JP2022506216A - 抗酸化剤の堆積促進のための活性成分組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒト毛髪のケアのための活性成分組成物に関する。特に、本発明は、a)少なくとも1種の有機ケイ素化合物、およびb)少なくとも1種の抗酸化剤を含む、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物に関し、該化粧品組成物は、損傷を受けた毛髪のケアに特に適当である。【選択図】なし

Description

本発明は、第1成分としての有機ケイ素化合物、および第2成分としての抗酸化剤を含む、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物、ならびに該化粧品組成物の使用に関する。
種々の異なる発生源からの化学薬品への毛髪の外部暴露は、美容ケア製品の開発に対して様々な課題を提起する。空気および水の不純物は、皮膚および毛髪に対し有害作用を有する。主要な大気汚染物質には、多環式芳香族炭化水素、揮発性有機化合物、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質、およびタバコの煙が含まれる。種々の大気汚染物質の影響は、他の大気汚染物質の存在下、およびUV照射に晒された場合に、強化され得る。
二酸化硫黄、オゾンおよび窒素酸化物などの大気中の気体汚染物質の毒性は、生物に損傷を生ずるフリーラジカルに対する開始剤的活性に関連することが知られている。フリーラジカルはまた、身体中で自然に発生する代謝産物である。大量にある場合、フリーラジカルは、刺激および炎症を促進し、老化の過程を加速させる可能性がある。この場合、用語「酸化的損傷」が用いられる。フリーラジカルは、目視可能な毛髪損傷、例えば、光沢および手触り感の減少、および/または毛髪色の退色を引き起こす可能性もある
さらに、特定の毛髪テクスチャ-に対する消費者の要求の変化の多くは、毛髪の反復性の化学暴露に関連する。例えば、染毛は、毛髪にストレスを与え、このために、特殊な集中ケアが必要となる場合がある。
先行技術では、少なくとも1個のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含むシランの群からのオルガノシリコン化合物が記載されている。ヒドロキシ基および/または加水分解性基の存在のために、シランは、水の存在下で、加水分解またはオリゴマー化または重合する反応性物質である。ケラチン物質に適用される際に、シランのオリゴマー化または重合が水の存在により開始され、最終的に、保護作用を発揮できる膜の形成に至る。
本発明の根底にある課題は、改善されたケアおよび/または保護効果を備えた製品を提供することである。特に、本発明は、毛髪トリートメント後に、ストレスを受けた毛髪に特別なケアを提供する、ケア用アフタートリートメントを可能にする、化粧剤を提供するという課題に基づくものである。
この課題は、
a)少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
b)少なくとも1種の抗酸化剤
を含む、ケラチン物質を処理するための化粧剤により解決される。
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手の指の爪および/または足の指の爪)を意味する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に入る。
好ましくは、ケラチン物質は、ヒト毛髪、ヒト皮膚およびヒト爪、特に、手の指の爪および足の指の爪を意味すると理解される。極めて好ましくは、ケラチン物質は、ヒト毛髪、特に、頭髪および/または髭であると理解される。
本発明に不可欠の第一の成分として、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。好ましい有機ケイ素化合物は、1、2または3個のケイ素原子を有するシランから選択され、ここで、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含む。
別名オルガノシリコン化合物とも呼ばれる有機ケイ素化合物は、直接ケイ素-炭素結合(Si-C)を有するか、または炭素が、酸素、窒素またはイオウ原子を介してケイ素原子に結合されるかのいずれかである、化合物である。有機ケイ素化合物は、1個~3個のケイ素原子を含む化合物である。有機ケイ素化合物は、好ましくは、1個または2個のケイ素原子を含む。
IUPAC命名法によると、用語シランは、ケイ素骨格および水素をベースにした一群の化学化合物を表す。有機シランでは、水素原子は(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基などの有機基により、完全にまたは部分的に置換されている。有機シランでは、いくつかの水素原子は、ヒドロキシ基により置換されてもよい。
ケラチン物質を処理するための薬剤は、好ましくは1、2または3個のケイ素原子を有するシランから選択される、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、ここで、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
最も好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための薬剤は、1、2または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり、さらに1個以上の塩基性基および1個以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含む。
この塩基性基は、例えば、アミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であってよく、これは、好ましくは、リンカーを介してケイ素原子に結合される。塩基性基は、好ましくは、アミノ基、C1-C6アルキルアミノ基またはジ(C1-C6)アルキルアミノ基である。
加水分解性基(複数可)は、好ましくは、C1-C6アルコキシ基、特に、エトキシ基またはメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合されるのが好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基の場合、有機ケイ素化合物は、好ましくは、構造単位R’R’’R’’’Si-O-CH2-CH3を含む。残基R’、R’’およびR’’’は、ケイ素原子の3つの残存する自由原子価を表す。
特に良好な結果は、ケラチン物質を処理するための薬剤が式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合に得られた。
式(I)および(II)の化合物は、1、2または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
別の極めて好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための薬剤は、式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む:
Figure 2022506216000001
(式中、
・R1、R2は両方とも水素原子を表し、
・Lは、直鎖状の二価C1-C6アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはエチレン基(-CH2-CH2-)を表し、
・R3およびR4は、独立に、メチル基またはエチル基を表し、
・aは数値3を表し、および
・bは数値0を表す)、
Figure 2022506216000002
(式中、
・R5、R5’、R5’’は独立に、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
・R6、R6’およびR6’’は、独立にC1-C6アルキル基を表し、
・A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は独立に、直鎖状または分枝状C1-C20二価アルキレン基を表し、
・R7およびR8は独立に、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
Figure 2022506216000003
の基を表し、
・cは、1~3の整数を表し、
・dは、整数3-cを表し、
・c’は、1~3の整数を表し、
・d’は、整数3-c’を表し、
・c’’は、1~3の整数を表し、
・d’’は、整数3-c’’を表し、
・eは、0または1を表し、
・fは、0または1を表し、
・gは、0または1を表し、
・hは、0または1を表し、
・ただし、e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる)。
式(I)および式(II)の化合物中の置換基R1、R2、R3、R4、R5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7、R8、L、A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は、以下で例として説明される:
C1-C6アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、およびt-ブチル基、n-ペンチル基およびn-ヘキシル基である。プロピル基、エチル基、およびメチル基は、好ましいアルキル基である。C2-C6アルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC2-C6アルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC1-C6アルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基および6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基は特に好ましい。アミノC1-C6アルキル基の例は、アミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基は特に好ましい。直鎖状の二価C1-C20アルキレン基の例としては、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)およびブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)が挙げられる。プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)が特に好ましい。3つのC原子の鎖長から、二価のアルキレン基は分枝状でもあり得る。分枝状の二価C3-C20アルキレン基の例は、(-CH2-CH(CH3)-)および(-CH2-CH(CH3)-CH2-)である。
式(I):
Figure 2022506216000004
の有機ケイ素化合物において、
R1基およびR2基は相互に独立に、水素原子またはC1-C6アルキル基を表す。特に、R1基およびR2基は両方とも、水素原子を表す。
有機ケイ素化合物の中央部分は、構造単位またはリンカー-L-であり、これは、直鎖状または分枝状の二価C1-C20アルキレン基を表す。
好ましくは、-L-は、直鎖状の二価C1-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、-L-は、直鎖状の二価C1-C6アルキレン基を表す。特に好ましい-L-は、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。Lは、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
式(I):
Figure 2022506216000005
の有機ケイ素化合物は、一端にケイ素含有グループ-Si(OR3a(R4bを有する。
末端構造単位-Si(OR3a(R4bにおいて、R3は、水素またはC1-C6アルキル基であり、R4は、C1-C6アルキル基である。R3およびR4は、相互に独立に、メチル基またはエチル基を表す。
ここで、aは、1~3の整数を表し、bは、整数3-aを表す。aが数値3である場合、bは0に等しい。aが数値2である場合、bは1に等しい。aが数値1である場合、bは2に等しい。
水および/または大気汚染の負の効果に対する最良の保護(「抗汚染(anti-pollution)」効果)およびストレスを受けた毛髪の最良のケアは、ケラチン物質を処理するための薬剤が、R3基、R4基が独立にメチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合に得られるであろう。
特によく適する式(I)の有機ケイ素化合物は、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022506216000006
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022506216000007
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
Figure 2022506216000008
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022506216000009
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2022506216000010
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
Figure 2022506216000011
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022506216000012
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022506216000013
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
Figure 2022506216000014
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022506216000015
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
Figure 2022506216000016
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール、
Figure 2022506216000017
である。
式(I)の有機ケイ素化合物は、市販品として入手できる。例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランは、Sigma-Aldrichから購入できる。(3-アミノプロピル)トリエトキシシランもSigma-Aldrichから市販品として入手できる。
別の実施形態では、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(II):
Figure 2022506216000018
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
式(II)のオルガノシリコン化合物は、それぞれ、その2つの末端に、ケイ素含有グループ(R5O)c(R6dSi-および-Si(R6’)d’(OR5’)c’を有する。
式(II)の分子の中央部分には、-(A)e-基および-[NR7-(A’)]f-基および-[O-(A’’)]g-基および-[NR8-(A’’’)]h-基が存在する。ここで、それぞれの残基e、f、g、およびhは、相互に独立に、数値0または1を表すことができ、ただし、残基e、f、g、およびhの少なくとも1つが0とは異なる。換言すれば、式(II)の有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR7-(A’)]-および-[O-(A’’)]-および-[NR8-(A’’’)]-からなる群から選択される少なくとも1種のグループを含む。
2つの末端構造単位(R5O)c(R6dSi-および-Si(R6’)d’(OR5’)c’において、基R5、R5’、R5’’は、相互に独立に、水素原子またはC1-C6アルキル基を表す。R6基、R6’基およびR6’’基は、独立にC1-C6アルキル基を表す。
ここで、cは、1~3の整数を表し、dは、整数3-cを表す。cが数値3を表す場合、dは0に等しい。cが数値2を表す場合、dは1に等しい。cが数値1を表す場合、dは2に等しい。
同様に、c’は、1~3の整数を表し、d’は、整数3-c’を表す。c’が数値3を表す場合、d’は0である。c’が数値2を表す場合、d’は1である。c’が数値1を表す場合、d’は2である。
残基cおよびc’の両方が数値3を表す場合に、ケラチン物質の処理のための薬剤の極めて高い抗汚染効果が得られるであろう。この場合、dおよびd’は両方とも数値0を表す。
別の好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための薬剤は、式(II):
Figure 2022506216000019
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、
式中、
・R5およびR5’は独立に、メチル基またはエチル基を表し、
・cおよびc’は両方とも、数値3を表し、および
・dおよびd’は両方とも、数値0を表す。
cおよびc’が両方とも数値3を表し、dおよびd’が両方とも、数値0を表す場合、有機ケイ素化合物は、式(IIa):
Figure 2022506216000020
に該当する。
残基e、f、gおよびhは独立に、数値0または1を表すことができ、それにより、残基e、f、gおよびhの少なくとも1つが0とは異なる。したがって、略記e、f、g、およびhは、-(A)e-および-[NR7-(A’)]f-および-[O-(A’’)]g-および-[NR8-(A’’’)]h-のうちのどのクループが式(II)の有機ケイ素化合物の中央部に存在するかを決定する。
これに関連して、特定のグループの存在が、「抗汚染」効果を高める観点から、特に有利であることが明らかになった。特に良好な結果は、少なくとも2つの残基e、f、g、およびhが数値1を表す場合に得られた。特に好ましいeおよびfは、両方とも数値1を表す。さらに、gおよびhが両方とも数値0を表す。
eおよびfが両方とも数値1で、gおよびhが両方とも数値0である場合、有機ケイ素化合物は、式(IIb):
Figure 2022506216000021
によって表される。
A基、A’基、A’’基、A’’’基およびA’’’’基は独立に、直鎖状または分枝状の二価C1-C20アルキレン基を表す。好ましくは、A基、A’基、A’’基、A’’’基およびA’’’’基は相互に独立に、直鎖状の二価C1-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、A基、A’基、A’’基、A’’’基およびA’’’’基は独立に、直鎖状の二価C1-C6アルキレン基を表す。特に、A基、A’基、A’’基、A’’’基およびA’’’’基は相互に独立に、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。特に、残基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
残基fが数値1を表す場合、式(II)の有機ケイ素化合物は、構造グループ-[NR7-(A’)]-を含む。
残基hが数値1を表す場合、式(II)の有機ケイ素化合物は、構造グループ-[NR8-(A’’’)]-を含む。
式中、R7およびR8は独立に、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
Figure 2022506216000022
の基を表す。
極めて好ましくは、R7およびR8は独立に、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
残基fが数値1を表し、残基hが数値0を表す場合、有機ケイ素化合物は、グループ-[NR7-(A’)]-を含むが、-[NR8-(A’’’)]-を含まない。次に、R7基が式(III)のグループを表す場合、ケラチン物質を処理するための薬剤は、3個の反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
別の好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための薬剤は、式(II):
Figure 2022506216000023
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、
式中、
・eおよびfは両方とも、数値1を表し、
・gおよびhは両方とも、数値0を表し、
・AおよびA’は相互に独立に、直鎖状の二価C1-C6アルキレン基を表し、および
・R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
別の好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、式中、
・eおよびfは両方とも、数値1を表し、
・gおよびhは両方とも、数値0を表し、
・AおよびA’は相互に独立に、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、またはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表し、および
・R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
課題の解決によく適した式(II)の有機ケイ素化合物は、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000024
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000025
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000026
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000027
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2022506216000028
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2022506216000029
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000030
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506216000031
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022506216000032
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022506216000033
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022506216000034
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022506216000035
である。
式(II)の有機ケイ素化合物は、市販品として入手できる。
CAS番号82985-35-1のビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンは、Sigma-Aldrichから購入できる。
CAS番号13497-18-2のビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンとしても知られ、例えば、Sigma-Aldrichから購入でき、または、Evonikから商品名Dynasylan 1122で市販品として入手できる。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、別名ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも呼ばれ、Sigma-AldrichまたはFluorochemから市販品として購入できる。
CAS番号18784-74-2の3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えば、FluorochemまたはSigma-Aldrichから購入できる。
毛髪に適用されるケラチン物質を処理するための薬剤が、式(IV)
Figure 2022506216000036
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合、有利であることも明らかになった。
式(IV)の化合物は、1、2または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
式(IV)の有機ケイ素化合物(複数可)はまた、アルキルアルコキシシラン型またはアルキルヒドロキシシラン型のシランと称される場合もあり、
Figure 2022506216000037
式中、
・R9は、C1-C12アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
・R11は、C1-C6アルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、および
・mは、3-kの整数を表す。
さらに好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(I)の有機ケイ素化合物(複数可)に加えて、式(IV):
Figure 2022506216000038
の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含み、
式中、
・R9は、C1-C12アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
・R11は、C1-C6アルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、および
・mは、3-kの整数を表す。
同様に好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(II)の有機ケイ素化合物(複数可)に加えて、式(IV):
Figure 2022506216000039
の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含み、
式中、
・R9は、C1-C12アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
・R11は、C1-C6アルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、および
・mは、3-kの整数を表す。
別の好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(I)および(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV):
Figure 2022506216000040
の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含み、
式中、
・R9は、C1-C12アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
・R11は、C1-C6アルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、および
・mは、3-kの整数を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R9基は、C1-C12アルキル基を表す。このC1-C12アルキル基は、飽和であり、直鎖状または分枝状であり得る。好ましくは、R9は、直鎖状C1-C8アルキル基を表す。好ましくは、R9は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、またはn-ドデシル基を表す。特に好ましくは、R9は、メチル基、エチル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R10基は、水素原子またはC1-C6アルキル基を表す。特に好ましくは、R10は、メチル基またはエチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R11基は、C1-C6アルキル基を表す。特に好ましくは、R11は、メチル基またはエチル基を表す。
さらに、kは、1~3の整数を表し、mは、整数3-kを表す。kが数値3を表す場合、mは0に等しい。kが数値2を表す場合、mは1に等しい。kが数値1を表す場合、mは2に等しい。
ケラチン物質を処理するための薬剤が、残基kが数値3を表す式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合、極めて高い「抗汚染」効果が得られるであろう。この場合、残るmは数値0を表す。
課題の解決に特に適当な式(IV)の有機ケイ素化合物は、
・メチルトリメトキシシラン
Figure 2022506216000041
・メチルトリエトキシシラン
Figure 2022506216000042
・エチルトリメトキシシラン
Figure 2022506216000043
・エチルトリエトキシシラン
Figure 2022506216000044
・n-ヘキシルトリメトキシシラン
Figure 2022506216000045
・n-ヘキシルトリエトキシシラン
Figure 2022506216000046
・n-オクチルトリメトキシシラン
Figure 2022506216000047
・n-オクチルトリエトキシシラン
Figure 2022506216000048
・n-ドデシルトリメトキシシランおよび/または
Figure 2022506216000049
・n-ドデシルトリエトキシシラン
Figure 2022506216000050
および、
プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよび/またはオクタデシルトリエトキシシランである。
上記有機ケイ素化合物は、反応性化合物である。
これに関連して、薬剤が有機ケイ素化合物として(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、すなわちアミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、および/または3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、すなわちビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンを含む場合、非常に好ましいことが見いだされた。
本発明の好ましい実施形態によれば、式(I)の有機ケイ素化合物、特に(3-アミノプロピル)トリエトキシシランは、化粧品の総重量に基づいて、0.01~10重量%、好ましくは0.02~8重量%、より好ましくは0.05~6重量%、最も好ましくは0.1~4重量%の量で化粧品中に存在する、および/または、式(II)の有機ケイ素化合物、特に3-[(トリエトキシシリル)-N-3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、化粧品組成物の総重量に基づいて、0.01~10重量%、好ましくは0.02~9重量%、より好ましくは0.05~8重量%、最も好ましくは0.1~7重量%の量で化粧品組成物中に存在する。
薬剤が2種の構造的に異なる有機ケイ素化合物を含む場合でも、特に安定で均一な膜が、ケラチン物質上に得られることが明らかになった。
好ましい実施形態では、薬剤は、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物および式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
明らかに極めて特に好ましい実施形態では、薬剤は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群から選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含有し、さらに、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランおよびヘキシルトリエトキシシランからなる群から選択される式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、薬剤は、薬剤の総重量を基準にして、
・0.5~5重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランの群から選択される少なくとも1種の第一の有機ケイ素化合物、および
・3.2~10重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよびオクタデシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種の第二の有機ケイ素化合物
を含むことを特徴とする。
少なくとも1種の加水分解性基を有する有機ケイ素化合物では、小量の水の添加であっても、加水分解に繋がる。加水分解生成物および/または少なくとも1個のヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物は、縮合反応で相互に反応する場合もある。この理由のために、少なくとも1種の加水分解性基を有するオルガノシリコン化合物およびそれらの加水分解生成物および/または縮合生成物の両方が、組成物中に存在する場合もある。少なくとも1個のヒドロキシル基を有するオルガノシリコン化合物が使用される場合、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物およびそれらの縮合生成物の両方が、組成物中に存在する場合もある。
縮合生成物は、1分子当たり、それぞれ少なくとも1個のヒドロキシル基または加水分解性基を有する少なくとも2種の有機ケイ素化合物の、水の脱離および/またはアルカノールの脱離を伴う反応により形成された生成物であると理解される。縮合生成物は、例えば、ダイマーであってもよいが、トリマーまたはオリゴマーであってもよく、縮合生成物はモノマーと平衡状態にある。加水分解で使用または消費された水の量に応じて、平衡は、モノマー有機ケイ素化合物側から縮合生成物側にシフトする。
本発明に関連して、重量%単位の数値は、特に断りのない限り、常に、化粧品の総重量を基準にしている。
本発明に必須の第2成分として、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物は、さらなる成分b)として、抗酸化剤を含む。本発明に至る研究の過程で、特に良好なケアおよび保護効果を達成するために、有機ケイ素化合物、例えば(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、すなわち(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、すなわちアミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、または、例えば、3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、すなわちビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンを抗酸化剤と組み合わせると、特に有利であることが見いだされた。
抗酸化剤は、最初に、フリーラジカルスカベンジャーである任意の剤として理解されるべきである。それらには、トコフェロールやその誘導体などの天然物質、およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびアルキルガレートなどの合成ラジカルスカベンジャーが含まれる。好ましくは、抗酸化剤は、還元剤、より好ましくは、非常に低い酸化還元電位を有するものを意味すると理解されるべきである。特に好ましくは、抗酸化剤は、酸化還元電位が+0.12V以下の還元剤として理解されるべきである。酸化還元電位が低い還元剤の代表例は、例えばアスコルビン酸(pH7および25℃で-0.04V)および亜硫酸の塩(pH7および25℃で+0.12V)であり、酸化還元電位は通常の標準に従って標準水素電極に対して測定される。
一方では本明細書で理解されるような抗酸化剤と、他方ではアミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)および/またはビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンとの組み合わせが、コンディショニング処理に関して特に効果を発揮することが見いだされた。
好ましい抗酸化剤は、以下の基本構造:
Figure 2022506216000051
を有するフェノール誘導体またはフラボノイド、またはフラボノイド誘導体、特にルチンまたはルチンの硫酸塩に基づく。さらに、アントシアニンが好ましい抗酸化剤であり、より好ましくは、ペラルゴニジン、シアニジン、ペオニジン、パエオニジン、ロシニジン、デルフィニジン、ペチュニジンまたはマルビジンである。他の好ましい抗酸化剤としては、ビタミンまたはそれらの誘導体が挙げられる。従って、好ましい抗酸化剤は、レチノール、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ニコチンアミド、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ビオチン、葉酸、コバラミン、コレカルシフェロール、トコフェロール、フィロキノン、メナキノン、リノレン酸およびアミグダリンからなる群から選択される1つまたは複数である。さらに、カロテノイドは好ましい抗酸化剤である。
好ましい実施形態によれば、抗酸化剤を含む成分b)は、化粧品組成物中のさらなる皮膚保湿剤と共に使用される。さらなる皮膚保湿剤は、グリセリン、尿素、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸のシラノールエステル、パンテノール、タウリン、セラミド、フィトステロール、アロエベラ抽出物、クレアチン、クレアチニン、ヒアルロン酸ナトリウム、多糖類、生体糖類ガム-1、キュウリ抽出物、ブチレングリコール、プロピレングリコール、メチルプロパンジオール、エチルヘキシルグリセロール、ソルビトール、アミノ酸、グリシン、グリシン大豆、ヒスチジン、特に好ましいアミノ酸であるチロシンまたはトリプトファン、アミノ酸誘導体、天然ベタイン化合物、乳酸、乳酸塩、特に乳酸ナトリウム、および/またはエチルヘキシルオキシグリセロールからなる群から選択される。特に、これらの追加の皮膚保湿剤を選択すると化粧品のケア特性が高まる。
本発明の好ましい実施形態によれば、成分b)は、化粧品組成物中に、0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~6重量%の範囲の総量で存在する。
特に、ケラチン物質を処理するための手段は、ケラチン物質を洗浄するための手段、ケラチン物質を保持するための手段、ケラチン物質を保持し、かつ洗浄するための手段、および/またはケラチン物質を一時的に再形成する手段を含んでよい。
以下において、前に記載した必須の成分に加えて製品中に含まれていてよい、毛髪処理製品のさらなる成分を記載する。
ケラチン物質を処理するための薬剤は、0.001~20重量%の少なくとも1種の第四級化合物をさらに含むことが好ましくあり得る。これは、ケラチン物質のケアのための薬剤、ならびにケラチン物質のケアおよび洗浄のための薬剤に当てはまる。
少なくとも1つの第四級化合物は、以下からなる群の少なくとも1つから選択されることが好ましい:
i)モノアルキルクアットおよび/または
ii)エステルクアットおよび/または
iii)式(Tkat2):
Figure 2022506216000052
(式中、基Rは、互いに独立して、8~30個の炭素原子の鎖長を有する飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の炭化水素基を表し、Aは生理学的適合性のアニオンを表す)
の第四級イミダゾリン、および/または
iv)アミドアミンおよび/またはカチオン化アミドアミンおよび/または
v)ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム化合物)および/または
vi)四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-72、および/または
vii)カチオン性アルキルポリグリコシドおよび/または
viii)カチオン化された蜂蜜および/または
iv)カチオン性グアー誘導体および/または
x)キトサンおよび/または
xi)ポリマージメチルジアリルアンモニウム塩、ならびにこれらとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマー、特にポリクオタニウム-7および/または
xii)ビニルピロリドンと、ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体とのコポリマー、特にポリクオタニウム-11および/または
xiii)ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマー、特にポリクオタニウム-16および/または
xiv)四級化ポリビニルアルコールおよび/または
xv)ポリクオタニウム-74、
およびそれらの混合物。
毛髪処理組成物が、第四級化合物としてINCI名称ポリクオタニウム-37に該当するカチオン性ホモポリマーを含むことが特に好ましい。
ケラチン物質を処理するための薬剤が、好ましくはワックス、合成ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される、固化化合物(firming compound)をさらに含むことが好ましくあり得る。
ケラチン物質の一時的再形成用の薬剤(=スタイリング剤)の形態における、ケラチン物質の処理のための薬剤に対する種々の要求を満たすために、多くの合成ポリマーが、ケラチン物質の処理のための薬剤において使用可能な強化化合物(strengthening compound)として既に開発されている。代替的または補完的に、強化化合物としてワックスが使用される。理想的には、ポリマーおよび/またはワックスは、ケラチン物質に塗布された際に、一方では、ヘアスタイルに強力な保持力を与え、他方では、応力が加えられた場合に壊れないように充分に柔軟な、ポリマーフィルムまたはシートを生成する。
合成ポリマーは、カチオン性、アニオン性、非イオン性および両性の強化ポリマーに分類できる。
適当な合成ポリマーには、例えば、以下のINCI名を有するポリマーが含まれる:アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー、アクリルアミド/DMAPAアクリレート/メトキシPEGメタクリレートコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、アクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレートコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、アクリレート/t-ブチルアクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー、アクリレート/C1-2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー、アクリレート/ラウリルアクリレート/ステアリルアクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミド/ジフェニルアモジメチコンコポリマー、アクリレート/ステアリルアクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートコポリマー、アクリレート/VAコポリマー、アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー、アクリレート/VPコポリマー、アジピン酸/ジエチレントリアミンコポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、アジピン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパンコポリマー、アリルステアレート/VAコポリマー、アミノエチルアクリレートホスフェート/アクリレートコポリマー、アミノエチルプロパンジオール-アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アミノエチルプロパンジオール-AMPD-アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、アンモニウムVA/アクリレートコポリマー、AMPD-アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、AMP-アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー、AMP-アクリレート/C1-18アルキルアクリレート/C1-8アルキルアクリルアミドコポリマー、AMP-アクリレート/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、AMP-アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、バチルス/米糠エキス/大豆エキス発酵濾過物、ビス-ブチルオキシアモジメチコン/PEG-60コポリマー、ブチルアクリレート/エチルヘキシルメタクリレートコポリマー、ブチルアクリレート/ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートコポリマー、ブチル化PVP、エチレンのブチルエステル/MAコポリマー、PVMのブチルエステル/MAコポリマー、カルシウム/ナトリウムPVM/MAコポリマー、トウモロコシ澱粉/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー、ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジンコポリマー、ジメチコンクロスポリマー、ジフェニルアモジメチコン、PVMのエチルエステル/MAコポリマー、加水分解小麦タンパク質/PVPクロスポリマー、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー、イソブチレン/MAコポリマー、イソブチルメタクリレート/ビス-ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレートコポリマー、PVMのイソプロピルエステル/MAコポリマー、ラウリルアクリレートクロスポリマー、ラウリルメタクリレート/グリコールジメタクリレートクロスポリマー、MEA-スルファイト、メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、PEG/PPG-25/25ジメチコン、PEG-8/SMDIコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート-6、ポリβ-アラニン/グルタル酸クロスポリマー、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル-1、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリロイルエチルベタイン、ポリペンタエリスリチルテレフタレート、ポリパーフルオロパーヒドロフェナントレン、ポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-8、ポリクオタニウム-9、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-12、ポリクオタニウム-13、ポリクオタニウム-14、ポリクオタニウム-15、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-19、ポリクオタニウム-20、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-29、ポリクオタニウム-30、ポリクオタニウム-31、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-33、ポリクオタニウム-34、ポリクオタニウム-35、ポリクオタニウム-36、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-45、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-48、ポリクオタニウム-49、ポリクオタニウム-50、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-56、ポリシリコーン-9、ポリウレタン-1、ポリウレタン-6、ポリウレタン-10、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルイミダゾリニウムアセテート、ポリビニルメチルエーテル、PVMのカリウムブチルエステル/MAコポリマー、PVMのカリウムエチルエステル/MAコポリマー、PPG-70ポリグリセリル-10エーテル、PPG-12/SMDIコポリマー、PPG-51/SMDIコポリマー、PPG-10ソルビトール、PVM/MAコポリマー、PVP、PVP/VA/イタコン酸コポリマー、PVP/VA/ビニルプロピオネートコポリマー、リゾビアンガム、ロジンアクリレート、シェラック、PVMのナトリウムブチルエステル/MAコポリマー、PVMのナトリウムエチルエステル/MAコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、カラヤガム、テレフタル酸/イソフタル酸/イソフタル酸スルホン酸ナトリウム/グリコールコポリマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチルシロキシシリルカルバモイルプルラン、VA/クロトネートコポリマー、VA/クロトネート/メタクリロキシベンゾフェノン-1コポリマー、VA/クロトネート/ビニルネオデカノエートコポリマー、VA/クロトネート/ビニルプロピオネートコポリマー、VA/DBMコポリマー、VA/ビニルブチルベンゾエート/クロトネートコポリマー、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー、VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VP/DMAPAアクリレートコポリマー、VP/ヘキサデセンコポリマー、VP/VAコポリマー、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー、イーストパルミテートおよびスチレン/VPコポリマー。セルロースエーテル、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースも適当である。
また、ホモポリアクリル酸(INCI:カルボマー)は、カーボポール(登録商標)の名称で種々の形態で市販品として入手可能であり、固化化合物として適当である。
好ましくは、固化化合物は、ビニルピロリドン含有ポリマーを含む。特に好ましくは、固化化合物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VP/VAコポリマー)、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(INCI)、VP/DMAPAアクリレートコポリマー(INCI)、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
別の好ましい固化化合物は、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(INCI)であり、これは、「Amphomer(登録商標)」の名称でAkzo Nobelから販売されている。
したがって、固化化合物が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VP/VAコポリマー)、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(INCI)、VP/DMAPAアクリレートコポリマー(INCI)、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(INCI)、およびこれらの混合物からなる群から選択される合成ポリマーを含むことが特に好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、化粧品組成物は、成分d)として少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む。これは、特に好ましくは、式(V):
Figure 2022506216000053
(式中、
12、R13、R14は独立して、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、またはC2-C6ヒドロキシアルキル基を表し、
15は、C8-C28アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基であり、
は、生理学的適合性のアニオンを表す)
のカチオン性界面活性剤である、
および/または化粧品組成物は、好ましくは、式(VI):
Figure 2022506216000054
(式中、
16はC1-C6アルキル基を表し、
17、R18は独立してC7-C27アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基を表し、
は生理学的適合性のアニオンを表す)
の少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む、
および/または化粧品組成物は、好ましくは、式(VII):
Figure 2022506216000055
(式中、
19、R20は独立して、C1-C6アルキル基またはC2-C6ヒドロキシアルキル基を表し、
21、R22は独立してC7-C27アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基を表し、
は生理学的適合性のアニオンを表す)
の少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む、
および/または化粧品組成物は、好ましくは、式(VIII):
Figure 2022506216000056
(式中、
23、R24は独立して、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、またはC2-C6ヒドロキシアルキル基を表し、
25はC8-C28アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基を表す)
の少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む。
式(VIII)のカチオン性界面活性剤は、アミン誘導体、いわゆるシュードクワット(pseudoquats)である。有機基R23、R24、R25は窒素原子に直接結合されている。酸性のpH範囲では、これらはカチオン化される、つまり、窒素原子がプロトン化される。生理学的適合性の対イオンは、対イオンとして適している。式(VIII)のカチオン性界面活性剤の中で、ステアミドプロピルジメチルアミンが特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、カチオン性界面活性剤の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~10重量%である。
本発明の好ましい実施形態によれば、カチオン性界面活性剤は、カチオン電荷を有する疎水性頭部基および1つまたは2つの疎水性末端部分を含み、疎水性末端部分は、好ましくはC6~C30、より好ましくはC8~C26、特に好ましくはC10~C22の鎖長を有する、直鎖状または分枝状、飽和またはモノ-もしくはポリ不飽和のアルキル基を表す。別の好ましい実施形態によれば、カチオン性界面活性剤は、エステル官能基、エーテル官能基、ケトン官能基、アルコール官能基、またはアミド官能基を有する。
本発明の好ましい実施形態によれば、好ましくは以下からなる群より選択される、1つまたは複数のアニオン性界面活性剤が化粧品組成物に含まれ:
・8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個の炭素原子を含む、直鎖状または分枝状、飽和またはモノ-もしくはポリ不飽和のアルキルスルホネート、
・8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個のC原子を有する直鎖状α-オレフィンスルホネート、
・アルキルサルフェートおよび式R9-O-(CH-CHO)-SOX(式中、R9は、好ましくは、8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状、飽和またはモノもしくはポリ不飽和のアルキルもしくはアルケニル基であり、nは0または1~12、より好ましくは2~4であり、Xはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオンまたはプロトン化トリエタノールアミンもしくはアンモニウムイオンである)のアルキルポリグリコールエーテルサルフェート、
・8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和またはモノもしくはポリ不飽和のアルキルカルボン酸、
・8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和またはモノもしくはポリ不飽和のアルキルホスフェート、
・アルキル基が分枝状または非分枝状C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルイセチオン酸塩、特にココイルイセチオン酸ナトリウム、
・アルキル基が分枝状または非分枝状C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルグリコシドカルボン酸、
・2つのアルキル基が、同一または異なる、分枝状または非分枝状のC~C12、好ましくはC~C10、より好ましくはC~Cアルキル基から選択されるアルキルスルホサクシネート、
・アルキル基が分枝状または非分枝状C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルタウレート、
・アルキル基が分枝状または非分枝状C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルサルコシネート、
・8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18個のC原子および1~6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
ここで、アニオン性界面活性剤の対イオンは、アルカリもしくはアルカリ土類金属イオンまたはプロトン化トリエタノールアミンもしくはアンモニウムイオンである。
特に好ましいアニオン性界面活性剤は、8~18個、10~16個の炭素原子ならびに1~6個、2~4個のエチレンオキシド単位を有するアルキル基を含む直鎖状または分枝状アルキルエーテルサルフェートである。非常に好ましくは、アニオン性および両性/双性イオン性界面活性剤の界面活性剤混合物は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(INCI:ラウレス硫酸ナトリウム)、および非常に好ましくは、2つのエチレンオキシド単位を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む。
双性イオン界面活性剤としても知られる両性界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの第4級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO-または-SO-基を含む界面活性化合物である。両性/双性イオン界面活性剤には、C~C24のアルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含み、内部塩を形成できる界面活性化合物も含まれる。
本発明の好ましい実施形態によれば、化粧品組成物中の両性界面活性剤は、
・少なくとも1種の飽和または不飽和、分枝状または非分枝状のC~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルベタイン、
・アルキルアンホジアセテート、または飽和または不飽和、分枝状または非分枝状のC~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基をアルカリもしくはアルカリ土類金属対イオンと共に含むアルキルアンホジアセテート、および
・少なくとも1つの飽和または不飽和、分枝状または非分枝状のC~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルアミドプロピルベタイン
からなる群から選択される。
特に適当な両性/双性イオン性界面活性剤には、コカミドプロピルベタインおよびジナトリウムココアンホジアセテートというINCI名称で知られているものが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、以下からなる群から選択される:
・飽和または不飽和、分枝状または非分枝状の、C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルグルカミド、
・飽和または不飽和、分枝状または非分枝状の、C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルフルクトシド、
・飽和または不飽和、分枝状または非分枝状の、C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルグルコシド、
・式R10(OR11OH(式中、R10は直鎖状または分枝状C-C22、好ましくはC10-C18、より好ましくはC12-C16アルキル基を表し、R11はC-C、好ましくはCアルキル基を表し、mは1~10、好ましくは2~6、より好ましくは2~6を表す)のアルキルアルコールアルコキシレート、
・式R12COOR13(式中、R12は直鎖状または分枝状C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を表し、R13はC~C、好ましくはCアルキル基を表す)のアルキルエステル。
本発明の好ましい実施形態によれば、化粧品組成物は、2種の構造的に異なる界面活性剤を含む。化粧剤が相互に構造的に異なる2種の界面活性剤を含み、好ましくは化粧剤が相互に構造的に異なる2種のカチオン性界面活性剤を含むか、または化粧剤がカチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含むことが特に好ましい。
化粧品組成物は、合成ポリマーに加えて、またはその代わりに、固化化合物として、37℃を超える融点を有する、少なくとも1種の天然ワックスまたは合成ワックスを含んでよい。
天然ワックスまたは合成ワックスは、固体ケロシンまたはイソパラフィン;カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、アフリカハネガヤワックス、和蝋、コルクワックス、サトウキビワックス、オーリクリー蝋、モンタン蝋、ヒマワリワックス、フルーツワックスなどの植物蝋;蜜ろうおよび他の虫白蝋、鯨蝋、シェラックワックス、羊毛脂およびブラッシンググリース(brushing grease)などの動物蝋であってよく、さらに、セレシンおよびオゾケライトなどの鉱蝋;またはペトロラタム、ケロシンワックス、ポリエチレンまたはポリプロピレンのマイクロワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどの石油化学ワックスを使用できる。水素添加ワックスまたは硬化ワックスの使用も有利であり得る。化学修飾ワックス、特に、モンタンエステルワックス、サソールワックスおよび水素添加ホホバワックスなどの硬蝋も使用できる。
さらに、必須成分に加えて、飽和および任意にヒドロキシル化されたC16-30脂肪酸のトリグリセリド、例えば、水素添加トリグリセリド脂肪(水素添加パーム油、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油)、グリセリルトリベヘネートまたはグリセリルトリ-12-ヒドロキシステアレートは、化粧品において適当である。
ワックス成分は、22~44個の炭素原子の鎖長を有する、飽和した非分枝状のアルカンカルボン酸および22~44個の炭素原子の鎖長を有する、飽和した非分枝状のアルコールのエステルの群からも選択できるが、ただし、該ワックス成分またはワックス成分の全体が室温で固体であることが条件である。シリコーンワックス、例えば、ステアリルトリメチルシラン/ステアリルアルコールも有利であり得る。
天然ワックス、化学修飾ワックスおよび合成ワックスは、単独でまたは組み合わせて使用できる。したがって、いくつかのワックスを使用することもできる。さらに、その他の添加物と混合されている可能性がある、いくつかのワックス混合物も、市販品として入手できる。「Special Wax 7686 OE」(73~75℃の融解範囲を有する、セチルパルミテート、蜜ろう、微結晶性ワックスおよびポリエチレンの混合物;製造業者:Kahl&Co)、Polywax(登録商標)GP 200(47~51℃の融点を有する、ステアリルアルコールおよびポリエチレングリコールステアレートの混合物;製造業者:Croda)および「Softceresin(登録商標)FL 400」(50~54℃の融点を有する、ワセリン/ワセリンオイル/ワックス混合物;製造業者:Parafluid Mineral Oil Company)の名称で販売されている製品が、使用可能な混合物の例である。
好ましくは、ワックスは、カルナウバ蝋(INCI:Copernicia Cerifera Cera)、蜜ろう(INCI:蜜ろう)、ペトロラタム(INCI)、微結晶性ワックスおよび特にこれらの混合物から選択される。
好ましいブレンドには、カルナウバ蝋(INCI:Copernicia Cerifera Cera)、ペトロラタムおよび微結晶性ワックスの組み合わせ、または蜜ろう(INCI:蜜ろう)およびペトロラタムの組み合わせが含まれる。
ワックスまたはワックス成分は、25℃で固体であるべきであり、>37℃の範囲で融解すべきである。
ケラチン物質を処理するための組成物は、好ましくは、化粧品組成物の総重量を基準にして、0.5~50重量%、好ましくは1~40重量%、より好ましくは1.5~30重量%、さらにより好ましくは2~25重量%の合計量で固化化合物を含む。
他の適当な成分としては、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、ワックス、タンパク質加水分解物、アミノ酸、オリゴペプチド、ビタミン前駆物質、ベタイン、バイオキノン(biochinone)、プリン(誘導体)、植物抽出物、シリコーン、エステル油、UV光保護フィルター、構造化剤、増粘剤、電解質、pH調節剤、膨張剤、着色剤、フケ防止剤、錯化剤、乳白剤、真珠光沢剤、顔料、安定化剤、噴射剤、香油および/または保存剤が挙げられる。
好ましい実施形態1~576において、好ましい有機ケイ素化合物は、本発明による化粧品組成物中で、好ましい抗酸化剤と組み合わせられる。
Figure 2022506216000057
Figure 2022506216000058
Figure 2022506216000059
Figure 2022506216000060
Figure 2022506216000061
Figure 2022506216000062
Figure 2022506216000063
Figure 2022506216000064
Figure 2022506216000065
Figure 2022506216000066
Figure 2022506216000067
Figure 2022506216000068
Figure 2022506216000069
Figure 2022506216000070
Figure 2022506216000071
Figure 2022506216000072
Figure 2022506216000073
Figure 2022506216000074
Figure 2022506216000075
Figure 2022506216000076
Figure 2022506216000077
上記の表における組み合わせは、化粧品中で上記の他の成分と組み合わせられる、活性成分の組み合わせを表す。
少なくとも1種の有機ケイ素化合物及び抗酸化剤の、活性成分の組み合わせは、ケラチン物質を処理するための薬剤中に既に存在していてもよい。この実施形態において、ケラチン物質を処理するための薬剤は、即時使用可能な形態で既に流通されている。貯蔵中に可能な限り安定な製剤を提供するために、薬剤それ自体は、好ましくは低水分または無水状態で包装されている。
あるいは、少なくとも1種の有機ケイ素化合物が、ケラチン物質処理組成物を塗布する最大12時間前、好ましくは最大6時間前、より好ましくは最大3時間前、さらにより好ましくは最大1時間前に、少なくとも1種の有機ケイ素化合物以外のケラチン物質処理組成物の全成分を含む基剤に添加される。
さらに、または代わりに、有機ケイ素化合物および他の成分b)は、使用直前にのみ、すなわち、使用の1分~12時間前、好ましくは2分~6時間前、特に好ましくは1分~3時間前、特に好ましくは1分~1時間前に化粧品に添加される。
さらなる別の代替実施形態において、AMEOまたはビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンが、毛髪に適用される水溶液に添加され、第二のステップにおいて、さらなる成分b)を含む水溶液または化粧組成物が毛髪に適用される。
例えば、使用者は、有機ケイ素化合物(複数可)を含む薬剤(α)と、ケラチン物質を処理するための薬剤の残りの成分を含む薬剤(β)とを最初に混合または震盪してもよい。使用者は次に、(α)および(β)の混合物を、その調製の直後に、または1分~20分の短い反応時間の後のいずれかで、ケラチン物質に適用することができる。薬剤(β)は、水、特に、ケラチン物質を処理する薬剤の総重量を基準にして、30重量%を超える量の水を含んでもよい。
本出願の別の主題は、ケラチン物質をケアするための、空気及び水汚染物質のケラチン物質への有害な影響を低減および/または防止するための、ケラチン物質における空気および水汚染物質によるフリーラジカルの形成を低減および/または防止するための、および/または空気および水汚染物質によりケラチン物質において形成されたフリーラジカルを無害にするための、ケラチン物質を処理するための本発明の化粧品組成物の使用である。
さらなる好ましい使用の実施形態に関しては、必要な変更を加えて、化粧剤と同じ実施形態が適用される。

Claims (11)

  1. a)少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
    b)少なくとも1種の抗酸化剤
    を含む、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  2. 前記少なくとも1種の有機ケイ素化合物が、式(I)および/または(II)の化合物を含み、
    ここで、式(I):
    Figure 2022506216000078
    の有機ケイ素化合物において、
    ・R1、R2は、両方とも、水素原子を表し、
    ・Lは、直鎖状の二価C1-C6アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはエチレン基(-CH2-CH2-)を表し、
    ・R3、R4は、独立に、メチル基またはエチル基を表し、
    ・aは数値3を表し、および
    ・bは数値0を表し、
    式(II):
    Figure 2022506216000079
    の有機ケイ素化合物において、
    ・R5、R5’、R5’’、R6、R6’およびR6’’は独立に、C1-C6アルキル基を表し、
    ・A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は独立に、直鎖状または分枝状C1-C20二価アルキレン基を表し、
    ・R7およびR8は独立に、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III)
    Figure 2022506216000080
    の基を表し、
    ・cは、1~3の整数を表し、
    ・dは、整数3-cを表し、
    ・c’は、1~3の整数を表し、
    ・d’は、整数3-c’を表し、
    ・c’’は、1~3の整数を表し、
    ・d’’は、整数3-c’’を表し、
    ・eは、0または1を表し、
    ・fは、0または1を表し、
    ・gは、0または1を表し、
    ・hは、0または1を表し、
    ただし、e、f、g、およびhから選択される残基のうちの少なくとも1つが0とは異なる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  3. 前記ケラチン物質を処理するための薬剤が、
    ・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
    ・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン、
    からなる群から選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、または、
    前記ケラチン物質を処理するための薬剤が、
    ・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
    ・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
    ・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
    ・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
    ・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および
    ・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
    からなる群から選択される式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  4. 前記式(I)の有機ケイ素化合物が、前記化粧品組成物の総重量を基準にして、0.01~10重量%、好ましくは0.02~8重量%、より好ましくは0.05~6重量%、最も好ましくは0.1~4重量%の量で前記化粧品組成物中に存在することを特徴とする、および/または、前記式(II)の有機ケイ素化合物が、前記化粧品組成物の総重量を基準にして、0.01~10重量%、好ましくは0.02~9重量%、より好ましくは0.05~8重量%、さらにより好ましくは0.1~7重量%、最も好ましくは0.1~6重量%の量で存在することを特徴とする、および/または、前記式(I)の有機ケイ素化合物が3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンである、および/または、前記式(II)の有機ケイ素化合物が(3-アミノプロピル)トリエトキシシランであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  5. 前記ケラチン物質を処理するための組成物が、
    ・メチルトリメトキシシラン
    ・メチルトリエトキシシラン
    ・エチルトリメトキシシラン
    ・エチルトリエトキシシラン
    ・プロピルトリメトキシシラン
    ・プロピルトリエトキシシラン
    ・ヘキシルトリメトキシシラン
    ・ヘキシルトリエトキシシラン
    ・オクチルトリメトキシシラン
    ・オクチルトリエトキシシラン
    ・ドデシルトリメトキシシラン
    ・ドデシルトリエトキシシラン
    ・オクタデシルトリメトキシシラン、および
    ・オクタデシルトリエトキシシラン
    からなる群から選択される、式(IV):
    Figure 2022506216000081
    の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  6. 前記抗酸化剤が、+0.12V以下の酸化還元電位を有する還元剤、もしくはラジカルスカベンジャーであることを特徴とする、または前記抗酸化剤が、フェノール誘導体、フラボノイド、フラボノイド誘導体、アントシアニン、好ましくはペラルゴニジン、シアニジン、ペオニジン、パエオニジン、ロシニジン、デルフィニジン、ペチュニジンまたはマルビジン、カロテノイド、レチノール、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ニコチンアミド、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ビオチン、葉酸、コバラミン、アスコルビン酸、亜硫酸塩、コレカルシフェロール、トコフェロール、フィロキノン、メナキノン、リノレン酸、アミグダリン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエンおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  7. 前記抗酸化剤が、前記化粧品組成物の総重量に基づいて、0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~6重量%の量で前記化粧品組成物中に存在することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  8. 前記化粧品組成物が、好ましくはグリセロール、尿素、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸のシラノールエステル、パンテノール、タウリン、セラミド、フィトステロール、アロエベラ抽出物、クレアチン、クレアチニン、ヒアルロン酸ナトリウム、多糖類、生体糖類ガム-1、キュウリ抽出物、ブチレングリコール、プロピレングリコール、メチルプロパンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビトール、アミノ酸、グリシン、グリシン大豆、ヒスチジン、特に好ましいアミノ酸であるチロシンまたはトリプトファン、アミノ酸誘導体、乳酸、乳酸塩、特に乳酸ナトリウム、および/またはエチルヘキシルオキシグリセロールからなる群から選択される、さらなる皮膚保湿剤である成分c)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のケラチン物資を処理するための化粧品組成物。
  9. 前記ケラチン物質を処理するための化粧品組成物が、互いに構造的に異なる少なくとも2つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  10. 前記ケラチン物質を処理するための組成物が、前記ケラチン物質を処理するための組成物の総重量を基準にして、
    ・0.5~3重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランの群から選択される少なくとも1種の第一の有機ケイ素化合物、および
    ・3.2~7重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよびオクタデシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種の第二の有機ケイ素化合物
    を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  11. ケラチン物質をケアするための、
    空気および水汚染物質のケラチン物質への有害な影響を低減および/または防止するための、
    空気および水汚染物質によるケラチン物質におけるフリーラジカルの形成を低減および/または防止するため、および/または
    空気および水の不純物によってケラチン物質において形成されたフリーラジカルを無害にするための、
    請求項1~9のいずれか1項に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物の使用。
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