本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターシステム1の構成図である。
エレベーターシステム1は、複数のエレベーター2を含むシステムである。各々のエレベーター2は、例えば複数の階床を有する建物などに適用される。一つの建物において、複数のエレベーター2が設けられていてもよい。建物において、エレベーター2の昇降路3が設けられる。昇降路3は、複数の階床にわたる上下方向に長い空間である。この例において、各々のエレベーター2は、トラクション式のエレベーターである。なお、エレベーターシステム1は、例えば巻胴式のエレベーター、および油圧式のエレベーターなどを含んでいてもよい。トラクション式のエレベーターは、巻上機4と、主ロープ5と、かご6と、釣合い錘7と、地震感知器8と、制御盤9と、を備える。
巻上機4は、駆動力を発生させるモーター、およびモーターが発生させる駆動力によって回転するシーブを備える。巻上機4は、例えば昇降路3の上部または下部などに配置される。あるいは、エレベーター2において例えば昇降路3の上方などに機械室が設けられる場合に、巻上機4は機械室に配置されてもよい。
主ロープ5は、昇降路3においてかご6および釣合い錘7の荷重を支持するロープである。主ロープ5は、巻上機4のシーブに巻き掛けられる。主ロープ5は、巻上機4のシーブの一方側においてかご6の荷重を支持する。主ロープ5は、巻上機4のシーブの他方側において釣合い錘7の荷重を支持する。主ロープ5は、巻上機4のモーターが発生させる駆動力によって、巻上機4のシーブのいずれか一方側を引き上げるように移動する。
かご6は、昇降路3を上下方向に走行することでエレベーター2の乗客などを複数の階床の間で輸送する機器である。かご6の内部において、通話装置10が設けられる。通話装置10は、例えばインターホンまたは電話機17などである。釣合い錘7は、巻上機4のシーブの一方側にかかるかご6の荷重に対して、巻上機4のシーブの他方側で荷重の釣合いをとる機器である。かご6および釣合い錘7は、巻上機4のモーターによる主ロープ5の移動に伴って、上下方向において昇降路3を互いに反対側に走行する。
地震感知器8は、エレベーター2が設けられた場所において地震波を感知する機器である。地震感知器8は、例えば、昇降路3などに配置される。あるいは、機械室が設けられる場合に、地震感知器8は、機械室に配置されてもよい。
制御盤9は、エレベーター2の動作を制御する機器である。エレベーター2の動作は、例えばかご6の走行などを含む。制御盤9は、例えば昇降路3の上部または下部などに配置される。あるいは、機械室が設けられる場合に、制御盤9は機械室に配置されてもよい。制御盤9は、エレベーター2の動作を制御に用いられるエレベーター2の状態の情報を取得しうるように、エレベーター2の機器などに接続される。制御盤9は、例えばエレベーター2のかご6、巻上機4、または昇降路3などに設けられたセンサーまたはスイッチなどからエレベーター2の状態の情報を取得する。制御盤9は、地震感知器8から地震波の感知の情報を取得する。
制御盤9は、地震感知器8から取得した地震波の感知の情報に基づいて、地震動への応答を行う。地震動への応答は、例えば、管制運転および運転休止などの応答を含む。管制運転は、発生した地震に応答する自動運転などである。管制運転は、エレベーター2への地震動の影響を診断する診断運転などを含む。運転休止は、かご6を走行させずに休止して待機する応答である。
各々のエレベーター2は、遠隔監視装置11を備える。遠隔監視装置11は、エレベーター2の状態を監視する装置である。遠隔監視装置11は、エレベーター2の状態の情報を例えば制御盤9などから取得する。
エレベーターシステム1において、管理システム12が適用される。管理システム12は、エレベーターシステム1における複数のエレベーター2を管理するシステムである。管理システム12は、中央管理装置13と、作業管理装置14と、対応管理装置15と、を備える。
中央管理装置13は、各々のエレベーター2を遠隔監視する装置である。中央管理装置13は、例えば情報センター16などに配置される。情報センター16は、複数のエレベーター2の情報を収集する拠点である。中央管理装置13は、例えば1つまたは複数のサーバ装置などである。中央管理装置13は、通常運転時の各々のエレベーター2の状態などを通信しうるように、例えば管理システム12を運用する保守会社のイントラネットなどを通じて各々の遠隔監視装置11から接続される。中央管理装置13は、各々のエレベーター2についての通報の情報を受け付ける機能を搭載する。各々のエレベーター2についての通報は、例えば当該エレベーター2の乗客または管理者などからの音声通話による通報を含む。音声通話による通報は、例えばエレベーター2の乗客または管理者が利用する携帯電話または固定電話などの電話機を通じて行われる。あるいは、音声通話による通報は、例えばエレベーター2のかご6に設けられた通話装置10がインターホンであるときに、インターホンを通じて行われてもよい。音声通話による通報の情報は、例えば当該通報を受けたオペレーターなどによって中央管理装置13に入力される。
作業管理装置14は、各々のエレベーター2において行われる点検、整備、または修理などの保守作業の管理を行う装置である。作業管理装置14は、作業管理部の例である。作業管理装置14は、例えば保守作業の予定、および保守作業の実施状況などを管理する。作業管理装置14は、例えば情報センター16などに配置される。作業管理装置14は、例えば1つまたは複数のサーバ装置などである。作業管理装置14は、例えば保守員が所持する保守端末18などから保守作業の予定の入力を受け付ける。ここで、保守端末18は、例えばスマートフォンなどの可搬な情報端末である。保守端末18は、保守員が勤務する保守会社の事業所などに配置された汎用のコンピュータなどであってもよい。作業管理装置14は、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて保守端末18から接続される。また、作業管理装置14は、保守端末18などから保守作業の開始を表す作業届の入力を受け付ける。また、作業管理装置14は、保守端末18などから保守作業の完了を表す作業完了届の入力を受け付ける。作業管理装置14は、管理している保守作業の情報を共有しうるように、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて中央管理装置13に接続される。
対応管理装置15は、地震による地震動が発生した地域に設けられたエレベーター2の各々について、地震後の対応状況を管理する装置である。対応管理装置15は、例えば情報センター16などに配置される。対応管理装置15は、例えば1つまたは複数のサーバ装置などである。中央管理装置13は、各々のエレベーター2の地震動への応答情報などを通信しうるように、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて各々の遠隔監視装置11から接続される。対応管理装置15は、管理している対応状況の情報を共有しうるように、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて中央管理装置13に接続される。対応管理装置15は、外部サービス19からの情報を受け付けうるように、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信網に接続される。外部サービス19は、例えば地震情報を配信する管理システム12の外部のサービスである。外部サービス19は、例えば日本における気象庁もしくは他の国などにおける同様の機関などの公的機関、または民間機関などによって提供される。
対応管理装置15は、地震情報受付部20と、応答情報受付部21と、作業判定部22と、操作情報受付部23と、管理情報受付部24と、リスト管理部25と、基準記憶部26と、集計部27と、提示部28と、問い合わせ部29と、を備える。
地震情報受付部20は、外部サービス19から地震情報を受け付ける部分である。地震情報受付部20は、複数のエレベーター2の少なくともいずれかが設けられた地域についての地震情報を外部サービス19から受け付ける。地震情報は、地震が発生するときに外部サービス19から配信される。地震情報は、例えば地震動が発生した地域、地震動が発生した時刻、および発生した地震動の大きさなどの情報を含む。地震動の大きさは、例えば震度階級の情報などを含む。地震情報は、地震動を発生させた地震の情報を含んでもよい。地震が発生した時刻、地震の震源、および地震の規模などの情報を含む。地震の規模は、例えばマグニチュードの情報などを含む。
応答情報受付部21は、各々の遠隔監視装置11からエレベーター2の地震動への応答情報を受け付ける部分である。応答情報は、エレベーター2を特定する情報を含む。エレベーター2を特定する情報は、例えば当該エレベーター2が設けられた建物の建物番号、および当該建物において一意に設定されるエレベーター2の号機番号などの情報などである。応答情報は、地震動への応答の有無などの情報を含む。
作業判定部22は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2について保守作業の情報を判定する部分である。作業判定部22は、例えば、作業管理装置14などの作業管理部が管理する情報を参照して判定を行う。作業判定部22は、例えば中央管理装置13を通じて作業管理装置14を参照してもよい。作業判定部22は、例えば、応答情報が受け付けられた時刻は当該応答情報を発報したエレベーター2に保守作業が予定されている時刻であるかを判定する。あるいは、作業判定部22は、例えば、応答情報が受け付けられたときに、当該応答情報を発報したエレベーター2において保守作業が行われているかを判定する。
操作情報受付部23は、保守員による保守端末18を通じた操作を受け付ける部分である。操作情報受付部23が受け付ける操作は、例えば管理システム12における設定変更の操作などを含む。操作情報受付部23が受け付ける操作は、例えば地震後の対応状況についての情報の入力の操作などを含む。
管理情報受付部24は、中央管理装置13から情報を受け付ける部分である。管理情報受付部24が受け付ける情報は、例えば中央管理装置13から通知される情報、または中央管理装置13に要求した情報などを含む。管理情報受付部24が受け付ける情報は、中央管理装置13が中継する例えば作業管理装置14などからの情報を含んでもよい。
リスト管理部25は、管理対象リストの管理を行う部分である。管理対象リストは、地震動が発生した地域に設けられたエレベーター2の各々についての地震後の対応の管理に用いられる情報である。この例において、管理対象リストは、リスト管理部25に記憶される。リスト管理部25は、複数のエレベーター2のうち、地震後の対応の管理が必要なエレベーター2を管理対象として登録する。リスト管理部25は、管理対象リストにおいて地震後の対応の情報をエレベーター2に対応づけて登録する。
リスト管理部25は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を送信したエレベーター2を管理対象リストに管理対象として確定的に登録する。リスト管理部25は、地震情報受付部20が地震情報を受け付けるときに、各々のエレベーター2が設けられた地域において発生した地震動の大きさが予め設定された大きさより大きいかを判定する。リスト管理部25は、予め設定された規模より大きいと判定された地域に設けられた1つまたは複数のエレベーター2の各々を、管理対象リストに管理対象として暫定的に登録する。ここで、管理対象リストへの確定的な登録は、複数のエレベーター2における地震後の対応が完了した後においても対応の履歴として維持される。また、管理対象リストへの暫定的な登録は、複数のエレベーター2における地震後の対応が完了するまでに、確定的な登録に移行するか、または登録が解除されるかなどの処理が行われる。管理対象リストにおいて、確定的に登録されたエレベーター2、および暫定的に登録されたエレベーター2は、管理対象リストに登録されたエレベーター2として同様に扱われる。
なお、リスト管理部25は、地震動への応答情報によって既に確定的に登録されているエレベーター2について、重複した登録が行われないように、当該地震動の地震情報による暫定的な登録の処理をスキップしてもよい。この例において、暫定的な登録を行う基準値となる地震動の大きさは、エレベーター2ごとに個別に設定される。なお、暫定的な登録を行う基準値となる地震動の大きさは、全エレベーター2について共通であってもよいし、地域ごとに設定されていてもよい。
基準記憶部26は、エレベーター2ごとに暫定的な登録を行う基準値となる地震動の大きさの設定値を記憶する部分である。地震動の大きさの設定値は、例えばエレベーター2が準拠する耐震基準などによって指定される。ここで指定された耐震基準に応じて、管理対象リストへの暫定的な登録を行う基準値となる震度階級などの地震動の大きさの情報が設定される。基準記憶部26は、このように設定された地震動の大きさの基準値を記憶する。
集計部27は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の集計を行う部分である。集計部27は、例えば予め設定されたエリアごとに集計を行う。集計部27が集計に用いるエリアは、外部サービス19からの地震情報によって表される地域と異なっていてもよい。集計部27は、例えば管理対象リストに登録されたエレベーター2の数、および、そのうちの地震後の対応が完了したエレベーター2の数をエリアごとに集計する。また、集計部27は、例えば管理対象リストに登録されたエレベーター2において発生した閉じ込めの件数、および、そのうちの救出が完了した閉じ込めの件数をエリアごとに集計する。
提示部28は、保守端末18から送信される表示要求への応答として、管理対象リストを表す情報を保守端末18に送信する部分である。提示部28は、集計部27による集計の結果をあわせて保守端末18に送信してもよい。保守端末18は、管理対象リストから送信される情報を保守員に表示する。
問い合わせ部29は、管理対象リストに暫定的に登録されたエレベーター2に対して運転状態を問い合わせる部分である。問い合わせ部29は、例えば地震情報受付部20が地震情報を受け付けてから、予め設定された時間が経過するときに、運転状態の問い合わせを行う。問い合わせ部29は、例えば地震情報受付部20が地震情報を受け付けた後に、予め設定された時間が経過する度に、運転状態の問い合わせを行ってもよい。問い合わせ部29が運転状態の問い合わせを行うタイミングは、エレベーター2ごとに異なっていてもよい。問い合わせ部29は、問い合わせの信号として、例えば遠隔監視装置11にポーリング信号を送信する。このとき、問い合わせ部29は、ポーリング信号を受信した遠隔監視装置11から、エレベーター2の運転状態の情報を受信する。
問い合わせ部29による問い合わせの結果に基づいて、リスト管理部25は、地震動への応答を行っている状態のエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を確定的な登録とする。地震動への応答を行っている状態のエレベーター2は、例えば管制運転を行っているエレベーター2、または運転休止を継続しているエレベーター2などを含む。このようなエレベーター2は、地震動への応答を行っているので、保守員などによる地震後の対応の対象となる。また、問い合わせ部29の問い合わせの結果に基づいて、リスト管理部25は、通常運転を行っている状態のエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を解除する。このようなエレベーター2は、地震動への応答を行わずに通常運転を継続しているので、保守員などによる地震後の対応の対象外となる。リスト管理部25は、問い合わせ部29の問い合わせへの返答が得られないエレベーター2などの状態が不明なエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を維持する。問い合わせ部29は、当該エレベーター2について、予め設定された時間が経過した後に、ふたたび問い合わせを行ってもよい。
図2は、実施の形態1に係る保守端末18における表示の例を示す図である。
図2において、管理システム12における設定変更の画面の例が示される。
保守員は、エレベーター2ごとに、当該エレベーター2が準拠する耐震基準などを指定する。この例において、2009年に公的機関によって策定された耐震基準が指定されている。ここで指定された情報は、基準記憶部26に記憶される。また、保守員は、エレベーター2ごとに、当該エレベーター2に設けられた地震感知器8の設定値の情報を合わせて入力してもよい。この例の地震感知器8において、地震波の感知の閾値として低ガル値および高ガル値の2段階の値が設定されている。この例において、低ガル値として150ガルが設定されている。また、高ガル値として200ガルが設定されている。
続いて、図3から図8を用いて、管理システム12の動作の例を説明する。
図3および図6は、実施の形態1に係る管理システム12の動作の例を示すフローチャートである。
図4、図5、図7、および図8は、実施の形態1に係る保守端末18における表示の例を示す図である。
図3において、管理対象リストへの登録に係る管理システム12の処理の例が示される。
地震が発生していないときに、各々のエレベーター2は、通常運転を行っている。通常運転を行っているときのエレベーター2の情報は、制御盤9などを通じて遠隔監視装置11に収集される。遠隔監視装置11は、収集した情報を例えば中央管理装置13に送信する。中央管理装置13は、遠隔監視装置11から送信された情報を蓄積する。情報センター16において、蓄積された情報に基づいて各々のエレベーター2の遠隔監視が行われる。
地震が発生していないときに、いずれかのエレベーター2において、保守作業などが行われていてもよい。保守作業は、作業管理装置14において管理されている予定に従って行われる。保守員は、保守作業を開始するときに、保守端末18を通じて作業届の入力操作を行う。作業管理装置14は、保守員からの作業届の入力操作によって、当該保守員が行う保守作業の状態を実施中として管理する。保守員は、保守作業を終了するときに、保守端末18を通じて作業完了届の入力操作を行う。作業管理装置14は、保守員からの作業完了届の入力操作によって、当該保守員が行う保守作業の状態を作業完了として管理する。
一方、地震が発生するときに、いずれかのエレベーター2が設けられた地域において地震動が発生することがある。このとき、当該地域に設けられたエレベーター2の一部または全部の地震感知器8は、地震による地震波を感知する。地震感知器8が地震波を感知したエレベーター2は、管制運転または運転休止などの地震動への応答を行う。このとき、当該エレベーター2の遠隔監視装置11は、地震動への応答を表す応答情報を対応管理装置15に送信する。
また、地震が発生するときに、外部サービス19は、当該地震の地震情報を配信する。対応管理装置15の地震情報受付部20は、配信された地震情報を取得する。
ここで、発生した地震の規模が大きいときに、広範囲にわたる多数のエレベーター2が同時期に地震動への応答を開始する場合がある。このとき、多数の遠隔監視装置11からの地震動への応答を表す応答情報の通信が短時間に集中する場合がある。この場合に、遠隔監視装置11から送信される応答情報は、対応管理装置15に届かない可能性がある。応答情報の送信に失敗した遠隔監視装置11は、予め設定された時間が経過した後などに、応答情報の再送信を行う。しかしながら、通信の集中が依然として解消していない場合などに、再送信された応答情報も対応管理装置15に届かない可能性がある。また、地震動によって、エレベーター2の近傍に設けられた通信設備などに障害が発生する場合がある。このとき、遠隔監視装置11からの応答情報の送信が失敗する可能性がある。
このような場合に、対応管理装置15は、地震動への応答を行ったエレベーター2からの応答情報を収集しきれない可能性がある。このため、対応管理装置15は、外部サービス19から取得した地震情報を用いて、例えば次のように地震後の対応の管理を行う。
ステップS101において、応答情報受付部21は、いずれかのエレベーター2から応答情報を受け付けたかを判定する。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS102に進む。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS106に進む。
ステップS102において、リスト管理部25は、応答情報受付部21が受け付けた応答情報に基づいて、当該応答情報を送信したエレベーター2を特定する。リスト管理部25は、特定したエレベーター2を管理対象リストに確定的に登録する。このとき、リスト管理部25は、当該応答情報に基づいて、当該エレベーター2の状況を表す情報を、当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。ここで、エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録される情報は、例えば当該エレベーター2が通常運転中であるか否か、診断運転中であるか否か、運転休止中であるか否か、または復旧済みであるか否かなどの情報を含む。管理対象リストに登録される情報は、復旧済みのエレベーター2について、保守員による現場確認の有無の情報を含んでもよい。その後、対応管理装置15の処理は、ステップS103に進む。
ステップS103において、作業判定部22は、作業管理装置14を参照して、応答情報に基づいて特定されたエレベーター2についての保守作業があるかを判定する。作業判定部22は、例えば、応答情報が受け付けられた時刻が当該エレベーター2に保守作業が予定されている時間に含まれる場合に、当該エレベーター2についての保守作業があると判定する。あるいは、作業判定部22は、例えば、応答情報が受け付けられたときに当該エレベーター2において保守作業が行われている場合に、当該エレベーター2についての保守作業があると判定する。作業判定部22は、例えば、応答情報が受け付けられた時刻が当該エレベーター2に保守作業が予定されている時間に含まれず、かつ、当該時刻において当該エレベーター2で保守作業が行われていない場合に、当該エレベーター2についての保守作業がないと判定する。保守作業があるかの判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS105に進む。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS104に進む。
ステップS104において、地震情報受付部20は、応答情報に基づいて特定されたエレベーター2が設けられた地域について、予め設定された大きさより大きい地震動が発生していたかを判定する。地震情報受付部20は、例えば、基準記憶部26に記憶された当該エレベーター2の基準値より大きい地震動が発生したことを表す地震情報を外部サービス19から受け付けているかによって、地震動の有無を判定する。地震情報受付部20は、例えば、応答情報が受け付けられた時刻を含む予め設定された時間の範囲内において、当該地震情報の有無を判定してもよい。地震動が発生していたかの判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS105に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS106に進む。
ステップS105において、リスト管理部25は、応答情報受付部21が受け付けた応答情報を誤発報であると判定する。例えば、リスト管理部25は、応答情報に基づいて特定されたエレベーター2についての保守作業がある場合に、保守作業中の保守員が地震感知器8に誤って接触することなどによる誤発報と当該応答情報を判定する。あるいは、リスト管理部25は、当該エレベーター2が設けられた地域について地震動が発生していない場合に、地震感知器8もしくはその他の機器の誤作動、またはエレベーター2の近傍の作業に伴う振動などによる誤発報と当該応答情報を判定する。このとき、リスト管理部25は、当該エレベーター2の管理対象リストへの登録を解除する。その後、対応管理装置15の処理は、ステップS106に進む。
ステップS106において、地震情報受付部20は、外部サービス19から地震情報を受け付けたかを判定する。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS101に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS107に進む。
ステップS107において、リスト管理部25は、基準記憶部26が記憶している地震動の基準値を参照して、受け付けられた地震情報に基づいて、いずれかのエレベーター2について基準値を超える大きさの地震動が発生した地域があるかを判定する。リスト管理部25は、発生した地震動の大きさが基準値を超えたエレベーター2の各々を、管理対象リストに暫定的に登録する。その後、対応管理装置15の処理は、ステップS108に進む。
ステップS108において、問い合わせ部29は、地震情報受付部20が地震情報を受け付けてから予め設定された時間が経過したかを判定する。ここで、問い合わせ部29が既に1回以上の問い合わせを行っている場合に、問い合わせ部29は、前回の問い合わせから予め設定された時間が経過したかを判定してもよい。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ふたたびステップS108に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS109に進む。
ステップS109において、問い合わせ部29は、管理対象リストに暫定的に登録されたエレベーター2の各々に対して、運転状態を問い合わせる。その後、対応管理装置15の処理は、ステップS110に進む。
ステップS110において、問い合わせ部29は、問い合わせの信号への応答として、当該信号を受け付けた遠隔監視装置11からエレベーター2の運転状態の情報を受信する。リスト管理部25は、例えば次のように管理対象リストを更新する。リスト管理部25は、問い合わせ部29の問い合わせによって地震動への応答を行っていることが判明したエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を確定的な登録とする。リスト管理部25は、問い合わせ部29の問い合わせによって通常運転を行っていることが判明したエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を解除する。リスト管理部25は、問い合わせ部29の問い合わせによっては状態が判明しなかったエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を維持する。その後、対応管理装置15の処理は、ステップS108に進む。
このように登録が行われた管理対象リストを用いて、保守員は、各々のエレベーター2への地震後の対応を行う。保守員は、所持している保守端末18を通じて、管理対象リストの表示要求を対応管理装置15に送信する。提示部28は、保守端末18から送信された表示要求への応答として、リスト管理部25が管理する管理対象リストを表す情報を当該保守端末18に送信する。保守端末18は、提示部28から送信された情報に基づいて、管理対象リストの情報を表示する。
図4において、保守端末18における管理対象リストの情報の表示の例が示される。
この例において、保守端末18は、カード表示によって管理対象リストに登録された各々のエレベーター2を表示する。各々のカードは、いずれかのエレベーター2に対応する。各々のカードにおいて、対応するエレベーター2が設けられた建物などの情報が上側に表示される。カードの上側に表示される情報は、例えば建物の名称、または建物番号などである。各々のカードにおいて、対応するエレベーター2の情報が下側に表示される。カードの下側に表示される情報は、例えばエレベーター2の号機番号などを含む。また、カードの下側に表示される情報は、地震後の対応の状況などを含むエレベーター2の状態の情報を含む。
提示部28は、確定的に登録されたエレベーター2および暫定的に登録されたエレベーター2の両方の情報を含む管理対象リストを保守端末18に送信する。保守端末18は、管理対象リストに確定的に登録されたエレベーター2および暫定的に登録されたエレベーター2の両方についてカードの表示などを行う。このとき、保守端末18は、例えば「登録(暫定)」などの情報を、暫定的に登録されたエレベーター2の状態として当該エレベーター2に対応するカードに表示する。
ここで、エレベーター2が地震動などによって運転休止するときに、かご6は、建物の階床の間に停止することがある。このとき、当該エレベーター2の遠隔監視装置11は、閉じ込めが発生している可能性があるとして発報を行う。当該発報は、応答情報とともに対応管理装置15に送信されてもよい。また、当該発報は、階床の間に停止したかご6内の乗客の有無を確認せずに送信されてもよい。このとき、リスト管理部25は、エレベーター2からの当該発報に基づいて、乗客の有無が不明な閉じ込めが発生していることを表す情報を、当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
また、エレベーター2が地震動などによって運転休止するときに、かご6に乗車していた乗客が閉じ込められることがある。このとき、乗客は、かご6に設けられた通話装置10を通じた音声通話によって、閉じ込めの通報を行う。当該通報は、例えば情報センター16においてオペレーターによって受け付けられる。通報を受け付けたオペレーターは、乗客がいることが確認された閉じ込めが発生していることを表す情報を、中央管理装置13に入力する。中央管理装置13は、入力された情報を対応管理装置15に出力することで共有する。管理情報受付部24は、中央管理装置13と共有する情報を受け付ける。このとき、リスト管理部25は、管理情報受付部24が受け付けた情報に基づいて、乗客がいることが確認された閉じ込めがエレベーター2に発生していることを表す情報を、当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
提示部28は、表示要求を送信した保守端末18に、エレベーター2に対応づけて登録された当該エレベーター2の状況の情報を含めて管理対象リストの情報を送信する。保守端末18は、提示部28から送信された情報に応じて、エレベーター2の状態の情報を表示する。例えば、保守端末18は、閉じ込めが発生しているエレベーター2のカードにおいて、例えば「閉じ込め(乗客不明)」および「閉じ込め(乗客あり)」などの情報を表示する。また、保守端末18は、運転休止中のエレベーター2のカードにおいて、「運転休止」などの情報を表示する。また、保守端末18は、診断運転中のエレベーター2のカードにおいて、「診断運転」などの情報を表示する。また、保守端末18は、通常運転中のエレベーター2のカードにおいて、「通常運転」などの情報を表示する。また、保守端末18は、診断運転の結果に基づいて運転を自動復旧したものの、保守員による現場確認が済んでいないエレベーター2のカードにおいて、「仮復旧」などの情報を表示してもよい。
この例において、リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の各々について、地震後の対応の優先度の情報を管理対象リストに登録する。優先度は、例えば、各々のエレベーター2の状態に応じて設定される。例えば、エレベーター2において乗客の閉じ込めが発生している場合などに、当該エレベーター2に高い優先度が設定される。優先度は、例えば、管理システム12において予め登録された、各々のエレベーター2または当該エレベーター2が設けられる建物の属性などに基づいて設定されてもよい。例えば、エレベーター2が設けられる建物が病院などの公益施設である場合に、当該エレベーター2の優先度に予め設定された値が加算される。
提示部28は、表示要求を送信した保守端末18に、優先度の情報を含めて管理対象リストの情報を送信する。保守端末18は、各々のエレベーター2の優先度に応じて、当該エレベーター2に対応するカードの色、または枠などの強調表示の有無を切り替える。これにより、保守員は、対応の優先度の高いエレベーター2を把握しやすくなる。保守端末18は、各々のエレベーター2のカードを優先度に応じて並べ替えて表示してもよい。
また、エレベーター2ごとの個別の事情などによって、応答情報を発報していないエレベーター2についても、地震後の対応の管理が必要になる場合がある。このとき、保守員は、管理対象リストに登録されていないエレベーター2を、地震後の対応の管理が必要なエレベーター2として指定してもよい。保守員は、例えば、保守端末18を通じて当該エレベーター2を指定する操作を行う。保守端末18は、保守員による操作を対応管理装置15に送信する。操作情報受付部23は、保守員による操作を受け付ける。リスト管理部25は、操作情報受付部23が指定を受け付けたエレベーター2を、管理対象リストに暫定的に登録する。
また、エレベーター2がホームエレベーターである場合などにおいて、かご6の内部に通話装置10として電話機が設けられることがある。このとき、管理システム12において、当該通話装置10への連絡先が登録されている。通話装置10への連絡先は、例えば当該通話装置10に接続する回線の電話番号などを含む。この場合に、提示部28は、通話装置10への連絡先を管理対象リストの情報とあわせて保守端末18に送信する。保守端末18は、当該エレベーター2に対応するカードの下側において、当該通話装置10への連絡先を表示する。あるいは、当該カードにおいて、連絡先が表示される画面に遷移するためのリンクなどが表示されていてもよい。これにより、保守員は、当該エレベーター2のかご6内への連絡を容易に行うことができるようになる。このため、保守員は、閉じ込めが発生しているか否かを確認するかご6内への連絡を効率よく行えるようになる。
保守員は、保守端末18の表示によって、管理対象リストに登録されたエレベーター2の各々の状況を把握する。これにより、保守員は、自身の位置、ならびに各々のエレベーター2の位置および状況などの情報によって、自身が現場に向かうべきエレベーター2を自発的に判断できるようになる。なお、近隣に複数の保守員がいる場合に、複数の保守員は、互いに連絡を取り合って各々が現場に向かうべきエレベーター2を調整してもよい。
保守員は、各々のエレベーター2の現場に到着した後に、当該エレベーター2の状況に応じて地震後の対応を行う。地震後の対応は、エレベーター2の現状の確認を含む。地震後の対応は、例えば、閉じ込めが発生したエレベーター2における乗客の救出などを含む。地震後の対応は、例えば、運転休止しているエレベーター2の復旧などを含む。地震後の対応は、例えば、自動復旧したエレベーター2の現場確認などを含む。地震後の対応は、例えば、顧客であるエレベーター2の管理者などからの問い合わせもしくは督促などに対する対応、または管理者などへの保守作業の報告などの顧客対応などを含む。
保守員は、保守端末18を通じて、エレベーター2に対して行った対応の内容を経過情報として入力する操作を行う。この例において、経過情報は、エレベーター2を特定する情報を含む。エレベーター2を特定する情報は、例えば保守員によって入力される。あるいは、エレベーター2を特定する情報は、保守端末18の位置情報などに基づいて経過情報に自動的に負荷されてもよい。保守端末18は、保守員による操作を対応管理装置15に送信する。操作情報受付部23は、保守員による操作を受け付ける。リスト管理部25は、入力操作が受け付けられた経過情報に基づいて、当該経過情報に対応するエレベーター2を特定する。リスト管理部25は、当該経過情報を、当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。ここで、経過情報は、例えば閉じ込めの情報、もしくは顧客対応の情報、または物損情報などを含む。物損情報は、例えば物損の有無、物損の対象物品、対象物品の手配状況、および物損への対応が完了したか否かなどの情報を含む。
リスト管理部25は、保守員から保守端末18を通じて経過情報が入力されたエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を確定的な登録とする。なお、保守員は、管理対象リストに暫定的に登録されたエレベーター2が通常運転を行っていることを確認した場合などに、保守端末18を通じて当該エレベーター2の暫定的な登録を解除する操作を行ってもよい。このとき、リスト管理部25は、当該エレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を解除する。
図5において、経過情報が入力されるときの保守端末18の表示の例が示される。
図5において、経過情報として、閉じ込めの情報が入力される。
保守員は、閉じ込めが発生したエレベーター2の現場への到着時刻を入力する。また、保守員は、当該エレベーター2において乗客の救出を行った後に、救出時刻、救出人数、救出区分、救出方法、および救出された乗客の容態の情報などを入力する。ここで入力された情報は、閉じ込めの情報を表す経過情報として、保守端末18を通じて対応管理装置15に送信される。
保守員は、エレベーター2において地震後の対応が完了したときに、例えば遠隔監視装置11を通じて、エレベーター2の復旧を表す復旧情報を対応管理装置15に送信する。この例において、復旧情報は、エレベーター2を特定する情報を含む。
対応管理装置15において、応答情報受付部21が、復旧情報を受け付ける。応答情報受付部21が復旧情報を受け付けるときに、リスト管理部25は、当該復旧情報によって特定されるエレベーター2について、管理対象リストにおける地震後の対応を完了として処理する。エレベーター2について地震後の対応が完了するまでの経過は、複数の経過情報などとして当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録される。管理対象リストに登録された経過は、例えば保守端末18から表示要求を対応管理装置15に送信することで、当該保守端末18において確認することができる。保守端末18から送信される表示要求への応答は、管理対象リスト自体の情報と同様に、例えば提示部28から当該保守端末18に送信される。
図6において、管理システム12における復旧情報の処理の例が示される。
ステップS201において、応答情報受付部21は、いずれかのエレベーター2から復旧情報を受け付けたかを判定する。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ふたたびステップS201に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS202に進む。
ステップS202において、リスト管理部25は、応答情報受付部21が受け付けた復旧情報に基づいて、当該復旧情報を送信したエレベーター2を特定する。リスト管理部25は、特定したエレベーター2が管理対象リストに登録されているかを判定する。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS203に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS204に進む。
ステップS203において、リスト管理部25は、応答情報受付部21が受け付けた復旧情報を、テスト発報または不要発報と判定する。リスト管理部25は、テスト発報または不要発報と判定した復旧情報を、管理対象リストの外部に記憶する。その後、管理システム12における復旧情報の処理は、終了する。
ここで、例えば余震による地震動などによって、一度復旧が完了したエレベーター2から地震動への応答情報がふたたび送信されることがある。このような場合に、同一のエレベーター2の対象管理リストへの登録が複数回行われることがある。リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2について、対象管理リストへの登録が複数回行われているときに、当該復旧情報についての以下の処理を、当該エレベーター2についての最新の登録に対して行う。
ステップS204において、リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2について、物損情報が対象管理リストに登録されているかを判定する。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS205に進む。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS206に進む。
ステップS205において、リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2について、物損情報に基づいて、物損への対応が完了しているかを判定する。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS206に進む。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS208に進む。
ステップS206において、リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2について、地震後の対応が既に完了として処理されているかを判定する。判定結果がNoの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS207に進む。判定結果がYesの場合に、対応管理装置15の処理は、ステップS208に進む。
ステップS207において、リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2について、管理対象リストにおける地震後の対応を完了として処理する。その後、管理システム12における復旧情報の処理は、終了する。
ステップS208において、リスト管理部25は、復旧情報に基づいて特定されたエレベーター2に対応づけて、当該復旧情報の受付を表す情報を経過情報として管理対象リストに登録する。当該エレベーター2について地震後の対応が既に完了している場合に、リスト管理部25は、経過情報を参考情報として管理対象リストに登録してもよい。一方、当該エレベーター2について地震後の対応が完了していない場合に、リスト管理部25は、地震後の対応を完了とせずに経過情報を管理対象リストに登録する。その後、管理システム12における復旧情報の処理は、終了する。
図7において、地震後の対応の経過の表示の例が示される。
保守員は、各々のエレベーター2について地震後の対応の経過を把握しうるように、保守端末18を通じて経過表示要求を対応管理装置15に送信する。この例において、経過表示要求は、エレベーター2を特定する情報を含む。提示部28は、保守端末18から経過表示要求を受け付けるときに、当該経過表示要求に基づいてエレベーター2を特定する。提示部28は、特定されたエレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録されている経過の情報を、経過表示要求への応答として当該保守端末18に送信する。保守端末18は、経過の情報を保守員に表示する。
この例において、応答情報受付部21は、エレベーター2の遠隔監視装置11からの応答情報を時刻07:59に受け付けている。このとき、リスト管理部25は、当該エレベーター2に対応付けて、情報源を表す情報を管理対象リストに登録する。
その後、かご6内の通話装置10を通じて、乗客からの閉じ込めの通報が行われる。当該通報を受け付けたオペレーターは、中央管理装置13に閉じ込めの情報を時刻08:05に入力する。中央管理装置13は、入力された情報を対応管理装置15に出力することで共有する。管理情報受付部24は、中央管理装置13と共有する情報を受け付ける。リスト管理部25は、情報源を表す情報として、オペレーターを特定するID(IDentifier)などの情報を管理対象リストに登録する。
その後、かご6内の通話装置10を通じて、乗客からの音声通話による救出の督促が行われる。当該督促を受け付けたオペレーターは、中央管理装置13に督促があったことを表す情報を時刻08:25に入力する。中央管理装置13は、入力された情報を対応管理装置15に出力することで共有する。管理情報受付部24は、中央管理装置13と共有する情報を受け付ける。リスト管理部25は、情報源を表す情報として、オペレーターを特定するIDなどの情報を管理対象リストに登録する。
その後、保守員による閉じ込めからの救出が行われる。救出を行った保守員は、保守端末18を通じて救出完了を表す経過情報を時刻08:45に入力する。リスト管理部25は、情報源を表す情報として、保守員を特定するIDなどの情報を管理対象リストに登録する。
このように、経過の情報が管理対象リストに登録されるので、対応の履歴が保守端末18を通じて容易に確認できるようになる。
図8において、集計部27による集計の結果の表示の例が示される。
保守員は、管理システム12において管理される複数のエレベーター2について地震後の対応の状況を把握しうるように、保守端末18を通じて集計要求を対応管理装置15に送信する。集計部27は、保守端末18から集計要求を受け付けるときに、管理対象リストに登録されたエレベーター2の集計の処理を開始する。提示部28は、保守端末18から送信された集計要求への応答として集計部27による集計の結果を表す情報を当該保守端末18に送信する。保守端末18は、集計の結果を一覧表などの形式によって保守員に表示する。
この例において、集計部27は、エリアXXX、エリアYYY、エリアZZZなどの予め設定されたエリアについて集計を行う。集計部27は、運転休止したエレベーター2の数、および、そのうちの復旧が完了したエレベーター2の数をエリアごとに集計する。また、集計部27は、例えば管理対象リストに登録されたエレベーター2において発生した閉じ込めの件数、および、そのうちの救出が完了した閉じ込めの件数をエリアごとに集計する。このとき、集計部27は、乗客の有無が不明な閉じ込め、および乗客がいることが確認された閉じ込めの各々について集計を行う。
保守端末18は、集計部27によるエリアごとの集計の結果を、一覧表によって保守員に表示する。これにより、保守員は、地震後の対応の進捗状況を把握できるようになる。
また、エレベーターシステム1において、複数のエレベーター2が地震感知器8を共有していてもよい。また、エレベーターシステム1において、複数のエレベーター2が遠隔監視装置11を共有していてもよい。
また、エレベーターシステム1は、遠隔監視装置11を備えていないエレベーター2を含んでもよい。この場合に、当該エレベーター2からの応答情報は対応管理装置15に入力されない。このため、当該エレベーター2は、まず当該エレベーター2が設けられる地域の地震情報に基づいて、暫定的に管理対象リストに登録される。その後、保守員から保守端末18を通じて入力される経過情報などに基づいて、当該エレベーター2の管理対象リストへの暫定的な登録から確定的な登録への移行などの処理が行われる。また、当該エレベーター2についての復旧情報は、保守端末18を通じて対応管理装置15に入力されてもよい。
なお、管理システム12において、作業管理部は、対応管理装置15、または中央管理装置13に搭載されていてもよい。また、作業判定部22は、中央管理装置13、または作業管理装置14に搭載されていてもよい。
また、管理システム12において、複数の情報センター16が設けられていてもよい。このとき、複数の情報センター16に設けられる装置は、互いを冗長化する構成であってもよい。
以上に説明したように、実施の形態1に係る管理システム12は、応答情報受付部21と、地震情報受付部20と、リスト管理部25と、を備える。応答情報受付部21は、少なくともいずれかのエレベーター2から地震動への応答情報を受け付ける。地震情報受付部20は、少なくともいずれかのエレベーター2が設けられた地域で地震動が発生するときに、当該地震動の地震情報を外部サービス19から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストを記憶する。管理リストは、複数のエレベーター2のうちの少なくともいずれかについて地震後の対応を管理するリストである。リスト管理部25は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2を管理対象リストに確定的に登録する。リスト管理部25は、予め設定された大きさより大きい地震動がいずれかの地域において発生したことを表す地震情報を地震情報受付部20が受け付けるときに、当該地域に設けられたエレベーター2の各々を管理対象リストに暫定的に登録する。
このような構成により、エレベーター2からの応答情報が取得されない場合においても、地震情報に基づいて地震動への応答を行った可能性のあるエレベーター2の各々が管理対象リストにまとめて暫定的に登録される。また、エレベーター2および情報センター16の間に通信障害または通信容量のひっ迫などが生じている場合においても、地震動への応答を行った可能性があるエレベーター2は地震情報に基づいて管理対象リストに暫定的に登録されるようになる。暫定的な登録は対応管理装置15によって自動的に行われるので、管理対象リストにおいて地震後の対応を管理する管理対象のエレベーター2の登録の漏れが生じにくくなる。このため、地震後の対応を行うエレベーター2の保守員の現地への派遣の漏れが生じにくくなる。
また、管理システム12は、問い合わせ部29を備える。問い合わせ部29は、管理対象リストに暫定的に登録されたエレベーター2の各々について運転状態を問い合わせる。リスト管理部25は、問い合わせ部29の問い合わせの結果に基づいて処理を行う。リスト管理部25は、地震動への応答を行っている状態のエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を確定的な登録とする。リスト管理部25は、通常運転を行っている状態のエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を解除する。リスト管理部25は、状態が不明なエレベーター2について、管理対象リストへの暫定的な登録を維持する。
このような構成により、管理システム12は、管理対象リストに暫定的に登録されたエレベーター2についても、地震発生後の問い合わせによって当該エレベーター2の状態を把握できるようになる。これにより、エレベーター2ごとの地震後の対応の要否が明確に把握されるので、地震後の対応の作業効率がより高められる。
また、管理システム12は、操作情報受付部23を備える。操作情報受付部23は、地震後の対応を管理するエレベーター2を指定する保守員の操作を受け付ける。リスト管理部25は、操作情報受付部23が指定を受け付けたエレベーター2を管理対象リストに暫定的に登録する。
このような構成により、エレベーター2ごとの個別の事情などに応じた地震後の対応の管理が行いやすくなる。これにより、地震後の対応の漏れなどが生じにくくなる。
また、管理システム12は、基準記憶部26を備える。基準記憶部26は、各々のエレベーター2について、発生後の対応を管理する地震動の大きさの情報を記憶する。地震情報受付部20は、地震動がいずれかの地域において発生したことを表す地震情報を受け付ける。このときに、リスト管理部25は、当該地域に設けられ、かつ、発生した地震動の大きさが基準記憶部26に記憶されている大きさを超えるエレベーター2の各々を、管理対象リストに暫定的に登録する。
このような構成により、エレベーター2ごとの特性に応じて管理対象リストへの暫定的な登録が行われるようになる。これにより、管理対象リストへの不必要な登録が行われなくなるので、地震後の対応の作業効率がより高められる。
また、実施の形態1に係る管理システム12は、対応管理装置15を備える。対応管理装置15は、中央管理装置13から独立に設けられる。中央管理装置13は、各々のエレベーター2を遠隔監視し、各々のエレベーター2についての通報の情報を受け付ける。対応管理装置15は、応答情報受付部21と、リスト管理部25と、を備える。応答情報受付部21は、少なくともいずれかのエレベーター2から地震動への応答情報を受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストを記憶する。管理リストは、複数のエレベーター2のうちの少なくともいずれかについて地震後の対応を管理するリストである。リスト管理部25は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2を管理対象リストに登録する。
このような構成により、音声通話による通報などの情報、およびエレベーター2からの応答情報は、中央管理装置13および対応管理装置15の間で分散して受け付けられる。これにより、地震発生直後の通信の集中が抑えられる。このため、通信障害の発生が抑えられるようになるので、地震後の対応を行うエレベーター2の保守員の現地への派遣の遅れが生じにくくなる。また、リスト管理部25は、応答情報が受け付けられたエレベーター2を、保守員が地震後の対応の際に参照する管理対象リストに直接登録する。これにより、保守員は、オペレーターからの指示によらずに、管理対象リストを参照して自身が現場に向かうべきエレベーター2を自発的に判断できるようになる。これにより、保守員の現地への到着の遅れがより生じにくくなる。
また、対応管理装置15は、提示部28を備える。提示部28は、保守員が操作する保守端末18から送信された表示要求への応答として、管理対象リストを表す情報を当該保守端末18に送信する。
このような構成により、保守員は、各自が操作する保守端末18から管理対象リストを参照できるようになる。これにより、保守員は、自身が現場に向かうべきエレベーター2の判断をより行いやすくなる。また、管理対象リストの参照において保守端末18は中央管理装置13へのアクセスを必要としないので、中央管理装置13への通信が集中しにくくなる。
また、提示部28は、管理対象リストに登録されたエレベーター2のうち、かご6内への連絡先が登録されたエレベーター2について、当該連絡先の情報を保守端末18に送信する。
このような構成により、保守員は、保守端末18を通じた中央管理装置13などへのアクセスを必要とせずに、当該エレベーター2において閉じ込めが発生しているか否かを確認するかご6内への連絡を効率よく行えるようになる。
また、対応管理装置15は、操作情報受付部23を備える。操作情報受付部23は、複数のエレベーター2のいずれかについての経過情報の入力操作を、保守端末18から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての経過情報の入力操作を操作情報受付部23が受け付けるときに、当該経過情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
また、対応管理装置15は、管理情報受付部24を備える。管理情報受付部24は、いずれかのエレベーター2についての経過情報を中央管理装置13が受け付けるときに、当該経過情報を中央管理装置13から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての経過情報を管理情報受付部24が受け付けるときに、当該経過情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
このような構成により、保守員が地震後の対応の際に参照する管理対象リストに、対応の経過が統合して管理される。これにより、保守員は、対応の経緯を容易に把握できるようになるので、同一のエレベーター2の対応を複数の保守員が行う場合においても、対応の漏れまたは重複が生じにくくなる。これにより、地震後の対応の作業効率がより高められる。
また、操作情報受付部23は、エレベーター2についての閉じ込めの情報の入力操作を保守端末18から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての閉じ込めの情報の入力操作を操作情報受付部23が受け付けるときに、当該閉じ込めの情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
また、管理情報受付部24は、エレベーター2についての閉じ込めの情報を中央管理装置13から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての閉じ込めの情報を管理情報受付部24が受け付けるときに、当該閉じ込めの情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
このような構成により、保守員が地震後の対応の際に参照する管理対象リストに、閉じ込めの情報が統合して管理される。保守員は、閉じ込めの情報を参照して自身が現場に向かうべきエレベーター2の判断を行えるようになるので、緊急性の高い閉じ込めに速やかに対応できるようになる。
また、操作情報受付部23は、エレベーター2についての顧客対応の情報の入力操作を保守端末18から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての顧客対応の情報の入力操作を操作情報受付部23が受け付けるときに、当該顧客対応の情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
また、管理情報受付部24は、エレベーター2についての顧客対応の情報を中央管理装置13から受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての顧客対応の情報を管理情報受付部24が受け付けるときに、当該顧客対応の情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
このような構成により、保守員が地震後の対応の際に参照する管理対象リストに、顧客対応の情報が統合して管理される。保守員は、顧客対応の経緯を容易に把握できるようになるので、顧客対応の漏れまたは重複が生じにくくなる。これにより、地震後の対応の品質がより高められる。
また、対応管理装置15は、集計部27を備える。集計部27は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の集計を行う。提示部28は、保守端末18から送信された集計要求への応答として、集計部27による集計の結果を表す情報を当該保守端末18に送信する。
また、集計部27は、管理対象リストに登録されたエレベーター2を予め設定されたエリアごとに集計する。
このような構成により、保守員は、地震後の対応の進捗状況を容易に把握できるようになる。これにより、保守員は、地震後の対応の応援の要否などをより判断しやすくなる。
また、実施の形態1に係る管理システム12は、応答情報受付部21と、リスト管理部25と、作業管理装置14と、作業判定部22と、を備える。応答情報受付部21は、少なくともいずれかのエレベーター2から地震動への応答情報を受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストを記憶する。管理対象リストは、複数のエレベーター2のうちの少なくともいずれかについて地震後の対応を管理するリストである。リスト管理部25は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2を管理対象リストに登録する。作業管理装置14は、各々のエレベーター2の保守作業の予定を管理する。作業判定部22は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2について保守作業が予定されている時間であるかを、作業管理装置14を参照して判定する。リスト管理部25は、保守作業が予定されている時間であると作業判定部22が判定したエレベーター2について、管理対象リストへの登録を解除する。あるいは、作業判定部22は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2について保守作業が行われているかを、作業管理装置14を参照して判定する。リスト管理部25は、保守作業が行われていると作業判定部22が判定したエレベーター2について、管理対象リストへの登録を解除する。
このような構成により、保守作業などの際に保守員が感知器に誤って接触することなどによる応答情報の誤発報が生じた場合においても、保守作業の有無に基づいて当該発報が誤発報であるか否かが自動的に判定される。これにより、情報センター16などにおける当該発報は誤発報であるか否かの確認の作業が必要とされないので、エレベーター2の管理の効率が低下しにくくなる。
また、管理システム12は、地震情報受付部20を備える。地震情報受付部20は、少なくともいずれかのエレベーター2が設けられた地域で地震動が発生するときに、当該地震動の地震情報を外部サービス19から受け付ける。リスト管理部25は、地震情報受付部20が受け付けた地震情報に基づいて、いずれかの地域について、予め設定された大きさより大きい地震動が発生していないと判定することがある。このとき、リスト管理部25は、当該地域に設けられたエレベーター2について、管理対象リストへの登録を解除する。
このような構成により、地震感知器8などの誤作動、またはエレベーター2の近傍の作業に伴う振動などによる応答情報の誤発報が生じた場合においても、地震情報の有無に基づいて当該発報が誤発報であるか否かが自動的に判定される。これにより、情報センター16などにおける当該発報は誤発報であるか否かの確認の作業が必要とされないので、エレベーター2の管理の効率が低下しにくくなる。
また、実施の形態1に係る管理システム12は、応答情報受付部21と、操作情報受付部23と、リスト管理部25と、を備える。応答情報受付部21は、少なくともいずれかのエレベーター2から地震動への応答情報を受け付ける。応答情報受付部21は、地震動に応答したエレベーター2の当該応答からの復旧を表す復旧情報を受け付ける。操作情報受付部23は、保守員が操作する保守端末18から、いずれかのエレベーター2についての物損情報の入力操作を受け付ける。リスト管理部25は、管理対象リストを記憶する。管理対象リストは、複数のエレベーター2のうちの少なくともいずれかについて地震後の対応を管理するリストである。リスト管理部25は、応答情報受付部21が応答情報を受け付けるときに、当該応答情報を発報したエレベーター2を管理対象リストに登録する。リスト管理部25は、管理対象リストに登録されたエレベーター2についての物損情報の入力操作を操作情報受付部23が受け付けるときに、当該物損情報を当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。応答情報受付部21は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の復旧情報を受け付けることがある。このときに、リスト管理部25は、当該エレベーター2について未復旧の物損が管理対象リストに登録されていない場合に、当該エレベーター2について管理対象リストにおける地震後の対応を完了として処理する。一方、リスト管理部25は、当該エレベーター2について未復旧の物損が管理対象リストに登録されている場合に、当該エレベーター2について管理対象リストにおける地震後の対応の完了を保留する。
いずれかのエレベーター2において、地震動によって物損が生じることがある。物損が生じた場合に、対象の物品の手配などのため、地震後の対応の完了に時間を要する可能性がある。この場合に、応急処置などによって物損が生じたエレベーター2を、運行しうるように仮に復旧することがある。このとき、エレベーター2の復旧情報が情報センター16に送信される場合がある。このとき、管理システム12において、未復旧の物損が管理対象リストに登録されている場合に対応の完了が保留されるので、復旧情報の受信をもって地震後の対応が完了したものと処理されず、地震後の対応に漏れが生じにくくなる。
また、応答情報受付部21は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の復旧情報を受け付けることがある。このときに、リスト管理部25は、当該エレベーター2について未復旧の物損が管理対象リストに登録されている場合に、当該復旧情報の受付を経過情報として当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
このような構成により、復旧情報の受信が管理対象リストに統合して管理されるので、保守員は、当該復旧情報を誤発報として処理すべきか否かを対応の経過に基づいて判断できるようになる。これにより、エレベーター2の地震後の対応の管理がより効率的になる。
また、応答情報受付部21は、管理対象リストに登録されていないエレベーター2の復旧情報を受け付けることがある。このときに、リスト管理部25は、当該復旧情報の受付を管理対象リストの外部に記憶する。
確定的にも暫定的にも管理対象リストに登録されていないエレベーター2からの復旧情報は、誤発報であると判定できる。このような復旧情報が管理対象リストの外部で管理されるので、管理対象リストを参照して行う作業員の判断が妨げられにくくなる。これにより、エレベーター2の地震後の対応の管理がより効率的になる。
また、応答情報受付部21は、管理対象リストに登録されたエレベーター2の復旧情報を受け付けることがある。このときに、リスト管理部25は、当該エレベーター2について管理対象リストにおける地震後の対応が完了している場合に、当該復旧情報の受付を経過情報として当該エレベーター2に対応づけて管理対象リストに登録する。
既に対応が完了したエレベーター2からの復旧情報は、誤発報であると判定できる。復旧情報の受信が管理対象リストに統合して管理されるので、保守員は、当該復旧情報をどのように処理すべきか否かを対応の経過に基づいて事後的に判断できるようになる。
また、応答情報受付部21は、管理対象リストに複数回登録されたエレベーター2の復旧情報を受け付けることがある。このときに、リスト管理部25は、当該エレベーター2についての最新の登録に対して当該復旧情報の受付に対する処理を行う。
このような構成により、余震による地震動などが生じる場合においても、最新のエレベーター2の状態に対して復旧情報の処理が行われる。これにより、地震後の対応の漏れなどが生じにくくなる。
続いて、図9を用いて、管理システム12のハードウェア構成の例について説明する。
図9は、実施の形態1に係る管理システム12の主要部のハードウェア構成図である。
管理システム12の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、管理システム12の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、管理システム12の各機能を実現する。
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
管理システム12の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、管理システム12の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。管理システム12の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで管理システム12の各機能を実現する。
対応管理装置15は、地震による地震動が発生した地域に設けられたエレベーター2の各々について、地震後の対応状況を管理する装置である。対応管理装置15は、例えば情報センター16などに配置される。対応管理装置15は、例えば1つまたは複数のサーバ装置などである。対応管理装置15は、各々のエレベーター2の地震動への応答情報などを通信しうるように、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて各々の遠隔監視装置11から接続される。対応管理装置15は、管理している対応状況の情報を共有しうるように、例えば保守会社のイントラネットなどを通じて中央管理装置13に接続される。対応管理装置15は、外部サービス19からの情報を受け付けうるように、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信網に接続される。外部サービス19は、例えば地震情報を配信する管理システム12の外部のサービスである。外部サービス19は、例えば日本における気象庁もしくは他の国などにおける同様の機関などの公的機関、または民間機関などによって提供される。