JP2022187409A - フェノール樹脂発泡体 - Google Patents

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淳 熊田
Atsushi Kumada
寿 三堀
Hisashi Mitsubori
敬之 黒田
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Abstract

【課題】幅方向と奥行方向における強度のばらつきが小さく、幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一なフェノール樹脂発泡体を提供すること。【解決手段】フェノール樹脂発泡体の密度が、20kg/m3以上100kg/m3以下であり、フェノール樹脂発泡体のそれぞれ直交する幅、奥行および厚さをそれぞれ、X、YおよびZとしたとき、X、YおよびZのうち、Zが最も小さく、フェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での密度差が、0.1%以上6.0%以下であり、フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が、80%以上であることを特徴とする、フェノール樹脂発泡体。【選択図】図1

Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体に関する。
近年の省エネルギー性能に対する要求は、建築物のみならず自動車、船舶、産業用機器、および家電製品など幅広い分野に亘る。特に断熱性能が求められる場合においては、主に建築用断熱材を目的とした断熱材を、必要形状に加工して構造体内に充填した上で利用する場面が増えている。
特に断熱性、耐熱性、および、耐火性に優れる断熱材としてフェノール樹脂発泡体の利用が好まれる。
特許第5373622号
フェノール樹脂発泡体は熱硬化性樹脂であるため、硬化成形された形状を再成形することは極めて困難である。そのため、断熱材としてのフェノール樹脂発泡体を利用する場合、建築用として製造された大面積のフェノール樹脂発泡体を基に、フェノール樹脂発泡体を適用する形状および寸法に応じてフェノール樹脂発泡体を加工して用いる。フェノール樹脂発泡体を適用する寸法が小さい場合または適用する形状が複雑な場合には、大面積のフェノール樹脂発泡体を適切な大きさに加工する、もしくは、小片を組み合わせて適用部位の寸法と形状に応じて複数集合させて用いる等の対応を行っている。
しかし、フェノール樹脂発泡体には、断熱性に加えて強度も要求されるが、本発明者らが検討したところ、フェノール樹脂発泡体の小片を集合させて集合体として用いる場合、一つのフェノール樹脂発泡体から形成した同一形状かつ同一寸法の集合体であっても、強度にばらつきがあることがわかった。
また、フェノール樹脂発泡体を幅方向と奥行方向で切断して小片にした場合、切断面に周期的な色の濃淡が現れ、切断面の外観が不均一になる場合があった。小片の切断面の外観が不均一であると、小片の集合体の外観も不均一となり、集合体の外観が損なわれることがあった。
本発明者らがさらに検討したところ、集合体の強度のばらつきは、小片に加工する前のフェノール樹脂発泡体の幅方向の強度と奥行方向の強度のばらつきに起因することがわかった。小片に加工前のフェノール樹脂発泡体の幅方向の強度と奥行方向の強度にばらつきが存在すると、そのフェノール樹脂発泡体を小片に加工した際に、小片にも強度のばらつきが生じる。そのため、ある範囲の小片の集合体と、別の範囲の小片の集合体でも強度にばらつきが生じるものと推測される。
そこで、本発明は、幅方向と奥行方向における強度のばらつきが小さく、幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一なフェノール樹脂発泡体を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、幅方向及び奥行方向の区別なく、厚さ方向を除く直交する2方向の密度差が殆どないフェノール樹脂発泡体によって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]~[2]を提供する。
[1]
フェノール樹脂発泡体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の密度が、20kg/m以上100kg/m以下であり、
前記フェノール樹脂発泡体のそれぞれ直交する幅、奥行および厚さをそれぞれ、X、YおよびZとしたとき、X、YおよびZのうち、Zが最も小さく、
前記フェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での密度差が、0.1%以上6.0%以下であり、
前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が、80%以上であることを特徴とする、フェノール樹脂発泡体。
[2]
前記フェノール樹脂発泡体のボイド率が、5%以下である、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体。
本発明によれば、幅方向と奥行方向における強度のばらつきが小さく、幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一なフェノール樹脂発泡体を提供することができる。
図1は、吐出工程における吐出ノズル先端と、下面材との位置関係の一例を模式的に示した側面図である。 図2は、実施例1および比較例1の各小片の幅方向の密度分布を表すグラフである。 図3は、実施例1および比較例1の各小片の奥行方向の密度分布を表すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
添付の図面は、本発明の理解を優先して描かれており、各構成の寸法および縮尺は必ずしも正確ではない。
本発明において、フェノール樹脂発泡体の幅方向と奥行方向は、最も寸法が小さい厚さ方向に直交する2方向を区別することのみを意図しており、フェノール樹脂発泡体の使用状態または配置における幅方向と奥行方向を限定するものではない。
本発明において、フェノール樹脂発泡体を幅方向またはX方向で切断するとは、フェノール樹脂発泡体を幅方向またはX方向と平行な方向に切断することを指し、その切断によって得られる切断面はXZ面である。本発明において、フェノール樹脂発泡体を奥行方向またはY方向で切断するとは、フェノール樹脂発泡体を奥行方向またはY方向と平行な方向に切断することを指し、その切断によって得られる切断面はYZ面である。
本発明において、フェノール樹脂発泡体の密度;X方向とY方向での密度差;独立気泡率およびボイド率は、実施例に記載の方法によって求める。
<フェノール樹脂発泡体>
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、
前記フェノール樹脂発泡体の密度が、20kg/m以上100kg/m以下であり、
前記フェノール樹脂発泡体のそれぞれ直交する幅、奥行および厚さそれぞれ、X、YおよびZとしたとき、X、YおよびZのうち、Zが最も小さく、
前記フェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での密度差が、0.1%以上6.0%以下であり、
前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が、80%以上である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、幅、奥行および厚さのうち、厚さが最も小さい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での密度差は、6.0%以下であり、好ましくは5.0%以下、より好ましくは4.0%以下、更に好ましくは3.0%以下である。X方向とY方向での密度差が6.0%以下であれば、フェノール樹脂発泡体を小片として用いても各々均一な密度として利用できる。そして、フェノール樹脂発泡体の小片の密度が均一であること、すなわち密度のばらつきが小さいことによって、その小片の集合体の圧縮強さなどの強度のばらつきも小さく、フェノール樹脂発泡体の幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一となる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の密度は、20kg/m以上100kg/m以下であり、好ましくは25kg/m以上70kg/m以下、より好ましくは25kg/m以上50kg/m以下である。密度が20kg/m以上であると、厚さ方向の圧縮強さなどの機械的強度の低下が抑制され、フェノール樹脂発泡体の取扱い時に破損しにくくなり、表面脆性も減少する。また、密度が100kg/m以下であると、樹脂部の伝熱が増大して断熱性能が低下するおそれがなくなる。なお、フェノール樹脂発泡体の密度は、主に発泡剤の割合、硬化条件の変更により所望の値に調整できる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができる。フェノール樹脂発泡体の厚さは、好ましくは30mm以上200mm以下である。厚さが30mm以上であると、後述する製造方法を採用する際にX方向の密度差を小さくすることができる。一方、厚さが200mm以下であると、発泡工程と硬化工程における内部発熱を充分にフェノール樹脂外部に放出することができ、独立気泡率の高い製品を作りやすい。厚さは、好ましくは30mm以上200mm以下であり、より好ましくは35mm以上200mm以下、さらに好ましくは40mm以上200mm以下である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上である。独立気泡率が80%以上であると、フェノール樹脂発泡体中の発泡剤の、空気との置換が抑制されて、断熱性能の低下を抑制できる。フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、例えば、発泡核剤の添加量、面材と発泡性フェノール樹脂組成物が接する際の発泡性フェノール樹脂組成物の温度および面材表面の平均温度、硬化条件などの変更によって所望の値に調整できる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体のボイド率は、好ましくは5%以下である。ボイド率が5%以下であると、より良好な外観が得られ、また圧縮強度も確保しやすい。好適な実施形態では、フェノール樹脂発泡体のボイド率は、0.5%以上5.0%以下である。
本発明では、ボイド率を次のように定義する。即ち、フェノール樹脂発泡体のXY面に垂直な横断面を切り出し、その断面に存在する空隙部を後述する方法で測定し、その面積が2mm以上の空隙をボイドとし、当該横断面上の全ボイドの総面積を横断面の面積で割った値をボイド率とする。
フェノール樹脂発泡体は、公知の発泡性フェノール樹脂組成物から製造することができる。発泡性フェノール樹脂組成物は、例えば、フェノール樹脂、界面活性剤、発泡剤、発泡核剤、及び酸性硬化剤を含み、任意に、その他の成分を含有していてもよい。
発泡性フェノール樹脂組成物としては、例えば、特開2018-171885号に記載の発泡性フェノール樹脂組成物を用いることができる。
<面材>
フェノール樹脂発泡体は、上下面に面材を有していてもよい。面材としては、フェノール樹脂発泡体の公知の面材を用いることができる。面材としては、例えば、特開2018-171885号に記載の面材が挙げられる。
フェノール樹脂発泡体は、これを単体で使用してもよいし、外部部材と接合させて様々な用途に用いることができる。外部部材の例としては、ボード状材料およびシート状がある。ボード状材料としては、普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSBなどの木質系ボード、および、木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシブルボード、ミディアムデンシティファイバーボード、ケイ酸カルシウム板、ケイ酸マグネシウム板、火山性ガラス質複層板などが好適である。また、シート状材料としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、無機質充填ガラス繊維不織布、ガラス繊維不織布、紙、炭酸カルシウム紙、ポリエチレン加工紙、ポリエチレンフィルム、プラスチック系防湿フィルム、アスファルト防水紙、アルミニウム箔(孔ありまたは孔なし)などが好適である。
<フェノール樹脂発泡体の製造方法>
次に、上述したフェノール樹脂発泡体の製造方法について説明する。
本実施形態に係るフェノール樹脂発泡体積層の好適な製造方法は、
発泡性フェノール樹脂組成物を準備する準備工程と、
発泡性フェノール樹脂組成物を混合機で混合する混合工程と、
混合した発泡性フェノール樹脂組成物を、幅方向に配置された複数の吐出ノズルから、走行する下面材上に吐出する吐出工程と、
下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を上面材と接着するまで膨らませてフェノール樹脂発泡体を製造する発泡体製造工程と、を備える連続製造方式である。
本実施形態に係るフェノール樹脂発泡体の好適な製造方法の特徴は、吐出工程において、複数の吐出ノズルの先端と、走行する下面材との間に後述するように一定の距離を取ることである。吐出ノズルの先端と下面材との間に一定の距離を取ることによって、吐出される発泡性フェノール樹脂組成物は奥行方向(すなわち、下面材の走行する方向)に真っ直ぐに下面材に落下せず、発泡性フェノール樹脂組成物が吐出ノズルから幅方向及び奥行方向にとぐろを巻くように落下し、隣接する吐出ノズルから吐出される発泡性フェノール樹脂組成物同士が近接または交差する。これによって、幅方向と奥行方向の面状としてみたときに、連続吐出される樹脂組成物を、幅方向(すなわちX方向)と奥行方向(すなわちY方向)、の区別なく下面材上に一様に配置することが可能となる。
その結果、得られるフェノール樹脂発泡体は、その性能を維持しつつも、X方向とY方向の密度差が改善される。X方向とY方向の密度差が改善されたフェノール樹脂発泡体は、小片化した場合であっても、小片の密度のばらつきが小さく、小片の集合体の強度のばらつきも小さい高品質なフェノール樹脂発泡体の集合体を形成することができる。
また、X方向とY方向の密度差が改善されたことによって、小片の切断面(XZ面)における周期的な色の濃淡など、小片の外観の不均一さが改善され、フェノール樹脂発泡体の幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一となった。このことから、切断面の色の濃淡も、フェノール樹脂発泡体の幅方向と奥行方向での密度差に起因するものと推測される。
ところで、発泡性フェノール樹脂組成物を幅方向に均す公知の手段として、複数分配された流路より、ダイの複数の流入口から該ダイの内部に供給して滞留させ、ダイリップ吐出口から発泡性フェノール樹脂組成物を走行する表面材に板状に吐出する方法もある(特許文献1)。特許文献1の方法では、発泡性フェノール樹脂組成物をノズルから筋状に吐出するのではなく、幅方向に対して一様に均し板状に吐出するが、吐出される板状の発泡性フェノール樹脂組成物の吐出速度と、その板状の発泡性フェノール樹脂組成物が接触する下面材の移動速度とを高い精度で調整する必要があり、制御が難しい。例えば、特許文献1の方法において、下面材の移動速度が板状の発泡性フェノール樹脂組成物の吐出速度よりも速い場合は、下面材に接触した板状の発泡性フェノール樹脂組成物が所々で裂けることがあり、成型後のフェノール樹脂発泡体では奥行方向で低密度部が生じて密度が均一にならないおそれがある。一方、下面材の移動速度が吐出速度よりも遅い場合は、下面材上で発泡性フェノール樹脂組成物の一部が滞留し波打つため、成型後のフェノール樹脂発泡体では奥行方向で高密度部を生じて密度が均一にならないおそれがある。
本実施形態に話を戻す。図1は、本実施形態の吐出工程における吐出ノズル先端と、下面材との位置関係の一例を模式的に示した側面図である。図1の例では、下面材1は、矢印で示したように図の右側から左側に向かって移動する。すなわち、図の横方向が下面材1の奥行方向であり、目的とするフェノール樹脂発泡体2のY方向である。また、図の縦方向が目的とするフェノール樹脂発泡体2の厚さ方向であり、Z方向である。なお、図1では、説明の簡略化のため、混合機から吐出ノズル3までの分配路およびコンベアは省略している。また、同様に説明の簡略化のため、複数の吐出ノズルのうち1本のみを示している。また、理解を容易にするため、吐出工程ではまだ存在しない、目的とするフェノール樹脂発泡体2を破線で示している。
吐出ノズル3先端と下面材1との鉛直方向の距離(下面材から吐出ノズル先端までの高さ)をH、目的とするフェノール樹脂発泡体2の厚さをTとすると、H=T+Δであり、差分Δが0mm以上100mmであり、好ましくは5mm以上80mm以下であり、より好ましくは10mm以上60mm以下であり、更に好ましくは10mm以上40mm以下である。Δがマイナス、すなわち、吐出ノズル先端が、目的とする成形厚さよりも低い位置にあると、吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が幅方向及び奥行方向にとぐろを巻くように落下せず、幅方向において発泡性フェノール樹脂組成物同士が十分に近接または交差せず、幅方向の密度のばらつきが改善されない。また、Δが100mmを超えると、吐出された発泡性フェノール樹脂組成物に巻き込まれる空気の量が増え、成形されたフェノール樹脂発泡体のボイド率が増加する。
吐出ノズルの数は、例えば、目的とするフェノール樹脂発泡体の幅1m当たり、6本以上50本以下であり、好ましくは10本以上40本以下であり、より好ましくは15本以上35本以下であり、更に好ましくは20本以上30本以下である。例えば、吐出ノズルの内径を6~18mmとすると、幅1m当たり、吐出ノズルの数が6本未満の場合、幅方向において隣接するノズルの間隔が広くなるため、吐出される発泡性フェノール樹脂組成物同士が十分に近接または交差せず、密度が均一にならない。また、幅1m当たり、吐出ノズルの数が50本を超えると、発泡性フェノール樹脂組成物に巻き込まれる空気が増え、ボイド率が増加する。
以下に、実施例および比較例によって本説明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(発泡性フェノール樹脂組成物の調製)
特開2018-171885号の実施例1と同様に、発泡性フェノール樹脂組成物を調製した。
混合機は、特開平10-225993号に開示されたものを使用した。混合機の分配部は、その先端に24個の内径10mmのノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。
上面材および下面材は、ポリエステル不織布(旭化成せんい(株)製「スパンボンドE05030」、目付量30g/m、厚さ0.15mm)を使用した。
空気比較式比重計は、東京サイエンス社製1000型を用いた。
(実施例1)
目的とするフェノール樹脂発泡体の成形厚さTを50mm、吐出ノズル先端と下面材との距離Hを60mm、すなわち、Δ=10mmと設定した。そして、発泡性フェノール樹脂組成物を混合機のミキシングヘッドに供給し、マルチポート分配管を通して、吐出ノズル先端から30kg/hrの流量で吐出し、一定速度で移動する下面材上に落下させた。24個の吐出ノズルの両端間の距離を1000mmとした。この幅方向(すなわち、吐出ノズルの整列方向)と、面材の奥行方向(すなわち、下面材の移動方向)は直交し、幅方向および奥行方向は、それぞれ、成形されるフェノール樹脂発泡体の幅方向(すなわちX方向)および奥行方向(すなわちY方向)に対応する。
吐出された発泡性フェノール樹脂組成物を発泡させながら、発泡性フェノール樹脂組成物上に上面材を配置し、78℃の雰囲気でスラット型ダブルコンベアへ、上下の面材に挟まれた発泡性フェノール樹脂組成物を送った。スラット型ダブルコンベアでは、上下方向から面材を介して適度に圧力を加えることで板状に成形した。そして、15分の滞留時間でフェノール樹脂発泡体の厚さが50mmとなるように硬化させた。次いで、110℃のオーブンで3時間硬化してフェノール樹脂発泡体を得た。
得られたフェノール樹脂発泡体の厚さ、密度、独立気泡率、X方向とY方向の密度差、ボイド率および切断面の外観を以下の方法によって測定、観察した。
<フェノール樹脂発泡体の厚さ>
幅50mm、奥行50mmのフェノール樹脂発泡体から上下の面材を取り除いたものを10個準備した。各フェノール樹脂発泡体の上下のXY面の中心にマークをした後、ノギスでZ方向の厚さを計測した。10個の厚さの平均値をフェノール樹脂発泡体の厚さTとした。
<フェノール樹脂発泡体の密度>
幅20cm、奥行20cmのフェノール樹脂発泡体から上下の面材を取り除いて試料とした。次いで、JIS K7222に従い、試料の質量と見かけ容積を測定して、フェノール樹脂発泡体の密度を求めた。
<フェノール樹脂発泡体の独立気泡率>
特開2018-171885号の実施例と同様にフェノール樹脂発泡体の独立気泡率を求めた。フェノール樹脂の密度は1.3kg/Lとした。
<X方向とY方向の密度差>
得られたフェノール樹脂発泡体のX方向の両端部50mmを含まない、X方向およびY方向においてX方向200mm、Y方向200mmのフェノール樹脂発泡体を隣り合わせで2つ切り出し、上下の面材を取り除いた後、1つをX方向、もう一つをY方向で7mmの間隔でそれぞれ切断し、1つのフェノール樹脂発泡体から28個、合計56個の切片を得た。各切片のフェノール樹脂発泡体の質量と見かけ容積を測定して各切片の密度と、全切片の平均密度Daを求めた。測定は試料体積の目安を除きJIS K7222に倣った。そして、全切片の密度のうち、最も高い密度Dhと最も低い密度Dlを求め、以下の式から密度差Ddを求めた。その結果を表1に示す。
Dd=(Dh-Dl)×100/Da
<フェノール樹脂発泡体のボイド率>
幅100mm×奥行100mmのフェノール樹脂発泡体を5つ準備した。そして、各フェノール樹脂発泡体の4つの側面(XZ面2つおよびYZ面2つ)について、ボイド率を以下の方法で評価した。
各側面のカラーコピーを取り、そのコピー紙中の2mm以上の空隙を黒ボールペンで塗りつぶした。2mm以上の空隙が確認しにくい場合は、適宜拡大コピーを行い、倍率換算をして作業した。次いで、そのコピー紙をスキャンした。そして、スキャンした画像を解析ソフト(WinRooF2015、三谷商事(株)製)を用いて、各面における全ボイドの総面積を各面の全面積で割った値を算出し、ボイド率とした。同様の操作を5つフェノール樹脂発泡体の各々4面、計20面について実施し、その平均値を求めた。
<切断面の外観>
得られたフェノール樹脂発泡体のX方向の両端部50mmを含まない、X方向およびY方向においてX方向400mm、Y方向400mmのフェノール樹脂発泡体を切り出し、
自然光の下でXZ面およびYZ面の外観を目視により観察した。
(実施例2~7および比較例1)
実施例1において、表1に示すように、厚さT、距離Hまたは分配部の吐出ノズルの本数を変更したこと以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂発泡体を製造した。
また、実施例1と比較例1のX方向で切断した切片28個と、Y方向で切断した切片28個のそれぞれについて、順番に14個(28個の半分)を抜き出した。そのそれぞれ14個の切片について順番に、1番から14番まで番号を付けた。そのすべての切片の密度を測定した。X方向(幅方向)の密度分布をグラフ化した結果を図2に示す。また、Y方向(奥行方向)の密度分布をグラフ化した結果を図3に示す。
(比較例2)
実施例1において、混合機の分配部を特許第5373622号の実施例1に開示されたダイと同型の構造を有するダイに代えたこと以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂発泡体を得た。
各実施例および比較例における製造条件とフェノール樹脂発泡体の物性と切断面の外観を表1に示す。
Figure 2022187409000002
図2および図3から、実施例1および比較例1共に、フェノール樹脂発泡体の切片は、奥行方向では密度がほぼ均一であるのに対し、幅方向では奥行方向よりも密度にばらつきがあることが分かる。そのため、X方向とY方向の密度差は、X方向の密度差と同一視できることが分かる。
表1ならびに図2および図3の結果から、実施例1~7のフェノール樹脂発泡体では、X方向とY方向での密度差が小さいため、フェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での強度のばらつきも小さくなる。本発明によれば、幅方向と奥行方向における強度のばらつきが小さく、幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一なフェノール樹脂発泡体を提供することができた。
本発明によれば、幅方向と奥行方向における強度のばらつきが小さく、幅方向と奥行方向の切断面の外観も均一なフェノール樹脂発泡体を提供することができる。
1:下面材
2:目的とするフェノール樹脂発泡体
3:吐出ノズル

Claims (2)

  1. フェノール樹脂発泡体であって、
    前記フェノール樹脂発泡体の密度が、20kg/m以上100kg/m以下であり、
    前記フェノール樹脂発泡体のそれぞれ直交する幅、奥行および厚さをそれぞれ、X、YおよびZとしたとき、X、YおよびZのうち、Zが最も小さく、
    前記フェノール樹脂発泡体のX方向とY方向での密度差が、0.1%以上6.0%以下であり、
    前記フェノール樹脂発泡体の独立気泡率が、80%以上であることを特徴とする、フェノール樹脂発泡体。
  2. 前記フェノール樹脂発泡体のボイド率が、5%以下である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体。
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