JP2022190693A - 有価金属塩水溶液のマンガン除去方法 - Google Patents

有価金属塩水溶液のマンガン除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有価金属塩水溶液に含まれるマンガンの濃度を十分に低減することができる有価金属塩水溶液のマンガン除去方法を提供する。【解決手段】有価金属塩水溶液のマンガン除去方法は、電池粉末を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から、マンガンの溶媒抽出を行った後の抽出残液としての有価金属塩水溶液からマンガンを除去する。アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、0.2~2.0:1.0の範囲のモル比で含有する添加液を、有価金属塩水溶液に添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1250mVの範囲に調整すると同時にpHを1.8~6.5の範囲に調整してマンガン化合物を沈殿させ、マンガン化合物を除去する。【選択図】 なし

Description

本発明は、有価金属塩水溶液のマンガン除去方法に関する。
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃リチウムイオン電池からリチウム、マンガン、ニッケル、コバルト等の有価金属を回収し、リチウムイオン電池等の正極活物質として再利用する方法が種々提案されている。本願において、前記廃リチウムイオン電池とは、電池製品としての寿命の消尽した使用済みのリチウムイオン電池、製造工程で不良品等として廃棄されたリチウムイオン電池、製造工程において製品化に用いられた残余の正極材料等を意味する。
従来、廃リチウムイオン電池から前記有価金属を回収する方法として、廃リチウムイオン電池を焙焼後に粉砕するか、粉砕後に焙焼するかして得られる粉末(以下、電池粉末という)に含まれる有価金属を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から溶媒抽出により各有価金属を抽出して回収する方法が知られている。前記電池粉末溶液から前記有価金属を抽出する方法として、例えば、リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)等を抽出溶媒とするマンガン抽出方法がある。
前記マンガン抽出方法により、前記電池粉末溶液からマンガンを抽出した後の抽出残液には、コバルト等の有価金属が含まれているから、更に、コバルト等の有価金属の回収に供される。このとき、前記コバルト等は前記有価金属溶液を調製する際に用いられた酸との塩を形成しているので、前記抽出残液は有価金属塩水溶液ということができる。
一方、前記有価金属塩水溶液は前記抽出溶媒により抽出されなかった残余のマンガンを含んでおり、該有価金属塩水溶液から回収されたコバルト塩をリチウムイオン電池の原材料として再利用するためには、該有価金属塩水溶液に含まれるマンガンの濃度が1mg/L未満、好ましくは0.1mg/L未満である必要がある。
前記有価金属塩水溶液のマンガン除去方法として、例えば、コバルト塩水溶液のpHを2.5~6の範囲に調整し、得られた溶液に酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを加え溶液のORP(標準水素電極に対する酸化還元電位)を1100~1300mVの範囲として、マンガンを固形物として沈殿させて除去する方法が知られている(特許文献1参照)。
特許第4801372号公報
しかしながら、特許文献1に記載のマンガン除去方法では、前記コバルト塩水溶液に含まれるマンガンの濃度を十分に低減することができないという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、前記電池粉末に含まれる有価金属を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から溶媒抽出によりマンガンを抽出した後の抽出残液としての有価金属塩水溶液に含まれるマンガンの濃度を十分に低減することができる有価金属塩水溶液のマンガン除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1に記載のマンガン除去方法では、前記コバルト塩水溶液に含まれるマンガンの濃度を十分に低減することができない理由について鋭意検討した。この結果、前記コバルト塩水溶液に含まれるマンガンを酸化し、酸化マンガン等のマンガン化合物として沈殿させるには、pHとORPとを所定の範囲に調整する必要があることを知見した。また、本発明者らは、pHの調整とORPの調整とをそれぞれ独立に行うと、pHを上げればORPが低下し、ORPを上げればpHが低下するため、pHとORPとを同時に所定の範囲に調整することが困難であることを知見した。
本発明者らは、前記知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、予めアルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを所定のモル比で含む添加液を調製し、該添加液を前記有価金属塩水溶液に添加することにより、添加後の水溶液のpHとORPとを同時に所定の範囲に調整することができることを見出し、本発明に到達した。
そこで、本発明は、廃リチウムイオン電池から得られる有価金属を含む電池粉末を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から、マンガンの溶媒抽出を行った後の抽出残液としての有価金属塩水溶液からマンガンを除去する有価金属塩水溶液のマンガン除去方法であって、アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.2~2.0:1.0の範囲のモル比で含有する添加液を調製する工程と、該有価金属塩水溶液に該添加液を添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1250mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整してマンガン化合物を沈殿させる工程と、該添加液を添加後の水溶液からマンガン化合物を除去する工程とを備えることを特徴とする。
前記添加液は、次亜塩素酸ナトリウム1.0モルに対し、アルカリ金属水酸化物が0.2モル未満では、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050mV以上とすることができず、アルカリ金属水酸化物が2.0モル超では、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1250mV以下とすることができない。
添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPが1050mV未満では、マンガンの酸化が不完全となり、1250mV超ではコバルトが共沈する割合が高くなる。また、添加後の水溶液のpHが1.8未満ではマンガン化合物の沈殿が不完全となり、6.5超ではコバルト化合物が共沈する。
本発明の有価金属塩水溶液のマンガン除去方法は、廃リチウムイオン電池から得られる有価金属を含む電池粉末を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から、マンガンの溶媒抽出を行った後の抽出残液としての有価金属塩水溶液に適用することができる。前記有価金属溶液からのマンガンの溶媒抽出は、例えば、リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)を抽出溶媒として行うことができる。
本発明の有価金属塩水溶液のマンガン除去方法では、次に、アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.2~2.0:1.0の範囲のモル比で含有する添加液を調製し、該有価金属塩水溶液に該添加液を添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1250mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整する。このようにすると、前記添加液を添加後の水溶液のORPとpHとを所定の範囲に調整することができるので、該水溶液中のマンガンを酸化してマンガン化合物の沈殿を得ることができる。
そこで、前記添加液を添加後の水溶液から、前記マンガン化合物の沈殿を分離、除去することにより、マンガン濃度が1mg/L未満に低減された有価金属塩水溶液を得ることができる。
本発明の有価金属塩水溶液のマンガン除去方法では、前記添加液を添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1120mVの範囲に調整すると同時に前記添加液を添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整することが好ましく、前記添加液を添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1080~1120mVの範囲に調整すると同時に前記添加液を添加後の水溶液のpHを2.0~3.0の範囲に調整することが更に好ましい。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態のコバルト塩水溶液のマンガン除去方法は、廃リチウムイオン電池から得られる有価金属を含む電池粉末を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から、マンガンの溶媒抽出を行った後の抽出残液としての有価金属塩水溶液に適用することができる。
前記廃リチウムイオン電池とは、電池製品としての寿命の消尽した使用済みのリチウムイオン電池、製造工程で不良品等として廃棄されたリチウムイオン電池、製造工程において製品化に用いられた残余の正極材料等を意味する。前記廃リチウムイオン電池は、焙焼後又は加熱されずに粉砕するか、粉砕後焙焼することにより又は加熱されずに電池粉末とされる。前記電池粉末は、マンガン、コバルト、ニッケル、リチウム等の有価金属を含んでいる。
次に、前記電池粉末を鉱酸に溶解することにより、前記有価金属を含む有価金属溶液を得る。前記鉱酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、より好ましくは塩酸、硫酸、硝酸からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、更に好ましくは塩酸を含み、特に好ましくは塩酸である。
次に、前記有価金属溶液から、例えば、リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)を抽出溶媒としてマンガンの溶媒抽出を行うことにより、前記抽出残液を得ることができる。前記抽出残液は、コバルト、ニッケル、リチウム等の有価金属と、抽出残の微量のマンガンとを含んでいる。また、前記抽出残液中において、コバルトは、前記電池粉末を溶解する際に用いた酸との塩を形成している場合がある。該抽出残液は有価金属塩水溶液ということができる。
本実施形態では、前記抽出残液としての有価金属塩水溶液から、マンガンを除去するために、アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.2~2.0:1.0の範囲のモル比で含有する添加液を調製する。前記添加液は、アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.5~1.5:1.0の範囲のモル比で含有することが好ましく、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.8~1.3:1.0の範囲のモル比で含有することがより好ましい。
アルカリ金属水酸化物のアルカリ金属は、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、より好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、更に好ましくはナトリウム、カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、特に好ましくはナトリウムである。
前記添加液は、アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを前記範囲のモル比で含んでいればよく、その調製方法に限定は無いが、例えば、48質量%-水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液と、12質量%-次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液とを、48質量%-NaOH水溶液:12質量%-NaOCl水溶液=0.03~0.3:1.0の質量比で混合することにより、調製することができる。
次に、前記有価金属塩水溶液に前記添加液を添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1250mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整する。このとき、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050~1120mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整することが好ましく、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1080~1120mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを2.0~3.0の範囲に調整することがさらに好ましい。添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPは例えばpH計(株式会社堀場製作所製、商品名:卓上型pH計LAQUA F-73S)により測定することができ、添加後の水溶液のpHは例えばpH計(株式会社堀場製作所製、商品名:卓上型pH計LAQUA F-73S)により測定することができる。
この結果、前記コバルト塩水溶液に含まれるマンガンが酸化され、酸化マンガン(II)、酸化マンガン(IV)等のマンガン化合物の固形物として沈殿する。そこで、前記固形物を濾過等の手段により、前記有価金属塩水溶液から分離、除去することにより、マンガン濃度が1mg/L未満に低減された有価金属塩水溶液を得ることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、まず、リチウムイオン電池の製造工程において製品化に用いられた残余の正極材料である正極箔を、電気炉中、空気雰囲気下で400℃の温度に10分間維持して焙焼した。前記正極箔は、リチウムイオン電池における集電体であるアルミニウム箔に正極活物質を含む正極合剤が塗布されたものである。
次に、焙焼後の前記正極箔を、ジョークラッシャーを用いて粉砕した後、目開き1mmの篩でアルミニウム箔を分離し、正極粉(電池粉末)を得た。
次に、前記正極粉10kgを28%の塩酸48kg(40L)と水35kg(35L)との混合液に溶解し、有価金属溶液80Lを得た。前記有価金属溶液に含まれる有価金属の質量を誘導結合プラズマ発光分析装置(パーキンエルマー社製、商品名:Optima-8300、以下ICP-OESと略記する)により測定したところ、該有価金属溶液は、1.5kgのCoと、0.5kgのLiと、2kgのMnと、1.1kgのNiとを含んでいた。
次に、前記有価金属溶液75Lに、ケロシンで希釈した32質量%のリン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)(ナカライテスク株式会社製)75Lを添加し、平衡pHを2.3に調整して、マンガンの溶媒抽出を行い、抽出残液としてコバルト塩水溶液80Lを得た。前記コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該コバルト塩水溶液は、1.3kgのCoと、0.49kgのLiと、0.98kgのNiと、0.045kgのMnとを含んでおり、pH計により測定したpHは2.0であった。
次に、12質量%-次亜塩素酸ナトリウム水溶液2.5kgと、48質量%-水酸化ナトリウム水溶液0.38kgとを混合して、水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムとを、水酸化ナトリウム:次亜塩素酸ナトリウム=1.1:1.0のモル比で含有する添加液2.9Lを調製した。
次に、前記コバルト塩水溶液80Lに前記添加液2.9Lを添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050-1250mVの範囲、具体的には1080mVに調整すると同時に、添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲、具体的にはpH2.2に調整した。この結果、固形物が沈殿したので、該沈殿を濾別して、精製コバルト塩水溶液83Lを得た。
本実施例で得られた精製コバルト塩水溶液は、pH計により測定したpHが2.2、pH計により測定した、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPが1080mVであった。また、前記精製コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該精製コバルト塩水溶液は、1.2kg(14.4g/L)のCoと、0.49kg(5.9g/L)のLiと、0.98kg(11.8g/L)のNiと、0.0075g(0.1mg/L)未満のMnとを含んでいた。分離した固形物を回収し、溶解して、ICP-OESにより組成を確認したところ、分離した固形物はMnとCoとを1:1の質量比で含有していた。
〔実施例2〕
本実施例では、前記コバルト塩水溶液80Lに、前記添加液2.9Lを添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1080-1120mVの範囲、具体的には1100mVに調整すると同時に、添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲、具体的には2.1に調整した以外は、実施例1と全く同一にして、精製コバルト塩水溶液83Lを得た。
本実施例で得られた精製コバルト塩水溶液は、pH計により測定したpHが2.1、pH計により測定した、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPが1100mVであった。また、前記精製コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該精製コバルト塩水溶液は、1.2kg(14.4g/L)のCoと、0.49kg(5.9g/L)のLiと0.98kg(11.8g/L)のNiと、0.0075g(0.1mg/L)未満のMnとを含んでいた。
〔実施例3〕
本実施例では、正極粉10kgを、98質量%-硫酸26kgと、水60kgとの混合物に溶解した以外は、実施例1と全く同一にして有価金属溶液80Lを得た。前記有価金属溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該有価金属溶液は、は、1.1kgのCoと、0.4kgのLiと、1kgのMnと、1kgのNiとを含んでいた。
次に、本実施例で得られた前記有価金属溶液80Lを用いた以外は、実施例1と全く同一にしてマンガンの溶媒抽出を行い、抽出残液としてコバルト塩水溶液75Lを得た。前記コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該コバルト塩水溶液は、1.0kgのCoと、0.37kgのLiと、0.87kgのNiと、0.045kgのMnとを含んでおり、pH計により測定したpHは2.0であった。
次に、本実施例で得られた前記コバルト塩水溶液75Lに、実施例1と全く同一にして調製した添加液2.9Lを添加し、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050-1120mVの範囲、具体的には1090mVに調整すると同時に、添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲、具体的には2.1に調整した。この結果、固形物が沈殿したので、該沈殿を濾別して、精製コバルト塩水溶液78Lを得た。
本実施例で得られた精製コバルト塩水溶液は、pH計により測定したpHが2.1、pH計により測定した、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPが1100mVであった。また、前記精製コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該精製コバルト塩水溶液は、0.98kg(12.5g/L)のCoと、0.36kg(4.61g/L)のLiと0.86kg(11.0g/L)のNiと、0.0075g(0.1mg/L)未満のMnとを含んでいた。
〔比較例1〕
本比較例では、実施例1と全く同一にして、有価金属溶液からマンガンの溶媒抽出を行い、抽出残液としてコバルト塩水溶液80Lを得た。前記コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該コバルト塩水溶液は、1.1kgのCoと、0.5kgのLiと、0.8kgのNiと、0.045kgのMnとを含んでおり、pH計により測定したpHは2.1であった。
次に、本比較例で得られた前記コバルト塩水溶液75Lに、5質量%-水酸化ナトリウム水溶液0.6kgを添加して、添加後の水溶液のpHを6-7の範囲、具体的には6.0に調整した後、12質量%-次亜塩素酸ナトリウム水溶2.5kgを添加して、添加後の水溶液の、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPを1050-1250mVの範囲、具体的には1080mVに調整した。この結果、固形物が沈殿したので、該沈殿を濾別して、精製コバルト塩水溶液78Lを得た。
本比較例で得られた精製コバルト塩水溶液は、pH計により測定したpHが1.8、pH計により測定した、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときのORPが1045mVであった。また、前記精製コバルト塩水溶液に含まれる有価金属の質量をICP-OESにより測定したところ、該精製コバルト塩水溶液は、1.1kg(14.1g/L)のCoと、0.5kg(6.4g/L)のLiと0.8kg(10.2g/L)のNiと、0.6g(8mg/L)のMnとを含んでいた。

Claims (3)

  1. 廃リチウムイオン電池から得られる有価金属を含む電池粉末を酸溶液に溶解して得られる有価金属溶液から、マンガンの溶媒抽出を行った後の抽出残液としての有価金属塩水溶液からマンガンを除去する有価金属塩水溶液のマンガン除去方法であって、
    アルカリ金属水酸化物と次亜塩素酸ナトリウムとを、アルカリ金属水酸化物:次亜塩素酸ナトリウム=0.2~2.0:1.0の範囲のモル比で含有する添加液を調製する工程と、
    該有価金属塩水溶液に該添加液を添加し、添加後の水溶液のORPを1050~1250mVの範囲に調整すると同時に添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整してマンガン化合物を沈殿させる工程と、
    該添加液を添加後の水溶液からマンガン化合物を除去する工程を備え、
    該ORPは、基準電極として銀塩化銀電極が用いられるときの酸化還元電位であることを特徴とする有価金属塩水溶液のマンガン除去方法。
  2. 請求項1記載の有価金属塩水溶液のマンガン除去方法において、前記添加液を添加後の水溶液のORPを1050~1120mVの範囲に調整すると同時に前記添加液を添加後の水溶液のpHを1.8~6.5の範囲に調整することを特徴とする有価金属塩水溶液のマンガン除去方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の有価金属塩水溶液のマンガン除去方法において、前記添加液を添加後の水溶液のORPを1080~1120mVの範囲に調整すると同時に前記添加液を添加後の水溶液のpHを2.0~3.0の範囲に調整することを特徴とする有価金属塩水溶液のマンガン除去方法。
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