JP2022506215A - ヒト毛髪のケアのための活性成分組成物 - Google Patents

ヒト毛髪のケアのための活性成分組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒト毛髪のケアおよび表面改質のための活性成分組成物に関する。特に、本発明は、a)ケイ素原子を含む少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および、b)ポリオルガノシロキサンを含んでなる、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物であって、損傷毛をケアするのに特に適する化粧品組成物に関する。

Description

本発明は、有機ケイ素化合物およびポリオルガノシロキサンを含んでなるケラチン物質を処理するための化粧品組成物、並びに、該化粧品組成物の使用に関する。
種々の異なる発生源からの化学薬品への毛髪の外部暴露は、美容ケア製品の開発に対して様々な課題を提起する。空気および水の不純物は、皮膚および毛髪に対し有害作用を有する。主要な大気汚染物質として、多環式芳香族炭化水素、揮発性有機化合物、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質およびタバコの煙が挙げられる。種々の大気汚染物質の影響は、他の大気汚染物質の存在下およびUV照射に晒された場合に増強され得る。
二酸化硫黄、オゾンおよび窒素酸化物などの大気中の気体汚染物質の毒性は、生物に損傷を生ずるフリ-ラジカルに対する開始剤的活性に関連することが知られている。フリ-ラジカルはまた、身体中で自然に発生する代謝生成物である。大量にある場合、フリ-ラジカルは、刺激および炎症を促進し、老化の過程を加速させ得る。この場合、用語「酸化的損傷」が用いられる。フリ-ラジカルは、目視可能な毛髪損傷、例えば、光沢および手触り感の減少および/または毛髪色の退色を引き起こし得る。
粒子状物質は、金属、鉱物、有機毒物および/または生体物質を含む複雑な混合物である。それらもまた、フリ-ラジカルの形成を促進し得る。
さらに、特定の毛髪テクスチャ-に対する消費者の要求の変化の多くは、毛髪の反復性の化学暴露に関係する。例えば、染毛は、毛髪にストレスを与え、このために、特殊な集中ケアが必要となる場合もある。酸化染料の洗い流しを最小限にするケアは特に望ましい。
先行技術において、少なくとも1個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を含むシランの群からの有機ケイ素化合物が記載されている。ヒドロキシ基および/または加水分解性基の存在のために、シランは、水の存在下で、加水分解またはオリゴマ-化またはポリマ-化する反応性物質である。ケラチン物質に適用されると、シランのオリゴマ-化またはポリマ-化が水の存在により開始され、最終的に、保護作用を発揮し得る膜の形成に至る。
ケラチン物質、特に毛髪処理または大気若しくは水汚染に起因するストレスを受けた毛髪のための特別ケアを提供する製品に対する要求がある。
本発明の根底にある課題は、極めて優れたケアおよび/または保護効果を備えた製品を提供することである。
この課題は、
a)1~3個のケイ素原子を含む、少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
b)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン
を含む、ケラチン物質の処理のための化粧剤により解決される。
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手の指の爪および/または足指の爪)を意味する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に入る。
好ましくは、ケラチン物質は、ヒト毛髪、ヒト皮膚およびヒト爪、特に、手の指の爪および足指の爪を意味すると理解される。非常に好ましくは、ケラチン物質は、ヒト毛髪、特に、頭髪および/または髭であると理解される。
本発明に不可欠の第一の成分として、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物は、1~3個のケイ素原子を含む少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む。好ましい有機ケイ素化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択され、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。用語「有機ケイ素化合物」は、ポリジメチルシロキサンを含んではならない。これは、各場合において、成分a)とb)とが2種の異なる成分を表すことを意味する。
別名オルガノシリコン化合物とも呼ばれる有機ケイ素化合物は、直鎖ケイ素-炭素結合(Si-C)を有するか、または炭素が、酸素、窒素またはイオウ原子を介してケイ素原子に結合している化合物である。有機ケイ素化合物は、1~3個のケイ素原子を含む化合物である。有機ケイ素化合物は、好ましくは、1個または2個のケイ素原子を含む。
IUPAC命名法によると、用語シランは、ケイ素骨格および水素をベ-スにした一群の化学化合物を表す。有機シランにおいて、水素原子は、(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基などの有機基により、完全にまたは部分的に置換されている。有機シランでは、いくつかの水素原子はヒドロキシ基により置換されてもよい。
ケラチン物質を処理するための剤は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから好ましくは選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含み、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
最も好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための剤は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含み、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり、1個以上の塩基性基および1個以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含む。
この塩基性基は、例えば、アミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であってもよく、これは、好ましくは、リンカ-を介してケイ素原子に結合される。塩基性基は、好ましくは、アミノ基、C-Cアルキルアミノ基またはジ(C-C)アルキルアミノ基である。
加水分解性基(複数可)は、好ましくは、C-Cアルコキシ基、特に、エトキシ基またはメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合される場合が好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基の場合、有機ケイ素化合物は、好ましくは、構造単位R'R''R'''Si-O-CH-CHを含む。残基R'、R''およびR'''は、ケイ素原子の3つの残存する自由原子価を表す。
特に良好な結果は、ケラチン物質を処理するための剤が、少なくとも1つの式(I)および/または(II)で示される有機ケイ素化合物を含む場合に得られた。
式(I)および(II)の化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
別の極めて好ましい実施形態では、ケラチン物質を処理するための剤は、少なくとも1つの式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を含む:
Figure 2022506215000001
[式中、
- R、Rはいずれも水素原子を表し、
- Lは、直鎖二価のC-Cアルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
- RおよびRは、独立して、メチル基またはエチル基を表し、
- aは数値3を表し、および
- bは数値0を表す]、
Figure 2022506215000002
[式中、
- R、R'、R''は、独立してC-Cアルキル基を表し、
- R、R'およびR''は、独立してC-Cアルキル基を表し、
- A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分岐鎖二価のC-C20アルキレン基を表し、
- RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III)の基:
Figure 2022506215000003
〔式中、
- cは、1~3の整数を表し、
- dは、整数3-cを表し、
- c'は、1~3の整数を表し、
- d'は、整数3-c'を表し、
- c''は、1~3の整数を表し、
- d''は、整数3-c''を表し、
- eは、0または1を表し、
- fは、0または1を表し、
- gは、0または1を表し、
- hは、0または1を表し、
ただし、e、f、gおよびhの少なくとも1つが0とは異なる〕
を表す]。
式(I)および式(II)の化合物中の置換基R、R、R、R、R、R'、R''、R、R'、R''、R、R、L、A、A'、A''、A'''およびA''''は、以下で例として説明される:
-Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチルおよびt-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシル基である。プロピル、エチルおよびメチルは、好ましいアルキル基である。C-Cアルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニル、好ましいC-Cアルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC-Cアルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC-Cアルキル基の例は、アミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖二価のC-C20アルキレン基の例としては、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が挙げられる。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3つの炭素原子の鎖長から、二価のアルキレン基は分岐もし得る。分枝二価のC-C20アルキレン基の例は、(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
式(I)で示される有機ケイ素化合物において、
Figure 2022506215000004
基RおよびRは互いに独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表す。特に、基RおよびRはいずれも水素原子を表す。
有機ケイ素化合物の中央部分には、構造単位またはリンカ--L-が存在し、これは、直鎖または分枝の二価C-C20アルキレン基を表す。
好ましくは、-L-は、直鎖二価のC-C20アルキレン基を表す。より好ましくは、-L-は、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表す。特に好ましい-Lは、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。Lは、プロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
式(I)で示される有機ケイ素化合物
Figure 2022506215000005
は、一端にケイ素含有基-Si(OR(Rを有する。
末端構造単位-Si(OR(Rにおいて、Rは水素またはC-Cアルキル基であり、RはC-Cアルキル基である。RおよびRは、互いに独立して、メチル基またはエチル基を表す。
ここで、aは1~3の整数を表し、bは整数3-aを表す。aが数3を表す場合、bは0に等しい。aが数2を表す場合、bは1に等しい。aが数1を表す場合、bは2に等しい。
水および/または大気汚染の負の効果に対する最良の保護(「汚染防止」効果)およびストレスを受けた毛髪の最良のケアは、ケラチン物質を処理するための剤が、基R、Rが独立してメチル基またはエチル基を表す少なくとも1つの式(I)で示される有機ケイ素化合物を含む場合に得られる。
特に適切な式(I)で示される有機ケイ素化合物は、以下である:
- (3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022506215000006
- (3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022506215000007
- 1-(3-アミノプロピル)シラントリオ-ル
Figure 2022506215000008
- (2-アミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022506215000009
- (2-アミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2022506215000010
- 1-(2-アミノエチル)シラントリオ-ル
Figure 2022506215000011
- (3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022506215000012
- (3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022506215000013
- 1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオ-ル
Figure 2022506215000014
- (2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022506215000015
- (2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
Figure 2022506215000016
- 1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオ-ル
Figure 2022506215000017
式(I)で示される有機ケイ素化合物は、市販品として入手できる。
例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランは、Sigma-Aldrichから購入できる。(3-アミノプロピル)トリエトキシシランもSigma-Aldrichから商業的に入手し得る。
別の実施形態において、ケラチン物質を処理するための剤は、少なくとも1つの式(II)で示される有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000018
を含む。
式(II)で示される有機ケイ素化合物は、それぞれ、ケイ素含有基(RO)(RSi-および-Si(R')d'(OR')を両端に有する。
式(II)の分子の中央部分には、基-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-が存在する。ここで、それぞれの基e、f、gおよびhは、互いに独立して、数値0または1である、ただし、基e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる。換言すれば、式(II)で示される有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む。
2つの末端構造単位(RO)(RSi-および-Si(R')d'(OR')c'において、R、R'、R''は、互いに独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表す。基R、R'およびR''は、独立してC-Cアルキル基を表す。
ここで、cは1~3の整数を表し、dは整数3-cを表す。cが数3を表す場合、dは0に等しい。cが数2を表す場合、dは1に等しい。cが数1を表す場合、dは2に等しい。
同様に、c'は1~3の整数を表し、d'は整数3-c'を表す。c'が数3を表す場合、d'は0を表す。c'が数2を表す場合、d'は1を表す。c'が数1を表す場合、d'は2を表す。
基cおよびc'がいずれも数3を表す場合に、ケラチン物質を処理するための剤の極めて高い汚染防止効果が得られる。この場合、dおよびd'はいずれも数0を表す。
別の好ましい実施形態において、ケラチン物質を処理するための剤は、少なくとも1つの式(II)で示される有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000019
[式中、
- RおよびR'は独立して、メチル基またはエチル基を表し、
- cおよびc'はいずれも、数3を表し、および
- dおよびd'はいずれも、数0を表す。]
を含む。
cおよびc'がいずれも数3を表し、dおよびd'がいずれも数0を表す場合、有機ケイ素化合物は、式(IIa):
Figure 2022506215000020
に該当する。
基e、f、gおよびhは独立して、数0または1を表し得る。それにより、e、f、gおよびhの基の少なくとも1つが0とは異なる。従って、略記e、f、gおよびhは、-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-のどの基が式(II)の有機ケイ素化合物の中央部になるかが決定される。
これに関して、特定の基の存在が「汚染防止」効果を高める観点から特に有利であることが明らかになった。特に良好な結果は、基e、f、gおよびhのうちの少なくとも2つが数1を表す場合に得られた。eおよびfがいずれも数1を表すことが特に好ましい。さらに、gおよびhはいずれも数0を表す。
eおよびfがいずれも数1であり、gおよびhがいずれも数0である場合、有機ケイ素化合物は、式(IIb):
Figure 2022506215000021
で表される。
基A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分枝の二価C-C20アルキレン基を表す。好ましくは、基A、A'、A''、A'''およびA''''は互いに独立して、直鎖二価のC-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、基A、A'、A''、A'''およびA''''は互いに独立して、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表す。特に、基A、A'、A''、A'''およびA''''は互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。特に、基A、A'、A''、A'''およびA''''は、プロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
基fが数1を表す場合、式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造基-[NR-(A')]-を含む。
基hが数1を表す場合、式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造基-[NR-(A''')]-を含む。
式中、RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III)の基:
Figure 2022506215000022
を表す。
極めて好ましくは、RおよびRは独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
基fが数1を表し、基hが数0を表す場合、有機ケイ素化合物は、基-[NR-(A')]-を含むが、-[NR-(A''')]-を含まない。基Rが式(III)の基である場合には、ケラチン物質を処理するための剤は、3個の反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
別の好ましい実施形態においては、ケラチン物質を処理するための剤は、少なくとも1つの式(II)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000023
[式中、
- eおよびfはいずれも数1を表し、
- gおよびhはいずれも数0を表し、
- AおよびA'は独立して、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表し、および
- Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。]
を含む。
別の好ましい実施形態において、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(II)中の、
- eおよびfがいずれも数1を表し、
- gおよびhがいずれも数0を表し、
- AおよびA'が互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)またはプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表し、および
- Rが、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す、
少なくとも1つの式(II)で示される有機ケイ素化合物を含む。
課題の解決に好適な式(II)の有機ケイ素化合物は、下記である:
- 3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000024
- 3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000025
- N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000026
- N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000027
- 2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノ-ル
Figure 2022506215000028
- 2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノ-ル
Figure 2022506215000029
- 3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000030
- 3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022506215000031
- N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022506215000032
- N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022506215000033
- N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022506215000034
- N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022506215000035
式(II)で示される有機ケイ素化合物は、市販品として入手できる。
CAS番号82985-35-1のビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンは、Sigma-Aldrichから購入できる。
CAS番号13497-18-2のビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンとしても知られ、例えば、Sigma-Aldrichから購入でき、または、Evonikから商品名Dynasylan 1122のもと商業的に入手し得る。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、別名ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも呼ばれ、Sigma-AldrichまたはFluorochemから商業的に購入し得る。
CAS番号18784-74-2の3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えば、FluorochemまたはSigma-Aldrichから購入できる。
毛髪に適用されるケラチン物質を処理するための剤が、少なくとも1つの式(IV)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000036
含む場合、有利であることも明らかになった。
式(IV)の化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、1分子当たり1個以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
式(IV)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000037
[式中、
- Rは、C-C12アルキル基を表し、
- R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
- R11は、C-Cアルキル基を表し、
- kは、1~3の整数であり、および
- mは、3-kの整数を表す]
は、アルキルアルコキシシラン型またはアルキルヒドロキシシラン型のシランと称されることもある。
さらに好ましい実施形態において、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(I)で示される有機ケイ素化合物に加えて、少なくとも1つの式(IV)で示される有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000038
[式中、
- Rは、C-C12アルキル基を表し、
- R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
- R11は、C-Cアルキル基を表し、
- kは、1~3の整数であり、および
- mは、3-kの整数を表す]
をさらに含む。
同様に好ましい実施形態において、ケラチン物質を処理するための組成物は、前記有機ケイ素化合物または式(II)で示される有機ケイ素化合物に加えて、少なくとも1つの式(IV)で示される有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000039
[式中、
- Rは、C-C12アルキル基を表し、
- R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
- R11は、C-Cアルキル基を表し、
- kは、1~3の整数であり、および
- mは、3-kの整数を表す]
をさらに含む。
別の好ましい実施形態において、ケラチン物質を処理するための組成物は、式(I)および(II)で示される有機ケイ素化合物に加えて、少なくとも1つの式(IV)で示される有機ケイ素化合物:
Figure 2022506215000040
[式中、
- Rは、C-C12アルキル基を表し、
- R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
- R11は、C-Cアルキル基を表し、
- kは、1~3の整数であり、および
- mは、3-kの整数を表す]
をさらに含む。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、基Rは、C-C12アルキル基を表す。このC-C12アルキル基は、飽和しており、直鎖または分枝であってよい。好ましくは、Rは、直鎖C-Cアルキル基を表す。好ましくは、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基を表す。特に好ましくは、Rはメチル基、エチル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、基R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R10はメチル基またはエチル基を表す。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、基R11は、C-Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R11はメチル基またはエチル基を表す。
さらに、kは1~3の整数を表し、mは整数3-kを表す。kが数3を表す場合、mは0に等しい。kが数2を表す場合、mは1に等しい。kが数1を表す場合、mは2に等しい。
ケラチン物質を処理するための剤が、基kが数3を表す少なくとも1つの式(IV)の有機ケイ素化合物を含む場合、極めて高い「汚染防止」効果が得られる。この場合、残りのmは数0を表す。
課題の解決に特に好適な式(IV)で示される有機ケイ素化合物は以下である:
- メチルトリメトキシシラン
Figure 2022506215000041
- メチルトリエトキシシラン
Figure 2022506215000042
- エチルトリメトキシシラン
Figure 2022506215000043
- エチルトリエトキシシラン
Figure 2022506215000044
- n-ヘキシルトリメトキシシラン
Figure 2022506215000045
- n-ヘキシルトリエトキシシラン
Figure 2022506215000046
- n-オクチルトリメトキシシラン
Figure 2022506215000047
- n-オクチルトリエトキシシラン
Figure 2022506215000048
- n-ドデシルトリメトキシシラン、
Figure 2022506215000049
- n-ドデシルトリエトキシシラン
Figure 2022506215000050
および、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよび/またはオクタデシルトリエトキシシラン。
上記有機ケイ素化合物は、反応性化合物である。
剤が2種の構造上異なる有機ケイ素化合物を含む場合でも、特に安定で均一な膜が、ケラチン物質上で得られることが明らかになった。
好ましい実施形態において、剤は、式(I)で示される少なくとも1つの有機ケイ素化合物および式(IV)で示される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
明らかに極めて特に好ましい実施形態において、剤は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの式(I)で示される有機ケイ素化合物と、さらに、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランおよびヘキシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの式(IV)で示される有機ケイ素化合物と、を含むことを特徴とする。
別の好ましい実施形態において、剤は、剤の総重量を基準にして、
- 0.5~5重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランの群から選択される少なくとも1つの第一の有機ケイ素化合物、ならびに
- 3.2~10重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクチルデシルトリメトキシシランおよびオクチルデシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの第二の有機ケイ素化合物、
を含むことを特徴とする。
少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物では、小量の水の添加であっても、加水分解につながる。加水分解生成物および/または少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物は、縮合反応で互いに反応し得る。このため、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、およびその加水分解生成物および/または縮合生成物の両方が、組成物中に存在し得る。少なくとも1個のヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物を用いる場合、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物およびその縮合生成物の両方が、組成物中に存在し得る。
縮合生成物は、1分子当たり、それぞれ少なくとも1つのヒドロキシル基または加水分解性基を有する少なくとも2つの有機ケイ素化合物の、水の除去および/またはアルカノ-ルの除去を伴う反応により形成された生成物であると理解される。縮合生成物は、例えば、ダイマ-であってもよく、トリマ-またはオリゴマ-であってもよく、縮合生成物はモノマ-と平衡状態にある。加水分解で使用されるまたは消費される水の量に応じて、平衡は、モノマ-有機ケイ素化合物側から縮合生成物側にシフトする。
本発明に関連して、重量%単位の数値は、特に断りのない限り、常に、化粧品の総重量を基準にしている。
本発明に不可欠の第二成分として、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物は、少なくとも1つのポリオルガノシロキサンを含む。本発明に至る研究の過程で、特に良好なケア効果を得るために、有機ケイ素化合物がポリオルガノシロキサンと組み合わされる場合に特に有利であることが明らかになった。ポリオルガノシロキサンは、有機ケイ素化合物とは異なる。
用語「ポリオルガノシロキサン」は、そのポリマ-骨格がSi-O鎖を有するポリマ-、すなわち、ポリマ-骨格においてケイ素原子が酸素原子を介して結合しているポリマ-をいう。
有機ケイ素化合物とポリオルガノシロキサンとの組み合わせは、毛髪上に層を形成する。これは、洗い流しに対する酸化的毛髪着色の有意な保護を確保する。さらに、酸化損傷を受けた毛髪にて毛髪表面が再疎水化され、これは縮れの低減をもたらす。加えて、毛髪の櫛通りが改善される。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリオルガノシロキサンは、下記式Si-I、Si-IIまたはSi-IIIで示されるポリオルガノシロキサンである。ポリオルガノシロキサンは、式Si-I:
Figure 2022506215000051
[式中、Xは、数0~100、好ましくは1~50、より好ましくは2~20、さらに好ましくは3~10である]
で示されるポリオルガノシロキサンであることが好ましい。ジメチコン(INCI)は、この式を満たす。
式Si-Iで示されるポリオルガノシロキサンの代わりに、または、これに加えて、ポリオルガノシロキサンが、式Si-II:
Figure 2022506215000052
[式中、
Rは、炭化水素基、好ましくは1~6個の炭素原子を有する炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
Qは、一般式-RZで示される基(式中、Rは、基Zに結合する二価の連結基であって、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、―CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、-CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHC(O)OCHCH-、-C、-CCH-または-(CHC(O)SCHCH-である)であり、
Zは、好ましくは線状基-NH(CHNH(式中、zは1~12、より好ましくは1~6)、環状基-NH(CHNH(式中、zおよびzzは、独立して1~6)であり、より好ましくはピペラジニル基または窒素に結合するピロリドンカルボン酸である、少なくとも1つのアミノ官能性基を含む有機アミノ官能性基であり、
aは、0~2の範囲の数値を表し、
bは、1~3の範囲の数値を表し(ここで、a+bは3以下である)、
cは、1~3の範囲の数であり、
xは、1~2,000、好ましくは3~50、より好ましくは3~25の範囲の数であり、
yは、20~10,000、好ましくは125~10,000、より好ましくは150~1,000の範囲の数であり、
Mは、シリコ-ン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
で示されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサンであることが好ましい。アモジメチコン(INCI)はこの式を満たす。
式Si-IおよびSi-IIで示されるポリオルガノシロキサンの代わりに、または、これらに加えて、ポリオルガノシロキサンが、ヒドロキシ末端ポリシロキサン、好ましくはヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン(INCI:ジメチコノ-ル)を含むことが好ましい。
本発明の文脈において、「ジメチコン」はポリジメチルシロキサン(PDMS)を意味し、「アモジメチコン」はポリマ-骨格に沿ってアルキルアミノ官能化されているポリオルガノシロキサンを意味する。
特に好ましいポリシロキサンはジメチルアミノプロピルアミド PCA ジメチコン(INCI)であり、これはPCA(ピロリドンカルボン酸)ジメチコン/アモジメチコン(INCI)としても知られている。これは、下記式に示すように、プロピレン基を介して結合したピロリドンカルボン酸を含む、ポリジメチルシロキサン単位とシロキサン単位を含む。
Figure 2022506215000053
他の特に好ましいポリシロキサンは、ジメチコン(INCI)、アモジメチコン(INCI)およびジメチコノ-ルである。
さらに好ましい実施形態において、下記シロキサン基含有ポリマ-は、(ポリシロキサンである場合には)本発明により必然的に存在する成分b)として本発明の剤中に存在していてもよく、または、下記シロキサン基含有ポリマ-は、必然的に存在する成分a)およびb)に加えて、本発明の剤中に存在していてもよい:アクリレ-ト/オクチルアクリルアミド/ジフェニルアモジメチコンコポリマ-(INCI)、ビス-ブチルオキシアモジメチコン/PEG-60コポリマ-(INCI)、ブチルアクリレ-ト/ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレ-トコポリマ-(INCI)、イソブチルメタクリレ-ト/ビス-ヒドロキシプロピルジメチコンアクリレ-トコポリマ-(INCI)、PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレ-トコポリマ-(INCI)、ジメチコンクロスポリマ-(INCI)、ジフェニルアモジメチコン(INCI)。
本発明の好ましい実施形態において、化粧品組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、化粧品組成物の総重量を基準にして、0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~12重量%、とりわけ好ましくは1.5~9重量%、最も好ましくは2~6重量%である。
特に、ケラチン物質を処理するための化粧剤は、ケラチン物質を洗浄するための剤、ケラチン物質をケアするための剤、および/またはケラチン物質をケアし、かつ洗浄するための剤を含んでよい。
毛髪処理組成物のさらなる成分は以下に記載され、これらは上記の必然的な成分に加えて組成物中に含まれてもよい。
ケラチン物質を処理するための剤が、0.001~20重量%の少なくとも1つの第四級化合物をさらに含むことが好ましい場合がある。これは、ケラチン物質のケアのための剤、ならびにケラチン物質のケアおよび洗浄のための剤にも当てはまる。
少なくとも1つの第四級化合物は、
i)モノアルキルクォ-ト、および/または
ii)エステルクォ-ト、および/または
iii)式(Tkat2)の四級イミダゾリン、
Figure 2022506215000054
[式中、R基は互いに独立して、それぞれ、8~30個の炭素原子の鎖長を有する飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖炭化水素基を表し、Aは、生理学的耐性のあるアニオンを表す]、および/または、
iv)ポリクオタニウム-37、および/または
v)ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム化合物)、および/または、
vi)四級化セルロ-ス誘導体、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-72、および/または、
vii)カチオン性アルキルポリグリコシド、および/または、
viii)カチオン化蜂蜜、および/または、
ix)カチオン性グア-誘導体、および/または、
x)キトサン、および/または、
xi)ポリマ-ジメチルジアリルアンモニウム塩およびそれらとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマ-、特に、ポリクオタニウム-7、および/または、
xii)ビニルピロリドンと、ジアルキルアミノアルキルアクリレ-トおよびメタクリレ-トの四級化誘導体とのコポリマ-、特に、ポリクオタニウム-11、および/または、
xiii)ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマ-、特に、ポリクオタニウム-16、および/または、
xiv)四級化ポリビニルアルコ-ル、および/または、
xv)ポリクオタニウム-74、
およびこれらの混合物、
からなる群の少なくとも1種から選択されることが好ましい。毛髪処理組成物が、第四級化合物としてINCI名称ポリクオタニウム-37に該当するカチオン性ホモポリマ-を含むことが特に好ましい。
カチオン性界面活性剤は化粧品中に存在してもよい。カチオン性界面活性剤は、カチオン電荷を有する疎水性頭部基および1つまたは2つの疎水性末端部を含み、疎水性末端部は、好ましくはC~C30、より好ましくはC~C26、最も好ましくはC10~C22の鎖長を有する、直鎖または分枝鎖の、飽和またはモノもしくはポリ不飽和アルキル基を表す。別の好ましい実施形態によれば、カチオン性界面活性剤は、エステル官能基、エ-テル官能基、ケトン官能基、アルコ-ル官能基、またはアミド官能基を有する。
化粧品組成物は、式(V)で示されるカチオン性界面活性剤:
Figure 2022506215000055
[式中、
12、R13、R14は、独立して、C-Cアルキル基、C-Cアルケニル基またはC-Cヒドロキシアルキル基を表し、
15は、C-C28アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基であり、および
は、生理学的に適合性があるアニオンを表す]
を含んでもよく、および/または、
化粧品組成物は、式(VI)で示される少なくとも1つのカチオン性界面活性剤:
Figure 2022506215000056
[式中、
16は、C-Cアルキル基を表し、
17、R18は、独立して、C-C27アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基を表し、および
は、生理学的に適合性があるアニオンを表す]
を含んでもよく、および/または、
化粧品組成物は、式(VII)の少なくとも1つのカチオン性界面活性剤:
Figure 2022506215000057
[式中、
19、R20は、独立して、C-Cアルキル基またはC-Cヒドロキシアルキル基を表し、
21、R22は、独立して、C-C27アルキル基、好ましくはC10-C22アルキル基を表し、および
は、生理学的に適合性があるアニオンを表す]
を含んでもよい。
さらに、本発明の化粧品組成物はアニオン性界面活性剤を含んでもよい。好ましいアニオン性界面活性剤は、
- 8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子を有する直鎖または分岐、飽和または一価もしくは多価不飽和アルキルスルホネ-ト、
- 8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子を有する直鎖α-オレフィンスルホネ-ト、
- 式R-O-(CH-CHO)-SOXのアルキルサルフェ-トおよびアルキルポリグリコ-ルエ-テルサルフェ-ト(式中、Rは、好ましくは、8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子を有する直鎖または分岐、飽和または一価もしくは多価不飽和アルキルまたはアルケニル基であり、nは0または1~12、より好ましくは2~4であり、Xはアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンまたはプロトン化トリエタノ-ルアミンまたはアンモニウムイオンである)、
- 8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子を含む直鎖または分岐、飽和または一価もしくは多価不飽和アルキルカルボン酸、
- 8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子を含む直鎖または分岐、飽和または一価もしくは多価不飽和アルキルホスフェ-ト、
- アルキル基が分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルイセチオネ-ト、特にココイルイセチオン酸ナトリウム、
- アルキル基が、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルグリコシドカルボン酸、
- 2個のアルキル基が、同じまたは異なる、分枝または非分枝C~C12、好ましくはC~C10、より好ましくはC~Cアルキル基から選択されるアルキルスルホサクシネ-ト、
- アルキル基が分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルタウレ-ト、
- アルキル基が分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基から選択されるアルキルサルコシネ-ト、
- 8~24個、好ましくは12~22個、より好ましくは16~18個の炭素原子および1~6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネ-ト、
からなる群から選択される。ここで、アニオン性界面活性剤の対イオンは、アルカリまたはアルカリ土類金属イオンまたはプロトン化トリエタノ-ルアミンまたはアンモニウムイオンである。
特に好ましいアニオン性界面活性剤は、8~18個および10~16個の炭素原子ならびに1~6個および2~4個のエチレンオキシド単位を有するアルキル基を含む、直鎖または分枝鎖アルキルエ-テルサルフェ-トである。極めて好ましくは、アニオン性および両性/双性イオン界面活性剤の界面活性剤混合物は、ラウリルエ-テル硫酸ナトリウム(INCI:ラウレス硫酸ナトリウム)および極めて好ましくは、2つのエチレンオキシド単位を有するラウリルエ-テル硫酸ナトリウムを含む。
さらに、本発明の化粧品組成物は、両性界面活性剤を含んでもよい。両性界面活性剤は、双性イオン界面活性剤としても知られ、分子内に少なくとも1つの四級アンモニウム基および少なくとも1つの-COO基または-SO 基を含む界面活性化合物である。両性/双性イオン界面活性剤は、C-C24アルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOH基または-SOH基を含み、内部塩を形成できる界面活性化合物も含む。
化粧品組成物における好ましい両性界面活性剤は、
- 少なくとも1つの飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくは、C10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルベタイン、
- 飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含み、アルカリまたはアルカリ土類金属対イオンを有するアルキルアンホジアセテ-トまたはアルキルアンホジアセテ-ト、
- 少なくとも1つの飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルアミドプロピルベタイン
からなる群より選択される。
特に好適な両性/双性イオン界面活性剤には、INCI名称コカミドプロピルベタインおよびココアンホジ酢酸二ナトリウムとして知られるものが含まれる。
本発明の好ましい実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、
- 飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルグルカミド、
- 飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルフルクトシド、
- 飽和または不飽和、分枝または非分枝C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルグルコシド、
- 式R10(OR11OHのアルキルアルコ-ルアルコキシレ-ト(式中、R10は、直鎖または分岐鎖C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を表し、R11は、C~C、好ましくはCアルキル基を表し、およびmは、1~10、好ましくは2~6、より好ましくは2~6を表す)、
- 式R12COOR13のアルキルエステル(式中、R12は、直鎖または分岐C~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を表し、R13はC~C、好ましくはCアルキル基を表す)
からなる群より選択される。
ケラチン物質を処理するための剤が、ワックス、合成ポリマ-およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される固定化化合物(firming compound)をさらに含むことが好ましい場合がある。
合成ポリマ-は、カチオン性、アニオン性、非イオン性および両性ポリマ-に分類できる。
好適な合成ポリマ-としては、例えば、以下のINCI名を有するポリマ-が挙げられる:アクリルアミド/アンモニウムアクリレ-トコポリマ-、アクリルアミド/DMAPAアクリレ-ト/メトキシPEGメタクリレ-トコポリマ-、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマ-、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/アセトアセトキシエチルメタクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/アクリルアミドコポリマ-、アクリレ-ト/アンモニウムメタクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/アンモニウムメタクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/t-ブチルアクリルアミドコポリマ-、アクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/C1-2スクシネ-ト/ヒドロキシアクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/ラウリルアクリレ-ト/ステアリルアクリレ-ト/エチルアミンオキシドメタクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/オクチルアクリルアミドコポリマ-、アクリレ-ト/ステアリルアクリレ-ト/エチルアミンオキシドメタクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/VAコポリマ-、アクリレ-ト/ヒドロキシエステルアクリレ-トコポリマ-、アクリレ-ト/VPコポリマ-、アジピン酸/ジエチレントリアミンコポリマ-、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマ-、アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミンコポリマ-、アジピン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコ-ル/トリメチロ-ルプロパンコポリマ-、アリ-ルステアレ-ト/VAコポリマ-、アミノエチルアクリレ-トホスフェ-ト/アクリレ-トコポリマ-、アミノエチルプロパンジオ-ル-アクリレ-ト/アクリルアミドコポリマ-、アミノエチルプロパンジオ-ル-AMPD-アクリレ-ト/ジアセトンアクリルアミドコポリマ-、アンモニウムVA/アクリレ-トコポリマ-、AMPD-アクリレ-ト/ジアセトンアクリルアミドコポリマ-、AMP-アクリレ-ト/アリルメタクリレ-ト-コポリマ-、AMP-アクリレ-ト/アリルメタクリレ-ト-コポリマ--18アルキルアクリレ-ト/C1-8アルキルアクリルアミドコポリマ-、AMP-アクリレ-ト/ジアセトンアクリルアミドコポリマ-、AMP-アクリレ-ト/ジメチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-、バチルス/米糠エキス/大豆エキス発酵濾過物、ブチルアクリレ-ト/エチルヘキシルメタクリレ-トコポリマ-、ブチル化PVP、エチレンのブチルエステル/MAコポリマ-、PVMのブチルエステル/MAコポリマ-、カルシウム/ナトリウムPVM/MAコポリマ-、トウモロコシデンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマ-、ジエチレングリコ-ルアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジンコポリマ-、PVMのエチルエステル/MAコポリマ-、加水分解小麦タンパク質/PVPクロスポリマ-、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマ-、イソブチレン/MAコポリマ-、PVMのイソプロピルエステル/MAコポリマ-、ラウリルアクリレ-トクロスポリマ-、ラウリルメタクリレ-ト/グリコ-ルジメタクリレ-トクロスポリマ-、MEA-スルファイト、メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマ-、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレ-トコポリマ-、オクチルアクリルアミド/アクリレ-ト/ブチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-、PEG-8/SMDI、ポリアクリルアミド、ポリアクリレ-ト-6、ポリβ-アラニン/グルタル酸クロスポリマ-、ポリブチレンテレフタレ-ト、ポリエステル-1、ポリエチルアクリレ-ト、ポリエチレンテレフタレ-ト、ポリメタクリロイルエチルベタイン、ポリペンタエリスリチルテレフタレ-ト、ポリパ-フルオロパ-ヒドロフェナントレン、ポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-3、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-8、ポリクオタニウム-9、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-12、ポリクオタニウム-13、ポリクオタニウム-14、ポリクオタニウム-15、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-19、ポリクオタニウム-20、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-29、ポリクオタニウム-30、ポリクオタニウム-31、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-33、ポリクオタニウム-34、ポリクオタニウム-35、ポリクオタニウム-36、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-45、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-48、ポリクオタニウム-49、ポリクオタニウム-50、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-56、ポリシリコ-ン-9、ポリウレタン-1、ポリウレタン-6、ポリウレタン-10、ポリビニルアセテ-ト、ポリビニルブチラ-ル、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルイミダゾリニウムアセテ-ト、ポリビニルメチルエ-テル、PVMのカリウムブチルエステル/MAコポリマ-、PVMのカリウムエチルエステル/MAコポリマ-、PPG-70ポリグリセリル-10エ-テル、PPG-12/SMDIコポリマ-、PPG-51/SMDIコポリマ-、PPG-10ソルビト-ル、PVM/MAコポリマ-、PVP/VA/イタコン酸コポリマ-、PVP/VA/ビニルプロピオネ-トコポリマ-、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-ビニルアセテ-トコポリマ-(VP/VAコポリマ-)、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-(INCI)、VP/DMAPAアクリレ-トコポリマ-(INCI)、オクチルアクリルアミド/アクリレ-ト/ブチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-(INCI)、リゾビアンガム、ロジンアクリレ-ト、シェラク、PVMのナトリウムブチルエステル/MAコポリマ-、PVMのナトリウムエチルエステル/MAコポリマ-、ポリアクリル酸ナトリウム、カラヤガム、テレフタル酸/イソフタル酸/イソフタル酸スルホン酸ナトリウム/グリコ-ルコポリマ-、トリメチロ-ルプロパントリアクリレ-ト、トリメチルシロキシシリルカルバモイルプルラン、VA/クロトネ-トコポリマ-、VA/クロトネ-ト/メタクリルオキシベンゾフェノン-1コポリマ-、VA/クロトネ-ト/ビニルネオデカノエ-トコポリマ-、VA/クロトネ-ト/ビニルプロピオネ-トコポリマ-、VA/DBMコポリマ-、VA/ビニルブチルベンゾエ-ト/クロトネ-トコポリマ-、ビニルアミン/ビニルアルコ-ルコポリマ-、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-、VP/アクリレ-ト/ラウリルメタクリレ-トコポリマ-、VP/ジメチルアミノエチルメタクリレ-トコポリマ-、VP/DMAPAアクリレ-トコポリマ-、VP/ヘキサデセンコポリマ-、VP/VAコポリマ-、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレ-トコポリマ-、イ-ストパルミテ-トおよびスチレン/VPコポリマ-。セルロ-スエ-テル、例えば、ヒドロキシプロピルセルロ-ス、ヒドロキシエチルセルロ-スおよびメチルヒドロキシプロピルセルロ-スも適している。
化粧品組成物は、合成ポリマ-に加えて、またはその代わりに、固定化化合物として、37℃を超える融点を有する、少なくとも1つの天然ワックスまたは合成ワックスを含んでよい。
天然または合成ワックスは、固体ケロシンまたはイソパラフィン;植物性ワックス、例えばキャンデリラロウ、カルナウバロウ、エスパルトグラスワックス、ジャパンワックス、コルクワックス、サトウキビワックス、オリキュリ-ワックス、モンタンワックス、ヒマワリワックス、フル-ツワックス、および動物性ワックス、例えばみつろう、およびその他の昆虫ワックス、鯨ロウ、シェラックワックス、ウ-ルワックス、ブラッシンググリ-ス、さらに、ミネラルワックス、例えばセレシンおよびオゾケライト、または、石油化学ワックス、例えばペトロラタム、ケロシンワックス、ポリエチレンまたはポリプロピレンのマイクロワックス、およびポリエチレングリコ-ルワックスを使用し得る。水素添加または硬化ワックスの使用が有利な場合がある。化学修飾ワックス、特に、モンタンエステルワックス、サソ-ルワックスおよび水素添加ホホバワックスなどの硬蝋も使用し得る。
また、飽和および場合によりヒドロキシル化されたC16-C30脂肪酸のトリグリセリド、例えば、水素添加トリグリセリド油脂(水素添加パ-ム油、水素添加ヤシ油、硬化ヒマシ油)、グリセリルトリベヘネ-トまたはグリセリルトリ-12-ヒドロキシステアレ-トが好適である。
ワックス成分は、22~44個の炭素原子の鎖長を有する、飽和した非分枝鎖のアルカンカルボン酸、および22~44個の炭素原子の鎖長を有する、飽和した非分枝鎖のアルコ-ルのエステルからなる群からも選択できるが、ワックス成分または全体のワックス成分が室温で固体であることが条件である。シリコ-ンワックス、例えば、ステアリルトリメチルシラン/ステアリルアルコ-ルが有利な場合もあるが、有機ケイ素化合物(成分a)として数えるべきではない。
天然ワックス、化学修飾ワックスおよび合成ワックスは、単独でまたは組み合わせて使用できる。このように、いくつかのワックスも使用できる。さらに、いくつかのワックス混合物も、その他の添加物と混合して、市販品として入手できる可能性がある。「Special Wax 7686 OE」(セチルパルミテ-ト、蜜ろう、微結晶性ワックスおよびポリエチレンの混合物で融解範囲73~75℃;製造業者:Kahl&Co)、Polywax(登録商標)GP 200(ステアリルアルコ-ルおよびポリエチレングリコ-ルステアレ-トの混合物で、融点47~51℃;製造業者:Croda)および「Softceresin(登録商標)FL 400」(ワセリン/ワセリンオイル/ワックス混合物で、融点50~54℃;製造業者:Parafluid Mineral Oil Company)の名称で販売されている製品は、使用できる混合物の例である。
好ましくは、ワックスは、カルナウバロウ(INCI:Copernicia Cerifera Cera)、蜜ろう(INCI:蜜ろう)、ペトロラタム(INCI)、微結晶性ワックスおよび特にこれらの混合物から選択される。
好ましいブレンドには、カルナウバロウ(INCI:Copernicia Cerifera Cera)、ペトロラタムおよび微結晶性ワックスの組み合わせ、または蜜ろう(INCI:蜜ろう)およびペトロラタムの組み合わせが含まれる。
ワックスまたはワックス成分は、25℃で固体である必要があり、>37℃の範囲で融解する必要がある。
他の好適な成分には、非イオン性ポリマ-、アニオン性ポリマ-、(さらなる)カチオン性ポリマ-、ワックス、タンパク質加水分解物、アミノ酸、オリゴペプチド、ビタミン、プロビタミン、ビタミン前駆物質、ベタイン、バイオキノン、プリン(誘導体)、ケア物質、植物抽出物、シリコ-ン、エステル油、UV光フィルタ-、構造剤、増粘剤、電解質、pH調整剤、膨張剤、着色剤、フケ防止剤、錯化剤、乳白剤、真珠光沢剤、顔料、安定化剤、噴射剤、抗酸化剤、香油および/または保存剤が挙げられる。
好ましい実施形態1~240において、1個、2個または3個のケイ素原子を含む好ましい有機ケイ素化合物は、最も好ましいポリオルガノシロキサンと組み合わされる。列挙した成分a)およびb)の組み合わせは、本発明に使用し得る他の成分と組み合わせられ、好ましい化粧品組成物を形成する。
Figure 2022506215000058
Figure 2022506215000059
Figure 2022506215000060
Figure 2022506215000061
Figure 2022506215000062
Figure 2022506215000063
Figure 2022506215000064
Figure 2022506215000065
Figure 2022506215000066
Figure 2022506215000067
Figure 2022506215000068
Figure 2022506215000069
Figure 2022506215000070
Figure 2022506215000071
少なくとも1つの有機ケイ素化合物およびポリオルガノシロキサンの活性成分の組み合わせが、ケラチン物質を処理するための剤中に既に存在する場合もある。この実施形態においては、ケラチン物質を処理するための剤は、すぐに使える形態で既に分散されている。
あるいは、少なくとも1つの有機ケイ素化合物が、ケラチン物質処理組成物の適用の、1分~12時間前、好ましくは5分~6時間前、より好ましくは10分~3時間前、さらにより好ましくは30分~1時間前に、少なくとも1つの有機ケイ素化合物以外のケラチン物質処理組成物の全成分を含む基剤に添加される。
さらに、代わりに、有機ケイ素化合物およびポリオルガノシロキサンは、使用の直前にのみ、すなわち、1分~12時間前、好ましくは2分~6時間前、特に好ましくは1分~3時間前、特に好ましくは1分~1時間前に化粧品に添加される。
別の代替実施形態では、有機ケイ素化合物は、毛髪に適用される水溶液に添加され、第二段階で、ポリオルガノシロキサンを含む水溶液または化粧剤が毛髪に適用される。
例えば、ユ-ザ-は、有機ケイ素化合物を含む剤(α)と、ケラチン物質を処理するための剤の残りの成分を含む剤(β)とを最初に混合または振とうし得る。ユ-ザ-は、この(α)および(β)の混合物を、その調製直後に、または1分~20分の短い反応時間の後に、ケラチン物質に適用できる。剤(β)は、水、特にケラチン物質を処理する剤の総重量を基準にして30重量%を超える量の水を含んでもよい。
本出願の別の目的は、ケラチン物質を処理するための、
ケラチン物質をケアするための、
ケラチン物質における、大気および水汚染の有害作用を低減および/または防止するための、および/または、
酸化着色ケラチン物質の退色を低減および/または防止するための、
ケラチン物質の表面を疎水化するための、および/または、
ケラチン物質の櫛通りを改善するための、
本発明の化粧品組成物の使用である。
さらなる好ましい使用の実施形態に関しては、必要な変更を加えて、化粧剤と同じ実施形態が適用される。

Claims (12)

  1. a)1~3個のケイ素原子を含む少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
    b)少なくとも1つのポリおるがのシロキサン、
    を含む、ケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  2. 1~3個のケイ素原子を含む少なくとも1つの有機ケイ素化合物が、式(I)および/または(II)の化合物を含むことを特徴とし、
    式(I):
    Figure 2022506215000072
    で示される有機ケイ素化合物において、
    - R、Rは、いずれも水素原子を表し、
    - Lは、直鎖二価のC-Cアルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
    - RおよびRは、独立して、メチル基またはエチル基を表し、
    - aは数3を表し、および
    - bは数0を表し、並びに、
    式(II):
    Figure 2022506215000073
    で示される有機ケイ素化合物において、
    - R、R5'、R5''、R、R6'およびR6''は独立に、C-Cアルキル基を表し、
    - A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表し、
    - RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
    Figure 2022506215000074
    [式中、
    - cは、1~3の整数を表し、
    - dは、整数3-cを表し、
    - c'は、1~3の整数を表し、
    - d'は、整数3-c'を表し、
    - c''は、1~3の整数を表し、
    - d''は、整数3-c''を表し、
    - eは、0または1を表し、
    - fは、0または1を表し、
    - gは、0または1を表し、
    - hは、0または1を表し、
    ただし、e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる]
    で示される基を表す、請求項1に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  3. 前記ケラチン物質を処理するための剤が、
    - (3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
    - (3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
    - (2-アミノエチル)トリメトキシシラン
    - (2-アミノエチル)トリエトキシシラン
    - (3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
    - (3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
    - (2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および
    - (2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
    からなる群から選択される式(I)で示される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、
    または、
    前記ケラチン物質を処理するための薬剤が、
    - 3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - 3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - 2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
    - 2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
    - 3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - 3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    - N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
    - N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
    - N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および
    -N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、
    からなる群から選択される式(II)で示される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  4. 前記式(I)の有機ケイ素化合物が、化粧品組成物の総重量を基準にして、化粧品組成物中に0.01~10重量%、好ましくは0.02~8重量%、より好ましくは0.05~6重量%、最も好ましくは0.1~4重量%の量で存在することを特徴とする、および/または、
    式(II)の有機ケイ素化合物が、化粧品組成物の総重量を基準にして0.01~10重量%、好ましくは0.02~9重量%、より好ましくは0.05~8重量%、さらにより好ましくは0.1~7重量%、最も好ましくは0.1~6重量%の量で存在することを特徴とする、および/または、
    式(I)の有機ケイ素化合物が(3-アミノプロピル)トリエトキシシランである、および/または、式(II)の有機ケイ素化合物が3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  5. ポリオルガノシロキサンが、化粧品組成物の総重量を基準にして、化粧品組成物中に0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~12重量%、とりわけ好ましくは1.5~9重量%、最も好ましくは2~6重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  6. ポリオルガノシロキサンが、式(Si-I):
    Figure 2022506215000075
    [式中、Xは、数0~100、好ましくは1~50、より好ましくは2~20、さらに好ましくは3~10である]
    で示されるポリジメチルシロキサンであることを特徴とする、および/または、
    ポリオルガノシロキサンが、式(Si-II):
    Figure 2022506215000076
    [式中、
    Rは、炭化水素基、好ましくは1~6個の炭素原子を有する炭化水素基、好ましくはメチル基であり、
    Qは、一般式-RZで示される基(式中、Rは、基Zに結合する二価の連結基であって、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、-CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、-CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHC(O)OCHCH-、-C、-CCH-または-(CHC(O)SCHCH-である)であり、
    Zは、好ましくは線状基-NH(CHNH(式中、zは1~12、より好ましくは1~6)、環状基-NH(CHNH(式中、zおよびzzは、独立して1~6)であり、より好ましくはピペラジニル基または窒素に結合するピロリドンカルボン酸である、少なくとも1つのアミノ官能性基を含む有機アミノ官能性基であり、
    aは、0~2の範囲の数値を表し、
    bは、1~3の範囲の数値を表し(ここで、a+bは3以下である)、
    cは、1~3の範囲の数であり、
    xは、1~2,000、好ましくは3~50、より好ましくは3~25の範囲の数であり、
    yは、20~10,000、好ましくは125~10,000、より好ましくは150~1,000の範囲の数であり、
    Mは、シリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
    で示されるアミノ官能性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする、および/または、
    ポリオルガノシロキサンが、ヒドロキシ末端ポリシロキサン、好ましくはヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン(INCI:ジメチコノール)であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  7. ケラチン物質を処理するための組成物が、
    - メチルトリメトキシシラン
    - メチルトリエトキシシラン
    - エチルトリメトキシシラン
    - エチルトリエトキシシラン
    - プロピルトリエトキシシラン
    - プロピルトリエトキシシラン
    - ヘキシルトリエトキシシラン
    - ヘキシルトリエトキシシラン
    - オクチルトリメトキシシラン
    - オクチルトリエトキシシラン
    - ドデシルトリメトキシシラン
    - ドデシルトリエトキシシラン
    - オクタデシルトリエトキシシラン、および
    - オクタデシルトリエトキシシラン
    からなる群から好ましくは選択される、式(IV):
    Figure 2022506215000077
    で示される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  8. ケラチン物質を処理するための化粧品組成物が、構造的に互いに異なる少なくとも2つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  9. ケラチン物質を処理するための組成物が、該ケラチン物質を処理するための組成物の総重量を基準にして、
    - 0.5~3重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランの群から選択される少なくとも1つの第一の有機ケイ素化合物、および
    - 3.2~7重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよびオクタデシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの第二の有機ケイ素化合物、
    を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  10. ケラチン物質を処理するための剤が、少なくとも2つの構造的に異なる有機ケイ素化合物およびPCA(ピロリドンカルボン酸)ジメチコン/アモジメチコン(INCI)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  11. ケラチン物質を処理するための剤が、少なくとも2つの構造的に異なる有機ケイ素化合物およびヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン(INCI:ジメチコノール)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物。
  12. ケラチン物質をケアするための、
    ケラチン物質における、大気または水汚染の有害作用を防止するための、および/または、
    酸化着色ケラチン物質の退色を低減および/または防止するための、
    請求項1~11のいずれかに記載のケラチン物質を処理するための化粧品組成物の使用。
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