JP2022188420A - 融雪システム - Google Patents

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俊輔 熊谷
Shunsuke Kumagai
諭韻 石坂
Yuin Ishizaka
眞子 久保田
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Abstract

【課題】ポイント部やポイント背向部など場所の違いに応じて異なる熱放出方式の融雪装置を使い分けたい場合に、コストの大幅な増大を招くことなく速やかに融雪を行うことができる融雪システムを提供する。【解決手段】鉄道軌道のポイント部に設けられレール周辺にて熱を放出して融雪する第1融雪装置(20)と、ポイント部の近傍の軌道上に設けられレール間にて熱を放出して融雪する第2融雪装置(10)と、第1融雪装置による融雪と第2融雪装置による融雪を制御可能な制御装置とを備えた鉄道軌道の分岐点における融雪システムにおいて、第1融雪装置と第2融雪装置は蒸気を用いて融雪する構成を有し、第1融雪装置と第2融雪装置には共通の蒸気発生器(31)からの蒸気が供給されるように構成され、第1融雪装置の蒸気排出側と第2融雪装置の蒸気排出側には凝縮水除去装置(34A,34B)がそれぞれ設けられているようにした。【選択図】図1

Description

この発明は、蒸気(スチーム)を用いた融雪システムに関し、例えば鉄道線路の分岐点の近傍における融雪システムに利用して有効な技術に関する。
鉄道線路の分岐器はポイント部、リード部、クロッシング部及びガイドレールによって複雑に構成したものからなっており、このうちポイント部は可動部分であるため、降雪寒冷地においてはポイント部が凍結することにより、転換不能になる事態が発生することがある。そこで、分岐器のポイント部の凍結を防止するため、種々の形式の融雪装置が開発され、実用化されている。
従来、鉄道軌道に設置される融雪装置には、熱風をレールへ向けて吹き付ける熱風式や、温水を吹き付ける温水噴射式、軌道上に並べて敷設されるマット式などがあり、一般に融雪性能の高い方式は大規模でコストが高くなるという傾向がある。なお、マット式には、温水を循環させる温水管式とヒータ(電熱線等)を内蔵した電気式融雪マットがあり、レール間の軌道上の雪を融かすのに有効である。
なお、鉄道軌道における温水管式融雪マットに関する発明としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。一方、レールの側面に取り付けてレール周辺の雪を融かす融雪装置として電気式レール加熱器に関する発明が提案されている(例えば特許文献2)。レール加熱器は、降雪による分岐器の不転換を防止するのに有効である。
ところで、分岐器は分岐先端部、ポイント先端部、ポイント部、ポイント背向部などの場所の違いよって、列車からの持ち込み雪や落とし雪、積雪など融雪対象は、形状、密度、水分含有量など雪の状態や量が異なっている。そのため、場所に応じて設置する融雪装置の方式の使い分けが行われることもある。例えば、特許文献1に記載されている電気融雪マットの発明は、列車からの持ち込み雪や落とし雪を融雪するのに有効であり、ポイント背向部等に設置すると有効である。
特開2002-88730号公報 特開2001-311101号公報
上記各種融雪方式のうち、熱風式融雪装置は、バーナーより発生する熱風をレール周辺に継続して送風することで枕木が燃える事象が発生し、鉄道運行に支障を生じるおそれがあるという課題がある。
また、従来の温水管式融雪マットは、物体検知(残雪)の他に降雪センサと外気温度センサによる運転制御もあり、マット上に雪がない状態でも不凍液を温めて循環する状況が継続してしまうため、エネルギー損失が大きい場面がある。また、マットに穴が開くと不凍液が漏れて装置が停止してしまうという課題がある。また、特許文献1に記載されているように、蛇行するようにして配設されている隣同士の流水管が繋がっているため、保線作業の一つであるバラスト軌道のつき固め作業を実施する際には、作業開始前に融雪マットを撤去し、作業終了後に再設置する必要があり、多くの労力を必要としコストの増大を招くという課題がある。
さらに、従来の鉄道軌道の分岐器における融雪システムにおいては、ポイント部、ポイント背向部などの場所の違いよって、列車からの持ち込み雪や落とし雪、積雪など融雪対象の雪の状態や量が異なっているため、場所に応じて設置する融雪装置の方式の使い分けが行われることもある。具体的には、雪の量が比較的多いポイント背向部には温水管式融雪マットが敷設され、ポイント部には分岐器の不転換の防止に有効な電気式加熱器をレールの側面に取り付けるというように、異なる方式の融雪装置を組み合わせて設置することがあった。しかし、異なる方式の融雪装置を組み合わせた融雪システムはコストの増大を招くという課題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、ポイント部やポイント背向部など場所の違いに応じて、異なる熱放出方式の融雪装置を使い分けたい場合に、コストの大幅な増大を招くことなく速やかに融雪を行うことができる融雪システムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、蒸気を融雪の熱源として使用する場合に、軌道周辺に蒸気が立ち込めて列車の乗務員が火災と見間違えるような事態が発生するのを回避することができる融雪システムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、
鉄道軌道のポイント部に設けられレール周辺にて熱を放出して融雪する第1融雪装置と、ポイント部の近傍の軌道上に設けられレール間にて熱を放出して融雪する第2融雪装置と、前記第1融雪装置による融雪と前記第2融雪装置による融雪を制御可能な制御装置とを備えた鉄道軌道の分岐点における融雪システムにおいて、
前記第1融雪装置と前記第2融雪装置は蒸気を用いて融雪する構成を有し、
前記第1融雪装置と前記第2融雪装置には共通の蒸気発生器からの蒸気が供給されるように構成され、
前記第1融雪装置の蒸気排出側と前記第2融雪装置の蒸気排出側には凝縮水除去装置がそれぞれ設けられているようにした。
上記のような構成によれば、ポイント部に設けられる第1融雪装置とポイント部の近傍に設けられる第2融雪装置に対して共通の蒸気発生器からの蒸気が供給されるように構成されているため、ポイント部やポイント背向部など場所の違いに応じて、異なる熱放出方式の融雪装置を使い分けたい場合に、コストの大幅な増大を招くことなく速やかに融雪を行うことができる。また、第1融雪装置の蒸気排出側と第2融雪装置の蒸気排出側には凝縮水除去装置がそれぞれ設けられているため、各融雪装置を通過した蒸気は凝縮水除去装置(スチームトラップ)によって水に凝縮されて排出されるので、軌道周辺に蒸気が立ち込めて列車の乗務員が火災と見間違えるような事態が発生するのを回避することができる。
ここで、望ましくは、前記第1融雪装置は、レールの側面に接合され両端部が閉塞された半割り状のパイプと、前記パイプの両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、を備え、一方の口金から流入された蒸気は前記パイプとにより形成されている空間を流動して他方の口金より排出する構成を有し、
前記第2融雪装置は、複数本のホースを平行に並べたマット状をなし、流入された蒸気は複数本のホース内を蛇行して流れるように構成する。
かかる構成によれば、ポイント部では第1融雪装置がレールを直接加熱してレール周辺を融雪し、ポイント部の近傍では第2融雪装置がレール間を面状に加熱して軌道上の雪を融かすため、ポイント部とポイント背向部のようなポイント部の近傍のエリアそれぞれに適した融雪を行うことができる。
さらに、望ましくは、前記第1融雪装置は、前記一対の口金を有する前記パイプと、両端部が閉塞された口金のない半割り状のパイプとが、レールの腹部の両側面に互いに対向するようにして配設され、前記レールの腹部の前記パイプの両端部に対応する部位には連通孔が形成されているようにする。
かかる構成によれば、レールの外側面に配設されたパイプとレールの内側面に配設されたパイプ内を蒸気が流れ、レールを両側から加熱するため、ポイント部のレール周囲の融雪を迅速に行うことができる。
また、望ましくは、前記第2融雪装置は、レールと平行に配設されたホース間に隙間を有し、前記ホースは枕木設置個所以外においては軌道の上面に接するように配設されているようにする。
かかる構成によれば、ホース間に隙間がありホースが軌道の上面に接するように設置されているので、第2融雪装置が設置されている箇所でバラスト軌道のつき固め作業を実施する際に、ホース同士の隙間にタイタンパー(つき固め装置)のビーターを挿入することができる。そのため、電気融雪マットのように作業開始前にマットを撤去し、作業終了後に再設置する必要がなくなる。
また、望ましくは、前記一対の口金は、蒸気排出側の口金の方が蒸気流入側の口金よりも低い位置に設けられているようにする。
かかる構成によれば、蒸気排出側の口金の方が低い位置にあるため、第1融雪装置を構成する半割り状のパイプ内で凝縮して生じた水を速やかに排出することができる。
本発明によれば、ポイント部やポイント背向部など場所の違いに応じて、異なる方式の融雪装置を使い分けたい場合に、コストの大幅な増大を招くことなく速やかに融雪を行う融雪システムを実現することができる。また、本発明の融雪システムによれば、蒸気を融雪の熱源として使用する場合に、軌道周辺に蒸気が立ち込めて列車の乗務員が火災と見間違えるような事態が発生するのを回避することができるという効果が得られる。
本発明に係る融雪システムの一実施形態を示すシステム構成図である。 実施形態の融雪システムを構成するスチーム式融雪マットの第1の実施例を示す平面図である。 スチーム式融雪マットの第2の実施例を示す平面図である。 実施形態の融雪システムを構成するスチーム式レール加熱器の構成例を示す側面図である。 (A)および(B)はレール加熱器を構成する角形スチームハーフパイプの具体例を示す正面図および断面側面図である。 (A)および(B)はレール加熱器を構成する留め金具の具体例を示す側面図および正面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る融雪システムの一実施形態について、詳細に説明する。図1には、本発明に係る融雪システムの一実施形態のシステム構成の概略が示されている。なお、図1には、分岐器のポイント部Pと近傍部が示されている。
図1において、R1,R2は基本レール、R3,R4は列車を分岐線へ誘導するトングレールであり、トングレールR3,R4は図示しない転てつ機によって基本レールR1,R2に接近または離反するように転換される。
図1に示すように、本実施形態の融雪システムにおいては、ポイント部Pの列車進出側または進入側の基本レールR1,R2間に持ち込み雪対策としてスチーム式の融雪マット10が、またポイント部Pの基本レールR1,R2にレール加熱器20が配設されているとともに、軌道の側方に融雪マット10とレール加熱器20へ供給する蒸気を発生する共通のスチームボイラ30が配設されている。スチームボイラ30には、融雪マット10へ蒸気を供給するパイプ32Aの端部とレール加熱器20へ蒸気を供給するパイプ32B,32Cの端部が接続され、パイプ32A,32B,32Cの始端にはそれぞれ電磁バルブ31A,31B,31Cが設けられている。
融雪マット10は、スチームホースが蛇行するように配設されることで、幅が約80cm、長さが数m~数10mの大きさとなるように形成されており、スチームホースの始端部にはスチームボイラ30からの蒸気を供給するパイプ32Aの終端部が接続され、スチームホースの終端部には排出用パイプ33Aを介してスチームトラップ34Aが接続されている。
図示しないが、融雪マット10と枕木の上面との間には、ホースの間隔を維持するためのプレートが介挿されている。このプレートには、レール幅方向に等間隔をおいて複数のバンドもしくはクリップが設けられており、このバンドもしくはクリップによってホースがプレートに係止されることで、ホースが所定の間隔を維持し横ずれが防止される。なお、プレートはすべての枕木上ではなく、枕木数本おきに設置しても良い。
また、ポイント部Pの基本レールR1の側面には、スチーム式のレール加熱器20が装着されている。レール加熱器20は断面がコの字状をなし両端が閉塞されたチャンネル材で構成されており、レール側面に接合された際に形成される空洞部には蒸気が供給可能であり、レール加熱器20の一端にスチームボイラ30からの蒸気を供給するパイプ32Bの端部が接続され、スチームホースの終端側に排出用パイプ33Bが接続され、排出用パイプ33Bの端部にスチームトラップ34Bが接続されている。
さらに、図1には示されていないが、レールR1の反対側の側面にも同様なチャンネル材が対向するようにして装着されているとともに、レール腹部のチャンネル材の両端部に対応する部位には連通孔が形成されている。また、ポイント部Pの他方の基本レールR2にも同様なレール加熱器20が装着されており、蒸気供給用パイプ32Cから蒸気の供給を受ける。さらに、ポイント部Pの長さに応じて、レール延設方向に沿って複数のレール加熱器20が設けられることもある。
上記のように、本実施形態の融雪システムにおいては、ポイント部Pの列車進出側、進入側における融雪装置の熱源とポイント部Pにおける融雪措置の熱源に、スチームボイラ30という共通の熱源を使用しているため、異なる熱源を使用している従来のシステムに比べてエネルギー効率を向上させるとともに、コストの低減を図ることができる。また、従来の温水管式融雪マットは、不凍液を循環させるホースに何かしらの外傷を受けて穴が開き、不凍液の量が低下することで運転停止となることがあったが、本実施形態の融雪マット10はホース内に蒸気を流す構成であるため、カプラ等ホース接続部分の緩みから微量に蒸気が漏れたとしても設備自体は停止のおそれがないという利点がある。
さらに、各融雪装置にスチームトラップ34Aと34Bをそれぞれ設けているため、熱源に蒸気を使用していても、融雪マット10とレール加熱器20から排出された低温の蒸気は大気に放出されることなく、スチームトラップによって水に凝縮されて排出されるので、軌道周辺に蒸気が立ち込めて列車の乗務員が火災と見間違えるような事態が発生するのを回避することができる。なお、スチームトラップから復水が出ない場合には、スチームトラップを省略した構造を採用することも可能である。
図2には、本実施形態の融雪システムを構成する融雪マット10の第1の実施例が示されている。
図2に示すように、本実施例の融雪マット10は、レール幅方向に延設された入り口側ヘッドパイプ11と、入り口側ヘッドパイプ11と平行に配設された出口側ヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ11-12間にこれらと直交する方向に蛇行して配設されたスチームホース13とから構成されている。そして、入り口側ヘッドパイプ11に蒸気供給用パイプ32Aが接続され、出口側ヘッドパイプ12に排出用パイプ33Aが接続される。
なお、スチームホース13には、特に限定されるものでないが、内側から順に耐熱性合成ゴム-硬鋼線の補強層-耐熱耐侯性合成ゴムの3層構造を有し、内径が9.5mm~50.8mmで厚みが15.3mm~19.3mmの筒状に形成され、8.0MPaの圧力に耐え得るものが使用される。また、スチームホース13は、それぞれがヘッドパイプ11-12間において1.5往復するように配設された各々3本のホースからなる4個のホースユニット13A,13B,13C,13Dにより構成されている。
上記各ホースユニット13A~13Dの3本のホースは折返し部分において金属製のエルボ継ぎ手14によって連結されている。そして、各ホースユニット13A~13Dの一方の端部は入り口側ヘッドパイプ11に、また他方の端部は出口側ヘッドパイプ12にそれぞれ接続されている。このように4つに分割されたホースユニットで融雪マット10を構成することによって、各ホース内に蒸気が供給された際に入り口温度と出口温度との差が大きくなるのを防止して、マット全体で比較的均一な融雪効果を発揮できるようになっている。
さらに、従来の電気融雪マットは、一般に、シート状に形成されているが、本実施形態の融雪マット10は、各ホース間にそれぞれ数cmの隙間が設けられている。これにより、ホース内を流れる蒸気の熱によって融雪されて生じた水はホース同士の隙間から軌道のバラスト内に浸透して軌道表面に溜まることがない。また、バラスト軌道のつき固め作業を実施する際に、ホース同士の隙間にタイタンパー(つき固め装置)のビーターを挿入することができるため、電気融雪マットのように作業開始前にマットを撤去し、作業終了後に再設置する必要がないという利点がある。
図3には、本実施形態の融雪システムを構成する融雪マット10の第2の実施例が示されている。
図3に示すように、本実施例の融雪マット10は、レール幅方向に延設された一対の入り口側ヘッドパイプ11A,11Bと、入り口側ヘッドパイプ11A,11Bと平行に配設された出口側ヘッドパイプ12A,12Bと、ヘッドパイプ11A-12A間にこれらと直交する方向に互いに平行して配設された6本のスチームホース13Aと、ヘッドパイプ11B-12B間に同様にして配設された6本のスチームホース13Bとから構成されている。そして、入り口側ヘッドパイプ11A,11Bに蒸気供給用パイプ32A(図1参照)が接続され、出口側ヘッドパイプ12A,12Bにスチームトラップ34A1,34A2が接続されている。
上記ヘッドパイプ11A,11Bとスチームホース13Aとの間およびヘッドパイプ12A,12Bとスチームホース13Aとの間は、それぞれ管継手(カプラ)15によって接続されている。
また、上記スチームホース13Aおよび13Bの下には、複数の固定用プレート16がレール延設方向に所定の間隔をおいて並ぶように設置され、Ω状をなす押さえ金具(サドルバンド)17によって、スチームホース13A,13Bが各固定用プレート16上に固定されている。これにより、スチームホース13A,13Bの間隔が一定に保持され、ホースがずれることで融雪効果が不均一になるのを回避することができる。
図4~図6には、本実施形態の融雪システムを構成するレール加熱器20の具体例が示されている。
図4に示すように、本実施形態のレール加熱器20は、レールRの側面に接合され、蒸気の通り道を形成する細長い角形スチームハーフパイプ21(以下、スチームパイプと記す)と、このスチームパイプ21をレールRの側面に装着するための複数個(図3では3個)の留め金具22とから構成されている。なお、スチームパイプ21は、レール側面の枕木を固定する金具などの支障物との干渉を避けるため、短いパイプを使用しても良い。また、その場合、留め金具22は1個であっても良い。
スチームパイプ21は、図5(B)に示すように、断面コの字状の金属製のチャンネル材で形成されており、スチームパイプ21に流入された蒸気はレールRの側面に直接接触してレールを加熱するとともに、蒸気によってチャンネル材の温度も上昇し熱伝導でもレールを加熱する。スチームパイプ21のレール側面からの高さHは、レール頭部の側面よりも突出しない大きさとするのが望ましい。特にレールの内側面に装着する場合、スチームパイプ21の高さHはレール頭部の側面よりも突出しないことが必要である。
また、図示しないが、スチームパイプ21の接合側の端面とレールRの側面との間に、熱伝導率の良い銅板等を介在させ、蒸気の洩れを防止しつつ熱を伝達するように構成しても良い。銅板を入れることで、蒸気が直接レールに噴射されず、蒸気による影響が「熱」のみとなり、蒸気がレール側面に噴射され続けることで、レールに変形や劣化などの問題発生を回避できる。さらに、チャンネル材の外側面に断熱材層を被着して外部へ逃げる熱の量を抑制するように構成しても良い。
スチームパイプ21の両端の端面は矩形状のプレートで閉塞されているとともに、スチームパイプ21の両端の側部には、図5(A)に示すように、それぞれ外周に雄ネジが形成された口金21A,21Bが固着されている。
上記口金21A,21Bのうち口金21Aは蒸気流入側でありスチームボイラ30からの蒸気を供給するパイプ32Bの端部が螺合接続され、口金21Bは蒸気排出側であり排出用パイプ33Bの端部が螺合接続される。排出側口金21Bは流入側口金21Aよりも低い位置に設けられており、スチームパイプ21内で蒸気から変換した水が排出用パイプ33Bから速やかに流出できるように構成されている。なお、スチームパイプ21の適切な長さは、蒸気の温度にもよるが0.2~3メートルであり、蒸気の温度が100℃の場合、およそ1.8メートルである。排出側口金21Bは流入側口金21Aと同一高さであっても良い。
留め金具22は、図6に示すように、上縁と下縁にリブを有しスチームパイプ21の外側面に接合するホルダー22Aと、該ホルダー22Aの外側面に固設された互いに平行な一対の係止片22Bと、一対の係止片22B間に横架された係止ピン22Cと、係止ピン22Cに上端が係止され下端がレールRの底部フランジに係合された押えプレート22Dと、押えプレート22Dの下端部がレールから外れないように固定する断面J字状をなす固定部材22Eとから構成されている。
押えプレート22Dはバネ鋼材等で形成されており、復元力でホルダー22Aをレール側へ向かって押し付けることで、スチームパイプ21をレール側面にしっかりと押さえ付けて固定するように構成されている。固定部材22Eは、レールRの底面にある引っ掛かりによって外れないように固定されている。
図示しないが、レールの外側面のスチームパイプ21と向き合うようにレールの反対側の側面(内側面)にも同様なチャンネル材からなるスチームパイプが接合され留め金具22によって装着されるとともに、レール腹部のスチームパイプの前端部と後端部に対応する部位に蒸気を通すための連通孔がそれぞれ形成されていてもよい。
そして、この場合、反対側の側面のスチームパイプには口金が不要もしくは口金をキャップで封止した構成とし、レールの外側面に接合されたスチームパイプ21の口金21Aから流入された蒸気は、レールに形成された上記連通孔から内側面に接合されているスチームパイプ内に流入し、内部の空間を流動し他方の連通孔からスチームパイプ21側へ流入して口金21Bより排出される。なお、内側面のスチームパイプはレール外側面側のスチームパイプ21の長さよりも短くても良い。
次に、本実施形態の融雪システムにおける上記融雪マット10およびレール加熱器20の制御方法について説明する。なお、スチームボイラ30が設置されている機器室には、ボイラ30と、電磁バルブ31A,31B,31C……と、電磁バルブを制御する制御装置(図示省略)が設けられている。
また、図示しないが融雪マット10の設置箇所の近傍およびレール加熱器20の設置箇所の近傍には、それぞれ積雪を検知可能な温度センサもしくはサーモカメラまたは映像カメラが設置されており、制御装置は上記センサもしくはカメラからの信号に基づいて、積雪の有無を判定し、積雪がある場合にはスチームボイラ30および電磁バルブ31A,31B,31C……を制御して、融雪マット10やレール加熱器20に蒸気を供給して融雪を行わせるように構成されている。
なお、分岐点の手前所定距離位置に超音波センサ等の列車検知センサを設けておいて、列車検知センサが列車を検知した場合に制御装置が電磁バルブ31A,31B,31C……を制御して、融雪マット10やレール加熱器20へ蒸気を供給して融雪を行わせ、予め設定された時間を経過した時点で電磁バルブ31A,31B,31C……を閉じて蒸気の供給を中断するようにしても良い。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。例えば、前記実施形態における融雪マットを構成するホースの上に、断面が三角形をなす山形の棒状部材を、ホースと同じ方向に載置しておくようにしても良い。これにより、積雪の下の部分が融けて空洞が生じた際に、上方の雪の層を山形の棒状部材で切断して落下させることができ、空洞が生じることで融雪効率が低下するのを回避することができる。
また、融雪マット10を構成するホースの下にバイメタルのプレートを載置しておいて、融雪マットの熱でプレートが変形を繰り返すことで積雪を崩して空洞が生じるのを防止して、融雪効率が低下するのを回避するように構成しても良い。
10 スチーム式融雪マット
11 入り口側ヘッドパイプ
12 出口側ヘッドパイプ
13A~13D ホースユニット
13 スチームホース
14 エルボ継ぎ手
20 レール加熱器
21 角形スチームハーフパイプ(スチームパイプ)
21A,21B 口金
22 留め金具
30 スチームボイラ
31A,31B,31C 電磁バルブ
32A,32B,32C 蒸気供給用パイプ
33A,33B 蒸気排出用パイプ
34A,34B スチームトラップ(凝縮水除去装置)

Claims (5)

  1. 鉄道軌道のポイント部に設けられレール周辺にて熱を放出して融雪する第1融雪装置と、ポイント部の近傍の軌道上に設けられレール間にて熱を放出して融雪する第2融雪装置と、前記第1融雪装置による融雪と前記第2融雪装置による融雪を制御可能な制御装置とを備えた鉄道軌道の分岐点における融雪システムであって、
    前記第1融雪装置と前記第2融雪装置は蒸気を用いて融雪する構成を有し、
    前記第1融雪装置と前記第2融雪装置には共通の蒸気発生器からの蒸気が供給されるように構成され、
    前記第1融雪装置の蒸気排出側と前記第2融雪装置の蒸気排出側には凝縮水除去装置がそれぞれ設けられていることを特徴とする融雪システム。
  2. 前記第1融雪装置は、レールの側面に接合され両端部が閉塞された半割り状のパイプと、前記パイプの両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、を備え、一方の口金から流入された蒸気は前記パイプとにより形成されている空間を流動して他方の口金より排出する構成を有し、
    前記第2融雪装置は、複数本のホースを平行に並べたマット状をなし、流入された蒸気は複数本のホース内を蛇行して流れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の融雪システム。
  3. 前記第1融雪装置は、前記一対の口金を有する前記パイプと、両端部が閉塞された口金のない半割り状のパイプとが、レールの腹部の両側面に互いに対向するようにして配設され、前記レールの腹部の前記パイプの両端部に対応する部位には連通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の融雪システム。
  4. 前記第2融雪装置は、平行に配設されたホース間に隙間を有し、前記ホースは枕木設置個所以外においては軌道の上面に接するように配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の融雪システム。
  5. 前記一対の口金は、蒸気排出側の口金の方が蒸気流入側の口金よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の融雪システム。
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