JP2022185273A - 制御装置、レンズ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】フォーカシングに際して複数のフォーカスレンズの目標位置への駆動中も複数のフォーカスレンズの位置関係を適切に維持可能な制御装置、レンズ装置、撮像装置、レンズ制御、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】制御装置は、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を所定周期ごとに算出する制御装置であって、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの位置と被写体距離との関係を示す位置特性データと、像面移動速度とを取得する取得部と、像面移動速度と現在の被写体距離に関する情報を用いて目標の被写体距離を算出すると共に、位置特性データと目標の被写体距離を用いて第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を算出する算出部とを有する。
【選択図】図8
【解決手段】制御装置は、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を所定周期ごとに算出する制御装置であって、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの位置と被写体距離との関係を示す位置特性データと、像面移動速度とを取得する取得部と、像面移動速度と現在の被写体距離に関する情報を用いて目標の被写体距離を算出すると共に、位置特性データと目標の被写体距離を用いて第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を算出する算出部とを有する。
【選択図】図8
Description
本発明は、フォーカシングに際して複数のフォーカスレンズを制御する制御装置、レンズ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムに関する。
従来、フォーカシングのために移動する第1フォーカスレンズ、及び第1フォーカスレンズの移動により生じるデフォーカスや収差を補正する第2フォーカスレンズ(フローティングレンズ)を制御する制御装置が知られている。特許文献1には、複数のフォーカスレンズの位置関係がそれぞれの目標位置にて最適となるように、複数のフォーカスレンズを制御する制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、複数のフォーカスレンズがそれぞれの目標位置に到達するまでの間(駆動中)の複数のフォーカスレンズの位置関係を適切に維持する方法については開示されていない。目標位置への駆動中に複数のフォーカスレンズの位置関係が適切に維持されないと、目標位置にて合焦状態が得られるまでにデフォーカス量や収差が増加するおそれがある。
本発明は、フォーカシングに際して複数のフォーカスレンズの目標位置への駆動中も複数のフォーカスレンズの位置関係を適切に維持可能な制御装置、レンズ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての制御装置は、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を所定周期ごとに算出する制御装置であって、第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの位置と被写体距離との関係を示す位置特性データと、像面移動速度とを取得する取得部と、像面移動速度と現在の被写体距離に関する情報を用いて目標の被写体距離を算出すると共に、位置特性データと目標の被写体距離を用いて第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を算出する算出部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、フォーカシングに際して複数のフォーカスレンズの目標位置への駆動中も複数のフォーカスレンズの位置関係を適切に維持可能な制御装置、レンズ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムを提供する
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラシステム10の構成図である。カメラシステム10は、レンズ装置100及びカメラ本体(撮像装置)200を有する。カメラシステム10は、レンズ交換式のカメラシステムである。すなわち、レンズ装置100は、カメラ本体200に対して着脱可能に構成されている。なお、レンズ装置100は、カメラ本体200と一体的に構成されていてもよい。また、本実施例では、レンズ装置100は複数のフォーカス群を有するが、カメラ本体200には1つのフォーカス群を有するレンズ装置1000も装着可能である。
本明細書において「フォーカス群」は、フォーカシングに際して同じ軌跡で移動する1枚又は複数枚のレンズから構成されるレンズ群のことをいう。同じ軌跡で移動する2つのレンズの間に、フォーカシングに際して不動又は別の軌跡で移動するレンズが配置されている場合は、当該2つのレンズは異なるフォーカス群に属しているものとする。
レンズ装置100は、カメラ本体200の撮像素子201に被写体像を結像可能な光学系(撮像光学系)101を有する。本実施例では、光学系101は単焦点レンズである。光学系101は、それぞれが被写体像の合焦状態の調節に際して光学系101の光軸に沿って独立に移動する、第1フォーカス群(第1のフォーカスレンズ)103及び第2フォーカス群(第2のフォーカスレンズ)104を有する。本実施例では、第1フォーカス群103を主として合焦状態の調節のために移動させ、第2フォーカス群104を収差補正や合焦状態の微調整のために移動させるが、各フォーカス群の役割はこれに限られない。
また、レンズ装置100は、レンズ制御部105は、メモリ(記憶部)106、絞り駆動部107、第1駆動部108、第2駆動部109、第1検出部110、及び第2検出部111を有する。
レンズ制御部105は、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータであり、図1(b)に示されるように取得部105a及び算出部105bを有する。レンズ制御部105は、メモリ106、絞り駆動部107、第1駆動部108、第2駆動部109、第1検出部110、及び第2検出部111と電気的に接続されている。なお、レンズ制御部105は、本実施例ではレンズ装置100内に設けられているが、レンズ装置100とは別の制御装置として構成されていてもよい。
レンズ制御部105は、第1駆動部108を介して第1フォーカス群103の位置を制御すると共に、第2駆動部109を介して第2フォーカス群104の位置を制御する。また、レンズ制御部105は、現在の合焦位置に対応する、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれの位置を代表する1つの位置情報を取得する。1つの位置情報は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104を1つの仮想の合成フォーカス群としたときの、合成フォーカス群の位置情報である。また、レンズ制御部105は、オートフォーカス制御において必要な情報をカメラ本体200のカメラ制御部207と通信する。例えば、レンズ制御部105は、合成フォーカス群の位置、合成フォーカス群の合成フォーカス敏感度、及び各フォーカス群の駆動指令の生成に必要なパルス変換係数を送信したり、合成フォーカス群の駆動指令を受信したりする。
更に、レンズ制御部105は、オートフォーカス制御に関するプログラムをメモリ106から読み出して実行したり、カメラ制御部207に送信する情報や該情報の算出に必要な情報をメモリ106から読み出したりする。なお、レンズ制御部105は、本実施例ではプログラムや情報をメモリ106から読み出すが、外部の機器から取得してもよい。
メモリ106は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM等で構成され、情報を記憶する。メモリ106は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれの位置と被写体距離との関係を示す情報(位置特性データ)と、合成フォーカス群の位置と被写体距離との関係を示す情報とを記憶している。また、メモリ106は、第1フォーカス群103のフォーカス敏感度と、第2フォーカス群104のフォーカス敏感度とを記憶している。また、メモリ106は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれの位置の組み合わせに対応する合成フォーカス群の合成フォーカス敏感度を記憶している。更に、メモリ106は、後述するレンズ側処理のプログラムや、カメラ本体200で行われる自動露出や自動調光に必要となる情報を記憶している。
絞り駆動部107は、レンズ制御部105からの指示に基づいて光学系101に含まれる開口絞り102の開口径を調整する。第1駆動部108は、レンズ制御部105からの指示に基づいて第1フォーカス群103を移動させる。第2駆動部109は、レンズ制御部105からの指示に基づいて第2フォーカス群104を移動させる。
ここで、図2を参照して、第1フォーカス群103の移動制御について説明する。図2は、第1フォーカス群103の移動制御の説明図である。本実施例では、第1駆動部108は、ステータ113とロータ114を有する超音波振動モータであり、ロータ114に特定の周波数の電気を加えることで超音波を発生させてロータ114を光軸方向へ移動させる。第1フォーカス群103は、連結部を介してロータ114と連結されている。
レンズ制御部105からの指示に基づいて第1駆動部108が駆動することにより、第1フォーカス群103はロータ114と共に移動する。第1駆動部108は、第1フォーカス群103の絶対位置を示すパルス数に基づいて制御される。
第1検出部110は、第1フォーカス群103の位置を検出し、検出結果(第1フォーカス群103の位置情報)をレンズ制御部105に出力する。第1検出部110は、スケール部112及びセンサ部115を有する。センサ部115は、発光部及び受光部を有する。発光部からの光は、スケール部112に入射した後、スケール部112から射出される。スケール部112にはパターンが印字されており、スケール部112の位置に応じてスケール部112からの光の強度に強弱が生じる。受光部は、光の強度に強弱が生じたスケール部112からの光を用いて第1フォーカス群103の位置を検出する。
レンズ制御部105は、第1フォーカス群103の位置情報を用いて第1駆動部108を駆動し、第1フォーカス群103を目標位置に移動させる。なお、レンズ制御部105は、制御系の重量や抵抗により第1フォーカス群103の細かい制御を行えない場合、絶対位置から数パルスの停止誤差を含んで第1フォーカス群103を制御してもよい。すなわち、第1フォーカス群103は、目標位置に停止しない場合もある。
第2フォーカス群104の移動制御も、第1フォーカス群103の移動制御と同様である。第2駆動部109は、第1駆動部108と同様の構成を有する。第2検出部111は、第1検出部110と同様に第2フォーカス群104の位置を検出し、検出結果(第2フォーカス群104の位置情報)をレンズ制御部105に出力する。レンズ制御部105は、第2フォーカス群104の位置情報を用いて第2駆動部109を駆動し、第2フォーカス群104を目標位置に移動させる。
なお、第1駆動部108及び第2駆動部109は、ステッピングモータやボイスコイルモータ等の超音波モータ以外のアクチュエータでもよい。また、第1検出部110及び第2検出部111はそれぞれ、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置を検出可能であれば、本実施例の構成に限定されない。
カメラ本体200は、撮像素子201、信号処理部202、記録処理部203、電子ファインダー204、表示部205、デフォーカス検出部206、カメラ制御部207、及びメモリ208を有する。
撮像素子201は、光学系101からの光を受光し、光電変換により電気信号を生成し、信号処理部202に出力する。
信号処理部202は、入力された電気信号の増幅、ノイズ除去、及び色補正等の各種処理を行い、処理後の画像を記録処理部203に出力する。記録処理部203は、入力された画像を記録すると共に、該画像を電子ファインダー204や表示部205に表示する。
デフォーカス検出部206は、撮像素子201を用いて被写体像の合焦状態を検出する。本実施例では、デフォーカス検出部206は、位相差検出方式によってデフォーカス量を検出する。具体的には、デフォーカス検出部206は、撮像素子201の焦点検出用の画素に対して瞳分割を行うマイクロレンズを介して入射した光から得られた1対の被写体像の信号の位相差を検出し、当該位相差に対応するデフォーカス量を決定する。検出されたデフォーカス量は、カメラ制御部207に出力される。
カメラ制御部207は、CPUを有するコンピュータであり、記録処理部203、デフォーカス検出部206、及びメモリ208と電気的に接続されている。
カメラ制御部207は、メモリ208に記憶されたプログラムを読み出して実行したり、オートフォーカス制御において必要な情報をレンズ制御部105と通信したりする。また、カメラ制御部207は、デフォーカス検出部206により検出されたデフォーカス量と、レンズ装置100から取得した合成フォーカス群の位置情報とに基づいて合成フォーカス群の駆動指令を生成する。デフォーカス量の検出及び合成フォーカス群の駆動指令の生成は、ユーザによりオートフォーカス制御の指示がなされてから所定の合焦状態になるまで(デフォーカス量が所定値以下になるまで)繰り返し行われる。
以下、図3及び図4を参照して、像面位置をフォーカス群の位置に変換するためのフォーカス敏感度について説明する。図3は、フォーカス敏感度の定義の説明図である。図4は、フォーカス敏感度の説明図である。
図3のフォーカス群301と固定群302を有する光学系において、合焦状態のときのフォーカス群301の位置300からフォーカス群301の現在位置までの移動量をL、デフォーカス量をd、フォーカス敏感度をSとするとき、d=L×Sの関係が成立する。すなわち、フォーカス敏感度Sは、フォーカス群301の単位移動量あたりのデフォーカス量dの変化量である。なお、デフォーカス量dは、図示されている通り、撮像素子の受光面303から合焦位置までの光軸上の距離である。
図4(a)は、移動量Lとデフォーカス量dとの関係を示しており、図4(b)はデフォーカス量dとフォーカス敏感度Sとの関係を示している。
フォーカス群301の移動に応じてフォーカス敏感度Sが変化しない場合、図4(a)及び図4(b)の実線に示されるように、デフォーカス量dと移動量Lは比例関係となり、フォーカス敏感度Sは一定となる。
フォーカス群301の移動に応じてフォーカス敏感度Sが変化する場合、フォーカス敏感度Sはデフォーカス量dの関数としてS=f(d)で表される。フォーカス敏感度Sをテーラー展開すると、以下の式(1)で表される。また、移動量Lは、以下の式(2)で表される。式(1)及び式(2)のグラフは、図4(a)及び図4(b)の破線で表される。
S=f(d)
=S_0+S_1・d^1+S_2・d^2+…+S_n・d^n (1)
L=d/S
=d/(S_0+S_1・d^1+S_2・d^2+…+S_n・d^n) (2)
以下、レンズ装置100との比較のために、1つのフォーカス群を有するレンズ装置1000がカメラ本体200に装着されたときのフォーカス制御について説明する。レンズ装置1000のフォーカス群は、位置に応じてフォーカス敏感度Sが変化するものとする。
S=f(d)
=S_0+S_1・d^1+S_2・d^2+…+S_n・d^n (1)
L=d/S
=d/(S_0+S_1・d^1+S_2・d^2+…+S_n・d^n) (2)
以下、レンズ装置100との比較のために、1つのフォーカス群を有するレンズ装置1000がカメラ本体200に装着されたときのフォーカス制御について説明する。レンズ装置1000のフォーカス群は、位置に応じてフォーカス敏感度Sが変化するものとする。
カメラシステム10では、フォーカス群の駆動指令は、基準位置から目標位置までの距離に相当する絶対位置である。絶対位置は、長さの単位ではなく、パルス数で表される。デフォーカス量に対応するパルス数Pは、フォーカス敏感度S、パルス変換係数h(1パルスあたりのフォーカス群の移動量[mm/pulse])を用いて、以下の式(3)で表される。
P=L/h
=d/(h×S) (3)
フォーカス敏感度S及びパルス変換係数hは、レンズ装置1000に固有の値である。
したがって、駆動指令を算出するためには、フォーカス群の現在位置に対してデフォーカス量に対応するパルス数Pを加える必要がある。したがって、レンズ装置1000は、フォーカス群の現在位置を示すパルス数と、フォーカス群の現在位置に応じたフォーカス敏感度S及びパルス変換係数hとをカメラ本体200に送信する必要がある。カメラ制御部207は、取得したこれらの情報とデフォーカス検出部206から出力されたデフォーカス量に基づいて駆動指令を生成する。
=d/(h×S) (3)
フォーカス敏感度S及びパルス変換係数hは、レンズ装置1000に固有の値である。
したがって、駆動指令を算出するためには、フォーカス群の現在位置に対してデフォーカス量に対応するパルス数Pを加える必要がある。したがって、レンズ装置1000は、フォーカス群の現在位置を示すパルス数と、フォーカス群の現在位置に応じたフォーカス敏感度S及びパルス変換係数hとをカメラ本体200に送信する必要がある。カメラ制御部207は、取得したこれらの情報とデフォーカス検出部206から出力されたデフォーカス量に基づいて駆動指令を生成する。
レンズ装置1000は、カメラ制御部207で生成された駆動指令に基づいてフォーカス群を目標位置まで移動させる。フォーカス群の移動後もデフォーカス量が所定値以下になるまで上記制御を繰り返すことで、最終的に被写体に対して合焦させることが可能となる。
また、フォーカス群の位置とフォーカス敏感度の関係を示す情報を予めカメラ本体200に送信しておき、カメラ制御部207がフォーカス群の現在位置に応じたフォーカス敏感度Sを取得してもよい。
以下、本実施例の複数のフォーカス群を有するレンズ装置100がカメラ本体200に装着された場合のフォーカス制御について説明する。
システムの複雑化によるエラー発生のリスクを低減するために、カメラ本体200には、レンズ装置100が有するフォーカス群の数に関わらず同様の手順で駆動指令を生成することが求められる。また、カメラシステム10には、目標位置に対して複数のフォーカス群のうちいずれかの移動が遅れて複数のフォーカス群同士の位置関係が崩れた場合でも、その崩れによるデフォーカス量の変化を補償できることが求められる。
そこで、本実施例では、“合成フォーカス群”という概念を導入している。合成フォーカス群は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104を1つのフォーカス群とする仮想のフォーカス群である。合成フォーカス群に関する情報は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104に関する情報を集約させた情報である。本実施例では、複数のフォーカス群の駆動指令、複数のフォーカス群の各位置、及び複数のフォーカス群の各フォーカス敏感度ではなく、合成フォーカス群の駆動指令、合成フォーカス群の位置、及び合成フォーカス群の合成フォーカス敏感度を通信する。すなわち、レンズ装置100は、カメラ本体200に対して1つのフォーカス群を有するレンズ装置であるかのようにふるまう機能を有する。
前述したように、メモリ106は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれの位置と被写体距離との関係を示す情報と、合成フォーカス群の位置と被写体距離との関係を示す情報を記憶している。図5(a)及び図5(b)はそれぞれ、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置と被写体距離との関係を示す図である。図5において、横軸は被写体距離であり、縦軸は各フォーカス群の位置である。本実施例では、0.1m、1m、10m、無限遠等の代表的な被写体距離と対応するフォーカス群の位置が記憶されている。フォーカス群の位置は、基準位置からの距離[mm]で表されてもよいし、基準位置から見た位置に対応するパルス数[pulse]で表されてもよい。所定の被写体距離を実現するための、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の目標位置は一対一に対応づけられている。第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104がそれぞれ所定の被写体距離に対応する目標位置に移動することで、被写体に対して合焦する。また、例えば、被写体距離が記憶されていない5mである場合のフォーカス群の位置は、記憶されている被写体距離1m,10mのフォーカス群の位置と、図中の差分α,βを用いて算出可能である。すなわち、全ての被写体距離をフォーカス群の位置に変換可能であると共に、全てのフォーカス群の位置を被写体距離に変換可能である。
なお、実際には被写体距離よりも、被写体距離の逆数の方がフォーカス群の位置との間に比例関係に近い関係が成り立つため、被写体距離の逆数をフォーカス群の位置との対応として用いることが望ましい。
図6(a)及び図6(b)はそれぞれ、図5(a)及び図5(b)に第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のズレを追加した図である。図7は、合成フォーカス群の位置と被写体距離とズレの関係を示す図である。図7において、横軸は被写体距離であり、縦軸は合成フォーカス群の位置である。
本実施例では、被写体距離が無限遠で合焦している状態から、被写体距離が1mで合焦している状態に変化させる場合について説明する。また、説明の簡易化のため、第1フォーカス群103に対して第2フォーカス群104の移動が遅れた場合について説明する。移動の遅れは例えば、制御応答の遅れ等に起因して生じる。
図6では、被写体距離が無限遠である場合の第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置を白丸(〇)で表し、被写体距離が1mである場合の第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置を黒丸(●)で表している。また、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の現在位置を白三角(△)で表している。図7では、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が白丸(○)位置に位置する場合の合成フォーカス群の位置を白丸(○)で表している。また、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が黒丸(●)位置に位置する場合の合成フォーカス群の位置を黒丸(●)で表している。
図6では、第1フォーカス群103の現在位置は目標の被写体距離(1m)に対応する位置であるが、第2フォーカス群104の現在位置は被写体距離(10m)に対応する位置である。このように、第2フォーカス群104の移動がズレ量(遅れ量)ΔLだけ遅れた場合、ズレ量ΔLに起因して被写体距離(1m)の被写体には合焦しない。実際には、被写体距離がαmで合焦した状態となる。図7では、現在の被写体距離(αm)に対応する合成フォーカス群の位置をFαと表している。
複数のフォーカス群の全てが遅れなく移動可能であれば、1つのフォーカス群を有するレンズ装置と同様、レンズ制御部105はカメラ制御部207に対して1つのフォーカス群(例えば第1フォーカス群103)の現在位置をそのまま送信することができる。しかしながら、カメラ制御部207は、実際のデフォーカス量を検出しているため、被写体距離(1m)と被写体距離(αm)との差分(被写体距離のズレ)Δαを低減する駆動指令が必要であると認識する。そのため、レンズ制御部105がズレ量ΔLを考慮せずに第1フォーカス群103の現在位置を送信してしまうと、カメラ制御部207は目標位置に到達している第1フォーカス群103を更に至近側を目標位置とする駆動指令を生成してしまう。
そこで、本実施例では、レンズ制御部105は、第2フォーカス群104の移動の遅れを加味して、レンズ装置100におけるフォーカス群の位置として、実際の被写体距離(αm)に対応する合成フォーカス群の位置Fαを取得する。すなわち、合成フォーカス群の位置Fαは、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の現在位置を加味して決定される位置情報であり、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれの位置を代表した1つの位置情報に相当する。レンズ制御部105は、合成フォーカス群の位置Fαをカメラ制御部207に送信する。
上記方法を用いることで、カメラ制御部207は、合成フォーカス群の位置Fαと被写体距離のずれΔαに対応する位置のズレ量ΔL’に基づいて合成フォーカス群の目標位置をF1とする駆動指令を生成することができる。レンズ制御部105は、駆動指令を受信すると、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104のそれぞれを、目標位置F1に応じた被写体距離(1m)に対応する目標位置まで移動させる。したがって、第1フォーカス群103を必要以上に移動させる懸念はなくなり、移動の遅れが生じている第2フォーカス群104だけを被写体距離(1m)に対応する位置に移動させることが可能となる。
本実施例では、合成フォーカス群の位置Fαは、レンズ制御部105により算出される。ここで、合成フォーカス群の位置Fαの算出方法について説明する。第2フォーカス群104の現在位置におけるフォーカス敏感度をS2、合成フォーカス群の現在位置における合成フォーカス敏感度をStとする。なお、合成フォーカス敏感度Stは、第1フォーカス群103と第2フォーカス群104の位置の組み合わせによって決定される。すなわち、同一の被写体距離であっても、第1フォーカス群103と第2フォーカス群104の位置の組み合わせに応じて合成フォーカス敏感度Stは異なる値になることがある。位置Fαは、以下の式(4)で表される。
Fα=F1-ΔL’
=F1-(ΔL×S2)/St (4)
数式ΔL×S2は、第2フォーカス群104の移動の遅れによって生じた分の合焦位置の像面換算値であり、図7の被写体距離のずれΔαに相当する。数式ΔL×S2を合成フォーカス敏感度Stで割ることにより、合成フォーカス群の目標位置F1からのずれ量ΔL’を得ることができる。レンズ制御部105は、数式(ΔL×S2)/Stと目標位置F1に基づいて、合成フォーカス群の位置Fαを算出することができる。
=F1-(ΔL×S2)/St (4)
数式ΔL×S2は、第2フォーカス群104の移動の遅れによって生じた分の合焦位置の像面換算値であり、図7の被写体距離のずれΔαに相当する。数式ΔL×S2を合成フォーカス敏感度Stで割ることにより、合成フォーカス群の目標位置F1からのずれ量ΔL’を得ることができる。レンズ制御部105は、数式(ΔL×S2)/Stと目標位置F1に基づいて、合成フォーカス群の位置Fαを算出することができる。
合成フォーカス群の位置は、所定の定義に基づいていれば任意に設定可能である。任意の被写体距離における合成フォーカス群の位置は、同一被写体距離における複数のフォーカス群のうちの1つのフォーカス群の位置と等しいことが好ましい。このとき、1つのフォーカス群は、複数のフォーカス群のうち無限遠から最至近距離までの合焦に際しての移動量が最も大きいフォーカス群であることがより好ましい。
例えば、本実施例では第1フォーカス群103は第2フォーカス群104よりも移動量が大きいので、図6(a)の縦軸のスケールと図7の縦軸のスケールを同じにする。このとき、図6(a)において被写体距離(1m)での第1フォーカス群103の位置が1000パルスである場合、被写体距離(1m)での合成フォーカス群の位置は1000パルスである。同様に、被写体距離(無限)での第1フォーカス群103の位置が3000パルスである場合、被写体距離(無限)での合成フォーカス群の位置は3000パルスである。
このように設定することで、レンズ制御部105は、カメラ制御部207から受信した合成フォーカス群の目標位置F1を示す駆動指令(例えば、1000パルス)を第1フォーカス群103の駆動指令として捉えることができる。すなわち、第1フォーカス群103の目標位置を1000パルスの位置とすることができる。よって、レンズ制御部105は図6(b)に示される情報を用いて第2フォーカス群104の駆動指令のみを決定すればよいため、レンズ制御部105の演算負荷を低減することができる。
また、合成フォーカス群の位置として移動量が最も大きいフォーカス群の位置を設定することにより、合成フォーカス群の駆動指令の分解能を確保することができる。
また、任意の被写体距離における合成フォーカス群の位置を、同一被写体距離における複数のフォーカス群のうちの1つのフォーカス群の位置の所定数倍としてもよい。例えば、図6(a)の縦軸のスケールの1/100を図7の縦軸のスケールとする。このとき、被写体距離(1m)での第1フォーカス群103の位置が1000パルスである場合、被写体距離(1m)での合成フォーカス群の位置は10パルスである。同様に、被写体距離(無限)での第1フォーカス群103の位置が3000パルスである場合、被写体距離(無限)での合成フォーカス群の位置は30パルスである。レンズ制御部105は、合成フォーカス群の目標位置を示す駆動指令として25パルスを受信すると、2500(=25×100)パルスの位置が第1フォーカス群103の目標位置であると認識することができる。
なお、上記方法は、第1フォーカス群103の移動に遅れがなく、第2フォーカス群104の移動に遅れが生じている場合だけでなく、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の両方の移動が遅れていても適用可能である。例えば、目標の被写体距離(1m)に対して、第1フォーカス群103の位置が被写体距離(2m)での1200パルスであってもよい。現在の被写体距離に対応する合成フォーカス群の位置Fαが1300パルスであり、デフォーカス量をゼロにするための合成フォーカス群のずれ量ΔL’が300パルスと算出されたとする。このとき、カメラ制御部207は、合成フォーカス群の目標位置を示す駆動指令を1000パルスとして算出する。よって、レンズ制御部105は、第1フォーカス群103の目標位置を1000パルスとし、第1フォーカス群103を現在の1200パルスから更に200パルス分だけ至近方向へ移動させる。
以下、本実施例のカメラ本体200からフォーカス移動命令を受信した場合のフォーカス制御について説明する。ここでは、位置及び目標位置を示す駆動指令はパルス数で表し、同一被写体距離における合成フォーカス群の位置と第1フォーカス群103の位置が同じであるものとする。
図8は、本実施例のカメラ本体200からフォーカス移動命令を受信した場合に各フォーカス群の目標位置を所定周期ごとに算出して実行するフォーカス制御を示すフローチャートである。レンズ制御部105は、メモリ106から図8のフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムを読み出して実行する。
ステップS801では、レンズ制御部105は、第1フォーカス群103、第2フォーカス群104、及び合成フォーカス群の位置を取得する。
図9は、第1フォーカス群103、第2フォーカス群104、及び合成フォーカス群の位置の算出方法を示すフローチャートである。
ステップS901では、レンズ制御部105は、第1検出部110から第1フォーカス群103の現在位置を取得する。
ステップS902では、レンズ制御部105(取得部105a)は、図6(a)の情報に基づくステップS901で取得した第1フォーカス群103の現在位置に対応する現在の被写体距離に関する情報を取得する。
ステップS903では、レンズ制御部105は、図6(b)の情報に基づくステップS902で取得した被写体距離に関する情報に対応する第2フォーカス群104の理想位置を取得する。
ステップS904では、レンズ制御部105は、第2検出部111から第2フォーカス群104の現在位置を取得する。
ステップS905では、レンズ制御部105は、第2フォーカス群104の位置のズレ量を算出する。ズレ量は、ステップS903で算出した第2フォーカス群104の理想位置とステップS904で取得した第2フォーカス群104の現在位置との差に相当する。
ステップS906では、レンズ制御部105は、ステップS905で算出したズレ量に対応する像面換算値を算出する。ズレ量に対応する像面換算値は、第2フォーカス群104の移動が遅れていないときの合焦位置と、第2フォーカス群104が遅れているときの合焦位置との差に相当する。すなわち、図7の被写体距離のずれΔαに相当する。本実施例では、ズレ量に対応する像面換算値は、ステップS905で算出したズレ量に対して、第2フォーカス群104のフォーカス敏感度を乗じることによって算出される。
ステップS907では、レンズ制御部105は、ステップS906で算出した像面換算値、合成フォーカス敏感度、及びステップS901で取得した第1フォーカス群103の位置に基づいて合成フォーカス群の位置を算出する。
図9のフローを実行することで、第1フォーカス群103、第2フォーカス群104、及び合成フォーカス群の位置を取得することができる。
ステップS802では、レンズ制御部105(取得部105a)は、カメラ本体200から受信したフォーカス移動命令の解析を行う。本実施例では、被写体距離が無限遠に設定され、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が無限遠に対応する位置に位置しているとする。また、フォーカス移動命令は、被写体距離が1mとなるように像面移動速度(像面位置の移動速度)50mm/sで移動する命令であるとする。
ステップS803では、レンズ制御部105(算出部105b)は、第1フォーカス群103の目標位置及び速度を算出する。具体的には、レンズ制御部105はまず、目標の被写体距離に対応する合成フォーカス群の位置を取得し、合成フォーカス群の位置に対応する第1フォーカスレンズ群の目標位置を算出する。また、レンズ制御部105は、ステップS801で取得した現在の合成フォーカス群の位置に対応する合成フォーカス敏感度を取得し、像面移動速度[mm/s]を合成フォーカス敏感度で割ることで合成フォーカス群の移動速度[pls/s]を算出可能である。合成フォーカス群の位置と第1フォーカス群103の位置が同じである場合、第1フォーカス群103の移動速度は合成フォーカス群の移動速度と同じになる。合成フォーカス群の位置と第1フォーカス群103の位置が異なる場合、第1フォーカス群103の移動速度は第1フォーカス群103の現在位置及び目標位置の合成位置と第1フォーカス群103の現在位置との比を用いて算出可能である。
ステップS804では、レンズ制御部105は、ステップS803で説明した方法を用いて第2フォーカス群104の目標位置及び速度を算出する。
ステップS805では、レンズ制御部105は、ステップS803及びステップS804で算出した結果に基づいて第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の移動を行う。
ステップS806では、レンズ制御部105は、第1フォーカス群103、第2フォーカス群104、及び合成フォーカス群の位置を取得する。
ステップS807では、レンズ制御部105は、現在の合成フォーカス群の位置を用いて合成フォーカス敏感度を算出する。フォーカス群が移動すると、フォーカス敏感度が変化するため、像面移動速度を一定に保つためには現在の合成フォーカス群の位置での合成フォーカス敏感度を使う必要がある。
ステップS808では、レンズ制御部105は、ステップS803で説明した方法を用いて第1フォーカス群103の速度を算出する。
ステップS809では、レンズ制御部105(算出部105b)は、ステップS808で算出した第1フォーカス群103の速度を用いて所定時間Tmsが経過した後の第1フォーカス群103の位置(第1フォーカス群103の次周期の目標位置)を算出する。
ステップS810では、レンズ制御部105(算出部105b)は、ステップS809の第1フォーカス群103の位置を用いて、所定時間Tms経過後の第2フォーカス群104の位置(第1フォーカス群104の次周期の目標位置)を算出する。
ステップS811では、レンズ制御部105は、ステップS810で算出した第2フォーカス群104の位置に第2フォーカス群104が所定時間Tms経過後に到着するための第2フォーカス群104の速度を算出する。
ステップS812では、レンズ制御部105は、ステップS809乃至ステップS811で算出した情報を用いて、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の目標位置及び速度を再設定する。
ステップS813では、レンズ制御部105は、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が目標位置に到達したかどうかを判定する。第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が目標位置に到達したと判定された場合、レンズ制御部105は第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の移動を停止して本フローを終了する。そうでないと判定された場合、ステップS814に進む。
ステップS814では、レンズ制御部105は、所定時間Tmsが経過したかどうかを判定する。所定時間Tmsが経過したと判定された場合、ステップS806に戻り、そうでないと判定された場合、ステップS815に進む。
ステップS815では、レンズ制御部105は、経過時間のカウンタを更新する。本ステップの処理後、ステップS813に戻る。
図8のフローを実行することで、フォーカシングに際して第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の目標位置への駆動中も第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置関係を適切に維持することができる。
なお、図8のフローでは、所定時間Tmsが経過した後の第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置、及び各位置に対応する第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の速度を算出する。しかしながら、所定時間Tmsが経過すると、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104が目標位置に到達し、停止処理を行う必要がある。そこで、所定時間Tmsが経過する前に、次の第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の目標位置及び速度を算出すればよい。また、算出される目標位置よりも少し先の位置を指定し、所定時間Tmsが経過した後に次の位置を書き換えることで停止処理を行うことなく、像面一定速度で第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104を駆動することができる。
また、本実施例では、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の駆動はレンズ制御部105により制御されるが、カメラ制御部207により制御されてもよい。
本実施例では、実施例1で説明した図5の各フォーカス群の位置と被写体距離との関係が異なる場合の例として説明する。他の構成については実施例と同様であるため、図1乃至図4の内容の説明については割愛する。
図10(a)及び図10(b)はそれぞれ、第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置と被写体距離との関係を示す図である。図10において、横軸は被写体距離であり、縦軸は各フォーカス群の位置である。本実施例では、0.1m、1m、10m、無限遠等の代表的な被写体距離と対応するフォーカス群の位置が記憶されている。フォーカス群の位置は、基準位置からの距離[mm]で表されてもよいし、基準位置から見た位置に対応するパルス数[pulse]で表されてもよい。
図10(a)は図5(a)と同様であるが、図10(b)は図5(b)と異なる。図10(b)では、第2フォーカス群104の位置は被写体距離の全域で単調に減少せず、被写体距離1m,10mの間で折り返すように変化する。折り返し部分では線形近似による誤差が発生しやすいため、代表点の数を増やし線形近似による誤差を減らす必要がある。また、フォーカス群の位置と被写体距離との関係を示す曲線をn次の多項式で近似し、メモリ106は係数を保持してもよい。この場合、被写体距離の代わりに被写体距離の逆数を入力値とするほうが近似しやすい。
以下、本実施例のカメラ本体200からフォーカス移動命令を受信した場合のフォーカス制御について説明する。ここでは、位置及び目標位置を示す駆動指令はパルス数で表し、同一被写体距離における合成フォーカス群の位置と第1フォーカス群103の位置が同じであるものとする。
図11は、カメラ本体200からフォーカス移動命令を受信した場合に各フォーカス群の目標位置を所定周期ごとに算出して実行するフォーカス制御を示すフローチャートである。レンズ制御部105は、メモリ106から図8のフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムを読み出して実行する。
ステップS1101乃至ステップS1111の処理はそれぞれ、図8のステップS802,S806乃至S815の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図11のフローを実行することで、フォーカス群の位置が被写体距離の間で折り返すように変化する場合でもフォーカシングに際して第1フォーカス群103及び第2フォーカス群104の位置関係を適切に維持することができる。
なお、折り返し部分で折り返しを超えた場所に目標位置が設定された場合、折り返しを経由しない場合も考えられる。その場合、所定時間Tmsを十分小さくすることで誤差を小さくする必要がある。また、折り返しの頂点の第2フォーカス群104の位置とそれに対応する第1フォーカス群103の位置を設定し、ステップS1110の所定時間Tmsの代わりに折り返しの頂点に到達する時間Umsを使用してもよい。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
103 第1フォーカス群(第1のフォーカスレンズ)
104 第2フォーカス群(第2のフォーカスレンズ)
105 レンズ制御部(制御装置)
105a 取得部
105b 算出部
104 第2フォーカス群(第2のフォーカスレンズ)
105 レンズ制御部(制御装置)
105a 取得部
105b 算出部
Claims (8)
- 第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を所定周期ごとに算出する制御装置であって、
前記第1のフォーカスレンズ及び前記第2のフォーカスレンズの位置と被写体距離との関係を示す位置特性データと、像面移動速度とを取得する取得部と、
前記像面移動速度と現在の被写体距離に関する情報を用いて目標の被写体距離を算出すると共に、前記位置特性データと前記目標の被写体距離を用いて前記第1のフォーカスレンズ及び前記第2のフォーカスレンズの目標位置を算出する算出部とを有することを特徴とする制御装置。 - 前記取得部は、像面位置を前記第1のフォーカスレンズの位置に変換するための敏感度に関する情報を取得し、
前記算出部は、前記像面位置、前記像面移動速度、及び前記敏感度に関する情報を用いて前記第1のフォーカスレンズの次周期の目標位置を算出すると共に、前記第2のフォーカスレンズの次周期の目標位置を、前記第1のフォーカスレンズの次周期の目標位置、前記目標の被写体距離、及び前記位置特性データを用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記算出部は、前記位置特性データを用いて前記現在の被写体距離に関する情報を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記位置特性データを記憶する記憶部を更に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の制御装置。
- 撮像光学系と、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の制御装置とを有することを特徴とするレンズ装置。 - 撮像素子と、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の制御装置とを有することを特徴とする撮像装置。 - 第1のフォーカスレンズ及び第2のフォーカスレンズの目標位置を所定周期ごとに算出する制御方法であって、
前記第1のフォーカスレンズ及び前記第2のフォーカスレンズの位置と被写体距離との関係を示す位置特性データと、像面移動速度とを取得するステップと、
前記像面移動速度と現在の被写体距離に関する情報を用いて目標の被写体距離を算出すると共に、前記位置特性データと前記目標の被写体距離を用いて前記第1のフォーカスレンズ及び前記第2のフォーカスレンズの目標位置を算出するステップとを有することを特徴とする制御方法。 - 請求項7に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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