JP2022509586A - 高度の末端基封止を介して得られる耐汚染性ポリアミドポリマー - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、いずれもその全内容が参照により本明細書に援用される2018年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/758,036号及び2019年4月22日に出願された米国仮特許出願第62/836,813号の優先権を主張するものである。
本発明は、ポリアミドポリマーを製造するための、詳細には、ポリアミドポリマーの高度な末端基封止を介して、着色テキスタイル又はカーペット繊維のための耐汚染性ポリアミドポリマーを製造するための材料、方法、及び装置に関する。
ポリアミドポリマーは、AATCC試験法175-08に従う10未満のΔEを有し得る。ポリアミドポリマーは、ポリカプロラクタムであってよい。
繊維は、AATCC試験法175-08に従う22未満のΔEを有し得る。提供する工程のポリアミドポリマーは、ポリカプロラクタムである。
アミン末端基(AEG)濃度は、70%フェノール/30%メタノール中のポリアミドのサンプルを滴定するのに要する塩酸(0.1Nの標準HCl)の量により、以下の式に従って特定することができる。
(サンプルを滴定するためのHClのmL - ブランクを滴定するためのHClのmL)×(HClの規定度)×1000/サンプル重量(g)
例えば、二重末端封止されたPA-6樹脂は、25mmol/kg以下、22mmol/kg以下、20mmol/kg以下、若しくは18mmol/kg以下、又は少なくは10mmol/kg以下、8mmol/kg以下、7mmol/kg以下、若しくは5mmol/kg以下のアミン末端基濃度を有してよく、又は二重末端封止されたPA-6樹脂は、例えば5mmol/kg~25mmol/kg、7mmol/kg~22mmol/kg、若しくは8mmol/kg~20mmol/kgなどの上記の値のいずれか2つの間で定められるいずれかの範囲内であるアミン末端基濃度を有してよい。
(サンプルを滴定するためのKOHのmL - ブランクを滴定するためのKOHのmL)×(KOHの規定度)×1000/サンプル重量(g)
例えば、二重末端封止されたPA-6樹脂は、25mmol/kg以下、22mmol/kg以下、20mmol/kg以下、若しくは18mmol/kg以下、又は少なくは10mmol/kg以下、7mmol/kg以下、6mmol/kg以下、若しくは5mmol/kg以下のカルボキシル末端基濃度を有してよく、又は二重末端封止されたPA-6樹脂は、例えば5mmol/kg~25mmol/kg、6mmol/kg~22mmol/kg、若しくは10mmol/kg~20mmol/kgなどの上記の値のいずれか2つの間で定められるいずれかの範囲内であるカルボキシル末端基濃度を有してよい。
本開示の二重末端封止されたPA樹脂は、そのような樹脂から製造したカーペット繊維サンプルと共に赤色染料による付着汚れを用いた米国繊維化学技術・染色技術協会(AATCC)試験法175-08に概説されている赤色染料吸着試験のプロトコルに従って測定した場合の、比較的高い耐汚染性を有し得る。例えば、耐汚染性パラメータΔEは、25、22、若しくは20未満、又は少なくは、5、7、若しくは10未満、又は例えば5~20などの上記の値のいずれか2つの間で定められるいずれかの範囲内であってよい。
例1
ポリアミドポリマーの製造
アミン末端封止(AEG)サンプル-「アミン末端のみで封止」:
第一セットの実験ポリマーには、「アミン末端のみでの封止」の量を増加させたポリアミドを含めた。これらのポリマーは、酢酸を加水分解反応工程に導入することによって製造した。酢酸封止剤を、測定された量でε-カプロラクタムと組み合わせて、重合プロセスの過程で目標レベルのアミン末端封止を実現した。重合プロセスは、実験用バッチ反応器及びマルチケトルパイロットラインの両方で実施し、加水分解、付加重合、及び重縮合工程を介する典型的なポリアミド合成反応を、末端封止反応から生成される水の除去を促進するための脱気能力を高めて行った。
第二セットの実験ポリマーは、「カルボキシル末端のみでの封止」の量を増加させたポリアミドを含めた。これらのポリマーは、シクロヘキシルアミンを加水分解反応工程に導入することによって製造した。シクロヘキシルアミン封止剤を、測定された量でε-カプロラクタムと組み合わせて、ポリアミド重合プロセスの過程で目標レベルのカルボキシル末端封止を実現した。重合プロセスは、実験用バッチ反応器及びマルチケトルパイロットラインの両方で実施し、加水分解、付加重合、及び重縮合工程を介する典型的なポリアミド合成反応を、末端封止反応から生成される水の除去を促進するための脱気能力を高めて行った。
第三セットの実験ポリマーは、酸性酸及びシクロヘキシルアミンの両方を加水分解反応工程に添加することによって、アミン末端封止(AEG)及びカルボキシル末端封止(CEG)の両方の濃度を増加させて作製した。酸性酸及びシクロヘキシルアミンの封止剤を、測定された量でε-カプロラクタムと組み合わせて、目標レベルのアミン及びカルボキシル末端封止を実現した。重合プロセスは、実験用バッチ反応器及びマルチケトルパイロットラインの両方で実施し、加水分解、付加重合、及び重縮合工程を介する典型的なポリアミド合成反応を、末端封止反応から生成される水の除去を促進するための脱気能力を高めて行った。
末端封止なしのポリアミド、及び耐汚染性という有益性で市販されているカチオン性PA-6樹脂などの市販品から入手したポリアミドを含む第四セットのポリマーを、コントロールとした。末端封止されていないポリアミドは、標準的なポリアミド重合プロセスを用い、実験用バッチ反応器及びマルチケトルパイロットラインの両方で実施し、加水分解、付加重合、及び重縮合工程を介する標準的なポリアミド合成反応を行うことによって作製した。
繊維サンプルの製造
本開示の二重末端封止されたポリアミド樹脂は、織ってテキスタイル織物又はカーペット繊維とすることができる繊維に紡糸された場合に有用であり、例1に提供されるプロトコルに従って製造された樹脂サンプルは、溶融押出しを用いてさらに処理されて、織物又はカーペットなどの最終用途のための繊維とされる。例1の末端封止樹脂又は非末端封止コントロール樹脂がそのような下流での使用に適する繊維に処理された条件を、以下の表5に挙げる。
ポリアミドポリマー及びそれから製造した繊維の耐汚染性についての評価
浸出及び乾燥させた末端封止、非末端封止コントロール、及び市販のポリアミド樹脂ペレットを、赤色染料吸着試験に掛けた。
標準ΔE=((ΔL^2)+(Δa^2)+(Δb^2))^1/2)
標準ΔEは、染料の取り込み/吸着レベルに起因する色の変化を測定するパラメータである。以下の表6は、様々な末端封止、非末端封止コントロール、市販のベンチマークポリアミド、複合ブレンドポリアミドを示し、表6-2には、耐汚染性マスターバッチ配合を有するある特定のポリアミド混合物について、FAV値、末端濃度、及び末端封止レベル(AEG(%)又はCEG(%)又は封止率(%))、及び樹脂又は樹脂から作製した繊維の比色測定から算出したΔE値を挙げる。
パラメータ「溶融FAV安定性」を、末端封止ポリアミド樹脂、及びコントロールとしての非末端封止ポリアミド樹脂を含む例1に従って製造した様々な樹脂サンプルについて試験した。溶融安定性サンプルを、メルトフロー試験機を用いて各樹脂サンプルから作製した。その後、ポリアミド樹脂サンプルを、10分間隔で(又は10分~60分)取り出し、元の樹脂FAVコントロールサンプル(保持時間が0分)に対して、溶融保持時間の曝露が長くなることに起因するFAV/分子量の変化を測定した。溶融安定性サンプルのFAV値を、規格ASTM D-789ギ酸粘度試験法を用いて測定した。以下の表7に得られた結果を挙げる。
パラメータ「溶融溶出物/C1(%)増加安定性」を、末端封止及び非末端封止コントロールサンプルを含む例1に従って製造した様々なポリマー樹脂サンプルについて試験した。溶融安定性サンプルを、メルトフロー試験機を用いてそのような樹脂サンプルから作製した。続いて、これらのサンプルを、10分間隔で(又は10分~60分)取り出し、元のポリマー樹脂溶出物/C1(%)コントロールサンプル(0分間の溶融保持時間に曝露)に対して、溶融保持時間の曝露が長くなることに起因する溶出物/C1(%)の変化を測定した。以下の表10に得られた結果を挙げる。
Hills半延伸糸/延伸糸(POY/FDY)テキスタイル繊維紡糸の評価を、末端封止、非末端封止、及び市販/競合コントロールサンプルから作製した実験繊維サンプルに対して行った。さらなる繊維サンプルを、末端封止又は非末端封止のベース樹脂とポリエステルベースの市販耐汚染性マスターバッチ添加剤とのブレンドから作製し、紡糸して染料吸着試験用の150~370d/36f POY及びFDY繊維とした。
Claims (16)
- アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するポリアミドポリマーであって、さらに、
20mmol/kg未満のアミン末端基濃度、
20mmol/kg未満のカルボキシル末端基濃度、及び
ASTM D-789に従って測定した場合の少なくとも40のギ酸粘度(FAV)、
を有する、ポリアミドポリマー。 - 8mmol/kg~20mmol/kgのアミン末端基濃度を有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- 6mmol/kg~20mmol/kgのカルボキシル末端基濃度を有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- ASTM D-789に従って測定した場合の少なくとも50のギ酸粘度(FAV)を有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- ASTM D-789に従って測定した場合の40~90のギ酸粘度を有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- ISO 6427に従って測定した場合の1.0重量%未満の溶出物含有量を有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- AATCC試験法175-08に従う10未満のΔEを有する、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
- ポリカプロラクタムである、請求項1に記載のポリマー。
- アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するポリアミドポリマーを提供する工程であって、前記ポリアミドポリマーはさらに、
20mmol/kg未満のアミン末端基濃度、
20mmol/kg未満のカルボキシル末端基濃度、及び
ASTM D-789に従って測定した場合の少なくとも40のギ酸粘度(FAV)、
を有する、ポリアミドポリマーを提供する工程、及び
前記ポリアミドポリマーを、少なくとも2500m/分の紡糸速度で紡糸して複数の繊維を形成する工程、
を含む、ポリアミドポリマー繊維の形成方法。 - 前記紡糸工程が、前記ポリアミドポリマーを、2500m/分~5000m/分の紡糸速度で紡糸して複数の繊維を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記繊維が、AATCC試験法175-08に従う22未満のΔEを有する、請求項10に記載の方法。
- 前記提供する工程の前記ポリアミドポリマーが、ポリカプロラクタムである、請求項10に記載の方法。
- 前記提供する工程の前記ポリアミドポリマーが、8mmol/kg~20mmol/kgのアミン末端基濃度を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記提供する工程の前記ポリアミドポリマーが、6mmol/kg~20mmol/kgのカルボキシル末端基濃度を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記提供する工程の前記ポリアミドポリマーが、ASTM D-789に従って測定した場合の40~90のギ酸粘度を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記提供する工程の前記ポリアミドポリマーが、ISO 6427に従って測定した場合の1.0重量%未満の溶出物含有量を有する、請求項10に記載の方法。
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