JP2022524997A - 慢性肺同種移植片機能不全の治療のためのjak1経路阻害剤 - Google Patents

慢性肺同種移植片機能不全の治療のためのjak1経路阻害剤 Download PDF

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Abstract

本開示は、JAK1経路阻害剤、及び、例えば、閉塞性細気管支炎症候群などの慢性肺同種移植片機能不全の治療でのその使用に関する。

Description

本開示は、JAK1経路阻害剤、及び慢性肺同種移植片機能不全、例えば、閉塞性細気管支炎症候群の治療でのその使用に関する。
同種異系肺移植は、COPD、ILD、嚢胞性線維症などの末期の様々な肺疾患の治療における効果的な治療法である。2016年には、世界中で4000例以上もの肺移植が行われており、その内の約2300例が米国で行われたものである(2018 OPTN/SRTR Registry)。移植の1年後及び3年後での生存率は改善しているものの、移植後の長期生存率には改善が認められておらず、全生存期間の中央値は、6.1年である(Chambers, D. et al. JHLT, 2017, Vol. 36, No. 10)。術後1年での肺移植に起因する最大の死因は、慢性肺同種移植片機能不全(CLAD)であり;CLADの最も一般的なサブセットは、閉塞性細気管支炎症候群(BOS)である。肺移植後のBOSは、5年間生存した患者の約50%に関係しており、そして、移植後に1年間生存した患者での主な死因でもある(Chambers, D. et al. JHLT, 2017, Vol. 36, No. 10)。肺移植後のBOSは、同種反応性免疫浸潤を特徴としており、最終的には進行性の細気管支拡張症、線維症を引き起こし、そして、最後には臓器不全に至る(Boehler, A. et al. Eur. Respir. J. Vol 22., No. 6 1007-1018, 2003)。免疫抑制剤を用いた予防的治療を行っても、肺移植後のBOSの割合に変化は認められていない。肺移植後のBOSに関する治験はほとんど行われておらず、また、現在のところ、肺移植後のBOSの予防または治療のいずれかについて、FDAの承認を受けた薬剤も無い。肺移植後のBOSの治療に関して研究した治療介入として、アジスロマイシン、免疫抑制療法の変更、エベロリムス、モンテルカスト、エアロゾル化シクロスポリン、エアロゾル化タクロリムス、アレムツズマブ、全リンパ球照射、フォトフェレーシス、及び最終的には再移植などがある。これらの内、進行性BOSに関して信頼できる唯一の原因療法は、適合者に対する肺の再移植である。2度目の移植をした後の生存年は、2.6年であり、1度目の移植後の生存年よりも著しく短い(Thomas, M. et al., Ann. Thorac. Surg. 2015;100:452-7)。
したがって、慢性肺同種移植片機能不全、例えば、閉塞性細気管支炎症候群の予防及び治療のための新規の治療法の開発が待望されている。本出願は、この要望、それに、その他の要望に対応するものである。
本明細書では、それを必要とする対象において、慢性肺同種移植片機能不全(例えば、閉塞性細気管支炎症候群)を治療する方法を提供しており、当該対象に対して、治療有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与する、ことを含む。
本明細書では、それを必要とする対象において、慢性肺同種移植片機能不全(例えば、閉塞性細気管支炎症候群)の治療のためのJAK1経路阻害剤を提供する。
本明細書では、それを必要とする対象において、慢性肺同種移植片機能不全(例えば、閉塞性細気管支炎症候群)の治療のために使用する医薬の製造のためのJAK1経路阻害剤の使用を提供する。
本発明は、とりわけ、それを必要とする対象において、慢性肺同種移植片機能不全、例えば、閉塞性細気管支炎症候群を治療する方法を提供しており、当該対象に対して、治療有効量のJAK1経路阻害剤、例えば、JAK1/2阻害剤、またはJAK1阻害剤、または医薬として許容可能なそれらの塩を投与することを含む。
肺移植後のBOSの診断は、臨床的に行うことができ、また、FEVで測定した肺機能の持続的な低下によって定義することができる。肺移植後のBOSの診断を行うために、急性拒絶反応、感染症、片肺レシピエントが抱えている肺の問題、レシピエントの過剰な体重増加、吻合部機能障害、呼吸筋機能障害、滲出液、または、機器の故障などに起因する誤測定などの技術的問題など、移植後の悪化を招くその他の原因を、肺移植片機能不全の原因から除外することができる(Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503)。
BOS分類スキームは、肺移植後のBOSで利用されている評価システムであり、移植後ベースラインFEVの80%以下にまで下がるFEVの持続的低下を示す肺活量測定法に基づくことができる。ベースラインは、肺移植した後の機能回復と安定化を待った後に、3週間以上の間隔を開けて得た2つの最良のFEV(またはFEF25-75%)値の平均として定義することができる。以下に示す最新の改訂版には、新たな分類項目であるグレード0pが記載されており、このものは、肺移植後のBOSの早期診断を確実にするために加えられたものである(Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503)。表1は、Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503から引用しており、参照により、その全内容を本明細書で援用する。FEV:1秒間の努力呼気肺活量;FEF25-75%:努力肺活量の25~75%での努力呼気肺活量。
Figure 2022524997000001
BOS療法の標準治療またはコンセンサス治療アルゴリズムは無く、また、BOS患者における明確な有益性を示す高品質の無作為化試験はほとんど無い(Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503)。
本明細書に記載した方法は、JAK1経路阻害剤、特にJAK1/2及びJAK1選択的阻害剤を利用する。JAK1は、数多くのサイトカイン及び成長因子シグナル伝達経路において中心的な役割を果たしており、調節不全になると、病状が出現する、または、病状に関与することができる。JAK1は、その他のJAKと協同して、数多くの炎症性疾患に関連する数多くの炎症性サイトカインのシグナル伝達を媒介することが知られている。
イタシチニブは、選択的JAK1経路阻害剤であり、HSCT後の急性及び慢性GVHDの両方の治療について、現在、臨床試験が行われている。慢性GVHDは、皮膚、肝臓、及び腸などの体内のあらゆる臓器に影響を与える。慢性GVHDは、肺にも影響を及ぼしており、肺移植後のBOSとほぼ同じ臨床症状を示す。肺cGVHDと肺移植後のBOSとの相関関係は、1995年に初めて報告がされており、そこでは、肺cGVHD及び肺移植後のBOSを有する9名の患者から臨床データと組織を得ている。両方のグループは、進行性の呼吸困難と不可逆的な閉塞パターンなどの同様の徴候と症状、ならびに大気管支の拡張症に至る弥漫性炎症などの同様の結果と組織学を示した(Philit et al., Eur. Respir. J. 1995, 8:551-558)。
肺cGVHDは、サイトカイン、トール様受容体アゴニスト、好中球、血小板の放出、及び血管炎症を特徴とする組織損傷応答に至る正常な組織損傷の発生を通じて、移植プロセスの間に開始する(Cooke et al, Biol. Blood Marrow Transplant 2017, 23:211-234)。CD4及びCD8細胞、ならびにTh17細胞を、その部位に動員するが、胸腺損傷または機能不全が故に、これらの細胞のネガティブ選択が損なわれてしまい、そして、自己反応性T細胞クローンが持続する。加えて、CNIなどのcGVHDで使用する必須の免疫抑制療法は、Treg枯渇を招いてしまう。最終的に、最初のT細胞応答は、T細胞、B細胞、及びNK細胞などの様々な自然免疫細胞及び適応免疫細胞、ならびにその部位に対するAPCを活性化して、炎症性サイトカインTGFβ、PDGFα、TNFα、及びIL17のアップレギュレーションを招く。慢性炎症及び線維芽細胞動員は、標的器官のコラーゲン沈着及び継続的な機能不全、線維症をもってして終了する(Cooke et al, Biol. Blood Marrow Transplant 2017, 23:211-234)。
同じ生物学的原理の多くは、肺移植後のBOSに固有のものである。主な相違点は、cGVHDでは免疫応答が異常であり、そして、移植した幹細胞が宿主組織を攻撃するのに対して、肺移植後のBOSでは、免疫応答は生理学的には正常であるが、患者の転帰はなおも不良のままである、ということにある。肺移植後のBOSでの同種反応性急性炎症期の起因事象は明らかであり、すなわち、同種異系肺移植片の移植である;しかしながら、cGVHDと同様に、移植後に出現する急性拒絶反応などの移植組織損傷、CMV感染、ならびに、GERDや冷虚血時間などのその他の組織損傷現象を招く問題を抱えている患者では、肺移植後のBOSを発症する可能性が高い、ことを留意すべきである(Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503)。cGVHDで見受けられる胸腺機能障害は、同種反応性T細胞がネガティブ選択されていないので、肺移植後のBOSとは関連性が無い。しかしながら、重要なことに、初期のCD4、CD8、及びTh17細胞の浸潤の役割、及びその後のB細胞、NK細胞、及びAPCの動員は、すべてが生理学的に適切であっても、肺移植後のBOSにおいて十分に認められている(Boehler and Estenne, Eur. Respir. J. 2003, 22:1007-1018;Gupta et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 2017, 56:708-715;Fukami et al., Am. J. Transplant, 2012, 12:867-876;Hodge et al, J. Heart Lung Transplant, 2012, 31:888-895, Leonard et al., Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2000, 161:1349-1354)。cGVHDと同様に、維持免疫抑制療法では、CNIを使用して、Tregの枯渇と抑制を行っている(Meyer, K. C., et al. Eur. Respir. J. 2014;44: 1479-1503)。最後に、TGFβ、PDGFα、TNFα、及びIL-17などの公知のサイトカインのそれぞれと、異常な組織修復の細胞媒介物質が、肺移植後のBOSに存在していることが確認されている。
加えて、マウスモデルでは、イタシチニブの予防的及び治療的用量を、60mg/kg/日または120mg/kg/日のいずれにしても、GVHDスコアが改善しており、このことは、同種反応性マウスモデルでの臨床効果を示す。JAK阻害剤であるルキソリチニブ(JAK1/2阻害剤)及びイタシチニブは、急性GVHD(aGVHD)において臨床効果が実証されており;加えて、ルキソリチニブは、慢性GVHD(cGVHD)において臨床効果を示した。
特筆すべきことに、肺cGVHDを用いた研究での5名の患者の内の4名は、FEVの10%以上の増加として定義したFEV反応を示した。加えて、肺cGVHDの5名の小児患者(評価可能なのは4名)に対してルキソリチニブを使用して調査を行った研究では、FEVが9%増加した1名の患者で2つの反応が認められた。5名の患者の内の4名は、ステロイドを完全に離脱させることができ、そして、最後の患者は、ステロイドの必要量を50%以上減量することができた(Schoettler et al, Bone Marrow Transplantation, 2019, 54:1158-1160)。ルキソリチニブに加えて、イタシチニブが、aGVHDの患者において有意な臨床活性を示した。最近の研究では、ナイーブまたはステロイド不応性aGVHDの治療を受けている患者に対して、2用量のイタシチニブを、200mg QDと300mg QDで使用して、安全性と有効性を評価している。
したがって、本明細書では、対象における慢性肺同種移植片機能不全を治療する方法を提供しており、当該方法は、対象に対して、JAK1経路阻害剤(例えば、JAK1/2阻害剤、または選択的JAK1阻害剤)、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
一部の実施形態では、慢性肺同種移植片機能不全は、閉塞性細気管支炎症候群である。
一部の実施形態では、対象は、肺移植レシピエント(例えば、片肺移植レシピエント、または両肺移植レシピエント)である。
一部の実施形態では、対象は、両肺移植レシピエントである。
一部の実施形態では、対象は、International Society for Heart and Lung Transplantation(ISHLT)基準で定めたグレード0、グレード0p、グレード1、グレード2、またはグレード3の閉塞性細気管支炎症候群に罹患している。
一部の実施形態では、対象は、International Society for Heart and Lung Transplantation(ISHLT)基準で定めたグレード0p、グレード1、グレード2、またはグレード3の閉塞性細気管支炎症候群に罹患している。
一部の実施形態では、対象は、International Society for Heart and Lung Transplantation(ISHLT)基準で定めたグレード1またはグレード2の閉塞性細気管支炎症候群に罹患している。
一部の実施形態では、対象は、移植後のベースラインFEVの約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以下にまで、微減したFEVを有する。これらの数値を使用して、約50%~約75%などの範囲を定義することができる。
一部の実施形態では、対象は、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以上、未満のFEF25-75%値を有する。これらの数値を使用して、約60%~約80%などの範囲を定義することができる。
一部の実施形態では、対象は、グレード0の閉塞性細気管支炎症候群に罹患しており、グレード0の閉塞性細気管支炎症候群を、移植後のベースラインFEVの100%未満であるが、90%を超える、微減したFEV、及び/または移植後ベースラインの75%を超えるFEF25-75%として定義する。
一部の実施形態では、対象は、グレード0pの閉塞性細気管支炎症候群に罹患しており、グレード0pの閉塞性細気管支炎症候群を、移植後のベースラインFEVの81~90%にまで、微減したFEV、及び/または移植後ベースラインの75%以下のFEF25-75%として定義する。
一部の実施形態では、対象は、グレード1の閉塞性細気管支炎症候群に罹患しており、グレード1の閉塞性細気管支炎症候群を、移植後のベースラインFEVの66~80%にまで、微減したFEVとして定義する。
一部の実施形態では、対象は、グレード2の閉塞性細気管支炎症候群に罹患しており、グレード2の閉塞性細気管支炎症候群を、移植後のベースラインFEVの51~65%にまで、微減したFEVとして定義する。
一部の実施形態では、対象は、グレード3の閉塞性細気管支炎症候群に罹患しており、グレード3の閉塞性細気管支炎症候群を、移植後のベースラインFEVの50%以下にまで、微減したFEVとして定義する。
一部の実施形態では、閉塞性細気管支炎症候群の治療は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を初めて投与してから約4週間、8週間、12週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月または6ヶ月後に、FEVを、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%以上増加させる、ことを含む。
一部の実施形態では、閉塞性細気管支炎症候群の治療は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を初めて投与してから約4週間、8週間、12週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月または6ヶ月後に、FEVを、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%以上増加させる、ことを含む。
一部の実施形態では、閉塞性細気管支炎症候群の治療は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を初めて投与してから約12週間後に、FEVを、約10%以上増加させる、ことを含む。
一部の実施形態では、閉塞性細気管支炎症候群の治療は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を初めて投与してから12週間後に、FEVを、約10%以上増加させる、ことを含む。
本明細書では、対象における閉塞性細気管支炎症候群のリスクを抑制する方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
本明細書では、対象における肺の再移植のリスクを抑制する方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
本明細書では、閉塞性細気管支炎症候群に罹患した対象におけるFEVを改善する方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
本明細書では、閉塞性細気管支炎症候群に罹患した対象における生活の質を改善する方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
本明細書では、対象について、死亡を回避する、進行性細気管支拡張症を回避する、臓器不全を回避する、肺機能の低下を回避する、肺移植後の回復及び安定を促す、入院を減らす、医療の利用を減らす、及び/または再移植のリスクを減少させる、ならびに本明細書で提供するその他の潜在的利益を高める方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載した選択基準の1つ以上を満足する。一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載した選択基準の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つを満足する。一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載したすべての選択基準を満足する。
一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載した除外基準の4つ、3つ、2つ、1つに該当する、またはすべての除外基準に該当していない。一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載した除外基準のいずれにも該当していない。
一部の実施形態では、対象は、以下の実施例1に記載したように、すべての選択基準を満足しており、かつ、いずれの除外基準にも該当していない。
本明細書では、対象が入院するリスクを抑制する方法も提供しており、当該方法は、対象に対して、有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含み、当該対象は、(a)閉塞性細気管支炎症候群の診断を受けている;(b)JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩の投与前の1~5年以内に肺移植を受けている、及び(c)閉塞性細気管支炎症候群以外に起因するFEVの低下が認められない。
本開示は、一部の実施形態では、それを必要とする対象における非移植関連閉塞性細気管支炎症候群を治療する方法に関するものであって、当該方法は、当該対象に対して、治療有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、例えば、JAK1/2阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、またはJAK1阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
本明細書に記載した方法は、JAK1経路阻害剤、すなわち、JAK1/2阻害剤、またはJAK1選択的阻害剤(これらのいずれについても、医薬として許容可能な塩の形態とすることができる)を利用する。
I.JAK1/2阻害剤:
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、バリシチニブ、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、ルキソリチニブ、または医薬として許容可能なその塩である(例えば、参照により、その開示の全内容を本明細書で援用する米国特許第7,598,257号を参照されたい)。一部の実施形態では、塩は、リン酸ルキソリチニブである(例えば、参照により、その開示の全内容を本明細書で援用する米国特許第8,722,693号を参照されたい)。
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、ルキソリチニブ、または医薬として許容可能なその塩であり、1つ以上の水素原子を、重水素原子で置換する。一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、米国特許9249149(参照により、その開示の全内容を本明細書で援用する)の化合物のいずれか、または医薬として許容可能なその塩である。一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、CTP-543(化合物111)、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、式Iの化合物:
Figure 2022524997000002
または医薬として許容可能なその塩であり、式中:
を、H及びDから選択する;
共通の炭素に結合しているそれぞれのRが同じであれば、それぞれのRを、独立して、H及びDから選択する;
共通の炭素に結合しているそれぞれのRが同じであれば、それぞれのRを、独立して、H及びDから選択する;
を、H及びDから選択する;
それぞれのRは、同じであり、かつ、H及びDから選択する;及び
、R、及びRを、それぞれ独立して、H及びDから選択する;ただし、RがHであれば、それぞれのR及びそれぞれのRはHであり、RはHであり、及び、R、R、及びRのそれぞれはHであり、そして、それぞれのRはDである。
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、下記の表に記載した化合物100~130から選択する式Iの化合物(表中、R、R、及びRは、それぞれHである)、または医薬として許容可能なその塩である。一部の実施形態では、JAK1及び/またはJAK2の阻害剤は、下記の表に記載した化合物200~231から選択する式Iの化合物(表中、R、R、及びRは、それぞれDである)、または医薬として許容可能なその塩である。
Figure 2022524997000003
Figure 2022524997000004
一部の実施形態では、JAK1/2阻害剤は、1つ以上の水素原子が重水素原子で置換されているバリシチニブ、または医薬として許容可能なその塩である。一部の実施形態では、JAK1及び/またはJAK2の阻害剤は、米国特許9540367(参照により、その開示の全内容を本明細書で援用する)の化合物のいずれか、または医薬として許容可能なその塩である。
II.JAK1選択的阻害剤
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、JAK2、JAK3、及びTYK2よりもJAK1に対して選択的(すなわち、JAK1選択的阻害剤)である。閉塞性細気管支炎症候群の患者は、選択的JAK1阻害の恩恵を受け得る。JAK1の選択的阻害剤は、効果的であり、一方で、その他のJAKキナーゼを阻害するという不必要かつ潜在的に望ましくない影響を回避し得る。具体的には、JAK2阻害を回避することで、化合物1などの選択的JAK1阻害剤を用いた治療を受けた肺移植後のBOS患者での血球減少症のリスクを抑制し得る。
例えば、本明細書に記載した化合物、または医薬として許容可能なその塩は、JAK2、JAK3、及びTYK2の1つ以上よりも、JAK1を優先的に阻害する。一部の実施形態では、化合物は、JAK2よりも、JAK1を優先的に阻害する(例えば、JAK2/JAK1 IC50比>1を有する)。一部の実施形態では、化合物または塩は、JAK2よりも、JAK1に対して約10倍も選択的である。一部の実施形態では、化合物または塩は、1mM ATPでIC50を測定して算出したところ、JAK2よりも、JAK1に対して約3倍、約5倍、約10倍、約15倍、または約20倍も選択的である(例えば、実施例Aを参照されたい)。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、表2の化合物、または医薬として許容可能なそれらの塩である。表2の化合物は、選択的JAK1阻害剤(すなわち、JAK2、JAK3、及びTYK2よりも選択的であるJAK1経路阻害剤)である。1mM ATPで、実施例Aの方法で得たIC50値を、表2に示す。
Figure 2022524997000005
Figure 2022524997000006
Figure 2022524997000007
Figure 2022524997000008
Figure 2022524997000009
Figure 2022524997000010
Figure 2022524997000011
Figure 2022524997000012
+は、<10nMのことを意味する(アッセイ条件については、実施例Aを参照されたい)
++は、<100nMのことを意味する(アッセイ条件については、実施例Aを参照されたい)
+++は、<300nMのことを意味する(アッセイ条件については、実施例Aを参照されたい)
エナンチオマー1のデータ
エナンチオマー2のデータ
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン)-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルアジピン酸塩である。
{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、及びそのアジピン酸塩の合成と調製は、例えば、2011年3月9日に出願された米国特許公開第2011/0224190号、2012年9月6日に出願された米国特許公開第2013/0060026号、及び2014年3月5日に出願された米国特許公開第2014/0256941号に認めることができ、これらの各々を、参照により、それらの全内容を本明細書で援用する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、4-[3-(シアノメチル)-3-(3’、5’-ジメチル-1H、1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミド、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、4-[3-(シアノメチル)-3-(3’、5’-ジメチル-1H、1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩である。
4-[3-(シアノメチル)-3-(3’、5’-ジメチル-1H、1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミド、及びそのリン酸塩の合成と調製は、例えば、2014年3月16日に出願された米国特許公開第2014/0343030号に認めることができ、参照により、その全内容を本明細書で援用する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、((2R、5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、((2R、5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル一水和物である。
((2R、5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル、及びその無水物及び一水和物形態の特徴決定は、2013年10月31日に出願された米国特許公開第2014/0121198号、及び2015年4月29日に出願された米国特許公開第2015/0344497号に記載されており、それらの各々を、参照により、それらの全内容を本明細書で援用する。
一部の実施形態では、表2の化合物は、2011年3月9日に出願された米国特許公開第2011/0224190号、2014年5月16日に出願された米国特許公開第2014/0343030号、2013年10月31日に出願された米国特許公開第2014/0121198号、2010年5月21日に出願された米国特許公開第2010/0298334号、2010年8月31日に出願された米国特許公開第2011/0059951号、2011年11月18日に出願された米国特許公開第2012/0149681号、2011年11月18日に出願された米国特許公開第2012/0149682号、2012年6月19日に出願された米国特許公開第2013/0018034号、2012年8月17日に出願された米国特許公開第2013/0045963号、及び2013年5月17日に出願された米国特許出願第2014/0005166号で説明されている合成手順で調製しており、それらの各々を、参照により、それらの全内容を本明細書で援用する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、2011年3月9日に出願された米国特許公開第2011/0224190号、2014年5月16日に出願された米国特許公開第2014/0343030号、2013年10月31日に出願された米国特許公開第2014/0121198号、2010年5月21日に出願された米国特許公開第2010/0298334号、2010年8月31日に出願された米国特許公開第2011/0059951号、2011年11月18日に出願された米国特許公開第2012/0149681号、2011年11月18日に出願された米国特許公開第2012/0149682号、2012年6月19日に出願された米国特許公開第2013/0018034号、2012年8月17日に出願された米国特許公開第2013/0045963号、及び2013年5月17日に出願された米国特許出願第2014/0005166号の化合物、または医薬として許容可能なそれらの塩から選択しており、それらの各々を、参照により、その全内容を本明細書で援用する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、式Iの化合物
Figure 2022524997000013
または医薬として許容可能なその塩であり、式中:
Xは、NまたはCHである;
Lは、C(=O)またはC(=O)NHである;
Aは、フェニル、ピリジニル、またはピリミジニルであり、これらの各々は、1つまたは2つの独立して選択したR基で任意に置換している;及び
それぞれのRは、独立して、フルオロまたはトリフルオロメチルである。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、4-{3-(シアノメチル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-1-イル}-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキサミド、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、[3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-(1-{[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]カルボニル}ピペリジン-4-イル)アゼチジン-3-イル]アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、式IIの化合物
Figure 2022524997000014
または医薬として許容可能なその塩であり、式中:
は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、またはC3-6シクロアルキル-C1-3アルキルであり、当該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及びC3-6シクロアルキル-C1-3アルキルは、それぞれ、フルオロ、-CF、及びメチルから独立して選択する1つ、2つ、または3つの置換基で任意に置換する;
は、Hまたはメチルである;
は、H、F、またはClである;
は、HまたはFである;
は、HまたはFである;
は、HまたはFである;
は、Hまたはメチルである;
は、Hまたはメチルである;
10は、Hまたはメチルである;及び
11は、Hまたはメチルである。
一部の実施形態では、式IIの化合物は、4-[3-(シアノメチル)-3-(3’、5’-ジメチル-1H、1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチルJベンズアミド、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、式IIIの化合物
Figure 2022524997000015
または医薬として許容可能なその塩であり、式中:
Cyは、CN、OH、F、Cl、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、シアノ-C1-3アルキル、HO-C1-3アルキル、アミノ、C1-3アルキルアミノ、及びジ(C1-3アルキル)アミノから独立して選択する1つまたは2つの基で任意に置換するテトラヒドロ-2H-ピラン環であり、当該C1-3アルキル及びジ(C1-3アルキル)アミノは、F、Cl、C1-3アルキルアミノスルホニル、及びC1-3アルキルスルホニルから独立して選択する1つ、2つ、または3つの置換基で任意に置換する;及び
12は、-CH-OH、-CH(CH)-OH、または-CH-NHSOCHである。
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、((2R、5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、同位体で標識した化合物、または医薬として許容可能なその塩である。「同位体で標識した」または「放射標識した」化合物は、1つ以上の原子が、自然界で一般的に認められる(すなわち、天然に存在する)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えている、または置換している本開示の化合物である。本開示の化合物に取り込み得る好適な放射性核種として、H(重水素に代えてDとも表記する)、H(トリチウムに代えてTとも表記する)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、及び131Iがあるが、これらに限定されない。例えば、本開示の化合物での1つ以上の水素原子は、重水素原子で置き換えることができ、例えば、-CHを置換して-CDとする。
本明細書に記載した化合物の1つ以上の構成原子は、天然または非天然の存在度で、原子の同位体と置き換えることができる、または、置換することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。一部の実施形態では、本発明の化合物は、2つ以上の重水素原子を含む。一部の実施形態では、本発明の化合物は、1~2、1~3、1~4、1~5、または1~6個の重水素原子を含む。一部の実施形態では、化合物でのすべての水素原子を、重水素原子で置き換えることができる、または置換することができる。
有機化合物に同位体を取り込むための合成法は、当該技術分野において公知である(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F. Thomas (New York, N.Y., Appleton-Century-Crofts, 1971;The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt, Volker Derdau, Thorsten Fey and Jochen Zimmermann, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 7744-7765;The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R. Hanson, Royal Society of Chemistry, 2011)。同位体で標識をした化合物は、NMRスペクトロスコピー、代謝実験、及び/またはアッセイなどの様々な研究で使用することができる。
より重い同位体、例えば、重水素を用いた置換は、より高い代謝的安定性に起因しているある種の治療上の利点、例えば、インビボ半減期を延長する、または、必要投与量を減量し得るので、一部の状況では好適となり得る(例えば、A. Kerekes et. al. J. Med. Chem. 2011, 54, 201-210;R. Xu et. al., J. Label Compd. Radiopharm. 2015, 58, 308-312を参照されたい)。特に、1つ以上の代謝部位での置換は、1つ以上の治療上の利点をもたらし得る。
したがって、一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤は、化合物、すなわち、1つ以上の水素原子を重水素原子で置き換えている当該化合物、または医薬として許容可能なその塩である。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約50mg~約600mgの1日用量で投与する。したがって、一部の実施形態では、選択的JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、または約600mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約50mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約100mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約200mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約300mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約400mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約500mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約600mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約50mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約100mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約200mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約300mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約400mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約500mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、遊離塩基ベースで、約600mgの量で1日1回投与する。
一部の実施形態では、それぞれが、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を含む1つ以上の徐放性製剤として、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与する。
本明細書では、それを必要とする対象において、閉塞性気管支炎症候群を治療する方法を提供しており、対象に対して、遊離塩基ベースで、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、約50mg~約600mgの1日用量で投与することを含み、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を含む1つ以上の徐放性製剤として投与する。
本明細書では、それを必要とする対象において、閉塞性気管支炎症候群を治療する方法を提供しており、対象に対して、遊離塩基ベースで、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、約100mg~約600mgの1日用量で投与することを含み、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を含む1つ以上の徐放性製剤として投与する。
一部の実施形態では、それぞれが、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を含む1つ以上の徐放性製剤として、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与する。
{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩の徐放性製剤(表2、化合物1)は、2014年8月6日に出願された米国特許公開第2015-0065484号に認めることができ、この出願を、参照により、その全内容を本明細書で援用する。以下の実施例Bも参照されたい。
本明細書では、それを必要とする対象において、閉塞性気管支炎症候群を治療する方法を提供しており、対象に対して、遊離塩基ベースで、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩を、約100mg~約600mgの1日用量で投与することを含み、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩を、1つ以上の徐放性製剤として投与する。
本明細書に記載した実施形態は、実施形態が、多重従属請求項であるかごとく、あらゆる適切な組み合わせとなることを意図している(例えば、選択的JAK1経路阻害剤及びその用量に関連する実施形態、本明細書に開示した化合物のあらゆる塩形態に関連する実施形態、及び組成物及び/または投与に関連する実施形態を、あらゆる組み合わせで組み合わせることができる)。単に簡略化の理由が故に、本明細書には、考え得るすべての組み合わせを個別に記載していない。
本明細書に記載した化合物を、(例えば、1つ以上の立体中心を有する)非対称のものとし得る。特に断りの無い限り、エナンチオマー及びジアステレオマーなどのすべての立体異性体を意図している。非対称に置換した炭素原子を含む化合物は、光学活性形態、またはラセミ形態で単離することができる。光学的に不活性な出発材料から光学活性形態を調製する方法は、ラセミ混合物の分割または立体選択的合成によるものなど、当該技術分野において公知である。本明細書に記載した化合物には、オレフィン、C=N二重結合などの数多くの幾何異性体も存在することができ、また、すべてのそのような安定した異性体を本発明では企図している。本発明の化合物のシス及びトランスの幾何異性体を記載しており、また、異性体の混合物として、または分離した異性体形態として単離し得る。
一部の実施形態では、化合物は、(R)-配置を有する。一部の実施形態では、化合物は、(S)-配置を有する。
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野で公知の数多く方法のいずれかで実施することができる。この方法の一例として、光学活性の塩形成有機酸であるキラル分割酸を使用する分別再結晶がある。分別再結晶法に好適な分割剤として、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはβ-カンファースルホン酸などの様々な光学活性カンファースルホン酸のD形態及びL形態などの光学活性酸がある。分別晶析法に好適なその他の分割剤として、α-メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えば、S及びR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどがある。
また、ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムで溶出して実施することができる。当業者であれば、好適な溶出溶媒組成物を決定することができる。
本明細書に記載した化合物は、互変異性の形態も含む。互変異性の形態は、プロトンの同時移動と共に、隣接する二重結合と単結合との交換から生じる。互変異性の形態として、同じ実験式及び総電荷を有する異性体のプロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体がある。プロトトロピック互変異性体の例として、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、及びプロトンがヘテロ環系の2つ以上の位置を占めることができる環状形態、例えば、1H-イミダゾール及び3H-イミダゾール、1H-、2H-、及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに1H-及び2H-ピラゾールがある。互変異性の形態は、平衡状態とすることができる、または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定することができる。
本明細書に記載した化合物は、本開示の同位体を標識した化合物も含むことができる。「同位体で標識した」または「放射標識した」化合物は、1つ以上の原子が、自然界で一般的に認められる(すなわち、天然に存在する)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えている、または置換している本開示の化合物である。本開示の化合物に取り込み得る好適な放射性核種として、H(重水素に代えてDとも表記する)、H(トリチウムに代えてTとも表記する)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、及び131Iがあるが、これらに限定されない。例えば、本開示の化合物での1つ以上の水素原子を、重水素原子で置き換えることができる(例えば、式(I)、(II)、または(III)のC1-6アルキル基、あるいは、表2の化合物の1つ以上の水素原子を、-CHを置換して-CDとするなどして、任意に、重水素原子で置換することができる)。
本明細書で使用する用語「化合物」とは、名称が特定の立体異性体を指すものでない限り、そこに示した構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体を含むことを意味する。名称または構造で特定の互変異性形態を本明細書で指定している化合物は、特に断りのない限り、その他の互変異性形態を含む、ことを意図している。
一部の実施形態では、本明細書に記載した化合物、またはその塩を、実質的に単離している。「実質的に単離する」とは、化合物が、それを形成または検出した環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離することを意味する。部分的な分離は、例えば、本明細書に記載した化合物を豊富に含む組成物を含むことができる。実質的な分離は、本明細書に記載した化合物、またはその塩の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%を含む組成物を含むことができる。化合物及びそれらの塩を単離する方法は、当該技術分野では常套手段である。
すべての化合物、及び医薬として許容可能なその塩は、水及び溶媒などのその他の物質(例えば、水和物及び溶媒和物)と一緒に認めることができる、または単離することができる。固体状態では、本明細書に記載した化合物及びその塩は、様々な形態で発生し得るものであり、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態となり得る。化合物は、多形または溶媒和物などのあらゆる固体状態の形態とし得るので、特に断りの無い限り、本明細書での化合物及びその塩への言及は、化合物のあらゆる固体状態の形態を含むものと理解すべきである。
句「医薬として許容可能な」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合っており、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症を招くことなく、ヒト及び動物の組織と接触させて使用する上で好適な化合物、物質、組成物、及び/または剤形を指すために、本明細書で使用している。
本発明は、本明細書に記載した化合物の医薬として許容可能な塩も含む。用語「医薬として許容可能な塩」とは、開示した化合物の誘導体のことを指しており、親化合物は、既存の酸または塩基部分を、その塩形態に変換して修飾を受けている。医薬として許容可能な塩の例として、アミンなどの塩基性残基の無機塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などがあるが、これらに限定されない。本発明の医薬として許容可能な塩として、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成する親化合物の非毒性塩がある。本発明の医薬として許容可能な塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を、化学量論的な量の適切な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒において、またはその2つの混合物において反応させて調製することができる。概して、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはブタノール)またはアセトニトリル(MeCN)のような非水性培地が好ましい。好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, 1985), p. 1418, Berge et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66(1), 1-19, 及び in Stahl et al., Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, (Wiley, 2002)に認められる。一部の実施形態では、本明細書に記載した化合物は、N-オキシド形態を含む。
用語「個体」、「患者」、または「対象」は、互換可能に使用しており、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、その他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、及び最も好ましくはヒトを含むあらゆる動物のことを指す。
句「治療有効量」は、組織、システム、動物、個体、またはヒトにおいて、研究者、獣医師、医師、またはその他の臨床医が求めている生物学的応答または薬物応答を誘発する活性化合物または薬剤の量のことを指す。
用語「治療する(treating)」または「治療(treatment)」とは、(1)疾患を阻害すること、例えば、疾患、病態または障害の病状または総体的症状を経験している、または示している個体での疾患、病態または障害を阻害する(すなわち、病状及び/または総体的症状のさらなる悪化を阻止する)こと;及び(2)疾患を寛解する、例えば、疾患、病態または障害の病状または総体的症状を経験している、または示している個体での疾患、病態または障害を寛解する(すなわち、病状及び/または総合的症状を快方に向かわせる)、例えば、疾患の重症度を下げること、の1つ以上のことを指す。ある実施形態では、「治療する(treating)」または「治療(treatment)」とは、疾患を発症するリスクを予防または抑制することを含む;例えば、閉塞性細気管支炎症候群の素因を有し得る(例えば、単肺または両肺移植後)が、疾患の病状または症状を未だ経験していない、または示していない個人での閉塞性細気管支炎症候群を発症するリスクを予防または低減することを含む。
用語「例えば(e.g.)」及び「など(such as,)」及びその文法的等価用語である句「及び、限定することなく(and without limitation)」は、特に断りの無い限り、これに続く文言がある、と理解している。
本明細書で使用する単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈において特に断りが無い限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用する用語「約(about)」は、「約(approximately)」のことを意味する(例えば、示した数値の±約10%)。
併用療法
本明細書に記載した方法は、1つ以上のさらなる治療薬を投与することをさらに含むことができる。これらの治療薬として、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、または治療用抗体がある。
新たに発症した肺移植後のBOSとの診断を受けた患者は、処方された薬剤及び使用した免疫抑制剤の服用を順守するなどして最適な免疫抑制を受けていることを確認するために、評価される。シクロスポリンを服用している患者の場合、シクロスポリンをタクロリムスに切り替えた場合に、予測したFEVの喪失が抑制されていることを示す証拠がある(Sarahrudhi, K. et al. JTCS, April 2004, Vol. 127, No. 4)。免疫抑制療法を最適化してしまうと、実証された有効性を伴う治療選択肢はあまりない。選択肢は、次の通りである。
●アジスロマイシン:アジスロマイシンは、複数の研究において、患者の約35~40%で、FEVの10以上の増加で定義する肺機能の改善を示した。この反応は、BAL液での好中球増加症の存在と相関しているようである(Vos, R. et al. JHLT, 2010, Vol. 29, No. 12)。アジスロマイシンに対してFEV応答を示した患者は、応答を示さなかった患者と比較して、アジスロマイシンは全生存期間で改善を示した。加えて、肺移植後のBOSでのプラセボと比較した予防的アジスロマイシンの無作為化研究では、BOSの症例が少ないものの、全生存期間において影響は認められなかった(Vos, R. et al. Eur. Respir. J. 2011, Vol. 37)。
●体外フォトフェレーシス(ECP):ECPは、数多くの単一施設(その最大規模のものでは、51名の患者が登録されていた)での研究において、中程度の活性を実証している。この研究では、患者の61%が、6か月間にわたって維持した-5~+5のプレECPベースラインのFEVで定義した長期にわたって安定した疾患を有していた(Benden, E. C. et al. 2008 Transplantation, Vol. 86, No 11)。
●モンテルカスト:30名の患者を、モンテルカスト対プラセボで無作為化した。モンテルカストは、コホート全体の肺機能低下に影響を与えなかった。しかしながら、BOSグレード1の患者の事後解析では、モンテルカストは、絶対FEVと予測FEVの両方で、研究期間中のFEVのさらなる低下に歯止めをかけた(Ruttens, D. et al. Montelukast for bronchiolitis obliterans syndrome after lung transplantation: A randomized controlled trial. PLOS One April 6th 2018)。
したがって、一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及びシクロスポリン、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、アジスロマイシン、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、アジスロマイシンを、約500mgの1日用量で、1~2日間投与する。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与すること、及び体外フォトフェレーシスを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、モンテルカスト、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、モンテルカストを、約4mg~約10mgの1日用量(例えば、約4mg、約5mg、または約10mgの1日用量)で投与する。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、タクロリムス、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、タクロリムスは、約0.075mg/kg/日~約0.2mg/kg/日の1日用量で投与する。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、ミコフェノール酸モフェチル、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、ミコフェノール酸モフェチル、または医薬として許容可能なその塩を、約500~1500mgの1日用量、例えば、約1440mgの1日用量で投与する。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、アレムツズマブを投与することを含む。一部の実施形態では、アレムツズマブは、第1の治療コースと、第1の治療コースの12ヶ月後に第2の治療コースで投与を行い、第1の治療コースは、5日間連続で、約12mg/日の投与を行い、そして第2のコースの治療は、3日間連続で、約12mg/日の投与を行うことを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、メトトレキサート、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、メトトレキサートは、約7.5mg~約30mg(例えば、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27.5mg、または約30mg)の1週間用量で投与する。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、コルチコステロイド、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法は、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩、及び、エベロリムス、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む。一部の実施形態では、エベロリムスは、約2.5mg~約20mgの1日用量(例えば、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、または約20mgの1日用量)で投与する。
複数の医薬品を対象に投与する場合、それらは、同時に、連続して、または組み合わせて(例えば、3つ以上の薬剤で)投与することができる。
組成物
化合物を、医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、製薬分野で周知の方法で調製することができ、局所治療または全身治療ができるか否か、そして、治療する領域に応じて、様々な経路で投与することができる。投与は、局所的(経皮、上皮、眼、ならびに鼻腔内、膣、及び直腸送達を含む粘膜に対するものなど)、経肺(例えば、噴霧器によるものを含めて粉末またはエアロゾルの吸入または吹送によって;気管内または鼻腔内に)、経口、または非経口とし得る。非経口投与として、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、もしくは注射または注入;または、頭蓋内、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内の投与がある。非経口投与は、単回ボーラス用量の形態とすることができ、または、例えば、連続かん流ポンプによるものとし得る。局所投与のための医薬組成物及び製剤として、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、及び粉末がある。従来の医薬担体、水性基剤、粉末基剤、または油性基剤、増粘剤などは、必須となり得る、または望ましい。
医薬組成物は、有効成分として、化合物、または医薬として許容可能なその塩と、1つ以上の医薬として許容可能な担体(賦形剤)との組み合わせを含むことができる。一部の実施形態では、組成物は、局所投与に好適である。組成物を作製する際に、有効成分を、一般的には賦形剤と混合する、賦形剤で希釈する、または、例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくはその他の入れ物の形態で、かような担体内に封入する。賦形剤が希釈剤として機能する場合には、それを、有効成分のためのビヒクル、担体、または媒体として作用する固体、半固体、または液体の材料とし得る。したがって、組成物は、錠剤、ピル、粉末、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体または液体媒体として)、例えば、最大で10重量%の活性化合物を含む軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、坐剤、無菌注射液、ならびに無菌包装粉末の形態とし得る。
製剤を調製する際に、その他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕して適切な粒径を提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、200メッシュ未満の粒径にまで粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粉砕して粒径を、例えば、約40メッシュに調整して、製剤での実質的に均一な分布を提供することができる。
化合物を、湿式粉砕などの公知の粉砕手順を使用して粉砕して、錠剤形成及びその他の製剤タイプに関して適切な粒径とすることができる。本発明の化合物を細分化した(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野で公知のプロセスで調製することができ、例えば、WO2002/000196を参照されたい。
好適な賦形剤の一部の例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースがある。加えて、製剤は;タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油などの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁剤;メチル及びプロピルヒドロキシ安息香酸塩などの保存料;ならびに、甘味料及び香味料を含めることができる。本発明の組成物は、当該技術分野において公知の手順を使用して患者に投与した後に、有効成分の迅速、持続的、または遅延放出をもたらすように製剤することができる。
医薬組成物を製剤するために使用する構成成分は、高純度のものであり、かつ、実質的に潜在的に有害な汚染物質を含まない(例えば、少なくともNational Foodグレード、一般的には、少なくとも分析グレード、及びより一般的には少なくとも医薬品グレードである)。特にヒトが消費するものである場合、組成物は、好ましくはU.S. Food and Drug Administrationの運用規定で定義されたGood Manufacturing Practice基準に従って製造または製剤する。例えば、好適な製剤は、無菌及び/または実質的に等張性であり、及び/またはU.S. Food and Drug AdministrationのGood Manufacturing Practice基準の全規定を完全に順守している。
活性化合物は、広範囲の投与量で有効となるものであり、一般的に、治療有効量で投与する。しかしながら、実際に投与する化合物の量は、通常、治療する病態、選択した投与経路、実際に投与する化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などの関連する状況に応じて、医師が決定することは理解されるであろう。
本発明の化合物の治療投与量は、例えば、治療が施される特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康及び状態、ならびに処方医師の判断に応じて変化する。医薬組成物での本発明の化合物の比率または濃度は、投与量、化学的性質(例えば、疎水性)、及び投与経路などの幾つかの要因に応じて変化する。
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な有効成分を、医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含む固体の予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物が均質物であると称する場合、有効成分は、一般的には、組成物全体に均一に分散しており、それにより組成物は、錠剤、ピル、及びカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化することができる。次いで、この固体予備製剤を、例えば、約0.1~約1000mgの本発明の有効成分を含む上記したタイプの単位剤形に細分化する。
本発明の錠剤またはピルをコーティングまたはその他の方法で調合して、長期作用の利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、錠剤またはピルは、内側の投与成分及び外側の投与成分を含むことができ、後者が前者を覆うエンベロープの形態になっている。これらの2つの構成成分は、腸溶性層で分離でき、この腸溶性層は、胃での分解に抵抗するように機能して、内側の構成成分を無傷で十二指腸に到達させる、または遅延放出を可能にする。様々な材料を、そのような腸溶性層またはコーティングに使用することができ、そのような材料は、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸と、セラック、セチルアルコール、及びセルロース酢酸塩などの材料との混合物を含む。
本発明の化合物及び組成物を経口投与または注射で取り込むことができる液体形態として、水溶液、適切に風味付けしたシロップ、水性または油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油などの食用油で風味付けした乳濁液、ならびにエリキシル剤及び同様の医薬用ビヒクルがある。
患者に投与する化合物または組成物の量は、投与するものの中身、予防または治療などの投与目的、患者の状態、投与方法などに応じて変化する。治療的用途では、組成物は、疾患及びその合併症の症状を治癒する、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、すでに疾患に罹患している患者に投与することができる。有効用量は、治療する病状、ならびに疾患の重症度、患者の年齢、体重、及び全身状態などの要素に基づいて主治医の判断によって定まる。
患者に投与する組成物は、上記した医薬組成物の形態とすることができる。これらの組成物は、従来の滅菌技術で滅菌することができ、または滅菌濾過することができる。水溶液は、そのままで使用するために包装する、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は、投与前に無菌水性担体と合わせる。化合物調製物のpHは、一般的には3~11の間であり、より好ましくは5~9、最も好ましくは7~8である。前述した特定の賦形剤、担体、または安定剤を使用すると、医薬塩が形成されることは理解されよう。
キット
本出願は、治療有効量の化合物を含む医薬組成物、またはその実施形態のいずれかを収容する1つ以上の容器を含む、有用な医薬用キットも含む。そのようなキットは、例えば、医薬として許容可能な1つ以上の担体を収容する容器、さらなる容器など、従来の医薬用キットの様々な構成要素の1つ以上をさらに含むことができ、このことは、当業者に自明であろう。投与する構成成分の量、投与のためのガイドライン、及び/または構成成分の混合に関するガイドラインを示す取扱説明書も、添付文書として、あるいはラベルの形のいずれかで、キットに含めることができる。
本発明を、特定の実施例にしたがって、さらに詳細に説明する。以下の実施例は、例示の目的で提供しており、方法の如何に関わらず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本質的に同じ結果を招くように変更または修正が可能である非必須の様々なパラメーターを容易に認識する。
実施例A:インビトロJAKキナーゼアッセイ
サイトカイン関連疾患または障害の治療に使用できるJAK1経路阻害剤を、Park et al., Analytical Biochemistry 1999, 269, 94-104に記載されている以下のインビトロアッセイに従って、JAK標的の阻害活性について試験する。N末端にHisタグを設けたヒトJAK1(a.a.837-1142)、JAK2(a.a.828-1132)及びJAK3(a.a.781-1124)の触媒ドメインを、昆虫細胞において、バキュロウイルスを使用して発現させ、そして、精製をする。JAK1、JAK2またはJAK3の触媒活性を、ビオチン化ペプチドのリン酸化を測定してアッセイした。ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)法によってリン酸化ペプチドを検出した。100mM NaCl、5mM DTT、及び0.1mg/mL(0.01%)BSAを含む50mM Tris(pH7.8)緩衝剤に、酵素、ATP、及び500nMペプチドを含む40マイクロL反応物でのそれぞれのキナーゼについて、化合物のIC50を測定する。1mM IC50測定の場合、反応でのATP濃度は、1mMである。反応は、室温で、1時間行い、次いで、45mM EDTA、300nM SA-APC、6nM Eu-Py20を含むアッセイ緩衝剤(Perkin Elmer, Boston, MA)の20μLで停止する。Europiumで標識した抗体に対する結合を、40分間行い、そして、HTRFシグナルを、Fusionプレートリーダー(Perkin Elmer, Boston, MA)で測定した。表2に記載した化合物は、このアッセイで試験しており、また、表2に記載したIC50値を有することを示した。
実施例B:化合物1の徐放性製剤の調製
化合物1を含む徐放性錠剤を、以下の表に示す量の賦形剤を用いて調製した。プロトコルAは、SR1錠のために使用した、プロトコルBは、SR2錠のために使用した、プロトコルCは、SR3錠及び25mgのSR錠のために使用した、そして、プロトコルDは、SR4錠のために使用した。これらの手順は、化合物1の徐放性製剤に関する米国特許公開第2015/0065484号に開示されている。
プロトコルA:
ステップ1.化合物1のアジピン酸塩、微結晶性セルロース、ヒプロメロース(Methocel K100 LV及びMethocel K4M)、及びラクトース一水和物を、個別に篩い分ける。
ステップ2.ステップ1で篩い分けた材料を、適切な混合機に移して混合する。
ステップ3.ステップ2で得た混合物を、適切な造粒機に移して混合する。
ステップ4.混合しながら精製水を加える。
ステップ5.ステップ4で得た顆粒を、適切な乾燥機に移して、LODが3%未満になるまで乾燥させる。
ステップ6.ステップ5で得た顆粒を、篩い分ける。
ステップ7.ステップ6で得た顆粒を、適切な混合機を用いて、篩い分けしたステアリン酸マグネシウムと混合する。
ステップ8.ステップ7で得た最終混合物を、適切な回転式打錠機で圧縮する。
プロトコルB:
ステップ1.式Iの化合物のアジピン酸塩、微結晶性セルロース、ヒプロメロース及びアルファ化デンプンを、個別に篩い分ける。
ステップ2.ステップ1で篩い分けた材料を、適切な混合機に移して混合する。
ステップ3.ステップ2で得た混合物を、適切な造粒機に移して混合する。
ステップ4.混合しながら精製水を加える。
ステップ5.ステップ4で得た顆粒を、適切な乾燥機に移して、LODが3%未満になるまで乾燥させる。
ステップ6.ステップ5で得た顆粒を、篩い分ける。
ステップ7.ポリオックス、ブチル化ヒドロキシトルエン、及びコロイド状二酸化ケイ素を、個別に篩い分ける。
ステップ8.ステップ6で得た顆粒と、ステップ7で得た材料を、適切な混合機に移して混合する。
ステップ9.ステップ8で得た材料に対して、篩い分けたステアリン酸マグネシウムを加えて混合を続ける。
ステップ10.ステップ9で得た最終混合物を、適切な回転式打錠機で圧縮する。
プロトコルC:
ステップ1.ラクトース一水和物、式Iの化合物のアジピン酸塩、微結晶性セルロース、及びヒプロメロースに対して、適切な篩にかけて、個別に篩い分ける。
ステップ2.ステップ1で篩い分けた材料を、適切な混合機に移して混合する。
ステップ3.ステップ2で得た混合物を、適切な造粒機に移して混合する。
ステップ4.混合しながら精製水を加える。
ステップ5.湿った顆粒に対して、適切な篩い分けを行って篩い分ける。
ステップ6.ステップ5で得た顆粒を、適切な乾燥機に移して、LODが3%未満になるまで乾燥させる。
ステップ7.ステップ6で得た顆粒を粉砕する。
ステップ8.適切な混合機で、ステップ7で得た顆粒と、篩い分けしたステアリン酸マグネシウムとを混合する。
ステップ9.ステップ8で得た最終混合物を、適切な回転式打錠機で圧縮する。
プロトコルD:
ステップ1.アルファ化デンプン、式Iの化合物のアジピン酸塩、ヒプロメロース、及び必要な微結晶性セルロースの一部に対して、適切な篩にかけて、個別に篩い分ける。
ステップ2.ステップ1で篩い分けた材料を、適切な混合機に移して混合する。
ステップ3.ステップ2で得た混合物を、適切な造粒機に移して混合する。
ステップ4.混合しながら精製水を加える。
ステップ5.湿った顆粒に対して、適切な篩にかけて篩い分ける。
ステップ6.ステップ5で得た顆粒を、適切な乾燥機に移して、LODが3%未満になるまで乾燥させる。
ステップ7.ステップ6で得た顆粒を粉砕する。
ステップ8.微結晶性セルロースの残部と、重炭酸ナトリウムの半分とを篩い分ける。
ステップ9.ステップ7で得た粉砕顆粒と、ステップ8で得た篩い分けた材料とを、適切な混合機に移して、混合する。
ステップ10.重炭酸ナトリウムの残部を篩い分けして、ステップ9で得た混合物と混合する。
ステップ11.ステアリン酸マグネシウムを篩い分けして、ステップ10で得た混合物と混合する。
ステップ12.ステップ11で得た最終混合物を、適切な回転式打錠機で圧縮する。
Figure 2022524997000016
遊離塩基に対するアジピン酸塩の変換係数は、0.7911である。
造粒した後に加えた。
処理の間に亡失した。
Figure 2022524997000017
遊離塩基に対するアジピン酸塩の変換係数は、0.7911である。
造粒した後に加えた。
処理の間に亡失した。
Figure 2022524997000018
遊離塩基に対するアジピン酸塩の変換係数は、0.7911である。
造粒した後に加えた。
処理の間に亡失した。
Figure 2022524997000019
遊離塩基に対するアジピン酸塩の変換係数は、0.7911である。
造粒した後に加えた。
処理の間に亡失した。
造粒の前に一部を加え、かつ、造粒の後に一部を加えた。
Figure 2022524997000020
遊離塩基に対するアジピン酸塩の変換係数は、0.7911である。
造粒した後に加えた。
処理の間に亡失した。
実施例1:肺移植後の閉塞性細気管支炎症候群(BOS)を有する参加者での化合物1の安全性と有効性の研究
この第1/2相試験では、肺移植後のBOSを有する参加者での化合物1の安全性と有効性を評価する。
Figure 2022524997000021
第1相は、一部を無作為化した非盲検の並行コホートデザインを採用しており、安全性、耐容性、PK及びPDの評価を行い、そして、肺移植後のBOSを有する参加者での化合物1の推奨第2相用量(RP2D)を決定する試行段階の用量選択を行う。グレード1または2のBOSを有する合計で30名の参加者を、化合物1の3つの用量レベルの内の1つを与えるように割り当てる(それぞれn=10);化合物1の用量レベルに関するさらなる詳細に関しては、表5を参照されたい。治療開始時にアゾール剤を併用しない、または低度から中度のCYP3A4阻害アゾール(例えば、ポサコアゾールまたはイソブコナズル)を服用している参加者は、用量レベル1または2で無作為化する。治療開始時にイトラコナゾールまたはボリコナゾールを服用している参加者は、用量レベル3で与える。第1相が完了すると、中間無益性分析を実行して、12週間以上にわたって治療したすべての参加者のORR(全体的な奏効率)を決定する。RP2Dとして選択した用量レベルで、1以上の応答(ベースラインと比較して、FEVの10%以上の増加として定義して、1週間以上の間隔を開けて行った連続する2回の肺活量測定評価で確認した)が認められた場合には、研究を第2相に進める。肺活量測定評価の実際は、当該技術分野で報告されている;例えば、Miller, M.R. et al. Eur. Respir. J. 2005;26: 319-338を参照されたい。
第2相では、シングルアームの非盲検デザインを採用しており、RP2Dでの化合物1の有効性を評価し、そして、安全性をさらに特徴決定する。化合物1を用いた治療は、BOSの進行(FEVのベースラインから10%以上の減少として定義して、3週間以上の間隔を開けて行った連続する2回の肺活量測定評価で確認した)、許容不可能な毒性、または、同意の撤回があるまで継続する。
治験薬と投与に関する情報を、以下の表4に示す。
Figure 2022524997000022
Figure 2022524997000023
参加者は、AE(有害事象)、臨床評価、併用薬の変更、及び臨床検査評価に基づいて、治療の過程で用量の減量、または変更を行い得る。
調査対象母集団
この研究の選択基準として、次のものを取り入れることができる:
●18歳以上の男性または女性
●すべての研究への参加と参加手順の遵守を定めた施設所定のインフォームドコンセント、そして、同意書(適切な場合)
●スクリーニングを行う前の1~5年以内に行った両肺移植
●肺移植後に機能回復と安定化した後の移植後ベースラインFEV(ISHLT基準に従って、少なくとも3週間の間隔を開けて測定した2つの最高値の平均)の提出。
●スクリーニングから1年以内に診断を受けて確認された(ISHLT2002基準による)グレード1または2のBOS
●グレード1のBOSは、移植後のベースラインFEVの66~80%にまで微減したFEVと定義することができる。
●グレード2のBOSは、移植後のベースラインFEVの51~65%にまで微減したFEVと定義することができる。
●注記:BOSグレードは、患者が吸入気管支拡張薬を使用しない状態で、少なくとも3週間の間隔を開けて行った2回の測定の平均で決定することができる。
●アジスロマイシンを服用している参加者は、スクリーニングの少なくとも3か月前に治療を開始し得るものであり、また、安定した用量(例えば、250mg/日を、少なくとも週に3回)を服用すべきである。
●注記:参加者は、アジスロマイシンを投与した後に、FEVが安定または悪化するようにしておくこと、なお、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも3週間の間隔を開けて2回の肺活量測定をして評価を行う。
●参加者が、コルチコステロイドで治療を行っている場合、スクリーニングを行う前の4週間は、用量が安定するようにしておく。
●指定された基準に基づいて、避妊及び出産する意欲を持ち合わせていること。
この研究の除外基準として、次のものを取り入れることができる:
●片肺移植、心肺移植、肺再移植、またはその他の固形臓器移植の病歴。
●EBVドナーIgG陽性肺を有する(移植時に)EBV陰性である参加者
●ISHLT 2002診断基準に従ったグレードが3以上のBOS
●BOS、肺同種移植片の炎症性合併症、抗体媒介性拒絶反応、感染症、気道機能障害、同種移植片圧迫、移植片膨張障害、血管閉塞、移植適応症の再発、器質化肺炎など、これら以外の原因(複数可)に起因するFEVの低下。
●BOSに関するその他の全身治療、例えば、体外フォトフェレーシス、モンテルカスト、及びアレムツズマブを使っている(アジスロマイシンを除く)。
●スクリーニングを行う前の4週間以内に免疫抑制療法の変更があった。
●未治療及び/または症候性GERD。
●侵襲性真菌症、B.Cepacia、非TBマイコバクテリアまたはTBなどの重大な併存疾患。
●弥漫性肺胞出血(DAH)の病歴
●ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤による現在または従前の治療。
●表6で定義しているスクリーニング時の検査値を有する参加者。
Figure 2022524997000024
●治療を必要とする、またはHBV再活性化のリスクがある(すなわち、HBsAg陽性である)活動性HBVまたはHCV感染。HBsAgが陰性で、かつ、総HBc抗体が陽性である参加者は、スクリーニング時にHBV DNAが検出されなければ除外しない。HCV抗体が陽性である参加者は、PCRが、HCV RNAの陰性を示しておれば除外しない。免疫状態が不明または不明確である参加者は、登録前に免疫状態を確認する結果を求めることができる。従前の血清学の結果は、適格性を判断するために利用することができる。
●公知のHIV感染。
●スクリーニングから3年以内の活動性悪性腫瘍の病歴、ただし、皮膚の表在性基底細胞癌及び扁平上皮癌、及び適切に治療をした子宮頸部上皮内癌は除く。
●妊娠中または授乳中の女性。
●研究の最初の年において予想される生(弱毒化を含む)ワクチンの必要性。
●無作為化から30日以内、または治験薬の5半減期以内のいずれか長い期間にわたる、治験薬、処置、または機器を用いた治療。
●治験薬、賦形剤、または同様の化合物のいずれかに対する公知のアレルギー、過敏症、または不耐性。
●参加者が、投与スケジュール及び研究評価を順守できない、または、遵守できる可能性が低い、とする治験責任医師の見解。
●治験薬の投与/治療及び必要な訪問診察への対応などの十分な研究活動を妨害されかねない状態である;参加者に重大な危険が及ぶ;または、研究データの解釈を妨げる、との研究者の判断。
●参加者(または、法定代理人)が、ICF(インフォームドコンセント用紙)を理解できない、またはICFに署名する意思がない。
本明細書に記載した発明に加えて、本発明の様々な修正は、上記した説明から当業者に自明の事項である。添付した特許請求の範囲が、そのような修正を含むことも意図している。すべての特許、特許出願、及び刊行物など、本出願で引用したそれぞれの参考文献は、参照により、それらの全内容を本明細書で援用する。

Claims (21)

  1. 対象における慢性肺同種移植片機能不全を治療する方法であって、前記対象に対して、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む、前記方法。
  2. 前記慢性肺同種移植片機能不全が、閉塞性細気管支炎症候群である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、肺移植レシピエントである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記対象が、両肺移植レシピエントである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記対象が、International Society for Heart and Lung Transplantation(ISHLT)基準で決定したグレード0p、グレード1、グレード2、または、グレード3の閉塞性細気管支炎症候群に罹患している、請求項2に記載の方法。
  6. 前記閉塞性細気管支炎症候群の治療が、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩の最初の投与の12週間後でのFEVを、約10%以上増加させることを含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩が、JAK1/2阻害剤、または医薬として許容可能なその塩である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記JAK1/2阻害剤が、ルキソリチニブ、または医薬として許容可能なその塩、またはバリシチニブ、または医薬として許容可能なその塩である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩が、JAK2、JAK3、及びTyk2よりも、JAK1に対して選択的である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記JAK1経路阻害剤が{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記JAK1経路阻害剤が{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルアジピン酸塩である、請求項9に記載の方法。
  12. 対象における閉塞性細気管支炎症候群のリスクを抑制する方法であって、前記対象に対して、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む、前記方法。
  13. 前記対象が、肺移植レシピエントである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記対象が、両肺移植レシピエントである、請求項12に記載の方法。
  15. 前記JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩が、JAK1/2阻害剤、または医薬として許容可能なその塩である、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記JAK1/2阻害剤が、ルキソリチニブ、または医薬として許容可能なその塩、または、バリシチニブ、または医薬として許容可能なその塩である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記JAK1経路阻害剤が、JAK2、JAK3、及びTyk2よりも、JAK1に対して選択的である、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記JAK1経路阻害剤が{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、または医薬として許容可能なその塩である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記JAK1経路阻害剤が{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルアジピン酸塩である、請求項17に記載の方法。
  20. 対象における肺再移植のリスクを抑制する方法であって、前記対象に対して、JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含む、前記方法。
  21. 対象が入院するリスクを抑制する方法であって、前記対象に対して、有効量のJAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与することを含み、前記対象は、(a)閉塞性細気管支炎症候群と診断されている;(b)JAK1経路阻害剤、または医薬として許容可能なその塩を投与する前の1~5年以内に肺移植を受けている、及び、(c)閉塞性細気管支炎症候群以外を原因とするFEVの低下が認められていない、前記方法。
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