以下、添付図面を参照して実施形態にかかるゲーミングマシンについて説明する。なお、各図において同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係るゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。ここでゲーミングマシンとは、プレイヤーから賭金、メダル、トークン等の賭けに供するものを受け付けてゲームを開始し、ランダムに決定されたゲーム結果に応じて賞金、特典、配当をプレイヤーに支払う機器である。このようなゲーミングマシンは、地区の規定に従って設計および製造され、機器として認可機関による認可を得た上でカジノ等のライセンスを受けた施設に設置される。図1に示されるゲーミングマシン10は、所定のゲーム価値をプレイヤーから受け付け、ゲーム結果を生成し、ゲーム結果およびペイテーブルに応じてプレイヤーに配当を提供し得る。ゲーミングマシン10は、一例としてビデオスロットゲームを提供する。ビデオスロットゲームは、例えば、通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームを含む。通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームは、所定の条件が満たされたときに提供される。通常ゲーム、フリーゲーム、および特別ゲームにおいては、表示領域に表示されるシンボルが、ゲーム結果であるシンボルの組み合わせを構成し、その組合せで入賞が判定される。
図1に示されるように、ゲーミングマシン10は、ディスプレイ16(表示部の一例)およびキャビネット12を備える。キャビネット12は、ゲーミングマシン10の構成要素を制御する制御部22(図2参照)も収容する。
ディスプレイ16は、液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置などの平面パネルディスプレイ装置である。ディスプレイ16は、制御部22を介して制御されることによって、ゲーム画面をプレイヤーへ提供する。ディスプレイ16の周囲には、装飾的な照明を提供するイルミネーション36が設けられてもよい。
キャビネット12は、ディスプレイ16の下側に配置される。キャビネット12には、その前面に前方へ張り出すようにしてコントロールパネル18が設けられる。コントロールパネル18には、プレイヤートラッキングユニット20、スピーカ26、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、および、操作部32が設けられる。
プレイヤートラッキングユニット20は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダー、データをプレイヤーに提示するディスプレイ、およびプレイヤーによる入力を受け付けるキーパッドを含む。プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22または外部システムと共に協調動作することによって、プレイヤーによってカードリーダーに挿入されたプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取り、その情報および/または外部システムと通信することによって取得された情報をディスプレイ上に表示する。さらに、プレイヤーからの入力がキーパッドによって受け付けられ、ディスプレイがその入力に従って変更され、必要に応じて外部システムとの通信が実行される。
スピーカ26は、コントロールパネル18の左右に設けられる。スピーカ26は、制御部22を介して制御されることによってサウンドをプレイヤーに提供する。
紙幣/チケット識別ユニット28は、紙幣/チケットが挿入される挿入開口部を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。挿入口の内側には各種センサで紙幣/チケットを識別する識別部が設けられる。識別部の出力口側には紙幣/チケット貯留部が設けられる。紙幣/チケット識別ユニット28は、ゲーム価値である紙幣/チケット(バウチャーおよびクーポンを含む)を受け付けて、ゲーム価値として識別し、制御部22に通知する。
プリンタユニット30は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。チケット出力口の内側には所定情報を印刷用紙に印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入口側には印刷用紙を収容する収容部が設けられる。プリンタユニット30は、制御部22の制御下で、情報を用紙に印刷し、クレジット払い出し処理に従ってゲーミングマシン10からチケットを出力する。出力されたチケットは、別のゲーミングマシンの紙幣/チケット識別ユニット28に挿入されることによって、払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、または、カジノ内のキオスク端末またはカジノケージで換金され得る。
操作部32は、プレイヤーの操作を受け付ける。操作部32は、ゲーミングマシン10のプレイヤーから種々の指示を受け付けるボタンのグループを含む。例えば、操作部32は、スピンボタンおよび設定ボタンのグループを含んでもよい。スピンボタンは、ゲームのインスタンスを開始する(リールの回転を開始する)ための指示を受け付ける。設定ボタンのグループは、ライン設定ボタンのグループ、ベットボタンのグループおよびキャッシュアウトボタンなどを含む。ベットボタンのグループは、プレイヤーからのベットのクレジット額(ベット額)に関する指示操作を受け付ける。キャッシュアウトボタンは、ゲーミングマシン10に蓄積されたクレジットの払い出しを指示する指示操作を受け付ける。
図2は、ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。ゲーミングマシン10は、制御部22を含む。制御部22は、制御部22を構成するプロセッサを含むCPU(Central Processing Unit)38、インターフェイスユニット40、メモリ42、およびストレージ44などを備える。制御部22は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。制御部22は、インターフェイスユニット40を介して各部と通信可能に構成され、CPU38のメモリ42(記憶部の一例)またはストレージ44(記憶部の一例)に記録されたプログラムを実行することによって各部の動作を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。
インターフェイスユニット40は、CPU38に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU38の通信機能を提供するチップセットを含む。
メモリ42は、揮発性の記憶媒体であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶媒体であるROM(ReadOnly Memory)、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROM(ElectricallyErasable Programmable Read-Only Memory)を含む構成とすることができる。ストレージ44は、外部記憶装置としての機能を制御部22に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカードおよび光磁気ディスクなどの読み取り装置を使用することができ、ハードディスクを利用することも可能である。
インターフェイスユニット40には、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、プレイヤートラッキングユニット20、グラフィックコントローラ(GPU:Graphics Processing Unit)50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54が接続される。グラフィックコントローラ50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。
制御部22は、グラフィックコントローラ50を介してディスプレイ16に接続される。制御部22は、入力コントローラ52を介して操作部32に接続される。制御部22は、イルミネーションコントローラ54を介してイルミネーション36に接続される。
制御部22は、メモリ42およびストレージ44に格納されたプログラムを実行することによって各部を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。ここで、例えば、制御部22の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータをメモリ42のEEPROMに格納し、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータをストレージ44に格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ44を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。さらに、制御部22は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
以下、制御部22に接続された各ブロックについて説明する。紙幣/チケット識別ユニット28は、挿入口で紙幣/チケットを受け付け、紙幣種別またはクレジットの払い出し処理に対応する識別情報を制御部22に通知する。制御部22は通知された内容に応じてゲーム内で使用可能なクレジット額を増加させる。プリンタユニット30は、操作部32に含まれるキャッシュアウトボタンの操作を受け付ける制御部22の制御下で、ゲーミングマシン10からのクレジット払い出し処理に対応した情報を、チケットに印刷されて出力される。
プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22と協調動作し、プレイヤーの情報などをカジノ管理システムとの間で送受信する。グラフィックコントローラ50は、制御部22の制御下でディスプレイ16を制御し、各種グラフィックスデータを含むディスプレイイメージを表示する。サウンドコントローラ53は、制御部22の制御下でスピーカ26を駆動し、アナウンス、効果音、BGMなどの各種サウンドを提供する。イルミネーションコントローラ54は、制御部22の制御下でイルミネーション36の点灯制御を行う。
インターフェイスユニット40は、ゲーミングマシン10の外部と通信するための各種通信インターフェイスを含む。インターフェイスユニット40は、一例として、イーサネット55,58,60、およびシリアルインターフェイス62によって外部ネットワークと通信することができる。図2においては、他のゲーミングマシン10、公知のサーバサイドのゲーミングネットワーク(サーバベースゲーミング)、G2Sネットワーク(ゲーム-システム間)、およびスロット情報システム(スロットデータシステム)とそれぞれ通信を行う場合の一例が示される。制御部22は、I/Oボードを介さずにイーサネット55を介して他のゲーミングマシン10の制御部22と通信することにより、他のゲーミングマシン10とゲームに関する情報を共有することができる。
図3は、図1のゲーミングマシンの表示領域の概略図である。図3に示されるように、所定のプログラムを実行している制御部22によって、ディスプレイ16には、スロットゲームを表示するシンボル表示領域64を有するゲーム画面が表示される(シンボル表示機能の一例)。シンボル表示領域64は、一例としてゲーム画面の下方の領域に表示される。シンボル表示領域64の上方には、ゲームに関する情報などが表示される領域65が用意されている。
シンボル表示領域64は、シンボルを表示可能なグリッド68を含んでいる。このような表示領域を使用することによって、ゲーミングマシン10は、シンボル表示領域64のグリッド68に表示されるシンボルの組合せに従って入賞判定を行い、配当を支払うスロットマシンとして動作する(特典付与機能の一例)。
ディスプレイ16は、複数のシンボルをグリッド68に表示する。グリッド68は、複数の行および列を含む。グリッド68は、シンボルの停止位置である複数のセル70によって構成される。図3は5×3のグリッド状に配置された複数のセルを含むゲーム画面を示す。グリッドの列数や行数は、特に限定されず、3-4-4-4-3等の他の構成であってもよく、ゲーム展開および/またはベット額に応じて増減する構成としてもよい。シンボル表示領域64の複数のセル70のそれぞれには、1つのシンボルが停止して表示される。
複数のセル70のそれぞれに配置されるシンボルは、仮想リール66を表示するための仮想リールストリップを用いて決定される。図4の(A)は、仮想リールセットを示す図である。仮想リールセットは、複数の仮想リールストリップを含み、仮想リールストリップは、表示領域に表示されるシンボルの序列を示すシンボル配列を含む。図4の(A)に示されるように、グリッド68の各セル70には、仮想リールセット82をなす仮想リールストリップ72、74、76、78、および80を含む仮想リール66のシンボル配列に基づいてシンボルが表示される。つまり、グリッド68のセル70は、列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられており、各仮想リールストリップ72~80の所定部分に配置されたシンボルが表示される。さらに、仮想リールストリップ72~80のシンボル配列に基づいて列ごとに各シンボルを移動(スクロールまたはスピン)することによってグリッド68のセル70に表示されるシンボルが変動し、列ごとに移動(スクロールまたはスピン)を停止することによってシンボルが停止される。ここで、仮想リールストリップ72~80はデータであり、制御部22は、メモリ42またはストレージ44に含まれるプログラム、およびセル列ごとに調整されるシンボル配列(すなわち各リールストリップ上のシンボルの並び順)を表示するデータを使用する。仮想リールセット82は、このような仮想リールストリップ72~80の総称である。
図4の(A)に示した仮想リールストリップ72~80は、各シンボル位置86にあるシンボル84で構成されており、これらのシンボルはリールごとに定義された順に並ぶ。仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数はこれに限定されず、所望の数とすることができる。また、仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数は同一であってもよいし、互いに相違しても構わない。
図4の(B)は、図4の(A)に示されたシンボル84の詳細である。各仮想リールストリップ72~80は、図4の(B)に示された種々のシンボル84のシンボルセット88から選択されたシンボルを含む。シンボルセット88は、標準シンボルとしてトランプを模したカードシンボル(「9」、「10」、「J」、「Q」、「K」および「A」)、ならびにパターンを示す絵柄シンボル(「PicA」、「PicB」、「PicC」、「PicD」および「PicE」)を含む。シンボルセット88は、入賞組み合わせが判定されたときに別のシンボルとして代用されるワイルドシンボル(「Wild」)を含む。仮想リールセットは、ゲーム内容に応じて複数用意されてもよい。例えば、通常ゲームで使用される仮想リールセットと、フリーゲームで用いられる仮想リールセットとを別にしてもよい。フリーゲーム時の仮想リールセットは通常ゲーム時の仮想リールセットと比較して、絵柄シンボルまたはワイルドシンボルを多く含む構成としてもよい。このようにすることで、フリーゲーム時の入賞確率を増加させることができ、プレイヤーに価値の高いフリーゲームを提供することができる。
制御部22は、ゲームを開始し、各仮想リールストリップ72~80の停止位置をランダムに決定する。ディスプレイ16に表示される仮想リールストリップ72~80は、現在の位置から移動(スクロールまたはスピン)し、停止位置に基づいて停止して、ゲームの結果を表す。このため、ディスプレイ16またはグリッド68においては、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルは、シンボル表示領域64の垂直方向に仮想リールストリップ72~80が連続的に移動(スクロールまたはスピン)することに応じて変動し、仮想リールストリップ72~80に規定されたシンボルの順序に従って1つのセル70に1つのシンボルが停止するように表示される。
制御部22は、操作部32によって受け付けられたプレイヤーの操作に従って、前述の方法によりディスプレイ16に表示される複数のシンボルを変動させ、所定の順で停止させ、シンボル表示領域64内で停止させたシンボルに従って配当を支払う構成とすることができる。
シンボル表示領域64にはペイラインが設定される。ペイラインは、左端の列のセルから右端の列に跨がるように設定される。ペイラインは、プレイヤーに選択されることにより有効化され、入賞ラインとなる。入賞ラインは、複数のセル70を組み合わせて入賞を判定するラインである。入賞ラインの数は、プレイヤー用の操作部32の設定ボタンのグループに含まれるライン設定ボタンのグループの操作によって選択できる。制御部22は、シンボルの組み合わせであるゲームの結果に関して、入賞ライン上で同一シンボルが所定数を超えて揃った場合に入賞と判定し、シンボルのタイプおよび個数に従って配当をプレイヤーに支払う。
制御部22は、上述したシンボル表示領域64を拡大することができる(表示領域変更機能及び状態設定機能の一例)。例えば、制御部22は、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合には次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64を拡大する。つまり、現在のゲームにおけるシンボル表示領域64の大きさは前回のゲーム結果に依存している。なお、一回のゲームとは、複数のシンボルがシンボル表示領域64に表示されてから、表示されているシンボルが変動および停止して、シンボル表示領域64にシンボル組み合わせがゲーム結果として表示されるまでをいう。所定の条件は、ゲーム結果に所定のシンボルが含まれることであってもよいし、ゲームの結果として表示されたシンボル組み合わせが所定の組み合わせを形成したことであってもよい。所定のシンボルは、一例としてワイルドシンボルである。
制御部22は、シンボルが複数列に並んで表示されるシンボル表示領域64において、少なくとも1つの列をなすシンボル数が増加するようにシンボル表示領域64を列の延在方向に沿って拡大する。つまり、仮想リールストリップ72~80に対応する表示領域が仮想リールストリップの延在方向に拡大されることでシンボル表示領域64が拡大される。仮想リールストリップ72~80は、その一部の仮想リールストリップに対応する表示領域が拡大されてもよいし、全ての仮想リールストリップに対応する表示領域が拡大されても構わない。表示領域の拡大サイズは、仮想リールストリップ72~80ごとに異なっていてもよいし、全ての仮想リールストリップ72~80において同一であっても構わない。
制御部22は、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合、現在のシンボル表示領域64のグリッド状に配置されたセルに、予め定められた行数分のセルを追加して次回のゲームにおけるシンボル表示領域64を拡大することができる。例えば、制御部22は、ゲーム結果が所定の条件を満たすたびに、グリッド状に配置されたセルに1行分のセルを追加してもよいし、グリッド状に配置されたセルに複数行分のセルを追加しても構わない。追加される行数は可変にすることもできる。例えば、ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを1個含む場合には一行分のセルを追加し、ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを2個含む場合には二行分のセルを追加してもよい。このように、ゲーム結果に含まれるワイルドシンボルの個数に応じて追加されるセルの行数を変更してもよい。
図5は、図3に示されるシンボル表示領域が拡大された状態を説明する図面である。図5に示されるように、このシンボル表示領域64は、5×4のグリッド状に配置された複数のセルを含んでいる。つまり、シンボル表示領域64は、図3に示されるシンボル表示領域64と比べて、セル85が一行分だけ追加された形で拡大されている。これにより、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルのうちシンボル表示領域64に表示されるシンボルの個数は、1リールあたり3個から4個に変更されている。
図6は、図5に示されるシンボル表示領域がさらに拡大された状態を説明する図面である。図6に示されるように、このシンボル表示領域64は、5×7のグリッド状に配置された複数のセルを含んでいる。つまり、シンボル表示領域64は、図5に示されるシンボル表示領域64と比べて、セル85が三行分だけ追加される形で拡大されている。これにより、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルのうちシンボル表示領域64に表示されるシンボルの個数は、1リールあたり4個から7個に変更されている。
制御部22は、シンボル表示領域が予め設定された大きさに拡大した場合には、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合であっても次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64を拡大しなくてもよい。つまり、予め設定された大きさは、シンボル表示領域64の許容最大サイズを意味する。例えば、図6に示される5×7のグリッドのシンボル表示領域64が予め設定された大きさである場合には、5×7のグリッドのシンボル表示領域64においてゲーム結果がワイルドシンボルを含む場合であっても次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64は拡大されない。これにより、ゲーム画面を予め定められた大きさの範囲内に収めることができる。
制御部22は、また、シンボル表示領域64を縮小することもできる(表示領域変更機能及び状態設定機能の一例)。例えば、制御部22は、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果が所定の条件を満たさない場合には次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64を縮小する。制御部22は、シンボルが複数列に並んで表示されるシンボル表示領域64において、少なくとも1つの列をなすシンボル数が減少するようにシンボル表示領域64を列の延在方向に沿って縮小する。つまり、仮想リールストリップ72~80が仮想リールストリップの延在方向に縮小されることでシンボル表示領域64が縮小される。仮想リールストリップ72~80は、その一部の仮想リールストリップに対応する表示領域が縮小されてもよいし、全ての仮想リールストリップに対応する表示領域が縮小されても構わない。仮想リールストリップ72~80の縮小サイズは、仮想リールストリップ72~80ごとに異なっていてもよいし、全ての仮想リールストリップ72~80において同一であっても構わない。
制御部22は、さらに、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果が所定の条件を満たさない場合には、現在のシンボル表示領域64のグリッド状に配置されたセルから予め定められた行数分のセルを削除する形で、次回のゲームにおけるシンボル表示領域64を縮小する。例えば、制御部22は、現在のシンボル表示領域が図6に示される5×7のグリッドのシンボル表示領域64である場合に、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果が所定の条件を満たさないときには、次回のゲームにおいては図5に示される5×4のグリッドのシンボル表示領域64を用いてゲームを提供する。これにより、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルのうちシンボル表示領域64に表示されるシンボルの個数は、1リールあたり7個から4個に変更される。あるいは、制御部22は、現在のシンボル表示領域が図5に示される5×4のグリッドのシンボル表示領域64である場合に、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果が所定の条件を満たさないときには、次回のゲームにおいては図3に示される5×3のグリッドのシンボル表示領域64を用いてゲームを提供する。これにより、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルのうちシンボル表示領域64に表示されるシンボルの個数は、1リールあたり4個から3個に変更される。
制御部22は、さらにまた、シンボル表示領域が予め設定された大きさにまで縮小している場合には、所定回数のゲームが提供される間にゲーム結果が所定の条件を満たさない場合であっても、次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64を縮小しなくてもよい。つまり、予め設定された大きさは、シンボル表示領域64の許容最小サイズを意味する。例えば、図3に示される5×3のグリッドのシンボル表示領域64が予め設定された大きさである場合には、5×3のグリッドのシンボル表示領域64において所定回数のゲームが提供される間にゲーム結果がワイルドシンボルを含まない場合であっても、次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64は縮小されない。これにより、一定のゲーム画面を保ちながらゲームを提供することができる。
上述したシンボル表示領域の遷移を図7に示す。図7は、ゲームの状態の遷移を説明する図面である。ゲームの状態は、始端状態から終端状態に至る複数の段階のいずれかに設定されて保持される。図7に示される例では、ゲームの状態が始端状態である場合には、5×3のグリッドのシンボル表示領域64が用いられる。ゲームの状態が終端状態である場合には、5×7のグリッドのシンボル表示領域64が用いられる。ゲームの状態は、始端状態から終端状態までの間に、5×4のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態、5×5のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態、および5×6のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態に遷移可能である。制御部22は、現在のゲーム状態を図7に示されるゲーム状態のいずれかに設定し、保持する。保持とは、制御部22が記憶媒体に記録することである。制御部22は、次回のゲームを提供する際に、記憶媒体を参照してゲームを提供する。このため、プレイヤーが途中でプレイを終了してゲーミングマシン10を離れた後に、他のプレイヤーが当該ゲーミングマシン10においてプレイを開始した際には、先のプレイヤーが終了した時点でのゲーム状態が記憶媒体に記録されているので、当該ゲーム状態でゲームが提供される。
上述したとおり、制御部22は、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合に段階を次の段階へ進め、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果が所定の条件を満たさない場合には段階を前の段階に戻す。例えば、制御部22は、ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含む場合(図中のWild有の場合)には、段階を次の段階へ進める。制御部22は、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まない場合(図中のWild無の場合)には、段階を前の段階に戻す。
制御部22は、ゲームの状態が予め設定された段階にあるときにゲーム結果が所定の条件を満たした場合に、ボーナス特典を付与する(ボーナス付与機能の一例)。図7に示される例では、ゲーム状態が終端状態にあるときにゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含む場合(図中のWild有の場合)に、ボーナス特典が付与される。ボーナス特典は、一例としてボーナスゲームの提供である。ボーナスゲームは、例えば、所定回数のフリーゲームである。このように、制御部22は、予め設定された大きさに拡大したシンボル表示領域64を用いて提供されるゲームにおいて、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合にはボーナスゲームをさらに提供する。
なお、ボーナスゲームは、ゲーム状態が終端状態である場合に限定して提供されるものではなく、ゲーム状態が他の状態であってもよい。例えば、5×7のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態である場合にはワイルドシンボルが1個以上出現した場合にボーナスゲームを提供し、5×6のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態である場合にはワイルドシンボルが2個以上出現した場合にボーナスゲームを提供し、5×5のグリッドのシンボル表示領域64を用いるゲーム状態である場合にはワイルドシンボルが3個以上出現した場合にボーナスゲームを提供するように構成されてもよい。
制御部22は、ボーナスゲームの提供前に、ボーナスゲームの内容を決定するための特別ゲームを提供し、特別ゲームの結果に応じてボーナスゲームを提供してもよい。特別ゲームは、一例としてピックゲームである。制御部22は、ボーナスゲームの開始前にアイテムをディスプレイに表示させ、プレイヤーに選択(ピック)させ、アイテムに隠されている特典を、ボーナスゲームに適用する。アイテムに隠されている特典の一例は、シンボル表示領域64のさらなる拡大、フリーゲーム回数の増加、マルチプライヤの増加、ピック回数の増加などである。このように、制御部22は、ボーナスゲームを強化するチャンスをプレイヤーに与え、変化のあるゲームを提供する。
制御部22は、ボーナスゲームをトリガしたゲーム状態のシンボル表示領域64の大きさでボーナスゲームを提供してもよい。例えば、制御部22は、5×6のグリッドのシンボル表示領域64を有するゲーム状態でボーナスゲームをトリガした場合には、5×6のグリッドのシンボル表示領域64を用いてボーナスゲームを提供し、5×7のグリッドのシンボル表示領域64を有するゲーム状態でボーナスゲームをトリガした場合には、5×7のグリッドのシンボル表示領域64を用いてボーナスゲームを提供する。
制御部22は、ボーナスゲームが終了した場合には、次回のゲーム状態を予め定められたゲーム状態に設定する。図7に示される例では、ボーナスゲームが終了した場合には、制御部22はゲーム状態を始端状態に設定している。ボーナスゲームが終了した場合の次のゲーム状態は始端状態に限定されず、終端状態であってもよいし、ボーナスゲームをトリガしたゲーム状態であっても構わない。始端状態から終端状態までのランダムに決定された状態とすることも可能である。
図8および図9は、図2のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。図10は、図9のゲームアプリケーションプログラムのブロック図である。図11は、図9のシステムアプリケーションプログラムのブロック図である。図8~図11に示された実施形態においては、メモリ42がコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。また、一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、図12に示されたアルゴリズムを使用してゲームを実装するためのコンピュータ実行可能命令を含むプログラムコード94およびプログラムオブジェクトデータ96を含む。
例示的な実施形態においては、メモリ42はコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。ゲームアプリケーションプログラム92はCPUで実行することによりゲーム固有のフロントエンド機能を提供し、システムアプリケーションプログラム98は汎用的なバックエンド機能を提供する。図示した実施例においては、ゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98は、同一のオペレーティングシステム上に実装されている。ただし、これらのプログラムは互いに相違するオペレーティングシステム上に実装してもよいし、互いに相違するプロセッサ上に実装しても構わない。
一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100と、スタートボタンリスナーモジュール102と、クレジット残高マネージャモジュール104と、サンプリングマネージャ106と、ランダムナンバージェネレータ(RNG)108と、比較マネージャ110と、ゲーム結果ジェネレータ112と、入賞評価モジュール114と、ゲームプレゼンテータ116と、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118と、ゲームサウンドプレゼンテータ120と、入賞インジケータ122と、特典プロバイダ124と、アプリケーションマネージャ126と、外部コミュニケータ128とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。ゲームアプリケーションプログラム92は、配当表130(ペイテーブル)、リールストリップデータ132、および停止位置テーブル134を含むことができる。
ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、操作部32のベットボタン34またはライン設定ボタン33から信号を受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがボタンを操作してベット額または有効化するペイライン数を選択するときにボタンによって生成される。信号の受信に応じて、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、ゲームのベットまたは有効化するペイラインの構成を変更するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
スタートボタンリスナーモジュール102は、信号をスタートボタンから受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがこのボタンを操作してゲームを開始するときに生成される。信号の受信に応じて、スタートボタンリスナーモジュール102は、ゲームを開始するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
スタートボタンリスナーモジュール102からの信号の受信に応じて、アプリケーションマネージャ126はサンプリングマネージャ106に対して、必要な数の乱数をランダムナンバージェネレータ108から取得することを要求する。
ランダムナンバージェネレータ108は、所定の乱数生成計算アルゴリズムに基づいて乱数を生成するソフトウェアモジュールである。ランダムナンバージェネレータ108は、疑似乱数を生成する態様としてもよい。ランダムナンバージェネレータ108は、サンプリングマネージャ106からの要求に応じて乱数を返す。ランダムナンバージェネレータ108は、その一部または全部を集積回路またはワイヤードロジックとして実装してもよい。
比較マネージャ110は、ゲームの現在の状態および/または各乱数をリールストリップデータ132および停止位置テーブル134と比較し、各乱数に基づいて対応するリールストリップの停止位置を指定する。
リールストリップデータ132は、通常ゲーム、フリーゲームおよび特別ゲームのための仮想リールストリップを有する。上述した比較マネージャ110は、アプリケーションマネージャ126に問い合わせてゲームの現在の状態を識別し、仮想リールストリップを選択する。
停止位置テーブル134は、仮想リールストリップの各停止位置に関連付けられた乱数の範囲を含む。比較マネージャ110は、対応する乱数および停止位置テーブル134に基づいて各リールの停止位置を決定する。
ゲーム結果ジェネレータ112は、選択されたリールレイアウト、各リールの停止位置、内部シンボルの停止位置、および付加する属性に基づいてゲーム結果を生成する。一実施形態においては、ゲーム結果ジェネレータ112は、所定の条件が満たされたときに、ゲーム結果に対して変更を適用してもよい。
入賞評価モジュール114は、配当表130を参照してゲーム結果を評価する。具体的には、シンボル表示領域64において入賞ラインとして設定されたペイライン上に、配当表130で入賞組み合わせとして定義されているシンボルが停止しているかに基づいて入賞評価を行う。
ゲームプレゼンテータ116は、所定のゲーム結果を最終的に形成するために、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118およびゲームサウンドプレゼンテータ120を利用して、映像およびサウンドからなるゲームプレゼンテーションプロセスを提供する。
ゲームサウンドプレゼンテータ120は、サウンドコントローラ53およびスピーカ26を使用することによってサウンドプレゼンテーションプロセスを提供する。入賞インジケータ122は、ゲーム結果において形成された入賞シンボルの入賞組み合わせおよび支払い条件を示す。特典プロバイダ124は、入賞評価に基づいて特典クレジットを入賞メータに提供する。
アプリケーションマネージャ126は、各ソフトウェアモジュールの動作および状態を管理する。加えて、アプリケーションマネージャ126は、ゲームアプリケーションプログラム92の構成、進行、および状態を管理する。アプリケーションマネージャ126は、ゲーム状態記憶部127を参照し、記憶されたゲーム状態に基づいてシンボル表示領域64の大きさを決定し、ゲームを提供する。外部コミュニケータ128は、システムアプリケーションプログラム98との間で命令およびデータをやりとりする。
クレジット残高マネージャモジュール104は、ベット額に応じてクレジット残高をデクリメントするとともに、入賞メータに表示された入賞総数に基づいてクレジット残高のインクリメントを行うためのプロセスを実行する。配当表130は、各入賞組み合わせに関連付けられた配当額または特典額を含む。
例示的な実施形態においては、システムアプリケーションプログラム98は、バックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を提供する。システムアプリケーションプログラム98は、システムマネージャ142と、セキュリティマネージャ144と、スロット管理モジュール146と、デノミネーションマネージャ148と、データロガー150と、通信マネージャ152と、紙幣アクセプタマネージャ154と、メータ管理モジュール156と、キャッシュアウトマネージャ158とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
システムアプリケーションプログラム98は、ゲームリコールファイル160、会計ログ162、およびメータ164を含んでもよい。システムマネージャ142は、システムアプリケーションプログラム98によって実行されるバックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を全て管理するためのソフトウェアモジュールである。
セキュリティマネージャ144は、ゲームの検証の管理、ドアのセキュリティ、およびセキュリティセンサの監視のためのソフトウェアモジュールである。スロット管理モジュール146は、データの蓄積を管理し、外部スロット情報システムと通信するためのソフトウェアモジュールである。
デノミネーションマネージャ148は、ゲーミングマシン10のデノミネーション設定を設定するためのソフトウェアモジュールである。デノミネーション設定は、1セント、2セント、5セント、25セント、1ドル、5ドルなどを含むことができる。データロガー150は、各ゲームの結果をゲームリコールに記録するためのソフトウェアモジュールである。加えて、データロガー150は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを会計ログに格納する。
ゲームリコールファイル160は、各ゲームの結果を含む蓄積データである。ゲームリコールファイル160は、不揮発性メモリに格納される。会計ログ162は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。会計ログ162は、不揮発性メモリに格納される。
通信マネージャ152は、ゲームアプリケーションプログラム92とシステムアプリケーションプログラム98との間の通信を管理するソフトウェアモジュールである。通信マネージャ152は、システムアプリケーションプログラム98と、他のゲーミングマシン10、外部ネットワーク(スロット管理システムネットワーク、G2Sネットワーク、サーバベースゲーミングネットワーク用のゲーミングサーバ、またはVLTシステムネットワークなど)との間のネットワーク通信をも管理する。
紙幣アクセプタマネージャ154は、紙幣アクセプタを管理するためのソフトウェアモジュールであり、紙幣アクセプタに挿入された紙幣の情報を受け付ける。紙幣アクセプタからの情報の受信に応答して、紙幣アクセプタマネージャ154は、挿入された紙幣に基づいてクレジット残高をインクリメントするために、メータ管理モジュールと通信する。
メータ管理モジュール156は、通信マネージャ152、紙幣アクセプタマネージャ154、またはキャッシュアウトマネージャ158を介したゲームアプリケーションプログラム92との通信に応答してメータ164の値を調整するためのソフトウェアモジュールである。メータ164は、ゲーミングマシンの現在のクレジット残高を示すためのクレジットメータ、および現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メータを含む。メータは、コインイン、コインアウト、トータルドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメータをさらに含む。これらのメータは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメータとして実装されてもよい。
キャッシュアウトマネージャ158は、キャッシュアウト手順を管理するためのソフトウェアモジュールである。キャッシュアウトボタンでのプレイヤーの操作に応答して、キャッシュアウトマネージャ158が作動され、ゲーミングマシンが、クレジットメータの総数を現金またはバウチャーの形で支払う。
図12は、ゲーミングマシンの動作を説明するフローチャートである。ゲーミングマシンの動作のアルゴリズム(ゲーミング方法)は、ゲームアプリケーションプログラム92に実装されており、CPU38がゲームアプリケーションプログラム92を実行することにより具現化される。ゲーミングマシンの動作は複数のステップを含む。各ステップは、独立して実行されてもよく、他のステップと組み合わせて実行されてもよい。
ステップS10において、制御部22は、ゲーム状態を記憶媒体から読み込む。そして、ステップS12(表示領域変更ステップの一例)において、制御部22は、記憶媒体に記憶されたゲーム状態に応じたシンボル表示領域64を表示する。例えば、ゲーム状態が始端状態である場合には、制御部22は、5×3のグリッドのシンボル表示領域64を表示する。ゲーム状態が終端状態である場合には、制御部22は、5×7のグリッドのシンボル表示領域64を表示する。
続いて、ステップS14において、制御部22は、プレイヤーによるゲーム開始操作を受け付ける。制御部22は、プレイヤーからスピンボタンの操作を受け付けると、設定された総ベット額をクレジットから減額するとともに、ステップS16として、ゲームの提供に必要とされる所定の数の乱数を取得する。乱数は、制御部22のランダムナンバージェネレータ108で内部的に生成される。制御部22は、制御部22とは別に設けられたランダムナンバージェネレータから乱数を取得するようにしてもよく、ゲーミングマシン10外に設けられたサーバ等の装置から乱数を取得する構成としてもよい。
制御部22は、ステップS18(シンボル表示ステップの一例)としてリールスピンを開始および停止する。これにより、シンボル表示領域64に複数のシンボルが表示され、表示されているシンボルが変動し、シンボル表示領域64にシンボル組み合わせがゲーム結果として表示される。
制御部22は、シンボル表示領域64にゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせが入賞組み合わせを有するか判定する。制御部22は、一例として、シンボル表示領域64に表示されたシンボル組み合わせと、入賞組み合わせと、設定されているペイラインとに基づいて入賞を決定する。入賞したと判定された場合(ステップS20:YES)、制御部22は、ステップS22(特典付与ステップの一例)として、入賞に対応した額を特典として支払う。例えば、制御部22は、保持しているクレジットに入賞に対応した額を加算する。ステップS12~ステップS22までをゲーム提供ステップともいう。
入賞していないと判定された場合(ステップS20:NO)、または、入賞の支払い(ステップS22)が完了した場合には、制御部22は、ステップS24として、シンボル表示領域64に表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含むか判定する。シンボル組み合わせがワイルドシンボルを含むと判定された場合(ステップS24:YES)、制御部22は、ゲーム状態が終端状態であるかを判定する(ステップS26)。ゲーム状態が終端状態でないと判定された場合(ステップS26:NO)、シンボル表示領域64は未だ拡張可能であるので、制御部22は、ステップS28(表示領域変更ステップおよび状態設定ステップの一例)として、ゲーム状態を次の段階へ進めて、ゲーム状態を記憶する。例えば、現在のゲーム状態が5×3のグリッドのシンボル表示領域64を用いたゲーム状態である場合、制御部22は、次の段階である5×4のグリッドのシンボル表示領域64を用いたゲーム状態を記憶媒体に記憶する。
ゲーム状態が終端状態であると判定された場合(ステップS26:YES)、シンボル表示領域64は拡張不能であり、制御部22は、特別ゲームを提供する(ステップS30)。特別ゲームの一例は、ピックゲームである。制御部22は、ピックゲームの結果に基づいてフリーゲームの回数またはマルチプライヤなどを決定する。続いて、制御部22は、フリーゲームを提供する(ステップS32)。フリーゲームにおいて、図7に示されるようなゲームの状態の遷移が実施されてもよい。フリーゲームが終了した場合、制御部22は、ステップS34として、ゲーム状態を始端状態に戻して、ゲーム状態を記憶する。
一方、シンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まないと判定された場合(ステップS24:NO)、制御部22は、ゲーム状態が始端状態であるかを判定する(ステップS36)。ゲーム状態が始端状態でないと判定された場合(ステップS36:NO)、制御部22は、ステップS38として、シンボル表示領域64に表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まないゲームが所定回数連続したかを判定する。制御部22は、例えばステップS24の判定処理の結果を記憶媒体に記憶しておく。これにより、制御部22は、シンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まないゲームが所定回数連続したかを判定することができる。シンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まないゲームが所定回数連続したと判定された場合(ステップS38:YES)、シンボル表示領域64は未だ縮小可能であるので、制御部22は、ステップS40(表示領域変更ステップおよび状態設定ステップの一例)として、ゲーム状態を前の段階へ戻して、ゲーム状態を記憶する。例えば、現在のゲーム状態が5×4のグリッドのシンボル表示領域64を用いたゲーム状態である場合、制御部22は、前の段階である5×3のグリッドのシンボル表示領域64を用いたゲーム状態を記憶媒体に記憶する。
ステップS28のゲーム状態の記憶、ステップS34のゲーム状態の記憶、ステップS40のゲーム状態の記憶、ゲーム状態が始端状態であると判定された場合(ステップS36:YES)、およびシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まないゲームが所定回数連続していないと判定された場合(ステップS38:NO)には、図12に示されるフローチャートは終了する。図12のフローチャートが終了すると、制御部22は、所定の終了条件が満たされるまで、図12のフローチャートを最初から実行する。
以上、ゲーミングマシン10においては、ゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含む場合には次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64が拡大され、所定回数のゲームが提供されてもゲーム結果として表示されたシンボル組み合わせがワイルドシンボルを含まない場合には次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64が縮小される。このように、ゲーミングマシン10は、シンボル表示部の大きさを拡大および縮小することで入賞確率および/または入賞特典の期待値を複雑に変化させるので、ゲームが単調になることを防止することができる。また、ゲーミングマシン10は、ライン入賞判定に用いられるシンボルを条件としてシンボル表示領域の大きさを変更することができる。
ゲーミングマシン10においては、シンボルが表示される列に沿ってシンボル表示領域64が拡大及び縮小するため、ゲーミングマシン10は、シンボル表示領域64の拡大及び縮小をプレイヤーにとって理解しやすい態様で提供することができる。
ゲーミングマシン10においては、シンボル表示領域64が予め設定された大きさに拡大した場合には、ゲーム結果が所定の条件を満たす場合であっても次回のゲーム提供時にシンボル表示領域64が拡大されない。このため、ゲーミングマシン10は、予め決められた大きさの画面内においてシンボル表示領域64が拡大するゲームを提供することができる。ゲーミングマシン10は、シンボル表示領域が拡大及び縮小するゲームだけでなくボーナスゲームをさらに提供することができる。
ゲーミングマシン10においては、フリーゲームの提供前に、フリーゲームの内容を決定するための特別ゲームが提供される。このため、ゲーミングマシン10は、特別ゲームの結果に応じて内容の異なるボーナスゲームを提供できるので、プレイヤーにゲームをより長くプレイさせることができる。
ゲーミングマシン10は、クライアントコンピューティングデバイスであってもよく、この場合、ゲームは、ネットワークサーバコンピュータシステムから、通信ネットワークを経由して、1つまたは複数のクライアントコンピューティングデバイスに配信される。クライアントコンピューティングデバイスのプロセッサは、ゲーミングマシン10の制御部22として機能するようにプログラムすることができる。
ゲーミングマシン10をクライアントコンピューティングデバイスとする場合には、1)ゲーム実行に伴う大部分の処理をクライアント側で行いサーバに結果を送信するリッチクライアント方式としてもよいし、2)最低限の処理のみをクライアント側で行い、サーバ側で主要な処理を行うシンクライアント方式とすることもでき、3)データの記憶や処理の大部分をサーバ側で行い、クライアントは入出力に特化するゼロクライアント方式とすることも可能である。この場合には、実施例に示したソフトウェア構成をクライアントとサーバとに分散して実装することになる。
上述した実施形態では、グリッド68のセルの列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられている場合を示したが、セルのそれぞれに独立したリールを対応付けることも可能である。
上述したゲーミングマシン10の制御部22の機能は、コンピュータによりプログラムが実行されることでも実現され得る。すなわち、1又は複数のコンピュータを、上述した制御部22と同様に機能させるプログラムが作成可能である。プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されて、提供され得る。そのようなプログラムは複数のモジュールに分割されていてもよい。
また、各実施形態における動作についても種々変形が可能であり、例えば予め必要な数の乱数を取得してリール停止位置を決定し、特別ゲーム当選および入賞有無の判定を済ませてから、それらの内容をディスプレイ上に順次表示する態様であっても構わない。さらに、例えば、制御部22は、ゲーム開始時に、必要な数の乱数を一括で取得し、それぞれの乱数を電源異常時にも消去されないメモリ42またはストレージ44の記憶領域に記憶してもよい。このようにした場合、ゲーム中に電源異常などが発生しても、制御部22は、電源復旧後にゲームを再開する際に、電源異常発生前のゲーム開始時に取得された乱数をメモリ42またはストレージ44から取得することで、ゲームの進行を再現することができる。例えば、高い配当が得られるゲーム結果が形成される直前に電源異常が発生した場合において、電源復旧後に同様のゲームの進行がなされなければ問題となり得る。しかし、上述のようにゲーム開始時に全ての乱数を一括で取得し、これらの乱数をメモリ42またはストレージ44に退避させておくことで、電源復旧後に電源異常発生前と同様のゲームの進行を再現することができるため、このような問題を回避することができる。
また、上記実施形態では、遊技価値として紙幣またはチケットを示し、これらを紙幣/チケット識別装置で受け付けて、プリンタユニットでチケットを出力する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技価値は、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケットなどの有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。例えば、コインアクセプターでコインを受け付けて、コインホッパーからコインを支払う態様であっても構わない。プレイヤーを識別してサーバ上のアカウントに蓄積されたクレジットを使用し、アカウントへクレジットを払い出す態様であってもよく、磁気カード、ICカード等の記憶媒体に記録されたクレジットの情報を読み取って使用し、記憶媒体へ書き込むことでクレジットを払い出す態様であってもよい。さらに、スマートフォンやウエアラブルデバイスとの間で電子的にクレジットを移動させる態様としてもよい。