JP2022519724A - パルスレーザビーム焦点レンズおよび蒸気エッチングを使用して透明なワークピースをレーザ加工するための方法 - Google Patents

パルスレーザビーム焦点レンズおよび蒸気エッチングを使用して透明なワークピースをレーザ加工するための方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022519724000001
透明なワークピースを加工するための方法は、透明なワークピース内にパルスレーザビームを配向し、これにより、波長λ、スポットサイズw、およびF(式(I)-式中、Fは、10以上の値を含む無次元発散係数である)より大きいレイリー範囲Zを含む、透明なワークピース内へ配向されたパルスレーザビームの一部が、透明なワークピース内に誘導吸収を発生させることにより、透明なワークピース内にダメージラインを形成するステップを含む。さらに、透明なワークピースを加工するための方法は、透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、ダメージラインに沿って透明なワークピースの少なくとも一部を除去することにより、透明なワークピースの厚さの少なくとも一部を通って延びる開口を形成するステップを含む。

Description

関連出願
本願は、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/802905号の優先権の利益を主張し、その内容は本明細書の依拠するところであって、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
本明細書は、一般的には、透明なワークピースにビアを形成するため、とりわけ、レーザ加工および蒸気エッチング技術を使用して透明なワークピースにビアを形成するための装置および方法に関する。
透明なワークピースは、後続の加工のためまたは製品の機能性のための開口を有する種々な用途のために構造化される必要がある。従来、レーザを使用して、ワークピースに直接に開口をドリル加工することができるが、このプロセスは遅く、形状サイズが制限される。他の従来技術として、湿式エッチングプロセスが利用されることもある。しかしながら、エッチャントが小さな直径のビアおよび/または開口に浸透する能力によって、ビアおよび/または開口の形状が円筒ではなく狭いウエストを有する結果となることがある。
したがって、透明なワークピースにビアおよび/または開口を形成するための代替法が必要とされている。
種々の態様によれば、透明なワークピースを加工するための方法が、光学系により透明なワークピース内へパルスレーザビームを配向し、これにより、波長λ;スポットサイズw;およびレイリー範囲Zであって、
Figure 2022519724000002
より大きく、式中、Fは10以上の値を含む無次元発散係数である、レイリー範囲Zを含む、透明なワークピース内へ配向されたパルスレーザビームの一部が、透明なワークピース内に誘導吸収を発生させることにより、透明なワークピースの第1の表面から透明なワークピースの厚さの少なくとも一部を通って延びる透明なワークピース内のダメージラインを形成するステップを含む。透明なワークピースを加工するための方法はさらに、
透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、ダメージラインに沿って透明なワークピースの少なくとも一部を除去することにより、透明なワークピースの少なくとも一部を通って延びる開口を形成するステップを含む。
別の態様は、開口が、透明なワークピースの厚さにわたって30%以下で変化する開口直径を含む、上記態様記載の方法を含む。
別の態様は、開口直径が、約20μm未満である、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、複数の開口の平均直径に対するガラス基板の平均厚さのアスペクト比が、20:1以上である、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
種々の態様によれば、透明なワークピースを加工するための方法が、光学系により透明なワークピース内へパルスレーザビームを配向し、これにより、波長λ;スポットサイズw;およびレイリー範囲Zであって、
Figure 2022519724000003
より大きく、式中、Fは10以上の値を含む無次元発散係数である、レイリー範囲Zを含む、透明なワークピース内へ配向されたパルスレーザビームの一部が、透明なワークピース内に欠陥を生じさせる誘導吸収を透明なワークピース内に発生させるステップを含む。方法はまた、透明なワークピースおよびパルスレーザビームを互いに対して平行移動させることにより、透明なワークピースの第1の表面から透明なワークピースの第2の表面まで透明なワークピースの厚さを通って延びる複数のダメージラインを形成するステップを含む。透明なワークピースを加工するための方法はさらに、透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、複数のダメージラインのそれぞれに沿って透明なワークピースの少なくとも一部を除去することにより、透明なワークピースを通って延びる複数の開口を形成するステップを含む。複数の開口のそれぞれは、20μm未満の平均直径と、透明なワークピースの厚さを通る複数の開口それぞれの長さに沿って30%未満のテーパとを有する。
別の態様は、開口直径が、約15μm未満である、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、方法が、透明なワークピースを湿式化学エッチング溶液でエッチングして、開口直径をさらに増大させるステップをさらに含む、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、方法が、エッチング中に湿式化学エッチング溶液に超音波を適用するステップをさらに含む、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、エッチング蒸気が、乾燥HF蒸気を含む、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、複数の開口の平均直径に対する透明なワークピースの厚さのアスペクト比が、20:1以上55:1以下である、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、材料が、高純度溶融シリカ(HPFS)、ホウケイ酸ガラス、または95質量%以上のシリカを含むガラスを含む、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様は、透明なワークピースをエッチングするステップを、エッチングマスクの不存在下で行う、上記態様のいずれか1つ記載の方法を含む。
別の態様によれば、ガラス物品が、第1の主面と、第1の主面の反対側の、第1の主面から50μm以上1000μm以下の平均厚さ分だけ離れている第2の主面とを有するガラス基板と、第1の主面から第2の主面までガラス基板を通って延びる複数の開口とを備える。複数の開口のそれぞれは、5μm以上20μm以下の平均直径を有し、複数の開口の平均直径に対するガラス基板の平均厚さのアスペクト比は、20:1以上である。
別の態様は、アスペクト比が、30:1以上である、上記態様記載のガラス物品を含む。
別の態様は、アスペクト比が、40:1以上である、上記2つの態様のうちの1つ記載のガラス物品を含む。
別の態様は、複数の開口それぞれの第1の主面における直径と複数の開口それぞれの第1の主面からガラス基板の平均厚さの1/2の距離での直径との間の差が、30%以下である、上記3つの態様のうちいずれか1つ記載のガラス物品を含む。
別の態様は、ガラス物品が、高純度溶融シリカを含む、上記4つの態様のうちいずれか1つ記載のガラス物品を含む。
別の態様は、ガラス物品が、ホウケイ酸ガラスを含む、上記5つの態様のうちいずれか1つ記載のガラス物品を含む。
別の態様は、ガラス物品が、95モル%以上のシリカ含量を有するガラスを含む、上記6つの態様のうちいずれか1つ記載のガラス物品を含む。
本明細書に記載する方法およびシステムのさらなる特徴および利点は下記の詳細な説明に記載され、一部は、その説明から当業者に容易に明らかになるかまたは下記の詳細な説明、特許請求の範囲および添付の図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することにより認識されるであろう。
前述の一般的な説明および下記の詳細な説明の両方により、種々の実施形態が記載され、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概観または枠組みが提供されることを意図していると理解されたい。添付の図面は、種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み入れられ、その一部を構成する。図面は、本明細書に記載された種々の実施形態を示し、説明と共に、特許請求される主題の基本方式および動作を説明するのに役立つ。
図面で説明された実施形態は、本質的に例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲により定義された主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の下記の詳細な説明は、下記の図面と併せて読むと理解することができる。同図面において、同様の構造は、同様の参照符号で示されている。
本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係るダメージラインの形成を模式的に示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係る透明なワークピースの加工中の例示的なパルスレーザビーム焦線を模式的に示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係るパルスレーザ加工のための光学アセンブリを模式的に示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係る複数のダメージラインを有する透明なワークピースの蒸気エッチングを模式的に示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係る複数の開口が形成された透明なワークピースの断面を示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係る透明なワークピースにおける欠陥の閉輪郭線(closed contour line)を形成するための閉曲線(closed contour)を模式的に示す図である。 本明細書に記載された1つ以上の実施形態に係る透明なワークピースにビアを形成する方法を模式的に示す図である。 QNDBレーザに露光され、27分間蒸気エッチングされた、厚さ350μmの高純度溶融シリカ基板の上面図である。 図7Aに示された例に対応する断面図である。 QNDBレーザに露光され、54分間蒸気エッチングされた、厚さ350μmの高純度溶融シリカ基板の上面図である。 図7Cに示された例に対応する断面図である。 QNDBレーザに露光され、108分間蒸気エッチングされた、厚さ350μmの高純度溶融シリカ基板の上面図である。 図7Eに示された例に対応する断面図である。 QNDBレーザに露光され、27分間蒸気エッチングされた、厚さ400μmのアルミノケイ酸塩ガラス基板の上面図である。
ここから、透明なワークピース、例えば、ガラスワークピースをレーザ加工するための方法の実施形態を詳細に参照するものとする。その例は、添付の図面に図示されている。可能な限り、同じ参照番号は、同じまたは同様の部分に言及するために図面全体にわたって使用するものとする。本明細書に記載された1つ以上の実施形態によれば、透明なワークピースをレーザ加工して、ダメージラインを形成し、蒸気エッチングして、透明なワークピースの厚さを通って延びる開口を形成することができる。一実施形態によれば、パルスレーザビームは、非球面光学素子、例えばアキシコンにより、透明なワークピース内に配向される。パルスレーザビーム焦線を、透明なワークピース内に一連の欠陥を形成するのに利用することができ、これにより、透明なワークピースの第1の表面から透明なワークピースの第2の表面まで透明なワークピースの厚さを通って延びるダメージラインを形成することができる。これらの欠陥は、本明細書において、ワークピース内のライン欠陥、ミシン目またはナノミシン目と称することができる。種々の実施形態では、本方法は、透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、ダメージラインに沿って透明なワークピースの少なくとも一部を除去し、これにより、透明なワークピースを通って延びる開口を形成するステップをさらに含む。透明なワークピースを加工するための方法および装置の種々の実施形態を、添付の図面を特に参照して本明細書において説明する。
透明なワークピースを加工して、透明なワークピースを通って延びる1つ以上の開口を形成する実施形態を各種の文脈において使用することができるが、種々の実施形態は、小さな直径(例えば、20μm未満)を有しかつ/または複数の開口の平均直径に対する透明なワークピースの厚さの高いアスペクト比(例えば、20:1以上)に有しかつ開口の最大直径と開口の最小直径(ウエスト直径)との間の差として定義される基板の深さに沿った孔/開口の非常に小さなテーパを有する、透明なワークピース内の開口を形成するのに特に有用である。さらに、種々の実施形態では、透明なワークピースの第1の表面における孔/開口の直径は、透明なワークピースの第2の表面における孔/開口の直径の2μm以下以内にある。透明なワークピース内に開口を形成する従来の方法では、これらの開口の達成可能なサイズおよびアスペクト比が制限されており、加えて、著しいテーパを有する開口が形成されてしまうように制限されていた。
本明細書で使用する場合、「透明なワークピース」なる表現は、透明な材料から形成されたワークピースを意味する。この場合、「透明」なる用語は、本明細書で使用する場合、指定されたパルスレーザ波長について、材料深さの1mmあたり約20%未満、例えば、材料深さの1mmあたり約10%未満または例えば、材料深さの1mmあたり約1%未満の光学吸収を有することを意味する。1つ以上の実施形態によれば、透明なワークピースは、約50マイクロメートル(μm)~約10mm(例えば、約200μm~約500μmまたは約250μm~約400μm、例えば、100μm、200μm、250μm、300μm、500μmなど)の厚さを有することができる。約10mmまでの厚さを含む透明なワークピースの他の厚さも企図される。
1つ以上の実施形態によれば、本開示は、ワークピースを加工するための方法を提供する。本明細書で使用する場合、「レーザ加工」は、透明なワークピースにダメージラインを形成するステップを含むことができる。「レーザ加工」は、輪郭線(例えば、閉輪郭線)を形成するステップ、透明なワークピースを分離するステップまたはその組み合わせをさらに含むことができる。透明材料は、ガラスワークピースから構成されてもよい。幾つかの実施形態によれば、ガラスワークピース材料は、高純度溶融シリカ(HPFS)である。このような高純度溶融シリカの例は、Corningガラスコード7979、7980および8655であるであろう。代替的には、ガラスは、主に二酸化ケイ素(SiO)および酸化ホウ素(B)を含有し、10モル%未満の他の成分を含むホウケイ酸ガラスであることができる。これらのホウケイ酸ガラスの例は、Borofloat(商標)、BK7ならびにCorningガラスコード7070および7740である。代替的には、ガラスは、95質量%以上のシリカを含有する高シリカ含量ガラスであることができる。このような高シリカ含量ガラスの例は、Vycor(商標)を含む。
理論に拘束されるものではないが、高レベルの揮発性種を有するガラスまたはガラスセラミックスは、ハロゲン化水素、例えば、塩化水素、フッ化物、臭化物およびヨウ化物により蒸気エッチングされるであろう。エッチング可能な種以外の成分は、表面残留物または腐食生成物として残留し、その一部は水溶性であり、したがって、すすぎ落とすことができ、水溶性でないものは、すすぎ落とすことができず、以下により詳細に記載されるであろうように、ビアまたはチャネルから容易に除去することができない。気相エッチングにおいて揮発性でない元素は、アルカリ(例えば、Li、Na、K、RbおよびCs)を含むが、これらは水溶性である。揮発性でも水溶性でもない元素は、アルカリ土類元素(例えば、Mg、Ca、SrおよびBa)および希土類元素(例えば、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、ErおよびYb)を含む。
種々の実施形態では、ガラスまたはガラスセラミックスは、エッチャントによる揮発性成分を含有する。例えば、フッ化物では、BおよびSiOは最も揮発性であるが、一方、アルカリ元素、アルカリ土類元素および希土類元素(REE)は揮発性ではない。したがって、エッチングを最適化し、表面残留物および腐食生成物を回避するために、(B+SiO)の合計は、種々の実施形態で最大化され、例えば、少なくとも80質量%以上である。これらのホウケイ酸ガラスの例は、Schott Borofloat(商標)およびBK7ならびにCorningガラスコード7740および7070を含む。より好ましい95質量%以上では、例は、高シリカガラスであるCorningガラスコード7979、7980および8655を含む。
HF以外のエッチャント、例えば、HCl、HBrおよびHI中において、BおよびSiに加えて他の元素、例えば、Sb、As、Sn、Se、TeおよびSが揮発性である。これにより、可能な材料の領域が広がる。
種々の実施形態では、透明なワークピースは、ハロゲン化水素(HF、HCl、HBr、HI)中での最大の揮発性種を有するガラスまたはガラスセラミックス、例えば、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上または95質量%以上の(B+SiO)を含み、最小の不揮発性種(例えば、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下または5質量%以下)を含むケイ酸塩を含む。幾つかのこのような実施形態では、不揮発性種は、表面残留物または腐食生成物の除去を容易にするために水溶性である場合がある。
幾つかの実施形態、例えば、HPFSの場合には、ガラス材料は、100℃~200℃の温度範囲にわたって、0.4~0.6ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有するであろう。ホウケイ酸ガラスについて、CTEは、典型的には3~5ppm/℃であるであろうが、好ましくは、ケイ素の熱膨張係数により密接に一致することを必要とするような電子機器用途について、20℃~300℃の温度範囲にわたって、3~4ppm/℃であるように選択することができる。高シリカ含量ガラスについて、CTEは、0~300℃の温度範囲にわたって、0.5~1.0ppm/℃に該当しうる。
本明細書で使用する場合、「ダメージライン」なる表現は、透明なワークピースの第1の表面から透明なワークピースの第2の表面まで透明なワークピースの厚さを通って延びる透明なワークピース内の複数の欠陥から形成されるラインを示す。
本明細書で使用する場合、「閉輪郭線」なる表現は、透明なワークピースの表面に沿って延びる閉曲線に沿って形成されたライン(例えば、線、曲線など)を示す。閉曲線は、適切な加工条件に曝されたときに、これに沿って透明なワークピースの材料が除去されて、透明なワークピースを通って延びる1つ以上の形状を形成することができる所望の形状周辺を画定する。閉輪郭線は、一般的には、種々の技術を使用して透明なワークピースに導入された1つ以上の欠陥からなる。
本明細書で使用する場合、「欠陥」は、透明なワークピースに化学エッチング溶液を適用することにより、基板を通る開口もしくは孔の形成または閉輪郭線に沿った透明なワークピースの材料の分離を可能にしうる透明なワークピースにおける(バルク材料に対して)改質された材料の領域、空隙、空間、引っ掻き傷、傷、孔または他の変形を含みうる。理論により限定されることを意図するものではないが、エッチング蒸気は、各欠陥(およびしたがって、各ダメージライン)においてかつそのすぐ周囲の透明なワークピースの材料を除去し、これにより、各欠陥を空隙、開口またはスルーホールに拡大することができる。ダメージラインが閉輪郭線を形成する実施形態では、隣接する欠陥から形成された空隙が重なり合い、最終的には閉輪郭線に沿って透明なワークピースを分離し、透明なワークピースを通って延びる形状を形成するように、欠陥が拡大される。
ここから、一例として、図1Aおよび図1Bを参照して、透明なワークピース160、例えばガラスワークピースまたはガラスセラミックスワークピースが本明細書に記載された方法に従って加工を受けることが模式的に示されている。図1Aおよび図1Bに、透明なワークピース160におけるダメージライン170の形成を示す。図1Aおよび図1Bに、ビーム経路111に沿ったパルスレーザビーム112を示し、パルスレーザビーム112は、非球面光学素子120(図2)、例えばアキシコンおよび1つ以上のレンズ(例えば、以下に説明され、図2に示されている第1のレンズ130および第2のレンズ132)を使用して、透明なワークピース160内のパルスレーザビーム焦線113に集束されうるように配向される。さらに、パルスレーザビーム焦線113は、以下により詳細に定義された準非回折ビームの一部である。
図1Aおよび図1Bに、パルスレーザビーム112が、透明なワークピース160の結像面162上に投影されたビームスポット114を形成することを示す。本明細書で使用する場合、透明なワークピース160の「結像面」162は、パルスレーザビーム112が最初に透明なワークピース160と接触する透明なワークピース160の表面である。また、本明細書で使用する場合、「ビームスポット」は、ワークピース(例えば、透明なワークピース160)との第1の接触点におけるレーザビーム(例えば、パルスレーザビーム112)の断面も指す。幾つかの実施形態では、パルスレーザビーム焦線113は、ビーム経路111に対して垂直な方向に軸対称断面(例えば、軸対称ビームスポット)を含むことができ、他の実施形態では、パルスレーザビーム焦線113は、ビーム経路111に対して垂直な方向に非軸対称断面(例えば、非軸対称ビームスポット)を含むことができる。本明細書で使用する場合、軸対称とは、中心軸線の周りに形成される任意の回転角度について対称であるかまたは同じように見える形状を指し、「非軸対称」とは、中心軸線の周りに形成される任意の回転角度について対称でない形状を指す。円形ビームスポットは軸対称のビームスポットの例であり、楕円形ビームスポットは、非軸対称のビームスポットの例である。回転軸線(例えば、中心軸線)は、レーザビーム(例えば、ビーム経路111)の伝搬軸線であると考えられることが最も多い。非軸対称ビーム断面を含む例示的なパルスレーザビームは、米国仮特許出願第62/402337号、発明の名称“Apparatus and Methods for Laser Processing Transparent Workpieces Using Non-Axisymmetric Beam Spots”により詳細に記載されている。同出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
ダメージライン170は、透明なワークピース160の表面内に延び、透明なワークピース160の材料を後に優先的に除去するための位置または経路を確立する複数の欠陥を含み、これにより、例えば、少なくともダメージライン170に沿って透明なワークピース160にエッチング蒸気302(図3)を適用することにより、透明なワークピース160を通って延びる開口180(図4)を形成する。
図1Aには、1本のダメージライン170が示されているが、種々の実施形態では、複数のダメージライン170が互いに近接して配置されて、図5に示されているような円、楕円、正方形、六角形、楕円、規則的な幾何学的形状、不規則な形状、多角形形状、任意の形状などを含むがこれらに限定されない多数の閉じた構成のうちの任意の1つにおいて閉輪郭線を形成することができる。このような場合、隣接するダメージライン170間の距離は、エッチングされた形状のマージンをもたらすために、後続のエッチングステップに十分に近くなければならない。隣接するレーザダメージラインまたはレーザダメージ部位170間の間隔またはピッチは、例えば1~200μmであってよいが、より好ましくは5~50μm、例えば10~20μmである。
図1Aおよび図1Bを参照して、本明細書に記載された実施形態では、パルスレーザビーム112(透明なワークピース160上に投影されたビームスポット114を伴う)を透明なワークピース160上に配向する(例えば、透明なワークピース160の厚さの少なくとも一部を貫通する高アスペクト比の線焦点に集束させる)ことができる。これにより、パルスレーザビーム焦線113が形成される。さらに、ビームスポット114は、パルスレーザビーム焦線113の例示的な断面であり、パルスレーザビーム焦線113が透明なワークピース160に照射される(ビームスポット114を形成する)と、パルスレーザビーム焦線113は透明なワークピース160の少なくとも一部を透過する。
さらに、パルスレーザビーム112を透明なワークピース160に対して平行移動させて、複数のダメージラインを形成することができる。パルスレーザビーム112を透明なワークピース160内に配向するかまたは局在させることにより、透明なワークピース160内に誘導吸収を発生させ、透明なワークピース160内の化学結合を破壊するのに十分なエネルギを、離間した位置に蓄積させて、複数のダメージラインを形成する。1つ以上の実施形態によれば、パルスレーザビーム112を、透明なワークピース160の運動(例えば、透明なワークピース160に結合された並進ステージ190の運動)、パルスレーザビーム112の運動(例えば、パルスレーザビーム焦線113の運動)または透明なワークピース160とパルスレーザビーム焦線113との両方の運動により、透明なワークピース160を横切って平行移動させることができる。パルスレーザビーム焦線113を透明なワークピース160に対して平行移動させることにより、複数の欠陥を、透明なワークピース160内に形成することができる。
再度図1Aおよび図1Bを参照して、欠陥を形成するのに使用されるパルスレーザビーム112は、強度分布I(X,Y,Z)をさらに有し、ここで、図示されているように、Zは、パルスレーザビーム112のビーム伝搬方向であり、XおよびYは、伝搬方向に直交する方向である。また、X方向およびY方向を断面方向と称することができ、X-Y平面を断面平面と称することができる。断面平面におけるパルスレーザビーム112の強度分布を、断面強度分布と称することができる。
ビームスポット114または他の断面におけるパルスレーザビーム112は、図2に示された光学アセンブリ100に関して以下でより詳細に記載されるように、非球面光学素子120を通してパルスレーザビーム112を伝搬させる(例えば、ビーム源110を使用して、パルスレーザビーム112、例えば、ガウスビームを出力する)ことにより、準非回折ビーム、例えば、以下で数学的に定義された低ビーム発散を有するビームを含むことができる。ビーム発散とは、ビーム伝搬方向(すなわち、Z方向)におけるビーム断面の拡大率を指す。本明細書で使用する場合、「ビーム断面」なる表現は、パルスレーザビーム112のビーム伝搬方向に対して垂直な平面に沿った、例えばX-Y平面に沿ったパルスレーザビーム112の断面を指す。本明細書で検討された1つの例示的なビーム断面は、透明なワークピース160上に投影されたパルスレーザビーム112のビームスポット114である。例示的な準非回折ビームは、ガウス-ベッセルビームおよびベッセルビームを含む。
上述したように、準非回折ビーム122Cの長さは、そのレイリー範囲により決定される。特に、準非回折ビーム122Cは、準非回折ビームが準非回折ビームのレイリー範囲に等しいビームウエストからの距離を伝搬した位置によりそれぞれ画定される第1の端点および第2の端点を有するレーザビーム焦線113を画定する。準非回折ビームの形成およびその長さの決定の詳細な説明は、非対称(例えば、非軸対称)ビーム断面プロファイルに対するこのようなビームの説明の一般化を含めて、米国仮特許出願第62/402337号およびオランダ国特許出願第2017998号明細書に提供されている。これらの特許出願はその全体が参照により援用される。
レイリー範囲は、(ISO 11146-1:2005(E)のセクション3.12に定義されているビームウエストの位置に対する)距離に対応し、レーザビームの分散は、(ビームウエストの位置における分散に対して)2倍となり、レーザビームの断面積の発散の尺度である。また、レイリー範囲は、ビームの断面プロファイルにおいて観察されるピーク光強度がビームウエスト位置(最大強度の位置)におけるビームの断面プロファイルにおいて観察されるその値の1/2まで減衰するビーム軸に沿った距離として観察することができる。準非回折ビームは、第1の端点および第2の端点を有するレーザビーム焦線を画定する。準非回折ビームの第1の端点および第2の端点は、準非回折ビームが準非回折ビームのレイリー範囲に等しいビームウエストからの距離を伝搬した位置として画定される。大きなレイリー範囲を有するレーザビームは、小さなレイリー範囲を有するレーザビームより発散が低く、ビーム伝搬方向の距離に伴ってよりゆっくり広がる。
ビーム断面は、形状および寸法により特徴付けられる。ビーム断面の寸法は、ビームのスポットサイズにより特徴付けられる。ガウスビームについて、スポットサイズは、多くの場合、ビームの強度がその最大値の1/eまで低下する半径方向の広がりとして画定される。ガウスビームの最大強度は、強度分布の中心(x=0およびy=0(デカルト)またはr=0(円筒))で発生し、スポットサイズを決定するのに使用される半径方向の広がりは、中心に対して測定される。
ガウス強度プロファイルを有するビームは、ダメージトラックを形成するためのレーザ加工にはあまり好ましくない場合がある。利用可能なレーザパルスエネルギがガラスなどの材料を改質することができるように、十分に小さいスポットサイズ(例えば、マイクロメートル範囲、例えば、約1~5μmまたは約1~10μmのスポットサイズ)に焦点を合わせると、これらは高度に回折し、短い伝搬距離にわたって著しく発散するためである。低い発散を達成するために、回折を低減するために、パルスレーザビームの強度分布を制御しまたは最適化することが望ましい。パルスレーザビームは、非回折または弱回折であることができる。弱回折レーザビームは、準非回折レーザビームを含む。代表的な弱回折レーザビームは、ベッセルビーム、ガウス-ベッセルビーム、エアリービーム、ウェーバービームおよびマチウビームを含む。
非回折または準非回折ビームは、一般的には、複雑な強度プロファイル、例えば、半径に対して非単調に低下するプロファイルを有する。ガウスビームとの類似により、強度が最大強度の1/eまで低下する最大強度の半径方向位置(r=0)からの、任意の方向における最短半径方向距離として、任意のビームについて、非軸対称ビームについても、有効スポットサイズWo,effを定義することができる。さらに、軸対称ビームについて、Wo,effは、強度が最大強度の1/eまで低下する最大強度の半径方向位置(r=0)からの半径方向距離である。軸対称ビームについての有効スポットサイズWo,effに基づくレイリー範囲についての基準は、次式(1)、すなわち
Figure 2022519724000004
におけるダメージ領域を形成するための非回折ビームまたは準非回折ビームとして指定することができる。式中、Fは、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、10~2000の範囲、50~1500の範囲、100~1000の範囲の値を有する無次元発散係数である。非回折ビームまたは準非回折ビームについて、有効ビームサイズが2倍になる式(1)における距離Zは、典型的なガウスビームプロファイルが使用された場合に期待される距離のF倍である。無次元発散係数Fは、レーザビームが準非回折であるか否かを決定するための基準を提供する。本明細書で使用する場合、パルスレーザビーム112は、レーザビームの特性がF≧10の値を有して式(1)を満たせば、準非回折とみなされる。Fの値が大きくなると、パルスレーザビーム112は、よりほぼ完全な非回折状態に近づく。
ここから、図2を参照して、準非回折であり、非球面光学素子120(例えば、アキシコン122)を使用して、透明なワークピース160においてパルスレーザビーム焦線113を形成するパルスレーザビーム112を生成するための光学アセンブリ100が模式的に示される。光学アセンブリ100は、パルスレーザビーム112を出力するビーム源110と、第1および第2のレンズ130,132とを含む。
さらに、透明なワークピース160は、ビーム源110により出力されたパルスレーザビーム112が例えば、非球面光学素子120を平行移動させ、その後、第1のレンズ130および第2のレンズ132の両方を平行移動させた後に、透明なワークピース160を照射するように位置決めされていることができる。光軸102は、ビーム源110がパルスレーザビーム112を出力すると、パルスレーザビーム112のビーム経路111が光軸102に沿って延びるように、ビーム源110と透明なワークピース160との間をZ軸に沿って延びる。本明細書で使用する場合、「上流」および「下流」は、ビーム源110に対するビーム経路111に沿った2つの位置またはコンポーネントの相対位置を指す。例えば、第1のコンポーネントは、パルスレーザビーム112が第2のコンポーネントを横切る前に第1のコンポーネントを横切る場合、第2のコンポーネントの上流にある。さらに、第1のコンポーネントは、パルスレーザビーム112が第1のコンポーネントを横切る前に第2のコンポーネントを横切る場合、第2のコンポーネントの下流にある。
図2の光学系により形成される例示的な準非回折ビームの断面プロファイル、具体的には、焦線113の断面は、ベッセル関数により記載することができる。したがって、このようなレーザビームはベッセルビームと称されることが多い。非限定的な例において、準非回折ビームは、約532nmの波長および約0.29の開口数を有し、これにより、約1.2μmの直径を有するベッセルビームの中心にコアが提供される。このコアスポットにおけるレーザビームの強度を、数百マイクロメートルの長さにわたって維持することができ、これは、同等のスポットサイズの典型的なガウスプロファイルビームの回折限界レイリー範囲(すなわち、数マイクロメートルのみ)よりはるかに長い。
準非回折ビームにより形成される焦線の結果として、ガラスピースの深さ全体を各レーザパルスにより露光し、または改質することができる。これは、優先的エッチングのための材料改質に使用される伝統的なガウスレーザビームの使用と対照的であるべきであり、この場合、回折により、密に集光された(例えば、数マイクロメートル以下の直径)レーザ改質が、マイクロメートルのオーダーまたは数十マイクロメートルのオーダーのレイリー範囲に制限される。伝統的なガウスビームの場合、複数のレーザパルスを、各所望のビアの部位で使用しなければならない。これは、多くの場合、数百または数千ものパルスが必要とされるように、伝統的なレーザ加工を遅くさせ、パルス伝送速度は、多くの場合、利用可能なレーザ繰返し率だけでなく、高パルス繰返し率の使用を妨げる加熱効果によっても制限される。これにより、一般的には、これらのレーザダメージプロセスが、1秒あたり数十または恐らく数百のビア部位に制限される。
対照的に、準非回折ビームによるレーザ露光により、典型的には、数百ナノ秒未満であり、単一パルスの場合には数桁短いことさえある、単一パルスまたはパルスのバーストの持続時間中に、所望の各ビア部位が完全に露光される。このため、QNDBレーザ露光の速度は、レーザビームが次の所望のビア部位に正確に移動することを可能にするステージおよび光学スキャナによってのみ制限され、典型的には、数千ビア/秒近くの速度で行うことができる。
図2をさらに参照して、ビーム源110は、パルスレーザビーム112を出力するように構成された任意の公知または未だに開発中のビーム源110を備えることができる。動作中、ダメージライン170(図1A)の欠陥は、透明なワークピース160とビーム源110により出力されるパルスレーザビーム112との相互作用により発生する。幾つかの実施形態では、ビーム源110は、例えば、1064nm、1030nm、532nm、530nm、355nm、343nmまたは266nmまたは215nmの波長を含むパルスレーザビーム112を出力することができる。さらに、透明なワークピース160内に欠陥を形成するのに使用されるパルスレーザビーム112は、選択されたパルスレーザ波長に対して透明な材料に十分に適合していることができる。
欠陥を形成するのに適したレーザ波長は、透明なワークピース160による線吸収および散乱の組み合わせ損失が十分に低い波長である。実施形態において、波長における透明なワークピース160による線吸収および散乱による組み合わせ損失は、20%/mm未満または15%/mm未満または10%/mm未満または5%/mm未満または1%/mm未満である。ここで、「/mm」なる次元は、パルスレーザビーム112のビーム伝搬方向(例えば、Z方向)における透明なワークピース160内の距離1ミリメートルあたりを意味する。多くのガラスワークピースに代表的な波長は、Nd3+の基本波長および高調波波長(例えば、1064nm付近の基本波長および532nm、355nmおよび266nm付近の高次高調波波長を有するNd3+:YAGまたはNd3+:YVO)を含む。所定の基板材料についての線吸収および散乱の組み合わせ損失要求を満たすスペクトルの紫外線、可視光線および赤外線部分における他の波長も使用することができる。
動作中、ビーム源110により出力されたパルスレーザビーム112は、透明なワークピース160内に多光子吸収(MPA)を発生させることができる。MPAは、分子をある状態(通常、基底状態)からより高いエネルギの電子状態(すなわち、イオン化)に励起する、同一または異なる周波数の2つ以上の光子の同時吸収である。分子の関連する下位状態と上位状態との間のエネルギ差は、関連する光子のエネルギの合計に等しい。誘導吸収とも称されるMPAは、例えば、線吸収より数桁弱い、2次または3次のプロセス(またはより高次)とすることができる。これは、例えば、2次誘導吸収の強度が光強度の2乗に比例しうる点で線吸収とは異なり、このため、非線形光学プロセスである。
ダメージライン170(図1A)を形成するステップにより、非球面光学素子120、第1のレンズ130および第2のレンズ132と組み合わせて、ビーム源110(例えば、超短パルスレーザ)を利用して、ビームスポット114を透明なワークピース160上に投影し、パルスレーザビーム焦線113を発生させることができる。パルスレーザビーム焦線113は、上記にて定義されたように、準非回折ビーム、例えばガウス-ベッセルビームまたはベッセルビームを含み、透明なワークピース160に完全に貫通して、ダメージライン170を形成しうる透明なワークピース160内の欠陥を形成することができる。幾つかの実施形態では、個々のパルスのパルス持続時間は、約1フェムト秒~約200ピコ秒、例えば、約1ピコ秒~約100ピコ秒、5ピコ秒~約20ピコ秒などの範囲にあり、個々のパルスの繰返し率は、約1kHz~4MHz、例えば、約10kHz~約3MHzまたは約10kHz~約650kHzの範囲にあることができる。
種々の実施形態では、パルスバーストを発生可能なパルスレーザビーム112を利用することができる。バーストシーケンスの使用についてのさらなる詳細は、2018年10月17日に出願された米国特許出願第16/162644号明細書に見出すことができる。同出願の内容全体が、参照によりその全体が本明細書に援用される。
再度図2を参照して、非球面光学素子120は、ビーム源110と透明なワークピース160との間のビーム経路111内に配置される。動作中、パルスレーザビーム112、例えば入射するガウスビームを、非球面光学素子120を通して伝搬させると、非球面光学素子120を越えて伝搬するパルスレーザビーム112の部分が上記の準非回折となるように、パルスレーザビーム112を変化させることができる。非球面光学素子120は、非球面形状を含むレンズなどの非球面波面をレーザビームに付与する任意の光学素子を含むことができる。幾つかの実施形態では、非球面光学要素120は、円錐波面発生光要素、例えばアキシコンレンズ、例えば、マイナス屈折性アキシコンレンズ、プラス屈折性アキシコンレンズ、反射性アキシコンレンズ、屈折性アキシコンレンズ、プログラマブル空間光変調器アキシコンレンズ(例えば、位相アキシコン)などを含むことができる。
非球面光学素子120を照射するのに使用されるパルスレーザビーム112は、ガウスプロファイルを有する必要はなく、さらに、準非回折ビーム122Cを形成するために非球面光学素子120としてアキシコンを使用する必要はないことに留意されたい。このようにして、光軸に沿って異なるエネルギ分布を形成することが可能であり、この場合、強度は、「トップハット」プロファイルまたは他のプロファイル形状をとることができる。これにより、透明なワークピース160の深さを通してエネルギをより均一に分布させる能力または透明なワークピース160の特定の領域が他の領域より決定論的方式で多いかまたは少ないエネルギを受け取るようにエネルギ分布を調整する能力が提供される。「ワキシコン(waxicon)」と称される場合があるこのような光学系の形成は、2017年8月29日に出願された米国特許出願第15/689456号明細書に記載されている。同出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
幾つかの実施形態では、非球面光学素子120が、(図2に示されているように)アキシコン122を含む場合、アキシコン122は、約1.2°、例えば、約0.5°~約5°または約1°~約1.5°またはさらに約0.5°~約20°の角度を有するレーザ出力面126(例えば、円錐面)を有することができる。この角度は、パルスレーザビーム112がアキシコン122に入射するレーザ入力面124(例えば、平坦面)に対して測定される。さらに、レーザ出力面126は、円錐先端で終端する。さらに、非球面光学素子120は、レーザ入力面124からレーザ出力面126まで延び、円錐先端で終端する中心軸線125を含む。他の実施形態では、非球面光学素子120は、空間位相変調器、例えば、空間光変調器または回折光学格子であるワキシコンを含むことができる。動作中、非球面光学素子120は、入射するパルスレーザビーム112(例えば、入射するガウスビーム)を準非回折ビームに成形し、次に、これを第1のレンズ130および第2のレンズ132へと配向する。
さらに図2を参照すると、第1のレンズ130は第2のレンズ132の上流に配置されており、第1のレンズ130と第2のレンズ132との間のコリメーション空間134内でパルスレーザビーム112をコリメートすることができる。この空間134内でのレーザビームの断面プロファイルは、ガウス-ベッセルビームの最終的な形成の場合のように、光の環または「リング」の形態をとることが多い。さらに、第2のレンズ132は、パルスレーザビーム112を、結像面104に位置することができる透明なワークピース160内に集束させることができる。第2のレンズ132の作用は、コリメート空間134内のビームプロファイルの光学フーリエ変換をとることである。環のフーリエ変換はベッセル関数であり、これは、環状または「リング」形状のビームが、典型的にはベッセル状ビームを形成するのに使用される入力であるためである。コリメート空間134内を伝搬する光の環の特定の強度プロファイルまたは位相に対する修正を使用して、理想的なベッセル関数のものとは異なる集束ビーム形状を付与することができ、例えば、より楕円形のコアをベッセル状の焦点スポットに形成するまたはエアリービームを発生させる場合のように、ビームの集束コアを曲線にすることができる。幾つかの実施形態では、第1のレンズ130および第2のレンズ132はそれぞれ、平凸レンズを備える。第1のレンズ130および第2のレンズ132がそれぞれ平凸レンズを備える場合、第1のレンズ130および第2のレンズ132の曲率はそれぞれ、コリメーション空間134に向かって配向させることができる。他の実施形態では、第1のレンズ130は、他のコリメーティングレンズを備えることができ、第2のレンズ132は、メニスカスレンズ、非球面レンズまたは別の高次補正集束レンズを備えることができる。
再度図1A~図2を参照して、欠陥を含むダメージライン170を形成するための方法は、ビーム経路111に沿って配向されたパルスレーザビーム112を方向付け(例えば、局所化し)、ビーム源110により透明なワークピース160内に出力させ、その結果、透明なワークピース160内へ配向されたパルスレーザビーム112の一部により、透明なワークピース内に誘導吸収を発生させ、誘導吸収により、透明なワークピース160内に複数の欠陥を発生させるようにするステップを含む。例えば、パルスレーザビーム112は、透明なワークピース160のダメージ閾値を超えるのに十分なパルスエネルギとパルス持続時間とを含むことができる。幾つかの実施形態では、パルスレーザビーム112を透明なワークピース160内に配向するステップは、ビーム源110により出力されたパルスレーザビーム112をビーム伝搬方向(例えば、Z軸)に沿って配向されたパルスレーザビーム焦線113内に集束させるステップを含む。透明なワークピース160は、パルスレーザビーム112のパルスレーザビーム焦線113に少なくとも部分的に重なるように、ビーム経路111内に位置決めされる。このようにして、パルスレーザビーム焦線113は、透明なワークピース160内に配向される。パルスレーザビーム112、例えば、パルスレーザビーム焦線113により、透明なワークピース160内に誘導吸収が発生して、透明なワークピース160内に複数の欠陥を形成し、これにより、ダメージラインが形成される。幾つかの実施形態では、個々の欠陥を、数百キロヘルツ(すなわち、毎秒数十万個の欠陥)の速度で形成することができる。
幾つかの実施形態では、非球面光学素子120は、パルスレーザビーム112をパルスレーザビーム焦線113に集束させることができる。動作中、パルスレーザビーム焦線113の位置を、パルスレーザビーム112を透明なワークピース160に対して適切に位置決めしかつ/または位置合わせすることによりかつ光学アセンブリ100のパラメータを適切に選択することにより制御することができる。例えば、パルスレーザビーム焦線113の位置は、Z軸に沿ってかつZ軸を中心として制御することができる。さらに、パルスレーザビーム焦線113は、約0.1mm~約100mmの範囲または約0.1mm~約10mmの範囲の長さを有することができる。種々の実施形態は、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.7mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mmまたは約5mm、例えば、約0.5mm~約5mmの長さlを有するパルスレーザビーム焦線113を有するように構成されてもよい。
さらに図1A~図2を参照して、透明なワークピース160を加工するための方法は、透明なワークピース160をパルスレーザビーム112に対して平行移動させるステップを含むことができる(またはパルスレーザビーム112を、例えば平行移動方向に透明なワークピース160に対して平行移動させて、ダメージトラックとも称されることがある複数のダメージライン170を形成することができる)。幾つかの実施形態では、複数のダメージラインは、閉曲線を形成して、後続の蒸気エッチングステップ後に、透明なワークピース160内に形成することができる形状の所望の周囲を描き出すことができる。ダメージラインは、ガラスの完全な深さまで貫通している場合がある。「孔」または「孔様」と記載される場合があるが、本明細書で開示された欠陥およびこの欠陥から形成されたダメージラインは、一般的には空隙スペースでなくてもよく、むしろ、透明なワークピース160の一部をエッチングにより感受性にするために本明細書に記載されたレーザ加工により改質された透明なワークピース160の一部であると理解すべきである。
幾つかの実施形態では、ダメージライン170は、一般的には、約10μm超の距離だけ互いに離間させることができる。例えば、ダメージライン170間の適切な間隔は、約10μm~約500μmとすることができる。ダメージライン170の間の距離は、特定の半導体特性および要件に基づいて選択することができると企図される。幾つかの他の実施形態、例えば、ダメージライン170がエッチングされて、エッチングされた形状の融合をもたらす実施形態では、隣接するレーザダメージラインまたはレーザダメージ部位170間の間隔またはピッチは、例えば、1μm以上200μm以下、5μm以上50μm以下またはさらに10μm以上20μm以下であることができる。さらに、パルスレーザビーム112に対する透明なワークピース160の平行移動を、1つ以上の平行移動ステージ190を使用して、透明なワークピース160および/またはビーム源110を運動させることにより行うことができる。
ここから図3を参照して、透明なワークピース160内にダメージライン170を形成した後に、透明なワークピース160をダメージラインに沿って蒸気エッチングして、透明なワークピース160を通って延びる開口180を形成することができる。例えば、少なくともダメージライン170に沿って、透明なワークピース160をエッチング蒸気302に暴露させることにより、透明なワークピース160を蒸気エッチングすることができる。種々の実施形態では、透明なワークピース160をエッチングマスクの不存在下でエッチング蒸気に暴露させることができるが、幾つかの実施形態では、エッチングマスクを使用してもよい。すなわち、本明細書に記載された種々の実施形態では、開口180を、マスキングを必要とせずに、エッチングプロセスにより透明なワークピース160を通して形成することができるが、マスクの使用は特に除外されない。
種々の実施形態では、エッチング蒸気302は乾燥エッチング蒸気であり、これは、ガス状エッチャント、例えばHFを含むことができる。HFは、ガラス基板中に見られる二酸化ケイ素と反応して、四フッ化ケイ素および水蒸気を形成するであろう。幾つかの実施形態では、エッチング蒸気をイオン化するのに役立ち、触媒として作用することができるアルコールも存在する。理論に拘束されるものではないが、ガス状エッチャントは、湿式化学エッチング溶液より効率的にダメージライン170に浸透することができると考えられる。さらに、透明なワークピース160の深さへのエッチャントの浸透または拡散を、エッチングの反応速度より速い速度に制御することができ、これにより、次に、開口の形状を制御することができると考えられる。例えば、種々の実施形態では、レーザ改質ガラスのエッチング速度がガラスの本体内の深さと比較して基板の表面付近でより大きい場合に形成される「砂時計」形状の開口とは対照的に、エッチング蒸気を、エッチングの反応速度よりはるかに速い速度で透明なワークピース160内に拡散させることができ、より円筒形の開口の形成をもたらすことができる。他の実施形態では、レーザ改質ガラス内へのエッチング蒸気の拡散速度を、特に、特定のウエスト開口を達成するように決定することができる。
本明細書で使用する場合、「円筒形」なる用語は、開口または「ビア」の直径が透明なワークピース160の厚さ全体にわたって30%以下または20%以下まで変動することを意味する。ビアの直径の変動を、ビアの最大測定直径とビアの最小測定直径との差をとり、その結果をビアの最大測定直径で除算することにより計算することができる。実施形態において、直径は、ビアのSEM断面を使用しまたは上部/下部側からのビアの光学的計測法を使用することにより(例えば、上部、下部、ウエストを測定するために)測定される。特に断らない限り、直径は、SEM断面を使用して測定される。本明細書で使用する場合、「ウエスト」なる用語は、その最も狭い点におけるビアもしくは開口の直径または開口の最小直径を指す。
種々の実施形態では、蒸気エッチングを、約10キロパスカル(kPa)~約20kPaの圧力で行うことができる。種々の実施形態では、プロセスの圧力および温度ならびにエッチング蒸気の量を調節して、透明なワークピース160内へのエッチャントの拡散速度を制御することができると企図される。使用に適した市販の蒸気エッチングシステムは、一例として、Orbotech(Israel)製の商品名SPTSで入手可能なものを含むが、これに限定されない。
一般的に、準非回折ビームにより生じるレーザ改質領域では、液相エッチャントが基板の深さ全体にわたって均一に浸透してエッチングすることが非常に困難である。液相エッチングによりビアを完全に開くため、すなわち、ガラスが完全に除去された透明な開口チャネルを有するために、基板の深さは、基板の深さまでのエッチング浸透の5μmごとに、ビアの入口/出口直径の約1μmのビア直径成長を必要とする場合がある。このことは、アスペクト比>10:1を有するビアを達成することは、液相エッチングでは困難である場合があることを意味する。ビアを開けるために、十分な液相エッチングを行っても、ビアは、多くの場合に「砂時計」形状を有する。この場合、ビアのウエスト直径は、ビアの上部/下部直径よりはるかに小さい、例えば、上部/下部直径の70%未満(すなわち、直径の差が30%を超える)または上部/下部直径の50%未満(すなわち、直径の差が50%を超える)または上部/下部直径の30%未満(すなわち、直径の差が70%を超える)である。さらに、液相エッチングについて、ビア/レーザダメージの周囲の領域の画定にマスクが使用されないと仮定すると、これは、ガラスの中心の厚さまでのエッチャントの浸透を保証するために著しい表面除去(薄肉化)を生じさせることを意味する。例えば、液相エッチングについて、エッチング浸透深さに対するビア直径成長の比が1:5であることは、厚さ300μmのガラスにスルービアを形成するために少なくとも直径30μmの孔を形成しなければならず、したがって少なくとも30μmの表面除去(薄肉化)が必要となることを意味する。シリコン酸窒化物被覆などのマスクを利用して、表面を薄肉化することなく液相HF中でビア自体をエッチングすることが可能となり、他のビア形状の複雑さ、例えば、ビアの縁部でのマスクのエッチングアンダーカットがもたらされる。
したがって、準非回折ビームレーザ改質の気相エッチングは、ビア寸法について顕著に異なる有利な特性を達成するのに役立ちうる。エッチング後、種々の実施形態は、開口の平均直径dに対する透明なワークピース160の平均厚さt(図4に示される)のアスペクト比が20:1以上であることを達成する。例えば、アスペクト比は、30:1以上、40:1以上またはさらに50:1以上であることができる。幾つかの実施形態では、アスペクト比は、55:1以下である。さらに、ガラス基板を通って延びる開口は、一般的には、5μm以上50μm以下、20μm以下、15μm以下またはさらに10μm以下の平均直径を有する。より大きな直径を有する開口が企図されるが、種々の実施形態では、透明なワークピースのエッチングのための反応速度は、プロセス時間を制限し、したがって、経済的実現可能性を制限するおそれがあると理解されるべきである。
幾つかの実施形態では、透明なワークピースを湿式エッチングして、開口の直径をさらに増大させることができる。例えば、透明なワークピース160を、化学エッチャントを含む湿式化学エッチング溶液を透明なワークピース160に適用することにより湿式エッチングすることができる。湿式化学エッチング溶液を、例えば、透明なワークピース上に噴霧することができ、または透明なワークピースを、化学エッチング溶液を含有する浴に浸漬させることができる。湿式エッチングを使用して、透明なワークピース160を通って延びる1つ以上の開口180の直径を増大させる場合、透明なワークピース160の表面から除去される材料の量を最小化し(すなわち、厚さの除去を最小化し)、かつ各開口180の深さを通って材料除去の均一性を最大化することが望ましい場合がある。これは、以下でより詳細に説明するように、エッチング速度を最小化することにより達成することができる。
開口180は、湿式エッチング溶液が透明なワークピース160の深さ内に浸透し、開口180内およびその周囲の透明なワークピース160の材料を除去し、ビアの直径を増大させる経路を提供する。幾つかの実施形態では、湿式エッチング溶液により、閉輪郭線に沿って隣接する開口180間の透明なワークピース160の材料を除去し、これにより、閉輪郭線内の透明なワークピース160の材料を透明なワークピース160の残りの部分から分離して、形状を形成することができる。
理論により限定されることを意図するものではないが、開口180を湿式エッチングすると、図6に示されているように、透明なワークピース160の主面における開口180の直径が開口の深さ内(例えば、透明なワークピース160の各主面間の約1/2)のウエスト直径より大きい砂時計形状プロファイルが形成される場合がある。本明細書で使用する場合、「主面」は、透明なワークピース160の結像面162および結像面162に対向する表面(例えば、裏面)を指す。この砂時計形状プロファイルは、開口180の深さを横切る(すなわち、開口180の深さを通して拡散する)化学エッチング溶液の初期制限により引き起こされる。このため、主面およびその付近の開口180の一部は、化学エッチング溶液が透明なワークピース160と接触すると、直ちにエッチングを受けるであろう。一方、透明なワークピース160内の開口180の一部は、化学エッチング溶液が開口180の深さを通って拡散する(すなわち、各主面から開口180のウエストまで拡散する)までエッチングを受けないであろう。
蒸気エッチングおよび湿式化学エッチングプロセスの両方を使用する実施形態では、開口180の特定の形状を、各プロセスにより行われるエッチングの量を調整することにより制御することができる。例えば、より円筒形の開口について、より砂時計形状開口を達成するための加工方法と比較して、まず蒸気エッチングをより長い時間行うことができ、ついで湿式化学エッチングをより短い時間行うことができる。付加的にまたは代替的に、一方または両方のエッチングプロセスのエッチング速度を調整して、開口180の形状を調整することができる。
実施形態において、湿式化学エッチングの間、主面における開口180の直径は、開口180のウエスト直径より大きくてもよい。さらに、湿式化学エッチング溶液が開口180を横切ると(すなわち、開口180のウエスト/中央に到達すると)、各開口180の表面直径とウエスト直径との間の差は、その後も一定のままであろう。このため、エッチング速度を最小化することにより、透明なワークピース160の材料の厚さ損失が最小化され、開口180の表面直径とウエスト直径との間の差が最小化される。エッチング速度を最小化することにより、湿式化学エッチング溶液が透明なワークピース160の深さを通って広がる前に除去される透明なワークピース160の材料の量が最小化されるためである。すなわち、エッチング速度を最小化にすることにより、各開口180の深さを通る材料除去の均一性が最大化され、その結果、主面における開口180の直径と開口180のウエスト直径との間の差が最小化される。さらに、開口180の均一性を高めることにより、開口180のより均一な壁(すなわち、透明なワークピース160の主面に対してほぼまたは完全に直交する開口壁)がもたらされる。
理論により限定されることを意図するものではないが、エッチング速度は、化学エッチングプロセスのチーレ数(φ)の制御可能な変数であり、これは、Thiele, E.W. Relation between catalytic activity and size of particle, Industrial and Engineering Chemistry, 31 (1939), pp. 916-920に記載されているように、拡散速度に対するエッチング速度の比を数学的に表す。エッチング速度が拡散時間より大きい場合、チーレ数は1より大きくなる。これは、開口180内に導入された初期の湿式化学エッチング溶液が、開口180のウエスト(例えば、中央)に到達する前に消耗されることを意味する。この場合、湿式化学エッチング溶液を、透明なワークピース160の対向面における開口180の部分からの追加の化学エッチャントの拡散により補充することができる。その結果、湿式化学エッチングは、開口180の上部および下部において、中央部(例えば、ウエスト)より早く始まり、開口180から形成される砂時計様形状がもたらされる。一方、拡散時間がエッチング速度以上である場合には、チーレ数は1以下となる。このような条件下では、化学エッチャント濃度は開口180全体に沿って均一となり、開口180は均一にエッチングされ、各開口180に沿って実質的に円筒形の空隙を生じる。
本明細書において説明しているように、エッチング速度を、湿式化学エッチングプロセスのチーレ数が制御され、これにより、開口180から形成される空隙の上部開口および下部開口の直径の拡張に対する開口180に沿って形成される空隙のウエスト直径の拡張の比が制御されるように制御することができる。さらに、幾つかの実施形態では、本明細書に記載された化学エッチングプロセスのチーレ数は、約5以下、約4.5以下、約4以下、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.5以下または約1以下であることができる。
エッチング速度を、湿式化学エッチング溶液の化学エッチャントの濃度を下げること、湿式化学エッチング溶液の温度を下げること、エッチング中に湿式化学エッチング溶液を撹拌すること、例えば超音波、物理的運動などを使用することにより下げることができる。さらに、エッチング速度は、透明なワークピース160の組成に影響を受ける場合がある。
図6に、透明なワークピース160をレーザ改質して、透明なワークピース160を通って延びる複数のダメージライン170を形成し、ついで蒸気エッチングして、開口180を形成する例示的な方法を模式的に示す。開口180の形成後、湿式化学エッチング溶液を使用して、ビアまたは開口を特定の形状に湿式エッチングすることができる。図6に示されているように、低速湿式エッチングを使用して、より円筒形の形状を有する開口180を形成することができ、一方、高速湿式エッチングを使用して、より小さいウエストを有する開口180を形成することができる。
種々の実施形態では、湿式化学エッチング溶液は、化学エッチャントおよび脱イオン水を含む水溶液であることができる。幾つかの実施形態では、化学エッチャントは、一次酸(primary acid)および二次酸(secondary acid)を含むことができる。一次酸は、フッ化水素酸であることができ、二次酸は、硝酸、塩酸または硫酸であることができる。幾つかの実施形態では、化学エッチャントは、一次酸のみを含むことができる。幾つかの実施形態では、化学エッチャントは、フッ化水素酸以外の一次酸および/または硝酸、塩酸もしくは硫酸以外の二次酸を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態では、一次酸の化学エッチャントは、約1体積%のフッ化水素酸~約15体積%のフッ化水素酸、例えば、約2.5体積%のフッ化水素酸~約10体積%のフッ化水素酸、2.5体積%のフッ化水素酸~約5体積%のフッ化水素酸ならびにその間の全ての範囲および部分範囲の体積%のフッ化水素酸を含むことができる。さらに、幾つかの実施形態では、二次酸は、約1体積%の硝酸~約20体積%の硝酸、例えば、約2.5体積%の硝酸~約15体積%の硝酸、2.5体積%の硝酸~約10体積%の硝酸、2.5体積%の硝酸~約5体積%の硝酸ならびにその間の全ての範囲および部分範囲の体積%の硝酸を含むことができる。追加の例として、化学エッチャントは、10体積%のフッ化水素酸/15体積%の硝酸、5体積%のフッ化水素酸/7.5体積%の硝酸、2.5体積%のフッ化水素酸/3.75体積%の硝酸、5体積%のフッ化水素酸/2.5体積%の硝酸、2.5体積%のフッ化水素酸/5体積%の硝酸などを含むことができる。さらに、化学エッチング溶液中の化学エッチャントの濃度を下げると、エッチング速度を下げることができる。このため、化学エッチング溶液中の化学エッチャントの最小有効濃度を使用するのが有利である場合がある。
種々の場合において、湿式化学エッチング溶液は、水酸化物溶液、例えば、NaOHまたはKOHであることができる。高純度溶融シリカまたは他のガラスにおけるビアのエッチングのための例示的な溶液は、195°F(約90℃)での12MのNaOHである。
幾つかの実施形態では、湿式化学エッチング溶液を、透明なワークピース160が化学エッチング浴内に配置された場合、撹拌することができる。例えば、化学エッチング溶液を、機械的に撹拌することができ、超音波で撹拌することができ、またはこれらの組み合わせを行うことができる。撹拌により、開口180の深さを通る化学エッチング溶液の拡散速度を上げ、これにより、材料除去を制限し、均一形状の開口を容易にしながら、より速い分離を容易にすることができる。幾つかの実施形態では、開口180の均一なエッチングを改善するために、化学エッチング浴を、X、YおよびZ方向に機械的に撹拌することができる。X、YおよびZ方向における機械的撹拌は、連続的または可変的であることができる。幾つかの実施形態では、化学エッチング浴は、化学エッチング浴内の化学エッチング溶液の超音波撹拌を生じさせるように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを備えることができる。例えば、超音波トランスデューサを、化学エッチング浴の底部または化学エッチング浴の1つ以上の側面に配置することができる。
理論に拘束されるものではないが、開口180が透明なワークピース160の深さ全体を通して開口される前に、化学エッチング浴に超音波撹拌を適用すると、開口180内に大きな空隙の形成をもたらすことができると考えられる。一方、開口180が、透明なワークピースの第1の主面から透明なワークピースの第2の主面に開口している場合、このような空隙を形成することなく、超音波撹拌を適用してもよい。したがって、種々の実施形態では、蒸気エッチングによる開いた開口の形成により、湿式化学エッチングプロセスの開始から超音波撹拌を利用することが可能となり、これにより、開口内に空隙が生じる可能性を下げる。
さらに、上記のように、種々の実施形態では、複数のダメージラインを使用して、閉輪郭線を形成することができる。複数のダメージラインのエッチングにより形成された開口の直径を増大させると、隣接する開口間の材料を除去することができ、閉輪郭線に沿って透明なワークピースの一部を分離することができる。例えば、図5に示されているように、閉輪郭線570は閉曲線565に沿って延び、これは、透明なワークピース160内に1つ以上の形状を形成することができる意図された分離線を描き出す。閉輪郭線570は、透明なワークピース160の表面内に延び、輪郭線570により囲まれた透明なワークピース160の材料を残りの透明なワークピース160から分離するための経路を確立する、複数のダメージライン170を含み、これにより、例えば、蒸気エッチャントを透明なワークピース160に適用することによって、透明なワークピース160を通って延びる形状を、閉輪郭線570に沿って形成する。透明なワークピースの一部を分離するために隣接する開口を融合させると、一連の開口から構成される縁部が形成される。このような幾つかの実施形態では、縁部(またはその少なくとも一部)は、融合された部分開口を含む。すなわち、縁部は滑らかでなくてもよく、その代わりに、開口を以前に形成した複数のノッチまたは窪みを含んでもよい。
閉輪郭線を形成することおよび透明なワークピース中に形状を形成するために閉輪郭線を使用することに関するさらなる詳細は、2018年10月17日に出願された米国特許出願第16/162644号明細書に見出すことができる。同出願はその全体が、参照により本明細書に援用される。
結果として生じる縁部の形態は、レーザにより生じる任意のダメージ、例えば微小クラックとエッチングされた形状、例えば、ワークピースの残り部分からの内部輪郭の分離を可能にするように一緒に融合されたビアとの組み合わせとなる。典型的には、液体エッチャントの迅速な浸透を可能にするために材料に十分なレーザ改質を付与することと、滑らかなまたは強い縁部を形成するために任意のレーザによる微小クラッキングを最小化しようとすることとの間でバランスがとられる。レーザ改質が弱ければ、微小クラックは最小化されるが、エッチャントの浸透はより遅くなり、効果は低くなる。このため、液相エッチングされた部分について、縁部は、一般的には、エッチングされた微小クラックにより優先されるテクスチャ状外観をとる。このような形状は、ガラスの縁部に「オレンジピール」様のテクスチャを形成するであろう。一方、気相エッチングについて、適度な材料改質を蒸気で良好にエッチングすることができる場合であっても、結果として生じる縁部はより滑らかであって、個々のレーザ改質同士が融合した円筒形状が優位となる。
実施例
下記の実施例は、本明細書に記載された実施形態の1つ以上の特徴を例証する。
350μmの厚さを有する高純度溶融シリカサンプルを、QNDBレーザに露光し、蒸気エッチングして、サンプルの厚さを通るビアを形成した。図7A~図7Fに、QNDBレーザ露光および蒸気エッチングの結果を示す。各ビア部位のレーザ露光を、532nmの波長、約0.7mmの焦線長さ、約1.2μmの直径、80μJ/バーストおよび15パルス/バーストのバーストエネルギを有するガウス-ベッセルビームを使用して行った。レーザ露光後に、この部分を、無水HFとエタノール蒸気との組み合わせを使用して、約0.23μm/分のエッチング速度で蒸気エッチングした。画像に、ビアのエッチング後の入口直径(図7A、図7Cおよび図7E)および開いたビアトラックの断面プロファイル(図7B、図7Dおよび図7F)を示す。これらの画像において、暗い領域は、材料が除去されたガラス内の開口を示す。特に、図7Aおよび図7Bに、27分間のエッチング暴露後の直径8μmのビアを示す。図7Cおよび図7Dに、54分間のエッチング暴露後の直径13μmのビアを示す。図7Eおよび図7Fに、108分間のエッチング暴露後の直径27μmのビアを示す。全ての場合において、ビアの断面プロファイル(図7B、図7Dおよび図7F)は、ビア上部直径の20%未満のビア直径、具体的には、ビア上部直径の5%未満で、無視できるテーパを示す。厚さ350μmのガラス内の8μmのビアは、約350/8=44:1のアスペクト比に対応し、ビアの上部とガラスの中央との間の直径テーパは、(正確に測定する能力の範囲内で)1μm未満であり、これは、ビアの深さを通る13%未満の直径変化を表す。
対照的に、図8に、厚さ400μmのEagle XG(アルミノケイ酸塩ガラス)内にビアを形成することを試みるための、同じQNDBレーザ露光および27分間の蒸気エッチングの結果を示す。この場合、小さな開口がガラス内のレーザダメージ部位に存在するが、ビアがエッチングによって開いてはいない。さらに、著しい表面テクスチャが存在し、その部分に「クラスト」が現れる。この場合、HF蒸気をアルミノケイ酸塩ガラスと反応させてエッチングプロセスを開始したが、HF蒸気に不溶性(不揮発性)の著しい副生成物が形成され、クラストが形成され、これらの両方により、表面テクスチャが生じかつガラス本体内のレーザ改質をエッチングし続けるHF蒸気の浸透が遮断される。したがって、レーザ改質部位にスルー開口が形成されていない。これは、ガラスの選択がレーザ露光ビア部位を蒸気エッチングする能力にかなりの影響を与え、副生成物形成が重要であることを例証している。EXGガラスの場合には、組成は、ガラス組成の20%超を構成するAl、CaO、MgO、SrOおよびSrOのかなりの部分を含有する。したがって、EXGガラスには、HFと反応すると、反応中のガラス表面上に蓄積し、さらなるエッチングを妨げる不揮発性化合物を形成する多数の元素が存在する。
一方、ガラス中のSiOは、HF蒸気エッチング中に揮発性化合物を形成する。これが、高純度溶融シリカ(100%のSiO)においてエッチングが継続され、開けたビアがもたらされる理由である。さらに、多くのガラス組成、例えば、ホウケイ酸ガラス中にかなりの割合で存在するBは、揮発性化合物-オルトホウ酸も形成する。したがって、高シリカ含量ガラス(ここでは、95モル%超のSiOを含有するガラスと定義される)およびホウケイ酸ガラス(本明細書においては、主に二酸化ケイ素(SiO)および酸化ホウ素(B)をモル%で含有し、他の成分を10%未満で含むガラスと定義される)の両方が、ビアを有効に形成するように蒸気エッチングすることが期待される。
前述の説明を考慮して、小さな直径および高いアスペクト比を有する開口の形成を、パルスレーザビーム焦線を使用して形成された蒸気エッチングダメージラインにより形成することができると理解されたい。さらに、湿式エッチング技術を、蒸気エッチング後に使用して、開口の直径を急速に増大させることができると理解されたい。
本明細書において、範囲は、「約」ある特定の値からかつ/または「約」別の特定の値までと表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値からかつ/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行語としての「約」を使用することにより、特定の値が別の実施形態を形成すると理解されるであろう。範囲の各終点は、他方の終点に関連しかつ他方の終点と独立しての両方において重要であるとさらに理解されたい。
本明細書で使用する場合、方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上、下)は、描かれた図面についてのみ言及され、絶対的な向きを意味することを意図するものではない。
特に断らない限り、本明細書に記載された任意の方法は、そのステップが特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることも、任意の装置の特定の向きを必要とすると解釈されることも、決して意図するものではない。したがって、方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列記していない場合または任意の装置クレームが、個々の構成要素に対する順序もしくは向きを実際に列記していない場合またはステップが特定の順序に限定されるべきであることもしくは装置の構成要素に対する特定の順序もしくは向きが列記されていないことが、特許請求の範囲または説明に何らかの方法で特に記述されていない場合、いかなる点においても、順序または向きが推論されることは決して意図されない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序または構成要素の向きに関する論理の事項、文法編成または句読点から導出される平易な意味および本明細書に記載された実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基礎に当てはまる。
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。このため、例えば、「a」が冠された構成要素への言及は、文脈が別途明確に指示しない限り、2つ以上のこのような構成要素を有する態様を含む。
当業者には、特許請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に対して種々の修正および変形を行うことができると明らかであろう。このため、本明細書は、このような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲に該当する限り、本明細書に記載された種々の実施形態の修正および変形を包含することが意図される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
透明なワークピースを加工するための方法であって、該方法が、
光学系により前記透明なワークピース内へパルスレーザビームを配向し、これにより、
波長λ;
スポットサイズw;および
レイリー範囲Zであって、
Figure 2022519724000005
より大きく、式中、Fは10以上の値を含む無次元発散係数である、レイリー範囲Z
を含む、前記透明なワークピース内へ配向された前記パルスレーザビームの一部が、前記透明なワークピース内に複数の欠陥を生じさせる誘導吸収を前記透明なワークピース内に発生させることにより、前記透明なワークピースの第1の表面から前記透明なワークピースの厚さの少なくとも一部を通って延びる前記透明なワークピース内のダメージラインを形成するステップと、
前記透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、前記ダメージラインに沿って前記透明なワークピースの少なくとも一部を除去することにより、前記透明なワークピースの前記厚さの少なくとも一部を通って延びる開口を形成するステップと
を含む、方法。
実施形態2
前記開口が、前記透明なワークピースの前記厚さにわたって30%以下で変化する開口直径を含む、実施形態1記載の方法。
実施形態3
前記開口直径が、約20μm未満である、実施形態2記載の方法。
実施形態4
複数の開口の平均直径に対する前記透明なワークピースの平均厚さのアスペクト比が、20:1以上である、実施形態2または3記載の方法。
実施形態5
前記方法が、前記透明なワークピースを湿式化学エッチング溶液でエッチングして、前記開口直径をさらに増大させるステップをさらに含む、実施形態2または3記載の方法。
実施形態6
前記方法が、前記エッチング中に前記湿式化学エッチング溶液に超音波を適用するステップをさらに含む、実施形態5記載の方法。
実施形態7
前記エッチング蒸気が、乾燥HF蒸気を含む、実施形態1記載の方法。
実施形態8
ガラス物品であって、
第1の主面と、前記第1の主面の反対側の、前記第1の主面から厚さ分だけ離れている第2の主面とを有するガラス基板と、
前記第1の主面から前記第2の主面まで前記ガラス基板を通って延びる複数の開口と
を備え、
前記複数の開口はそれぞれ、5μm以上20μm以下の平均直径を有し、
前記複数の開口の前記平均直径に対する前記ガラス基板の平均厚さのアスペクト比は、20:1以上である、ガラス物品。
実施形態9
前記アスペクト比が、30:1以上である、実施形態8記載のガラス物品。
実施形態10
前記アスペクト比が、40:1以上である、実施形態8記載のガラス物品。
実施形態11
前記複数の開口それぞれの前記第1の主面における直径と前記複数の開口それぞれの前記第1の主面から前記ガラス基板の前記平均厚さの1/2の距離での直径との間の差が、30%以下である、実施形態8から10までのいずれか1つ記載のガラス物品。
実施形態12
前記ガラス物品が、高純度溶融シリカを含む、実施形態8から10までのいずれか1つ記載のガラス物品。
実施形態13
前記ガラス物品が、ホウケイ酸ガラスを含む、実施形態8から10までのいずれか1つ記載のガラス物品。
実施形態14
前記ガラス物品が、95モル%以上のシリカ含量を有するガラスを含む、実施形態8から10までのいずれか1つ記載のガラス物品。
実施形態15
透明なワークピースを加工するための方法であって、該方法が、
光学系により前記透明なワークピース内へパルスレーザビームを配向し、これにより、
波長λ;
スポットサイズw;および
レイリー範囲Zであって、
Figure 2022519724000006
より大きく、式中、Fは10以上の値を含む無次元発散係数である、レイリー範囲Z
を含む、前記透明なワークピース内へ配向された前記パルスレーザビームの一部が、前記透明なワークピース内に欠陥を生じさせる誘導吸収を前記透明なワークピース内に発生させるステップと、
前記透明なワークピースおよび前記パルスレーザビームを互いに対して平行移動させることにより、前記透明なワークピースの第1の表面から前記透明なワークピースの第2の表面まで前記透明なワークピースの厚さを通って延びる複数のダメージラインを形成するステップと、
前記透明なワークピースをエッチング蒸気でエッチングして、前記複数のダメージラインのそれぞれに沿って前記透明なワークピースの少なくとも一部を除去することにより、前記透明なワークピースを通って延びる複数の開口を形成するステップと
を含み、前記複数の開口のそれぞれは、20μm未満の平均直径と、前記透明なワークピースの前記厚さを通る前記複数の開口それぞれの長さに沿って30%未満のテーパとを有する、方法。
実施形態16
前記複数の開口の前記平均直径に対する前記透明なワークピースの前記厚さのアスペクト比が、20:1以上55:1以下である、実施形態15記載の方法。
実施形態17
前記透明なワークピースが、高純度溶融シリカ、ホウケイ酸ガラス、または95モル%以上のシリカ含量を含む、実施形態15または16記載の方法。
実施形態18
前記透明なワークピースをエッチングするステップを、エッチングマスクの不存在下で行う、実施形態15から17までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態19
前記方法が、前記透明なワークピースを湿式化学エッチング溶液でエッチングして、前記複数の開口それぞれの平均直径を増大させるステップをさらに含む、実施形態15から17までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態20
前記方法が、前記エッチング中に前記湿式化学エッチング溶液に超音波を適用するステップをさらに含む、実施形態19記載の方法。

Claims (10)

  1. 透明なワークピース(160)を加工するための方法であって、該方法が、
    光学系(120)により前記透明なワークピース(160)内へパルスレーザビーム(112)を配向し、これにより、
    波長λ;
    スポットサイズw;および
    レイリー範囲Zであって、
    Figure 2022519724000007
    より大きく、式中、Fは10以上の値を含む無次元発散係数である、レイリー範囲Z
    を含む、前記透明なワークピース(160)内へ配向された前記パルスレーザビーム(112)の一部が、前記透明なワークピース(160)内に複数の欠陥を生じさせる誘導吸収を前記透明なワークピース(160)内に発生させることにより、前記透明なワークピース(160)の第1の表面(162)から前記透明なワークピース(160)の厚さの少なくとも一部を通って延びる前記透明なワークピース(160)内のダメージライン(170)を形成するステップと、
    前記透明なワークピース(160)をエッチング蒸気(302)でエッチングして、前記ダメージライン(170)に沿って前記透明なワークピース(160)の少なくとも一部を除去することにより、前記透明なワークピース(160)の前記厚さの少なくとも一部を通って延びる開口(180)を形成するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記開口が、前記透明なワークピースの厚さにわたって30%以下で変化する開口直径を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記開口直径が、約20μm未満である、請求項2記載の方法。
  4. 複数の開口の平均直径に対するガラス基板の平均厚さのアスペクト比が、20:1以上である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記方法が、前記透明なワークピースを湿式化学エッチング溶液でエッチングして、前記開口直径をさらに増大させるステップをさらに含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記方法が、前記エッチング中に前記湿式化学エッチング溶液に超音波を適用するステップをさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記エッチング蒸気が、乾燥HF蒸気を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. ガラス物品であって、
    第1の主面と、前記第1の主面の反対側の、前記第1の主面から厚さ分だけ離れている第2の主面とを有するガラス基板(160)と、
    前記第1の主面から前記第2の主面まで前記ガラス基板(160)を通って延びる複数の開口(180)と
    を備え、
    前記複数の開口(180)のそれぞれが、5μm以上20μm以下の平均直径を有し、
    前記複数の開口(180)の前記平均直径に対する前記ガラス基板(160)の平均厚さのアスペクト比は、20:1以上である、ガラス物品。
  9. 前記アスペクト比が、30:1以上である、請求項8記載のガラス物品。
  10. 前記複数の開口それぞれの前記第1の主面における直径と前記複数の開口それぞれの前記第1の主面から前記ガラス基板の前記平均厚さの1/2の距離での直径との間の差が、30%以下である、請求項8または9記載のガラス物品。
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