JP2022188706A - 人力駆動車用の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディレーラによる変速動作を好適に行える人力駆動車用の制御装置を提供する。【解決手段】人力駆動車は、クランク軸と、第1回転体と、車輪と、第2回転体と、第1回転体と第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、ディレーラと、伝達体を駆動するように構成されるモータと、操作装置と、を含む。人力駆動車用の制御装置は、伝達体を駆動するようにモータを制御し、変速比率を変更するために伝達体を操作するようにディレーラを制御する、変速制御を行うように構成される制御部を備え、制御部は、操作装置の操作に応じて、ディレーラが変速比率を変更するために伝達体を操作するマニュアル変速モードを含む制御モードにおいて機能するように構成され、マニュアル変速モードにおいて、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、変速制御を行うように構成される。【選択図】図4
Description
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、伝達体を駆動するように構成されるモータを制御するように構成される。特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、クランク軸の回転が停止している場合に、モータによって伝達体を駆動し、ディレーラによって伝達体を操作することにより変速比率を変更する変速動作を行うことができるように構成される。ディレーラは変速比率を変更するために伝達体を操作するように構成される。
本開示の目的の1つは、ディレーラによる変速動作を好適に行える人力駆動車用の制御装置を提供することである。
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレーラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、前記人力駆動車のライダが操作可能な操作装置と、を含み、前記伝達体を駆動するように前記モータを制御し、前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように前記ディレーラを制御する、変速制御を行うように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記操作装置の操作に応じて、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するマニュアル変速モードを含む制御モードにおいて機能するように構成され、前記マニュアル変速モードにおいて、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、前記変速制御を行うように構成され、前記第1条件は、前記人力駆動力が第1駆動力以下の場合、前記クランク軸の回転速度が第1回転速度以下の場合、および、前記クランク軸が揺動している場合、の少なくとも1つの場合に満たされる。
第1側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、変速制御を行うことができる。このため、ディレーラによる変速動作を好適に行える。
第1側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、変速制御を行うことができる。このため、ディレーラによる変速動作を好適に行える。
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて前記第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作に応じて前記変速制御を実行するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、操作装置の操作に応じて変速制御を実行できる。
第2側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、操作装置の操作に応じて変速制御を実行できる。
本開示の第1側面に従う第3側面の制御装置において、前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて前記第1条件に加えて第2条件または第3条件が満たされる場合、前記操作装置の操作によらず前記変速制御を実行するように構成され、前記第2条件および前記第3条件は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに関する条件である。
第3側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、かつ、人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに関する条件に応じて、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
第3側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、かつ、人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに関する条件に応じて、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
本開示の第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記第2条件は、前記人力駆動車の走行路が上り坂から下り坂に変化する場合、前記人力駆動車が下り坂を走行する場合、および、前記人力駆動車の加速度が第1加速度以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされ、前記制御部は、前記第1条件および前記第2条件が満たされる場合、前記変速制御において前記変速比率を大きくするように構成される。
第4側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合において、人力駆動車の走行路が上り坂から下り坂に変化する場合、人力駆動車が下り坂を走行する場合、および、人力駆動車の加速度が第1加速度以上の場合の少なくとも1つの場合が満たされる場合に、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
第4側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合において、人力駆動車の走行路が上り坂から下り坂に変化する場合、人力駆動車が下り坂を走行する場合、および、人力駆動車の加速度が第1加速度以上の場合の少なくとも1つの場合が満たされる場合に、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
本開示の第3側面に従う第5側面の制御装置において、前記第3条件は、前記人力駆動車の走行路が下り坂から上り坂に変化する場合、前記人力駆動車の車速が第1車速以下の場合、および、前記人力駆動車の減速度が第1減速度以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされ、前記制御部は、前記第1条件および前記第3条件が満たされる場合、前記変速制御において前記変速比率を小さくするように構成される。
第5側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合において、人力駆動車の走行路が下り坂から上り坂に変化する場合、人力駆動車の車速が第1車速以下の場合、および、人力駆動車の減速度が第1減速度以上の場合の少なくとも1つの場合が満たされる場合に、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
第5側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合において、人力駆動車の走行路が下り坂から上り坂に変化する場合、人力駆動車の車速が第1車速以下の場合、および、人力駆動車の減速度が第1減速度以上の場合の少なくとも1つの場合が満たされる場合に、操作装置の操作によらず変速制御を実行できる。
本開示の第6側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレーラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、前記人力駆動車のライダが操作可能な操作装置と、を含み、前記伝達体を駆動するように前記モータを制御し、前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように前記ディレーラを制御する、変速制御を行うように構成される制御部を備え、前記制御部は、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作に応じて前記変速制御を行う第1制御モードと、前記第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作によらず前記変速制御を行う第2制御モードと、を含む制御モードにおいて機能するように構成され、前記第1条件は、前記人力駆動力が第1駆動力以下の場合、前記クランク軸の回転速度が第1回転速度以下の場合、および、前記クランク軸が揺動している場合、の少なくとも1つの場合に満たされる。
第6側面の制御装置によれば、第1条件が満たされる場合、第1制御モード、および、第2制御モードのいずれかにおいて変速制御を行うことができる。このため、ディレーラによる変速動作を好適に行える。
第6側面の制御装置によれば、第1条件が満たされる場合、第1制御モード、および、第2制御モードのいずれかにおいて変速制御を行うことができる。このため、ディレーラによる変速動作を好適に行える。
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記人力駆動車は、制御モード切替装置をさらに含み、前記制御部は、前記ライダによる前記制御モード切替装置の操作に応じて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される。
第7側面の制御装置によれば、ライダによる制御モード切替装置の操作に応じて、前記制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、ライダが制御モードを選択できる。
第7側面の制御装置によれば、ライダによる制御モード切替装置の操作に応じて、前記制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、ライダが制御モードを選択できる。
本開示の第6または7側面に従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置の操作に応じて、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するマニュアル変速モードと、前記操作装置の操作によらず、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するオート変速モードと、を含む変速モードにおいて機能するように構成される。
第8側面の制御装置によれば、マニュアル変速モード、および、オート変速モードのいずれかにおいてディレーラを制御できる。
第8側面の制御装置によれば、マニュアル変速モード、および、オート変速モードのいずれかにおいてディレーラを制御できる。
本開示の第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記人力駆動車は、変速モード切替装置をさらに含み、前記制御部は、前記ライダによる前記変速モード切替装置の操作に応じて、前記マニュアル変速モードと、前記オート変速モードと、を切り替え可能に構成される。
第9側面の制御装置によれば、ライダによる変速モード切替装置の操作に応じて、マニュアル変速モードと、オート変速モードと、を切り替えできる。このため、ライダが変速モードを選択できる。
第9側面の制御装置によれば、ライダによる変速モード切替装置の操作に応じて、マニュアル変速モードと、オート変速モードと、を切り替えできる。このため、ライダが変速モードを選択できる。
本開示の第8または9側面に従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される。
第10側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、マニュアル変速モードにおいて、ライダが制御モードを選択できる。
第10側面の制御装置によれば、マニュアル変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、マニュアル変速モードにおいて、ライダが制御モードを選択できる。
本開示の第8から10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記制御部は、前記オート変速モードにおいて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される。
第11側面の制御装置によれば、オート変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、オート変速モードにおいて、ライダが制御モードを選択できる。
第11側面の制御装置によれば、オート変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替えできる。このため、オート変速モードにおいて、ライダが制御モードを選択できる。
本開示の第6から11側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記人力駆動車は、インタフェースをさらに含み、前記制御部は、前記制御モードを表示させるように前記インタフェースを制御する。
第12側面の制御装置によれば、制御モードを表示させるようにインタフェースを制御するため、ライダが第1制御モード、および、第2制御モードのいずれかの制御モードが選択されているかを把握できる。
第12側面の制御装置によれば、制御モードを表示させるようにインタフェースを制御するため、ライダが第1制御モード、および、第2制御モードのいずれかの制御モードが選択されているかを把握できる。
本開示の人力駆動車用の制御装置は、ディレーラによる変速動作を好適に行える。
<第1実施形態>
図1から図6を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の制御装置70を説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力Hによって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力Hだけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(e-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車、かつ、マウンテンバイクとして説明する。
図1から図6を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の制御装置70を説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力Hによって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力Hだけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(e-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車、かつ、マウンテンバイクとして説明する。
人力駆動車10は、クランク軸12と、第1回転体14と、車輪16と、第2回転体18と、伝達体20と、ディレーラ22と、モータ24と、を含む。人力駆動車10は、一対のクランクアーム26をさらに含む。クランク軸12およびクランクアーム26は、クランク28を構成する。クランク軸12には、人力駆動力Hが入力される。人力駆動車10は、車体30をさらに含む。車輪16は、後輪16Rと、前輪16Fと、を含む。車体30は、フレーム32を含む。クランク28は、フレーム32に対して回転可能である。一対のクランクアーム26は、第1クランクアーム26Aおよび第2クランクアーム26Bを含む。第1クランクアーム26Aは、クランク軸12の軸方向の一端部に設けられる。第2クランクアーム26Bは、クランク軸12の軸方向の他端部に設けられる。人力駆動車10は、ペダル34をさらに含む。人力駆動車10は、クランク軸12と連結する第1ペダル34Aおよび第2ペダル34Bと、を備える。ペダル34は、第1ペダル34Aおよび第2ペダル34Bを含む。第1クランクアーム26Aには、第1ペダル34Aが連結される。第2クランクアーム26Bには、第2ペダル34Bが連結される。後輪16Rは、クランク28が回転することによって駆動される。後輪16Rは、フレーム32に支持される。クランク28と後輪16Rとは、駆動機構36によって連結される。
駆動機構36は、第1回転体14、第2回転体18、および、伝達体20を含む。第1回転体14は、クランク軸12に接続される。第2回転体18は、車輪16に接続される。伝達体20は、第1回転体14および第2回転体18に係合して第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される。伝達体20は、第1回転体14の回転力を第2回転体18に伝達する。本実施形態では、第1回転体14と、クランク軸12とは、同軸に配置されるが、第1回転体14と、クランク軸12とは、同軸に配置されなくてもよい。第1回転体14と、クランク軸12とが、同軸に配置されない場合、第1回転体14と、クランク軸12とは、ギア、プーリ、チェーン、シャフト、および、ベルトの少なくとも1つを含む第1伝達機構を介して、接続される。本実施形態では、第2回転体18と、後輪16Rとは、同軸に配置されるが、第2回転体18と、後輪16Rとは、同軸に配置されなくてもよい。第2回転体18と、後輪16Rとが、同軸に配置されない場合、第2回転体18と、後輪16Rとは、ギア、プーリ、チェーン、シャフト、および、ベルトの少なくとも1つを含む第2伝達機構を介して、接続される。
フレーム32には、フロントフォーク38を介して前輪16Fが取り付けられる。フロントフォーク38には、ハンドルバー42がステム40を介して連結される。本実施形態では、後輪16Rが駆動機構36によってクランク28に連結されるが、後輪16Rおよび前輪16Fの少なくとも1つが、駆動機構36によってクランク28に連結されてもよい。
ディレーラ22は、クランク軸12の回転速度Cに対する車輪16の回転速度Wの変速比率Rを変更するために伝達体20を操作するように構成される。変速比率Rと、回転速度Wと、回転速度Cとの関係は、式(1)によって表される。例えば、ディレーラ22は、変速比率Rを段階的に変更可能である。例えば、ディレーラ22は変速段数を変更するために伝達体20を操作するように構成される。変速段数の数は、例えば、ディレーラ22がリアディレーラを含む場合、リアスプロケットの数と等しい。例えば、リアスプロケットの数が複数の場合、それぞれの変速段数には、異なる変速比率Rが設定される。歯数が最小のリアスプロケットは、最大の変速段数と対応する。歯数が最大のリアスプロケットは、最小の変速段数と対応する。変速段数が高くなるほど、変速比率Rは大きくなる。
式(1):変速比率R=回転速度W/回転速度C
式(1):変速比率R=回転速度W/回転速度C
ディレーラ22は、例えばフロントディレーラおよびリアディレーラの少なくとも1つを含む。ディレーラ22がリアディレーラを含む場合、第1回転体14は、少なくとも1つのスプロケットを含み、第2回転体18は、複数のスプロケットを含み、伝達体20は、チェーンを含む。ディレーラ22がリアディレーラを含む場合、ディレーラ22は、第2回転体18に含まれる複数のスプロケットのうちの1つに係合するチェーンを、複数のスプロケットのうちの他の1つに移動させる。ディレーラ22がフロントディレーラを含む場合、第1回転体14は、複数のスプロケットを含み、第2回転体18は、少なくとも1つのスプロケットを含み、伝達体20は、チェーンを含む。ディレーラ22がフロントディレーラを含む場合、ディレーラ22は、第1回転体14に含まれる複数のスプロケットのうちの1つに係合するチェーンを、複数のスプロケットのうちの他の1つに移動させる。ディレーラ22は、伝達体20を操作して、第1回転体14および第2回転体18の少なくとも1つと伝達体20と係合状態を変更することによって変速比率Rを変更させる。
第1回転体14および第2回転体18は、ギアボックスに設けられてもよい。ギアボックスは、例えば、クランク軸12の近傍に設けられる。第1回転体14および第2回転体18がギアボックスに設けられる場合、第1回転体14および第2回転体18の少なくとも1つは複数のスプロケットを含み、ディレーラ22はギアボックスに設けられて、第1回転体14および第2回転体18の少なくとも1つと伝達体20との係合状態を変更するように構成される。
人力駆動車10は、人力駆動車10のライダが操作可能な操作装置44を含む。例えば、操作装置44は、ディレーラ22を操作するように構成される。操作装置44は、例えば、ハンドルバー42に設けられる。操作装置44は、ユーザの指を含む手などによって、操作されるように構成される。操作装置44は、少なくとも第1操作部44Aおよび第2操作部44Bを含む。
第1操作部44Aおよび第2操作部44Bは、例えば、ボタンスイッチまたはレバースイッチを含む。第1操作部44Aおよび第2操作部44Bは、ユーザが操作することによって、少なくとも2つの状態の間を遷移する構成であれば、ボタンスイッチまたはレバースイッチに限らず、どのような構成であってもよい。
第1操作部44Aおよび第2操作部44Bは、ディレーラ22を操作するように構成される。操作装置44は、ユーザの操作に応じて変速操作信号を制御装置70の制御部72に出力する。操作装置44は、第1操作部44Aおよび第2操作部44Bに加えて、または、代えて、ディレーラ22を除く人力駆動車用のコンポーネントを操作するように構成される第3操作部を含んでいてもよい。人力駆動車用のコンポーネントは、例えば、インタフェース46、サスペンション装置、アジャスタブルシートポスト装置、ランプ、または、ドライブユニット48の少なくとも1つを含む。変速操作信号は、例えば、変速比率Rを大きくするようにディレーラ22を操作する変速指示を含む第1操作信号、および、変速比率Rを小さくするようにディレーラ22を操作する変速指示を含む第2操作信号を含む。
操作装置44は、第1操作部44Aが操作されると、第1操作信号を出力し、第2操作部44Bが操作されると、第2操作信号を出力する。本実施形態では、第1操作部44Aおよび第2操作部44Bによって、リアディレーラが操作される。第1操作部44Aおよび第2操作部44Bによって、フロントディレーラが操作されてもよい。第1操作部44Aおよび第2操作部44Bによって、リアディレーラとフロントディレーラとの両方が操作されてもよい。操作装置44は、第1操作部44Aおよび第2操作部44Bに加えて、さらに第4操作部および第5操作部を含んでいてもよい。第4操作部および第5操作部は、例えば、第1操作部44Aおよび第2操作部44Bと同様に構成される。第1操作部44Aおよび第2操作部44Bと、第4操作部および第5操作部との一方によって、リアディレーラが操作され、第1操作部44Aおよび第2操作部44Bと、第4操作部および第5操作部との他方によって、フロントディレーラが操作されてもよい。
例えば、人力駆動車10は、インタフェース46をさらに含む。インタフェース46は、例えば、サイクルコンピュータ、および、スマートフォンのいずれか1つを含む。インタフェース46は、例えば、人力駆動車10に着脱不能に取り付けられる。インタフェース46は、人力駆動車10に着脱可能に取り付けられてもよい。
例えば、人力駆動車10は、ディレーラ22を操作するように構成される電動アクチュエータ50をさらに含む。電動アクチュエータ50は、例えば、電気モータを含む。電動アクチュエータ50は、例えば、電気モータの出力軸に連結される減速機をさらに含んでいてもよい。電動アクチュエータ50は、ディレーラ22に設けられてもよく、人力駆動車10のうちのディレーラ22から離れた位置に設けられてもよい。電動アクチュエータ50が駆動することによってディレーラ22が伝達体20を操作し、変速動作が行われる。ディレーラ22は、例えば、ベース部材と、移動部材と、移動部材をベース部材に対して移動可能に連結するリンク部材と、を含む。移動部材は、連結部材をガイドするガイド部材を含む。ガイド部材は、例えば、ガイドプレートと、プーリと、を含む。電動アクチュエータ50は、例えば、リンク部材を直接駆動してもよい。電動アクチュエータ50は、ケーブルを介して、リンク部材を駆動してもよい。
例えば、人力駆動車10は、バッテリ52をさらに含む。バッテリ52は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ52は、制御装置70に電力を供給するように構成される。例えば、バッテリ52は、電動アクチュエータ50にも電力を供給するように構成される。バッテリ52は、例えば、制御装置70の制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ52は、例えば電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部72と通信可能である。
モータ24は、伝達体20を駆動するように構成される。例えば、モータ24は、人力駆動力Hに応じて、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ24は、1または複数の電気モータを含む。モータ24に含まれる電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。モータ24は、ペダル34から第2回転体18までの人力駆動力Hの動力伝達経路に回転力を伝達するように構成される。本実施形態では、モータ24は、人力駆動車10のフレーム32に設けられ、第1回転体14に回転力を伝達するように構成される。モータ24は、第1回転体14を介して伝達体20を駆動する。人力駆動車10は、モータ24が設けられるハウジング54をさらに含む。モータ24およびハウジング54を含んで、ドライブユニット48が構成される。ハウジング54は、フレーム32に取り付けられる。ハウジング54は、クランク軸12を回転可能に支持する。モータ24は、例えば、第1回転体14を介さずに、伝達体20に回転力を伝達するように構成されてもよい。この場合、例えば、モータ24の出力軸または出力軸の力が伝達される伝達部材に伝達体20と係合するスプロケットが設けられる。
モータ24と人力駆動力Hの動力伝達経路との間には、減速機56が設けられてもよい。減速機56は、例えば、複数の歯車を含んで構成される。モータ24と人力駆動力Hの動力伝達経路との間には、例えば、クランク軸12を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク28の回転力がモータ24に伝達することを抑制するように第3ワンウェイクラッチ58が設けられてもよい。第3ワンウェイクラッチ58は、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。
ドライブユニット48は、出力部60を含む。出力部60は、例えば、クランク軸12に連結され、かつ、減速機56に連結される。出力部60には、人力駆動力Hとモータ24の出力とが入力される。第1回転体14は、出力部60と一体回転するように出力部60に連結される。
例えば、動力伝達システム62は、制御装置70と、第1ワンウェイクラッチ64を含む。第1ワンウェイクラッチ64は、クランク軸12と第1回転体14との間の第1動力伝達経路に設けられ、クランク軸12から第1回転体14に第1回転方向への回転力を伝達し、第1回転体14からクランク軸12に第1回転方向への回転力の伝達を抑制するように構成される。第1ワンウェイクラッチ64は、クランク28が前転した場合に、第1回転体14を前転させ、クランク28が後転した場合に、クランク28と第1回転体14との相対回転を許容するように構成される。第1ワンウェイクラッチ64は、例えば、ドライブユニット48のハウジング54に設けられる。第1ワンウェイクラッチ64は、例えば、クランク軸12と出力部60との間に設けられる。第1ワンウェイクラッチ64は、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。
クランク軸12と第1回転体14とは、一体回転するように連結されてもよい。クランク軸12と第1回転体14とが一体回転するように連結される場合、第1ワンウェイクラッチ64は省略される。
例えば、動力伝達システム62は、第2ワンウェイクラッチ66をさらに含む。第2ワンウェイクラッチ66は、第2回転体18と車輪16との間の第2動力伝達経路に設けられ、第2回転体18から車輪16に、第1回転方向に対応する第2回転方向への回転力を伝達し、車輪16から第2回転体18に第2回転方向への回転力の伝達を抑制するように構成される。第2ワンウェイクラッチ66は、第2回転体18が前転した場合に、後輪16Rを前転させ、第2回転体18が後転した場合に、第2回転体18と後輪16Rとの相対回転を許容するように構成される。第2ワンウェイクラッチ66は、例えば、後輪16Rのハブ軸に設けられる。第2ワンウェイクラッチ66は、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。
第2回転体18と後輪16Rとは、一体回転するように連結されてもよい。第2回転体18と後輪16Rとが一体回転するように連結される場合、第2ワンウェイクラッチ66は省略される。
例えば、動力伝達システム62は、蓄電装置をさらに含む。蓄電装置は、モータ24によって発電した電力を蓄電するように構成される。例えば、制御部72は、蓄電装置の電力を用いてモータ24を制御するように構成される。蓄電装置は、バッテリ52を含んでいてもよく、バッテリ52とは別のバッテリを含んでいてもよく、キャパシタを含んでいてもよい。蓄電装置は、例えば、ドライブユニット48のハウジング54に設けられる。
制御装置70は、制御部72を備える。制御部72は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部72に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部72に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。例えば、演算処理装置の一部は、人力駆動車10に設けられ、演算処理装置の他の一部は、インターネットに接続されるサーバに設けられてもよい。演算処理装置が、相互に離れた複数の場所に設けられる場合、演算処理装置の各部分は、無線通信装置を介して相互に通信可能に接続される。制御部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
例えば、制御装置70は、記憶部74をさらに含む。記憶部74には、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
制御装置70は、例えば、モータ24の駆動回路76をさらに備える。駆動回路76と、制御部72とは、例えば、ドライブユニット48のハウジング54に設けられる。駆動回路76と、制御部72とは、例えば同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路76は、インバータ回路を含む。駆動回路76は、バッテリ52からモータ24に供給される電力を制御する。駆動回路76は、制御部72と、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。駆動回路76は、制御部72からの制御信号に応じてモータ24を駆動させる。
例えば、制御装置70は、車速センサ78、クランク回転センサ80、および、人力駆動力検出部82をさらに含む。
車速センサ78は、人力駆動車10の車輪16の回転速度Wに応じた情報を検出するように構成される。車速センサ78は、例えば、人力駆動車10の車輪16に設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ78は、例えば、車輪16が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速センサ78は、車輪16の回転速度Wに応じた信号を出力する。制御部72は、車輪16の回転速度Wに基づいて人力駆動車10の車速Vを演算できる。車速Vは、車輪16の回転速度Wと、車輪16の周長に関する情報とに基づいて演算できる。車輪16の周長に関する情報は、記憶部74に記憶される。
車速センサ78は、例えば、リードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子を含む。車速センサ78は、人力駆動車10のフレーム32のチェーンステイに取り付けられ、後輪16Rに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク38に設けられ、前輪16Fに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。本実施形態において、車速センサ78は、車輪16が一回転した場合に、リードスイッチが磁石を1回検出するように構成される。車速センサ78は、人力駆動車10の車輪16の回転速度Wに応じた情報を検出することができれば、どのような構成であってもよく、例えば光学センサ、または、加速度センサなどを含んでいてもよい。車速センサ78は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部72に接続される。
クランク回転センサ80は、人力駆動車10のクランク軸12の回転速度Cに応じた情報を検出するように構成される。クランク回転センサ80は、例えば、人力駆動車10のフレーム32またはドライブユニット48に設けられる。クランク回転センサ80は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸12、クランク軸12に連動して回転する部材、または、クランク軸12から第1回転体14までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク軸12に連動して回転する部材は、モータ24の出力軸であってもよい。クランク回転センサ80は、クランク軸12の回転速度Cに応じた信号を出力する。
磁石は、クランク軸12から第1回転体14までの人力駆動力Hの動力伝達経路において、クランク軸12と一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、クランク軸12と第1回転体14との間に第1ワンウェイクラッチ64が設けられない場合、磁石は、第1回転体14に設けられてもよい。クランク回転センサ80は、人力駆動車10のクランク軸12の回転速度Cに応じた情報を検出することができれば、どのような構成であってもよく、磁気センサに代えて、例えば光学センサ、加速度センサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。クランク回転センサ80は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部72に接続される。
人力駆動力検出部82は、人力駆動力Hに関する情報を検出するように構成される。人力駆動力検出部82は、例えば、人力駆動車10のフレーム32、ドライブユニット48、クランク28、または、ペダル34に設けられる。人力駆動力検出部82は、ドライブユニット48のハウジング54に設けられてもよい。人力駆動力検出部82は、例えば、トルクセンサを含む。トルクセンサは、人力駆動力Hによってクランク28に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサは、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチ64が設けられる場合、例えば、第1ワンウェイクラッチ64よりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。
トルクセンサは、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸12、クランク軸12と第1回転体14との間において人力駆動力Hを伝達する部材、クランクアーム26、または、ペダル34である。人力駆動力検出部82は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部72に接続される。人力駆動力検出部82は、人力駆動力Hに関する情報を取得できればどのような構成であってもよく、例えば、ペダル34に与えられる圧力を検出するセンサ、または、チェーンの張力を検出するセンサなどを含んでいてもよい。
制御部72は、モータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、モータ24によるアシストレベルALが、予め定めるアシストレベルALになるようにモータ24を制御するように構成される。例えば、アシストレベルALは、人力駆動車10に入力される人力駆動力Hに対するモータ24の出力の比率、モータ24の出力の最大値、および、モータ24の出力が低下する場合におけるモータ24の出力変動の抑制レベルLの少なくとも1つを含む。人力駆動力Hに対するモータ24によるアシスト力の比率を、アシスト比率と記載する場合がある。制御部72は、例えば、人力駆動力Hに対して、モータ24によるアシスト力が予め定める比率になるように、モータ24を制御するように構成される。人力駆動力Hは、ライダがクランク軸12を回転させることによって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。アシスト力は、モータ24が回転によって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。予め定める比率は、一定ではなく、例えば、人力駆動力Hに応じて変化してもよい。予め定める比率は、一定ではなく、例えば、クランク軸12の回転速度Cに応じて変化してもよい。予め定める比率は、一定ではなく、例えば、車速Vに応じて変化してもよい。予め定める比率は、一定ではなく、例えば、人力駆動力H、クランク軸12の回転速度C、および、車速Vのうちのいずれか2つ、または、全てに応じて変化してもよい。
人力駆動力Hおよびアシスト力をトルクによって表わす場合、人力駆動力Hを人力トルクHTと記載し、アシスト力をアシストトルクMTと記載する。人力駆動力Hおよびアシスト力を仕事率によって表わす場合、人力駆動力Hを人力仕事率HWと記載し、アシスト力をアシスト仕事率MWと記載する。比率は、人力駆動車10の人力トルクHTに対するアシストトルクMTのトルク比率であってもよく、人力仕事率HWに対するモータ24によるアシスト仕事率MWの比率であってもよい。
本実施形態のドライブユニット48では、クランク軸12が変速機を介さずに第1回転体14に接続され、かつ、モータ24の出力が第1回転体14に入力される。クランク軸12が変速機を介さずに第1回転体14に接続され、かつ、モータ24の出力が第1回転体14に入力される場合、人力駆動力Hは、ユーザがクランク軸12を回転させることによって第1回転体14に入力される駆動力に対応する。クランク軸12が変速機を介さずに第1回転体14に接続され、かつ、モータ24の出力が第1回転体14に入力される場合、アシスト力は、モータ24が回転することによって第1回転体14に入力される駆動力に対応する。モータ24の出力が減速機56を介して第1回転体14に入力される場合は、アシスト力は、減速機56の出力に対応する。
後輪16Rにモータ24が設けられる場合、人力駆動力Hは、ライダのみによって駆動される後輪16Rの出力に対応する。後輪16Rにモータ24が設けられる場合、アシスト力は、モータ24のみによって駆動される後輪16Rの出力に対応する。前輪16Fにモータ24が設けられる場合、人力駆動力Hは、ライダのみによって駆動される後輪16Rの出力に対応する。前輪16Fにモータ24が設けられる場合、アシスト力は、モータ24のみによって駆動される前輪16Fの出力に対応する。
制御部72は、アシスト力が最大値MX以下になるようにモータ24を制御するように構成される。モータ24の出力が第1回転体14に入力され、かつ、アシスト力がトルクによって表される場合、制御部72は、アシストトルクMTが最大値MTX以下になるようにモータ24を制御するように構成される。例えば、最大値MTXは、20Nm以上200Nm以下の範囲の値である。最大値MTXは、例えば、モータ24の出力特性によって決定される。モータ24の出力が第1回転体14に入力され、かつ、アシスト力が仕事率によって表される場合、制御部72は、アシスト仕事率MWが最大値MWX以下になるようにモータ24を制御するように構成される。
例えば、制御部72は、モータ24の出力変動の抑制レベルLを変更可能に構成される。モータ24の出力変動の抑制レベルLが大きくなるほど、モータ24の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ24の出力の単位時間当たりの変化量が減少する。モータ24の出力変動の抑制レベルLが小さくなるほど、モータ24の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ24の出力の単位時間当たりの変化量が増加する。モータ24の制御パラメータは、人力駆動力Hまたはクランク軸12の回転速度Cである。モータ24の出力変動の抑制レベルLは、モータ24の応答速度に反比例する。モータ24の応答速度は、モータ24の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ24の出力の単位時間当たりの変化量によって表される。モータ24の出力変動の抑制レベルLが増加すると、モータ24の応答速度は減少する。
制御部72は、例えば、フィルタによって抑制レベルLを変更する。フィルタは、例えば、時定数を有するローパスフィルタを含む。制御部72は、フィルタの時定数を変更することによって抑制レベルLを変更する。制御部72は、人力駆動力Hからモータ24の出力を演算するためのゲインを変更することによって抑制レベルLを変更するようにしてもよい。フィルタは、例えば、演算処理装置において予め定めるソフトウェアを実行することによって構成される。
例えば、制御部72は、電動アクチュエータ50を制御するように構成される。制御部72は、変速比率Rを変更するための変速制御信号を電動アクチュエータ50に出力する。電動アクチュエータ50は、変速制御信号が入力された場合、ディレーラ22を操作するように動作する。変速制御信号は、例えば、電動アクチュエータ50を駆動させるための電力を含む。例えば、変速制御信号は、電動アクチュエータ50が、変速比率Rを大きくするようにディレーラ22を操作する変速指示を含む第1変速制御信号と、変速比率Rを小さくするようにディレーラ22を操作する変速指示を含む第2変速制御信号とを含む。
制御部72は、伝達体20を駆動するようにモータ24を制御し、変速比率Rを変更するために伝達体20を操作するようにディレーラ22を制御する、変速制御を行うように構成される。制御部72は、電動アクチュエータ50を制御することによって、ディレーラ22によって伝達体20を操作させるように構成される。
例えば、制御部72は、マニュアル変速モードと、オート変速モードと、を含む変速モードにおいて機能するように構成される。マニュアル変速モードは、操作装置44の操作に応じて、ディレーラ22が変速比率Rを変更するために伝達体20を操作するように構成される。例えば、制御部72は、マニュアル変速モードにおいて、操作装置44が操作される場合、変速比率Rを変更するためにディレーラ22が動作するように電動アクチュエータ50を制御するように構成される。マニュアル変速モード、および、オート変速モードは、それぞれ、ペダリングを伴う走行時における変速モードを意味する。
オート変速モードは、ディレーラ22が変速比率Rを変更するために伝達体20を操作するように構成される。例えば、制御部72は、オート変速モードにおいて、変速条件が成立する場合、変速比率Rを変更するためにディレーラ22が動作するように電動アクチュエータ50を制御するように構成される。制御部72は、オート変速モードにおいて、変速条件が成立する場合に加えて、操作装置44の操作に応じてディレーラ22が変速比率Rを変更するために伝達体20を操作するように構成されてもよい。
制御部72は、変速比率Rを大きくするための変速条件が成立する場合、第1変速制御信号を電動アクチュエータ50に送信する。電動アクチュエータ50は、第1変速制御信号によって変速比率Rを大きくするようにディレーラ22を操作する。制御部72は、変速比率Rを小さくするための変速条件が成立する場合、第2変速制御信号を電動アクチュエータ50に送信する。電動アクチュエータ50は、第2変速制御信号によって変速比率Rを小さくするようにディレーラ22を操作する。
例えば、変速条件は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する。変速条件は、例えば、クランク軸12の回転速度C、車速V、人力駆動力H、および、人力駆動車10の走行路の勾配の少なくとも1つに関する。例えば、変速条件は、クランク軸12の回転速度Cが所定範囲内から所定範囲外になった場合に満たされる。
制御部72は、マニュアル変速モードにおいて、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、変速制御を行うように構成される。第1条件は、人力駆動力Hが第1駆動力H1以下の場合、クランク軸12の回転速度Cが第1回転速度RV1以下の場合、および、クランク軸12が揺動している場合、の少なくとも1つの場合に満たされる。クランク軸12が揺動している場合は、クランク軸12が完全に停止しておらず、かつ、クランク軸12の回転角度CAが予め定める角度範囲内に維持される場合を含む。予め定める角度範囲は、例えば、1度以上、20度以下である。例えば、第1駆動力H1は、実質的に0Nmである。第1駆動力H1は、クランク軸12の回転の停止を判定可能な値が設定される。例えば、第1回転速度RV1は、実質的に0rpmである。第1回転速度RV1は、クランク軸12の回転の停止を判定可能な値が設定される。
例えば、制御部72は、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、操作装置44の操作に応じて変速制御を実行するように構成される。制御部72は、オート変速モードにおいて第1条件が満たされる場合、操作装置44の操作に応じて変速制御を実行するように構成されてもよい。
例えば、制御部72は、第1条件が満たされる場合、変速制御において、人力駆動車10にアシスト力を付与しないように、伝達体20を駆動するようにモータ24を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第1条件が満たされる場合、変速制御において、モータ24の駆動力が後輪16Rに伝達されないように、モータ24に伝達体20を駆動させるように構成される。例えば、制御部72は、第1条件が満たされる場合、変速制御において、モータ24によって後輪16Rが回転しないように、モータ24を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第1条件が満たされる場合、第2回転体18の回転速度が後輪16Rの回転速度以下になるようにモータ24を制御するように構成される。制御部72は、第1条件が満たされる場合、記憶部74に予め記憶されるモータ24の回転速度Mまたは回転トルクに関する情報に応じて、人力駆動車10にアシスト力を付与しないようにモータ24を制御してもよい。
例えば、人力駆動車10は、変速モード切替装置68をさらに含む。制御部72は、ライダによる変速モード切替装置68の操作に応じて、マニュアル変速モードと、オート変速モードと、を切り替え可能に構成される。
変速モード切替装置68は、例えば、ボタンスイッチまたはレバースイッチを含む。変速モード切替装置68は、ボタンスイッチまたはレバースイッチに限らず、どのような構成であってもよい。変速モード切替装置68は、サイクルコンピュータを含んでいてもよい。変速モード切替装置68は、タッチパネルを含んでいてもよい。
本実施形態によれば、マニュアル変速を好むライダのユーザビリティを向上することができる。例えば、上級ライダなど、自ら変速操作を行うことを好むライダであっても、第1条件が満たされる場合、例えば、ライダがペダル34を漕いでいない場合、ディレーラ22を備える人力駆動車10において変速動作を実行することは困難である。しかし、本実施形態によれば、マニュアル変速モードにおいて第1条件が満たされる場合であっても、制御部72がモータ24によって伝達体20を駆動するようにモータ24を制御するため、変速動作が可能となる。
図5を参照して、制御部72が変速モードを変更する処理について説明する。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部72は、図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS11において、マニュアル変速モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されている場合、ステップS12に移行する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されていない場合、ステップS13に移行する。
制御部72は、ステップS12において、変速モード切替装置68が操作されたか否かを判定する。制御部72は、変速モード切替装置68が操作された場合、ステップS14に移行する。制御部72は、変速モード切替装置68が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS14において、変速モードをオート変速モードに切り替え、処理を終了する。
制御部72は、ステップS13において、変速モード切替装置68が操作されたか否かを判定する。制御部72は、変速モード切替装置68が操作された場合、ステップS15に移行する。制御部72は、変速モード切替装置68が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS15において、変速モードをマニュアル変速モードに切り替え、処理を終了する。
図6を参照して、制御部72がマニュアル変速モードにおいて変速制御を実行する処理について説明する。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部72は、図6のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS21において、マニュアル変速モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されている場合、ステップS22に移行する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS22において、第1条件が満たされか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS23に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS23において、操作装置44が操作されたか否かを判定する。制御部72は、操作装置44が操作された場合、ステップS24に移行する。制御部72は、操作装置44が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS24において、変速制御を実行し、処理を終了する。制御部72は、ステップS24において、モータ24の駆動を開始した後、ステップS23において判定された操作装置44の操作に応じて電動アクチュエータ50を駆動する。
<第2実施形態>
図7、および、図8を参照して、第2実施形態の制御装置70について説明する。第2実施形態の制御装置70の制御内容は、制御部72が図5、および、図6のフローチャートの処理に代えて図8のフローチャートの処理を実行する以外は第1実施形態の制御装置70と同様である。第2実施形態の制御装置70のうちの、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7、および、図8を参照して、第2実施形態の制御装置70について説明する。第2実施形態の制御装置70の制御内容は、制御部72が図5、および、図6のフローチャートの処理に代えて図8のフローチャートの処理を実行する以外は第1実施形態の制御装置70と同様である。第2実施形態の制御装置70のうちの、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、制御部72は、マニュアル変速モードにおいて第1条件に加えて、第2条件または第3条件が満たされる場合、操作装置44の操作によらず変速制御を実行するように構成される。第2条件および第3条件は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する条件である。例えば、第2条件は、人力駆動車10の走行路が上り坂から下り坂に変化する場合、人力駆動車10が下り坂を走行する場合、および、人力駆動車10の加速度ACが第1加速度AC1以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされる。制御部72は、第1条件および第2条件が満たされる場合、変速制御において変速比率Rを大きくするように構成される。例えば、第3条件は、人力駆動車10の走行路が下り坂から上り坂に変化する場合、人力駆動車10の車速Vが第1車速V1以下の場合、および、人力駆動車10の減速度Dが第1減速度D1以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされる。制御部72は、第1条件および第3条件が満たされる場合、変速制御において変速比率Rを小さくするように構成される。
図7に示すように、制御装置70は、状態検出部84をさらに含む。状態検出部84は、例えば、人力駆動車10の傾斜角度を検出する傾斜検出部を含む。傾斜検出部は、例えば、傾斜センサおよびGPS(Global Positioning System)受信機の少なくとも1つを含む。傾斜センサは、例えば、ジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも1つを含む。傾斜検出部が、GPS受信機を含む場合、記憶部74に道路勾配に関する情報を含む地図情報を予め記憶され、制御部72は、人力駆動車10の現在地の道路勾配をピッチ角度として取得する。
状態検出部84は、例えば、人力駆動車10の走行方向における前方の走行環境を検出できるように構成される前方検出部を含んでいてもよい。前方検出部はGPS受信機、カメラ、および、レーザ装置の少なくとも1つを含む。前方検出部がGPS受信機を含む場合、記憶部74は、道路勾配に関する情報を含む地図情報を予め記憶する。制御部72は、人力駆動車10の現在地の情報と予め記憶される地図情報によって、前方の道路勾配を予測する。前方検出部がカメラを含む場合、制御部72は、前方の状況をカメラによって撮像される画像によって検出する。前方検出部が、レーザ装置を含む場合、制御部72は、レーザによって検出される障害物によって前方の状況を検出する。
制御部72は、前方検出部からの入力に応じて前方の状況を出力する人工知能処理部を備えていてもよい。人工知能処理部は、例えば、ソフトウェアを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されているソフトウェアを実行する演算処理装置と、を備える。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)を含む。演算処理装置は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部は、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人工知能処理部は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。記憶装置は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶装置は、制御プログラム、学習プログラム、および、学習モデルを記憶する。学習モデルは、予め定める学習アルゴリズムによって学習された学習済みのモデルであってもよく、学習アルゴリズムによって更新されるよう構成されるものであってもよい。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。学習アルゴリズムは、例えば、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。学習アルゴリズムとしては、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルを更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。学習モデルを更新させるための学習処理は、例えば、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(NN;Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(RNN;Recurrent Neural Network)を用いてもよい。
本実施形態と第1実施形態との違いを簡略的に説明するならば、第1実施形態では、マニュアル変速モードにおいて、マニュアルで本開示における変速制御が行われるのに対して、本実施形態では、マニュアル変速モードにおいて、オートで本開示における変速制御が行われる。
図8を参照して、制御部72がマニュアル変速モードにおいて変速制御を実行する処理について説明する。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図8に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部72は、図8のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS31において、マニュアル変速モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されている場合、ステップS32に移行する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS32において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS33に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、ステップS34に移行する。
制御部72は、ステップS33において、第2条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第2条件が満たされる場合、ステップS35に移行する。制御部72は、第2条件が満たされない場合、ステップS36に移行する。
制御部72は、ステップS35において、変速制御を実行し、処理を終了する。制御部72は、ステップS35において、モータ24の駆動を開始した後、変速比率Rが大きくなるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
制御部72は、ステップS36において、第3条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第3条件が満たされる場合、ステップS37に移行する。制御部72は、第3条件が満たされない場合、ステップS34に移行する。
制御部72は、ステップS37において、変速制御を実行し、処理を終了する。制御部72は、ステップS37において、モータ24の駆動を開始した後、変速比率Rが小さくなるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
制御部72は、ステップS34において、操作装置44が操作されたか否かを判定する。制御部72は、操作装置44が操作された場合、ステップS38に移行する。制御部72は、操作装置44が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS38において、変速制御を実行し、処理を終了する。制御部72は、ステップS38において、モータ24の駆動を開始した後、操作装置44の操作に応じた変速比率Rになるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
<第3実施形態>
図9から図12を参照して、第3実施形態の制御装置70について説明する。第3実施形態の制御装置70は、制御部72が図5のフローチャートの処理に代えて図10から図12のフローチャートの処理を実行する以外は第1実施形態の制御装置70と同様である。第3実施形態の制御装置70のうちの、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9から図12を参照して、第3実施形態の制御装置70について説明する。第3実施形態の制御装置70は、制御部72が図5のフローチャートの処理に代えて図10から図12のフローチャートの処理を実行する以外は第1実施形態の制御装置70と同様である。第3実施形態の制御装置70のうちの、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、制御部72は、第1制御モードと、第2制御モードと、を含む制御モードにおいて機能するように構成される。第1制御モードは、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、操作装置44の操作に応じて変速制御を行うように構成される。第2制御モードは、第1条件が満たされる場合、操作装置44の操作によらず変速制御を行うように構成される。第2制御モードは、例えば、第1条件が満たされる場合、操作装置44の操作によらず、所定条件が成立する場合に変速制御を行う。所定条件は、例えば、第2条件および第3条件の少なくとも1つを含む。
図9に示すように、例えば、人力駆動車10は、制御モード切替装置90をさらに含む。制御部72は、ライダによる制御モード切替装置90の操作に応じて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間で切り替え可能に構成される。
制御モード切替装置90は、例えば、ボタンスイッチまたはレバースイッチを含む。制御モード切替装置90は、ボタンスイッチまたはレバースイッチに限らず、どのような構成であってもよい。制御モード切替装置90は、サイクルコンピュータを含んでいてもよい。制御モード切替装置90は、タッチパネルを含んでいてもよい。
例えば、制御部72は、マニュアル変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される。例えば、制御部72は、オート変速モードにおいて、制御モードを第1制御モードと、第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される。例えば、制御部72は、制御モードを表示させるようにインタフェース46を制御する。例えば、制御部72は、選択されている制御モードを表示させるための制御信号をインタフェース46に出力する。
本実施形態によれば、本開示における変速制御について、ライダが第1制御モードおよび第2制御モードを選択することができるので、ライダのユーザビリティが向上する。
図10、および、図11を参照して、制御部72が変速制御を実行する処理について説明する。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図10に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部72は、図10、および、図11のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS41において、マニュアル変速モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されている場合、ステップS42に移行する。制御部72は、マニュアル変速モードが選択されていない場合、ステップS51に移行する。
制御部72は、ステップS42において、第1制御モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、第1制御モードが選択されている場合、ステップS43に移行する。制御部72は、第1制御モードが選択されていない場合、ステップS44に移行する。
制御部72は、ステップS43において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS45に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS45において、操作装置44が操作されたか否かを判定する。制御部72は、操作装置44が操作された場合、ステップS46に移行する。制御部72は、操作装置44が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS46において、変速制御を終了し、処理を終了する。制御部72は、ステップS46において、モータ24の駆動を開始した後、操作装置44の操作に応じた変速比率Rになるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
制御部72は、ステップS44において、第2制御モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、第2制御モードが選択されている場合、ステップS47に移行する。制御部72は、第2制御モードが選択されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS47において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS48に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS48において、所定条件が成立するか否かを判定する。制御部72は、所定条件が成立する場合、ステップS49に移行する。制御部72は、所定条件が成立しない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS49において、変速制御を終了し、処理を終了する。制御部72は、ステップS49において、モータ24の駆動を開始した後、所定条件と対応した変速比率Rになるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
制御部72は、ステップS51において、第1制御モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、第1制御モードが選択されている場合、ステップS52に移行する。制御部72は、第1制御モードが選択されていない場合、ステップS53に移行する。
制御部72は、ステップS53において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS54に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS54において、操作装置44が操作されたか否かを判定する。制御部72は、操作装置44が操作された場合、ステップS55に移行する。制御部72は、操作装置44が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS55において、変速制御を終了し、処理を終了する。制御部72は、ステップS55において、モータ24の駆動を開始した後、操作装置44の操作に応じた変速比率Rになるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
制御部72は、ステップS53において、第2制御モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、第2制御モードが選択されている場合、ステップS56に移行する。制御部72は、第2制御モードが選択されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS56において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS57に移行する。制御部72は、第1条件が満たされない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS57において、所定条件が成立するか否かを判定する。制御部72は、所定条件が成立する場合、ステップS58に移行する。制御部72は、所定条件が成立しない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS58において、変速制御を終了し、処理を終了する。制御部72は、ステップS58において、モータ24の駆動を開始した後、所定条件と対応した変速比率Rになるように変速比率Rになるようにディレーラ22を動作させるように電動アクチュエータ50を駆動する。
図12を参照して、制御部72が制御モードに応じてインタフェース46を制御する処理について説明する。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図12に示すフローチャートのステップS61に移行する。制御部72は、図12のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS61からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS61において、第1制御モードが選択されているか否かを判定する。制御部72は、第1制御モードが選択されている場合、ステップS62に移行する。制御部72は、第1制御モードが選択されていない場合、ステップS63に移行する。
制御部72は、ステップS62において、制御モード切替装置90が操作されたか否かを判定する。制御部72は、制御モード切替装置90が操作された場合、ステップS64に移行する。制御部72は、制御モード切替装置90が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS64において、制御モードを第2制御モードに切り替え、ステップS65に移行する。
制御部72は、ステップS65において、制御モードを表示させるようにインタフェース46を制御し、処理を終了する。
制御部72は、ステップS63において、制御モード切替装置90が操作されたか否かを判定する。制御部72は、制御モード切替装置90が操作された場合、ステップS66に移行する。制御部72は、制御モード切替装置90が操作されていない場合、処理を終了する。
制御部72は、ステップS66において、制御モードを第1制御モードに切り替え、ステップS67に移行する。
制御部72は、ステップS67において、制御モードを表示させるようにインタフェース46を制御し、処理を終了する。
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・インタフェース46は、車速V、変速段数、変速モード、バッテリ52の残量、現在地情報、および、ケイデンスの少なくとも1つを表示可能に構成されてもよい。
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10…人力駆動車、12…クランク軸、14…第1回転体、16…車輪、18…第2回転体、20…伝達体、22…ディレーラ、24…モータ、44…操作装置、46…インタフェース、68…変速モード切替装置、70…制御装置、72…制御部、90…制御モード切替装置。
Claims (12)
- 人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレーラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、前記人力駆動車のライダが操作可能な操作装置と、を含み、
前記伝達体を駆動するように前記モータを制御し、前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように前記ディレーラを制御する、変速制御を行うように構成される制御部を備え、
前記制御部は、
前記操作装置の操作に応じて、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するマニュアル変速モードを含む制御モードにおいて機能するように構成され、
前記マニュアル変速モードにおいて、ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、前記変速制御を行うように構成され、
前記第1条件は、前記人力駆動力が第1駆動力以下の場合、前記クランク軸の回転速度が第1回転速度以下の場合、および、前記クランク軸が揺動している場合、の少なくとも1つの場合に満たされる、制御装置。 - 前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて前記第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作に応じて前記変速制御を実行するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて前記第1条件に加えて、第2条件または第3条件が満たされる場合、前記操作装置の操作によらず前記変速制御を実行するように構成され、
前記第2条件および前記第3条件は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに関する条件である、請求項1に記載の制御装置。 - 前記第2条件は、前記人力駆動車の走行路が上り坂から下り坂に変化する場合、前記人力駆動車が下り坂を走行する場合、および、前記人力駆動車の加速度が第1加速度以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされ、
前記制御部は、前記第1条件および前記第2条件が満たされる場合、前記変速制御において前記変速比率を大きくするように構成される、請求項3に記載の制御装置。 - 前記第3条件は、前記人力駆動車の走行路が下り坂から上り坂に変化する場合、前記人力駆動車の車速が第1車速以下の場合、および、前記人力駆動車の減速度が第1減速度以上の場合の少なくとも1つの場合に満たされ、
前記制御部は、前記第1条件および前記第3条件が満たされる場合、前記変速制御において前記変速比率を小さくするように構成される、請求項3に記載の制御装置。 - 人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレーラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、前記人力駆動車のライダが操作可能な操作装置と、を含み、
前記伝達体を駆動するように前記モータを制御し、前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するように前記ディレーラを制御する、変速制御を行うように構成される制御部を備え、
前記制御部は、
ペダリングに関する第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作に応じて前記変速制御を行う第1制御モードと、前記第1条件が満たされる場合、前記操作装置の操作によらず前記変速制御を行う第2制御モードと、を含む制御モードにおいて機能するように構成され、
前記第1条件は、前記人力駆動力が第1駆動力以下の場合、前記クランク軸の回転速度が第1回転速度以下の場合、および、前記クランク軸が揺動している場合、の少なくとも1つの場合に満たされる、制御装置。 - 前記人力駆動車は、制御モード切替装置をさらに含み、
前記制御部は、前記ライダによる前記制御モード切替装置の操作に応じて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される、請求項6に記載の制御装置。 - 前記制御部は、
前記操作装置の操作に応じて、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するマニュアル変速モードと、
前記操作装置の操作によらず、前記ディレーラが前記変速比率を変更するために前記伝達体を操作するオート変速モードと、を含む変速モードにおいて機能するように構成される、請求項6または7に記載の制御装置。 - 前記人力駆動車は、変速モード切替装置をさらに含み、
前記制御部は、前記ライダによる前記変速モード切替装置の操作に応じて、前記マニュアル変速モードと、前記オート変速モードと、を切り替え可能に構成される、請求項8に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記マニュアル変速モードにおいて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される、請求項8または9に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記オート変速モードにおいて、前記制御モードを前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの間において切り替え可能に構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
- 前記人力駆動車は、インタフェースをさらに含み、
前記制御部は、前記制御モードを表示させるように前記インタフェースを制御する、請求項6から11のいずれか一項に記載の制御装置。
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