JP2022507870A

JP2022507870A - 吸収性物品

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Publication number: JP2022507870A
Application number: JP2021528438A
Authority: JP
Inventors: アレクサンドラ、ジョーン、ラマシャンドラン; エドワード、ポール、カーリン; ジョシュア、アンドリュー、ウィリアムズ
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 2018-11-29
Filing date: 2019-11-25
Publication date: 2022-01-18
Also published as: WO2020112600A1; US20200170850A1; CN113164296A; EP3886781A1

Abstract

トップシート及びバックシートで形成されたシャーシと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、を有する、吸収性物品。第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフは、長手方向中心線の両側において、吸収性物品の身体に面する表面上に設けられる。カフのそれぞれは、シャーシに取り付けられた近位端と、中心線に向かって延在する遠位端と、を有し、近位端と遠位端との間で測定されるカフの幅は、少なくとも３ｍｍである。吸収性物品のカフは、少なくとも２つの層を有するカフを形成するために遠位端に折り畳みを組み込むか、又は少なくとも０．０４ｇ＊ｃｍの最小カフ剛性を有してよい。

Description

本発明は、第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフを有する吸収性物品に関する。

バリアカフを有する使い捨て吸収性物品は既知であり、現在市販されており、漏れの可能性を低減するのに役立っている。一般に、バリアカフは、使用時にバリアカフをおむつ又はパッドの上面に対して立ち上がらせる、１つ又は複数の予歪みを付与された弾性ストランドを含む。

そのようなバリアカフは、例えば、大量の排出物を支えることを意図したおむで、また、着用者の皮膚と吸収性物品の汚れた表面との間に確実な距離を維持することが好ましい場合に、非常に良好に機能する。しかしながら、排出物の量が少ない場合、及び／又は、吸収性物品が、通常の衣類の下で毎日使用されることが意図されている場合、これらの伸縮性バリアカフは不快な場合があり、及び／又は控え目ではない（less discrete）吸収性物品になる場合がある。伸縮性のある手段を含めることにより、そのような物品の製造コストも増加する。

反対に、特に、尿を吸収することを意図した成人用失禁パッドについては、バリアカフを完全に省略することは、吸収性物品の有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。これは特に、例えば、吸収性物品の表面に尿が定期的に噴出される場合に当てはまる。噴出量が少ない場合であっても、尿が吸収性物品を貫通して完全に吸収されるまで時間を要する。すなわち、このときに、吸収性物品の表面から横漏れが生じるリスクがある。

したがって、横漏れに対するいくらかの保護を依然として提供する、より快適なバリアカフが必要とされている。

本発明は、長手方向中心線を有する吸収性物品であって、吸収性物品は、ａ）トップシート及びバックシートを含むシャーシと、ｂ）トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、ｃ）長手方向中心線の両側において、吸収性物品の身体に面する表面上に設けられた、第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフであって、当該カフのそれぞれは、シャーシに取り付けられた近位端と、長手方向中心線に向かって延在する遠位端と、を有し、近位端と遠位端との間で測定されるカフの幅が少なくとも３ｍｍであり、当該カフのそれぞれが、少なくとも２つの層を有するカフを形成するために遠位端で折り畳まれている単一の材料層で形成されている、カフと、を備える、吸収性物品を目的とする。

本明細書に記載される非伸縮性カフは、吸収性物品の製造後は、トップシートと同一平面上にある。遠位端で折り畳まれた、特定の幅（すなわち、カフの近位端から遠位端までの距離）の非伸縮性カフを有することにより、吸収性物品がその位置を変更しときに（例えば通常使用中に）トップシートに対して立ち上がり、吸収性物品の表面からの排出物の横漏れに対する効果的なバリアを提供する、カフを提供する。

本発明は更に、長手方向中心線を有する吸収性物品であって、吸収性物品は、ａ）トップシート及びバックシートとを含むシャーシと、ｂ）トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、ｃ）長手方向中心線の両側において、吸収性物品の身体に面する表面上に設けられた、第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフであって、当該カフのそれぞれは、シャーシに取り付けられた近位端と、長手方向中心線に向かって延在する遠位端と、を有し、近位端と遠位端との間で測定されるカフの幅が少なくとも３ｍｍであり、当該カフのそれぞれが、少なくとも０．０４ｇ^＊ｃｍのカフ剛性を有する、カフと、を備える、吸収性物品を目的とする。

本明細書に記載される非伸縮性カフは、吸収性物品の製造後は、トップシートと同一平面上にある。特定の幅（すなわち、カフの近位端から遠位端までの距離）及び最小剛性の非伸縮性カフを有することにより、吸収性物品がその位置を変更しときに（例えば通常使用中に）トップシートに対して立ち上がり、吸収性物品の表面からの排出物の横漏れに対する効果的なバリアを提供する、カフを提供する。

以下の本発明の特定の形態の詳細な記載は、本明細書に含まれている図面と共に読まれると、より深く理解され得る。
本明細書に記載される吸収性物品の上方からの概略図である。図１に示される吸収性物品の概略的な代替形態である。図１に示される吸収性物品の概略的な代替形態である。図１に示される吸収性物品の概略横断面図である。追加の詳細が強調された図１の概略図である。本明細書に記載される吸収性物品上に設けられたカフの概略的な代替形態である。本明細書に記載される吸収性物品上に設けられたカフの概略的な代替形態である。本明細書に記載される吸収性物品上に設けられたカフの概略的な代替形態である。湾曲したＣＤの流出を測定するために使用される試験方法及び装置の概略図である。パッド全体の剛性を測定するための試験方法及び装置の概略図である。パッド全体の剛性を測定するための試験方法及び装置の概略図である。

本発明は概して、通常は膣排泄物及び／又は尿漏れを吸収するために女性によって外部に着用される吸収性物品であることが知られている、婦人用衛生物品に関するものである。婦人用衛生物品という用語は、一般にパッド、パンティーライナー、ライナー、生理用ナプキン、生理用タオル、成人用失禁パッド、及び陰唇間装置と呼ばれる物品を包含する。これらの物品は、典型的には、ユーザの下着によってユーザの恥骨部に隣接して適所に保持されるものであり、また接着剤又は他の接合手段によってそこに固着されてもよい。

本明細書で使用するとき、「同一平面」という用語は、物品の列挙された部分に直接当接するか、又は直接隣接することを意味する。

本明細書で使用するとき、「不織布ウェブ」という用語は、個々の繊維又は糸が入り組んではいるものの、ランダムに配向された繊維を通常は有さない織布又は編布におけるような繰り返しパターンとして入り組んではいない構造を有するウェブのことを指す。不織布の坪量は、通常、１平方メートル当たりのグラム数（ｇｓｍ）で表される。不織布ウェブ／積層体の坪量は、構成層、及び任意のその他の追加された構成要素を合わせた坪量である。繊維直径は、通常はマイクロメートルで表されるが、繊維寸法は、繊維の長さ当りの重量の単位であるデニールでも表すことができる。

本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、通常は円形をした複数の細い紡糸口金の毛管から、溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出すことによって形成される小径繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面上に堆積するとき、通常は粘着性ではない。スパンボンド繊維は概ね連続的であり、７マイクロメートルより大きい、より具体的には約８～４０マイクロメートルの（少なくとも１０個のサンプルからの）平均直径を有する。

本明細書で使用するとき、「親和性」及び「非親和性」は、材料表面上の言及される液体の接触角に関して当該技術分野において確立された意味を有する。したがって、約７５度を超える液体接触角を有する材料は、非親和性と見なされ、約７５度未満の液体接触角を有する材料は、親和性と見なされる。

本明細書に記載される吸収性物品は、トップシート及びバックシートを有するシャーシと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアと、長手方向中心線の両側において、吸収性物品の身体に面する表面上に設けられた、第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフと、を備える。カフのそれぞれは、シャーシに取り付けられた近位端と、長手方向中心線に向かって延在する遠位端と、を有し、近位端と遠位端との間で測定されるカフの幅は、少なくとも３ｍｍである。吸収性物品のカフは、少なくとも２つの層を有するカフを形成するために遠位端に折り畳みを組み込むか、又は少なくとも０．０４ｇ^＊ｃｍの最小カフ剛性を有してよい。製造中、第１のカフ及び第２のカフは、各カフの遠位端、又はその一部分が、吸収性物品の身体に面する表面上で同一平面上になるように位置付けられる。使用中、カフの遠位端、又はその一部分は、カフが、吸収性物品の表面上に留まっているあらゆる排出物の横漏れに対するバリアとして機能するように、吸収性物品の表面から離れて持ち上がる。

伸縮性カフは、吸収性物品の側部漏れに対する防御を提供することでよく知られている。弾性体はカフに張力を生じさせ、それらがカフを、カフが取り付けられた吸収性物品の表面に対して「立ち上がらせる」。そのようなカフは、大量の尿を吸収することが予想される成人用失禁吸収性物品において特に有用である。カフは、吸収性物品の表面からの尿の漏れを防止し、尿が物品内に浸透し吸収性コアに吸収されるための時間を与える。しかしながら、そのような伸縮性カフは、ユーザにとって、特に、それらを毎日使用することを望むユーザにとって、不快である場合がある。更に、大抵、日常的に使用される吸収性物品は、伸縮性カフによって提供されるのと同じレベルの保護を提供する必要はない場合がある。本発明者らは、これに応じて、ユーザの快適性を損なうことがない非伸縮性カフの使用による、いくらかの追加の保護の提供のバランスを見出した。理論に束縛されるものではないが、最小幅を有することにより、遠位端がトップシートから離れて持ち上がり、シャーシの表面からの液体の横漏れに対するバリアを提供することができる、つまり、液体が吸収性物品によって吸収されるための更なる時間が与えられと考えられる。更に、剛性を増加させることにより（最小剛性を提供することによって、又はカフの遠位端に折り畳みを導入することによって）、普通であればトップシートから流れ出る場合のある液体の力に、よりうまく耐えることができる、より強いカフを提供する。

第１のカフ及び第２のカフは、２つ以上の材料層を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、カフ内に複数の材料層を提供することにより、カフの剛性及び強度が増加すると考えられる。これにより、カフがトップシートに対して座屈し、したがって、遠位端がトップシートに対して立ち上がる結果となる。強度の増加は、カフに対して押しつけられる液体からの力にカフが耐える能力を増強する。更に、複数の材料層の使用は、流体がカフを通過することを防止する改善された疎水性をもたらす。吸収性コアの上にいくらかの距離だけ延在する遠位端を有するカフを提供することによって、吸収性コアによって取り囲んでいるシャーシに対して提供される上昇も、カフがトップシートに対して「立ち上がる」ことを可能にするのを助ける。

代替的に又は追加的に、吸収性物品は、バックシートの衣類に面する表面上にパンティー締結手段を備えてもよい。取り付け手段が設けられている場合、それらは、好ましくは、吸収性物品の中央セクション内の第１のカフ及び第２のカフの取り付け点の内側に位置する。理論に束縛されるものではないが、パンティー締結手段を第１のカフ及び第２のカフの取り付け点の内側に位置付けることによって、カフのそれぞれの遠位端は、物品が動く際に、カフが取り付けられた衣類とは別個に屈曲／座屈することができると考えられる。これは、最大量の排泄物が受容される可能性が高い、パッドの中央領域において特に重要である。カフは、シャーシに対して移動するだけのより高い可撓性を有するので、自然に傾斜して立ち上がるため、この屈曲／座屈は、カフの遠位端をトップシートに対して立ち上げる。

図１は、長手方向中心線及び横方向中心線を有する吸収性物品２を示す。長手方向中心線（longitudinal centerline、ＬＯ）は、吸収性物品の最長寸法と概ね平行に延びる。横方向中心線（lateral centerline、ＬＡ）は、長手方向中心線に対して概ね垂直に延び、平面上に平らに広げた状態の吸収性物品と同じ平面にある。吸収性物品の現在の従来型の製造を参照すると、機械方向（ＭＤ）は、長手方向中心線に対して概ね平行であり得、一方、機械横断方向（ＣＤ）は、横方向中心線に対して概ね平行であり得る。横方向中心線は、吸収性物品の第１の半分４と第２の半分６との間に境界を提供し、前端部８は、横方向中心線から最も遠くまで延在する物品の前側に向かう点で画定され、後端部１０は、横方向中心線から最も遠くまで延在する物品の後側に向かう点で画定される。

吸収性物品は、前部セクション１２、後部セクション１４、及び中央セクション１６の３つの別個のセクションを有する。中央セクション１６は、通常、排出物の大部分を受容することが意図される吸収性物品２の部分である。概ね細長い楕円形の形状を有する図１に示される実施形態では、前部セクション１２は、物品の前方の最も広い部分１８から前端部までテーパ状になる物品の区域によって画定され、同様に、後部セクション１４は、後方の最も広い部分２０から後端部までテーパ状になる物品の区域によって画定される。図２Ａに示されるような吸収性物品の典型的な砂時計形状を考えた場合、又は図２Ｂに示されるようなずれた砂時計形状を考えた場合、前部セクションは、吸収性物品の第１の半分内の、吸収性物品の最も広い部分１８から前端部まで延在する区域として画定され得る。後部セクション１４は、吸収性物品の第２の半分内の、吸収性物品の最も広い部分２０から後端部まで延在する区域として画定され得、逆もまた同様である。中央セクション１６は、第１の半分内の最も広い部分１８と第２の半分内の最も広い部分２０との間の「くびれた」区域として画定され得る。

あるいは、例えば、幅広の後部を有し、かつ前部に向かってテーパ状になる形状を有する吸収性物品では（一部の夜用パッドの場合と同様に）、前部セクションは、前端部から後部に向かって延在するパッドの先頭１／３であり得、後部セクションは、後端部から前部に向かって延在するパッドの後方の１／３であり得、中央セクションは、前部セクションと後部セクションとの間のパッドの１／３であり得る。

上述したものに加えて、物品は、様々な異なる形状、例えば、ずれた砂時計（前端部及び後端部が中央セクションよりも広く、吸収性物品は、長手方向中心線を中心として対称であるが、横方向中心線を中心として非対称である）、自転車のシート形状（反対側の端部に向かってテーパ状になる幅広の前端部又は後端部を有する）を有してもよいことが理解されるであろう。同様の前部セクション、後部セクション及び中央セクションが、全ての変形形態で定義され得る。吸収性物品は、長手方向中心線に対して対称であってもよく、又は長手方向中心線に対して非対称であってもよい。同様に、吸収性物品は、横方向中心線に対して対称であってもよく、又は横方向中心線に対して非対称であってもよい。

図３に示されるように、吸収性物品は、少なくともトップシート３２及びバックシート３４を含むシャーシ３０を有し、トップシート３２とバックシート３４の間には吸収性コア３６が配置される。トップシート３２は身体に面する表面３８を有し、バックシート３４は衣類に面する表面４０を有する。トップシート及びバックシートは、シャーシ３０の周辺部４２が吸収性物品の全体形状を画定するように、図３に示されるように同じ形状であってよい。あるいは、バックシート３４は、トップシート３２よりも大きな全体表面積を有することにより（図示せず）、流体が物品の外周エリア内に毛管現象で吸い上げられる可能性を最小限に抑えることができる。そのような実施形態では、シャーシの全体的な設置面積は、バックシートの外周によって画定される。トップシートとバックシートとの間の追加の層、例えば二次トップシート、捕捉層、分配層及びバリア層が想到される。吸収性物品はまた、典型的には、吸収性物品をユーザのパンティーに固定するために、バックシートの衣類に面する表面上に接合手段４４を含む。

トップシート３２とバックシート３４とは、任意の既知の手段によって、例えば、圧着、接着、熱接着、機械的結合、又は任意の既知の方法の組み合わせによって、一緒に固定されてよい。

本明細書に記載されるものなどの吸収性物品は、消費者がパッドをより手軽に使えるようにするために、また、輸送及び保管をより容易にするために、折り畳まれてもよい。パッドを折り畳むことができる折り線は、遠位端がそれら自体をトップシートから分離するための自然な付勢を提供する傾向がある。したがって、ユーザが予め折り畳まれたパッドを広げると、遠位端は、パッド線に沿って既に「立ち上がっている」場合がある。したがって、好ましくは、吸収性物品は、吸収性物品を３分割に分ける第１の折り線５０及び第２の折り線５２（図４に示される）を含む。一実施形態では、第１の折り線及び第２の折り線は、前部セクションと、中央セクションと、後部セクションと、の間の境界と一致してもよい。したがって、遠位端は、特に、最大量の排泄物が吸収性物品上に排出される可能性が高い中央セクションにおいて、トップシートから分離するように予め配置される。

バリアカフ
図３に示されるように、吸収性物品は、長手方向中心線の一方の側に設けられた第１の非伸縮性バリアカフ１００と、長手方向中心線の他方の側に設けられた第２の非伸縮性バリアカフ１０２と、を備える。本明細書で使用される「非伸縮性」とは、材料自体に本質的に見出される天然の弾性以外の弾性要素が不在であることを意味する。したがって、バリアカフは、カフ材料の天然に生じる弾性特性を増加させるであろう、ゴム糸、テープ、又はその他の人工物を全く含まない。

第１のバリアカフ１００及び第２のバリアカフ１０２は、少なくとも吸収性物品２の中央セクション１６に設けられているが、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、吸収性物品の前部から後部まで長手方向に延在してもよいことが理解されるであろう。第１のカフ１００及び第２のカフ１０２は、吸収性物品の身体に面する表面３８、例えばトップシート３２に直接取り付けられてもよく、又は吸収性物品上の任意の他の点で、例えばバックシート３４に取り付けられてもよい。第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、吸収性物品の長手方向中心線に向かって延在する。

製造後、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、典型的にはトップシートと同一平面上にあり、遠位端は、パッドがその位置を変更しときにだけ、例えば、包装のために折り畳むことによって又は消費者の使用中に、上方に延びる。バリアカフは、特に、例えば、尿の突然の噴出による初期襲撃を受けた際に、吸収性物品にいくらかの追加の保護を提供する役割を果たす。そのような状況では、排泄物が吸収性物品に浸透し、吸収性コアに到達するために、ある程度の時間を要する場合がある。第１のカフ及び第２のカフは、吸収性物品の上面からの横方向の漏れを制限するのに役立つ。

第１のカフ及び第２のカフは、長手方向中心線とシャーシの長手方向縁部との間に取り付けられた近位端１０４を有する。好ましくは、それぞれのバリアカフの近位端は、シャーシの長手方向縁部と隣接しているが、バリアカフの近位端はまた、シャーシの長手方向縁部の内側に位置してもよいことが理解されるであろう。第１のバリアカフ及び第２のバリアカフのそれぞれの遠位端１０８は、吸収性物品の長手方向中心線に向かって延在する。疑義を回避するために、吸収性物品の少なくとも中央セクション内において、第１のカフ及び第２のカフのそれぞれの遠位端１０８は、トップシート又はシャーシに取り付けられていない。したがって、シャーシの少なくとも中央セクションにおける第１のカフ及び第２のカフの遠位端は、トップシートから自由に持ち上がり、したがって、排出物が吸収性物品の表面から横方向に流れるのを妨げる。

好ましくは、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフの幅、すなわち、近位端と遠位端との間で長手方向中心線に実質的に直交する方向に測定される距離は、少なくとも３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ、６ｍｍ、７ｍｍ又は８ｍｍである。理論に束縛されるものではないが、カフは、遠位端１０８がトップシートから分離し、トップシートに対して「立ち上がる」ように、最小幅を必要とすると考えられる。カフの幅がそれぞれのカフの長さに沿って変化する場合、幅は、吸収性物品の横方向中心点で測定される。これは、通常は、吸収性物品の中央セクションにおけるカフの最小幅と一致する。

好ましくは、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフのうちの一方又は両方の遠位端は、吸収性コアの一部分の上に延在する。理論に束縛されるものではないが、シャーシと比較したコア区域内の厚さ及び剛性の差異は、カフがトップシートから分離しトップシートに対して「立ち上がる」ことができる容易さを増加させると考えられる。したがって、好ましくは、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、吸収性コア上に、少なくとも０．５ｍｍ、１ｍｍ、１．５ｍｍ、２ｍｍ、２．５ｍｍ、３ｍｍ又は３．５ｍｍだけ延在する。更に、コアの上のトップシートの十分な表面積がユーザの身体に対して露出されることを確実にするために、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、コアの最も広い部分で測定して、合計でコアの幅Ｗ_ｃの１％～７０％にわたって延在してもよい。コアの少なくとも３０％は、排泄物が吸収されることを可能にするために、露出したままであるべきである。

好ましくは、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフが吸収性コアの上に延在する程度は、その最も広い点で測定して、吸収性物品の全幅Ｗ_ａａの４０％、３５％、３０％、２５％、２０％、１５％又は１０％を超えない。例えば、１００ｍｍの最大幅を有するパッドの場合、各カフは、吸収性物品の最も広い点Ｗ_ＡＡに沿って測定して、３ｍｍ～４０ｍｍ幅である。十分な量の液体を保持するのに十分な幅であるカフを提供すること、トップシートから離れて持ち上がるには重くなりすぎるほどに幅広ではないカフを提供すること、及び／又はコアを覆って液体が吸収されるのがより困難になるほど幅広であるカフを提供することの間で、バランスが存在する。

第１のカフ及び第２のカフは、吸収性物品の長手方向縁部に沿ってシャーシに取り付けられてもよい。好ましくは、第１のカフ及び第２のカフは、トップシートと接触しており、トップシートに取り付けられているが、カフがトップシートとバックシートとの間又はバックシートに取り付けられてもよい実施形態も理解され得る。更に、図５Ａ及び図５Ｂに示される実施形態では、カフは、トップシート又はバックシートのいずれかの延長部として形成されてもよい。

図３及び図４に示される取り付けストリップ１１０は、典型的にはシャーシの長手方向縁部に沿って、各カフの近位端に設けられているが、上述したように、カフはシャーシの縁部の内側に取り付けられてもよい。カフは、シャーシと一緒に圧着されてもよく、及び／又は他の何らかの既知の方法、例えば、接着剤で接着されてもよい。好ましくは、カフは、シャーシに圧着され、かつ接着される。カフをシャーシに圧着及び接着することにより、製造中及び使用中の両方で、カフの挙動をより良好に制御することができる。

好ましくは、取り付けストリップは、カフの近位縁部から延在する１ｍｍ～２０ｍｍ、２ｍｍ～１７ｍｍ、３ｍｍ～１５ｍｍ、４ｍｍ～１２ｍｍ、５ｍｍ～１０ｍｍ、６ｍｍ～９ｍｍの幅を有する。吸収性物品の前部セクション及び後部セクションにおいて、特にシャーシの前端部及び後端部において、カフは、近位端から遠位端までの区域の一部又は全てから、トップシートに圧着、接着、ないしは別の方法で取り付けられてよい。前部セクション及び後部セクション内でカフの遠位端を固定することにより、カフに余分な張力が生じ、それにより中央セクション内でカフがトップシートに対して立ち上がることが更に可能となり、製造中より良好な制御をもたらす。

実施形態において、第１のバリアカフ及び第２のバリアカフは、図５Ａ、図５Ｂ、及び図５Ｃに示されるように、１つを超える材料層で形成されてもよい。１つを超える層を提供することは、カフの全体的な剛性及び強度を効果的に増加させてトップシートからより容易に分離することが可能になり、したがってトップシートに対して立ち上がるため、使用中により良好な保護を提供する。複数の層はまた、カフを通過する液体に対するより良好な保護、及び流体がカフの下に入る際により高い強度を与える。

第１のカフ及び／又は第２のカフが複数の層を含む場合、カフは、取り付けストリップにおいて又は遠位端においてのいずれかで一緒に取り付けられた複数の材料のストリップで形成されてもよい。あるいは、カフは、複数の層を有するカフを形成するために、単一の材料片で形成された１つ以上の折り目を含んでもよい。カフが折り畳まれる場合、図５Ａに示されるように、折り畳まれたカフの１つ、全て、又は選択された層は、シャーシに直接取り付けられてもよい。図５Ｂに示される代替実施形態では、第１のカフ及び第２のカフは、二重層カフを形成するためにカフの遠位端で折り畳まれた単一の材料片を含み、材料の一方の端部のみがシャーシに取り付けられ、材料の他方の端部はカフ自体に取り付けられている。図５Ｃは、２つの材料層がカフを構成し、互いに折り返され、次いで、組み合わされた材料の一部分が遠位端で折り返されている、更に別の代替案を示す。

材料に折り畳みを提供することでカフを付勢して、使用中にカフ自体をトップシートからより自然に分離する。理論に束縛されるものではないが、折り畳みは、カフが折り畳まれていない状態に戻る自然な傾向を有するように、いくらかの天然の弾性張力をカフに導入し、これによりカフがトップシートに対して「立ち上がる」と考えられる。

複数の層を使用することにより、より高い坪量を有する単一の材料層を使用することに比べて、カフの全体としての剛性を増大させる。したがって、より薄い材料、例えば、トップシートの材料を使用して、トップシートからのカフ分離をもたらし、カフをトップシートに対して立ち上がらせることができる、より硬い材料の効果を得ることが可能である。

カフは、トップシートと同じ材料で形成されてもよい。トップシートと同じ材料を使用することにより、例えば、材料の大口発注を可能にすることにより、また、追加の材料を導入するために必要な巻き出し（及びそれに対応する空間）の数を削減することによって製造ラインにおける複雑性を低減することにより、製造コストを低減する。カフがトップシートと同じ材料で形成されている場合、カフは、疎水性（phobic）になるように処理されてもよい。

カフ（単層、多層、及び折り畳まれたカフを含む）は、本明細書に記載されるカフ剛性試験によって測定して、少なくとも０．０４ｇ^＊ｃｍ、０．０５ｇ^＊ｃｍ、０．１ｇ^＊ｃｍ、０．２５ｇ^＊ｃｍ、０．５ｇ^＊ｃｍ又は０．８ｇ^＊ｃｍのカフ剛性を有する。この試験は、完成した吸収性物品から取り除かれたカフのサンプルを測定する。カフが折り畳みを組み込む場合、試験方法が折り畳まれた剛性（原材料の剛性とは異なる）を測定するように、サンプルは折り畳みを含む。同様に、カフが複数の層で形成されている場合、カフ剛性試験方法は、組み合わされた層の剛性を測定する。

カフは、０．０１ｍｍ～１．５ｍｍ、０．０４ｍｍ～１．２５ｍｍ、０．１ｍｍ～１．０ｍｍ、０．２５ｍｍ～０．７５ｍｍの厚さを有してよい。上記のように、厚さの測定値は、完成物品上のカフの測定値であり、単一材料、多層材料、及び／又は折り畳まれたカフを含む。バリアカフは、５ｇｓｍ～１００ｇｓｍ、１５ｇｓｍ～８５ｇｓｍ、３０ｇｓｍ～７０ｇｓｍ、４０ｇｓｍ～６０ｇｓｍの坪量を有し得る。

第１のカフ及び第２のカフは、吸収性物品の中央部分を通って延在してもよく、又は吸収性物品の前部から後部へと長手方向に延在してもよい。あるいは、２つを超えるカフが設けられてもよい。例えば、第１のカフ及び第２のカフが中央セクション内に設けられ、１つ以上の別個のカフが、中央セクション内、並びに／又は前部セクション及び後部セクションの一方若しくは両方内に設けられてもよい。あるいは、第１のカフ及び第２のカフが、吸収性物品の中央セクションから、前部セクション及び後部セクションのうちの一方又は両方まで延在し、１つ以上の追加のカフがそれぞれの端部の一方又は両方に設けられてもよい。一実施形態では、吸収性物品の端部の一方又は両方に設けられた１つ以上のカフは、長手方向中心線に対して実質的に平行に延在する遠位端を有してもよく、又は長手方向中心線に対して所定の角度に向けられてもよい。

第１のカフ及び第２のカフは、親水性若しくは疎水性（hydrophic）材料、トップシート若しくはバックシート、スパンボンド－メルトブローン－スパンボンド（Spunbond meltblown spunbond、ＳＭＳ）不織布、又はメルトブローン層を有する他の不織布から作製されてもよい。カフはまた、スパンボンドされた、カード処理された、メルトブローされた、又は同様の既知の方法の組み合わせの、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル材料、ポリアミド（例えば、ナイロン）、綿、絹、又はパルプなどの合成繊維又は天然繊維で作製されてもよい。第１のカフ及び第２のカフは、トップシート又はバックシートのうちの１つと同じ材料から作製されて、原材料コストを低減してもよい。好ましくは、カフはＳＭＳで形成される。

一次トップシート
前述したように、シャーシの一次トップシート（本明細書では「トップシート」とも呼ばれる）は、吸収性物品の身体に面する表面を提供し、当該技術分野において既知の取り付け方法によってバックシートに接合されてよい。トップシート及びバックシートは、吸収性物品の周辺部に沿って互いに直接接合されてもよく、あるいは、吸収性コア、又はシャーシ内の追加の任意の層（例えば、シャーシの全区域に及ぶ二次トップシート）を介して間接的に一緒に接合されてもよい。

吸収性物品は、着用者の皮膚に適合し、柔らかな感触であり、刺激がないものなど、任意の既知である、又はそうでなければ有効な、一次トップシートを含んでもよい。好適な一次トップシート材料としては、着用者の身体に向かって配向され、身体に接触して、流体がトップシートを通って着用者の皮膚に逆流することなく、身体の排泄物が通って迅速に浸透できる、液体透過性材料が挙げられる。一次トップシートは、トップシートを通る流体の迅速な移動を可能にできる一方、ローション組成物を、着用者の皮膚の外側部分又は内側部分上に移動又は移行させる。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料；有孔形成熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、及び交絡繊維有孔フィルムを含む有孔フィルム材料；ハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム、多孔質発泡体；網状発泡体；網状熱可塑性フィルム；熱可塑性スクリム；又はこれらの組み合わせなどの様々な材料から作製されることができる。トップシートとして利用することができるフィルムのいくつかの好適な例は、米国特許第３，９２９，１３５号、同第４，３２４，２４６号、同第４，３４２，３１４号、同第４，４６３，０４５号、同第５，００６，３９４号、同第４，６０９，５１８号、及び同第４，６２９，６４３に記載されている。

トップシートとして使用するのに好適な織布及び不織布材料の非限定例としては、天然繊維、改質天然繊維、合成繊維、又はそれらの組み合わせから作製された繊維状材料が挙げられる。いくつかの好適な例は、米国特許第４，９５０，２６４号、同第４，９８８，３４４号、同第３，９７８，１８５号、同第７，７８５，６９０号、同第７，８３８，０９９号、同第５，７９２，４０４号、及び同第５，６６５，４５２号に記載されている。

いくつかの形態では、トップシートは、米国特許第８，７２８，０４９号、同第７、５５３、５３２号、同第７，１２７２，８０１号、同第８，４４０，２８６号、同第７，６４８，７５２号、及び同第７，４１０，６８３号に記載の房を含んでもよい。一次トップシートは、米国特許第７，６５５，１７６号又は同第７，４０２，７２３号に記載されているような、個別の毛髪状フィブリルのパターンを有してもよい。好適なトップシートの更なる例としては、米国特許第８，６１４，３６５号、同第８，７０４，０３６号、及び同第６，０２５、５３５号に記載のものが挙げられる。

別の好適な一次トップシート、又は二次トップシートと組み合わされた一次トップシートは、米国特許出願公開第２０１７／０２５８６４７号で詳述される三次元基材から形成され得る。

一次トップシートは、米国特許出願公開第２０１６／０１６７３３４号、同第２０１６／０１６６４４３号、同第２０１７／０２５８６５１号に記載されているように、１つ以上の層を有してよい。トップシートは、米国特許第５，６２８，０９７号に開示されているように有孔であってもよい。

二次トップシート
前述したように、吸収性物品は、追加の層を含んでいてもよく、それらのうちの１つとしては、二次トップシートが挙げられる。前述したように、二次トップシートは、吸収システムから分離され、離間していてもよい。二次トップシートは、好ましくは、一次トップシートの下で、かつコアの身体に面する表面上に配置され、トップシートからコアへと液体を移動させるのを助けるように機能することができ、典型的には流体を捕捉及び分配する。二次トップシートは、４０ｇｓｍ～１５０ｇｓｍの坪量を有し得る。

いくつかの例示的な二次トップシートは、米国特許出願公開第２０１５／０３５１９７６号及び同第２０１４／０３４５２３号、並びに米国特許出願第１５／７２９７０４号に記載されている。

バックシート
シャーシのバックシートは、吸収システムの衣類に面する表面を提供することができ、当該技術分野において既知の取り付け方法によって、トップシート、吸収性コア及び／又は必要に応じて他の層に接合されてもよい。例えば、バックシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列によって、吸収性コアの衣類に面する表面に固定されてよい。あるいは、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他の任意の好適な取り付け方法又はこれら取り付け方法の組み合わせの使用を含んでもよい。また、吸収システムがバックシート、トップシート、又は両方に接合されない本開示の形態も企図される。

バックシートは、液体（例えば、尿）に対して不透過性、又は実質的に不透過性であってもよく、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の不透過性材料も使用できる。本明細書で使用するとき、「可撓性」という用語は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシートは、吸収システム中に吸収され封じ込められた排出物が、下着などの吸収性物品に接触する衣類を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制することができる。しかしながら、場合によっては、バックシートは通気性であってもよく、バックシートよりも表面積が小さい二次バリア層が、コアとバックシートとの間に設けられてもよい。

バックシートは、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含んでもよい。バックシートに好適な材料は、例えば、約０．０１２ｍｍ～約０．０５０ｍｍの厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明と共に利用され得る。

バックシートのいくつかの好適な例は、米国特許第５，８８５，２６５号、同第４，３４２、３１４号、及び同第４，４６３，０４５号に記載されている。本明細書で使用するのに好適な単層の通気性のバックシートとしては、例えば、英国特許第２１８４３８９号、英国特許第２１８４３９０号、米国特許第３，９８９，８６７号、国際公開第９７／２４０９７号、及び米国特許第６，６２３，４６４号、同第６，６６４，４３９号及び同第６，４３６，５０８号に記載されているものが挙げられる。

バックシートは、米国特許第６，４６２，２５１号に記載されるように、２つの層、即ち気体透過性の有孔形成フィルム層を含む第１の層と、通気性の微小孔性フィルム層を含む第２の層と、を有し得る。本明細書で使用するのに好適な二重層又は多層の通気性バックシートとしては、米国特許第３，８８１，４８９号、米国特許第４，３４１，４８９号、米国特許第４，３４１，２１６号、米国特許第４，７１３，０６８号、米国特許第４，８１８，６００号、欧州特許第２０３８２１号、欧州特許第７１０４７１号、欧州特許第７１０４７２号及び欧州特許第７９３９５２号に例示されるものが挙げられる。

吸収性コア
本発明の吸収システム／コアは、任意の好適な形状を含んでよい。吸収システムは、典型的には、吸収性物品の最も硬い部分である。したがって、本開示の物品に有用な形状は、幅の狭い中央区域を含み得るが、これは使用中に通常は最も狭い面積であるからである。例えば、吸収システムは、端部領域よりも中央領域においてより狭いドッグボーン（dogbane）形状を含み得る。あるいは、吸収システムは、パッドの一方の端部領域により広い部分を有し、この広い部分がより狭い中央領域及びパッドのもう一方の端部の端部領域に向かってテーパ状になる、テーパ形状を含んでもよい。あるいは、吸収性コアは、中央領域内により幅広の部分を有し、一方又は両方の端部においてより狭い部分を有する、対称又は非対称の楕円形又はダイヤモンド形状を有してもよい。吸収システムは、ＭＤ及びＣＤに様々な剛度を含み得る。

吸収システムは、少なくとも吸収性コアを含むが、第１の吸収性コア及び第２の吸収性コアを含んでもよい。吸収性コア（又は第１の吸収性コア及び第２の吸収性コア）は、同じ全体的な表面形状及びサイズを有するか、又は異なる表面形状及びサイズを有する、互いに上方に配置された単一の層又は複数の層を含んでもよい。あるいは、吸収性コアが吸収性コアの異なるセクションで形成される場合、それらは同じ平面内に配置されてもよく、例えば、第１の吸収性コアは中央に位置し、第２の（又はそれ以上の）吸収性コア（複数可）は、第１の吸収性コアの両側又は前側及び／若しくは後側に位置してよい。広くは、吸収システムは、圧縮性で、形状適合性があり、着用者の皮膚を刺激せず、尿、及び経血などの他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することができなければならない。

吸収システムの構成及び構造は様々であってよい（例えば、吸収システムは、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉ゾーンを有してよい）。更に、吸収システムの寸法及び吸収能力は、様々な着用者又は吸収性物品の形状に適応するように変更されてよい。しかしながら、吸収システムの全吸収能力は、吸収性物品の設計荷重及び使用目的に適合したものでなければならない。

様々なコア設計を有する、比較的多量の超吸水性ポリマーを含む吸収性コアは、米国特許第５，５９９，３３５号、欧州特許第１，４４７，０６６号、国際公開第９５／１１６５２号、米国特許出願公開第２００８／０３１２６２２号及び国際公開第２０１２／０５２１７２号に開示されている。

上記の吸収性コアは、多くの場合粒子又は繊維の形態である超吸収性ポリマー（superabsorbent polymer、ＳＡＰ）又は吸収性ゲル化材料（absorbent gelling material、ＡＧＭ）を含んでよい。一般に、そのようなＳＡＰ材料は、それらの流体吸収特性のために使用されてきた。そのような材料は、液体（例えば、尿、血液など）と接触してヒドロゲルを形成する。

流体吸収性ゲル化材料粒子のサイズは、広範囲にわたって変化し得る。産業衛生の理由のために、約３０マイクロメートルより小さい平均粒径は望ましくない。約２ｍｍよりも大きい最小寸法を有する粒子もまた、吸収性物品においてザラツキ感を生じさせる場合があり、これは消費者の審美的観点から望ましくない。更に、流体吸収の速度は、粒径の影響を受け得る。より大きい粒子は、非常に低減された吸収速度を有する。流体吸収性ゲル化材料粒子は、好ましくは、実質的に全ての粒子に関して約３０マイクロメートル～約２ｍｍの粒径を有する。本明細書で使用される「粒径」とは、個々の粒子の最少寸法の加重平均を意味する。吸収性コアは、ＳＡＰと、１５％未満、１０％未満、５％未満、３％未満、又は１％未満のエアフェルトと、を含んでもよく、あるいはエアフェルトを全く含まなくてもよい。他の好適な吸収性材料の例は、クレープセルロース詰め物、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に剛化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートなどのティッシュ、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー（「ＳＡＰ」）、又は任意の同等材料若しくは材料の組み合わせを含む。

吸収性コアの構成及び構造は様々であってよい（例えば、吸収システムは、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉ゾーンを有してよく、あるいは１つ以上の層又は構造、例えばＳＡＰを含まないゾーンの異なるパターンのＳＡＰを含んでもよい）。更に、吸収性コアの寸法及び吸収能力も、様々な着用者に適応するように変化されてよい。しかしながら、吸収性コアの全吸収能力は、女性用パッドの設計荷重及び使用目的に適合したものでなければならない。

本発明の特定の形態では、吸収性コアは、例えば、約１０ｍｍ未満、又は約５ｍｍ未満の厚さ、あるいは約３ｍｍ未満、又は１ｍｍ未満の厚さなど、比較的薄くてもよい。厚さは、コアが０．２５ｐｓｉの均一圧力下にある間に、当該技術分野において既知の任意のそのための手段によって測定することができる。

いくつかの形態では、吸収性コアは、複数の多機能層を含んでもよい。例えば、吸収性コアは、コアラップ（すなわち、吸収性構造体の吸収性材料を封入する層）を含んでもよい。コアラップは、２つの不織布材料、基材、積層体、フィルム又はその他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は少なくとも部分的にその周りが包まれたその他の材料のみを含み得る。想到される追加の層は、当該技術分野において周知である捕捉層及び分配層である。

吸収性コアは、例えば、ＳＡＰ又は他の吸収性材料をコア内に固定しやすくするために、及び／又は、特にコアラップが２種類以上の基材で作製されている場合にコアラップの一体性を確実にするために、１種以上の接着剤を含んでよい。コアラップは、吸収性材料を内部に収容するのに必要とされるより大きい領域まで延在し得る。

吸収性材料は、チャネルの内部に吸収性材料を全く有さないか、又は吸収性材料がほとんどない（例えば、０．１％～１０％）、コアラップ内に存在する１つ以上の層を構成してもよい。他の形態では、吸収性材料は、コアラップ内の個々のポケット又はストライプとして形成されてもよい。第１のケースでは、吸収性材料は、例えば、吸収性材料を含まない又は実質的に含まないチャネルを除いて、吸収性材料の連続層（複数可）を適用することによって得ることができる。吸収性材料、特にＳＡＰの連続層（複数可）は、不連続的な吸収性材料の適用パターンを有する２つの吸収性層を組み合わせることによっても得ることができ、結果として得られる層は、吸収性微粒子ポリマー材料区域全体にわたって実質的に連続的に分布する。

吸収性構造体は、包囲可能要素及び／又は連続気泡発泡体などの発泡体小片の１つ以上の部分を含む異種の集まりであってよい。包囲可能要素は、例えば、不織布、繊維状構造体、エアレイドウェブ、湿式ウェブ、高ロフト不織布、ニードルパンチウェブ、水流交絡ウェブ、繊維トウ、織布ウェブ、ニットウェブ、フロック加工されたウェブ、スパンボンドウェブ、層状のスパンボンド／メルトブローウェブ、カード繊維ウェブ、セルロース繊維及びメルトブロー繊維のコフォームウェブ、ステープル繊維及びメルトブロー繊維のコフォームウェブ、並びにこれらの層状の組み合わせである層状ウェブなどのウェブであり得る。発泡体は、高内相エマルション（high internal phase emulsion、ＨＩＰＥ）発泡体であってよい。

試験方法
立ち上がるカフの高さ
吸収性物品に取り付けられたカフの最大高さは、光学的プロフィロメトリーを使用して測定されて、湾曲支持プレートの内側に取り付けられた物品の身体に面する側の領域表面のトポロジーを得る。全てのサンプル調製及び試験は、２３℃±２℃及び相対湿度５０％±２％で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも２時間、この環境で平衡化される。

各試験サンプルの三次元（３Ｄ）表面トポグラフィ画像は、光学３Ｄ表面トポグラフィ測定システムを使用して記録される。好適な光学３Ｄ表面トポグラフィ測定システムは、ＬＭＩＴｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓＩｎｃ．（Ｖａｎｃｏｕｖｅｒ，Ｃａｎａｄａ）から市販されているＭｉｋｒｏＣＡＤＰｒｅｍｉｕｍ器具、又は同等物である。このシステムは、以下の主要部品を含む：ａ）直接デジタル制御マイクロミラーを備えるデジタル光処理（Digital Light Processing、ＤＬＰ）投影装置、ｂ）少なくとも１６００×１２００ピクセルの解像度を有するＣＣＤカメラ、ｃ）少なくとも１４０ｍｍ×１０５ｍｍの測定面積に適合する投影光学系、ｄ）１４０ｍｍ×１０５ｍｍの測定面積に適合する記録光学系、ｅ）小さな硬石プレートに基づく三脚台、ｆ）青色ＬＥＤ光源、ｇ）表面テクスチャ分析ソフトウェア（好適なソフトウェアは、ＭｏｕｎｔａｉｎｓＭａｐ技術を備えたＭｉｋｒｏＣＡＤソフトウェア、又は等価物である）を実行する、測定、制御、及び評価コンピュータ、並びに、ｈ）供給メーカーから入手可能な、横方向（ＸＹ）較正及び垂直方向（Ｚ）較正用の較正プレート。

光学３Ｄ表面トポグラフィ測定システムは、デジタルマイクロミラーパターン縞投影技法を使用して、サンプルの表面高さを測定する。測定の結果は、水平（ＸＹ）平面における変位に対する表面高さ（Ｚ軸として定義される）の３Ｄ画像である。この３Ｄデータセットは、画像内の全ての画素がＸＹ変位に関連付けられており、画素の値は記録されたＺ軸高さ値である画像と考えることもできる。このシステムは、約８５マイクロメートルのＸＹピクセル解像度及び０．５マイクロメートルの高さ解像度を有する１４０×１０５ｍｍの視野を有し、可能な合計高さ範囲は３２ｍｍである。

この器具を、製造者の仕様に従って、供給メーカーから入手可能な横方向（ＸＹ平面）及び垂直方向（Ｚ軸）用の較正プレートを用いて較正する。

撮像の前に、試験サンプルは、１４９ｍｍに等しい内側曲率半径を有するプレキシガラス（又は等価物）で作製された湾曲支持プレートに取り付けられる。湾曲支持プレートの長さ及び幅は、取り付けられたときに完全に支持され、器具からの投影光を遮断しないように、試験サンプルの長さ及び幅と同等である。

試験サンプルを調製するために、必要に応じて吸収性物品を広げ、存在するいかなる包装材も除去する。最小限の取り扱いを使用して、試験サンプルの身体に面する側の物品の中点に十字線記号を印付ける。中点は、吸収性物品の長手方向の中心線と横方向の中心線との交点である。加えて、試験サンプルの身体に面する側に、試験サンプルの横方向軸に平行な線を印付け、各印付けられたセクションが物品の全長の約２５％を表すように、長手方向の四分位点を示す。

試験サンプルを以下のように湾曲支持プレートの内側凹面に取り付ける。両面テープ（３Ｍ６６５など、又は任意の便利な供給源からの等価物）の小片を、試験サンプルの衣類に面する側の中点及び各長手方向端部に静かに置く。試験サンプルが衣類に面する側に接着剤を含有する場合は、これを両面テープの代替として使用することができる。試験サンプルの長手方向軸を支持プレートの湾曲と平行に位置付け、試験サンプルの中点を湾曲支持プレートの中点と位置合わせする。位置合わせしたら、試験サンプルの中心を、試験サンプルを取り付けるのに最小限であるが十分な力を使用して、湾曲プレートに対して静かに押しつける。カフに触れることなく、試験サンプルをプレートに対して慎重に平らにし、プレートに取り付けるのに最小限であるが十分な力を使用して各長手方向端部を静かに押して、取り付けプロセスを完了する。このとき、試験サンプルは、プレートの湾曲に形状適合していなければならない。

取り付けられた試験サンプルを、カメラの下のＭｉｋｒｏＣＡＤテーブル上に置く。試験サンプルの長手方向軸が器具の視野の長軸（Ｘ軸）に平行となるように、試験サンプルを配向させる。両方のカフを含む試験サンプルの中間半分の３Ｄ表面トポロジー画像（第２及び第３の四分位点）は、器具製造業者の推奨測定手順に従って収集される。この工程は、測定システムの焦点を合わせ、輝度調整を実行することを含む。プレフィルタリングオプションは使用されない。収集された高さ画像ファイルは、表面テクスチャ分析ソフトウェアを実行する評価用コンピュータに保存される。同様に、評価される各試験製品の５つの実質的に同様の吸収性物品試験サンプルについて画像が収集される。

３Ｄ表面トポグラフィ測定システムの視野が、試験サンプルの中央半分及び両方のカフを含む全区域を捕捉するのに不十分である場合、少なくとも２０面積％重なる表面上の複数の走査が取得され（ＸＹ解像度を維持する）、デジタル縫合してくっつけて、その後の分析のための１つの３Ｄ表面トポグラフィ画像を生成する。

３Ｄ表面トポグラフィ画像を、表面テクスチャ分析ソフトウェアで開く。続いて、各画像に対して以下のフィルタリング手順を実施する：１）不正な点の除去、２）ノイズを除去するための７×７ピクセルの中央値フィルタ、及び３）例えば低坪量材料に起因して物品の見かけの上の表面と一致しない表面を平滑化し、孔を閉鎖するための、半径９ピクセルの円形構造化要素を使用した形態学的閉鎖操作（拡張後に崩壊する）。

フィルタリングされた３Ｄトポグラフィ画像に対して、以下の分析を行う。第１のカフの最大高さ（Ｚ軸）は、その中央半分（第２及び第３の四分位点）に沿って、Ｘ軸に沿った各位置で決定され、０．１ｍｍ単位で記録される。対応する高さ（Ｚ軸）値は、吸収性物品のトップシートに沿った、第１のカフのすぐ内側及び隣接する各位置で決定され、０．１ｍｍ単位で記録される。各最大第１カフ高さ値とその対応するトップシート高さ値との間の差を計算し、カフ高さ値として０．１ｍｍ単位で記録する。同様に、この手順を試験サンプル上の第２のカフに対して繰り返し、各最大第２のカフ高さ値とその対応するトップシート高さ値との差を計算し、カフ高さ値として０．１ｍｍ単位で記録する。この試験サンプルで測定した全てのカフの高さの平均を計算し、０．１ｍｍ単位で記録する。カフ高さが測定された試験サンプルの中央半分（第２及び第３の四分位点）の長さを決定し、カフ長さとして０．１ｍｍ単位で記録する。ここで平均カフ高さ（ｍｍ単位）とカフ長さ（ｍｍ単位）とを乗算し、カフの面積として平方ミリメートル単位で記録する。同様に、残りの４つの複製試験サンプルについて、３Ｄトポグラフィー画像を解析する。

立ち上がりカフの高さを、５つ全ての複製試験サンプルにわたって測定された全てのカフ高さ値の算術平均として０．１ｍｍ単位で報告する。平均カフ面積を、５つ全ての複製試験サンプルにわたって測定された全てのカフ面積値の算術平均として平方ミリメートル単位で報告する。

湾曲したＣＤの流出
湾曲したＣＤの流出試験は、特定の量の試験液を適用した後に吸収性物品の側縁部を越えてあふれ出る液体の量を測定する。吸収性物品は、３０°の角度で配置された湾曲プレート上に取り付けられ、物品の長手方向軸は傾斜角度に対して垂直であり、プレートの湾曲に対して平行である。液体の１回の噴出を物品の中点に適用する。吸収性物品によって捕捉されない液体は、側縁部から流出する。流出液を回収し、その質量を記録する。全ての測定は、２３℃±２℃及び相対湿度５０％±２％で維持された実験室で実施され、サンプルは、試験前に少なくとも２時間、この環境で調整される。

湾曲ＣＤ流出装置を図６に示す。湾曲した流出プレート９００１は、厚さ約３ｍｍのプレキシガラス（又は同等物）からなる。これは、１４９ｍｍに等しい曲率半径を有し、試験されるサンプルを保持するのに十分な幅及び長さを有する。湾曲した流出プレート９００１は、角度が３０°に設定された傾斜テーブル９００２に取り付けられている。湾曲した流出プレート９００１の最低点の高さは、実験台の少なくとも３０ｍｍ上方とし、そのため、回収トレー９００３はプレート下の台の上に容易に配置できる。回収トレー９００３はプレキシガラス（又は等価物）からなり、流出液を回収するのに好適なサイズ（例えば、幅１００ｍｍ×長さ３０５ｍｍ×高さ２５ｍｍ）のものである。湾曲した流出プレート９００１の垂直上方に、Ｔｙｇｏｎチューブ９００５を介して液体ポンプ９００６に接続された液体投入チューブ９００４を取り付ける。投入チューブ９００４はステンレス鋼（又は等価物）であり、４．０ｍｍの内径を有する。液体ポンプ９００６（ＣｏｌｅＰａｌｍｅｒ（ＶｅｒｎｏｎＨｉｌｌｓ，ＩＬ）から入手可能なＩｓｍａｔｅｃＭＣＰ－Ｚ歯車ポンプ、又は等価物）は、１０ｍＬ／秒の速度で１０～６０ｍＬの流量を送ることができる。

試験溶液は、０．９重量／体積パーセントの生理食塩水である。１Ｌの試験溶液を調製するために、９．０ｇ±０．０５ｇの試薬グレードＮａＣｌを１Ｌのメスフラスコに加え、次いで、脱イオン水で希釈して定容する。ポンプ９００６を準備し、続いて較正して、下の表１で定義されるように各サイズ依存的な体積及び流量を送る。体積及び流量は、標的の２％以内でなければならない。

試験サンプルを調製するために、必要に応じて吸収性物品を広げ、最小限の取り扱いを使用して、物品の中間点を試験サンプルの身体に面する側に印付ける。中点は、吸収性物品の長手方向の中心線と横方向の中心線との交点である。存在するあらゆる包装材を取り除き、試験サンプルの質量を乾燥パッド質量として０．０１グラム単位で記録する。

試験サンプルのバックシート上の接着剤を使用して（存在する場合）、又は両面テープ（３Ｍ６６４など、又は任意の便利な供給源からの等価物）を使用して、試験サンプルの衣類に面する側を、湾曲した流出プレート９００１の表面に取り付ける。その長手方向軸が傾斜角度に対して垂直に延び、その中点が湾曲した流出プレート９００１の中点と整列するように、試験サンプルの方向を合わせる。２枚の折り畳んだペーパータオルを回収トレー９００３内に配置し、トレー＋ペーパータオルの質量を初期トレー質量として０．０１グラム単位で記録する。ペーパータオルの入った回収トレー９００３を、湾曲した流出プレート９００１の前側側縁部の下に置くことにより、試験サンプルから流出するいかなる液体も捕捉することができる。投入チューブ９００４を、試験サンプルの身体に面する表面の中点の２５．０ｍｍ上方に中心合わせし、ポンプ９００６を始動させて、所定の用量の０．９重量／体積パーセント生理食塩水溶液を送る。用量が適用された後、必要に応じて回収トレー９００３からのペーパータオルを使用して、傾斜テーブル９００２上に残っている試験液の全ての液滴を回収する。トレー＋ペーパータオルの質量を最終トレー質量として０．０１グラム単位で記録する。試験サンプルの質量を湿潤パッド質量として０．０１グラム単位で記録する。試験サンプルによって保持された液体の量を、湿潤パッド質量と乾燥パッド質量との差として計算し、パッド内の流体として０．０１グラム単位で記録する。試験サンプルから流出した液体の量を、最終トレー質量と初期トレー質量との差として計算し、トレー内の流体として０．０１グラム単位で記録する。最後に、％ＣＤの流出を、［トレー内の流体／（パッド内の流体＋トレー内の流体）］^＊１００として計算し、１％単位で報告する。

同様の方法で、合計１０個の複製試験サンプルについて繰り返す。複製物のうちの５つは吸収性物品の１つの側面のカフを試験し、他の５つの複製物は反対側の側面のカフを試験する。％ＣＤの流出の算術平均を計算し、１％単位で報告する。

カフ剛性
試験片の剛性を、高感度アタッチメント（ＳＲ、感度範囲）及び１０のユニット補償器（いずれもＴａｂｅｒＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓから入手可能）を装備したＴａｂｅｒＳｔｉｆｆｎｅｓｓＴｅｓｔｅｒ（モデル１５０－Ｂ、ＴａｂｅｒＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓ（ＮｏｒｔｈＴｏｎａｗａｎｄａ，Ｎ．Ｙ．））を使用して測定する。この設定のために、右への１５度の偏向を使用して、各試験片を機械方向において測定する。システムは、製造元の指示に従って較正かつ操作される。全ての測定は、２３℃±２℃及び相対湿度５０％±２％で維持された実験室で実施され、試験片は、試験前に少なくとも２時間、この環境で調整される。

必要に応じて、吸収性物品から取り出すことによって試験片を得る。試験片を吸収性物品から切除するとき、プロセス中に試験片にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験片は、吸収性物品の長手方向中点付近の折り目又はしわを含まない区域から得る。吸収性物品内の試験片の呈示は、この試験中に再呈示されなければならない（例えば、複数の層を与えるために折り畳まれている場合、折り目を含む全ての層の剛性が測定される）。理想的な試験片は、３．８１ｃｍの幅（吸収性物品の横方向軸に平行）及び３．８１ｃｍの長さ（吸収性物品の長手方向軸に平行）を有する。狭い領域の試験を含めるために、より小さい試験片を使用することができるが、試験片は、３．８１ｃｍの長さを有し、矩形の形状（例えば、湾曲した縁部なし）であり、試験領域が可能にするだけの幅を有していなければならない。試験片の面積を計算し、０．１平方センチメートル単位で記録する。理想的なサイズよりも小さい試験片についての試験結果は、試験された面積に基づいて正規化される。

左から２番目及び４番目のピンは試験片の上にあり、左から１番目及び３番目のピンは試験片の下にあり、試験片の長さがピンに対して垂直となるように、試験片を高感度アタッチメントに挿入する。ピンが試験片と接触するが、それに圧力を加えないことを確実にする。右への１５度の偏向で試験片を測定し、その結果を１ＴａｂｅｒＳｔｉｆｆｎｅｓｓ単位で記録する。結果に０．０１を乗算し（ＳＲＡｔｔａｃｈｍｅｎｔ＋１０ＵｎｉｔＣｏｍｐｅｎｓａｔｏｒのスケーリングマルチプライヤ）、カフ剛性として０．０１Ｔａｂｅｒ剛性単位で記録する。結果（Ｔａｂｅｒ剛性単位）を試験片の面積（平方センチメートル単位）で除算することによって、３．８１ｃｍ×３．８１ｃｍ未満であった試験片についての結果を正規化し、次いで１４．５平方センチメートル（理想的なサンプルサイズの面積）を乗算する。１Ｔａｂｅｒ剛性単位は１グラムセンチメートルに相当することに留意されたい。カフ剛性の結果を０．０１ｇ^＊ｃｍ単位で報告する。

同様に、合計１０個の複製試験片（例えば、５つの実質的に同様の吸収性物品の両側から採取された試験片）で繰り返す。カフ剛性の算術平均を計算し、０．０１ｇ^＊ｃｍ単位で報告する。

パッド全体の剛性
吸収性物品のコアを含む領域の剛性を、測定した力がセルの限界の１％～９９％以内となるロードセルを使用する定速の伸張引張試験機（好適な器具は、ＭＴＳＳｙｓｔｅｍｓＣｏｒｐ．（ＥｄｅｎＰｒａｉｒｉｅ，ＭＮ）から入手可能な、Ｔｅｓｔｗｏｒｋｓ４．０Ｓｏｆｔｗａｒｅを使用するＭＴＳＡｌｌｉａｎｃｅである）で測定する。全ての試験は、２３℃±３℃及び相対湿度５０％±２％で調整された室内で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも２時間、この環境下で調整される。

コア剛性を測定するために使用される固定具が図７Ａ及び図７Ｂに示されている。下定置固定具は、幅１０２．０ｍｍ×長さ１０２．０ｍｍ×厚さ６．３５ｍｍの平滑な研磨ステンレス鋼水平プラットフォーム１００１からなる。プラットフォームは、その中心に直径１８．７５ｍｍのオリフィス１００２を有し、このオリフィスの重なり縁部１００３は、４．７５ｍｍの深さまで４５度の角度を有する（すなわち、斜面の外径は２８．２５ｍｍである）。固定具は、プラットフォームの下に少なくとも２０ｍｍの隙間を有するように構築されている。プラットフォーム１００１には引張試験機のマウントに適合するアダプタ１００４があり、これは、プラットフォームを水平に、かつ引張試験機の引張方向に対して直角に固定することができる。上部固定具は、６．２５ｍｍの直径を有し７０ｍｍの全長を有する円筒状プランジャ１００５である。接触先端部１００６は、２．９７ｍｍの半径のボールノーズである。プランジャは、プラットフォームに直交してプランジャを固定することができるロードセル上のマウントに適合するアダプタ１００７を有する。組み立てられると、プランジャはオリフィスと同軸であり、全側面に等しい隙間を有する。

試験片を調製するために、まず試験サンプルを入手し、存在する任意の包装材からそれを取り出す。折り畳まれている場合には、静かに広げてしわを全て伸ばす。剥離紙が存在する場合は、それを除去して、試験サンプルの衣類に面する側上の接着剤を露出させる。タルクパウダーをバックシート上の接着剤に軽く塗布して粘着性を軽減する。３７．５ｍｍ×３７．５ｍｍの試験片を、試験サンプルの試験領域の中心の、折り目を含まない区域から切断する。試験領域は、好ましくは、吸収性コアの長手方向及び横方向の中点の交点であるが、試験片は、可能な限り吸収性コアの最大のサンプリングを含有しなければならない。試験片の縁部は、試験サンプルの長手方向軸及び横方向軸に平行でなければならない。

プランジャの底部接触先端部１００６からプラットフォーム１００１の底面までのゲージ長を１５．０ｍｍに設定する。引張試験機を圧縮試験としてプログラムして、クロスヘッドを５０．０ｃｍ／分で１５．０ｍｍ下降させ、４００Ｈｚのデータ速度で力（Ｎ）及び変位（ｍｍ）を記録し、次いでクロスヘッドをその元のゲージ長に戻す。

クロスヘッド及びロードセルをゼロ点調整する。プランジャの下の中心に、トップシート側を上にして試験片を位置付け、その縁部を、プラットフォーム１００１の縁部に対して平行垂直にする。試験を開始し、力（Ｎ）及び変位（ｍｍ）データを収集する。力（Ｎ）対変位（ｍｍ）のグラフを作成する。グラフから最大ピーク力（Ｎ）を決定し、パッド剛性として０．０１Ｎ単位で記録する。

同様に、５つの実質的に同様の試験サンプルから得られた合計５つの複製試験片について試験を繰り返す。ピーク力の算術平均を計算し、パッド剛性として０．０１Ｎ単位で報告する。

秤量
試験片の坪量は、単一の材料層の単位面積（平方メートル単位）当たりの質量（グラム単位）である。試験片の質量を既知の面積に切断し、０．０００１グラムの精度の分析天秤を用いて試料の質量を測定する。全ての測定は、２３℃±２℃及び相対湿度５０％±２％で維持された実験室で実施され、試験片は、試験前に少なくとも２時間、この環境で調整される。

必要に応じて、吸収性物品から取り出すことによって試験片を得る。試験片を吸収性物品から切除するとき、プロセス中に試験片の層にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験片は、吸収性物品の長手方向中点付近の折り目又はしわを含まない区域から得る。試験片は、任意の固有の材質変動が考慮されるように、可能な限り大きくなければならない。坪量を材料の単一層上で測定する。したがって、試験片が複数の層からなるか、又は吸収性物品に取り付けられたときに折り畳まれた状態にある場合、試験片を広げて、１つの材料層のみが分析されるようにする。

ＮＩＳＴにトレーサブルな較正された鋼製金属定規又は同等物を使用して、単層試験片の寸法を測定する。試験片の面積を計算し、０．０００１平方メートル単位で記録する。分析天秤を使用して試験片の質量を取得し、０．０００１グラム単位で記録する。質量（グラム単位）を面積（平方メートル単位）で除算して坪量を計算し、０．０１グラム／平方メートル（ｇｓｍ）単位で記録する。同様に、合計１０個の複製試験片（例えば、５つの実質的に同様の吸収性物品の両側から採取された試験片）について繰り返す。坪量の算術平均を計算し、０．０１グラム／平方メートル単位で報告する。

カフ厚さ
試験片の厚さは、試料が載置される基準プラットフォームと、特定の時間にわたって試料上に特定の量の圧力をかける押さえと、の間の距離として測定される。全ての測定は、２３℃±２℃及び相対湿度５０％±２％で維持された実験室で実施され、試験片は、試験前に少なくとも２時間、この環境で調整される。

厚さは、３．５ｋＰａ±０．０１ｋＰａの一定圧力を試験片にかけることが可能な押さえを備えた手動式マイクロメータで測定する。手動で操作されるマイクロメータは、０．０１ｍｍまでの正確な読み取り値を有する自重型器具である。好適な器具は、ＶＷＲＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌから入手可能なＭｉｔｕｔｏｙｏＳｅｒｉｅｓ５４３ＩＤ－ＣＤｉｇｉｍａｔｉｃ、又は等価物である。押さえは、試験片よりも小さい直径を有し、必要な圧力をかけることが可能な、平坦な接地した円形可動面である。好適な押さえは、６．８５ｍｍの直径を有するが、測定される試料の大きさに応じて、より小さい押さえ又はより大きい押さえを使用することができる。試験片は、押さえの表面よりも大きく、かつ押さえの表面に平行な水平の平坦な基準プラットフォームによって支持される。システムは、製造元の指示に従って較正かつ操作される。

必要に応じて、吸収性物品から取り出すことによって試験片を得る。試験片を吸収性物品から切除するとき、プロセス中に試験片の層にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験片は、吸収性物品の長手方向中点付近の折り目又はしわを含まない区域から得る。試験片は押さえよりも大きくなければならず、吸収性物品内のその呈示は、この試験中に再呈示されなければならない（例えば、複数の層を与えるために折り畳まれている場合、全ての層の厚さが測定される）。

厚さを測定するために、最初に、水平の平坦な基準プラットフォームに対してマイクロメータをゼロにする。試験位置が押さえの下で中心にある状態で、試験片をプラットフォーム上に置く。全圧力が試験片にかかるまで、１．０ｍｍ±０．１ｍｍ／秒の下降速度で押さえを静かに下げる。５秒待った後、試験片の厚さを０．０１ｍｍ単位で記録する。同様に、合計１０個の複製試験片（例えば、５つの実質的に同様の吸収性物品の両側から採取された試験片）について繰り返す。全ての厚さ測定についての算術平均を計算し、カフ厚さとして０．０１ｍｍ単位で報告する。

本発明のサンプル（「ＩＳ」）１は、以下に記載される試験のそれぞれにおいて「対照」として使用され、図１、図４及び図５（ａ）に示される吸収性物品に対応する以下の基本構造を有する。

ＩＳ１は、図５（ａ）に最もよく示される、以下の構造を有する非伸縮性カフを更に有する。本発明のサンプル（ＩＳ）１のカフは、１５ｇｓｍの坪量、０．０９ｇ^＊ｃｍのカフ剛性、及び０．２５ｍｍのカフ厚さを有する、スパンボンド－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＳ）材料から形成される。図４に示されるように、カフは、吸収性物品の前部から後部に延びる、吸収性物品の長手方向縁部に取り付けられている。各カフは、カフの遠位端で折り畳まれて２つの材料層を形成する単一の材料片で形成され、その端部は、吸収性物品の周辺部でトップシートに圧着されている。図４に示される中央セクション、及び図５（ａ）に示す断面では、ｘ、吸収性物品の全幅は８１ｍｍであり、吸収性コアは５９ｍｍの幅を有する。カフは、横方向中心点に沿ってそれぞれのカフの近位端から遠位端まで測定された８．７ｍｍの幅を有する。取り付けストリップは、６．８ｍｍの幅を有する。中央セクションのコアの外縁部は、取り付け点の内縁部から４．２ｍｍ離れた距離に位置し、各カフの遠位端は、吸収性コアのそれぞれの縁部の上に４．５ｍｍの距離だけ延在する（したがって、合計で、総コア幅の１５％が被覆される）。

試験した他の各サンプルは、以下のように、本発明のサンプル１に対する変動を特徴とする。

ＣＤの流出は、吸収性物品が使用されているときにカフがどのように機能し得るかの指標を提供する。この点において、ＣＤの流出は、吸収性物品の側面から流出する排出物の％の尺度を提供する。全ての場合において、排泄物の一定の％は吸収性物品に吸収される（全ての比較例及び本発明のサンプルは、同じシャーシ及び吸収性コア構造を有し、唯一違う点は、カフの存在又は構造にある）。要約すると、
ｉ．ＣＥ１（カフなし）は対照であり、カフなしでは、排出物の２７％がトップシートの表面から横方向に流出することを示す。
ｉｉ．ＣＥ２は、比較的短いプリーツ（本発明のサンプル１及び２の８．７ｍｍと比較して３ｍｍ）を有し、排出物が吸収されるのに十分な長さだけ排出物を吸収性物品上に保持するプリーツの性能に、カフの長さが影響を与えることを示している。
ｉｉｉ．ＣＥ３は、ＩＳ１よりも剛性が低いカフを有する。ＣＤの流出データから、より剛性の高いＩＳ１のカフが、排出物を吸収性物品上の保持する際に、より良好に機能することが分かる。
ｉｖ．ＩＳ２と比較して、折り畳まれた材料の複数の層を有するＩＳ１は、排出物のＣＤの流出に関して、単一の材料層よりも良好に機能することが更に分かる。

立ち上がりカフの高さは、カフがトップシートに対してどの程度立ち上がるかの尺度を提供し、したがって、それらがトップシートからいかに良好に分離するか、及びそれらがどの程度のバリアを提供することができるのかの指標を与える。要約すると、
ｉ．ＣＥ２は、３ｍｍのカフ長さ（近位端から遠位端まで測定）を有する。本発明のサンプルは全て、長さ８．９ｍｍのカフを有し、より長いカフ長さが、より良好な立ち上がりカフの高さをもたらすことが上記から分かる。
ｉｉ．ＩＳ２はＩＳ１よりも硬い材料であり、これは、立ち上がりカフの高さがより良好であることを意味する。しかしながら、上記に見られるように、ＩＳ１の複数の層の方が、吸収性物品上での排出物の保持により寄与する。
ｉｉｉ．ＩＳ３は、使用前に３つに畳まれておらず、ＩＳ１はそのように畳まれている。結果から、使用前に３つに畳まれた吸収性物品上のカフは、トップシートに対してより多く立ち上がることが分かる。

パッド全体の剛性は、約３３１ｇｆであり得る。しかしながら、パッド全体の剛性が、約１５０～５００ｇｆ、約１７０～約４５０ｇｆ、約２００～約４００ｇｆ、約２５０～約３５０ｇｆの範囲内、具体的には、これらの範囲内の列挙された全ての値及びこれらの値によって規定されるいずれかの範囲内にある形態が想到される。しかしながら、パッド全体の剛性値が高すぎると、身体へのパッドの形状適合性に悪影響が及び、それによって、快適性の問題をもたらす場合があることには注目すべきである。同様に、パッド全体の剛性値が低すぎると、快適性のみらず、使用者の下着へのパッドの適用にも同様に影響を与える可能性がある。例えば、パッド剛性値が低すぎることは、得られるパッドが構造的一体性を欠いており、適用中に壊れやすいことを意味する。

本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。

相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の形態について例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。

Claims

長手方向中心線を有する吸収性物品であって、
ａ）トップシート及びバックシートを含むシャーシと、
ｂ）前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コアと、
ｃ）前記長手方向中心線の両側において、前記吸収性物品の身体に面する表面上に設けられた、第１の非伸縮性カフ及び第２の非伸縮性カフであって、前記カフのそれぞれは、前記シャーシに取り付けられた近位端と、前記長手方向中心線に向かって延在する遠位端と、を有し、前記近位端と前記遠位端との間で測定される前記カフの幅が少なくとも３ｍｍであり、前記カフのそれぞれが、少なくとも０．０４ｇ^＊ｃｍのカフ剛性を有する、カフと、を備える、吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフのうちの少なくとも１つが、１つ超の材料層を含む、請求項１に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフが、複数の層を有するカフを形成するために前記遠位端で折り畳まれる単一の材料層で形成されている、請求項１に記載の吸収性物品。
各材料層が前記シャーシに取り付けられている、請求項３に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフの近位端が、前記シャーシの長手方向縁部と隣接している、請求項１～４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフの前記遠位端が、前記吸収性コアの上に少なくとも０．５ｍｍ延在している、請求項１～５のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品が、少なくとも３３１ｇｆのパッド全体の剛性を有する、請求項１～６のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフが、取り付けストリップに沿って前記吸収性物品のトップシートに圧着及び／又は接着されている、請求項１～７のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記取り付けストリップが、少なくとも１ｍｍの幅を有する、請求項８に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品の衣類に面する表面上にパンティー締結手段を更に備え、前記パンティー締結手段と前記取り付けストリップとが、前記吸収性物品の中央セクションにおいて重なり合っていない、請求項８及び９に記載の吸収性物品。
前記パンティー締結手段が、前記吸収性物品の少なくとも中央セクション内の前記取り付けストリップの内側に位置する、請求項１０に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品の前端部及び／又は後端部において、前記第１のカフの前記遠位端及び前記第２のカフの前記遠位端が前記シャーシに取り付けられている、請求項１～１１のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフが、前記トップシートと同じ材料で形成されている、請求項１～１２のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフの前記遠位端と前記第２のカフの前記遠位端との間の距離が、前記吸収性コアの最も狭いセクションにおける前記幅の少なくとも３０％である、請求項１～１３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフが疎水性材料で形成されている、請求項１～１４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第１のカフ及び前記第２のカフのトップシートに面する表面が、前記吸収性物品の使用前に前記トップシートと同一平面上にあり、使用中、前記第１のカフの前記遠位端及び前記第２のカフの前記遠位端が、前記吸収性物品の少なくとも中央セクションにおいて前記トップシートに対して立ち上がる、請求項１～１５のいずれか一項に記載の吸収性物品。