JP2022512873A - B型肝炎ウイルス(hbv)に対して活性を有する新規尿素6,7-ジヒドロ-4h-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン - Google Patents

B型肝炎ウイルス(hbv)に対して活性を有する新規尿素6,7-ジヒドロ-4h-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン Download PDF

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Abstract

本発明は、概して新規の抗ウイルス薬に関する。具体的には、本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)によってコードされるタンパク質を阻害することができる、またはHBV複製サイクルの機能に干渉することができる化合物、そのような化合物を含む組成物、HBVウイルス複製を阻害する方法、HBV感染の治療または予防のための方法、および化合物を製造するためのプロセスおよび中間体に関する。

Description

本発明は、概して、新規抗ウイルス薬に関する。詳細には、本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)によりコードされたタンパク質を阻害またはHBV複製サイクルの機能を妨げることができる化合物、かかる化合物を含む組成物、HBVウイルス複製の阻害方法、HBV感染症の治療または予防方法、ならびに該化合物の製造方法に関する。
慢性HBV感染症は、世界人口の5%を超える世界の重大な健康問題である(世界的に350百万人を超え、米国で1.25百万人)。予防HBVワクチンの利用にもかかわらず、慢性HBV感染症の負荷は、最善でない治療の選択肢および発展途上世界の大部分における新しい感染症の持続率のせいで未だ対処されていない重大な世界的医療問題であり続けている。現在の治療は治癒を提供せず、2種類の薬剤(インターフェロンαおよびウイルスポリメラーゼのヌクレオシド類似体/阻害剤)のみに限定され;薬剤耐性、低有効性、および耐容性問題はその効果を限定する。
HBVの低治癒率は、少なくとも部分的に、ウイルス産生の完全抑制が単一抗ウイルス薬で達成するのが困難である事実、ならびに感染肝細胞の核内の共有結合性閉環状DNA(cccDNA)の存在および持続に起因する。しかしながら、HBV DNAの持続的抑制は、肝疾患進行を遅延し、肝細胞がん(HCC)の予防を助ける。
HBV感染患者のための現在の治療目標は、血清HBV DNAを低レベルまたは検出できないレベルまで低下させること、ならびに硬変症およびHCCの発症を極めて低減または予防することを対象とする。
HBVは、ヘパドナウイルスファミリー(ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae))のエンベロープ、部分的二本鎖DNA(dsDNA)ウイルスである。HBVカプシドタンパク質(HBV-CP)は、HBV複製において必要不可欠な役割を果たす。HBV-CPの主な生物機能は、プレゲノムRNAをカプシド形成し、細胞質においてカプシドタンパク質二量体の多数の複製物から自然に自己会合する未成熟カプシド粒子を形成する構造タンパク質として働くことである。
HBV-CPは、そのC末端リン酸化部位の示差的リン酸化により、ウイルスDNA合成を調節する。HBV-CPは、HBV-CPのC末端領域のアルギニンリッチドメインに位置する核内移行シグナルによって、ウイルス弛緩型環状ゲノムの核移行を促進する可能性がある。
核内では、ウイルスcccDNAミニ染色体の成分として、HBV-CPは、cccDNAミニ染色体の機能性における構造的および規則的役割を果たすことができる。HBV-CPは、小胞体(ER)におけるウイルスの大きいエンベロープタンパク質と相互作用し、肝細胞からのインタクトなウイルス粒子の遊離を引き起こす。
HBV-CP関連抗HBV化合物は報告されている。例えば、AT-61およびAT-130と名付けられた化合物を含むフェニルプロペンアミド誘導体(Feld J. et al.Antiviral Res.2007,76,168)、ならびにValeant(国際公開第2006/033995号)からのチアゾリジン-4-オンの分類は、プレゲノムRNA(pgRNA)パッケージングを阻害することが分かった。
F. Hoffmann-La Roche AGは、HBV治療のための一連の3-置換テトラヒドロ-ピラゾロ[1,5-a]ピラジンを開示した(国際公開第2016/113273号、国際公開第2017/198744号、国際公開第2018/011162号、国際公開第2018/011160号、国際公開第2018/011163号)。
ヘテロアリールジヒドロピリミジン(HAP)は、組織培養ベーススクリーニングにおいて発見された(Weber et al.,Antiviral Res.2002,54,69)。これらのHAP類似体は、合成アロステリックアクチベーターとして働き、HBV-CPの分解をもたらす異常カプシド形成を誘発することができる(国際公開第99/54326号、国際公開第00/58302号、国際公開第01/45712号、国際公開第01/6840号)。さらなるHAP類似体が記載されている(J.Med.Chem.2016,59(16),7651-7666)。
F.Hoffman-La RocheからのHAPのサブクラスも、HBVに対する活性を示す(国際公開第2014/184328号、国際公開第2015/132276号、および国際公開第2016/146598号)。Sunshine Lake Pharmaからの同様なサブクラスも、HBVに対する活性を示す(国際公開第2015/144093号)。さらなるHAPも、HBVに対する活性を有し(国際公開第2013/102655号、Bioorg.Med.Chem.2017,25(3)pp.1042-1056)、Enanta Therapeuticsからの同様なサブクラスは同様な活性を示す(国際公開第2017/011552号)。Medshine Discoveryからのさらなるサブクラスは、同様な活性を示す(国際公開第2017/076286号)。さらなるサブクラス(Janssen Pharma)は、同様な活性を示す(国際公開第2013/102655号)。
ピリダゾン類およびトリアジノン類のサブクラス(F.Hoffman-La Roche)も、HBVに対する活性を示し(国際公開第2016/023877号)、テトラヒドロピリドピリジン類のサブクラスもHBVに対する活性を示す(国際公開第2016/177655号)。Rocheからの三環式4-ピリドン-3-カルボン酸誘導体のサブクラスも同様な抗HBV活性を示す(国際公開第2017/013046号)。
Novira Therapeutics(現Johnson & Johnson Inc.の一部門)からのスルファモイル-アリールアミドのサブクラスもHBVに対して活性を示す(国際公開第2013/006394号、国際公開第2013/096744号、国際公開第2014/165128号、国際公開第2014/184365号、国際公開第2015/109130号、国際公開第2016/089990号、国際公開第2016/109684号、国際公開第2016/109689号、国際公開第2017/059059号)。
チオエーテル-アリールアミドの同様なサブクラス(Novira Therapeuticsから)は、HBVに対する活性を示す(国際公開第2016/089990号)。加えて、アリール-アゼパンのサブクラス(Novira Therapeuticsから)は、HBVに対する活性を示す(国際公開第2015/073774号)。Enanta Therapeuticsからのアリールアミドの同様なサブクラスは、HBVに対する活性を示す(国際公開第2017/015451号)。
Janssen Pharmaからのスルファモイル誘導体も、HBVに対する活性を有することが分かった(国際公開第2014/033167号、国際公開第2014/033170号、国際公開第2017001655号、J.Med.Chem,2018,61(14)6247-6260)。
Janssen Pharmaからのグリオキサミド置換ピロールアミド誘導体のサブクラスも、HBVに対する活性を有することが分かった(国際公開第2015/011281号)。Gilead Sciencesの同様なサブクラスのグリオキサミド置換ピロールアミドもHBVに対する活性を有している(国際公開第2018/039531号)。
Enanta Therapeuticsからのスルファモイル-およびオキサリル-ヘテロビアリールのサブクラスも、HBVに対する活性を示す(国際公開第2016/161268号、国際公開第2016/183266号、国際公開第2017/015451号、国際公開第2017/136403号および米国特許出願公開第2017/0253609号)。
Assembly Biosciencesからのアニリン-ピリミジン類のサブクラスも、HBVに対する活性を示す(国際公開第2015/057945号、国際公開第2015/172128号)。Assembly Biosciencesからの融合三環類のサブクラス(ジベンゾ-チアゼピノン類、ジベンゾ-ジアゼピノン類、ジベンゾ-オキサゼピノン類)は、HBVに対する活性を示す(国際公開第2015/138895号、国際公開第2017/048950号)。
一連の環式スルファミドは、Assembly BiosciencesによりHBV-CP機能のモジュレーターとして記載されている(国際公開第2018/160878号)。
Arbutus Biopharmaは、HBV治療のための一連のベンゾアミド類を開示した(国際公開第2018/052967号、国際公開第2018/172852号)。
小分子ビスANSは、分子「楔」として働き、正常なカプシドタンパク質の幾可学的形状およびカプシド形成を妨げることも分かった(Zlotnick A et al.J.Virol.2002,4848)。
特に関連性があるのは、密接に関連する化合物(Novira Therapeutics)を開示している国際公開第2016/109663号である。
HBV直接作用抗ウイルス薬が出会う問題は、有害性、変異原性、選択性の欠如、有効性不良、バイオアベイラビリティ不良、低溶解性および合成の難しさである。したがって、これらのデメリットの少なくとも1つを克服または作用強度の増強もしくは安全性ウインドウの増大などさらなる利点を有し得るHBVの治療、寛解または予防のためのさらなる阻害薬に対する必要性がある。
単剤療法または他のHBV治療もしくは補助治療との組合せのいずれかとして、HBV感染患者へのかかる治療薬の投与は、著しいウイルス負荷低減、予後改善、疾病進行減少および/または血清変換率増強をもたらすだろう。
本明細書では、それを必要とする対象におけるHBV感染症の治療または予防に有用な化合物、およびその製造に有用な中間体を提供する。本発明の主題は、式I:
Figure 2022512873000001
の化合物であり、上記式中、
-R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
-R2は、Hまたはメチルであり;
-R3は、HまたはC1~C4-アルキルであり、上記C1~C4-アルキルは任意選択で重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されており;
-R4は、R4がR3と連結するという条件でC1~C2-アルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-アルキル、C1~C2-ヒドロキシアルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-ハロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C3~C6-シクロアルキル、C1~C2-アルキル-S-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-SO2-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-C≡N、C1~C2-アルキル-C3~C7-ヘテロシクロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C3~C7-シクロアルキル)NH2、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C1~C13-アルキル)NH2、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールを含む群から選択され、ここでC3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C6-アルキルで1回、2回、または3回置換されており;
-R3およびR4は、任意選択で連結して、5員、6員または7員複素環式環を形成してもよく、上記複素環式環は、非置換またはハロゲン、カルボキシ、OH、C1~C4-アルコキシ、OCF3、OCHF2もしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されており;
-Xは、O、CH2、またはNR11であり;
-mは、0、1または2であり;
-R11は、HまたはC1~C4-アルキルである。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルである、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R2は、Hまたはメチルである式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R3は、HまたはC1~C4-アルキルであり、上記C1~C4-アルキルは、任意選択で重水素、ハロゲンまたはC≡Nで1回、2回、または3回置換されている、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R4は、R4がR3と連結するという条件でC1~C2-アルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-アルキル、C1~C2-ヒドロキシアルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-ハロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C3~C6-シクロアルキル、C1~C2-アルキル-S-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-SO2-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-C≡N、C1~C2-アルキル-C3~C7-ヘテロシクロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C3~C7-シクロアルキル)NH2、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C1~C13-アルキル)NH2、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールを含む群から選択され、ここでC3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C6-アルキルで1回、2回、または3回置換されている、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R3およびR4は任意選択で連結して、5員、6員または7員ヘテロシクロアルキル環を形成しており、上記ヘテロシクロアルキル環は、非置換またはハロゲン、カルボキシ、OH、C1~C4-アルコキシ、OCF3、OCHF2もしくはC≡Nで1回、2回もしくは3回置換されている、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、Xは、O、CH2またはNR11である式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、mは、0、1または2である、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R11は、HまたはC1~C4-アルキルである、式Iの化合物である。
本発明の1つの実施形態は、対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の1つの実施形態は、薬学的に許容される担体と共に、本発明に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、本発明に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与することを含む、方法である。
本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式II:
Figure 2022512873000002
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、上記式中、
-R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
-R2は、Hまたはメチルであり;
-R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
-R5は、H、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、または1,1,1-トリジュウテロメチルである。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R1は、ハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されていてもよい、フェニルまたはピリジルである、式IIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R2は、Hまたはメチルである、式IIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルである、式IIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R5は、H、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、または1,1,1-トリジュウテロメチルである、式IIに記載の化合物である。
本発明の1つの実施形態は、対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の1つの実施形態は、薬学的に許容される担体と共に、本発明に記載の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、本発明に記載の式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与することを含む、方法である。
本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式III:
Figure 2022512873000003
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、上記式中、
-R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
-R2は、Hまたはメチルであり;
-R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
-R6は、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C4-アルキルで1回、2回、または3回置換されている、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルである、式IIIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R2は、Hまたはメチルである、式IIIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルである、式IIIに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R6は、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C4-アルキルで1回、2回、または3回置換されている、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである、式IIIに記載の化合物である。
本発明の1つの実施形態は、対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の1つの実施形態は、薬学的に許容される担体と共に、本発明に記載の式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、本発明に記載の式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与することを含む、方法である。
本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式IV:
Figure 2022512873000004
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、上記式中、
-R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
-R2は、Hまたはメチルであり;
-nは、1、2または3であり;
-R7、R8、R12およびR13は、H、ハロゲン、OH、C1~C4-アルコキシ、OCHF2、OCF3およびC≡Nを含む群から各々独立して選択される。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルである、式IVに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R2は、Hまたはメチルである、式IVに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R7、R8、R12およびR13は、H、ハロゲン、OH、C1~C4-アルコキシ、OCHF2、OCF3およびC≡Nを含む群から各々独立して選択される、式IVに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、nは、1、2または3である、式IVに記載の化合物である。
本発明の1つの実施形態は、対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の1つの実施形態は、薬学的に許容される担体と共に、本発明に記載の式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、本発明に記載の式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与することを含む、方法である。
本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式V:
Figure 2022512873000005
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、上記式中、
-R1は任意選択で、ハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡N C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
-R2は、Hまたはメチルであり;
-R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
-R9およびR10は、HおよびC1~C6-アルキルから各々独立して選択され;
-R9およびR10は任意選択で連結して、C3~C7-シクロアルキル環を形成している。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルである、式Vに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R2は、Hまたはメチルである、式Vに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルである、式Vに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R9およびR10は、HおよびC1~C6-アルキルから独立して選択される、式Vに記載の化合物である。
1つの実施形態では、本発明の主題は、式中、R9およびR10は任意選択で連結して、C3~C7-シクロアルキル環を形成している、式Vに記載の化合物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする対象のHBV感染症の予防または治療で使用するための、本発明に記載の式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の1つの実施形態は、薬学的に許容される担体と共に、本発明に記載の式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本発明の1つの実施形態は、それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、本発明に記載の式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与することを含む、方法である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物の投与量は、約1mg~約2,500mgである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物において使用される本発明の化合物の投与量は、約10,000mg未満、または約8,000mg未満、または約6,000mg未満、または約5,000mg未満、または約3,000mg未満、または約2,000mg未満、または約1,000mg未満、または約500mg未満、または約200mg未満、または約50mg未満である。同様に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている第二化合物(すなわち、HBV治療のための別の薬剤)は、約1,000mg未満、または約800mg未満、または約600mg未満、または約500mg未満、または約400mg未満、または約300mg未満、または約200mg未満、または約100mg未満、または約50mg未満、または約40mg未満、または約30mg未満、または約25mg未満、または約20mg未満、または約15mg未満、または約10mg未満、または約5mg未満、または約2mg未満、または約1mg未満、または約0.5mg未満、ならびにそのいずれかおよび全ての増分全体または部分的増分である。全ての前述の投与量は、患者当たりの一日の投与量を表す。
概して、一日の抗ウイルス効果量は、約0.01~約50mg/体重kg、または約0.01~約30mg/体重kgであろうと考えられる。おそらく、1日を通して適切な間隔をおいて2回、3回、4回以上のサブ用量として必要な投与量を投与することが適切であるかもしれない。上記サブ用量を、例えば、単位剤形当たり、約1~約500mg、または約1~約300mg、または約1~約100mg、または約2~約50mgの有効成分を含む単位剤形として製剤してよい。
本発明の化合物は、その構造に依存して、塩、溶媒和物または水和物として存在し得る。したがって、本発明は、塩、溶媒和物または水和物およびそのそれぞれの混合物も包含する。
本発明の化合物は、その構造に依存して、互変異性体または立体異性体(鏡像異性体、ジアステレオマー)で存在し得る。したがって、本発明は、互変異性体、鏡像異性体またはジアステレオマーおよびそのそれぞれの混合物も包含する。立体異性体的に均一な成分を、かかる鏡像異性体および/またはアステレオマーの混合物から公知の方法で単離することができる。
定義
本発明を説明するために使用される様々な用語の定義を下記に示す。これらの定義は、個別あるいはより大きな群の一部として特定の場合に別段に限定されない限り、本明細書およびクレームの全体を通して使用される用語に適用する。
特に定義されない限り、本明細書で使用される図部手の技術用語および科学用語は、概して、本発明が属する技術分野の当業者により共通に理解されるのと同じ意味を有する。概して、本明細書で使用される命名法および細胞培養、分子遺伝学、有機化学およびペプチド化学における実験手順は、周知のものであり、当技術分野において通常に使用される。
本明細書で使用されるとき、冠詞「a」および「an」は、冠詞の客語の1つまたは1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)を表す。一例として、「an element(要素)」は、1つの要素または1つより多い要素を意味する。さらに、用語「including(含む)」、ならびに「include(含む)」、「includes(含む)」および「included(含まれた)」などの他の形式の使用は限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「カプシドアセンブリモジュレーター」は、正常カプシドの会合(例えば、成熟中)もしくは正常カプシドの脱会合(例えば、感染中)を破壊もしくは促進もしくは阻害もしくは妨害もしくは遅延もしくは低減もしくは変更またはカプシドの安定性を撹乱させて、それにより、異常なカプシドの形態もしくは異常なカプシドの機能を誘発する化合物を表す。1つの実施形態では、カプシドアセンブリモジュレーターは、カプシド会合または脱会合を促進し、それにより、異常なカプシド形態を誘発する。別の実施形態では、カプシドアセンブリモジュレーターは、主要カプシドアセンブリタンパク質(HBV-CP)と相互作用(例えば、活性部位において結合、アロステリック部位において結合またはフォールディングを変更および/もしくは妨害など)し、それにより、カプシド会合もしくは脱会合を撹乱する。さらに別の実施形態では、カプシドアセンブリモジュレーターは、HBV-CPの構造または機能(例えば、HBV-CPが会合、脱会合、基質と結合、適切な高次構造へフォールドする能力またはウイルス感染を減弱するおよび/またはウイルスに対して致命的である同様の能力)の撹乱を引き起こす。
本明細書で使用されるとき、用語「treatment(治療)」または「treating(治療すること)」は、HBV感染症、HBV感染症の症状またはHBV感染症に罹る可能性を治癒(cure)、治癒(heal)、緩和、解放、変更、治療、寛解、改善または影響する目的で、治療薬、すなわち、本発明の化合物(単独または別の医薬品と組み合わせて)を患者に適用または投与すること、または治療薬をHBV感染症、HBV感染症の症状に罹患している、もしくはHBV感染症に罹る可能性がある患者由来の単離組織もしくは細胞株(例えば、診断または生体外適用のため)に治療薬を適用もしくは投与することと定義される。かかる治療は、薬理ゲノミクス分野から得られる知見に基づいて特別に目的に合わせたり、変更したりしてよい。
本明細書で使用されるとき、用語「prevent(予防する)」または「prevention(予防)」は、何も起こらなかった場合、障害にも疾病にも罹らない、または障害もしくは疾病に既に罹っている場合、さらに障害にも疾病にも罹らないことを意味する。障害または疾病に関連する症状のいくつかまたは全てを予防する能力とも考えられる。
本明細書で使用されるとき、用語「患者」、「個体」または「対象」は、ヒトまたは非ヒト哺乳類を表す。非ヒト哺乳類としては、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、ネコ、およびマウス哺乳類などの家畜およびペットが挙げられる。好ましくは、患者、対象、または個体は、ヒトである。
本明細書で使用されるとき、用語「有効量」、「薬剤的有効量」、および「治療有効量」は、無毒であるが、所望の生物学的結果を得るのに充分な薬剤量を表す。この結果は、疾病の徴候、症状、もしくは原因の低減および/もしくは緩和、または生物システムの他の所望の変更であってよい。いずれかの個体の症例における適切な治療用の量を、日常実験を使用して当業者によって決定してよい。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される」は、化合物の生物活性または特性を抑制せず、比較的無毒性である担体または希釈剤などの物質を表し、すなわち、該物質を、望ましくない生物学的作用を引き起こさず、それに含まれる組成物の成分のいずれかと有害に相互作用しないで個体に投与することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される塩」は、親化合物が存在する酸または塩基部分がその塩形態へ転換することによって修飾される本開示の化合物の誘導体を表す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩;および同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩としては、例えば、無毒性無機酸または有機酸から生成された親化合物の従来の無毒性塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩を、従来の化学的方法による塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。概して、水もしくは有機溶媒または2つの混合物;エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、もしくはアセトニトリルのような一般的に非水性の媒体が好ましい;中において、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態と、適切な塩基または酸の化学量論量とを反応させることによって、かかる塩を製造することができる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences 17th ed.Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985 p.1418およびJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)において見ることができ、これらの参考文献の各々はその全文を参照することによって本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」または「医薬組成物」は、本発明内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を表す。医薬組成物は、化合物の患者または対象への投与を容易にする。化合物投与の多くの技術が当該技術分野に存在し、静脈内、経口、エアロゾル、直腸、非経口、眼内、肺内および局所投与が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される担体」は、液体または固体フィラー、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、その目的機能を行うように本発明内で有用な化合物を患者内もしくは患者へ運搬または輸送することに関連する溶媒またはカプセル化物質などの、薬学的に許容される物質、組成物または担体を意味する。通常、1つの臓器または身体の部分から、別の臓器または身体の部分へ、かかる構築物を運搬または輸送する。各担体は、本発明内で使用される化合物を含む製剤の他の成分と混合可能であり、患者に対して有害でないという意味で「許容され(acceptable)」なければならない。薬学的に許容される担体の役割をし得る物質のいくつかの例としては:ラクトース、グルコースおよびショ糖などの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント末;麦芽、ゼラチン、タルク;カカオ脂および坐薬用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油などの油類;プロピレングリコールなどのグリコール類;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール類;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;界面活性剤;アルギニン酸;発熱性物質除去水;等張性食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸バッファーならびに医薬製剤に使用される他の無毒性適合性物質が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」は、いずれかおよび全てのコーティング、抗菌および抗真菌薬ならびに吸収遅延剤ならびに本発明内で有用な化合物の活性に適合し、患者に対して生理的に許容可能である同様のものも挙げられる。補足活性化合物を組成物中に混合してもよい。「薬学的に許容される担体」としては、本発明内で有用な化合物の薬学的に許容される塩をさらに挙げることができる。本発明の実施において使用される医薬組成物中に含有させてよい他の追加成分は当技術分野で公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985)に記載されており、該参考文献は参照することにより本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用されるとき、用語「substituted(置換された)」は、原子または原子の基が別の基と結合した置換基として水素を置換していることを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「comprising(含む)」は、選択肢「consisting of(から成る)」も包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、特に明記されない限り、指定された炭素原子数(すなわち、C1~C6-アルキルは1~6個の炭素原子を意味する)を有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味し、直鎖および分岐鎖を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルが挙げられる。加えて、用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、C3~C5炭素環で置換されたC1~C3直鎖炭化水素も意味し得る。例としては、(シクロプロピル)メチル、(シクロブチル)メチルおよび(シクロペンチル)メチルが挙げられる。誤解を避けるために、2つのアルキル部分が基中に存在する場合、アルキル部分は同じでも異なっていてもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つのEまたはZ立体化学のいずれかの炭素-炭素二重結合を含む炭化水素部分から誘導される一価基を意味する。二重結合は、別の基との結合点であってもよく、なくてもよい。アルケニル基(例えば、C2~C8-アルケニル)としては、例えば、エテニル、プロペニル、プロパ-1-エン-2-イル、ブテニル、メチル-2-ブテン-1-イル、ヘプテニルおよびオクテニルが挙げられるが、これらに限定されない。誤解を避けるために、2つのアルケニル部分が基中に存在する場合、アルキル部分は同じでも異なっていてもよい。
本明細書で使用されるとき、C2~C6-アルキニル基または部分は、2~6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキニル基または部分、例えば、2~4個の炭素原子を含むC2~C4アルキニル基または部分である。例示的アルキニル基としては、-C≡CHまたは-CH2-C≡C、ならびに1-および2-ブチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニルおよび5-ヘキシニルが挙げられる。誤解を避けるために、2つのアルキニル部分が基中に存在する場合、2つのアルキニル部分は同じでも異なっていてもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、単独または別の置換基の一部として、特に明記されない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を意味する。誤解を避けるために、2つのハロ部分が基中に存在する場合、2つのハロ部分は同じでも異なっていてもよい。
本明細書で使用されるとき、通常、C1~C6-アルコキシ基またはC2~C6-アルケニルオキシ基は、それぞれ、酸素原子と結合している上記C1~C6-アルキル(例えば、C1~C4アルキル)基または上記C2~C6-アルケニル基(例えば、C2~C4アルケニル)基である。
本明細書で使用されるとき、単独または他の用語と組み合わせて使用される用語「アリール」は、特に明記されない限り、1つ以上の環(典型的には1つ、2つまたは3つの環)を含む炭素環式芳香族構造を意味し、かかる環はビフェニルのようにペンダント方式で結合してもよく、ナフタレンのように縮合していてもよい。アリール基の例としては、フェニル、アントラシル、およびナフチルが挙げられる。好ましい例は、フェニル(例えば、C6-アリール)およびビフェニル(例えば、C12-アリール)である。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~16個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~12個の炭素原子(例えば、C6~C12-アリール)を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の炭素原子(例えば、C6-アリール)を有する。
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロアリール」および「複素環式芳香族」は、1つ以上の環(通常、1つ、2つまたは3つの環)を含む芳香族性を有する複素環を表す。ヘテロアリール置換基を炭素原子数によって定義してもよく、例えば、C1~C9-ヘテロアリールはヘテロ原子数を含まないヘテロアリール基中に含まれる炭素原子数を示す。例えば、C1~C9-ヘテロアリールは、さらに1~4個のヘテロ原子を含むだろう。多環式ヘテロアリールは、部分的に飽和している1つ以上の環を含んでよい。ヘテロアリールの非限定的例としては:
Figure 2022512873000006
が挙げられる。
さらなるヘテロアリール基の非限定的例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(例えば、2-および4-ピリミジニルを含む)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル(例えば、2-ピロリルを含む)、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル(例えば、3-および5-ピラゾリルを含む)、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、l,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル,1,3,4-チアジアゾリルおよび1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。多環式ヘテロ環およびヘテロアリールの非限定的例としては、インドリル(3-、4-、5-、6-および7-インドリルを含む)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、1-および5-イソキノリルを含む),1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(例えば、2-および5-キノキサリニルを含む)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、3-、4-、5-、6-、および7-ベンゾフリルを含む)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、3-、4-、5-、6-,および7-ベンゾチエニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、2-ベンゾチアゾリルおよび5-ベンゾチアゾリルを含む)、プリニル、ベンゾイミダゾリル(例えば、2-ベンゾイミダゾリルを含む)、ベンゾトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニルおよびキノリジジニルが挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロアルキル」は、通常、1個以上の炭素原子が上記1個以上の上記ハロ原子で置換されている、それぞれ、上記アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケノキシ基である。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、およびポリハロアルキルラジカルを包含する。用語「ハロアルキル」としては、フルオロメチル、1-フルオロエチル、ジフルオロメチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、C1~C6-ヒドロキシアルキル基は、1つ以上のヒドロキシ基で置換されている上記C1~C6アルキル基である。通常、1つ、2つまたは3つのヒドロキシル基で置換されている。好ましくは、1つのヒドロキシ基で置換されている。
本明細書で使用されるとき、C1~C6-アミノアルキル基は、1つ以上のアミノ基で置換されている上記C1~C6アルキル基である。通常、1つ、2つまたは3つのアミノ基で置換されている。好ましくは、1つのアミノ基で置換されている。
本明細書で使用されるとき、C1~C4-カルボキシアルキル基は、カルボキシル基で置換されている上記C1~C4アルキル基である。
本明細書で使用されるとき、C1~C4-カルボキサミドアルキル基は、置換または非置換カルボキサミド基で置換されている上記C1~C4アルキル基である。
本明細書で使用されるとき、C1~C4-アシルスルホンアミド-アルキル基は、一般式C(=O)NHSO2CH3またはC(=O)NHSO2-c-Prのアシルスルホンアミド基で置換されている上記C1~C4アルキル基である。
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)の各々が炭素原子である単環式または多環式非芳香族基を表す。1つの実施形態では、シクロアルキル基は、飽和または部分飽和である。別の実施形態では、シクロアルキル基は、芳香族環と縮合している。シクロアルキル基としては、3~10環原子を有する基(C3~C10-シクロアルキル)、3~8環原子を有する基(C3~C8-シクロアルキル)、3~7環原子を有する基(C3~C7-シクロアルキル)および3~6環原子を有する基(C3~C6-シクロアルキル)が挙げられる。シクロアルキル基の例証的例としては、以下の部分:
Figure 2022512873000007
が挙げられるが、これらに限定されない。
単環式シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式シクロアルキルとしては、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびテトラヒドロペンタレンが挙げられるが、これらに限定されない。多環式シクロアルキルとしては、アダマンチンおよびノルボルナンが挙げられる。用語シクロアルキルは、「不飽和非芳香族カルボシクリル」または「非芳香族不飽和カルボシクリル」基を含み、これらの両方は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合を含む本明細書で定義されている非芳香族炭素環を表す。
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクリル」は、各々酸素、硫黄および窒素から選択される1~4個の環ヘテロ原子を含む1つ以上の環(通常、1つ、2つまたは3つの環)を含むヘテロ脂環式基を表す。1つの実施形態では、各ヘテロシクリル基は、その環構造中に3~10個の原子を有するが、但し、上記基の環は2個の隣接する酸素原子も硫黄原子も含まない。1つの実施形態では、各ヘテロシクリル基は、その環構造中に3~10個の原子を有する縮合二環式環構造を有するが、但し、上記基の環は2個の隣接する酸素原子も硫黄原子も含まない。1つの実施形態では、各ヘテロシクリル基は、その環構造中に3~10個の原子を有する架橋二環式環構造を有するが、但し、上記基の環は2個の隣接する酸素原子も硫黄原子も含まない。1つの実施形態では、各ヘテロシクリル基は、その環構造中に3~10個の原子を有するスピロ二環式環構造を有するが、但し、上記基の環は2個の隣接する酸素原子も硫黄原子も含まない。ヘテロシクリル置換基を炭素原子数によって代わりに定義してもよく、例えば、C2~C8-ヘテロシクリルはヘテロ原子数を含まないヘテロシクリル基中に含まれる炭素原子数を示す。例えば、C2~C8-ヘテロシクリルは、さらに1~4個のヘテロ原子を含むだろう。別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、芳香族環と縮合している。別の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、ヘテロアリール環と縮合している。1つの実施形態では、窒素および硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよい。複素環式構造は、特に明記されない限り、安定構造を提供するいずれかのヘテロ原子または炭素原子と結合してよい。3員ヘテロシクリル基の例としては、アジリジンが挙げられるが、これに限定されない。4員ヘテロシクリル基の例としては、アゼチジンおよびβ-ラクタムが挙げられるが、これらに限定されない。5員ヘテロシクリル基の例としては、ピロリジン、オキサゾリジンおよびチアゾリジンジオンが挙げられるが、これらに限定されない。6員ヘテロシクリル基の例としては、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、N-アシルピペラジンおよびN-アセチルモルホリンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリル基の他の非限定的例は、
Figure 2022512873000008
である。
ヘテロ環の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、ジオキソラン、スルホラン、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン,ピラン、2,3-ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、1,3-ジオキセパン、4,7-ジヒドロ-l,3-ジオキセピン、およびヘキサメチレンオキシドなどの単環式基が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「芳香族」は、1つ以上の多価不飽和環および芳香族性を有する、すなわち、(4n+2)非局在化π(パイ)電子(nは整数である)を有する炭素環または複素環を表す。
本明細書で使用されるとき、単独または他の用語と組み合わせて使用される用語「アシル」は、特に明記されない限り、カルボニル基を介して結合しているアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を意味する。
本明細書で使用されるとき、単独または他の用語と組み合わせて使用される用語「カルバモイル」および「置換カルバモイル」は、特に明記されない限り、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより任意選択で一置換または二置換されているアミノ基と結合しているカルボニル基を意味する。いくつかの実施形態では、窒素置換基を連結して上記定義されているヘテロシクリル環を形成するだろう。
本明細書で使用されるとき、用語「カルボキシ」は、それ自体または別の置換基の一部として、特に明記されない限り、式C(=O)OHの基を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「カルボキシルエステル」は、それ自体または別の置換基の一部として、特に明記されない限り、式C(=O)OX(式中、XはC1~C6-アルキル、C3~C7-シクロアルキル、およびアリールから成る群から選択される)の基を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「プロドラッグ」は、いったん投与されたならば、インビボで式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの活性代謝物に代謝される形態で投与される式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物の誘導体を表す。
プロドラッグの様々な形態は、当技術分野において公知である。かかるプロドラッグの例については:Design of Prodrugs,edited by H. Bundgaard,(Elsevier,1985) and Methods in Enzymology,Vol. 42, p. 309-396,edited by K. Widder,et al. (Academic Press,1985); A Textbook of Drug Design and Development,edited by Krogsgaard-Larsen and H. Bundgaard,Chapter 5 “Design and Application of Prodrugs” by H. Bundgaard p. 1l3-191 (1991); H. Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews 8, 1-38 (1992); H. Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences,77, 285 (1988); および N. Kakeya, et al., Chem. Pharm. Bull.,32,692 (1984)参照。
プロドラッグの例としては、式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物の切断可能なエステルが挙げられる。カルボキシ基を含む本発明の化合物のインビボ切断可能なエステルは、例えば、ヒトまたは動物内において切断されて親酸を生成する薬学的に許容されるエステルである。カルボキシに適切な薬学的に許容されるエステルとしては、C1~C6アルキルエステル、例えば、メチルまたはエチルエステル;C1~C6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチルエステル;C1~C6アシルオキシメチルエステル;フタリジルエステル;C3~C8シクロアルコキシカルボニルオキシC1~C6アルキルエステル、例えば、1-シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1-3-ジオキソラン-2-イルメチルエステル、例えば、5-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル;C1~C6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1-メトキシカルボニルオキシエチル;アミノカルボニルメチルエステルおよびそのモノ-もしくはジ-N-(C1~C6-アルキル)変種、例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニルメチルエステルおよびN-エチルアミノカルボニルメチルエステルが挙げられ、本発明の化合物中のいずれかのカルボキシ基において生成してよい。
ヒドロキシ基を含む本発明の化合物のインビボ切断可能なエステルは、例えば、ヒトまたは動物内において切断されて親ヒドロキシ基を生成する薬学的に許容されるエステルである。ヒドロキシに適切な薬学的に許容されるエステルとしては、C1~C6-アシルエステル、例えば、アセチルエステル;ならびにフェニル基がアミノメチルまたはN置換モノ-もしくはジ-C1~C6アルキルアミノメチルで置換されていてもよいベンゾイルエステル、例えば、4-アミノメチルベンゾイルエステルおよび4-N,N-ジメチルアミノメチルベンゾイルエステルが挙げられる。
本発明の好ましいプロドラッグとしては、アセチルオキシおよびカルボネート誘導体が挙げられる。例えば、式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物のヒドロキシ基は、-O-CORiまたは-O-C(O)ORi(式中、Riは非置換または置換C1~C4アルキルである)としてプロドラッグ中に存在することができる。アルキル基上の置換基は、上記定義の通りである。好ましくは、Ri中のアルキル基は非置換であり、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはシクロプロピルである。
本発明の他の好ましいプロドラッグとしては、アミノ酸誘導体が挙げられる。適切なアミノ酸としては、これらのC(O)OH基を介して式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物と結合したα-アミノ酸が挙げられる。かかるプロドラッグは、インビボで切断して、ヒドロキシ基を有する式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物を生成する。したがって、好ましくは、かかるアミノ酸基は、ヒドロキシ基が最終的に必要とされる式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの位置に使用される。したがって、本発明のこの実施形態の例示的プロドラッグは、式-OC(O)-CH(NH2)Rii(式中、Riiはアミノ酸側鎖である)の基を有する式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物である。好ましいアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリンおよびセリンが挙げられる。アミノ酸を官能化することもでき、例えば、アミノ基をアルキル化することができる。適切な官能化アミノ酸は、N,N-ジメチルグリシンである。好ましくは、アミノ酸は、バリンである。
本発明の他の好ましいプロドラッグとしては、ホスホロアミデート誘導体が挙げられる。ホスホロアミデートプロドラッグの様々な形態は、当技術分野において公知である。かかるプロドラッグの例については、Serpi et al.,Curr.Protoc.Nucleic Acid Chem.2013,Chapter 15,Unit 15.5およびMehellou et al.,ChemMedChem,2009,4 pp.1779-1791参照。適切なホスホロアミデートとしては、これらの-OH基を介して式Iの化合物と結合した(フェノキシ)-α-アミノ酸が挙げられる。かかるプロドラッグは、インビボで切断して、ヒドロキシ基を有する式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物を生成する。したがって、好ましくは、かかるホスホロアミデート基は、ヒドロキシ基が最終的に必要とされる式Iの位置に使用される。したがって、本発明のこの実施形態の例示的プロドラッグは、式-OP(O)(ORiii)Rivの基を有する式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物であって、上記式中、Riiiはアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、Rivは、式-NH-CH(Rv)C(O)ORvi(式中、Rvはアミノ酸側鎖であり、Rviはアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルである)の基である。好ましいアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリンおよびセリンが挙げられる。好ましくは、アミノ酸は、アラニンである。Rvは、好ましくはアルキルであり、最も好ましくはイソプロピルである。
本発明の主題はまた、一般化され多形体であっても、以下に具体的に言及される形態であっても、式Iまたは式IIまたは式IIIまたは式IVまたは式Vの化合物のプロドラッグである。
本発明の主題は、本発明の化合物の製造方法である。したがって、本発明の主題は、式VIの化合物と式VIIの化合物との反応による、本発明に記載の式Iの化合物の製造方法である。
Figure 2022512873000009
式中、R1は上記定義の通りである。
Figure 2022512873000010
式中、R2、R3、R4、X、およびmは、上記定義の通りである。
以下の実施例を参照して、本発明を説明する。これらの実施例は、例証する目的だけで提供し、本発明はこれらの実施例に限定されないが、本明細書に提供されている教示の結果として明白である全ての変化形をむしろ包含する。
HBVコアタンパク質モジュレーターを、いくつかの方法で製造することができる。スキーム1~3は、この応用の目的のためこれらの製造に使用される主要経路を図示する。当業者にとって、これらの中間体の製造および実施例を達成するだろう他の方法があることは明白であろう。
Figure 2022512873000011
スキーム1に記載されているN保護ピラゾール化合物1(これに限定されないがSEMとして引き抜かれる)を、工程1において、例えば、HATUを用いて、文献(A.El-Faham,F.Albericio,Chem.Rev.2011,111, 6557-6602)において公知の方法を用いて、アミンとカップリングして一般構造物2を有する化合物を得る。スキーム1における化合物2の窒素保護基は、工程2において脱保護され(国際公開第2004/014374号、A.Isidro-Llobet et al.,Chem.Rev.,2009,109,2455-2504)、例えば、HClを用いて、これに限定されないがBocおよびSEMとして引き抜かれ、一般構造物3のアミンを得る。文献(Pearson,A.J.;Roush,W.R.;Handbook of Reagents for Organic Synthesis,Activating Agents and Protecting Groups)において周知の方法を用いて工程3におけるウレアを製造する、例えば、フェニルイソシアネートを用いて式Iの化合物を得る。
Figure 2022512873000012
スキーム2に記載されている化合物1は、工程1において、文献(Pearson, A. J.; Roush, W. R.; Handbook of Reagents for Organic Synthesis, Activating Agents and Protecting Groups)における周知の方法で、例えば、フェニルイソシアネートを含む一般構造2のウレアに転位する。化合物2のエステル基(これに限定されないが、メチルエステルとして引き抜かれる)は、工程2において、例えば、LiOHを用いて文献(国際公開第2015/0133428号)の公知の方法を使用して加水分解して、一般構造3のカルボン酸を得る。例えば、HATUを用いて、文献(A.El-Faham,F.Albericio,Chem.Rev.2011,111, 6557-6602)において公知の方法を用いた、工程3におけるアミドカップリングにより、式Iの化合物を得る。
Figure 2022512873000013
スキーム3に記載されている化合物1を、工程1において、例えば、HATUを用いて、文献(A.El-Faham,F.Albericio,Chem.Rev.2011,111, 6557-6602)において公知の方法を用いて、アミンとカップリングして一般構造物2を有する化合物を得る。スキーム1における化合物2の窒素保護基は、工程2において脱保護され(国際公開第2016/109663号、A.Isidro-Llobet et al.,Chem.Rev.,2009,109,2455-2504)、例えば、HClを用いて、これに限定されないがBocとして引き抜かれ、一般構造物3のアミンを得る。文献(Pearson,A.J.;Roush,W.R.;Handbook of Reagents for Organic Synthesis,Activating Agents and Protecting Groups)において周知の方法を用いて工程3におけるウレアを製造する、例えば、フェニルイソシアネートを用いて式Iの化合物を得る。
次の略語を使用する:
A - DNA 核酸塩基アデニン
ACN - アセトニトリル
Ar - アルゴン
BODIPY-FL - 4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸 (蛍光色素)
Boc - tert-ブトキシカルボニル
BnOH - ベンジルアルコール
n-BuLi - n-ブチルリチウム
t-BuLi - t-ブチルリチウム
C - DNA 核酸塩基シトシン
CC50 - 50%細胞毒性濃度
CO2 - 二酸化炭素
CuCN - シアン化銅(I)
DCE - ジクロロエタン
DCM - ジクロロメタン
デス-マーチンペルヨージナン - 1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン
DIPEA - ジイソプロピルエチルアミン
DIPE - ジイソプロピルエーテル
DMAP - 4-ジメチルアミノピリジン
DMF - N,N-ジメチルホルムアミド
DMP - デス-マーチンペルヨージナン
DMSO - ジメチルスルホキシド
DNA - デオキシリボ核酸
DPPA - ジフェニルホスホリルアジド
DTT - ジチオスレイトール
Ec50 - 50%効果濃度
EDCI - N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N′-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et2O - ジエチルエーテル
EtOAc - 酢酸エチル
EtOH - エタノール
FL - - フルオレセイン標識化5’末端
NEt3 - トリエチルアミン
ELS - 蒸発光散乱
g - グラム
G - DNA 核酸塩基グアニン
HBV - B型肝炎ウイルス
HATU - ヘキサフルオロリン酸2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
HCl - 塩酸
HEPES - 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HOAt - 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt - 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC - 高速液体クロマトグラフィー
IC50 - 50%阻害濃度
LC640- -蛍光色素LightCycler(登録商標) Red 640を用いた3’末端修飾
LC/MS - 液体クロマトグラフィー/質量分析
LiAlH4 - 水素化アルミニウムリチウム
LiOH - 水酸化リチウム
MeOH - メタノール
MeCN - アセトニトリル
MgSO4 - 硫酸マグネシウム
mg - ミリグラム
min - 分
mol - モル
mmol - ミリモル
mL - ミリリットル
MTBE - メチルtert-ブチルエーテル
2 - 窒素
Na2CO3 - 炭酸ナトリウム
NaHCO3 - 炭酸水素ナトリウム
Na2SO4 - 硫酸ナトリウム
NdeI - CA^TATG部位を認識する制限酵素
NEt3 - トリエチルアミン
NaH - 水素化ナトリウム
NaOH - 水酸化ナトリウム
NH3 - アンモニア
NH4Cl - 塩化アンモニウム
NMR - 核磁気共鳴
PAGE - ポリアクリルアミドゲル電気泳動
PCR - ポリメラーゼ連鎖反応
qPCR - 定量的PCR
Pd/C - パラジウム炭素
-PH -3’末端リン酸修飾
pTSA - 4-トルエンスルホン酸
Rt - 保持時間
r.t.- 室温
sat.- 飽和水溶液
SDS - ドデシル硫酸ナトリウム
SEM - [2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル
SI - 選択指数(=CC50/EC50
STAB - トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
T - DNA 核酸塩基チミン
TBAF -フッ化テトラブチルアンモニウム
TFA - トリフルオロ酢酸
THF - テトラヒドロフラン
TLC - 薄層クロマトグラフィー
Tris - トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン
XhoI - C^TCGAG部位を認識する制限酵素
化合物同定-NMR
いくつかの化合物について、プロトン用に400MHzおよび炭素用に100MHzで運転して5mm逆三重共鳴プローブヘッドを装備したBruker DPX400分光計を用いて、NMRスペクトルを記録した。重水素化溶媒は、クロロホルム-d(重水素化クロロホルム、CDCl3)またはd6-DMSO(重水素化DMSO、d6-ジメチルスルホキシド)であった。化学シフトは、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で報告している。
化合物同定-HPLC/MS
いくつかの化合物について、次の分析方法を用いて、LC-MSスペクトルを記録した。
方法A
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、3.5ミクロン)
流量-0.8mL/分、25℃
溶離液A-95%アセトニトリル+5% 10mM炭酸アンモニウム水溶液(pH9)
溶離液B-10mM炭酸アンモニウム水溶液(pH9)
直線勾配 t=0分 5%A、 t=3.5分 98%A、 t=6分 98%A
方法A2
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、3.5ミクロン)
流量-0.8mL/分、25℃
溶離液A-95%アセトニトリル+5% 10mM炭酸アンモニウム水溶液(pH9)
溶離液B-10mM炭酸アンモニウム水溶液(pH9)
直線勾配 t=0分 5%A、 t=4.5分 98%A、 t=6分 98%A
方法B
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、3.5ミクロン)
流量-0.8mL/分、35℃
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%ギ酸溶液
溶離液B-0.1%ギ酸水溶液
直線勾配 t=0分 5%A、 t=3.5分 98%A、 t=6分 98%A
方法B2
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、3.5ミクロン)
流量-0.8mL/分、40℃
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%ギ酸溶液
溶離液B-0.1%ギ酸水溶液
直線勾配 t=0分 5%A、 t=4.5分 98%A、 t=6分 98%A
方法C
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、3.5ミクロン)
流量-1mL/分、35℃
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%ギ酸溶液
溶離液B-0.1%ギ酸水溶液
直線勾配 t=0分 5%A、 t=1.6分 98%A、 t=3分 98%A
方法D
カラム-Phenomenex Gemini NX C18(50×2.0mm、3.0ミクロン)
流量-0.8mL/分、35℃
溶離液A-95%アセトニトリル+5% 10mM重炭酸アンモニウム水溶液
溶離液B-10mM重炭酸アンモニウム水溶液 pH=9.0
直線勾配 t=0分 5%A、 t=3.5分 98%A、 t=6分 98%A
方法E
カラム-Phenomenex Gemini NX C18(50×2.0mm、3.0ミクロン)
流量-0.8mL/分、25℃
溶離液A-95%アセトニトリル+5% 10mM重炭酸アンモニウム水溶液
溶離液B-10mM重炭酸アンモニウム水溶液(pH9)
直線勾配 t=0分 5%A、 t=3.5分 30%A、 t=7分 98%A、 t=10分 98%A
方法F
カラム-Waters XSelect HSS C18(150×4.6mm、3.5ミクロン)
流量-1.0mL/分、25℃
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%TFA溶液
溶離液B-0.1%TFAの水溶液
直線勾配 t=0分 2%A、 t=1分 2%A、 t=15分 60%A、 t=20分 60%A
方法G
カラム-Zorbax SB-C18 1.8μm 4.6×15mm Rapid Resolutionカートリッジ(PN821975-932)
流量-3mL/分
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%ギ酸溶液
溶離液B-0.1%ギ酸水溶液
直線勾配 t=0分 0%A、 t=1.8分 100%A
方法H
カラム-Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、2.5ミクロン)
流量-0.6mL/分
溶離液A-アセトニトリル中の0.1%ギ酸溶液
溶離液B-0.1%ギ酸水溶液
直線勾配 t=0分 5%A、 t=2.0分 98%A、 t=2.7分 98%A
方法J
カラム-逆相Waters Xselect CSH C18(50×2.1mm、2.5ミクロン)
流量-0.6mL/分
溶離液A-100%アセトニトリル
溶離液B-10mM重炭酸アンモニウム水溶液(pH7.9)
直線勾配 t=0分 5%A、 t=2.0分 98%A、 t=2.7分 98%A
6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタンの製造
Figure 2022512873000014
工程A:トルエン(3000mL)中の無水コハク酸(100g、1000mmol)の溶液に、ベンジルアミン(107g、1000mmol)を添加した。溶液を室温で24時間撹拌し、次いで、ディーン・スターク装置を用いて16時間加熱還流した。次いで、混合物を減圧下で濃縮して、1-ベンジルピロリジン-2,5-ジオン(170g、900mmol、収率90%)を得た。
工程B:アルゴン雰囲気下の無水THF(2000mL)中の1-ベンジルピロリジン-2,5-ジオン(114g、600mmol)およびTi(Oi-Pr)4(170.5g、600mmol)の冷却(0℃)混合物に、THF中の臭化エチルマグネシウムの3.4M溶液(1200mmol)を滴下した。混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。次いで、BF3・Et2O(170g、1200mmol)を滴下し、溶液を6時間撹拌した。混合物を冷却(0℃)し、3N塩酸(500mL)を添加した。混合物をEt2Oで2回抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮して、4-ベンジル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-オン(30.2g、150mmol、収率25%)を得た。
工程C:アルゴン下の無水THF(1000mL)中の4-ベンジル-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-オン(34.2g、170mmol)の冷却(-78℃)溶液に、THF中のLiHMDS(1.1M溶液、240mmol)を添加した。混合物を1時間撹拌し、次いで、THF(200mL)中のN-フルオロベンゼンスルホンイミド(75.7g、240mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温まで温め、6時間撹拌した。次いで、混合物を再冷却(-78℃)し、THF中のLiHMDS(1.1MのTHF溶液、240mmol)を添加した。
溶液を1時間撹拌し、次いで、THF(200mL)中のN-フルオロベンゼンスルホンイミド(75.7g、240mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温まで温め、6時間撹拌した。混合物をNH4Clの飽和溶液(300mL)に注ぎ、Et2Oで2回抽出した。合わせた有機抽出物を、塩水で洗浄し、減圧下で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-ベンジル-6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-オン(18g、75.9mmol、収率45%)を得た。
工程D:THF(200mL)中のBH3・Me2S(3.42g、45mmol)の温(40℃)溶液に、4-ベンジル-6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-オン(11.9g、50mmol)を滴下した。混合物を40℃で24時間撹拌し、次いで、室温まで冷却した。水(50mL)を滴下し、混合物をEt2O(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、ジオキサン(50mL)中のHClの10%溶液で希釈し、減圧下で蒸発させて、4-ベンジル-6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(3g、13.4mmol、収率27%)を得た。
工程E:メタノール(500mL)中の4-ベンジル-6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(2.68g、12mmol)およびメタノール(500mL)中の水酸化パラジウム(0.5g)を、H2雰囲気下、室温で24時間撹拌した。混合物をろ過し、次いで、減圧下で濃縮して、6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(0.8g、6.01mmol、収率50%)を得た。
7,7-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタンの製造
Figure 2022512873000015
工程A:DCM(100mL)中の1-ベンジルピロリジン-2,3-ジオン(8g、42.3mmol)の冷却(0℃)溶液に、DAST(20.4g、127mmol)を30分かけて滴下した。混合物を室温で一夜撹拌し、次いで、飽和NaHCO3の滴下によりクエンチした。有機層を分離し、水性分画をDCM(2×50mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、1-ベンジル-3,3-ジフルオロピロリジン-2-オン(26.0mmol、収率61%)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
工程B:THF(300mL)中の粗1-ベンジル-3,3-ジフルオロピロリジン-2-オン(5.5g、26mmol)およびTi(Oi-Pr)4(23.4mL、78mmol)の溶液に、2-MeTHF中のEtMgBrの3.4M溶液(45.8mL、156mmol)を、アルゴン雰囲気下で滴下した。12時間撹拌後、水(10mL)を添加して白色沈殿物を得た。沈殿物を、MTBE(3×50mL)で洗浄した。合わせた有機分画を、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン-EtOAc 9:1)により精製して、4-ベンジル-7,7-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(1.3g、5.82mmol、収率22%)を淡黄色油状物として得た。
工程C:4-ベンジル-7,7-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(0.55g、2.46mmol)を、CHCl3(1mL)の溶液中に溶解し、MeOH(20mL)およびPd/C(0.2g、10%)を添加した。混合物をH2雰囲気下で5時間撹拌し、次いで、ろ過した。ろ液を濃縮して、7,7-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン(0.164g、1.23mmol、収率50%)を得た。
1-[(ジフルオロメトキシ)メチル]-N-メチルシクロプロパン-1-アミンの合成
Figure 2022512873000016
工程A:N2下の無水THF(5ml)中の1-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(1.05g、4.58mmol)の溶液に、水素化ホウ素リチウム(1.259ml、4MのTHF溶液、5.04mmol)を添加した。反応混合物を室温で4日間撹拌した。硫酸ナトリウムおよび水を添加し、混合物を硫酸ナトリウムパッドによりろ過して、これをジクロロメタンでリンスした。ろ液を濃縮して、(1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチルを白色固体(0.904g、収率95%)として得た。
工程B:ジクロロメタン(0.5ml)中の(1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.100g、0.497mmol)および(ブロモジフルオロメチル)トリメチルシラン(0.155ml、0.994mmol)の溶液に、酢酸カリウム(0.195g、1.987mmol)水(0.5ml)溶液の1滴を添加した。混合物を40時間撹拌した。混合物をジクロロメタンおよび水で希釈し、有機層を分離して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の20%酢酸エチル)により精製して、N-{1-[(ジフルオロメトキシ)メチル]シクロプロピル}-N-メチルカルバミン酸tert-ブチルを無色油状物(0.058g、収率46%)として得た。
工程C:(1-((ジフルオロメトキシ)メチル)シクロプロピル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.058g、0.231mmol)に、ジオキサン中のHCL(4M溶液、2ml、8.00mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、濃縮して、所望の生成物を得て、これをさらに精製することなく使用した。
LC-MS: m/z 152.2(M+H)+
-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-カルボン酸の合成
Figure 2022512873000017
工程1:LiHMDS(8.4g、50.21mmol、50.21mL)を、無水ジエチルエーテル(50mL)に溶解し、-78℃(ドライアイス/アセトン)まで冷却した。得られた混合物に、無水ジエチルエーテル/無水THF 3:1(60mL)中の4-オキソピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(10.0g、50.21mmol)の溶液を分割添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで、無水ジエチルエーテル(20mL)中のシュウ酸ジエチル(7.34g、50.21mmol、6.82mL)の溶液を、10分間かけて滴下した。反応混合物を、-78℃で15分間撹拌し、次いで、室温まで温めて、20℃で一夜撹拌した。混合物を1M KHSO4(200mL)に注ぎ、層を分離した。水相を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を分離し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、3-(2-エトキシ-2-オキソアセチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(14.1g、47.11mmol、収率93.8%)粗生成物を橙色油状物として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
1H NMR(500 MHz,CDCl3)δ(ppm)1.37(t,3H),1.46(m,9H),2.57(s,2H),3.63(m,2H),4.35(q,2H),4.43(s,2H),15.31(s,1H)。
GCMS:[M+H]+ m/z:計算値299.1;実測値300.1;Rt=7.53分。
工程2:無水EtOH(150mL)中の3-(2-エトキシ-2-オキソアセチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(14.11g、47.14mmol)の撹拌溶液に、酢酸(4.53g、75.43mmol、4.36ml)、次いでヒドラジン水和物(2.36g、47.14mmol、3.93ml)を分割添加した。得られた混合物を45℃で5時間撹拌し、次いで、溶媒を真空で除去し、残渣をNaHCO3飽和水溶液で希釈し、生成物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボン酸5-tert-ブチル3-エチル(11.2g、37.92mmol、収率80.4%)を黄色泡状物として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm)1.38(t,3H),1.49(m,9H),2.82(s,2H),3.71(m,2H),4.38(q,2H),4.64(m,2H),11.56(m,1H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値295.1;実測値296.2;Rt=1.21分。
工程3:アルゴン下の無水THF(250mL)中の水素化ナトリウム(1.82g、0.045mol、鉱油中の10%分散液)の冷却(0℃)懸濁液に、無水THF(50mL)中の1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボン酸5-tert-ブチル3-エチル(11.2g、37.92mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、[2-(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(7.59g、45.51mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。得られた混合物を室温まで温め、水(250mL)に注いだ。生成物を、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮して、粗1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボン酸5-tert-ブチル3-エチル(15.3g、35.95mmol、収率94.8%)を黄色油状物として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm)0.03(m,11H),0.88(m,2H),1.39(t,3H),1.49(s,9H),2.78(m,2H),3.57(m,2H),4.41(q,2H),4.63(m,2H),5.44(s,2H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値425.2;実測値426.2;Rt=1.68分。
工程4:1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボン酸5-tert-ブチル3-エチル(15.3g、35.95mmol)を、THF(100mL)/水(50mL)の混合物に溶解し、水酸化リチウム一水和物(5.28g、125.82mmol)を添加した。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣をKHSO4飽和水溶液でpH4~5まで注意深く酸性化し、生成物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をヘキサンで粉砕し、生成された沈殿物をろ過により集め、乾燥して、5-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-カルボン酸(7.5g、18.87mmol、収率52.5%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)0.05(s,9H),0.86(m,2H),1.47(s,9H),2.77(m,2H),3.55(m,2H),3.71(s,2H),4.62(s,2H),5.43(s,2H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値397.2;実測値398.2;Rt=1.42分。
3-7-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルの合成
Figure 2022512873000018
無水DMF(3mL)中の5-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピラジン-3-カルボン酸(728.85mg、1.83mmol)の溶液に、HATU(697.11mg、1.83mmol)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで、7-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン塩酸塩(300.0mg、1.83mmol)およびトリエチルアミン(742.09mg、7.33mmol)を添加した。反応混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)と水(30mL)により分配した。有機相を水(2×20mL)、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLCにより精製して、3-7-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(451.7mg、891.44μmol、収率48.6%)を褐色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)0.01(s,8H),0.85(m,6H),1.47(s,9H),1.58(s,1H),1.93(m,2.H),2.72(s,2H),3.58(m,2H),3.89(m,8H),4.61(m,2H),5.35(m,2H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値506.3;実測値507.4;Rt=4.47分。
3-8-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(0030-11)の合成
Figure 2022512873000019
無水DMF(5mL)中の5-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピラジン-3-カルボン酸(728.85mg、1.83mmol)の溶液に、HATU(697.11mg、1.83mmol)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで、8-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン塩酸塩(300.0mg、1.83mmol)およびトリエチルアミン(742.09mg、7.33mmol)を添加した。反応混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)と水(30mL)により分配した。有機相を水(2×20mL)、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLCにより精製して、3-8-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(317.8mg、627.18μmol、収率34.2%)を褐色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)0.05(s,8H),0.8(m,6H),1.47(s,9H),2.08(m,2H),2.73(s,2H),3.59(m,2H),3.90(m,8H),4.55(m,2H),5.31(s,2H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値506.3;実測値507.2;Rt=4.82分。
3-7-ヒドロキシ-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(0030-14)の合成
Figure 2022512873000020
無水DMF(3mL)中の5-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピラジン-3-カルボン酸(728.85mg、1.83mmol)の溶液に、HATU(697.11mg、1.83mmol)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで、4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-オール塩酸塩(300.0mg、1.83mmol)およびトリエチルアミン(742.09mg、7.33mmol、1.02mL)を添加した。反応混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)と水(30mL)により分配した。有機相を水(2×20mL)、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLCにより精製して、3-7-ヒドロキシ-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボニル-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(422.0mg、832.82μmol、収率45.4%)を褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ(ppm)0.01(s,9H),0.5(m,2H),0.85(m,3H),1.12(m,2H),1.48(s,10H),2.73(m,2H),3.72(m,6H),4.68(m,4H),5.32(m,2H)。
LCMS(ESI):[M+H]+ m/z:計算値506.3;実測値507.4;Rt=3.98分。
以下の例は、本発明のいくつかの具体的な化合物の製造および特性を例証する。
実施例1
N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-{1-[(ジフルオロメトキシ)メチル]シクロプロピル}-N3-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000021
Rt(方法B)3.236分、m/z 472[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.95(s,1H),8.85(s,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6 Hz,1H),7.42(ddd,J=9.1,4.4,2.7Hz,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),6.70(t,J=75.8Hz,1H),4.62~4.48(m,2H),4.08~3.45(m,3H),3.42~3.34(m,2H),3.02(s,2H),2.79~2.69(m,2H),1.01~0.59(m,4H)。
実施例2
N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(メトキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000022
Rt(方法A)3.16分、m/z 436/438[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.05~12.79(m,1H),9.00~8.75(m,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6Hz,1H),7.48~7.35(m,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.54(d,J=23.5Hz,2H),4.45~3.44(m,4H),3.43~3.22(m,4H),3.02(s,2H),2.73(t,J=5.8Hz,2H),1.03~0.35(m,4H)。
実施例3
N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000023
Rt(方法A)3.01分、m/z 422/424[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.90~12.16(m,1H),9.00~8.74(m,1H),7.73(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.45~7.38(m,1H),7.32~7.25(m,1H),4.85~4.45(m,3H),4.02~3.47(m,4H),3.05~2.98(m,2H),2.77~2.70(m,2H),0.92~0.44(m,4H)、1つのシグナル(1H)は、水シグナルと一致する。
実施例4
N5-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(メトキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000024
Rt(方法A)2.9分、m/z 427[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.11~12.79(m,1H),9.19~8.86(m,1H),7.96~7.90(m,1H),7.83~7.75(m,1H),7.42(t,J=9.2Hz,1H),4.66~4.44(m,2H),3.80~3.44(m,3H),3.29~3.22(m,5H),3.07~2.91(m,2H),2.78~2.69(m,2H),0.89~0.59(m,4H)。
実施例5
N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-メチル-N3-{1-[(プロパン-2-イルオキシ)メチル]シクロプロピル}-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000025
Rt(方法B)3.28分、m/z 464[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.87(s,1H),8.85(s,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6Hz,1H),7.42(ddd,J=9.1,4.3,2.7Hz,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.54(m,2H),3.69(m,2H),3.56(m,2H),3.03(m,2H),2.73(t,J=5.8Hz,2H),1.08(m,6H),0.94~0.44(m,4H)。
実施例6
N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(エトキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-1H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド
Figure 2022512873000026
Rt(方法B)3.18分、m/z 450[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.90(m,1H),8.85(m,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6Hz,1H),7.42(ddd,J=9.1,4.3,2.6Hz,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.54(m,2H),3.69(m,2H),3.55(m,1H),3.45(d,J=7.2Hz,2H),3.03(m,2H),2.73(t,J=5.6Hz,2H),1.11(m,3H),0.96~0.50(m,4H)。
実施例7
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-4-カルボニル}-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2022512873000027
Rt(方法A)3.48分、m/z 454/456[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.94(s,1H),8.88(s,1H),7.72 m,1H),7.41(m,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.56(m,2H),4.47(t,J=13.3Hz,2H),3.68(t,J=5.7Hz,2H),2.74(t,J=5.7Hz,2H),2.47(m,2H),1.96(m,2H),0.66(m,2H)。
実施例8
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-4-カルボニル}-6-メチル-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2022512873000028
Rt(方法H)1.6分、m/z 468/470[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.24~12.94(m,1H),8.84(s,1H),7.71(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.43~7.36(m,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.96(d,J=16.7Hz,1H),4.87~4.77(m,1H),4.58~4.38(m,2H),4.09(d,J=16.7Hz,1H),2.96~2.87(m,1H),2.63~2.43(m,3H),2.04~1.88(m,2H),1.06(d,J=6.8 Hz,3H),0.71~0.59(m,2H)。
実施例9
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{6,6-ジフルオロ-4-アザスピロ[2.4]ヘプタン-4-カルボニル}-6-メチル-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2022512873000029
Rt(方法H)1.6分、m/z 468/470[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.24~12.94(m,1H),8.84(s,1H),7.71(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.43~7.36(m,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.96(d,J=16.7Hz,1H),4.87~4.77(m,1H),4.58~4.38(m,2H),4.09(d,J=16.7Hz,1H),2.96~2.87(m,1H),2.63~2.43(m,3H),2.04~1.88(m,2H),1.06(d,J=6.8Hz,3H),0.71~0.59(m,2H)。
実施例10
1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(1-{N-メチル5-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバモイル]-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-アミド}シクロプロピル)メチル
Figure 2022512873000030
工程1:無水DMF(5mL)中の5-(tert-ブトキシカルボニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-カルボン酸(422mg、1.579mmol)およびHATU(600mg、1.578mmol)の溶液を、10分間撹拌した。次いで、無水DMF(5mL)中の[1-(メチルアミノ)シクロプロピル]メタノール塩酸塩(0.239g、1.73mmol)およびNEt3(520μL、3.74mmol)の懸濁液を添加した。1時間後、追加の無水DMF(0.5mL)中の5-(tert-ブトキシカルボニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-カルボン酸(84mg、0.314mmol)およびHATU(120mg、0.316mmol)(10分間予備撹拌)を添加した。一夜撹拌後、追加の無水DMF(0.5mL)中の5-(tert-ブトキシカルボニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-カルボン酸(84mg、0.314mmol)およびHATU(120mg、0.316mmol)の3番目の小分け(再び、10分間予備撹拌)を添加した。溶液をさらに1時間撹拌し、次いで、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(25mL)とEtOAc(25mL)により分配した。水相を、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して、3-{[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル](メチル)カルバモイル}-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルを白色固体(0.270g、収率49%)として得た。
工程2:無水DMF(8mL)中の3-{[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル](メチル)カルバモイル}-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル(0.103g、0.29mmol)、およびDIPEA(250μL、1.435mmol)の撹拌溶液に、3-クロロ-4-フルオロフェニルイソシアネート(33μL、0.265mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いで、NaHCO3飽和水溶液(30mL)とEtOAc(30mL)により分配した。層を分離し、水相をろ過し、EtOAc(2×30mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中の0~6%MeOH)により精製して、N5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミドを白色固体(0.139g、収率57%)として得た。
工程3:1-(Boc-アミノ)シクロプロパンカルボン酸(30.2mg、0.150mmol)およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(23.4mg、0.113mmol)の冷却(0℃)溶液を10分間撹拌し、次いで、無水THF(12ml)中のN5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N3-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-N3-メチル-2,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,5-ジカルボキサミド(35mg、0.083mmol)の懸濁液を添加し、次いで、4,4-(ジメチルアミノ)ピリジン(1.014mg、8.30μmol)を添加した。混合物を2時間撹拌し、室温まで温めた。24時間後、追加の無水THF(2mL)中の1-(Boc-アミノ)シクロプロパンカルボン酸(15.6mg、0.078mmol)およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(21.0mg、0.102mmol)(20分間予備撹拌)を添加した。混合物を濃縮し、EtOAcに懸濁し、ろ過した。ろ液を濃縮し、DCMに溶解し、水(20mL)、NaHCO3飽和水溶液(20mL)および塩水(20mL)で逐次洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。 残渣をDCM(3mL)に溶解し、次いで、1,4-ジオキサン中の4M塩酸(0.310mL、1.240mmol)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、濃縮し、トルエンと共沸蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製して、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(1-{N-メチル5-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)カルバモイル]-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-アミド}シクロプロピル)メチルを白色固体(12.4mg、収率28%)として得た。
Rt(方法B)2.45分、m/z 505[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.95(s,1H),8.86(s,1H),7.77~7.68(m,1H),7.47~7.37(m,1H),7.28(t,J=9.1Hz,1H),4.65~4.45(m,2H),4.29~4.06(m,1H),4.00~3.63(m,2H),3.55(s,1H),3.29~3.27(m,3H),3.06~2.98(m,1H),2.81~2.70(m,2H),2.30~2.15(m,1H),1.22~1.06(m,2H),1.00~0.58(m,6H)。
実施例11
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{8-オキサ-4-アザスピロ[2.6]ノナン-4-カルボニル}-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2022512873000031
Rt(方法B2)3.24分、m/z 448/450[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.63~11.96(m,1H),9.18~8.57(m,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6 Hz,1H),7.42(ddd,J=9.0,4.4,2.7Hz,1H),7.29(t,J=9.1Hz,1H),4.64~4.46(m,2H),4.07~3.48(m,8H),2.74(t,J=5.7Hz,2H),2.04~1.77(m,2H),0.98~0.63(m,4H)。
実施例12
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{7-ヒドロキシ-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボニル}-2H,4H,5H,6H,7H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキサミド
Figure 2022512873000032
Rt(方法B2)3.01分、m/z 448/450[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.92(s,1H),8.86(s,1H),7.73(dd,J=6.9,2.6Hz,1H),7.42(ddd,J=9.1,4.4,2.7Hz,1H),7.29(t,J=9.1Hz,1H),4.91~4.28(m,4H),3.92~3.49(m,3H),2.73(t,J=5.7Hz,2H),1.95~1.66(m,2H),1.46~1.08(m,2H),1.07~0.36(m,4H)。1つのシグナル(1H)は、水シグナルと一致する。
本発明の選択された化合物をカプシド会合およびHBV複製アッセイにおいて、下記に記載されているように評価し、これらの活性化合物の代表群を表1に示す。
生化学カプシドアセンブリアッセイ
アセンブリエフェクター活性のスクリーニングを、Zlotnick et al.(2007)により公開された蛍光消光アッセイに基づいて行った。150位の固有のシステイン残基と融合されたN末端アセンブリドメインの149アミノ酸を含むC末端切断コアタンパク質は、pET発現システム(Merk Chemicals、独国ダルムシュタット)を用いてE.Coli内で発現された。コア二量体タンパク質の精製を、一連のサイズ排除クロマトグラフィー工程を用いて行った。要するに、NdeI/XhoIを発現プラスミドpET21bにクローン化されたコアタンパク質のコード配列を発現する1L BL21(DE3)Rosetta2培養液からの細胞ペレットを、氷上で1時間、天然溶解バッファー(native lysis buffer)(Qproteome Bacterial Protein Prep Kit;Qiagen、独国ヒルデン)で処理した。遠心分離工程後、上澄み液を、氷上で2時間撹拌しながら、23g/mlの固形硫酸アンモニウムで沈殿させた。さらに遠心分離後、得られたペレットをバッファーA(100mM Tris、pH7.5;100mM NaCl;2mM DTT)に溶解し、その後、バッファーA平衡CaptoCore700カラム(GE HealthCare、独国フランクフルト)にロードした。会合HBVカプシドを含むカラムフロースルーをバッファーN(50mM NaHCO3 pH9.6;5mM DTT)に対して透析を行った後、尿素を2Mの最終濃度に添加して、氷上1.5時間、カプシドをコア二量体に解離した。次いで、タンパク質様液を、1L Sephacryl S300カラムにロードした。バッファーNで溶離後、分画を含むコア二量体を、SDS-PAGEにより同定し、その後、プールして、50mM HEPES pH 7.5;5mM DTTに対して透析を行った。精製されたコア二量体の会合能力を向上するため、5M NaClの添加と共に始まり、上記サイズ排除クロマトグラフィーを含む会合および脱会合の第二回目を行った。最後のクロマトグラフィー工程から、分画を含むコア二量体をプールし、1.5~2.0mg/mlの濃度の一定分量で-80℃において貯蔵した。
標識化直前に、コアタンパク質を、20mMの最終濃度に新たに調製されたDTTの添加によって還元した。氷上で40分のインキュベーション後、保存用バッファーおよびDTTをSephadex G-25カラム(GE HealthCare、独国フランクフルト)および50mM HEPES、pH7.5を用いて除去した。標識化のため、1.6mg/mlコアタンパク質を、1mMの最終濃度のBODIPY-FLマレイミド(Invitrogen、独国カールスルーエ)と共に4℃において暗所で一夜インキュベートした。標識化後、遊離染料を、Sephadex G-25カラムを用いて、さらなる脱塩工程によって除去した。標識化コア二量体を、4℃において一定分量で貯蔵した。二量体状態では、標識化コアタンパク質の蛍光シグナルは高く、コア二量体が高分子カプシド構造へ会合する間に消光する。50mM HEPES pH7.5および1.0~2.0μM標識化コアタンパク質を用いて、10μlの総アッセイ体積でブラック384ウェルマイクロタイタープレートにおいて、スクリーニングアッセイを行った。各スクリーニング化合物を、100μM、31.6μMまたは10μMの最終濃度において始まる0.5ログ単位段階希釈を用いて8つの異なる濃度で添加した。いずれの場合も、マイクロタイタープレート全体にわたるDMSO濃度は0.5%であった。会合反応は、最大消光シグナルの約25%まで会合過程を誘発する300μMの最終濃度までNaClを注入することによって開始した。反応開始6分後、Clariostarプレートリーダー(BMG Labtech、独国オルテンベルク)を用いて、477nmで励起して525nmの発光の蛍光シグナルを測定した。100%および0%会合として、2.5Mおよび0M NaClを含むコントロールHEPESバッファーを使用した。三重反復で3回実験を行った。Graph Pad Prism6ソフトウェア(GraphPad Software、米国ラホヤ)を用いて、EC50値を非線形回帰分析によって算出した。
HepAD38細胞の上澄み液からのHBV DNAの決定
高レベルのHBVウイルス粒子を分泌することが記載されている(Ladner et al.、1997)安定トランスフェクトされた細胞株HepAD38において、抗HBV活性を分析した。要するに、HepAD38細胞を、200μl維持培地中、37℃、5%CO2および95%湿度において培養し、該維持培地は50μg/mlペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco、独国カールスルーエ)、2mM L-グルタミン(PAN Biotech、独国アイデンバッハ)、400μg/ml G418(AppliChem、独国ダルムシュタット)および0.3μg/mlテトラサイクリンを補足したダルベッコ変法イーグル培地/栄養混合物F-12(Gibco、独国カールスルーエ)、10%ウシ胎仔血清(PAN Biotech、独国アイデンバッハ)であった。細胞を1:5比で週1回継代培養したが、通常10回より多くは継代しなかった。アッセイのため、維持培地において、テトラサイクリンなしで、60,000細胞を96ウェルプレートの各ウェルに播種し、試験化合物の半ログ段階希釈で治療した。辺縁効果を最小にするため、プレートの外側36ウェルを使用しなかったが、アッセイ培地で充填した。各アッセイプレート上、ウイルスコントロール(未治療HepAD38細胞)の6ウェルおよび細胞コントロール(0.3μg/mlテトラサイクリンで治療されたHepAD38細胞)の6ウェルを、それぞれ、割り当てた。加えて、スクリーニング化合物の代わりにBAY41-4109、エンテカビル、およびラミブジンなどの参照阻害剤を含む1つのプレートセットを、各実験において調製した。概して、三重反復で3回実験を行った。6日目、100μlのろ過された細胞培養上澄み液からのHBV DNA(AcroPrep Advance 96Filter Plate、0.45μM Suporメンブレン、PALL GmbH、独国ドライアイヒ)を、製造者説明書に従ってMagNA Pure96 DNAおよびViral NA小容量キット(Roche Diagnostics、独国マンハイム)を用いてMagNa Pure LC装置で自動的に精製した。HBV DNAの相対複製数から、EC50値を算出した。要するに、HBV DNAを含む100μlの溶出物の5μlを、1μMアンチセンスプライマーtgcagaggtgaagcgaagtgcaca、0.5μMセンスプライマーgacgtcctttgtttacgtcccgtc、0.3μMハイブリダイゼーションプローブacggggcgcacctctctttacgcgg-FLおよび12.5μlの最終体積までのLC640-ctccccgtctgtgccttctcatctgc-PH(TIBMolBiol、独国ベルリン)と共にPCR LC480プローブマスターキット(Roche)に付した。下記のプロトコールを用いて、Light Cycler480レアルタイムシステム(Roche Diagnostics、独国マンハイム)で、PCRを行った:95℃で1分間のプレインキュベーション、増幅:40サイクル×(95℃で10秒、60℃で50秒、70℃で1秒)、40℃で10秒間の冷却。pCH-9/3091のHBVプラスミドDNA(Nassal et al.,1990,Cell 63:1357-1363)およびLightCycler480SW1.5ソフトウェア(Roche Diagnostics、独国マンハイム)を用いて、既知標準品に対してウイルス負荷を定量化し、GraphPad Prism6(GraphPad Software、米国ラホヤ)を用いた非線形回帰分析を使用して、EC50値を算出した。
細胞生存率アッセイ
AlamarBlue生存率アッセイを使用して、HBVゲノムの発現を遮断する0.3μg/mlテトラサイクリンの存在下、HepAD38細胞において細胞毒性を評価した。アッセイ条件およびプレートレイアウトは抗HBVアッセイと同様であったが、他のコントロールを使用した。各アッセイプレートにおいて、未治療HepAD38細胞を含む6ウェルを100%生存率コントロールとして使用し、アッセイ培地のみが充填された6ウェルを0%生存率コントロールとして使用した。加えて、60μM最終アッセイ濃度において始まるシクロヘキシミドのゲノム濃度系列を、各実験におけるポジティブコントロールとして使用した。6日のインキュベーション期間後、Alamar Blue Presto細胞生存率試薬(ThermoFisher、独国ドライアイヒ)を、アッセイプレートの各ウェルに1/11希釈で添加した。37℃で30~45分間のインキュベーション後、生細胞数に比例する蛍光シグナルを、それぞれ、励起フィルター550nmおよび発光フィルター595nmを有するTecan Spectrafluor Plusプレートリーダーを用いて読み取った。未治療コントロール(100%生存率)およびアッセイ培地(0%生存率)のパーセンテージにデータを正規化した後、非線形回帰分析およびGraphPad Prism6.0(GraphPad Software、米国ラホヤ)を用いて、CC50値を算出した。平均EC50値およびCC50値を使用して、各試験化合物の選択性指数(SI=CC50/EC50)を算出した。
表1:生化学および抗ウイルス活性
表1では、「+++」は、EC50<1μMを表し;「++」は、1μM<EC50<10μMを表し;「+」は、EC50<100μMを表す(細胞活性アッセイ)。
表1では、「A」は、IC50<5μMを表し;「B」は、5μM<IC50<10μMを表し;「C」は、IC50<100μMを表す(アセンブリアッセイ活性)。
Figure 2022512873000033
インビボ有効性モデル
抗ウイルス薬のHBV研究および前臨床試験は、ウイルスの狭い種および組織親和性、入手可能な感染症モデルの不足ならびにHBV感染症に完全に罹り易い唯一の動物であるチンパンジーの使用により課せられる制限によって限定される。代替の動物モデルは、HBV関連ヘパドナウイルスの使用に基づき、様々な抗ウイルス化合物は、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)感染マーモットまたはアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)感染アヒルまたはウーリーモンキーHBV(WM-HBV)感染ツパイア属において試験されてきた(Dandri et al.,2017,Best Pract Res Clin Gastroenterol 31,273-279の概要)。しかしながら、代替のウイルスの使用は、いくつかの制限を有する。例えば、最も遠い関連のDHBV間の配列相同性があり、HBVはほんの約40%でしかなく、これは、HAPファミリーのコアタンパク質アセンブリモディファイヤーがDHBVおよびWHVに対して不活性と思われるが、HBVを効果的に抑制したからである(Campagna et al.,2013,J.Virol.87,6931-6942)。マウスはHBVを許容しないが、主な努力は、ヒトHBVに対してトランスジェニックマウス(HBV tgマウス)の生成、マウスのHBVゲノムの水圧注入(HDI)またはヒト化肝臓および/もしくはヒト化免疫系を有するマウスの生成などのHBV複製および感染症のマウスモデルの開発、ならびに免疫コンピテントマウスへのHBVゲノムを含むアデノウイルス(Ad-HBV)またはアデノ随伴ウイルス(AAV-HBV)に基づくウイルスベクターの静脈内注射に集中してきた(Dandri et al.,2017,Best Pract Res Clin Gastroenterol 31,273-279の概要)。完全HBVゲノムに対してトランスジェニックマウスを使用して、マウス肝細胞の感染性HBVウイルスを産生する能力を実証することができた(Guidotti et al.,1995,J.Virol.,69:6158-6169)。トランスジェニックマウスはウイルスタンパク質に対して免疫寛容であり、HBV産生マウスにおいて肝損傷は観察されておらず、これらの試験は、HBVそれ自体は細胞傷害性ではない。ポリメラーゼ阻害薬およびコアタンパク質アセンブリモディファイヤーなどのいくつかの抗HBV薬の有効性を試験するために、HBVトランスジェニックマウスを使用し(Weber et al.,2002,Antiviral Research 54 69‐78;Julander et al.,2003,Antivir.Res.,59:155-161)、したがって、HBVトランスジェニックマウスは多くのタイプの前臨床抗ウイルスインビボ試験に充分適している。
Paulsen et al.,2015に記載されているように、2916/2917位にフレームシフト変異(GC)を有するPLOSone,10:e0144383 HBVトランスジェニックマウス(Tg[HBV1.3 fsX-3’5’])を使用して、インビボでのコアタンパク質アセンブリモディファイヤーの抗ウイルス活性を実証することができる。要するに、HBVトランスジェニックマウスを、実験前のqPCRによって血清中のHBV特異的DNAについてチェックした(セクション“Determination of HBV DNA from the supernatants of HepAD38 cells”参照)。各治療群は、血清ml当たり107~108ウイルス粒子の力価を有する約10週齢の5匹の雄および5匹の雌動物から成った。化合物を、2%DMSO/98%チロース(0.5%メチルセルロース/99.5%PBS)または50%PEG400などの適切な媒体中の懸濁液として製剤し、10日間に1日1~3回、動物に経口投与した。媒体はネガティブコントロールとなるが、適切な媒体中の1μg/kgエンテカビルはポジティブコントロールであった。イソフルラン気化器を使用して眼球後血液サンプリングによって血液を得た。最後の治療6時間後の末端心臓穿刺、血液または臓器を集めるため、マウスをイソフルランで麻酔し、その後、CO2暴露により屠殺した。眼球後(100~150μl)および心臓穿刺(400~500μl)血液サンプルを、それぞれ、Microvette 300 LHまたはMicrovette 500 LHに集め、遠心分離(10分、2000g、4℃)により血漿を分離した。肝組織を取り出し、液体N2に急速凍結した。全サンプルを、さらに使用するまで、-80℃で貯蔵した。ウイルスDNAを、50μl血漿または25mg肝組織から抽出し、製造者説明書に従って、DNeasy 96 Blood & Tissue Kit(Qiagen、独国ヒルデン)を使用して50μlのAEバッファー(血漿)またはDNeasy Tissue Kit(Qiagen、独国ヒルデン)を使用して320μl AEバッファー(肝組織)に溶出した。溶出ウイルスDNAを、製造者説明書に従って、LightCycler 480 Probes Master PCR Kit(Roche、独国マンハイム)を使用してqPCRに付して、HBV複製数を決定した。使用されたHBV特異的プライマーとしては、フォワードプライマー5’-CTG TAC CAA ACC TTC GGA CGG-3’、リバースプライマー5’-AGG AGA AAC GGG CTG AGG C-3’およびFAM標識化プローブFAM-CCA TCA TCC TGG GCT TTC GGA AAA TT-BBQであった。20μlの総体積を有する1つのPCR反応サンプルは、5μlのDNA溶出物および15μlのマスター混合物(フォワードプライマーの0.3μM、リバースプライマーの0.3μM、FAM標識化プローブの0.15μMを含む)を含んでいた。下記のプロトコールを用いて、Roche LightCycler1480でqPCRを行った:95℃で1分間プレインキュベーション、増幅:(95℃で10秒、60℃で50秒、70℃で1秒)×45サイクル、40℃で10秒間冷却。上記のように、標準曲線を作成した。全サンプルを二重反復で試験した。アッセイの検出限界は、約50HBV DNA複製物である(250~2.5×107複製物数の範囲の標準物を使用して)。HBV DNA複製物/10μl血漿またはHBV DNA複製物/100ng総肝臓DNA(ネガティブコントロールに正規化)として結果を表す。
複数の試験において、トランスジェニックマウスがインビボでの新規化学成分の抗ウイルス活性を証明する適切なモデルであるだけでなく、マウスのHBVゲノムの水圧注入の使用ならびにHBV陽性患者血清で感染された免疫不全ヒト肝臓キメラマウスの使用は、HBVを標的とする薬物をプロファイルするために使用することも多いことが分かった(Li et al.,2016,Hepat.Mon.16:e34420;Qiu et al.,2016,J.Med.Chem.59:7651-7666;Lutgehetmann et al.,2011,Gastroenterology,140:2074-2083)。加えて、慢性HBV感染症は、HBVゲノムを含むアデノウイルス(Huang et al.,2012,Gastroenterology 142:1447-1450)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの低用量を接種することによって免疫コンピテントマウスにおいて首尾良く確証された(Dion et al.,2013,J Virol.87:5554-5563)。このモデルを使用して、新規抗HBV薬剤のインビボ抗ウイルス活性を実証することができた。

Claims (11)

  1. 式I:
    Figure 2022512873000034
    の化合物であって、前記式中、
    -R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
    -R2は、Hまたはメチルであり;
    -R3は、HまたはC1~C4-アルキルであり、ここで前記C1~C4-アルキルは任意選択で重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されており;
    -R4は、R4がR3と連結するという条件でC1~C2-アルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-アルキル、C1~C2-ヒドロキシアルキル、C1~C2-アルキル-O-C1~C4-ハロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C3~C6-シクロアルキル,C1~C2-アルキル-S-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-SO2-C1~C4-アルキル、C1~C2-アルキル-C≡N、C1~C2-アルキル-C3~C7-ヘテロシクロアルキル、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C3~C7-シクロアルキル)NH2、C1~C2-アルキル-O-C(=O)(C1~C13-アルキル)NH2、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールを含む群から選択され、ここでC3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C6-アルキルで1回、2回、または3回置換されており、R3およびR4は任意選択で連結して、5員、6員または7員ヘテロシクロアルキル環を形成しており、前記ヘテロシクロアルキル環は、非置換またはハロゲン、カルボキシ、OH、C1~C4-アルコキシ、OCF3、OCHF2もしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されており;
    -Xは、O、CH2、またはNR11であり;
    -mは、0、1または2であり;
    -R11は、HまたはC1~C4-アルキルである、
    式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  2. アリールはC6-アリールであり、および/またはヘテロアリールはC1~C9-ヘテロアリールであり、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルはN、OおよびSから各々独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、請求項1に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  3. 前記プロドラッグは、エステル類、カーボネート類、アセチルオキシ誘導体、アミノ酸誘導体およびホスホロアミデート誘導体を含む群から選択される、請求項1または2に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  4. 式II:
    Figure 2022512873000035
    の化合物であって、前記式中、
    -R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
    -R2は、Hまたはメチルであり;
    -R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
    -R5は、H、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、または1,1,1-トリジュウテロメチルである、
    式IIの化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  5. 式III:
    Figure 2022512873000036
    の化合物であって、前記式中、
    -R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
    -R2は、Hまたはメチルであり;
    -R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
    -R6は、任意選択でハロゲン、NH2またはC1~C4-アルキルで1回、2回、または3回置換されている、C3~C7-ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである、
    式IIIの化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  6. 式IV:
    Figure 2022512873000037
    の化合物であって、前記式中、
    -R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
    -R2は、Hまたはメチルであり;
    -nは、1、2または3であり;
    -R7、R8、R12およびR13は、H、ハロゲン、OH、C1~C4-アルコキシ、OCHF2、OCF3およびC≡Nを含む群から各々独立して選択される、
    式IVの化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  7. 式V:
    Figure 2022512873000038
    の化合物であって、前記式中、
    -R1は、任意選択でハロゲン、C1~C4-アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C4-ハロアルキルまたはC≡Nにより1回、2回、または3回置換されている、フェニルまたはピリジルであり;
    -R2は、Hまたはメチルであり;
    -R3は、非置換または重水素、ハロゲンもしくはC≡Nで1回、2回、もしくは3回置換されている、C1~C4-アルキルであり;
    -R9およびR10は、HおよびC1~C6-アルキルから各々独立して選択され;
    -R9およびR10は任意選択で連結して、C3~C7-シクロアルキル環を形成している、
    式Vの化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  8. 対象におけるHBV感染症の予防または治療に使用するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグ。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグと、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  10. それを必要とする個体におけるHBV感染症の治療方法であって、前記方法は、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩の溶媒和物もしくは水和物、または前記化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグの治療有効量を前記個体に投与することを含む、方法。
  11. 式VI:
    Figure 2022512873000039
    (式中、R1は請求項1で定義されている通りである)の化合物と式VII:
    Figure 2022512873000040
    (式中、R2、R3、R4、Xおよびmは、請求項1~3のいずれか一項で定義されている通りである)の化合物との反応による、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物の製造方法。
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