JP2002088730A - 融雪マット及び融雪装置 - Google Patents

融雪マット及び融雪装置

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JP2002088730A
JP2002088730A JP2000276336A JP2000276336A JP2002088730A JP 2002088730 A JP2002088730 A JP 2002088730A JP 2000276336 A JP2000276336 A JP 2000276336A JP 2000276336 A JP2000276336 A JP 2000276336A JP 2002088730 A JP2002088730 A JP 2002088730A
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melting
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JP2000276336A
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Koichi Nagamori
浩一 長森
Chikamasa Sakai
力正 酒井
Yasuyuki Fukunishi
康之 福西
Yasuro Tokuno
安朗 徳野
Katsurou Kuroho
勝郎 黒保
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Enatetsukusu Kk
West Japan Railway Technos Corp
West Japan Railway Co
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Enatetsukusu Kk
West Japan Railway Technos Corp
West Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】雪との接触面積が大きい温水流路を備えた融雪
マット及び融雪装置を提供せんとするものである。 【解決手段】管状の温水流路11と平板状の取付基部1
6とを交互に配設して一体成形し、管状の温水流路11
をその外周面の大部分が平板状の取付基部16よりも上
方に露呈するようにし、雪と直接接触できるようにす
る。これにより、温水流路11の熱交換部分である雪と
接触する部分の面積が大きくなり、融雪効果に優れたも
のとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道線路上の雪を
溶かす融雪装置、特に鉄道線路上の分岐器へ列車が雪を
持ち込まないように、分岐器の手前側で持ち込み雪を収
容し、これを融雪する融雪マット及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】多雪地域の鉄道線路では、雪が降ると、
雪が分岐器の中に積もり、ポイントが切り換わらなくな
る。そのため、雪が降り始めた時又は積雪が予想される
時は、融雪装置を用いて分岐器に降った雪を溶かして除
去するようにしていた。従来の融雪装置は、線路内に熱
風を吹き出す軌道カバーを設置して融雪したり、レール
にヒータを設置してレールを直接加熱することで融雪す
るようにしていた。
【0003】ところが、多雪地域では、分岐器の手前側
で降った雪を列車が分岐器へ持ち込むこともある。この
いわゆる持ち込み雪の場合は、大量の雪が一度に搬入さ
れるため、やはり、分岐器のトングレールとレールとの
間に雪が噛み込む原因となり、ポイントが切り換わらな
くなる。そのため、従来では、分岐器の手前側にも融雪
装置を設置して列車によって持ち込まれる雪をここで融
雪除去し、分岐器手前側の雪が分岐器へ持ち込まれるこ
とがないようにしている。従来の持ち込み雪の融雪装置
としては、散水融雪方式と、熱風融雪方式と、温水融雪
方式とがあり、また原始的な人力による除雪作業方式も
ある。
【0004】散水融雪方式は、分岐器の手前側に地下水
をポンプで汲み上げて散水するための配管やノズル等の
設備を設置し、汲み上げた地下水を分岐器手前の軌道内
へ散水することで融雪し、分岐器手前側の雪が列車によ
って分岐器へ持ち込まれることがないようにしたもので
ある。また熱風融雪方式は、前記分岐器の融雪装置の場
合と同じように、線路内に熱風を吹き出す軌道カバーを
設置して融雪するものである。
【0005】温水融雪方式は、例えば、図6及び図7に
示す特開平10−176302号公報で開示された技術
がある。この先願技術は、温水流路1を備えた温水マッ
ト2の両端側に給水ヘッダ3及び排水ヘッダ4を取り付
け、配管5を介して温水タンク及びボイラ等を備えた温
水循環装置6へ連通接続したものである。温水循環装置
6のボイラ等加熱された温水は、配管5を通じて給水ヘ
ッダ3から温水マット2の温水流路1へ供給され、排水
ヘッダ4から配管5を通じて温水タンクへ回収されるよ
うになっている。そして、温水マット2上の列車によっ
て持ち込まれた雪を温水流路1を通る温水で融雪するよ
うになっいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、散水融雪方
式については、大規模構内であるとその散水量が膨大な
ものとなり、地下水の水位低下が問題となる欠点があっ
た。また小規模構内では、分岐器2の一組当たりのイニ
シャルコストが大規模構内の場合に比較して割高になる
という欠点があった。また熱風融雪方式については、熱
風を直接吹きつける方式であるため融雪能力は高いが、
強風等による外的な損失が発生する場合があり、しかも
放熱される熱量は大気に放出され、その熱量を回収する
ことができないので、発生熱量に対する融雪効率が良く
ないという欠点があった。またこの熱風融雪方式は、シ
ステムの全体が大型であり、支線区への導入には不向き
であった。
【0007】更に、図6及び図7に示す温水融雪方式の
場合は、温水マット2の温水流路1が温水マット2の中
へ埋設されているため、温水流路1の表面2aに露出し
ている面積が小さく、雪との接触面積が少なくなり、融
雪効果が低いという欠点があった。しかも、温水によっ
て溶けた融雪水がそのまま温水マット2の上に残ること
があり、融雪水によって温水の熱が奪われ熱交換効率が
悪いという欠点があった。また温水マット2は、レール
間の幅(在来線の場合は、1067mm)一杯の100
0mmメートルで長さが任意のものであり、一枚分の重
さが非常に重く、ロール状に巻き取ることもできないた
め、運搬・設置作業が困難であるという欠点があった。
しかも、直線状の線路とこれに交差する線路とのクロッ
シングポイント部分は、線路間の幅が不均一でしかも非
常に狭くなっているため、該部分への温水マット2の敷
設ができないという欠点があった。
【0008】更に、この先願の温水融雪方式の場合は、
温水マット2の上を保守点検作業員等が通っていくこと
によって、温水流路1が部分的に破損したりすることが
あるが、このような場合に部分的な補修ができず、温水
マット2の全体を交換しなければならず、そのための作
業が大掛かりであり、費用的にも莫大な修理費が掛かる
という欠点があった。更にまた、軌道上は列車が通過す
る度に大きな上下振動があるが、前記先願の温水融雪方
式では給水ヘッダ3及び排水ヘッダ4を枕木7に固定し
ているため、列車の通過による上下振動の影響を受け、
給水ヘッダ3及び排水ヘッダ4が損傷し易いという欠点
があった。それに加えて、これらの給水ヘッダ3及び排
水ヘッダ4は、軌道上に露出しているため、列車が持ち
込んで来る雪塊との接触により、給水ヘッダ3及び排水
ヘッダ4が損傷を受けたり、メクレ上がりの原因となる
欠点があった。
【0009】一方、人力による除雪作業では、作業員の
負担が大きく、また除雪作業員の高齢化の問題や人材確
保の問題等があった。更には、作業員の負担の大きい作
業については、これを機械化したり、省略することで、
作業員の負担を軽減し、また作業効率を上げて軌道保守
点検作業を容易にするという近代化の要請に反してい
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、雪との接触
面積が大きい温水流路を備えた融雪マット及び融雪装置
を提供せんとするものである。
【0011】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した請求項1の手段は、鉄道の軌道上に敷設され
て融雪を行うためのマットであって、管状の温水流路と
平板状の取付基部とが交互に配設されて一体形成され、
管状の温水流路はその外周面の大部分が平板状の取付基
部よりも上方に露呈し、雪と接触できるようになってい
ることを特徴とする融雪マットである。このような融雪
マットであれば、温水流路の外周面の大部分が外部へ露
呈することになり、雪と接触する面積が大きくなる。従
って、融雪効果に優れたものとなる。
【0012】本発明が採用した請求項2の手段は、平板
状の取付基部に、融雪水を排水するための排水孔が穿設
されている請求項1に記載の融雪マットである。融雪水
がマット上る残ることがないので、融雪水によって温水
の熱が奪われるということがなく、温水熱の効率的な利
用が可能である。
【0013】本発明が採用した請求項3の手段は、管状
の温水流路と平板状の取付基部との連結部が切断可能な
薄肉になっている請求項1又は2に記載の融雪マットで
ある。例えば、温水流路の途中が損傷したような場合
は、該損傷部に対応する温水流路と取付基部との間の薄
肉の連結部を切断し、管状の温水流路部のみを取り出
し、損傷部を切除して硬質の金属パイプ等で繋ぐように
すればよい。
【0014】本発明が採用した請求項4の手段は、融雪
マットは、レール間において複数のものが隣接接合され
る方式のものであり、融雪マットの両端には接合用の凹
凸部が形成されている請求項1乃至3のいずれか一つに
記載の融雪マットである。このように本発明に係る融雪
マットは、レール間において、複数枚に分離接合される
タイプのものであり、クロッシングポイント等の幅が狭
いところへも適用可能である。
【0015】本発明が採用した請求項5の手段は、鉄道
の軌道上に敷設されて融雪を行うための押出成形された
マットであって、ゴム弾性体又はエラストマー等の弾性
材料と、カーボンと、その他の添加剤とから成り、前記
カーボンはブラックカーボンとホワイトカーボンとを混
合したものであって、ブラックカーボンが材料全体に対
して10重量%程度含まれていることを特徴とする融雪
マットである。カーボンを、前記の如く限定することに
より、成形性,耐候性,耐紫外線性,絶縁性等に優れた
ものとすることができ、成形が容易で室外の環境下で長
寿命化が可能であり、更にはレール間の短絡事故や信号
線短絡の原因となることがない。
【0016】本発明が採用した請求項6の手段は、管状
の温水流路と平板状の取付基部とが交互に配設されて一
体形成され、管状の温水流路はその外周面の大部分が平
板状の取付基部よりも上方に露呈した融雪マットと、当
該融雪マットの一端側に取り付けられて温水流路へ温水
を分配供給する給水ヘッダと、融雪マットの他端側に取
り付けられて温水流路の温水を排水する排水ヘッダとで
構成したことを特徴とする融雪装置。これにより、融雪
効果に優れた融雪マットを利用して融雪装置を構成する
ことができる。
【0017】本発明が採用した請求項7の手段は、管状
の温水流路は、三つが一組になっていて、給水側の一つ
が給水ヘッダへ接続され、排水側の一つが排水ヘッダへ
接続されており、その他の給水側と排水側のそれぞれ二
つの温水流路の開口端はU字管で接続されている請求項
6に記載の融雪装置である。温水を融雪マット内で往復
させることにより、雪との熱交換機会を多くとることが
でき、むだなく熱交換させることができる。また温水の
供給側と排出側との温度分布が平均化し、全体を均一に
融雪することができる。
【0018】本発明が採用した請求項8の手段は、左右
のレールの下面に跨がって枕木と同方向に配設された架
設部材に、融雪マットの取付基部がネジ等により固定さ
れており、融雪マットの浮き上がりが防止されるように
なっている請求項6又は7に記載の融雪装置である。融
雪マットは、左右のレール下面に跨がって配設された架
設部材にネジ等により固定されているので、列車の通過
による振動があった場合でも、融雪マットが浮き上がる
ようなことはない。
【0019】本発明が採用した請求項9の手段は、給水
ヘッダ及び排水ヘッダがU字状部材によってカバーされ
た状態で軌道上のバラスト内に埋め込まれている請求項
6乃至8のいずれか一つに記載の融雪装置である。この
ように各ヘッダをU字状部材でカバーしてバラスト内へ
埋め込むことにより、列車の持ち込み雪によって各ヘッ
ダが損傷したり、融雪マットがメクレ上がったりするこ
とがない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りであ
る。図1乃至図5は本発明の一実施の形態に係るもので
あり、図1は融雪装置の全体を示す斜視図、図2は融雪
マット8の平面図、図3は融雪マット8の単体を示す縦
断面正面図、図4は給水ヘッダ9及び排水ヘッダ10と
融雪マット8の固定方法を示す軌道の縦断面図側面図、
図5は融雪マット8の温水流路11の補修構造を示す斜
視図である。同図に示す如く、この実施の形態では、分
岐器12の手前側に列車が持ち込む雪を融雪するための
融雪マット8,8を二箇所に設置している。融雪マット
8,8は、それぞれ給排水ヘッダ9,10を介して配管
13に接続されており、配管13は温水ボイラー14内
へ案内されている。配管13には不凍液が充填されてお
り、温水ボイラー14内において不凍液が熱交換によっ
て加熱され、温水となって融雪マット8,8を循環する
ようになっている。なお、図1において、符号15は温
水ボイラー14の燃料を貯蔵しておくためのオイルタン
クである。
【0021】ところで、前記融雪マット8,8は、室外
に設置されるものであるため、自然環境に対する耐候
性,耐紫外線性,耐日光性等が必要である。また軌道間
に設置されるものであるため、レール間の短絡や信号線
の短絡を招く導電性があってはならず、絶縁性も要求さ
れる。更には、軌道に沿って10数メートルの長尺に亘
って敷設されるものであるため、押出成形による製造が
最適であり、その場合の成形性も必要である。更にま
た、季節によって敷設と撤収を繰り返して行うので、そ
の作業性をも考慮する必要がある。そこで、この実施の
形態にあっては、融雪マット8,8を、以下に示すよう
な材料で押出成形することとしている。
【0022】すなわち、ゴム弾性体又はエラストマー等
の弾性材料を主成分とし、これにカーボン及びその他の
添加剤を加えて生成している。主成分としては、ポリマ
ー等のゴム弾性体,高分子弾性材料であるエラストマー
等があり、カーボンとしてはブラックカーボンとホワイ
トカーボンとがある。この場合、ホワイトカーボンは、
無水けい酸又は含水けい酸,合成けい酸塩等である。ま
たその他の添加剤としては、加硫剤及び加硫促進剤と、
パラフィン系プロセスオイルと、加工助剤等がある。配
合成分の一例を示せば、ポリマー27,加硫剤及び加硫
促進剤3.4,カーボンブラック10.8,ホワイトカ
ーボン40.4,パラフィン系プロセスオイル16.
2,加工助剤2.2(各単位は重量%)で生成した材料
を用い、押出成形により、図2及び図3に示すような融
雪マット8,8を製造している。
【0023】ここにおいて、重要なことは、絶縁性が要
求される場合、通常はブラックカーボンを使用すること
はないが、本実施の形態では押出成形性と、その他の耐
候性,耐紫外線性,絶縁性等の前記要求される性質を考
慮し、全体に対して10重量%程度のブラックカーボン
を使用したことにある。この場合の電気絶縁抵抗値は、
無限大であった。尚、ブラックカーボンの添加量を増や
し、増やした分だけホワイトカーボンの添加量を減らし
て電気絶縁抵抗値を測定した実験によれば、ブラックカ
ーボンが20重量%でホワイトカーボンが30重量%の
ときは2000MΩ、ブラックカーボンが30重量%で
ホワイトカーボンが20重量%のときは800MΩであ
り、ブラックカーボンが50重量%でホワイトカーボン
が0重量%のときは0MΩであった。またブラックカー
ボンが10重量%未満の場合は、全て無限大であった。
【0024】また融雪マット8の単体8aは、図3に示
すように、管状の温水流路11と、平板状の取付基部1
6とが交互に一体的に連結されており、管状の温水流路
11はその外周面の大部分が取付基部16よりも上方へ
露呈するように底部寄りを薄肉の連結部17によって連
結している。また平板状の取付基部16には融雪水を排
水するための排水孔18が所定間隔ごとに穿設されてお
り、長手方向の両端側には相互に嵌合し得る凸部19と
凹部20とが形成されている。この実施の形態における
融雪マット8の単体8aは、図3に示す単体の大きさ
が、幅が178mmで長さは10mである。従って、こ
の融雪マット8は、レールR,R間に5枚の単体8aを
凹凸嵌合して連結して用いるようにしている。
【0025】融雪マット8の前後側の端面には、図2に
示すように、給水ヘッダ9と排水ヘッダ10とが配設さ
れている。この実施の形態では、三つの温水流路11を
一組とし、三つの温水流路11の給水側及び排水側の口
端面のうち、それぞれ一つを給水ヘッダ9及び排水ヘッ
ダ10に連通接続し、他方の給水側及び排水側の口端面
どうしをU字管21a及び21bで連通接続している。
このような流路構造とすることにより、温水は給水側か
ら排水側へ流れた後、給水側へ戻り、更に排水側へ流れ
てボイラー14側へ戻るようになり、融雪マット8にお
いて雪との接触機会が増加するようになる。また各温水
流路11の一つずつを給水ヘッダと排水ヘッダとに接続
して温水が一方通行方式で流れるようにした場合は、給
水側と排水側とで温度ムラが大きくなるが、図2に示す
流路構造では給水側と排水側との温度分布が均一化され
るようになり、融雪マット8の全体において万遍なく雪
を溶かすことが可能である。
【0026】また融雪マット8の給水ヘッダ9及び排水
ヘッダ10は、図4に示すように、U字状のコンクリー
ト製のトラフ22等によりカバーされた状態でバラスト
23内に埋め込まれている。従って、列車が持ち込み雪
を運んで来た場合であっても、給排水ヘッダ9及び10
がこれらの持ち込み雪の塊と接触することがなく、また
軌道の保守点検作業員が踏みつけることもないので、損
傷したり、メクレ上がったりするのを防止することが可
能である。
【0027】更に、融雪マット8は、左右のレールR,
Rどうしの下面に架設された絶縁性を有する板材24に
平板状の取付基部25がネジ26等により固定されてい
る。そのため、融雪マット8の浮き上がりを防止するこ
とが可能である。更にまた、板材24を列車の進行方向
に対して一方側で枕木25の前側に、他方側で枕木25
の後側に配設した場合は、融雪マット8の前後方向のズ
レを防止することが可能である。なお、左右方向(枕木
と同じ方向)のズレは、板材24に枕木25の両端面に
係止する部材を設けることで防止することが可能であ
る。それに加えて、トラフ22及び板材24を枕木25
に対してフリーの状態にすることにより、列車の振動が
直接融雪マット8へ伝達されるのを防止することが可能
である。
【0028】次に、上述の如く構成された融雪装置の動
作態様を説明する。降雪センサーが雪を検知するか又は
冬季等において始発列車が発車する前後の合計2時間等
の間において、融雪装置の運転を行う。融雪運転は、バ
ーナーを燃焼させてボイラー14を沸かし、循環ポンプ
(図示せず)により配管13及び融雪マット8内の不凍
液を循環させて行う。不凍液は、ボイラー14において
熱交換され、温水となって配管13から温水マット8の
給水ヘッダ9へ供給され、給水ヘッダ9から分融雪マッ
ト8の各一組の温水流路11へ分配供給される。
【0029】そして、列車が分岐器12の手前側に降っ
た雪を融雪マット8上へ運んで来ると、雪は温水流路1
1の外周面と接触し、流路内の温水によって加熱されて
溶け、溶けた水は平板状の取付基部16に設けた排水孔
18からバラスト23内へ流下して排出される。従っ
て、融雪水が温水マット8上に残ることがなく、融雪水
によって温水の熱が無駄に奪われるということがない。
また管状の温水流路11は、その殆どが取付基部16よ
り上方に露呈しているため、持ち込み雪との接触面積が
大きく、融雪効果が大である。しかも、前述した如く、
三つの温水流路11を一組とし、温水が給水側及び排水
側を折り返して流れるようにしたので、融雪マット8に
おいて雪との接触機会が増加するようになり、融雪効果
の増大が図れる。またこのように折り返して温水を流す
ことにより、給水側と排水側との温度分布が均一化され
るようになり、融雪マット8の全体において万遍なく雪
を溶かすことが可能である。
【0030】持ち込み雪と熱交換した後の温水は、排水
ヘッダ10から配管13を通じてボイラ14側へ戻り、
ボイラ14内で再び加熱されて融雪マット8側へ供給さ
れ、持ち込み雪の融雪を繰り返して行っている。そし
て、降雪センサーが雪を検知しなくなったとき、又は始
発列車の前後2時間が経過した後は、融雪装置の運転は
停止し、待機状態となる。
【0031】ところで、本発明は上述した実施の形態に
限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例
えば、融雪マット8の温水流路11の途中が外部損傷を
受けて破損した場合は、図5に示すように、管状の温水
流路11と平板状の取付基部16との間の連結部17を
カッターナイフ等で切断し、破損した管状の温水流路1
1の部分を切除し、切除した部分どうしを耐熱性,耐圧
性を有するパイプ27等で接続して補修するようにすれ
ば、部分的な補修が容易である。また融雪マット8の単
体8aを単独で使用すること等により、分岐器12のク
ロッシングポイント等へ融雪マット8を敷設して当該部
分へ降る雪を融雪することが可能であり、またレール
R,Rの外側面へ配設してレールR,Rを直接加熱する
ようにすることも可能である。更には、融雪マット8の
長さ等は、使用する軌道内の状態に応じて任意に変更す
ればよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
管状の温水流路と平板状の取付基部とを交互に配設して
一体成形し、管状の温水流路をその外周面の大部分が平
板状の取付基部よりも上方に露呈するようにし、雪と接
触できるようにしたから、雪と接触する面積が大きくな
り、融雪効果に優れたものとなる。
【0033】また平板状の取付基部に、融雪水を排水す
るための排水孔が穿設されているので、融雪水がマット
上る残ることがなく、融雪水によって温水の熱が奪われ
るという無駄がなく、温水熱の効率的な利用が可能であ
る。更に、管状の温水流路が破損した場合に、この管状
の温水流路と平板状の取付基部との間の連結部をカッタ
ーナイフ等で切断し、破損した管状の温水流路の部分を
切除し、切除した部分どうしを耐熱性,耐圧性を有する
パイプ等で接続することにより、融雪マットの全体を交
換する必要がなく、部分的な補修が容易である。更にま
た、融雪マットは、レール間において複数のものが隣接
接合される方式のものであり、融雪マットの両端には接
合用の凹凸部が形成されているので、融雪マットの単体
で使用する場合には、クロッシングポイント等の幅が狭
いところへも適用可能である。それに加えて、ロール状
に巻き取って収納することもでき、取扱いが便利であ
る。
【0034】更に、本発明の融雪マットは、ゴム弾性体
又はエラストマー等の弾性材料と、カーボンと、その他
の添加剤とから成り、前記カーボンはブラックカーボン
とホワイトカーボンとを混合したものであって、ブラッ
クカーボンが材料全体に対して10重量%程度含まれる
ようにしたから、成形性,耐候性,耐紫外線性,絶縁性
等に優れたものとすることができ、成形が容易で室外の
環境下で長寿命化が可能である。またレール間の短絡事
故や信号線短絡の原因となることもない。
【0035】本発明の融雪装置によれば、管状の温水流
路は、三つが一組になっていて、給水側の一つが給水ヘ
ッダへ接続され、排水側の一つが排水ヘッダへ接続され
ており、その他の給水側と排水側のそれぞれ二つの温水
流路の開口端はU字管で接続されているので、雪との熱
交換機会を多くとることができ、むだなく熱交換させる
ことができる。しかも、温水の供給側と排出側との温度
分布が平均化し、全体を均一に融雪することが可能であ
る。
【0036】また本発明の融雪装置は、左右のレールの
下面に跨がって枕木と同方向に配設された架設部材に、
融雪マットの取付基部がネジ等により固定されており、
融雪マットの浮き上がりが防止されるようになってい
る。それに加えて、本発明の融雪装置では、給水ヘッダ
及び排水ヘッダがU字状部材によってカバーされた状態
で軌道上のバラスト内に埋め込まれているので、列車の
持ち込み雪によって各ヘッダが損傷したり、融雪マット
がメクレ上がったりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る融雪装置の全体斜
視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る融雪マットの平面
図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る融雪マットの単体
を示す縦断面正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る融雪装置の給水ヘ
ッダと排水ヘッダと融雪マットの固定方法を示す軌道の
縦断面図側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るものであり、融雪
マットの温水流路の補修構造を示す斜視図である。
【図6】従来の温水式融雪装置の全体を示す平面図であ
る。
【図7】従来の温水式融雪装置の温水マットを示す縦断
面正面図である。
【符号の説明】
8…融雪マット、8a…融雪マットの単体、9…給水ヘ
ッダ、10…排水ヘッダ、11…温水流路、12…分岐
器、13…配管、16…取付基部、17…連結部、18
…排水孔、19…凸部、20…凹部、21a,21b…
U字管、22…U字状部材(トラフ)、24…絶縁板
材、25…枕木
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長森 浩一 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 酒井 力正 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 福西 康之 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 徳野 安朗 石川県松任市若宮1−68 (72)発明者 黒保 勝郎 石川県金沢市間明町2丁目259番地2 エ ナテックス株式会社内 Fターム(参考) 2D026 CL03 2D056 BA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道の軌道上に敷設されて融雪を行うため
    のマットであって、管状の温水流路と平板状の取付基部
    とが交互に配設されて一体形成され、管状の温水流路は
    その外周面の大部分が平板状の取付基部よりも上方に露
    呈し、雪と接触できるようになっていることを特徴とす
    る融雪マット。
  2. 【請求項2】平板状の取付基部に、融雪水を排水するた
    めの排水孔が穿設されている請求項1に記載の融雪マッ
    ト。
  3. 【請求項3】管状の温水流路と平板状の取付基部との連
    結部が切断可能な薄肉になっている請求項1又は2に記
    載の融雪マット。
  4. 【請求項4】融雪マットは、レール間において複数のも
    のが隣接接合される方式のものであり、融雪マットの両
    端には接合用の凹凸部が形成されている請求項1乃至3
    のいずれか一つに記載の融雪マット。
  5. 【請求項5】鉄道の軌道上に敷設されて融雪を行うため
    の押出成形されたマットであって、ゴム弾性体又はエラ
    ストマー等の弾性材料と、カーボンと、その他の添加剤
    とから成り、前記カーボンはブラックカーボンとホワイ
    トカーボンとを混合したものであって、ブラックカーボ
    ンが材料全体に対して10重量%程度含まれていること
    を特徴とする融雪マット。
  6. 【請求項6】管状の温水流路と平板状の取付基部とが交
    互に配設されて一体形成され、管状の温水流路はその外
    周面の大部分が平板状の取付基部よりも上方に露呈した
    融雪マットと、当該融雪マットの一端側に取り付けられ
    て温水流路へ温水を分配供給する給水ヘッダと、融雪マ
    ットの他端側に取り付けられて温水流路の温水を排水す
    る排水ヘッダとで構成したことを特徴とする融雪装置。
  7. 【請求項7】管状の温水流路は、三つが一組になってい
    て、給水側の一つが給水ヘッダへ接続され、排水側の一
    つが排水ヘッダへ接続されており、その他の給水側と排
    水側のそれぞれ二つの温水流路の開口端はU字管で接続
    されている請求項6に記載の融雪装置。
  8. 【請求項8】左右のレールの下面に跨がって枕木と同方
    向に配設された架設部材に、融雪マットの取付基部がネ
    ジ等により固定されており、融雪マットの浮き上がりが
    防止されるようになっている請求項6又は7に記載の融
    雪装置。
  9. 【請求項9】給水ヘッダ及び排水ヘッダがU字状部材に
    よってカバーされた状態で軌道上のバラスト内に埋め込
    まれている請求項6乃至8のいずれか一つに記載の融雪
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015014131A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 鉄道軌材工業株式会社 レール間隙充填用ユニット
US10533291B2 (en) 2015-01-13 2020-01-14 Craig A. Perkins Snow melting mat

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JP2015014131A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 鉄道軌材工業株式会社 レール間隙充填用ユニット
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