JP2022514299A - 抗体の制御されたフコシル化 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア非フコシル化を望ましいレベルとする培養パラメータを予測する改善された方法が必要とされている。【解決手段】本発明は、制御されたコアフコシル化レベルで抗体及び抗体誘導体を製造する方法を提供する。1態様において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法が本明細書で提供される。一部の実施形態において、本発明は、本発明の方法によって製造される抗体又は抗体誘導体の組成物を提供する。前記抗体及び誘導体は、治療上若しくは予防上有効量の前記抗体若しくは誘導体及び1以上の薬学的に許容される成分を含む医薬組成物として製剤することができる。【選択図】 図1A

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年12月19日出願の米国暫定特許出願第62/781,691号(参照によって、あらゆる点について全体が本明細書に組み込まれる)の優先権の恩恵を主張するものである。
組換え治療用タンパク質は、多くの異なる方法により製造される。一つの好ましい方法は、哺乳動物宿主細胞系からの組換えタンパク質の産生である。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの細胞系を、対象の治療用タンパク質を発現するように操作する。各種細胞系が、タンパク質の特性及び産生性などの組換えタンパク質の産生に関する利点と欠点を有する。商業生産用の細胞系の選択は、高い生産性の必要性と所定の製品の要求される属性を伴う一貫した製品品質をもたらす能力との均衡を取るものである。一貫性のある高い品質特性及び高力価プロセスを必要とする一つの重要な種類の治療用組換えタンパク質は、モノクローナル抗体である。
哺乳動物宿主細胞において産生されるモノクローナル抗体は、グリコシル化などの各種の翻訳後修飾を有し得る。IgG1sなどのモノクローナル抗体は、各重鎖(完全な抗体当たり二つ)のアスパラギン297(Asn297)におけるN結合型グリコシル化部位を有する。抗体上のAsn297に結合しているグリカンは、代表的には、非常に低量のバイセクティングN-アセチルグルコサミン(バイセクティングGIcNAc)を含むか、又は全く含まず、少量の末端シアル酸及び可変量のガラクトースを含む複雑な二分岐構造である。グリカンも通常、高レベルのコアフコシル化を有する。抗体におけるコアフコシル化の減少が、Fcエフェクター機能、特にFcガンマ受容体結合及びADCC活性を変えることが明らかになっている。この所見により、コアフコシル化が低下した抗体を産生するように細胞系を操作することに関心が寄せられるようになった。
コアフコシル化を減少させるように細胞系を操作する方法には、遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン及びRNA干渉(RNAi)などがあった。遺伝子ノックアウトでは、FUT8(アルファ1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素)をコードする遺伝子が失活される。FUT8は、GDP-フコースから、N-グリカンのAsn結合型(N結合型)GlcNacの6位へのフコシル残基の転移を触媒する。FUT8は、Asn297でのN結合型二分岐炭水化物へのフコースの付加に関与する唯一の酵素であると報告されている。遺伝子ノックインは、GNTIII又はゴルジαマンノシダーゼIIなどの酵素をコードする遺伝子を付加するものである。細胞におけるそのような酵素のレベル上昇は、モノクローナル抗体をフコシル化経路から迂回させ(コアフコシル化低下をもたらす)、バイセクティングN-アセチルグルコサミンの量が増加している。RNAiも代表的には、FUT8遺伝子発現を標的として、mRNA転写レベルの低下又は遺伝子発現の完全なノックアウトをもたらす。細胞系操作の代替法には、グリコシル化経路における酵素に作用する小分子阻害剤の使用などがある。
一部の用途において、コアフコシル化及びコア非フコシル化抗体若しくは抗体誘導体の混合群を用いることが望ましい可能性がある。従って、コア非フコシル化を望ましいレベルとする培養パラメータを予測する改善された方法が必要とされている。
本発明は、制御されたレベルのコア非フコシル化で抗体及び抗体誘導体を製造する方法を提供する。この方法は、予測モデルへの入力として対応する培養パラメータ(例えば、細胞面積又は抗体力価の積分)と対となったフコシル化阻害剤に関連するパラメータ(例えば、フコシル化阻害剤の量又はフコシル化阻害剤添加の時間)を用いて、所与のフコシル化阻害剤(例えば、2-フルオロフコース)による抗体又は抗体誘導体非フコシル化レベルの正確な予測モデルを作ることができることを示す実施例で提供される予想外の結果に一部基づくものである。
1態様において、本明細書で提供されるのは、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法であって、(a)所定量のフコシル化阻害剤(A)の存在下に培地中で宿主細胞を培養すること[宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];(b)抗体又は抗体誘導体を単離することを含み、Aが、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが、標的レベルの非フコシル化からの最大偏差を超えない非フコシル化レベルを有するように事前に決定される方法である。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、培養の完了時に単離される。一部の実施形態において、当該方法は、Aを決定することをさらに含む。一部の実施形態において、
一部の実施形態において、上記Aを用いる抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルの制御方法のいずれかによれば、入力として複数の異なるフコシル化阻害剤量及び培養物中の宿主細胞の細胞増殖パラメータを用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体のフコシル化レベルを用いて生成された予測モデルに基づいてAを決定する。一部の実施形態において、入力として細胞増殖パラメータに正規化したフコシル化阻害剤量を用いて予測モデルを生成する。一部の実施形態において、細胞増殖パラメータは積分細胞面積(ICA)である。一部の実施形態において、当該方法はさらに、予測モデルを生成することを含む。
別の態様において、本発明で提供されるものは、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法であって、(a)宿主細胞を培地で培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];(b)培養中の所定時間(Tp)で培地に飽和量のフコシル化阻害剤を加えること[前記飽和量のフコシル化阻害剤により、培養d0で加えた時に少なくとも約95%非フコシル化を生じる。];及び(c)前記抗体又は抗体誘導体を単離することを含み、Tpが(c)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化レベルを有するように予め決定される方法である。一部の実施形態において、前記抗体又は抗体誘導体は、培養完了時に単離される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Tpを決定することを含む。
一部の実施形態において、上記のTpを用いて抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、Tpは、入力として培養における複数の異なる飽和フコシル化阻害剤添加時点での培養物中の抗体又は抗体誘導体の力価を用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、前記予測モデルを生成することを含む。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、前記フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、前記フコース類縁体は、2-フルオロフコース(2FF)、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、前記フコース類縁体は2FFである。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、非フコシル化の標的レベルは、(a)約100%~約90%;(b)約90%~約80%;(c)約80%~約70%;(d)約70%~約60%;(e)約60%~約50%;(f)約50%~約40%;(g)約40%~約30%;(h)約30%~約20%;(i)約20%~約10%;又は(j)約10%~約0%である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、非フコシル化の標的レベルは、(a)約80%より高く;(b)約60%より高く;(c)約40%より高く;(d)約20%より高く;(e)約10%より高く;又は(f)約5%より高い。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は、最大10%である。一部の実施形態において、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は、最大5%である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は組換え宿主細胞である。一部の実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞はハイブリドーマである。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は流加培養(fed batch)で増殖する。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は連続供給培養で増殖する。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、培地は少なくとも100リットルの体積を有する。一部の実施形態において、培地は少なくとも500リットルの体積を有する。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、培地は動物タンパク質不含培地(animal protein free media)である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体の単離は、細胞及び/又は培地から抗体又は抗体誘導体を単離することを含む。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の単離は、タンパク質Aカラムを用いることを含む。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の単離は、カチオン若しくはアニオン交換カラム又は疎水性相互作用カラムを用いることを含む。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体はインタクト抗体である。一部の実施形態において、インタクト抗体はIgG1抗体である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は一本鎖抗体である。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、及びFc領域を含む。
一部の実施形態において、上記の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は、非免疫グロブリンタンパク質の抗体Fc領域及びリガンド結合ドメインを含む抗体誘導体である。
本発明のこれら態様及び他の態様は、下記の詳細な説明、具体的な実施形態の非限定的な例、及び添付の図面を参照することでより十分に理解できる。
各種濃度の2-フルオロフコース(2FF)で処理した細胞系の増殖を示す生存細胞密度(VCD)曲線を示す図である。 異なる増殖特性を有する複数のCHO細胞系を組み合わせる[2FF濃度]/ICAの関数としての非フコシル化についての飽和モデルを示す図である。 遅延(delayed)スケジュールで2DDで処理した二つの異なる細胞系についての平均力価を示す図である。 細胞系Aについての対照、2FFの添加第0日(d0)、及び添加第3日(d3)(日数はいずれも産生開始から数えたもの)における非フコシル化の比較を示す図である。 細胞系Bについての対照、2FFの添加第0日(d0)、及び添加第3日(d3)(日数はいずれも産生開始から数えたもの)における非フコシル化の比較を示す図である。
定義
「抗体」という用語は、(a)免疫グロブリンポリペプチド及び免疫グロブリンポリペプチドの免疫学的に活性な部分、即ち、特異抗原(例えば、CD70)に免疫特異的に結合する抗原結合部位及び複合N-グリコシド結合型糖鎖を含むFcドメインを含む免疫グロブリンファミリーのポリペプチド若しくはそれの断片、或いは(b)抗原(例えば、CD70)に免疫特異的に結合するそのような免疫グロブリンポリペプチド若しくは断片の保存的に置換された誘導体を意味する。抗体は、例えば、Harlow & Lane, Antibodies: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988)に記載されている。文脈から別途明らかでない限り、抗体と言う場合、それは下記でより詳細に述べる抗体誘導体も含む。
「抗体誘導体」は、例えば、異種ポリペプチド(例えば、異種タンパク質のリガンド結合ドメイン)の結合による異種分子の共有結合により、或いはグリコシル化(コアフコシル化以外)、脱グリコシル化(非コアフコシル化以外)、アセチル化、リン酸化又は抗体又はFcドメイン若しくは領域に通常関連しない他の修飾により修飾されている、上記で定義の抗体(抗体断片を含む)又は複合N-グリコシド結合型糖鎖を含む抗体のFcドメイン若しくは領域を意味する。
「モノクローナル抗体」という用語は、真核又は原核細胞クローン、或いはファージクローンを含む単一細胞クローン由来の抗体を意味し、それを製造する方法を意味しない。従って、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術により製造される抗体に限定されない。
「Fc領域」という用語は、抗体の定常領域、例えば、C4ドメインを有していても良いC1-ヒンジ-C2-C3ドメイン、又はそのようなFc領域の保存的に置換された誘導体を意味する。
「Fcドメイン」という用語は、抗体の定常領域ドメイン、例えば、C1、ヒンジ、C2、C3若しくはC4ドメイン、そのようなFcドメインの保存的に置換された誘導体を意味する。
「抗原」は、抗体が特異的に結合する分子である。
「特異的結合」及び「特異的に結合する」という用語は、抗体又は抗体誘導体がその相当する標的抗原と高度に選択的に結合し、複数の他の抗原と結合しないことを意味する。一般的に、抗体又は抗体誘導体は、少なくとも約1×10-7M、好ましくは10-8M~10-9M、10-10M、10-11M又は10-12Mの親和力で結合し、所定の抗原又は密接に関連する抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対するその結合の親和力より少なくとも2倍大きい親和力で所定の抗原に結合する。
「阻害する」又は「の阻害」という用語は、測定可能な量減少させること、又は完全に防止することを意味する。
「積分細胞面積」又は「ICA」という用語は、図1Aに示したような所与の細胞系についての生存細胞密度(VCD)曲線下面積を表し、例えばVCD曲線を積分することで計算することができる。
「薬学的に許容される」という用語は、動物、詳細にはヒトにおける使用について、連邦若しくは州政府の規制当局により承認されているか、米国薬局方若しくは他の一般的に認知されている局方に列挙されていることを意味する。「薬学的に適合性の成分」という用語は、抗体又は抗体誘導体と共に投与される薬学的に許容される希釈剤、アジュバント、賦形剤又は媒体を意味する。
「生物学的に許容される」という用語は、抗体の製造用の細胞系の培養における使用に好適であることを意味する。具体例としての生物学的に許容される塩には、硫酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸、重硫酸、リン酸、酸性リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、オレイン酸、タンニン酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチシン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びパモ酸(即ち、1,1′-メチレンビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))塩などがあるが、これらに限定されるものではない。生物学的に許容される塩には、酢酸イオン、コハク酸イオン又は他の対イオンなどの他の分子の包含を伴いうる。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化するいかなる有機又は無機部分であってもよい。さらに、生物学的に許容される塩は、その構造に複数の荷電原子を有する可能性がある。複数の荷電原子が生物学的に許容される塩の一部であるものは、複数の対イオンを有し得る。従って、生物学的塩は、1以上の荷電原子及び/又は1以上の対イオンを有し得る。
本発明の治療薬は、代表的には、望ましくない不純物を実質的に含まない。これは、薬剤が代表的には少なくとも50重量%(重量/重量)の純度であること、並びに妨害タンパク質及び不純物が実質的にない(実質的に不含)ことを意味する。ときとして、薬剤は、少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%又は約95重量%の純度である。従来のタンパク質精製技術を用いて、少なくとも99重量%の均一なペプチドを得ることができる。
本明細書で使用されるように、「アルキニルフコースペルアセテート」は、文脈によって別断に示されない限り、(2S,3S,4R,5R,6S)及び(2R,3S,4R,5R,6S)異性体を含む6-エチニル-テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライルテトラアセテート、(2S,3S,4R,5R)及び(2R,3S,4R,5R)異性体を含む5-((S)-1-ヒドロキシプロプ-2-イニル)-テトラヒドロフラン-2,3,4-トリイルテトラアセテートを含む、R1-4位(下記の式I及びIIを参照)にアセテート基を有するアルキニルフコース(5-エチニルアラビノース)の任意又は全ての形、並びにアルドース形を意味する。「アルキニルフコーストリアセテート」、「アルキニルフコースジアセテート」及び「アルキニルフコースモノアセテート」という用語は、それぞれアルキニルフコースの示されたトリ、ジ及びモノアセテート形を意味する。
文脈によって別断に示されない限り、「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子(並びにその中の炭素原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)を有する置換又は非置換飽和直鎖状又は分枝状炭化水素を意味し、1~3個、1~8個又は1~10個の炭素原子が好ましい。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンイチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル及び3,3-ジメチル-2-ブチルである。
アルキル基は、単独であるか、又は別の基の一部としてであるかを問わず、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、=O、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基、好ましくは1~3個の基(及びハロゲンから選択される任意のさらなる置換基)で置換されていても良く、各R′は-H、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択される。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、さらに置換することができる。そのようなさらなる置換基としては、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、それ以上は置換されていない。
文脈によって別断に示されない限り、「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、2~20個の炭素原子(並びにその中の炭素原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)を有する置換又は非置換直鎖状及び分枝状炭素鎖を意味し、2~3個、2~4個、2~8個又は2~10個の炭素原子が好ましい。アルケニル鎖は鎖における少なくとも一つの二重結合を有し、アルキニル鎖は鎖における少なくとも一つの三重結合を有する。アルケニル基の例には、エチレン又はビニル、アリル、-1ブテニル、-2ブテニル、-イソブチレニル、-1ペンテニル、-2ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、-2メチル2ブテニル及び-2,3ジメチル2ブテニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。アルキニル基の例には、アセチレン系、プロパルギル、アセチレニル、プロピニル、-1ブチニル、-2ブチニル、-1ペンチニル、-2ペンチニル及び-3メチル1ブチニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
アルケニル及びアルキニル基は、単独であるか、又は他の基の一部としてであるかを問わず、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、=O、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基、好ましくは1~3個の基(及びハロゲンから選択される任意のさらなる置換基)で置換されていても良く、各R′はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択される。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、さらに置換されていても良い。そのようなさらなる置換基には、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″は-H、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、それ以上置換されていない。
文脈によって別断に示されない限り、「アルキレン」という用語は、1~20個の炭素原子(並びにその中の炭素原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)を有する置換又は非置換飽和分枝状又は直鎖状炭化水素遊離基を意味し、1~8個又は1~10個の炭素原子が好ましく、親アルカンの同じ又は2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られる二つの一価遊離基中心を有する。代表的なアルキレンには、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デカレン、1,4-シクロヘキシレンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
アルキレン基は、単独であるか、又は他の基の一部としてであるかを問わず、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、=O、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基、好ましくは1~3個の基(及びハロゲンから選択される任意のさらなる置換基)で置換されていても良く、各R′はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又は-アリールから独立に選択される。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、さらに置換されていても良い。そのようなさらなる置換基には、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、-アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、それ以上置換されていない。
文脈によって別断に示されない限り、「アリール」という用語は、親芳香環系の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって得られる6~20個の炭素原子(並びにその中の炭素原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)の置換又は非置換一価芳香族炭化水素遊離基を意味する。一部のアリール基は、例示的な構造において、「Ar」と表される。代表的なアリール基には、ベンゼン、置換ベンゼン、フェニル、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから得られる遊離基などがあるが、これらに限定されるものではない。
アリール基は、単独であるか、又は他の基の一部としてであるかを問わず、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、-NO、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上、好ましくは1~5個又は1~2個の基で置換されていても良く、各R′はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択される。一部の実施形態において、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、さらに置換されていることができる。そのようなさらなる置換基には、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″は-H、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。一部の実施形態において、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、それ以上置換されていない。
文脈によって別断に示されない限り、「複素環」という用語は、少なくとも1個の環原子がN、O、P又はSから選択されるヘテロ原子である、3~7個又は3~10個の環原子(環員とも呼ばれる)(並びにその中の炭素原子及びヘテロ原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)を有する置換又は非置換単環式環系を意味する。複素環は、N、O、P又はSから独立に選択される1~4個の環ヘテロ原子を有することができる。複素環における1以上のN、C又はS原子は、酸化されていても良い。単環式複素環は、好ましくは3~7個の環員(例えば、2~6個の炭素原子及びN、O、P又はSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子)を有する。ヘテロ原子を含む環は、芳香族又は非芳香族であり得る。別断の記載がない限り、複素環は、安定な構造をもたらすいずれかのヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基に結合している。
複素環は、Paquette, ″Principles of Heterocyclic Chemistry″(W.A. Benjamin, New York, 1968)、特に1、3、4、6、7及び9章;″The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A Series of Monographs″(John Wiley & Sons, New York, 1950年から現在まで)、特に13、14、16、19及び28章;並びにJ. Am. Chem. Soc., 82:5566(1960年)に記載されている。
「複素環」基の例には、例えば、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、フコシル、アジルジニル、アゼチジニル、オキシラニル、オキセタニル及びテトラヒドロフラニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
複素環基は、単独であるか、又は他の基の一部としてであるかを問わず、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基、好ましくは1~2個の基で置換されていても良く、各R′は-H、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又は-アリールから独立に選択される。一部の実施形態において、O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、アリール及びR′基は、さらに置換されていても良い。そのようなさらなる置換基には、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、-アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″は-H、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。一部の実施形態において、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、アリール及びR′基は、それ以上置換されていない。
例として、また限定されないが、炭素結合複素環は、次の位置:ピリジンの2、3、4、5又は6位;ピリダジンの3、4、5又は6位;ピリミジンの2、4、5又は6位;ピラジンの2、3、5又は6位;フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール又はテトラヒドロピロールの2、3、4又は5位;オキサゾール、イミダゾール又はチアゾールの2、4又は5位;イソオキサゾール、ピラゾール又はイソチアゾールの3、4又は5位;アジリジンの2又は3位;アゼチジンの2、3又は4位で結合させることができる。例示的な炭素結合複素環には、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-ピリジル、6-ピリジル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル、6-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、2-ピリダジニル、3-ピリダジニル、5-ピリダジニル、6-ピリダジニル、2-チアゾリル、4-チアゾリル又は5-チアゾリルなどがあり得る。
例として、また限定されないが、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン又は1H-インダゾールの1位;イソインドール又はイソインドリンの2位;及びモルホリンの4位で結合させることができる。さらにより代表的には、窒素結合複素環は、1-アジリジル、1-アゼチジル、1-ピロリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリル及び1-ピペリジニルなどである。
別断の記載がない限り、「炭素環」という用語は、全ての環原子が炭素原子である、3~6個の環原子(並びにその中の炭素原子の範囲及び特定の数の全ての組合せ及び下位組合せ)を有する置換又は非置換飽和又は不飽和非芳香族単環式環系を意味する。
炭素環基は、単独であるか、又は他の基の一部としてであるかを問わず、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R′、-OC(O)R′、-C(O)OR′、-C(O)NH、-C(O)NHR′、-C(O)N(R′)、-NHC(O)R′、-SR′、-SOR′、-S(O)R′、-S(O)R′、-OH、=O、-NH、-NH(R′)、-N(R′)及び-CNなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基、好ましくは1若しくは2個の基(及びハロゲンから選択される任意のさらなる置換基)で置換されていても良く、各R′はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択される。一部の実施形態において、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は、さらに置換されていても良い。そのようなさらなる置換基には、例えば、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、ハロゲン、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール、-C(O)R″、-OC(O)R″、-C(O)OR″、-C(O)NH、-C(O)NHR″、-C(O)N(R″)、-NHC(O)R″、-SR″、-SOR″、-S(O)R″、-S(O)R″、-OH、-NH、-NH(R″)、-N(R″)及び-CNなどがあり、各R″はH、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル又はアリールから独立に選択され、前記さらなる置換基は、好ましくは非置換である。いくつかの実施形態において、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-O-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルケニル)、-O-(C-Cアルキニル)、アリール及びR′基は置換されていない。
単環式炭素環置換基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペント-1-エニル、1-シクロペント-2-エニル、1-シクロペント-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、-1,3-シクロヘキサジエニル、-1,4-シクロヘキサジエニル、-1,3-シクロヘプタジエニル、-1,3,5-シクロヘプタトリエニル及び-シクロオクタジエニルなどがある。
なんらかの可変部がいずれかの構成要素又は式中に複数ある場合、各発生におけるその定義は、他の全てにおけるその定義から独立である。置換基及び/又は可変部の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
文脈によって別断に示されない限り、ハイフン(-)は、ペンダント分子への結合の箇所を表す。従って、「-(C-C10アルキレン)アリール」又は「-C-C10アルキレン(アリール)」という用語は、アルキレン遊離基がアルキレン遊離基の炭素原子のいずれかでペンダント分子に結合しており、アルキレン遊離基の炭素原子に結合している水素原子の1個が本明細書で定義するアリール遊離基で置換されている、本明細書で定義のC-C10アルキレン遊離基を意味する。
特定の基が「置換されて」いる場合、当基は、置換基のリストから独立に選択される、1以上の置換基、好ましくは1~5個の置換基、より好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1個~2個の置換基を有していても良い。しかしながら、当基は、一般的にハロゲンから選択されるいずれかの数の置換基を有することができる。
分子の特定の位置におけるいずれかの置換基又は可変部の定義は当分子の他所におけるその定義から独立であるものとする。本発明の化合物における置換基及び置換パターンは、化学的に安定であり、当技術分野で公知の技術並びに本明細書で示す方法により容易に合成することができる化合物を提供するために当業者が選択することができると理解される。
コアフコシル化の制御方法
本発明は、特定のレベルのコア非フコシル化で抗体及び抗体誘導体を製造する方法を提供する。この方法は、予測モデルへの入力として対応する培養パラメータ(例えば、細胞面積又は抗体力価の積分)と対となったフコシル化阻害剤に関連するパラメータ(例えば、フコシル化阻害剤の量又はフコシル化阻害剤添加の時間)を用いて、所与のフコシル化阻害剤(例えば、2-フルオロフコース)による抗体又は抗体誘導体非フコシル化レベルの正確な予測モデルを作ることができることを示す実施例で提供される予想外の結果に部分的に基づくものである。本明細書で使用される場合、「コアフコシル化」は、N結合型グリカンの還元末端でのフコースのN-アセチルグルコサミン(「GlcNAc」)への付加(「フコシル化」)を指す。そのような方法によって製造される抗体及び抗体誘導体も提供される。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体のFc領域(又はドメイン)に結合した複合型N-グリコシド結合型糖鎖の非フコシル化レベルは、特定量のフコシル化阻害剤を用いるか、抗体又は抗体誘導体培養時の特定の時点でフコシル化阻害剤を加えることで制御される。本明細書で使用される場合、「複合型N-グリコシド結合型糖鎖」は代表的には、アスパラギン297(Kabatの数による)に結合している.但し、複合型N-グリコシド結合型糖鎖は他のアスパラギン残基にも連結され得る。本明細書で使用される場合、複合型N-グリコシド結合型糖鎖は、主として下記の構造を有する二分岐型複合糖鎖を有する。
Figure 2022514299000002
上記において、±は糖分子が存在していても存在していなくても良いことを示しており、数字は糖分子間の連結位置を示している。上記の構造において、アスパラギンに結合している糖鎖末端は還元末端(右側)と称され、反対側は非還元末端と称される。フコースは通常、代表的にはα1,6結合(GlcNAcの6位がフコースの1位に連結している。)によって還元末端のN-アセチルグルコサミン(「GlcNAc」)に結合している。「Gal」はガラクトースを指し、「Man」はマンノースを指す。
「複合型N-グリコシド結合型糖鎖」は、マンノースのみがコア構造の非還元末端で組み込まれている高マンノース型の糖鎖を除外するものであるが、1)コア構造の非還元末端側がガラクトース-N-アセチルグルコサミン(「gal-GlcNAc」とも称される)の1以上の分岐を有し、Gal-GlcNAcの非還元末端側がシアル酸、バイセクティングN-アセチルグルコサミンなどを有していても良い複合型;又は2)コア構造の非還元末端が高マンノースN-グリコシド結合型糖鎖及び複合型N-グリコシド結合型糖鎖の両方の分岐を有するハイブリッド型を含む。
一部の実施形態において、「複合型N-グリコシド結合型糖鎖」は、コア構造の非還元末端側がガラクトース-N-アセチルグルコサミン(「gal-GlcNAc」とも称される)の0個、1個若しくは複数の分岐を有し、Gal-GlcNAcの非還元末端側がさらにシアル酸、バイセクティングN-アセチルグルコサミン又などの構造を有していても良い複合型を含む。
本発明の方法によれば、細胞系を培養することで生成した抗体又は抗体誘導体の複合型N-グリコシド結合型糖鎖に組み込まれたフコースの量を制御することができる。例えば、各種実施形態において、当該抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%又は5%(これらの値の中間の範囲を含む)のいずれかのコア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、当該抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%又は5%のいずれかより大きいコア非フコシル化を有する。
抗体又は抗体誘導体のコアフコシル化/非フコシル化パーセントは、そのような測定を行うための当業界で公知のいずれかの方法を用いて計算することができる。例えば、Quadrupole Time of Flight(Qtof)質量スペクトル装置分析を用いて、抗体コアフコシル化/非フコシル化パーセントを計算することができる。Qtofは、抗体重鎖の特徴的ピークの質量単位及び強度を提供する。抗体コアフコシル化Qtof分析において、スペクトラムは、二つの非還元末端にガラクトースが全くなく、コアフコシル化を有する炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G0」とも称する);非還元末端の一つがガラクトースを有し(二つの異性体の混合物)、コアフコシル化を有する炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G1」とも称する);非還元末端の両方がガラクトースを有し、コアフコシル化を有する炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G2」とも称する);二つの非還元末端のどちらにもガラクトースが全くなく、コアフコシル化がない炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G0-F」とも称する);非還元末端の一つがガラクトースを有し(二つの異性体の混合物)、コアフコシル化が全くない炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G1-F」とも称する);及び非還元末端の両方がガラクトースを有し、コアフコシル化が全くない炭化水素構造に相当するピーク(本明細書において、「G2-F」とも称する)などのいくつかのピークを含む。フコシル化の阻害は、G0ピークの強度低下及びG0-Fピークの増加によって表すことができる。従って、非フコシル化パーセントは、下記式を用いて計算することができる。
Figure 2022514299000003
フコシル化阻害剤の量
部の実施形態において、宿主細胞の培養によって生成する抗体又は抗体誘導体の複合型N-グリコシド結合型糖鎖に組み込まれたフコースの量は、培地に含まれるフコシル化阻害剤の量を変えることで制御することができる。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、加えるフコシル化阻害剤の量は、培養のd0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤の量は、入力として培地中に存在するフコシル化阻害剤の濃度及び培養パラメータを有する予測モデルを用いて求める。一部の実施形態において、培養パラメータは積分細胞面積(ICA)である。一部の実施形態において、1以上の(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)追加量のフコシル化阻害剤を培養時に加える。
一部の実施形態において、宿主細胞の培養によって生成する抗体又は抗体誘導体の複合型N-グリコシド結合型糖鎖に組み込まれるフコースの量は、培養時に特定の時点Tで加えるフコシル化阻害剤の量を変えることで制御することができる。一部の実施形態において、Tは、培養のd0、d1、d2、d3、d4、d5又はそれ以降のいずれかである。一部の実施形態において、Tは、培養のd5以内(例えば、d4、d3、d2、d1、又はd0のいずれか以内)である。一部の実施形態において、Tは培養のd0である。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、加えるフコシル化阻害剤の量はd0で加えた時に少なくとも約95%(問えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤の量は入力としてのTで加えられるフコシル化阻害剤の濃度及び培養パラメータを有する予測モデルを用いて求められる。一部の実施形態において、培養パラメータは積分細胞面積(ICA)である。一部の実施形態において、1以上の(例えば、2、3、4、5又はそれ以上)追加量のフコシル化阻害剤をT後に加える。
従って、一部の実施形態において抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベル(例えば、パーセント)を制御する方法であって、(a)所定量のフコシル化の阻害剤(A)存在下に培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];及び(b)抗体又は抗体誘導体を単離することを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、培養完了時に単離される。一部の実施形態において、Aは、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Aを決定することを含む。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、Aは、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、1以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の追加量のフコシル化阻害剤を培養時に加える。一部の実施形態において、前記フコシル化阻害剤の追加量の1以上は独立にAと同じであるかほぼ同じである。一部の実施形態において、前記フコシル化阻害剤の追加量の1以上は独立に、約A未満である。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベル(例えば、パーセント)を制御する方法であって、(a)培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現し、所定量のフコシル化の阻害剤(A)を時間Tに培地に加える。];及び(b)前記抗体又は抗体誘導体を単離することが本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、培養完了時に単離される。一部の実施形態において、Aは、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Aを決定することを含む。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、Aは、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、Tは培養のd0、d1、d2、d3、d4、d5又はそれ以降のいずれかである。一部の実施形態において、Tは、培養のd5以内(例えば、d4、d3、d2、d1、又はd0のいずれか以内)である。一部の実施形態において、Tは培養のd0である。一部の実施形態において、1以上の(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)追加量のフコシル化阻害剤をTに加える。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤の追加量の1以上は、独立にAと同一又はほぼ同一である。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤の追加量の1以上は独立に、約A未満である。
一部の実施形態において、Aを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、Aは、入力として複数の異なるフコシル化阻害剤量(例えば、d0から培地に存在しているか、Tで加えられるもの)及び培養物中の宿主細胞の細胞増殖パラメータを用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される。一部の実施形態において、予測モデルは、入力としての細胞増殖パラメータに正規化したフコシル化阻害剤を用いて生成される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、予測モデルを生成することを含む。一部の実施形態において、細胞増殖パラメータは積分細胞面積(ICA)である。
一部の実施形態において、複数のフコシル化阻害剤量(例えば、d0から培地中に存在しているもの、又はTに加えたもの)を用いて本明細書に記載の方法のいずれかによれば、少なくとも3(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上)種類の異なる量のフコシル化阻害剤を用いる。一部の実施形態において、前記複数の異なるフコシル化阻害剤量は、濃度における少なくとも約10倍(例えば、少なくとも約25倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1,000倍、2,000倍、3,000倍、4,000倍、5,000倍、6,000倍、7,000倍、8,000倍、9,000倍、10,000倍又はそれ以上のいずれか)差の範囲にわたる。一部の実施形態において、前記複数の異なるフコシル化阻害剤量は、濃度における少なくとも約1,000倍差の範囲にわたる。一部の実施形態において、前記複数の異なるフコシル化阻害剤量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量を超えるフコシル化阻害剤の量を全く含まない。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤は2FFであり、及び前記複数の異なる2FF量は約100μMより大きい濃度を全く含まない。
一部の実施形態において、Aを用いる本明細書で記載の方法のいずれかによれば、Aは、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、Aは、約1μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、50μM、55μM、60μM、65μM、70μM、75μM、80μM、85μM、90μM、95μM、100μM、120μM、140μM、160μM、180μM、200μM、220μM、240μM、260μM、280μM、300μM、320μM、340μM、360μM、380μM、400μM、420μM、440μM、460μM、480μM、500μM、520μM、540μM、560μM、580μM、600μM、620μM、640μM、660μM、680μM、700μM、720μM、740μM、760μM、780μM、800μM、820μM、840μM、860μM、880μM、900μM、920μM、940μM、960μM、980μM、1,000μM、又はそれ以上のいずれかであり、これらの値の中間のあらゆる範囲を含む。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。
一部の実施形態において、Aを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、フコシル化阻害剤は2FFであり、Aは約100μM未満(例えば、約99μM、98μM、97μM、96μM、95μM、94μM、93μM、92μM、91μM、90μM、89μM、88μM、87μM、86μM、85μM、84μM、83μM、82μM、81μM、80μM、79μM、78μM、77μM、76μM、75μM、74μM、73μM、72μM、71μM、70μM、69μM、68μM、67μM、66μM、65μM、64μM、63μM、62μM、61μM、60μM、59μM、58μM、57μM、56μM、55μM、54μM、53μM、52μM、51μM、50μM、49μM、48μM、47μM、46μM、45μM、44μM、43μM、42μM、41μM、40μM、39μM、38μM、37μM、36μM、35μM、34μM、33μM、32μM、31μM、30μM、29μM、28μM、27μM、26μM、25μM、24μM、23μM、22μM、21μM、20μM、19μM、18μM、17μM、16μM、15μM、14μM、13μM、12μM、11μM、10μM、9μM、8μM、7μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2μM、又は1μMのいずれか未満)である。
一部の実施形態において、予測モデルは、ICAに対して正規化した培地中に存在する2FF濃度に対して%非フコシル化をプロットし、ミカエリス・メンテン動力学式にその曲線を適合させて等式中の定数を求めることで生成される統計モデルである。
一部の実施形態において、A及びTを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、Tは、培養のd0、d1、d2、d3、d4、d5、又はそれ以降のいずれかである。一部の実施形態において、Tは、培養のd5以内(例えば、d4、d3、d2、d1、又はd0のいずれか以内)である。一部の実施形態において、Tは、培養のd0である。
一部の実施形態において、Aを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は、最大約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下のいずれかである。一部の実施形態において、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は最大約5%である。
一部の実施形態において、Aを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%(これらの値の中間のあらゆる範囲を含む)コア非フコシル化のいずれかを有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%のいずれかより大きいコア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約100%~約95%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約95%~約90%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約90%~約85%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約85%~約80%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約80%~約75%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約75%~約70%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約70%~約65%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約65%~約60%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約60%~約55%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約55%~約50%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約50%~約45%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約45%~約40%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約40%~約35%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約35%~約30%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約30%~約25%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約25%~約20%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約20%~約15%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約15%~約10%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約10%~約5%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約5%~約0%コア非フコシル化を有する。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベル(例えば、パーセント)を制御する方法であって、(a)所定量の2FF(A)を含む培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];及び(b)抗体又は抗体誘導体を単離することを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、培養完了時に単離される。一部の実施形態において、Aは、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Aを決定することを含む。一部の実施形態において、Aは、d0で加えた時に少なくとも約95%の(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、Aは、約100μM未満(例えば、約90μM、80μM、70μM、60μM、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、又はそれ以下のいずれか未満)である。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベル(例えば、パーセント)を制御する方法であって、(a)所定量の2FF(A)を含む培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];及び(b)抗体又は抗体誘導体を単離すること[Aは、入力としてTで加えた複数の異なる2FF量及び培地中の宿主細胞の細胞増殖パラメータを用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される。]を含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は培養完了時に単離される。一部の実施形態において、当該予測モデルは、入力としての細胞増殖パラメータに対して正規化された2FF量を用いて生成される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、予測モデルを生成することを含む。一部の実施形態において、細胞増殖パラメータは積分細胞面積(ICA)である。一部の実施形態において、Aは、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Aを決定することを含む。一部の実施形態において、Aは、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量未満である。一部の実施形態において、Aは、約100μM未満(例えば、約90μM、80μM、70μM、60μM、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、又はそれ以下のいずれか未満)である。
フコシル阻害剤添加の時期
一部の実施形態において、宿主細胞を培養することで生成した抗体又は抗体誘導体の複合型N-グリコシド結合型糖鎖に組み込まれるフコースの量は、フコシル化阻害剤を加える培養中の時間を変えることで制御することができる。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤は、培養のd0後に加えられる。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2-フルオロフコース(2FF)、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、加えられるフコシル化阻害剤の量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量若しくはほぼ飽和量である。一部の実施形態において、加えられるフコシル化阻害剤の量は、d0で加えた時に少なくとも約95%少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる約飽和量未満である。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤の添加時間は、入力としてフコシル化阻害剤添加時間及び培養パラメータを有する予測モデルを用いて決定される。一部の実施形態において、培養パラメータは抗体力価である。一部の実施形態において、抗体力価は、フコシル化阻害剤の添加時間での抗体力価である。一部の実施形態において、1以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の追加量のフコシル化阻害剤を、初回添加後に加える。
従って、一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法であって、(a)培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];(b)培養中の所定時間(T)で培地にある量のフコシル化の阻害剤を加えること;及び(c)前記抗体又は抗体誘導体を単離することを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は培養完了時に単離される。一部の実施形態において、Tは、(c)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Tを決定することを含む。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。一部の実施形態において、加えられるフコシル化阻害剤の量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量又は約飽和量である。一部の実施形態において、加えられるフコシル化阻害剤の量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる約飽和量未満である。一部の実施形態において、1以上の(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)追加量のフコシル化阻害剤は、初回添加後に加えられる。一部の実施形態において、1以上の前記追加量のフコシル化阻害剤は独立に、初回添加におけるフコシル化阻害剤の量と同じ又はほぼ同じである。一部の実施形態において、1以上の前記追加量のフコシル化阻害剤は独立に、初回添加におけるフコシル化阻害剤の量付近の量未満である。
一部の実施形態において、Tを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、Tは、入力として培養における複数の異なるフコシル化阻害剤添加時間での培養物中の抗体又は抗体誘導体の力価を用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、予測モデルを生成することを含む。
一部の実施形態において、複数の異なるフコシル化阻害剤添加時間を用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、フコシル化阻害剤の少なくとも3つ(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上)の異なる添加時間を用いる。一部の実施形態において、前記複数の異なるフコシル化阻害剤添加時間は、少なくとも約24時間(例えば、少なくとも約36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、168時間、180時間、192時間、204時間、216時間、228時間、240時間、又はそれ以上のいずれか)の範囲にわたる。一部の実施形態において、前記複数の異なるフコシル化阻害剤添加時間は、少なくとも約72時間の範囲にわたる。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。
一部の実施形態において、Tを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、Tで加えられるフコシル化阻害剤の量は、1μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、50μM、55μM、60μM、65μM、70μM、75μM、80μM、85μM、90μM、95μM、100μM、120μM、140μM、160μM、180μM、200μM、220μM、240μM、260μM、280μM、300μM、320μM、340μM、360μM、380μM、400μM、420μM、440μM、460μM、480μM、500μM、520μM、540μM、560μM、580μM、600μM、620μM、640μM、660μM、680μM、700μM、720μM、740μM、760μM、780μM、800μM、820μM、840μM、860μM、880μM、900μM、920μM、940μM、960μM、980μM、1,000μM、又はそれ以上のいずれかであり、これらの値の中間の範囲を含む。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤はフコース類縁体である。一部の実施形態において、フコース類縁体は、2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である。一部の実施形態において、フコース類縁体は2FFである。
一部の実施形態において、Tを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、フコシル化阻害剤は2FFであり、Tで加えられる2FFの量は、約100μM又は約100μM未満(例えば、約99μM、98μM、97μM、96μM、95μM、94μM、93μM、92μM、91μM、90μM、89μM、88μM、87μM、86μM、85μM、84μM、83μM、82μM、81μM、80μM、79μM、78μM、77μM、76μM、75μM、74μM、73μM、72μM、71μM、70μM、69μM、68μM、67μM、66μM、65μM、64μM、63μM、62μM、61μM、60μM、59μM、58μM、57μM、56μM、55μM、54μM、53μM、52μM、51μM、50μM、49μM、48μM、47μM、46μM、45μM、44μM、43μM、42μM、41μM、40μM、39μM、38μM、37μM、36μM、35μM、34μM、33μM、32μM、31μM、30μM、29μM、28μM、27μM、26μM、25μM、24μM、23μM、22μM、21μM、20μM、19μM、18μM、17μM、16μM、15μM、14μM、13μM、12μM、11μM、10μM、9μM、8μM、7μM、6μM、5μM、4μM、3μM、2μM、又は1μMのいずれか未満)である。
一部の実施形態において、Tを用いる本明細書に記載の方法のいずれかによれば、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は、最大約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下のいずれかである。一部の実施形態において、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差は、最大約5%である。
一部の実施形態において、を用いる本明細書に記載の方法のいずれかによればT、抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%のいずれか(これらの値の中間の範囲を含む)のコア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%のいずれかより大きいコア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約100%~約95%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約95%~約90%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約90%~約85%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約85%~約80%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約80%~約75%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約75%~約70%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約70%~約65%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約65%~約60%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約60%~約55%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約55%~約50%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約50%~約45%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約45%~約40%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約40%~約35%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約35%~約30%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約30%~約25%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約25%~約20%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約20%~約15%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約15%~約10%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約10%~約5%コア非フコシル化を有する。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、約5%~約0%コア非フコシル化を有する。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法であって、(a)培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];(b)培養中の所定時間(T)で培地に2FFを加えること;及び(c)抗体又は抗体誘導体を単離することを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は培養完了時に単離される。一部の実施形態において、Tは、(c)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化を有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Tを決定することを含む。一部の実施形態において、加えられる2FFの量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量又はほぼ飽和量である。一部の実施形態において、加えられる2FFの量は、約100μMである。
一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法であって、(a)培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];(b)培養中の所定時間(T)で培地に2FFを加えること;及び(c)抗体又は抗体誘導体を単離することを含む方法が本明細書において提供され、Tは、入力として培養における複数の異なる2FF添加時間での培養物中の抗体又は抗体誘導体の力価を用い、そして出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、培養完了時に単離される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、予測モデルを生成することを含む。一部の実施形態において、Tは、(c)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが、非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化のレベルを有するように決定される。一部の実施形態において、当該方法はさらに、Tを決定することを含む。一部の実施形態において、加えられる2FFの量は、d0で加えた時に少なくとも約95%(例えば、少なくとも約96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のいずれか)非フコシル化を生じる飽和量又はほぼ飽和量である。一部の実施形態において、加えられる2FFの量は、約100μMである。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は組換え宿主細胞である。一部の実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞はハイブリドーマである。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は流加培養で増殖される。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、宿主細胞は連続供給培養で増殖される。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、培地は少なくとも100リットルの体積を有する。一部の実施形態において、培地は少なくとも500リットルの体積を有する。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、培地は動物タンパク質不含培地である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体の単離は、細胞及び/又は培地から抗体又は抗体誘導体を単離することを含む。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の単離は、タンパク質Aカラムを用いることを含む。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体の単離は、カチオン若しくはアニオン交換カラム又は疎水性相互作用カラムを用いることを含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体はインタクト抗体である。一部の実施形態において、インタクト抗体はIgG1抗体である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は一本鎖抗体である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、及びFc領域を含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルを制御する方法のいずれかによれば、抗体又は抗体誘導体は、非免疫グロブリンタンパク質の抗体Fc領域及びリガンド結合ドメインを含む抗体誘導体である。
フコシル化阻害剤
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、フコシル化阻害剤を用いる。一部の実施形態において、フコシル化阻害剤は、対象者に投与した場合にイン・ビボで2FFに変換される2-フルオロフコース(2FF)又はフコース類縁体である。想定される別のフコシル化阻害剤には、米国特許第8,163,551号及び米国特許公開第20150238509号(これらは参照によって全内容が本明細書に組み込まれる)に開示のものなどがある。例えば、一部の実施形態において、フコシル化阻害剤は、下記で確認される式I又はIIのフコース類縁体である。
一部の実施形態において、当該フコース類縁体は、下記式(I)又は(II)を有するか、それの生物学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
Figure 2022514299000004
式中、式(I)又は(II)のそれぞれは、α若しくはβアノマー又は相当するアルドース型であることができ;
、R、R2a、R、R3a及びRのそれぞれは、独立に、OH、加水分解可能エステル基、加水分解可能エーテル基、及び小さい電子求引基から選択され;
は、-CH、-CHX、-CHX、置換されていないかハロゲンで置換されている-CH(X′)-C-Cアルキル、置換されていないかハロゲンで置換されている-CH(X′)-C-Cアルケン、置換されていないかハロゲンで置換されている-CH(X′)-C-Cアルキン、-CH=C(R10)(R11)、-C(CH)=C(R12)(R13)、-C(R14)=C=C(R15)(R16)、置換されていないかメチル若しくはハロゲンで置換されている-C炭素環、置換されていないかメチル若しくはハロゲンで置換されている-CH(X′)-C炭素環、置換されていないかメチル又はハロゲンで置換されているC複素環、置換されていないかメチル若しくはハロゲンで置換されている-CH(X′)-C複素環、-CH、-CHCH、及びベンジルオキシメチルからなる群から選択される構成員であり、又はRは小さい電子求引基であり;
10は、水素又は置換されていないかハロゲンで置換されているC-Cアルキルであり;
11は、置換されていないかハロゲンで置換されているC-Cアルキルであり;
12は、水素、ハロゲン又は置換されていないかハロゲンで置換されているC-Cアルキルであり;
13は、水素、又は置換されていないかハロゲンで置換されているC-Cアルキルであり;
14は水素又はメチルであり;
15及びR16は独立に、水素、メチル及びハロゲンから選択され;
Xはハロゲンであり;
X′はハロゲン又は水素であり;
さらに、R、R、R2a、R及びR3aのそれぞれが水素であっても良く;隣接する炭素原子上の二つのR、R、R2a、R及びR3aが組み合わされて、当該隣接する炭素原子間で二重結合を形成していても良く;
但し、R、R、R2a、R、R3a、R及びRのうちの少なくとも一つが小さい電子求引基であるか、Rがハロゲン、不飽和の部位、炭素環、複素環又はアジドを含む。
一部の選択される実施形態において、フコース類縁体は下記式を有するか、それのアルドース型である。
Figure 2022514299000005
式中、R、R、及びRのそれぞれは独立に、-OH又は加水分解可能エステル基である。一部の実施形態において、加水分解可能エステル基は-OC(O)C-C10アルキルである。一部の選択される実施形態において、加水分解可能エステル基は-OC(O)CHである。一部の実施形態において、R、R及びRのそれぞれは、独立に、-OH及び-OC(O)C-C10アルキルからなる群から選択される。一部の実施形態において、R、R及びRのそれぞれは、独立に、-OH及び-OC(O)CHからなる群から選択される。一部の実施形態において、R、R及びRのそれぞれは-OHである。一部の選択される実施形態において、フコース類縁体は2-デオキシ-2-フルオロ-L-フコースである。
抗体及び抗体誘導体
本発明の方法により製造することができる抗体は、モノクローナル、キメラ、ヒト化(ベニアを含む)又はヒト抗体であることができる。適切な抗体には、単鎖抗体、複合N-グリコシド結合型糖鎖を有するFc領域若しくはドメイン(例えば、ヒトIgG1 Fc領域若しくはドメイン)を有する同様なものなどの抗体断片などもある。Fc領域若しくはドメインは、Fcガンマ受容体結合部位を含むことができる。一部の実施形態において、抗体は、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ科動物、ウマ又はニワトリであることができる。
抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性又はより高度の多重特異性であり得る。多重特異性抗体は、異なる標的抗原の異なるエピトープに対して特異的であってよく、或いは同じ標的抗原上の異なるエピトープに対して特異的であってよい(例えば、WO93/17715、WO92/08802、WO91/00360、WO92/05793、Tutt et al., 1991, J. Immunol. 147:60-69、米国特許第4,474,893号、第4,714,681号、第4,925,648号、第5,573,920号及び第5,601,819号、Kostelny et al., 1992, J. Immunol. 148, 1547-1553を参照)。
抗体は、10-7M、5×10-8M、10-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10M、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×10-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M又は10-15Mなどの標的抗原に対するそれらの結合親和力によっても記述することができる。
一部の実施形態において、抗体は、キメラ抗体である。キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域及びヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体などの、抗体の異なる部分が異なる動物種由来である分子である。キメラ抗体を製造する方法は、当技術分野で公知である(例えば、Morrison, Science, 1985,229:1202;Oi et al., 1986, Bio Techniques, 4, 214;Gillies et al., 1989, J. Immunol. Methods, 125:191-202、米国特許第5,807,715号、第4,816,567号及び第4,816,397号を参照)。
一部の実施形態において、抗体は、ベニア抗体を含む、ヒト化抗体であり得る。ヒト化抗体は、所望の抗原に結合する抗体分子であり、非ヒト動物種からの1以上の相補性決定領域(CDR)、並びにヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク及び定常領域を有する。ヒト領域におけるフレームワーク残基は、抗原結合を変化させるか、又は好ましくは改善するために、CDRドナー抗体の対応する残基で置換することが多い。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法により、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデリング及び特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により同定される(例えば、Queen et al.、米国特許第5,585,089号、Riecbmann et al., 1988, Nature, 332, 323を参照)。抗体は、CDRグラフティング(欧州特許第0239400号、国際公開第91/09967号、米国特許第5,225,539号、第5,530,101号及び第5,585,089号)、ベニアリング又はリサーフェシング(欧州特許第0592106号、欧州特許第0519596号、Padlan, 1991, Molecular Immunology, 28(4/5), 489-498、Studnicka et al., 1994, Protein Engineering, 7(6), 805~814、Roguska et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 969-973)及びチェインシャフリング(米国特許第5,565,332号)(これらの参考文献のすべてが参照により本明細書に組み込まれる)などの当技術分野で公知の様々な技術を用いてヒト化することができる。
抗体は、ヒト抗体であることもできる。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを用いるファージディスプレイ法などの当技術分野で公知の様々な技術により製造することができる。例えば、米国特許第4,444,887号及び第4,716,111号、国際公開第98/46645号、国際公開第98/50433号、国際公開第98/24893号、国際公開第98/16654号、国際公開第96/34096号、国際公開第96/33735号及び国際公開第91/10741号を参照のこと。さらに、選択されるエピトープを認識するヒト抗体は、選択される非ヒトモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体を用いて、同じエピトープを認識する完全にヒト抗体の選択を誘導する「誘導選択(guided selection)」と呼ばれる技術を用いて作製することができる(例えば、Jespers, et al., 1994, Biotechnology, 12, 899-903を参照)。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを用いて産生させることもできる。抗原に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ法を用いて免疫化トランスジェニックマウスから得ることができる。ヒト抗体を製造する技術の概要については、Lonberg and Huszar, 1995, Int. Rev. Immunol., 13, 65-93を参照する。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を製造するこの技術の詳細な考察並びにそのような抗体を製造するためのプロトコールについては、例えば、PCT公開WO98/24893、WO92/01047、WO96/34096、WO96/33735、欧州特許第0598,877号、米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、第5,885,793号、第5,916,771号及び第5,939,598号を参照する。
抗体の例としては、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ(trastuzumab);Genentech)、RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ(rituximab); Genentech)、リンツズマブ(lintuzumab)(Seattle Genetics, Inc.)、パリビズマブ(Palivizumab)(Medimmune)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)(BTG)及びエプラツズマブ(Epratuzumab)(Immunomedics)などがある。
例示的実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、CD19、CD20、CD21、CD22、CD30、CD33、CD38、CD40、CD70、CD133、CD138又はCD276に特異的に結合する。他の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、BMPR1B、LAT1(SLC7A5)、STEAP1、MUC16、巨核球増強因子(MPF)、Napi3b、Sema 5b、PSCA hlg、ETBR(エンドセリンB型受容体)、STEAP2、TrpM4、CRIPTO、CD21、CD79a、CD79b、FcRH2、HER2、HER3、HER4、NCA、MDP、IL20Rα、ブレビカン(Brevican)、Ephb2R、ASLG659、PSCA、PSMA、GEDA、BAFF-R、CXCR5、HLA-DOB、P2X5、CD72、LY64、FCRH1又はIRTA2に特異的に結合する。
抗体は、例えば、ウエスタンブロット、放射線免疫検定法、ELISA(酵素結合イムノソルベント検定法)、「サンドイッチ」免疫検定法、免疫沈降検定法、免疫放射線検定法、蛍光免疫検定法及びプロテインA免疫検定法などの技術を用いた競合的及び非競合的免疫検定システムなどの従来の方法によって標的抗原への特異的結合について検定することができる(例えば、Ausubel et al., eds., Short Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., New York, 4, 1999)、Harlow & Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1999)を参照)。
さらに、標的抗原への抗体の結合親和力及び抗体-抗原相互作用のオフレート(off-rate)は、表面プラスモン共鳴、標識抗体を用いた競合的FACS又は他の競合的結合検定法により測定することができる。競合的結合検定法の一つの例は、漸増量の非標識抗体の存在下での標識抗原(例えば、H又は125I)と対象の抗体とのインキュベーション、及び標識抗原に結合した抗体の検出を含む放射免疫検定法である。抗体の親和力及び結合オフレートは、スキャッチャードプロット解析によりデータから決定することができる。第2抗体との競合も放射免疫検定法を用いて測定することができる。この場合、抗原を、漸増量の非標識第2抗体の存在下で標識化合物(例えば、H又は125I)に結合した対象の抗体とともにインキュベートする。或いは、抗体の結合親和力及び抗体-抗原相互作用のオンレート及びオフレートは、表面プラスモン共鳴により測定することができる。
抗体は、抗体の種類に応じた標準的方法により標的抗原の抗原含有断片から製造することができる(例えば、Kohler et al., Nature, 256, 495(1975)、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (C.S.H.P., NY, 1988)、Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 10029-10033(989)及びWO90/07861、Dower et al., WO91/17271並びにMcCafferty et al., WO92/01047 (それぞれがあらゆる点に関して参照により組み込まれている)を参照)。例として、モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ、組換え及びファージディスプレイ技術又はそれらの組合せの使用を含む様々な技術を用いて製造することができる。ハイブリドーマ技術は、例えば、Harlow et al., 前出、及びHammerling et al., In Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas, 563-681 (Elsevier, N.Y., 1981)に一般的に述べられている。抗体を製造するのに用いることができるファージディスプレイ法の例としては、例えば、Briinnan et al., 1995, J. Immunol. Methods, 182, 41-50、Ames et al., 1995, J. Immunol. Methods, 184, 177-186、Kettleborough et al., 1994, Eur. J. Immunol., 24, 952-958、Persic et al., 1997, Gene, 187, 9-18、Burton et al., 1994, Advances in Immunology, 57, 191-280、PCT出願番号PCT/GB91/01134、PCT公開WO90/02809、WO91/10737、WO92/01047、WO92/18619、WO93/11236、WO95/15982、WO95/20401並びに米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号及び第5,969,108号(開示が参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているものなどがある。
単鎖Fvs及び抗体を製造するのに用いることができる技術の例としては、米国特許第4,946,778号及び第5,258,498号、Huston et al., 1991, Methods in Enzymology, 203, 46-88、Shu et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 7995-7999並びにSkerra et al., 1988, Science, 240, 1038-1040に記載されているものなどがある。
抗体誘導体の例としては、結合ドメインが例えば、リガンド、受容体の細胞外ドメイン、ペプチド、天然に存在しないペプチドなどであり得る、結合ドメイン-Ig融合体などがある。免疫グロブリン又はFc領域との具体例としての融合体としては、sTNFRIIとFc領域との融合タンパク質であるエタナーセプト(etanercept)(米国特許第5,605,690号)、抗原提示細胞上で発現したLFA-3とFc領域との融合タンパク質であるアレファセプト(alefacept)(米国特許第5,914,111号)、細胞障害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4)とFc領域との融合タンパク質(J. Exp. Med., 181, 1869(1995))、インターロイキン15とFc領域との融合タンパク質(J. Immunol., 160, 5742(1998))、第VII因子とFc領域との融合タンパク質(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98, 12180(2001))、インターロイキン10とFc領域との融合タンパク質(J. Immunol., 154, 5590(1995))、インターロイキン2とFc領域との融合タンパク質(J. Immunol., 146, 915(1991))、CD40とFc領域との融合タンパク質(Surgery, 132, 149(2002))、Flt-3(fms様チロシンキナーゼ)と抗体Fc領域との融合タンパク質(Acta. Haemato., 95, 218(1996))、OX40と抗体Fc領域との融合タンパク質(J. Leu. Biol., 72, 522(2002))並びに他のCD分子(例えば、CD2、CD30(TNFRSF8)、CD95(Fas)、CD106(VCAM-I)、CD137)、接着分子(例えば、ALCAM(活性化白血球細胞接着分子)、カドヘリン、ICAM(細胞内接着分子)-1、ICAM-2、ICAM-3)、サイトカイン受容体(例えば、インターロイキン-4R、インターロイキン-5R、インターロイキン-6R、インターロイキン-9R、インターロイキン-10R、インターロイキン-12R、インターロイキン-13Rアルファ1、インターロイキン-13Rアルファ2、インターロイキン-15R、インターロイキン-21Rアルファ)、ケモカイン、細胞死誘導シグナル分子(例えば、B7-H1、DR6(細胞死受容体6)、PD-1(プログラム死-1)、TRAIL R1)、共刺激分子(例えば、B7-1、B7-2、B7-H2、ICOS(誘導共刺激因子))、成長因子(例えば、ErbB2、ErbB3、ErbB4、HGFR)、分化誘導因子(例えば、B7-H3)、活性化因子(例えば、NKG2D)、シグナル伝達分子(例えば、gp130)、BCMA及びTACIとの融合タンパク質などがある。
非コアフコシル化抗体及び抗体誘導体を製造する方法
本発明の方法において有用である抗体及びその誘導体は、ハイブリドーマ、骨髄腫又は他の抗体発現哺乳類細胞から組換え発現技術により製造することができる。標的抗原に結合する抗体又はその誘導体の組換え発現は概して、抗体又はその誘導体をコードする核酸を含む発現ベクターの構築を必要とする。そのようなタンパク質をコードする核酸が得られたら、当技術分野で周知の技術を用いる組換えDNA技術により、タンパク質分子の製造用のベクターを生成させることができる。Sambrook and Russel, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor, N. Y., 3, 2001)、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 2, 1989)、Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons, New York, 4, 1999)並びにGlick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applications of Recombinant DNA(ASM Press, Washington, D.C., 2, 1998)に記載されているような標準的技術を組換え核酸法、核酸合成、細胞培養、トランスジーン組み込み及び組換えタンパク質発現に用いることができる。
例えば、抗体の組換え発現のために、発現ベクターは、その重鎖又は軽鎖、或いはプロモーターに作動可能に連結された重鎖又は軽鎖可変ドメインをコードしてよい。発現ベクターは、例えば、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含んでいてよく(例えば、WO86/05807、WO89/01036及び米国特許第5,122,464号を参照)、抗体の可変ドメインは、完全な重鎖又は軽鎖の発現のためにそのようなベクター内にクローニングすることができる。発現ベクターを当技術分野で公知の技術により宿主細胞に転移し、次いで、トランスフェクト細胞をフコシル化阻害剤の存在下で当技術分野で公知の技術により培養して、抗体を産生させる。一般的に、二本鎖抗体の発現のために、重及び軽鎖の両方をコードするベクターを、完全な免疫グロブリン分子の発現のために宿主細胞中で共発現させることができる。
抗体又はその誘導体を発現させるために、様々な哺乳類細胞及び細胞株を用いることができる。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(例えば、DG44、Dxb11、CHO-K、CHO-K1及びCHO-S)などの哺乳類細胞を用いることができる。一部の実施形態において、ヒト細胞株を用いる。適切な骨髄腫細胞株は、SP2/0及びIR983F並びにNamalwaなどのヒト骨髄腫細胞株などである。他の適切な細胞としては、ヒト胚腎臓細胞(例えば、HEK293)、サル腎臓細胞(例えば、COS)、ヒト上皮細胞(例えば、HeLa)、PERC6、Wil-2、ジャーカット、ベロ、Molt-4、BHK及びK6H6などがある。他の適切な宿主細胞としては、YB2/0細胞などがある。他の実施形態において、宿主細胞は、YB2/0細胞でない。
一部の実施形態において、宿主細胞は、ハイブリドーマからの細胞である。一部の実施形態において、宿主細胞は、NS0骨髄腫細胞を用いて発生させた融合により生成させたハイブリドーマでない。他の実施形態において、宿主細胞は、ハイブリドーマでない。
一部の実施形態において、宿主細胞は、フコーストランスポーター遺伝子ノックアウトを含まない。一部の実施形態において、宿主細胞は、フコシルトランスフェラーゼ(例えば、FUT8)遺伝子ノックアウトを含まない。一部の実施形態において、宿主細胞は、核酸をコードするGnTIIIのノックインを含まない。一部の実施形態において、宿主細胞は、核酸をコードするゴルジアルファマンノシダーゼIIのノックインを含まない。
抗体又はその誘導体を発現させるために、様々な哺乳類宿主発現ベクター系を用いることができる。例えば、ヒトサイトメガロウイルスの主要中早期遺伝子プロモーターエレメント(major intermediate early gene promoter element)又はチャイニーズハムスター卵巣EF-1αプロモーターなどのベクターに連結したチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(例えば、DG44、Dxb11、CHO-K、CHO-K1及びCHO-S)などの哺乳類細胞は、抗体又はその誘導体の産生のための有効な発現系である(例えば、Foecking et al., 1986, Gene, 45, 101、Cockett et al., 1990, Bio/Technology, 8, 2、Allison, 米国特許第5,888,809号を参照)。
細胞株を適切な培地中で培養する。適切な培地は、成長に必要な、例えば、塩、炭素源(例えば、糖)、窒素源、アミノ酸、微量元素、抗生物質、選択剤などを含むものなどである。例えば、Ham′s FlO(Sigma)、最少必須培地(MEM、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、ダルベッコの修正イーグル培地(DMEM、Sigma)、PowerCHO(商標名)細胞培地(Lonza Group Ltd.)、ハイブリドーマ血清不含有培地(Hybridoma Serum-Free Medium)(HSFM)(GIBCO)などの市販の培地は、宿主細胞を培養するのに適している。これらの培地のいずれかに必要に応じてホルモン及び/又は他の成長因子(インスリン、トランスフェリン又は表皮成長因子)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩など)、緩衝剤(HEPESなど)ヌクレオチド(アデノシン及びチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標名)など)、微量元素(マイクロモル範囲の最終濃度で通常存在する無機化合物と定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を追加してよい。他の必要な補足物も当業者に公知であるような適切な濃度で含めることができる。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択した宿主細胞について以前に用いたものであってよく、当業者には明らかであろう。
抗体又は抗体誘導体を発現する細胞は、適切な体積の培地中で宿主細胞を増殖させることによって培養することができる。細胞は、Tフラスコ、スピンナー及びシェーカーフラスコ、WaveBag(登録商標)バッグ、ローラボトル、バイオリアクター及び撹拌槽型バイオリアクターなどの適切な培養システムで、当技術分野で公知の方法により培養することができる。足場依存性細胞も撹拌槽型バイオリアクター中懸濁液中に保持されているマイクロ担体、例えば、ポリマースフェア上で培養することができる。或いは、細胞は、単一細胞懸濁液中で増殖させることができる。培地は、培地を単一バッチで細胞に1回加えるバッチ法で、或いは培地の小バッチを定期的に加える流加培養法(fed batch)で加えることができる。培地は、培養の終了時に、又は培養中に数回採集することができる。連続潅流培養法も当技術分野で公知であり、新鮮培地を培養中に連続供給すると同時に、同じ体積を反応器から連続的に抜き出すことを必要とする。潅流培養は、一般的にバッチ培養より高い細胞密度を達成し、これを反復収集で数週間又は数ヵ月間維持することができる。
バッチ培養で成長させる細胞について、培地の容積は、一般的に少なくとも750mL、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、10リットル、15リットル、20リットル又はそれ以上である。産業上の利用においては、培地の容積は、少なくとも100リットル、少なくとも200リットル、少なくとも250リットル、少なくとも500リットル、少なくとも750リットル、少なくとも1000リットル、少なくとも2000リットル、少なくとも5000リットル又は少なくとも10000リットルであり得る。
一部の実施形態において、本発明の方法により産生される抗体又は抗体誘導体は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%の非コアフコシル化タンパク質(例えば、コアフコシル化を欠く)を含む。一部の実施形態において、本発明の方法により産生される抗体又は抗体誘導体は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の非コアフコシル化抗体又は抗体誘導体を含む。一部の実施形態において、本発明の方法により産生される抗体又は抗体誘導体の組成物は、100%未満の非コアフコシル化抗体及び/又は抗体誘導体を含む。
フコースが糖鎖の還元末端におけるN-アセチルグルコサミンに結合している糖鎖に対するフコースが糖鎖の還元末端におけるN-アセチルグルコサミンに結合していない糖鎖の含量(例えば、比)は、当業界で公知のいずれかの方法に従って測定することができる。そのような方法は、ヒドラジン分解又は酵素消化を行い(例えば、Reiko Takahashiにより編集されたBiochemical Experimentation Methods 23:Method for Studying Glycoprotein Sugar Chain(Japan Scientific Societies Press)(1989)を参照)、放出された糖鎖の蛍光標識又は放射性同位体標識を行い、次いで、標識糖鎖をクロマトグラフィーにより分離する方法などである。また、放出された糖鎖の組成は、HPAEC-PAD法により糖鎖を分析することにより測定することができる(例えば、J. Liq Chromatogr., 6, 1557(1983)を参照)(概して、米国特許出願公開第2004-0110282号を参照)。
一部の実施形態において、本発明の方法により産生される抗体又は抗体誘導体は、フコシル化阻害剤の非存在下で産生される抗体又は抗体誘導体より高いエフェクター機能(例えば、ADCC活性)を有する。エフェクター機能活性は、本明細書に記載の方法のいずれかによって調整することができる。ADCC活性は、当技術分野で公知のアッセイを用いて測定することができ、例示的な実施形態において、コアフコシル化親抗体と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍又は20倍増加する。抗原陽性培養細胞株に対する細胞障害活性は、エフェクター機能を測定することによって評価することができる(例えば、Cancer Immunol. Immunother., 36, 373(1993)に記載の方法に従って)。
抗体又は抗体誘導体は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析及びアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製することができ、アフィニティクロマトグラフィーが好ましい精製技術である。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの適合性は、動物種及び抗体又は抗体誘導体に存在するいずれかの免疫グロブリンFcドメインのイソ型に依存する。プロテインAは、ヒトIgG1、2又は4重鎖に基づく抗体又は抗体誘導体を精製するために用いることができる。
プロテインGは、マウスイソ型並びに一部のヒト抗体又は抗体誘導体に用いることができる。アフィニティリガンドが結合しているマトリックスは、アガロースであることが最も多いが、他のマトリックスが利用可能である。細孔性ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスにより、アガロースを用いて達成可能なものより速い流速及び短い処理時間が可能となる。抗体又は抗体誘導体がC3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標名)樹脂(J. T. Baker, Phillipsburg, NJ)が精製に有用である。イオン交換カラム(陽イオン又は陰イオン交換)での分別、エタノール沈澱、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標名)でのクロマトグラフィー、陰イオン又は陽イオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラムなど)でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE及び硫酸アンモニウム沈澱などのタンパク質精製の他の技術も、回収する抗体又は抗体誘導体によって利用可能である。
精製段階(単数又は複数)の後、目的とする抗体又は抗体誘導体及び不純物を含む混合物を低pH疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、pH約2.5~4.5の溶出緩衝液を用い、好ましくは低塩濃度(例えば、約0~0.25M塩)で実施する)にかけることができる。
抗体又は抗体誘導体の使用
本発明の方法により調製される抗体及び抗体誘導体は、様々な治療適用分野及び治療以外の適用分野に用いることができる。例えば、抗体は、治療用抗体として用いることができる。抗体誘導体(例えば、受容体-Fc融合体)は、治療用分子として用いることができる。一部の実施形態において、抗体又は抗体誘導体は、他の分子に結合されていない。一部の実施形態において、抗体は、適切な薬物(例えば、抗体薬物結合体)又は他の活性薬に結合されている。抗体及び抗体誘導体は、診断アッセイ、予後アッセイ、放出アッセイなどの治療以外の目的にも用いることができる。
医薬組成物
本発明の方法により調製される抗体及び抗体誘導体は、治療適用分野及び治療以外の適用分野向けに製剤することができる。抗体及び誘導体は、治療上又は予防上有効な量の抗体又は誘導体及び1以上の薬学的に適合性のある(許容される)成分を含む医薬組成物として製剤することができる。例えば、医薬又は非医薬組成物は、一般的に1以上の担体(例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物又は合成由来のものを含む、水及び油などの滅菌液体)を含む。水は、医薬組成物を静脈内投与する場合のより一般的な担体である。生理食塩溶液並びにデキストロース及びグリセロール水溶液も特に注射用溶液の液体担体として用いることができる。適切な賦形剤としては、例えば、アミノ酸、デンプン、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどがある。組成物は、所望の場合、微量の湿展剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含んでいてよい。これらの組成物は、液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形態をとり得る。適切な医薬担体の例は、E.W. Martinにより「Remington′s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。そのような組成物は代表的には、患者への適切な投与のための形を与えるための、適切な量の担体とともに、代表的には精製された形の治療上有効な量のタンパク質を含む。製剤は、投与方法に対応する。
代表的には、静脈内投与用組成物は、滅菌等張性水性緩衝液に溶解した溶液である。必要な場合、該薬剤は、可溶化剤及び注射部位の疼痛を軽減するためにリグノカインなどの局所麻酔薬も含んでいてよい。一般的に、成分は、例えば、活性物質の量を表示したアンプル又はサシェットなどの密封容器に入れた乾燥した凍結乾燥粉末又は水不含有濃縮物として別個に又は合わせて混合して単位剤形で供給する。該薬剤を注入により投与すべきである場合、滅菌医薬用水又は生理食塩水を含む注入瓶を用いて調剤することができる。該薬剤を注射により投与する場合、投与前に成分を混合することができるように、滅菌注射用水又は生理食塩水のアンプルを提供することができる。
本発明について、下記の実施例でさらに説明するが、それらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例)
mAb%非フコシル化の2FF濃度及びICA依存性
本試験では、工業的に関連するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を用いた。細胞系は、ジヒドロ葉酸マイナス(dhfr-)CHO宿主(Urlaub G, Chasin LA, Isolation of Chinese hamster cell mutants deficient in dihydrofolate reductase activity. Proc Natl Acad Sci USA 77:4216-4220, 1980)由来であった。工業標準的特許取得既知組成培地を用い、振盪フラスコ中で細胞を培養及び維持した。振盪フラスコ培養条件は、規模拡大及び培養終了を通じて37℃、5%COであった。細胞の培養には、工業標準的特許取得基礎培地及び流加培地を用いた。培養物には、可変の供給体積を加えた。培養を通じて、グルコース濃度を維持した。
2-フルオロフコース(2FF)を、細胞培養プロセス開始時に、10~100mM原液で細胞培地に加えた。0~100μMの範囲の複数の濃度を、異なる抗体配列を産生する複数の細胞系について試験した。培養の全期間にわたり1日1回1mLのサンプルを採取して、細胞培養プロセスをモニタリングし、自動細胞カウンターを用いて生存細胞密度(VCD)を測定した。図1Aに、調べた例示的細胞系についての代表的な増殖曲線を示している。培養終了後、細胞培養液を回収し、遠心し、タンパク質Aクロマトグラフィー法を用いて精製した。HILIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)アッセイを用いて、タンパク質A精製サンプルについてグリコシル化を測定することで、mAb中の非フコシル化種%を比として定量した。
2FF濃度及び細胞密度を用いる調整
2FFの消費率(積分細胞面積(ICA)にわたる2FF濃度の比、生存細胞密度曲線下の面積)を、調べる濃度範囲で推算した。%非フコシル化を、[2FF濃度]/ICAに対してプロットして、複数の細胞系に関して非フコシル化についての単一飽和曲線を形成した(図1B参照)。この曲線は、複数の細胞系横断的な非フコシル化の予測を一元化するものである。この曲線をミカエリス・メンテン動力学式に当てはめて、その式における定数を決定した。
図1Bに示したように、超えたらさらなる2FFが非フコシル化を増加させない飽和限界を観察した。この経験的モデルは、ICAが既知である場合に特定の細胞系についての非フコシル化の推算を可能とし、複数のCHO細胞系横断的に関係を一元化するものである。さらに、そのモデルは、非フコシル化を調整して完全飽和若しくは部分飽和を達成する手段を提供するものである。
mAb%非フコシル化の飽和2FF添加時間及び飽和2FF添加時の抗体力価への依存性
本試験では、工業的に妥当なチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を用いた。細胞系は、ジヒドロ葉酸マイナス(dhfr-)CHO宿主(Urlaub G, Chasin LA, Isolation of Chinese hamster cell mutants deficient in dihydrofolate reductase activity. Proc Natl Acad Sci USA 77:4216-4220, 1980)由来であった。工業標準的特許取得既知組成培地を用い、振盪フラスコ中で細胞を培養及び維持した。振盪フラスコ培養条件は、規模拡大及び培養終了を通じて37℃、5%COであった。細胞の培養には、工業標準的特許取得基礎培地及び流加培地を用い、培養物には、可変の供給体積を加えた。培養を通じて、グルコース濃度を維持した。
2FF添加時間を用いる調整
非フコシル化に対するフコシル化阻害剤2FF添加のタイミングの効果を、異なる抗体を産生する二つの工業的に関連するCHO細胞系(細胞系A及び細胞系B)を用いて調べた。図2Aに示したように、前記二つの細胞系についての抗体産生曲線は異なる動力学を有する。2FFを、100mM原液から細胞培地に加えて、100μMの最終濃度に到達させた。添加は、培養プロセスの第0日及又は第3日に行った。培養終了後、細胞培養溶液を回収し、遠心し、タンパク質Aクロマトグラフィー法を用いて精製した。実施例1に記載のHILICアッセイを用いて、非フコシル化レベルについてサンプルを分析した。第3日までに抗体のかなりの割合を生じた細胞系Aにおいて、部分非フコシル化が観察され(図2B)、それとは異なり、細胞系B(図2C)では、第3日までに最終日抗体力価のあまり多くの割合を生じなかった。この経験的モデルは、抗体産生曲線が既知である場合に特定の細胞系についての非フコシル化の推算を可能とするものである。
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態により範囲が限定されるものではない。本明細書に記載のものに加えて、本発明の各種改変が、前記の説明及び添付図面から当業者には明らかになるであろう。そのような改変は、添付の特許請求の範囲に包含されるものである。文脈から別断に明らかでない限り、本発明のあらゆる段階、要素、実施形態、特徴又は態様は、任意の他のものと組み合わせて用いることができる。本願で言及された全ての特許出願、並びに科学刊行物、受託番号などは、あたかも個別に示されたかのように同程度まで、あらゆる点に関して全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (42)

  1. 抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法であって、
    (a)所定量のフコシル化阻害剤(A)の存在下に培地中で宿主細胞を培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];
    (b)抗体又は抗体誘導体を単離することを含み、
    は、(b)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化のレベルが標的レベルの非フコシル化からの最大偏差を超えない非フコシル化レベルを有するように事前に決定される、方法。
  2. 前記抗体又は抗体誘導体が培養完了時に単離される、請求項1に記載の方法。
  3. を決定することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. が、入力として複数の異なるフコシル化阻害剤量及び培養物中の宿主細胞の細胞増殖パラメータを用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体のフコシル化レベルを用いて生成された予測モデルに基づいて決定される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記予測モデルが、入力として前記細胞増殖パラメータに対して正規化されたフコシル化阻害剤量を用いて生成される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記細胞増殖パラメータが積分細胞面積(ICA)である、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記予測モデルを生成することをさらに含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記フコシル化阻害剤がフコース類縁体である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記フコース類縁体が、2-フルオロフコース(2FF)、式Iの化合物、又は式IIの化合物である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記フコース類縁体が2FFである、請求項9に記載の方法。
  11. 非フコシル化の標的レベルが、
    (a)約100%~約90%;
    (b)約90%~約80%;
    (c)約80%~約70%;
    (d)約70%~約60%;
    (e)約60%~約50%;
    (f)約50%~約40%;
    (g)約40%~約30%;
    (h)約30%~約20%;
    (i)約20%~約10%;又は
    (j)約10%~約0%
    である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 非フコシル化の標的レベルが、
    (a)約80%より高く;
    (b)約60%より高く;
    (c)約40%より高く;
    (d)約20%より高く;
    (e)約10%より高く;又は
    (f)約5%より高い、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 非フコシル化の標的レベルからの最大偏差が最大10%である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 非フコシル化の標的レベルからの最大偏差が最大5%である、請求項13に記載の方法。
  15. 抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを制御する方法であって、
    (a)宿主細胞を培地で培養すること[当該宿主細胞は、糖鎖の還元末端のN-アセチルグルコサミンを介してFcドメインに結合した少なくとも一つの複合型N-グリコシド結合型糖鎖を有するFcドメインを有する抗体又は抗体誘導体を発現する。];
    (b)培養中の所定時間(Tp)で培地に飽和量のフコシル化阻害剤を加えること[前記飽和量のフコシル化阻害剤により、培養d0で加えた時に少なくとも約95%非フコシル化を生じる。];及び
    (c)前記抗体又は抗体誘導体を単離すること
    を含み、
    Tpが、(c)の単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルが非フコシル化の標的レベルからの最大偏差を超えない非フコシル化レベルを有するように予め決定される、方法。
  16. 前記抗体又は抗体誘導体を培養完了時に単離する、請求項15に記載の方法。
  17. Tpを決定することをさらに含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. Tpが、入力として培養における複数の異なる飽和フコシル化阻害剤添加時点での培養物中の抗体又は抗体誘導体の力価を用い、出力として単離された抗体又は抗体誘導体の非フコシル化レベルを用いて生成される予測モデルに基づいて決定される、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記予測モデルを生成することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記フコシル化阻害剤がフコース類縁体である、請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記フコース類縁体が2FF、式Iの化合物、又は式IIの化合物である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記フコース類縁体が2FFである、請求項21に記載の方法。
  23. 非フコシル化の標的レベルが、
    (a)約100%~約90%;
    (b)約90%~約80%;
    (c)約80%~約70%;
    (d)約70%~約60%;
    (e)約60%~約50%;
    (f)約50%~約40%;
    (g)約40%~約30%;
    (h)約30%~約20%;
    (i)約20%~約10%;又は
    (j)約10%~約0%
    である、請求項15~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 非フコシル化の標的レベルが、
    (a)約80%より高く;
    (b)約60%より高く;
    (c)約40%より高く;
    (d)約20%より高く;
    (e)約10%より高く;又は
    (f)約5%より高い、
    請求項15~22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 非フコシル化の標的レベルからの最大偏差が最大10%である、請求項15~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 非フコシル化の標的レベルからの最大偏差が最大5%である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記宿主細胞が組換え宿主細胞である、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記宿主細胞がハイブリドーマである、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記宿主細胞が流加培養で増殖される、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記宿主細胞が連続供給培養で増殖される、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記培地が少なくとも100リットルの体積を有する、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記培地が少なくとも500リットルの体積を有する、請求項32に記載の方法。
  34. 前記培地が動物タンパク質不含培地である、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記抗体又は抗体誘導体の単離が前記細胞及び/又は前記培地から抗体又は抗体誘導体を単離することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記抗体又は抗体誘導体の単離がタンパク質Aカラムを用いることを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 塩基抗体又は抗体誘導体の単離がカチオン若しくはアニオン交換カラム又は疎水性相互作用カラムを用いることを含む、請求項35に記載の方法。
  38. 前記抗体又は抗体誘導体がインタクト抗体である、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記インタクト抗体がIgG1抗体である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記抗体又は抗体誘導体が一本鎖抗体である、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記抗体又は抗体誘導体が、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、及びFc領域を含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記抗体又は抗体誘導体が非免疫グロブリンタンパク質の抗体Fc領域及びリガンド結合ドメインを含む抗体誘導体である、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
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