JP2022191097A - 軸受装置および電動垂直離着陸機 - Google Patents

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Daichi Kondo
靖之 福島
Yasuyuki Fukushima
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Abstract

【課題】センサケーブルの絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる軸受装置および電動垂直離着陸機を提供する。【解決手段】軸受装置6は、転がり軸受7と、転がり軸受7の状態を監視するセンサを含む監視装置8とを備える。転がり軸受7の静止側軌道輪である内輪9が車軸18に嵌合固定され、車軸18の軸方向一端にフランジ16が設けられる。監視装置8は、センサを支持するセンサホルダ26と、センサホルダ26を軸受装置6に固定するセンサブラケットと、センサの出力を処理し処理信号を出力する検知回路25とを有する。転がり軸受7の端面に対向するフランジ16の軸方向外側面に凹み部28が設けられ、凹み部28にセンサブラケットが配置される。センサホルダを内輪9の端面に向けて付勢する弾性部27bと、センサのセンサケーブル20を保持するセンサケーブル保持部とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車輪または回転翼等を回転支持する軸受装置および電動垂直離着陸機に関する。
乗用車、商用車等の車両の車輪を支持する外輪回転の円すいころ軸受等をユニット化した軸受の異常検知装置が提案されている(特許文献1)。この異常検知装置は、軸受の温度等の状態を監視することで、軸受の不具合の出力信号を車両制御装置へ送信して運転者に警告し、車両の不具合を未然に防ぐ装置である。
軸受の温度を検出する温度センサの取付け構造としては、測温部をねじにより固定する構造(例えば、特許文献2,3)、弾性体に付勢された温度センサを内輪の内径面に押し付ける構造(特許文献4)が挙げられる。
前記特許文献4の構造は、回転軸の外周に溝を設け、この溝に温度センサを備えた弾性体を配置している。前記弾性体により突出付勢された温度センサが回転軸の外径面から所定量突出しており、回転軸に軸受を取り付けると、内輪の内径に温度センサが弾性的に押し付けられる。これにより、センサ固定部から温度センサが脱落すること、およびセンサケーブルに不具合が生じることを防止する。
特開平11-287251号公報 特開2003-308588号公報 特許第4759972号公報 特開2005-17147号公報
特許文献4では、弾性体に設けた孔を通して、センサケーブルが溝からはみ出すことを防止している。しかし、センサケーブルは孔のエッジに接触しているため、センサケーブルの絶縁体の摩耗により絶縁不良等の不具合が生じる可能性がある。
本発明の目的は、センサケーブルの絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる軸受装置および電動垂直離着陸機を提供することである。
本発明の軸受装置は、転がり軸受と、この転がり軸受の状態を監視するセンサを含む監視装置とを備え、前記転がり軸受における静止側軌道輪である内輪が軸部に嵌合固定され、前記軸部の軸方向一端にフランジが設けられる軸受装置であって、
前記監視装置は、前記センサを支持するセンサホルダと、このセンサホルダをこの軸受装置の定められた位置に固定するセンサブラケットと、前記センサの出力を処理しその処理信号を出力する検知回路とを有し、
前記転がり軸受の端面に対向する前記フランジの軸方向外側面、または、前記フランジに臨む前記内輪の外周縁部に凹み部が設けられ、この凹み部に前記センサブラケットが配置され、前記センサホルダを前記内輪の端面またはこの端面に繋がる凹み部の段差部に向けて付勢する弾性部と、前記センサのセンサケーブルを保持する保持部とを備えた。
前記「転がり軸受の状態を監視する」とは、転がり軸受の例えば、温度、振動、回転速度等の各種パラメータを監視すること等である。前記回転速度は、単位時間当たりの回転数と同義である。
前記「定められた位置」は、凹み部が設けられる箇所に応じて定められる。転がり軸受の端面に対向するフランジの軸方向外側面に凹み部が設けられる場合、前記定められた位置は、内輪の端面に臨む位置である。フランジに臨む内輪の外周縁部に凹み部が設けられる場合、前記定められた位置は、内輪の端面に繋がる凹み部の段差部である。
この構成によると、センサホルダが弾性部により内輪の端面または凹み部の段差部に向けて付勢されるため、センサホルダが強固に固定される。これにより転がり軸受に対し、簡易な構造でセンサホルダ等の抜け止めを図れる。また、センサのセンサケーブルを保持する保持部を備えたため、露出したセンサケーブルに局所的に応力が集中すること等を防止し得る。したがって、センサケーブルの絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる。
前記転がり軸受は、それぞれ外周に単列の軌道面を有し軸方向に並んで配置される複数の前記内輪と、これら内輪の各軌道面に対向する複列の軌道面を内周に有する回転側の軌道輪である外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複列の転動体とを有してもよい。この場合、この軸受装置を、例えば、外輪回転方式の乗用車等における従動輪用に適用することができる。
前記フランジの軸方向外側面における円周方向の一部に、径方向に延びる前記凹み部が設けられ、この凹み部は、前記径方向の内外で少なくとも異なる二つの幅寸法となる段付き形状に形成されていてもよい。この場合、フランジが設けられる軸部を鋳造により成形されたものとすると、フランジの凹み部を、型による溝成形により設けることが可能となる。前記型による溝成形後、凹み部のうち寸法精度が必要な部位のみ機械加工を行うことで、凹み部の全体を機械加工するよりも比較的安価に凹み部を設けることができる。
前記凹み部は、前記二つの幅寸法のうち内径側の幅寸法が外径側の幅寸法より大きく形成されていてもよい。この場合、新たな部品を追加することなく、センサブラケットおよびセンサホルダが径方向外方に抜けない構造となり、組立工数も低減することができる。したがって、軸受装置の製造コストの低減を図れる。
車両用の軸受装置の場合、前記凹み部は、鉛直方向または水平方向に沿って形成されていてもよい。
凹み部が鉛直方向に沿って形成されている場合、例えば、軸受装置から外部に延びるセンサケーブルの全長を短縮することができる。凹み部が水平方向に沿って形成されている場合、凹み部は非負荷域方向の溝となり、鉛直方向に沿って凹み部が形成されるものよりも軸部の剛性が低下することを抑制することができる。
前記凹み部は、前記内輪の外周縁部に設けられる環状凹部であり、前記センサホルダおよび前記センサブラケットは、前記環状凹部に同心状に固定される環状部材であってもよい。この場合、様々な軸受サイズの転がり軸受に対し、例えば、共通のセンサホルダおよびセンサブラケットを固定することが可能となる。これにより、センサホルダおよびセンサブラケットの汎用性を高め得る。
前記弾性部は、ばね形状のばね部、または、弾性変形可能な樹脂から成る弾性体であってもよい。弾性部がばね形状のばね部である場合、センサホルダに対する付勢力を一定に維持し易い。弾性部が弾性変形可能な樹脂から成る弾性体である場合、構造を簡単化することができる。
前記センサは、前記転がり軸受の温度を検出する温度センサ、または、前記転がり軸受の振動を検出する振動センサであってもよい。検知回路は、温度センサで検出される温度が閾値以上、または振動センサで検出される値が閾値以上となったとき、転がり軸受に異常が発生していると判断してもよい。
前記各閾値は、それぞれ設計等によって任意に定める値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な値を求めて定められる。
前記軸部は車両の車軸であり、前記転がり軸受は前記車両の車輪を回転支持してもよい。
前記車両は大型自動車であってもよい。
前記「大型自動車」とは、車両の総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、または乗車定員が30人以上の自動車である。
この場合、大型自動車の車輪を回転支持する転がり軸受の状態を監視することができる。
本発明の電動垂直離着陸機は、この発明の上記いずれかの構成の軸受装置を備えている。そのため、本発明の軸受装置につき前述した各効果が得られる。
本発明の軸受装置および電動垂直離着陸機によれば、センサのセンサケーブルを保持する保持部を備えたため、露出したセンサケーブルに局所的に応力が集中すること等を防止し得る。したがって、センサケーブルの絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る軸受装置の縦断面図である。 同軸受装置の異常検知装置等を示す図である。 同異常検知装置および車軸のフランジを部分的に拡大して示す斜視図である。 同フランジの凹み部を部分的に拡大して示す斜視図である。 同異常検知装置の斜視図である。 同異常検知装置の縦断面図である。 同異常検知装置の脱落防止構造を説明する要部の拡大縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸受装置の異常検知装置等を示す図である。 同異常検知装置が凹み部から離脱したフランジの凹み部位置を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る軸受装置の縦断面図である。 図10のXI部の部分拡大図である。 同軸受装置の異常検知装置の斜視図である。 本発明の軸受装置を備えた電動垂直離着陸機の斜視図である。 同電動垂直離着陸機の軸受装置の縦断面図である。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態に係る軸受装置を図1ないし図7と共に説明する。
図1に示すように、軸受装置6は、転がり軸受7と、この転がり軸受7の状態を監視するセンサを含む監視装置8とを備える。転がり軸受7は、第2世代に分類される複列の円すいころ軸受であり、外輪回転タイプでかつ従動輪支持用のものである。複列の円すいころ軸受はこの例では背面組み合わせで配置される。
この例の軸受装置6は自動車用の軸受装置である。この軸受装置6が適用される自動車として特に大型自動車が挙げられるが、大型自動車以外の自動車に適用してもよい。この明細書において、軸受装置6が自動車である車両に取付けられた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側A1と呼び、車両の車幅方向の中央寄りとなる側をインボード側A2と呼ぶ。
<転がり軸受>
転がり軸受7は、車両の車輪Wを回転支持する。転がり軸受7は、静止側軌道輪である複数(この例では2個)の内輪9と、回転側の軌道輪である外輪10と、これら内外輪9,10の軌道面9a,10a間に介在する複列(この例では2列)の転動体11と、これら転動体11を保持する図示外の保持器と、内外輪9,10間の環状空間の両端を密封する一対のシール12,12とを有する。前記転動体11は円すいころである。静止側軌道輪は「固定輪」とも称される。
複数の内輪9は、それぞれ外周に単列の軌道面9aを有し軸方向に並んで配置される。各内輪9は両鍔付きである。外輪10は、これら内輪9の各軌道面9aに対向する複列の軌道面10aを内周に有する。2個の内輪9,9は互いに対向する端面を当接させている。但し、2個の内輪9,9の互いに対向する端面間に図示外の間座が設けられてもよい。
軸部である車軸18の軸方向中間部における外周面に各内輪9がそれぞれ嵌合固定され、車軸18の軸方向一端に設けられるフランジ16が車両のナックル等の足回りフレーム部品21に固定される。フランジ16の軸方向外側面(アウトボード側面)にインボード側の内輪9の端面が当接された状態で各内輪9が固定される。外輪10はハブに固定されて回転する。車軸18の軸方向他端つまりアウトボード側端に雄ねじ部18aが設けられている。アウトボード側の内輪9の端面に図示外のワッシャーを介在させ前記雄ねじ部18aにナット(図示せず)が螺合されることで、軸受装置6が車軸18に固定されると共に軸受予圧が与えられる。
<監視装置>
図2は、図1のII-II矢視図でありこの軸受装置6の異常検知装置等を示す図である。監視装置8は、図2に示す異常検知装置24と、この異常検知装置24の後述する各センサS1,S2(図6)の出力をそれぞれ処理しそれらの処理信号を出力する検知回路25(図1)とを有する。図6に示すように、異常検知装置24は、温度センサS1および振動センサS2と、これら温度センサS1および振動センサS2を支持するセンサホルダ26と、各センサS1,S2から延びるセンサケーブル20と、センサホルダ26をこの軸受装置6(図1)の定められた位置に固定するセンサブラケット27とを有する。
<センサ>
温度センサS1は、転がり軸受7の温度を検出するセンサであり、例えば、サーミスタまたは熱電対等が適用される。振動センサS2は、転がり軸受7の振動を検出する振動センサ素子から成り、例えば、圧電素子から成る圧電式、電磁式、静電容量式、渦電流式、レーザドップラ式等の種々の振動センサ素子を適用可能である。
<センサホルダ>
図5に示すように、センサホルダ26は、矩形体状のセンサホルダ本体26aと、フランジ部26bとを有する。フランジ部26bは、センサホルダ本体26aにおけるインボード側A2の両側縁部から両側に一体に延び、後述するブラケット本体27aの一部に拘束される。図6に示す温度センサS1、振動センサS2およびセンサケーブル20の基端部は、センサホルダ本体26aの内部に収容された状態で、このセンサホルダ本体26aの内部に樹脂材(図示せず)が充填されることで、センサホルダ26に内蔵される。図1に示すように、センサホルダ26は、センサホルダ本体26aのアウトボード側面の少なくとも一部が、内輪9のインボード側の端面に対向するように、フランジ16の後述する凹み部に配置される。
<センサブラケット等>
転がり軸受7のインボート側端面に対向するフランジ16の軸方向外側面に、図4に示す凹み部28が設けられている。凹み部28は、フランジ16の軸方向外側面における円周方向の一部に、径方向に溝状に延びる。この例の凹み部28は、図2に示すように、フランジ16の軸方向外側面において鉛直方向A3に沿って形成されている。凹み部28は、図4に示すように、前記径方向の内外で少なくとも異なる二つの幅寸法となる段付き形状に形成されている。具体的には、凹み部28は、前記二つの幅寸法のうち内径側の幅寸法Xが外径側の幅寸法X´よりも大きく(X>X´)形成されている。図3に示すように、この凹み部28にセンサブラケット27が配置される。
この例のセンサブラケット27は、図5に示すように、ブラケット本体27aと、弾性部27bと、センサケーブル20を保持する保持部としてのセンサケーブル保持部27cとを有する。これらブラケット本体27a、弾性部27bおよびセンサケーブル保持部27cは、例えば、薄板状の鋼板等から一体に形成される。前記「一体に形成される」とは、ブラケット本体27a、弾性部27bおよびセンサケーブル保持部27cが、複数の要素を結合したものではなく単一の材料から例えば機械加工等により単独の物の一部または全体として成形されることを意味する。この場合、異常検知装置24の部品点数の低減を図り構造を簡単化し得る。
ブラケット本体27aは、ベースプレート33、フランジ部拘束部34およびホルダ保持部35を含む。ベースプレート33は、図4の凹み部28における溝底面のうち内径側の幅広部28aに設置される図5に示す基端部33aと、この基端部33aに繋がり(続き)図4の凹み部28における溝底面のうち外径側の幅狭部28bに設置される図5に示す先端部33bとを含む。フランジ部拘束部34は、基端部33aの両側縁部に繋がりつまり続き互いに平行で且つ軸方向に延びる一対の拘束部分34aと、この拘束部分34aの先端縁部から互いに近づくように所定距離延びる内向きの一対のフランジ部分34bとを有する。フランジ部拘束部34内に、センサホルダ26のフランジ部26bが挿入され拘束される。
ホルダ保持部35は、各フランジ部分34bの内側縁部からアウトボード側にそれぞれ突出する。これら一対のホルダ保持部35およびセンサホルダ本体26aのアウトボード側端部は、図1のフランジ16の軸方向外側面よりも所定量突出する。また図5に示すように、一対のホルダ保持部35は、センサホルダ本体26aの両側面を挟持するように互いに平行に配置されている。
<弾性部>
ベースプレート33の主に基端部33aには、センサホルダ26を図1の内輪9のインボード側の端面に向けて付勢する図6に示す弾性部27bがこの基端部33aに一体に設けられている。図5の弾性部27bは、矩形板状でこの外径側縁部がベースプレート33の長手方向中間部分に繋がるように片持ち支持され、且つ矩形板の他の部分がベースプレート33に対しアウトボード側に所定距離突出し略平行となるようにベースプレート33が打ち抜き加工等されることで、ばね形状のばね部となる。よって、前記ばね部である弾性部27bがセンサホルダ本体26aのインボード側端面を押圧することで、センサホルダ26は内輪9(図6)のインボード側の端面に向けて付勢される。
<センサケーブル保持部>
ベースプレート33の先端部33bには、センサケーブル保持部27cが一体に設けられている。このセンサケーブル保持部27cは、ベースプレート33の一部が例えば曲げ加工等されることにより略凹形状に形成されている。センサケーブル保持部27cにおける略凹形状の底面には、センサケーブル20を外部に取り出すための切欠き部36が形成されている。図6に示すように、センサケーブル20は、センサホルダ本体26aから突出する所定量の長さ部分L1が、前記センサケーブル保持部27cの略凹形状の対向する両内側面に押さえられ、さらに前記切欠き部36から径方向外方に向けて直線状に外部に引き出される。
<制御系について>
図1に示すように、外部に引き出されたセンサケーブル20に、検知回路25が接続される。この検知回路25は、各センサS1,S2(図6)の出力をそれぞれ処理しそれらの処理信号を出力する信号処理部25aを備える。具体的には、信号処理部25aは、温度センサS1(図6)で検出される温度が例えば閾値以上となったとき、または振動センサS2(図6)で検出される値が例えば閾値以上となったとき、転がり軸受7に異常が発生していると判断しこの処理信号を車両制御装置(ECU)37へ伝送する。信号処理部25aは、例えば、マイクロコントローラ等で構成される。
ECU37は、転がり軸受7に異常が発生している処理信号が信号処理部25aから伝送されると、例えば、車両のコンソールパネル等に設けられた図示外の表示装置に、転がり軸受7の異常を知らせる表示を出力するよう指令する。前記表示装置と共にまたは前記表示装置に代えて、転がり軸受7の異常を知らせる警告音等を出力してもよい。信号処理部25aは、ECU37の一部の機能としてもよい。
<作用効果>
以上説明した軸受装置6によれば、センサホルダ26が図6に示す弾性部27bにより内輪9の端面に向けて付勢されるため、センサホルダ26が強固に固定される。これにより図1の転がり軸受7に対し、簡易な構造でセンサホルダ26等の抜け止めを図れる。また、図6のセンサS1,S2のセンサケーブル20を保持するセンサケーブル保持部27cを備え、特に、センサケーブル20は、センサホルダ本体26aから突出する所定量の長さ部分L1が、センサケーブル保持部27cの略凹形状の対向する両内側面に押さえられるため、露出したセンサケーブルに局所的に応力が集中すること等を防止し得る。したがって、センサケーブル20の絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる。
センサブラケット27が配置される図4に示す凹み部28は、フランジ16の軸方向外側面に設けられて径方向の内外で少なくとも異なる二つの幅寸法となる段付き形状に形成されている。したがって、フランジ16が設けられる車軸18(図1)を鋳造により成形されたものとすると、フランジ16の凹み部28を、型による溝成形により設けることが可能となる。前記型による溝成形後、凹み部28のうち寸法精度が必要な部位のみ機械加工を行うことで、凹み部28の全体を機械加工等するよりも比較的安価に凹み部28を設けることができる。
凹み部28は、二つの幅寸法のうち内径側の幅寸法Xが外径側の幅寸法X´より大きく正面視で逆T字形状に形成されている。このため、新たな部品を追加することなく、図3のセンサブラケット27およびセンサホルダ26が径方向外方に抜けないストッパ構造となり、組立工数も低減することができる。したがって、図1の軸受装置6の製造コストの低減を図れる。図4に示す凹み部28を前記逆T字形状にすると、図7に示すように、凹み部28における溝底面28aaに対して、異常検知装置24のベースプレート33が不所望に傾いた場合でも、逆T字形状の段付部28abにセンサブラケット27が接触する。よって、異常検知装置24が凹み部28から外れない。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
[第2の実施形態:図8~図9]
図9に示すように、凹み部28は、水平方向A4に沿って形成されていてもよい。水平方向A4に沿って形成された凹み部28に、図8に示す異常検知装置24を配置する。凹み部28が水平方向A4に沿って形成されている場合、凹み部28は非負荷域方向の溝となり、鉛直方向に沿って凹み部28(図9点線にて表示)が形成されるものよりも軸部の剛性が低下することを抑制することができる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第3の実施形態:図10~図12]
図10に示すように、凹み部28は、フランジ16に臨む内輪9の外周縁部に設けられる図11に示す環状凹部28Aであってもよい。この場合、センサホルダ26Aおよびセンサブラケット27Aは、それぞれ前記環状凹部28Aに同心状に嵌合固定される図12に示す環状部材である。これらセンサホルダ26Aおよびセンサブラケット27Aは一体に形成され、センサブラケット27Aはセンサホルダ26Aよりも大径の薄板状に形成されている。
この例のセンサブラケット27Aは、弾性部としての機能を兼ねる。具体的には、センサブラケット27Aは弾性変形可能な樹脂から成る弾性体である。前記樹脂としては、例えば、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ビニルエステル系繊維強化樹脂、エポキシ系繊維強化樹脂のいずれかである。したがって、図11に示すように、弾性部を兼ねるセンサブラケット27Aは、内輪9の端面に繋がる(続く)凹み部28Aの段差部28Aaに向けてセンサホルダ26Aを付勢する。
センサブラケット27Aにおけるアウトボード側面の円周方向の一部に、センサケーブル保持部27cが設けられている。このセンサケーブル保持部27cは、センサブラケット27Aからアウトボード側に突出する突出部27caと、この突出部27caの先端部分から直角に折れ曲がる折曲部27cbとでL字形状に形成されている。
この構成では、センサケーブル20は、センサホルダ26Aから突出する所定量の長さ部分L1が、前記センサケーブル保持部27cの突出部27caおよび折曲部27cbで押さえられて直線状に外部に引き出される。このため、センサケーブル20の絶縁体が摩耗することを抑制し、絶縁不良等の不具合を防止することができる。センサブラケット27Aは弾性部としての機能を兼ね、弾性部が弾性変形可能な樹脂から成る弾性体であるため、構造を簡単化することができる。したがって、製造コストの低減を図れる。
<電動垂直離着陸機への適用例:図13、図14>
軸受装置を電動垂直離着陸機へ適用してもよい。
近年では、自動車に代わる移動手段として飛行可能な自動車、いわゆる空飛ぶクルマが注目されている。空飛ぶクルマは、地域内移動、地域間移動、観光・レジャー、救急医療、災害救助など、様々な場面での活用が期待されている。
空飛ぶクルマとしては、垂直離着陸機(VTOL;Vertical Take-Off and Landing aircraft)が注目されている。垂直離着陸機は、空と離発着場を垂直に昇降できることから、滑走路が必要とならず、利便性に優れる。特に、近年ではCOの削減に向けた社会的要請などからバッテリとモータで飛行するタイプの電動垂直離着陸機(eVTOL)が開発の主流となっている。
図13に示すように、電動垂直離着陸機1は、機体中央に位置する本体部2と、前後左右に配置された4つの駆動部3を有するマルチコプターである。駆動部3は、電動垂直離着陸機1の揚力および推進力を発生させる装置であり、駆動部3の駆動によって電動垂直離着陸機1が飛行する。電動垂直離着陸機1において駆動部3は複数あればよく、4つに限定されない。
本体部2は乗員(例えば1~2名程度)が搭乗可能な居住空間を有している。この居住空間には、進行方向および高度などを決めるための操作系、高度、速度、飛行位置などを示す計器類などが設けられている。本体部2からは4本のアーム2aがそれぞれ放射状に延び、各アーム2aの先端に駆動部3が設けられている。図13において、アーム2aには、回転翼4を保護するため、回転翼4の回転周囲を覆う円環部が一体に設けられている。また、本体部2の下部には、着陸時に機体を支えるスキッド2bが設けられている。
図14に示すように、駆動部3は、回転翼4と、この回転翼4を回転支持する軸受装置6と、軸部18Aと、モータ5とを備える。各アーム2a(図13)の先端に上下方向に延びる軸部18Aが固定され、この軸部18Aの外周面に、軸受装置6の転がり軸受7が嵌合固定されている。
<転がり軸受>
転がり軸受7は、例えばアンギュラ玉軸受であり、内輪が静止側軌道輪の外輪回転タイプである。この例では、例えば、2個のアンギュラ玉軸受が内外輪間座29,30を介して背面組み合わせで配置される。軸受装置6の外周面には、一対の回転翼4が軸方向に所定間隔を隔てて設けられている。各回転翼4は、径方向外側へ延びる2枚の羽根をそれぞれ有する。
<モータ>
モータ5は、回転翼4を回転駆動させる駆動源であり、例えば、内輪間座29の外周面に嵌合されたステータ5aと、このステータ5aの半径方向外方に位置し外輪間座30の内周面に固定されたロータ5bとを有するアウターロータ型でダイレクトドライブ形式である。但し、モータ5は、図示外のチェーン、スプロケット等の回転伝達機構を介して回転翼4を回転駆動させてもよい。
<制御系について>
本体部2には、複数のモータ5等を制御する制御装置31と、各モータ5および制御装置31に電力を供給するバッテリ32と、各センサS1,S3の出力をそれぞれ処理しそれらの処理信号を制御装置31へ出力する検知回路25が設けられている。制御装置31は、バッテリ32の直流電力を交流電圧に変換するインバータと、操作系に応じて生成されるトルク指令により前記インバータの出力をPWM制御等で制御する制御部とを有する。
この例では、センサとして、転がり軸受7の回転速度を検出する回転センサS3、および温度センサS1等が異常検知装置24のセンサホルダ26に設けられている。前記制御部は、現姿勢と目標姿勢の差から揚力を調整すべきモータ5に回転数変更の指令を出力することで、モータ5および回転翼4の回転数が変更される。モータ5の回転数の調整は、複数のモータ5に対して同時に実施され、それによって機体の姿勢が決まる。
回転センサS3は、各モータ5に内蔵された図示外のレゾルバまたは磁気エンコーダ等で検出されるモータ角度を時間微分することで回転速度を演算する回転速度演算手段であってもよい。
前記転がり軸受7として、アンギュラ玉軸受に代えて深溝玉軸受を適用することも可能である。
軸受装置の転がり軸受は、例えば、鉄道車両または二輪車等の車輪を回転支持するものであってもよい。
軸受装置の転がり軸受として、円すいころ軸受、アンギュラ玉軸受を正面組み合わせで用いることも可能である。
軸受装置を、車両、電動垂直離着陸機以外の用途に適用することも可能である。
センサホルダ、センサブラケットを3Dプリンターで製作してもよい。
センサホルダに設けるセンサとしては、前述の温度センサ、振動センサ等に限定されるものではなく、他の種類のセンサを適用可能であり、センサの個数も必要に応じて決定される。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電動垂直離着陸機、6…軸受装置、7…転がり軸受、8…監視装置、9…内輪、10…外輪、11…転動体、16…フランジ、18…車軸(軸部)、18A…軸部、25…検知回路、26,26A…センサホルダ、27,27A…センサブラケット、27b…弾性部、27c…センサケーブル保持部(保持部)、28…凹み部、28ab…段付部、28A…環状凹部、S1…温度センサ、S2…振動センサ

Claims (11)

  1. 転がり軸受と、この転がり軸受の状態を監視するセンサを含む監視装置とを備え、前記転がり軸受における静止側軌道輪である内輪が軸部に嵌合固定され、前記軸部の軸方向一端にフランジが設けられる軸受装置であって、
    前記監視装置は、前記センサを支持するセンサホルダと、このセンサホルダをこの軸受装置の定められた位置に固定するセンサブラケットと、前記センサの出力を処理しその処理信号を出力する検知回路とを有し、
    前記転がり軸受の端面に対向する前記フランジの軸方向外側面、または、前記フランジに臨む前記内輪の外周縁部に凹み部が設けられ、この凹み部に前記センサブラケットが配置され、前記センサホルダを前記内輪の端面またはこの端面に繋がる凹み部の段差部に向けて付勢する弾性部と、前記センサのセンサケーブルを保持する保持部とを備えた軸受装置。
  2. 請求項1に記載の軸受装置において、前記転がり軸受は、それぞれ外周に単列の軌道面を有し軸方向に並んで配置される複数の前記内輪と、これら内輪の各軌道面に対向する複列の軌道面を内周に有する回転側の軌道輪である外輪と、これら内外輪の軌道面間に介在する複列の転動体とを有する軸受装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の軸受装置において、前記フランジの軸方向外側面における円周方向の一部に、径方向に延びる前記凹み部が設けられ、この凹み部は、前記径方向の内外で少なくとも異なる二つの幅寸法となる段付き形状に形成されている軸受装置。
  4. 請求項3に記載の軸受装置において、前記凹み部は、前記二つの幅寸法のうち内径側の幅寸法が外径側の幅寸法より大きく形成されている軸受装置。
  5. 車両の車軸を支持する請求項3または請求項4に記載の軸受装置において、前記凹み部は、鉛直方向または水平方向に沿って形成されている軸受装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の軸受装置において、前記凹み部は、前記内輪の外周縁部に設けられる環状凹部であり、前記センサホルダおよび前記センサブラケットは、前記環状凹部に同心状に固定される環状部材である軸受装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の軸受装置において、前記弾性部は、ばね形状のばね部、または、弾性変形可能な樹脂から成る弾性体である軸受装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の軸受装置において、前記センサは、前記転がり軸受の温度を検出する温度センサ、または、前記転がり軸受の振動を検出する振動センサである軸受装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の軸受装置において、前記軸部は車両の車軸であり、前記転がり軸受は前記車両の車輪を回転支持する軸受装置。
  10. 請求項9に記載の軸受装置において、前記車両は大型自動車である軸受装置。
  11. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の軸受装置を備えた電動垂直離着陸機。
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