので、環境の観点からも持続可能ではない。さらに、記載のプロセスでは、ビスクロロホルメートの生成後に新たな溶液を生成する必要があり、これには相応のコストを伴う。これは特に、記載のプロセスが連続方法として容易には実行することができないという結果をもたらす。このため、腐食性の高い材料の追加的な滞留時間を伴う、追加的な、腐食にも強い装置が必要になる。
特許文献5には、ポリカーボネートを生成するための界面法において、ホスゲン過剰量を低減し得る方法が記載されている。しかし、この従来技術には、オリゴマー及び二連鎖停止剤カーボネートの形成については何も記載されていない。また、これには、連鎖停止剤の添加時点において、反応混合物中にホスゲンが未だ存在するかどうかも記載されていない。同様のことは、特許文献6からも推測され得る。いずれに記載のプロセスも、ホスゲン過剰量を最適化するが、良好な分子量分布による生成物特性の最適化には全く着目していない。
欧州特許出願公開第0517044号 欧州特許出願公開第0408924号 欧州特許出願公開第0289826号 欧州特許出願公開第0640639号 欧州特許出願公開第2098553号 国際公開第2015/110447号
Schnell「Chemistry and Physics of Polycarbonates」, Polymer Reviews, volume 9, Interscience Publishers, New York, London, Sydney 1964, pp. 33-70 D.C. Prevorsek, B.T. Debona and Y. Kesten, Corporate Research Center, Allied Chemical Corporation, Morristown, New Jersey 07960: 「Synthesis of Poly(ester Carbonate) Copolymers」 in Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry Edition, vol. 18, (1980); pp. 75-90 D. Freitag, U. Grigo, P.R. Mueller, N. Nouverne', BAYER AG, 「Polycarbonates」 in Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, volume 11, second edition, 1988, pp. 651-692 Dres U. Grigo, K. Kircher and P.R. Mueller 「Polycarbonate」 [Polycarbonates] in Becker/Braun, Kunststoff Handbuch [Plastics handbook], volume 3/1, Polycarbonates, polyacetals, polyesters, cellulose esters, Crul Hanser Verlag Munich, Vienna 1992, pp. 118-145
したがって、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点が改善された、界面法によってポリカーボネートを生成する方法を提供することである。本発明の特定の目的は、ホスゲン過剰量が低減され得る、界面法によってポリカーボネートを生成する方法を提供することであった。加えて、好ましくは同時に、低いオリゴマー割合、したがって狭い分子量分布を有するポリカーボネートを得ることが望まれた。同様に好ましくは同時に、上記方法が、低含有量の二連鎖停止剤カーボネートを有するポリカーボネートを提供することが望ましい。本発明の特定の目的は、低割合のオリゴマー及び低割合の二連鎖停止剤カーボネートを同時に含むポリカーボネートを得る、界面法によってポリカーボネートを生成する方法を提供することであった。
上述の目的の少なくとも1つ、好ましくは全てが、本発明によって達成された。驚くべきことに、反応系への連鎖停止剤の添加が、反応系中にホスゲンが未だ存在する時点でも実施され得ることが見出された。しかし、これは連鎖停止剤が非常に早期の時点で反応系に導入される場合にのみ可能である。ここで、「非常に早期」とは、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンとホスゲンとの反応からの、平均して少なくとも1単位、かつ最大で5又は6単位の重合度を有するオリゴマー化合物のみが存在することを意味すると理解される。得られたポリカーボネートは、驚くべきことに、ホスゲンを含む系に連鎖停止剤が導入されているにもかかわらず、低割合の二連鎖停止剤カーボネートを有する。同時に、得られるポリカーボネートは狭い分子量分布、したがって、低いオリゴマー割合を有する。したがって、得られたポリカーボネートは、低割合の二連鎖停止剤カーボネート及び低割合のオリゴマーに起因する、上述の改善された特性も有する。このように、本発明による方法は、従来技術に記載されている方法よりも経済的であり、環境に優しい。本発明による方法では、ホスゲン過剰量を減らすことができるだけでなく、二連鎖停止剤カーボネートの形成による損失がより少ないため、必要な連鎖停止剤の量を減らすことができる。
したがって、本発明は、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、少なくとも1種の触媒、及び少なくとも1種の連鎖停止剤から界面法によってポリカーボネートを生成する方法であって、
(i)少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンと、ホスゲンと、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及びホスゲンの反応生成物Rとを少なくとも含む反応系に、反応生成物Rが化合物の混合物であり、これらの化合物が、ホスゲンとの反応によって少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される少なくとも1単位かつ最大で5又は6つの単位の重合度を平均して有する時点で、少なくとも1種の連鎖停止剤が導入されることを特徴とする、方法を提供する。
本発明によれば、少なくとも1種の連鎖停止剤の添加時点で、反応系は、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、及び反応生成物Rを少なくとも含む。上記系は、この時点で、少なくとも1種の触媒も含み得る。しかし、これは好ましくない。少なくとも1種の連鎖停止剤を添加する時点で、好ましくは、反応系は、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、反応生成物R、及び界面法の実施に必要な溶剤を含み、非常に特に好ましくは、これらのみからなる。上記溶剤は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物水溶液(aqueous alkali metal hydroxide solution)及び少なくとも1種の有機溶剤である。
既に上述したように、本発明によれば、連鎖停止剤は、反応系に「早期」に導入される。この時点は、本発明によれば、反応生成物Rが化合物の混合物であり、これらの化合物が平均して少なくとも1単位かつ最大で6単位の重合度を有する時点と定義される。
「重合度」という用語は、当業者に知られている。重合度は、好ましくは、ホスゲンとの反応によって少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成されるオリゴマー反応生成物R中の単位の数を示す。規定の重合度は平均値である。これは、重合度が好ましくは数平均モル質量Mに基づいて決定されるからである。これは、オリゴマー/ポリマーのMと、繰り返し単位(ホスゲンとの反応により少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される単位;好ましくは一般化学式(I)で表される単位)のモル質量との比率として計算される。一方、本発明によれば、数平均モル質量Mは、好ましくはゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって決定される。数平均モル質量Mが、溶離液としてジクロロメタンを用いてビスフェノールAポリカーボネート標準に対して較正されるDIN55672-1:2016-03に準拠したGPCによって決定されることが特に好ましい。本発明によれば、分子量Mw(重量平均)、Mn(数平均)、及びMv(粘度平均)が、BPAポリカーボネート較正を用いるDIN55672-1:2007-08に基づくゲル浸透クロマトグラフィによって決定されることが非常に特に好ましい。較正は、既知のモル質量分布の直鎖ポリカーボネート(例えば、PSS Polymer Standards Service Gmbh(独国)製)を用いて実施した。Currenta Gmbh & Co. OHG(レバークーゼン)の方法2301-0257502-09D(2009年の独語版)を使用した。溶離液としてジクロロメタンを使用した。カラムの組み合わせは、架橋スチレン-ジビニルベンゼン樹脂で構成された。GPCは、ポリマーのモル質量、特に重量平均モル質量Mwが2000g/mol~100000g/molである芳香族ポリカーボネートのモル質量の十分な分離が可能であるように選択された、サイズ排除クロマトグラフィ用の1つ以上の直列に接続された市販のGPCカラムを含み得る。分析カラムは一般には直径7.5mm及び長さ300mmを有する。カラム材料の粒子径は、3μm~20μmの範囲である。分析される溶液の濃度は、0.2重量%であった。流速は1.0ml/分に調整し、溶液の温度は30℃であった。検出には、屈折率(RI)検出器を用いた。
本発明による方法は、好ましくは、反応生成物Rの混合物の化合物が、一般化学式(I):
Figure 2022526792000001
(式中、
及びRは、独立して、H、C1~C18アルキル、C1~C18アルコキシ、ハロゲン、例えばCl若しくはBr、又はそれぞれの場合に任意選択で置換されたアリール若しくはアラルキル、好ましくはH又はC1~C12アルキル、特に好ましくはH又はC1~C8アルキル、非常に特に好ましくはH又はメチルを表し、
は、H、(C=O)-Cl又は(C=O)-OHを表し、
は、OH又はClを表し、
Xは、単結合、-SO-、-CO-、-O-、-S-、C1~C6アルキレン、C2~C5アルキリデン、又は、C5~C6シクロアルキリデンを表し、これはC1~C6アルキル、好ましくはメチル若しくはエチルで置換されていてもよく、或いは、C6~C12アリーレンを表し、これは任意選択でヘテロ原子を含む更なる芳香環に縮合されていてもよく、
nは、重合度を表し、したがって、ホスゲンとの反応によって少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される単位の数を表し、平均して1~6、好ましくは1~5、特に好ましくは1~4、非常に特に好ましくは1~3の値を有し得る)で表されることを特徴とする。
加えて、本発明によれば、反応生成物Rが少なくとも部分的に加水分解された形態であることも同様に可能である。クロロホルメート基の塩素が遊離し、カーボネートが形成される。しかし、本発明によれば、この副反応は望ましくない。これは、反応生成物Rが、この種の加水分解生成物を含む混合物であることを意味する。しかし、これはあまり好ましくない。反応生成物Rの混合物の化合物は、好ましくは、
及びRがそれぞれ独立して、H又はC1~C12アルキル、特に好ましくはH又はC1~C8アルキル、非常に特に好ましくはH又はメチルを表し、
が、H又は(C=O)-Clを表し、
が、Clを表し、
Xが、単結合、C1~C6アルキレン、C2~C5アルキリデン又はC5~C6シクロアルキリデンを表し、これはメチル又はエチルで置換されていてもよく、
nが、重合度を表し、したがって、ホスゲンとの反応によって少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される単位の数を表し、平均して、1~6、好ましくは1~5、特に好ましくは1~4、非常に特に好ましくは1~3の値を有し得る、一般化学式(I)で表される。
反応生成物Rの混合物の化合物は、非常に特に好ましくは、
及びRが、それぞれ独立して、H又はメチルを表し、
が、H又は(C=O)-Clを表し、
が、OHを表し、
Xが、イソプロピリデン又は3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデンを表し、
nが、重合度を表し、したがって、ホスゲンとの反応によって少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される単位の数を表し、平均して、1~6、好ましくは1~5、特に好ましくは1~4、非常に特に好ましくは1~3の値を有し得る、一般化学式(I)で表される。
本発明による方法においてジヒドロキシジアリールアルカンとしてのビスフェノールAの使用により、一般化学式(I)における末端基R及び/又はR(OH又はCl)の性質に応じて、352g/mol(2つのクロロ炭酸エステル末端基を有するBPA)~1623g/mol(n=平均6)の範囲の平均モル質量Mn(数平均)が得られるのが好ましい。ここで特に好ましいのは、モル質量が1000g/mol未満の場合である。
少なくとも1種の連鎖停止剤が反応可能になる前に、少なくとも1種の連鎖停止剤を最初に十分に混合する場合が有利であることが明らかとなった。少なくとも1種の連鎖停止剤は、好ましくは均一に分布される。これは、例えば、少なくとも1種の連鎖停止剤を添加した後、この停止剤が反応する前に、静的ミキサを使用することによって達成し得る。
また、少なくとも1種の連鎖停止剤が、水相としてではなく、有機相として反応系に供給される場合が有利であることが明らかとなった。
本発明による方法は、アルカリ金属水酸化物水溶液を少なくとも1回添加する工程を含むことを特徴とする場合が好ましい。ここで、「添加」という用語は、好ましくは、追加的な添加という能動的工程を意味すると理解される。また、特に、少なくとも1種のジヒドロキシアリールアルカンを、反応系に供給する前に、アルカリ金属水酸化物水溶液中に最初に溶解させることも可能である。このような最初の工程は、本発明によれば、好ましくはアルカリ金属水酸化物水溶液の添加ではない。しかし、少なくとも1種のジヒドロキシアリールアルカンを溶解するこの最初の工程の後、アルカリ金属水酸化物水溶液の任意の添加が(少なくとも1種のジヒドロキシアリールアルカンを伴うか否かにかかわらず)、アルカリ金属水酸化物水溶液の添加を構成すると理解されることが更に好ましい。
本発明による方法は、
(ii)方法工程(i)における反応系への少なくとも1種の連鎖停止剤の添加は、アルカリ金属水酸化物水溶液の1回以上の添加のうちの最初の添加前に行われることを特徴とする場合が特に有利であることが見出された。
少なくとも1種の連鎖停止剤(chain extender)を添加する前に、基本的にはアルカリ金属水酸化物水溶液を添加することができることは、当業者にはまず明らかである。しかし、本発明により、この量は多すぎてはならないことが見出された。というのも、量が多すぎると反応生成物Rの重合度が高くなりすぎるからである。これは、少なくとも1種の連鎖停止剤の添加の前に、本発明による反応生成物Rに関する要件が守られることが依然として確実とされる量でのみ、当業者はアルカリ金属水酸化物水溶液を添加し得ることを意味する。
しかし、少なくとも1種の連鎖停止剤が8~11、好ましくは9~10のpHで添加される場合が有利であることが明らかとなった。より高いpH値(11以上)では、有機相と水相との間の少なくとも1種の連鎖停止剤の分布が不利になることが見出された。この場合、大きな割合が水相に存在し、クロロホルメート末端基と反応することができない。したがって、本発明によれば、本発明による方法が、少なくとも1種の連鎖停止剤の添加前にアルカリ金属水酸化物水溶液の添加を含まない場合が好ましい。これは、特に、少なくとも1種の連鎖停止剤がフェノールを含む場合である。この理由から、アルカリ金属水酸化物水溶液は、少なくとも1種の連鎖停止剤の添加後にのみ添加するのが有利である。
本発明による方法は、好ましくは、以下の工程、すなわち、
(a)有機相及び水相から分散液を生成する工程であって、有機相はポリカーボネートに適した少なくとも1種の溶剤とホスゲンの少なくとも一部とを含み、水相は少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンと、水と、ジヒドロキシジアリールアルカン1mol当たり1.8mol~2.2mol、好ましくは1.95mol~2.05molのアルカリ金属水酸化物水溶液とを含む、工程と、
(b)少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及びホスゲンの反応によって、工程(a)から得られた分散液中に少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及びホスゲンからの反応生成物Rを少なくとも含む反応系を生成する工程と、
(c)工程(b)の反応系に未反応のホスゲンが依然として存在する状態で、少なくとも1種の連鎖停止剤を工程(b)の反応系に添加する工程と、
(d)任意選択で、工程(c)から得られた混合物にアルカリ金属水酸化物溶液の少なくとも1回の添加を行う工程と、
を含むことを特徴とする。
工程(a)における2つの相(水相及び有機相)の分散は、好ましくは、ビルトイン管バッフル(built-in pipe baffles)、静的ミキサ、分散機、及び/又は、例えば、ポンプによって達成し得る。反応は、好ましくは、バックミキシングの少ないプラグ流の中で実施される。すなわち、これは、例えば管型反応器内で行うことができる。既に上述したように、本発明によれば、工程(a)におけるアルカリ金属水酸化物水溶液の存在は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物水溶液の添加を意味するとは理解されない。これは、水相にBPAを溶解するために使用されるアルカリ金属水酸化物水溶液、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。ホスゲン化工程(a)の間、ホスゲンの炭酸ナトリウムへの加水分解(すなわちホスゲンの損失)を避けるため、遊離のアルカリ金属水酸化物水溶液の利用可能な量はできる限り少ないことが好ましい。本発明の工程(a)では、したがって、1molのジヒドロキシジアリールアルカン当たり1.80mol~2.20mol、好ましくは1.95mol~2.05molのアルカリ金属水酸化物水溶液を用いる。
好ましくは分散機を用いる、有機相の水相中への分散、又は水相の有機相中への分散は、水中油型(ow)分散液又は油中水型(wo)分散液を生成し得るものであり、油は有機相を意味すると理解される。好ましくは、分散において、油中水型分散液が生成される。有機相は、好ましくは、分散機を用いて水相中に連続的に分散される。
水中油型分散液は、定義上、水が外部(連続)相を形成し、油が内部(分散)相を形成しているものであり、すなわち油滴が水中に分散している。油中水型分散液とは、したがって、油が外部相、水が内部相を形成しているものである。
有機相は、1種以上の溶剤を含む。
適切な溶剤は、芳香族及び/又は脂肪族の塩素化炭化水素であり、好ましくはジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン及びクロロベンゼン、並びにこれらの混合物である。しかしまた、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、m-/p-/o-キシレン、又は芳香族エーテル、例えばアニソールが、単独で、混合して、又は塩素化炭化水素に加えて若しくはこれと混合して使用することも可能であり、ジクロロメタン及びクロロベンゼン及びこれらの混合物が好ましい。本発明による方法の別の実施形態は、ポリカーボネートを溶解せず、単に膨潤させる溶剤を用いる。したがって、ポリカーボネートに対する非溶剤を、溶剤と組み合わせて使用することも可能である。水相にも可溶な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、1,3-若しくは1,4-ジオキサン、又は1,3-ジオキソランが、溶剤パートナーが第2の有機相を形成する場合に、溶剤として使用され得る。
適切なジヒドロキシジアリールアルカン(上記及び下記では特にジフェノールとも呼ばれる)は、一般式:
HO-Z-OH
(式中、Zは、1つ以上の芳香族基を含む6個~30個の炭素原子を有する2価の有機ラジカルである)のものである。本発明による方法において使用可能なこのような化合物の例は、ジヒドロキシジアリールアルカン、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、4,4’-ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、及びこれらのアルキル化、環アルキル化、環ハロゲン化化合物である。
好ましいジヒドロキシジアリールアルカンは、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA(BPA))、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,3-ビス[2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン及び1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
特に好ましいジヒドロキシジアリールアルカンは、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA(BPA))、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、及び1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
これら及びその他の適切なジヒドロキシジアリールアルカンは、例えば、米国特許第2999835号、米国特許第3148172号、米国特許第2991273号、米国特許第3271367号、米国特許第4982014号、及び米国特許2999846号、独国特許出願公開第1570703号、独国特許出願公開第2063050号、独国特許出願公開第2036052号、独国特許出願公開第2211956号、及び独国特許出願公開第3832396号、仏国特許第1561518号、H.Schnell、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」,Interscience Publishers、New York 1964、28頁以降、102頁以降のモノグラフ、及び、D.G.Legrand、J.T.Bendler、「Handbook of Polycarbonate Science and Technology」、Marcel Dekker New York 2000、72頁以降のモノグラフに記載されている。
ポリカーボネートは、本発明によれば、ホモポリカーボネート及びコポリカーボネートの両方を意味すると理解される。ホモポリカーボネートの本発明による生成の場合、1種のジヒドロキシジアリールアルカンのみが使用され、コポリカーボネートの本発明による生成の場合、2種以上のジヒドロキシジアリールアルカンが使用され、使用されるジヒドロキシジアリールアルカンは、合成に添加される他の全ての化学物質及び助剤と同様に、可能な限り最も純粋な原料を使用することが望ましいものの、これら自身の合成、取り扱い、及び保管に由来する不純物で汚染される可能性があることは自明である。
アルカリ金属水酸化物水溶液は、本発明の文脈では、好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液又はこれらの混合物、特に好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液を意味するものと理解される。
ポリカーボネートを生成するための界面法における水相は、アルカリ金属水酸化物水溶液、1種以上のジヒドロキシジアリールアルカン、及び水を含み、アルカリ金属塩としてではなく遊離のジヒドロキシジアリールアルカンとして計算される、この水溶液のジヒドロキシジアリールアルカンの総量に関する濃度は、水相の総重量に対して、好ましくは1重量%~30重量%、特に好ましくは3重量%~25重量%、非常に好ましくは15重量%~18重量%である。ジヒドロキシジアリールアルカンを溶解するために使用されるアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムは、固体の形態で、又は、対応するアルカリ金属水酸化物水溶液として使用され得る。アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、所望のジヒドロキシジアリールアルカン溶液の目標濃度に応じて決定されるが、アルカリ金属水酸化物水溶液100重量%に対して、通常は、5重量%~25重量%、好ましくは5重量%~10重量%であるか、又は、より濃縮された溶液が選択されて、これがその後に水で希釈される。後の希釈を伴う方法では、15重量%~75重量%、好ましくは25重量%~55重量%の濃度を有するアルカリ金属水酸化物水溶液が使用され、これは任意選択で熱平衡される。ジヒドロキシジアリールアルカン1mol当たりのアルカリ含有量は、ジヒドロキシジアリールアルカンの構造に依存するが、通常は1.5molアルカリ/molジヒドロキシジアリールアルカン~2.5molアルカリ/molジヒドロキシジアリールアルカン、好ましくは1.8molアルカリ/molジヒドロキシジアリールアルカン~2.2molアルカリ/molジヒドロキシジアリールアルカン、及び、ビスフェノールAが唯一のジヒドロキシジアリールアルカンとして使用される特に好ましい場合には1.85mol~2.5molのアルカリ、非常に特に好ましくは2.00molのアルカリである。2種以上のジヒドロキシジアリールアルカンが使用される場合、これらを一緒に溶解し得る。しかし、ジヒドロキシジアリールアルカンの溶解度は使用するアルカリの量に非常に強く依存するため、2種のジヒドロキシジアリールアルカンを含む1つの溶液の代わりに、1種のジヒドロキシジアリールアルカンをそれぞれ含む2つの溶液をそれぞれ適切なアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解し、これを正しい混合比になるように別々に計量することが有利であり得る。さらに、ジヒドロキシジアリールアルカン(複数の場合もある)をアルカリ金属水酸化物水溶液ではなく、追加的アルカリを含む、希薄なジヒドロキシジアリールアルカン溶液に溶解させることが有利であり得る。溶解プロセスは、通常はフレーク又はプリル形態の固体ジヒドロキシジアリールアルカンから進めてもよく、又は、溶融したジヒドロキシジアリールアルカンから進めてもよい。使用されるアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属水酸化物水溶液は、水酸化ナトリウム/水酸化ナトリウム水溶液の場合には、例えばアマルガムプロセス又はいわゆるメンブレンプロセスによって生成され得る。どちらの方法も古くから使われており、当業者にはよく知られている方法である。水酸化ナトリウム水溶液が使用される場合、メンブレンプロセスによって生成されたものが好ましい。
このような水溶液及び/又は水相中では、ジヒドロキシジアリールアルカン(複数の場合もある)は、完全に又は一部が、対応するアルカリ金属塩/ジアルカリ金属塩の形態である。
任意選択の、ホスゲンの導入後又は導入中のジヒドロキシジアリールアルカン(複数の場合もある)の実際的な計量添加は、ホスゲン又はこれより直接形成されるクロロ炭酸エステルが反応溶液中に存在する限り、実施され得る。
工程(a)の有機相は、少なくとも1種の溶剤の他に、追加的に少なくともホスゲンを含む。ここでの有機相は、必要なホスゲンの全部又は一部を混合物の生成前に既に含んでいる。混合物の生成前に、有機相は、使用されるホスゲン過剰量を含めて、必要なホスゲンの総量を含むことが好ましい。ホスゲンは、気体又は液体の形態で有機相中に導入され得る。反応系は、反応開始時において、使用されるジヒドロキシジアリールアルカンの合計に対して、3mol%~20mol%、特に好ましくは5mol%~18mol%、非常に特に好ましくは7.5mol%~15.0mol%の過剰量のホスゲンを含む場合が好ましい。
工程(b)の反応系への少なくとも1種の連鎖停止剤の添加は、工程(c)で行われる。工程(b)の反応系は、未反応のホスゲンを依然として含んでいる。少なくとも1種の連鎖停止剤は、通常、単官能である。少なくとも1種の連鎖停止剤は、好ましくはフェノール、アルキルフェノール、及びそのクロロ炭酸エステル又はモノカルボン酸の酸塩化物からなる群より選択され、好ましくはフェノール、tert-ブチルフェノール及びイソオクチルフェノール、クミルフェノールから選択される。列挙した連鎖停止剤の任意の所望の混合物が使用され得る。
本発明による方法の特に好ましい実施形態において、フェノールが連鎖停止剤として使用される。工程(c)においてフェノールは、少なくとも1種の有機溶剤、及び、5重量%~40重量%、好ましくは10重量%~25重量%の濃度のフェノールを含む溶液の形態で使用されるのが好ましい。この実施形態において、水相は、反応の最後(すなわち工程(c))で、好ましくは11.3~11.6のpHに調整される。フェノールの添加及びpHの11.3~11.6への調整は、好ましくは触媒の添加前に行われる。
本発明による方法の別の好ましい実施形態において、p-tert-ブチルフェノールが連鎖停止剤として使用される。工程(c)におけるp-tert-ブチルフェノールは、少なくとも1種の有機溶剤、及び、2重量%~25重量%、好ましくは3重量%~15重量%の濃度のp-tert-ブチルフェノールを含む溶液の形態で使用するのが好ましい。この実施形態において、水相は、反応の最後(すなわち工程(c))で、好ましくは11.5~11.8のpHに調整される。p-tert-ブチルフェノールの添加及びpHの11.5~11.8への調整は、好ましくは触媒の添加前に行われる。
工程(c)では、任意選択で、1種以上の分岐剤(branching agents)又は分岐剤混合物を合成に添加し得る。しかし、このような分岐剤は、好ましくは、連鎖停止剤(複数の場合もある)の前に添加される。非常に特に好ましくは、このような分岐剤は、方法工程(a)において、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンの溶液とともに水相に添加される。使用される分岐剤の例としては、トリスフェノール、クアテルフェノール(quaterphenols)、トリ-又はテトラカルボン酸の酸塩化物、或いはポリフェノール、又は酸塩化物の混合物が挙げられる。
3つ以上のフェノール性水酸基を有する分岐剤として適切な化合物の例は、フロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプト-2-エン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタン、トリ(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス[4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)フェノール、テトラ(4-ヒドロキシフェニル)メタンである。
分岐剤として適切な他の三官能化合物の例としては、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル、及び3,3-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドールが挙げられる。特に好ましい分岐剤は、3,3-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドール及び1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタンである。
工程(c)から得られた混合物へのアルカリ金属水酸化物水溶液の少なくとも1回の添加は、任意選択の工程(d)で行われる。本発明による方法は、好ましくはこの工程(d)を含む。この工程は発熱反応である。本発明によれば、好ましくは、これは、-5℃~100℃、特に好ましくは15℃~80℃、非常に特に好ましくは25℃~65℃の温度範囲で行われ、溶剤又は溶剤混合物に応じて正圧下で行われる必要があり得る。使用される反応器に応じて、異なる圧力が用いられ得る。例えば、0.5バール(絶対)~20バール(絶対)の圧力が好ましくは用いられ得る。
アルカリ金属水酸化物水溶液の少なくとも1回の添加が、分散液が依然として水中油型分散液であるときに行われる場合に有利であることが明らかとなった。油中水型エマルジョンへの水性のアルカリ金属水酸化物溶液の添加は、一般に理想的でない分子量分布をもたらす。少なくとも1種の連鎖停止剤は好ましくは事前に添加されるため、これはまた、少なくとも1種の連鎖停止剤が水中油型分散液に添加されることも好ましいことを意味する。本発明によれば、プロセス中に分散液を油中水型分散液から水中油型分散液に変えることも可能である。
さらに、本発明による方法は、任意選択で、
(e)少なくとも1種の触媒の少なくとも1回の添加を行う工程、
を含む。
本発明による方法は、好ましくは、この工程を含む。本発明による方法は、好ましくは、工程(d)の後に工程(e)を含む。
少なくとも1種の触媒が、三級アミン、有機ホスフィン、及び任意の所望の混合物からなる群より選択される場合が好ましい。非常に特に好ましくは、少なくとも1種の触媒は、三級アミン、又は少なくとも2種の三級アミンの混合物である。
三級アミンは、同様に好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N-エチルピペリジン、N-メチルピペリジン又はN-イソプロピル/N-n-プロピルピペリジンであり、これらの化合物は、典型的な界面触媒として文献に記載されており、市販されており、当業者によく知られている。触媒は、個別に、混合して、或いは同時に又は連続して、任意選択でホスゲン化の前にも、合成に添加され得るが、ホスゲン導入後に計量添加されることが好ましい。触媒(複数の場合もある)の計量添加は、純粋な物質として、不活性な溶剤、好ましくはポリカーボネート合成における有機相の溶剤若しくは複数種の溶剤のうちの1つの中で、或いは水溶液として実施し得る。触媒として三級アミンを使用する場合、その計量添加は、例えば、酸、好ましくは鉱酸、特に塩酸とのアンモニウム塩の形態で、水溶液中で行われ得る。2種以上の触媒を使用する場合、又は触媒の総量の部分量を計量添加する場合、異なる場所又は異なる時間での異なる態様の定量添加を行うことも勿論可能である。使用される触媒の総量は、使用されるジヒドロキシジアリールアルカンのモル数に対して、好ましくは0.001mol%~10mol%、好ましくは0.01mol%~8mol%、特に好ましくは0.05mol%~5mol%である。
本発明による方法は、好ましくは、該方法が連続的に行われることを特徴とする。既に上記で説明したように、本発明の利点は連続方法において特に大きい。
したがって、全体の反応、すなわち反応及び更なる縮合は、撹拌槽型反応器、管型反応器、再循環型反応器(pumped-circulation reactor)、若しくは撹拌槽型反応器カスケード、又はこれらの組み合わせで行われてもよく、上記の混合装置を使用することで、合成混合物が完全に反応したときのみ、すなわちホスゲン又はクロロ炭酸エステルの加水分解可能な塩素がもはや存在しないときにのみ、水相及び有機相が理想的に脱混合されることが確実とされる。
少ないホスゲン過剰量にもかかわらず、本発明による方法は、反応の最後での良好な相分離を可能にし、有機相中の低い水含有量及び水相中の低い残留モノマー含有量の両方を実現する。また、触媒成分の生成物への混入も避けられる。
後処理のために、多くとも微量、好ましくは2ppm未満のクロロ炭酸エステルを含む、反応済みの少なくとも二相状態の反応混合物を放置して相分離させる。アルカリ性水相は、任意選択で水相としてポリカーボネート合成に完全又は一部が再利用されるか、或いは廃水後処理に送られ、そこで溶剤及び触媒の画分が分離され、任意選択でポリカーボネート合成に再利用される。別の後処理の変形態様では、有機不純物、特に溶剤及びポリマー残渣の分離、任意選択で、例えば水酸化ナトリウム水溶液の添加による特定のpHへの調整に続いて、塩の分離が行われ、塩は例えば塩素アルカリ電気分解に送られてもよく、水相は任意選択でポリカーボネート合成に再利用され得る。
ポリカーボネートを含む有機相は、その後、アルカリ金属、イオン、又は触媒の汚染物質を除去するために、当業者に知られている様々な方法で精製され得る。
任意選択で沈殿槽、撹拌槽反応器、コアレッサ又は分離器及び/又はこれらの手段の組み合わせを経た(任意選択で、能動的又は受動的な混合装置を用いて、場合によっては、それぞれの又は数回の分離工程で水が添加され得る)1回以上の沈殿プロセスの後でも、有機相は、一般に、微細な液滴形態のアルカリ性水相の一部だけでなく触媒(複数の場合もある)の一部も依然として含んでいる。このアルカリ性水相の粗い分離の後、有機相は希酸、鉱酸、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び/又はスルホン酸で1回以上洗浄され得る。水性の鉱酸、特に塩酸、亜リン酸、リン酸、又はこれらの酸の混合物が好ましい。これらの酸の濃度は、好ましくは0.001重量%~50重量%、好ましくは0.01重量%~5重量%であるべきである。有機相は更に、脱塩水又は蒸留水で繰り返し洗浄され得る。個々の洗浄工程の後に、任意選択で水相の一部で分散された有機相の分離が、沈殿槽、撹拌槽反応器、コアレッサ若しくは分離器又はこれらの手段の組み合わせを用いて行われ、洗浄工程間の洗浄水の計量添加は、任意選択で能動的又は受動的な混合装置を用いて行われ得る。これらの洗浄工程の間、或いは洗浄後に、任意選択で、好ましくはポリマー溶液に使用された溶剤に溶解した酸の添加が行われ得る。ここでは、塩化水素ガス、リン酸又は亜リン酸を使用することが好ましいが、これらは任意選択で混合物としても用いられ得る。最終的な分離過程の後、好ましくは、得られた精製されたポリカーボネート溶液は、5重量%以下、好ましくは1重量%未満、非常に特に好ましくは0.5重量%未満の水を含むべきである。
溶液からのポリカーボネートの単離は、温度、真空、又は加熱した連行ガスによって溶剤を蒸発させることによって行うことができる。その他の単離方法は、例えば、結晶化及び沈殿を含む。
ポリカーボネート溶液の濃縮、及び場合により更にポリカーボネートの単離は、溶剤の蒸留除去により、任意選択で過熱及び膨張によって行われ、これは「フラッシュプロセス(flash process)」と呼ばれる。このようなプロセスは当業者に知られており、例えば「Thermische Trennverfahren [Thermal Separation Processes]」、VCH Verlagsanstalt 1988、114頁に記載されている。濃縮すべき溶液とともに加熱されたキャリアガスが代わりに噴霧される場合、これは「噴霧蒸発/噴霧乾燥(spray evaporation/spray drying)」と呼ばれ、例えば、Vauck、「Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik[Basic operations of chemical engineering]」、Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie 2000、11版、690頁に記載されている。これらのプロセスは、いずれも特許文献及び教科書に記載されており、当業者にはよく知られている。
温度による溶剤の除去(蒸留除去)、又は技術的により効果的なフラッシュプロセスにより、高濃縮されたポリカーボネート溶融物が得られる。フラッシュプロセスでは、ポリマー溶液をわずかな正圧下で、大気圧での沸点を超える温度に繰り返し加熱し、その後、大気圧に対して過熱されたこれらの溶液を、より低圧、例えば大気圧の容器中で減圧する。濃縮段階、又は換言すれば過熱の温度段階をあまり充実させず、むしろ2段階~4段階のプロセスを選択することが有利であり得る。
得られた高濃縮されたポリカーボネート溶融物から、溶剤の残留物は、ベント式押出機(vented extruders)(例えばベルギー国特許出願公開第866991号、欧州特許出願公開第0411510号、米国特許第4980105号、独国特許出願公開第3332065号を参照)、薄膜蒸発機(thin-film evaporators)(例えば欧州特許出願公開第0267025号を参照)、落下薄膜蒸発機(falling-film evaporators)、ストランド蒸発器(strand evaporators)、フォーム蒸発器(foam evaporators)(例えば米国特許出願公開第2012/015763号を参照)を用いて溶融物から直接に、又は、摩擦圧縮(friction compaction)(例えば欧州特許出願公開第0460450号を参照)によって、任意選択で更に連行剤、例えば窒素若しくは二酸化炭素を添加して、又は真空を使用して(例えば、欧州特許出願公開第003996号、欧州特許出願公開第0256003号、米国特許第4423207号を参照)、代替で、後続の結晶化(例えば独国特許出願公開第3429960号を参照)及び/又は固相中の溶剤の残留物のベークアウト(例えば米国特許第3986269号、独国特許出願公開第2053876号を参照)によっても、除去可能である。これらのプロセス及びそれに必要な装置は、文献に記載されており、当業者にはよく知られている。
ポリカーボネート顆粒は、可能であれば、溶融物を直接紡糸し、その後に顆粒化することにより、或いは溶融押出機(melt extruders)を使用し、そこから空気中又は液体(通常は水)中で紡糸することにより得られ得る。押出機が使用される場合、任意選択で静的ミキサを使用するか又は上記押出機の側部押出機(side extruders)を使用して、ポリカーボネート溶融物は押出機の上流で添加物と混合され得る。
代替で、ポリカーボネート溶液は、噴霧蒸発されてもよい。噴霧の際、任意選択で加熱されたポリカーボネート溶液は、減圧下の容器内に霧化されるか、又は、加熱されたキャリアガス、例えば窒素、アルゴン、若しくは蒸気とともにノズルを介して大気圧下の容器内に霧化される。いずれの場合でも、ポリマー溶液の濃度に応じて、ポリマーの粉末(希薄)又はフレーク(濃縮)が得られ、そこから上記のように溶剤の最後の残留物を除去する必要もあり得る。続いて、コンパウンド押出機(compounding extruder)とそれに続く紡糸によって、顆粒が得られ得る。ここでも、ここに上述されている添加剤が、周辺機器又は押出機自体に添加され得る。ポリマー粉末は、粉末及びフレークのバルク密度が低いため、押出の前にしばしば圧縮工程を経ることが必要な場合がある。
ポリカーボネートに対する非溶剤の添加により、洗浄され、任意選択で更に濃縮されたポリカーボネート溶液からポリマーを大部分析出させ得る。非溶剤は、ここでは沈殿剤として作用する。ここでは、最初に少量の非溶剤を添加し、任意選択でまた非溶剤の各部の添加の間に待ち時間を設けることが有利である。さらに、異なる非溶剤を使用することも有利である。ここで使用される沈殿剤の例としては、脂肪族又は脂環式炭化水素、特にヘプタン、イソオクタン又はシクロヘキサン、アルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール、ケトン、例えばアセトン、又はこれらの混合物が挙げられる。沈殿の際に、一般に、ポリマー溶液はゆっくりと沈殿剤に添加される。得られたポリカーボネートは、噴霧蒸発において記載したように顆粒状に加工され、任意選択で添加剤が添加される(additized)。
他の方法において、沈殿生成物及び結晶化生成物又は非晶質に固化した生成物は、ポリカーボネートに対する1種以上の非溶剤の蒸発処理により、同時にガラス転移温度未満に加熱することによって、細かく分割された形に結晶化され、より高い分子量になるように更に縮合される。任意選択で異なる末端基を有するオリゴマー(フェノール末端及び連鎖停止剤末端)が存在する場合、これは固相縮合(solid-phase condensation)と呼ばれる。
添加剤の添加により、寿命を延ばし、又は色の安定性を向上させ(安定剤)、加工を容易にし(例えば、離型剤、流動促進剤、帯電防止剤)、又は特定の要求に合わせてポリマーの特性を調整する(衝撃調整剤、例えばゴム;難燃剤、着色剤、ガラス繊維)ことができる。
これらの添加剤は、単独で、又は任意の所望の混合物で、複数の異なる混合物とともに又はその中で、ポリマー溶融物に添加され得る。これは、ポリマーの単離中に直接、或いはいわゆるコンパウンド工程において顆粒を溶融した後に行われ得る。これらの添加剤又はその混合物は、固体の形態で、好ましくは粉末として、又は溶融物としてポリマー溶融物に添加され得る。計量添加の別の態様は、添加剤又は添加剤混合物のマスターバッチ又はマスターバッチの混合物の使用である。
適切な添加剤の例は、「Additives for Plastics Handbook」John Murphy, Elsevier,Oxford 1999、及び「Plastics Additives Handbook」Hans Zweifel,Hanser,Munich 2001に記載されている。
以下の実施例は、本発明の例示的な説明のためのものであり、限定と見なされるべきではない。
図1に関する情報: 実線:元々のGPC、面積=1に正規化 点線:最大値がGPCの最大値と一致するように調整されたSchulz-Flory分布 破線:2つの曲線(実線と点線)の差 オリゴマーの割合は、500g/mol~5000g/molの差曲線の積分から得られる。
分子量分布並びに平均値Mn(数平均)及びMw(重量平均)をゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求めた。装置:Waters社「Mixed Bed」カラム、溶離液として塩化メチレンを用いて測定(Mw31000g/molを有するBPAホモポリカーボネート標準を使用)。
状態評価(standing evaluation)に加えて、理想的なSchulz-Flory分布からのGPCの偏差も測定した。まず、GPCを正規化して、図1に示される線図の実線の下の面積を求めることによりこれを行った。この面積を1に正規化した。さらに、最大高さ及び分子量が、ともに測定された分布のものと一致するように、Schulz-Flory(SF)分布を調整した(図1の点線)。測定したSF分布と調整したSF分布との差が、差の分布を与える(図1の破線)。本願の場合、Schulz-Flory分布はより狭くなっており、これは差の分布が正であることを意味する(測定の不正確さを除いて)。最大では、本方法に基づく差はゼロであり、結果、差の分布は低分子量部分と高分子量部分とに分かれる(図1も参照)。
高いオリゴマー割合は製品の品質に不利であることが従来技術から知られている。しかしこれは、一般には、ここで考慮されている或る特定の閾値未満の低分子量化合物の総割合のみであるか、又は、アセトンに可溶な割合である。これには、避けられないオリゴマーの割合も考慮されてしまう(registering)という欠点があり、この割合は更にポリカーボネートの種類(粘度、Mn)によっても変化する。本発明の方法では、この依存性を修正し、方法固有のオリゴマー割合のみを決定する。
以下では、ジヒドロキシジアリールアルカンとして2,2’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、BPA)を用い、有機相の溶剤は、約50重量%の塩化メチレン及び50重量%のモノクロロベンゼンの混合物であった。全ての実施例で、GPC(Waters社「Mixed Bed」カラム、塩化メチレン中、Mw31000g/molのBPAホモポリカーボネート標準を使用)で測定した、規定の重量平均分子量を有するポリカーボネートが生成された。
実施例1:連鎖停止剤の添加時間の違い
連続した実験室での試験を、ポンプ及び撹拌型反応器の組み合わせで行った。全ての実験において、70.1g/hの気体ホスゲンを、Tピース中で、-7℃の772g/hの有機溶剤(1:1塩化メチレン/クロロベンゼン)中に溶解させた。最終的に15重量%のポリカーボネート溶液を得るために必要な溶剤の量を算出した。連続的に供給されるホスゲン溶液は、更なるTピース中で、30℃に予熱された、912g/hの15重量%のアルカリ性BPA水溶液(1molのBPA当たり2molのNaOH)と接触させた。このBPA水溶液を、ステンレス鋼フィルタ(孔径60μm)を通してホスゲン水溶液に分散させた。
この反応混合物を、25℃に熱平衡させたFink社HMR040混合ポンプに通した結果、反応ポンプの最後においてホスゲンは最大限可能な範囲まで反応したが、依然として存在していた。実施例1a、1c、及び1dにおいては、このポンプの下流で、連鎖停止剤として3.29g/hのp-tert-ブチルフェノールを、上記で加えたのと同じ溶剤混合物中の3重量%の溶液の形態で添加し、25℃の更なるHMR040ポンプにおいて、この反応混合物を更に53.95g/hの32重量%の水酸化ナトリウム水溶液と反応させ、この結果、反応系の終わりにおけるpHは約11.5となった。比較実施例1bにおいては、連鎖停止剤として3.29g/hのp-tert-ブチルフェノールを、上記と同じ溶剤混合物中に3重量%の溶液の形態で添加した。
これに続いて、各場合においてIsmatec社のギアポンプをそれぞれ備えた2つの撹拌槽型反応器を使用した。テフロンホース中のTピース中における、0.679g/hの触媒(クロロベンゼンに溶解した10重量%のN-エチルピペリジン)の計量添加を、2つの撹拌槽(及びギアポンプ)の間で行った。
全体で156gの有機溶液中のポリカーボネートを連続的に得て、反応からの水相とともに、相分離のために相分離容器に送った。ポリカーボネート溶液は10重量%HClで洗浄し、標準圧力及び室温で乾燥した。
表1は、実施例1で得られた結果をまとめたものである。
Figure 2022526792000002
実施例1aは、反応生成物Rが、750g/molの平均モル質量Mn0を有する化合物の混合物を含む時点での、連鎖停止剤の添加を示す。比較実施例1bでは、反応生成物Rが、3470g/molの平均モル質量Mn0を有する化合物の混合物を含む時点で、連鎖停止剤を添加した。本発明の実施例1c及び1dでは、反応生成物Rがそれぞれ660g/mol及び730g/molの平均モル質量Mn0を有する化合物の混合物を含む時点で、ホスゲン過剰量を低減し、連鎖停止剤を添加した。いずれの場合でも、得られたポリカーボネートは、低割合の二連鎖停止剤カーボネートを含むことがわかる。しかし、本発明の実施例におけるポリカーボネートは、オリゴマーに関して著しくより低い値も有する(分子量分布の差により測定)。
比較実施例1bでは、連鎖停止剤の添加前にNaOHを添加する。しかし、反応系中のホスゲンの連続的な存在が推定されるように、連鎖停止剤は十分に早期に添加した。
反応系にホスゲンが残存しない時点での連鎖停止剤の添加は、反応生成物Rが更に高い平均分子量を有することを意味する。したがって、更に高いオリゴマーの割合が予測される。
実施例2
個々の方法工程に使用した装置は以下の通りである。
方法工程(A):多孔板ノズル(perforated-plate nozzle)の形態の分散機であって、予分散(predisperser)(多孔板の厚さが2.35でそれぞれ直径2.5mmの5個の孔を有する多孔板を有し、5.2m/sの流速で0.2barの圧力低下を有する)と、26msの予分散空間での滞留時間と、その後の分散(多孔板の厚さが2.35mmでそれぞれ直径1.5mmの18個の孔を有する更なる多孔板を有し、8.9m/sの流速で0.8barの圧力低下を有する)とを伴い、これにより、一方の液体が他方の液体中に分散される、分散機。
方法工程(B):滞留時間0.2秒の滞留時間型反応器。
方法工程(C):計量添加箇所(例えばNaOH用;比較実験2bでは、使用したNaOHの20%をここで添加した)と、ポンプと、熱交換器と、オーバーフロー容器と、pHプローブ及び導電性プローブを備え、140lの容積を有するT字型取出箇所とを有する再循環型反応器;再循環型反応器に入る際に再分散を行う。実施例2aでは、連鎖停止剤を再循環型反応器に添加する。
方法工程(D):連鎖停止剤用(比較実験2bでは連鎖停止剤をここで添加する;実験2aではここでは何も添加しない)及びNaOH溶液用の上流の計量添加箇所と、その間の静的ミキサと、その下流の、混合ゾーン及び滞留ゾーンを有し、総容積60lのヘリカル管型反応器(helical-tube reactor)(第1の滞留型反応器(dwell reactor))と、その下流の、反応器の始めの触媒用の計量添加箇所を有し、総容積80lの更なるヘリカル管型反応器(第2の滞留型反応器)とを有する吐出ポンプ。
後続の相分離:分離容器(50%の充填率(fill level)で4.15mのサイズ)。
方法工程(A)では、以下の材料流を用いた。
600kg/hのビスフェノール水溶液(溶液の総重量に対して15重量%のビスフェノールA及びビスフェノールTMCの混合物、2.13mol NaOH/mol ビスフェノール溶液)
44.6kg/hのホスゲン
54重量%の塩化メチレン及び46重量%のクロロベンゼンから構成される、520kg/hの溶剤混合物
方法工程(B)及び(C)では更なる材料流は、追加的に使用しなかった。
方法工程(D)では、以下の材料流を、第1の滞留型反応器の上流で追加的に用いた。
17.8kg/hのt-ブチルフェノール溶液(20重量%、54重量%の塩化メチレン及び46重量%のクロロベンゼンから構成される溶剤混合物中)
32重量%のNaOHを含む35kg/hのNaOH水溶液
方法工程(D)において、以下の材料流を第2の滞留型反応器に追加的に使用した。
22.7kg/hの触媒溶液(3重量%溶液、54重量%の塩化メチレン及び46重量%のクロロベンゼンの溶剤混合物中のエチルピペリジン)
再循環型反応器の温度は、35℃(熱交換器の下流)~38℃(熱交換器の上流)であった。方法工程(D)におけるヘリカル管型反応器内の温度は、各場合において37℃であり、分離容器内の温度は35℃であった。
分散方向を、有機相が水相中に分散するように設定した。
表2は、得られた結果をまとめたものである。
Figure 2022526792000003
実施例2aは、反応生成物Rが900g/mol未満の平均モル質量MnLoopを有する化合物の混合物を含む時点での、連鎖停止剤の添加を示す。比較実施例2bでは、反応生成物Rが2320g/molの平均モル質量MnLoopを有する化合物の混合物を含む時点で、連鎖停止剤を添加した。
本発明の実施例では、得られるポリカーボネートは、比較実施例2bにおけるよりもより高い割合の二連鎖停止剤カーボネートを有することがわかる。それにもかかわらず、その含有量は許容可能な範囲にある。しかし、本発明の実施例は、オリゴマーについて著しくより低い値を有する(分子量分布の差により測定)。

Claims (10)

  1. 少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン、ホスゲン、少なくとも1種の触媒、及び少なくとも1種の連鎖停止剤から界面法によってポリカーボネートを生成する方法であって、
    (i)前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンと、ホスゲンと、前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及びホスゲンの反応生成物Rとを少なくとも含む反応系に、前記反応生成物Rが化合物の混合物であり、これらの化合物が、前記ホスゲンとの反応によって前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される少なくとも1単位かつ最大で6単位の重合度を平均して有する時点で、前記少なくとも1種の連鎖停止剤が導入されることを特徴とする、方法。
  2. 前記反応生成物Rの混合物の化合物は、一般化学式(I):
    Figure 2022526792000004
    (式中、
    及びRは、独立して、H、C1~C18アルキル、C1~C18アルコキシ、ハロゲン、例えばCl若しくはBr、又はそれぞれの場合に任意選択で置換されたアリール若しくはアラルキル、好ましくはH又はC1~C12アルキル、特に好ましくはH又はC1~C8アルキル、非常に特に好ましくはH又はメチルを表し、
    は、H、(C=O)-Cl又は(C=O)-OHを表し、
    は、OH又はClを表し、
    Xは、単結合、-SO-、-CO-、-O-、-S-、C1~C6アルキレン、C2~C5アルキリデン、又はC5~C6シクロアルキリデンを表し、これはC1~C6アルキル、好ましくはメチル又はエチルで置換されていてもよく、或いは、C6~C12アリーレンを表し、これは任意選択でヘテロ原子を含む更なる芳香環に縮合されていてもよく、
    nは、重合度を表し、したがって、前記ホスゲンとの反応によって前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンから形成される単位の数を表し、平均して1~6の値を有し得る)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法は、アルカリ金属水酸化物水溶液を少なくとも1回添加する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (ii)方法工程(i)における前記反応系への前記少なくとも1種の連鎖停止剤の添加は、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の1回以上の添加のうちの最初の添加前に行われることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法は、以下の工程、すなわち、
    (a)有機相及び水相から分散液を生成する工程であって、前記有機相は前記ポリカーボネートに適した少なくとも1種の溶剤と前記ホスゲンの少なくとも一部とを含み、前記水相は前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカンと、水と、ジヒドロキシジアリールアルカン1mol当たり1.8mol~2.2mol、好ましくは1.95mol~2.05molのアルカリ金属水酸化物水溶液とを含む、工程と、
    (b)前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及び前記ホスゲンの反応によって、工程(a)から得られた分散液中に前記少なくとも1種のジヒドロキシジアリールアルカン及びホスゲンからの前記反応生成物Rを少なくとも含む前記反応系を生成する工程と、
    (c)工程(b)の前記反応系に未反応のホスゲンが依然として存在する状態で、少なくとも1種の連鎖停止剤を工程(b)の前記反応系に添加する工程と、
    (d)任意選択で、工程(c)から得られた混合物にアルカリ金属水酸化物溶液の少なくとも1回の添加を行う工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記方法は、以下の工程、すなわち、
    (e)少なくとも1種の触媒の少なくとも1回の添加を行う工程、
    を追加で含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記反応の開始時の前記反応系は、用いられた前記ジヒドロキシジアリールアルカンの合計に対して、3mol%~20mol%の過剰なホスゲンを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記方法は、連続的に実行されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1種の触媒は、三級アミン及び有機ホスフィンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1種の連鎖停止剤は、フェノール、アルキルフェノール、及びそのクロロ炭酸エステル又はモノカルボン酸の酸塩化物からなる群、好ましくはフェノール、tert-ブチルフェノール及びイソオクチルフェノール、クミルフェノールより選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
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