JP2022184771A - 物体を取付レールに取り付けるための装置、物体を取り付けるための機構、方法及びシートレール - Google Patents

Abstract

【課題】物体を取付レールに取り付けるための装置、物体を取り付けるための機構、方法及びシートレールを提供する。【解決手段】物体を取付レール、特に航空機又は宇宙船内のシートレールに取り付けるための装置は、レールの外面に設置されるように適合された支持面２２を有する基底部２１と、支持面２２から突起の線３６に沿って部分的に突出するように適合されたロック要素２８とを含む。基底部及びロック要素は、ロック要素が基底部に対して突起の線３６に沿って移動され得、且つ基底部に対して回転され得るように連結されるか、又は連結されるように構成される。ロック要素の端部分２９は、蟻継ぎ式の形状の先端部分３０を有する。装置は、ロック要素をレールに対して緊張させるための緊張機構４５を含む。さらに、本発明は、そのような装置と、レール本体５０及び複数のブッシュ５５を含む取付レールとを含む機構１００に関する。【選択図】 図３

Description

本発明は、物体を取付レール、特に航空機又は宇宙船のシートレールに取り付けるための装置に関する。さらに、本発明は、航空機又は宇宙船内で物体を取り付けるための機構及び方法に関する。さらにまた、本発明は、特に航空機又は宇宙船のためのシートレールに関する。

本発明は、多くの利用分野で様々な種類の物体を取り付けるために有用であり得るが、以下では、本発明及び根底にある問題は、取付レールの例として、航空機のキャビン内で使用するシートレールに関してより詳細に説明する。

航空機の乗客用座席を、キャビン床面の領域に配置されたシートレールに取り付けることが一般に知られている。
例示的な従来のシートレールの設計は、全体的にＩ字形であり、キャビンに向けられるその上面において、レールの長さに沿って延びるアンダカット溝を含む突出部分を含む異形材レールに基づいており、溝の入口は、例えば、円形の穴によって等間隔で拡大されている。穴は、従来の例では、相互に２５．４ｍｍ（１インチ）間隔で規則的に離間され得る。このようなレールに座席が特定のインサートを用いて固定される。

このような種類のアンダカット溝及び穴を有するシートレールは、例えば、特許文献１に示されている。
アルミニウム合金で製作されるこのような従来のシートレールは、特にこぼれた液体がたびたびシートレール及び隣接する床面要素と接触しがちな領域において腐食し得ることが分かっている。これは、特に、ギャレ又は化粧室が配置される領域に当てはまる。この種の腐食は、表面の傷によって促進され得るが、これは、例えば、座席の取付中等にインサートがレールに対して移動されたときに発生し得る。

そのため、腐食に対する耐性がはるかに高いチタン合金製のシートレールが提案されている。しかしながら、このようなシートレールは、従来のアルミニウムレールよりはるかに高額であり、全体的なコストを望ましくなく押し上げる。

チタン合金で製作され上側部分及びそれに接続されたアルミニウム合金製の下側部分を含むシートレールは、特許文献２及び特許文献３において提案されている。
さらに、離間された複数の開口を有するシートトラック及びこのような航空機シートトラックに接続するための取付具は、特許文献４に記載されている。

さらに、ペイロードを支持トラックに連結するための装置及び方法は、例えば、特許文献５、特許文献６及び特許文献７に記載されている。
また、従来、既存の種類の多くの取付具を使用する場合、組立オペレータ又は技師は、航空機内で物体をシートレールに接続するために多くの時間を費やさなければならない。例えば、事業用航空機の座席の数の多さを考えると、これは、コスト増大にさらに寄与する。

このような背景から、例えば座席、モニュメント又は他の装置等の物体を、より改良された低コストの方法で取り付け得ることが望ましいであろう。特に、取付レールの腐食を防止又は遅延させるためにこれまでに必要であった労力及びコストを少なくとも軽減させ、且つ／又は物体を、より迅速で労力を省ける方法で取り付けることを可能にすることが望ましいであろう。

独国特許出願公開第４２２４８２１号明細書 欧州特許出願公開第１５４４１０５号明細書 米国特許出願公開第２００５０１５６０９５号明細書 米国特許出願公開第２０１０００３８４８３号明細書 米国特許第７３７０８３２号明細書 米国特許第７４１３１４３号明細書 米国特許第７６０７６１３号明細書

上記に鑑み、本発明によって解決される課題は、物体を取付レールに取り付けるための、その物体を確実で迅速に取り付けることを可能にする一方、費用効果の高い方法で腐食を防止するのに役立つレールとの使用にも適した、改良された装置を提供することである。対応して改良された機構及び方法も提案される。また、簡便で低コストの方法で腐食を回避することを可能にする取付レール、特にシートレールが提供される。

本発明によれば、この課題は、請求項１の特徴を含む、物体を取り付けるための装置により、且つ／又は請求項１０の特徴を含む、物体を取り付けるための機構により、且つ／又は請求項１４の特徴を含む、物体を取り付けるための方法により、且つ／又は請求項１５の特徴を含むシートレールによって解決される。

したがって、物体を取付レール、特に航空機又は宇宙船内のシートレールに取り付けるための装置が提案され、装置は、取付レールの外面に設置されるように適合された支持面を有する基底部と、基底部の支持面から突起の線に沿って部分的に突出するように適合された少なくとも１つのロック要素とを含む。基底部及びロック要素は、ロック要素が基底部に対して突起の線に沿って移動され得、且つ基底部に対して回転され得るように連結されるか、又は連結されるように構成される。ロック要素の端部分は、蟻継ぎ式の形状の先端部分を有する。装置は、基底部の支持面が取付レールの外面上に載り、及び先端部分が取付レールに対して係合位置にあるとき、ロック要素を取付レールに対して緊張させるための少なくとも１つの緊張機構をさらに含む。

さらに、航空機又は宇宙船内で物体を取り付けるための機構が提案され、これは、本発明による少なくとも１つの装置と、少なくとも１つの取付レールとを含む。装置は、少なくとも１つのロック要素を含み、ロック要素の端部分は、蟻継ぎ式の形状の先端部分を有する。取付レールは、レール本体及び複数のブッシュを含み、レール本体は、上側フランジを有し、上側フランジは、所定のパターンに従って上側フランジに沿って配置された複数の貫通穴を設けられ、ブッシュは、上側フランジにその下側から接続される。各ブッシュは、貫通穴のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、ブッシュの各々は、それを通る内部通路を有して形成される。装置のロック要素は、ブッシュの１つの内部通路内に延び、先端部分は、ブッシュと係合可能である。

さらに、航空機又は宇宙船内で物体を取り付ける方法が提案される。この方法は、
－ 本発明による少なくとも１つの装置を提供するステップであって、装置は、少なくとも１つのロック要素を含み、ロック要素の端部分は、蟻継ぎ式の形状の先端部分を有する、ステップと、
－ レール本体及び複数のブッシュを含む少なくとも１つの取付レールを提供するステップであって、レール本体は、上側フランジを有し、上側フランジは、所定のパターンに従って上側フランジに沿って配置された複数の貫通穴を設けられ、ブッシュは、上側フランジにその下側から接続され、各ブッシュは、貫通穴のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、ブッシュの各々は、それを通る内部通路を有して形成される、ステップと、
－ 装置のロック要素をブッシュの１つの内部通路に挿入するステップと、
－ ロック要素の先端部分をブッシュと係合させるステップと
を含む。

さらにまた、本発明は、シートレールであって、物体、特に座席又はモニュメントを航空機又は宇宙船内のシートレールに取り付けるように適合されたシートレールを提供し、シートレールは、繊維強化合成材料で形成された本体を含む。特に、シートレールの本体は、繊維強化熱可塑性合成材料で形成され得る。

本発明の基礎にある考えは、ロック要素の先端部分を、取付レールの一部である相手部品に対して緊張させるために回転され得、且つ回転軸に沿って移動され得るロック要素を使用することにより、装置がレールに容易且つ迅速に係合され、ロックされ得るというものである。したがって、座席又は他の物体の据付は、バヨネット方式によって短時間で容易に行われ得る。特に、本発明は、離間された穴の列を有する取付レールに物体を取り付ける改良された方法を提供する。

同時に、この装置により、例えば、レールの本体形成部分の形態のレールの大部分が金属以外の材料、特に繊維強化合成材料から製作されている場合にも、物体を取付レールに迅速且つ確実に取り付けることが可能となる。

したがって、本発明は、物体、例えば座席又はモニュメントを、金属押出成形以外の方法で適切に製造され得る幾何学形状を有する取付レールに確実且つ迅速に取り付けることを可能にする。より具体的には、本発明は、物体を、コスト効率の高い方法でレールの腐食を防止するのに有用な繊維強化プラスチック材料で製作された取付レール、特にシートレールに確実且つ迅速に取り付けることを可能にする。

本発明の有利な改良形態及び発展形態は、特許請求の範囲の従属請求項及び図面に関する説明に含まれる。
ある発展形態によれば、ロック要素は、実質的にピン型の形状を有する。このようなロック要素は、簡便に製造され得る。

ある改良形態によれば、ロック要素は、実質的に円筒形の外形を有し、及び基底部の開口内に受けられ、且つそれを通して延びるように構成された部分を含む。このようにして、ロック要素は、簡便な方法で基底部に対するその直線移動及び回転を可能にするように構成され得る。

ある改良形態によれば、ロック要素の端部分は、実質的に円筒形の外形を有する部分に対して扁平化されている形状を有して形成され、端部分は、実質的に円筒形の外形を有する部分の側面の想像上の延長部内に横向きに収容される。このようにして、ロック要素を基底部に連結することは、簡単な方法で実現され得る。

別の発展形態によれば、ロック要素は、先端部分を前にして、取付レール内にその外面から延びる通路内に部分的に挿入されるように適合される。したがって、ロック要素を簡単且つ迅速に取付レールと係合させることができる。

ある発展形態によれば、端部分は、その両側の狭小辺に凹部を含み、凹部の各々は、ロック要素の長手方向軸に対して斜めに延びる保持面を含む。これは、ロック要素の製造を単純化することにさらに寄与し得、それは、蟻継ぎ式形状を生成するために、凹部が簡便な方法で扁平端部分の狭小辺に形成され得るためである。

特に、蟻継ぎ式形状は、対称に形成され、それが均等な負荷分散に寄与する。
ある発展形態において、緊張機構は、ロック要素と旋回可能に連結される少なくとも１つのカムを含み、及び／又は緊張機構は、ロック要素に緊張負荷をかけるためのレバーを含む。特に、レバーは、１つ又は複数のカムを旋回させるように動作可能であり得る。レバー及びカムは、特に、それぞれレバー及びカムを含む単体の緊張コンポーネントの一体部分として形成され得る。このようにして、ロック要素は、迅速且つ単純な方法で、特に特別な工具を使用せずに手で緊張させることができる。レバー及びカムは、好ましくは、１つ又は複数のカムが緊張状態になったとき、レバーを作動させない限り、１つ又は複数のカムがその状態に保持されるように構成され得る。

ある改良形態によれば、基底部は、ロック要素の位置から離間された位置において支持面上の突起を有してさらに形成される。この改良形態において、突起は、基底部と一体に形成され得るか、又はそれに固定して接続される追加の要素によって形成され得る。さらに、この改良形態において、突起は、外面から取付レール内に延びるさらなる通路内に挿入されるように適合される。このようにして、装置、特にその基底部がレールに対して回転することが防止され、その外面に平行に、特に取付レールの長手方向軸に平行なＸ方向に装置に加えられる負荷は、突起を介してレールに伝達され得る。

ある発展形態によれば、基底部は、支持面を設けられた板状部分を含む。
別の発展形態によれば、基底部は、取り付けられる物体に機械的に連結されるように適合された連結部分を設けられる。

別の発展形態によれば、装置は、複数のロック要素及び／又は複数の緊張機構を含み得る。特に、装置は、２つのロック要素及び２つの緊張要素を含み得る。このようにして、例えばより大型の且つ／又はより重い物体を取り付ける場合等、より大きい負荷でもレールに伝えることができる。

取り付けられる物体は、特に座席、例えば航空機又は宇宙船の乗客用座席であり得る。好ましい発展形態において、装置は、航空機又は宇宙船の乗客用座席を取付レールに取り付けるための取付具、特に後方取付具として形成される。本発明によって提案される装置を使用することにより、座席は、迅速且つ容易に据え付けられるか又は据え付け直され、座席取付レール、特に繊維強化合成材料で製作された取付レールに取り付けられ得る。

代替的な発展形態において、取り付けられる物体は、例えば、モニュメント、特にギャレモニュメント、又は化粧室モニュメント、又は航空機若しくは宇宙船のキャビン内に配置される保管庫モニュメントであり得る。特に、装置は、モニュメントを航空機又は宇宙船のキャビン内の取付レールに取り付けるための取付具として形成され得る。したがって、モニュメントもキャビン内で容易且つ迅速に取り付けられ得る。

ある発展形態において、ブッシュの各々の内部通路は、細長い断面を有して形成された通路部分を含む。この通路部分は、特に内部通路の他の軸方向部分に対して中央に位置付けられ得る。通路部分及びそのより長い形状により、先端部分とブッシュとの係合は、特にロック要素を例えば１８０度未満、好ましくは約９０度回転又は旋回させることによって迅速且つ単純方法で実現され得る。

別の実施形態によれば、ブッシュの各々は、ブッシュの、レール本体の上側フランジから離れる方を向く面において、細長い断面を有して形成された通路部分に隣接する接触面を含み、ブッシュの接触面は、ロック要素の先端部分の保持面と接触するように適合される。この発展形態では、ブッシュの接触面は、ブッシュの、上側フランジから離れる方を向く面に凹部をもたらすような形状にされる。特に、ブッシュの接触面は、凹状であり得る。この発展形態は、先端部分とブッシュとの面接触に寄与し、応力の集中を防止するのに役立つ。このようにして、ロック要素に作用する大きい負荷は、安全且つ確実にレールに伝達され得る。

別の改良形態によれば、ブッシュは、取付レールの上側フランジに向かうその面において、そのブッシュに関連する貫通穴内に少なくとも部分的に配置された実質的に円筒形の空洞を含む。特に、円筒形の空洞の内寸、より詳細には内径は、実質的に円筒形の外形を有するロック要素の部分を受けるように適合された基底分の開口の内寸、特に内径に実質的に対応し得るか又はそれよりわずかに大きくてよい。このようにして、実質的に円筒形の外形を有する部分は、実質的に円筒形の空洞内に部分的に受けられ且つ案内され得、それは、装置の安定で確実な動作に寄与する。

基底部の円筒形の空洞及び開口の両方の内側断面は、特に実質的に円形であり得る。
ある発展形態において、ブッシュは、実質的に回転対称の外形を含む。例えば、ブッシュは、実質的に円形の外輪郭を有して形成され得る。このようなブッシュは、比較的容易に製造され得る。

さらに、ある改良形態によれば、ブッシュは、ブッシュをレール本体に対して支持するように適合されている、外側に延びるカラーを含む。このようにして、ブッシュ内に導入される力は、レール本体に伝達され得、ブッシュとレール本体との間の界面に極度に高い応力が誘導されなくなり、それにより特にレール本体への損傷が確実に防止される。

好ましい発展形態において、レール本体は、繊維強化合成材料、特に炭素繊維強化合成材料から製作される。好ましくは、合成材料は、熱可塑性材料である。
特に、レール本体は、実質的にオメガ形状を有して形成された断面を含む。オメガ形状の設計は、特に連続製造プロセスにおいて繊維強化合成材料から複合レール本体を製造するのに好適である。

代替的な発展形態によれば、レール本体は、シートメタル材料から折り畳み加工によって製作され得る。
別の改良形態によれば、ロック要素、及び／又は基底部、及び／又はカム並びにレバーは、それぞれ金属材料から製作される。このようにして、堅牢な装置が得られ得る。さらに、ロック要素を金属材料から形成することは、ロック要素に作用する負荷を、特に金属材料で製作されたブッシュと協働してレールに確実に伝達するのに寄与する。

好ましい発展形態によれば、ブッシュは、それぞれ金属材料、特にチタン材料又は鋼鉄から製作される。
別の発展形態において、装置は、ロック要素が緊張機構によって取り付けレールに対して緊張されたとき、ロック要素の回転及び／又はレバーの動作を防止するように構成され得る。このようにして、装置の意図しないロック解除及び外れを回避できる。

本発明によって提案されるシートレールのある発展形態において、繊維強化合成材料で形成される本体は、レール本体であり、レール本体は、フランジ、特に上側フランジを有し、フランジ、特に上側フランジは、所定のパターンに従ってフランジに沿って配置された複数の貫通穴を設けられる。この発展形態によれば、シートレールは、フランジに接続される複数のブッシュをさらに含み、各ブッシュは、貫通穴のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、ブッシュの各々は、それを通る通路を有して形成される。特に、ブッシュは、金属材料、特にチタン材料又は鋼鉄から製作される。

さらに、特に繊維強化合成材料で形成されたブッシュ及びレール本体に関する上述の発展形態及び改良形態は、本発明によって提案されるシートレールに応用され得る。
本発明の改良形態、改善形態及び発展形態は、それに意味がある限り、相互に任意に組み合わされ得る。さらに、本発明の他の考え得る改善形態、発展形態及び実装形態は、上述の又は実施形態の詳細な説明に関して後述する本発明の特徴の組合せを、たとえこのような組合せが明確に記載されていなくても含む。

特に、上述の本発明の改良形態、改善形態及び発展形態は、本明細書で提案される装置、機構、方法及びシートレールの各々に同様に応用され得る。
以下では、本発明を、本発明の実施形態を図解する図面の概略図を参照しながら説明する。

本発明の実施形態が使用され得る例示的な航空機を側面図で表示する。 本発明のある実施形態による装置及び機構を上からの斜視図で示す。 図２の実施形態による装置及び機構を中央長手方向断面図Ｉ－Ｉで示す。 図２及び３の実施形態による機構の上面図を表示する。 図２～４の実施形態による機構の端面図を表示する。 図６Ａは、図２～５の実施形態で使用される３つの例示的なブッシュの側面図を表示する。図６Ｂは、図６Ａのブッシュの上面図を表示する。図６Ｃは、図６Ａのブッシュの他の側面図を表示する。図６Ｄは、図６Ｂに示されるブッシュの断面図ＩＩ－ＩＩを表示する。図６Ｅは、図６Ｂに示されるブッシュの他の断面図ＩＩＩ－ＩＩＩを表示する。 図７Ａは、図２～５の実施形態による装置の中央ピンの形態のロック要素を正面図で示す。図７Ｂは、図７Ａのロック要素を側面図で示す。 図８Ａは、図２～５の実施形態による装置の基底部を側面図で示す。図８Ｂは、図８Ａの基底部を上面図で示す。図８Ｃは、図８Ａの基底部を端面図で示す。 図９Ａは、図２～５の実施形態による装置の緊張機構のコンポーネントを側面図で示す。図９Ｂは、図９Ａのコンポーネントを上面図で示す。図９Ｃは、図９Ａのコンポーネントを端面図で示す。 図１０Ａは、図２～５の実施形態による機構の取付レール本体を上面図で表示する。図１０Ｂは、図１０Ａのレール本体を、図１０Ａに示される特定の長手方向断面図ＩＶ－ＩＶで表示する。図１０Ｃは、図１０Ａのレール本体の端面図を表示する。 図２～５の実施形態による機構の幾つかのコンポーネントを、取付レールの上側から見た斜視図で表示する。

添付の図面は、本発明がよりよく理解され得るように、本発明の実施形態を図解するためのものである。図面は、説明文と共に、本発明の原理及び概念を説明するためのものである。他の実施形態及び記載されている利点の多くは、図面から推測され得る。図面の要素は、必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。

図面において、同じであるか又は同じ機能若しくは効果を有する要素、特徴及びコンポーネントは、明確な別段のことわりがない限り、同じ参照符号を用いて表示される。
図１は、胴体３並びに翼、安定板及びエンジンを含む旅客輸送用航空機１を示す。胴体３内において、航空機１は、図１に概略的に示されているキャビン床面６を有する乗客キャビンを含む。

乗客用座席をキャビン床面６に確実且つ迅速に取り付けるために、キャビン床面６は、複数の座席取付レール又はシートレール１５を含む。図１の例示的な航空機１において、座席取付レール１５は、それぞれ航空機１の長手方向Ｘに方向にキャビン床面６に沿って延びる。方向Ｚは、縦方向を示し、これについては、図１を参照されたい。さらに、横方向Ｙが示されている。

航空機１内で乗客用座席等の物体９１を取り付けるための機構１００が図２～５及び１１に示されている。機構１００は、座席取付レール１５及び乗客用座席９１を座席取付レール１５に取り付けるために使用される装置１０を含む。図２～５及び１１は、本発明の実施形態による方法及び機構１００の一部であるシートレール１５も示す。

レール１５の短い部分が図２に示されている。キャビン床面６及び例えばシートレール１５を支持するためのキャビン床面６のあらゆる支持構造は、より明瞭にするために図２～５から省かれている。キャビン床面６の一部として据え付けられるとき、座席取付レール１５は、典型的には、例示のために図２に示されている部分よりはるかに長い。

図２において、座席９１の後脚の一部のみが概略的に示されている。装置１０は、図２～５の例では、座席９１の後脚を取り付けるための後方取付具として形成される。図２～５は、そのロック状態の装置１０を示し、ここで、図２に概略的に示されている座席９１の後脚の取付がすでに適合されている。

図２～５の座席取付レール１５は、実質的にオメガ形状を有して形成された断面を有するレール本体５０を含む。レール本体５０の断面形状は、対称であり、その基本形状は、図１の航空機に関して定義されるＸ軸に平行に示されているレール１５の長手方向に沿って基本的に一定である。レール本体５０は、図１０Ａ～１０Ｃにおいて再び別々に示されている。

より詳細には、例えば図２を参照されたく、レール本体５０は、上側フランジ５１、ウェブ５２及び下側フランジ５３を設けられている。レール１５がキャビン床面６の一部として据え付けられると、上側フランジ５１及び下側フランジ５３は、それぞれＸ－Ｙ平面に平行に延び、ウェブ５２の各々は、Ｘ－Ｚ平面に平行に延びる。したがって、航空機１が地上にあるとき、ウェブ５２は、実質的に縦向きであり、フランジ５１、５３は、実質的に水平である。

取付レール１５がキャビン床面６の一部として据え付けられると、フランジ５１の上面は、レール１５の外側上面１６を形成し、上面１６は、キャビン内部に向かう。
ウェブ５２は、相互に平行に延びる。ウェブ５２の第一の端は、上側フランジ５１に一体に接続され、ウェブ５２の第二の端は、それぞれ下側フランジ５３の一方に一体に接続される。ウェブ５２間において、レール１５の下面から見ると、チャネル５４が形成され、これは、レール１５の上側において上側フランジ５１によって境界が定められる。下側フランジ５３は、それぞれウェブ５２の第二の下側端から横方向に外側に延びる。上側フランジ５１は、ウェブ５２の第一の上側端を越えて横方向に突出する。

図２は、レール本体５０が、上側フランジ５１において貫通穴６０の列を設けられていることも示し、これらは、好ましくは、円形の断面を有するようにそれぞれ形成される。図２の例において、貫通穴６０は、図２ではＸ方向に対応する取付レール１５の長手方向に沿って等間隔で、すなわち隣接する貫通穴６０間に等しい距離を開けて離間される。特に、図２の貫通穴６０は、全て同じ形状である。貫通穴６０は、例えば、上側フランジ５１への穴開け加工によって形成され得る。

図２～５、１０Ａ～１０Ｃ及び１１のレール本体５０は、繊維強化合成材料、好ましくは繊維強化熱可塑性合成材料から製造される。特に、レール本体５０は、好ましくは、合成、好ましくは熱可塑性マトリクス材料に埋め込まれた強化繊維として炭素繊維を含み得る。このようなレール本体５０は、比較的軽量であり、低コストで製造でき、シートレール１５の腐食を回避するのに役立つ。例えば、レール本体５０は、連続製造方法を用いて半完成製品を製造し、その後、貫通穴６０を穴開け加工することによって製造できる。

キャビン床面６の一部に図２～５及び１１に示される種類のシートレール１５が装備され得るが、これは、特に、液体がこぼれることが予想される、いわゆる「ウェット」エリアである。しかしながら、特に、図２～５及び１１に関して説明するように、キャビン床面６の実質的に全体にシートレール１５が設置され得、すなわち、これは、いわゆる「ウェット」エリア及びいわゆる「ドライ」エリアの両方であり、後者では液体がこぼれることがより起こりにくい。したがって、図２～５及び１１のレール１５を使用することにより、キャビン床面６にシートレールを設けるプロセスは、大幅に容易化され得、対応する労力及びコストを削減できる。

図２に示される装置１０は、図３～５において、図２の状態と同じロック状態で再び示されている。
装置１０又は後方取付具は、基底部２１を含み、これについては、図８Ａ～８Ｃも参照されたい。基底部２１は、板状部分２１ａを含み、部分２１ａの下面において、基底部２１の基本的に平坦な支持面２２が形成される。さらに、板状部分２１ａは、円形の開口２３を設けられ、これは、部分２１ａの下面から上面までの貫通穴を形成する。

図３、８Ａ及び８Ｃは、加えて、基底部２１の板状部分２１ａが突起７８をさらに設けられていることを示し、これは、表面２２上の、開口２３の位置とは離れた位置において支持面２２から突出する。

突起７８は、例えば、板状部分２１ａと一体に形成され得るか、又は突起７８は、突出する要素を板状部分２１ａに固定して接続することによって形成され得る。突起７８の外側面７９は、円筒の形状を有する。

基底部２１は、図２に示される据付状態においてＸ方向に対応するその長手方向の中心線に関して基本的に対称である。
板状部分２１ａの、基底部２１の支持面２２の反対の上面において、基底部２１は、３つの追加の突起をさらに含み、これらは、部分２１の上面から延びる直立した板状の第一、第二及び第三の部分２４、２５ａ及び２５ｂとしての形状である。

第一の直立部分２４は、部分２１ａ上の、その中心線上で開口２３に対して前方側に配置され、取り付けられる予定の座席９１と機械的に連結されるように適合された連結部分を形成する。座席９１、特にその後脚を取り付けるために、連結部分２４は、貫通穴又は目穴として開口２４ａを設けられる。

第二及び第三の部分２５ａ及び２５ｂは、実質的に同じ形状であり、基底部２１の中心線の両側において、開口２３に対して後方側に対称に配置される。部分２５ａ、２５ｂの機能については、後述する。

装置１０は、ロック要素２８をさらに含み、これは、ピン型の形状を有し、図７Ａ、７Ｂに別々に示されている。ロック要素２８は、装置１０の中心ピン２８としての役割を果たす。

ロック要素２８は、図７Ａ、７Ｂにおいてロック要素２８の上部分に対応する部分３１を含み、これは、部分３１の円筒形の側面３２によって画定される実質的に円筒形の外形を有する。円筒形の側面３２の軸は、ロック要素２８の長手方向軸Ａも画定する。部分３１の外輪郭は、実質的に円形である。

ロック要素２８の一方の端の付近において、円筒形部分３１は、円形の断面の円筒形ボアとして形成される横方向の貫通穴４９を設けられている。貫通穴４９の機能については、後述する。

部分３１の直径は、例えば、開口２３の直径にほぼ対応するように選択され得、誤差又は遊びは、円筒形部分３１が開口２３内に摺動可能且つ回転可能に受けられるように選択される。このようにして、ロック要素２８は、図２、３及び５において、開口２３内に例えば基底部２１の上から挿入でき、それにより基底部２１に連結できる。

ロック要素２８は、そのうちの部分３１が、図２～５及び１１の状態において、開口２３内に部分的に受けられ、且つそれを通して延びており、開口２３内で軸Ａに沿った軸方向の直線移動と、軸Ａの周囲での回転との両方が可能である。ロック要素２８が開口２３に挿入されるとき、軸Ａは、開口２３の中心軸と一致する。

ロック要素２８は、端部分２９をさらに含み、これは、図７Ａ、７Ｂにおいてロック要素２８の下側部分に対応する。端部分２９の形状は、上側部分３１に対して扁平化されている。図７Ａ、７Ｂは、端部分２９が部分３１の基本的に円筒形の側面３２の想像上の延長部内に横向きに収容されることを示す。例えば、当初、円筒形であるピンから、例えばフライス加工又は他の材料除去工程によって除去することにより、ロック要素２８を製造することが簡便であり得る。

例えば、図７Ａ～７Ｂは、端部分２９が、ロック要素２８の、その横方向のボア４９を含む端とは反対の端において先端部分３０を含むことも示し、先端部分３０は、蟻継ぎ式の形状である。端部分２９の両側の狭小辺３４は、軸Ａに関して対称に凹部３３を設けられる。凹部３３は、例えば、ロック要素２８の製造時に狭小辺３４に切削によって形成され得る。凹部３３の各々は、ロック要素２８の長手方向軸Ａに対して斜めに延びる保持面３５を含む。これらの凹部３３を形成することにより、先端部分３０の蟻継ぎ式形状が得られる。各保持面３５は、平坦であり得るが、好ましくはプリテンショニング力及び保持力をより均一に分散させるために凹状であり得、これについては、以下でより詳細に説明する。

組み立てられた状態の装置１０において、図２～４に示されるように、ピン４８は、ロック要素２８の貫通穴４９を通る。ピン４８は、部分３１の両側の２つのカム４６をロック要素２８に旋回可能に接続する。２つのカム４６は、同じ形状で形成され、いずれもレバー４７と一体に形成される。したがって、カム４６及びレバー４７は、単体のコンポーネントの一部を形成し、これは、図９Ａ～９Ｃに再び別々に示されている。

各カム４６は、開口４６ａを設けられ、各々がピン４８の端を受ける。ピン４８は、貫通穴４９内又は開口４６ａ内のいずれにも密に嵌り得る。
取付レール１５は、複数のブッシュ５５を設けられ、これについては、特に図３、５、６Ａ～６Ｅ及び１１を参照されたい。上側フランジ５１の貫通穴６０の１つの、レール１５の長手方向に沿った各位置において、複数のブッシュ５５の１つは、上側フランジ５１にその下面から接続される。したがって、貫通穴６０の各々にブッシュ５５の１つが備えられてから、レール１５がキャビン床面６の一部として据え付けられる。

これらの図に示される実施形態において、ブッシュ５５は、全て同様に形成され、各々が金属材料、例えばチタン合金又は鋼鉄から製作される。
各ブッシュ５５は、実質的に回転対称の外形を含む。より具体的には、各ブッシュ５５の外径は、基本的に円筒体のものであり、円形の外側断面形状を有し、外側に延びる環状カラー５５ａを設けられている。カラー５５ａは、ブッシュ５５の外面で円周方向に延び、これについては、図３、５、６Ａ～６Ｅ及び１１を参照されたい。ブッシュ５５の長手方向の中心軸に沿って、その外面から見て、ブッシュ５５は、軸方向に２つの部分を有し、これら２つの部分間の境界は、カラー５５ａによって画定される。

ブッシュ５５の上部分６１は、図３及び６Ａにおいてカラー５５ａの上方の側にあり、ブッシュ５５が、関連付けられる貫通穴６０の対応する１つに導入されるように構成される。各ブッシュ５５について、部分６１は、したがって、挿入部分６１を形成し、それが対応する貫通穴６０内に、カラー５５ａが上側フランジ５１の下面と当接するまで導入される。この状態で、好ましくは、挿入部分６１の、カラー５５ａから遠い端面は、上側フランジ５１の外面１６と基本的に同一平面であり得るか、又は貫通穴６０の内部に向かってわずかにオフセットされ得る。

カラー５５ａは、上側フランジ５１の下面と当接することによってブッシュ５５がレール本体５０で支持されるように適合される。特に、カラー５５ａは、力を上側フランジ５１に導入するように適合され、これは、ブッシュ５５に対して、上側フランジ５１に垂直に、プラスのＺ方向に、すなわち図３の上方に作用する。

上側フランジ５１とブッシュ５５との接触表面部分使用することにより、特に貫通穴６０の内部及び上側フランジ５１の下面のブッシュ５５の周囲において、ブッシュ５５及びレール本体５０は、例えば、溶接又は接着材結合によって固定して接続される。溶接は、例えば、レール本体５０の熱可塑性マトリクスの局所的溶融又は軟化によって実現され得る。

図１１は、例示のために上側フランジ５１に接続された３つのブッシュ５５を示す。しかしながら、前述のように、好ましくは、貫通穴６０の各々は、ブッシュ５５の１つを設けられると理解されたい。したがって、この実施形態のシートレール１５は、典型的には、その長さに沿って多くのブッシュ５５を設けられる。

各ブッシュ５５は、ブッシュ５５の上端から下端まで延びる内部長手方向通路５６を有する。
ブッシュ５５がレール１５に接続され、部分的に貫通穴６０内に挿入されたときに上側フランジ５１に向けられるブッシュ５５の上側において、通路５６の第一の部分は、実質的に円筒形の空洞５９を有して形成され、これは、少なくとも部分的にそのブッシュ５５に関連する貫通穴６０内にある。

実質的に円筒形の空洞５９の内径は、その横方向の寸法として、開口２３の横方向の寸法、すなわち直径に実質的に対応し得るか又はわずかにより大きくてよい。空洞５９の内側断面は、実質的に円形である。

空洞５９の底部は、好ましくは、基本的に平坦である。内部通路５６の部分５７は、空洞５９の底部を通して延び、これについては、図６Ｂ、６Ｄを参照されたく、また細長い断面を有して形成される。通路部分５７は、空洞５９の底部において中央に配置され、したがって空洞５９と通路部分５７との両方の中心線は、一致する。

レール本体５０の上側フランジ５１と反対に向くブッシュ５５の下側において、通路部分５７は、接触面５８によって画定される比較的浅い空洞又は凹部に続き、これは、図６Ｅ、１１に示されている。この浅い空洞又は凹部は、この実施形態において、ブッシュ５５の内部通路５６の最後の部分を形成する。通路部分５７は、接触面５８内で凹部に中央が開放している。接触面５８は、例えば、円錐面又は球面の一部として形成され得る。

特に上側フランジ５１に垂直な方向へのブッシュ５５の高さは、例えば、図３、６Ａ～６Ｅに示されるものと異なり得ることに留意されたい。例えば、各種の例では、ブッシュ５５の軸方向の大きさ及びロック要素２８の長さは、図に示されているものより短く又は長く変更し得る。

乗客用座席９１等の物体を航空機１内にキャビン床面６の一部として据え付けられているシートレール１５に取り付けるために、装置１０は、取付レール１５に、支持面２２がレール１５の上面１６上に配置されるように設置される。これは、図２に示されている。装置１０は、開口２３の中心線が貫通穴６０の１つの及びその貫通穴６０に割り当てられたブッシュ５５の中心線と一致するように配置される。

ロック要素２８は、基底部２１がレール１５上に設置されたときにすでに基底部２１に連結され得るか、又はロック要素２８は、基底部２１がレール１５の外面１６上に載ったところで、先端部分３０を前にして、開口２３内に且つそれを通して挿入され得る。

これらのいずれの場合にも、円筒形部分３１は、開口２３に摺動可能且つ回転可能に受けられ、挿入後、ロック要素２８は、支持面２２から突起の線３６に沿って下方に部分的に突出し、これについては、図３を参照されたい。突起の線３６は、図３においてロック要素２８の軸Ａに対応する。このようにして、基底部２１とロック要素２８とが連結されると、装置１０が後述のようにレール１５に固定して取り付けられる前に、ロック要素２８は、突起の線３６に沿って基底部２１に対して移動可能であり、また開口２３内において線３６の周囲で基底部２１に対して回転可能である。

ブッシュ５５の各々の部分６１は、貫通穴６０の１つ内にある。したがって、各ブッシュ５５の通路５６には、上側フランジ５１の外面１６からアクセスできる。装置１０をレール１５に設置する際又は基底部２１をレール１５に設置した後にロック要素２８を挿入する際、ロック要素２８は、その先端部分３０を前にして、ブッシュ５５を通して、したがって取付レール１５の上側フランジ５１を通して延びる通路５６内に部分的に挿入される。

ロック要素２８の先端部分３０を通路５６内に挿入することは、先端部分３０の長い辺を横方向に、特に図２におけるＸ方向と一致するレール１５の長手方向に垂直に向けて行われる。これは、図２及び４において一点鎖線で概略的に示されている先端部分３０のロック解除の向きＵに対応する。さらに、先端部分３０を通路５６に挿入する際、レバー４７とカム４６を含むコンポーネントは、レバー４７が板状部分２１から、例えば軸Ａにほぼ平行に直立する向きにある、図示されていない位置にある。

換言すれば、先端部分３０を内部通路５６に挿入するために、図２～５に示される状況と比較して、レバー４７は、上方に例えば約９０度の角度だけ旋回されることになり、ロック要素２８は、例えば、ロック要素２８を約９０度の角度だけ回転させることにより、先端部分３０の長い辺を一点鎖線Ｕによって示される横方向に向けるように回転されることになる。

さらに、基底部２１を取付レール１５の上面１６上に、開口２３が貫通穴６０の１つ及びそれに関連するブッシュ５５の上でセンタリングされように設置すると、突起７８は、他の貫通穴６０に割り当てられるブッシュ５５の１つの空洞５９内に挿入できる。これらの図に示される実施形態において、突起７８は、貫通穴６０の、開口２３がその上でセンタリングされた貫通穴６０に隣接する貫通穴６０の位置においてブッシュ５５の空洞５９に挿入できる。しかしながら、この実施形態の各種の変形形態では、突起７８と開口２３との間の距離は、異なり得、例えばそれにより開口２３から見て次の１つの後のブッシュ５５に突起７８を挿入でき、すなわち、それらの間の１つのブッシュは、使用しないままにできる。

この実施形態では円筒形である突起７８の外径は、ロック要素２８の部分３１の外形よりわずかに大きくし得る。表面１６上での、すなわちＺ方向の装置１０の全体的な回転を防止することに加えて、このような寸法の突起７８により、Ｘ方向に沿って作用する力を基底部２１から突起７８を通してレール１５に確実に伝達することが可能となる。突起７８は、したがって、いわゆるパッシブフォワードインタフェースポイントを形成し、これは、上側フランジ５１の表面に垂直に作用する負荷をプラスのＺ方向に伝達しない。

ロック要素２８を通路５６内に且つそれを通して挿入し、先端部分３０が通路部分５７内で完全に案内され、ブッシュ５５の下端の領域においてそれから出るようにした後、先端部分３０は、その蟻継ぎ式形状により、軸Ａの周囲でロック要素２８を回転させることによってブッシュ５５と係合することができる。より具体的には、装置１０を取付レール１５にロックするために、ロック要素２８は、軸Ａの周囲で例えば約９０度回転されて、先端部分３０の長い辺がレール１５の長手方向と整列するようにされる。先端部分３０のこの向きは、そのロックされた向きＬに対応し、これは、例えば、図１１に示されている。図１１は、各ブッシュ５５の通路部分５７が、通路部分５７の長い辺に平行である部分５７の長手方向が、方向Ｘに平行に示されているレール１５の長手方向に対して横向きに延びるような向きであることも示す。したがって、装置１０は、バヨネット型メカニズムのようにレール１５と係合させ、それにロックできる。

前述のレバー４７、カム４６及びピン４８は、緊張機構４５を形成する。ロック要素２８を回転させることによってロック要素２８の先端部分３０をブッシュ５５と係合させた後、レバー４７は、オペレータにより、下方向に図２及び３に示される位置まで旋回される。レバー４７の旋回運動に従い、レバー４７と一体形成されたカム４６は、ピン４８の軸の周囲で回転される。カム４６は、板状部分２１ａの上面上に支持される。レバー４７を下方に移動させ、カム４６を回転させることにより、ピン４８及びロック要素２８は、プラスのＺ方向に上方に引かれる。それにより、先端部分３０は、ブッシュ５５に対して引っ張られて、保持面３５は、接触面５８に押し付けられ、緊張負荷がロック２８に加えられ、基底部２１を含む装置１０に対して、レール１５に対して与張力がかけられる。ピン４８、レバー４７及びカム４６の構成は、特にピン４８の位置及びカム４６の輪郭を含め、図２及び３の状態において、緊張機構４５が、レバー４７を持ち上げない限り、固定され、緊張した状態に保持されるように選択される。

先端部分３０の蟻継ぎ式形状により、先端部分３０は、ロック要素２８が緊張していないとき、ブッシュ５５の下端の浅い凹部内で円滑に回転できる。接触面５８は、保持面３５と面接触するように適合されている。図１、２及び３を参照されたく、ロック要素２８にプラスのＺ方向に作用する力は、保持面３５を介してブッシュ５５に伝えられる。これらが接触面５８と面接触することは、局所的な応力集中を回避し、伝達されることになる力を均一に分散させるのに役立つ。また、先端部分３０の蟻継ぎ式形状は、ブッシュ５５に関するロック要素２８、すなわちセンタリングピン２８のセンタリングを改善するのに役立ち得る。

装置１０がレール１５にロックされ、その上で緊張されると、プラスのＺ方向にロック要素２８に作用する力は、開口２３の位置において、上側フランジ５１、したがってカラー５５ａを介してレール本体５０に伝えられる。マイナスのＺ方向に基底部２１に作用する力、例えば重量は、支持面２２によって支持される。さらに、例えば、溶接又は接着剤結合によるブッシュ５５とレール本体５０の堅固な接続は、装置１０の据付中に作用する力、特に下方の力によってブッシュ５５がレール本体５０から外れることを防止する。

装置１０は、好ましくは、ロック要素２８が取付レール１５に対して緊張されたとき、軸Ａの周囲でのロック要素２８の回転を防止するように適合され得、それにより例えば装置１０が意図せずロック解除されることが防止される。図２及び３に示される回転防止部２５ａ及び２５ｂは、横方向のガイダンス及び横方向のストッパを提供することにより、少なくともロック要素２８に連結されたレバー４７の軸Ａの周囲で回転を回避又は防止するように構成され得る。必要に応じて、意図しないロック解除を防止し、且つ／又は悪用を防止するために、ピン４８の軸の周囲でのレバー４７の回転を防止する追加の手段が含められ得る。例えば、この目的のために、特別な工具を使用しなければ解除できないカバー又はラッチ若しくは戻り止めメカニズムが提供され得る。

前述の実施形態において、ロック要素２８、部分２１ａ、２４、２５ａ～ｂ及び突起７８を含む基底部２１の本体、カム４６とレバー４７とを一体に含むコンポーネント並びにピン４８は、それぞれ金属材料で製作され、これは、特にアルミニウム合金又はチタン合金又は鋼鉄であり得る。装置１０のコンポーネント２８、２１、４６及び４７並びに４８には、同じ又は異なるこれらの材料が使用され得る。

ブッシュ５５及びロック要素２８が１つ又は複数の金属材料、例えばチタン又は鋼鉄から形成されることにより、これらのコンポーネントは、限定的なコストで摩耗及び腐食に耐えるように形成され得る。レール１５の本体５０は、炭素繊維強化熱可塑性物質等の繊維強化合成材料から製作され得、したがって軽量であり、腐食防止に寄与する。装置１０の据付及びロック中のレール本体５０の損傷及びこのような複合材料の表面の過度に高い負荷は、金属製のブッシュ５５及びロック要素２８を用いて防止できる。装置１０は、このように、装置１０が繰り返し据え付けられ、取り外される場合、例えば貫通穴６０におけるエッジの劣化を回避することにも役立つ。装置１０が据え付けられ、負荷を受けると、ブッシュ５５により、中心ピン２８からシートレール１５へのより円滑でより分散された荷重付与が確実となる。

加えて、レール本体５０がオメガ形状であることは、上側フランジ５１内でその中心線に沿った貫通穴６０の位置に配置されたブッシュ５５を介して負荷を導入することと共に、接触力の過度な局所集中を防止して複合レール本体５０の損傷を防止するだけでなく、その幾何学形状及び対称に負荷がかかることにより、変形又はアンフォールディングに耐える安定なフランジ５１も提供し、それによりマトリクスへの損傷が防止される。

前述の装置１０の別の変形形態において、基底部２１は、複数の開口２３、例えば２つの開口２３、複数のロック要素２８、例えば２つのロック要素２８及び複数の緊張機構４５、例えば２つの機構４５を有する部分２１ａを設けられ得る。この変形形態において、開口２３は、部分２１ａの長手方向に沿って配置され、それにより、２つのロック要素２８の各々は、それぞれが開口２３の１つに受けられ、２つの貫通穴６０に関連する通路５６に挿入され得る。さらに、このような変形形態では、各緊張機構４５のレバー４７及びカム４６は、他の機構４５とは独立して動作可能であり得、それにより、ロック要素２８は、相互に独立して緊張され得る。例えば、各レバー４７の自由端は、装置１０が係合され、ロックされると、相互に向けられ得る。このようにして、より高い負荷が装置１０によって支持され、レール１５に伝えられ得る。

前述の実施形態の別の変形形態において、図中に示されていない中間保護層は、板状部分２１ａと上側フランジ５１の外面１６との間に配置され得ることに留意されたい。例えば、このような保護層は、例えば、シートメタル又はシート状の合成材料から製作され、表面１６全体上に配置され得るか、又は好ましくは板状部分２１ａの底面に、保護層が基底部２１の一部となるように配置され得、後者の場合、支持面２２は、したがって、中間層の上に形成される。さらに、後者の場合、中間保護層は、好ましくは、板状部分２１の底面上に合成材料の層として形成され得る。このようにして、腐食は、中間層を利用してさらに改善された方法で防止され得る。

以上では、装置１０を用いて乗客用座席９１を取付レール１５に取り付けることを詳細に説明した。しかしながら、本発明は、他の物体を取付レール１５に取り付けるためにも使用され得る。幾つかの例において、装置１０は、モニュメント（図示せず）をキャビン内に取り付けるための取付具として形成され得る。取り付けられるモニュメントは、例えば、ギャレモニュメント、又は化粧室モニュメント、又は保管庫モニュメント、又は取付レール１５に取り付けられる他の種類の物体であり得る。特に、連結部分２４は、座席以外の物体９１を取り付けるために、適切な場合、必要に応じて変更又は適合され得る。

さらに、座席取付レール１５のレール本体５０を繊維強化合成材料、特に炭素繊維によって強化された熱可塑性物質から製造することが特に好ましいものの、代替的な実施形態において、レール本体５０は、例えば、折り畳み金属板技術を用いて金属材料で形成され得る。

本発明は、上記において、好ましい実施形態に関して詳細に説明されているが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、様々な方法で改変され得る。

１ 航空機
３ 胴体
６ キャビン床面
１０ 装置
１５ 取付レール
１６ 外面
２１ 基底部
２１ａ 板状部分
２２ 支持面
２３ 開口
２４ 連結部分
２４ａ 開口
２５ａ 回転防止部分
２５ｂ 回転防止部分
２８ ロック要素
２９ 端部分
３０ 先端部分
３１ 円筒形部分
３２ 側面
３３ 凹部
３４ 狭小辺
３５ 保持面
３６ 突起の線
４５ 緊張機構
４６ カム
４６ａ 開口
４７ レバー
４８ ピン
４９ ボア
５０ レール本体
５１ 上側フランジ
５２ ウェブ
５３ 下側フランジ
５４ チャネル
５５ ブッシュ
５５ａ カラー
５６ 内部通路（ブッシュ）
５７ 通路部分
５８ 接触面
５９ 空洞
６０ 貫通穴
６１ 部分（ブッシュ）
７８ 突起
７９ 外側面（突起）
９１ 物体
１００ 機構
Ａ 長手方向軸（ロック要素）
Ｌ ロック向き（ロック要素）
Ｕ ロック解除向き（ロック要素）
Ｘ Ｘ方向
Ｙ Ｙ方向
Ｚ Ｚ方向

Claims (16)

1. 物体（９１）を取付レール（１５）、特に航空機又は宇宙船（１）内のシートレール（１５）に取り付けるための装置（１０）であって、
   前記取付レール（１５）の外面（１６）に設置されるように適合された支持面（２２）を有する基底部（２１）と、前記基底部（２１）の前記支持面（２２）から突起の線（３６）に沿って部分的に突出するように適合された少なくとも１つのロック要素（２８）とを含み、
   前記基底部（２１）及び前記ロック要素（２８）は、前記ロック要素（２８）が前記基底部（２１）に対して前記突起の線（３６）に沿って移動され得、且つ前記基底部（２１）に対して回転され得るように連結されるか、又は連結されるように構成され、
   前記ロック要素（２８）の端部分（２９）は、蟻継ぎ式の形状の先端部分（３０）を有し、
   前記装置（１０）は、前記基底部（２１）の前記支持面（２２）が前記取付レール（１５）の前記外面（１６）上に載り、及び前記先端部分（３０）が前記取付レール（１５）に対して係合位置（Ｌ）にあるとき、前記ロック要素（２８）を前記取付レール（１５）に対して緊張させるための少なくとも１つの緊張機構（４５）をさらに含む、装置（１０）。
2. 前記ロック要素（２８）は、実質的にピン型の形状を有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記ロック要素（２８）は、実質的に円筒形の外形を有し、及び前記基底部（２１）内の開口（２３）内に受けられ、且つそれを通して延びるように構成された部分（３１）を含むことを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。
4. 前記ロック要素（２８）の前記端部分（２９）は、前記実質的に円筒形の外形を有する前記部分（３１）に対して扁平化されている形状を有して形成され、前記端部分（２９）は、前記実質的に円筒形の外形を有する前記部分（３１）の側面（３２）の想像上の延長部内に横向きに収容されることを特徴とする、請求項３に記載の装置。
5. 前記ロック要素（２８）は、前記先端部分（３０）を前にして、前記取付レール（１５）内にその前記外面（１６）から延びる通路（５６）内に部分的に挿入されるように適合されることを特徴とする、請求項１～４のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記端部分（２９）は、その両側の狭小辺（３４）に凹部（３３）を含み、前記凹部（３３）の各々は、前記ロック要素（２８）の長手方向軸（Ａ）に対して斜めに延びる保持面（３５）を含むことを特徴とする、請求項１～５のいずれか一項に記載の装置。
7. 前記緊張機構（４５）は、前記ロック要素（２８）と旋回可能に連結される少なくとも１つのカム（４６）を含むこと、及び／又は前記緊張機構（４５）は、前記ロック要素（２８）に緊張負荷をかけるためのレバー（４７）を含むことを特徴とする、請求項１～６のいずれか一項に記載の装置。
8. 前記基底部（２１）は、前記ロック要素（２８）の位置から離間された位置において前記支持面（２２）上に突起（７８）を有してさらに形成され、前記突起（７８）は、前記基底部（２１）と一体に形成されるか、又はそれに固定して接続される追加の要素によって形成され、前記突起（７８）は、前記外面（１６）から前記取付レール（１５）内に延びるさらなる通路（５６）内に挿入されるように適合されることを特徴とする、請求項１～７のいずれか一項に記載の装置。
9. 航空機又は宇宙船（１）の乗客用座席（９１）を前記取付レール（１５）に取り付けるための取付具、特に後方取付具として形成されること、又は航空機又は宇宙船（１）のキャビン内でモニュメントを前記取付レール（１５）に取り付けるための取付具として形成されることを特徴とする、請求項１～８のいずれか一項に記載の装置。
10. 航空機又は宇宙船（１）内で物体（９１）を取り付けるための機構（１００）であって、
    請求項１～９のいずれか一項に記載の少なくとも１つの装置（１０）であって、前記ロック要素（２８）の端部分（２９）は、蟻継ぎ式の形状の先端部分（３０）を有する、少なくとも１つの装置（１０）と、
    レール本体（５０）及び複数のブッシュ（５５）を含む少なくとも１つの取付レール（１５）であって、前記レール本体（５０）は、上側フランジ（５１）を有し、前記上側フランジ（５１）は、所定のパターンに従って前記上側フランジ（５１）に沿って配置された複数の貫通穴（６０）を設けられ、前記ブッシュ（５５）は、前記上側フランジ（５１）にその下側から接続され、各ブッシュ（５５）は、前記貫通穴（６０）のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、前記ブッシュ（５５）の各々は、それを通る内部通路（５６）を有して形成される、少なくとも１つの取付レール（１５）と
    を含み、前記装置（１０）の前記ロック要素（２８）は、前記ブッシュ（５５）の１つの前記内部通路（５６）内に延び、前記先端部分（３０）は、前記ブッシュ（５５）と係合可能である、機構（１００）。
11. 前記ブッシュ（５５）の各々の前記内部通路（５６）は、細長い断面を有して形成された通路部分（５７）を含むことを特徴とする、請求項１０に記載の機構。
12. 前記ブッシュ（５５）の各々は、前記ブッシュ（５５）の、前記レール本体（５０）の前記上側フランジ（５１）から離れる方を向く面において、前記細長い断面を有して形成された前記通路部分（５７）に隣接する接触面（５８）を含み、前記ブッシュ（５５）の前記接触面（５８）は、前記ロック要素（２８）の前記先端部分（３０）の保持面（３５）と接触するように適合され、前記ブッシュ（５５）の前記接触面（５８）は、前記ブッシュ（５５）の、前記上側フランジ（５１）から離れる方を向く前記面に凹部をもたらすような形状にされることを特徴とする、請求項１１に記載の機構。
13. 前記レール本体（５０）は、実質的にオメガ形状を有して形成された断面を含むことを特徴とする、請求項１０～１２のいずれか一項に記載の機構。
14. 航空機又は宇宙船（１）内で物体（９１）を取り付ける方法であって、
    請求項１～９のいずれか一項に記載の少なくとも１つの装置（１０）を提供するステップであって、前記装置（１０）は、少なくとも１つのロック要素（２８）を含み、前記ロック要素（２８）の端部分（２９）は、蟻継ぎ式の形状の先端部分（３０）を有する、ステップと、
    レール本体（５０）及び複数のブッシュ（５５）を含む少なくとも１つの取付レールを提供するステップであって、前記レール本体（５０）は、上側フランジ（５１）を有し、前記上側フランジ（５１）は、所定のパターンに従って前記上側フランジ（５１）に沿って配置された複数の貫通穴（６０）を設けられ、前記ブッシュ（５５）は、前記上側フランジ（５１）にその下側から接続され、各ブッシュ（５５）は、前記貫通穴（６０）のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、前記ブッシュ（５５）の各々は、それを通る内部通路（５６）を有して形成される、ステップと、
    前記装置（１０）の前記ロック要素（２８）を前記ブッシュ（５５）の１つの前記内部通路（５６）に挿入するステップと、
    前記ロック要素（２８）の前記先端部分（３０）を前記ブッシュ（５５）と係合させるステップと
    を含む方法。
15. シートレール（１５）であって、物体（９１）、特に座席又はモニュメントを航空機又は宇宙船（１）内の前記シートレール（１５）に取り付けるように適合され、繊維強化合成材料、特に繊維強化熱可塑性合成材料で形成された本体（５０）を含むシートレール（１５）。
16. 前記本体（５０）は、フランジ（５１）を有するレール本体（５０）であり、前記フランジ（５１）は、所定のパターンに従って前記フランジ（５１）に沿って配置された複数の貫通穴（６０）を設けられることと、前記シートレール（１５）は、前記フランジ（５１）に接続される複数のブッシュ（５５）をさらに含み、各ブッシュ（５５）は、前記貫通穴（６０）のうちの関連する１つの位置に対応する位置に配置され、さらに、前記ブッシュ（５５）の各々は、それを通る通路（５６）を有して形成されることとを特徴とする、請求項１５に記載のシートレール。

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