JP2022184649A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022184649000001
【課題】省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることが可能な電子機器を提供することにある。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、排気口26が設けられた壁部18dを有する筐体12と、筐体の内に配置され発熱部品を含む複数の電子部品と、排気口に対向する吐出口と筐体内に開口する吸気口とを有し、筐体内に配置され筐体の内気を吸気し吐出口から排気口に向けて排出する冷却ファンFA1と、筐体内で、冷却ファンの吐出口と排気口との間に配置され、吐出口と排気口とに繋がる流通路と流通路内に露出する放電電極とを有するイオン発生器50と、を備えている。
【選択図】図2

Description

この発明の実施形態は、電子機器に関する。
近年、空気清浄機器が多く製品化され、中には空気清浄機能を有するデスクトップ型パーソナルコンピュータや、ノート型パーソナルコンピュータが商品化されている。
デスクトップ型パーソナルコンピュータは内部の空間自由度が高く、コンピュータとしてのシステムを構成する部品の他に、イオン発生装置を実装する事が比較的容易である。
ノート型パーソナルコンピュータは小型化が進んでおり、イオン発生装置を実装する事が困難であることから光学式ディスクドライブ(ODD)と同じ形状からなるモジュール型のイオン発生装置をODDと排他的に実装可能にする技術が提案されている。
特許第4293772号公報 特許第5581023号公報 特許第6032589号公報 特許第5069202号公報 特開2005-92587号公報 特開2006-313430号公報 特開2019-028065号公報 特開2006-204397号公報
従来の技術では、イオン拡散用の専用のファンが必要となる。これでは、イオン発生器とイオン拡散用の専用のファンとを設けるスペースをパーソナルコンピュータの中に設ける必要があり、小型化とスペース確保とを両立することが困難となる。
そこで、本発明の実施形態の課題は、省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることが可能な電子機器を提供することにある。
実施形態によれば、電子機器は、排気口が設けられた壁部を有する筐体と、前記筐体の内に配置され発熱部品を含む複数の電子部品と、前記排気口に対向する吐出口と前記筐体内に開口する吸気口とを有し、前記筐体内に配置され前記筐体の内気を吸気し前記吐出口から前記排気口に向けて排出する冷却ファンと、前記筐体内で、前記冷却ファンの吐出口と前記排気口との間に配置され、前記吐出口と前記排気口とに繋がる流通路と前記流通路内に露出する放電電極とを有するイオン発生器と、を備えている。
図1は、第1実施形態に係るノート型のパーソナルコンピュータを示す斜視図。 図2は、前記パーソナルコンピュータの筐体の内部を示す斜視図。 図3は、前記パーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図。 図4は、前記冷却ファン、イオン発生器、イオン発生制御回路を示す斜視図。 図5は、図3の線A-Aに沿った、イオン発生器部分の断面図。 図6は、前記パーソナルコンピュータの制御系を模式的に示すブロック図。 図7は、第2実施形態に係るパーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図。 図8は、第3実施形態に係るパーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を示す斜視図。 図9は、第3実施形態に係るパーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図。 図10は、第4実施形態に係るパーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す斜視図。 図11は、変形例に係るイオン発生器を示す斜視図。
以下図面を参照しながら、実施形態に係る電子機器ついて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略あるいは簡略化することがある。
(第1実施形態)
図1は、電子機器の一例として、第1実施形態に係るノート型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)の斜視図である。
図1に示すように、PC10は、第1筐体12および第2筐体14を備えている。第1筐体12および第2筐体14は、一対のヒンジ15により互いに回動可能に連結されている。本実施形態では、第1筐体12および第2筐体14は、いずれも扁平な略直方体状に形成されている。一対のヒンジ15は、各筐体の長辺側の側縁に長手方向に離間して設けられている。
第1筐体12は、矩形状の底壁を有するベース16と、ベース16に嵌合されたトップカバー18と、を備えている。トップカバー18は、矩形状の上壁および上壁の側縁に沿って立設された複数の側壁を一体に有している。第1筐体12は、合成樹脂あるいは金属で形成されている。
トップカバー18の中央部および後半部に亘ってほぼ矩形状の開口19が形成され、この開口19内にキーボード21が露出して設けられている。トップカバー18のほぼ前半部分は、パームレスト23を形成している。パームレスト23の中央部には、タッチパッド25が設けられている。また、トップカバー18の後端側の側壁には、後述する複数の排気口が設けられている。一対のヒンジ15は、トップカバー18の後端部に設けられ、互いに第1筐体12の長手方向に離間して配置されている。
本実施形態において、第2筐体14は、ディスプレイユニットを構成している。第2筐体14は、偏平な矩形状のディスプレイハウジング20およびディスプレイハウジング20に収容された表示パネル22を備えている。ディスプレイハウジング20の前壁には、表示用の窓24が形成されている。窓24は前壁の大部分にわたる大きさを有し、この窓24を通して表示パネル22の表示面がディスプレイハウジング20の外方に露出している。表示パネル22は、画像やテキスト情報など通常の表示専用でもよいし、これに加えてタッチ入力可能なタッチパネルを兼ねられるものであってもよい。
第2筐体14は、一対のヒンジ15により第1筐体12に対して回動可能に支持されている。これにより、第2筐体(ディスプレイユニット)14は、パームレスト23やキーボード21を含む第1筐体12の上面を覆うように倒される閉塞位置と、第1筐体12の上面および表示パネル22を露出させるように起立する開き位置とに亘って回動可能となっている。なお、図1では、第2筐体14が開き位置に回動された状態のPC10を示している。
図2は、図1で示す状態から第1筐体12を反転し、第1筐体12の底壁を外した状態における、内部構造を示す第1筐体12の斜視図である。
図示のように、トップカバー18の内面は、矩形状の上壁18a、左右の一対の側壁18b、18c、後側壁18d、前側壁18eを有し、例えば、合成樹脂あるいは金属により一体に成形されている。後側壁18dの長手方向の中央部に複数の排気口26が設けられている。複数の排気口26は、後側壁18dの長手方向に間隔を置いて並んでいる。
上壁18aの内面の上に、バッテリ30、一対のスピーカ32が設置され、前述したパームレスト23の背面側に位置している。キーボード21は、バッテリ30と後側壁18dとの間で、上壁18aの上に配置されている。更に、上壁18aの上で、キーボード21に重ねて、矩形状のプリント回路基板34A、34Bが設置され、バッテリ30と後側壁18dとの間に位置している。プリント回路基板34Aの上には、発熱部品としてのCPU(中央演算処理装置)36、メモリM、記憶デバイス(一例では、ソリッドステイトドライブ(SSD))40、複数のコネクタ38、等を含む複数の電子部品が実装されている。プリント回路基板34Bには、通信モジュール42、複数のコネクタ45を含む複数の電子部品が実装されている。
トップカバー18の上壁18aに2つの冷却ファンFA1、FA2が設置され、後側壁18dの近傍に位置している。冷却ファンFA1、FA2は、第1筐体12の内気および熱を吸気し、排気口26から機外に排気するファンである。前述した発熱部品である、CPU36、メモリM、バッテリ30、SSD40、通信モジュール42は、冷却ファンFA1、FA2を囲むように、冷却ファンの周囲に配置されている。これにより、冷却ファンFA1、FA2は、これらの電子部品から発っせられた熱を吸気および機外に排気することにより、これらの電子部品の冷却に寄与する。
本実施形態では、2つの冷却ファンを設けているが、これに限らず、冷却性能および機内の発熱温度に応じて、冷却ファンは1つ、あるいは、3つ以上とすることも可能である。
本実施形態では、一方の冷却ファンFA2の吐出口と第1筐体12の排気口26との間に放熱フィン44が設けられている。他方の冷却ファンF1の吐出口と第1筐体12の排気口26との間にイオン発生器50が設けられている。
図3は、PC10における、冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図である。
図2および図3に示すように、冷却ファンFA2(第2冷却ファンに相当)は、ファン60およびこのファン60を囲んだファンケース62を備えている。ファンケース62は、アルミニウム等の金属で形成され、円弧状のサイドフレームと、サイドフレームに固定され互いに隙間を置いて対向するトップ板62aおよびロワー板62bと、を有している。トップ板62aとロワー板62bとの間に、ファン60および図示しないファンモータが設けられている。ファンモータは、例えば、ロワー板62bに支持されている。ファンケース62は、トップ板62aに形成された吸気口IP1およびサイドフレームに形成された吐出口OP1を有している。
冷却ファンFA2は、ロワー板62bがトップカバー18の上壁18aと重なり、かつ、ファン60の回転軸が上壁18aとほぼ直交するよう配設されている。ファンケース62の吐出口OP1は、トップカバー18の後側壁18dに隙間を置いてほぼ平行に対向し、かつ、複数の排気口26に対向している。ファンケース62の吸気口IP1は、第1筐体12の内部に開口している。
PC10は、比較的発熱量の多いCPU36を積極的に冷却するための冷却ユニット70を更に備えている。冷却ユニット70は、第1筐体12内に設けられている。冷却ユニット70は、アルミニウム等の放熱性の高い金属で形成された放熱板71と、アルミニウム等で形成された多数枚のフィンを有し全体としてほぼ矩形状に形成された放熱フィン44と、放熱板71と放熱フィンと44とを熱的に連結するヒートパイプ72と、を有している。
放熱板71は、図示しない伝熱シートを介してCPU36の表面に接触して配置されている。放熱フィン44は、冷却ファンFA2の吐出口OP1と第1筐体12の排気口26との間に配置されている。放熱フィン44の複数のフィンは、それぞれ後側壁18dとほぼ直交する方向に設けられ、後側壁18dの長手方向に所定の間隔を置いて平行に並んでいる。ヒートパイプ72の一端部は、複数のフィンに接続されている。
冷却ユニット70によれば、CPU36の発熱は、伝熱シートおよび放熱板71を介してヒートパイプ72に伝わり、更に、ヒートパイプ72を介して放熱フィン44に伝熱される。そして、伝わった熱は、放熱フィン44から放熱される。その際、冷却ファンFA2を作動することにより、第1筐体12内の内気および熱が吸気口IP1からファンケース62内に吸気され、圧縮された状態で吐出口OP1から放熱フィン44を通して排気口26に送られ、放熱フィン44から放熱された熱とともに排気口26から機外に排気される。これにより、CPU36および第1筐体12の内部の冷却が成される。
図2および図3に示すように、冷却ファンFA1は、ファン80およびこのファン80を囲んだファンケース82を備えている。ファンケース82は、アルミニウム等の金属で形成され、円弧状のサイドフレームと、サイドフレームに固定され互いに隙間を置いて対向するトップ板82aおよびロワー板82bと、を有している。トップ板82aとロワー板82bとの間に、ファン80およびファンモータ81が設けられている。ファンモータ81は、例えば、ロワー板82bに支持されている(図5参照)。ファンケース82は、トップ板82aに形成された吸気口IP2およびサイドフレームに形成された吐出口OP2を有している。
冷却ファンFA1は、ロワー板82bがトップカバー18の上壁18aと重なり、かつ、ファン80の回転軸が上壁18aとほぼ直交するよう配設されている。ファンケース82の吐出口OP2は、トップカバー18の後側壁18dに隙間を置いてほぼ平行に対向し、かつ、複数の排気口26に対向している。ファンケース82の吸気口IP2は、第1筐体12の内部に開口している。本実施形態において、冷却ファンFA1は、冷却ファンFA2と第1筐体12の長手方向に並んで配置されている。
イオン発生器50は、冷却ファンFA1の吐出口OP2と第1筐体12の排気口26との間に配置されている。イオン発生器50は、放熱フィン44とほぼ等しい寸法の矩形箱状に形成されている。イオン発生器50は、放熱フィンに代えて、放熱フィンの設置位置、すなわち、冷却ファンFA1の吐出口OP2と後側壁18dとの間に配置されている。イオン発生器50の動作を制御する制御回路基板52が上壁18aの上に設置され、冷却ファンFA1と通信モジュール42との間に位置している。制御回路基板52は、配線を介してイオン発生器50に接続されている。
図4は、冷却ファンFA1およびイオン発生器50を示す斜視図、図5は、図3の線A-Aに沿った冷却ファンおよびイオン発生器の断面図である。
図4に示すように、イオン発生器50は、合成樹脂等の絶縁材料で形成された扁平な矩形箱状のハウジング54を有している。ハウジング54の一方の主面54aの長手方向の一部の領域に、矩形状の凹所53が形成されている。凹所53は、主面54aおよび一対の側面に開口している。凹所53の長手方向の一端側に側壁55が立設されている。側壁55の高さは、主面54aの高さに一致している。
イオン発生器50は、ハウジング54の中に設けられた2つの放電電極56a、56bを有し、これらの放電電極56a、56bは図示しない配線を介して制御回路基板52に電気的に接続されている。放電電極56a、56bは、凹所53の底面から凹所53内に突出し、凹所53内に露出している。放電電極56a、56bは、ハウジング54の長手方向に互いに間隔を置いて並んで配置されている。制御回路基板52から放電電極56a、56bにプラス(+)とマイナス(-)の電圧を印加することにより、プラズマ放電し、空気中の水と酸素とから水素のプラスイオン(H+)と酸素のマイナスイオン(O2-)を発生させる。
図4および図5に示すように、イオン発生器50は、所定の隙間dを置いてファンケース82に対向している。この隙間dは、イオン発生器50の放電電極56a、56bと金属からなるファンケース82との間に空間距離を確保するために、適宜、設定される。隙間dを設けることにより、ファンケース82がプラズマ放電に与える影響とファンが生成するノイズ音を低減することができる。
イオン発生器50の主面54aおよび冷却ファンFA1のトップ板82aの外面に亘って絶縁シートISが貼付されている。絶縁シートISは、側壁55の延出端まで延在し、これらの延出端にも貼付されている。絶縁シートISは、ハウジング54の凹所53を覆い凹所53の底面と間隔を置いて対向している。更に、絶縁シートISは、カバー部材を構成し、冷却ファンFA1とイオン発生器50との間の隙間dを覆っている。すなわち、絶縁シートISは、隙間dの上側の開口を塞いでいる。絶縁シートISと凹所53とにより、冷却ファンFA1の吐出口OP2と第1筐体12の排気口26と結ぶトンネル状の流通路Pが形成される。一対の放電電極56a、56bは、流通路P内に露出している。
上記のように、金属によるイオン発生への影響を避けるために、金属カバーではなく、絶縁シートISをイオン発生器50の主面およびファンケース82に貼り付ける事で、空間距離および沿面距離を確保したトンネル状の流通路Pを形成することが可能となる。
冷却ファンFA1を作動させると、第1筐体12内の内気および熱が吸気口IP2からファンケース82内に吸気され、ファン80により圧縮された状態で吐出口OP2からイオン発生器50の流通路Pを通って排気口26に送られ、排気口26から機外に排気される。同時に、イオン発生器50のプラズマ放電により発生した水素のプラスイオン(H+)と酸素のマイナスイオン(O2-)は、イオン発生器50の流通路Pを通る圧縮空気により排気口26から機外に放出され、その周りに水分子が付いたクラスターイオンとなる。放出されたクラスターイオンは、外気に浮遊する浮遊菌やウイルスの表面のたんぱく質を分解してその作用を抑制し、空気を清浄化する。
PC10における冷却ファンFA1、FA2の制御動作について説明する。
図6は、PC10の制御系を概略的に示すブロック図である。図示のように、制御部として機能するCPU36は、第1筐体12の内部の温度、特に、CPU36の温度を検知する温度センサTSにより検知された温度に応じて、冷却ファンFA2を駆動する。一例では、検知温度が所定の設定温度以上に上昇した際、CPU36は、ファンドライバD2を介して冷却ファンFA2を駆動し、CPU36および第1筐体12の内部を冷却する。CPU36は、検知温度が設定温度以下に下がるまで冷却ファンFA1を継続して駆動する。設定温度以下の状態において、CPU36は、冷却ファンFA2を停止しても良いし、あるいは、冷却ファンFA2を低速度で常時駆動するようにしても良い。
一方、CPU36は、イオン発生器50の作動状況に応じて他方の冷却ファンFA1の動作を制御する。メモリMに格納されているオペレーションソフト(OS)により、一定時間ごとにイオン発生器50を作動するように設定させている場合、あるいは、オペレータの指示によりイオン発生器50のオンが設定されている場合、CPU36はイオン発生器50の作動時にファンドライバD1を介して冷却ファンFA1を駆動し、圧縮された内気をイオン発生器50に送る。これにより、イオン発生器50のプラズマ放電により発生した水素のプラスイオン(H+)と酸素のマイナスイオン(O2-)が排気口26から機外に拡散される。
本実施形態に係るPC10において、2つの冷却ファンFA1、FA2および冷却ユニット70により、CPU36の温度制御および第1筐体12内の冷却を行っている。CPU36の負荷が軽い場合は、発熱量は低いため、1つの冷却セットでもCPUの温度制御が可能となる。このように、CPU冷却機構を複数備えていても、条件によっては、単体での冷却で済む場合がある。本実施形態によれば、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、片方の冷却機構のスペースに、放熱フィンとほぼ同一寸法の小型のイオン発生器を排他で実装することにより、PC10の筐体を大型化することなく流用し、かつ、他の部品の実装への影響を少なくして、PC10の他の機能が損なわれることを回避可能としている。
イオン発生器50を放熱フィン44とほぼ同じ外形サイズに形成され、放熱フィンと同様に冷却ファンFA1の吐出口側に配置されている。冷却ファンFA1によって圧縮された空気をイオン発生器50の放電電極56、56bを通過して排気口に送られる。この際、金属によるイオン発生への影響を避けるために、冷却ファンの金属カバーではなく、絶縁シートISをイオン発生器50の主面およびファンケースに貼り付ける事で、空間距離および沿面距離を確保したトンネル状の流通路Pを形成している。そのため、冷却ファンFA1で圧縮された空気を効率的に放電電極の配置された流通路Pを通過させることができ、発生イオンを効率良く機外に放出することが可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、PC、冷却用の冷却ファンを用いてイオン拡散可能とすることにより、イオン拡散専用のファンを設ける必要がなく、省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることが可能な電子機器を提供することができる。
なお、上述実施形態において、絶縁シートISを設ける代わりに、イオン発生器50のハウジング54と一体の絶縁板部に置き換えてもよい。すなわち、上面の閉塞したトンネル状の流通路を有するハウジング54としてもよい。
次に、他の実施形態に係る電子機器、例えば、PCについて説明する。以下に述べる他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成部分には、第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略または簡略化する場合がある。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係るパーソナルコンピュータにおける、冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図である。
図7に示すように、第2実施形態によれば、冷却ファンFA2の吐出口OP1に隣接対向して放熱フィン44Aが設けられ、更に、放熱フィン44Aと後側壁18dの排気口26との間に、イオン発生器50Aが設置されている。他方の冷却ファンFA1の吐出口OP2に隣接対向して放熱フィン44Bが設けられ、更に、放熱フィン44Bと後側壁18dの排気口26との間に、イオン発生器50Bが設置されている。
放熱フィン44A、44Bは、ヒートパイプ72の一端部に機械的かつ熱的に接続されている。イオン発生器50A、50Bは、それぞれ前述した第1実施形態におけるイオン発生器50と同様の寸法および構造に形成されている。イオン発生器50A、50Bは、配線を介して制御回路基板52に接続され、この制御回路基板52により動作が制御される。
このように、両方の冷却ファンFA2、FA1に放熱フィンを含む冷却ユニット70を設けるとともに、両方の冷却ファンFA2、FA1の吐出口と後側壁18dの排気口26との間にイオン発生器50A、50Bをそれぞれ配置している。
上記構成の場合、CPU36は、CPU36および第1筐体12の内部温度に応じて、および、イオン発生器50Aの作動状態に応じて、冷却ファンAF2の動作を制御する。同様に、CPU36は、CPU36および第1筐体12の内部温度に応じて、および、イオン発生器50Bの作動状態に応じて、冷却ファンFA1の動作を制御する。
上記のように構成された第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様に、冷却用の冷却ファンを用いてイオン拡散可能とすることにより、省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることができる。また、放熱フィン44を2セットおよびイオン発生器50を2セット、設けることにより、電子機器の冷却性能を維持しつつ、イオン拡散量の増大を図ることができる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係るパーソナルコンピュータにおける、冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を示す斜視図、図9は、第3実施形態に係るパーソナルコンピュータにおいける、冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図である。
図示のように、第3実施形態によれば、PC10は、第1筐体12の中に設けられた単一の冷却ファンFA1を備えている。冷却ファンFA1は、第1筐体12の角部に設けられている。第1筐体12の後側壁18dは、角部の近傍に設けられた複数の排気口26を有している。複数の排気口26は、後側壁18dの長手方向に間隔を置いて並んでいる。更に、後側壁18dと交差し角部を形成している第1筐体12の側壁18cは、角部の近傍に設けられた複数の排気口26bを有している。複数の排気口26bは、側壁18cの長手方向に間隔を置いて並んでいる。
冷却ファンFA1は、ファン80およびこのファン80を囲んだファンケース82を備えている。ファンケース82は、アルミニウム等の金属で形成されている。ファンケース82は、トップ板82aに形成された吸気口IP2およびサイドフレームに形成された2つの吐出口OP2、OP3を有している。
冷却ファンFA1は、ファン80の回転軸が上壁18aとほぼ直交するように、上壁18aに設置されている。ファンケース82の吐出口OP2は、後側壁18dに隙間を置いてほぼ平行に対向し、かつ、複数の排気口26に対向している。ファンケース82の吐出口OP3は、側壁18cに隙間を置いてほぼ平行に対向し、かつ、複数の排気口26bに対向している。ファンケース82の吸気口IP2は、第1筐体12の内部に開口している。
冷却ファンFA1の吐出口OP2と後側壁18dとの間に放熱フィン44が設置されて、排気口26に対向している。放熱フィン44は、ヒートパイプ72を介して放熱板71に熱的に接続されている。放熱板71は、CPU36に重ねて配置されている。
冷却ファンFA1の吐出口OP3と側壁18cとの間にイオン発生器50が設置されて、排気口26bに対向している。イオン発生器50は、配線を介して制御回路基板52に接続され、この制御回路基板52により動作が制御される。
イオン発生器50は、前述した実施形態におけるイオン発生器と同様に構成されている。すなわち、イオン発生器50は、矩形箱状のハウジング54と、ハウジング54の中に設けられた2つの放電電極56a、56bを有している。これらの電極56a、56bは図示しない配線を介して制御回路基板52に電気的に接続されている。放電電極56a、56bは、ハウジング54の凹所内に露出している。イオン発生器50の主面および冷却ファンFA1の外面に亘って絶縁シートISが貼付されている。絶縁シートISは、ハウジング54の凹所を覆い、更に、冷却ファンFA1とイオン発生器50との間の隙間を覆っている。絶縁シートISと凹所とにより、冷却ファンFA1の吐出口OP3と第1筐体12の排気口26bと結ぶトンネル状の流通路Pが形成される。一対の放電電極56a、56bは、流通路P内に露出している。
上記構成の場合、CPU36は、CPU36および第1筐体12の内部温度に応じて、かつ、イオン発生器50の作動状態に応じて、冷却ファンAF1の動作を制御する。
上記のように構成された第3実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様に、冷却用の冷却ファンを用いてイオン拡散可能とすることにより、省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることができる。冷却ファンFA1に2つの吐出口OP2、OP3を設けることにより、一方の吐出口OP2に対向して放熱フィン44を設け、他方の吐出口OP3に対向してイオン発生器50を設けている。これにより、冷却ファンが1つの場合でも冷却機能とイオン発生機能とを共存させることができる。
なお、第3実施形態において、イオン発生器50を後側壁18dの側に、放熱フィン44を側壁18cの側に、設置することも可能である。
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係るパーソナルコンピュータの冷却ファン、イオン発生器、冷却機構を模式的に示す平面図である。
図示にように、第4実施形態によれば、前述した第3実施形態に係るPC10に対して、更に冷却用の他の冷却ファンFA2を設けている。冷却ファンFA2は、冷却ファンFA1に並んで配置されている。冷却ファンFA2のファンケース62は、吐出口OP1と吸気口IP1とを有している。冷却ファンFA2は、吐出口OP1が後側壁18dと間隔を置いて平行に対向するように配置されている。
冷却ファンFA2の吐出口OP1と後側壁18dとの間に放熱フィン44Aが設置されて、排気口26に対向している。放熱フィン44Aは、ヒートパイプ72を介して放熱板71に熱的に接続されている。
第4実施形態において、PC10の他の構成は前述した第3実施形態に係るPCと同一である。
上記構成の場合、CPU36は、CPU36および第1筐体12の内部温度に応じて、冷却ファンAF2の動作を制御する。また、CPU36は、CPU36および第1筐体12の内部温度に応じて、かつ、イオン発生器50の作動状態に応じて、冷却ファンFA1の動作を制御する。
上記のように構成された第4実施形態によれば、前述した第3実施形態と同様に、冷却用の冷却ファンを用いてイオン拡散可能とすることにより、省スペース化とイオン発生機能との両立を図ることができる。冷却ファンFA1に2つの吐出口OP2、OP3を設けることにより、一方の吐出口OP2に対向して放熱フィン44Bを設け、他方の吐出口OP3に対向してイオン発生器50を設けている。これにより、冷却ファンFA1により、冷却機能とイオン発生機能とを共存させることができる。更に、第4実施形態によれば、冷却ファンFA2を追加することにより、CPUの冷却性能が向上する。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、電子機器は、パーソナルコンピュータに限定されることなく、他の種々の電子機器に本発明を適用可能である。電子機器の筐体内に配設されている発熱部材は、CPUに限らず、他の電子部品、例えば、メモリ、バッテリ等も含まれる。
冷却ファン、放熱フィンの形状、形成材料は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、他の形状、他の形成材料に変更可能である。
また、先に説明した発明の実施の形態では、CPU36が、イオン発生器50の作動状況に応じて他方の冷却ファンFA1の動作を制御することとしたが、これに限られず、CPU36と通信可能な電源制御回路により、冷却ファンFA1の動作制御やイオン発生50の動作制御を行っても良い。このようにすることで、PC本体の駆動状態によらず、イオン発生器50によるイオン生成とイオン拡散が可能となる。また、この電源制御回路は図示していないネットワーク回路と通信可能に接続されており、ネットワーク回路からの制御信号を基に、冷却ファンFA1の動作制御やイオン発生50の動作制御を行っても良い。これにより、遠隔操作により冷却ファンFA1の動作制御やイオン発生50の動作制御を行なうことが可能となる。
前述したように、イオン発生器は、絶縁シートに対応する構成部分を一体に有した構成としてもよい。一例では、図11に示すように、絶縁シートの代わりに、イオン発生器50のハウジング54は、絶縁材料、例えば、合成樹脂により、矩形箱状に形成され、互いに対向する一対の側壁を貫通して延びるトンネル状の流通路Pを備えた構成としてもよい。
10…パーソナルコンピュータ(PC)、12…第1筐体、14…第2筐体、
18…トップカバー、18a…上壁、18b、18c…側壁、18d…後側壁、
20…キーボード、22…ディスプレイパネル、26、26b…排気口、36…CPU、
44、44A、44B…放熱フィン、50、50A、50B…イオン発生器、
52…制御回路基板、54…ハウジング、56a、56b…放電電極、
62、82…ファンケース、62a、82a…トップ板、62b、82b…ロワー板、71…放熱板、72…ヒートパイプ、FA1、FA2…冷却ファン、
P…流通路、IS…絶縁シート、OP1、OP2、OP3…吐出口

Claims (11)

  1. 排気口が設けられた壁部を有する筐体と、
    前記筐体の内に配置され発熱部品を含む複数の電子部品と、
    前記排気口に対向する吐出口と前記筐体内に開口する吸気口とを有し、前記筐体内に配置され前記筐体の内気を吸気し前記吐出口から前記排気口に向けて排出する冷却ファンと、
    前記筐体内で、前記冷却ファンの吐出口と前記排気口との間に配置され、前記吐出口と前記排気口とに繋がる流通路と前記流通路内に露出する放電電極とを有するイオン発生器と、
    を備える電子機器。
  2. 前記冷却ファンは、前記吸気口および前記吐出口を有するファンケースと、前記ファンケース内に配置されたファンと、を備え、
    前記イオン発生器は、前記吐出口に対向して、前記ファンケースに隙間を置いて配置され、前記隙間を覆うカバー部材を更に備えている請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記イオン発生器は、凹所を有する箱状のハウジングと、前記ハウジングに設けられ前記凹所の中に露出している前記放電電極と、を備え、
    前記カバー部材は、前記ハウジングおよび前記冷却ファンの前記ファンケースに亘って貼付された絶縁シートを含み、前記絶縁シートは、前記凹所を覆いトンネル状の前記流通路を規定しているとともに前記隙間を覆って延在している請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記イオン発生器は、トンネル状の前記流通路を有するハウジングと、前記ハウジングに設けられ前記流通路に露出している前記放電電極と、を備えている請求項2に記載の電子機器。
  5. 前記冷却ファンは、前記吐出口と異なる方向に開口した第2吐出口を有し、
    前記筐体は、前記第2吐出口に対向する複数の第2排気口が設けられた第2壁部を有し、
    前記第2吐出口と第2排気口との間に設けられた放熱フィンを更に備える請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記発熱部品に重ねて配置された放熱板と、前記放熱フィンに接続された一端部と前記放熱板に接続された他端部とを有するヒートパイプと、を更に備える請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記冷却ファンの前記吐出口と前記イオン発生器との間に設けられた放熱フィンと、前記発熱部品に重ねて配置された放熱板と、前記放熱フィンに接続された一端部と前記放熱板に接続された他端部とを有するヒートパイプと、を更に備える請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記発熱部品の温度あるいは前記筐体の内部の温度に応じて、かつ、前記イオン発生器の作動状態に応じて、前記冷却ファンの動作を制御する制御部を更に備えている請求項5から7のいずれか1項に記載の電子機器。
  9. 前記排気口に対向する吐出口と前記筐体内に開口する吸気口とを有し、前記筐体の内に前記冷却ファンに並んで配置された第2冷却ファンと、前記第2冷却ファンの前記吐出口と前記排気口との間に設けられた放熱フィンと、前記発熱部品に重ねて配置された放熱板と、前記放熱フィンに接続された一端部と前記放熱板に接続された他端部とを有するヒートパイプと、を更に備える請求項1に記載の電子機器。
  10. 前記イオン発生器の作動状態に応じて前記冷却ファンの動作を制御し、前記発熱部品の温度あるいは前記筐体の内部の温度に応じて、前記第2冷却ファンの動作を制御する制御部を更に備えている請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記電子部品は、前記冷却ファンの周囲に配設された中央演算処理装置、バッテリ、メモリ、記憶デバイス、通信モジュールを含んでいる請求項1に記載の電子機器。
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